【発明の詳細な説明】
スライバーの捲回による環状繊維プレフォームの製造
この発明は、特に複合材料製環状ピースを製造するための環状繊維構造体また
は「プレフォーム」の製造に関する。
本発明の適用分野は特に限定的ではないが、複合材料製、特に炭素−炭素(C
−C)複合材料製ブレーキディスクを製造するための環状繊維プレフォームの製
造分野である。
C−C複合材料製ブレーキディスクは炭素繊維製環状プレフォームを調製した
後、該プレフォームを炭素マトリックスを用いて強化することによって製造され
る。
C−C複合材料製ブレークディスクプレフォームは、炭素もしくは炭素前駆体
の繊維に基づく繊維織物のプライ(ply)を重畳させた後、場合によっては該重
畳プライを、例えば、ニードリング(needling)によって結合させることによっ
て製造するのが一般的である。
基材繊維織物はフェルト、織布、トウの一方向シート、加工系、コード、また
はニードリングによって相互に結合させた複数の異方向重畳シートから成る複合
体であってもよい。
プライを積層させた後、ニードリングにより結合させることによって繊維プレ
フォームを製造する方法は、例えば、次の特許文献に記載されている:米国特許
US-A-4790052号、仏国特許FR-A-2626294号および仏国特許FR-A-2726013号各明細
書。
種々のプライは、プライを積層させた後で環状プレフォームに切断された非断
続プライまたは予備切断環状プライであってもよい。いずれの場合にも、多量の
スクラップが発生するので、製造コストが著しく増大し、基材繊維織物、特に炭
素もしくは炭素前駆体製繊維織物の高価格化をもたらす。
本発明の目的は、繊維材料のスクラップを発生させることなく環状繊維プレフ
ォームの製造を可能にする方法を提供することによって上記の問題点を改善する
ことである。
本発明の別の目的は、複合材料製ブレーキディスクの製造に適した環状繊維プ
レフォーム、即ち、該複合材料の破壊を伴うことなく該ディスクに摩擦力に対す
る耐性を付与すると共に該ディスクが連結される部材に該摩擦力を伝達すること
のできるプレフォームの製造を可能にする方法を提供することである。
これらの目的は、缶(can)の内部において、各々の環状層が複数の平坦な捲
回部によって構成される複数の重畳環状層が形成されるように繊維スライバーを
捲回させることによってプレフォームを形成させる方法によって達成された。
ここで用いる「平坦な捲回部(flat turn)」という用語は、缶の底部に平行
な実質上平面状のスライバーによる捲回部もしくはループ(loop)を意味する。
捲回は缶の垂直軸のまわりに繰り返して捲回部を形成させることによっておこ
なうのが有利である。種々の捲回法、特に半径方向に延びる繊維の含有量にとっ
て望ましい分布関数とする捲回法を用いることができ、好ましくは、捲回は軸方
向の対称性を保持しておこなう。
スライバーは不連続繊維、例えば、相互に実質上平行であって幾分撚れた不連
続繊維から調製してもよい。例えば、スライバーはカードを用いて得られるスラ
イバーであってもよく、あるいは、トウ破断装置を用いて得られるトウであって
缶内での積層中に平坦化するのに適したトウであってもよい。
カードから送給されるスライバーの使用は特に有利である。何故ならば、カー
ドから送給されてその後の紡織操作に使用する前のスライバーを貯蔵するための
常法に従って、カードの出口に配設される缶内において捲回操作を直ちにおこな
うことができるからである。同様の利点は破砕トウから得られるスライバーを用
いることによっても得られる。
この場合、原材料を失うことなく環状プレフォームを調製することができるだ
けでなく、プレフォームを付加的な操作を伴うことなく常套の装置を使用して得
ることができる。
さらに、カードから送給されるか、または破砕トウから得られるスライバーを
用いる場合のように、相互にゆるく結合した不連続繊維から調製されるスライバ
ーを使用する場合には、低度の撚れが再びもたらされることがあっても、繊維を
ある程度膨張させることが可能である。その結果、不規則度が低くてプレフォー
ムの強化を容易にする多孔度を得ることができるだけでなく、重畳層の繊維間に
ある程度のもつれが発生するので、該もつれに起因して該重畳層間の結合性と離
層抵抗を高めることができる。
以上の説明は、重畳層間の結合をニードリングによっておこなう態様を除外す
るものではない。ニードリングは、場合によっては軸方向に圧縮させながら捲回
プレフォームに対しておこなってもよく、あるいは、スライバーを捲回させなが
ら積層時におこなってもよい。
本発明は、上述の方法によって得られるプレフォームであって、場合によって
は圧縮したプレフォームを強化させることによって複合材料製環状ピースを製造
する方法も提供する。
強化は化学的蒸気浸透法および/または液体法によっておこなうことができる
。
本発明は以下の限定的でない添付図に基づく説明によってより良く理解するこ
とができる。
図1は本発明による環状繊維プレフォームの製造法を実施するための装置の模
式図である。
図2A、図2B、図2Cおよび図2Dは図1に示す装置を用いて本発明方法を
実施する場合の缶内における平坦捲回部の種々の捲回過程を示す。
図3は図1に示す装置の一部である缶−捲回装置の一態様を示す模式図である
(該缶−捲回装置は図2A〜図2Dに示す捲回操作をおこなうのに適した装置で
ある)。
図4は図3に示す捲回装置用の駆動系を示す模式図である。
図5Aおよび図5Bは、本発明方法を実施するための缶内での別の平坦捲回法
を示す模式図である。
図1に示す実施態様においては、プレフォムはカードから離れたスライバーを
缶内において直ちに捲回させることによって製造される。この場合、使用するカ
ードは回転式平坦カードである。図1においては、装置のいくつかの部分は円内
の拡大図で示す。
常套法においては、この種のカードは、カード処理される織物を受容する傾斜
性の微細な金属製スパイク(10a)を備えた回転開放形ローラー(10)を具
有する。例えば、織物(20)は繊維製のシートまたはフェルトであって、プレ
フォームに要求される繊維材料またはその前駆体から構成される。同じ種類の繊
維のみまたは異種繊維の混合物から調製されるシートまたはフェルトを使用して
もよい。例えば、異なる前駆体から調整される炭素繊維、例えば、該繊維の前駆
体として予備酸化状態のポリアクロニトリル(PAN)、等方性ピッチ、異方性
ピッチ、セルロースもしくはフェノールを含有する繊維、あるいはこれらの種々
の前駆体から得られる混合繊維を混合することが可能である。
開放形ローラー(10)は、該ローラーよりも速く回転すると共に金属製スパ
イク(12a)を備えた大型の回転ドラム(12)と共働する。カード処理され
る織物は大型ドラム上において、エンドレスチェーン(14)によって搬送され
る傾斜性スパイク(14a)を具有する平面によって繊維状に分散される。チェ
ーン(14)は大型ドラム(12)のセクター上において該ドラムの輪郭と実質
上同じ形状で追随する。
繊維は針(16a)を有するコーミングドラム(16)によって大型ドラム(
12)から移送される。コーミングドラム(16)は大型ドラムよりもゆっくり
と回転するので繊維を寄せ集める。繊維は、短いストロークで迅速に振動する離
脱コーム(18)によって繊維ウェブ(22)の形態でコーミングドラムから離
脱させられる。
繊維ウェブ(22)はスライバーもしくはタフト(24)に濃密化され、該ス
ライバーもしくはタフトは捲回装置もしくはペストル(40)によって固定式も
しくは回転式缶(26)内において平担状に捲回される。
図2A〜図2Dは、垂直軸(25)、円筒状外壁(26a)および水平底部(
26b)を有する円筒状缶(26)内におけるスライバー(24)の特定の捲回
法を示す。
実質上環状の形態を有する最初の捲回部(S)(図2A)は底部(26b)上
において平担上に形成される。この捲回部は円筒状表面(30a)を包囲し、単
一点(Ti)において該表面に対して接線方向に位置すると共に円筒状表面(3
0b)の内側における点(Tj)において接線方向に位置する。この場合Tiと
Tjは同じ直径上に位置する。表面(30a)と(30b)は缶と同じ垂直軸を
有し、これらの表面は製造される環状プレフォームの内部表面と外部表面を制限
する。表面(30b)は缶(26)の外壁(26a)と実質上一致する。
捲回装置は(場合によってはそれ自身の軸のまわりに回転する缶(26)と共
働して)、各々の新たな捲回部が缶の軸に関して先行する捲回部から角度αによ
って補われるような条件下で形成されるように作動する。図2Bおよび図2Cは
捲回を15回および30回おこなった後の捲回状態をそれぞれ示す。1サイクル
の完全な捲回操作が終了すると(この場合は44回の捲回に対応する)、1つの
完全な層が缶の底部に形成される(図2D参照)。缶の底部に平行な重畳層を形
成するこの捲回操作は所望の深さに達するまで続行される。この深さは数十セン
チメートルであってもよい。捲回装置(40)の特定の態様を図3に基づいて以
下において説明する。
このようにして調製される環状プレフォーム(30)は複合材料製環状ピース
の製造に使用することができる。この目的のためには、単位体積あたりの所望の
繊維密度、即ち、繊維によって実際に占有されるプレフォームの見掛体積の所望
百分率が得られるように圧縮するのが好ましい。
圧縮状態を維持しながら、プレフォームは液体法および/または化学的蒸気浸
