JP2001521742A - Svph1−26dnaおよびポリペプチド - Google Patents

Svph1−26dnaおよびポリペプチド

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JP2001521742A JP2000519084A JP2000519084A JP2001521742A JP 2001521742 A JP2001521742 A JP 2001521742A JP 2000519084 A JP2000519084 A JP 2000519084A JP 2000519084 A JP2000519084 A JP 2000519084A JP 2001521742 A JP2001521742 A JP 2001521742A
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nucleic acid
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    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
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    • C12N9/48Hydrolases (3) acting on peptide bonds (3.4)
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    • C12N9/6421Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25) derived from animal tissue from mammals
    • C12N9/6489Metalloendopeptidases (3.4.24)

Abstract

(57)【要約】 SVPH1-26ポリペプチドをコードするDNA、およびコードされたプロテイナーゼおよびポリペプチドの使用方法を開示する。SVPH1-26は精巣で発現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、精製および単離したSVPH1-26ポリペプチド、このようなポリペプチ
ドをコードする核酸、このようなポリペプチドの組換え体の生成方法、これらの
ポリペプチドに対して生成される抗体、これらのポリペプチド由来の断片化ペプ
チド、このようなポリペプチドおよび断片化ペプチドの分子量マーカーとしての
使用、このようなポリペプチドおよび断片化ペプチドのペプチド断片化の対照と
しての使用、このような核酸、ポリペプチドおよび抗体の細胞および組織マーカ
ーとしての使用、並びにこれらの試薬を含んでなるキットに関する。
【0002】 (発明の背景) タンパク質の発見と同定は、近代分子生物学および生化学の中心である。サン
プルタンパク質の一次構造、即ち配列の同定は、実験の中でも困難を極める部分
である。未知のサンプルタンパク質を同定するためには、研究者は当業者に周知
の様々な技術を用いて未知のタンパク質と既知のペプチドとを比較することに依
存している。例えば、タンパク質は通常、電気泳動法、沈降、クロマトグラフィ
ー、質量分析法などの技術を用いて分析する。
【0003】 未知のタンパク質サンプルと分子量の分かっているポリペプチドとを比較する
と、未知のタンパク質サンプルの見かけの分子量を測定できる(T.D.Brock およ
びM.T.Madigan, Biology of Microorganisms 76-77(Prentice Hall, 6d ed. 199
1))。タンパク質の分子量標準は市販されており、未知のタンパク質サンプルの
分子量の推定に役立つ(New England Biolabs Inc. Catalog:130-131, 1995; J.
L.Hartley, 米国特許第 5,449,758号)。ただし、見かけの分子量を精密に推定 するには、この分子量標準では未知のサンプルタンパク質とのサイズの対応が不
十分な場合がある。
【0004】 タンパク質を、化学的または酵素的手段により断片化する場合、分子量推定に
おける困難はさらに倍加する(A.L. Lehninger, Biochemistry 106-108 (Worth
Books, 2d ed. 1981))。化学的断片化は、メチオニン残基のカルボキシル側の ペプチド結合を切断する臭化シアンのような化学物質と共にタンパク質をインキ
ュベートして行うことができる(E.Gross, Methods in Enz. 11:238-255, 1967 )。タンパク質の酵素的断片化は、複数のアミノ酸残基にて切断を行うプロテア
ーゼと共にタンパク質をインキュベートして行うことができる(D.W.Cleveland
ら、J.Biol. Chem. 252:1102-1106, 1977)。タンパク質の酵素的断片化はまた 、リシン残基のカルボキシル側のペプチド結合を切断するAchromobacterプロテ アーゼI(F.SakiyamaおよびA.Nakata, 米国特許第5,248,599号; T.Masakiら、B
iochim. Biophys. Acta 660:44-50, 1981; T.Masaki ら、Biochim. Biophys. Ac
ta 660:51-55, 1981)のようなプロテアーゼと共にタンパク質をインキュベート
して行うこともできる。断片化したペプチドの分子量は広範囲にわたり、そのペ
プチドもおびただしい数にのぼる。断片化の程度も多様である(D.W.Cleveland ら、J.Biol. Chem. 252:1102-1106, 1977)。
【0005】 タンパク質は、そのアミノ酸成分が特異的であることから、それぞれユニーク
な組成となる。したがって、タンパク質内の切断部位もそれぞれユニークなもの
となる。化学的もしくは酵素的切断によりタンパク質を特異的に断片化すると、
ユニークな「ペプチドフィンガープリント」が得られる(D.W.Clevelandら、J.B
iol. Chem. 252:1102-1106, 1977;M.Brownら、J.Gen. Virol. 50:309-316, 1980
)。従って、特異的な部位で切断するため、所定のタンパク質から明確な分子量
のペプチドへの断片化が再現性よく得られる。さらに、これらのペプチドは、ペ
プチドの等電pHを決めるユニークな荷電特性を有している。こうしたユニークな
特性は、各種の電気泳動技術やその他の技術に活用できる(T.D.BrockおよびM.T
.Madigan, Biology of Microorganisms 76-77(Prentice Hall, 6d ed. 1991)) 。
【0006】 未知のタンパク質のペプチドフィンガープリントを取得したら、これを未知の
タンパク質の同定のため、既知のタンパク質のデータベースと比較できる(W.J.
Henzelら、Proc.Natl. Acad. Sci. USA 90:5011-5015, 1993; B.Thiedeら、Elec
trophoresis 1996, 17:588-599, 1996)。当業者はこのような比較を容易にする
多様なコンピュータソフトウェアプログラム、例えば、MultiIdent (インターネ
ットサイト: WWW.expasy.ch/sprot/multiident.html)、PeptideSearch (インタ ーネットサイト: WWW.mann.embl-heiedelberg.de…deSearch/FR#PeptideSearchF
orm.html)、およびProFound (インターネットサイト: WWW.chait-sgi.rockefell
er.edu/cgi-bin/prot-id-frag.html)などに、インターネットを通じてアクセス できる。これらのプログラムによりユーザーは、切断剤や、断片化ペプチドの指
定許容範囲内の分子量を特定できる。このプログラムはこれらの分子量をタンパ
ク質のデータベースと比較して、サンプルタンパク質の同一性の解明を助ける。
正確な同定には、断片化ペプチドの数や、これらのペプチドの明確な分子量に関
する、正確な情報が必要である。即ち、断片化ペプチドの数や、このペプチドの
明確な分子量の測定における精度を増せば、未知のタンパク質の同定がさらに正
確に行えるのである。
【0007】 タンパク質の断片化はまた、アミノ酸組成分析やタンパク質の配列決定のため
の断片生成(P.Matsudiara, J.Biol. Chem. 262:10035-10038, 1987; C.Eckersk
ornら、Electrophoresis 1988, 9:830-838, 1988)、特に「ブロックされた」N 末端をもつタンパク質からの断片生成にも用いられている。さらに、タンパク質
の断片化は、質量分析法用(W.J.Henzelら、Proc.Natl. Acad. Sci. USA 90:501
1-5015, 1993; B.Thiedeら、Electrophoresis 1996、17:588-599, 1996)、免疫
、アフィニティによる選択(R.A.Brown, 米国特許第5,151,412号)、修飾部位の
判定(例えばリン酸化)、活性な生物学的化合物の生成(T.D.BrockおよびM.T.M
adigan, Biology of Microorganisms 300-301 (Prentice Hall, 6d ed. 1991))
、並びに相同タンパク質の識別(M.Brownら、J.Gen. Virol. 50:309-316, 1980 )用のペプチドの調製に利用できる。
【0008】 タンパク質の研究およびタンパク質の構造と特性の解明に引き続き関心が集ま
る中、ペプチドの断片化の研究および分子量測定への利用に適するポリペプチド
が当業界で求められている。
【0009】 (発明の概要) 本発明はこうした当業界における要求を満たす助けとなる。本発明は、配列番
号1のDNA配列を含んでなる単離核酸分子、および配列番号2のアミノ酸配列を コードする単離核酸分子を包含する。本発明はさらに、これらの配列に相補的な
核酸分子を包含する。このように、本発明は、配列番号1のDNA配列を含んでな る二本鎖の核酸配列および配列番号2のアミノ酸配列をコードする単離核酸分子
を含む。一本鎖と二本鎖の両方のRNAおよびDNA SVPH1-26核酸分子が、本発明に 含まれる。これらの分子は、本発明に含まれるSVPH1-26の一本鎖と二本鎖の両方
のRNAおよびDNA変異体を検出するのに使用できる。二本鎖DNAプローブにより、 核酸分子のどちらか一方の鎖に相当する核酸分子を検出できる。本発明は、配列
番号1のDNA配列または配列番号2のアミノ酸配列をコードする単離核酸分子を 含んでなる変性二本鎖DNAに、50%ホルムアミドおよび6×SSC中、42℃の中程度
のストリンジェンシー条件下でかつ60℃、0.5×SSC、0.1%SDSの洗浄条件にてハ
イブリダイズする単離核酸分子を包含する。
【0010】 本発明はさらに、in vitro突然変異誘発により、配列番号1から誘導される単
離核酸分子を包含する。In vitro突然変異誘発には、当業界で周知の技術が数多
くあげられる。例えば、部位特異的変異誘発法、ランダム突然変異誘発法、およ
びin vitro核酸合成があるが、これに限られるものではない。本発明はさらに、
遺伝コードのため配列番号1から縮重する単離核酸分子、ヒトSVPH1-26の対立遺
伝子変異体である単離核酸分子、またはSVPH1-26DNAの種相同体(species homolo
g)を包含する。本発明はさらに、これらの核酸分子の発現を指令する組換えベク
ター、およびこれらベクターで形質転換もしくはトランスフェクトした宿主細胞
を包含する。
【0011】 本発明はまた、SDS-PAGEで測定した分子量が約82kDである単離ポリペプチド と非グリコシル化形態の単離ポリペプチドとを含む、前記核酸分子によりコード
される単離ポリペプチドを包含する。前記ポリペプチドに結合する、単離ポリク
ローナルまたはモノクローナル抗体は本発明に包含される。本発明はさらに、SV
PH1-26ポリペプチドの生成方法を包含し、この方法は、宿主細胞の培養を含み、
この培養条件はポリペプチドの発現とその培地からの回収を促進するものである
。特に、細菌、酵母、植物、および動物細胞中のSVPH1-26ポリペプチドの発現が
本発明に含まれる。
【0012】 さらに、SVPH1-26ポリペプチドの対向構造分子に関連する活性の阻害剤候補を
スクリーニングするためのSVPH1-26ポリペプチドを用いるアッセイ、並びにSVPH
1-26ポリペプチドの対向構造分子が媒介する疾患の治療のための治療薬としてSV
PH1-26ポリペプチドを用いる方法は、本発明に包含される。前記阻害剤の設計に
SVPH1-26ポリペプチドを用いる方法も、本発明の態様の一つである。
【0013】 本発明はさらに、化学的または酵素的処理によりSVPH1-26ポリペプチドから生
成した断片化ペプチドを包含する。また、化学的または酵素的手段による断片化
に必要な部位の少なくとも一つが突然変異している、SVPH1-26ポリペプチド分子
量マーカーおよびその断片化ペプチドの形態もまた、本発明の態様の一つである
【0014】 本発明はまた、SVPH1-26ポリペプチド分子マーカーおよびその断片化ペプチド
の電気泳動法を用いる視覚化方法をも包含する。本発明はさらに、SVPH1-26ポリ
ペプチド分子量マーカーおよびその断片化ペプチドを、分子量マーカーとして用
いて、タンパク質または断片化したタンパク質サンプルの分子量を推定する方法
を含む。本発明はさらにSVPH1-26ポリペプチドおよびその断片化ペプチドをマー
カーとして用いて、サンプルタンパク質の等電点の測定を助ける方法をも包含す
る。本発明はまた、SVPH1-26ポリペプチドおよびその断片化ペプチドを対照とし
て用いて、タンパク質サンプルの断片化の程度を確定する方法を包含する。
【0015】 本発明はさらに、SVPH1-26ポリペプチド分子量マーカー、その断片化ペプチド
、および化学的または酵素的手段による断片化に必要な部位の少なくとも一つが
突然変異しているSVPH1-26ポリペプチド分子量マーカーの形態、とを用いてサン
プルタンパク質の分子量の測定を助けるキットを包含する。
【0016】 本発明はさらに、SVPH1-26核酸、ポリペプチド、および抗体を、細胞および組
織マーカーとして用いてSVPH1-26発現細胞を同定および精製する方法を包含する
【0017】 以下、図面を参照しながら本発明をさらに詳細に説明する。
【0018】 (発明の詳細な説明) ヒトSVPH1-26ポリペプチドをコードするcDNAが単離され、配列番号1に開示さ
れている。このヒトSVPH1-26ポリペプチドをコードするcDNAの発見により、SVPH
1-26ポリペプチドをコードする核酸配列の構築、および該発現ベクターでトラン
スフェクトまたは形質転換された宿主細胞、単離精製タンパク質としての生物活
性を有するヒトSVPH1-26プロテイナーゼおよびSVPH1-26分子量マーカー、SVPH1-
26ポリペプチドと免疫反応性を有する抗体の作成を可能にする。
【0019】 SVPH1-26ポリペプチド(配列番号2)は、哺乳動物アダマリシン(adamalysins)(
ADAMS)で見とめられる全ての保存ドメイン構造を有している。すなわち、シグナ
ル配列(配列番号2のアミノ酸1〜27)、プロドメイン(配列番号2のアミノ酸28〜
197)、3つの保存His残基を含む触媒ドメイン(配列番号2のアミノ酸198〜398) 、ジスインテグリン(disintegrin)ドメイン(配列番号2のアミノ酸399〜502)、C
ysに富んだドメイン(配列番号2のアミノ酸503〜692)、膜貫通ドメイン(配列番 号2のアミノ酸693〜714)、ならびに細胞質ドメイン(配列番号2のアミノ酸715 〜726)。
【0020】 ADAMS1〜6は、受精および/または精子形成に深く関わる (Barker, H.L., Pe
rry, A.C., Jones, R.およびHall, L., Biochim Biophys Acta, 1218, 429-31,
1994;Blobel, C.P., Wolfsberg, T.G., Turck, C.W., Myles, D.G., Primakoff
, P. およびWhite, J.M., Nature, 356, 248-252, 1992;Evans, J.P., Schultz
, R.M.およびKopf, G.S., J. Cell Sci, 108, 3267-3278, 1995;Perry, A.C.,
Barker, H.L., Jones, R.およびHall.,L, Biochim Biophsy Acta, 1207, 134-13
7, 1994;Perry, A.C., Gichuhi, P.M., Jones, R.およびHall, L., Biochem J.
