JP2001514496A - ヒトカルシウムチャンネルアルファ1サブユニット及び関連するプローブ,細胞系及び方法 - Google Patents

ヒトカルシウムチャンネルアルファ1サブユニット及び関連するプローブ,細胞系及び方法

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Abstract

(57)【要約】 我々がαHサブユニットと名付けた、哺乳動物の新規カルシウムチャンネルサブユニットの部分配列(ヒト及びラットの同定される配列)、及び我々がα1Hサブユニットと名付けた、もう1つの新規ヒトカルシウムチャンネルを提供する。これらの2つのカルシウムチャンネルの配列情報から、ヒト細胞からの完全配列の局在及び再生、及び本願発明の新規カルシウムチャンネルを発現する細胞系の展開が可能となる。これらの細胞は、カルシウムチャンネルに対するアゴニストまたはアンタゴニストとして作用可能な化合物を同定するために使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 ヒトカルシウムチャンネルアルファ1サブユニット及び 関連するプローブ,細胞系及び方法 説明 技術分野 本願発明は、新規ヒトカルシウムチャンネル組成物、及びカルシウムチャンネ ルの機能を評価するのに使用するためのこれら組成物の細胞系での発現に関する 。発明の背景 カルシウムの細胞への急速な流入は、電位型カルシウムチャンネルと呼ばれる 1つのタンパク質クラスによって仲介される。カルシウムチャンネルは、形質膜 を通るカルシウム選択的な孔の開口による脱分極に対応する異種クラスの分子で ある。カルシウムの細胞への流入は、興奮−攣縮連関,ホルモン分泌及び遺伝子 発現を含む広範囲の細胞及び生理学的応答を仲介する。ニューロンにおいて、カ ルシウムの流入は、膜電位に直接影響を及ぼし、興奮性,反復的な点火様式及び ペースメーカー的活性などの電気的性質に寄与する〔Miller,R.J.(1987)「 複合的カルシウムチャンネル及びニューロンの機能(Multiplecalcium channels and neuronal function)」Science 235:46-52〕。カルシウム流入はさらに、 直接カルシウム依存性イオンチャンネルを制御し、プロテインキナーゼC及びカ ルモジュリン依存性プロテインキナーゼIIなどのカルシウム依存性酵素の活性を 調節をすることによって、ニューロンの機能に影響を及ぼす。シナプス前神経終 末でのカルシウム濃度の増加は、神経伝達物質の放出の引き金となる。カルシウ ム流入はまた、ニューロンの発育における、軸索の伸長及び成長錐の運動に役割 を果たし、ニューロンの活性における長期間の変化に関連している。カルシウム チャンネルによって仲介される、多種の正常時の生理的機能に加えて、多くのヒ トの疾患にも関連する。最近、ヒト及びマウスのカルシウムチャンネル遺伝子で 同定された変異が、家族性片麻痺性片頭痛,一時的運動失調タイプ2,小脳性運 動失調,軽度てんかん及び小発作を含む幾つかの疾患を説明するために 見出されている〔Fletcherら(1996)「よろよろ歩く変異マウスでの軽度てんか んは、カルシウムチャンネル欠損と関連している(Absence epilepsy in totter ing mutant mice is associated with calcium channel defects)」Cell 87:60 7-617;Burgessら(1997)「Ca2+チャンネルβサブユニット遺伝子Cchb4の変異 は、不活発(1h)マウスにおけるてんかん及び小発作に関連する(Mutation of the Ca2+ channel β subunit gene Cchb4 is associated with ataxia and sei zures in the lethargic(1h)mouse)」Cell 88:385-392;Ophoffら(1996)「家 族性片麻痺性片頭痛及び一時的運動失調タイプ2は、Ca2+チャンネル遺伝子CACNL 1A4における変異によって生じる(Familial hemiplegic migraine and episodic at axia type-2 are caused by mutations in the Ca2+ channel gene CACNL1A4 )」Cell 87:543-552;Zhuchenko,O.ら(1997)「α1A電圧依存性カルシウムチ ャンネルにおけるポリグルタミンの小さな増加に関連する常染色体優性小脳性運 動失調(Autosomal dominat cerebellar ataxia(SCA6)associated with the sma ll polyglutamine expansions in the α1A-voltage-dependent calcium channe l)」Nature Genetics 15:62-69〕。 幾つかの疾患の臨床治療は、治療的カルシウムチャンネルアンタゴニストの発 展によって、促進されている〔Janisら(1991)「カルシウムチャンネルについ て:その性質,機能,制御及び臨床との関連(In Calcium Channels:Their Prop erties,Functions,Regulation and Clinical Relevance)」CRC Press,Londo n〕。 天然のカルシウムチャンネルは、電気生理学的及び薬理学的な性質によってT ,L,N,P及びQ型に分類されている〔McCleskeyら(1991)「電圧依存性カルシ ウムチャンネルの機能的性質(Functional properties of voltage-dependent c alcium channels)」Curr.TopicsMembr.39:295-326に記載のレビュー;Dunlap ら(1995)「哺乳動物中枢ニューロンにおけるエキソサイトーシス性Ca2+チャン ネル(Exoctotic Ca2+ channels in mamrnalian central neurons)」Trends Ne urosci.18:89-98〕。T型(または低電圧活性化)チャンネルは、負電位で一時 的に活性化したり、電位を休止する時の変化に高感受性である広いクラス分子を 示す。L,N,P及びQ型チャンネルは、より正の電位で活性 化し、異なる動力学及び電圧依存的性質を示す。高電圧−活性化チャンネルの生 物物理学的な性質においていくらか共通する部分があり、結果的に、薬理学的な プロファイルがそれらをさらに区別するために有効である。L型チャンネルは、 ジヒドロピリジン(DHP)アゴニスト及びアンタゴニストに対して感受性であり 、N型チャンネルは、Conus geographusペプチドトキシン,ω−コノトキシン(c onotoxin)GVIAによって阻害され、P型チャンネルは、funnel webクモ,Ageleno psis apertaの毒からのペプチドω−アガトキシン(agatoxin)IVAによって阻害 される。Q及びP型チャンネルが固有の分子であるのかについては議論の余地はあ るが、高電圧−活性化Caチャンネルの第4の型(Q型)が記載されている〔Sather ら(1993)「クラスA(B1)カルシウムチャンネルα1サブユニットの特徴的生物 物理学的及び薬理学的性質(Distinctive biophysical and pharmacological pr operties of class A(B1)calcium channel α1subunits)」Neuron 11:291-303 ;Steaら(1994)「ラット脳α1Aカルシウムチャンネルの局在及び機能的性質は 、ニューロンQ及びP型チャンネルの類似性を反映する(Localization and funct ional properties of a rat brain α1A calcium channel reflect similaritie s to neuronal Q−and P-type channels)」Proc Natl Acad Sci(USA)91:10576- 10580〕。幾つかの型のカルシウムコンダクタンス(conductance)が、上記カテ ゴリーの何れにもうまく当てはまらず、カテゴリー内でさえ性質は変化に富んで おり、更なるカルシウムチャンネルのサブタイプが分類されないままであること を示している。 生物化学的分析によって、ニューロン性カルシウムチャンネルは、3つの固有 のサブユニット(α1,α2δ及びβ)からなるヘテロオリゴマー複合体であるこ とが示されている〔De Waardら(1997)In Ion Channels,Volume 4,Narahashi T.編集,Plenum Press,New Yorkにレビュー〕。