透法によって強化する。液体強化法は、複合材料に望ましいマトリックスを構成
する材料の液状前駆体、例えば樹脂をプレフォームに含浸させる方法である。こ
の前駆体は熱処理によってマトリックスに変換される。化学的蒸気浸透法はプレ
フォームを閉鎖容器内に入れた後、マトリックスの前駆体となるガスを該閉鎖容
器内へ導入する方法である。即ち、該導入ガスは予め決められた温度と圧力の条
件下においてプレフォームの細孔内へ拡散してゆき、繊維と接触するとガス分解
反応によって生成する1種もしくは複数種の成分によって形成されるか、または
複数種の該成分間の化学反応によって形成されるマトリックス材料の堆積物を生
成する。
マトリックス、例えば、炭素もしくはセラミック等のマトリックスを形成させ
るために液体法または化学的蒸気浸透法を用いて強化する方法は周知である。プ
レフォームを圧縮するためには、最初は液体法によって強化を部分的におこなっ
た後、支持用工具を必要としない化学的蒸気法による強化処理を続行する。
複合材料製繊維強化材を構成する材料の前駆体によって構成される繊維のスラ
イバーの捲回によってプレフォームを製造する場合には、該前駆体はプレフォー
ムの製造後であって強化処理前(例えば、強化前の昇温過程中に)おいて変換さ
れる。
強化後、プレフォームを半径面に沿って薄く切断したスライスを仕上げ機械加
工処理に付すことによって種々の環状ピース、例えば、複合材料製ブレーキディ
スク等が得られる。
種々のプレフォーム層を相互に結合させることによってプレフォームの凝集性
を改良して複合材料製ピースの離層(即ち、プレフォームの種々の層が分離して
損傷を受ける)に対する耐性を高めるのが好ましい。
これらの層は、捲回後のプレフォームのニードリングまたはステッチングによ
って相互に結合させる。ニードリングまたはステッチングはプレフォームを軸方
向へ圧縮する過程においておこなうのが好ましい。
プレフォーム層のニードリングは缶内での環状プレフォームの堆積過程におい
ておこなってもよい。これらの層を製造時に一緒のニードリング処理に付すこと
によって、プレフォームの全体積中のニードリング密度が実質上一定になるよう
にする。
この目的のためには、プレフォームの半径に実質上等しい距離にわたって半径
方向に延びると共に缶(26)の内部へ侵入可能なニードルボード(32)(図
1参照)を使用する。
ニードルボード(32)は、セクター形態の領域にわたって均一に配設された
針(34)を具有するので、プレフォームの内部表面と外部表面間において単位
面積あたり一定のニードリング密度が得られる。
ニードルボード(32)を垂直方向に上下運動(矢印F1)するように駆動さ
せることによって、1つのニードリング処理層の厚さの数倍の厚さにわたってプ
レフォームを針が貫通するようにする。最初の層のニードリングをおこなうため
には、缶(26)の底部に、針が損傷を受けることなく貫通する基材フェルトを
構成する被覆層(27)を配設する。例えば、基材フェルトはポリプロピレン製
にすることができる。また、基材フェルトはシート、例えば、エラストマーシー
ト内に被覆されていてもよい。該シートは針によって移動される繊維が基材フェ
ルト内に捕獲されるのを防止し、これによってその後のニードリング処理された
プレフォームの基材フェルトからの分離が容易となる。1つの完全な層がニード
リング処理された後、缶(26)をニードリング処理された層の厚さと実質的に
は等しい距離にわたって低下させるので、ニードリング深さは実質上一定に保持
される。この目的のためには、缶(26)を垂直方向に可動性のデーブル(28
)(矢印F2参照)の上に載置させる。
缶(26)が回転缶(図1参照)であるときには、ニードルボードは回転式で
はない。環状プレフォームを実質上一定のニードリング密度でニードリング処理
するための装置は本件出願人による仏国特許FR-A-2626294号明細書に記載されて
いる。
缶が固定式の場合には、ニードルボードを缶軸のまわりを回転駆動させること
によって層の全表面を走査する。ニードルボードの回転は、缶軸のまわりにおけ
る捲回中心の環状変位と同期させる。従って、ニードリングと缶の漸進的降下は
同じ様にしておこなわれる。
いずれの場合も、捲回部の形成過程とニードリング過程の干渉を避けるために
は、ニードリングボードの位置が形成中の捲回部中心の位置と全く正反対になる
ように調整する。
捲回後のニードリングまたはステッチングあるいは捲回中のニードリングによ
って相互に結合された層を有するプレフォームはその後で強化前に再度圧縮され
る。
捲回後にプレフォームの層が相互に結合されると、缶は弾性支持体、例えば、
スプリング上に載置されるに過ぎないので、缶の底部は形成されたプレフォーム
の重さに起因して漸進的に降下するが、このことはカードからの出口におけるス
ライバー受容缶の場合には周知である。
捲回装置(40)の一態様を主として図3と図4に基づいて以下に説明する。
この例においては、缶(26)は固定式である。図2A〜図2Dに示すように
、2つの回転(一方は捲回部Sの軸Aに中心があり、他方は缶の軸Oに中心があ
っ
て軸Aを制御する)の組合せによって捲回部Sの進行点Bを移動させることによ
り1つの完全な捲回層が形成される。
スライバー(24)を2つのシリンダー(42)の間を通過させることによっ
て延伸させ、次いで、捲回ヘッドを形成する分配板(46)のオリフィス(44
)を通して案内することによって缶(26)の方向へ誘導する。分配板(46)
は軸Aに対して水平なディスクであって、その周縁部に近接して通し通路(44
)を有する。分配板(46)は、軸Aのまわりに該分配板を駆動させる環(52
)上の内部歯状リング(50)とかみ合う外部歯状リングを形成するリム(64
)を有する。環(52)は歯車(56)とかみ合う外部歯状リング(54)を有
し、該歯車(56)はモーター装置(60)によって垂直軸Mのまわりを回転す
る歯車(58)とかみ合う。
シリンダー(42)、分配板(46)およびニードルボード(32)を具備す
るアセンブリーは軸Oのまわりを回転する回転板(66)によって移送される。
この目的のためには、回転する回転板(66)はモーター(60)によって駆動
される歯車(62)とかみ合う外部歯状リング(64)を有する。
分配板(46)は回転板(66)内に形成された環状スロット(68)内に包
囲されるので、回転板(66)に対して軸Aのまわりを自由に回転することがで
きる。回転板(66)、回転環状部(52)および回転式分配ヘッド(46)は
フレーム(図示されていない)によって支持される。
シリンダー(42)のうちの一方はその軸(N)のまわりに回転して他方のシ
リンダー(42)を、摩擦によって回転駆動させる。駆動シリンダー(42)の
シャフトは回転板(66)の上部面から突出するアングルブラケット(70)に
よって支持され、一方、ニードルボード(30)はサポート(72)によって回
転板(トレー)(66)の真下に吊下げられる。
駆動シリンダー(42)は、分配板(46)からリング(48)とかみ合う歯
車(74)を介して回転し、また、2つの円錐形歯車(76)および(78)を
有するアングルギアによって回転する(図4参照)。
歯車(62)とリング(64)の間の比率並びに歯車とリング(58)、(5
6)、(50)および(48)の間の比率は、分配板が回転板(66)の各回転
に対してN回転するように決定される。この場合、Nは缶(26)の底部上の1
つの完全な層を構成する捲回数である(上記の例の場合、N=44である)。
スライバー(30)を延伸するシリンダー(42)は、延伸スライバーの線速
度が好ましくは捲回部(S)のその時の進行点(B)の線速度と実質上等しくな
るような速度で駆動される。
上記の捲回装置は固定缶と共働して図2A〜図2Dに示すようなパターンの捲
回をおこなう。
当業者にとっては明らかなように、固定缶を用いる同じパターンの捲回または
固定缶もしくは回転缶を用いる別のパターンの捲回を、捲回装置用駆動システム
を適当に適合させることによって採用することができる。
例えば、捲回の2種の変形パターンを図5Aおよび図5Bに模式的に示す。
図5Aにおいては、各々の実質的に円形状の捲回部は内部面(30a)と外部
面(30b)の間の間隔を占めており、これらは同じ半径上に位置する2点にお
いて接線方向へ延びる。この捲回法は固定缶を用いておこなってもよく、あるい
は移動缶を用いておこなってもよい。この捲回法は、プレフォームを捲回中にニ
ードリング処理する場合に有利である。このような条件下では、捲回がおこなわ
れる位置から直径方向に正反対の位置を占めるニードルボードを用いるニードリ
ング処理を捲回中の干渉を伴うことなくおこなうことができる。ニードルボード
は、固定缶を使用するときには、捲回ヘッドの缶軸に関する回転と同期的に該缶
軸のまわりに回転させてもよく、あるいは、それ自体の軸のまわりを回転する缶
を使用するときには、ニードルボードは缶軸に対して固定された角位置を占めて
いてもよい。
図5Bにおいては、各々の捲回部は実質上楕円形であって、内部面(30a)
の向かい合う2点において接線方向に延びて該内部面を包囲し、また、各々の捲
回部は外部面(30b)の向かい合う2点間へ延びる。
上記の説明においては、スライバーは平坦な回転性カードから送給されること
が仮定されている。もちろん、別のタイプのカード、例えば、鎖延伸フレームか
ら送給されるスライバーを捲回させてもよい。さらに、既に説明したように、本
