JP2001510037A - グラム陽性微生物からのプロテアーゼ - Google Patents

グラム陽性微生物からのプロテアーゼ

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JP2001510037A JP2000503190A JP2000503190A JP2001510037A JP 2001510037 A JP2001510037 A JP 2001510037A JP 2000503190 A JP2000503190 A JP 2000503190A JP 2000503190 A JP2000503190 A JP 2000503190A JP 2001510037 A JP2001510037 A JP 2001510037A
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Abstract

(57)【要約】 本発明はグラム陽性微生物中の新たなセリンプロテアーゼの同定に関する。本発明は枯草菌セリンプロテアーゼSP1、SP2、SP3、SP4およびSP5の核酸およびアミノ酸配列を提供する。本発明はまた、SP1、SP2、SP3、SP4およびSP5をコード化する遺伝子の一部または全てが突然変異または欠失された宿主細胞を提供する。本発明はまた、酵素のような所望の異型タンパク質をコード化する核酸を含む宿主細胞を提供する。本発明はまた、本発明のセリンプロテアーゼを含む洗浄組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の属する技術分野 本発明は、グラム陽性微生物由来のセリンプロテアーゼに関するものである。
本発明は、バチルス属中で同定されるセリンプロテアーゼ1、2、3、4および
5の核酸およびアミノ酸配列を提供する。本発明はまた、宿主細胞中でセリンプ
ロテアーゼ1、2、3、4および5を産生する方法、並びに本発明のセリンプロ
テアーゼの内の少なくとも一つの一部または全てが突然変異または欠失された宿
主細胞中で異型タンパク質を産生する方法を提供する。
【0002】発 明 の 背 景 バチルス属の細菌のようなグラム陽性微生物は、一部には、それらの発酵産生
物の培地中への分泌能力のために、大規模な工業発酵に用いられてきた。グラム
陽性細菌において、分泌されたタンパク質は、細胞膜および細胞壁を横切って移
送され、続いて、通常それらの先天的なコンフォメーションを維持する外部培地
中に放出される。
【0003】 様々なグラム陽性微生物が、それらの生活周期においていくつかの段階で細胞
外および/または細胞内プロテアーゼを分泌することが知られている。多くのプ
ロテアーゼは、産業目的のために大量に産生されている。グラム陽性微生物中に
プロテアーゼが存在することの否定的な面は、分泌された異型すなわち異種タン
パク質の全体的な分解に寄与することである。
【0004】 微生物中に見られるプロテアーゼの分類は、それらの触媒機構に基づき、これ
は、以下の四つの群に分けられる:セリンプロテアーゼ;金属プロテアーゼ;シ
ステインプロテアーゼ;およびアスパラギン酸プロテアーゼ。これらの範疇は、
それらの様々な阻害剤に対する感受性により区別することができる。例えば、セ
リンプロテアーゼはフェニルメチルスルホニルフルオライド(PMSF)および
ジイソプロピルフルオロホスフェート(DIFP)により阻害され;金属プロテ
アーゼはキレート剤により阻害され;システイン酵素はヨードアセタミドおよび
重金属により阻害され;アスパラギン酸プロテアーゼはペプスタチンにより阻害
される。セリンプロテアーゼはアルカリ性の最適pHを有し、金属プロテアーゼ
は中性付近で最適に活性であり、システインおよびアスパラギン酸酵素は酸性の
最適pHを有している(Biotechnology Handbooks, Bacillus. vol.2, edited b
y Harwood, 1989 Plenum Press, New York)。
【0005】 触媒活性のセリン残基に依存しているタンパク質分解酵素は、セリンプロテア
ーゼと呼ばれている。Methods in Enxymology, vol.244, Academic Press, Inc. 1994, 21頁に記載されているように、科S9のセリンプロテアーゼは、その周 りのアミノ酸が保存された触媒残基三連構造「Ser−Asp−His」を有し
ている。
【0006】発 明 の 概 要 本発明は、それぞれ、図に示した核酸およびアミノ酸を有する、ここではSP
1、SP2、SP3、SP4およびSP5と称される、枯草菌の特徴付けられて
いない翻訳されたゲノム核酸配列中に見られる現在まで知られていなかったまた
は認識されていなかったS9型の五つのセリンプロテアーゼの予期せぬ意外な発
見に関するものである。本発明は、一部には、それら五つのセリンプロテアーゼ
中のアミノ酸三連構造S−D−Hの存在、並びにこの三連構造の周りのアミノ酸
の保存に基づくものである。本発明はまた、一部には、SP1、SP2、SP3
、SP4およびSP5が、酵母(DAP)からのセリンプロテアーゼジペプチジ
ルアミノペプチダーゼBに関してと、互いに関して有する現在まで特徴付けられ
ていないか、認識されていない全体のアミノ酸の関連性に基づくものである。
【0007】 本発明は、SP1、SP2、SP3、SP4およびSP5に関する単離したポ
リヌクレオチドおよびアミノ酸配列を提供する。遺伝暗号の縮重のために、本発
明は、それぞれ、図2A−2Bから図6に示したSP1、SP2、SP3、SP
4およびSP5の推定アミノ酸配列をコード化する核酸配列を包含する。
【0008】 本発明は、タンパク質分解活性を有する、ここに開示した枯草菌SP1、SP
2、SP3、SP4およびSP5のアミノ酸変種を包含する。枯草菌SP1、S
P2、SP3、SP4およびSP5、並びにそのタンパク質分解活性アミノ酸変
種には、洗浄組成物における用途がある。本発明のある態様において、グラム陽
性微生物から得られるSP1、SP2、SP3、SP4およびSP5は、微生物
宿主発現系において工業発酵規模で産生される。別の態様において、グラム陽性
微生物から得られる、単離され、精製された組換えSP1、SP2、SP3、S
P4およびSP5は、洗浄剤のような洗浄目的のために意図された材料の組成物
中に用いられる。したがって、本発明は、グラム陽性微生物から得られるSP1
、SP2、SP3、SP4およびSP5の内の少なくとも一つを含む洗浄組成物
を提供する。セリンプロテアーゼは、洗浄組成物中で単独で、または他の酵素お
よび/または媒介物質またはエンハンサーと組み合わせて用いてもよい。
【0009】 グラム陽性微生物中の所望の異型タンパク質またはポリペプチドの産生は、産
生された異型タンパク質またはポリペプチドを分解する一つ以上のプロテアーゼ
の存在により妨げられるかもしれない。したがって、本発明はまた、それらのタ
ンパク質分解活性を不活化させることになる、SP1、SP2、SP3、SP4
および/またはSP5をコード化する遺伝子の一部または全ての突然変異または
欠失を、単独または、例えば、apr、npr、epr、mprのような他のプ
ロテアーゼ、または当業者に知られている他のプロテアーゼ中の欠失または突然
変異と共に有するグラム陽性微生物も包含する。本発明のある実施の形態におい
て、グラム陽性微生物は、バチルス属の細菌である。別の実施の形態において、
バチルス属は枯草菌である。
【0010】 別の態様において、本発明のセリンプロテアーゼ中に一つ以上の欠失または突