α1サブユニットは、主要な 開口形成サブユニットであり、電圧センサー及びカルシウムチャンネルアンタゴ ニストに対する結合部位を含む。主な細胞外α2はトランスメンブランδサブユ ニットにジスルフィド結合し、両方とも同じ遺伝子に由来し、in vivoで蛋白分 解的に切り出される。βサブユニットは、α1サブユニットの細胞質領域に対し て高結合親和性を有する、グリコシル化されていない疎水性タンパク質で ある。第4のサブユニットγは、骨格筋肉T細管において発現されるL型Caチャン ネルにのみ存在する。γサブユニットをコードするcDNAの分離及びキャラクタリ ゼーションが、参考文献で本願中に編入されている米国特許No.5,386,025に記載 されている。 分子クローニングによって、6つの異なった型のα1サブユニット(α1A,α1B ,α1C,α1D,α1E,α1S)及び4つの型のβサブユニット(β1,β2,β3, β4,)のcDNA及び対応するアミノ酸配列が明らかになっている〔Stea A.,Soon g T.W.,Snutch T.P.(1994)「電位型カルシウムチャンネル(Voltage-gate d calcium channels)」国際特許公開WO95/04144、参考文献で本願中に編入され 、α1Eカルシウムチャンネルサブユニットの配列及び発現を開示する。In Handb ook of Receptors and Channels,R.A.North,CRC Pressにレビュー〕。 異なったクラスのα1及びβサブユニットが、ラット,ウサギ,ヒトを含む異 なった動物で同定され、種間で著しい程度のアミノ酸保存を共有する〔例えば、 Castellanoら(1993)「第3のカルシウムチャンネルβサブユニットのクローニ ング及び発現(Cloning and expression of a third calcium channel β subun it)」J.Biol.Chem.268:3450-3455;Castellanoら(1993)「ニューロン性の カルシウムチャンネルβサブユニットのクローニング及び発現(Cloning and ex pression of a neuronal calcium channel β subunit)」J.Biol.Chem.268: 12359-12366;Dubelら(1992)「ω−コノトキシン感受性カルシウムチャンネル のα1サブユニットの分子クローニング(Molecular cloning of the α1 subuni t of an ω-conotoxin-sensitive calcium channel)」Proc.Natl.Acad.Sci. (USA)89:5058-5062;Fujitaら(1993)「ウサギ脳からのω−コノトキシン感受 性のN型カルシウムチャンネルの一次構造及び機能発現(Primary structure and functional expression of the ω-conotoxin-sensitive N-type calcium chan nel from rabbit brain)」Neuron 10:585-598;Mikamiら(1989)「心臓のジヒ ドロピリジン感受性カルシウムチャンネルの一次構造及び機能発現(Primary st ructure and functional expression of the cardiac dihydropyridine-sensiti ve calcium channel)」Nature 340:230-233;Moriら (1991)「脳カルシウムチャンネルの相補DNAからの一次構造及び機能発現(Pri mary structure and functional expression from complementary DNA of a bra in calcium channel)」Nature 350:398-402;Perez-Reyesら(1992)「L型カル シウムチャンネルの心臓/脳βサブユニットのクローニング及び発現(Cloning and expression of a cardiac/brain β subunit of the L-type calcium chann el)」J.Biol.Chem.267:1792-1797;Pragnellら(1991)「脳カルシウムチャ ンネルβサブユニットのクローニング及び組織特異的発現(Cloning and tissue -specific expression of the brain calcium channel β-subunit)」FEBS Let t.291:253-258;Snutchら(1991)「固有のカルシウムチャンネルが選択的スプ ライシングによって発生し、哺乳動物CNS内に特異的に発現される(Distinct ca lcium channels are generated by alternative splicing and are differentia lly expressed in the mammalian CNS)」Neuron 7:45-57;Soongら(1993)「 低電圧で活性化されるカルシウムチャンネルファミリーメンバーの構造及び機能 発現(Structure and functional expression of a member of the low voltage -activated calcium channel family)」Science 260:1133-1136;Tomlinsonら (1993)「ニューロン性CクラスL型チャンネルの機能的性質(Functional prope rties of a neuronal class C L-type channel)」Neuropharmacology 32:1117- 1126;Williamsら(1992)「新規ヒトニューロン性カルシウムチャンネルのα1 ,α2及びβサブユニットの構造及び機能発現(Structure and functional expr ession of α1,α2,and β subunits of a novel human neuronal calcium ch annel subtype)」Neuron 8:71-84;Williams ら(1992)「ω−コノトキシン感 受性ヒトN型カルシウムチャンネルの構造及び機能発現(Structure and functio nal expression of an ω-conotoxin-sensitive human N-type calcium channel )」Science 257:389-395〕。 カルシウムチャンネルの電気生理学的及び薬理学的性質は、4つのβサブユニ ットのいずれとの共発現によっても特異的に制御されるのだけれども、幾つかの 発現系においては、α1サブユニットだけが機能的カルシウムチャンネルを形成 できる。最近までβサブユニット共発現の報告された制御上の影響は、主として 動力学及び電圧依存性の性質を変化させることであった。先頃、βサブユニット がまた、プロテインキナーゼA,プロテインキナーゼC及び直接的なG蛋白質相互 作用によるチャンネル活性の制御において決定的な役割を担っていることが示さ れている〔Bourinetら(1994)「ニューロン性α1C L型カルシウムチャンネルの 電圧依存性促進(Voltage-dependent facilitation of a neuronal α1C L-type calcium channel)」EMBO J.13:5032-5039;Steaら(1995)「ニューロン性カ ルシウムチャンネルファミリーのPKC依存性制御の決定因子(Determinants of P KC-dependent modulation of a family of neuronal calcium channels)」Neur on 15:929-940;Bourinetら(1996)「ニューロン性カルシウムチャンネルのGタ ンパク質依存性オピオイド制御の決定因子(Determinants of the G-protein-de pendent opioid modulation of neuronal calcium channels)」Proc.Natl.Ac ad.Sci.(USA)93:1486-1490〕。 現在までクローンされたカルシウムチャンネルの電気生理学的及び薬理学的性 質は、Table 1のようにまとめることができる。現在までに同定され、クローン されたαlサブユニットは、細胞で見い出されるカルシウムチャンネルの幾つか に該当するが、天然の細胞で表現される全ての型のカルシウムコンダクタンスを 説明するものではない。例えばこれらのα1サブユニットは、T型カルシウムチャ ンネルとして表現される異種ファミリーについて記述される多くの性質を説明す るものではない。