JP2001512358A - 前立腺の放射線治療 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 放射線治療装置（１０）は第１の体腔（１４）に挿入可能な第１のプローブ（１２）と、第２の体腔（１８）に挿入可能な第２のプローブ（１６）と、第１（１２）および第２（１６）のプローブが外部枠（２０）に対して固定された既知の空間関係になるように第１（１２）および第２（１６）のプローブに装着される外部枠（２０）とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】 前立腺の放射線治療 発明の分野 この発明は一般に前立腺の放射線治療に関し、具体的には照射されるべき目標 物(target volume)を前立腺内に空間的に固定するための装置に関する。 発明の背景 組織を壊死させるために放射線治療を用いることは、特に腫瘍の治療において 充分に確立されている。組織内の目標物が複数の方位で精密にコリメートされた ビームによって照射される。定位放射線治療と呼ばれる放射線治療の特定の形式 では、目標の組織が正確に配置されかつ固定されることが必要である。放射ビー ムが確実に標的を正確に指すようにするために目標物をしっかりと固定すること が不可欠である。しかしながら、人体の複数の肢を正確な定位放射線治療に十分 なほどしっかりと固定することは困難であり、非実用的であり、かつ時には不可 能である。基本的には、骨が皮膚に非常に近くかつアクセス可能であるために頭 蓋を定位枠に厳密に空間的に固定することができるヒトの唯一の器官は頭部であ る。 前立腺などの他の器官を定位放射線治療ができるようにしっかりと固定するこ とが極めて望ましいことは容易に理解される。しかしながら、従来技術には前立 腺を空間的に固定するための方法または装置が全くない。 発明の概要 この発明は、照射されるべき目標物を前立腺内に空間的に固定するための装置 を提供しようとするものである。この発明はまた、直腸壁を前立腺から離して後 屈させる(reflect away)ためにドノンヴィーエ筋膜の領域に水を注入することお よび健康な組織（たとえば直腸壁または尿道）上への放射の悪影響を減じるため に前立腺の領域で冷却を行なうことなどの安全特徴も提供する。 この発明はここで前立腺の放射線治療に関して述べるが、当然のことながら、 この発明は２つのプローブを体内に挿入して定位放射線治療のために中で器官を 固定することのできる男性または女性の他の器官の放射線治療にも応用可能であ る。 このように、この発明の好ましい実施例に従って、第１の体腔に挿入可能な第 １のプローブと、第２の体腔に挿入可能な第２のプローブと、第１および第２の プローブに装着される外部枠であって第１および第２のプローブが外部枠に対し て固定された既知の空間関係になるようにするための外部枠とを含む。 この発明の好ましい実施例に従うと、第１のプローブは尿道に挿入可能な尿道 プローブを含み、第２のプローブは直腸に挿入可能な直腸プローブを含む。 さらにこの発明の好ましい実施例に従うと、放射線治療装置は外部枠に対して 固定された既知の空間関係を有する、放射ビームを生成する放射源を含み、これ は第１および第２のプローブによって実質上空間的に固定される標的を照射する 。 またさらにこの発明の好ましい実施例に従うと、放射ビームは少なくとも１つ の第１のプローブおよび第２のプローブの末端から射出する。この放射は赤外放 射（ＩＲ）、マイクロ波放射、ガンマ線放射、または高周波（ＲＦ）電気エネル ギであってよい。 さらにこの発明の好ましい実施例に従うと、放射線治療装置は第１および第２ のプローブの空間関係を外部枠に対して調整する調整装置を含む。 さらにこの発明の好ましい実施例に従うと、放射線治療装置は放射ビームの強 度を制御するためのビームコントローラを含む。 さらにこの発明の好ましい実施例に従うと、放射線治療装置は外部枠に対して 標的の位置を決定する撮像装置を含む。 この発明の好ましい実施例に従うと、撮像装置の像エネルギは少なくとも１つ の第１のプローブおよび第２のプローブの末端を通して方向付けられる。撮像装 置は超音波装置を含んでもよい。 