然変異を有するグラム陽性微生物宿主は、さらに遺伝子操作されて、所望のタン
パク質を産生する。本発明のある実施の形態において、所望のタンパク質は、前
記グラム陽性宿主細胞に対して異型である。別の形態において、所望のタンパク
質は前記宿主細胞に対して相同である。本発明は、プロテアーゼのような相同タ
ンパク質をコード化する天然に存在する核酸の欠失または中断を有し、相同タン
パク質または組換え形態で再導入されたその変異株をコード化する核酸を有する
グラム陽性宿主細胞を包含する。別の実施の形態において、前記宿主細胞は相同
タンパク質を産生する。したがって、本発明はまた、グラム陽性微生物中で産生
される異型または相同のタンパク質の分解を減少させる方法および発現系であっ
て、前記異型タンパク質をコード化する核酸をバチルス属宿主細胞であって、S
P1、SP2、SP3、SP4およびSP5をコード化する遺伝子の内の少なく
とも一つの突然変異または欠失を含む宿主細胞を得て、該バチルス属宿主細胞を
、前記異型タンパク質の発現に適した条件下で増殖させる各工程を含む方法およ
び発現系を提供する。このグラム陽性微生物は、普通に、胞子形成性または非胞
子形成性であってもよい。
【0011】 本発明は、枯草菌SP1、SP2、SP3、SP4およびSP5のグラム陽性
微生物相同体を検出する方法であって、枯草菌SP1、SP2、SP3、SP4
およびSP5をコード化する核酸の一部または全てを、ゲノムまたはcDNA起
源いずれかのグラム陽性微生物由来の核酸とハイブリッド形成する工程を含む方
法を含む。
【0012】 好ましい実施の形態の詳細な説明 定 義 ここに用いているように、バチルス属は、以下に限定されるものではないが、
枯草菌、B.licheniformis、B.lentus、B.brevis、B.stearothermophilus、B.alk
alophilus、B.amyloliquefaciens、B.coagulans、B.ciculans、B.lautusおよびB
.thuringiensisを含む、当業者に知られている全ての細菌を含む。
【0013】 本発明は、グラム陽性微生物からの新たなSP1、SP2、SP3、SP4お
よびSP5に関するものである。好ましい実施の形態において、グラム陽性微生
物はバチルス属である。別の好ましい実施の形態において、グラム陽性微生物は
枯草菌である。ここで用いているように、枯草菌SP1(YuxL)は、図1A
−1Cおよび図2A−2Bに示したDNAおよび推定アミノ酸配列を称し;SP
2(YtmA)は、図7A−7Bおよび図3に示したDNAおよび推定アミノ酸
配列を称し;SP3(YitV)は、図8A−8Bおよび図4に示したDNAお
よび推定アミノ酸配列を称し;SP4(YqkD)は、図9A−9Bおよび図5
に示したDNAおよび推定アミノ酸配列を称し;SP5(CAH)は、図6に示
した推定アミノ酸配列を称する。本発明は、タンパク質分解活性を有する、SP
1、SP2、SP3、SP4およびSP5の枯草菌アミノ酸配列のアミノ酸変種
を包含する。そのようなタンパク質分解アミノ酸変種は、洗浄組成物中に用いる
ことができる。
【0014】 ここで用いているように、「核酸」は、ヌクレオチドまたはポリヌクレオチド
配列、およびその断面または部分、並びにセンサまたはアンチセンス鎖を示す、
二本鎖または一本鎖であってよい、ゲノムまたは合成起源のDNAまたはRNA
を称する。ここで用いているように、「アミノ酸」は、ペプチドまたはタンパク
質配列もしくはその部分を称する。「ポリヌクレオチド相同体」は、ここで用い
ているように、枯草菌SP1、SP2、SP3、SP4またはSP5に対して少
なくとも80%、少なくとも90%および少なくとも95%の同一性を有する、または
高ストリンジェンシーの条件下で枯草菌SP1、SP2、SP3、SP4または
SP5に対してハイブリッド形成でき、セリンプロテアーゼ活性を有するアミノ
酸配列をコード化するグラム陽性微生物ポリヌクレオチドを称する。
【0015】 「単離された」または「精製された」という用語は、ここで用いているように
、天然に関連している少なくとも一つの成分から除去された核酸またはアミノ酸
を称する。
【0016】 ここに用いているように、「異型タンパク質」は、グラム陽性宿主細胞中では
天然に存在しないタンパク質またはポリペプチドを称する。異型タンパク質の例
としては、プロテアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、および
リパーゼのようなヒドロラーゼ;ラセマーゼ、エピメラーゼ、トートメラーゼ、
またはムターゼのようなイソメラーゼ;トランスフェラーゼ、キナーゼおよびホ
スファターゼのような酵素が挙げられる。異型遺伝子は、増殖因子、サイトカイ
ン、配位子、受容体および阻害剤、並びにワクチンおよび抗体のような治療にお
いて重要なタンパク質またはペプチドをコード化してもよい。この遺伝子は、プ
ロテアーゼ、カルボヒドラーゼ、アミラーゼ、グルコアミラーゼ、セルラーゼ、
オキシダーゼおよびリパーゼのような、商業的に重要な工業用タンパク質または
ペプチドをコード化してもよい。関心のある遺伝子は、天然に存在する遺伝子、
突然変異した遺伝子または合成遺伝子であってもよい。
【0017】 「相同タンパク質」は、グラム陽性宿主細胞中で先天的または天然に存在する
タンパク質またはポリペプチドを称する。本発明は、組換えDNA技術により相
同タンパク質を産生する宿主細胞を含む。本発明は、プロテアーゼのような相同
タンパク質をコード化する天然に存在する核酸の欠失または中断を有し、組換え
形態にある再導入された、相同タンパク質、またはその変異株をコード化する核
酸を有するグラム陽性宿主細胞を包含する。別の実施の形態において、宿主細胞
は相同タンパク質を産生する。
【0018】 ここで用いているように、「過剰発現」は、宿主細胞中でのタンパク質の産生
を称する場合、タンパク質が、天然に存在する環境における産生よりも多量で産
生されることを意味する。
【0019】 ここで用いているように、「タンパク質分解活性」という用語は、ペプチド結
合を加水分解できるタンパク質を意味する。タンパク質分解活性を有する酵素が
、Enzyme Nomenclature, 1992, edited Webb Academic Press, Inc.に記載され ている。
【0020】 好ましい実施の形態の詳細な説明 枯草菌中のセリンプロテアーゼSP1、SP2、SP3、SP4およびSP5
の予期せぬ発見により、宿主細胞を産生する原理、組換えにより産生された異型
タンパク質の分解を妨げるのに使用できる発現方法および発現系が提供される。
好ましい実施の形態において、宿主細胞は、天然に存在するセリンプロテアーゼ
における完全な欠失または不活化を有し、この突然変異が、タンパク質分解セリ
ンプロテアーゼ遺伝子産物の宿主細胞による産生を欠失または不活化することと
なるグラム陽性宿主細胞である。本発明の別の実施の形態において、宿主細胞を
さらに遺伝子操作して、所望のタンパク質またはポリペプチドを産生してもよい
【0021】 どのような種類の宿主細胞を遺伝子操作して、グラム陽性セリンプロテアーゼ
SP1、SP2、SP3、SP4またはSP5を産生することも望ましいであろ
う。そのような宿主細胞は、単離または精製され、洗浄剤のような洗浄製品に用
いられるセリンプロテアーゼを大量に産生する大規模発酵に用いられる。
【0022】I.セリンプロテアーゼ核酸およびアミノ酸配列 図に示された配列を有するSP1、SP2、SP3、およびSP4ポリヌクレ
