JP2001515018A - 中枢神経軸索再生 - Google Patents

中枢神経軸索再生

Info

Publication number
JP2001515018A
JP2001515018A JP2000509293A JP2000509293A JP2001515018A JP 2001515018 A JP2001515018 A JP 2001515018A JP 2000509293 A JP2000509293 A JP 2000509293A JP 2000509293 A JP2000509293 A JP 2000509293A JP 2001515018 A JP2001515018 A JP 2001515018A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rho
protein
collapsin
growth
inhibitor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000509293A
Other languages
English (en)
Inventor
ステフェン エム ストリートマター,
Original Assignee
エール ユニバーシティ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エール ユニバーシティ filed Critical エール ユニバーシティ
Publication of JP2001515018A publication Critical patent/JP2001515018A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/10Transferases (2.)
    • C12N9/1048Glycosyltransferases (2.4)
    • C12N9/1077Pentosyltransferases (2.4.2)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/43Enzymes; Proenzymes; Derivatives thereof
    • A61K38/46Hydrolases (3)
    • A61K38/48Hydrolases (3) acting on peptide bonds (3.4)
    • A61K38/4886Metalloendopeptidases (3.4.24), e.g. collagenase
    • A61K38/4893Botulinum neurotoxin (3.4.24.69)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/28Drugs for disorders of the nervous system for treating neurodegenerative disorders of the central nervous system, e.g. nootropic agents, cognition enhancers, drugs for treating Alzheimer's disease or other forms of dementia
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/195Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria
    • C07K14/33Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria from Clostridium (G)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K48/00Medicinal preparations containing genetic material which is inserted into cells of the living body to treat genetic diseases; Gene therapy
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2799/00Uses of viruses
    • C12N2799/02Uses of viruses as vector
    • C12N2799/021Uses of viruses as vector for the expression of a heterologous nucleic acid
    • C12N2799/028Uses of viruses as vector for the expression of a heterologous nucleic acid where the vector is derived from a herpesvirus
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change