さらにこの発明の好ましい実施例に従うと、放射線治療装置は第１のプローブ および第２のプローブの少なくとも１つに隣接する組織を冷却する冷却装置を含 む。 この発明の好ましい実施例に従うと、少なくとも１つの第１および第２のプロ ーブは電流を運ぶための電極を含む。 さらにこの発明の好ましい実施例に従うと、直腸壁を前立腺から後屈させるた めにドノンヴィーエ筋膜の近傍に流体を注入するための注入装置が提供される。 図面の簡単な説明 この発明は図面を参照しつつ後の詳細な説明を読むと、より完全に理解かつ認 識されるであろ。 図１は、この発明の好ましい実施例に従って構築されかつ動作する放射線治療 装置の略図である。 好ましい実施例の詳細な説明 ここで図１を参照すると、この発明の好ましい実施例に従って構築されかつ動 作する放射線治療装置１０が表わされる。 放射線治療装置１０は第１の体腔１４に挿入可能な第１のプローブ１２と、第 ２の体腔１８に挿入可能な第２のプローブ１６とを含む。上述したように、この 発明はここでは前立腺の放射線治療に関して述べられ、よって第１のプローブ１ ２はここでは尿道プローブ１２とみなし、第１の体腔１４は尿道１４とみなす。 第２のプローブ１６はここでは直腸プローブ１６とみなし、第２の体腔１８は直 腸１８とみなす。 外部枠２０が尿道プローブ１２および直腸プローブ１６に装着され、よってプ ローブ１２および１６は外部枠２０に対して固定した空間関係になる。外部枠２ ０は好ましくは尿道プローブ１２および直腸プローブ１６の外部枠２０に対する 空間関係を調整する調整装置２２を含む。たとえば、調整装置２２は尿道プロー ブ１２に装着されたスライド可能な目盛付きの棒２４と、調整ノブ２６とを含み 得る。棒２４は一般に軸２９に沿って下げるまたは上げることができ、ノブ２６ によって固定位置にしっかり固定される。 赤外放射（ＩＲ）、マイクロ波放射、ガンマ線放射、高周波（ＲＦ）電気エネ ルギなどの放射源３０は、治療のタイプによって、たとえば前立腺などの標的２ ８を照射する放射ビーム２７を生成する。好ましい一実施例では、放射源３０は 外部枠２０に対して固定される外部源である。これに代えて、放射ビーム２７は プローブ１２または１６のいずれか１つの末端を出るように適切に誘導され得る 。如何なる場合も、放射ビーム２７は外部枠２０に対して固定された既知の空間 関係を有し、放射ビーム２７はプローブ１２および１６によって実質上空間的に 固定される標的２８を照射する。放射ビーム２７の強度を制御するためにビーム コントローラ３２が設けられるのが好ましい。 この発明の別の好ましい実施例に従うと、プローブ１２および１６の一方また は両方が電流を標的２８に運ぶための電極を含む。 標的２８の像を生成し、また治療過程の進行を追跡かつ監視するために、撮像 装置３４を設けるのが好ましい。撮像装置３４は標的２８の位置を外部枠２０に 対して決定するので、同じく外部枠２０に対して位置が固定される放射ビーム２ ７は標的２８に正確に照準を合せることができる。撮像装置３４はたとえば、フ ルオロスコープ、Ｘ線機械、または超音波撮像器具であってよい。好ましい一実 施例では、撮像装置３４はプローブ１２および１６に対して外部に配置される。 これに代えて、撮像装置３４の像エネルギはプローブ１２および１６のいずれか または両方の末端を通して方向付けることができる。 冷却装置３６はプローブ１２および１６の一方または両方を冷却するために設 けられるのが好ましい。冷却装置３６は冷媒をプローブの長さに沿って運搬する 冷却コイルを含み得る。これに代えて、冷却装置３６はペルチェ効果に対して作 用する熱電冷却器を含んでもよく、これにはたとえばアメリカ合衆国のメルカ， インコーポレイテッド（Melcor，Inc.）から商業的に入手可能なユニットなどが ある。冷却装置３６の設置は放射ビーム２７がプローブ１２または１６の１つを 通って透過される場合特に重要である。というのは、放射ビームはそれが通過す る領域を加熱しがちであり、この熱はプローブの近傍の繊細な健康組織に対して 有害であるかもしれないからである。 さらなる安全特徴として、水のような流体をドノンヴィーエ筋膜（参照番号４ ０）の近傍の会陰を通して注入し、前立腺から直腸壁を後屈させるために注入装 置３８を設けることができる。