オチドが、枯草菌セリンプロテアーゼSP1、SP2、SP3、およびSP4を
コード化する。当業者により理解されるように、遺伝暗号の縮重のために、様々
なポリヌクレオチドが枯草菌SP1、SP2、SP3、SP4およびSP5をコ
ード化できる。本発明はそのようなポリヌクレオチドの全てを包含する。
【0023】 本発明は、相同体がタンパク質分解活性を有するタンパク質をコード化する限
りは、枯草菌に対して少なくとも80%、または少なくとも90%、または少なくと
も95%の同一性を有する、それぞれ、グラム陽性微生物セリンプロテアーゼSP
1、SP2、SP3、SP4およびSP5をコード化するSP1、SP2、SP
3、SP4およびSP5ポリヌクレオチド相同体を包含する。
【0024】 枯草菌SP1、SP2、SP3、SP4またはSP5のグラム陽性ポリヌクレ
オチド相同体は、例えば、クローニングされたDNA(例えば、DNA「ライブ
ラリー」)、ゲノムDNAライブラリーから、従来技術において知られている標
準的な方法により、一度同定された化学合成により、cDNAクローニングによ
り、または所望の細胞から精製されたゲノムDNAまたはその断片のクローニン
グにより得てもよい(例えば、Sambrook et al., 1989, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2d Ed. Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spri
ng Harbor, New York; Glover, D.M. (ed.), 1985, DNA Cloning: A Practical Approach, MRL Press, Ltd. Oxford, U.K. Vol. I,II.を参照のこと)。好まし い供給源は、ゲノムDNAからのものである。ゲノムDNA由来の核酸配列は、
暗号領域に加えて、調節領域を含んでいてもよい。その供給源が何であれ、単離
されたセリンプロテアーゼ遺伝子は、その遺伝子の増殖に適したベクター中に分
子的にクローニングされるべきである。
【0025】 ゲノムDNAからの遺伝子の分子クローニングにおいて、DNA断片が産生さ
れ、そのうちのいくつかが所望の遺伝子をコード化する。該DNAは、様々な制
限酵素を用いて特定の部位で分割されてもよい。あるいは、マンガンの存在下で
DNアーゼを用いてDNAを断片化してもよく、または該DNAを、例えば、超
音波処理により、物理的に剪断しても差し支えない。次いで、線状DNA断片を
、以下に限定されるものではないが、アガロースおよびポリアクリルアミドゲル
電気泳動並びにカラムクロマトグラフィーを含む、標準的な技術により、サイズ
にしたがって分離することができる。
【0026】 一旦DNA断片が産生されたら、SP1、SP2、SP3、SP4またはSP
5を含有する特定のDNA断片の同定を様々な方法で行ってもよい。例えば、本
発明の枯草菌SP1、SP2、SP3、SP4またはSP5遺伝子またはその特
定のRNA、もしくはプローブまたはプライマーのようなその断片を単離し、標
識付けし、次いで、ハイブリッド形成アッセイに用いて、グラム陽性SP1、S
P2、SP3、SP4またはSP5遺伝子を検出してもよい(Benton,W. and Da
vis,R., 1977, Science 196:180; Grunstein, M.And Hogness,D., 1975, Proc.N
atl.Acad.Sci. USA 72:3961)。前記プローブと実質的な配列類似性を共有する それらのDNA断片は、ストリンジェント条件下でハイブリッド形成する。
【0027】 したがって、本発明は、グラム陽性SP1、SP2、SP3、SP4またはS
P5ポリヌクレオチド相同体を検出する方法であって、枯草菌SP1、SP2、
SP3、SP4またはSP5の核酸配列の一部または全てを、ゲノムまたはcD
NA起源いずれかのグラム陽性微生物核酸とハイブリッド形成する工程を含む方
法を提供する。
【0028】 また、中程度から最大のストリンジェンシーの条件下で枯草菌SP1、SP2
、SP3、SP4またはSP5のヌクレオチド配列に対してハイブリッド形成で
きるグラム陽性微生物ポリヌクレオチド配列も本発明の範囲内に含まれる。ハイ
ブリッド形成条件は、ここで引用される、BergerおよびKimmel(1987, Guide to Molecular Cloning Techniques, Methods in Enzymology, Vol.152, Academic Press, San Diego CA)に教示されたように、核酸結合複合体の溶融温度(Tm )に基づき、以下に説明されるように定義された「ストリンジェンシー」を与え
る。
【0029】 「最大ストリンジェンシー」は典型的に約Tm−5℃(前記プローブのTmよ
り5℃低い)で生じ;「高ストリンジェンシー」はTmから約5℃から10℃低い
温度で生じ;「中程度ストリンジェンシー」はTmから約10℃から20℃低い温度
で生じ;「低ストリンジェンシー」はTmから約20℃から25℃低い温度で生じる
。当業者には理解されるように、最大ストリンジェンシーハイブリッド形成を用
いて、同一のポリヌクレオチド配列を同定または検出することができ、一方で、
中間または低ストリンジェンシーハイブリッド形成を用いて、ポリヌクレオチド
配列相同体を同定または検出することができる。
【0030】 ここに用いている「ハイブリッド形成」は、「核酸の鎖が塩基対合により相補
鎖と結合するプロセス」を含む(Coombs J (1994) Dictionary of Biotechnolog
y, Stockton Press, New York NY)。
【0031】 ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術において行われる増幅のプロセスが、Di
effenbach CW and GS Dveksler(1995, PCR Primer, a Laboratory Manual, Col
d Spring Harbor Press, Plainview NY)に記載されている。枯草菌SP1、S P2、SP3、SP4またはSP5からの少なくとも約10のヌクレオチドから約
60ほどの多くのヌクレオチドまで、好ましくは、約12から30までのヌクレオチド
、そしてより好ましくは、約20−25のヌクレオチドの核酸配列を、プローブまた
はPCRプライマーとして使用することができる。
【0032】 枯草菌アミノ酸配列SP1、SP2、SP3、SP4およびSP5(図2A−
2Bから図6までに示された)を、枯草菌ゲノム核酸配列のFASTA検索によ
り同定した。枯草菌SP1(YuxL)を、図2A−2Bにおいて「dap2_yeast
」と称する、S9型セリンプロテアーゼとして分類されるセリンプロテアーゼD
APに対するその構造相同性により同定した。図2A−2Bに示したように、S
P1は、示されたアミノ酸三連構造「S−D−H」を有している。各々の残基の
周りのアミノ酸の保存が、図2A−2Bから図6までに示されている。SP2(
YtmA);SP3(YitV);SP4(YqkD)およびSP5(CAH)
が、SP1(YuxL)に対するそれらの構造および全体のアミノ酸相同性によ
り同定された。SP1およびSP4は、それぞれ、ParsotおよびKebayashiに記 載されたが、セリンプロテアーゼまたはS9科のセリンプロテアーゼとしては特
徴付けられなかった。