, 307, 843-850, 1995;Perry, A.C., Jones, R.およびHall, L., Biochem J.,
312, 239-244, 1995;Wolfsberg, T.G., Bazan, J.F., Blobel, C.P., Mules, D
.G., Primakoff, P.およびWhite, J.M., Proc Natl Acad Sci USA, 90, 10783-1
0787, 1993;ならびにWolfsberg, T.G., Straight, P.D., Gerena, R.L., Huovi
la, A.P, Primakoff, P., Myles, D.G.およびWhite, J.M., Dev Biol, 169, 378
-383, 1995)。SVPH1-26が精巣にて特異的に発現されるというノーザン分析によ る発見によっても、このファミリーメンバーは受精および/または精子形成に深 く関連づけられる。また、ADAM1は、精子および卵子の融合のために必要と分か
っているが、ヒトはこの遺伝子の活性形態を有していない。従って、SVPH1-26は
、ヒトにおける等価物でありうる。SVPH1-26の触媒ドメインは、生物活性に必要
である。触媒ドメインのプロテイナーゼインヒビターは、SVPH1-26活性を阻害し
、産児調節法として有用である。また、SVPH1-26のジスインテグリンドメインの
インヒビターは、受精をもたらしうる。
【0021】 SVPH1-26プロテイナーゼは、ヘビ毒プロテアーゼファミリーのメンバーである
。SVPH1-26プロテイナーゼは、TACEタンパク質と相同的で、20%のアミノ酸同一 性を有している。TACEは、TNFa、p80TNFR、p60TNFR、L-セレクチン、II型IL-1R
、およびb-アミロイド前駆体タンパク質などの膜タンパク質の切断(shedding) に必要とされるプロテイナーゼである。SVPH1-26プロテイナーゼはまた、精子が
卵子と結合するために必要であるフェリチリン-a(fertilin-a)(35%のアミノ酸 相同性)、筋芽細胞の筋細胞への融合に必要であるメルトリン-a(meltrin-a)(33
%のアミノ酸相同性)、ミエリン塩基性タンパク質を切断するリプロリシン(repro
lysin)(24%のアミノ酸相同性)、ならびに神経発生および軸索伸長に必要である 、リプロリシンのDrosophila相同体であるクズバニアン(kuzbanian)、とも相同 性を示す。SVPH1-26のプロテイナーゼ活性は、膜タンパク質の切断に関与してい
る可能性が高い。
【0022】 本発明の一実施形態では、SVPH1-26ポリペプチドをコードする配列を、別のポ
リペプチドをコードする配列と融合させてVPH1-26ポリペプチドの精製を促進す ることにより、組換えSVPH1-26ポリペプチドの発現を達成できる。このような融
合の例として、SVPH1-26ポリペプチドをコードする配列を、pMAL-c2ベクターのm
alE遺伝子産物をコードする配列(New England Biolabs, Inc.)に融合させること
が挙げられる。このような融合によって、融合タンパク質の親和精製、および精
製後の融合タンパク質のマルトース結合タンパク質部分のSVPH1-26ポリペプチド
からの分離が可能になる。SVPH1-26ポリペプチドの発現および精製のために多く
の異なるベクターおよび技術が使用できること、ならびに本実施形態が本発明の
範囲をいかようにも限定しないことが当然理解されよう。
【0023】 SVPH1-26ポリペプチドをコードするDNAの、pMAL-c2ベクターへの挿入は、既知
の分子生物学的技術を用いた様々な手法により達成できる。好ましい挿入構築物
は、SVPH1-26ポリペプチドのカルボキシ末端コドンに隣接して終止コドンを含む
。また、好ましい挿入構築物は、SVPH1-26ポリペプチドのアミノ末端が、pMAL-c
2ベクターの因子Xa開裂部位のカルボキシ末端へ直接融合することをもたらす。D
NA断片は、鋳型DNAとしてSVPH1-26DNA、および2つのオリゴヌクレオチドプライ
マーを用いたPCRによって生成できる。オリゴヌクレオチドプライマーの使用に より、従来の手段により単離できるDNA平滑末端断片が生成される。このPCR産物
は、従来手段を用いて、(制限エンドヌクレアーゼXmnIで消化された)pMAL-p2と ライゲートできる。従来手段により、陽性クローンを同定できる。融合タンパク
質の発現および精製の誘導は、製造元の指示書に従って行うことができる。この
構築により、製造元の指示書に従い簡単なプロテアーゼ処理を利用して、融合マ
ルトース結合タンパク質からのSVPH1-26ポリペプチドの正確な分離が容易になる
。このようにして、精製SVPH1-26ポリペプチドを得ることができる。さらに、こ
のような構築ベクターは、別の融合タンパク質を生成するために既知の分子生物
学的技術を用いて簡単に改変できる。
【0024】 [我々は、SVPH1-26ポリペプチドを発現するために生成した様々な発現ベクタ ーを開示できるが、発明者が知っているSVPH1-26ポリペプチドの好ましい発現方
法を記載する。]
【0025】 本発明の別の好ましい実施形態は、SVPH1-26ポリペプチドを分子量マーカーと
して使用して、ゲル電気泳動によって試料タンパク質の見かけ上の分子量を推定
することである。本発明の単離精製SVPH1-26ポリペプチド分子量マーカーは、グ
リコシル化なしではおよそ81,548ダルトンの分子量を有している。SVPH1-26ポリ
ペプチドを、試料タンパク質と共に、従来手段での変性ポリアクリルアミドゲル
電気泳動によって(U.K. Laemmli, Nature 227:680-685, 1970)、ドデシル硫酸ナ
トリウムおよびアクリルアミドを6〜20%の濃度で含むゲルからなる2本の別々の
レーン上で分解できる。ゲル上のタンパク質は、従来の染色法を用いて可視化で
きる。SVPH1-26ポリペプチド分子量マーカーは、試料タンパク質の見かけ上の分
子量を推定する際の分子量マーカーとして使用できる。SVPH1-26固有のアミノ酸
配列(配列番号2)は、およそ81,548ダルトンの分子量を示す。従って、SVPH1-26
ポリペプチド分子量マーカーは、81,548ダルトンに近い見かけ上の分子量を有す
る試料タンパク質の見かけ上の分子量を推定するための分子量マーカーとして特
に都合よく機能する。このポリペプチド分子量マーカーの使用により、81,548ダ
ルトンに近い見かけ上の分子量を有するタンパク質の見かけ上の分子量を決定す
る際の正確性が高まる。SVPH1-26ポリペプチドを用いて試料タンパク質の分子量
を決定するために多くの異なる技術を用いることができること、ならびに本実施
形態は本発明の範囲をいかようにも限定しないことが当然理解されよう。
【0026】 本発明の別の好ましい実施形態は、SVPH1-26ポリペプチドの化学的断片化によ
り生成されたSVPH1-26断片化ペプチド分子量マーカーを、ゲル電気泳動によって
試料タンパク質の見かけ上の分子量を推定するための分子量マーカーとして使用
することである。SVPH1-26ポリペプチド内のメチオニン残基のカルボキシル側の
特異的加水分解によりSVPH1-26ポリペプチド分子量マーカーの断片化を生じる従
来の条件下で、単離精製されたSVPH1-26ポリペプチドを臭化シアンで処理できる
(E.Gross, Methods in Enz. 11:238-255, 1967)。SVPH1-26ポリペプチドのアミ ノ酸配列が固有であるために、SVPH1-26ポリペプチド分子量マーカーの臭化シア
ンによる断片化によって、SVPH1-26断片化ペプチド分子量マーカーの固有のセッ
トが生成される。メチオニン残基の分布に応じて各ペプチド中のアミノ酸数が決
定し、各ペプチドの固有のアミノ酸組成に応じてその分子量が決定する。
【0027】 SVPH1-26ポリペプチドを臭化シアンで処理することによって生成された、SVPH
1-26断片化ペプチド分子量マーカーの固有のセットは、少なくとも10アミノ酸の
大きさを有した14の断片化ペプチドを含む。配列番号2のアミノ酸2〜21によっ てコードされたペプチドは約2,263ダルトンの分子量を有している。配列番号2 のアミノ酸22〜76にコードされたペプチドは約6,131ダルトンの分子量を有して いる。配列番号2のアミノ酸77〜135にコードされたペプチドは約6,587ダルトン
の分子量を有している。配列番号2のアミノ酸136〜171にコードされたペプチド
は約4,165ダルトンの分子量を有している。配列番号2のアミノ酸172〜184にコ ードされたペプチドは約1,514ダルトンの分子量を有している。配列番号2のア ミノ酸185〜306にコードされたペプチドは約14,163ダルトンの分子量を有してい
る。配列番号2のアミノ酸307〜350にコードされたペプチドは、約4,784ダルト ンの分子量を有している。配列番号2のアミノ酸351〜366にコードされたペプチ
ドは約2,021ダルトンの分子量を有している。配列番号2のアミノ酸367〜560に コードされたペプチドは約21,514ダルトンの分子量を有している。配列番号2の
アミノ酸561〜600にコードされたペプチドは約4,514ダルトンの分子量を有して いる。配列番号2のアミノ酸601〜628にコードされたペプチドは約2,960ダルト ンの分子量を有している。配列番号2のアミノ酸629〜642にコードされたペプチ
ドは約1,558ダルトンの分子量を有している。配列番号2のアミノ酸643〜682に コードされたペプチドは約4,409ダルトンの分子量を有している。配列番号2の アミノ酸689〜726にコードされたペプチドは約4,419ダルトンの分子量を有して いる。このように、臭化シアンでの化学処理によるSVPH1-26ポリペプチドの切断
により、SVPH1-26断片化ペプチド分子量マーカーの固有のセットが生成される。
これらのSVPH1-26断片化ペプチドの固有かつ既知のアミノ酸配列により、これら
の断片化ペプチド分子量マーカーの分子量が決定できる。この特定の場合におい
ては、SVPH1-26断片化ペプチド分子量マーカーは、約2,263;6,131;6,587;4,1
65;1,514;14,163;4,784;2,021;21,514;4,514;2,960;1,558;4,409;お よび4,419ダルトンの分子量を有する。
【0028】 SVPH1-26断片化ペプチド分子量マーカーを、試料タンパク質と共に、従来手段
での変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって、ドデシル硫酸ナトリウムお
よびアクリルアミドを10〜20%の濃度で含むゲルからなる2本の別々のレーン上 で分解できる。ゲル上のタンパク質は、従来の染色法を用いて可視化できる。SV
PH1-26断片化ペプチド分子量マーカーは、試料タンパク質の見かけ上の分子量を
推定する際の分子量マーカーとして使用できる。SVPH1-26の固有のアミノ酸配列
は、SVPH1-26断片化ペプチド分子量マーカーについて約2,263;6,131;6,587;4
,165;1,514;14,163;4,784;2,021;21,514;4,514;2,960;1,558;4,409; および4,419ダルトンの分子量を示す。従って、SVPH1-26断片化ペプチド分子量 マーカーは、2,263;6,131;6,587;4,165;1,514;14,163;4,784;2,021;21,
514;4,514;2,960;1,558;4,409;および4,419ダルトンに近い見かけ上の分子
量を有する試料タンパク質の見かけ上の分子量を推定するための分子量マーカー
として特に都合よく機能する。この結果、これらの断片化ペプチド分子量マーカ
ーの使用により、2,263;6,131;6,587;4,165;1,514;14,163;4,784;2,021 ;21,514;4,514;2,960;1,558;4,409;および4,419ダルトンに近い見かけ上 の分子量を有するタンパク質の見かけ上の分子量を決定する際の正確性が高まる
【0029】 さらなる実施形態において、試料タンパク質およびSVPH1-26ポリペプチドを、
試料タンパク質およびSVPH1-26ポリペプチド内のメチオニン残基のカルボキシル
側の特異的加水分解によって試料タンパク質およびSVPH1-26ポリペプチドの断片
化を生じる従来の条件下で、同時に、しかし別々に臭化シアンで処理できる。上
述したように、SVPH1-26ポリペプチドの臭化シアンでの切断によって生成される
SVPH1-26断片化ペプチド分子量マーカーは、約2,263;6,131;6,587;4,165;1,
514;14,163;4,784;2,021;21,514;4,514;2,960;1,558;4,409;および4,4
19ダルトンの分子量を有している。
【0030】 SVPH1-26ポリペプチドおよび試料タンパク質の両方から得た断片化ペプチドを
、従来手段での変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって、ドデシル硫酸ナ
トリウムおよびアクリルアミドを10〜20%の濃度で含むゲルからなる2本の別々 のレーン上で分解できる。ゲル上の断片化ペプチドは、従来の染色法を用いて可
視化できる。SVPH1-26断片化ペプチド分子量マーカーは、試料タンパク質から得
た断片化タンパク質の見かけ上の分子量を推定する際の分子量マーカーとして使
用できる。上述したように、SVPH1-26断片化ペプチド分子量マーカーは、2,263 ;6,131;6,587;4,165;1,514;14,163;4,784;2,021;21,514;4,514;2,960
;1,558;4,409;および4,419ダルトンに近い見かけ上の分子量を有する断片化 ペプチドの見かけ上の分子量を推定するための分子量マーカーとして特に都合よ
く機能する。この結果、これらのSVPH1-26断片化ペプチド分子量マーカーの使用
により、2,263;6,131;6,587;4,165;1,514;14,163;4,784;2,021;21,514 ;4,514;2,960;1,558;4,409;および4,419ダルトンに近い見かけ上の分子量 を有する断片化ペプチドの見かけ上の分子量を決定する際の正確性が高まる。SV
PH1-26ポリペプチドの断片化の程度を、さらに、試料タンパク質の完全な断片化
のために予想される条件を決定するための対照として使用する。SVPH1-26ポリペ
プチドを断片化するために多くの化学品が使用でき、本実施形態が本発明の範囲
をいかようにも限定しないことが当然理解されよう。
【0031】 別の実施形態においては、特定のアミノ酸残基でポリペプチドを切断する酵素
を用いて、SVPH1-26ポリペプチドから、SVPH1-26断片化ペプチド分子量マーカー
の固有のセットが生成できる。SVPH1-26ポリペプチドのアミノ酸配列の固有の性
質により、異なるアミノ酸残基における切断によって断片化ペプチド分子量マー
カーの異なるセットが生成される。
【0032】 SVPH1-26ポリペプチド内のリシン残基のカルボキシル側の特異的加水分解によ
ってSVPH1-26ポリペプチドの断片化を生じる従来の条件下で、単離精製SVPH1-26
ポリペプチドをAchromobacterプロテアーゼIによって処理できる(T. Masakiら 、Biochim. Biophys. Acta 660:44-50, 1981;T. Masakiら、Biochim.Biophys.A
cta 660:51-55, 1981)。SVPH1-26ポリペプチドのアミノ酸配列が固有であるため
、AchromobacterプロテアーゼIでのSVPH1-26ポリペプチド分子量マーカーの断 片化によってSVPH1-26断片化ペプチド分子量マーカーの固有のセットが生成され
る。リシン残基の分布に応じて各ペプチド中のアミノ酸数が決定し、各ペプチド
の固有のアミノ酸組成に応じてその分子量が決定する。
【0033】 SVPH1-26ポリペプチドをAchromobacterプロテアーゼIで処理することによっ て生成されたSVPH1-26断片化ペプチド分子量マーカーの固有のセットは、少なく
とも10アミノ酸の大きさを有した22の断片化ペプチドを含む。このSVPH1-26ポリ
ペプチドの酵素処理による22の断片化ペプチドの生成を、SVPH1-26ポリペプチド
を臭化シアン処理して得た14の断片化ペプチドと比較した場合、SVPH1-26ポリペ
プチドの断片化に利用する断片化処置によって断片化ペプチド分子量マーカーの
大きさおよび数の両方が異なることが明白に示される。これら断片の大きさおよ
び数は両方とも、SVPH1-26ポリペプチドのアミノ酸配列に従っている。
【0034】 配列番号2のアミノ酸1〜47によってコードされたペプチドは約5,263ダルトン
の分子量を有している。配列番号2のアミノ酸57〜80によってコードされたペプ
チドは約2,834ダルトンの分子量を有している。配列番号2のアミノ酸81〜146に
よってコードされたペプチドは約7,418ダルトンの分子量を有している。配列番 号2のアミノ酸147〜160によってコードされたペプチドは約1,589ダルトンの分 子量を有している。配列番号2のアミノ酸161〜179によってコードされたペプチ
ドは約2,180ダルトンの分子量を有している。配列番号2のアミノ酸180〜195に よってコードされたペプチドは約1,934ダルトンの分子量を有している。配列番 号2のアミノ酸196〜283によってコードされたペプチドは約10,104ダルトンの分