発明方法はトウ破断装置から送給されるスライバーを用いて実施してもよい。炭
素繊維製トウを破断する装置を含むこの種の破断装置は周知である。これに関す
る文献としては仏国特許FR-A-2608641号明細書が例示される。このスライバーは
カードから送給されるスライバーを用いる場合と同様にして缶内で捲回させる。
異なる前駆体から調製される炭素製トウまたは異なる炭素前駆体製トウを破断装
置へ供給することによって混合繊維製スライバーを得てもよい。
本発明方法を利用することによる環状プレフォームの製造例を以下に示す。
実施例1
けん縮加工して切断した予備酸化PAN繊維(密度:1.37g/cm3)製
のカーディング用織物を出発原料として、図1に示すタイプのカードを使用して
スライバーを調製した(約5000tex)。スライバーを図2A〜図2Dに示
すようなパターンで捲回した(但し、各層は20の捲回部から成る)。プレフォ
ームの内径および外径はそれぞれ150mmおよび600mmであった。各々の
捲回部は非圧縮状態であって、その長さおよび層厚はそれぞれ1.25mおよび
約25mmであった。
ニードリング処理をおこなうことなく、25層が形成された後、得られたプレ
フォームを缶から取り出し、そのときの形態を保持した状態で炭化処理に付した
。
次いで、プレフォームを繊維が所望の体積密度になるように圧縮した後、化学
的蒸気浸透法による強化によって熱分解炭素マトリックスを得た。強化処理の開
始時および少なくとも圧縮されるまでは、プレフォームを成形用具内に保持した
。強化後、得られた環状ピースをスライスすることによって所望の厚さのディス
クを調製した。
実施例2
実施例1の場合のように、出発原料としてはけん縮加工した予備酸化PAN繊
維から構成されるカーディング用織物を用いた。カーディングによって約500
0texの複数のスライバーを得た。カーディング後、10個のスライバーを一
緒にして10倍に延伸させた。これによって重さは5000texであるが、よ
り高密度のスライバーが得られた。従って、実施例1の場合に比べて、捲回中の
繊維の単位体積あたりの密度を1.5倍増加させることができた。
スライバーは図2A〜図2Dに示すパターンで捲回させた(但し、各層は20
捲回で形成させた)。プレフォームの内径および外径はそれぞれ120mmおよ
び400mmであり、1捲回部の長さは80cmであった。
その他の製造過程は実施例1の場合と同様にした。
実施例3
フェノール型の炭素前駆体繊維から構成された5個のカードスライバーおよび
予備酸化PAN繊維から構成された5個のカードスライバーを併用する以外は実
施例2と同様の操作をおこなった。
この実施例は、プレフォームの所望の特性に応じて、より大きなモジュラスも
しくはより小さなモジュラスを有する炭素繊維をもたらす異なるタイプの炭素前
駆体混合物が使用できることを例証した。
実施例4
出発原料織物としては50Kの炭素繊維トウ(50000本のフィラメントか
ら成る)を用いた。このトウを延伸−破断操作に付すことによって4500te
xのスライバーを得た。
このスライバーを実施例1の場合のようにして捲回させて得られたプレフォー
ムの繊維含有量は25%であった。
このプレフォームを圧縮することによって繊維で占められる体積分率が所望の値
になるまで増加させ、この値をニードリングにより圧縮状態において維持するこ
とによって、成形用具を使用することなく強化をおこなうことができた。
実施例5
スライバーの捲回によって形成される層を捲回時にニードリング処理する以外
は実施例4と同様の操作をおこなった。ニードリングによる圧縮によって、繊維
の体積密度が50%のプレフォームを得た。
ニードリング処理されたプレフォームは付加的な圧縮処理を必要とすることな
く強化することができた。The present invention relates to the production of an annular fibrous structure or "preform", especially for producing an annular piece of composite material. The field of application of the present invention is not particularly limited, but is the field of production of annular fiber preforms for producing brake discs made of composite material, in particular of carbon-carbon (CC) composite material. A brake disc made of a CC composite material is manufactured by preparing an annular preform made of carbon fiber and then reinforcing the preform with a carbon matrix. A break composite preform made of CC composite material is obtained by superimposing a ply of a textile fabric based on fibers of carbon or carbon precursors and, optionally, by overlapping the ply, for example by needling. It is generally manufactured by bonding. The base fiber fabric may be a felt, a woven fabric, a unidirectional tow sheet, a processing system, a cord, or a composite of a plurality of non-directionally superposed sheets interconnected by needling. Methods for producing fiber preforms by laminating plies and then bonding by needling are described, for example, in the following patent documents: U.S. Pat. No. US-A-4790052, French patent FR-A -2626294 and French Patent FR-A-2726013. The various plies may be uninterrupted plies or pre-cut circular plies that have been cut into an annular preform after the plies have been laminated. In each case, a large amount of scrap is generated, thereby significantly increasing the production cost and increasing the cost of the base fabric, especially the fabric made of carbon or carbon precursor. SUMMARY OF THE INVENTION It is an object of the present invention to remedy the above problems by providing a method which allows the production of an annular fiber preform without the generation of scrap of fiber material. Another object of the present invention is an annular fiber preform suitable for the manufacture of composite brake discs, i.e., providing the disc with frictional resistance and connecting the disc without breaking the composite material. It is an object of the present invention to provide a method for producing a preform capable of transmitting the frictional force to a member. These objects are achieved by pre-forming a fiber sliver by winding a fiber sliver inside a can such that a plurality of overlapping annular layers are formed, each annular layer comprising a plurality of flat wound portions. Was