JP2001509168A - 血管新生を誘導するためのアデノウイルスベクターの多部位送達 - Google Patents

血管新生を誘導するためのアデノウイルスベクターの多部位送達

Info

Publication number
JP2001509168A
JP2001509168A JP53224998A JP53224998A JP2001509168A JP 2001509168 A JP2001509168 A JP 2001509168A JP 53224998 A JP53224998 A JP 53224998A JP 53224998 A JP53224998 A JP 53224998A JP 2001509168 A JP2001509168 A JP 2001509168A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
angiogenesis
vector
tissue
target tissue
region
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP53224998A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001509168A5 (ja
Inventor
ケイ. ローゼンガート、トッド
ジー. クリスタル、ロナルド
Original Assignee
コーネル リサーチ ファウンデーション、インコーポレイティッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US08/801,352 external-priority patent/US5846225A/en
Application filed by コーネル リサーチ ファウンデーション、インコーポレイティッド filed Critical コーネル リサーチ ファウンデーション、インコーポレイティッド
Publication of JP2001509168A publication Critical patent/JP2001509168A/ja
Publication of JP2001509168A5 publication Critical patent/JP2001509168A5/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/11DNA or RNA fragments; Modified forms thereof; Non-coding nucleic acids having a biological activity
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K48/00Medicinal preparations containing genetic material which is inserted into cells of the living body to treat genetic diseases; Gene therapy
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/17Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • A61K38/18Growth factors; Growth regulators
    • A61K38/1858Platelet-derived growth factor [PDGF]
    • A61K38/1866Vascular endothelial growth factor [VEGF]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • A61P9/10Drugs for disorders of the cardiovascular system for treating ischaemic or atherosclerotic diseases, e.g. antianginal drugs, coronary vasodilators, drugs for myocardial infarction, retinopathy, cerebrovascula insufficiency, renal arteriosclerosis

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Cardiology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)
  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、標的組織への血液の灌流のレベルを増進させる方法、虚血性損傷を病んでいるか、あるいは病む危険性のある標的組織の処置方法、標的組織における血管新生の誘導方法、および/または血管閉塞に冒されているか、あるいは冒される危険性のある標的組織における側副血管形成の誘導方法を提供する。本発明の方法は、(a)医薬上許容される担体および(b)血管形成誘導ペプチドをコードするDNAを含むアデノウイルスベクターを含有する医薬組成物の一用量を、該組織へ投与し、該標的組織への血液の灌流のレベルを増進させ、該用量により該標的組織において治療または予防効果をもたらし、該標的組織において血管新生を誘導し、および/または該アデノウイルスベクターを側副血管形成のための起点、終点およびそれらの間の領域を含む領域に接触させて側副血管形成を誘導する。

