JP2001519184A - 組織を切除する方法および装置 - Google Patents

組織を切除する方法および装置

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Abstract

(57)【要約】 外傷が低減された組織切除のための組織ドリルは、光ファイバと、ハンドピースとを含む。光ファイバは、レーザエネルギー源からレーザエネルギーを受け取るための入口と、レーザエネルギーを放出するための出口とを有する。ハンドピースは、光ファイバを、制御された、移動可能な関係で受け入れるように適合される。使用の際、ハンドピースの遠位端は、切除される組織に接して配置される。光ファイバは、レーザエネルギーを放出しながら、ハンドピースの遠位端を越え、そして組織内に前進される。光ファイバが前進するとき、放出されたレーザエネルギーが組織を切除する。光ファイバは次いで、組織から後退され得、それにより、組織にチャネルが形成される。光ファイバはまた、組織内に前進しながら回転してもよい。これに関して、周囲組織に送られるレーザエネルギーのレベルを低減し、それにより組織への外傷を減らすために、出口は、光ファイバの回転軸からオフセットされてもよい。組織ドリルは、心筋内血管再生術(TMR)および同様の処置を実施するために特に適している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、組織を切除する外科手術方法および装置に関する。具体的には、本
発明は、レーザ組織ドリルを使用することにより、レーザエネルギーを用いて、
一貫した正確でプログラム可能な態様で、例えば心臓組織などの組織を血管再生
する外科手術方法および装置に関する。
【0002】 (発明の背景) 心筋症(cardiomyopathy)(cardioは「心臓」を意味し、myopathyは「筋疾患
」を意味する)は、心臓壁の筋肉または心筋層に直接損傷を与える障害の群を指
す。これらの障害では、心臓のすべての腔が影響を受ける。ポンプとしての心臓
の機能が乱され、身体の器官および組織への不適切な血流をもたらす。心筋の損
傷または異常の性質と、その結果として起こる心腔の構造変化とに依存して、拡
張型鬱血性、肥大型、または拘束型という3種類の非虚血性(即ち、心臓発作に
よって引き起こされるものではない)心筋疾患の1つが、患者に存在し得る。
【0003】 拡張型鬱血性心筋症は、心筋線維に損傷を与え、心腔の壁を弱くする。それに
より、腔は、力強く収縮してポンプ作用で循環系を通して血液を流す能力の幾ら
かを失う。筋損傷を補うために、心腔が拡大または拡張し、それが心不全を引き
起こす。肥大型心筋症は、心筋線維の無秩序な成長を特徴とし、心腔の壁が肥厚
し、心腔のかさが高くなる。この肥厚は概して、左心室、即ち、大動脈を通して
身体の生命維持に必要な器官および組織にポンプ作用で血液を流す心腔、の壁に
おいて最も著しい。歪んだ左心室は収縮するが、脳およびその他の生命維持に必
要な器官への血液の供給は不適切である可能性がある。なぜなら、収縮中、血液
が心臓内に捕らえられるからである。拘束型心筋症では、異常細胞、タンパク質
、または瘢痕組織が心臓の筋肉および構造に侵入して、腔が硬くなるとともに腔
のかさが高くなる。心臓は、最初は通常に収縮し得るが、硬い腔は、血液が心臓
に戻るのを制限する。
【0004】 大きいまたは多発の心臓発作はまた、心筋への血液供給の妨害の結果、重度の
心臓損傷につながり得る。この損傷の結果、その他の種類の心筋症に見られる機
能障害および構造異常と同様の機能障害および構造異常が起こり得る。冠状動脈
疾患の結果として起こる、この種類の心疾患は、虚血性心筋症と呼ばれる(虚血
性とは、「酸素が足りないこと」を意味する)。
【0005】 大きい心臓発作またはそれよりも小さい多発の心臓発作により引き起こされる
重度の心臓損傷の結果、心臓が膨大し得るとともに、腔壁が薄くなり得る。これ
らは、拡張型心筋症で観察される異常に似た異常である。虚血性心筋症は、典型
的には、糖尿病および高血圧などのその他の状態によって悪化する場合が多い重
度の冠状動脈疾患の患者において現れる 虚血性心筋症の心不全の症状は、拡張型心筋症で見られる症状と類似している
が、虚血性疾患は、アンギナ(心筋への酸素供給が減る結果として起こる胸痛)
などの冠状動脈疾患の症状を伴う可能性がより高い。診断は、典型的には、心臓
発作の履歴と、左心室の大部分における機能不良を実証する調査とに基づく。診
断は、冠動脈血管の狭窄および封鎖の領域を現す冠動脈造影によって確認するこ
とができる。
【0006】 虚血性心筋症の患者は、ニトログリセリン、幾つかの種類のカルシウムチャネ
ル遮断薬、およびアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬などの、心不全の
症状を緩和し、そして疾患のある冠状動脈を通る血流を改善する薬物で治療され
る。心不全および冠状動脈疾患の症状を薬物で制御できない場合、冠動脈血管形
成または外科手術が考えられ得る。血管形成および冠動脈バイパス移植術は、心
臓への血流を増加する助けとなり得、この血流の増加が次に、心筋機能を高める
【0007】 心不全の症状が進行し、薬物療法または外科手術によって改善できない場合、
患者は、心臓移植について参照され得る。虚血性心筋症の患者は、すべての心臓
移植受容者の約半分を占める。提供者の心臓の限られた供給と、心臓移植の結果
起こる合併症(臓器拒絶反応など)とのため、外科医は、重度の虚血性心筋症を
治療する別の処置を探し求めてきた。1つのそのような処置は、心筋内血管再生
術である。これは、別の言い方では、もっと簡単に「TMR」として知られてい
る。
【0008】 TMR処置では、心筋または心筋層において、血管再生を行う。即ち、新しい
血管またはチャネルを形成する。新しく形成された血管は、心外膜(心臓の外側
層)と、心内膜(心臓の内張り)と、その間の心筋層または筋壁とを含む心臓壁
全体を貫通する。虚血性心筋症は、左心室を冒すことが多いため、新しい血管は
、典型的には、この心臓腔の心臓壁に形成される。従って、左心室にあり、ポン
プ作用で大動脈を通って流されるのを待っている肺からの含酸素血液は、新しく
形成された血管に直接流れることができ、心筋に栄養分を与える。
【0009】 先駆的なTMR実施方法は、心臓壁に物理的に孔をあけるために針の使用を伴
っていた。これらの方法では、血液は一時的にしか心筋層に送達されなかった。
なぜなら、孔はすぐに心内膜で治り、含酸素血液が心筋層に入ることを防いだか
らである。より最近の既存のTMR実施方法の1つは、レーザの使用によるもの
である。レーザによって心臓壁に形成された新しい血管またはチャネルは、心外
膜で治る傾向があり、これにより、血液の損失を防ぎ、そして心筋層の虚血領域
への血液の潅流を促進することが観察されている。
【0010】 レーザは、近代の医療技術、特に、最小限に侵襲的な外科手術処置において、
幅広く有用で適用可能な道具であることが分かっている。技術的に言えば、レー
ザ(レーザ(laser)という言葉は、「放射の誘導放出による光増幅(light amp
lification by stimulated emission of radiation)」の頭字語である)は、コ
ヒーレントな電磁放射を生成するために、エネルギーレベル間の原子または分子
の固有振動を用いる。レーザは、単一の周波数の高強度で高エネルギーの光を生
成することができる。レーザ光のエネルギーは、ジュール(J)またはワット秒
(W−s)で測定され、レーザのパワーは、ワット(W)で測定される。
【0011】 TMRを実施するための従来の外科手術装置の1つは、レーザと、光ファイバ
とからなる。外科医は、光ファイバの端部を心外膜に接するよう配置して、すべ
てのレーザ光が所望の点に集束されることを確実にし、次いでレーザが発射され