【0033】II.発現系 本発明は、グラム陽性微生物における所望の異型または相同タンパク質の向上
した産生および分泌を行う宿主細胞、発現方法および発現系を提供する。ある実
施の形態において、宿主細胞は、それぞれの活性が欠失されるようにグラム陽性
SP1、SP2、SP3、SP4またはSP5をコード化する遺伝子において欠
失または突然変異を有するように遺伝子操作されている。本発明の別の実施の形
態において、グラム陽性微生物は、本発明のセリンプロテアーゼを産生するよう
に遺伝子操作されている。
【0034】 宿主細胞中のグラム陽性セリンプロテアーゼの不活性化 天然に存在するセリンプロテアーゼを産生できない発現宿主細胞を産生するに
は、その宿主細胞のゲノムからの前記天然に存在する遺伝子の置換および/また
は不活性化が必要である。好ましい実施の形態において、前記突然変異は非復帰
突然変異である。
【0035】 グラム陽性セリンプロテアーゼをコード化する核酸を突然変異させる方法の一
つは、前記核酸またはその一部をクローニングし、部位特異的突然変異誘発によ
り該核酸を変異させ、その変異された核酸をプラスミド上で細胞中に再導入する
ことである。相同組換えにより、その変異された遺伝子を染色体中に導入しても
よい。親宿主細胞において、結果は、天然に存在する核酸および変異された核酸
は、染色体上で縦に並んで位置しているということである。二回目の組換え後、
変異した配列が、それによって親宿主細胞の後代のために染色体遺伝子中に突然
変異を効果的に導入した染色体中にとどまっている。
【0036】 セリンプロテアーゼタンパク質分解活性を不活性化させる別の方法は、染色体
遺伝子コピーを欠失させることによるものである。好ましい実施の形態において
、全遺伝子が欠失され、この欠失は、復帰が不可能なように行われる。別の好ま
しい実施の形態において、前記染色体中に残された核酸配列が、プラスミドコー
ド化セリンプロテアーゼ遺伝子との相同組換えには短すぎる場合には、部分的欠
失が行われる。別の好ましい実施の形態において、触媒アミノ酸残基をコード化
する核酸が欠失される。
【0037】 天然に存在するグラム陽性微生物セリンプロテアーゼの欠失は、以下のように
行っても差し支えない。その5’および3’末端領域を含むセリンプロテアーゼ
遺伝子を、単離し、クローニングベクター中に挿入する。このセリンプロテアー
ゼ遺伝子の暗号領域を、インビトロでベクターから欠失し、親宿主細胞中での天
然に存在する遺伝子との相同組換えを提供するのに十分な量の5’および3’末
端隣接配列を後に残す。次いで、このベクターをグラム陽性宿主細胞中に形質転
換させる。このベクターが隣接領域における相同組換えにより染色体中に組み込
まれる。この方法により、プロテアーゼ遺伝子が欠失されているグラム陽性株が
得られる。
【0038】 組込み方法に用いられるベクターは、好ましくはプラスミドである。選択マー
カーを含めて、所望の組換え微生物の同定を容易にしてもよい。さらに、当業者
により正しく認識されるように、そのベクターは、好ましくは、染色体中に選択
的に組み込むことのできるものである。これは、複製の誘導性起源、例えば、温
度感受性起源を前記プラスミド中に導入することにより行っても差し支えない。
形質転換体を、前記複製の起源が感受性である温度で成長させることにより、そ
のプラスミドの複製機能が不活性化され、それによって、染色体の組込体を選択
する手段を提供する。組込体は、抗体物質のような選択マーカーの存在下で高温
での成長に関して選択してもよい。組込機構は、国際特許出願公開第WO88/06623
号に記載されている。
【0039】 キャンベル型機構による組込は、プロテアーゼ遺伝子の5’末端隣接領域にお
いて生じて、セリンプロテアーゼ遺伝子座における染色体中の全プラスミドベク
ターを運搬するプロテアーゼ陽性株が得られる。非正統的組換えにより異なる結
果が得られるので、核酸塩基配列決定法または制限地図等により、完全な遺伝子
が欠失されているか否かを決定する必要がある。
【0040】 天然に存在するセリンプロテアーゼ遺伝子を不活性化させる別の方法は、グラ
ム陽性微生物を、突然変異誘発性であるオリゴヌクレオチドにより形質転換する
ことにより染色体遺伝しコピーを突然変異誘発することである。あるいは、染色
体セリンプロテアーゼ遺伝子を、相同組換えにより突然変異遺伝子と置換しても
差し支えない。
【0041】 本発明は、本発明のセリンプロテアーゼの欠失または突然変異並びにapr、pr 、epr、mprおよび当業者に知られている他のものにおける欠失または突然変異の
ような、追加のプロテアーゼ欠失または突然変異を有する宿主細胞を包含する。
米国特許第5,264,366号には、aprおよびnprが欠失されたバチルス属宿主細胞が 開示されており、米国特許第5,585,253号には、eprが欠失されたバチルス属宿主
細胞が開示されており、Margot et al., 1996, Microbiology 142:3437-3444に は、wprが欠失された宿主細胞が開示されており、欧州特許第0369817号には、mp
rが欠失されたバチルス属宿主細胞が開示されている。
【0042】III.セリンプロテアーゼの産生 宿主細胞中でセリンプロテアーゼを産生するために、グラム陽性微生物SP1
、SP2、SP3、SP4またはSP5をコード化する核酸の少なくとも一つの
コピー、そして好ましくは多数のコピーを含む発現ベクターを、セリンプロテア
ーゼの発現に適した条件下で宿主細胞中に形質転換させる。本発明によれば、グ
ラム陽性微生物SP1、SP2、SP3、SP4またはSP5もしくはそれらの
断片をコード化するポリヌクレオチド、または枯草菌SP1、SP2、SP3、
SP4またはSP5のアミノ酸変異株をコード化する融合タンパク質またはポリ
ヌクレオチド相同体を用いて、宿主細胞中のそれらの発現を支持する組換えDN
A分子を産生してもよい。好ましい実施の形態において、前記グラム陽性宿主細
胞はバチルス属に属する。別の好ましい実施の形態において、前記グラム陽性宿
主細胞は枯草菌である。
【0043】 当業者により理解されるように、自然に生じないコドンを有するポリヌクレオ
チド配列を産生することが好ましいであろう。特定のグラム陽性宿主細胞により
好まれるコドン(Murray E et al. (1989) Nuc Acids Res 17:477-508)を選択 して、例えば、発現速度を増大させたり、天然に存在する配列から産生された写
しよりも、長い半減期のような所望の特性を有する組換えRNA写しを産生する
ことができる。
【0044】 本発明にしたがって用いてもよい変性されたSP1、SP2、SP3、SP4
またはSP5ポリヌクレオチド配列は、それぞれ、同一または機能的に同等のS
P1、SP2、SP3、SP4またはSP5相同体をコード化するポリヌクレオ
チドとなる、異なるヌクレオチド残基の欠失、挿入または置換を含む。ここで用
いているように、「欠失」は、それぞれ、一つ以上のヌクレオチドまたはアミノ
酸配列がないヌクレオチドまたはアミノ酸配列における変化として定義されてい
る。
【0045】 ここで用いているように、「挿入」または「添加」は、天然に存在するSP1
、SP2、SP3、SP4またはSP5と比較して、それぞれ、一つ以上のヌク
レオチドまたはアミノ酸残基が添加されるこことなったヌクレオチドまたはアミ
ノ酸配列の変化を意味する。
【0046】 ここで用いているように、「置換」は、それぞれ、異なるヌクレオチドまたは
アミノ酸により一つ以上のヌクレオチドまたはアミノ酸が置き換えられたことに
より生じる。