Description

【発明の詳細な説明】 血管新生を誘導するためのアデノウイルスベクターの多部位送達 発明の技術分野 本発明は標的組織への血液の灌流のレベルを増進させる方法、虚血性損傷を病 むか、あるいは病む危険性のある標的組織の処置方法、並びに標識組織内での血 管新生の誘導方法に関する。 発明の背景 新しい血管の成長である血管新生は、血管基底膜の破壊、内皮細胞の移動およ び増殖、並びにその後の血管の形成および成熟を含む複雑な過程である。いくつ かのメディエーターが血管新生応答を誘導することが知られており、これらのメ ディエーターの投与により虚血組織の血管再形成が促進される。血管内皮増殖因 子(VEGF蛋白)は、その受容体が内皮細胞上にほとんど独占的に局在するた めに、公知の血管新生のメディエーターの中で最も特異的なものの1つである。 VEGFに対する受容体は虚血条件下で上向きに調節され、組換えVEGFを投 与すると、側副血管の発生が生じ、末梢および心筋の虚血組織における機能が向 上する。 しかしながら、VEGF蛋白の送達は非常に困難である。VEGF蛋白の半減 期は非常に短く、高用量のVEGF蛋白の投与は低血圧を伴い、また、VEGF 蛋白の全身投与はターゲッティングすべき組織以外の組織における無差別な血管 新生の誘導を引き起こし得る。無差別な血管新生の誘導は、失明を引き起こし、 腫瘍細胞の侵襲性を増大させ、多くの他のネガティブな副作用を引き起こし得る 。さらに、送達されるVEGF蛋白の量が重要である。もしVEGF蛋白があま りにも少ししか送達されなければ、血管新生は誘導されず、顕著な治療的利益は 達成されないだろう。もしVEGF蛋白があまりにも多く送達されれば、結果と し て無秩序な血管系の下地の形成、冒された組織における機能の喪失および無差別 な血管新生が起こり得る。 さらに、血管形成誘導ペプチドをコードするDNAを含有するリポソームおよ び/または「裸の」DNAの投与を介した血管新生の誘導もまた、多くの短所を 抱えている。特に、リポソームと「裸の」DNAの送達形式は、どちらも細胞へ の遺伝子導入においてウイルスよりも効率が低く、宿主ゲノムへの組込みにおい て非効率的であり、また、特定の組織にターゲッティングすることが困難である 。 前記の点を考慮して、標的組織における血管新生を誘導する有効な方法が要望 されている。本発明はそのような方法を提供する。これらの、および他の本発明 の利点、並びに本発明のさらなる特徴は、本明細書に示される発明の説明から明 らかとなるだろう。 発明の簡単な要約 本発明は、(a)医薬上許容される担体および(b)血管形成誘導ペプチドをコード するDNAを含むアデノウイルスベクターを含有する医薬組成物の一用量を、標 的組織への複数回適用を介して投与し、該標的組織への血液の灌流のレベルを増 進させることを含む、該標的組織への血液の灌流のレベルを増進させる方法を提 供する。また、(a)医薬上許容される担体および(b)血管形成誘導ペプチドをコー ドするDNAを含むアデノウイルスベクターを含有する医薬組成物の一用量を、 標的組織への複数回適用を介して投与し、該用量により該標的組織において治療 または予防効果をもたらすことを含む、虚血性損傷を病んでいるか、あるいは病 む危険性のある該標的組織の処置方法を提供する。さらに、(a)医薬上許容され る担体および(b)血管形成誘導ペプチドをコードするDNAを含むアデノウイル スベクターを含有する医薬組成物の一用量を、標的組織への複数回適用を介して 投与し、該標的組織において血管新生を誘導することを含む、該標的組織におけ る血管新生の誘導方法を提供する。加えて、(a)医薬上許容される担体およ び(b)血管形成誘導ペプチドをコードするDNAを含むアデノウイルスベクター を含有する医薬組成物の一用量を標的組織に投与し、該アデノウイルスベクター を側副血管形成の起点、終点およびそれらの間の部分を含む領域に接触させて側 副血管形成を誘導することを含む、血管閉塞に冒された、あるいは冒される危険 性のある該標的組織における側副血管形成の誘導方法を提供する。 好適な態様の説明 本発明は、以下の好適な態様の詳細な説明に関して最もよく理解されるだろう 。本発明は、標的組織への血液の灌流のレベルを増進させる方法、虚血性損傷を 病んでいる、あるいは病む危険性のある標的組織の処置方法、標的組織において 血管新生を誘導する方法および/または血管閉塞に冒された、あるいは冒される 危険性のある標的組織における側副血管形成を誘導する方法を提供する。これら の方法の各々は、(a)医薬上許容される担体および(b)血管形成誘導ペプチドをコ ードするDNAを含むアデノウイルスベクターを含有する医薬組成物の一用量を 、標的組織への複数回適用を介して投与し、該標的組織への血液の灌流のレベル を増進させ、該用量により該標的組織において治療または予防効果をもたらし、 該標的組織において血管新生を誘導し、および/または該アデノウイルスベクタ ーを側副血管形成の起点、終点およびそれらの間の部分を含む領域に接触させて 側副血管形成を誘導することを含む。血管新生の誘導 「血管新生を誘導する」という語は、血管新生が開始されるか、あるいは増進 するかのいずれかを意味する。それ故、例えば、標的組織にまだ血管新生が起こ っていない場合は、本方法は該標的組織における血管新生の開始を提供する。し かしながら、標的組織にすでに血管新生が起こっている場合は、本方法は血管新 生のレベルを増進させるか向上させる手段を提供する。標的組織 いかなる適切な組織も、本発明における投与対象となり得る。好ましくは、標 的組織はDNAによりコードされる血管形成誘導ペプチドと結合し得る受容体を 含み、より好ましくは、標的組織はVEGF受容体を含む。最も好ましくは、標 的組織は内皮細胞を含む。一般に、標的組織は、心臓のような別個の器官の一部 であったり、あるいは別個の器官を形成するだろう(例えば、筋肉)。 通常、標的組織は、該組織が酸素付加された血液の十分な供給を阻まれた際に 結果として起こる虚血性損傷を病んでいるか、あるいは病む危険性があるだろう 。酸素付加された血液供給の遮断はしばしば血管閉塞によって引き起こされる。 このような血管閉塞は、動脈性硬化症、外傷、外科的処置、疾患および/または 他の徴候によって引き起こされ得る。組織が望ましくない血管閉塞から虚血性損 傷を病む危険性があるかどうかを決定する多くの手法がある。このような方法は そのような病態を治療する医師にはよく知られている。例えば、心筋の疾患にお いては、これらの方法として種々の造影技術(例えば、99mTc-sestamib iスキャニング、X線およびMRIスキャニング等の放射性トレーサ一方法論) および生理学的検査が挙げられる。それ故、血管閉塞に冒された、あるいは冒さ れる危険性のある組織において血管新生を誘導することは、そのような組織にお ける虚血を予防するおよび/または軽減する有効な手段である。したがって、い かなる適切な組織も血管新生を誘導する標的となり得るが、標的組織は血管閉塞 に冒されたものか、あるいは冒される危険性のあるものであることが好ましい。 例えば、脳、心臓、膵臓、四肢全体、もしくは足などのより大きな身体の部分 のような、別個の器官への血液の供給は、疾患、外傷、手術もしくは他の出来事 により減じ得る。このような減衰した血液供給の緩和は、その原因に関係なく本 発明が目的とするものである。したがって、心筋の虚血および発作などの徴候に 由来する損傷を予防または緩和することは十分に意図されている。さらに、外科 的処置の計画は、患者の血管系の特定の部分を通る血液供給の遮断を予見するこ とができる。本方法にしたがって前処置することにより、これらの手術の所望の 結果を実質的に改善させることができる。その場合、好ましくは、処置は該手術 の約1日ないし約6週間前になされ、より好ましくは、手術の約2ないし14日 前になされる。血管形成誘導ベクターの投与 前述のように、VEGF蛋白などの血管形成誘導ペプチドの全身投与を介して 血管新生を誘導すると、例えば、失明を引き起こし、腫瘍細胞の侵襲性を増大さ せ得る無差別な血管新生の誘導が起こり得る。それ故、そのようなネガティブな 副作用を軽減もしくは予防するために、それを必要とする組織(すなわち、標的 組織)のみに血管新生を誘導することが望ましい。 本発明は、血管形成誘導ペプチドをコードするDNAを含有するアデノウイル スベクターを、標的組織に、局在化する様式で投与することを含む。本発明にお いては、いかなる適切な血管形成誘導ベクターの標的組織への投与手段も使用す ることができるが、好ましくは、標的組織へのそのような局在投与は、該標的組 織に血管形成誘導ベクターを直接注入するか、あるいは該標的組織に血管形成誘 導ベクターを局所的に塗布することにより達成される。「注入する」という語は 、血管形成誘導ベクターを標的組織内に強制的に導入することを意味する。本発 明においては、いかなる適切な注入装置も使用することができる。そのような注 入装置としては、同時複数注入の送達が可能な遺伝子導入送達装置に関する米国 特許出願第08/801,352号に記載されるものが挙げられるが、それに限定されない 。本発明において使用することができる別の注入装置の例として、侵襲性が最小 の注入装置が挙げられる。このような装置は、例えば、5インチ未満の小さな切 り込みを通して心臓に到達することができ、上記の複数注入装置とは対照的に、 単一の内腔を通じて注入するように設計されている。特異な幾何学図形をなす複 数 注入の必要性のために、以前の注入部位がよく描写されるようにマーキングシス テムを使用することができる。侵襲性が最小の注入装置は、フレキシブルで操縦 可能で、心臓の湾曲した外表面につけた小さな切り込みを介して心臓に到達可能 なインジェクターチップを含むことができ、例えば、該表面は、侵襲が最小限な 手術に必要とされる制限された開口部に対してさまざまな角度をなして存在する 。 さらに、血管形成誘導ベクターは、標的組織のいかなる適切な表面に投与して もよく、内表面もしくは外表面のいずれに投与してもよい。例えば、心組織に血 管形成誘導ベクターを直接注入するに関しては、そのような注入は心臓のいかな る適切な表面からも(すなわち、心内膜および/または心外膜に)投与すること ができることを意図している。しかしながら、どのような血管形成誘導ベクター の投与手段を選択しようとも、非標的組織における血管新生の誘導は最小限にす ることが望ましい。 一用量の血管形成誘導ベクターの投与は、標的組織への一回の適用(例えば、 一回の注入または一回の局所塗布)によって達成することができるが、好ましく は、該用量を血管形成誘導ベクターの複数回適用によって投与する。複数回適用 は2,3,4,5回または6回以上の適用であってよく、好ましくは5回以上の 適用、より好ましくは8回以上の適用、最も好ましくは少なくとも10回(例え ば、10,15または20回)の適用である。複数回適用は、各適用がなされる 標的組織上の位置によって決まる特異な幾何学図形のようなパラメータにより操 作することができるという点で、一回適用よりも利点を提供する。複数回適用に より一用量の血管形成誘導ベクターの投与をよりよく制御することができ、いか なる所定の用量を投与しても有効性を最大限にすることができる。このようにし て、大用量を一点適用するのに付随する望ましくない効果もまた、最小限にする ことができる。 複数回適用の特異な幾何学図形は、二次元または三次元空間において、血管形 成誘導ベクターの各適用がなされる標的組織上の位置によって決まる。複数回適 用は、好ましくは適用点が約4cmまで(例えば、約0.5〜4cm)、より好 ましくは約3cmまで(例えば、約1〜3cm)、最も好ましくは約2cmまで (例えば、約1〜2cm)の間隔で隔てられる。二次元空間における複数回適用 の特異な幾何学図形に関しては、特異な幾何学図形は複数回適用が位置する平面 (すなわち、標的組織の横断切片)によって決まる。複数回適用によって決まる 平面は、標的組織の表面から一定の距離(すなわち、標的組織の表面と実質的に 平行)のところにあってもよく(該平面の深さ)、あるいは該平面は標的組織の 表面に対してある角度で位置してもよい。好ましくは、一回の適用は該平面の約 0.5〜15cm2おきに、より好ましくは該平面の約1〜12cm2おきに、最 も好ましくは該平面の約1.5〜7cm2おきになされるだろう。該平面の深さ は、好ましくは約1〜10mm、より好ましくは約2〜7mm、最も好ましくは 約3〜5mmである。三次元空間においては、一回の適用は、好ましくは標的組 織の約50cm3まで(例えば、約0.5〜50cm3)、より好ましくは標的組 織の約35cm3まで(例えば、約1〜35cm3)、最も好ましくは標的組織の 約15cm3まで(約3〜15cm3)に対してなされる。さらに、複数回適用は 、いかなる適切なパターンまたは特異な幾何学図形をも描くことができる。した がって、例えば、二次元空間においては複数回適用は正方形を描くことができる のに対し、三次元空間においては複数回適用は立方体を描くことができる。 操作可能な複数回適用の別のパラメータは、各適用間の時間差である。好まし くは、複数回適用の各々はお互いの約10分以内(例えば、約0.5〜10分) に、より好ましくはお互いの約8分以内(例えば、約0.5〜8分)に、いっそ う好ましくはお互いの約6分以内(例えば、約1〜6分)に投与される。最も好 ましくは、一回用量の複数回適用のすべてが前記時間枠内に投与される。最適に は、複数回投与の各々は実質的に同時に投与される。 特異な幾何学的配列と複数回適用の時間差の両方を操作することにより、非標 的組織における血管新生の誘導を最小限にすることができる。 血管閉塞に冒されているか、あるいは冒される危険性のある標的組織に血管形 成誘導ベクターを投与する場合、投与は、該血管形成誘導ベクターが、血管閉塞 に対してバイパスとして機能するであろう側副血管形成の起点、終点およびその 間の領域と程良く隣接する領域と接触することができるようになされることが望 ましい。血管形成誘導ベクターを、側副血管形成の起点および終点の正確な部位 に実際に接触させる必要はないと信じられている。しかしながら、血管形成誘導 ベクターの複数回適用においては、複数回適用の特異な幾何学図形は、該血管形 成誘導ベクターを、側副血管形成の起点、終点およびその間の領域を含む領域に 接触させるか、もしくは到達させるように、好ましくは、その間の領域とともに 側副血管形成の起点および終点の正確な部位に実際に接触させるように描くのが 望ましい。 さらに、血管形成誘導ベクターの標的組織への投与は、インビボ(in vivo) またはイクスビボ(ex vivo)のいずれかで達成することができる。したがって 、例えば、標的組織を本発明の方法のレシピエントから除去し、血管形成誘導物 質で処理した後、レシピエントに再移植することができる。血管形成誘導物質の 標識組織へのイクスビボ投与はまた、望ましくない非標的組織における血管新生 の誘導を最小限にするのにも役立つ。血管形成誘導ベクター 前述のように、血管形成誘導物質としてのVEGF蛋白の組織への送達は、大 部分はその非常に短い半減期のせいで非常に難しい。しかしながら、血管形成誘 導物質として血管形成誘導ペプチドをコードするDNAを含むアデノウイルスベ クターを利用することにより、宿主細胞を感染させ、それによって約1週間血管 形成誘導ペプチドの持続的で予測できる有効な産生を誘導することが可能である 。約1週間後、アデノウイルスベクターは血管形成誘導ペプチドを産生するのを 止め、その程度までで、本発明は血管新生誘導の自己終結方法を提供する。 アデノウイルスベクターは、プラスミドや他のウイルスベクター(例えば、単 純ヘルペスウイルス)とは異なり、分裂細胞と非分裂細胞の両方に遺伝子導入を 達成し、心筋、血管内皮および骨格筋などの心血管関連部位において高レベルで 蛋白を発現するので、好適である。さらに、アデノウイルスベクターによって導 入された遺伝子は、染色体外の位置で機能し、宿主ゲノムの重大な部位に導入さ れた遺伝子を不適当に挿入する危険性がほとんどない。アデノウイルスベクター はまた、ウイルス複製に必要な少なくとも1つの遺伝子機能を欠損していること が好ましい。好ましくは、アデノウイルスベクターは、アデノウイルスゲノムの E1領域の少なくとも1つの不可欠な遺伝子機能、特にE1a領域を欠損し、よ り好ましくは、該ベクターは、E1領域の少なくとも1つの不可欠な遺伝子機能 およびE3領域の一部を欠損(例えば、E3領域のXbaI欠失)するか、ある いはE1領域の少なくとも1つの不可欠な遺伝子機能およびE4領域の少なくと も1つの不可欠な遺伝子機能を欠損する。しかしながら、E2a領域の少なくと も1つの不可欠な遺伝子機能を欠損したアデノウイルスベクターおよびE3領域 のすべてを欠損したアデノウイルスベクターもまた意図されており、且つ当該技 術分野においてよく知られている。E4領域全体を欠失したアデノウイルスベク ターは、より低い宿主免疫応答を引き出すことができる。適切な複製欠損アデノ ウイルスベクターがPCT国際公開WO 95/34671号およびWO 97/21826号に開示さ れている。例えば、適切な複製欠損アデノウイルスベクターとして、E1a領域 の部分欠失、E1b領域の部分欠失、E2a領域の部分欠失およびE3領域の部 分欠失を有するものが挙げられる。あるいは、複製欠損アデノウイルスベクター は、E1領域の欠失、E3領域の部分欠失およびE4領域の部分欠失を有してい てもよい。 さらに、PCT国際公開WO 96/2628号に記載されるように、ウイルスベクター のコート蛋白を、特異的な蛋白質結合配列を組み込むように改変することができ 、あるいは、米国特許出願08/816,346号に記載されるように、野生型コート蛋白 に 対して指向性の中和抗体により認識されるウイルスベクターの能力もしくは認識 されない無能力を減少させるように、該ウイルスベクターのコート蛋白を改変す ることができる。 本発明においては、血管形成誘導ペプチドをコードし、且つ適切な発現シグナ ルに機能的に連結したいかなるDNAも使用することができる。