る。心臓壁を完全に貫通して腔に入る新しい血管を形成するためには、外科医は
、触感により光ファイバを心外膜、心筋層、および心内膜に入れ、そしてそれら
を通るよう付勢することが必要である。虚血性心筋症の性質のため、疾患のある
心筋層の厚さは不規則であり、通常よりも厚い。従って、外科医は、触感により
各場所で心臓壁を通るよう光ファイバを付勢することが必要である。この処置は
、安全に達成するためにある特定の時間がかかり、外科医側のある特定量の当て
推量を伴う。この処置は、心臓の鼓動により、困難にされる。さらに、外科医が
光ファイバを一定のレートで組織内に付勢しなければ、結果として、不規則な形
状の孔ができる可能性がある。例えば、外科医が特定の場所で速度を落とすかま
たは少しの間止まると、新しい孔内のキャビティが形成される可能性がある。な
ぜなら、ある時間にわたって放出されたレーザエネルギーが増加することにより
、その場所で、より多くの組織が切除されるからである。さらに、放出されたレ
ーザエネルギーの増加は、その場所の周囲組織に過剰な外傷を引き起こし得る。
【0012】 多くの外科手術の応用では、できるだけ大きい孔をあけることが望ましい場合
がある。例えば、虚血心筋層を治療する場合、より大きい径の孔は、より大きい
内表面積を有する。従って、より多くの血液が虚血組織内に潅流することができ
る。レーザ切除で比較的大きい孔(例えば、約1mm)をあけることの難しさは
、孔の径が増加するに従ってレーザ処理プレナムの面積が指数関数的に増加する
ことである(レーザ処理プレナムは、放出されたレーザエネルギーを受ける孔の
「底部」として規定される)。例えば、0.5mm径の孔と1mm径の孔との間
のレーザ処理プレナムの面積比は、4である。従来の慣習は、光ファイバの径を
大きくし、従ってレーザビーム径を大きくして、より大きい孔を形成することで
あった。レーザのパワーもまた、増加されてもよい。しかし、レーザビーム径を
大きくすると、放出されるエネルギー量が増加し、従って、周囲組織の外傷が増
加してしまう。さらに、レーザエネルギーのパワーは、光ファイバの容量を越え
るまでのある特定の点までしか増加させることができない。
【0013】 従って、上記に鑑みて、本発明の目的は、一貫した制御された態様で組織に孔
またはチャネルを形成する方法および関連する装置を提供することである。
【0014】 本発明の別の目的は、レーザ切除を用いる組織ドリルで、組織に孔またはチャ
ネルを形成する外科手術装置を提供することである。
【0015】 本発明の他の目的は、実質的に外傷が低減された態様で組織に孔を形成する外
科手術装置および方法を提供することである。
【0016】 本発明のさらに他の目的は、心筋内血管再生術を行う方法および関連する装置
を提供することである。
【0017】 (発明の要旨) 上記およびその他の目的は、レーザ切除により、制御された一貫した態様で組
織に孔またはチャネルを形成するための組織ドリルを提供する本発明の外科手術
装置および関連する方法によって達成される。広い局面では、外傷がより少ない
組織切除(ablation)のための組織ドリルは、光ファイバと、ハンドピースとを
含む。光ファイバは、レーザエネルギー源からレーザエネルギーを受けるための
入口と、レーザエネルギーを放出するための出口と、を有する。ハンドピースは
、光ファイバを、制御された移動可能な関係で受け入れるように適合される。例
示的なハンドピースは、可撓性のあるカテーテル、生物学的適合性の管部材と、
トロカールシース、などを含み得る。使用の際、ハンドピースの遠位端が、切除
される組織付近または組織に接して配置される。光ファイバは、レーザエネルギ
ーを放出しながら、ハンドピースの遠位端を越えて前進されて組織内に入る。光
ファイバが前進すると、放出されたレーザエネルギーが組織を切除する。次いで
、光ファイバは、組織から取り除かれ得、それにより、結果として組織にチャネ
ルが形成される。本発明の組織ドリルは、すべての種類の組織ドリル孔あけを行
うことができるが、心筋内血管再生術(TMR)を行うのに特に適している。T
MRは、心臓壁に、または、心臓壁を貫通してチャネルを形成することである。
【0018】 本発明の組織ドリルは、この組織切除処置を制御する。例えば、光ファイバが
組織内に前進する距離は、予め定められてもよく、そして変えられてもよい。さ
らに、レーザエネルギーの放出は、光ファイバが所定距離だけ前進するとすぐに
終了されてもよい。さらに、光ファイバを組織内に前進させる速度はまた、制御
されてもよく、そして変えられてもよい。組織ドリルのこの制御可能で可変の性
質は、医師が特定の処置および特定の患者に応じて組織ドリルをプログラムする
ことを可能にする。この性質はまた、組織に多数の孔が全く同じに形成されるこ
とを可能にする一貫した処置を提供する。医師がこの態様でドリル孔あけプロセ
スを制御することを可能にすることにより、実質的に手術から当て推量が無くな
る。
【0019】 本発明の別の局面によれば、組織ドリルのハンドピースは、光ファイバを、回
転可能な関係で受け入れるように適合されてもよい。動作中、組織内に前進して
いる間、光ファイバは、レーザエネルギーを放出しながら回転してもよい。これ
に関して、出口は、光ファイバの回転軸に関して偏心的に配置され得る。従って
、出口は、回転軸周りに回転する。この偏心関係により、レーザエネルギーは、
形成されている孔の実質的に中心である回転軸の周りに放出され、そして回転軸
周りに集束され、そして、形成されている孔の周囲の組織に隣接している、回転
する光ファイバの周囲で、より低いレベルで放出される。従って、周囲の組織に
、より低いレベルのレーザエネルギーが入射し、それにより組織への外傷を減ら
す。
【0020】 本発明のハンドピースは、本体部と、光ファイバを、本体部に関して軸方向に
移動可能な制御された関係で受け入れるための結合部と、を含み得る。結合部は
、光ファイバの出口を、ハンドピースの遠位端を越える位置に動かすための駆動
装置を含み得る。駆動装置はまた、出口を、実質的に遠位端の場所または遠位端
付近の場所に移動させ得る。従って、駆動装置は、光ファイバの出口を、これら
の前進位置と後退位置との間で往復運動させ得る。結合部はまた、光ファイバを
、回転可能な関係で受け入れるように適合されてもよい。あるいは、ハンドピー
スは、カテーテルなどの可撓性のある管部材であって、駆動装置および結合部が
近位端または外部機器に配置された管部材であってもよい。これに関して、左心
室の内側から心筋内血管再生術を行うなど、血管内外科手術処置に着手され得る
【0021】 本発明の光ファイバは、細長い部分と、出口部分とを含み得る。細長い部分の
コアは、レーザエネルギーを受け取るための入口を有し、出口部分のコアは、レ
ーザエネルギーを放出するための出口を有する。出口部分のコアの軸は、細長い
部分のコアの軸に対して斜めであってもよい。この斜めの関係により、出口が、
上記の光ファイバの回転軸に関して偏心的な位置になる。さらに、出口部分は、
端面を有していてもよく、出口は、この端面からレーザエネルギーを放出する。
光ファイバが回転するときに端面から放出される異なるレベルのレーザエネルギ
ーを提供するためには、出口は、端面の径の少なくとも約2分の1の径を有する
。従って、出口の表面積は、端面の表面積の少なくとも4分の1である。径と表
面積との間のこの関係により、レーザエネルギーは回転軸周りで集束して放出さ
れ、そして、レーザエネルギーは端面の環状領域または周囲で断続的に放出され
る。従って、出口部分が前進するときに端面の周囲に隣接する組織は、比較的低
レベルのレーザエネルギーを受ける。その結果、新しく形成されたチャネルの内
面を規定する組織の外傷がより少なくなる。外傷の少ない組織が、血管組織を再
生する可能性を有することが観察されている。そのような血管再生または新脈管