この流体はプローブ１２および１６による前立腺 の空間的固定に影響することはないと信じられている。 この発明は以上に特に示しかつ述べてきたものによって限定されることはない と当業者は認識するであろう。むしろ、この発明の範囲は上に述べた特徴の組合 せおよび部分的組合せの両方を含み、また前の記述を読むことにより当業者が考 え得る従来技術にはないこの発明の修正および変形も含む。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ) ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ， ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，Ｄ Ｋ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ， ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，Ｌ Ｕ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ， ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，Ｕ Ｇ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．第１の体腔（１４）に挿入可能な第１のプローブ（１２）と、 第２の体腔（１８）に挿入可能な第２のプローブ（１６）と、 前記第１（１２）および前記第２（１６）のプローブが外部枠（２０）に対し て固定された既知の空間関係になるように前記第１（１２）および前記第２（１ ６）のプローブに装着される外部枠（２０）とを含む、放射線治療装置（１０） 。 ２．前記第１のプローブ（１２）が尿道（１４）に挿入可能な尿道プローブ（１ ２）を含み、前記第２のプローブ（１６）が直腸（１８）に挿入可能な直腸プロ ーブ（１６）を含む、請求項１に記載の放射線治療装置。 ３．前記外部枠（２０）に対して固定された既知の空間関係を有する、放射ビー ム（２７）を生成する放射源（３０）をさらに含み、前記放射源は前記第１（１ ２）および前記第２（１６）のプローブによって実質上空間的に固定される標的 （２８）を照射する、請求項１に記載の放射線治療装置（１０）。 ４．前記放射ビーム（２７）が少なくとも１つの前記第１のプローブ（１２）お よび前記第２のプローブ（１６）の末端から出る、請求項３に記載の放射線装置 （１０）。 ５．前記放射が、赤外放射（ＩＲ）、マイクロ波放射、ガンマ線放射、および高 周波（ＲＦ）電気エネルギからなる群から選択される、請求項３に記載の放射線 治療装置（１０）。 ６．前記外部枠（２０）に対して前記第１（１２）および前記第２（１６）のプ ローブの空間関係を調整する調整装置（２２）を含む、請求項１に記載の放射線 治療装置（１０）。 ７．前記放射ビーム（２７）の強度を制御するためのビームコントローラ（３２ ）を含む、請求項３に記載の放射線治療装置（１０）。 ８．前記外部枠（２０）に対して前記標的（２８）の位置を決定する撮像装置（ ３４）を含む、請求項３に記載の放射線治療装置（１０）。 ９．前記撮像装置（３４）の像エネルギが少なくとも１つの前記第１のプローブ （１２）および前記第２のプローブ（１６）の末端を通って方向付けられる、請 求項８に記載の放射線治療装置（１０）。 １０．前記撮像装置（３４）が超音波装置を含む、請求項８に記載の放射線治療 装置（１０）。 １１．前記第１のプローブ（１２）および前記第２のプローブ（１６）の少なく とも１つに隣接する組織を冷却する冷却装置（３６）を含む、請求項１に記載の 放射線治療装置（１０）。 １２．前記第１（１２）および前記第２（１６）のプローブの少なくとも１つが 電流を運ぶための電極を含む、請求項１に記載の放射線治療装置（１０）。 １３．前立腺から直腸壁を後屈させるためにドノンヴィーエ筋膜（４０）の近傍 に流体を注入する注入装置（３８）を含む、請求項１に記載の放射線治療装置（ １０）。