achieved by the method of forming As used herein, the term "flat turn" means a substantially sliver-like turn or loop parallel to the bottom of the can. The winding is advantageously performed by repeatedly forming a winding around the vertical axis of the can. Various winding methods can be used, especially winding methods that have a desired distribution function for the content of radially extending fibers, preferably winding is performed while maintaining axial symmetry. The sliver may be prepared from discontinuous fibers, for example, discontinuous fibers that are substantially parallel to each other and are somewhat twisted. For example, the sliver may be a sliver obtained using a card, or a tow obtained using a tow breaking device and suitable for flattening during lamination in a can. Good. The use of slivers fed from the card is particularly advantageous. Because the winding operation can be carried out immediately in a can arranged at the outlet of the card, according to the usual method for storing the sliver fed from the card and before being used for the subsequent textile operation. It is. Similar advantages can be obtained by using slivers obtained from crushed tows. In this case, not only can an annular preform be prepared without loss of raw materials, but the preform can be obtained using conventional equipment without additional operations. In addition, low twists are used when using slivers prepared from discontinuous fibers that are loosely interconnected, such as when using slivers fed from a card or obtained from crushed tow. Even if it is brought back, it is possible to expand the fibers to some extent. As a result, not only is it possible to obtain a porosity that facilitates the reinforcement of the preform due to a low degree of irregularity, but also a certain degree of entanglement occurs between the fibers of the superposed layer, so that the entanglement causes And the delamination resistance can be increased. The above description does not exclude an aspect in which the coupling between the overlapping layers is performed by needling. Needling may be performed on the wound preform while being compressed in the axial direction, or may be performed during lamination while winding the sliver. The present invention also provides a method for producing a composite annular piece by strengthening an optionally compressed preform obtained by the method described above. Reinforcement can be achieved by chemical vapor infiltration and / or liquid methods. BRIEF DESCRIPTION OF THE DRAWINGS The invention can be better understood from the following description based on the following non-limiting accompanying figures. FIG. 1 is a schematic view of an apparatus for carrying out a method for producing an annular fiber preform according to the present invention. 2A, 2B, 2C and 2D show various winding processes of a flat wound portion in a can when the method of the present invention is performed using the apparatus shown in FIG. FIG. 3 is a schematic view showing one embodiment of a can-winding device which is a part of the device shown in FIG. 1 (the can-winding device is suitable for performing the winding operation shown in FIGS. 2A to 2D). Device). FIG. 4 is a schematic diagram showing a drive system for the winding device shown in FIG. 5A and 5B are schematic views showing another flat winding method in a can for carrying out the method of the present invention. In the embodiment shown in FIG. 1, the preform is manufactured by immediately winding a sliver away from the card in a can. In this case, the card used is a rotating flat card. In FIG. 1, some parts of the device are shown in an enlarged view within a circle. In a conventional manner, such a card comprises a rotating open roller (10) with a finely graded metal spike (10a) for receiving the fabric to be carded. For example, the woven fabric (20) is a fiber sheet or felt, and is composed of a fiber material required for a preform or a precursor thereof. Sheets or felts prepared from only the same type of fibers or a mixture of different types of fibers may be used. For example, carbon