形成は、虚血組織の治癒を促進する。
【0022】 本発明のその他の局面、特徴および利点は、添付の図面とともに考慮される以
下の説明から、本発明が関連する分野の当業者に明らかになる。
【0023】
【発明の実施の形態】
(例示的な実施形態の詳細な説明) 図面をより詳細に参照して、図1には、本発明の組織ドリル50の例示的な実
施形態が、レーザエネルギー源52とともに示されている。例示的な組織ドリル
50は、レーザ切除により、制御可能でプログラム可能な一貫した態様で組織に
孔またはチャネルを形成する。切除は、長い分子を砕いて短い気体分子にするプ
ロセスである。ヒトの身体を含む生体の組織のほとんどは、主として水(例えば
、約75%)で構成され、有機材料が、残りの部分を構成している。有機材料の
分子は、共有結合により互いにくっついた炭素、窒素、酸素、および水素の原子
からなる。切除は、これらの共有結合を壊すプロセスである。組織ドリル50は
、切除プロセスを用いて組織の分子を引き離し、それにより、組織内に孔または
チャネルを形成する。切除プロセスは、以下に、より詳細に説明される。
【0024】 例示的な組織ドリル50は、ユーザによって操作されるハンドピース54と、
レーザエネルギー源52からレーザエネルギーを伝送するための光ファイバ56
と、を含む。光ファイバ56は、図1Aに示される。光ファイバ56は、レーザ
エネルギーを放出するための出口部分58を有する。出口部分58は、実質的に
ドリルビットとして機能する。動作中、出口部分58は、レーザエネルギーを放
出しながら、後退位置(実線で示される)から前進位置(想像線で示される)に
動かされる。矢印Aは、前進位置に移動する出口部分58を表し、矢印Lは、出
口部分58から放出されたレーザエネルギーを表す。出口部分58を前進させる
と、組織がレーザエネルギーによって切除され、それにより、組織に孔またはチ
ャネルを形成する。例示的な組織ドリル50はまた、出口部分58を前進位置に
動かしながら回転させてもよい。これは、矢印Rで示される。前進位置に到達し
た後、出口部分58は、後退位置に引っ込められてもよい。これは、矢印Bで表
される。出口部分58の前進および後退は、好ましくは、光ファイバ56の中心
軸に沿って行われる。出口部分58のいかなる回転も、好ましくは、光ファイバ
56の中心軸周りに行われる。出口部分58の軸方向および回転移動は、以下に
、より詳細に説明される。
【0025】 光ファイバ56の例示的な出口部分58は、出口62を有する端面60を有し
、この出口62からレーザエネルギーが放出される。出口62は、好ましくは、
出口部分58の中心軸からオフセットされるか、または出口部分58の中心軸に
対して偏心的にされ、そのため、出口部分58が回転すると、出口62が中心軸
周りに回転する。従って、出口部分58が回転するときに出口62から放出され
るレーザエネルギーは、単一の点に集束されず、中心軸の周りに分布される。言
い換えると、出口部分58の中心軸に対する出口62の偏心関係は、好ましくは
、出口部分58が軸方向に前進するときにレーザエネルギーの勾配を作り出し、
最も高いレベルのレーザエネルギーが中心軸にあり、このエネルギーは、周縁部
に向かうにつれて減少する。出口部分58の偏心もまた、以下に、より詳細に説
明される。
【0026】 ハンドピース54は、様々な構成に従って実現され得る。例えば、ハンドピー
ス54は、血管内処置でカメラとともに使用される可撓性のあるカテーテルであ
ってもよい。これについて、出口部分58は、カテーテルの遠位端を越えて前進
し、心臓の左心室内部の組織、などの組織を血管新生し得る。あるいは、ハンド
ピース54は、トロカールシースとして形成され、肋間(即ち、肋骨の間)に配
置されて組織にアクセスしてもよい。ハンドピース54はまた、特定の形状にな
るよう曲げられてその形状を維持し得る複数の関節式ジョイントを有するグース
ネック状の構成に形成されてもよい。さらに、ハンドピース54は、可撓性のあ
るケーブルシースを有する導管であってもよい。従って、一般的な意味では、ハ
ンドピース54は、出口部分58を目標部位に送達するための「ユーザインタフ
ェース」を提供する。この送達は、外科医による直接の物理的操作によって達成
されても、プログラムされた機械的制御によって達成されてもよい。
【0027】 本発明の例示的なハンドピースが、図2Aおよび図2Bに示される。例示的な
ハンドピース54は、本体部64と、結合部66とを含み得る。例示的な本体部
64は、遠位端68を有する。例示的な結合部66は、光ファイバ56を、制御
され且つ軸方向に移動可能な関係で受け入れるように適合または構成され、その
ため、出口部分58は、本体部64の遠位端68を越えて前進され得る。さらに
、部66は、光ファイバ56を回転可能な関係で受け入れるように適合されても
よく、そのため、光ファイバ56の少なくとも出口部分58が回転し得る。ハン
ドピース54がカテーテルまたは同様の可撓性のある管部材として構成される場
合、管部材の内面は、光ファイバ56を、制御された、軸方向に移動可能な、お
よび/または、回転可能な関係で受け入れることにより、結合部としての役割を
果たす。
【0028】 図2Aに示されるような出口部分58の後退位置は、端面60が実質的に本体
部64の遠位端68に、または、遠位端68付近に配置される位置として規定さ
れ得る。従って、端面60は、遠位端68をわずかに越えて突出していてもよく
、あるいは、遠位端68に近接していても、遠位端68と実質的に整列されてい
ても(または同一平面上にあっても)よい。図2Bに示されるような出口部分5
8の前進位置は、出口62を有する端面60が本体部64の遠位端68を距離d
だけ越えて突出する位置として規定され得る。以下により詳細に説明されるよう
に、端面60が遠位端68を越えて突出する距離dは、好ましくは、予め定めら
れ、調整可能で、および/または、プログラム可能である。
【0029】 図3Aおよび図3Bをさらに参照して、例示的な結合部66は、管部材70と
、カラー72とから構成される駆動装置を含み得る。管部材72は、光ファイバ
56を受け入れ、そして、管部材に光ファイバ56を保持するためのチャック7
4を有していてもよい。管部材72はまた、管部材の長さに沿って形成される環
状のねじ山76を有していてもよい。カラー72は、本体部64内に配置され、
相補的な雌ねじ78を有する。図3Bに示されるように、例示的な管部材72は
、本体部64内に摺動可能で且つ回転可能に受け入れ可能であり、環状のねじ山
76が、カラー72の雌ねじ78を係合する。従って、管部材70の回転により
、管部材70が軸方向に移動する。光ファイバ56がチャック74により保持さ
れるため、出口部分58を有する光ファイバ56は、管部材70とともに軸方向
に移動する。カテーテルなど、ハンドピース54の別の実施形態では、結合部6
6および駆動装置をハンドピース54上に配置するのではなく、これらのエレメ
ントは、レーザ装置52などの近位位置に設けられてもよい。これに関して、カ
テーテルとして構成されたハンドピース54は、光ファイバ56を本体部内に保
持する。この本体部は、座屈を防ぐとともに、出口部分58を目標部位に送達す
るが、この本体部には、結合および駆動装置が実質的に無い。
【0030】 図4を参照して、例示的な光ファイバ56は、出口部分58の他に、細長い部
分80を有する。コア82およびクラッド84は、光ファイバ56を規定し、細
長い部分80および出口部分58に沿って延びる。コア82は、レーザエネルギ
ーを受け取るための入口86と、レーザエネルギーを放出するための出口62(
図1も参照)とを有する。コア82およびクラッド84は、高純度のシリカガラ
スまたはサファイアからなっていてもよく、コア82は、クラッド84の屈折率
よりも高い屈折率を有し、そのため、レーザエネルギーの変調パルスは、クラッ
