JP2001510235A - 石油フィードストリームのコンラドソン炭素含有量を減少させる方法 - Google Patents

石油フィードストリームのコンラドソン炭素含有量を減少させる方法

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JP2001510235A JP2000503263A JP2000503263A JP2001510235A JP 2001510235 A JP2001510235 A JP 2001510235A JP 2000503263 A JP2000503263 A JP 2000503263A JP 2000503263 A JP2000503263 A JP 2000503263A JP 2001510235 A JP2001510235 A JP 2001510235A
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    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10GCRACKING HYDROCARBON OILS; PRODUCTION OF LIQUID HYDROCARBON MIXTURES, e.g. BY DESTRUCTIVE HYDROGENATION, OLIGOMERISATION, POLYMERISATION; RECOVERY OF HYDROCARBON OILS FROM OIL-SHALE, OIL-SAND, OR GASES; REFINING MIXTURES MAINLY CONSISTING OF HYDROCARBONS; REFORMING OF NAPHTHA; MINERAL WAXES
    • C10G32/00Refining of hydrocarbon oils by electric or magnetic means, by irradiation, or by using microorganisms
    • C10G32/02Refining of hydrocarbon oils by electric or magnetic means, by irradiation, or by using microorganisms by electric or magnetic means

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、金属含有石油ストリームのコンラドソン炭素含有量を減少させる方法であって、コンラドソン炭素含有石油フラクションと、電子移動剤を含む水性電解媒質と、の混合物を形成し、この混合物または場合により前処理水性電解媒質に、該ストリームのコンカーボン含有量を減少させるのに十分な電圧において電流を流すことを特徴とする方法を提供する。カソード電圧は、0 V〜-3.0 V vs SCEである。本発明は、これまで製油所における使用が制限されていた石油フィードの価値を増大させる方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、製油所フィードストリームのコンラドソン炭素含有量を電気化学的
に減少させる方法に関する。
【0002】 コンラドソン炭素(「コンカーボン」)価は、石油フィードストリームが処理
中にコークスを形成する特徴的傾向を測る尺度となる。より少ないコンカーボン
価を有するフィードストリームの方が、より大きいコンカーボン価を有するフィ
ードストリームよりも製油所フィードとして経済的に望ましい。
【0003】 1相有機系中におけるポリ塩化ビフェニルなどのハロゲン化有機化合物の除去 (例えば、米国特許第5,102,510号を参照されたい)および水性ストリームから の水溶性金属の除去(例えば、米国特許第3,457,152号を参照されたい)を行う ために、電気化学的プロセスが用いられてきた。石油ストリームには、典型的に
はハロゲンが含まれない。炭化水素種は水への溶解性が低いため、石油ストリー
ムのコンラドソン炭素含有量を減少させることは困難である。米国特許第5,514,
252号には、石油ストリームのコンラドソン炭素含有量を電気化学的に減少させ るプロセスが開示されているが、依然として、効果的な処理方法、特に、より高
い電流効率および/またはより低い電解質濃度で処理速度を増大させることので
きる方法が必要とされている。本出願人の特許は、こうした必要性に対処するも
のである。
【0004】 本発明は、石油ストリームのコンラドソン炭素含有量を減少させる方法を提供
する。1実施形態において、本発明のプロセスは、石油ストリームと、少なくと も1種の電子移動剤および少なくとも1種の導電性塩を含む水性電解媒質と、の水
中油型分散物に、コンラドソン炭素含有量の減少した石油ストリームを形成する
のに十分な電流を流すことを特徴とする、石油ストリームのコンラドソン炭素含