fibers prepared from different precursors, such as pre-oxidized polyacrylonitrile (PAN), isotropic pitch, anisotropic pitch, fibers containing cellulose or phenol as precursors of the fibers, or It is possible to mix mixed fibers obtained from these various precursors. The open roller (10) rotates faster than the roller and cooperates with a large rotating drum (12) with metal spikes (12a). The carded fabric is dispersed on a large drum in a fibrous manner by a plane having inclined spikes (14a) carried by an endless chain (14). The chain (14) follows over the sector of the large drum (12) in substantially the same shape as the contour of the drum. The fibers are transported from the large drum (12) by a combing drum (16) having needles (16a). The combing drum (16) rotates more slowly than the large drum and thus gathers fibers. The fibers are released from the combing drum in the form of a fibrous web (22) by a rapidly oscillating release comb (18) with a short stroke. The fibrous web (22) is densified into a sliver or tuft (24), which is wrapped flat in a fixed or rotary can (26) by a winding device or pest (40). . FIGS. 2A-2D show a specific method of winding sliver (24) in a cylindrical can (26) having a vertical axis (25), a cylindrical outer wall (26a) and a horizontal bottom (26b). An initial winding (S) (FIG. 2A) having a substantially annular configuration is formed flat on the bottom (26b). This winding surrounds the cylindrical surface (30a) and is tangential to the surface at a single point (T i ) and at a point (T j ) inside the cylindrical surface (30b). Located in the direction. In this case, T i and T j are located on the same diameter. Surfaces (30a) and (30b) have the same vertical axis as the can, and these surfaces limit the inner and outer surfaces of the annular preform to be produced. The surface (30b) substantially coincides with the outer wall (26a) of the can (26). The winding device (possibly co-operating with the can (26) rotating around its own axis) causes each new winding to be supplemented by an angle α from the preceding winding with respect to the axis of the can. It operates to be formed under such conditions. FIG. 2B and FIG. 2C show the wound state after the winding has been performed 15 times and 30 times, respectively. At the end of one cycle of the complete winding operation (corresponding to 44 windings in this case), one complete layer is formed on the bottom of the can (see FIG. 2D). This winding operation, forming a parallel superposed layer at the bottom of the can, continues until the desired depth is reached. This depth may be tens of centimeters. A specific embodiment of the winding device (40) will be described below with reference to FIG. The annular preform (30) thus prepared can be used for the production of a composite annular piece. For this purpose, it is preferred to compress so as to obtain the desired fiber density per unit volume, ie the desired percentage of the apparent volume of the preform actually occupied by the fibers. While maintaining compression, the preform is reinforced by liquid and / or chemical vapor infiltration. The liquid strengthening method is a method of impregnating a preform with a liquid precursor, for example, a resin, of a material constituting a desirable matrix in a composite material. This precursor is converted to a matrix by heat treatment. Chemical vapor infiltration is a method in which a preform is placed in a closed container, and then a gas that is a precursor of a matrix is introduced into the closed container. That is, the introduced gas diffuses into the pores of the preform under predetermined temperature and pressure conditions, and is formed by one or more components generated by a gas decomposition reaction upon contact with the fiber. Or a deposit of matrix material formed by a chemical reaction between the components. Methods of strengthening using a liquid method or chemical vapor infiltration to form a matrix, for example, a matrix such as carbon or ceramic, are well known. In order to compress the preform, the strengthening is initially performed partially