【0047】 コード化されたタンパク質は、サイレント変化を生じ、機能的なSP1、SP
2、SP3、SP4またはSP5変異株を生じるアミノ酸残基の欠失、挿入また
は置換を示してもよい。変異株が分泌を変調する能力を保持している限りは、残
基の極性、電荷、溶解度、疎水性、親水性、および/または両親媒性における類
似性に基づいて、計画的なアミノ酸置換を行ってもよい。例えば、負に荷電した
アミノ酸としては、アスパラギン酸およびグルタミン酸が挙げられ、正に荷電し
たアミノ酸としては、リシンおよびアルギニンが挙げられ、同様の親水性価を有
する無荷電極性頭部基を有するアミノ酸として、ロイシン、イソロイシン、バリ
ン;グリシン、アラニン;アスパラギン、グルタミン;セリン、スレオニン、フ
ェニルアラニン、およびチロシンが挙げられる。
【0048】 遺伝子産生物のクローニング、加工および/または発現を変調するために、本
発明のSP1、SP2、SP3、SP4またはSP5ポリヌクレオチドを操作し
てもよい。例えば、従来技術でよく知られている技術、例えば、部位特異的突然
変異誘発を用いて、突然変異を導入して、例えば、新たな制限部位を挿入したり
、グリコシル化パターンを変性したり、コドン優先性を変更したりしてもよい。
【0049】 本発明のある実施の形態において、グラム陽性微生物SP1、SP2、SP3
、SP4またはSP5ポリヌクレオチドを異型配列にライゲーションして、融合
タンパク質をコード化してもよい。融合タンパク質を、セリンプロテアーゼヌク
レオチド配列と異型タンパク質配列との間に位置する分割部位を含むように操作
して、そのセリンプロテアーゼを分割し、異型部分から精製してもよい。
【0050】VI.ベクター配列 グラム陽性微生物中で本発明のセリンプロテアーゼを発現させるのに用いられ
る発現ベクターは、SP1、SP2、SP3、SP4およびSP5からなる群よ
り選択されるセリンプロテアーゼに関連する少なくとも一つのプロモータを含み
、このプロモータは宿主細胞中で機能的である。本発明のある実施の形態におい
て、前記プロモータは、選択されたセリンプロテアーゼのための野生型プロモー
タであり、本発明の別の実施の形態において、前記プロモータは、前記セリンプ
ロテアーゼとは異型性であるが、宿主細胞中においてまだ機能的である。本発明
のある好ましい実施の形態において、セリンプロテアーゼをコード化する核酸は
、微生物ゲノム中に安定に組み込まれる。
【0051】 好ましい実施の形態において、発現ベクターは、好ましくは、該ベクターに特
有の少なくとも一つの制限エンドヌクレアーゼ部位を含む多数のクローニング部
位カセットを含んで、核酸操作を容易にする。好ましい実施の形態において、ベ
クターはまた、一つ以上の選択マーカーを含む。ここに用いているように、選択
マーカーは、ベクターを含有する宿主の選択を容易にする、グラム陽性宿主中で
発現できる遺伝子を称する。そのような選択マーカーの例としては、以下に限定
されるものではないが、エリスロマイシン、アクチノマイシン、クラムフェニコ
ールおよびテトラサイクリンのような抗生物質が挙げられる。
【0052】V.形質転換 SP1、SP2、SP3、SP4またはSP5の産生に、細菌、菌類、ほ乳類
および昆虫細胞を含む、様々な宿主細胞を用いることができる。一般的な形質転
換方法が、Current Protocols In Molecular Biology(vol.1, edited by Ausub
el et al., John Wiley & Sons, Inc. 1987, Chapter 9)に教示されており、リ
ン酸カルシウム法、DEAE−デキストランを用いた形質転換およびエレクトロ
ポレーションを含む。植物形質転換法が、Rodriquez(WO95/14099, published 2
6 May 1995)に教示されている。
【0053】 好ましい実施の形態において、宿主細胞はグラム陽性微生物であり、別の好ま
しい実施の形態においては、宿主細胞はバチルス属である。本発明のある実施の
形態において、本発明の一つ以上のセリンプロテアーゼをコード化する核酸が、
バチルス属宿主細胞内で複製できる発現ベクターを介して、宿主細胞中に導入さ
れる。バチルス属の適切な複製プラスミドが、ここに引用されている、Molecula
r Biologial Methods for Bacillus, Ed. Harwood and Cutting, John Wiley & Sons, 1990に記載されている(プラスミドについてのchapter 3を参照のこと) 。枯草菌の適切な複製プラスミドが92頁に列記されている。
【0054】 別の実施の形態において、本発明のセリンプロテアーゼをコード化する核酸が
、微生物ゲノム中に安定に組み込まれる。好ましい宿主細胞はグラム陽性宿主細
胞である。別の好ましい宿主はバチルス属である。別の好ましい宿主は枯草菌で
ある。いくつかの計画が、バチルス属中でのDNAの直接クローニングに関する
文献に記載されている。プラスミドマーカーレスキュー形質転換には、部分的に
相同なレジデントプラスミドを運搬するコンピテント細胞による供与体プラスミ
ドの摂取が含まれる(Contente et al., Plasmid 2:555-571 (1979); Haima et
al., Mol.Gen.Genet. 223:185-191 (1990); Weinrauch et al., J.Bacteriol. 1
54(3):1077-1087 (1983); and Weinrauch et al., J.Bacteriol. 169(3):1205-1
211 (1987))。入ってきた供与体プラスミドは、染色体形質転換と似たプロセス
においてレジデント「ヘルパー」プラスミドの相同領域と再結合する。
【0055】 原形質体形質転換による形質転換が、枯草菌についてはChang and Cohen,(197
9)Mol.Gen.Genet 168:111-115に;B.metateriumについてはVorobjeva et al., (
1980) FEMS Microbiol.Letters 7:261-263に;B.amyloliquefaciensについてはS
mith et al., (1986) Appl.and Env.Microbiol. 51:634に;B.thuringiensisに ついてはFisher et al., (1981) Arch.Microbiol. 139:213-217に;B.sphaericu
sについてはMcDonald (1984) J.Gen.Microbiol. 130:203に;そしてB.larvaeに ついてはBakhiet et al., (1985) 49:577に記載されている。バチルス属原形質 体の形質転換についてのMann et al.,(1986, Current Microbiol. 13:131-135 )およびHolubova(1985, Folia Microbiol. 30:97)の報告書には、リポソーム
を含有するDNAを用いてDNAを原形質体中に導入する方法が開示されている
【0056】VI.形質転換体の同定 宿主細胞が、グラム陽性SP1、SP2、SP3、SP4またはSP5をコー
ド化する突然変異されたまたは天然に存在する遺伝子により形質転換されている
場合、マーカー遺伝子発現の存在/不在の検出が、関心のある遺伝子が存在する
か否かを示すことができる。しかしながら、その発現は、確認すべきである。例
えば、セリンプロテアーゼをコード化する核酸がマーカー遺伝子配列中に挿入さ