子量を有している。配列番号2のアミノ酸284〜301によってコードされたペプチ
ドは約2,208ダルトンの分子量を有している。配列番号2のアミノ酸315〜371に よってコードされたペプチドは約6,585ダルトンの分子量を有している。配列番 号2のアミノ酸376〜408によってコードされたペプチドは約3,751ダルトンの分 子量を有している。配列番号2のアミノ酸409〜431によってコードされたペプチ
ドは約2,518ダルトンの分子量を有している。配列番号2のアミノ酸432〜454に よってコードされたペプチドは約2,352ダルトンの分子量を有している。配列番 号2のアミノ酸458〜506によってコードされたペプチドは約5,467ダルトンの分 子量を有している。配列番号2のアミノ酸507〜516によってコードされたペプチ
ドは約1,174ダルトンの分子量を有している。配列番号2のアミノ酸517〜553に よってコードされたペプチドは約4,063ダルトンの分子量を有している。配列番 号2のアミノ酸554〜609によってコードされたペプチドは約6,282ダルトンの分 子量を有している。配列番号2のアミノ酸625〜638によってコードされたペプチ
ドは約1,501ダルトンの分子量を有している。配列番号2のアミノ酸639〜649に よってコードされたペプチドは約1,252ダルトンの分子量を有している。配列番 号2のアミノ酸650〜664によってコードされたペプチドは約1,851ダルトンの分 子量を有している。配列番号2のアミノ酸667〜679によってコードされたペプチ
ドは約1,188ダルトンの分子量を有している。配列番号2のアミノ酸680〜690に よってコードされたペプチドは約1,205ダルトンの分子量を有している。配列番 号2のアミノ酸691〜715によってコードされたペプチドは約2,946ダルトンの分 子量を有している。このように、AchromobacterプロテアーゼIでの酵素処理に よるSVPH1-26ポリペプチドの切断により、SVPH1-26断片化ペプチド分子量マーカ
ーの固有のセットが生成される。これらの断片化ペプチドの固有かつ既知のアミ
ノ酸配列により、これらのSVPH1-26断片化ペプチド分子量マーカーの分子量が決
定できる。この特定の場合においては、これらのSVPH1-26断片化ペプチド分子量
マーカーは、約5,263;2,834;7,418;1,589;2,180;1,934;10,104;2,208;6
,585;3,751;2,518;2,352;5,467;1,174;4,063;6,282;1,501;1,252;1,8
51;1,188;1,205;および2,946ダルトンの分子量を有する。
【0035】 この場合も、SVPH1-26断片化ペプチド分子量マーカーを、試料タンパク質と共
に、従来手段での変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって、ドデシル硫酸
ナトリウムおよびアクリルアミドを10〜20%の濃度で含むゲルからなる2本の別 々のレーン上で分解できる。ゲル上のタンパク質は、従来の染色法を用いて可視
化できる。SVPH1-26断片化ペプチド分子量マーカーは、試料タンパク質の見かけ
上の分子量を推定する際の分子量マーカーとして使用できる。SVPH1-26断片化ペ
プチド分子量マーカーは、5,263;2,834;7,418;1,589;2,180;1,934;10,104
;2,208;6,585;3,751;2,518;2,352;5,467;1,174;4,063;6,282;1,501;
1,252;1,851;1,188;1,205;および2,946ダルトンに近い見かけ上の分子量を 有するタンパク質の見かけ上の分子量を推定するための分子量マーカーとして特
に都合よく機能する。これらの断片化ペプチド分子量マーカーの使用により、5,
263;2,834;7,418;1,589;2,180;1,934;10,104;2,208;6,585;3,751;2,5
18;2,352;5,467;1,174;4,063;6,282;1,501;1,252;1,851;1,188;1,205
;および2,946ダルトンに近い見かけ上の分子量を有するタンパク質の見かけ上 の分子量を決定する際の正確性が高まる。
【0036】 別の実施形態において、試料タンパク質およびSVPH1-26ポリペプチド内のリシ
ン残基のカルボキシル側の特異的加水分解によって試料タンパク質およびSVPH1-
26ポリペプチドの断片化を生じる従来の条件下で、試料タンパク質およびSVPH1-
26ポリペプチドを、同時に、しかし別々にAchromobacterプロテアーゼIで処理 できる。SVPH1-26断片化ペプチド分子量マーカーおよび試料タンパク質から得た
断片化ペプチドを、従来手段での変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって
、ドデシル硫酸ナトリウムおよびアクリルアミドを10〜20%の濃度で含むゲルか らなる2本の別々のレーン上で分解する。ゲル上の断片化ペプチドは、従来の染
色法を用いて可視化できる。SVPH1-26断片化ペプチド分子量マーカーは、試料タ
ンパク質の見かけ上の分子量を推定する際の分子量マーカーとして使用できる。
SVPH1-26断片化ペプチド分子量マーカーは、5,263;2,834;7,418;1,589;2,18
0;1,934;10,104;2,208;6,585;3,751;2,518;2,352;5,467;1,174;4,063
;6,282;1,501;1,252;1,851;1,188;1,205;および2,946ダルトンに近い見 かけ上の分子量を有する断片化ペプチドの見かけ上の分子量を推定するための分
子量マーカーとして特に都合よく機能する。これらのSVPH1-26断片化ペプチド分
子量マーカーの使用により、5,263;2,834;7,418;1,589;2,180;1,934;10,1
04;2,208;6,585;3,751;2,518;2,352;5,467;1,174;4,063;6,282;1,501
;1,252;1,851;1,188;1,205;および2,946ダルトンに近い見かけ上の分子量 を有する断片化ペプチドの見かけ上の分子量を決定する際の正確性が高まる。さ
らに、SVPH1-26ポリペプチドの断片化の程度を、試料タンパク質の完全な断片化
のために予想される条件を決定するための対照として使用する。SVPH1-26ポリペ
プチドを断片化するために多くの酵素が使用でき、本実施形態が本発明の範囲を
いかようにも限定しないことが当然理解されよう。
【0037】 別の実施形態において、SVPH1-26ポリペプチドに対するモノクローナルおよび
ポリクローナル抗体を生成できる。Balb/cマウスに、3週間の間隔をおいて2回
、10μgの単離精製SVPH1-26ポリペプチド、またはSVPH1-26ポリペプチドのアミ ノ酸配列に基づくペプチドを、RIBIアジュバント(RIBI Corp., Hamilton, Monta
na)の存在下で腹腔内注射できる。その後、マウス血清を従来のドットブロット 技術または抗体捕捉(ABC)によりアッセイし、どの動物が最も良く融合するかを 決定する。三週間後、マウスに、滅菌PBSに懸濁したSVPH1-26ポリペプチドまた はペプチドを3μg静脈内追加抗原刺激する。三日後、マウスを屠殺し、確立さ れたプロトコールに従って脾臓細胞をAg8.653骨髄腫細胞(ATCC)と融合させる。 簡潔にいうと、Ag8.653細胞を、無血清培地中で数回洗浄し、脾臓細胞が3に対 して骨髄腫細胞が1の割合でマウス脾臓細胞と融合させる。融合剤は、50%PEG:1
0%DMSO(Sigma)である。融合物を、HATを添加したDMEM培地を含む20枚の96ウェル
平底プレート(Corning)に播種し、8日間増殖させる。得られたハイブリドーマ から上清を回収し、ヤギ抗マウスIgでまずコーティングした96ウェルプレートに
60分間入れる。洗浄した後、125I-SVPH1-26ポリペプチドまたはペプチドを各ウ ェルに加え、室温にて60分間インキュベートし、4回洗浄した。陽性ウェルは、
その後のKodak X-Omat Sフィルムを使用した-70℃でのオートラジオグラフィー により検出できる。陽性クローンを、バルク培養液中で増殖させることができ、
その後上清をプロテインAカラム(Pharmacia)にかけて精製する。SVPH1-26ポリ ペプチドおよびその断片化ペプチドに対する抗体を生成するために多くの技術が
使用でき、本実施形態が本発明の範囲をいかようにも限定しないことが当然理解
されよう。
【0038】 別の実施形態において、SVPH1-26およびその断片化ペプチドに対して生成され
た抗体を、SVPH1-26ポリペプチドまたは断片化ペプチド分子量マーカーと組み合
わせて使用して、試料タンパク質の見かけ上の分子量および等電点を決定するた
めにこれらの分子量マーカーを使用する際の正確性を向上できる。SVPH1-26ポリ
ペプチドまたは断片化ペプチド分子量マーカーを、過剰モルの試料タンパク質と
混合し、この混合物を従来手段での二次元電気泳動によって解析できる。ポリペ
プチドは、従来手段によって、ニトロセルロースなどの適切なタンパク質結合膜
に転移できる。
【0039】 膜上のポリペプチドは、試料タンパク質と分子量マーカーとを区別化できる2
つの異なる方法を用いて可視化できる。SVPH1-26ポリペプチドまたは断片化ペプ
チド分子量マーカーは、これらのマーカーに対して生成された抗体、および従来
のイムノブロッティング技術を用いて可視化できる。この検出は、試料タンパク
質を検出しない従来の条件下で行われる。試料タンパク質は、従来の染色法を用
いて可視化される。過剰モルの試料タンパク質対SVPH1-26ポリペプチドまたは断
片化ペプチド分子量マーカーは、従来の染色法で試料タンパク質が優先的に検出
されるようなものである。SVPH1-26ポリペプチドまたは断片化ペプチド分子量マ
ーカーの量は、従来の染色法ではこれらのマーカーがほとんどまたは全く検出さ
れないものである。SVPH1-26ポリペプチド分子量マーカーに対する試料タンパク
質の好ましいモル過剰量は、2〜100,000倍である。より好ましくは、SVPH1-26ポ
リペプチド分子量マーカーに対する試料タンパク質の好ましいモル過剰量は、10
〜100,000倍で、特に100〜1,000倍である。
【0040】 SVPH1-26ポリペプチドまたは断片化ペプチド分子量マーカーは、試料タンパク
質の見かけ上の分子量および等電点を推定する際の分子量マーカーおよび等電点
マーカーとして使用できる。SVPH1-26ポリペプチドまたは断片化ペプチド分子量
マーカーは、SVPH1-26ポリペプチドまたは断片化ペプチド分子量マーカーの見か
け上の分子量および等電点に近い見かけ上の分子量および等電点を有する試料タ
ンパク質の見かけ上の分子量および等電点を推定するための分子量マーカーおよ
び等電点マーカーとして特に都合よく機能する。SVPH1-26ポリペプチドまたは断
片化ペプチド分子量マーカーおよび試料タンパク質を、同一条件下で同時に解析
できることにより、試料タンパク質の見かけ上の分子量および等電点を決定する
際の正確性を増すことができる。これは、二次元電気泳動など、処置の性質上ど
のマーカーも試料タンパク質と同時に解析される技術において特に関心がもたれ
る。
【0041】 別の実施形態において、SVPH1-26ポリペプチドまたは断片化ペプチド分子量マ
ーカーを、試料タンパク質を切断剤で処理して得た断片化ペプチドの見かけ上の
分子量および等電点を推定する際の分子量マーカーおよび等電点マーカーとして
使用できる。SVPH1-26ポリペプチド分子量マーカーおよびそのペプチド断片を用
いて試料タンパク質およびその断片化ペプチドの分子量および等電点を決定する
ためには多くの技術が使用でき、本実施形態が本発明の範囲をいかようにも限定
しないことが当然理解されよう。
【0042】 本発明に包含されるSVPH1-26ポリペプチド分子量マーカーは、それらが発現さ
れる宿主細胞に応じて、様々な分子量を有し得る。様々な細胞型における、SVPH
1-26ポリペプチド分子量マーカーおよびそのペプチド断片のグリコシル化により
、これらのマーカーの分子量は改変の程度に応じて変化しうる。SVPH1-26ポリペ
プチド分子量マーカーの大きさは、ポリペプチドの細胞外部分由来のSVPH1-26ポ
リペプチドの断片と最も不均一でありうる。完全に膜貫通領域および細胞質領域
由来のポリペプチドを使用すること、N-グリカナーゼで前処理してグリコシル 化を除去すること、または細菌宿主において該ポリペプチドを発現することによ
って一致した分子量マーカーが得られる。
【0043】 SVPH1-26とそのカウンター構造(counter-structure)との相互作用により、SVP
H1-26/SVPH1-26カウンター構造会合を妨害し、そしてSVPH1-26またはそのカウン
ター構造の活性を阻害する小分子についてスクリーニングできる。例えば、SUNY
で開発された酵母2ハイブリッド系(Fieldsらに付与された米国特許第5,283,173
号に記載)を使用して、以下のようにSVPH1-26のインヒビターについてスクリー ニングできる。SVPH1-26およびそのカウンター構造、またはそれらの相互作用に
関与する部分を、Gal4 DNA結合ドメインおよびGal4転写活性化ドメインとそれぞ
れ融合し、ヒスチジンを含まないプレート上で、増殖のためにGal4活性に依存す
るような菌株に導入できる。IL-1インヒビターを同定する目的で、増殖を妨げる
化合物をスクリーニングできる。あるいはまた、SVPH1-26/SVPH1-26カウンター 構造相互作用が増殖を阻害し、相互作用の阻害が増殖をもたらすようにスクリー
ニングを改変できる。SVPH1-26阻害についてスクリーニングするための別のin v
itroアプローチは、マイクロタイタープレートのウェル中の成分の1つ(SVPH1-2
6またはそのカウンター構造)を固定化し、他の成分を、容易に検出できる指示薬
と共役させることである。相互作用のインヒビターは、ウェルにおける検出可能
な指示薬の不在により同定する。
【0044】 さらに、本発明のSVPH1-26ポリペプチドは、構造に基づくSVPH1-26インヒビタ
ーの設計に有用である。このような設計には、そのようなSVPH1-26ポリぺプチド
の三次元構造を決定する工程と、基質の結合する可能性のある部位の三次元構造
を分析する工程と、予測反応性部位と合体する分子を合成する工程と、該分子の
阻害活性を決定する工程とが含まれうる。
【0045】 SVPH1-26ポリペプチドと免疫反応性のある抗体、特に、SVPH1-26ポリペプチド
に対するモノクローナル抗体が、今回本発明によって入手可能になる。このよう
な抗体は、in vivoでSVPH1-26ポリペプチド活性を阻害するため、および試料中 のSVPH1-26ポリペプチドの存在を検出するために有用であり得る。
【0046】 本明細書中で使用する「SVPH1-26ポリペプチド」という用語は、配列番号2のア
ミノ酸配列1〜726を有するタンパク質、さらにこのようなアミノ酸配列と高度の
類似性(少なくとも90%の相同性)を有し、生物活性を有しているタンパク質を含
むポリペプチドの種類を指す。さらに、SVPH1-26ポリペプチドは、配列番号2の
ヌクレオチド1〜726の遺伝子産物を指す。
【0047】 本発明による単離精製SVPH-26ポリペプチドは、グリコシル化の不在下で約81,
548ダルトンの分子量を有する。追加のペプチド配列を、SVPH1-26ポリペプチド のアミノ末端およびカルボキシル末端の両方に融合することによって、SVPH1-26
ポリペプチドの分子量を変えることができることが理解される。追加のペプチド
配列を、SVPH1-26ポリペプチドのアミノ末端およびカルボキシル末端に融合させ
ることによって、SVPH1-26ポリペプチドの発現を増強、またはタンパク質の精製
を促進できる。
【0048】 SVPH1-26ポリペプチドのアミノ末端およびカルボキシル末端における追加のペ
プチド配列の融合によって、酵素処理または化学処理によって生成されるSVPH1-
26ポリペプチドの断片化ペプチドのいくつか(しかし通常全てではない)が変わる
【0049】 常套かつ公知の分子生物学技術を使用して、SVPH1-26ポリペプチドに変異を導
入できることが理解されよう。さらに、特定の酵素によるタンパク質分解切断部
位、または化学的に誘導される特定の断片化処理による切断部位を無くすような
変異を設計できることが理解されよう。また、この部位を無くすことによって、
特定の酵素または化学的処理による断片化におけるSVPH1-26ポリペプチドのペプ
チドフィンガープリントが変化することが理解されよう。
【0050】 本明細書中で使用する「単離精製」という用語は、SVPH1-26ポリペプチド分子量
マーカーまたはそれらの断片が、例えば、組換え宿主細胞培養物の精製産物また
は非組換え供給源由来の精製産物として、他のタンパク質またはポリペプチドと
の会合を本質的に含まないことを意味する。本明細書中で使用する「実質的に精 製」という用語は、SVPH1-26ポリペプチド分子量マーカーまたはそれらの断片を 含み、他のタンパク質またはポリペプチドとの会合を本質的に含まず、特異的な
抗体を用いて除去できる既知のタンパク質のみが存在する混合物を指す。この実
質的に精製されたSVPH1-26ポリペプチドまたはそれらの断片を分子量マーカーと
して使用できる。本明細書中で使用する「精製」という用語は、SVPH1-26ポリペプ
チドの「単離精製」形態、またはSVPH1-26ポリペプチドの「実質的に精製」された形