by the liquid method and then continued by the chemical vapor method, which does not require supporting tools. When a preform is produced by winding a fiber sliver composed of a precursor of a material constituting the composite material fiber reinforcement, the precursor is produced after the preform is produced and before the reinforcement treatment (for example, , During the heating process before strengthening). After reinforcement, various annular pieces, such as composite brake discs, are obtained by subjecting the preform to a thin slice along the radial plane and finishing machining. Improving the cohesiveness of the preform by bonding the various preform layers together to increase the resistance of the composite piece to delamination (ie, the various layers of the preform are separated and damaged). Is preferred. These layers are joined together by needling or stitching of the preform after winding. Needling or stitching is preferably performed during the process of axially compressing the preform. Needling of the preform layer may occur during the deposition of the annular preform in the can. By subjecting these layers to a needling process during manufacture, the needling density in the overall volume of the preform is substantially constant. For this purpose, a needle board (32) (see FIG. 1) is used which extends radially over a distance substantially equal to the radius of the preform and can penetrate into the interior of the can (26). The needle board (32) has the needles (34) evenly distributed over the sector-shaped area, so that a constant needling density per unit area is obtained between the inner surface and the outer surface of the preform. By driving the needle board (32) to move up and down (arrow F1) in the vertical direction, the needle penetrates the preform through several times the thickness of one needling layer. In order to perform the needling of the first layer, a covering layer (27) is provided at the bottom of the can (26), which constitutes a base felt through which the needle penetrates without damage. For example, the substrate felt can be made of polypropylene. Further, the base felt may be coated in a sheet, for example, an elastomer sheet. The sheet prevents the fibers moved by the needles from being trapped in the substrate felt, which facilitates subsequent separation of the needled preform from the substrate felt. After one complete layer has been needled, the needling depth is kept substantially constant as the can (26) is lowered over a distance substantially equal to the thickness of the needled layer. . For this purpose, the can (26) is placed on a vertically movable table (28) (see arrow F2). When the can (26) is a rotating can (see FIG. 1), the needle board is not rotating. An apparatus for needling an annular preform at a substantially constant needling density is described in FR-A-2626294 by the applicant. If the can is stationary, the entire surface of the layer is scanned by rotating the needle board about the can axis. The rotation of the needle board is synchronized with the annular displacement of the winding center about the can axis. Thus, needling and gradual descent of the can are performed in a similar manner. In any case, in order to avoid interference between the winding portion forming process and the needling process, the position of the needling board is adjusted to be exactly opposite to the position of the center of the winding portion being formed. The preform having layers interconnected by needling or stitching after winding or needling during winding is then recompressed before strengthening. When the layers of the preform are bonded together after winding, the bottom of the can is due to the weight of the formed preform, since the can is only placed on an elastic support, for example a spring. This is well known in the case of sliver receiving cans at the exit from the card. One embodiment of the winding device (40) will be described below mainly based on FIGS. In this example, the can (26) is fixed. As shown in FIGS. 2A to 2D, the winding is performed by a combination of two rotations (one is centered on the axis A of the winding part S and the other is centered on the axis O of the can and controls the axis A). By moving the advancing point B of the part S, one complete wound layer is formed. The sliver (24) is stretched by passing it between two cylinders (42) and then directed in the direction of the can (26) by guiding it through the orifice (44) of the distribution plate (46) forming the winding head. Guide to. The distribution plate (46) is a disk horizontal to the axis A and has a through passage (44) close to its periphery. The distribution plate (46) has a rim (64) that forms an external toothed ring that meshes with the internal toothed ring (50) on the ring (52) that drives the distribution plate about axis A. The annulus (52) has an external toothed ring (54) that meshes with a gear (56), which gear (56) meshes with a gear (58) that rotates about a vertical axis M by a motor arrangement (60). The assembly comprising the cylinder (42), the distribution plate (46) and the needle board (32) is transported by a rotating plate (66) rotating about an axis O. For this purpose, the rotating rotating plate (66) has an external toothed ring (64) which meshes with a gear (62) driven by a motor (60). The distribution plate (46) is surrounded by an annular slot (68) formed in the rotating plate (66) so that it can rotate freely about the axis A with respect to the rotating plate (66). The rotating plate (66), rotating annulus (52) and rotating dispensing head (46) are supported by a frame (not shown). One of the cylinders (42) rotates about its axis (N) to rotate the other cylinder (42) by friction. The shaft of the drive cylinder (42) is supported by an angle bracket (70) projecting from the upper surface of the rotating plate (66), while the needle board (30) is supported by a support (72) on the rotating plate (tray) (66). Hanged right below. The drive cylinder (42) rotates from the distributor plate (46) via a gear (74) that meshes with the ring (48) and by an angle gear having two conical gears (76) and (78). (See FIG. 4). The ratio between the gear (62) and the ring (64) and the ratio between the gear and the ring (58), (56), (50) and (48) is such that the distribution plate is rotated by each rotation of the rotating plate (66). Is determined to rotate N times. In this case, N is the number of turns making up one complete layer on the bottom of the can (26) (N = 44 in the example above). The cylinder (42) for drawing the sliver (30) is driven at such a speed that the linear speed of the drawing sliver is preferably substantially equal to the linear speed of the current advancing point (B) of the winding section (S). . The above-mentioned winding device cooperates with the fixed can to perform the winding of the pattern as shown in FIGS. 2A to 2D. As will be apparent to those skilled in the art, employing the same pattern of winding using a fixed can or another pattern of winding using a fixed or rotating can by appropriately adapting the drive system for the winding device. Can be. For example, two types of deformation patterns of the winding are schematically shown in FIGS. 5A and 5B. In FIG. 5A, each substantially circular winding occupies the space between the inner surface (30a) and the outer surface (30b), which are tangential at two points located on the same radius. Extend to This winding method may be performed using a fixed can, or may be performed using a moving can. This winding method is advantageous when the preform is subjected to needling treatment during winding. Under such conditions, needling processing using a needle board occupying a position diametrically opposite from the position where the winding is performed can be performed without interference during winding. When using a fixed can, the needle board may be rotated around the can axis in synchronization with the rotation of the winding head about the can axis, or use a can that rotates about its own axis. Sometimes the needle board may occupy a fixed angular position with respect to the can axis. In FIG. 5B, each winding is substantially elliptical and