れている場合、挿入物を含有する組換え細胞は、マーカー遺伝子機能の不在によ
り同定することができる。あるいは、マーカー遺伝子を、一つのプロモータの制
御下でセリンプロテアーゼをコード化する核酸と縦に並んで配置しても差し支え
ない。誘導または選択に反応するマーカー遺伝子の発現は、通常、同様にセリン
プロテアーゼの発現を示す。
【0057】 あるいは、セリンプロテアーゼの暗号配列を含有し、そのタンパク質を発現す
る宿主細胞は、当業者に知られている様々な方法により同定してもよい。これら
の方法としては、以下に限定されるものではないが、核酸またはタンパク質の検
出および/または定量のための膜ベース、溶液ベース、またはチップベースの技
術を含む、DNA−DNAまたはDNA−RNAハイブリッド形成およびタンパ
ク質生物検定または免疫学的検定技術が挙げられる。
【0058】 セリンポリヌクレオチド配列の存在は、枯草菌SP1、SP2、SP3、SP
4またはSP5のプローブ、部分または断片を用いた、DNA−DNAまたはD
NA−RNAハイブリッド形成または増幅により検出することができる。
【0059】VII.プロテアーゼ活性の検定 プロテアーゼ活性を検出し、測定する様々な検定法が当業者に知られている。
フォーリン法を用いて比色によりまたは280nmでの吸光度として測定されたカ ゼインまたはヘモグロビンからの酸溶性ペプチドの放出に基づく検定法がある(
Bergmeyer et al., 1984, Methods of Enzymatic Analysis vol:5, Peptidase,
Proteinases and their Inhibitors, Verlag Chemie, Weinheim)。他の検定法 としては、色素基質の可溶化が挙げられる(Ward, 1983, Proteinases, in Micr
obial Enzymes and Biotechnology (W.M. Fogarty, ed.), Applied Science, Lo
ndon, pp.251-317)。
【0060】VIII.組換えタンパク質の分泌 グラム陽性宿主細胞中で異型または相同タンパク質の分泌のレベルを測定し、
分泌されたタンパク質を検出する手段には、そのタンパク質に特異的な多クロー
ン性または単クローン性抗体のいずれかを使用することが含まれる。そのような
例としては、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、放射線免疫検定法(RI
A)および蛍光励起細胞分離法(FACS)が挙げられる。これらと他の検定法
が、とりわけ、Hampton R et al.(1990, Serological Methods, a Laboratory Manual, APS Press, St Paul MN)およびMaddox DE et al.(1983, J Exp Med 1
58:1211)に記載されている。
【0061】 様々な標識および接合技術が、当業者に知られており、様々な核酸およびアミ
ノ酸検定法に使用することができる。特定のポリヌクレオチド配列を検出するた
めの標識ハイブリッド形成またはPCRプローブを産生する手段としては、オリ
ゴラベリング、ニックトランスレーション、末端標識または標識ヌクレオチドを
用いたPCR増幅が挙げられる。あるいは、ヌクレオチド配列、またはそのうち
のある部分を、mRNAプローブの産生のためにベクター中にクローニングして
もよい。そのようなベクターは、従来技術で知られており、市販されており、T
7、T3またはSP6のような適切なRNAポリメラーゼおよび標識ヌクレオチ
ドを添加することにより、インビトロでRNAプローブを合成するのに用いても
よい。
【0062】 ファーマシアバイオテック(Pharmacia Biotech: ニュージャージー州、ピス キャタウェイ)、プロメガ(Promega:ワイオミング州、マジソン)、およびユー
エスバイオケミカル社(US Biochemical Corp:オハイオ州、クリーブランド)の
ような多くの会社が、これらの方法のための市販のキットおよび実験計画を供給
している。適切なリポーター分子または標識としては、放射性核種、酵素、蛍光
剤、化学発光剤、または色素剤並びに基質、補因子、阻害剤、磁気粒子等が挙げ
られる。このような標識の使用を教示している特許としては、米国特許第3,817,
837号、同第3,850,752号、同第3,939,350号、同第3,996,345号、同第4,277,437 号、同第4,275,149号および同第4,366,241号が挙げられる。また、組換え免疫グ
ロブリンも、ここに引用する米国特許第4,816,567号に示したように産生しても よい。
【0063】IX.タンパク質の精製 異型または相同タンパク質をコード化するポリヌクレオチド配列で形質転換さ
れたグラム陽性宿主細胞を、細胞培地からコード化されたタンパク質の発現およ
び回収に適した条件下で培養してもよい。セリンプロテアーゼ活性の突然変異ま
たは欠失を含む組換えグラム陽性宿主細胞により産生されたタンパク質を培地中
に分泌させる。他の組換え構成物が、前記異型または相同ポリヌクレオチド配列
を、溶性タンパク質の精製を促進させるポリペプチドドメインをコード化するヌ
クレオチド配列に結合させてもよい(Kroll DJ et al. (1993) DNA Cell Biol 1
2:411-53)。
【0064】 そのような精製促進ドメインとしては、以下に限定されるものではないが、固
定化された金属上で精製できるヒスチジン−トリプトファンモジュールのような
金属キレート化ペプチド(Porah J (1992) Protein Expr Purif 3:263-281)、 固定化された免疫グロブリン上で精製できるタンパク質Aドメイン、およびFL
AGS延長/親和性精製系に用いられるドメイン(イミュネックス社:Immunex C
orp, ワシントン州、シアトル)が挙げられる。精製ドメインと異型タンパク質 との間の因子XAまたはエンテロキナーゼ(インビトロゲン: Invitrogen,カリ フォルニア州、サンディエゴ)のような分割可能なリンカー配列を含めて、精製
を促進させても差し支えない。
【0065】X.本発明の使用 遺伝子操作された宿主細胞 本発明は、タンパク質分解活性が減少したまたは完全に欠失するようにSP1
、SP2、SP3、SP4またはSP5をコード化する天然に存在する遺伝子中
に好ましくは非復帰性突然変異または欠失を含む遺伝子操作された宿主細胞を提
供する。この宿主細胞は、米国特許第5,264,366号に開示された成熟中性プロテ アーゼおよび/または成熟サブチリシンプロテアーゼの欠失のような、追加のプ
ロテアーゼ欠失を含んでもよい。
【0066】 好ましい実施の形態において、宿主細胞はさらに、所望のタンパク質またはポ
リペプチドを産生するように遺伝子操作されている。好ましい実施の形態におい
て、宿主細胞はバチルス属である。別の好ましい実施の形態において、宿主細胞
は枯草菌である。
【0067】 別の実施の形態において、宿主細胞は、グラム陽性SP1、SP2、SP3、
SP4またはSP5を産生するように遺伝子操作されている。好ましい実施の形
態において、該宿主細胞は、大規模発酵条件下で成長させられ、前記SP1、S
P2、SP3、SP4またはSP5が単離および/または精製され、洗浄剤のよ
うな洗浄組成物中で用いられる。洗浄剤配合物が、国際特許出願公開第WO95/106
15号に開示されている。本発明のセリンプロテアーゼは、様々な洗浄組成物を配