ド84に侵入せずにコア82に沿って移動する。光ファイバ56は、いかなる寸
法に従って構成されてもよいが、多くの応用の場合、細長い部分80の長さle は、外科医に十分な操作性を提供するために、約0.5メートル(m)から2m
よりも多い値までの範囲にわたり得、出口部分58の長さloは、異なる長さの 孔が組織に形成され得るように、約50ミリメートル(mm)までの範囲であり
得る。医療以外の応用の場合、光ファイバ56は、特定の応用を達成するために
それに応じた寸法にされ得る。
【0031】 光ファイバ56のコア82は、細長い部分80に沿った軸Eと、出口62での
軸Oとを有する。さらに図5を参照して、出口部分58に沿ったコア82は、細
長い部分80に沿ったコア82から離れるように曲がり、細長い部分80に沿っ
たコア82に対して斜めになっている。端面60では、出口62のコア82の軸
Oは、細長い部分80のコア82の軸Eから、距離δだけオフセットされる、ま
たは、偏心する。従って、光ファイバ56が回転軸Eに沿って回転するとき、出
口62から放出されるレーザエネルギーは、軸Eの周りに分布される。さらに、
光ファイバ56が完全に一回転すると、レーザエネルギーの分布は、端面60の
表面積全体にわたる。端面60で、出口62は、コア82の軸Oが軸Eに対して
斜めになるか、または、示されるように軸Eに平行になるように構成され得る。
【0032】 光ファイバ56の別の例示的な実施形態が、図6および図7に示される。例示
的な光ファイバ56は、コア82およびクラッド84の他に、出口部分58の周
りに配置される補助クラッド88を含んでいてもよい。図4に示される実施形態
と同様に、出口62の軸Oを回転軸Eから距離δだけオフセットするために、出
口部分58のコア82は、細長い部分80のコア82に対して斜めになっている
。補助クラッド88は、細長い部分80のコア82(およびクラッド84)に対
する出口部分58のコア82(およびクラッド84)の斜めの関係を補償する。
従って、補助クラッド88は、出口部分58の好適な円筒形構成を提供し、その
ため、細長い部分80が軸E周りに回転すると、出口部分58が軸E周りに回転
する。さらに、出口62での軸Oが軸Eに対して偏心的であることに加えて、コ
ア82の軸Oは、図4に示されるような平行な関係ではなく、出口62で軸Eに
対して斜めになっていてもよい。
【0033】 図6および図7に示されるように、端面60(出口62を含む)は、例示的な
光ファイバ56の軸Eに実質的に垂直である。垂直な関係を形成するために、コ
ア82およびクラッド84は、軸Oに対して斜めの角度で研削または研磨され、
それにより、想像線Pで示されるコア82およびクラッド84の部分が除去され
る。従って、例示的な端面60は、実質的に平面である。あるいは、端面60は
、出口部分58の特定の実現に依存して、凸状であっても、凹状であっても、そ
の他の構成であってもよい。
【0034】 特に図7を参照して、例示的な光ファイバ56の端面60は、外縁部90に沿
って規定される円周Cesを有し、コア82の出口62は、外縁部92に沿って規
定される円周Coを有する。円周Cesおよび円周Coは、外縁部90および92の
弧の長さαに沿って同一に延びる。この関係は、レーザエネルギーが、端面60
の外縁部90で出口62から放出されることを可能にする。出口部分58が回転
すると、レーザエネルギーは、回転する端面60の円周Cesに沿って放出される
。弧の長さαは、望みに応じて、単一の接点から数秒、数分または数度の範囲に
わたり得る。
【0035】 出口62の径doは、好ましくは、端面60の径desの約2分の1よりも大き い。従って、出口62は、端面60の表面積の少なくとも4分の1の表面積を有
する。この表面積の関係は、レーザエネルギーが端面60のかなりのパーセンテ
ージから放出されることを可能にする。さらに、レーザエネルギーは、端面60
全体から同時に放出されず、出口部分58が軸E周りに一回転するのにかかる時
間にわたって放出される。心筋内血管再生術で使用される光ファイバ56の例示
的な商業的実施形態は、約1mmの端面60(および出口部分58の径desと、
約0.6mmの出口62の径doとを必要とする。概して、出口部分58の寸法 は、行われる処置の種類と、孔の所望のサイズとによって決められ、出口62の
径doは、端面60の径desの少なくとも2分の1である。例えば、1.5mm 径の孔が望まれる場合、端面60(および出口部分58)の径desは、約1.5
mmであるべきであり、従って、出口62の径doは、約0.75mmから1. 5mmよりもわずかに小さい値までの範囲であり得るが、好ましくは、約0.8
mmである。多くの医療の応用では、端面60の径desが、約0.2mmから2
.5mmよりも大きい値までの範囲であり得、出口62の径doが、約0.1m m未満から約2mmまたはそれ以上の範囲であることが企図される。心筋内血管
再生術(以下に説明される)などの特定の医療の応用では、端面60の径des
、約0.6mmから約2mmの範囲であり得、出口62の径doは、約0.3m mから約1mmの範囲にわたる。
【0036】 さらに図8を参照して、回転中の端面60が概略的に示されており、軸E周り
に回転している間の進行している瞬間t1、t2、t3およびt4の出口62が示さ
れている。端面60と出口62との間の表面積の関係のため、レーザエネルギー
は、端面60の領域94から連続的に放出される。即ち、領域94は、軸E周り
に回転している間のすべての瞬間の出口62の位置が交わる部分を表す。従って
、レーザエネルギーは、端面60のその他の領域では、特定の瞬間の出口62の
位置に依存して、間をおいて放出される。
【0037】 軸E周りの出口62の一回転あたりに例示的な端面60から放出されるレーザ
エネルギーと、軸Eからの距離との関係が、図8にグラフで示される。出口部分
58の一回転あたりの放出レーザエネルギーは、領域94の一定レベルから、端
面60の外縁部90でのより低いレベルに減少する。グラフでは、外縁部90は
、端面60の半径resに実質的に等しい、軸Eからの距離である。例示的な端面
60および出口62の特定の構成に依存して、位置に関するレーザエネルギーま
たは束の減少は、示されるように一次関数であってもよく、非一次関数であって
もよい。また、端面60の周囲でのエネルギーレベルは、特定の外科手術処置に
応じて変わり得るため、領域94と半径resとでの一回転あたりの相対エネルギ
ーレベルは、例示にすぎない。例えば、半径resでのエネルギー束は、領域94
での一定レベルと比べると、比較的低いレベルであり得る。
【0038】 本発明のこの一回転あたりのエネルギー分布に従えば、組織を切除して孔を形
成している間、周りまたは周囲の組織へのレーザエネルギーの移動は、形成され
ている孔の中心よりも少ない。このレーザエネルギー分布は、孔またはチャネル
が形成される組織への外傷を制限し得る。具体的には、出口部分58が回転して
レーザエネルギーを放出しながら組織を通って移動するとき、端面60の外縁部
90は、形成されている孔を規定する周囲組織に隣接し、そして接する。外縁部
90での放出レーザエネルギーレベルが、軸E(本質的に、形成されている孔の
中心を規定する)を中心とする放出レーザエネルギーレベルよりも低いため、周
囲組織への損傷は低減され、その結果、組織への外傷がより少なくなる。比較的
低いレベルの外傷を有する組織は、組織において新脈管形成または新しい血管の
形成を経験する可能性があると考えられる。本発明のこの低減された外傷の特徴
は、以下に、より詳細に説明される。
【0039】 上記のような偏心出口部分58を形成する例示的なプロセスは、光ファイバ5
6の遠位端をTeflon?管内に角度をつけて配置し、クラッド84が管の内 面に1点で接する状態にすることを含む。次いで、管にエポキシが充填される。