extends tangentially at two opposing points on the inner surface (30a) to surround the inner surface, and each winding has an outer surface. It extends between two opposite points of the plane (30b). In the above description, it is assumed that the sliver is fed from a flat rotating card. Of course, another type of card, for example, a sliver fed from a chain extension frame, may be wound. Further, as described above, the method of the present invention may be implemented using slivers fed from the tow breaking device. Such breaking devices, including devices for breaking carbon fiber tows, are well known. A document relating to this is exemplified by the specification of French Patent FR-A-2608641. This sliver is wound in a can in the same manner as when a sliver fed from a card is used. A mixed fiber sliver may be obtained by feeding a carbon tow prepared from a different precursor or a different carbon precursor tow to a breaking device. An example of the production of an annular preform by utilizing the method of the present invention is shown below. Example 1 A sliver was prepared from a carding fabric made of pre-oxidized PAN fiber (density: 1.37 g / cm 3 ) cut and cut by crimping using a card of the type shown in FIG. (About 5000 tex). The sliver was wound in a pattern as shown in FIGS. 2A-2D (where each layer consisted of 20 windings). The inner and outer diameters of the preform were 150 mm and 600 mm, respectively. Each winding was uncompressed and had a length and layer thickness of 1.25 m and about 25 mm, respectively. After the formation of the 25 layers without needling, the obtained preform was taken out of the can and subjected to carbonization while maintaining the form at that time. The preform was then compressed to a desired volume density of the fibers, after which a pyrolytic carbon matrix was obtained by chemical vapor infiltration. The preform was held in the forming tool at the beginning of the strengthening process and at least until it was compressed. After strengthening, a disk of the desired thickness was prepared by slicing the obtained annular piece. Example 2 As in Example 1, a carding fabric composed of crimped pre-oxidized PAN fibers was used as a starting material. Several slivers of about 5000 tex were obtained by carding. After carding, ten slivers were stretched together 10 times. This resulted in a higher density sliver, weighing 5000 tex. Therefore, compared to the case of Example 1, the density per unit volume of the fiber being wound could be increased by 1.5 times. The sliver was wound in the pattern shown in FIGS. 2A to 2D (however, each layer was formed by 20 turns). The inner and outer diameters of the preform were 120 mm and 400 mm, respectively, and the length of one winding was 80 cm. Other manufacturing processes were the same as in Example 1. Example 3 The same operation as in Example 2 was performed except that five card slivers composed of phenol type carbon precursor fibers and five card slivers composed of pre-oxidized PAN fibers were used in combination. This example illustrates that different types of carbon precursor mixtures can be used that result in carbon fibers having higher or lower modulus, depending on the desired properties of the preform. Example 4 A 50K carbon fiber tow (consisting of 50,000 filaments) was used as a starting material fabric. This tow was subjected to a stretching and breaking operation to obtain a sliver of 4500 tex. The fiber content of the preform obtained by winding this sliver as in Example 1 was 25%. Compressing the preform to increase the volume fraction occupied by fibers to a desired value, and maintaining this value in a compressed state by needling to provide reinforcement without the use of molding tools. Was completed. Example 5 The same operation as in Example 4 was performed except that the layer formed by winding the sliver was subjected to needling treatment at the time of winding. By compression by needling, a preform having a fiber volume density of 50% was obtained. The needled preform could be strengthened without the need for additional compression processing.