さらにこれらは、小脳顆粒細胞または他の型の細胞で記述され る新規カルシウムチャンネルを説明するものではない〔Fortiら(1993)「ラッ ト小脳ニューロンのL型カルシウムチャンネルの機能的相違点(Functional dive rsity of L-type calcium channels in rat cerebellar neurons)」Neuron 10: 437-450;Totteneら(1996)「ラット小脳ニューロンのP型及びR型カルシウムチ ャンネルの機能的相違点(Functional diversity of P-type and R-type calciu m channels in rat cerebellar neurons)」J.Neurosci.16:6353-6363〕。 カルシウムチャンネルの細胞の代謝及びヒトの疾患での重要性のため、残るク ラスのα1サブユニットを同定し、カルシウムチャンネル機能の薬理学的制御の 研究を含む、これらカルシウムチャンネルの研究及びキャラクタリゼーションを 可能とするこれらサブユニットの発現系の展開が望まれる。ゆえに、本願発明の 目的の1つは、今まで明らかにされていない、新規α1サブユニットを有するカル シウムチャンネルを、これらの新しいカルシウムチャンネルを発現する細胞系を 含めて提供することである。さらに本願発明の目的の1つは、これらの新規カル シウムチャンネルを細胞系を用いて試験するための方法を提供することである。発明の要約 本願発明は、我々がαHサブユニットと命名する新規哺乳動物カルシウムチャ ンネルサブユニットの部分配列(ヒト及びラットの同定された配列)、及び我々 がα1Hサブユニットと命名する更なる新規ヒトカルシウムチャンネルを提供する 。これら2つのカルシウムチャンネルの配列情報は、ヒト細胞からの完全配列の 局在及び発見、及び本願発明の新規カルシウムチャンネルを発現する細胞系の展 開を可能とする。これらの細胞は、カルシウムチャンネルに対するアゴニストま たはアンタゴニストとして作用可能な化合物を同定するために使用することがで きる。図面の簡単な説明 Fig.1は、C.elegans C54D2.5α1カルシウムチャンネルサブユニットのアライ ンされた(aligned)アミノ酸配列及び本願発明のカルシウムチャンネルサブユ ニットの最初に同定された部分を示す。 発明の詳細な説明 本願発明は、保護が要求される次の側面を含む。 (a)新規なヒトカルシウムチャンネルサブユニット及びこのようなサブユニッ トをコードするDNAフラグメント。カルシウムチャンネルの機能における本質的 な変化には繋がらない、DNAまたはアミノ酸配列における、示された配列からの マイナーな偏差に通じる幾つかの個体のDNAにおいて、分子多型が生じるか存在 し得ることは、十分に認識されるであろう。このような多型には、類似の性質を 有するアミノ酸の置換に通じる多型も含まれ、本願発明の範囲内であると考えら れる。 (b)これらの新規カルシウムチャンネルサブユニットをコードする遺伝子に対 して、ヒトcDNAライブラリーをスクリーニングする際のプローブとして有用なポ リヌクレオチド配列。これらのプローブはまた、組織学的なアッセイにおいて、 新規カルシウムチャンネルサブユニットの組織分布を決定するために用いられる 。 (c)新規カルシウムチャンネルサブユニットを発現する真核細胞系。これらの 細胞系は、新規カルシウムチャンネルサブユニットの機能の薬理学的調節剤とし て、化合物を評価するために用いることができる。 (d)新規カルシウムチャンネルサブユニットの機能の薬理学的調節剤として、 化合物を、これらのサブユニット単独で、または他のカルシウムチャンネルサブ ユニットと組み合わせて発現する細胞系を用いて評価する方法。 さらに、新規カルシウムチャンネルサブユニットにおける欠損は、以下のもの に限られるわけではないが、てんかん,片頭痛,精神分裂病,高血圧,不整脈, アンギナ(angina),うつ病,小肺腫瘍,ランバート−イートン症候群を含むヒ ト遺伝子疾患に関連している可能性があるため、このような関連性のキャラクタ リゼーション及び関連疾患の決定的な診断は、新規カルシウムチャンネルの野生 型または欠損型に結合するプローブを用いて実行することができる。 本願発明に従って、我々は、新規カルシウムチャンネルα1サブユニットをコ ードするヒトDNA配列を同定した。これらのサブユニットは、ヒト電圧依存性カ ルシウムチャンネルのα1サブユニットの2つの新型を表わすと考えられ、αH型 及びα1H型と称される。 C.elegansゲノムDNA配列データベースを、以前同定された哺乳動物カルシウ ムチャンネルα1サブユニットに相補性がある配列についてスクリーニングする ことによって、本願発明の新規α1サブユニットは同定された。詳しくは、以下 の12個の哺乳動物α1サブユニット配列が、C.elegansゲノムDNA配列データバン クを検索するために用いられた。 この検索によって、哺乳動物カルシウムチャンネルα1サブユニットに相補性 を呈するオープンリーディングフレーム(コーディング領域)を含む4つの固有 のC.elegansコスミド(cosmid)が同定された。 コスミド及びリーディングフレーム T02C5.5 コスミド及びリーディングフレーム C48A7.1 コスミド及びリーディングフレーム C54D2.5 コスミド及びリーディングフレーム C27F2.3 この4つのC.elegansコスミド配列の系統発生分析による検査によって、これら のうちの2つ,T02C5.5及びC48A7.1が、以前同定された哺乳動物α1サブユニット に密接に対応していることが示される。T02C5.5は、哺乳動物α1A,α1B及びα1 E サブユニットに関連する祖先的メンバーであると考えられる。C48A7.1は、α1C ,α1D及びα1Sにコードされる哺乳動物のL型チャンネルに関連する祖先 的メンバーであると考えられる。対照的に、C.elegansコスミドC54D2.5及びC27 F2.3は、他の哺乳動物のサブタイプと異なる新型のカルシウムチャンネルα1サ ブユニットを同定する。 C54D2.5にコードされるC.elegansカルシウムチャンネルα1サブユニットの哺 乳動物における該当物が、ジーンバンクの発現配列タグ(EST)データバンクの スクリーニングによって同定された。この分析によって、C54D2.5に対してある 程度のDNA配列及びアミノ酸の同一性を呈する合計13個の哺乳動物の配列が同定 され、そのうち8個がヒトの配列であった(Table 2)。これらの配列のうちの3 つは、以前同定された哺乳動物のα1サブユニット(クローンH06096及びH14053 )に著しい程度の相補性を示すか、一般的に他の型のカルシウムチャンネル分子 (クローンD20469)に明確に対比されるα1サブユニットの特徴を示すとは考え られない領域で相補性を示すため、新規のカルシウムチャンネルサブユニットを コードするとは考えにくい。しかしながら、残りの5つの配列(H55225,H55617 ,H55223,H55544及びF07776)は、アミノ酸同一性の程度が既知のカルシウムチ ャンネルサブユニットと保存領域において密接に合致しているが、それらが、以 前同定された哺乳動物のカルシウムチャンネルα1サブユニットα1A,α1B,α1 C ,α1D,α1Eまたはα1Sをコードしていないことを示すほど十分に異なってい ることから、以前に同定されていない2つのカルシウムチャンネルα1サブユニッ トをコードしていると考えられる。期待されるアミノ酸配列は、これらの既知の カルシウムチャンネルサブユニットでのアミノ酸配列に密接に合致しているが、 同一ではない。アラインされたアミノ酸配列をFig.1に示す。 5つの配列のうちの4つ(H55225,H55617,H55223及びH55544)が、ヒト染色体 22番に見出され、現在その全てが新規ヒトカルシウムチャンネルサブユニットαH をコードする同じ遺伝子の一部であると考えられる。第5番目の配列,F07776は 明らかに別のもので、α1Hと称するもう1つの新規ヒトカルシウムチャンネルサ ブユニットと関連する。 5つの選択された配列及びそれらから引かれた参考文献を次に示す。 H55225 起源 ヒトクローン=C22_207プライマー=T3ライブラリー=染色体22番エキソン Trofatterら,Genome Res.5(3):214-224(1995) 配列番号:13 H55617 起源 ヒトクローン=C22-757プライマー=T3ライブラリー=染色体22番エキソン Trofatterら,Genome Res.5(3):214-224(1995) 配列番号:14 H55223 起源 ヒトクローン=C22_204プライマー=T3ライブラリー=染色体22番エキソン Trofatterら,Genome Res.5(3):214-224(1995) 配列番号:15 H55544 起源 ヒトクローン=C22_651プライマー=T3ライブラリー=染色体22番エキソン Trofatterら,Genome Res.5(3):214-224(1995) 配列番号:16 F07776 起源 ヒト Submitted(19-JAN-1995)Genethon,B.P.60,91002 Evry Cedex France and Genetique Moleculaire et Biologie du developpement,CNRS UPR420 B.P.8 ,94801 Villejuif Cedex France E-mail:genexpress@genethon.fr 配列番号:17 Sangerゲノムシーケンシングセンター(Cambridge,U.K.)