有量を減少させるプロセスを提供する。もう1つの実施形態において、本発明の プロセスは、少なくとも1種の電子移動剤および少なくとも1種の導電性塩を含む
水性電解媒質を、還元された電子移動剤を含む処理済み水性電解媒質を形成する
のに十分な電流と接触させ、更に、コンラドソン炭素含有量の減少した石油スト
リームを形成するのに十分な時間にわたり、処理済み水性電解媒質をコンラドソ
ン炭素含有石油ストリームと接触させることを特徴とする。 このようなストリームのコンラドソン炭素含有量は、典型的には少なくとも約
0.1重量%である。
【0005】 本発明は、好適には、本明細書に記載の要素を含むか、該要素からなるか、ま
たは本質的に該要素からなるものであってよく、開示されていない要素は存在し
なくとも実施可能である。
【0006】 本発明は、コンラドソン炭素含有石油ストリーム(本明細書中では、フラクシ
ョンまたはフィードとも記す)と、水と、少なくとも1種の導電性で好ましくは 水溶性の塩と、少なくとも1種の好ましくは水溶性または水に可溶化可能な電子 移動剤と、の混合物または溶液に、該ストリームのコンラドソン炭素含有量を減
少させる(すなわち、コンラドソン炭素含有量の減少した処理済み石油フラクシ
ョンを生成する)のに十分な時間および条件で電流を流すことによって、炭化水
素質石油ストリームのコンラドソン炭素(「コンカーボン」)価すなわちコンラ
ドソン炭素含有量を減少させる方法を提供する。コンラドソン炭素含有量の減少
は、石油(すなわち油)相で起こる。結果として電流が流れる条件下で接触を行
う。
【0007】 コンラドソン炭素価は、石油ストリームのコークス残渣形成傾向と相関がある
。コークス生成量の多い石油ストリームは、典型的には、流動接触分解、水素処
理、コーキング、ビスブレーキング、脱歴、パイプスチル処理などのいくつかの
石油精製プロセスに悪影響を及ぼす。更に、コークスは、現在では価値の低い製
油所生成物であり、従って、大量の発生は経済上望ましくない。コンカーボン価
が大きくなると、典型的には、生成した残渣を処理するのに必要な製油所装置の
数またはサイズが大きくなる。
【0008】 多種多様な石油ストリーム(その留出物を含む)を本発明のプロセスに従って
処理し、コンラドソン炭素価すなわちコンラドソン炭素含有量の減少した石油炭
化水素フラクションを製造することが可能である。好適な出発フィードストック
は、典型的には少なくと約0.1重量%、通常は少なくとも約5重量%のコンラドソン
炭素含有量すなわちコンラドソン炭素価を有する炭化水素質石油ストリームまた
は炭化水素質石油フラクションである。このプロセスは、種々の製油所プロセス
から得られる留出物および他のコンラドソン炭素含有生成物フィードに適用でき
るが、残油を含有するフィードなどの重質炭化水素フィードの処理に利用する場
合に特に有効である。従って、本発明のプロセスは、コンラドソン炭素を含有す
る全原油、抜頭原油、および残油の処理に利用することが好ましい。これらの中
には、重質油、例えば、常圧残油(約650°F、343℃を超える沸点)および減圧
残油(約1050°F、566℃を超える沸点)、重質原油、プロセス残油(ボトム) 、例えば、接触クラッカボトム、タール、スチームクラッカタール、蒸留残油、
脱歴油およびレジン、ならびにコーカ油が含まれる。世界の任意の地域(例えば
、中東)からの入手されるバージン原油、ならびに重質ガス油、頁岩油、タール
サンドまたはタールサンドから誘導される合成原油、蒸留残油、石炭油(coal oi
l)、アスファルテン、および他の重質石油フラクション、ならびにそれらの留出
物を、本発明のプロセスによって処理することができる。
【0009】 石油ストリームは、多種多様なタイプの反応性種および非反応性種の複合混合
物である。従って、石油ストリームまたは石油フラクションの特定の成分をうま
く処理できるかを、純粋な成分の反応性および純粋な成分の処理がうまくいくか
という点から容易に予測できるものではない。
【0010】 本発明のプロセスの利点は、現用のプロセスの場合よりも低濃度の塩および高
い電流効率で、典型的には水で抽出できないフラクション中に含まれるコンカー
ボン含有量を減少させることができるという点にある。
【0011】 処理対象の石油フィードは、好ましくは、プロセス条件下で液体状態または流
体状態でなければならない。こうした状態は、物質を加熱するかまたは必要に応
じて好適な溶剤で処理することによって得ることができる。こうすることによっ
て、石油ストリームと、電子移動剤および塩を含有する水性電解媒質と、の混合
物が流体状態に保たれ、電流を流すことができるようになる。電流密度は、カソ
ード表面積1cm2あたり1mA以上が好適である。
【0012】 好ましくは、油滴は、コンラドソン炭素含有成分と水性電解媒質中の電子移動
剤との均質接触を達成するのに十分なサイズでなければならない。例えば、約0.