Abstract

(57)【要約】 急性又は慢性脊髄損傷外傷性脳損傷及び白質発作を含む種々の中枢神経系障害の治療用軸索再生促進する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
関連出願日 本出願は1997年8月13日に出願された米国特許出願第60/055,2
68号の優先権を主張するものである。
【0002】 発明の技術分野 本発明は成長コーンシグナル変換タンパク機能のしゅしょくを生ずるアデノウ
ィルス媒介遺伝子治療を含む、中枢神経系軸索生成を促進する治療に関する。こ
の治療方法は特に重大な慢性の脊柱索状組織の損傷外傷性の脳損傷及び白質発作
からの回復に関する。
【0003】 脊柱の索状組織機能はこれらの細胞の延ばされた軸索過程を通して1つの神経
細胞から他への電気的条件を必要とする。成人の脊柱索状組織への損傷の後、こ
れらの連結は中断され、そして残存する神経細胞は筋肉を管理し、感覚を供給す
るためにお互いに情報伝達できなくなる。以前の研究は神経細胞は適当な環境が
与えられた場合に、それらの軸索を延ばすことができることを示している。残念
ながら、成人の脊柱索状組織は抑性分子が非神経単位の補助細胞によってしぼり
出されているので不適当な環境である。このように、その抑制の影響が克服され
れば、軸索の再生及び機能回復は結果として生じるだろう。
【0004】
【従来の技術】
発明の背景 脊柱索状組織は、その中で多数の軸索が中断されている状態の模範的な例であ
るが、神経細胞体の大多数がそっくりそのまま残されている。大脳皮質中への皮
質脊柱錐体神経細胞及び背部のルート神経節中の大きな神経繊維知覚神経は大量
に現れるけれども、それらは、損傷した軸索を再生できない。慢性のまひ及び知
覚まひは、軸索の再生し損なった結果である。ラキュナ(Lacunar)白質
発作及び広がった外傷性脳損傷は軸索自体が損傷の主要な現場であるという意味
において類似している。脊椎動物の系においては、中枢神経系(CNS)ではな
くて、末梢神経(PNS)が損傷後軸索を再生する能力があることがよく知られ
ている。坐骨の神経移植片の損傷したCNS組織への移植はCNS軸索が末梢神
経を通して再生できることを証明している(David及びAguayo、19
81年)。
【0005】 いくつかのCNSミエリン由来反発因子が確認されている。35kDa(NI
−35)及び205kDaの抗原性に関連したSDS−PAGE後のリポソーム
に対する抑制活性が再構成された(Caroni及びSchwab、1988
年)。NI−35は軸索の伸張を抑制し、成長コーン虚脱を誘発する(id及び
Bandtlow他、1993年)、NI−35に対する抗体は脊柱索状組織の
トランスセクションの後この抑制の生理学上の関連性を証明しながら、いくつか
の軸索再生を促進する(Schnell他、1994年)。脊柱索状組織損傷場
所での嗅覚被覆(ensheathing)細胞の移植は、多分、通常抑制物質
を生産する乏〔寡〕突起(神経)膠細胞の代わりをすることにより、ある程度の
軸索再生を促進する(Li他、1997年;Imaizumi他、1998年;
Mukhopadhyay他、1994年)。
【0006】 インビトロで、神経突起成長のCNSミエリン抑制もミエリン関連糖タンパク
(MAG;Mukhopadhyay他、1994年;Mckerracher
他、1994年)によってある程度媒介されている。インビーボにおいて、MA
Gは、軸索再生のミエリン抑制に寄与する又はそうでないかもしれない(Bar
tsh他、1995年;Schafer他、1996年)。もし、軸索副産物に
対するCNSミエリンの抑制効果がインビーボにおいて妨げらることができるな
ら、脊柱索状組織の外傷及び他のCNS軸索損傷の事例からの増加した回復も起
こりそうである。胎生の神経細胞の成人のCNSミエリン索へのマイクロ移植に
関する最近のデータは成人CNSミエリン内でのいくらかの軸索伸長を提供して
いる(Davis他、1997年)。乏突起(神経)膠細胞成分はもちろん星状
細胞傷跡も成人のCNS軸索再生不能に寄与していることが含まれている。反発
因子は主として成長する軸索の末梢部の先端で分化した成長コーンに作用すると
考えられている(Strittmatter、1995年;Strittmat
ter、1996年)。
【0007】 神経細胞の成長コーンは神経系の発達及び再生の間無数の潜在的な経路及びタ
ーゲットを区別するために、知覚器官を有している(Strittmatte
r、1995)。細胞外でのシグナルは、成長コーンのアクチン基材細胞骨格で
の変化を誘発し、これ故に、その組織及び運動性を誘発する。細胞外のクルーが
細胞骨格の再配置に変換される分子メカニズムが少し明らかにされた。
【0008】 セマフォリン(semapghorin)/コラプシン(collapsi
n)属のタンパク質が、軸索生成及び末端の樹枝状分岐の重要な1つの陰性のレ
ギュレーターとして認められている(Luo他、1993年;Kolodkin
他、1992、1993年)。ヒナコラプシン−1(chick collap
sin−1)は、成長コーン虚脱そして少なくともDRG神経細胞の部分集合か
らは神経突起の生長の中断を誘発する(Raper及びKapfhammer、
1990年;Luo他、1993年)。昆虫セマフォリン(insect se
maphorin)は軸索の経路検索(pathfinding)及び対合的末
端分岐(synaptic terminal branching)間に証明
されたインビーボでの役割を有する(Kolodkin他、1992年;Mat
thes他、1995年)。少なくとも7つの脊椎動物セマフォリンが同定され
ており、20程度のこのファミリーの仲間があるかも知れない(Puschel
他、1995年;Adams他、1996年)。コラプシン−1の適用後アクチ
ンフィラメントの減少が提供されている(Fan他、1993年)。非同定トラ
ンスメンブラン受容体に結合しているコラプシン−1がこの解重合の引き金とな
っているメカニズムは明らかでない。
【0009】 非神経細胞において、rho亜科の単量体ras関連GTP結合タンパク質
は、アクチン基材細胞骨格及び細胞形状に顕著な効果を有する(Hall、19
90、1994年)。繊維芽細胞において、rho活性化は張力繊維形成及び焦
点接着(focal adhesion)にリンクしており、rac1活性化は
メンブランラフリング(membrane ruffling)に、そしてcd
c42活性化は、糸状仮足(filopodial)形成にリンクしている(N
obes及びHall、1995年)。一つのアミノ酸置換がこれらのタンパク
質の各々の構造的な活性又は負の優性形を引き起こす。ボツリヌス菌ADPリボ
シレートrho(C.botulinum ADP−ribosylates
rho)からのC3転移酵素はGタンパク質を非活性化する。
【0010】 神経細胞成長コーン運動性のレギュレーションへの、このクラスのGタンパク
質の寄与は現在研究されてきている。神経芽腫細胞においては、リゾフォスファ
チジン酸(LPA)又はヘテロトリメリックGタンパク質共役d受容体(het
erotrimeric G protein−couple d recep
tor)に結合したトロンビンは迅速な神経突起の収縮を誘発する(Jalin
k及びMoolenaar、1992年;Jalink他、1994年)。その
ボツリヌス菌からのC3転移酵素はrho活性化がこれらの細胞における神経突
起長のLPAレギュレーションを成立させることを示しながらLPAの作用を妨
げることが示されている(Jalink他、1994年)。活性化されたrho
の下流部門でのターゲットは、ミオシンL鎖フォスフォリアーゼとして同定され
ており(Kimura他、1996年)ミオシンL鎖キナーゼ阻害物質、KT5
926はLPA誘発神経突起収縮を妨げる(Jalink他、1994年)。
【0011】 神経突起生長のレギュレーションにおけるrho関連小Gタンパク質(rho
−related small G protein)のための更なる証拠がこ
れらのタンパク質の、インビーボでの活性化された又は負の優性形発現している
研究から生じている。rac1活性の変性及びより少ないcdc42活性への変
性は、ハエにおける多くの神経細胞からの軸索伸長における不能をもたらす(L
uo他、1994年)。小脳のプルキニエ細胞中の構成的な活性rac1を発現
するマウスが樹皮状形態における変性を示した(Luo他、1996年)。
【0012】 抑制(反発)分子が軸索の末梢先端(成長コーン)に作用する分子メカニズム
は、現在研究中である。ここに報告されている研究において、GPT結合rho
タンパク質が多数の分子による軸索反発作用に要求されることが見出された(J
in及びStrittmatter、1997年)。組織培養における軸索成長
についてのCNSミエリンの抑制効果はrhoタンパク質の抑制によって妨げら
れる。
【0013】 発明の要約 本発明の目的は急性又は慢性脊髄損傷、外傷性脳損傷及び白質発作を含む種々
の中枢神経系障害の治療用軸索(アクソン)再生促進するためにこれらの発見を
利用することである。 これらの及び他の目的は本発明によって達成される。
【0014】 本発明はrho、rac、cdc42インヒビター又はこれらのいずれかの混
合物の如き少なくとも1つのrhoタンパクインヒビターの有効量を患者に投与
することによって軸索再生に必要な患者の中枢神経系軸索生成を促進する方法を
提供する。rhoタンパクインヒビターは軸索又はこれらの非神経保護組織に化
学的に導入され得るか、又はインヒビターを発現する複製−不十分なアデノ、ア
デノ−結合ウィルス又はヘルペスウィルスを投与することによって導入し得る。
一つの具体例では、このインヒビターはC.ボツリヌス菌C3外酵素、他の具体
例では、キラメC.ボツリヌス菌C2/C3インヒビターがある。
【0015】 本発明は従って本明細書に記載した方法を用いることによって中枢神経系の治
療用rhoタンパクインヒビターを含有する医薬組成物を提供する。又は、rh
oインヒビター活性を検定することによって化合物のパネル中の軸索再生活性を
検出するために使用し得るスクリーンを提供する。
【0016】 図面の記載 図1はコラプシン−1−誘発成長コーン虚脱がKT5926及びPTXによっ
て減衰され得ることを図解する線状グラフである。(A)検定の2時間前、KT
5926の指示濃度はDRGエクスプラント培養基に加えられた。KT5926
の低濃度がファクター5によってコラプシン投与応答曲線を右へシフトした。K
T5926はコラプシン−1の非存在下で成長コーンについて影響を示さなかっ
た。4−6の個別の実験からの平均が示される。(B)チックDRGエクスプラ
ント培養を500ng/ml百日咳ホロトキシンの添加又は500ng/mlの
オリゴマーBサブフラクションの百日咳トキシンをもつ成長培養地中で3時間予
備インキュベートした。次いで、成長コーンコラプスを組換コラプシン−1−H
is6の所定の濃度の存在下で測定した。オリゴマーBフラクションが影響をも
たなかったにもかかわらず、百日咳ホロトキシンは200pMコラプシン−1で
成長コーンコラプスを著しく増加した(p<0.05スチューデントのトウ−テ
イルドtテスト)。SEMによる5つの実験の平均を図解した。
【0017】 図2はrhoサブファミリータンパクでこすられたDRGニューロン中の成長
コーンコラプス及び神経突起を示す。(A)摩砕のために用いたタンパク調剤は
SDS−PAGEによって別けられ、coomassieブルーで染色された。
45、36、25及び21 kDa Mr基準の移動は右側に示される。(B)
DRGニューロンをrhoファミリータンパクの5mg/ml及びC3トランス
フェラーゼの0.1mg/mlで所定のタンパクでこすった。培養4時間後、成
長コーンコラプスを200pMコラプシン−His6に20分間さらして(灰色
バー)、又はさらさないで(固体バー)評価した。これらのデータは3−9別々
の実験について平均+SEMである。星印でしゆしされた値は同一の条件下での
バッファー−摩砕細胞と著しく異なる(p<0.05、スチューデントのトウ−
テイルドtテスト)。(C)DRGニューロンを所定のタンパクで摩砕し、Bで