態のいずれかを指し、これら両方が本明細書に記載されている。
【0051】 「ヌクレオチド配列」は、少なくとも1度は実質的に純粋な形態(即ち、汚染性 外因性物質を含まない)として、そして標準的な生化学的手法(例えば、Sambrook
ら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual,2nd ed., Cold Spring Harbor L
aboratory, Cold Spring Harbor, NY (1989)に概説されている)によってその成 分核酸配列の同定、操作および回収ができる量または濃度で単離されたDNAまた はRNAから誘導した、分離断片形態またはより大きい核酸構築物の成分としての ポリヌクレオチド分子を指す。このような配列は、真核生物遺伝子に典型的に存
在する内部非翻訳配列、即ちイントロンに妨害されないオープンリーディングフ
レームの形態で得ることが好ましい。非翻訳DNA配列は、オープンリーディング フレームの5'側または3'側に存在し得、そこで非翻訳DNA配列はコード領域の操 作または発現を妨害しない。
【0052】 本明細書中でいう、SVPH1-26ポリペプチド「変異体」とは、天然SVPH1-26ポリペ
プチドと実質的に相同な、しかし、1つ以上の欠失、挿入または置換により天然
SVPH1-26ポリペプチド(ヒト、マウス、または他の哺乳動物種)のアミノ酸配列と
は異なるアミノ酸配列を有するポリペプチドを意味する。変異体アミノ酸配列は
、天然SVPH1-26ポリペプチドアミノ酸配列と少なくとも80%同一であることが好
ましく、少なくとも90%相同であることが最も好ましい。同一性%は、例えば、
Devereuxら(Nucl. Acids Res. 12:387, 1984)に記載され、University of Wi
sconsin Genetics Computer Group(UWGCG)から入手可能なGAPコンピュータ・プ ログラム(バージョン6.0)を使用して、配列情報を比較することによって決定で きる。GAPプログラムは、SmithおよびWaterman(Adv.Appl. Math 2:482, 1981) によって改変されたNeedlemanおよびWunschのアライメント法(J. Mol. Biol. 48
:443, 1970)を利用する。GAPプログラムのための好ましいデフォルトパラメータ
としては、(1)ヌクレオチドについての単項比較行列(同一として1値、非同一と
して0値を含む)、およびSchwartzおよびDayhoff編, Atlas of Protein Sequenc
e and Structure, National Biomedical Research Foundation, pp. 351-2658,
1979に記載されたGribskovおよびBurgess, Nucl. Acids Res.14:6745, 1986の加
重比較行列;(2)各ギャップに対して3.0のペナルティ、および各ギャップ内の各
記号(symbol)に対してさらなる0.10のペナルティ;ならびに(3)末端ギャップに はペナルティなしということが挙げられる。
【0053】 変異体は、保存的に置換配列を含むことができ、これは所定のアミノ酸残基が
類似した生理化学的特徴を有する残基に置き換わられることを意味する。保存的
置換の例として、1つの脂肪族残基を別の脂肪族残基と置換すること(例えば、I
le、Val、LeuまたはAlaを互いと置換すること)、または1つの極性残基を別の極
性残基と置換すること(例えば、LysとArg;GluとAsp;もしくはGlnとAsnを互い と置換すること)が挙げられる。このような保存的置換の別のものとして、例え ば、類似した疎水性特徴を有する領域全体を置換することが周知である。天然SV
PH1-26変異体も、本発明に包含されている。このような変異体の例として、選択
的mRNAスプライシング事象、またはSVPH1-26ポリペプチドのタンパク質分解切断
により生じるタンパク質(SVPH1-26タンパク質分解性質は保持される)が挙げられ
る。タンパク質分解に起因する変異として、例えば、タンパク質分解によるSVPH
1-26ポリペプチドからの1つ以上の末端アミノ酸(通常、1〜5末端アミノ酸)の
除去による、異なる種の宿主細胞における発現の際のN-末端またはC-末端にお
ける違いが挙げられる。
【0054】 上述したように、本発明は、組換えおよび非組換えの両方の、単離精製された
SVPH1-26ポリペプチド、または同種のSVPH1-26ポリペプチドを提供する。分子量
マーカーとして使用できる天然SVPH1-26ポリペプチドの変異体および誘導体は、
天然SVPH1-26ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の変異によって得られ
る。天然アミノ酸配列の変化は、多数ある従来法のいずれによっても達成できる
。天然配列の断片へのライゲーションを可能にする制限部位に隣接する変異配列
を含むオリゴヌクレオチドを合成することによって変異を特定の遺伝子座に導入
できる。ライゲーションの後、得られた再構築配列は、所望のアミノ酸挿入、置
換または欠失を有する類似体をコードする。
【0055】 或いは、オリゴヌクレオチド指定(oligonucleotide-directed)部位特異的突
然変異誘発法を使用して、所定のコドンが置換、欠失または挿入により改変され
得る改変遺伝子を提供することができる。上記改変を行う方法の例は、Walderら
(Gene 42:133, 1986);Bauerら(Gene 37:73, 1985);Craik (BioTechniques,
January 1985, 12-19);Smithら(Genetic Engineering: Principles and Metho
ds, Plenum Press, 1981);Kunkel(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82: 488, 19
85);Kunkelら(Methods in Enzymol. 154: 367, 1987);および米国特許第4,
518,584号および第4,737,462号により開示されており、これらは全て本明細書中
に参考として組み込まれる。
【0056】 SVPH1-26ポリペプチドを、他の化学的成分(例えばグリコシル基、ポリエチレ
ングリコシル(PEG)基、脂質、リン酸、アセチル基など)との共有結合もしく 凝集によるコンジュゲートを形成させることにより修飾し、SVPH1-26ポリペプチ
ド誘導体を作成することができる。SVPH1-26ポリペプチドのアミノ酸側鎖上、ま
たはSVPH1-26ポリペプチドのN末端もしくはC末端、またはその細胞外ドメインに
ある官能基にこのような化学的部分を結合させることにより、SVPH1-26ポリペプ
チドの共有結合による誘導体を調製することができる。本発明の範囲内であるSV
PH1-26ポリペプチドの他の誘導体としては、SVPH1-26ポリペプチドまたはペプチ
ド断片と他のタンパク質もしくはペプチドとの(例えばN末端もしくはC末端融合
体としての組換え培養での合成などによる)共有結合もしく凝集によるコンジュ
ゲートが含まれる。例えば、該コンジュゲートは、SVPH1-26ポリペプチドのN末 端にシグナルもしくはリーダーポリペプチド配列(例えばサッカロミセスのα- 因子リーダーなど)を含むことができる。該シグナルもしくはリーダーペプチド
は、翻訳と同時もしくは翻訳後に、その合成部位から細胞膜もしくは細胞壁の内
側または外側の部位へ向けて該コンジュゲートの輸送を指令する。
【0057】 SVPH1-26ポリペプチド・コンジュゲートには、SVPH1-26ポリペプチドの精製お
よび同定を容易とするために付加されたペプチドを含むことができる。このよう
なペプチドには、例えばポリ-Hisまたは抗原性同定ペプチド(米国特許第5,011,
912号およびHoppらのBio/Technology 6:1204, 1988に記載)などが含まれる。
【0058】 本発明はさらに、天然パターンのグリコシルが結合したまたは結合していない
SVPH1-26ポリペプチドを含む。酵母もしくは哺乳動物発現系(例えばCOS-1また はCOS-7細胞)の中で発現されたSVPH1-26ポリペプチドは、発現系の選択に依っ て、分子量およびグリコシル化パターンが天然SVPH1-26ポリペプチドに似ていて
も良いし、大きく異なっていても良い。大腸菌などの細菌発現系でSVPH1-26ポリ
ペプチドを発現させると、グリコシル化されていない分子が得られる。従来法、
特に糖ペプチダーゼを用いる方法により、グリコシル基を除去することができる
。一般に、グリコシル化SVPH1-26ポリペプチドを、1モル過剰の糖ペプチダーゼ
(ベーリンガーマンハイム社)とともにインキュベートすることができる。
【0059】 アミノ酸残基または配列の種々の付加もしくは置換、あるいは末端もしくは内
部の残基または配列の欠失をコードする同等のDNA構築物は、本発明に包含され る。例えば、SVPH1-26ポリペプチドの細胞外ドメインにおけるN-グリコシル化部
位を、グリコシル化を防ぐように修飾して、哺乳動物または酵母発現系において
還元型炭水化物類似体を発現させることができる。真核生物ポリペプチドのN-グ
リコシル化部位を、アミノ酸トリプレットAsn-X-Y(ここで、XはPro以外の任意 のアミノ酸であり、YはSerまたはThrである)により特徴付けられる。これらの トリプレットをコードするヌクレオチド配列に適切な置換、付加または欠失を施
すと、このAsn側鎖に炭水化物残基が結合するのを防ぐ。例えばAsnが他の異なる
アミノ酸で置換されるように選択された一本鎖ヌクレオチドの改変は、Nグリコ シル化部位を不活化するのに十分である。タンパク質のNグリコシル化部位を不 活化するための既知の方法としては、米国特許第5,071,972号および欧州特許第E
P276,846号に記載されたものが挙げられるが、これらは本明細書中に参考として
組み込まれる。
【0060】 他の実施例において、生物学的活性に必須ではないCys残基をコードする配列 を、該Cys残基を欠失させたりまたは他のアミノ酸で置換させたりするように改 変して、再生による分子間のジスルフィド結合が誤って形成されるのを防ぐこと
ができる。他の同等物は、隣接する二塩基性アミノ酸残基を修飾して、KEX2プロ
テアーゼ活性が存在する酵母系内における発現を強化することにより、調製され
る。欧州特許第212,914号は、タンパク質中のKEX2プロテアーゼ・プロセッシン グ部位を不活化するための部位特異的突然変異の使用について開示している。KE
X2プロテアーゼ・プロセッシング部位は、残基を欠失、付加または置換してArg-
Arg、Arg-Lys、およびLys-Arg対を改変し、これらの隣接する塩基性残基(basic residue)の発生を排除する。Lys-Lys対は、KEX2切断を非常に受けにくく、Arg
-LysまたはLys-ArgのLys-Lysへの変換は、KEX2部位を不活化させる保守的かつ好
ましいアプローチの代表である。
【0061】 本発明の範囲内の核酸配列には、中程度または高いストリンジェンシー条件下
において本明細書中に開示された天然SVPH1-26ヌクレオチド配列にハイブリダイ
ズし、およびSVPH1-26ポリペプチドをコードする単離したDNAおよびRNA配列が含
まれる。本明細書で使用する「中程度のストリンジェンシー条件」とは、当業者
に知られているように、そしてSambrookらのMolecular Cloning: A Laboratory
Manual, 2 ed. Vol. 1, pp.1.101-104, Cold Spring Harbor Laboratory Press,
(1989)に記載されているように、ニトロセルロースフィルターの予備洗浄溶液 (5X SSC, 0.5% SDS, 1.0mM EDTA (pH8.0)); 50%ホルムアミド、6X SSC、42℃
のハイブリダイゼーション条件(または50%ホルムアミド中の他の似たハイブリ ダイゼーション溶液、例えばスターク溶液(Stark's solution)、42℃);およ
び約68℃、0.5X SSC、0.1% SDSの洗浄条件の使用を含む。高ストリンジェンシー
の条件は、上記ハイブリダイゼーション条件および60℃、0.2X SSC、0.1% SDSで
の洗浄として定義される。当業者であれば、この温度および洗浄溶液の塩濃度を
、該プローブの長さなどのファクターにより必要に応じて調節することができる
ことが分かるであろう。
【0062】 1以上のコドンが同じアミノ酸をコードする遺伝子コードの既知の縮重により
、DNA配列は、配列番号1に示されたものとは異なってもなお、配列番号2のア ミノ酸配列を有するSVPH1-26ポリペプチドをコードし得る。このような変異体DN
A配列は、サイレント突然変異(例えばPCR増幅中に生じる)により生じることが
あり、あるいは、天然配列の作為的な突然変異誘発の産物であり得る。
【0063】 従って、本発明は、(a)天然の哺乳動物SVPH1-26遺伝子のコード領域に由来 するDNA;(b)配列番号1のヌクレオチド配列の1〜2181位を含むcDNA;(c)中
程度のストリンジェンシー条件下において(a)のDNAにハイブリダイズすること
ができ、SVPH1-26ポリペプチドをコードするDNA;および(d)(a)、(b)また
は(c)で規定されたDNAについて遺伝子コードが縮重されており、SVPH1-26ポリ
ペプチドをコードするDNAから選択されるSVPH1-26ポリペプチドをコードする同 等な単離されたDNA配列を提供する。このようなDNAの同等配列によりコードされ
るSVPH1-26ポリペプチドは、本発明に包含される。
【0064】 配列番号1のDNA配列と同等であるDNAは、中程度のストリンジェンシー条件下
において、配列番号2の1〜726位のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードす
る二本鎖の天然DNA配列にハイブリダイズする。このようなDNAによりコードされ
るSVPH1-26ポリペプチドの例には、不活化されたN-グリコシル化部位、不活化さ
れたプロテアーゼ・プロセッシング部位、または保存的アミノ酸置換(上記)を
含むSVPH1-26ポリペプチド断片およびSVPH1-26ポリペプチドが含まれるが、これ
らに限定されない。配列番号1のDNAの相補体にハイブリダイズするDNAであって
他の哺乳動物種に由来するDNAによりコードされるSVPH1-26ポリペプチドも、本 発明に包含される。
【0065】 本発明の抗SVPH1-26ポリペプチド抗体などのSVPH1-26ポリペプチド結合タンパ
ク質は、カラムクロマトグラフィーのマトリックス、または表面にSVPH1-26ポリ
ペプチドを発現する細胞の同定、分離もしくは精製に好適な類似の基質などの固
相に結合することができる。例えば、精巣におけるSVPH1-26の発現は、抗SVPH1-
26ポリペプチド抗体を使用して従来方法により精巣細胞を同定、分離または精製
することができることを示す。任意の手段、例えば磁性マイクスフェアーをSVPH
1-26ポリペプチド結合タンパク質でコーティングし、磁界をかけたインキュベー
ション容器の中に維持することなどにより、SVPH1-26ポリペプチド結合タンパク
質を固相の接触表面に接着させることができる。細胞混合物の懸濁液を、SVPH1-
26ポリペプチド結合タンパク質を載せた固相に接触させる。SVPH1-26ポリペプチ
ドをその表面に有する細胞は、この固定されたSVPH1-26ポリペプチド結合タンパ
ク質に結合し、次に結合しなかった細胞を洗い落とす。このアフィニティー結合
法は、このようなSVPH1-26ポリペプチド発現細胞を溶液から精製、スクリーニン
グまたは分離するのに有用である。固相から陽性選択された細胞を遊離する方法
が当分野で知られており、例えば酵素の使用を含む。このような酵素は、好まし
くは該細胞に対して非毒性かつ非障害性であり、好ましくは細胞表面の結合相手
を切断するように指令される。
【0066】 或いは、SVPH1-26ポリペプチド発現細胞を含むと思われる細胞の混合物をまず
、ビオチン化したSVPH1-26ポリペプチド結合タンパク質とともにインキュベート
することができる。インキュベーション時間は、典型的には少なくとも1時間持
続させ、SVPH1-26ポリペプチドへの十分な結合を確実にする。次に得られた混合
物を、アビジンで被覆したビーズを詰めたカラムに通過させると、アビジンに対
するビオチンのアフィニティーが高いため、該ビーズにSVPH1-26ポリペプチド結
合細胞が結合する。アビジンで被覆したビーズの使用は、当分野で知られている
。例えばBerensonらのJ. Cell. Biochem., 10D:239 (1986)を参照されたい。結 合しなかった物質の洗浄および結合した細胞の遊離は、従来法を用いて行われる
【0067】 上記方法において、好適なSVPH1-26ポリペプチド結合タンパク質は、抗SVPH1-
26ポリペプチド抗体、およびSVPH1-26ポリペプチドの高アフィニティー結合が可
能な他のタンパク質である。好適なSVPH1-26ポリペプチド結合タンパク質は、抗
SVPH1-26ポリペプチドモノクローナル抗体である。
【0068】 SVPH1-26ポリペプチドは、共有結合または非共有結合により結合した2量体ま
たは3量体などのオリゴマーとして存在することがある。オリゴマーは、異なる
SVPH1-26ポリペプチドのシステイン残基同士の間に形成されたジスルフィド結合