該DNAはいか なる適切な発現シグナルのセットとも機能的に連結することができるが、好まし くは、該DNAの発現はサイトメガロウイルス(CMV)前初期プロモーターの 制御下にある。 さらに、該DNAはいかなる適切な血管形成誘導ペプチドをコードしてもよい 。好ましくは、血管形成誘導ペプチドはVEGF蛋白であり、より好ましくは、 血管形成誘導ペプチドはVEGF121、VEGF145、VEGF165、VEGF189 または哺乳動物の対応物であり、それらは米国特許第5,332,671号(Ferraraら)、 第5,240,848号(Keckら)および第5,219,739号(Tischerら)に種々記載されて いる。最も好ましくは、その高い生物活性のために、血管形成誘導ペプチドはV EGF121またはVEGF165、特にVEGF121である。VEGF121とVEGF165 の間の顕著な相違は、VEGF121はVEGF165がそうであるほどには高度 なアフィニティーでヘパリンと結合しないことである。一般に、VEGF蛋白は 新たな血管系の産生に関与しない組織の増殖を誘導しないので、VEGF部分は 他の血管形成誘導ペプチドよりも有利である。他の血管形成誘導ペプチドとして は、VEGFII、VEGF−C、FGF−4、アンギオゲニン、アンギオゲニン −2およびP1GFが挙げられ、それらは米国特許第5,338,840号(Bayneら)、第 5,532,343号(Bayneら)、国際特許出願WO 95/24473号(Huら)、欧州特許公報第476 983号(Bayneら)、第506 477号(Bayneら)および第550 296号(Sudoら)、並びに 日本国特許公報第1038100号、第2117698号、第2279698号および第3178996号に種 々記載されている。 アデノウイルスベクターはまた、血管形成誘導ペプチド受容体をコードするD NAを含むことができる。適切な血管形成誘導ペプチド受容体としては、例えば 、FLT−1、FLK−1およびFLT−4が挙げられる。実際、ある実施態様 においては、アデノウイルスベクターは、血管形成誘導ペプチドをコードするD NAに加えてではなく、それに代えて、血管形成誘導ペプチド受容体をコードす るDNAを利用することができる。 発現シグナルに機能的に連結し、血管形成誘導ペプチドをコードするDNAは 、発現カセットとしてアデノウイルスベクターのいかなる適切な領域にも挿入す ることができる。その点において、当業者は、アデノウイルスゲノムのある不可 欠な遺伝子領域を欠損したアデノウイルスベクターを使用することは、そのよう な欠損がベクターに導入遺伝子のための余地を提供し、且つウイルスが複製する のを妨げるであろうから、ある特定の利点があると容易に理解するだろう。好ま しくは、該DNAセグメントは、アデノウイルスベクターのE1領域に挿入され る。該DNAセグメントは、アデノウイルスベクターのいかなる適切な領域に、 いかなる適切な方向でも発現カセットとして挿入することができるが、好ましく は、該DNAセグメントの方向は右から左である。右から左の方向をもつ発現カ セットとは、該発現カセットの転写の方向が、該発現カセットが挿入されるアデ ノウイルスベクターの領域の転写の方向と逆であることを意味する。 本発明のベクターの実例となるアデノウイルスベクターは、アデノウイルスゲ ノムのE1a領域、E1b領域の一部およびE3領域の一部を欠損し、アデノウ イルスゲノムのE1領域にCMV前初期プロモーターの制御下にあるヒトVEG F121またはヒトVEGF165をコードするDNAを含む。そのようなベクターは 、投与1日後に最大となり、投与後ほぼ1週間ぐらいにはベースラインレベル以 上では検出されないインビボでのVEGF発現を支える。これは、遠位の部位で の意に添わない血管新生を最小限に抑えながら新たな血管系の実質的な増殖を提 供するのに十分なので、理想的である。その点に関して、このベクターを標的組 織に局所投与した場合、標準的なELISAモニタリングアッセイを用いて血清 中 に検出可能なVEGF発現を認めることはできない。 有利なことに、アデノウイルスゲノムのE1領域にヒトVEGF121またはV EGF165をコードするアデノウイルスベクターを標的組織に局所投与すること により、哺乳動物の四肢(例えば、Sprague-Dawleyラットの後肢)において、腸 骨および大腿骨部の動脈の連結を伴って、血流を少なくとも3倍に増大させるこ とができる。医薬組成物 血管形成誘導ベクターは、望ましくは、医薬上許容される担体および該血管形 成誘導ベクターを含む医薬組成物として標的組織に投与される。 本発明においては、医薬上許容されるいかなる適切な担体も使用することがで き、そのような担体は当該技術分野で周知である。担体の選択は、幾分は該組成 物が投与される特定の部位と、該組成物を投与するのに使用される特定の方法に よって決まるだろう。注射に適切な製剤としては、水性および非水性溶液剤、抗 酸化剤、緩衝剤、静菌剤および意図するレシピエントの血液と製剤を等張にする 溶質を含むことができる等張な滅菌注射溶液剤、並びに懸濁化剤、可溶化剤、増 粘剤、安定化剤および保存剤を含むことができる水性および非水性滅菌懸濁液剤 が挙げられる。製剤はアンプルやバイアルなどの、一回用量もしくは複数回用量 の密閉容器として提供でき、また、滅菌した液体担体、例えば水を使用直前に添 加すればよいだけのフリーズドライ(凍結乾燥)した状態で保存することもでき る。即席の注射液剤および懸濁液剤は、滅菌した、前記した類の散剤、顆粒剤お よび錠剤から調製することができる。好ましくは、医薬上許容される担体は、緩 衝化された食塩溶液である。 本発明においては、いかなる適切な容量の担体も使用することができるが、好 ましくは、血管新生が行われるべき組織(すなわち、標的組織)には該血管形成 誘導ベクターが灌流するが、該血管形成誘導ベクターが血液、リンパ排液もしく は物理的メカニズム(例えば、重力による流れもしくは浸透圧による流れ)によ ってターゲッティングされていない組織に運ばれないように、血管形成誘導ベク ターは、少量の担体中で投与される。 たいていの適用、特に、ヒト心筋注入に関するようなはっきり区別される器官 への適用の場合、投与する容量は各投与あたり20ml未満(例えば、約0.1 〜20ml)であることが好ましく、各投与あたり約2.5ml未満(例えば、 約0.5〜2.5ml)であることがより好ましい。投与量 当業者は、容易に血管形成誘導ベクターの妥当な投与量の決定を行うことがで きる。しかしながら、一般に、投与される投与量にある特定の要因が影響を与え るだろう。 妥当な投与量は標的組織において血管新生が誘導されるような量であるが、好 ましくは、投与量は、組織の虚血性損傷を引き起こすかもしれない血管閉塞に冒 されているか、あるいは冒される危険性のある標的組織に対して治療および/ま たは予防効果を有するのに十分な量である。さらに、投与量は非標的組織におけ る血管新生の誘導が最小限となるような量であるべきである。 投与量はまた、投与すべき血管形成誘導物質によっても変動するだろう。特に 、投与量は、使用される特定のベクターおよびベクター中の血管形成誘導ペプチ ドをコードし、その発現を制御するDNAによって変動するだろう。通常、一用 量は標的組織、例えば、ヒト心臓のようなはっきりと区別される器官に対し、少 なくとも約1×106pfu(例えば、1×106〜1×1013pfu)であろう 。好ましくは、投与量は、少なくとも約1×107pfu(例えば、約1×107 〜1×1013pfu)、より好ましくは少なくとも約1×108pfu(例えば 、約1×108〜1×1011pfu)、最も好ましくは少なくとも約1×109( 例えば、約1×109〜1×1020pfu)である。該用量は、典型的には約1 00cm3、よ り典型的には約150cm3の容積の標的組織に対するものである。該用量は複 数回適用によって投与され、そうして複数回適用で分割される。したがって、も し該用量を10回投与により投与するならば、各投与は約1×105〜1×101 2 pfuを含む。好ましくは、各適用は約1×106〜1×1012pfu、より好 ましくは1×107〜1×1010pfu、最も好ましくは約1×108〜1×109 pfuを含む。また、用量を粒子単位(pu)の観点から考慮するために、ウ イルス粒子でいうと、100粒子/pfuあると仮定できる(例えば、1×1012 pfuは1×1014puと等価である)。例えば、アデノウイルスゲノムのE 1a領域、E1b領域の一部およびE3領域の一部を欠失し、且つ標準的なCM V前初期プロモーターの制御下にあるヒトVEGF121またはVEGF165を担持 するアデノウイルスベクターを用いた1ラウンドのベクター投与においては、約 107〜1013pfu、好ましくは約109〜1011pfuが、約150cm3と 見積もられる容積を有する標的組織に(例えば、標的組織を含むはっきりと区別 される器官に)投与される。これらの条件下では、遠位の組織において検出可能 なレベルのVEGF産生を生み出すことなく、標的組織における実質的なレベル のVEGF生産が達成される。 さらに、血管形成誘導ベクターの複数回適用に関して、各適用は、複数回適用 が描く領域を横切って投与量勾配をなすように投与されるようにしてもよい。あ るいは、複数回適用の各々は、複数回適用が描く領域を横切って実質的に均一な 用量が投与されるようにしてもよい。 実施例 以下の実施例により本発明をさらに説明するが、これらは本発明の範囲を何ら 限定するものと解すべきではない。実施例1 本実施例では、本発明が、複製欠損組換えアデノウイルスベクター(Adベク ター)の投与によりインビボで血管新生を誘導し得ることを実証する。血管形成 誘導(特に、VEGF)ペプチドをコードするDNAを含む。 実例となる血管形成誘導(特にVEGFペプチド)VEGF165のDNAを含 む複製欠損組換えAdベクターを、Gastroenterology106,1638-1644(1994)に 記載される技法にしたがって工作した。分泌のためのシグナル配列を含むVEG F165のDNAを発現プラスミド中に挿入し、構成的なCMV前初期プロモータ ー/エンハンサーの制御下においた。該発現プラスミドはまた、ヌクレオチド3 384からヌクレオチド5778まで(9.24〜16.05地図単位)のAd 5配列を含み、それは相同組換え配列として役立った。VEGF165のDNAを 担持するプラスミドをプラスミドpJM17(マクマスター大学(カナダ、オン タリオ州、ハミルトン)のF.Grahamより)とともに293細胞(アメリカン・ タイプ・カルチャー・コレクション,CRL1573)に共トランスフェクショ ンした。プラスミドpJM17は全長Ad5 DNA(36kb)およびE1領 域に置かれた4.2kbのインサートpBRXを含み、したがって、Adキャプ シドへのDNAの最大パッケージング限界を約2kb超えている。293細胞内 での発現プラスミドとpJM17の間の相同組換えにより、E1領域およびpB RXインサートが発現プラスミド由来の発現カセットで置換された。E1欠失ア デノウイルスベクターの増殖は相補的な細胞に制限され、Ad5で形質転換され てE1領域をトランスに発現するヒト胚腎細胞株である293細胞内で行われた 。293細胞用の培養培地は最少必須培地を10%熱非働化胎仔ウシ血清、2m mol/Lグルタミン、50U/mlペニシリンおよび50μg/mlストレプ トマイシン(すべてBiofluidsより)で改良した。共トランスフェクション後、 個々のウイルスプラークを単離して293細胞内で増幅させた。コントロールベ クターはAdCMV.βgalで、これは大腸菌lacZ遺伝子のDNAを担持 しており、酵素β−ガラクトシダーゼをコードしている。AdCMV.VEGF165 とAdC MV.βgalを293細胞内で繁殖させ、CsCl勾配精製により精製した。 次いで、調製物を透析し、透析バッファー(10mmol/l トリス−HCl および1mmol/l MgCl2、pH=7.4)中、10%グリセロールと ともに−70℃で保存した。各ウイルスストックの力価を293細胞でのプラー クアッセイにより測定したところ、力価は一貫して5×109と2×1011fu /mlの間の範囲内であった。 Adを介したインビボ遺伝子導入の効果を調べるために、AdCMV.VEG F165またはAdCMV.βgal(2×1010pfu/ml)をマトリゲル0 .5ml中に再懸濁した。次いで、C57BLマウス(Jacobson Laboratories ,Bar Harbor,ME)にAdCMV.VEGF165またはAdCMV.βgalを 含むマトリゲル0.5ml全部を、腹中線付近に皮下注入した。追加の動物にベ クターを含まないマトリゲルを注入した。マウスを4つの異なるプロトコールに 従って研究した。 プロトコール1:マトリゲルに再懸濁したAdベクターが周辺の組織に感染す るかどうかを確かめるために、AdCMV.βgalを含むマトリゲル(n=5 )またはマトリゲルのみ(n=3)をマウスに注入した。注入後6日目に動物を 殺し、マトリゲルプラグを除去して固定した。次いで、マトリゲルプラグを切片 化し、X−galで染色して青色染色のしるしを調べた。 プロトコール2:インビボでの導入遺伝子発現の持続を確かめるために、Ad CMV.VEGF165を含むマトリゲル(n=9)またはマトリゲルのみ(n= 9)をマウスに注入した。注入後3、7、21日目に動物を殺し、マトリゲルプ ラグを除去した。組織ブロックをOCT化合物(Miles,Inc)中に浸漬し、液体 窒素中で急速冷凍した。組織ブロックを1ヶ月未満−70℃で保存した。免疫組 織化学的評価のために、10μmの凍結切片(Microm cryotome)をシラン化ス ライド(Digene Diagnostics)上にマウントした。切片を15分間風乾し、−7 0℃で48時間まで保存するか、あるいはすぐに0.1%トライトンX−100 (Shigma Chemical Co.)を含む1×ヒストチョイス(Amresco)中で12分間固定した。 PBS(pH=7.4)で洗浄した後、スライドをメタノール中の0.5%過酸 化水素中でインキュベートして内在のペルオキシダーゼ活性を阻害した。ウサギ 抗VEGF−次抗体を、ビオチン化したヤギ抗ウサギIgG二次抗体とアビジン −ビオチン複合体を用いて検出し、ジアミノベンジダインにより可視化した(す べての検出試薬はVector Laboratoriesより入手した)。手順は、切片を一次抗体 の添加前に少なくとも45分間ブロッキング溶液中におくこと、および抗VEG Fまたはコントロール血清(1:6000希釈)とのインキュベーションを4℃ で一夜行う以外は、同梱の手引きに従って実施した。切片をヘマトキシリンでカ ウンター染色した。ペプチドを0.2%グルタルアルデヒドでキャリア蛋白KL Hに結合する以外は、抗VEGF抗体はウサギ体内で製造した。KLHのみに対 する抗体も生じさせ、ネガティブコントロールとして用いた。抗体特異性はウェ スタンブロット上でのヒトVEGFの認識によって測定し、また、抗KLHおよ び放血前の血清をネガティブコントロールとして用いてバックグラウンド染色を 測定した。 プロトコール3:Lab Invest.67,519-528(1992)に記載されるようにして、 マトリゲルの注入後14日目に殺したマウス(各Adベクターについてn=8マ ウス;2回の別個の実験の各々で4匹のマウスを使用した)に新たに形成した血 管の存在を評価した。解剖によりゲルを回収し、固定した。組織学的切片をMass onの三色染料で染色し、血管新生の存在を評価した。各プラグから得た2つの異 なる組織学的切片におけるマトリゲル表面と腹筋の間の距離を測定することによ り、マトリゲルの周囲の間質の厚さを調べた。各組織学的切片につき50〜10 0μm間隔で10回の測定を行い、2つの切片から得られる20回の測定を平均 して個々のプラグについての間質の厚さを表現した。 プロトコール4:マトリゲルプラグ(各Adベクターにつきn=10マウス; 3回の別個の実験の各々につき3もしくは4匹のマウスを使用した)のヘモグロ ビン含量により血管新生応答を定量化した。 マトリゲル中に再懸濁したAdベクターがゲルから拡散して周辺組織に感染す るかどうかを確かめるために行った実験について、AdCMV.βgalを含む マトリゲルまたはマトリゲルのみを注入して6日後にマウスを殺し、マトリゲル プラグをX−galで染色した。X−gal陽性細胞は、マトリゲルの周囲の間 質中に見出された。対照的に、非感染ゲルプラグの周囲の組織中には青色細胞は 見られなかった。他の実験において、インビボでのAdを介したVEGF165遺 伝子発現の持続を確かめた。免疫組織化学的染色により、マトリゲルとAdCM V.VEGF165の同時注入後3日目に回収したプラグは、マトリゲル周辺の組 織中にVEGF陽性細胞を示した。染色は7日目に最も強く、注入後21日目に はほんのわずかの細胞しか免疫活性がなかった。一次抗体の非存在下にインキュ ベートしても免疫染色は見られなかった。キャリア蛋白に対する抗体とインキュ ベートすると、腹筋層において陽性を示したが、マトリゲルプラグの周囲の組織 中には陽性は見出されなかった。注入後14日目にマトリゲルプラグを組織学的 に調べたところ、AdCMV.VEGF165に応答してマトリゲルの周囲の組織 中で血管新生が観察された。この効果は、血管分布の増大およびマトリゲルの周 囲の間質マトリックスの肥厚を伴った。対照的に、AdCMV.βgalは結果 としてマトリゲルの周囲の間質マトリックスの肥厚をいくらか生じたが、血管新 生の増大は確認されず、また、マトリゲルのみでは、間質の肥厚の増大も血管新 生の増大も伴わなかった。さらに、血管新生の定量評価により、AdCMV.V EGF165を有するマトリゲルプラグのヘモグロビン含量は、AdCMV.βg alを有するゲル移植片の場合より4倍高かった。