1ミクロン〜1.0mmの油滴サイズの粒子が好適である。望ましくは、石油ストリー
ムのコンラドソン炭素含有量すなわちコンラドソン炭素価の減少、好ましくは最
大の減少を達成するのに十分な開示範囲内の時間および条件でプロセスを実施し
なければならない。典型的には、例えば、攪拌バッチ反応器を使用するかまたは
流動セル中で乱流発生器を使用して、混合物または水中油型分散物(すなわち、
電子移動剤および電解質塩を含む水性相を連続相とする分散物)を形成すべく、
コンカーボン含有石油ストリームと水性電解媒質(この水性電解媒質には、電解
質塩と、本発明の実施形態に依存して、前処理すなわち還元された電子移動剤ま
たは未処理の電子移動剤と、が含まれる)との均質混合を行うことによって、接
触を行う。
【0013】 意外なことに、電子移動の速度および/または効率を増大させるのに有効な化
合物1種以上を比較的少ない量で系に導入すると、脱金属速度を増大できる可能 性がある。本明細書中では、これらの種または化合物を電子移動剤と記す。これ
らの薬剤は、可逆的に電気化学的還元‐酸化を起こす(すなわち、レドックス活
性である)。
【0014】 電気化学セルは、典型的には、カソード(作用電極)およびアノード(対向電
極)を含む少なくとも2つの逆帯電電極を具備し、更に、セルを動作させるため のセル回路を完成させるべく系中に電解液を含む。例えば、1つのパック中に配 置された複数の作用電極および対向電極を利用してもよい。電気化学セルは、場
合により、電気化学的脱金属反応中の所望の作用電極電圧をモニタするために、
作用電極と対向電極との間に配置された参照電極を含むことができる。
【0015】 本発明のプロセスに係る有用な電極材料は、電気化学的プロセスに使用される
物質および塩による劣化および溶解に対して耐性をもたなければならない。この
ような材料はまた、それに印加される電界の下で安定でなければならない。作用
電極として使用できる好適な材料は、コンカーボン価を電気化学的に減少させる
のに役立つとともに好ましくは安定で安価な材料であり、具体的には、鉛、カド
ミウム、亜鉛、錫、水銀およびその合金、ならびに炭素、更には、本明細書中に
記載の処理に好適な他の材料が挙げられる。好適な電極としては、炭素フォーム
または金属フォームのような3次元電極が挙げられる。対向電極として使用でき る好適な材料は、電気化学的プロセスで生じる生成物の存在下における劣化およ
び腐食に対して耐性をもたなければならない。本発明に使用されるタイプの電解
質塩および電子移動剤を含有する水溶液中で安定である当業者に周知の他の従来
型電極を使用してもよい。
【0016】 先に述べたように、本発明のプロセスは、電流を流すことおよび導電性塩およ
び電子移動化合物の存在下で本発明の電気化学的処理をサポートすることが可能
な水性電解媒質を含んでなる電気化学セル中で行われる。本発明の電気化学的プ
ロセスにおいて、水性電解媒質は連続相であり、これを水性電解媒質中の分散相
としてのコンカーボン含有石油ストリームと接触させる。
【0017】 塩および電子移動剤は、十分な導電率および反応速度が得られるように、水性
電解媒質中に十分に溶解または可溶化しうるものでなければならない。
【0018】 電子移動剤として有用な物質は、石油ストリームの処理中に可逆的に電気化学
的還元‐酸化を行うことができ、所望の反応速度が得られるように水性電解媒質
中に十分に溶解または可溶化しうるものでなければならない。いくつかの代表的
な化合物例としては、有機種、有機金属種、および無機種が挙げられる。
【0019】 電子移動剤は、0〜-3.0 V vs SCEの電位範囲内で可逆的に電気化学的レドック
ス挙動を示す任意の水溶性または水に可溶化しうる化学種であることができる。
このような物質を好適に決定するには、水性電解液中で該種のサイクリックボル
タンモグラムを測定し、該種がこの電位範囲で可逆的に電気化学的レドックスを
行うかを調べればよいことは、当業者には分かるであろう。本発明のプロセスに
おいて、電子移動剤が受容した電子は、電解中にアノードに供与されるのではな
く、石油ストリーム中の処理対象種に供与されると考えられる。このプロセスの
対象になりうる化学種としては、先に述べたような可逆的レドックスを行う有機
種および金属錯体の両方が挙げられる。例えば、有機種に分類されるものとして
は、キノン、アントラキノン、ベンゾキノン、ナフタキノン、キサントン、フタ
ル酸、スルホネート、トシレート、カルボキシレート、ベンゾフェノンなどの種