合するのに有用である。様々な既知の化合物が、本発明のセリンプロテアーゼを
含む組成物中に有用な適切な界面活性剤である。これらの例としては、米国特許
第4,404,128号および同第4,261,868号に開示されているような、非イオン、陰イ
オン、陽イオン、陰イオンまたは両性イオン洗浄剤が挙げられる。適切な洗浄剤
組成物は、米国特許第5,204,015号の実施例7に記載されているものである。従 来技術では、洗浄組成物として使用できる異なる配合物がよく知られている。さ
らに、本発明のシステインプロテアーゼを、例えば、バーソープまたは液体石鹸
用途、皿洗い配合物、コンタクトレンズ洗浄溶液または製品、ペプチド加水分解
、水処理、織物用途、タンパク質製品中の融合分割酵素等に使用することができ
る。本発明のセリンプロテアーゼは、洗浄剤組成物中において向上した性能を提
供するであろう(別の洗浄剤プロテアーゼと比較して)。ここに用いているよう
に、洗浄剤における向上した性能は、標準的な洗濯周期の後の通常の評価により
決定されるように、草または血液のようなある酵素感受性のしみの増大した洗浄
力として定義される。
【0068】 本発明のセリンプロテアーゼを、約0.01重量%から約5重量%までのレベルで
(好ましくは、0.1%から0.5%まで)6.5から12.0までのpHを有する既知の粉 末または液体洗浄剤に配合することができる。これらの洗浄剤組成物は、既知の
プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼまたはエンドグリコシダーゼ
、並びにビルダーおよび安定剤を含んでも差し支えない。
【0069】 セリンプロテアーゼを従来の洗浄組成物に加えることにより、どのような特別
の用途限定も生じない。言い換えれば、pHが上述した範囲内にあり、温度が記
載したセリンプロテアーゼ変性温度未満である限りは、前記洗浄剤に適したどの
ような温度およびpHも本発明の組成物に適している。さらに、セリンプロテア
ーゼは、単独で、またはビルダーおよび安定剤と組合せのいずれかで、洗浄剤を
含まずに洗浄組成物中に用いても差し支えない。
【0070】 本発明のある態様は、本発明のセリンプロテアーゼを含む織物の処理用の組成
物である。この組成物を用いて、例えば、RD216,034、欧州特許第134,267号、米
国特許第4,533,359号、および欧州特許第344,259号のような公報に記載されてい
るような絹または羊毛を処理しても差し支えない。
【0071】 プロテアーゼは、米国特許第5,612,055号、同第5,314,692号および同第5,147,
642号に記載されているように、動物用飼料の添加物の一部として動物用飼料に 含まれても差し支えない。
【0072】ポリヌクレオチド 枯草菌SP1、SP2、SP3、SP4またはSP5ポリペプチド、またはそ
のいずれかの部分が、ハイブリッド形成技術およびPCR技術によりグラム陽性
微生物ポリヌクレオチド相同体の存在を検出する原理を提供する。
【0073】 したがって、本発明のある態様は、グラム陽性SP1、SP2、SP3、SP
4またはSP5もしくはそれらの部分をコード化するゲノムおよびcDNAを含
む、ポリヌクレオチド配列を検出するのに使用できる核酸ハイブリッド形成およ
びPCRプローブを提供する。
【0074】 本発明を実施する様式および方法は、以下の実施例を参照して、当業者によっ
てより完全に理解されるであろう。それらの実施例は、本発明の範囲または特許
請求の範囲をいかようにも制限することを意図したものではない。
【0075】 実施例1 ゲノムライブラリーの調製 以下の実施例は、バチルス属ライブラリーの調製を説明するものである。
【0076】 バチルス属細胞からのゲノムDNAを、Current Protocols In Molocular Bio
logy vol.1, edited by Ausubel et al., John Wiley & Sons, Inc. 1987, chap
ter 2.4.1に教示されたように調製する。一般的に、飽和液体培地からのバチル ス属細胞を溶解させ、プロテイナーゼKによる消化によりタンパク質を除去する
。細胞壁デブリ、多糖類、および残りのタンパク質を、CTABによる選択的沈
殿により除去し、高分子量のゲノムDNAを、イソプロパノール沈殿により得ら
れた上澄みから回収する。特別に透明なゲノムDNAが望ましい場合には、塩化
セシウム勾配でバチルス属ゲノムDNAを精製する追加の工程を加える。
【0077】 精製したゲノムDNAを得た後、このDNAにSar3A消化を施す。Sar3Aは、4
つの塩基対GATCを認識し、いくつかの都合よいファージラムダおよびコスミ
ドベクターに適合する断片を産生する。前記DNAに部分的消化を施して、無作
為の断片を得る機会を増やす。
【0078】 部分的に消化されたバチルス属ゲノムDNAに、ベクター中へのクローニング
前に1%アガロースゲル上でのサイズ分別を行う。あるいは、スクロース勾配上
でのサイズ分別を用いても差し支えない。このサイズ分別工程から得られたゲノ
ムDNAをアガロースから精製し、宿主細胞中に使用するのに適したクローニン
グベクター中にライゲーションし、この宿主細胞中に形質転換する。
【0079】 実施例II グラム陽性微生物の検出 以下の実施例は、グラム陽性微生物SP1の検出を説明するものである。同一
の方法を用いて、SP2、SP3、SP4またはSP5を検出することができる
【0080】 グラム陽性微生物由来のDNAを、Current Protocols in Molecular Biology
, Chap.2 or 3に開示された方法にしたがって調製する。この核酸に、SP1由 来のプローブまたはプライマーによるハイブリッド形成および/またはPCR増
幅を施す。好ましいプローブは、保存されたアミノ酸残基を含有する核酸部分を
含む。
【0081】 核酸プローブを、50ピコモルの核酸および250mCiの[ガンマ32P]アデ ノシン三リン酸(イリノイ州、シカゴのアメルシャム社)およびT4ポリヌクレ
オチドキナーゼ(マサチューセッツ州、ボストンのデュポンNEN(登録商標)
)を組み合わせることにより標識付ける。標識付けられたプローブを、セファデ
ックスG−25超微細樹脂カラム(ファーマシア)で精製する。ゲノムまたはc
DNA起源いずれかの核酸試料の典型的な膜ベースのハイブリッド形成分析に、
各々毎分10カウントを含有する部分を用いる。
【0082】 制限エンドヌクレアーゼ消化を施したDNA試料を、0.7%のアガロースゲル 上で分別し、ナイロン膜に移す(ニューハンプシャー州、ダーハムのNytran Plu
s, Schleicher & Schuell)。ハイブリッド形成を、40℃で16時間に亘り行う。 非特異的シグナルを除去するために、続いて、0.1×食塩クエン酸ナトリウムお よび0.5%のドデシル硫酸ナトリウムまでの増大したストリンジェント条件下に おいて室温でブロットを洗浄する。ブロットを数時間に亘りフイルムに露出し、
そのフイルムを現像し、ハイブリッド形成パターンを視覚的に比較して、枯草菌
SP1のポリヌクレオチド相同体を検出する。この相同体に確認のための核酸塩
基配列決定を行う。核酸塩基配列決定の方法が、従来技術においてよく知られて
いる。従来の酵素的方法では、DNAポリメラーゼクレノー断片であるSEQUENAS
E(登録商標)(オハイオ州、クリーブランドのユーエスバイオケミカル社)ま たはTaqポリメラーゼを用いて、関心のあるDNAテンプレートにアニールし
たオリゴヌクレオチドプライマーからDNA鎖を延長する。