エポキシは、クラッド84が管に接している点を除いて、光ファイバ56の遠位
端を囲む。エポキシが硬化して硬くなると、管を取り除き、そしてエポキシおよ
び光ファイバ56の遠位面を研磨して、クラッド84が出口部分58の環状縁部
を規定する点で、端面60を規定する。特定の態様でレーザエネルギーの放出を
制御するために、端面60はまた、レンズを用いて形成されてもよい。出口部分
58を形成するための管の内径が、出口部分58の径(即ち、端面60の径des )を本質的に決定する。このプロセスに従えば、異なる径の出口部分58を有す
る光ファイバ56が形成され得、外科医が様々な径の孔を形成することを可能に
する。さらに、各々が異なる径を有する複数の出口部分58であって、各々が光
ファイバに結合されることができる複数の出口部分58が形成され得、そのため
、特定の処置の間、交換可能な「ドリルビット」の組が外科医の自由になる。出
口部分58およびハンドピース54と同様に、光ファイバ56は、再使用可能で
あっても使い捨てであってもよい。
【0040】 さらに図1および図3Aを参照して、例示的なハンドピース54は、首部98
により本体部64の遠位端に連結可能な頭部96を含み得る。従って、本体部6
4の遠位端68は、頭部96の組織端100によって規定される。組織端100
が本体部64よりも大きい径を有するよう、例示的な頭部96は、円錐形であっ
てもよい。組織端100は、組織内にドリルでチャネルが形成される外科手術部
位の上および外科手術部位に接してハンドピース54を配置するための作業表面
または組織係合表面を提供する。例示的な頭部96はまた、頭部96に形成され
る開口部102を有していてもよい。開口部102は、組織端100が組織に接
して配置されるときに外科手術部位を見るための窓として機能し得る。開口部1
02はまた、レーザエネルギーで組織を切除することによって生成され得るガス
を排出するためのベントして機能し得る。図1に示されるように、例示的な首部
98は、組織に接する頭部96の配置を向上するために、角度がつけられてもよ
い。これに関して、首部98は、所望の形状になりその形状を維持するための関
節式ジョイントを有するグースネックとして構成されてもよい。例示的な頭部9
6および首部98は、好ましくは管状であり、それにより、光ファイバ56を受
け入れることができる本体部64との内部連続体を提供する。
【0041】 特定の処置では、組織にドリルで孔があけられた場所を知ることが好ましい場
合がある。しかし、組織の性質または孔のサイズのため、孔が既に形成されてい
るかどうかを外科医が判断することは困難である可能性がある。従って、組織に
ドリルで新しく形成された孔に、印がつけられてもよい。これに関して、頭部9
6は、組織にドリルで孔があけられた場所に印をつけるための装置を含んでいて
もよい。例えば、組織端100は、孔が形成された場所で組織上に生物学的適合
性のインクまたは染料を分配するインク装置を有していてもよい。インクは、組
織端100との直接接触により組織に付与されてもよく、例えばスプレーにより
付与されてもよい。例示的なハンドピース54は、着色された液体または特定の
固体を貯蔵して組織に分配するためのリザーバを有していてもよい。視覚化を高
めるために、蛍光材料が使用されてもよい。目標部位で、ハンドピース54また
は頭部96によって、組織にその他の印が付与されてもよい。例えば、英数字の
印は、特定の孔を形成するために出口62から放出されたレーザエネルギーのパ
ラメータを示し得る。
【0042】 さらに図2A〜図3Bを参照して、例示的な結合部66は、カラー72の遠位
端に形成されるシート106に接して受け入れ可能なばね104と、管部材70
の遠位部に配置されるストップ108とを含み得る。ばね104およびストップ
108は、本体部64内の管部材70の位置を制御するための機構を規定し、そ
して、管部材70の前進および後退を容易にするように構成され得る。
【0043】 例示的なレーザエネルギー源52が、図9に示される。レーザエネルギー源5
2は、レーザエネルギーLを生成するためのレーザ110を含む。例示的なレー
ザエネルギー源52は、ハンドピース54および光ファイバ56と作動的に関連
する駆動アセンブリ112を含んでいてもよく、ユーザインタフェース116を
有する制御ユニット114もまた含んでいてもよい。例示的な駆動アセンブリ1
12は、光ファイバ56と連結するためのカプラ118と、レーザエネルギーL
を望み通りに改変するための光学120と、駆動装置/モータ122とを含んで
いてもよい。例示的なカプラ118は、レーザ110からのレーザエネルギーL
を光ファイバ56の入口に移動させるための光学120に関連する。例示的なカ
プラ118はまた、光ファイバ56を回転させるための駆動装置/モータ120
に関連する。
【0044】 図2Aおよび図2Bを参照して上で説明されたように、ハンドピース54の例
示的な結合部66は、光ファイバ56の回転移動を軸方向の移動に変えて、出口
部分58を前進および後退させる。例示的な駆動アセンブリ112は、好ましく
は、光ファイバ56を回転させる。例えば、カプラ118は、光ファイバ56の
近位端を固定および保持してもよく、モータ/駆動装置122は、カプラ118
を回転させ、カプラ118はまた、光ファイバ56を回転させる。駆動アセンブ
リ112は、例えば図2Aに矢印R1で示されるように光ファイバ56を第1の 方向に回転させて、光ファイバ56を矢印Aで示されるように軸方向に前進させ
てもよい。出口部分58が所望の前進位置に達すると、駆動アセンブリ112は
次いで、図2Bに矢印R2で示されるように光ファイバ56を反対の第2の方向 に回転させて、光ファイバ56を矢印Bで示されるように軸方向に後退させても
よい。例示的な駆動アセンブリ112は、出口部分58が後退位置と前進位置と
の間で往復運動するよう、光ファイバ56を揺動させてもよい(即ち、光ファイ
バ56を矢印R1およびR2で示されるように時計回りおよび反時計回りに回転さ
せてもよい)。
【0045】 例示的なレーザエネルギー源52は、好ましくは、いつ光ファイバ56の出口
部分58からレーザエネルギーLが放出されるかを制御する。例えば、レーザ1
10および駆動アセンブリ112に関連する制御ユニット114は、レーザエネ
ルギーLの放出を、出口部分58が前進位置に移動するときだけに制限してもよ
い。レーザエネルギーLは次いで、出口部分58の後退中に終了されてもよい。
あるいは、駆動アセンブリ112が出口部分58を往復運動させていれば、レー
ザエネルギーLは、出口部分58の前進ストローク中だけ伝送されてもよい。レ
ーザエネルギーLの放出は次いで、前進ストロークの終わりで終了されてもよい
。前進位置に到達したときのレーザエネルギーLの終了は、好ましくは自動的で
あり、レーザエネルギー源52によって制御される。あるいは、レーザエネルギ
ーLは、出口部分58の遠位端が、例えば心臓壁などの組織の部分を完全に貫通
して前進したときを判定する圧力センサなどの装置によって終了されてもよい。
このレーザエネルギーLの制御は、以下により詳細に説明される、組織ドリル5
0の特定の適用中に好ましい。
【0046】 図1Aをさらに参照して、光ファイバ56は、好ましくは、ハウジング124
内に受け入れられる。例示的なハウジング124は、光ファイバ56を保護する
ことに加えて、駆動アセンブリ112の回転の結果として起こり得る光ファイバ
56のいかなるねじれた曲げまたは屈曲をも制約する。例示的な光ファイバ56
は、レーザエネルギー源52のカプラ118と連結するための相補的なカプラ1
26を含み得る。相補的なカプラ126は、好ましくは、カプラ118との解放
可能な関連を提供し、そのため、本発明によるその他の光ファイバが、レーザエ
ネルギー源52に連結され得る。例示的なハウジング124は、好ましくは、カ