及びワシントン大 学ゲノムシーケンシングセンター(St.Louis,MO)で進行中の検索によって、C .elegansコスミドオープンリーディングフレーム,C54D2.5及び4つのヒト染色 体22番のEST,H55225,H55617,H55223,H55544との合致を含んだ菌の人工染色 体(Bacterial Artificial Chromosome,BAC)配列(bK206c7)が明らかとなっ た。そしてC.elegans C54D2.5コスミド配列及びヒトEST配列は、全6つのオープ ンリーディングフレーム中のbK206c7 BACゲノム配列の翻訳を比較するのに用い られた。分析は、グラフィックプログラムDotter(Eric Sohnhammer,NCBI)を 用い て行われた。その分析によって、bK206c7 BAC配列の1つのストランド上の一連の 潜在的なコーディングリージョンが明らかとなった。これらは後で、全3つのリ ーディングフレーム及び同定された潜在的スプライスジャンクション(splice j unction)に翻訳された。ヒトαHサブユニット遺伝子の一部である、このより長 いDNAフラグメントの翻訳された配列が、配列番号:18に示される。 5つのESTからの配列情報を使用すれば、幾つかの技術を用いて全長遺伝子を回 復することができる。EST配列またはその固有部分(例えば18から100ヌクレオチ ドの長さを有するオリゴヌクレオチドプローブ)に対応またはハイブリダイズす る配列を有するポリヌクレオチドプローブは、αH及びα1Hサブユニットをコー ドする全長DNAの同定のため、ヒトcDNAライブラリーを探索するのに用いられる 。規定のプローブを用いて興味あるcDNAを同定する方法は当分野でよく知られて おり、例えば国際特許公報No.WO95/04144に記載されており、参考文献として本 願に編入されている。この方法には一般的に、ライブラリープラスミドを内包す るか、もしくは標識されたプローブ,例えば32pで放射線標識されたプローブを もつ組換えラムダファージで感染された菌宿主(例えば大腸菌)のスクリーニン グ、標識されたプローブを結合するコロニーまたはファージの選別が含まれる。 選択されたコロニーまたはファージは各々増殖され、プラスミドが回収される。 ヒトcDNAが制限的消化によりプラスミドから回収されるか、もしくは例えばPCR によって増幅させることができる。新規カルシウムチャンネルサブユニットを発 現する細胞系を生成するためにcDNAをさらに用いることに対して必ずしも必要で ないが、回収されたcDNAは配列決定され、さらにカルシウムチャンネルサブユニ ットをコードする領域位置が純化される。 本願発明の新規カルシウムチャンネルサブユニットをコードするDNAのより長 い部分はまた、EST配列に対応するまたは基づくプライマーを用いるPCRクローニ ング技術によって回収できる。この技術をヒト脳RNA調製物内の関連配列を同定 するために用いることによって、新規αHカルシウムチャンネルサブユニットが ヒト脳に存在することが確認された。567nt PCR産物のサブクローニング及びそ の後のそのシーケンシングによって、この産物はbK206c7 BACゲノム配列から誘 導される配列に対応することが示された。そのヌクレオチド配列が、配列番 号:19として示される。同様な実験が、ラット脳RNA調製物を用いて行われ、結 果として本質的に同一のPCR産物が回収された(配列番号:20)。ラットPCR産物 によってコードされたタンパク質はヒトのPCR産物と96%同一である。 これらの配列は、おそらく部分的なサブユニットをコードするのだが、全長ヒ トまたはラットαHクローンを構築するための基礎として用いることができる。 簡潔に言えば、サブクローンされたαHPCR産物を、標準的な方法〔Sambrock J. ,Fritsch E.F.,Maniatis T.(1989)「分子クローニング,実験マニュアル( Molecular Cloning,A Laboratory Manual)」Cold Spring Harbor Press参照〕 に従ってランダムヘキサマープライミングにより放射線標識し、市販のヒト脳cD NAライブラリー(Strategene社製,La Jolla,CA)を探索するために用いる。cD NAライブラリーのスクリーニングを標準的な方法に従って行い、そのプロトコー ルには、菌を組換えラムダファージに感染させ、ラムダDNAをニトロセルロース フィルターに固定化させ、中間的なハイブリダイゼーションの厳密さである条件 下で、放射線標識したプローブを用いてスクリーニングすることが含まれる。そ のプローブに相補性のcDNAクローンは、オートラジオグラフィーによって同定さ れる。陽性クローンは、連続的な繰り返しスクリーニングによって精製される。 このプロトコールに従い、ほとんど精製されたcDNAは、cDNAライブラリー合成 の性質上、部分配列クローンであると考えられる。全長クローンは、DNA配列内 で重なり合うcDNAから構築される。cDNA間で重なり合う制限酵素部位が、個々の cDNAを繋げて全長cDNAを発生させるために用いられる。その後の異種発現のため に、全長cDNAが直接、cDNAの発現がCMVメジャーインターメディエイトアーリー プロモーター/エンハンサー(major intermediate early promoter/enhancer) などのプロモーター制御下にあるpcDNA-3(Invitrogen社製,San Diego,CA)な どの適当な脊椎動物発現ベクターにサブクローンされる。他の適した発現ベクタ ーには、例えばpMT2,pRC/CMV,pcDNA3.1及びpCEP4がある。 全長cDNAが発現ベクターにクローンされると、ベクターは発現のための宿主細 胞にトランスフェクトされる。適した宿主細胞には、本願明細書に参考文献とし て編入されている国際特許公報No.WO96/39512に記載されるようなXenopus卵母 細胞またはヒト胎児腎細胞などの哺乳動物細胞及び本願明細書に参考文献として 編入されている米国特許No.5,386,025に記載されるようなLtk細胞がある。宿主 細胞へのトランスフェクションは、マイクロインジェクション,リポフェクチン ,グリセロールショック,エレクトロポーレーションリン酸カルシウムまたは粒 子仲介(particle-mediated)遺伝子トランスファーによって成すことができる 。ベクターはまた、β及び/またはα2δサブユニットをもつ新規α1サブユニッ トの共発現を提供するために宿主細胞にトランスフェクトすることができる。 本願発明の新規α1サブユニットを含む機能的カルシウムチャンネルを発現す る生じた細胞系は、これらのカルシウムチャンネルに関する薬理学的活性のため の化合物を試験するために用いられる。このようなスクリーニングは、もしあれ ば、試験化合物及びカルシウムチャンネル間の相互作用の評価のための幾つかの 有用な方法を用いて行うことができる。このような方法の1つには、カルシウム チャンネルと相互作用する放射線標識された薬剤の結合及び、その後の、限定さ れるわけではないが、オンレート(on rates),オフレート(off rates),Kd 値及び他の分子による競合的結合を含む平衡結合測定の分析が含まれる。このよ うな方法のもう1つには、個々の細胞に微小電極が刺し込まれ、カルシウムチャ ンネルを通る電流を、興味ある化合物の適用前後で記録する電気生理学的アッセ イによる化合物の効果のスクリーニングがある。また別の方法として高効率分光 光度計アッセイがあり、細胞内カルシウム濃度に感受性の蛍光染料を細胞系に載 せて、その後、塩化カリウムまたは細胞内カルシウムレベルを変化させるための 他の手段による脱分極能に対する化合物の効果を検査することを利用する。新規 αH及びα1Hカルシウムチャンネルサブユニットのアゴニストまたはアンタゴニ ストとして試験される化合物は、本願発明のαH及びα1Hカルシウムチャンネル サブユニットをコードするDNA配列で安定にまたは一時的にトランスフォームさ れた細胞と組合せて、上記技術の1つを用いてモニターされる。 