記載した如くコランプシン−1にさらした。アクチンをTRITC−ファロイジ
ンでホルマリン固定細胞を染色することによって視覚化した。拡大は500倍。
(D)DRGニューロンをrhoファミリータンパクの5mg/ml及びC3ト
ランスフェラーゼの0.1mg/mlで所定のタンパクで摩砕した。培養2時間
後、ニューロンをさらに3時間0(固体バー)又は200pM(灰色バー)にさ
らし、そして次いで細胞ごとに平均全神経突起生長を決定した(Goshima
他、1995)。データは3−9別々の実験について平均+SEMである。星印
でしるしした値は同一の条件下でバッファー摩砕細胞と著しく異なる(p<0.
05、スチューデントのトウ−テイルドtテスト)。
【0018】 図3は成長コーン運動性のコラプシン−1におけるrac1を示す。DRGニ
ューロンをバッファー又は所定のGタンパクの種々の濃度で摩砕した。成長コー
ンコラプスをコラプシン−His6にさらしまたはさらさないで図2の如く決定
した。データは2−4の別々の実験について平均+SEMであった。(A)N1
7racタンパクの種々の濃度で摩砕後の成長コーンコラプスを200pMコラ
プシンにさらして(○)又はさらさないで(●)で決定した。(B)DRGニュ
ーロンを0又は2.5mg/mlのN17rac及び次の構成活性Gタンパクの
0又は5mg/mlで摩砕した。BはN17rac、CはN17rac+V14
rho、Dは17rac+V12rac、及びEはN17rac+V12cdc
42、そしてAはバッファーである。成長コーンコラプスを200pMコラプシ
ン−1の非存在下(固体バー)又は存在下(灰色バー)中で決定した。V12r
acがコラプシン誘発成長コーンコラプスのN17rac阻害を部分的に逆転す
ることを注意すべきである。(C)バッファー(●)、構成的に活性なV12r
ac(◇)又は優性負N17rac(◆)による摩砕後、成長コーンコラプスが
所定の濃度のコラプシンにさらされたDRGニューロンについて計量された。
【0019】 図4はDRGニューロンについてC3トランスフェラーゼを示す。DRGニュ
ーロンを図2に記載した如く摩砕し培養した。データは2−4の別々の実験につ
いて平均+SEMである。(A)C3トランスフェラーゼの所定の濃度がDRG
ニューロンの摩砕を通して存在した。200pMコラプシン−1の存在下及び非
存在下で成長コーンコラプスを図2における如く決定した。(B)バッファーに
よる摩砕後、4μg/mlC3トランスフェラーゼ、5mg/ml V14rh
o、又は両タンパク、ニューロンを0(灰色バー)又は200pM(固体バー)
コラプシン−His6にさらし、そして成長コーンコラプスを定量した。B(B
及びC)において、Aはバッファーであり、BはC3であり、CはV14rho
であり、DはC3+V14rhoであり、EはC3+V12racであり、そし
てEはC3+V12cdc42である。(C)Bにおける如く摩砕された細胞ご
とに平均全神経突起生長を200pMコラプシン−His6の存在下(灰色バ
ー)又は非存在下(固体バー)で培養した後に決定した。
【0020】 図5はC3のトランスフェラーゼの効果がN17racによってブロックされ
ないことを示す。 DRGニューロンをバッファー、5mg/mlのN17rac、0.1mg/
mlのC3トランスフェラーゼ又は両タンパクで摩砕した。データは3−5別々
の実験についての平均+SEMであった。(A)ニューロンを4時間培養し、次
いで成長コーンコラプスを20分間200pMコラプシン−His6にさらし
(灰色バー)又はさらすことなく(固体バー)検定した。(B)所定のタンパク
で摩砕したニューロンの細胞につき平均全神経突起生長を培養後4時間後に決定
した。
【0021】 図6はミエリン又はLPAによる成長コーンコラプスがN17racによって
ブロックされないことを示す。DRGニューロンを図における如く所定のタンパ
クで摩砕した。データは3の別々の実験についての平均+SEMである。(A)
ニューロンを4時間培養し、そして成長コーンコラプスをバッファー(固体バ
ー)、又はCNSミエリン抽出物(5μgタンパク/ml、灰色バー)に30分
間さらした後に検定した。(B)培養2時間後、ニューロンをさらに2時間CN
Sミエリン抽出物の0タンパク/ml(固体バー)又は5μgタンパク/ml
(灰色バー)にさらした。細胞につき平均神経突起生長を4時間後に決定した。
(C)ニューロンを4時間培養し、そして成長コーンコラプスをバッファー(固
体バー)又はLPA(1μM、灰色バー)に30分間さらした後に検定した。
【0022】 図7はDRG成長コーン機能のrho/racについてのモデル図である。D
RG成長コーンについての三つの状態が形態学的に外観、神経突起割合、rho
活性化状態及びrac1活性によってクラス分けされる。
【0023】 図8はタウ−EGEPと供にC3細胞外酵素の発現のための主要要素を説明す
るアデノウィルス形質転換ベクターマップを図解的に説明する。多シストロン性
メッセージがコードされている。コザック翻訳開始部及び停止配列中のC3細胞
外酵素又はrac1末端のコード配列はリボソーム再入部位及び第2コザック翻
訳開始部分及びマーカータンパク用の配列で続く。マーカーはGFPの増大した
螢光変異体を伴う軸索の標的用のタウタンパクのフラグメントからなる。
【0024】 図9はrac1変異体のアデノウィルスに関する発現の免疫ブロットである。
COS−7細胞を野生型rac1(レーン1)、V12rac1(レーン2)、
N17rac1(レーン3)又は非rac1タンパク1(レーン4)を発現する
組換アデノウィルスによって感染させた。感染後24時間の細胞分析はrac1
の低い内生的レベルが組換アデノウィルス感染によって著しく増大されることを
示す。
【0025】 図10はC3細胞外酵素のアデノウィルスに関する発現を示す。COS−7細
胞をGFP(コントロール、トップパネル)又はC3プラスGFP(ポトムパネ
ル)を発現する組換アデノウィルスで感染させた。感染後1日に、細胞を固定
し、そしてアクチンフィラメントをロダミン−パロイジン染色によって視覚化し
た。C3−発現細胞の変化した構造が知られ得る。細胞の95%以上が培養中に
感染された。
【0026】 図11はC3を発現する組換アデノウィルスが神経突起生長のミエリン誘発阻
害を提供することを示す。DRGニューロン培養をC3/GFPで感染させ、次
いで4日間培養した。螢光顕微鏡はニューロン表現型(トップパネル)によって
細胞中にマーカータンパクの発現を示す。細胞をトリプシン化し、そして添加な
しに、コラプシン−1又はCNSミエリンの抽出物と取り替えた。神経突起はこ
れらの阻害因子の添加によって減少しないことに注意すべきである(ボトムパネ
ル)。コントロール培養では、コラプシン及びCNSミエリンが約60%まで減
少した。
【0027】 図12はラットの大脳皮質中のC3組換アデノウィルスからの発現を示す。C
3/EGFPアデノウィルスを8週年令のラットの大脳皮質に注入した。数日後
に、ラットを殺し、脳を螢光顕微鏡で試験した。大脳皮質中の注入部位での非常
に濃い細胞EGFP螢光を注目する。類似の結果が4週間まで数回得られてい
る。類似の発現がまた局所注入後にDRGで得られる。
【0028】 発明の詳細な記載 本発明はrhoタンパク阻害が損傷した脊髄又は脳の機能回復を妨害する分子
の作用をブロックすることによって中枢神経損傷後に軸索再生を促進することを
発見したことに基づくものである。 本発明の1つの観点によれば、急性又は慢性の脊髄損傷、外傷性脳損傷、白質
発作、又は軸索を損傷した及び軸索路を崩壊した他の中枢神経系損傷等の治療に
必要な患者に少なくとも1つのrhoタンパク阻害剤の有効量を投与することに
よって軸索が増大され且つ成長が促進される。「rhoタンパク阻害剤」はレセ
プターと結合するrhoタンパク機能をもつ全ての阻害剤、類似体、タンパク又
はタンパクフラグメントに対する抗体等の全ての阻害剤を意味する。阻害剤の混
合物もまた使用でき、同様にrhoタンパク合成又は安定剤の阻害剤も使用でき
る。ここで使用される「患者」は動物及びヒトの両者を含む。本発明は医薬及び
動物薬の適用の両者に有用である。 患者は少なくとも1つの阻害剤を局所的に又は全身的に投与することによって
治療し得る。全身的投与は当業者に周知の方法、例えばロゼンジン、錠剤、カプ
セル、顆粒、又は他の食用組成物の経口投与;皮下、筋肉内、静脈内、又は皮内
投与、例えば減菌注射;流体等の非経口投与によって投与される。典型的な全身
投与は製薬的許容し得る担体に分散した又は溶解した阻害剤の使用を包含する。
【0029】 局所的に投与する場合、少なくとも1つの阻害剤が軸索に又はこれらの非神経
保護組織中に導入される。阻害剤の局所投与は、しかしこれに限定されないが、
注入のような任意の手段を用いることによって阻害剤の機械的導入を包含する、
例えば、製薬的に許容し得る担体に、そしてしばしば浸透及び吸収及び/又は阻
害活性を増大させる成分と組合せて、阻害剤を含有する組成物を組織に灌流又は
注入することによって、そして組換えウィルス発現阻害剤の注入によって投与す
ることを包含する。
【0030】 最後の方法は実施例2において下記に説明される。この方法では、rhoタン
パクを阻害するC.ボツリヌス菌C3インヒビターがこのC3を発現する複製不
完全なアデノウィルス、アデノ−関連ウィルス又はヘルペスウィルスを用いるこ
とによって患者に静脈内に導入される。組換えアデノウィルスは、例えば、CN
S中で制限された免疫学的反応によって数週間又は数カ月かけて外来遺伝子のニ
ューロン発現に向けるために利用されている(Chio−Lumdberg他、
1997)。アデノ−関連ウィルスはこれらの低い毒性及び長期のタンパク発現
の故にいくつかの態様で使用される。 C3インヒビターの代わりは細胞表面を用いてボツリヌス菌C2毒素から成分
を結合させることによって最近開発されたC3外酵素の組換え2成分供給系であ
る(Barth他、1998)。アクチン活性はC2毒素から除去され、C3酵
素活性が置換された。このC3キメラタンパクはC3外酵素それ自体よりも少な
くとも100−倍効率的に非ニューロン細胞にすることが報告されている。この
態様の使用は神経系への分子の直接注入を包含することができ、ウィルス注入の
潜在性の非特異的効果なしにrho阻害を達成できる。
【0031】 治療処理を実施するために必要なインヒビターの量はそれ自体固定されないけ
れども、製薬担体、阻害作用及び/又は浸透を増大させるために投与される組成
物中の添加物と組合せて投与される組成物中の成分の濃度に必然的に依存する。
好ましい組成物は患者に許容し得ない毒性を生ずることなく阻害剤の有効を供給
する。浸透及び吸収増強剤及び/又は阻害活性増強剤に加えて、本発明の医薬組
成物又は製剤は他の担体、助剤、安定剤、保存薬、分散剤、及び論議されている
製剤の型に関する技術分野においての通常の薬剤を含有し得る。 本発明は軸索再生を刺激し且つ種々の中枢神経系損傷の対応する治療用方法及
び種々の治療に使用する医薬組成物を提供すると供にrhoタパク阻害活性用の
検定に使用し得るスクリーンを提供する。本発明のこの観点において、種々の生
物学的物質を包含する天然又は合成化合物のパネルはrac1阻害のようなrh
oたんぱク阻害検定を用いて軸索再生治療における潜在性のためにスクリーンさ
れる。スクリーンテストは定量又は定性であり得る。典型的方法はテスト化合物
のパネルによって観察された阻害をコントロール、例えばCボツリヌス菌C3外
酵素、阻害と比較することによって行われる。阻害の存在は軸索再生の刺激のた
めのポテンシャル薬剤を示す。スクリーンで同定されたインヒビターは次いでさ
らにテストされ、局所及び/又は全身投与のいずれかで有効性について特にテス
トされる。
【0032】
【実施例】
下記の実施例は本発明をさらに説明するために記載するものであり、いかなる
意味においても限定するものとして考慮されるべきではない。
【0033】 実施例 1 この実施例はrac1がコラプシン−1−誘発成長コーンコラプスを媒介する
証拠を提供する。主として、コラプシン−1/セマホリンIII(D)はニュー
ロン成長コーンラメリポジアル及びフィロポジアル構造を崩壊することによって
軸索生長を阻害する。成長コーンコラプスはアクチン脱重合と関連されるので、