プラ126と結合部66のチャック74との間に延び、レーザエネルギー源52
とハンドピース54との間での光ファイバ56の一体保護を提供する。
【0047】 例示的なレーザエネルギー源52は、出口部分56が前進する距離d、出口部
分56が前進する速度、および出口62からレーザエネルギーが放出されるレベ
ルなどの、組織ドリル50の多数のパラメータを制御し得る。ユーザインタフェ
ース116に関連する制御ユニット114は、好ましくは、特定の組織ドリル孔
あけの応用に依存して、これらのパラメータの各々を制御、プログラム、モニタ
、および/または調節する。例えば、組織ドリル50の多数の応用の1つは、心
臓壁内または心臓壁を通って孔またはチャネルをドリルで形成するものである。
この処置は、心筋内血管再生術として、あるいはもっと簡単にTMRとして知ら
れている。図10A〜図10Dは、本発明の組織ドリル50を実現する例示的な
TMR処置を概略的に示す。
【0048】 心臓壁130は、図10Aに示されており、外側漿液層または心外膜134と
内膜または心内膜136との間に配置された心筋層または心筋132を含む。重
度の虚血性心筋症を患っている患者の心筋層の血管再生を行うことが医療上有益
であることが分かっている。心筋層132の血管再生は、組織に新しいチャネル
を形成することを含む。本発明の例示的な組織ドリル50を実現することにより
、制御された一貫したプログラム可能な態様で、心筋層に新しいチャネルが形成
され得る。
【0049】 TMR処置の前に、レーザ110がレーザエネルギーLを生成するレベルと、
レーザエネルギーLがパルス化される周波数とが決められてもよい。さらに、出
口部分58が遠位端68を越えて前進する距離dと、出口部分58が回転する速
度とが決められてもよい。これらのパラメータは、制御ユニット114に格納さ
れてもよく、そして、ユーザインタフェース116を介して変えられてもプログ
ラムされてもよい。
【0050】 TMR処置の間、患者の胸腔へのアクセスは、好ましくは、トロカールシース
を用いた肋間切開などの、最小限に侵襲的な処置により提供される。次いで、患
者の心臓へのアクセスは、例えば心膜を切開することにより提供される。出口部
分58が後退位置にある状態で、外科医は次いで、図10Aに示されるように、
ハンドピース54の頭部96を操作して、胸腔内に入れ、そして組織面100を
心外膜134に接して配置し得る。上記のように、出口部分58は、後退位置に
あるとき、遠位端68(即ち、組織端100)をわずかに越えて突出して、外科
医に、心外膜134上の端面60の位置の触感を提供してもよい。
【0051】 心外膜134上の所望の位置にあるとき、組織ドリル50が活性化され得る。
この活性化は、ユーザインタフェース116を介して助手により手動で達成され
てもよく、外科医により足または手によるトリガで達成されてもよい。あるいは
、組織ドリル50の活性化は、心電図(EKG)機を使用することにより、心臓
の電気的活動と同期されてもよい。組織ドリル50の活性化により、レーザエネ
ルギー源52は、レーザエネルギーを生成して光ファイバ56に伝送する。また
、活性化により、図10Bに示されるように、光ファイバ56が回転し、そして
出口部分58が心外膜134を通って前進し、心臓壁130の心筋層132内に
入る。
【0052】 出口部分58は、心筋層132を通り、そして心内膜136を通って前進し続
ける。図10Cに示されるように、出口部分58の端面60が心内膜136を通
って前進し、そして患者の心臓の左心室内に配置されると、レーザエネルギーの
放出は、好ましくは終了され、そして出口部分58が後退される。この処置の結
果、図10Dに示されるように、心臓壁130を通る新しいチャネル138が得
られる。左心室からの含酸素血液は、心内膜136を通る新しいチャネル138
に入り得、そして新しいチャネル138を囲む心筋層132の組織に潅流し得る
。ハンドピース54がカテーテルとして構成される場合、出口部分58は、心内
膜136を通って前進し、そして次いで心筋層132に入る。出口部分58が、
所定の距離だけ前進するようにプログラムされ得るため、出口部分58は、心外
膜134を完全に貫通して前進し続けてもよく、または、心筋層132内で所定
の距離だけ後退し始め、それにより、心臓壁130を通るチャネルではなく、心
臓壁130に孔を形成してもよい。
【0053】 上記のように、新しいチャネル138を囲む心筋層134へのより少ない外傷
は、出口62と回転軸Eとの間の偏心関係の結果として得られる。このより少な
い外傷は、周囲組織が、新しいチャネル138から心筋層134内に血管組織を
再生すること、または、新脈管形成を経験することを可能にし得る。周囲組織に
与えられる外傷のレベルは、出口部分58の偏心に加えて、次に説明される、出
口62から放出されるレーザエネルギーのレベルにより調停される。
【0054】 図9を参照して、レーザエネルギーLが生成されそして光ファイバ56に伝送
されるエネルギーレベルは、組織ドリル孔あけの各応用に従って、変えられ、プ
ログラムされ、そして制御され得る。例えば、組織ドリル50は、すべての種類
の動物組織および植物組織と、その他の物質にドリルで孔をあけるために構成さ
れ得る。レーザ切除の特徴を規定するパラメータは、周波数、チャネルあたりの
エネルギー、パルス幅、およびパルスレートを含む。以前に述べたように、切除
は、分子にエネルギーを加えることにより分子の原子間の結合を壊すプロセスで
ある。TMRの応用のレーザエネルギーLの1つの好適なレベルは、パルスあた
りのエネルギーを、平方ミリメートル面積あたり約100ミリジュール(mJ/
mm2)未満に制限するものである。より好ましくは、パルスあたりのエネルギ ーが約30mJ/mm2であれば、実質的に低減された外傷レベルで心臓組織を 切除することが分かっている。レーザ110のパルスあたりのエネルギーは、特
定の組織ドリル孔あけ処置に従って変えられてもよい。
【0055】 さらに図3Aおよび図3Bを参照して、駆動装置は、出口部分58が前進およ
び後退するレートを制御するように構成され得る。前進レートは、光ファイバ5
6が回転する速度と、カラー72および管部材78の相補的なねじ切りのピッチ
とによって制御される。円滑で連続した動作のためには、光ファイバ56および
従って出口部分58が約5,000回転/分(RPM)よりも低い速度で回転し
なければならないと判断されている。組織ドリル50のTMRの応用の場合、約
1,000RPMから約2,000RPMの範囲の回転速度が好ましい。これに
関して、組織ドリル50の特定のTMR構成は、以下の通りになり得る。光ファ
イバ56は、約1,340RPMで回転し得る。ねじ切り76および78のピッ
チは、出口部分58が約15.5ミリメートル/秒(mm/s)のレートで前進
するように構成され得る。1,340RPMの回転速度では、出口部分58が一
回転し終わるのに約46ミリ秒(ms)かかる。TMRの応用の場合、レーザ1
10は、各パルスの間隔が約4msずつあけられた、約20ナノ秒(ns)の持
続時間のレーザエネルギーLのパルスを放出し得る。パルスレートは、一回転あ
たり(もしくは、約36°の回転ごとに)約10パルス、または、約240パル
ス/秒であり得る。
【0056】 出口部分58を上記のように一定レートで前進および後退させるのではなく、
組織ドリル50は、出口部分58が後退位置と前進位置との間で変化する速度レ
ートで移動するように構成されてもよい。出口部分58がレーザエネルギーLを
放出しながら前進(または後退)する速度が遅いほど、より多くの組織が切除さ
れる。なぜなら、組織は、経時的により多くのレーザエネルギーを受けるからで
ある。従って、レーザエネルギーLがより多くの組織を切除することを可能にす
る速度で出口部分58を前進させることにより、端面60(および出口部分58