により結合していることがある。本発明の1つの実施形態において、SVPH1-26ポ
リペプチド2量体は、SVPH1-26ポリペプチドを抗体(例えばIgG1)のFc領域に、
SVPH1-26ポリペプチドの生物学的活性を妨げないように融合することにより、作
成される。実施例2は、このような実施形態の一例である。該Fcポリペプチドは
、(細胞外ドメインのみを含む)可溶性SVPH1-26ポリペプチドのC末端に好まし くは融合される。(Fcドメインを含む)抗体由来のポリペプチドの様々な部分に
融合された異種性ポリペプチドを含む融合タンパク質の一般的な調製法が、Ashk
enaziら(PNAS USA 88: 10535, 1991)およびByrnら(Nature 344: 677, 1990)
により記載されており、これらは本明細書中に参考として組み込まれる。SVPH1-
26ポリペプチド:Fc融合タンパク質をコードする融合遺伝子を適当な発現ベクタ
ーに挿入する。SVPH1-26ポリペプチド:Fc融合タンパク質は抗体分子とほぼ同じ
ようにアセンブルすることが可能で、Fcポリペプチド同士の間に鎖間のジスルフ
ィド結合が形成され、二価のSVPH1-26ポリペプチドが生成される。抗体の重鎖お
よび軽鎖の両方を用いて融合タンパク質を作成すると、SVPH1-26ポリペプチドの
細胞外領域を4つも有するSVPH1-26ポリペプチドオリゴマーを作成することが可
能である。あるいは、ペプチドリンカーにより2つの可溶性SVPH1-26ポリペプチ
ドドメインを結合させることができる。
【0069】 周知の方法を用いて、SVPH1-26ポリペプチドをコードする核酸配列を含む組換
え発現ベクターを作成することができる。発現ベクターとしては、好適な転写も
しくは翻訳調節核酸配列、例えば哺乳動物、微生物、ウイルスまたは昆虫の遺伝
子由来のもの等に機能し得る形で結合されたSVPH1-26 DNA配列が挙げられる。調
節配列の例には、転写プロモーター、オペレーターまたはエンハンサー、mRNAリ
ボソーム結合部位、ならびに転写および翻訳の開始および終結を制御する適当な
配列が含まれる。該調節配列が該SVPH1-26 DNA配列に機能的に関連している場合
核酸配列は「機能し得る形で結合されている(operably linked)」。このよう に、プロモーターの核酸配列は、該プロモーターの核酸配列が該SVPH1-26のDNA 配列の転写を制御している場合、SVPH1-26 DNA配列に機能し得る形で結合されて
いる。所望の宿主細胞中で複製する能力(通常複製起点により与えられる)、お
よび形質転換体を同定する際に指標となる選択遺伝子をさらに、該発現ベクター
に導入することができる。
【0070】 さらに、SVPH1-26ポリペプチドに天然では結合していない適当なシグナルペプ
チドをコードする配列を、発現ベクターに組み込むことができる。例えば、シグ
ナルペプチドのためのDNA配列(分泌リーダー)を該SVPH1-26ヌクレオチド配列 に読み取り枠を合わせて(in-frame)融合し、そのSVPH1-26ポリペプチドが該シ
グナルペプチドを含む融合タンパク質としてまず翻訳されるようにすることがで
きる。意図した宿主細胞中で機能することができるシグナルペプチドは、SVPH1-
26ポリペプチドの細胞外分泌を促進する。このシグナルペプチドは、細胞からSV
PH1-26ポリペプチドが分泌されると、該SVPH1-26ポリペプチドから切断されるこ
とがでる。本発明の1つの実施形態において、Igκシグナル配列を使用する。実
施例2は、このような実施形態の一例である。
【0071】 SVPH1-26ポリペプチドを発現させるための好適な宿主細胞としては、原核細胞
、酵母菌または高等真核細胞が挙げられる。細菌、菌類、酵母、および哺乳動物
宿主細胞とともに使用するのに適したクローニングおよび発現ベクターは、例え
ばPouwelsらのCloning Vectors: A Laboratory Manual, Elsevier, New York, (
1985)に記載されている。無細胞翻訳系を用い、本明細書中に記載したDNA構築物
に由来するRNAを使用してSVPH1-26ポリペプチドを作成することもできるだろう 。
【0072】 原核細胞には、例えば大腸菌やバチルスなどのグラム陰性またはグラム陽性生
物が含まれる。形質転換に好適な原核宿主細胞としては、例えば大腸菌、枯草菌
、 ネズミチフス菌、ならびにシュードモナス属、ストレプトミセス属およびブ ドウ球菌属の中の他の様々な種が挙げられる。大腸菌などの原核宿主細胞におい
て、SVPH1-26ポリペプチドにN末端メチオニン残基を含ませて、該原核宿主細胞 の中での組換えポリペプチドの発現を容易にすることができる。このN末端Metは
、発現した組換えSVPH1-26ポリペプチドから切り離すことができる。
【0073】 原核宿主細胞中で使用する発現ベクターは一般に1以上の表現型選択マーカー
遺伝子を含む。表現型選択マーカー遺伝子は、例えば抗生物耐性を付与するタン
パク質または独立栄養の必要条件(autotrophic requirement)を満たすタンパ ク質をコードする遺伝子である。原核宿主細胞に有用な発現ベクターの例には、
クローニングベクターpBR322(ATCC37017)などの市販されているプラスミドに 由来するベクターが含まれる。pBR322は、アンピシリンおよびテトラサイクリン
耐性のための遺伝子を含むため、形質転換された細胞を同定するための簡単な手
段を提供する。pBR322を用いて発現ベクターを構築するために、適当なプロモー
ターおよびSVPH1-26 DNA配列を該pBR322ベクターに挿入する。他の市販されてい
るベクターとしては、例えばpKK211-26(ファルマシア・ファイン・ケミカル社、
スウェーデン国ウプサラ(Uppsala))およびpGEM1(プロメガ・バイオテック、 アメリカ合衆国ウィスコンシー州マディソン)が挙げられる。他の市販されてい
るベクターには、タンパク質の発現用に特別に設計されたものが含まれ、このよ
うなベクターとしては、マルトース結合タンパク質に融合したタンパク質の発現
に使用されるpMAL-p2およびpMAL-c2ベクターが挙げられる(ニューイングランド
・バイオラブ、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ビバリー)。
【0074】 組換え原核宿主細胞の発現ベクターに一般的に使用されるプロモーター配列に
は、β-ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)、ラクトースプロモーター系(Changら
、Nature 275:615, 1978;およびGoeddelら、Nature 281: 544, 1979)、トリプ
トファン(trp)プロモーター系(Goeddelら、Nucl. Acids Res. 8: 4057, 1980
;および欧州特許出願EP-A-36776)およびtacプロモーター(Maniatis, Molecul
ar Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, p.412, 1
982)が含まれる。特に有用な原核宿主細胞発現系は、ファージλPLプロモータ ーおよびcI857ts 熱不安定性(thermolabile)リプレッサー配列を使用する。Am
erican Type Culture Collectionから入手可能な、λPLプロモーターの誘導体を
組み込んでいるプラスミドベクターには、プラスミドpHUB2(大腸菌株JMB9(ATC
C37092)に内在する)およびpPLc28(大腸菌株RR1(ATCC 53082)に内在する)が 含まれる。
【0075】 SVPH1-26を通常の細菌発現ベクターの多重クローニング部位(multiple cloni
ng site)中にクローニングすることができる。理想的には、研究者が選択する 時に誘発剤を添加すると、該組換えタンパク質が高レベルで産生されるように、
該ベクターは該クローニング部位の上流に誘導可能プロモーターを含む。幾つか
のタンパク質では、該プロモーターと目的の遺伝子との間に融合相手(例えばヘ
キサヒスチジン)をコードするコドンを組み込むことにより、発現レベルが急激
に増大され得る。得られた「発現プラスミド」は、大腸菌の様々な株の中で増殖
し得る。
【0076】 組換えタンパク質の発現のために、細菌細胞を所定の光学濃度に達するまで増
殖培地中で増殖させる。次にこの組換えタンパク質の発現を、例えばlacオペレ ーター/プロモーターを含むプラスミドからのタンパク質の発現を活性化させる
IPTG(イソプロピル-b-D-チオガラクトピラノシド)を加えることにより、誘導 する。誘導後(典型的には1〜4時間)、遠心分離装置でペレットにして(例え
ば4℃にて5,000×Gで20分間)細胞を収集する。
【0077】 この発現されたタンパク質を回収するために、ペレット状にした細胞を10個の
50mM Tris-HCl(pH8)/1M NaCl中に再懸濁してから、フレンチプレスに2〜3回通
過させてもよい。最も高頻度で発現された組換えタンパク質は、封入体として知
られる不溶性の凝集塊を形成する。4℃にて5,000×Gで20分間、遠心分離装置で ペレット状にすることにより、可溶性タンパク質から封入体を精製することがで
きる。この封入体ペレットを50mM Tris-HCl(pH8)/1% Triton X-100で洗浄してか
ら、50mM Tris/HCl(pH8)/8M尿素/0.1M DTT中に溶解する。溶解することができな
い全ての物質を遠心分離(20℃にて10,000×Gで20分間)により除去する。多く の場合において、目的のタンパク質はこの得られた透明な上清中において最も豊
富なタンパク質である。このタンパク質を50mM Tris-HCl(pH8)/5mM CaCl2/5mM Z
n(OAc)2/1mM GSSG/0.1mM GSHに対して透析することにより、「再び折り畳」んで
その活性なコンフォメーションとする。再び折り畳んだ後、イオン交換またはゲ
ル濾過などの様々なクロマトグラフィー法により精製を行うことができる。幾つ
かのプロトコールにおいて、最初の精製は、再折り畳みの前に行われる場合があ
る。一例として、ヘキサヒスチジンでタグ付けした融合タンパク質を、固定化ニ
ッケル上で部分的に精製することができる。
【0078】 先に精製して再折り畳みする手順は、該タンパク質が封入体から最も良く回収
されると考えられているが、タンパク質精製の当業者であれば、多くの組換えタ
ンパク質が細胞溶解物の可溶性画分から最も良く精製されることが分かるであろ
う。このような場合、しばしば再折り畳みは不要であり、標準的なクロマトグラ
フィー法による精製を直接行うことができる。
【0079】 あるいはSVPH1-26ポリペプチドは、好ましくはサッカロミセス属に由来する(
例えばS. cerevisiae)酵母宿主細胞中で発現させることができる。ピキア、K.
lactisまたはKluyveromycesなどの他の属の酵母を使用することもできる。酵母 ベクターはしばしば2μ酵母プラスミド由来の複製起点配列、自己複製配列(AR
S)、プロモーター領域、ポリアデニル化のための配列、転写終結配列および選 択マーカー遺伝子を含む。酵母ベクターに好適なプロモーター配列としては、と
りわけメタロチオネイン、3-ホスホグリセリン酸キナーゼ(Hitzemanら、J. Bio
l. Chem. 255: 2073, 1980)または他の解糖酵素(Hessら、J. Adv. Enzyme Reg
. 7:149, 1968;およびHollandら、Biochem. 17:4900, 1978)、例えばエノラー
ゼ、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビ ン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース-6-リン酸イソ メラーゼ、3-ホスホグリセリン酸ムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオースリ
ン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、およびグルコキナーゼなど
のプロモーターが挙げられる。酵母発現において使用するのに好適な他のベクタ
ーおよびプロモーターはさらに、Hitzemanの欧州特許出願第EPA-73,657号または
FleerらのGene, 107:285-195(1991);およびvan den BergらのBio/Technology,
8:135-139(1990)に記載されている。他の代用物には、Russellら(J. Biol. Che
m. 258:2674, 1982)およびBeierら(Nature 300:724, 1982)により記載された
グルコース抑制性ADH2プロモーターがある。酵母および大腸菌の中で複製可能な
シャトルベクターは、大腸菌中で選択および複製するためのpBR322由来のDNA配 列(Ampr遺伝子および複製起点)を上記酵母ベクターに挿入することにより構築
することができる。
【0080】 酵母α-因子リーダー配列を使用して、SVPH1-26ポリペプチドの分泌を指令す ることができる。このα-因子リーダー配列はしばしばプロモーター配列と構造 遺伝子配列との間に挿入される(例えばKurjanらのCell 30: 933, 1982; Bitter
ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA81: 5330, 1984;米国特許第4,546,082号;お よび欧州特許第EP 324,274号を参照のこと)。酵母宿主からの組換えポリペプチ
ドの分泌を促進にするのに好適な他のリーダー配列は、当業者に知られている。
リーダー配列は、1以上の制限部位を含むように、その3'末端近くを改変するこ
とができる。これにより、リーダー配列は構造遺伝子に融合し易くなる。
【0081】 酵母の形質転換プロトコールは、当業者に知られている。このようなプロトコ
ールの1つは、HinnenらのProc. Natl. Acad. Sci. USA75:1929, 1978により記 載されている。このHinnenらのプロトコールは、選択培地中でTrp+形質転換体を
選択する(この場合の選択培地は、0.67%酵母窒素塩基、0.5%カザミノ酸、2%
グルコース、10μg/mlアデニン、および20μg/mlウラシルからなる)。
【0082】 ADH2プロモーター配列を含むベクターにより形質転換された酵母宿主細胞を「
肥沃(rich)」培地中で増殖させ、発現を誘導することができる。肥沃培地の例
としては、1%酵母エキス、2%ペプトン、および1%グルコースからなる培地に8
0μg/mlアデニンおよび80μg/lmウラシルを添加したものが挙げられる。ADH2プ ロモーターの抑制は、該培地からグルコースが無くなったときに生じる。
【0083】 また哺乳動物または昆虫の宿主細胞培養系を使用して、組換えSVPH1-26ポリペ
プチドを発現させることもできる。昆虫細胞中で異種性タンパク質を発現させる
ためのバキュロウイルス系については、LuckowおよびSummersのBio/Technology
6:47 (1988)に概説されている。哺乳動物起源の確立された細胞系を使用するこ ともできる。好適な哺乳動物細胞系には、サル腎細胞のCOS-7系(ATCC CRL1651 )(Gluzmanら、Cell 23:175, 1981)、L細胞、C127細胞、3T3細胞(ATCC CCL16
3)、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、およびBHK(ATCC CR
L10)細胞系、ならびにMcMahanら(EMBO J. 10:2821, 1991)により記載された ようなアフリカ緑サル腎細胞系CVI(ATCC CCL70)に由来するCV-1/EBNA-1細胞系
が含まれる。
【0084】 哺乳動物細胞にDNAを導入するための確立された方法が既に記載されている(K
aufman, R.J., Large Scale Mammalian Cell Culture, 1990, pp.15-69)。リポ
フェクタミン(ギブコ/BRL)やリポフェクタミン-プラスなどの市販されている 試薬を用いた他のプロトコールを使用して、細胞をトランスフェクトすることが
できる(Felgnerら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:7413-7417, 1987)。さら
に、エレクトロポレーションを使用し、SambrookらのMolecular Cloning: A Lab
oratory Manual, 2ed. Vol.1-3, Cold Spring Harbor Laboratory Press (198
9)に記載されたもののような従来法を用いて、哺乳動物細胞をトランスフェク トすることができる。選択方法として、細胞毒に対する耐性を用いた安定な形質
転換体の選択を行うことができる。Kaufmanら(Meth. in Enzymology 185: 487-
511, 1990)は、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)耐性などの幾つかの選択ス キームについて記載している。DHFR選択のための好適な宿主株は、DHFR中で欠陥
性であるCHO株DX-B11であろう(UrlaubおよびChasin, Proc. Natl. Acad. Sci.