配列番号:13−19で示される配列をもつDNAフラグメントはまた、組織サンプ ル内のαH及びα1Hカルシウムチャンネルサブユニットの分布のマッピングに用 いられる。この方法は、核酸プローブを用いる通常の組織学的手法に続いて行わ れ、一般に、選択されたDNAフラグメントにカップリングされる、直接的または 間接的に検出可能な標識からなる試薬に組織を暴露し、組織に結合した試薬を検 出する工程を含む。適した標識には、蛍光標識,酵素標識,発色団及び放射線標 識がある。 実施例1 標準的な分子クローニングプロトコールを用いて新規ヒトカルシウムチャンネ ルα1サブユニットを分離するために、合成DNAプローブを調製し、32Pで放射線 標識し、H55225,H55617,H55223,H55544及びF07776に対するヒトDNA配列に基 づいて、ラムダファージベクターにおいて有効な市販のヒトcDNA(Strategene社 製,La Jolla,CA)を検索するために利用する。配列番号:18及び19の配列を有 するDNAフラグメントをこの目的のために使用することができる。陽性ファージ を、そのファージDNAをニトロセルロースフィルター上に固定し、放射線標識プ ローブでハイブリダイズし、過剰のプローブを洗浄し、クローンをオートラジオ グラフィーにより選択することを含むスクリーニングを数回繰り返して精製する 。このようなアプローチによって同定されたクローンは、cDNAライブラリー合成 の性質上、部分的な長さのクローンであることが予想され、全長のクローンを得 るには、各カルシウムチャンネル型に対する数回のスクリーニングが必要となる 。 クローンを特徴付けするため、二重(double stranded)のプラスミドDNAを同 定されたクローンから調製し、その配列を35S dATP,シークエネース(Sequena se)及び標準ゲル電気泳動を用いて決定する。類似の領域及び重なり合う領域が 各cDNA配列の比較によって決定される。 全長クローンが、重なり合うcDNAフラグメントを慣用の制限酵素部位で一緒に 繋ぎ合わせることによって構築される。全長クローンは後に、cDNA発現を導くた めに用いられるプロモーター下流のベクターポリリンカー領域における制限酵素 部位に繋げることによって、脊椎細胞での発現に適したベクター(例えばpMT2, pRC/CMV,pcDNA3.1,pCEP4,pREP7)に挿入される。 新規カルシウムチャンネルをコードするDNAは、真核細胞(例えばヒト胎児腎 臓,マウスL細胞,チャイニーズハムスター卵巣など)にかなり多数の有用な標 準的方法によって、安定にまたは一時的に導入できる。安定なトランスフェクシ ョンが、発現ベクターに含まれるマーカー遺伝子(例えばジヒドロ葉酸レダクタ ーゼ,チミジンキナーゼなど)を発現する細胞の増殖を促進する条件下で細胞を 増殖することによって行う。ヒトカルシウムチャンネルをコードする異種DNAが ゲノムに組み合わされるか、またはエピゾームの(episomal)要素として維持さ れる。 トランスフェクトされた細胞においてヒトカルシウムチャンネルの発現が、RN A分析に対するノーザンブロット,cDNA検出に対するサザンブロット,カルシウ ムチャンネル機能に対する電気生理学的アッセイ,カルシウムチャンネルと相互 作用すると考えられる放射線標識された薬剤の結合及び細胞内カルシウム濃度に 感受性の染料の蛍光アッセイを含む、かなり多数の技術によってモニターできる 。 実施例2 細胞内のヒトαHカルシウムチャンネルの異種発現 A .哺乳動物細胞での一時的トランスフェクション ヒト胎児腎細胞,HEK293(ATCC#CRL1573)などの宿主細胞は、2mMグルタミン 及び10%ウシ胎児血清を添加した標準的なDMEM培地で生育する。HEK293細胞は、 脊椎動物発現ベクター内の全長ヒトαHカルシウムチャンネルcDNAを用いる標準 的なリン酸カルシウムDNA共沈殿によってトランスフェクトされる(例えばCurre nt protocols in Molecular Biology参照)。ヒトαHカルシウムチャンネルcDNA は、単独でまたは、α2δ及びβサブユニットなどの哺乳動物のカルシウムチャ ンネルの他のクローンされたサブユニット及びクラゲの緑色(jellyfish green )蛍光タンパク質などのマーカータンパク質に対するクローンと組み合わせても 、トランスフェクトできる。電気生理学的レコーディング :24〜72時間のインキュベーション期間後、培地を 除去し、外部レコーディング溶液(下記参照)で置き換える。細胞全体のパッチ クランプ(patch clamp)実験は、pCLAMPソフトウエアを備えたIBM互換性パーソ ナルコンピューターに接続したAxopatch200Bアンプリファイアー(Axon Instrum ents社製,Burlingame,CA)を用いて行われる。ミクロ電極は、3MCsClで満たし 、0.5から2.5M_の定型的抵抗を有する。外部レコーディング溶液は、20mMBaCl2 ,1mMMgCl2,10mMHEPES,40mMTEACl,10mMグルコース,65mMCsCl (pH7.2)である。内部ピペット溶液は、105mMCsCl,25mMTEACl,1mMCaCl2,11m MEGTA,10mMHEPES(pH7.2)である。電流は、定型的に100mVの保有電位から種々 の試験電位まで引き出せる。データは、1kHzでフィルターされ、パーソナルコン ピューターのハードドライブ上に直接記録される。リークサブトラクション(le ak subtraction)は、標準P/5プロトコールを用いるオンラインで実行される。 電流は、pCLAMPバージョン5.5及び6.0を用いて分析される。マクロスコープの電 流−電圧の関係は、式I={1/(1+exp(-(Vm-Vh)/S)}×G-(Vm-Erev)1(Vmは試験電 位,Vhはチャンネルの半分が活性化される電圧及びSは活性化曲線の勾配を反映 し、効果的な通門電荷変動の表示度数である)に一致する。不活性化曲線は、I に正規化され、I=(1/1+exp((Vm-Vh)/S))(Vmは保有電位)に一致する。シング ルチャンネルレコーディングは、次のピペット溶液(単位mM):100BaCl2,10HE PES,pH7.4及びバス(bath)溶液:100KCl,10EGTA,2MgCl2,10HEPES,pH7.4を もつ細胞接着様式で行われる。B .Xenopus卵母細胞での一時的トランスフェクション ステージV及びVIのXenopus卵母細胞は、Dascalら(1986)の記載〔「Xenopus 卵母細胞へのRNA注入後の電圧−通門されたカルシウムチャンネルの発現及び調 節(Expression and modulation of voltage-gated calcium channels after RN A injection into Xenopus oocytes)」Science 231:1147-1150〕に従って調製 される。コラゲナーゼを用いた酵素的解離後、卵母細胞の核にヒトαHカルシウ ムチャンネルcDNA発現ベクター構築物(核当たり約10ngDNA)をDrummond nanoje ct装置を用いてマイクロインジェクトする。ヒトαHカルシウムチャンネルは、 単独で、または他の哺乳動物のカルシウムチャンネルサブユニットcDNA,α2− δ及びβ1bサブユニットなどと組み合わせて注入することができる。48〜96時間 のインキュベーション後の目視の電流が、標準的な2つの微小電極電圧−クラン プ(Axoclamp 2A,Axon Instruments社製,Burlingame,CA)を用いて、以下を 含む浸漬メディウム(単位mM):40Ba(OH)2,25TEA-OH,25NaOH,2CsOH,5HEPES (pHをメタンスルホン酸で7.3に中和)中で記録される。定型的な抵抗が0.5から 1.5m_の範囲にあるピペットを、2.8MCsCl,0.2MCsOH,10mMHEPES,10mMBAPTA遊 離酸で満たす。内部Ca(及びBa)一活性化Cl電流を、100mMBAPTA遊 離酸,10mMHEPES(pHをCsOHで7.2に中和)を含む溶液10−30nlを空気インジェク ターに繋げた第3のピペットを用いて規則的に注入することにより抑制する。リ ーク電流及び静電容量の過流渡電は、標準P/5手法を用いて差し引かれる。 実施例3 ヒトαHカルシウムチャンネルを発現する安定な細胞系の構築 ヒトαHカルシウムチャンネルを安定に発現する哺乳動物の発現系が、αHカル シウムチャンネルcDNAをHEK293などの哺乳動物細胞にトランスフェクトし、発現 ベクターにコードされる抗生物質耐性について選別することによって構築される 。