)の径desよりも大きい径を有する孔が形成され得る。あるいは、組織がより多
いまたはより少ないレーザエネルギーLを受けるよう、レーザエネルギーLのパ
ワーは、出口部分58の前進中に変えられてもよい。概して、外科医は、変化す
る単位時間あたりのエネルギーレベルで組織を切除し、様々な所望の径または構
成の孔を形成するよう、組織ドリル50をプログラムし得る。単位時間あたりの
エネルギーは、出口部分58が前進する速度(組織がレーザエネルギーを受ける
時間を変える)、またはレーザエネルギーのレベル、またはその両方のいずれか
を変えることにより調節され得る。
【0057】 図10Dに示される実質的に円筒形の孔138を形成するために、組織ドリル
50は、出口部分58を実質的に一定の速度で前進させ、そしてレーザエネルギ
ー源52は、実質的に一定のレベルでレーザエネルギーを放出した。しかし、図
11に示されるような円錐形の孔140であって、孔140の頂点が心外膜13
4に配置され且つ孔140の基部が心内膜136に配置される孔140が望まし
い場合、組織ドリル50は、出口部分58が心臓壁130を通って心外膜134
から心内膜136に前進している間、出口部分58を減少するレートで前進させ
る(即ち、ますます遅くなる速度で移動する)ように構成され得る。従って、出
口部分58がより遅い速度で前進するため、より多くの量の組織が切除される。
結果として得られる孔140は、心外膜134で出口部分58の径desに実質的
に等しい径を有し、そして心内膜136で径desよりも大きい径を有する。心内
膜136で比較的大きい径を有する孔140を形成することにより、孔の開存性
を向上し、従って、心筋層132への血液の潅流を向上する。さらに、心外膜1
34でできるだけ小さい径を有する孔を形成することにより、出血および外傷が
最小限に抑えられる。
【0058】 図12を参照して、別の非円筒形の孔142が示される。図11に示されるよ
うに出口部分58を心外膜134から心内膜136に前進させることによって孔
142を形成するのではなく、孔142は、血管内で形成され、出口部分58は
、心内膜136から前進し、そして所定の距離dだけ心筋層132内に入る。上
記のように、血管内に孔を形成するために、ハンドピース54は、カテーテルと
して構成されてもよく、心臓の左心室へのアクセスは、例えば大腿動脈および大
動脈を通して提供される。心内膜136で端面60の径desよりも大きい径を有
する孔142を形成するために、組織ドリル50は、心外膜136で、または、
心外膜136付近で、出口部分58を比較的ゆっくりと前進させ、そして次いで
、速度を増加させるように構成される。この結果、心内膜136で、または、心
内膜136付近で、心筋層132内の孔142の「底部」よりも多くの組織が切
除される。心内膜136に向かって、より多くの組織を切除するために、レーザ
エネルギーはまた、出口部分58が後退している間に放出されてもよい。前進速
度は、出口部分58が回転する1秒あたりの回転数、または、ねじ切り76およ
び/もしくは78のピッチ、またはその両方のいずれかを変えることによって変
えられ得る。上記のように、出口部分58が前進する速度を変えるのではなく、
放出されたレーザエネルギーLのレベルが変えられてもよい。これに関して、孔
142を形成するために、組織ドリル50は、出口部分58が前進し始めるとき
にレーザエネルギーLを比較的高いレベルで放出し、そして次いで、出口部分5
8が距離dだけ前進するに従ってレベルを減少させるように構成され得る。
【0059】 あるいは、速度またはエネルギーレベルを調節するのではなく、出口部分58
が、深さを増加しながらまたは深さを減少しながら多数回往復運動してもよい。
例えば、図12を参照して、形成される孔の所望の深さが距離d(即ち、端面6
0がハンドピース54の遠位端を越えて前進する距離)であれば、組織ドリル5
0は、出口部分58を、第1のストロークで距離dだけ前進させ、そして次いで
、出口部分58を、所定のストローク数のその後の各ストロークで漸増的に減少
する距離だけ前進させるように構成され得る。従って、出口部分58が前進する
速度と、レーザエネルギーLが放出されるレベルとに拘わらず、心内膜136で
比較的大きい径を有し、心外膜134に向かってテーパ状にされる孔142が形
成され得る。なぜなら、心外膜134に向かう組織は、出口部分58の多数のス
トロークとともに、繰り返しレーザエネルギーを受けるからである。従って、単
位時間あたりに受け取られるエネルギーのレベルが増えるため、この組織のより
多くの部分が切除される。あるいは、ストロークの距離を減らすのではなく、多
数のストロークの各ストロークの距離を漸増的に増加して、図11の孔140を
形成してもよい。さらに、比較的大きい径の内腔を有する孔を形成することが望
ましい場合、組織ドリル50は、出口部分58を、所定の距離で所定の時間だけ
一時停止させてレーザエネルギーを1つの場所に集中させ、その場所で組織の比
較的大きい部分を切除してもよい。
【0060】 当業者は、上記の本発明の実施形態が本発明を例示しているのであって、本発
明の範囲を、これらの具体的に示され説明された実施形態に限定するわけではな
いことを理解する。本発明の範囲は、説明された実施例によってではなく、添付
の請求の範囲およびその法律上の等価物の条件によって決定される。さらに、例
示的な実施形態は、基礎を提供するものであって、この基礎から、多数の代替お
よび改変がなされ得る。これらの代替および改変もまた、添付の請求の範囲で規
定される本発明の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の組織ドリルの例示的な実施形態の斜視図である。
【図1A】 図1の線1Aに沿った、本発明の例示的な光ファイバの断面図である。
【図2A】 本発明の例示的な組織ドリルの概略図であり、後退位置の光ファイバを受け入
れるハンドピースを示す。
【図2B】 図2Aの概略図と同様の概略図であり、前進位置の光ファイバを示す。
【図3A】 本発明の組織ドリルの例示的なハンドピースの概略図であり、ハンドピースを
分解した状態を示す。
【図3B】 図3Aの概略図と同様の概略図であり、ハンドピースを組み立てた状態を示す
【図4】 本発明の例示的な光ファイバの模式図であり、光ファイバの出口部分の偏心構
成を特に示す。
【図5】 図4に示される光ファイバの端面の模式図である。
【図6】 本発明の別の例示的な光ファイバの模式図である。
【図7】 図6に示される光ファイバの端面の模式図である。
【図8】 本発明の光ファイバの例示的な端面の概略図であり、放出されるレーザエネル
ギーと端面の位置と間の関係を特に示す。
【図9】 本発明の例示的なレーザエネルギー源の模式図である。
【図10A】 本発明の例示的な組織ドリルの模式図であり、組織ドリルを実現する好適な組
織ドリル孔あけ処置の工程を特に示す。
【図10B】 図10Aの図と同様の図であり、組織ドリル孔あけ処置のその後の工程を示す
【図10C】 図10Bの図と同様の図であり、組織ドリル孔あけ処置の別のその後の工程を
示す。
【図10D】 図10Cの図と同様の図であり、組織ドリル孔あけ処置のさらに別のその後の
工程を示す。
【図11】 本発明の例示的な方法に従ってドリルで孔があけられた組織の模式図である。
【図12】 本発明の別の例示的な方法に従ってドリルで孔があけられた組織の模式図であ
る。
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Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外傷が低減された組織切除のための組織ドリルであって、該
    組織ドリルは、 レーザ入口端とレーザ出口端とを有する光ファイバと、 該光ファイバを、制御された、往復運動する関係で受け入れるように適合され