rhoサブファミリーの小さなGTP−結合タンパクをコラプシン−1シグナル
形質導入におけるその関与を研究した。組換えrho、rac1及びcdc42
タンパクを胚チックDRGニューロン中に摩砕した。構造的に活性なrac1は
崩壊した成長コーンの割合を増加する、そして優性ネガディブrac1はコラプ
シン−1−誘発成長コラプス及びコラプシン−1阻害神経突起生長を阻害する。
優性ネガティブrac1で処理されたDRGはミエリン誘発生長コーンコラプス
に感受性である。cdc42の類似変異体はコーン構造、神経突起伸長又はコラ
プシン感受性を変化しない。活性化rhoの添加は影響をもたないのに対してボ
ツリヌス菌C3トランスフェラーゼをもつrhoの阻害はDRG神経突起の生長
を刺激する。C3−処理成長コーンはラメリポジアルスプリーデングをほとんど
又は全く阻害しないし、コラプシン−1及びミエリンに対してわずかに感受的で
ある。これらのデータは成長コーン運動性を調整においてrho及びrac1に
ついて顕著な役割を示し、そしてrac1がコラプシン−1作用を媒介すること
を示す。
【0034】 物質及び方法 タンパクの調整;Gタンパク、コラプシン.ミエリン.モノメリックヒトGタ
ンパク及びボツリヌスC3トランスフェラーゼをGST融合タンパクとしてバク
テリア中に作り、次いでトロンビンで処理してGST部分を除去した(Nobe
s and Hall、1995)。トロンビンをp−アミノベンズアミジン−
アガロースに吸収させてサンプルから除いた。次の誘導体を作った。野生型rh
oA(rho)、Val(V14rho)に変性された位置14でGlyをもつ
構造的に活性な型のrhoA、野生型rac1(rac)、Val(V12ra
c)に変性された位置12にGlyをもつ構造的に活性型のrac1、Asn
(N17rac)に変性された位置17にthrをもつrac1の優性ネガティ
ブ型、野生型のcdc42(cdc42)、Val(V12cdc42)に変性
された位置12にGlyをもつcdc42の構造的に活性型、Asn(N17c
dc42)に変性された位置17にThrをもつcdc42の優先ネガティブ
型、及びC.ボツリヌス(C3)からのC3外酵素。rho及びV14rhoタ
ンパクはE.コリー中で安定性を増すためにPheの位置25でAsnの置換を
含有する。
【0035】 コラプシン−His6は先に記載した如く調整される(Goshima他、1
995)。ミエリンフラクションはウシ脳から調整され、そして2%オクチルグ
リコシドによって抽出されたタンパクを透析によって洗浄剤の除去後に成長コー
ンコラプス中でテストされた(Igarashi他、1992)。
【0036】 DRG培養条件及び摩砕方法。チックE7DRGエクスプラントの調整及び解
離したニューロン培養は先に記載されている(Strittmatter他、1
994a:Goshima他、1995)。摩砕実験について、ニューロンは5
mg/ml rhoサブファミリータンパク又は0.1mg/ml C3トラン
スフェラーゼをもつ、25mMのトリス−HCl、150mMのNaCl、5m
MのMgCl2、1mMのDTTのpH7.5中に懸濁し、次いでギルソンP2
00ピペット先端を介して50回通過させた(Strittmatter他、1
994a;Goshima他、1995)。摩砕後にニューロンを100μ/m
lポリ−L−リジン及び20μ/mlラミンで連続的に予備被覆したグラス表面
上に10%FBS及び50ng/ml 7S−NGFによって25容量のF12
中に培養した。LPAによる実験について、摩砕されたニューロンを血清を含ま
ない媒質(1%脂肪酸を含まないBSA及び50ng/ml 7S−NGF)に
成長コーンコラプス検定前に3時間の間に移した。
【0037】 神経突起生長及び成長コーンコラプス。生長検定について、摩砕した細胞を
1.5〜2時間培養し、次いで処理されるべき薬剤を媒質に加えた。インキュベ
ーションのさらなる2〜3時間後に細胞を固定し、ニューロンにつき全神経突起
を75〜150細胞について測定した(Strittmatter他、1994
a;Goshima他、1995)。エクスプラント培養についての成長コーン
コラプス検定は詳細に記載される(Paper及びKapfhammer、19
90;Strittmatter他、1994a;Goshima他、199
5)。摩砕細胞について、ニューロンを20〜30分間テスト化合物に添加する
前に4時間培養した。崩壊した成長コーンのフラクションを培養に関して評点し
た。 免疫組織学。解離したチックE7DGRニューロンを24時間培養し、次いで
30分間PBS中でアイス冷却4%パラホルムアルデヒド、20%サッカロース
で固定した。サンプルを次いでヒトrac1を攻撃する4μg/ml抗−rac
1マウスモノクローナル抗体でインキュベートした(Upstate Biot
echnology)。ある場合には、rac1タンパクの1mg/mlを染色
の特異性を示すために抗体をもつインキュベーションに加えた。結合した抗体を
ホースラディシュベルオキシダーゼ酵素及びジアミノベンジジン基質(Gosh
ima他、1995)によってアビジン−ビオチン複合体方法(VectorL
aboratories)で検出した。第1抗体溶液に対する(mg/ml組換
えrac1タンパクの添加が全て染色を完全に破壊した。成長コーンはまた微分
干渉対比観測によって検出し得た。
【0038】 [結果] [コラプシン−1作用とLPA及びトロンビン作用との比較] コラプシン作用における小G蛋白の割合を評価する第一の段階として、コラプ
シン−1作用に対する容易に利用できる薬理学的剤の効果を、LPA及びトロン
ビン作用に対するそれらの作用に比較した。ミオシン軽鎖キナーゼ阻害剤KT5
926は、LPA誘導ニューライト収縮を阻止し、そしてまた成長円錐崩壊因子
として組み換えコラプシン−1の能力を低下させる(図1A)。多数の他の剤
は、チロシンキナーゼ阻害剤、蛋白キナーゼA阻害剤、電圧感受性Caチャンネ
ルブロッカーを含むコラプシン−1作用及びKClとの脱分極に対して殆ど又は
全く作用しない。さらに一般的な蛋白キナーゼ阻害剤スタウロスポリン及び蛋白
キナーゼC活性剤TPAは、ともに10nMより低い濃度で成長円錐崩壊を誘導
したが、それらの作用はコラプシン−1と相乗的ではなかった。
【0039】 LPA及びトロンビンの作用は、ヘテロトリマー性G蛋白に結合する受容体に
より媒介される(Jalinkら、1994)。組み換えコラプシン−1作用が
またトリマー性G蛋白活性化を含むかどうかを考察した。百日咳毒素(PTX)
は、Go/iクラスのヘテロトリマー性G蛋白のサブユニットをADP−リボシ
ル化し、そして受容体によりそれらの活性化を阻止する。粗全脳膜抽出物(コラ
プシン−1を含むBME)による成長円錐崩壊は、PTXによりブロックされる
が(Igarashiら、1992)、しかしこれは、G蛋白のその修飾よりむ
しろPTXの細胞表面結合性による(Kindt及びLander、199
5)。PTXの単離されたオリゴマーBフラクションは、細胞表面結合ドメイン
を含むが、精製された組み換えコラプシン−1誘導成長円錐崩壊をブロックしな
い(図1B)。従って、未処理PTXによるコラプシン−1能力の低下は、コラ
プシン作用がヘテロトリマー性G蛋白を含むことを示唆し、LPA及びトロンビ
ン作用との類似を強調する。高いコラプシン−1濃度におけるPTX遮断の失敗
は、PTX不感受性G蛋白又は非G蛋白依存機構の何れにも帰することができ
る。BME作用のオリゴマーB遮断は、粗抽出物におけるコラプシン−1以外の
崩壊剤の阻害を反映している。
【0040】 [外因性rhoサブファミリー蛋白を含むDRGニューロンにおける基底的な発
芽後成長] DRGニューロンのrhoサブファミリーG蛋白の活性を調整するために、精
製した組み換え蛋白は、単離されたニューロンにより粉砕(triturati
on)された。ニューロンは、粉砕直後平板培養され、ニューライト拡張をし、
そして成長円錐形態を2−5時間後観察した(図2)。全ての粉砕された蛋白
は、95%以上の純度を有した(図2A)。平板培養4時間後、バッファーによ
り粉砕されたニューロンは、粉砕されなかった細胞との区別されない。組み換え
蛋白はどれも、これらの条件下でラミニン被覆表面に付着するニューロンの数に
影響しない。rho活性を改変する蛋白では、C3トランスフェラーゼのみが発
芽後成長を改変した。ニューライト拡張は、C3トランスフェラーゼ処理を2倍
にし(図2D)、そして殆ど全ての成長円錐は、非常に減少したラメリポジウム
性広がりを示す(図2B、C)。これらのデータは、基底的な条件下ではrho
の顕著なフラクションは活性化されそうであるとの可能性が生ずる。rac1蛋
白では、構成的に活性な形は、崩壊した外観を有する成長円錐の%を増加させ
(図2B、C)そして統計的に有意に達しない低下したニューライト拡張に向か
う僅かな傾向が存在する(図2D)。これらの弱いV12rac作用は、コラプ
シン−1の作用に良く似ている。同じ濃度でのcdc42蛋白は、成長円錐の外
観又はニューライト拡張を改変しない。
【0041】 [rhoサブファミリー蛋白を含むDRGニューロンにおけるコラプシン−1感
度] rhoファミリーメンバーにより粉砕されたニューロンは、コラプシン−1に
曝され、次に成長円錐の形態及びニューライト拡張を調べた。コントロールの培
養では、30分間コラプシン−1への曝露は、15%から70%へ崩壊した成長
円錐の%を増加させる(図2B、C)。平板培養後2−5時間の間隔中のコラプ
シン−1の曝露は、50%発芽後成長の程度を低下させる(図2D)。成長円錐
崩壊及びニューライト発芽後成長におけるコラプシン−1誘導の変化は、優性ネ
ガティブN17racにより処理されたニューロンにおいて顕著に減衰される
(図2B−D)。対照的に、構成的に活性なV12rac処理及び野生型rac
処理の範囲は、コラプシン−1に対して本質的に正常な応答を示す。cdc42
蛋白又はバッファーによる粉砕は、コラプシン−1感度を改変しない。同様に、
野生型及び活性化されたrhoは、コラプシン−1作用を改変しなかった。しか
し、増大したニューライト発芽後成長を示すC3トランスフェラーゼ処理ニュー
ロンは、コラプシン−1の阻害作用に最低の感受性を有する(図2D)。C3処
理培養における成長円錐の低下したラメリポジウム性形態は、コラプシン−1に
より僅かに増大している(図2B、C)。
【0042】 [DRGニューロンにおけるrac1作用の特徴] 優性ネガティブN17rac粉砕の作用は、粉砕中存在するrac蛋白の投与
量に依存し、1mLあたりの1mgより多い濃度の蛋白が、コラプシン−1誘導
成長円錐崩壊の50%より大きい阻害を達成するのに要求される(図3A)。内
因性rac1経路に関するN17rac作用の特異性は、優性ネガティブN17
cdc42の不活性により示唆される(図2B、D)。さらに、構成的に活性な
V14rho又はV12cdc42ではない、構成的に活性なV12racの共
粉砕は、コラプシン−1誘導成長円錐崩壊のN17rac阻害を部分的に逆転す
る(図3B)。
【0043】 優性ネガティブN17racによる粉砕後、DRG成長円錐崩壊に関するコラ
プシン−1用量反応曲線は、15のファクターで右にシフトする(EC50、6
0pM−2nM、図3C)。N17rac粉砕細胞の成長円錐崩壊因子としての
コラプシン−1の残存する弱い作用は、粉砕法により達成される不完全なrac
1遮断により、又は非rac1依存コラプシン−1誘導成長円錐崩壊機構による
ものであろう。上記のように、構成的に活性なV12racによる粉砕は、成長
円錐の20%の崩壊を誘導する(図2B)。コラプシン−1誘導成長円錐崩壊に
関する用量反応曲線は、構成的に活性なV12racによる粉砕後2のファクタ
ーで左にシフトする(EC50、60pM−30pM、図3C)。
【0044】 もしrac1がコラプシン−1誘導成長円錐崩壊の内因性モジュレータである
ならば、それは成長円錐に存在しなければならない。rac1の組織学的染色
は、蛋白が成長円錐に見いだされそして成長円錐のその尖端でフィロポジウム的
構造で存在することを立証する。そのため、蛋白はコラプシン−1作用を仲介す
る位置にある。
【0045】 [DRGニューロンにおけるC3作用] 神経芽細胞腫細胞を含む哺乳動物の細胞においてrhoを特異的にADP−リ