USA77:4216-4220, 1980)。DHFR cDNAを発現するプラスミドをDX-B11株中に導入
することができ、該プラスミドを含む細胞のみが適当な選択培地中で増殖するこ
とができる。発現ベクターに組み込むことができる選択マーカーの他の例には、
G418およびハイグロマイシンBなどの抗生物剤に対する耐性を付与するcDNAが含 まれる。該ベクターを宿している細胞は、これらの化合物に対する耐性を基に選
択することができる。
【0085】 哺乳動物宿主細胞発現ベクターのための転写および翻訳制御配列を、ウイルス
ゲノムから切り出すことができる。一般的に使用されるプロモーター配列および
エンハンサー配列は、ポリオーマウイルス、アデノウイルス2、サルウイルス40
(SV40)、およびヒトサイトメガロウイルスから得られる。SV40ウイルスゲノム
から得られるDNA配列、例えばSV起源の、初期および後期プロモーター、エンハ ンサー、スプライスおよびポリアデニル化部位を使用して、哺乳動物宿主細胞中
における構造遺伝子配列の発現のための他の遺伝的エレメントを提供することが
できる。ウイルスの初期および後期プロモーターが特に有用である。なぜならこ
れらは両方ともウイルスゲノムから断片として簡単に得られるからであり、これ
らもウイルスの複製起点を含むことができる(Fiersら、Nature 273:113, 1978;
Kaufman, Meth. in Enzymology, 1990)。Hind III部位から該SV40ウイルス複 製起点部位の中に位置するBgl I部位まで延びている約250bpの配列が含まれるの
であれば、より小さなまたはより大きなSV40断片を使用することも可能である。
【0086】 哺乳動物発現ベクターからの異種性遺伝子の発現を向上させることが判明した
更なる制御配列としては、CHO細胞に由来する発現増大配列エレメント(express
ion augmenting sequence element, EASE)(Morrisら、Animal Cell Technolog
y, 1997, pp.529-534)、ならびにアデノウイルス2に由来する3部(tripartit
e)リーダー(TPL)およびVA遺伝子RNA(Gingerasら、J. Biol. Chem. 257:1347
5-13491, 1982)等のエレメントが挙げられる。ウイルス起源の内部リボソーム 侵入部位(IRES)配列により、ジシストロン性mRNA(dicistronic mRNA)の効果
的な翻訳が可能になる(OhおよびSarnow, Current Opinion in Genetics and De
velopment 3:295-300, 1993; Rameshら、Nucleic Acids Research 24:2697-2700
, 1996)。異種性cDNAをジシストロン性mRNAの一部として発現させたあと、選択
マーカー(例えばDHFR等)のための該遺伝子を発現させると、該宿主のトランス
フェクト率および該異種性cDNAの発現が向上することが証明された(Kaufman, M
eth. in Enzymolozy, 1990)。ジシストロン性mRNAを使用する発現ベクターの例
としては、Mosserら(Biotechniques 22:150-161, 1997)により記載されたpTR-
DC/GFPおよびMorrisら(Animal Cell Technology, 1997, pp.529-534)により記
載されたp2A5Iが挙げられる。
【0087】 非常に有用な高発現ベクターであるpCAVNOTが、Mosleyら(Cell 59:335-348,
1989)により記載されている。哺乳動物宿主細胞に使用する他の発現ベクターは
、OkayamaおよびBerg(Mol. Cell. Biol. 3:280, 1983)により開示されたよう に構築することができる。C127マウス乳上皮細胞中における哺乳動物cDNAの安定
な高レベル発現に有用な系は、Cosmanら(Mol. Immunol. 23:935, 1986)により
記載されたように実質的に構築することができる。Cosmanら(Nature 312:768,
1984)により記載された有用な高発現ベクターであるPMLSV N1/N4は、ATCC 3989
0として寄託されている。更なる有用な哺乳動物発現ベクターは、欧州特許出願 第EP-A-0367566および1991年5月16日に出願された米国特許出願第07/701,415号
に記載されており、これらは本明細書中に参考として組み込まれる。該ベクター
は、レトロウイルスから得ることができる。天然のシグナル配列の代わりに、異
種性シグナル配列、例えば米国特許第4,965,195号に記載されたIL-7のためのシ グナル配列;Cosmanら、Nature 312:768(1984)に記載されたIL-2受容体のための
シグナル配列;欧州特許第367,566号に記載されたIL-4シグナルペプチド;米国 特許第4,968,607号に記載されたI型IL-1受容体シグナルペプチド;および欧州特
許第460,846号に記載されたH型LI-1受容体シグナルペプチドを加えることができ
る。
【0088】 本発明による単離精製SVPH1-26ポリペプチド分子量マーカーは、上記組換え発
現系により産生することもできるし、また天然に存在する細胞から精製すること
もできる。SVPH1-26ポリペプチドは、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS
-PAGE)による分析で単一のタンパク質バンドにより示されるように、実質的に 精製することができる。
【0089】 SVPH1-26ポリペプチドを産生するための1つの方法は、SVPH1-26ポリペプチド
をコードするDNA配列を含む発現ベクターで形質転換した宿主細胞を、該SVPH1-2
6ポリペプチドの発現を促進するのに十分な条件下で培養することを含む。つぎ にSVPH1-26ポリペプチドを、使用される発現系に応じて培養培地または細胞抽出
物から回収する。当業者には知られているように、組換えタンパク質の精製方法
は、使用する宿主細胞のタイプ、および該組換えタンパク質が該培養培地に分泌
されるかどうか等の要因により変わる。例えば、該組換えタンパク質を分泌する
発現系を使用する場合、まず該培養培地を市販されているタンパク質濃縮フィル
ター(例えばAmiconまたはMillipore Pellicon限外濾過ユニットなど)を用いて
濃縮することができる。濃縮ステップの後、該濃縮物をゲル濾過培地などの精製
マトリックスに塗布することができる。あるいは、例えばペンダントジエチルア
ミノエチル(DEAE)基を有するマトリックスまたは基体などの陰イオン交換樹脂
を使用することができる。該マトリックスは、アクリルアミド、アガロース、デ
キストラン、セルロース、またはタンパク質精製に一般的に使用される他のタイ
プであってもよい。あるいは、陽イオン交換ステップを使用することができる。
好適な陽イオン交換体には、スルホプロピルまたはカルボキシメチル基を含む様
々な不溶性マトリックスが含まれる。スルホプロピル基が好ましい。最後に、疎
水性RP-HPLC培地(例えばペンダントメチル基または他の脂肪族基を有するシリ カゲルなど)を用いた1以上の逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)ス テップを使用してさらにSVPH1-26ポリペプチドを精製することができる。上記精
製ステップの幾つかまたは全ての様々な組み合わせが周知であり、これらを使用
して単離および精製された組換えタンパク質を提供することができる。
【0090】 SVPH1-26ポリペプチド結合性タンパク質(例えばSVPH1-26ポリペプチドに対し
て生成されたモノクローナル抗体など)を含むアフィニティーカラムを使用して
、発現されたSVPH1-26ポリペプチドのアフィニティー精製を行うことが可能であ
る。SVPH1-26ポリペプチドは、従来法(例えば高塩濃度溶出緩衝液中での溶出後
に低塩濃度緩衝液中に透析して使用したり、または使用するアフィニティーマト
リックスに応じてpHまたは他のコンポーネントを変化させることによる方法など
)を用いてアフィニティーカラムから除去することができる。
【0091】 細菌培養で産生された組換えタンパク質は、通常はまず宿主細胞の破砕、遠心
分離、不溶性ポリペプチドの場合は細胞ペレットからの抽出または可溶性ポリペ
プチドの場合は上清液からの抽出、1回以上の遠心分離、塩析、イオン交換、ア
フィニティー精製またはサイズ排除クロマトグラフィーステップにより単離され
る。最後に、RP-HPLCを使用して最終精製ステップを行う。細菌細胞は、凍結融 解サイクル、超音波処理、機械的破砕、または細胞溶解剤の使用などを含む任意
の便利な方法により破砕することができる。
【0092】 好ましくは、精製を簡易化するために、形質転換された酵母宿主細胞を使用し
てSVPH1-26ポリペプチドを分泌ポリペプチドとして発現させる。酵母宿主細胞の
発酵により分泌された組換えポリペプチドを、Urdalら(J. Chromatog. 296:171
, 1984)により開示されたものに似た方法によって精製することができる。Urda
lらは、分取HPLCカラムで組換えヒトIL-2を精製するための2つの連続的な逆相H
PLCステップについて記載している。
【0093】 SVPH1-26ポリペプチド分子量マーカーは、沈降、ゲル電気泳動、クロマトグラ
フィーおよび質量分析法などを含む方法により分析することができる。SVPH1-26
ポリペプチドは、このような分析技術を用いたサンプルタンパク質の分子量の測
定において、分子量マーカーとして役立つことができる。該サンプルタンパク質
の分子量測定は、そのサンプルタンパク質の同定に役立つ。
【0094】 SVPH1-26ポリペプチドを化学的および酵素的手段により断片化してペプチドに
することができる。化学的断片化には、メチオニン残基のところで特異的な切断
が起こるように切断するための中性または酸性条件下における臭化シアンの使用
が含まれる(E. Gross, Methods in Enz. 11:238-255, 1967)。これは、システ
イン残基を非反応性種に変換するためのカルボキシメチル化ステップなどの他の
ステップをさらに含むことができる。酵素による断片化には、特定のアミノ酸残
基で切断を生じさせるための、従来条件下におけるアスパラギニルエンドペプチ
ダーゼ、アルギニルエンドペプチダーゼ、AchrombobacterプロテアーゼI、トリ プシン、黄色ブドウ球菌V8プロテアーゼ、エンドプロテイナーゼAsp-Nまたはエ ンドプロテイナーゼLys-Cなどのプロテアーゼの使用を含む。アスパラギニルエ ンドペプチダーゼは、SVPH1-26ポリペプチドの中に存在するアスパラギン残基の
カルボキシル側を特異的に切断することができる。アルギニルエンドペプチダー
ゼは、SVPH1-26ポリペプチドの中に存在するアルギニン残基のカルボキシル側を
特異的に切断することができる。AchrombobacterプロテアーゼIは、SVPH1-26ポ リペプチドの中に存在するリシン残基のカルボキシル側を特異的に切断すること
ができる(SakiyamaおよびNakat, 米国特許第5,248,599号;T. Masakiら、Bioch
im. Biophys. Acta 660:44-50, 1981; T. Masakiら、Biochim. Biophys. Acta 6
60-51-55, 1981)。トリプシンは、SVPH1-26ポリペプチドの中に存在するアルギ
ニン残基およびリシン残基のカルボキシル側を特異的に切断することができる。
黄色ブドウ球菌V8プロテアーゼは、SVPH1-26ポリペプチドの中に存在するアスパ
ラギン酸残基およびグルタミン酸残基のカルボキシル側を特異的に切断すること
ができる(D.W. Cleveland, J. Biol. Chem. 3:1102-1106,1977)。エンドプロ テイナーゼAsp-Nは、SVPH1-26ポリペプチドの中に存在するアスパラギン残基の アミノ側を特異的に切断することができる。エンドプロテイナーゼLys-Cは、SVP
H1-26ポリペプチドの中に存在するリシン残基のカルボキシル側を特異的に切断 することができる。他の酵素的および化学的処理を同様に使用して、SVPH1-26ポ
リペプチドを特異的に断片化し、特定のペプチド分子量マーカーからなるユニー
クなセットに分けることができる。
【0095】 得られた断片化ペプチドを、沈降、電気泳動、クロマトグラフィーおよび質量
分析法等を含む方法により分析することができる。SVPH1-26ポリペプチドから得
た該断片化ペプチドは、このような技術を用いたサンプルタンパク質の分子量の
測定において、分子量マーカーとして利用することができる。このような分子量
測定は、そのサンプルタンパク質の同定に役立つ。SVPH1-26の断片化ペプチド分
子量マーカーは、好ましくは10〜229アミノ酸の大きさである。より好ましくは 、SVPH1-26の断片化ペプチド分子量マーカーは10〜100アミノ酸の大きさである 。さらにより好ましくは、SVPH1-26の断片化ペプチド分子量マーカーは10〜50ア
ミノ酸の大きさ、特に10〜35アミノ酸の大きさである。もっとも好ましくは、SV
PH1-26の断片化ペプチド分子量マーカーは10〜20アミノ酸の大きさである。
【0096】 さらに、SVPH1-26ポリペプチドの特定のペプチドへの段階的な断片化の分析(
D.W. Clevelandら、J. Biol. Chem. 252: 1102-1106, 1977)(例えば断片化反 応の時間または温度を変えることによるもの)を、サンプルタンパク質の切断の
程度に対するコントロールとして使用することができる。例えば、同じ量のSVPH
1-26ポリペプチドおよびサンプルタンパク質を同一条件下にて切断することによ
り、断片化の程度を直接比較することができる。SVPH1-26ポリペプチドを完全に
断片化させる条件では、該サンプルタンパク質も完全に断片化され得る。
【0097】 さらに、SVPH1-26ポリペプチドおよびその断片化ペプチドは、固有の電荷特性
を保有するため、等電点電気泳動などの技術を用いてサンプルタンパク質または
断片化ペプチドの等電点を測定するための特異的マーカーとして機能することが
できる。等電点電気泳動の技術はさらに他の技術(例えばゲル電気泳動など)と
組み合わせて分子量および電荷に基づいてタンパク質を同時に分離することがで
きる。このような組み合わせの1つの例は、2次元電気泳動の組み合わせである
(T.D. BrockおよびM.T. Madigan, Biology of Microorganisms 76-77 (Prentic
e Hall,第6版 1991))。SVPH1-26ポリペプチドおよびその断片化ペプチドをこ のような分析でマーカーとして使用して、サンプルタンパク質または断片化ペプ
チドの等電点および分子量の両方を測定するのに役立てることができる。
【0098】 サンプルタンパク質の見かけ分子量および等電点の測定に役立つキットは、SV
PH1-26ポリペプチドおよびそのペプチド断片からアセンブルすることができる。
またキットは、サンプルタンパク質の断片化の程度を評価するのにも使用できる
。このようなキットの構成要素は様々であるが、典型的にはSVPH1-26ポリペプチ
ドおよび断片化ペプチドの分子量マーカーを含む。また、このようなキットは、
断片化に必要な部位が除去されたSVPH1-26ポリペプチドを含むことができる。さ
らに該キットは、化学的または酵素的切断によりSVPH1-26およびサンプルタンパ
ク質を特異的に切断するための試薬を含むことができる。キットはさらに、SVPH
1-26ポリペプチドまたはその断片に対する抗体を含むことができる。
【0099】 標的SVPH1-26 mRNA配列に結合(して二本鎖を形成)することができる、ある いは二本鎖DNA螺旋中のSVPH1-26配列に結合(して三重螺旋を形成)することが できる一本鎖核酸配列(RNAまたはDNA)を含むアンチセンスまたはセンスオリゴ
ヌクレオチドは、本発明に従って作成することができる。本発明のアンチセンス
またはセンスオリゴヌクレオチドは、SVPH1-26 cDNA(配列番号1)のコード領 域の断片を含む。このような断片は一般的に、少なくとも約14ヌクレオチド、好
ましくは約14〜約30ヌクレオチドを含む。所与のタンパク質のcDNA配列に基づい
てアンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドを作成することができることは
、例えばSteinおよびCohen, Cancer Res. 48:2659, 1988およびvan der Krolら 、BioTechniques 6:958, 1988に記載されている。
【0100】 標的核酸配列へのアンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドの結合により
複合体が形成され、この複合体は、幾つかの手段(例えば二本鎖の分解促進、転
写もしくは翻訳の早期終結など)のうちの1つ、あるいは他の手段により、翻訳
(RNA)または転写(DNA)を妨げる。このように、このアンチセンスオリゴヌク
レオチドを使用してSVPH1-26ポリペプチドの発現を妨げることができる。アンチ
センスまたはセンスオリゴヌクレオチドはさらに、修飾された糖-ホスホジエス テル骨格(または国際特許出願公開第WO91/06629号に記載されたような他の糖結
合)を有するオリゴヌクレオチドであって、このような糖結合が内因性ヌクレア
ーゼに対して抵抗性であるオリゴヌクレオチドを含む。抵抗性糖結合を有するこ
のようなオリゴヌクレオチドは、in vivoにおいて安定である(つまり酵素分解 に耐え得る)が、配列特異性を保持していて標的ヌクレオチド配列に結合するこ
とができる。センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドの他の例としては、
有機成分に共有結合したこれらのオリゴヌクレオチド(例えば国際特許出願公開
第90/10448に記載されたものなど)およびポリ(L-リシン)などの標的核酸配列
に対する該オリゴヌクレオチドのアフィニティーを増大させる他の成分に共有結
合したこれらのオリゴヌクレオチドが挙げられる。さらに、エリプチシン(elli
pticine)などのインターカレート剤およびアルキル化剤または金属複合体をセ ンスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドに結合させて標的ヌクレオチド配列
に対する該アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドの結合特異性を改変す
ることができる。
【0101】 例えばCaPO4-介在性DNAトランスフェクション、エレクトロポレーションまた はエプスタイン・バーウイルスなどの遺伝子導入ベクターを用いる等の任意の遺
伝子導入法により標的核酸配列を含む細胞にアンチセンスまたはセンスオリゴヌ
クレオチドを導入することができる。好ましくは、該標的核酸配列を含む細胞へ
のアンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドの導入は、該アンチセンスまた
はセンスオリゴヌクレオチドを好適なレトロウイルスベクターに挿入したあと、
該挿入配列を含む該レトロウイルスベクターに該細胞をin vivoまたはex vivoに
て接触させることにより行われる。好適なレトロウイルスベクターには、マウス
レトロウイルスM-MuLV、N2(M-MuLV由来のレトロウイルス)、またはDCT5A、DCT
5BおよびDCT5C(PCT特許出願第US90/02656号を参照されたい)と呼ばれるダブル
コピーベクターが含まれるが、これらに限定されない。
【0102】 また、センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドは、国際特許出願公開第
WO91/04753号に記載されたように、リガンド結合性分子とのコンジュゲートを形
成させることにより、標的核酸配列を含む細胞中に導入することもできる。好適
なリガンド結合性分子には、細胞表面受容体、成長因子、他のサイトカイン、ま
たは細胞表面受容体に結合する他のリガンドが含まれるが、これらに限定されな
い。好ましくは、該リガンド結合性分子のコンジュゲーションは、該リガンド結
合性分子がそれに対応する分子または受容体に結合する能力を実質的に妨害した
り、該センスもしくはアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはそのコンジュゲー
ト形態が該細胞の中に入るのを妨げたりしない。
【0103】 あるいは、センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドは、国際特許出願公
開第WO90/10448号に記載されたように、オリゴヌクレオチド/脂質複合体の形成 により、標的である核酸配列を含む細胞中に導入することができる。センスもし
くはアンチセンスオリゴヌクレオチド/脂質複合体は、好ましくは内因性リパー ゼにより該細胞内で解離される。
【0104】 単離精製SVPH1-26ポリペプチドまたはその断片自体も、治療薬として有用とな
り得る。SVPH1-26ポリペプチドを、周知の手段(例えばリポソーム中に該タンパ
ク質を包むかまたは特定の細胞型を標的とするモノクローナル抗体に結合させる
こと)により細胞内環境の中に導入する。
【0105】 SVPH1-26DNA、SVPH1-26ポリペプチドおよびSVPH1-26ポリペプチドに対する抗 体を種々の研究プロトコールで試薬として使用することができる。このような研
究プロトコールの例は、SambrookらのMolecular Cloning: A Laboratory Manual
,第2版 1-3巻, Cold Spring Harbor Laboratory Press, (1989)に掲載されてい
る。
【0106】 例えば、これらの試薬はRNAまたはタンパク質の細胞特異的もしくは組織特異 的な発現用のマーカーとして機能することができる。精巣中だけにSVPH1-26 RNA
が発現するということは、精巣由来細胞系または精巣組織中のSVPH1-26 RNAおよ
びポリペプチドの発現を、本発明の試薬で直接検出することができることを示す
。したがって、これらの試薬は細胞特異的または組織特異的発現のマーカーとし
て使用することができる。このようなマーカーは、特定の細胞型の検出および精
製、ならびに精巣に関連した種々の病気の分析に使用することができる(Schmol
lら、Semin Oncol 25:174-185, 1998. Wahrenら、J. Natl. Cancer Inst 58:489
-98; 1977; Beckstead, J.H., Am J. Surg Pathol 7:341-9, 1983; Burkeら、Mo
d Pathol 1:475-479, 1988; Rajpert-De Meytsら、Int J. Androl 17:85-92, 19
94; Meadら、J. Clin Oncol 10:85-94, 1992)。1つの実施形態において、本発
明の試薬による精巣の生体組織検査における精巣細胞の同定により、精巣癌の検
出および予後を容易にすることができる。例えば、精巣細胞は、ノーザンブロッ
トおよびin situ RNAハイブリダイゼーション(JinらのJ. Clin Lab Anal 11:2-
9, 1997; McNicolら、J. Pathol 182:250-261, 1997; Lukeら、Cell Vis 5:49-5
3, 1998に概説されている)などの従来技術を用い、SVPH1-26核酸のプローブを 用いて検出することができる。もちろん、SVPH1-26発現細胞の同定および精製に
は多くの異なる技術を使用することができること、ならびにこの実施形態は本発
明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【0107】 同様に、これらの試薬を用いてSVPH1-26 RNAまたはポリペプチドの構成的およ
び一過性発現を調べることができる。SVPH1-26 DNAを使用してSVPH1-26 DNAの染
色体位置を決定し、この染色体位置に関して遺伝子をマッピングする。またSVPH
1-26 DNAは、遺伝子フィンガープリンティングなどの技術を用いて遺伝的異質性
および遺伝を調べるため、ならびに遺伝子異常に関するリスクを同定するために
使用することもできる。SVPH1-26 DNAはさらに、SVPH1-26 DNAに関連する他の遺
伝子を同定すること、および配列比較に基づく進化系統樹を確立するために使用
することができる。SVPH1-26 DNAおよびポリペプチドを使用して、サザンブロッ
ティングおよびイムノブロッティングなどのポジティブスクリーニング法により
、ならびにサブトラクション(subtration)などのネガティブスクリーニング法
により、SVPH1-26 DNAまたはポリペプチドに相同なこれらの遺伝子またはタンパ
ク質を選択することができる。
【0108】 SVPH1-26プロテイナーゼは、他のプロテイナーゼの基質特異性および活性を比
較するための、他のプロテイナーゼを用いた分析用に試薬として使用することが
できる。キメラプロテイナーゼは、SVPH1-26プロテイナーゼの断片を他のプロテ
イナーゼと交換する(swap)ことにより作成することができる。このようなキメ
ラプロテイナーゼは、改変された活性および特異性に関して分析することができ
る。
【0109】 SVPH1-26のこのプロテイナーゼ活性は、タンパク質成分を有するシミを除去す
るための洗浄剤添加物として使用することができる(米国特許第5,599,400号お よび米国特許第5,650,315号に記載されたプロテイナーゼの使用と同様)。洗浄 剤成分は、例えば界面活性剤、増泡剤、充填剤、酵素安定剤、塩素漂白スカベン
ジャー、他のタンパク質分解酵素、殺菌剤、染料、香料、希釈剤、溶剤および他
の従来成分などの、他の公知の洗浄剤成分を含み得る。該洗浄剤成分は、好まし
くは0.001%〜10%のSVPH1-26プロテイナーゼを含む。SVPH1-26プロテイナーゼ は、洗浄剤成分中に含めることもできるし、または使用する際に添加剤として他
の成分と組み合わせることもできる。該洗浄剤添加物は、液体、粉末、顆粒、ス
ラリーまたは洗浄剤添加物の他の従来形状に製剤化することができる。
【0110】 SVPH1-26ポリペプチドは、(a)SVPH1-26ポリペプチドが調節する任意のタン パク質、および(b)SVPH1-26ポリペプチドが相互作用する他のタンパク質、を 同定するための試薬として使用することもできる。SVPH1-26ポリペプチドは、組
換えタンパク質をアフィニティーマトリックスに結合することにより、またはこ
れを2-ハイブリッド系のbaitとして用いることにより、使用し得る。
【0111】 治療薬として使用する場合、SVPH1-26ポリペプチドは、既知の方法に従って医
薬組成物へと製剤化することができる。SVPH1-26ポリペプチドは、唯一の活性物
質として、または他の既知の活性物質と共に、混合物中で製薬上好適な希釈剤(
例えばTris-HCl、アセテート、ホスフェート)、保存剤(例えばチメロサール、
ベンジルアルコール、パラベン)、乳化剤、可溶化剤、アジュバント、および/ または担体と組み合わせることができる。好適な担体およびそれらの調製は、Re
mington's Pharmaceutical Sciences,第16版 1980, Mack Publishing Co.に記載
されている。さらにこのような組成物は、ポリエチレングリコール(PEG)、金 属イオンと複合体形成した、またはポリ酢酸、ポリグリコール酸、ヒドロゲルな
どのポリマー化合物に組み込まれた、またはリポソーム、ミクロエマルジョン、
ミセル、単膜もしくは多重膜リポソーム、赤血球ゴーストまたはスフェロブラス
ト(spheroblast)に組み込まれたSVPH1-26ポリペプチドを含むことができる。 このような組成物は、SVPH1-26ポリペプチドの物理的状態、可溶性、安定性、in
vivoでの放出速度、およびin vivoでのクリアランス速度に影響を及ぼすであろ
う。
【0112】 本発明の態様において、SVPH1-26ポリペプチドおよびSVPH1-26のアミノ酸配列
に基づくペプチドを使用して、SVPH1-26ポリペプチドに特異的に結合する抗体を
作成することができる。「抗体」という用語は、ポリクローナル抗体、モノクロ
ーナル抗体、その断片(例えばF(ab')2)およびFab断片、ならびに組換え体とし
て生成されたあらゆる結合相手を含むことを意味する。抗体は、Kaが約107M-1
上でSVPH1-26ポリペプチドに結合する場合に、特異的に結合するものと定義され
る。結合相手または抗体のアフィニティーは、例えばScatchardらのAnn. N.Y Ac
ad. Sci., 51:660 (1949)に記載された技術等の従来技術を用いて容易に測定す ることができる。
【0113】 ポリクローナル抗体は、当分野で周知である手法を用いて、例えば馬、牛、や
ぎ、羊、犬、鶏、うさぎ、マウスまたはラットなどの種々の起源から容易に生成
することができる。一般に、精製されたSVPH1-26ポリペプチド、または適切にコ
ンジュゲートされたSVPH1-26ポリペプチドのアミノ酸配列に基づくペプチドは、
典型的には注射剤により宿主動物に投与される。SVPH1-26ポリペプチドの免疫原
性は、例えばフロインドの完全もしくは不完全アジュバントなどのアジュバント
を使用することにより増強することができる。追加抗原刺激で免疫した後、少量
の血清を採取し、SVPH1-26ポリペプチドに対する反応性についてテストする。こ
のような測定に有用な様々なアッセイの例には、Antibodies: A Laboratory Man
ual, Harlow and Lane (編), Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1988に記
載されたもの、ならびに向流免疫電気泳動(CIEP)、放射性免疫測定法、放射性
免疫沈降法、固相酵素免疫検定法(ELISA)、ドットブロット法、およびサンド イッチ法等の方法が含まれる(米国特許第4,376,110号および第4,486,530号を参
照のこと)。
【0114】 モノクローナル抗体は、周知の方法を用いて容易に調製することができる。た
とえば米国特許第RE32,011号、第4,902,614号、4,543,439号、および第4,411,99
3号;Monoclonal Antibodies, Hybridomas: A New Dimension in Biological An
alyses, Plenum Press, Kennett, McKearn, and Bechtol (編) 1980に記載の方 法を参照されたい。簡潔に説明すると、マウスなどの宿主動物に、単離および精
製したSVPH1-26ポリペプチドまたはコンジュゲートされたSVPH1-26ポリペプチド
を、場合によりアジュバントの存在下において、少なくとも1回、好ましくは3 週間間隔で少なくとも2回、腹腔内注射を行う。つぎにマウス血清を従来のドッ
トブロット法または抗体捕捉法(ABC)によりアッセイして、どの動物が最も融 合するかを測定する。約2〜3週間後、これらのマウスにSVPH1-26ポリペプチドま
たはコンジュゲート化SVPH1-26ポリペプチドの静脈内追加抗原刺激を行う。つぎ
にマウスを犠牲にし、確立されたプロトコールに従って、脾臓細胞を市販されて
いる骨髄腫細胞(例えばAg8.653(ATCC)など)に融合する。簡潔に説明すると 、骨髄腫細胞を培地中で数回洗浄し、マウス脾臓細胞に、(脾臓細胞)対(骨髄
細胞)が約3:1の割合となるように融合する。融合剤は、当分野で使用される
任意の好適な融合剤、例えばポリエチレングリコール(PEG)などでよい。該融 合細胞の選択的増殖を可能とする培地を入れたプレートに、融合体を載せる。つ
ぎに、該融合細胞を約8日間増殖させる。得られたハイブリドーマの上清を収集
して、まずヤギ抗マウスIgでコーティングしたプレートに加える。洗浄したあと
125I-SVPH1-26ポリペプチドなどの標識を各ウェルに加え、インキュベートす る。つぎに陽性のウェルをオートラジオグラフィーにより検出することができる
。陽性クローンを大量培養で増殖させたあと、上清をプロテインAカラム(ファ ルマシア社)で精製することができる。
【0115】 本発明のモノクローナル抗体は、他の技法、例えばAlting-Meesらの「Monoclo
nal Antibody Expression Libraries: A Rapid Alternative to Hybridomas」 S