のうちで、水への溶解を助長し、レドックス特性を所望の電位範囲に調整するの
に好適な置換基を有するものが挙げられる。多くのタイプの金属錯体が本プロセ
スの対象になると考えられ、具体例としては、遷移金属のトリスビピリジル錯体
、トリスフェナントロリン錯体、およびジチオカルバメート錯体が挙げられる。
水溶性の増大およびレドックス電位の調整を行うための配位子の誘導は、当業者
により実施可能である。広範にわたる電子移動剤が利用できると考えられるが、
ただし、水への溶解または可溶化および所望の電位範囲における可逆的レドック
ス挙動に関してのみ制限を受ける。
【0020】 電子移動剤対塩の比は、使用する特定の物質、それらの濃度、およびプロセス
条件にもよるが、コンカーボン含有量の減少の速度および効率の両方に寄与すべ
く、当業者により選択可能である。
【0021】 水性電解媒質中の電解質塩は、望ましくは、水に溶解するかまたは水中で解離
して電導性イオンを生じるが使用する印加電位の範囲内でレドックスを起こさな
い塩である。好適な有機電解質としては、第四級カルビルおよびヒドロカルビル
オニウム塩、例えば、アルキルアンモニウム塩が挙げられる。無機電解質として
は、例えば、NaOH、KOH、およびリン酸ナトリウムが挙げられる。これらの混合 物を使用してもよい。好適なオニウムイオンとしては、モノ‐およびビス‐ホス
ホニウムイオン、スルホニウムイオンならびにアンモニウムイオンが挙げられる
。カルビルおよびヒドロカルビル部分は、好ましくはアルキルである。第四級ア
ルキルアンモニウムイオンとしては、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラ
エチルアンモニウムイオン、およびテトラブチルアルミニウムイオンが挙げられ
る。場合により、電極または系の性能を向上させるために当技術分野で周知の添
加剤を加えてもよく、こうした添加剤としては、例えば、界面活性剤、清浄剤、
乳化剤、およびアノード復極剤が挙げられる。
【0022】 典型的には、水性電解媒質中の塩の濃度は、1〜50重量%、好ましくは5〜25重 量%が好適であるが、電子移動剤の存在下では、より少量の塩の使用が期待され る。
【0023】 溶液のpHは、使用する特定の電子移動剤および塩に応じて選択すべきであり、
更にまた、処理対象のフィードに合わせて変化させてもよい。
【0024】 反応温度は、特定の石油ストリームごとに変わり、石油ストリームの粘度、電
解液のタイプ、およびそのpHに依存する。しかしながら、好適には、温度範囲
は、室温付近〜約700°F(371℃)、好ましくは100°F(38℃)〜300°F(149
℃)、圧力範囲は、0 atm(0 kPa)〜210 atm(21,200 kPa)、好ましくは1 atm
(101 kPa)〜3 atm(303 kPa)である。開示されたプロセス条件の範囲内で、 液体相または流体相の媒質が保持されなければならない。
【0025】 望ましくは、石油ストリームのコンラドソン炭素価の減少、好ましくは最大の
減少を達成するのに十分な開示範囲内の時間および条件でプロセスを実施しなけ
ればならない。
【0026】 本発明の利点は、周囲温度および大気圧の下でプロセスを実施しうることであ
るが、必要に応じて、より高い温度および圧力を使用してもよい。電流を流す必
要があるため、その最も基本的な形態は、電気化学セル中で電解手段を用いて、
すなわち非静電的モードで実施される(例えば、比較的低い電圧/高い電流で実
施される)。セルは分割されていても分割されていなくてもよい。このような系
としては、攪拌バッチ反応器または流通反応器が挙げられる。上記のものについ
ては、市販品を購入してもよいし当該技術分野で周知の技術を使用して作製して
もよい。カソード電圧は、特定の石油フラクションおよび電子移動剤の特性に基
づいて、飽和カロメル電極(SCE)に対して0〜-3.0 Vの範囲、好ましくは-1.0〜
-2.5 Vの範囲である。典型的には直流を利用するが、交流または他の電圧/電流
波形を利用して電極性能を向上させてもよい。
【0027】 本発明の電気化学的プロセスの1実施形態(図1に示されている)は、電気化学
セル中において、コンカーボン含有石油ストリームを、水性媒質によく溶ける少
なくとも1種の電解質塩および電子移動剤を含んでなる水性電解媒質と接触させ 、更に、電気化学セル中において、逆帯電カソードおよびアノードに電圧を印加
することによって行われる。処理後、アップグレーディングされた(コンカーボ