ボシル化するC3エキソ酵素の能力は、すでに立証されている(Jalink
ら、1994)。DRGニューロンにおけるC3トランスフェラーゼの作用は、
粉砕中に存在するC3エキソ酵素の投与量に依存し、約1μg/mLでもDRG
成長円錐の50%以上を崩壊させる(図4A)。構成的に活性なV14rho
は、基底成長円錐崩壊又は発芽後成長を改変しないが(図2B、D)、この蛋白
による粉砕は、発芽後成長及び崩壊に対するC3作用を逆転する(図4B、
C)。構成的に活性なV12rac又はV12cdc42の何れも、C3トラン
スフェラーゼの作用を逆転しない。一緒にして、これらのデータは、DRGニュ
ーロン中への粉砕後、rho阻害に対するC3トランスフェラーゼの特異性を支
持する。
【0046】 [優性ネガティブrac1はrho不活性化の作用を遮断しない] C3トランスフェラーゼ処理により生ずる成長円錐領域の低下は、増大したニ
ューライト拡張を伴うが、コラプシン−1により生ずるそれは、低下した拡張を
伴う。優性ネガティブrac1が、それがコラプシン−1作用を遮断するよう
に、C3トランスフェラーゼによるrho阻害の作用を遮断できるかどうかが考
えられた。C3トランスフェラーゼ及びN17racがともに粉砕されるとき、
DRGニューライトはC3粉砕ニューライトに似ている(図5)。そのため、r
hoによるニューライト拡張のモジュレーションは、rac1により主として仲
介されない。rhoは、成長円錐の形態及びニューライト拡張を調節するため
に、別の経路の一つ以上及び/又はrac1の機能の下流で作用するだろう。
【0047】 [ミエリンの阻害作用はrhoファミリーメンバーにより仲介されない] CNSミエリンの成分は、ニューライト再生に対する阻害的な影響を有しそし
てコラプシン−1と同様なやり方で培養されたDRGニューロンの形態を改変す
る(Bandtlowら、1993)。CNSミエリン抽出物への曝露後の成長
円錐崩壊は、N17racによる粉砕により改変されない(図6A、B)。これ
は、ミエリンの阻害成分により利用されるCa+2i依存経路(Bandtlow
ら、1993)が、コラプシン−1により利用されるrac1依存経路から区別
されることを示す。C3処理培養に存在する急速に成長する小さい成長円錐は、
ミエリンに対して不感受性である(図6A、B)。リソホスファチジン酸(LP
A)は、DRG成長円錐の小さいフラクションの崩壊を誘導する(図6C)。こ
のフラクションは、N17racにより改変されず、LPA誘導崩壊はコラプシ
ン−1誘導崩壊とは異なる経路を経て進むことを意味する。
【0048】 [討論] [rac1はコラプシン−1作用を仲介する] この研究からのデータのいくらかのラインは、rac1はDRGニューロンに
おけるコラプシン−1作用を仲介するという仮説を支持している。優性ネガティ
ブN17racの粉砕は、コラプシン−1による成長円錐崩壊を殆ど完全に破壊
し、そしてコラプシン−1によるニューライト発芽後成長阻害を極めて低下させ
る。他のrhoサブファミリーメンバーは、これらの作用を有しない。成長円錐
中のrac1の存在は、コラプシン−1シグナルの役割と一致する。構成的に活
性なV12racは、コラプシン−1作用と僅かに似ている。少ない度合いのV
12rac作用は、(1)コラプシン−1誘導崩壊における非rac1依存機構
の寄与、(2)粉砕法の非能率、又は(3)粉砕後3−5時間中に生ずる脱感作
機構によるだろう。コラプシン−1作用はN17racにより阻害されるが、同
じ形態的変化を誘導する他の細胞外蛋白の作用は、N17racによる粉砕によ
り遮断される。これは、rac1がコラプシン−1作用に特異的に含まれそして
CNSミエリンの成分により誘導されるCa+2仲介成長円錐崩壊がこのモノマー
性G蛋白を利用しないことを示す。
【0049】 [rhoはニューライト発芽後成長を調節するが、コラプシン−1により改変さ
れない] C3トランスフェラーゼによるrhoの阻害は、またDRGニューロンの形態
を改変する。これは、基底条件下でDRG成長円錐の顕著なレベルのrho活性
化を意味する。さらに、データは、rho活性化が発芽後成長を低下させるが、
より大きな成長円錐の広がりを導くことを示唆する。rho活性を低下させるた
めの低投与量のC3により処理されたDRGニューロンでは、構成的に活性なV
14rhoは、成長円錐の広がりを増大させ、そしてニューライトの発芽後成長
を低下させる。低下した成長円錐の広がり及びrho阻害ニューロンの増大した
発芽後成長速度は、コラプシン−1により最低でモジュレートされる。これらの
作用は、rho作用をrac1活性化及びコラプシン−1添加から区別する。r
hoはrac1及びコラプシン−1とは異なる作用を働くようであるが、成長円
錐の形態及び運動性は、添加rho及びrac調節を反映できる。rho活性化
は3T3繊維芽細胞におけるrac1活性化の下流であるが(Nobes及びH
all、1995)、これはDRG成長円錐におけることではないように思われ
る。rhoは、コラプシン−1作用の主なメディエータであるように思われない
が、それは、LPA及びトロンビンについて示唆されているように、他のDRG
成長円錐調節剤に関する目標であろう(Jalinkら、1994)。ミオシン
軽鎖キナーゼ阻害剤KT5926は、rhoによるミオシン軽鎖ホスホリラーゼ
調節を妨げるだろう(Kimuraら、1996)。そうすることにおいて、こ
の化合物は、C3トランスフェラーゼ作用を部分的に再生し、そしてコラプシン
−1感度を低下させる。
【0050】 [rho/rac1活性化とDRG成長円錐運動性の三つの状態と相関性] 現在の研究は、培養では、DRG成長円錐に関する3種の交互の状態を同定す
る(図7)。基底条件下で、成長円錐は広がりそして中程度の速度で進む。コラ
プシン−1は、発芽後成長の速度を遅くし、そして成長円錐のラメリポジウム及
びフィロポジアを崩壊する。成長円錐の行動におけるコラプシン−1誘導改変
は、rac1活性化により仲介され、そして優性ネガティブN17racの存在
により平滑化される。対照的に、C3トランスフェラーゼによるrho機能の阻
害は、発芽後成長速度を増加させるが、一方成長円錐領域を減少させる。基底状
態は、rho活性化及びrac1不活性と相関しているように思われる。
【0051】 [rac1活性化の機構:db1蛋白、G蛋白カスケード、CRMP] rac1が細胞外コラプシン−1により活性化されるかも知れない機構は、不
明である。他の細胞タイプでは、ヒトDb1に相同的なドメインを有する蛋白
は、グアニンヌクレオチド交換因子としてrac1の上流で作用するが(Bog
uski及びMcCormick、1993)、ニューロン成長円錐におけるそ
れらの存在は、研究されていない。いくらかのクラスの受容体は、他の細胞でr
ac1を活性化できると思われ、受容体チロシンキナーゼ、ヘテロトリマー性G
蛋白にカップリングしたセルペンチン受容体及びTNFクラスのサイトカイン受
容体を含む。成長円錐シグナルトランスダクションにおけるヘテロトリマー性G
蛋白の中心的な役割は、多数の研究により支持されている(Strittmat
terら、1990;1993;1994b;1995)。そこに提示されるデ
ータは、ヘテロトリマー性G蛋白(図1B)がコラプシンシグナル化に含まれる
であろうことを指示している。ニューロン性蛋白の細胞内ファミリーCRMP
は、同定されており、これらはコラプシン作用を要するが、このシグナル化経路
の他のメンバーとのそれらの相互作用は、確立されていない(Goshima
ら、1995;Wang及びStrittmatter、1996)。細胞内カ
ルシウムイオンレベルがコラプシン作用を仲介しているように思われることを示
すデータは存在しない。
【0052】 [DRGニューロン中のrac1エフェクター] rac1は、非ニューロン性細胞のアクチンに基づく細胞骨格を再組織でき、
そして多数の蛋白キナーゼを活性化できる(Nobes及びHall、199
5;Hall、1994;Coscoら、1995;Mindenら、199
5)。細胞の形状におけるコラプシン−1誘導変化は、蛋白キナーゼ例えばPA
Kにより仲介できる(Manserら、1994)。rac1による活性化後、
これらのキナーゼを、細胞骨格の機能を調節するように仮説を立てる。
【0053】 実施例 2 この実施例は、rho蛋白阻害に使用される組み換えC3アデノウィルスの発
現及び生物学的活性、そしてニューロン性rho蛋白活性の生体内モジュレーシ
ョンを報告する。 上記のように、C.botulinumからのC3エキソ酵素は、rhoを特
異的にADP−リボシレートし、そしてこのG蛋白を不活性化する。ニューロン
性成長円錐運動性の調節へのこのクラスのG蛋白の寄与は、最近になってはじめ
て検討されている。神経芽細胞腫細胞において、リソホスファチジン酸は、GP
CRを経て急速なニューライト収縮を誘導する(Jalinkら、1994)。
C.botulinumからのC3エキソ酵素は、LPAの作用を遮断すること
が示され、rho活性化がこれらの細胞のニューライトの長さのLAP調節を仲
介することを指示する(Jalinkら、1994)。神経芽細胞腫細胞中への
rhoファミリー蛋白の注入は、実際に、成長円錐の形態及び軸索の発芽後成長
を改変する(Kozmaら、1997)。ニューライト発芽後成長の調節におけ
るrho関連小G蛋白のさらなる証拠は、生体内のこれらの蛋白の活性化された
又は優性ネガティブの形を発現する研究から得られる。構成的に活性な又は優性
ネガティブ突然変異体の発現によるrac活性の改変は、ハエにおける多くのニ
ューロンからの軸索拡張で失敗する(Luoら、1994)。小脳Purkin
jie細胞における構成的に活性なrac1を発現するマウスは、樹状の形態に
おける改変を示す(Luoら、1996)。 組み換えrho、rac1及びcdc42蛋白は、粉砕されて実施例1の胚性
ヒヨコDRGニューロン中に入れた。原型性の拡散可能な軸索リペレントである
コラプシン−1(セルナホリンD/III)への軸索の応答を調べた。構成的に
活性なrac1は崩壊した成長円錐の割合を増大させ、そして優性ネガティブr
ac1は、コラプシン誘導成長円錐の崩壊及びニューライトの発芽後成長のコラ
プシン阻害を遮断する。優性ネガティブrac1により処理されたDRGニュー
ロンは、ミエリン誘導成長円錐崩壊に感受性を有したままである。cdc42の
同様な突然変異体は、成長円錐構造、ニューライト伸長又はコラプシン感度を改
変しない。活性化されたrhoの添加は効果を有しないが、botulinum
C3エキソ酵素によるrhoの阻害は、DRGニューライトの発芽後成長を促
進する。
【0054】 ニューライトの発芽後成長は、rho阻害後150%のコントロールレベルに
増加し、成長円錐のサイズは減少する。C3処理成長円錐は、殆ど又は全くラメ
リポジウム的広がりを示さず、そしてコラプシン又はLPAに非感受性である。
CNSミエリン抽出物はコントロールニューロンから発芽後成長を50%減少さ
せるが、この阻害性抽出物は、C3処理培養から発芽後成長を低下させない。 実施例1の培養の研究では、精製された蛋白は、機械的な手段によりニューロ
ン中に入れられる。それは、ニューロンに入らず又は個々の細胞の粉砕なしにr
hoをADPリボシレートしない。酵素を伝達するために、C3蛋白を発現する
組み換えアデノ−及びヘルペスウィルスが由来された。これらのベクターは、緑
蛍光蛋白の増強した蛍光物(EGFP、Clontech)とともにC3を発現
する。これらのベクターは、2週間(HSV、Carlezonら、1997)
から2月間(アデノ、Choi−Lumbdbergら、1997)、有害な作
用なしにニューロン中の他の外来蛋白の発現をさせた。アデノウィルスは、E1
及びE3欠損であり、それらは複製不能である(Heら、1998)。ヘルペス
ウィルスの調製品は、アンプリコン系を利用し、C3及びEGFP配列はHSV
の即時型プロモータ4/5及びHSVパッケージ部位を含むプラスミド中に挿入
された。組み換えウィルス調整品は、アンプリコンプラスミドによる配列トラン
スフェクション及びHSVの即時型遺伝2欠損突然変異体による感染後、パッケ
ージ細胞系から得られる(Neveら、1997)。