ヘモグロビン含量における有 意な増加は、非感染のコントロールプラグに対するAdCMV.βgal感染プ ラグでも観察された。総合すると、これらの結果は、血管形成誘導(特にVEG F)ペプチドをコードするDNAを含むアデノウイルスベクターはインビボで血 管新生を誘導することを示している。実施例2 本実施例では、本発明が、複製欠損アデノウイルスベクターを用いてインビボ で心筋に直接遺伝子導入し得ることを実証する。 複製欠損ベクターAdCMV.VEGFは、ヒトVEGF165のDNAを駆動 するサイトメガロウイルス前初期プロモーター/エンハンサー(CMV)を含む 発現カセットをE1位に含む、E1a-、部分的E1b-、部分的E3-アデノウ イルスベクターであった。AdCMV.Null(AdCMV.VEGFと類似 するが、発現カセット内に遺伝子を持たない)を、インビトロ実験のコントロー ルベクターとして使用した。AdCMV.CAT(AdCMV.VEGFと類似 するが、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼをコードする)を用 いてマーカー遺伝子を導入、発現させた。すべてのアデノウイルスベクターを2 93細胞内で繁殖、CsCl密度精製により精製、透析して、プラークアッセイ にて力価を測定した。ベクターは50μlのアリコート中、−70℃で保存した 。 雄性の雑種犬(25〜30kg)をすべての研究に使用した。静脈内メトヘキ シタール(ブレビタール;Eli Lilly,Indianapolis,Indiana;10mg/kg )で麻酔を誘発し、挿管後、イソフルラン(2〜3L O2中1〜2%)吸入を 用いて麻酔を維持した。直接心筋注入のため、無菌条件下に左側方開胸術を行っ た。心膜を横膜神経の前で分割し、3つの別個のマーク縫合線(5−0単糸)を 左心室自由壁に沿って3.5cm間隔で配置した。アデノウイルスベクターを、 30ゲージ針を有する0.5mlシリンジを用いてマークした位置に100μl の容量で投与した。針先を心膜表面から3〜5mmの深さに位置させ、十分な送 達を目視で確認した。標準的なやり方で心膜と胸を閉じ、動物を回復させた。 心筋における局所レベルの治療的血管形成誘導蛋白の持続を達成する可能性を 評価するために、AdCMV.VEGF(109pfu)を直接心筋注入(動物 あたり2回注入;12動物個体)により投与した。ベクター投与部位由来の組織 試 料(1cm3)を集め、ベクター投与直後、並びに2、5、7および14日後に VEGF発現について評価した。AdCMV.CATベクターを注入した組織を ネガティブコントロールとして用いた。 心筋におけるVEGF発現の定量は、Ouantikine human VEGF immunoassay(R &D Systems,Inc.,Minneapolis,MN)を用いて行った。ベクター投与部位由来 の組織試料(0.5g)を蛋白質溶解バッファー(10mmol/L トリス− HCl、pH=8、0.14mol/L NaCl、0.025%NaN3、2 %トライトンX−100および1mmol/L フェニルメチルスルホニルフル オリド;2ml/g組織)を用いてホモジナイズし、蛋白質測定を行い、蛋白溶 解物アリコート(100μg)を3連で分析し、マイクロプレートリーダーを用 いて450nmにおける吸光度を測定した。VEGFの濃度はmg蛋白に標準化 した。VEGF発現の空間的限界を、7日目に殺した動物由来の組織試料の評価 により測定した。組織を中枢、末梢、心膜および心内膜部分に分け、各試料のV EGF発現を個別に評価した。 VEGFの局在化した発現が結果として血清中に検出可能なレベルのVEGF を生じるかどうかを確かめるために、ベクター投与前、並びにベクター投与後2 、5、7および14日目に殺した時に、動物から血液試料を採取した。VEGF の定量は、血清試料50μlについての酵素結合免疫吸着測定法により行った。 心筋におけるアデノウイルスベクターの直接心筋注入の全身性効果を評価する ために、血清の生化学および全血球計算値の指数を経時的にモニタリングした。 白血球数、ヘマトクリット、血小板数、アルカリホスファターゼ、血清グルタミ ン酸−ピルビン酸トランスアミナーゼ、ビリルビンおよびクレアチニンのための 血液試料を、ベクター投与前、並びにベクター投与後2、7および14日目に動 物から採取した。各回の数値を平均した。血清化学測定はDu Pont Analyst Benc htop Chemistry System(Du Pont Co.,Wilmington,DE)を用いて計算し、全血球 計算値測定はSystem 900 Hematology Analyzer(Serono Diagnostics, Allentown,PA)を用いて行った。 心筋への直接遺伝子導入の心機能に及ぼす効果を調べるために、Hewlett-Pack ard 2500心エコー計(Hewlett-Packard Co.,Andover,MA)および3.5MHz 変換器を用いて、胸部横断二次元ドップラーおよび心エコー図を行った。以下の 像:傍胸骨長軸像、乳頭筋先端における傍胸骨短軸像および心尖五腔像を、操作 前、および操作後5〜7日または操作後14日のいずれかに得た。また、大動脈 輪のレベルでのパルス波ドップラー心エコー造影を心尖五腔像から行った。 心弛緩期と心収縮期の両方における左心室の心内膜および心外膜表面の輪郭を たどることにより、局所的な壁肥厚のオフライン分析を行った。心室を、下心室 中隔のセグメント1に始まり、時計回りに次のセグメントを連続的に番号付けし て下壁のセグメント6で終わる、放射状セグメントに6等分した。したがって、 セグメント3および4は、左心室の前側自由壁を表す。各セグメントの平均壁厚 を測定した。各セグメントの心収縮期の壁肥厚を、(心収縮期の平均壁厚)−( 心弛緩期の平均壁厚)と定義した。包括的な左心室機能の評価として、標準的な ドップラーから導出される一回拍出量(大動脈輪の面積×大動脈輪を横切る流速 プロファイルの速度・時間積分)と記録された心拍数を用いて心拍出量を計算し た。 AdCMV.VEGFを直接心筋投与した後のインビボでのVEGF蛋白発現 の確認は、酵素結合免疫吸着測定法により行った。経時的な心筋層でのVEGF 発現の定量により、AdCMV.VEGF投与の結果、ベクター投与後2日でベ ースラインの18倍を上回るVEGF発現の増加が起こり、ベクター投与後7日 でベースラインの15倍を上回る増加があることが実証された。14日目までに VEGFレベルはベースラインに戻っていた。対照的に、コントロールベクター AdCMV.CATの投与は、結果として、調べたいずれの回においてもベース ラインを上回るVEGF発現レベルの有意な増加を生じなかった。ベクター投与 直後に得られた0日目におけるVEGFレベルは未投与の組織におけるレベルと 同様であり、ウイルス製剤にVEGF蛋白が夾雑していないことが確認された。 さらに、アデノウイルスベクター送達が局在化された遺伝子導入戦略を提供する という概念を裏付けるように、調べたいずれの回においても、処理された動物の 血清中にVEGFは検出できなかった。 マーカー遺伝子導入で得られたデータと一致して、AdCMV.VEGFの投 与はまた、遺伝子発現の広い空間的限界によっても特徴付けられた。しかしなが ら、AdCMV.CATについて得られた結果とは対照的に、AdCMV.VE GF投与7日後には、VEGFの発現レベルは、ベクター投与部位から15mm までの4つの空間的領域(中枢および末梢心外膜、並びに中枢および末梢心内膜 )すべてにおいて同等に増加し、すべての組織試料を通して均一に蛋白が分布す ることが示唆された。 アデノウイルスベクターを受容したすべての動物は予め決められた屠殺時期ま で生存した。成長できなかったり、頻脈を示したり、発熱したりする動物はなく 、創感染も発症しなかった。ベクター投与後2、7および14日目に調べた動物 において、白血球数、ヘマトクリット、血小板数、アルカリホスファターゼ、血 清グルタミン酸−ピルビン酸トランスアミナーゼ、ビリルビン、およびクレアチ ニンにおけるベースラインを上回る顕著な変化はなかった。 ベクター投与前および投与後5〜7日もしくは14日目の動物について実施し た心エコー図から、全体的にも局所的にも心室機能に顕著な変化はないことがわ かった。局所壁運動を調べたところ、6つの放射状セグメントのいずれの心収縮 期壁肥厚についても、操作前の研究と操作後の研究との間で顕著な変化がないこ とがわかった。心拍出量もまた、操作前の研究と操作後の研究との間で顕著な変 化はなかった。 要約すると、アデノウイルスを介した心筋への直接遺伝子導入の後、広い空間 的限界を特徴とする遺伝子発現が起こることがわかり、また、当該送達システム が安全で受容性がよいことがわかった。さらに、ヒトの生理学と同様の生理学を 有する大動物モデルを用いて、治療的血管形成誘導蛋白(特にVEGF)をコー ドするアデノウイルスベクターのインビボ投与の結果、遺伝子導入後何日にもわ たって持続的且つ局在化された蛋白質の発現が起こることが示された。実施例3 本実施例では、本発明が、血管形成誘導ペプチド(特にVEGF)のアデノウ イルスを介した遺伝子導入によって救済的な血管新生を誘導することにより、虚 血性血管閉塞の危険性を防御し得ることを実証する。 先に存在する虚血に急性血管閉塞を併発したモデルを、体重250〜300g の雄性Sprague-Dawleyラットを用いて作出した。動物を筋肉内ケタミン(100 mg/kg)およびキシラジン(2mg/kg)で麻酔し、無菌条件下に正中線 開腹術を行い、左総腸骨動脈を結紮して分離した。次いで、アデノウイルスベク ターを左腸骨大腿骨脂肪組織および筋肉に投与し、非吸収性縫合糸を用いて腹を 二層に閉じた。腸骨動脈の結紮時に、AdVEGF(総用量=4×109pfu )、コントロールベクターであるAdNull(総用量=4×109pfu)ま たはPBS(総用量=4×100μl)を、30−ゲージ針を有する0.5ml シリンジを用いて4つの部位に各100μlの容量で投与した。側副血管形成に ターゲッティングされた領域において、後腹膜および鼠径部の脂肪組織、腰筋、 並びに四頭筋を含む、各動物の左腸骨大腿骨領域内の同一の場所で、4回の個別 のベクター投与を行った。付加的なコントロール動物群には片側の総腸骨結紮だ けを行い、処理はしなかった。 左総腸骨結紮およびベクター投与から3週間後、動物を上述のように麻酔し、 左総大腿骨大動脈を鼠径靱帯面で結紮して分離した。その後直ちに、以下の順序 で、(1)99mTc標識sestamibi;(2)カラーマイクロスフェア;(3)血管 造影および(4)血管数の組織学的定量を用いて、後肢の相対的な血流および血管 分布の分析を行った。 複製欠損ベクターAdVEGFは、165残基型のヒトVEGF(VEGF16 5 ) のDNAを駆動するサイトメガロウイルス前初期プロモーター/エンハンサー( CMV)を含む発現カセットをE1位に含む、E1a-、部分的E1b-、部分的 E3-のアデノウイルスベクターであった。AdNull(AdVEGFと類似 するが、発現カセット中に遺伝子を持たない)をコントロールベクターとして使 用した。アデノウイルスベクターはすべて293細胞内で繁殖させ、CsCl密 度精製により精製し、透析して、−70℃で保存した。各ウイルスストックの力 価を293細胞内でのプラークアッセイにより測定した。すべてのウイルススト ックが複製能力のある野生型アデノウイルスを含まないことを実証した。 AdVEGFベクターが脂肪組織および骨格筋へのVEGF DNAの導入お よび発現を仲介できることを確かめるために、総腸骨結紮およびベクター投与後 0、1、3、5および7日の動物(109pfu/部位;各時点につきn=3) から回収した組織におけるVEGFレベルを、酵素結合免疫測定法(ELISA )を用いて定量した。ベクターで処理した動物の後腹膜脂肪組織および四頭筋を 集め、リン酸緩衝食塩水,pH=7.4(PBS)でリンスして蛋白質溶解バッ ファー[10mM トリス−HCl pH=8.0,0.14M NaCl,0 .025% NaN3,2% トライトンX−100および1mM フェニルメ チルスルホニルフルオリド(2ml/g組織)]とともにホモジナイズした。産 生されたVEGFが局在化したままであることを確かめるために、上記時点に各 動物から血清を採取した。ブラッドフォード法を用いて蛋白質測定を行い、50 μgの組織を用いてVEGFについてのELISAを行った[Quantikine human VEGF Immunoassay,R&D Systems,Minneapolis,MN](各アッセイは、各動物 について2回行った)。マイクロプレートリーダーを用いて450nmにおける 吸光度を測定し、VEGF濃度をmg蛋白に標準化した。 後肢への血流の測定として、99mTc標識sestamibiスキャニングを 使用した。これを達成するために、右頸静脈を限定的な右頸部切開を通じて同定 し、0.5ml容量のPBS中の2〜3mCi 99mTc標識sestamib i (Cardiolite,Dupont Pharma,North Billerica,MD)(0.9%)を静脈内に 注射した。注射から約15分後、動物をADAC Vertexデュアルヘッドガンマカメ ラシステム(ADAC Laboratories,Milpitas,CA)の下方検出器上に仰向けにお き、低エネルギー高分解能平行孔コリメータと140keV±10%の光ピーク エネルギー窓を用いて腹面および背面の全身ガンマカメラ像を得た。動物あたり 少なくとも2×105カウントを、背面(下方検出器)および腹面(上方検出器 )像から同時に得た。PegasysTMコンピューターおよび画像処理ソフトウェア(A DAC Laboratories)を用い、処理群について知らない個人が左右の後肢のふくら はぎの中心上の同じ方形の関心領域(ROI)を手動で描き、これらの領域の画 素あたりの平均カウントを測定した。相対血流は、腹面および背面像の幾何学的 平均について、対側性の(右)コントロール後肢における画素あたりのROI平 均カウントに対する結紮(左)後肢における画素あたりのROI平均カウントの 比として記録した。 正常(右)後肢に対する虚血性(左)後肢への血流はまた、肢への機能的な血 管の評価として15μmのカラーマイクロスフェアを動脈内投与することによっ ても評価した。腹部大動脈を正中線開腹術を通じて同定し、4−0絹縫合糸で緩 く巻いた。縫合線のすぐ遠位で、24−ゲージ、3/4インチ(1.9cm)の Angiocath(Becton Dickinson Vascular Access,Sandy,UT)を腎臓下大動脈に 挿入し、ニトログリセリン溶液[Abbott Laboratories,North Chicago,IL(5 00μg/ml)]0.5mlと15μmのカラーマイクロスフェア[E-Z Trac ,Los Angeles,CA(200μl中に2×106マイクロスフェア)]2×106 個とを、マイクロスフェアが十分混合するのを確実にするため、ボルテックスし て該カテーテルを通じ20秒間かけて注入した。屠殺の際、すべての下部後肢ふ くらはぎ筋組織を皮膚および骨から切り離し、秤量し、Tissue Digest Reagents 1および2(E-Z Trac)を用いて製造者の手引きにしたがって消化して、Micro sphere Counting Reagent(E-Z Trac)50μl中に再懸濁した。処理群につい て知らな い個人が、マイクロスフェアを手動血球計を用いて計数した。試料あたり最低4 00スフェアが計数された。組織1gあたりのマイクロスフェア数を測定し、相 対血流を対側性のコントロール後肢におけるマイクロスフェア/gm湿組織に対 する結紮後肢におけるマイクロスフェア/gm(湿重量)組織として記録した。 巨視的な血管分布の評価として血管造影を使用した。これを行うために、動物 をMobile Surgical X-ray System BV25(Philips,Holland)のコリメータから 20cmの距離に仰向けにおいた。腎臓下大動脈に据えつけた24ゲージ、3/ 4インチ(1.9cm)の脈管カテーテル(Becton Dickinson,Sandy,UT)を 用いて、ニトログリセリン(500μg/ml;Abbott Laboratories)0.5 mlを20秒かけて注入した。その直後にRenograffin-76(Squibb Diagnostics ,NewBrunswick,NJ)3mlを該カテーテルを通じて遠位の大動脈に注入し、2 秒間隔で蛍光透視鏡画像を得た。最大の動脈不透明化を示す典型的な画像を現像 し、先入観の入らない様式で3人の観察者が血管分布を評価した。血管スコアは 大腿骨長軸の中点に垂直な線を引くことによって各動物について測定した:この 線を横切る血管数を各観察者が計数し、平均して、「血管スコア」として記録し た。 組織学的評価を用いて血管分布をアデノウイルスベクターの受容部位における 小血管レベルで定量した。処理した脂肪組織部位について、ベクター投与部位か ら脂肪組織1cm3を回収し、PBS中でリンスして4%ホルマリン中4℃で保 存した。試料をパラフィン包埋し、組織表面に平行な平面内で連続的な5μm横 断切片を50μm間隔で得、内皮細胞特異的抗原であるα−アクチンに対する免 疫組織化学的染色を行った。パラフィン切片を1.5%ウマ血清で20分間ブロ ッキングして非特異的結合を防ぎ、次いで一次抗体(モノクローナル抗ヒトα− アクチン;Sigma,St.Louis,MO)に1/500希釈で60分間曝露した。スラ イドをビオチニル化ウマ抗マウスIgG、ABC試薬(Vector Laboratories,Bu rlingame,CO)、アルカリホスファターゼに対する新フクシン基質(Dako Corp.,C arpenteria,CA)に順次(各30分)曝露し、次いでヘマトキシリンでカウンタ ー染色した。3人の観察者が先入観の入らない様式で、100倍の倍率で切片を 調べた。