trategies in Molecular Biology 3:1-9(1990)(本明細書中に参考として組み込
まれる)に記載された技法等を用いて、生成することができる。同様に、遺伝子
組換え技法を用いて特異的結合性抗体をコードする遺伝子の可変領域を組み込む
ことにより、結合相手を構築することができる。このような技法は、Larrickら のBiotechnology, 7:394(1989)に記載されている。
【0116】 当業者の知識を持ってすれば、本明細書中に提供された情報を用いて他のタイ
プの「抗体」を生成することができる。例えば、SVPH1-26ポリペプチドに特異的
に結合することができるヒト抗体のエレメントを含むように遺伝子操作された抗
体も、本発明により包含される。
【0117】 単離精製ののち、SVPH1-26ポリペプチドに対する該抗体を用いて、確立された
アッセイプロトコールを用いてサンプル中のSVPH1-26ポリペプチドの存在を検出
することができる。例えば、SVPH1-26ポリペプチドに対する抗体を使用して、従
来技術によりSVPH1-26発現細胞(例えば精巣細胞など)を検出または精製するこ
とができる。さらに、本発明の抗体をSVPH1-26ポリペプチドに結合させ、そのin
vivoでの活性を阻害するために治療用に使用することができる。
【0118】 本発明の精製SVPH1-26ポリペプチドにより、SVPH1-26ポリペプチドのインヒビ
ターの発見が容易となるであろう。精製SVPH1-26ポリペプチドをその潜在的なイ
ンヒビターのスクリーニングで使用することは重要であり、これにより混入物質
による干渉反応の可能性を無くすかまたは低減する。
【0119】 さらに、SVPH1-26ポリペプチドは、構造に基づくSVPH1-26ポリペプチド-イン ヒビターの設計に使用することができる。このような構造に基づく設計は、「合
理的な薬物設計(rational drug design)」としても知られる。該SVPH1-26ポリペ
プチドは、例えばX線結晶学、核磁気共鳴またはホモロジーモデリング(これら は全て周知の方法である)などにより三次元分析を行うことができる。SVPH1-26
ポリペプチドの構造的な情報を分子モデリングソフトウェアシステムにおいて使
用して、インヒビターの設計およびインヒビターとSVPH1-26ポリペプチドとの相
互作用に役立てることも、本発明により包含される。このようなコンピューター
支援モデリングおよび薬物設計には、化学的立体配置分析、分子の静電位、タン
パク質の折り畳みなどの情報を利用することができる。例えば、メタロプロテア
ーゼのクラス特異的インヒビターの設計の大部分は、触媒亜鉛原子をキレートま
たは結合することに焦点を当てていた。合成インヒビターは通常、負帯電部分を
含み、その部分が、特定のプロテアーゼの特異性ポケットにフィットするように
設計された一連の他の基に結合しているように設計される。本発明の具体的な方
法は、SVPH1-26ポリペプチドの基質が結合しそうな部位の三次元構造を分析し、
予測反応部位を組み込む新規分子を合成し、該新しい分子を上記のようにアッセ
イすることを含んでなる。
【0120】 本明細書は、本明細書中に引用された参考文献の教示を照らし合わせると全体
的に非常に良く理解されよう。これらの文献は本明細書中に参考として組み込ま
れている。本明細書中の実施の形態および以下の実施例は、本発明の実施形態の
例を示しているが、本発明の範囲を制限するものと理解すべきではない。当業者
であれば、他の多くの実施形態が、請求の範囲に記載された発明により包含され
ることが理解できよう。以下の実施例において記載される全ての方法は、特に断
らない限り従来法である。
【0121】
【実施例】実施例1 SVPH1-26 RNA発現 ノーザンブロットは、クローンテック社(カタログ番号7760-1および7759-1、
カリフォルニア州パロアルト)から購入し、ヒト心臓、脳、胎盤、肺、骨格筋、
腎臓、膵臓、脾臓、胸腺、前立腺、精巣、卵巣、小腸、結腸、および末梢血白血
球から単離した組織から得たRNAを含んでいた。ブロットをスターク緩衝液(50 %ホルムアミド、50mM KPO4、5×SSC、1% SDS、5×デンハルト、0.05%サルコ シル、300μg/lmlサケ精子DNA)中で63℃にて少なくとも1時間、プレハイブリ ダイズさせ、スターク緩衝液中で63℃にて一晩、SVPH1-26 32P-標識リボプロー ブでプローブした(Cosmanら、Nature 312:768, 1984)。つぎにブロットを高ス
トリンジェンシーにまで連続的に洗浄し(0.1×SSC, 0.1% SDS, 63℃)、フィル
ム(X-OMAT AR、イーストマンコダック社、ニューヨーク州ロチェスター)に露 光した。露光したフィルムを自動X線フィルム処理装置で現像した。このSVPH1-2
6抗センス・リボプローブは、市販されているキット(MAXIscript、Ambion社、 テキサス州オースティン)を用い、[α-32P]UTPを標識ヌクレオチドとして使用 して、T7 RNAプロモーターからのin vitro転写により調製した。発現は、精巣の
みで検出された。
【0122】実施例2 SVPH1-26ポリペプチド発現 Igκシグナル配列をコードするDNAを、SVPH1-26ポリペプチドのジスインテグ リン(disintegrin)・ドメイン(配列番号2のCys410〜Arg692)のアミノ末端に
融合した。このジスインテグリン・ドメインのカルボキシル末端をIgG1のFcドメ
インに融合して、SVPH1-26ポリペプチドの該ジスインテグリン・ドメインを含む
Fc二量体融合タンパク質がその細胞から分泌されるようにした。この融合タンパ
ク質のアミノ酸配列は、以下の通りである。
【0123】 (配列番号3)
【0124】 該Igκシグナル配列は、配列番号3のアミノ酸1〜20によりコードされる。ア
ミノ酸21および22は、このクローニングで使用される制限部位によりコードされ
るスペーサーアミノ酸である。SVPH1-26ポリペプチドのジスインテグリン・ドメ
イン(配列番号2のCys410〜Arg692)は、配列番号3のアミノ酸23〜305によりコ
ードされる。アミノ酸306および307は、このクローニングで使用される制限部位
によりコードされるスペーサーアミノ酸である。IgG1のFcドメインは、配列番号
3のアミノ酸308〜535によりコードされる。
【0125】 このタンパク質をコードするDNAを哺乳動物発現ベクターpDC412に挿入した。p
DC412は、pDC406の誘導体であり(McMahanら、EMBO J. 10:2821-2832(1991))、
同じ発現エレメントを含む。該発現ベクターを、Cosmanら(Nature312:768, 198
4)により記載されたようにCOS細胞中にトランスフェクトした。該タンパク質を
発現させ、該融合タンパク質を含む培地を回収した。このFc融合タンパク質を、
GoodwinらのCell 73:447-456(1993)に記載されたように、標準法により精製した
。このタンパク質を使用して、その対構造を同定し、この結合のインヒビターを
見つけることができる。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、配列番号1のSVPH1-26DNAのヌクレオチド配列である。
【図2】 図2は、配列番号2のSVPH1-26ポリペプチドのアミノ酸配列である。
【手続補正書】
【提出日】平成12年6月1日(2000.6.1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 9/64 C12Q 1/68 A 4H045 C12Q 1/37 G01N 33/68 1/68 C12N 15/00 ZNAA G01N 33/68 5/00 B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,L U,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO ,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG, SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,U G,US,UZ,VN,YU,ZW Fターム(参考) 2G045 AA24 AA25 AA34 AA40 DA12 DA13 DA36 FB01 FB02 FB03 FB05 FB08 FB09 4B024 AA11 BA14 BA44 CA04 CA11 DA02 DA05 DA12 EA04 GA03 GA11 HA01 4B050 CC01 CC03 DD11 LL03 4B063 QA01 QA18 QQ01 QQ36 QQ42 QQ52 QR08 QR32 QR42 QR56 QR58 QR62 QS25 QS28 QS34 QS36 QX02 4B065 AA01X AA57X AA87X AA93Y AB01 AB02 BA02 BA08 CA27 CA46 4H045 AA11 BA10 CA40 DA76 EA50 FA72 FA74

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1のDNA配列を含んでなる単離核酸分子。
  2. 【請求項2】 配列番号2の配列を含んでなるアミノ酸配列をコードする単
    離核酸分子。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の核酸配列を含んでなる変性二本鎖
    DNAの一方の鎖に、50%ホルムアミドおよび6×SSC中、42℃の中程度のストリン
    ジェンシー条件下でかつ60℃、0.5×SSC、0.1%SDSの洗浄条件にてハイブリダイ
    ズする、単離核酸分子。
  4. 【請求項4】 in vitro突然変異誘発によって配列番号1から誘導される、
    請求項3に記載の単離核酸分子。
  5. 【請求項5】 遺伝コードのため、配列番号1より縮重する単離核酸分子。
  6. 【請求項6】 ヒトSVPH1-26DNA、ヒトSVPH1-26DNAの対立遺伝子変異体、ま
    たはSVPH1-26DNAの種相同体(species homolog)である、単離核酸分子。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、5および6に記載の単離核酸分子から成る群
    より選択される核酸分子の発現を指令する組換えベクター。
  8. 【請求項8】 請求項3に記載の核酸分子の発現を指令する組換えベクター
  9. 【請求項9】 請求項4に記載の核酸分子の発現を指令する組換えベクター
  10. 【請求項10】 請求項1,2,5、および6に記載の単離核酸分子から成
    る群より選択される核酸分子によりコードされる単離ポリペプチド。
  11. 【請求項11】 SDS-PAGEで測定した分子量が約82kDである、請求項10に 記載の単離ポリペプチド。
  12. 【請求項12】 非グリコシル化形態である、請求項10に記載の単離ポリペ
    プチド。
  13. 【請求項13】 請求項3に記載の核酸分子によりコードされる単離ポリペ
    プチド。
  14. 【請求項14】 非グリコシル化形態である、請求項13に記載の単離ポリペ
    プチド。
  15. 【請求項15】 請求項4に記載の核酸分子によりコードされる単離ポリペ
    プチド。
  16. 【請求項16】 非グリコシル化形態である、請求項15に記載の単離ポリペ
    プチド。
  17. 【請求項17】 請求項10に記載のポリペプチドに結合する単離抗体。
  18. 【請求項18】 モノクローナル抗体である、請求項17に記載の単離抗体。
  19. 【請求項19】 請求項13に記載のポリペプチドに結合する単離抗体。
  20. 【請求項20】 モノクローナル抗体である、請求項19に記載の単離抗体。
  21. 【請求項21】 請求項15に記載のポリペプチドに結合する単離抗体。
  22. 【請求項22】 モノクローナル抗体である、請求項21に記載の単離抗体。
  23. 【請求項23】 請求項7に記載のベクターを用いてトランスフェクトもし
    くは形質導入した宿主細胞。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載の宿主細胞を、ポリペプチドの発現および
    その培養培地からの回収を促進する条件下で培養することを含んでなる、SVPH1-
    26ポリペプチドの生成方法。
  25. 【請求項25】 前記宿主細胞を、細菌細胞、酵母細胞、植物細胞、および
    動物細胞から成る群より選択する、請求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 請求項8に記載のベクターを用いてトランスフェクトまた は形質導入した宿主細胞。
  27. 【請求項27】 請求項26に記載の宿主細胞を、ポリペプチドの発現および
    その培養培地からの回収を促進する条件下で培養することを含んでなる、SVPH1-
    26ポリペプチドの生成方法。
  28. 【請求項28】 前記宿主細胞が、細菌細胞、酵母細胞、植物細胞、および
    動物細胞から成る群より選択される、請求項27に記載の方法。
  29. 【請求項29】 請求項9に記載のベクターを用いてトランスフェクトもし くは形質導入した宿主細胞。
  30. 【請求項30】 請求項29に記載の宿主細胞を、ポリペプチドの発現および
    その培養培地からの回収を促進する条件下で培養することを含んでなる、SVPH1-
    26ポリペプチドの生成方法。
  31. 【請求項31】 該宿主細胞が、細菌細胞、酵母細胞、植物細胞、および動
    物細胞から成る群より選択される、請求項30に記載の方法。
  32. 【請求項32】 サンプルタンパク質の分子量と、請求項10に記載のポリペ
    プチドの分子量とを比較することを含んでなる、サンプルタンパク質の分子量を
    測定するための方法であって、 前記分子量の比較が、サンプルタンパク質とポリペプチドとをアクリルアミド
    ゲルに適用し、サンプルタンパク質とポリペプチドとを電流を用いて分離し、検
    出試薬をゲルへ適用してサンプルタンパク質とポリペプチドを染色することを含
    んでなる前記方法。
  33. 【請求項33】 サンプルタンパク質のペプチド断片の分子量を測定するた
    めのキットであって、 容器; 請求項10に記載のポリペプチド; アスパラギニルエンドペプチダーゼ、アルギニルエンドペプチダーゼ、Achrom
    bobacterプロテアーゼI、トリプシン、Staphlococcus aureus V8プロテアーゼ、
    エンドプロテイナーゼAsp-N、およびエンドプロテイナーゼLys-Cから成る群より
    選択される少なくとも一つの酵素; in vitro変異誘発により該ポリペプチドから得られた突然変異ポリペプチドで
    あって、選択された該酵素による酵素切断部位が取り除かれている前記ポリペプ
    チド;並びに 選択された該酵素で酵素的に切断することで該ペプチドから誘導した断片化ペ
    プチド を含んでなり、 該ポリペプチドおよび該サンプルタンパク質を選択された該プロテアーゼと接
    触させ; 該タンパク質、該ポリペプチド、該断片化ペプチドをアクリルアミドゲルに適
    用し、電流を用いて該タンパク質、該ポリペプチド、該断片化ペプチドを分離し
    、検出試薬をゲルへ適用して該タンパク質、該ポリペプチド、該断片化ペプチド
    を染色することにより該タンパク質、該ポリペプチド、該断片化ペプチドを視覚
    化する前記キット。
  34. 【請求項34】 精巣細胞の検出方法であって、 細胞を用意し、 SVPH1-26核酸を含んでなるプローブと共に該細胞をインキュベートし、 該細胞を洗浄して未結合のプローブを除去し、 該プローブが結合する細胞を検出する ことを含んでなる前記方法。
  35. 【請求項35】 精巣細胞の検出方法であって、 細胞を用意し、 抗SVPH1-26ポリペプチドに特異的な抗体と共に該細胞をインキュベートし、 該細胞を洗浄して未結合の抗体を除去し、 該抗体が結合する細胞を検出する ことを含んでなる前記方法。
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