【0055】 問題の蛋白の発現カセットは、アデノウィルスの主な後期プロモータにより駆
動される発現により、トランスファーベクターpQB1−AdBM5で構築され
た(図8;Massieら、1995)。線状のトランスファーベクターは、H
EK293細胞中にClaI−切断E1/E3欠損ウィルス性DNAの長鎖と共
トランスフェクトされた。ウィルスは複製不能であるが、ウィルス粒子は、それ
らが安定にトランスフェクトされて、複製不能のウィルスから失われているE1
蛋白要素を発現するため、これらの細胞で増幅できる。ウィルスストックは、2
回プラーク精製され、塩化セシウム平衡遠心分離により増やされ、そして滴定さ
れた。
【0056】 これらのウィルスストックは、COS−7腎細胞を感染するのに利用された。
感染24時間以内に、95%以上の細胞が、生細胞の輝緑色の蛍光により判断さ
れるように、GFPマーカー蛋白を発現する。rac1蛋白の発現は、免疫プロ
ット分析により立証された(図9)。C3エキソ酵素の発現は、ウィルス感染細
胞のアクチン繊維染色における変化を観察することにより、間接的にドキュメン
トされた(図10)。C3発現COS細胞は、コントロール培養に見られるラメ
リポジウム的広がりなしに拡張的突起を示す。
【0057】 C3ウィルスは、培養中のDRG求心性ニューロンにおけるrho機能をモジ
ュレートするのに使用された。10−100のMOI(感染多重度)のウィルス
感染5日後、DRG培養中の本質的の全てのニューロン及び非ニューロン性細胞
は、GFPマーカー蛋白を発現する(図11)。C3エキソ酵素発現ウィルスに
より感染された細胞からニューライトの発芽後成長は、阻害性因子コラプシン−
1及びCNSミエリンに非感受性である(図11)。
【0058】 C3発現ウィルスは、皮質脊髄ピラミッドニューロンを感染する目的で、8週
令のオスラットの大脳皮質中に注入された。注入1週後、大多数の細胞はGFP
マーカーを発現する(図12)。
【0059】 結果は、C3ウィルスが、培養中の求心性ニューロンを感染せず、EGFPの
直接的発現をせず、ニューロンをsernD及びCNSミエリンに不感受性にす
ることを示す。成熟ラットの大脳皮質又はDRG中へのアデノウィルスの注入
が、少なくとも3週間EGFPマーカーを発現させることは明らかである。予備
的研究では、Nissl染色調製品では、ウィルス注入に伴う主な細胞の毒性は
存在しない。
【0060】 上述は、当業者に本発明をいかに実施するかを教示する目的であり、そして記
述を読んで当業者に明らかになるその明白な変形及び変化のすべてをつくすこと
を目的としていない。しかし、全てのこれらの明白な変形及び変化が、以下の請
求の範囲に規定される本発明の範囲内に含まれることを目的とする。請求の範囲
は、記述が逆なことを特に指示していない限り、目的とする目標に合致するのに
有効な任意の配列の工程及び請求の範囲のコンポーネントをカバーすることを目
的とする。
【0061】 Adams RH,Betz H,Puschel AW(1996)Mech Dev.57: 33-45. Bandtlow CE,Schimdt MF,Hassinger TD,Schwab ME,Kater SB(1993)Sc
ience 259: 80-83. Barth H,Hoffman F,Olenik C,Just I,Aktories K(1998)InfectImmun6
6: 1364-1369. Bartsch U,Bandtlow CE,Schnell L,Bartsch S,Spillmann AA,Rubin B
P,Hillenbrand R,Montag D,Schwab ME,Schachner M(1995)Neuron 15: 137
5-1381. Boguski MS,McCormick F(1993)Nature 366: 643-654. Carlezon WA,Boundy VA,Haile CM,Lane SB,Kalb RG,Neve RL,NesterE
J(1997)Science 277: 812-814. Caroni P,Schwab ME(1988)J.Cell Biol.106: 1281-1288. Choi-Lumdberg DL,Lin Q,Chang YN,Chiang YL,Hay CM,Mohajeri H,Da
vidson BL,Bohn MC(1997)Science 275: 838-841. Coso OA,Chiariello M,Yu JC,Teramoto H,Crespo P,Xu N,Miki T,Gu
tkind JS(1995)Cell 81: 1137-1146. David S,Aguayo AG(1981)Science 214: 931-933. Davies SJA,Fitch MT,Memberg SP,Hall AK,Raisman G,Silver J(199
7)Nature 390: 680-683. Fan J.Mansfield SG,Redmond T,Gordon-Weeks PR,Raper JA(1993)J C
ell Biol 121: 867-878. Goshima Y,Nakamura F,Strittmatter P,Strittmatter SM(1995)Nature
376: 509-514.
【0062】 Hall A(1990)Science 249: 635-640. Hall A(1994)Annu Rev Cell Biol 10: 31-54. He TC,Zhou S,da Costa LT,Yu J,Kinzler KW,Vogelstein B(1998)Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA 95: 2509-2514. Igarashi M,Strittmatter SM,Vartanian T,Fishman MC(1993)Science2
59: 77-79. Imaizumi T,Lankford KL,Waxman SG,Greer CA,Kocsis JD(1998)J Neu
rosci in press. Inagaki S,Furuyama T,Iwahashi Y(1995)FEBS Len 370: 269-272. Jalink K,Moolenaar WH(1992)J Cell Biol 118: 411-419. Jalink K,van Corven EJ,Hengeveld T,Morii N,Narumiya S,Moolenaar
WH(1994)J Cell Biol 126: 801-810. Jin Z,Strittmatter,SM(1997)J Neurosci 17: 6256:6263. Kimura K,Ito M,Amano M,Chicharo K,Fukata Y,Nakafuku M,Yamamori
B,Feng J,Naano T,Okawa K,Iwamatsu A,Kaibichi K(1996)Science 273:
245-248. Kindt RM,Lander AD(1995)Neuron 15: 79-88. Kolodkin AL,Matthes DJ,O'Connor TP,Patel NH,Admon A,Bentley D,G
oodman CS(1992)Neuron 9: 831-845. Kolodkin AL,Matthes DJ,Goodman CS(1993)Cell 75: 1389-1399. Kozma R,Sarner S,Ahmed S,Lim L(1997)Mol.Cell.Biol.17: 1201-1
211.
【0063】 Li Y,Field PM,Raisman G(1997)Science 277: 2000-2002. Luo L,Hensch TK,Ackerman L,Barbel S,Jan LY,Jan YN(1996)Nature
379: 837-840. Luo L,Liao YJ,Jan LY,Jan YN(1994)Genes and Dev 8: 1787-1802. Luo Y,Raible D,Raper JA(1993)Cell 75: 217-227. Luo Y,Shepherd I,Li J,Renzi MJ,Chang S,Raper JA(1995)Neuron 1
4: 1131-1140. Manser E,Leung T,Salihuddin H,Zhao Z,Lim L(1994)Nature 367: 40
-46. Massie B,Dionne J,Lamarche N,Fleurent J,Langlier Y(1995)Biotec
hnology 13: 602-608. Matthes DJ,Sink H,Kolodkin AL,Goodman CS(1995)Cell 81: 631-639. McKerracher L,David S,Jackson DL,Kottis V,Dunn RJ,Braun PE(199
4)Neuron 13: 805-811. Messersmith EK,Leonardo ED,Shatz CJ,Tessier-Lavigne M,Goodman C
S,Kolodkin AL(1995)Neuron 14: 949-959. Minden A,Lin A,Claret FX,Abo A,Karin M(1995)Cell 81: 1147-1157 Mukhopadhyay G,Doherty P,Walsh FS,Crocker PR,Filbin MT(1994)Ne
uron 13: 757-767. Neve RL,Howe JR,Hong S,Kalb RG(1997)Neuroscience 79: 435-444. Nobes CD,Hall A(1995)Cell 81: 53-62. Puschel AW,Adams RH,Betz H(1995)Neuron 14: 941-948. Raper JA,Kapfhammer P(1990)Neuron 2: 21-29.
【0064】 Schafer M,Fruttinger M,Montag D,Schachner M,Martini R(1996)Neu
ron 16: 1107-1113. Schnell L,Schneider R,Kolbeck R,Barde Y,Schwab ME(1994)Nature3
67: 170-173. Strittmatter SM(1995)The Neuroscientist 1: 255-258. Strittmatter SM(1996)The Neuroscientist 2: 83-86. Strittmatter SM,Valenzuela D,Kennedy TE,Neer EJ,Fishman MC(199
0)Nature 344: 836-841. Strittmatter SM,Cannon SC,Ross EM,Higashijima T,Fishman MC(199
3)Proc Natl Acad Sci,USA 90: 5327-5331. Strittmatter SM,Igarashi M,Fishman MC(1994a)J Neurosci 14: 5501-
5513. Strittmatter SM,Fishman MC,Zhu X-P(1994a)J Neurosci 14: 2327-233
8. Strittmatter SM,Frankhauser C,Huang PL,Mashimo H,Fishman MC(199
5)Cell 80: 445-452. Wang LH,Strittmatter SM(1996)J Neurosci 16: 6197-6207. ここに引用された文献は参考として本明細書に組み入れられる。
【図面の簡単な説明】
【図1A】 図1Aはコプラシン(collapsin)−1誘発成長円錐(コーン)崩壊(コラプ
ス)がKT5926よって減衰されることを図解するグラフである。
【図1B】 図1Bはコプラシン−1誘発成長円錐崩壊がPTXによって減衰されることを
図解するグラフである。星印はオリゴマーBフラクションが影響をもたなかった
にもかかわらず、PTXが200pMコラプシン−1で成長円錐崩壊を著しく減
少させたことを示す。