スライドあたり80μm未満の血管の無作為に選んだ5視野を計数し、 試料あたり6スライドを評価した。カウントを平均してmm2あたりの血管数と して記録した。 骨格筋の処理領域における血管分布を定量するために、ベクター投与部位から 四頭筋の1cm3切片を回収し、PBS中でリンスして、濃度が増加するスクロ ースーリン酸溶液中で固定した(25℃、1時間)。次いで、骨格筋標本を2:1 20%スクロース/OCT(Tissue Tek,Sakura Finetek,Torrance,CA)化 合物混合物中、−70℃で凍結させた。次に、凍結標本を5μm切片に切りスラ イド上−70℃で凍結させた。凍結スライドを室温まで温め、不溶性アルカリホ スファターゼ基質−5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸、ニトロブ ルーテトラゾリウム(BCIP/NBT錠剤,Sigma,St.Louis,MO)を用いてアルカリ ホスファターゼを染色し(25℃、1時間)、エオシンでカウンター染色した。 3人の観察者が先入観の入らない様式で、400倍の倍率で切片を調べた。1視 野あたり6つの無作為に選んだ筋繊維、スライドあたり5つの無作為に選んだ視 野、動物あたり5スライドを計数することにより、筋繊維あたりの毛細管を定量 した。カウントを平均して筋繊維あたりの毛細管数として記録した。 ELISAによって、脂肪組織および骨格筋においてAdVEGFを介した遺 伝子導入および発現が首尾よくなされることが確認された。0日目の(ベクター 投与直後に採取した)いずれの組織にも、未投与の脂肪組織や骨格筋と同様、V EGFは検出できず、ベクター製剤にVEGF蛋白が夾雑していないことが確認 された。両方の組織について、VEGF発現を定量することにより、AdVEG Fの投与の結果、ベクター投与1日後をピークにしてベクター投与後1週間まで に数日間かけてベースラインまで減少するVEGF発現が起こることが実証され た。対照的に、コントロールベクターAdNullの投与の結果、どちらの組織 もいずれの時点でも検出可能なVEGF発現を生じなかった。重要なことに、ア デノウイルスベクター送達が局在化された遺伝子導入および発現の戦略を提供す るという概念と一致して、ベクター送達後のいかなる時点においても、AdVE GFで処理した動物の血清中にVEGFは検出できず、また、AdNullを投 与しても、ベースラインを超えるVEGFの血清レベルの増加を生じなかった。 これらの実験に使用したELISAはヒトVEGFのみを検出し、ラットVEG Fを検出しないので、内在性VEGFは血清中にも組織中にも検出されなかった 。 99mTc標識sestamibi撮像により、AdVEGFで処理した動物に おける顕著に多い虚血性後肢への相対血流が実証された。AdNullで処理し たコントロール動物のスキャンされた放射活性画像は、結紮された後肢のふくら はぎ領域において低レベルの放射活性を示した。未処理およびPBSで処理した コントロール動物は、未処理およびAdNullコントロールと同じく、この領 域で同様に低レベルの放射活性を有していた。AdNullおよびPBSコント ロールはどちらもふくらはぎ領域の放射活性が低レベルであったが、AdNul l群はPBS群よりわずかに高かった。 カラーマイクロスフェア分析により、AdVEGFで処理した動物における大 腿骨動脈結紮後の相対血流は、いずれのコントロール動物[AdNull処理、 PBS処理または未処理の動物]で観察されるものよりほぼ3倍多いことが実証 された。未処理およびPBS処理したコントロールにおける相対血流は、AdN ullで処理した動物と同様であった。コントロールに比べてAdVEGFで処 理した動物において、対側性のコントロール後肢におけるマイクロスフェア/g m組織に対する結紮された後肢におけるマイクロスフェア/gm組織の比として 計算される相対血流が増加するのは、結紮された後肢におけるマイクロスフェア 数が増加することによるものであって、対側性のコントロール後肢におけるスフ ェア数の減少によるものではなかった。注入の間、カラーマイクロスフェアが十 分混合されていることを確かめるために、腸骨および大腿骨のいずれの結紮も受 けていない別個の動物群(n=6)において、各後肢への相対血流を定量した。 これらの動物における相対血流(左対右)は、99%±7%であった。 血管造影により、AdVEGFで処理した動物において、遠位の後肢の血管系 を部分的に再構成する側副形成を伴った、コントロールよりも顕著に大きい結紮 後肢での血管分布が実証された。AdVEGF処理した動物の結紮後肢における 血管造影の血管スコアは、未処理、PBS処理およびAdNull処理したコン トロールのそれよりも顕著に大きかった。血管造影で可視化される、未処理およ びPBS処理した動物における側副血管数は、PBSおよびAdNull処理し た動物における血管数と同じく類似していた。未処理コントロールにおける血管 数はAdNull群のそれよりも多かったが、どちらもAdVEGF群よりは少 なかった。 脂肪組織および骨格筋における血管分布の組織学的評価は、相対血流および血 管造影による血管分布増進の証拠の観察と一致した。未処理、PBS処理および AdNull処理コントロールと比較して、顕著に多数の小血管がベクター投与 21日後にAdVEGFを注入した脂肪組織で観察された。AdVEGF処理し た脂肪組織の組織学的試料の定量評価の結果、未処理、PBS処理およびAdN ull処理コントロールと比較すると、小血管数において52%±6%の増加を 生じた。同様に、AdVEGF処理した四頭骨格筋の組織学的評価は、ベクター 投与21日後の筋繊維あたりの毛細管数が、未処理、PBS処理およびAdNu 11処理コントロールと比較して顕著に多いことを実証した。AdVEGF処理 した骨格筋の定量評価は、筋繊維あたりの平均毛細管数が、未処理、PBS処理 およびAdNull処理コントロールと比較して顕著に増加することを実証した 。 これらの結果は、血管閉塞部位の周囲且つ遠位の脂肪組織および骨格筋への、 ヒトVEGF165のDNAのアデノウイルスを介したインビボ導入が、続いて起 こる急性血管閉塞によって引き起こされる虚血を軽減するのに十分な血管新生応 答を誘導することを示している。また、これらの結果は、血管形成誘導メディエ ーターは急性虚血現象の後に血管新生応答を増進させるのに用いることができる だ けでなく、急性血管閉塞が続いて起こる危険性のある虚血組織を「救済する」の にも使用し得ることを示している。発現した血管形成誘導蛋白がもはや検出でき なくなって何週間も後に、虚血組織を保護する血流増進が実証されるということ は、血管形成誘導ペプチドをコードするDNAを含むアデノウイルスベクター投 与が生理学的に意義ある血管新生応答を提供するのに十分であることを示してい る。実施例4 本実施例では、本発明が、血管形成誘導ペプチド(特にVEGF121)をコー ドするDNAのアデノウイルスを介した遺伝子導入により、心筋の灌流および虚 血心臓における機能を改善し得ることを実証する。 体重28〜30kgのヨークシャーブタに慢性心筋虚血を作出した。動物の筋 肉内にチレタミンおよびゾラゼパム(テラゾール、3.3mg/kg)およびキ シラジン(0.10mg/kg)の鎮静剤を投与してから挿管し、0.5%〜2 .0%イソフルランで鎮静作用を維持した。第5肋間空間を通じて制限された左 開胸術を無菌的に行い、心膜を小さく切開した。内径2.5mmのアメロイド圧 迫器(Research Instruments & MFG,Corvallis,Ore.)を回旋動脈の周りにで きるだけ近位に据え付けた。局所リドカイン1%溶液をアメロイド圧迫器部位に おいて回旋動脈に適用し、冠動脈発作を防いだ。心膜および胸部を閉じ動物を回 復させた。 複製欠損ベクターAdVEGF121は、E1領域(右から左)にサイトメガロ ウイルス(CMV)前初期プロモーター/エンハンサー、人工のスプライス配列 、ヒトVEGF121DNAおよびSV40ポリA/終結シグナルを含む発現カセ ットを含有する、E1a-、部分的E1b-、部分的E3-のアデノウイルスベク ターである。コントロールベクターとしてAdNull(AdVEGF121と類 似するが、発現カセット中に遺伝子を有しない)を使用した。すべてのアデノウ イルスベク ターを293細胞内で繁殖・力価測定し、塩化セシウム密度精製により精製、透 析して、−70℃で保存した。ウイルスストックは複製能力のある野生型アデノ ウイルスを含まないことが実証された。[3H]チミジンの取り込みを用いてヒ ト臍静脈内皮細胞の増殖を実証することにより、VEGF121導入遺伝子産物の 生物活性を確認し、また、導入遺伝子の発現のインビボ確認は、ベクター投与3 日後にAdVEGF121注入部位から採取した心筋生検試料の酵素結合免疫吸着 測定法分析により測定した。 アメロイド圧迫器設置3週間後に、左開胸術を再開し、治療的ベクターAdV EGF121またはコントロールベクターAdNullを、直接心筋注入により投 与した。各ベクターを、回旋分布で10部位に、それぞれリン酸緩衝食塩水(p H=7.4)100μlでもって注入した(108pfu/注入)。ペーシング ワイヤーを左心耳内に据え付け、その後のシングル・フォトン・エミッション・ コンピューター連動断層撮影(SPECT)による心筋の局所的灌流の負荷99m Tc標識sestamibi評価および局所的壁肥厚の心エコー図法による評価 のために、皮下に潜り込ませた。 アメロイド圧迫器の設置3週間後および7週間後に、安静時および負荷時の心 筋の局所的灌流を99mTc−sestamibi SPECTにより評価した。 200拍/分での急速心房ペーシングの間に、動物に5mCiの99mTc−se stamibiの濃縮塊を静脈内注入し、およそ3分間ペーシングを続けた。次 いで、動物をADAC Vertex 2検出器γカメラシステム(ADAC Laboratories,Mi lpitas,CA)内に俯せにおいた。次いで、非ゲート制御SPECT研究を、身体 の輪郭に沿った180度の軌道上を「わずかに進んでは撮影する(step-and-sho ot)」方式で取得した。ベースラインの心拍数に戻した後、類似の様式で得られ る静止SPECTを得る前に、動物に25mCiの99mTc−sestamib iの濃縮塊を注入した。 安静および負荷SPECT研究を、集積ADAC Pegasysコンピューターを使用し て、先入観の入らない様式で処理した。心室中部短軸像を心室腔を中心として6 0角セグメントに分割し、セグメントあたりのカウント数を測定し、各セグメン トにおけるカウント数を最大カウント数(レファレンス値100が与えられる) を有するセグメントに対して標準化し、標準化されたセグメントあたりのカウン トをセグメントの角位置に対してプロットすることにより、心室中部レベルにお ける負荷および安静円周カウントプロファイル(極プロット)を構築した。プロ グラムSIGMAPLOT(Jandel Scientific,Corte Madera,CA)を用いてさらに解析 を行うために、極プロットをASCIIファイルに移した。 各動物について、心筋虚血の範囲(「領域」)を安静および負荷極プロット間 の差異から決定した。回旋分布において虚血が最も激しいところ(「虚血最大」 )を、安静および負荷プロット間の差異が最大となる点を突き止め、その点での プロットの差を測定することによって決定した。各動物について、心筋の灌流に おける改善パーセントを、これら2つのパラメータに関して、(3週間時点での 「パラメータ」−7週間時点での「パラメータ」×100)/(3週間時点での 「パラメータ」)として計算した。 安静時およびベクター投与時の負荷期間の心エコー図によって、ベースライン の心筋の局所的機能を評価した。動物に鎮静剤を投与して、左側臥位におき、H P2500心エコー計および3.0/3.5MHz二元頻度経胸腔トランスデュ ーサー(Hewlett-Packard,Andover,Mass.)を用いて、標準的な二次元および M−モード経胸腔像を得た。右傍胸骨アプローチから、3分間静止時の短軸像、 中心室像を得た。次いで、動物に目的の心拍数である200拍/分まで段階的な 様式で急速左心房ペーシングを行い、その時に画像をさらに3分間記録した。 1人の経験豊富な研究者が先入観の入らない様式で、Digisonics CardioRevue System(Digisonics Inc,Houston,Tex.)を用いて心弛緩期と心収縮期の両方 における左心室の心内膜および心外膜表面の輪郭を描き、局所的な壁肥厚を測定 した。6つの等しい放射状60度セグメントのそれぞれにおける心収縮期の壁肥 厚を、心収縮期の平均壁厚−心弛緩期の平均壁厚と定義した。壁肥厚率を、心収 縮期の平均壁肥厚を心弛緩期の平均壁厚で割って計算した。各動物について、3 週間(ベースライン虚血)における急速心房ペーシング像から、虚血および非虚 血ゾーンを、それぞれ最低および最高の壁肥厚率を有する2つの隣接するセグメ ントとして定義した。これは、すべての場合において、回旋領域および中隔にそ れぞれ対応した。各動物について、7週間における急速心房ペーシングで同じゾ ーンを分析した。 各動物を死に至らしめる際(ベクター投与4週間後)、心臓を40mEqのK Clで停止させ、次いで、McDowell-Trump固定液(4% ホルムアルデヒド、1 % グルタルアルデヒド、1% NaH2PO4および0.3% NaOH、pH =7.2に調整)1Lを用いて、100mmHgで灌流固定した。左主要冠状動 脈に据え付けた5F末端孔楔入バルーンカテーテル(Arrow Inc.,Reading,Pa. )を用いて、同じ血管造影者が、先入観の入らない様式で、生体外(ex vivo) 冠血管造影を行った。連続的な画像取得を伴う標準的な第一斜位における透視シ ネ検査法により、造影剤(Hypaque-76,Nycomed Inc.,New York,N.Y.)5ml を、左前下行冠状動脈全体とその枝が完全に不透明化するまで連続的な速度で注 入した。回旋冠状動脈または回旋冠状動脈の鈍縁枝を再構成する左前下行冠状動 脈からの側副血管を、3人の先入観のない観察者が、J .Am.Coll.Cardiol.5 ,587-592(1985)に記載されるように、Rentropとその共同研究者の以下のような 格付け法を用いて定量した:0=側副血管の補足なし;1=心外膜セグメントは 可視化されずに回旋の側副枝または鈍縁枝が補足される;2および3=側副血管 を介して回旋動脈の心外膜セグメントまたは鈍縁動脈が、それぞれ部分的または 完全に補足される。 血管造影の後、各心臓の左心室を短軸で3つの環に切片化した。各心臓由来の 40個の5μm組織学的切片を、心基部環および心室中部環の周囲で等間隔に取 り、パラフィンで処理してヘマトキシリンおよびエオシンで染色した。各組織切 片について、処理に対して先入観のない病理学者が、梗塞および炎症の組織学的 証拠を以下のように0〜4の尺度で格付けした:0=なし;1=1〜3の小領域 を含む;2=切片表面の10%未満;3=切片表面の10%以上且つ50%まで ;4=切片表面の50%より上。 研究した19匹の動物(AdVEGF121、n=9;AdNull、n=10 )のすべてが、アメロイド圧迫器設置7週間後に屠殺するまで毒性の臨床的証拠 なしに生存した。3週間(すなわち、治療前)では、(1)99mTc−sestam ibi SPECT像の回旋ゾーンにおける固定した欠損(安静時および負荷時 の間で差がない)および(2)安静時の心エコー図法の間の短軸像における左心室 の薄くなった無収縮の後側壁領域により示されるように、19匹のブタのうち4 匹(AdVEGF121、n=2;AdNull、n=2)に回旋領域における心 筋梗塞の証拠があった。アメロイド圧迫器設置3週間後の心筋梗塞を示唆する99 m Tc−sestamibi SPECTおよび心エコー図法と一致して、4週 間後の病理学的総評は、心筋に傷が残り、総心室量の少なくとも25%が薄くな っていることを示した。この亜群の4匹のブタはすべて、大きな壁内梗塞の組織 学的証拠も有していた。これらのデータに基づいて、これら4匹の動物はさらな る分析から除外した。したがって、治療の有効性について評価した動物群は、7 匹のAdVEGF121処理動物および8匹のAdNull(コントロール)動物 であった。 108pfuのAdVEGF121(n=3)を心筋に注入した後の心筋での局所 的なVEGF発現を実証することにより、AdVEGF121ベクターのインビボ での発現を確認した。ベクター投与3日後、心筋でのレベルは0.75±0.2 5ng/mg蛋白であった。 心室中部レベルからの99mTc−sestamibi SPECTデータの円 周カウントプロファイル(極プロット)を用いて、(1)虚血の範囲と重篤度( 「領域」)および(2)最も激しい虚血(「虚血最大」)を定量した。3週間時 点で得られる安静時の画像の円周プロットは、負荷(ペーシング)時の画像のプ ロット と比較して最小の灌流不足を典型的に示し、閉塞した回旋冠状動脈分布に対応す る後側部分における灌流の減少を明らかにした。ベクター投与4週間後に評価し たAdNull動物においては、虚血領域と虚血最大はベースラインから変化が ないことが特徴であった。対照的に、AdVEGF121動物は、虚血領域と虚血 最大がベースラインと比較して減少することにより実証されるように、ベクター 投与4週間後の心筋の灌流において改善を示した。対応する変化は、心尖、心室 中部および心基部レベルで表れた。 虚血領域は、ベクター投与時にはAdVEGF121動物とAdNullコント ロール動物のどちらでも同様であった。対照的に、7週間時点では、虚血領域は AdVEGF121動物ではAdNull動物と比較して顕著に減少した。ベクタ ー投与4週間後の各動物の虚血領域におけるベースラインと比較した「改善パー セント」は、AdVEGF121動物ではAdNull動物におけるよりもおよそ 2.4倍大きかった(それぞれ75%±6%対32%±11%)。 