簡単に述べると、選択可能なマーカー,pcDNA3(InvitroGen社製,San Diego ,CA)などをもつ脊椎動物発現ベクターにサブクローンされる全長ヒトαHカル シウムチャンネルcDNAが、HEK293細胞に、リン酸カルシウム共沈殿またはリポフ ェクチンまたはエレクトロポーレーションまたは既知の方法に従う他の方法〔Me thod in Enzymology,Volume 185,「遺伝子発現技術(Gene Expression Techno logy)」(1990)Goeddel D.V.編集〕によってトランスフェクトされる。ヒト αHカルシウムチャンネルは、単独で、または他の哺乳動物のカルシウムチャン ネルサブユニットcDNA,α2−δ及びβ1bサブユニットなどと組み合わせて、類 似の発現ベクターか別の選別可能なマーカーを用いる別のタイプのベクターにお いてトランスフェクトすることができる。非選択的条件下で2日間のインキュベ ーション後、培地にGeneticin(G418)を600−800μg/mlの濃度で添加する。 この培地で3−4週間後、G418に抵抗性の細胞は目視でき、標準的なクローニング 環状染色体を用いる分離コロニーとしてクローンできる。各分離コロニーを密集 状態になるまで成長させて細胞系を確立した後、ヒトαHカルシウムチャンネル の発現を、標準的な遺伝子発現法,ノーザンブロッティング,Rnase保護及び逆 転写酵素PCRなどで決定することができる。 安定にトランスフェクトされた細胞内のヒトαHカルシウムチャンネルの機能 検出は、電気生理学的に,全パッチクランプやシングルチャンネル分析(上記参 照)などによって、検査することができる。機能的なカルシウムチャンネルを検 出する他の手段には、放射線標識45Ca取り込みの使用,FURA-2などのカルシウム 感受性染料を用いる蛍光光度計及びカルシウムチャンネルに相互作用する放射 線標識されたリガンドの結合や置換がある。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成11年2月10日(1999.2.10) 【補正内容】 カルシウムチャンネルの細胞の代謝及びヒトの疾患での重要性のため、残るク ラスのα1サブュニットを同定し、カルシウムチャンネル機能の薬理学的制御の 研究を含む、これらカルシウムチャンネルの研究及びキャラクタリゼーションを 可能とするこれらサブユニットの発現系の展開が望まれる。ゆえに、本願発明の 目的の1つは、今まで明らかにされていない、新規α1サブユニットを有するカル シウムチャンネルを、これらの新しいカルシウムチャンネルを発現する細胞系を 含めて提供することである。さらに本願発明の目的の1つは、これらの新規カル シウムチャンネルを細胞系を用いて試験するための方法を提供することである。発明の要約 本願発明は、我々がαHサブユニットと命名する新規哺乳動物カルシウムチャ ンネルサブユニットの部分配列(ヒト及びラットの同定された配列)を提供する 。このカルシウムチャンネルの配列情報は、ヒト細胞からの完全配列の局在及び 発見、及び本願発明の新規カルシウムチャンネルを発現する細胞系の展開を可能 とする。これらの細胞は、カルシウムチャンネルに対するアゴニストまたはアン タゴニストとして作用可能な化合物を同定するために使用することができる。図面の簡単な説明 Fig.1は、C.elegans C54D2.5α1カルシウムチャンネルサブユニットのアライ ンされた(aligned)アミノ酸配列及び本願発明のカルシウムチャンネルサブユ ニットの最初に同定された部分を示す。 さらに、新規カルシウムチャンネルサブユニットにおける欠損は、以下のもの に限られるわけではないが、てんかん,片頭痛,精神分裂病,高血圧,不整脈, アンギナ(angina),うつ病,小肺腫瘍,ランバート−イートン症候群を含むヒ ト遺伝子疾患に関連している可能性があるため、このような関連性のキャラクタ リゼーション及び関連疾患の決定的な診断は、新規カルシウムチャンネルの野生 型または欠損型に結合するプローブを用いて実行することができる。 本願発明に従って、我々は、新規カルシウムチャンネルα1サブユニットをコ ードするヒトDNA配列を同定した。これらのサブユニットは、ヒト電圧依存性カ ルシウムチャンネルのα1サブユニットの1つの新型を表わすと考えられ、αH型 と称される。 C.elegansゲノムDNA配列データベースを、以前同定された哺乳動物カルシウ ムチャンネルα1サブユニットに相補性がある配列についてスクリーニングする ことによって、本願発明の新規α1サブユニットは同定された。詳しくは、以下 の12個の哺乳動物α1サブユニット配列が、C.elegansゲノムDNA配列データバン クを検索するために用いられた。 C54D2.5にコードされるC.elegansカルシウムチャンネルα1サブユニットの哺 乳動物における該当物が、ジーンバンクの発現配列タグ(EST)データバンクの スクリーニングによって同定された。この分析によって、C54D2.5に対してある 程度のDNA配列及びアミノ酸の同一性を呈する合計13個の哺乳動物の配列が同定 され、そのうち8個がヒトの配列であった(Table 2)。これらの配列のうちの3 つは、以前同定された哺乳動物のα1サブユニット(クローンH06096及びH14053 )に著しい程度の相補性を示すか、一般的に他の型のカルシウムチャンネル分子 (クローンD20469)に明確に対比されるα1サブユニットの特徴を示すとは考え られない領域で相補性を示すため、新規のカルシウムチャンネルサブユニットを コードするとは考えにくい。しかしながら、残りの5つの配列のうちの4つ(H552 25,H55617,H55223及びH55544)は、アミノ酸同一性の程度が既知のカルシウム チャンネルサブユニットと保存領域において密接に合致しているが、それらが、 以前同定された哺乳動物のカルシウムチャンネルα1サブユニットα1A,α1B, α1C,α1D,α1Eまたはα1Sをコードしていないことを示すほど十分に異なって いることから、以前に同定されていない1つのカルシウムチャンネルα1サブユニ ットをコードしていると考えられる。期待されるアミノ酸配列は、これらの既知 のカルシウムチャンネルサブユニットでのアミノ酸配列に密接に合致しているが 、同一ではない。アラインされたアミノ酸配列をFig.1に示す。 4つの配列(H55225,H55617,H55223及びH55544)が、ヒト染色体22番に見出 され、現在その全てが新規ヒトカルシウムチャンネルサブユニットαHをコード する同じ遺伝子の一部であると考えられる。第5番目の配列,F07776は明らかに 別のもので、α1Hと称するもう1つの新規ヒトカルシウムチャンネルサブユニッ トと関連する。 H55544 起源 ヒトクローン=C22_651プライマー=T3ライブラリー=染色体22番エキソン Trofatterら,Genome Res.5(3):214-224(1995) Sangerゲノムシーケンシングセンター(Cambridge,U.K.)及びワシントン大 学ゲノムシーケンシングセンター(St.Louis,MO)で進行中の検索によって、C .elegansコスミドオープンリーディングフレーム,C54D2.5及び4つのヒト染色 体22番のEST,H55225,H55617,H55223,H55544との合致を含んだ菌の人工染色 体(Bacterial Artificial Chromosome,BAC)配列(bK206c7)が明らかとなっ た。そしてC.elegans C54D2.5コスミド配列及びヒトEST配列は、全6つのオープ ンリーディングフレーム中のbK206c7 BACゲノム配列の翻訳を比較するのに用い られた。分析は、グラフィックプログラムDotter(Eric Sohnhammer,NCBI)を 用いて行われた。その分析によって、bK206c7 BAC配列の1つのストランド上の一 連の潜在的なコーディングリージョンが明らかとなった。これらは後で、全3つ のリーディングフレーム及び同定された潜在的スプライスジャンクション(spli ce junction)に翻訳された。ヒトαHサブユニット遺伝子の一部である、このよ り長いDNAフラグメントの翻訳された配列が、配列番号:17に示される。 4つのESTからの配列情報を使用すれば、幾つかの技術を用いて全長遺伝子を回 復することができる。EST配列またはその固有部分(例えば18から100ヌクレオチ ドの長さを有するオリゴヌクレオチドプローブ)に対応またはハイブリダイズす る配列を有するポリヌクレオチドプローブは、αHサブユニットをコードする全 長DNAの同定のため、ヒトcDNAライブラリーを探索するのに用いられる。規定の プローブを用いて興味あるcDNAを同定する方法は当分野でよく知られており、例 えば国際特許公報No.WO95/04144に記載されており、参考文献として本願に編入 されている。この方法には一般的に、ライブラリープラスミドを内包するか、も しくは標識されたプローブ,例えば32Pで放射線標識されたプローブをもつ組換 えラムダファージで感染された菌宿主(例えば大腸菌)のスクリーニング、標識 されたプローブを結合するコロニーまたはファージの選別が含まれる。