ン含有量の減少した)石油ストリームを水性電解媒質から分離し、次に、水性電
解媒質をリサイクルして他のコンラドソン炭素含有石油フィードの処理に使用す
る。従って、第1の実施形態では、コンカーボン含有石油ストリームと、電解質 塩および電子移動剤を含有する水性電解媒質とを合わせ、これに好適なカソード
電圧を印加することによって、コンラドソン炭素含有量を減少させる。
【0028】 本発明のプロセスのもう1つの実施形態では、電気化学セル中において水性電 解媒質(電子移動剤を含有する)を独立した電気化学的処理にかけ、その処理で
逆帯電電極に電圧を印加することによって還元された電子移動剤を生成させる(
すなわち、電気化学的還元ステップを実施する)。次に、電気化学的前処理の施
された、電解質塩および還元された電子移動剤を含有する水性電解媒質を、コン
カーボン含有石油ストリームに接触させ、コンカーボン含有量の減少した処理済
み石油ストリームを形成するのに十分な時間および条件で水中油型分散物を調製
する。アップグレーディングされた(すなわち、コンカーボンの減少した)石油
ストリームを、電解質塩および酸化された電子移動剤を含有する水性電解媒質か
ら分離し、次に、水性電解媒質をリサイクルして電気化学的処理ステップに使用
することができる。有利なことに、この実施形態では、石油ストリームがアノー
ドおよびカソードに接触しない(すなわち、コンカーボン処理は、電気化学的処
理ステップとは別に行われる)。
【0029】 図1において、文字の記されたボックスは、プロセスのステップを表し、番号 の記された矢印は、プロセスの流れを表す。
【0030】 図1は、本発明のプロセスの1実施形態を示している。図1において、コンラド ソン炭素含有石油ストリーム(1)と、電子移動剤および塩を含有する水性電解媒 質(5)とを、コンタクタA中で接触させる。この接触は、インラインスタティック
ミキサ、ミキシングタンク、超音波ミキサなどの装置を用いて行ってもよい。水
性電解媒質中に細かい油滴を分散してなる得られた水中油型分散物(2)を、次に 、電解槽Bに送って電気化学的処理を行う。単一連続攪拌タンク(CSTR)型電気化 学セルからカスケード型プラグフロー電解槽まで、様々な装置を使用することが
できる。所望のレベルまでコンラドソン炭素を減少させるために、ステップBを 通ったストリーム(3)の再循環(図示せず)が必要なこともあり、これによりプ ロセスの最適化が行われると考えられる。電解槽Bは、好適なカソード電位で電 流を流して石油ストリームのコンカーボン含有量を減少させるべく適切に配置さ
れた少なくとも1つのカソードおよびアノードを具備する。電解槽Bから送出され
る処理済みストリーム(3)は、油成分中のコンカーボン含有量が減少した水中油 型分散物である。ストリーム(3)を少なくとも1つのセパレータCに通して、油相 と水性電解液相とを分離する。このステップは、大型ホールディングタンク、グ
ラビティセトラ/コアレッサ、静電コアレッサなどを用いて様々な方法で行うこ
とが可能である。コンカーボン含有量の減少した石油ストリーム(4)を、製油所 における更なるプロセスに送ってもよい。塩および電子移動剤を含有する水性電
解液ストリーム(5)は、別のコンカーボン含有石油ストリームと混合するために 、コンタクタAに再循環される。定常状態の性能を保持すべく新しい電解質およ び電子移動剤のメークアップストリームを添加すると、プロセスが最適化される
と考えられる。
【0031】 図2は、本発明のプロセスの第2の実施形態を示している。プロセスへのフィー
ドは、図1の場合と同じである。すなわち、コンカーボン含有石油ストリーム(1)
である。しかしながら、コンタクタAでは、塩および電子移動剤を含有する水性 電解媒質(4)が電解槽Cで電気化学的に前処理されたものが使用される。塩および
電気化学的に還元された電子移動剤を含有する水性電解媒質は、電気化学的に処
理されたストリーム(5)として電解槽Cから送出される。電解槽Cにおける処理に より、カソードで還元されたすなわち電子を受容した(更に、混合すると石油ス
トリーム中のアクセプタ分子にこれらの電子を移動することのできる)電子移動
剤が得られる。これとは対照的に、先に述べた図1では、最初に、電子移動剤を 石油ストリームと混合し、次に、水性電解媒質相および石油相の両方を電気化学
的処理にかける。図2の代替実施形態では、水性電解液ストリームだけを電解槽C
中で電気化学的に直接還元する。石油ストリームを電解槽Cに通さないため、電 極の寿命が向上し、電極の汚損が回避されることが期待される。また、水中油型