回旋分布における虚血最大もまた、3週間後では、AdVEGF121動物とA dNullコントロール動物で同じであった。対照的に、ベクター投与4週間後 には、AdVEGF121動物における虚血最大はAdNullコントロール動物 におけるよりも顕著に減少した。同様に、虚血最大における「改善パーセント」 は、AdVEGF121動物ではAdNullコントロール動物よりも2.5倍大 きかった(56%±8%対22%±6%)。 アメロイド圧迫器設置3週間後では、AdVEGF121群における、非虚血性 中隔と比較した虚血性回旋領域の心筋機能は、急速心房ペーシングの間の壁肥厚 率によって評価されるように、AdNullコントロールと比較して同様であっ た。対照的に、ベクター投与4週間後には、AdVEGF121処理した動物は、 急速心房ペーシングの間の壁肥厚率において、AdNullコントロール動物よ りも顕著に大きな改善を示した。印象的なことに、AdVEGF121群の回旋セ グメントにおける収縮機能は、この分析での虚血ゾーンから非虚血ゾーンを引い た差が「ゼ ロ」であることに反映されるように、中隔(コントロール)セグメントのそれに 近づいた。 ベクター投与4週間後に行った生体外血管造影により、すべての動物において アメロイド圧迫器により近位の回旋冠状動脈が完全に閉塞されることが確認され た。AdNullで処理した動物は、鈍縁および回旋冠状動脈の部分的にすぎな い補充を特徴として示した。対照的に、AdVEGF121を受容した動物は、鈍 縁および回旋冠状動脈のどちらの循環においてもほぼ完全な再構成を典型的に示 した。 鈍縁および回旋冠状動脈に対する側副グレードは、AdVEGF121動物にお いてAdNull動物よりも顕著に高かった。最後に、血管造影により可視化さ れる、回旋および鈍縁動脈を補う側副血管の総数は、AdVEGF121動物にお いてAdNull動物よりも顕著に多かった。 本研究における15匹の動物のうち13匹の心筋が、炎症の評価に利用可能で あった(AdVEGF121、n=5;AdNull、n=8)。最小の炎症が、 治療4週間後に評価したこれらの動物の心筋において検出され、AdVEGF12 1 群とAdNull群との間で炎症の程度に差はなかった(全体の強度スコア0 .3±0.06対0.4±0.08)。 本結果は、ヨークシャーブタで実証されたように、ヒトVEGF、特にVEG F121のDNAを、閉塞した回旋冠状動脈を有する哺乳動物の心筋層にアデノウ イルスを介して直接導入することにより、負荷により誘導される心筋の虚血の間 に、心筋の局所的灌流および収縮機能において顕著で且つ生理学的に適切な改善 を生じることを示している。重要なことに、この改善は、心筋の側副血管の発達 を伴い、実験的に閉塞させた冠状動脈セグメントを「生物学的にバイパスする」 のである。実施例5 本実施例では、本発明が、ヒトの心組織にAdVEGF121.10を投与し得るこ とを実証する。 複製欠損ベクターAdVEGF121.10は、サイトメガロウイルス(CMV)前 初期プロモーター/エンハンサー、人工のスプライス配列、ヒトVEGF121D NAおよびSV40ポリA/終結シグナルを含む発現カセットをE1位に含有す る、E1a-、部分的E1b-、E3-のアデノウイルスベクターである。AdV EGF121.10ベクターは、2つのヒト臨床試験(すなわち、合衆国FDA臨床試 験BB−IND 5702およびBB−IND 6442)のためのAdGVCF TR.10およびAdGVCD.10を構築・製造するのに用いた手順に従って製 造した。AdVEGF121.10を製造した後、該ベクターを精製し、2×109〜 2×1010pfu/ml(すなわち、100粒子単位/pfuと仮定すると2× 1011〜2×1012pu/ml)の力価で、炭水化物塩溶液中−70℃で保存し た。 慣用の心肺バイパスを用いた開胸心臓バイパス外科手術を、該バイパス処置完 了後のAdVEGF121.10ベクターの投与とともに行った。AdVEGF121.10 ベクターを、開胸心臓手術の間に、28ゲージ針を有するインスリンシリンジを 用いて心筋層に直接投与した。慣用の冠バイパス手術の候補者であり、少なくと も1つの他の冠状動脈分布に広汎性もしくはバイパス不可能な疾患を有する2人 のヒト患者にAdVEGF121.10投与を行った。2人の患者のそれぞれについて 、ベクターの全用量(1×107pfu、1×109pu)を10のアリコート( 100μl/アリコート)に分け、各アリコートを5mm以下の深さで1.5〜 2.0cm離れた部位に投与した。 その後の外科手術は、該外科手術に先立ち真夜中以降は患者が絶食および絶水 するようにして行った。心臓麻酔医は、各個体を準備するのに、また、手術の間 中標準的な手順を使用した。標準的なモニター類(3リード−修正心電図、パル ス酸素濃度計)を利用できる手術室に個体を搬送し、必要に応じて前投薬を行っ た。連続的な血圧モニタリングと血液サンプリングのために、橈骨動脈ラインを 麻酔下に挿入した。ミダゾラム、フェンタニルおよび/またはチオペンタールで 麻酔状態を誘導した。追加麻酔にはミダゾラム、フェンタニルおよび/またはチ オペンタール、並びにイソフルランが含まれた。パンクロニウムにより筋肉を弛 緩させた。気管内挿管(その場合さらに静脈内通路が挿入される)を容易にする ために、必要に応じてスクシニルコリンを投与した。中枢ライン(内頸静脈また は鎖骨下静脈)を挿入した。その中枢ラインを通じて肺カテーテルを挿入し、心 機能(中心静脈圧、肺動脈圧、肺動脈楔入圧およびコンピューター処理され、熱 希釈計算された心拍出量)をモニタリングできるようにした。経食道心エコー法 プローブを挿入して心臓内構造を同定し、弁膜および心室の機能を評価した。膀 胱カテーテルを据え付けて尿産出量を測定した。処置終了後4〜6時間以内に、 抜管を可能にする用量の麻酔を投与した。次いで、患者の胸部をベタジン/アル コールを用いて標準的な滅菌の仕方で準備し、布で覆った。小さな(半径およそ 0.6mm、細切採取法による皮膚生検と同じ)皮膚生検を皮膚切開部位で採取 した。該生検を、アデノウイルスベクター指向性の細胞傷害性Tリンパ球を評価 するための自家線維芽細胞を増殖させるのに用いた。 胸骨正中切開術を行い、伏在静脈または別の関連する導管を集めた。胸骨正中 切開術に続いて、大動脈および右心房カニューレ挿入をヘパリン(3mg/kg )投与後に行った。左内胸動脈を同定して胸壁から切り離した。標準的なプラク ティスにより患者を心肺バイパスにつないだ。心肺バイパス回路は、Cobe Excel 膜型人工肺(Cobe Laboratories Inc.,Lakewood,Colorado)と、Cobeローラー ポンプもしくはBiomedicus遠心型ポンプ(Biomedicus,Eden Prairie,MN)のい ずれかを含んでいた。回路に、約2200mlのクリスタロイド溶液(25%ア ルブミン200ml、0.5mg/kgマンニトール、Ringerの乳酸塩1800 ml)を注入した。バイパスすべき冠状動脈を同定して印を付けた。大動脈を留 め具で横断固定した後、穏やかな全身冷却(28〜32℃)による断続的な前行 性および/または逆行性の冷血心停止法を使用した。心筋温度プローブを据え付 け て、心臓麻痺的な停止の間、連続的に心筋の温度をモニタリングし、膀胱温度プ ローブを用いて全身の温度をモニタリングした。ランニング7−0プロレン縫合 糸を使用し、逆の伏在静脈セグメントを用いて冠状動脈に遠位吻合を行った。同 様のやり方で内胸動脈を左前下行動脈に吻合した。大動脈の横断クランプを除去 し、心肺バイパス回路の熱交換器を利用して患者を全身的に36℃に温め直した 。再加温開始後、部分的に大動脈を閉塞させるクランプを大動脈に据え付けた。 伏在静脈移植片の近位吻合部位を大動脈上にマーキングし、4.8mmの綿撒糸 を大動脈の付け根から切り出した。各伏在静脈移植片の近位部分を、6−0プロ レン縫合糸を用いて大動脈に吻合した。 近位吻合の完了後、バイパスの影響をうけにくい遮断された冠状動脈領域内に 、AdVEGF121.10を10回注入(100μl/注入)で投与した。1人の患 者には右冠状動脈区域にベクターを投与し、第二の患者には左心室にベクターを 投与した。患者を心肺バイパスから切り離した。プロタミンを投与してヘパリン により誘導される抗凝固傾向を逆転させた。大動脈および心房のカニューレを除 去し、すべてのカニューレ挿入部位を縫合した。一時的な心室ペーシングワイヤ ーを据え付けた。標準的なプロトコールにより36フレンチ胸部造瘻管を左胸膜 空間および縦隔に据え付け、術後ドレナージを行った。#20ワイヤーを用いて 胸骨を再隣接させ閉じた。ランニング0ビクリル縫合糸を用いて筋膜を二層で閉 じた。皮膚を皮膚クリップで再隣接させた。伏在静脈採取部位における脚につい ても同様の閉じ方を用いた。 ここで述べられた特許、特許出願および刊行物を含めたすべての引用文献は、 引用によりその全体がここに組み込まれるものである。 本発明は好適な態様を強調して記載したものであるが、様々な好適な態様が使 用され得ること、および本発明がここで詳細に記載された以外の方法で実施され 得ることを意図していることは、当業者には自明であろう。したがって、本発明 は添付の請求の範囲によって定義される発明の精神および範囲内に包含されるす べての改変を含むものである。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成11年3月5日(1999.3.5) 【補正内容】 的処置の計画は、患者の血管系の特定の部分を通る血液供給の遮断を予見するこ とができる。本方法にしたがって前処置することにより、これらの手術の所望の 結果を実質的に改善させることができる。その場合、好ましくは、処置は該手術 の約1日ないし約6週間前になされ、より好ましくは、手術の約2ないし14日 前になされる。血管形成誘導ベクターの投与 前述のように、VEGF蛋白などの血管形成誘導ペプチドの全身投与を介して 血管新生を誘導すると、例えば、失明を引き起こし、腫瘍細胞の侵襲性を増大さ せ得る無差別な血管新生の誘導が起こり得る。それ故、そのようなネガティブな 副作用を軽減もしくは予防するために、それを必要とする組織(すなわち、標的 組織)のみに血管新生を誘導することが望ましい。 本発明は、血管形成誘導ペプチドをコードするDNAを含有するアデノウイル スベクターを、標的組織に、局在化する様式で投与することを含む。本発明にお いては、いかなる適切な血管形成誘導ベクターの標的組織への投与手段も使用す ることができるが、好ましくは、標的組織へのそのような局在投与は、該標的組 織に血管形成誘導ベクターを直接注入するか、あるいは該標的組織に血管形成誘 導ベクターを局所的に塗布することにより達成される。「注入する」という語は 、血管形成誘導ベクターを標的組織内に強制的に導入することを意味する。本発 明においては、いかなる適切な注入装置も使用することができる。そのような注 入装置としては、同時複数注入の送達が可能な遺伝子導入送達装置に関する米国 特許第5,846,225号に記載されるものが挙げられるが、それに限定されな い。本発明において使用することができる別の注入装置の例として、侵襲性が最 小の注入装置が挙げられる。このような装置は、例えば、5インチ未満の小さな 切り込みを通して心臓に到達することができ、上記の複数注入装置とは対照的に 、単一の内腔を通じて注入するように設計されている。特異な幾何学図形をなす 複数 アデノウイルスベクターは、プラスミドや他のウイルスベクター(例えば、単 純ヘルペスウイルス)とは異なり、分裂細胞と非分裂細胞の両方に遺伝子導入を 達成し、心筋、血管内皮および骨格筋などの心血管関連部位において高レベルで 蛋白を発現するので、好適である。さらに、アデノウイルスベクターによって導 入された遺伝子は、染色体外の位置で機能し、宿主ゲノムの重大な部位に導入さ れた遺伝子を不適当に挿入する危険性がほとんどない。アデノウイルスベクター はまた、ウイルス複製に必要な少なくとも1つの遺伝子機能を欠損していること が好ましい。好ましくは、アデノウイルスベクターは、アデノウイルスゲノムの E1領域の少なくとも1つの不可欠な遺伝子機能、特にE1a領域を欠損し、よ り好ましくは、該ベクターは、E1領域の少なくとも1つの不可欠な遺伝子機能 およびE3領域の一部を欠損(例えば、E3領域のXbaI欠失)するか、ある いはE1領域の少なくとも1つの不可欠な遺伝子機能およびE4領域の少なくと も1つの不可欠な遺伝子機能を欠損する。しかしながら、E2a領域の少なくと も1つの不可欠な遺伝子機能を欠損したアデノウイルスベクターおよびE3領域 のすべてを欠損したアデノウイルスベクターもまた意図されており、且つ当該技 術分野においてよく知られている。E4領域全体を欠失したアデノウイルスベク ターは、より低い宿主免疫応答を引き出すことができる。適切な複製欠損アデノ ウイルスベクターが米国特許第5,851,806号およびPCT国際公開WO 95/34671号 に開示されている。例えば、適切な複製欠損アデノウイルスベクターとして、E 1a領域の部分欠失、E1b領域の部分欠失、E2a領域の部分欠失およびE3 領域の部分欠失を有するものが挙げられる。あるいは、複製欠損アデノウイルス ベクターは、E1領域の欠失、E3領域の部分欠失およびE4領域の部分欠失を 有していてもよい。 さらに、米国特許第5,432,075号に記載されるように、ウイルスベクターのコ ート蛋白を、特異的な蛋白質結合配列を組み込むように改変することができ、あ るいは、PCT国際公開WO98/40509号に記載されるように、野生型コート蛋白に 請求の範囲 1.標的組織への血液の灌流のレベルを増進させる方法であって、 (a)医薬上許容される担体および(b)血管形成誘導ペプチドをコードするDNAを 含むアデノウイルスベクターを含有する医薬組成物の一用量を、該組織への複数 回適用を介して投与し、該組織への該血液の灌流のレベルを増進させる方法。 2.虚血性損傷を病んでいるか、あるいは病む危険性のある標的組織の処置方法 であって、 (a)医薬上許容される担体および(b)血管形成誘導ペプチドをコードするDNAを 含むアデノウイルスベクターを含有する医薬組成物の一用量を、該組織への複数 回適用を介して投与し、該用量により該組織において治療または予防効果をもた らす方法。 3.標的組織における血管新生を誘導する方法であって、 (a)医薬上許容される担体および(b)血管形成誘導ペプチドをコードするDNAを 含むアデノウイルスベクターを含有する医薬組成物の一用量を、該組織への複数 回適用を介して投与し、該組織において血管新生を誘導する方法。 4.血管閉塞に冒されているか、あるいは冒される危険性のある標的組織におけ る側副血管形成を誘導する方法であって、 (a)医薬上許容される担体および(b)血管形成誘導ペプチドをコードするDNAを 含むアデノウイルスベクターを含有する医薬組成物の一用量を、該組織への複数 回適用を介して投与し、該アデノウイルスベクターを該側副血管形成のための起 点、終点およびそれらの間の領域を含む領域に接触させる方法。 5.該標的組織がはっきりと区別される器官の中にある請求の範囲1〜4のいず れかの方法。 6.該はっきりと区別される器官が心臓である請求の範囲5の方法。 7.該心臓がヒト心臓である請求の範囲6の方法。 8.該複数回適用が、該標的組織の異なる点に投与される請求の範囲1〜7のい ずれかの方法。 9.該複数回適用が該標的組織の約0.5〜15cm3に投与される請求の範囲 1〜8のいずれかの方法。 10.該複数回適用の少なくとも2回が約10分以内に投与される請求の範囲1 〜9のいずれかの方法。 11.該複数回適用のすべてが約10分以内に投与される請求の範囲1〜10の いずれかの方法。 12.該複数回適用が実質的に同時である請求の範囲1〜11のいずれかの方法 。 13.該血管形成誘導ペプチドが、VEGF121、VEGF145、VEGF165お よびVEGF189からなる群より選択される請求の範囲1〜12のいずれかの方 法。 14.該ベクターが、アデノウイルスゲノムのE1領域の少なくとも1つの不可 欠な遺伝子機能を欠損する請求の範囲1〜13のいずれかの方法。 15.該ベクターがE3領域の一部を欠損する請求の範囲1〜14のいずれかの 方法。 16.該ベクターが、E1a領域の少なくとも一部の欠失、E1b領域の少なく とも一部の欠失およびE3領域の少なくとも一部の欠失を有する請求の範囲1〜 15のいずれかの方法。 17.該ベクターが、アデノウイルスゲノムのE4領域の少なくとも1つの不可 欠な遺伝子機能を欠損する請求の範囲1〜16のいずれかの方法。 18.該ベクターが、E1領域の少なくとも一部の欠失、E3領域の少なくとも 一部の欠失およびE4領域の少なくとも一部の欠失を有する請求の範囲1〜17 のいずれかの方法。 19.該DNAが、該アデノウイルスベクターの該アデノウイルスゲノムにおい て右から左の方向である請求の範囲1〜18のいずれかの方法。 20.該DNAがアデノウイルスゲノムのE1領域内に位置する請求の範囲19 の方法。 21.該組織が血管閉塞に冒されているか、あるいは冒される危険性のある請求 の範囲1〜20のいずれかの方法。 22.該用量が該標的組織に生体外で投与される請求の範囲1〜21のいずれか の方法。 23.該用量が該標的組織にインビボで投与される請求の範囲1〜22のいずれ かの方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 38/00 C12N 5/00 B C07K 14/515 A61K 37/02 (31)優先権主張番号 60/071,156 (32)優先日 平成10年1月13日(1998.1.13) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 クリスタル、ロナルド ジー. アメリカ合衆国、メリーランド州 20852、 ポトマック、キャナル ヴィスタ コート 13712