選択され たコロニーまたはファージは各々増殖され、プラスミドが回収される。ヒトcDNA が制限的消化によりプラスミドから回収されるか、もしくは例えばPCRによって 増幅させることができる。新規カルシウムチャンネルサブユニットを発現する細 胞系を生成するためにcDNAをさらに用いることに対して必ずしも必要でないが、 回収されたcDNAは配列決定され、さらにカルシウムチャンネルサブユニットをコ ードする領域位置が純化される。 本願発明の新規カルシウムチャンネルサブユニットをコードするDNAのより長 い部分はまた、EST配列に対応するまたは基づくプライマーを用いるPCRクローニ ング技術によって回収できる。この技術をヒト脳全RNA調製物内の関連配列を同 定するために用いることによって、新規αHカルシウムチャンネルサブユニット がヒト脳に存在することが確認された。567nt PCR産物のサブクローニング及び その後のそのシーケンシングによって、この産物はbK206c7 BACゲノム配列から 誘導される配列に対応することが示された。そのヌクレオチド配列が、配列番号 :18として示される。同様な実験が、ラット脳RNA調製物を用いて行われ、結果 として本質的に同一のPCR産物が回収された(配列番号:19)。ラットPCR産物に よってコードされたタンパク質はヒトのPCR産物と96%同一である。 これらの配列は、おそらく部分的なサブユニットをコードするのだが、全長ヒ トまたはラットαHクローンを構築するための基礎として用いることができる。 簡潔に言えば、サブクローンされたαHPCR産物を、標準的な方法〔Sambrock J. ,Fritsch E.F.,Maniatis T.(1989)「分子クローニング,実験マニュアル( Molecular Cloning,A Laboratory Manual)」Cold Spring Harbor Press参照〕 に従ってランダムヘキサマープライミングにより放射線標識し、市販のヒト脳cD NAライブラリー(Strategene社製,La Jolla,CA)を探索するために用いる。cD NAライブラリーのスクリーニングを標準的な方法に従って行い、そのプロトコー ルには、菌を組換えラムダファージに感染させ、ラムダDNAをニトロセルロー スフィルターに固定化させ、中間的なハイブリダイゼーションの厳密さである条 件下で、放射線標識したプローブを用いてスクリーニングすることが含まれる。 そのプローブに相補性のcDNAクローンは、オートラジオグラフィーによって同定 される。陽性クローンは、連続的な繰り返しスクリーニングによって精製される 。 このプロトコールに従い、ほとんど精製されたcDNAは、cDNAライブラリー合成 の性質上、部分配列クローンであると考えられる。全長クローンは、DNA配列内 で重なり合うcDNAから構築される。cDNA間で重なり合う制限酵素部位が、個々の cDNAを繋げて全長cDNAを発生させるために用いられる。その後の異種発現のため に、全長cDNAが直接、cDNAの発現がCMVメジャーインターメディエイトアーリー プロモーター/エンハンサー(major intermediate early promoter/enhancer) などのプロモーター制御下にあるpcDNA-3(Invitrogen社製,San Diego,CA)な どの適当な脊椎動物発現ベクターにサブクローンされる。他の適した発現ベクタ ーには、例えばpMT2,pRC/CMV,pcDNA3.1及びpCEP4がある。 全長cDNAが発現ベクターにクローンされると、ベクターは発現のための宿主細 胞にトランスフェクトされる。適した宿主細胞には、本願明細書に参考文献とし て編入されている国際特許公報No.WO96/39512に記載されるようなXenopus卵母 細胞またはヒト胎児腎細胞などの哺乳動物細胞及び本願明細書に参考文献として 編入されている米国特許No.5,386,025に記載されるようなLtk細胞がある。宿主 細胞へのトランスフェクションは、マイクロインジェクション,リポフェクチン ,グリセロールショック,エレクトロポーレーションリン酸カルシウムまたは粒 子仲介(particle-mediated)遺伝子トランスファーによって成すことができる 。ベクターはまた、β及び/またはα2δサブユニットをもつ新規α1サブユニッ トの共発現を提供するために宿主細胞にトランスフェクトすることができる。 本願発明の新規α1サブユニットを含む機能的カルシウムチャンネルを発現す る生じた細胞系は、これらのカルシウムチャンネルに関する薬理学的活性のため の化合物を試験するために用いられる。このようなスクリーニングは、もしあれ ば、試験化合物及びカルシウムチャンネル間の相互作用の評価のための幾つかの 有用な方法を用いて行うことができる。このような方法の1つには、カルシウム チャンネルと相互作用する放射線標識された薬剤の結合及び、その後の、限定さ れるわけではないが、オンレート(on rates),オフレート(off rates),Kd 値及び他の分子による競合的結合を含む平衡結合測定の分析が含まれる。このよ うな方法のもう1つには、個々の細胞に微小電極が刺し込まれ、カルシウムチャ ンネルを通る電流を、興味ある化合物の適用前後で記録する電気生理学的アッセ イによる化合物の効果のスクリーニングがある。また別の方法として高効率分光 光度計アッセイがあり、細胞内カルシウム濃度に感受性の蛍光染料を細胞系に載 せて、その後、塩化カリウムまたは細胞内カルシウムレベルを変化させるための 他の手段による脱分極能に対する化合物の効果を検査することを利用する。新規 αHカルシウムチャンネルサブユニットのアゴニストまたはアンタゴニストとし て試験される化合物は、本願発明のαHカルシウムチャンネルサブユニットをコ ードするDNA配列で安定にまたは一時的にトランスフォームされた細胞と組合せ て、上記技術の1つを用いてモニターされる。 配列番号:13−19で示される配列をもつDNAフラグメントはまた、組織サンプ ル内のαHカルシウムチャンネルサブユニットの分布のマッピングに用いられる 。この方法は、核酸プローブを用いる通常の組織学的手法に続いて行われ、一般 に、選択されたDNAフラグメントにカップリングされる、直接的または間接的に 検出可能な標識からなる試薬に組織を暴露し、組織に結合した試薬を検出する工 程を含む。適した標識には、蛍光標識,酵素標識,発色団及び放射線標識がある 。 実施例1 標準的な分子クローニングプロトコールを用いて新規ヒトカルシウムチャンネ ルα1サブユニットを分離するために、合成DNAプローブを調製し、32Pで放射線 標識し、H55225,H55617,H55223及びH55544に対するヒトDNA配列に基づいて、 ラムダファージベクターにおいて有効な市販のヒトcDNA(Strategene社製,La J olla,CA)を検索するために利用する。配列番号:17及び18の配列を有するDNA フラグメントをこの目的のために使用することができる。陽性ファージを、その ファージDNAをニトロセルロースフィルター上に固定し、放射線標識プローブで ハイブリダイズし、過剰のプローブを洗浄し、クローンをオートラジオグラフィ ーにより選択することを含むスクリーニングを数回繰り返して精製する。このよ うなアプローチによって同定されたクローンは、cDNAライブラリー合成の性質上 、 部分的な長さのクローンであることが予想され、全長のクローンを得るには、各 カルシウムチャンネル型に対する数回のスクリーニングが必要となる。 請求の範囲 1. カルシウムチャンネルをコードするヌクレオチド配列からなる分離された DNAフラグメントであって、該ヌクレオチド配列は、配列番号:18に記載される アミノ酸配列を含むタンパク質をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号: 18に記載されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするDNAに、中間的なハ イブリダイゼーションの厳密さ(stringency)である条件下でハイブリダイズす るヌクレオチド配列から選択されることを特徴とする該DNAフラグメント。 2. 請求項1のDNAフラグメントであって、該ヌクレオチド配列は、配列番号: 17に記載されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするヌクレオチド配列、 及び配列番号:17に記載されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするDNA に、中間的なハイブリダイゼーションの厳密さ(stringency)である条件下でハ イブリダイズするヌクレオチド配列から選択されることを特徴とする該DNAフラ グメント 3. 