【0083】 上述した説明および実施例の様々な他の例および変更は、本発明の精神および
範囲から逸脱せずにこの開示を読んだ後には当業者にとって明確であり、そのよ
うな例または変更は添付した特許請求の範囲内に含めることが意図される。ここ
に参照した全ての出版物および特許が、完全にここに引用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1A−1Cは、SP1(YUXL)のDNA(配列番号1番)および推定ア
ミノ酸配列(配列番号2番)を示している。
【図2】 図2A−2Bは、SP1(YUXL)のDAP(dap_yeast)(配列番号3番 )とのアミノ酸配列の整合を示している。図2A−2B、3および4に関して、
アミノ酸三連構造S−D−Hが示されている。
【図3】 図3は、SP1(YUXL)(配列番号2番)のSP2(YTMA)(配列番
号5番)とのアミノ酸配列の整合を示している。
【図4】 図4は、SP1(YUXL)(配列番号2番)のSP3(YITV)(配列番
号7番)とのアミノ酸配列の整合を示している。
【図5】 図5は、SP1(YUXL)(配列番号2番)のSP4(YQKD)(配列番
号9番)とのアミノ酸配列の整合を示している。
【図6】 図6は、SP1(YUXL)(配列番号2番)のSP5(CAH)(配列番号
10番)とのアミノ酸配列の整合を示している。
【図7】 図7A−7Bは、SP2(YTMA)(配列番号5番)のDNA(配列番号4
番)および推定アミノ酸配列を示している。
【図8】 図8A−8Bは、SP3(YITV)(配列番号7番)のDNA(配列番号6
番)および推定アミノ酸配列を示している。
【図9】 図9A−9Bは、SP4(YQKD)(配列番号9番)のDNA(配列番号8
番)および推定アミノ酸配列を示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 9/56 (C12N 1/21 (C12N 1/21 C12R 1:07) C12R 1:07) C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,HU,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LK,LR,LS,LT,LU, LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,N Z,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI ,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US, UZ,VN Fターム(参考) 4B024 AA03 BA07 BA80 CA02 CA09 DA07 EA03 EA06 GA11 HA13 HA14 4B050 DD02 LL04 4B065 AA01X AA15X AA15Y AC14 AC20 BA02 CA24 CA27 4H003 EC02

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SP1、SP2、SP3、SP4およびSP5からなる群よ
    り選択されたセリンプロテアーゼをコード化する遺伝子の一部または全てが突然
    変異または欠失されたグラム陽性微生物であって、該突然変異または欠失により
    、前記SP1、SP2、SP3、SP4またはSP5のタンパク質分解活性が不
    活性化されることを特徴とするグラム陽性微生物。
  2. 【請求項2】 バチルス属の細菌であることを特徴とする請求項1記載のグ
    ラム陽性微生物。
  3. 【請求項3】 前記細菌が、B.licheniformis、B.lentus、B.brevis、B.ste
    arothermophilus、B.alkalophilus、B.amyloliquefaciens、B.coagulans、B.cic
    ulans、B.lautusおよびB.thuringiensisからなる群より選択されることを特徴と
    する請求項2記載の微生物。
  4. 【請求項4】 前記微生物が異型タンパク質を発現できることを特徴とする
    請求項1記載の微生物。
  5. 【請求項5】 前記異型タンパク質が、ホルモン、酵素、増殖因子およびサ
    イトカインからなる群より選択されることを特徴とする請求項4記載の微生物。
  6. 【請求項6】 前記異型タンパク質が酵素であることを特徴とする請求項5
    記載の微生物。
  7. 【請求項7】 前記酵素が、プロテアーゼ、カルボヒドラーゼ、およびリパ
    ーゼ;ラセマーゼ、エピメラーゼ、トートメラーゼ、またはムターゼのようなイ
    ソメラーゼ;トランスフェラーゼ、キナーゼおよびホスファターゼからなる群よ
    り選択されることを特徴とする請求項6記載の微生物。
  8. 【請求項8】 SP1、SP2、SP3、SP4およびSP5からなる群よ
    り選択される少なくとも一つのセリンプロテアーゼを含む洗浄組成物。
  9. 【請求項9】 SP1、SP2、SP3、SP4およびSP5からなる群よ
    り選択されるセリンプロテアーゼをコード化する核酸を含む発現ベクター。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
  11. 【請求項11】 バチルス属宿主細胞中で異型タンパク質を産生する方法で
    あって、 (a) 前記異型タンパク質をコード化する核酸を含み、セリンプロテアーゼ1 、セリンプロテアーゼ2、セリンプロテアーゼ3、セリンプロテアーゼ4および
    セリンプロテアーゼ5をコード化する遺伝子の内の少なくとも一つが突然変異ま
    たは欠失されたバチルス属宿主細胞を得て、 (b) 該バチルス属宿主細胞を、前記異型タンパク質の発現に適した条件下で 増殖させる、 各工程を含むことを特徴とする方法。
  12. 【請求項12】 前記バチルス属宿主細胞が、枯草菌、B.licheniformis、B
    .lentus、B.brevis、B.stearothermophilus、B.alkalophilus、B.amyloliquefac
    iens、B.coagulans、B.ciculans、B.lautusおよびB.thuringiensisからなる群よ
    り選択されることを特徴とする請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記バチルス属宿主細胞が、apr、npr、epr、w
    prおよびmrpをコード化する遺伝子の内の少なくとも一つが突然変異または
    欠失されていることを特徴とする請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 セリンプロテアーゼ1、セリンプロテアーゼ2、セリンプ
    ロテアーゼ3、セリンプロテアーゼ4およびセリンプロテアーゼ5からなる群よ
    り選択されるセリンプロテアーゼをコード化する遺伝子の内の少なくとも一つが
    突然変異または欠失されているグラム陽性微生物。
  15. 【請求項15】 apr、npr、epr、wprおよびmrpをコード化
    する遺伝子の内の少なくとも一つが突然変異または欠失されていることを特徴と
    する請求項14記載の微生物。
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