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.標的組織への血液の灌流のレベルを増進させる方法であって、 (a)医薬上許容される担体および(b)血管形成誘導ペプチドをコードするDNAを 含むアデノウイルスベクターを含有する医薬組成物の一用量を、該組織への複数 回適用を介して投与し、該組織への該血液の灌流のレベルを増進させる方法。 2.虚血性損傷を病んでいるか、あるいは病む危険性のある標的組織の処置方法 であって、 (a)医薬上許容される担体および(b)血管形成誘導ペプチドをコードするDNAを 含むアデノウイルスベクターを含有する医薬組成物の一用量を、該組織への複数 回適用を介して投与し、該用量により該組織において治療または予防効果をもた らす方法。 3.標的組織における血管新生を誘導する方法であって、 (a)医薬上許容される担体および(b)血管形成誘導ペプチドをコードするDNAを 含むアデノウイルスベクターを含有する医薬組成物の一用量を、該組織への複数 回適用を介して投与し、該組織において血管新生を誘導する方法。 4.血管閉塞に冒されているか、あるいは冒される危険性のある標的組織におけ る側副血管形成を誘導する方法であって、 (a)医薬上許容される担体および(b)血管形成誘導ペプチドをコードするDNAを 含むアデノウイルスベクターを含有する医薬組成物の一用量を、該組織へ投与し 、該アデノウイルスベクターを該側副血管形成のための起点、終点およびそれら の間の領域を含む領域に接触させる方法。 5.該標的組織がはっきりと区別される器官の中にある請求の範囲1〜4のいず れかの方法。 6.該はっきりと区別される器官が心臓である請求の範囲5の方法。 7.該心臓がヒト心臓である請求の範囲6の方法。 8.該複数回適用の各々が該標的組織の約0.5〜15cm3に投与される請求 の範囲1〜7のいずれかの方法。 9.該複数回適用のすべてが約10分以内に投与される請求の範囲1〜8のいず れかの方法。 10.該複数回適用が実質的に同時である請求の範囲1〜9のいずれかの方法。 11.該血管形成誘導ペプチドが、VEGF121、VEGF145、VEGF165お よびVEGF189からなる群より選択される請求の範囲1〜10のいずれかの方 法。 12.該ベクターが、アデノウイルスゲノムのE1領域の少なくとも1つの不可 欠な遺伝子機能を欠損する請求の範囲1〜11のいずれかの方法。 13.該ベクターがE3領域の一部を欠損する請求の範囲1〜12のいずれかの 方法。 14.該ベクターが、E1a領域の少なくとも一部の欠失、E1b領域の少なく とも一部の欠失およびE3領域の少なくとも一部の欠失を有する請求の範囲1〜 13のいずれかの方法。 15.該ベクターが、アデノウイルスゲノムのE4領域の少なくとも1つの不可 欠な遺伝子機能を欠損する請求の範囲1〜14のいずれかの方法。 16.該ベクターが、E1領域の少なくとも一部の欠失、E3領域の少なくとも 一部の欠失およびE4領域の少なくとも一部の欠失を有する請求の範囲1〜15 のいずれかの方法。 17.該DNAが、該アデノウイルスベクターの該アデノウイルスゲノムにおい て右から左の方向である請求の範囲1〜16のいずれかの方法。 18.該DNAがアデノウイルスゲノムのE1領域内に位置する請求の範囲17 の方法。 19.該組織が血管閉塞に冒されているか、あるいは冒される危険性のある請求 の範囲1〜18のいずれかの方法。 20.該用量が該標的組織に生体外で投与される請求の範囲1〜19のいずれか の方法。 21.該用量が該標的組織にインビボで投与される請求の範囲1〜19のいずれ かの方法。
JP53224998A 1997-01-29 1998-01-29 血管新生を誘導するためのアデノウイルスベクターの多部位送達 Ceased JP2001509168A (ja)