請求項1または2のDNAフラグメントであって、該カルシウムチャンネルが ヒトのニューロンのカルシウムチャンネルであることを特徴とする該DNAフラグ メント。 4. 請求項1〜3のいずれか1項のDNAフラグメントを含む、脊椎動物の発現ベク ター。 5. 請求項4の脊椎動物の発現ベクターによって一時的または安定に形質転換 された真核細胞であって、該DNAフラグメントによってコードされるカルシウム チャンネルを発現する該細胞。 6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の異種DNAフラグメントによって一時的ま たは安定に形質転換された真核細胞であって、該DNAフラグメントによってコー ドされるカルシウムチャンネルを発現する該細胞。 7. 請求項5または6の真核細胞であって、カルシウムチャンネルのα2δサブ ユニットまたはβサブユニット、またはその両方でさらに形質転換され、発現す ることを特徴とする該細胞。 8. 動物細胞のカルシウムチャンネルのαHタンパク質の生産方法であって、 該 カルシウムチャンネルサブユニットをコードする該DNAを発現し、該αHサブユニ ットが生産される条件下で請求項5または6の該細胞を培養することからなる該方 法。 9. 一時的または安定に形質転換され、カルシウムチャンネルを発現する真核 細胞を生産する方法であって、請求項1または2記載の配列を有するRNAまたはDNA 、及びα2δまたはβカルシウムチャンネルサブユニットをコードするRNAまたは DNAを細胞に導入する工程からなる該方法。 10.αHカルシウムチャンネルに対するアゴニストまたはアンタゴニストとし て作用可能な化合物を同定する方法であって、請求項5または6に記載の細胞に試 験すべき薬剤を接触させ、もしあれば、試験すべき該薬剤及び該カルシウムチャ ンネルとの間の相互作用を評価することからなる該方法。 11.配列番号:18によって与えられる配列を有する分離したDNAフラグメント 。 12.組織サンプル内のカルシウムチャンネルサブユニットの分布をマッピング する方法であって、該組織を、直接的または間接的に検出できる、配列番号:13 −19によって与えられる配列の中から選択される配列からなるDNAフラグメント に結合した標識からなる試薬に暴露する工程及び、組織に結合した試薬を検出す ることからなる該方法。 13.カルシウムチャンネルをコードするオリゴヌクレオチド配列からなるDNA フラグメントであって、該ヌクレオチド配列は、配列番号:17または18に記載さ れるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするヌクレオチド配列、または配列 番号:13,14,15または16のPCR産物をサブクローンし、そのPCR産物をランダム ヘキサマープライミングにより標識し、該プライマーを市販のヒト脳cDNAライブ ラリーを探索するために用いて、重なり合うcDNAを含む部分配列クローンを産生 し、得られたcDNAを繋げてカルシウムチャンネルタンパク質をコードする全長cD NAを産生することによって得られるヌクレオチド配列から選択されることを特徴 とする該DNAフラグメント。 要約書 我々がαHサブユニットと名付けた、哺乳動物の新規カルシウムチャンネルサ ブユニットの部分配列(ヒト及びラットの同定される配列)を提供する。このカ ルシウムチャンネルの配列情報から、ヒト細胞からの完全配列の局在及び再生、 及び本願発明の新規カルシウムチャンネルを発現する細胞系の展開が可能となる 。これらの細胞は、カルシウムチャンネルに対するアゴニストまたはアンタゴニ ストとして作用可能な化合物を同定するために使用することができる。 【図1】【図1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12P 21/02 C12Q 1/68 A C12Q 1/02 G01N 33/15 Z 1/68 33/50 Z G01N 33/15 C12N 15/00 ZNAA 33/50 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),CA,JP (72)発明者 バイリエ,デビッド,エル. カナダ国,ブリティッシュ コロムビア, バンクーバー,ノース コーテネイ スト リート 20

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. カルシウムチャンネルをコードするヌクレオチド配列からなる分離された DNAフラグメントであって、該ヌクレオチド配列は、配列番号:19に記載される アミノ酸配列を含むタンパク質をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号: 19に記載されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするDNAに、厳密でない (non-stringent)条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列から選択され ることを特徴とする該DNAフラグメント。 2. 請求項1のDNAフラグメントであって、該ヌクレオチド配列は、配列番号: 18に記載されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするヌクレオチド配列、 及び配列番号:18に記載されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするDNA に、厳密でない(non-stringent)条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配 列から選択されることを特徴とする該DNAフラグメント 3. 請求項1または2のDNAフラグメントであって、該カルシウムチャンネルが ヒトのニューロンのカルシウムチャンネルであることを特徴とする該DNAフラグ メント。 4. ヒトカルシウムチャンネルサブユニットをコードするヌクレオチド配列か らなる分離されたDNAフラグメントであって、該ヌクレオチド配列は、配列番号 :17に記載される配列を含むヌクレオチド配列から選択されることを特徴とする 該DNAフラグメント。 5. 請求項1〜4のいずれか1項のDNAフラグメントを含む、脊椎動物の発現ベク ター。 6. 請求項5の脊椎動物の発現ベクターによって一時的または安定に形質転換 された真核細胞であって、該DNAフラグメントによってコードされるカルシウム チャンネルを発現する該細胞。 7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の異種DNAフラグメントによって一時的ま たは安定に形質転換された真核細胞であって、該DNAフラグメントによってコー ドされるカルシウムチャンネルを発現する該細胞。 8. 請求項6または7の真核細胞であって、カルシウムチャンネルのα2δサブ ユニットまたはβサブユニット、またはその両方でさらに形質転換され、発現す ることを特徴とする該細胞。 9. 動物細胞のカルシウムチャンネルのαHタンパク質の生産方法であって、 該カルシウムチャンネルサブユニットをコードする該DNAを発現し、該αHサブユ ニットが生産される条件下で請求項6または7の該細胞を培養することからなる該 方法。 10.一時的または安定に形質転換され、カルシウムチャンネルを発現する真核 細胞を生産する方法であって、配列番号:19に記載されるアミノ酸配列を含むタ ンパク質をコードする配列、及び配列番号:19に記載される配列を含むタンパク 質をコードするDNAに、厳密でない(non-stringent)条件下でハイブリダイズす るヌクレオチド配列の中から選択される配列を有するRNAまたはDNA、及びα2δ またはβカルシウムチャンネルサブユニットをコードするRNAまたはDNAを細胞に 導入する工程からなる該方法。 11.αHカルシウムチャンネルに対するアゴニストまたはアンタゴニストとし て作用可能な化合物を同定する方法であって、請求項6または7に記載の細胞に試 験すべき薬剤を接触させ、もしあれば、試験すべき該薬剤及び該カルシウムチャ ンネルとの間の相互作用を評価することからなる該方法。 12.配列番号:19によって与えられる配列を有する分離したDNAフラグメント 。 13.組織サンプル内のカルシウムチャンネルサブユニットの分布をマッピング する方法であって、該組織を、直接的または間接的に検出できる、配列番号:13 −20によって与えられる配列の中から選択される配列からなるDNAフラグメント に結合した標識からなる試薬に暴露する工程及び、組織に結合した試薬を検出す ることからなる該方法。
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