【図2A】 図2Aはrhoサブファミリータンパクで摩砕(又は粉砕)されたDRGニュ
ーロン中の成長円錐崩壊及び神経突起成長(又はニューライト発芽後成長)を示
す。粉砕に用いたタンパク調剤をSDS−PAGEで分離し、クマシーブルーで
染色した。45、36、25及び21kDaのMr基準の移動を右側に示す。
【図2B】 図2Bはrhoファミリータンパクで粉砕したDRGニューロン中の成長円錐
崩壊を示すグラフである。DRGニューロンをrhoファミリータンパクの5m
g/mL及びC3トランスフェラーゼの0.1mg/mLの量で所定のタンパク
で粉砕した。培養4時間後、成長円錐崩壊を200pMコラプシン−His6
20分間さらして(灰色の棒)、又はさらさないで(濃色の棒)評価した。星印
で示す値は同一の条件下でのバッファー粉砕細胞と著しく異なることを示す。
【図2C】 DRGニューロンを所定のタンパクで粉砕し、図2Bで記載した如くコラプシ
ン−1にさらし、アクチンをTRITC−ファロイジンでホルマリン固定細胞を
染色することによって視覚化した顕微鏡写真である。500倍の拡大写真であ
る。
【図2D】 図2Dは、DRGニューロンをrhoファミリータンパクの5mg/mL及び
C3トランスフェラーゼの0.1mg/mLの量で所定のタンパクで粉砕し、培
養2時間後、ニューロンをさらに3時間コラプシン−His6の0pM(濃色の
棒)又は200pM(灰色の棒)にさらし、次いで細胞ごとに平均全神経突起成
長(ニューライト発芽後成長)を決定し、その結果を示すグラフである。星印で
示す値は同一の条件下でのバッファー粉砕細胞と著しく異なることを示す。
【図3A】 図3AはN17racタンパクの各濃度で粉砕した後の成長円錐崩壊を200
pMコラプシンにさらし(〇)又はさらさないで(●)で決定した結果を示すグ
ラフである。
【図3B】 図3Bは成長円錐運動性のコラプシン−1調節におけるrac1を示すグラフ
である。DRGニューロンを0又は2.5mg/mLのN17rac及び下記の
構造的に活性なGタンパクの0又は5mg/mLで粉砕した。BはN17ra
c、CはN17rac+V14rho、DはN17rac+V12rac、Eは
N17rac+V12cdc42、そしてAはバッファーである。成長円錐崩壊
を200pMコラプシン−1の非存在下(濃色の棒)又は存在下(灰色の棒)で
決定した。V12racがコラプシン誘発成長円錐崩壊のN17racの阻害を
部分的に逆転することを示している。
【図3C】 図3Cは、バッファー(●)、構造的に活性なV12rac(◇)又は優性ネ
ガティブN17rac(◆)による粉砕後、成長円錐崩壊が所定の濃度のコラプ
シンにさらされたDRGニューロンについて計量された結果を示すグラフであ
る。
【図4A】 図4AはDRGニューロンに関するC3トランスフェラーゼの活性を示すグラ
フである。C3トランスフェラーゼの所定の濃度をDRGニューロンの粉砕を介
して存在させ、200pMコラプシン−1の存在下及び非存在下での成長円錐崩
壊を図2おける如く決定した。
【図4B】 図4BはDRGニューロンについてのC3トランスフェラーゼの活性を示すグ
ラフである。バッファー、4μg/mLのC3トランスフェラーゼ、5mg/m
LのV14rho、又は両タンパクによる粉砕ニューロンを0pM(灰色の棒)
又は200pM(濃色の棒)コラプシン−His6にさらし、成長円錐崩壊を定
量した結果を示す。Aはバッファーであり、BはC3であり、CはV14rho
であり、DはC3+V14rho、EはC3+V12racであり、そしてFは
C3+V12cdc42である。
【図4C】 図4CはDRGニューロンについてのC3トランスフェラーゼの活性を示すグ
ラフである。図4Cは、図4Bにおける如く粉砕された細胞ごとに平均全神経突
起成長(ニューライト発芽後成長)を200pMコラプシン−His6の存在下
(灰色の棒)又は非存在下(濃色の棒)で培養した後に決定した結果を示す。A
はバッファーであり、BはC3であり、CはV14rhoであり、DはC3+V
14rho、EはC3+V12racであり、そしてFはC3+V12cdc4
2である。
【図5A】 図5AはC3トランスフェラーゼの作用がN17racによってブロックされ
ないことを示すグラフである。図5Aは、DRGニューロンをバッファー、5μ
g/mLのN17rac、0.1mg/mLの3Cトランスフェラーゼ又は両タ
ンパクで粉砕し、ニューロンを4時間培養し、次いで成長円錐崩壊を20分間2
00pMコラプシン−His6にさらし(灰色の棒)又はさらすことなく(濃色
の棒)検定した結果を示す。
【図5B】 図5BはC3トランスフェラーゼの作用がN17racによってブロックされ
ないことを示すグラフである。図5Bは所定のタンパクで粉砕したニューロンに
ついて細胞ごとに平均全神経突起成長(ニューライト発芽後成長)を培養後4時
間後に決定した結果を示す。
【図6A】 図6Aはミエリンによる成長円錐崩壊がN17racによってブロックされな
いことを示す。DRGニューロンを図に示す如く所定のタンパクで粉砕し、ニュ
ーロンを4時間培養し、そして成長円錐崩壊をバッファー(濃色の棒)又はCN
Sミエリン抽出物(5μgタンパク/mL、灰色の棒)に30分にさらした後に
検定した結果を示す。
【図6B】 図6Bはミエリンによる成長円錐崩壊がN17racによってブロックされな
いことを示す図である。DRGニューロンを図に示す如く所定のタンパクで粉砕
し、ニューロンを2時間培養後、さらに2時間CNSミエリン抽出物の0タンパ
ク/mL(濃色の棒)又は5μgタンパク/mL(灰色の棒)にさらし、細胞ご
とに平均全神経突起成長(ニューライ発芽後成長)を培養後4時間に決定し、そ
の結果を示す。
【図6C】 図6CはLPAによる成長円錐崩壊がN17racによってブロックされない
ことを示す図である。DRGニューロンを図に示す如く所定のタンパクで粉砕
し、ニューロンを4時間培養し、そして成長円錐崩壊をバッファー(濃色の棒)
又はLPA(1μM、灰色の棒)に30分間さらした後に検定した結果を示す。
【図7】 図7はDRG成長円錐機能のrho/rac調節についてのモデル図を示し、
DRG成長円錐について三つの状態を形態学的に外観、神経突起速度(発芽後成
長速度)、rho活性化状態及びrac1活性化状態によってクラス分けしたも
のである。
【図8】 図8はタウー(tau)EGEPと共にC3細胞外酵素(エキソ酵素)又はrac
1の発現のための主要素を説明するアデノウイルス転位ベクターマップを図解す
る。
【図9】 図9はrac1変異体のアデノウイルスについての発現の免疫ブロットを示
す。COS−7細胞を野性型rac1(レーン1)、V12rac1(レーン
2)、N17rac1(レーン3)又は非rac1タンパク(レーン4)を発現
する組換えアデノウイルスによって感染させ、感染後24時間後の細胞分析はr
ac1の低い内生的レベルが組換えアデノウイルスによって著しく増加されるこ
とを示す。
【図10A】 図10AはC3細胞外酵素のアデノウイルスについての発現を組織学的に示
す。COS−7細胞をGFP(コントロール)を発現する組換えアデノウイルス
で感染させ、感染後1日目に細胞を固定し、アクチンフィラメントをロダミン−
パロイジン染色によって視覚化した。C3−発現細胞の変化した構造が見られ
る。細胞の95%以上が培養中に感染された。
【図10B】 図10BはC3細胞外酵素のアデノウイルスについての発現を組織学的に示
す。COS−7細胞をC3+GFPを発現する組換えアデノウイルスで感染さ
せ、感染後1日目に細胞を固定し、アクチンフィラメントをロダミン−パロイジ
ン染色によって視覚化した。C3−発現細胞の変化した構造が見られる。細胞の
95%以上が培養中に感染された。
【図11A】 図11AはDRGニューロン培養をC3/GFPで感染させ、次いで4日間培
養した後、ニューロン表現型によって細胞中にマーカータンパクの発現を示す蛍
光顕微鏡写真である。
【図11B】 図11Bは組換えアデノウイルス発現C3が神経突起成長(ニューライト発芽
後成長)のミエリン誘発阻害を防止することを示す。DRGニューロン培養をC
3/GFPで感染させ、次いで4日間培養した後、細胞をトリプシン化し、そし
て添加せずに、コラプシン−1で又はCNSミエリンの抽出物で置き換えた結果
を示す。神経突起成長(ニューライト発芽後成長)はこれらの阻害因子の添加に
よって減少しないことを示す。
【図12】 図12はC3/EGFPアデノウイルスを8週齢のラットの大脳皮質に注入し
た後、数日後にラットを殺し、脳を蛍光顕微鏡で視覚化した顕微鏡写真である。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患者に有効量の少なくとも一つのrho蛋白阻害剤を投与す
    ることからなる軸索再生を必要とする患者の中枢神経系の軸索成長を促進する方
    法。
  2. 【請求項2】 患者が、軸索又はかれらの非ニューロン性支持組織にrho
    蛋白阻害剤を機械的に導入することにより治療される請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 rho蛋白阻害剤は、阻害剤を発現する複製不能のアデノウ
    ィルス、アデノ結合ウィルス又はヘルペスウィルスを患者に投与することにより
    導入される請求項1の方法。
  4. 【請求項4】 阻害剤がアデノウィルスで発現される請求項3の方法。
  5. 【請求項5】 阻害剤がアデノ結合ウィルスで発現される請求項3の方法。
  6. 【請求項6】 rho蛋白阻害剤が、rho、rac、及びcdc42阻害
    剤及びこれらの混合物からなる群から選ばれる請求項1−5の何れか一つの項の
    方法。
  7. 【請求項7】 阻害剤が、C.botulinum C3エキソ酵素である
    請求項1−5の何れか一つの項の方法。
  8. 【請求項8】 患者が、患者にキメラC.botulinum C2/C3
    阻害剤を投与することにより治療される請求項7の方法。
  9. 【請求項9】 患者が急性又は慢性の脊髄の損傷を受けた請求項1−5又は
    8の何れか一つの項の方法。
  10. 【請求項10】 患者が白質の発作にかかっている請求項1−5又は8の何
    れか一つの項の方法。
  11. 【請求項11】 患者が外傷性脳の損傷を受けた請求項1−5又は8の何れ
    か一つの項の方法。
  12. 【請求項12】 製薬上許容される担体中のrho蛋白阻害剤を含む中枢神
    経系の損傷の治療用の製薬組成物。
  13. 【請求項13】 C.botulinum C3エキソ酵素を含む請求項1
    2の組成物。
  14. 【請求項14】 エキソ酵素が、複製不能のアデノウィルス、アデノ結合ウ
    ィルス又はヘルペスウィルスにより発現される請求項13の組成物。
  15. 【請求項15】 エキソ酵素がアデノウィルスにより発現される請求項14
    の組成物。
  16. 【請求項16】 エキソ酵素がアデノ結合ウィルスにより発現される請求項
    14の組成物。
  17. 【請求項17】 キメラC2/C3 C.botulinumエキソ酵素構
    築物を含む請求項12の組成物。
  18. 【請求項18】 エキソ酵素構築物が、複製不能のアデノウィルス、アデノ
    結合ウィルス又はヘルペスウィルスにより発現される請求項17の組成物。
  19. 【請求項19】 化合物のrho蛋白阻害活性をアッセイすることを含む化
    合物の軸索再生活性の存在又は不存在をスクリーニングする方法。
  20. 【請求項20】 rho蛋白がrac1である請求項19の方法。
JP2000509293A 1997-08-13 1998-08-12 中枢神経軸索再生 Pending JP2001515018A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US5526897P 1997-08-13 1997-08-13
US60/055,268 1997-08-13
PCT/US1998/016794 WO1999008533A1 (en) 1997-08-13 1998-08-12 Central nervous system axon regeneration