分散物ストリーム(2)と比べて水性電解媒質ストリーム(4)の方がサイズを小さく
できる可能性があるため、より小型かつより低コストの電解槽Cを利用できると 考えられる。図2において、ストリーム(2)は、水中油型分散物である。この場合
、石油ストリームは、予め還元された電子移動剤との接触によって間接的な還元
を受けてコンカーボンの減少したストリームである。セパレータB(図1のCと等 価なもの)で水性電解媒質ストリーム(4)から処理済み石油ストリーム(3)を分離
し、水性電解媒質ストリーム(4)を電解槽Cに再循環させる。ストリーム(4)中の 電子移動剤はその酸化形態で存在し、電解槽Cに通すことにより再び電子を受容 することができる。ストリーム(5)中の電子移動剤はその還元形態で存在し、コ ンタクタA中で石油ストリーム(1)に電子を供与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コンカーボン含有石油ストリームと電子移動剤含有水性電解媒質とを電解槽中
で接触させることによってこれらを処理するプロセスの1実施形態を示している 。
【図2】 電子移動剤を電解槽中で前処理した後で石油ストリームと接触させるプロセス
の1実施形態を示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 オームステッド・ウィリアム・エヌ アメリカ合衆国 ニュージャージー州 07974 マーレイ ヒル ガリンソン ド ライブ200

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンラドソン炭素含有石油ストリームと、少なくとも1種の 電子移動剤および少なくとも1種のレドックス安定性導電性塩を含む水性電解媒 質と、の水中油型分散物に、コンラドソン炭素含有量の減少した石油ストリーム
    を形成するのに十分な電流を流すことを特徴とする、石油ストリームのコンラド
    ソン炭素含有量を減少させるためのプロセス。
  2. 【請求項2】 前記電子移動剤が、可逆的に電気化学的還元-酸化を行うこ とのできる有機種および金属錯体から選ばれることを特徴とする請求項1に記載
    のプロセス。
  3. 【請求項3】 前記電流が、0〜-3.0 V vs SCEのカソード電圧におけるもの
    であることを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
  4. 【請求項4】 (a)少なくとも1種の電子移動剤および少なくとも1種の導 電性塩を含む水性電解媒質を、還元された電子移動剤を含む処理済み水性電解媒
    質を形成するのに十分な電流と接触させるステップと、 (b)コンラドソン炭素含有量の減少した石油ストリームを形成するのに十分 な時間にわたり、該処理済み水性電解媒質をコンラドソン炭素含有石油ストリー
    ムと接触させるステップと、 を含むことを特徴とする、石油ストリームのコンラドソン炭素含有量を減少させ
    るためのプロセス。
  5. 【請求項5】 前記電流が、0〜-3.0 V vs SCEのカソード電圧におけるもの
    であることを特徴とする請求項4に記載のプロセス。
  6. 【請求項6】 ステップ(b)の接触により、前記コンラドソン炭素含有石 油ストリームを前記水性電解媒質中に含んでなる水中油型分散物が生成すること
    を特徴とする請求項4に記載のプロセス。
  7. 【請求項7】 ステップ(b)の接触の結果として、前記水性電解媒質中に おいて、酸化された電子移動剤が生成することを特徴とする請求項4に記載のプ
    ロセス。
  8. 【請求項8】 前記電子移動剤および前記導電性塩を含む前記水性電解媒質
    の回収および処理を行って、還元された電子移動剤を形成するステップを更に含
    むことを特徴とする請求項4に記載のプロセス。
  9. 【請求項9】 前記水性電解媒質をリサイクルして、他のコンラドソン炭素
    含有石油ストリームを処理するステップを更に含むことを特徴とする請求項7に
    記載のプロセス。
JP2000503263A 1997-07-15 1998-07-14 石油フィードストリームのコンラドソン炭素含有量を減少させる方法 Pending JP2001510235A (ja)

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