    るハンドピースと、 光を伝導する関係で、該レーザ入口端に結合されるレーザと、を含む、組織ド
    リル。
  2. 【請求項2】 前記ハンドピースが遠位端を有し、 前記光ファイバの前記レーザ出口端が該遠位端から往復運動する、請求項1に
    記載の組織ドリル。
  3. 【請求項3】 前記レーザ出口端が、前記遠位端から、所定位置間で往復運
    動する、請求項2に記載の組織ドリル。
  4. 【請求項4】 前記所定位置がプログラム可能である、請求項3に記載の組
    織ドリル。
  5. 【請求項5】 前記ハンドピースが、前記光ファイバを、制御された、回転
    可能な関係で受け入れるように適合される、請求項3に記載の組織ドリル。
  6. 【請求項6】 前記光ファイバの前記レーザ出口端が、前記所定位置間で往
    復運動しながら回転可能である、請求項5に記載の組織ドリル。
  7. 【請求項7】 前記レーザ出口端が偏心的である、請求項6に記載の組織ド
    リル。
  8. 【請求項8】 前記所定位置が、前記レーザ出口端が前記遠位端に近接した
    位置を含む、請求項3に記載の組織ドリル。
  9. 【請求項9】 前記組織ドリルが、心臓組織を切除するように適合される、
    請求項1に記載の組織ドリル。
  10. 【請求項10】 前記心臓組織が心筋層である、請求項9に記載の組織ドリ
    ル。
  11. 【請求項11】 外傷が低減された組織切除のためのレーザ組織ドリルにお
    いて使用されるハンドピースであって、 遠位端を有する本体部と、 光ファイバを、該本体部に関して、制御された、軸方向に移動可能な関係で受
    け入れるための結合部と、を含む、ハンドピース。
  12. 【請求項12】 前記結合部が、前記光ファイバの出口を、前記遠位端を越
    える位置に動かすための駆動装置を含む、請求項11に記載のハンドピース。
  13. 【請求項13】 前記駆動装置が、前記光ファイバの前記出口を、実質的に
    前記遠位端の位置、または、該遠位端付近の位置に動かす、請求項12に記載の
    ハンドピース。
  14. 【請求項14】 前記駆動装置が、前記光ファイバの前記出口を前記位置間
    で往復運動させる、請求項12に記載のハンドピース。
  15. 【請求項15】 前記結合部が、前記位置を変えるためにプログラム可能で
    ある、請求項12に記載のハンドピース。
  16. 【請求項16】 前記結合部が、前記光ファイバを、制御された、回転可能
    な関係で受け入れるように適合される、請求項11に記載のハンドピース。
  17. 【請求項17】 前記結合部が、前記光ファイバの出口を、前記遠位端を越
    える前進位置に動かすための駆動装置を含み、 該結合部が、該出口を該前進位置に動かしながら該出口を回転させるように適
    合される、請求項16に記載のハンドピース。
  18. 【請求項18】 前記駆動装置が、前記光ファイバの前記出口を、実質的に
    前記遠位端にある後退位置または該遠位端付近の後退位置に動かし、 前記結合部が、該出口を前記前進位置から該後退位置に動かしながら該出口を
    回転させるように適合される、請求項17に記載のハンドピース。
  19. 【請求項19】 前記駆動装置が、前記光ファイバの前記出口を、前記前進
    位置と前記後退位置との間で往復運動させるために適合される、請求項18に記
    載のハンドピース。
  20. 【請求項20】 前記結合部が、前記前進位置を変えるためにプログラム可
    能である、請求項17に記載のハンドピース。
  21. 【請求項21】 前記本体部がカテーテルである、請求項11に記載のハン
    ドピース。
  22. 【請求項22】 外傷が低減された組織切除のためのレーザ組織ドリルにお
    いて使用される光ファイバであって、 レーザエネルギーを受け取るための入口を有するコアを有する細長い部分を含
    み、該コアは軸を有し、該光ファイバは、 レーザエネルギーを放出するための出口を有するコアを有する出口部分をさら
    に含み、該コアは、該出口で、該細長い部分の該コアの軸に対して偏心的な軸を
    有する、光ファイバ。
  23. 【請求項23】 前記出口部分が、約0.3ミリメートル(mm)から約1
    mmの範囲の径を有する、請求項22に記載の光ファイバ。
  24. 【請求項24】 前記出口部分が、約50mmの長さを有する、請求項22
    に記載の光ファイバ。
  25. 【請求項25】 前記細長い部分が、約2メートルの長さを有する、請求項
    22に記載の光ファイバ。
  26. 【請求項26】 前記出口部分が、前記細長い部分の前記コアの軸と実質的
    に同心の軸を有する補助クラッドを含む、請求項22に記載の光ファイバ。
  27. 【請求項27】 前記出口部分が端面を有し、前記出口は、該端面からレー
    ザエネルギーを放出し、 該出口は、該端面の径の少なくとも約2分の1の径を有する、請求項22に記
    載の光ファイバ。
  28. 【請求項28】 前記端面の径が、約1mmであり、前記出口の径が、約0
    .6mmである、請求項27に記載の光ファイバ。
  29. 【請求項29】 外傷が低減された組織切除を行う方法であって、 レーザエネルギーを生成するためのレーザエネルギー源を提供する工程と、 遠位端を有するハンドピースと、該レーザエネルギー源からレーザエネルギー
    を受け取るための入口とレーザエネルギーを放出するための出口とを有する光フ
    ァイバと、を含む組織ドリルを提供する工程と、を包含し、該ハンドピースは、
    該光ファイバを移動可能な関係で受け入れ、そのため、該出口は、該遠位端を越
    えて前進可能であり、 該ハンドピースの該遠位端を、切除される組織付近に、または該組織に接して
    配置する工程と、 該出口からレーザエネルギーを放出しながら、該光ファイバを該組織内に前進
    させる工程と、をさらに包含する、方法。
  30. 【請求項30】 前記光ファイバを前記組織から後退させる工程をさらに包
    含する、請求項29に記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記後退させる工程が、 前記出口からのレーザエネルギーの放出を終了しながら、前記光ファイバを後
    退させる工程を包含する、請求項30に記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記前進させる工程が、前記出口を回転させながら、前記
    光ファイバを前記組織内に前進させる工程を包含する、請求項29に記載の方法
  33. 【請求項33】 前記提供する工程が、前記出口を有する前記光ファイバを
    備える前記組織ドリルを提供する工程を包含し、該出口が、該光ファイバの回転
    軸に対して偏心的な軸を有する、請求項32に記載の方法。
  34. 【請求項34】 前記前進させる工程が、前記光ファイバを、変化する速度
    レートで前記組織内に前進させる工程を包含する、請求項29に記載の方法。
  35. 【請求項35】 前記前進させる工程が、変化するレベルでレーザエネルギ
    ーを放出しながら前記光ファイバを前記組織内に前進させる工程を包含する、請
    求項29に記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記組織ドリルを提供する工程が、カテーテルとして構成
    されるハンドピースを含む組織ドリルを提供する工程を包含し、 前記配置する工程が、該ハンドピースの前記遠位端を血管内に配置する工程を
    包含する、請求項29に記載の方法。
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