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001515018A true JP2001515018A (ja) 2001-09-18

Family

ID=21996779

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000509293A Pending JP2001515018A (ja) 1997-08-13 1998-08-12 中枢神経軸索再生

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP1011330A4 (ja)
JP (1) JP2001515018A (ja)
AU (1) AU735607B2 (ja)
CA (1) CA2300878A1 (ja)
WO (1) WO1999008533A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005536514A (ja) * 2002-07-19 2005-12-02 ヘルス プロテクション エージェンシー 神経再生のためにターゲティングされた薬剤

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2214841A1 (en) * 1997-10-31 1999-04-30 Lisa Mckerracher Rho antagonists and their use to block inhibition of neurite outgrowth
US7169783B2 (en) 1998-11-02 2007-01-30 Universite De Montreal (+)-Trans-4-(1-aminoethyl)-1-(4-pyridycarbamoyl)-cyclohexane and method for promoting neural growth in the central nervous system and in a patient at a site of neuronal lesion
CA2325842C (en) 2000-11-02 2007-08-07 Lisa Mckerracher Methods for making and delivering rho-antagonist tissue adhesive formulations to the injured mammalian central and peripheral nervous systems and uses thereof
DE10064195A1 (de) * 2000-12-22 2002-07-11 Migragen Ag Verwendung einer Zusammensetzung zur Stimulation des Nervenwachstums, zur Inhibition der Narbengewebsbildung und/oder Reduktion eines Sekundärschadens
US7795218B2 (en) * 2001-04-12 2010-09-14 Bioaxone Therapeutique Inc. ADP-ribosyl transferase fusion variant proteins
CA2367636C (en) 2001-04-12 2010-05-04 Lisa Mckerracher Fusion proteins
US7442686B2 (en) 2001-04-12 2008-10-28 Bioaxone Therapeutique Inc. Treatment of macular degeneration with ADP-ribosyl transferase fusion protein therapeutic compositions
WO2003030836A2 (en) 2001-10-12 2003-04-17 Case Western Reserve University Neuronal regeneration
EP1334729A1 (en) * 2002-02-07 2003-08-13 Botulinum Toxin Research Associates, Inc. Therapeutic use of non-neurotoxic clostridium botulinum toxin type C2
AU2003281152A1 (en) * 2002-07-12 2004-02-02 Yihai Cao A method for inhibiting vascular permeability and tissue edema
JP2009529896A (ja) * 2006-03-17 2009-08-27 マクギル ユニバーシティ 軸索の伸張阻害の収束的調節因子としてのcrmp4の同定
US20160051644A1 (en) * 2013-01-16 2016-02-25 Bal Ram Singh Botulinum Chimera Compositions for Axonal Regenerative Therapy During Spinal Cord Injury
KR102451786B1 (ko) 2015-04-28 2022-10-05 미쓰비시 타나베 파마 코퍼레이션 RGMa 결합 단백질 및 그 사용
EP3355898B1 (en) * 2015-10-02 2020-11-25 The Regents of the University of California Induced pluripotent stem cell derived glial enriched progenitor cells for the treatment of white matter stroke

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5672344A (en) * 1987-12-30 1997-09-30 The Regents Of The University Of Michigan Viral-mediated gene transfer system
US5661033A (en) * 1992-11-25 1997-08-26 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Gene transfer using herpes virus vectors as a tool for neuroprotection
US5645829A (en) * 1993-06-18 1997-07-08 Beth Israel Hospital Association Mesothelial cell gene therapy
AU1304895A (en) * 1993-12-07 1995-06-27 General Hospital Corporation, The Peptides to overcome inhibition of nerve growth

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005536514A (ja) * 2002-07-19 2005-12-02 ヘルス プロテクション エージェンシー 神経再生のためにターゲティングされた薬剤

Also Published As

Publication number Publication date
EP1011330A1 (en) 2000-06-28
WO1999008533A1 (en) 1999-02-25
EP1011330A4 (en) 2001-05-16
AU9104298A (en) 1999-03-08
CA2300878A1 (en) 1999-02-25
AU735607B2 (en) 2001-07-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Anderson et al. Astrocyte scar formation aids central nervous system axon regeneration
Lehmann et al. Inactivation of Rho signaling pathway promotes CNS axon regeneration
JP2001515018A (ja) 中枢神経軸索再生
McGraw et al. Modulating astrogliosis after neurotrauma
English et al. Neurotrophin‐4/5 is required for the early growth of regenerating axons in peripheral nerves
Tang et al. Semaphorin3A inhibits nerve growth factor-induced sprouting of nociceptive afferents in adult rat spinal cord
EP1480674B1 (en) Treatment of central nervous system damage
US6159948A (en) Therapeutic and drug screening methods for the treatment and prevention of neuronal disease
US5898066A (en) Trophic factors for central nervous system regeneration
McKillop et al. Conditional Sox9 ablation improves locomotor recovery after spinal cord injury by increasing reactive sprouting
Jansen et al. Intrinsic cellular and molecular properties of in vivo hippocampal synaptic plasticity are altered in the absence of key synaptic matrix molecules
Adcock et al. Axon behaviour at Schwann cell–astrocyte boundaries: manipulation of axon signalling pathways and the neural adhesion molecule L1 can enable axons to cross
WO1996006859A9 (en) Trophic factors for central nervous system regeneration
Meabon et al. Intracellular LINGO-1 negatively regulates Trk neurotrophin receptor signaling
Jungnickel et al. Level and localization of polysialic acid is critical for early peripheral nerve regeneration
Harris et al. The effect of the DcpS inhibitor D156844 on the protective action of follistatin in mice with spinal muscular atrophy
Eisele et al. Bisphosphate nucleotidase 2 (BPNT2), a molecular target of lithium, regulates chondroitin sulfation patterns in the cerebral cortex and hippocampus
US11911450B2 (en) Method for managing pain
KR20010029506A (ko) 근위축성 측색 경화증 치료방법
Barros Ribeiro da Silva et al. The Rise of Molecules Able to Regenerate the Central Nervous System
JP2003518081A (ja) 複製不能ヘルペスウイルスベクター
Kandel et al. rdHSV-CA8 non-opioid analgesic gene therapy decreases somatosensory neuronal excitability by activating Kv7 voltage-gated potassium channels
Borisoff Intrinsic neuronal determinants of neurite regrowth
US20040102375A1 (en) Methods to overcome inhibition of growth cone translocation
Nguyen Mechanisms of taste cell renewal in adult mice