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US3660197P 1997-01-29 1997-01-29
US08/801,352 US5846225A (en) 1997-02-19 1997-02-19 Gene transfer therapy delivery device and method
US7115698P 1998-01-13 1998-01-13
US60/036,601 1998-01-13
US60/071,156 1998-01-13
US08/801,352 1998-01-13
PCT/US1998/001638 WO1998032859A1 (en) 1997-01-29 1998-01-29 Multiple site delivery of adenoviral vector for the induction of angiogenesis

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001509168A true JP2001509168A (ja) 2001-07-10
JP2001509168A5 JP2001509168A5 (ja) 2005-09-08

Family

ID=27365066

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP53224998A Ceased JP2001509168A (ja) 1997-01-29 1998-01-29 血管新生を誘導するためのアデノウイルスベクターの多部位送達

Country Status (16)

Country Link
US (2) US6518255B2 (ja)
EP (1) EP1012291B1 (ja)
JP (1) JP2001509168A (ja)
KR (1) KR20000070572A (ja)
AT (1) ATE279518T1 (ja)
AU (1) AU745409B2 (ja)
BR (1) BR9806819A (ja)
CA (1) CA2278621A1 (ja)
DE (1) DE69827021T2 (ja)
HU (1) HUP0001964A3 (ja)
IL (1) IL131021A0 (ja)
MX (1) MXPA99006993A (ja)
NO (1) NO993669L (ja)
NZ (1) NZ336838A (ja)
PL (1) PL334902A1 (ja)
WO (1) WO1998032859A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016506911A (ja) * 2013-01-17 2016-03-07 メディツィーニシェ・ホーホシューレ・ハノーファーMedizinische Hochschule Hannover 疾患の治療または予防に用いるためのファクター1およびファクター2タンパク質、およびその阻害剤

Families Citing this family (37)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7238673B2 (en) 1989-03-31 2007-07-03 The Regents Of The University Of Michigan Treatment of diseases by site-specific instillation of cells or site-specific transformation of cells and kits therefor
AU745409B2 (en) * 1997-01-29 2002-03-21 Cornell Research Foundation Inc. Multiple site delivery of adenoviral vector for the induction of angiogenesis
US6775574B1 (en) * 1997-11-07 2004-08-10 Medtronic, Inc. Method and system for myocardial infarction repair
US6251079B1 (en) 1998-09-30 2001-06-26 C. R. Bard, Inc. Transthoracic drug delivery device
ES2316194T3 (es) * 1998-10-28 2009-04-01 Cornell Research Foundation, Inc. Metodos para la regulacion de la angiogenesis y la integridad vascular utilizando los ligandos bdnf, nt-3 y nt-4.
AU5646300A (en) * 1999-02-10 2000-08-29 Government Of The United States Of America, As Represented By The Secretary Of The Department Of Health And Human Services, The Methods of stimulating angiogenesis
US6440945B1 (en) * 1999-05-27 2002-08-27 Instituto Dermopatico Dell'immacolata Method of inducing angiogenesis in nonis chemic skeletal muscle
WO2000078357A2 (en) * 1999-06-18 2000-12-28 The Collaborative Group, Ltd. Hyaluronic acid film and matrix for sustained gene transfer
EP1067190A1 (en) * 1999-07-09 2001-01-10 Introgene B.V. Gene therapy for enhancing and/or inducing angiogenesis
EP1199992A1 (en) 1999-08-05 2002-05-02 Cornell Research Foundation, Inc. Gene therapy platformed needle and method of administering a therapeutic solution to a heart
FR2799465B1 (fr) * 1999-10-12 2004-02-13 Centre Nat Rech Scient Peptides ayant une activite de stimulation de la reponse immunitaire et de regeneration tissulaire
NZ546670A (en) * 1999-11-05 2009-02-28 Univ California Techniques and compositions for treating cardiovascular disease by in vivo gene delivery
US6329348B1 (en) 1999-11-08 2001-12-11 Cornell Research Foundation, Inc. Method of inducing angiogenesis
US6508802B1 (en) 2000-05-23 2003-01-21 Cornell Research Foundation, Inc. Remote sensing gene therapy delivery device and method of administering a therapeutic solution to a heart
US6939540B1 (en) 2000-07-31 2005-09-06 Cornell Research Foundation, Inc. Method of enhancing bone density
NZ518077A (en) * 2000-08-04 2003-11-28 Human Genome Sciences Inc Biologically active fragments, analogues and derivatives of VEGF-2 for the treatment of peripheral artery diseases such as critical limb ischemia and coronary disease
US20040009940A1 (en) * 2000-10-20 2004-01-15 Coleman Michael E. Gene delivery formulations and methods for treatment of ischemic conditions
US6793918B2 (en) * 2000-11-01 2004-09-21 Ludwig Institute For Cancer Research In vivo stimulation of angiogenic activity
JP2005501802A (ja) * 2001-01-23 2005-01-20 ボストン サイエンティフィック コーポレイション 虚血心筋を処置するための限局性心筋注入方法
AR027161A1 (es) 2001-05-15 2003-03-19 Bio Sidus S A Metodo para inducir la proliferacion neovascular y regeneracion tisular
US20030157064A1 (en) * 2001-11-09 2003-08-21 Pascal Neuville Chimeric promoters for controlling expression in muscle cells
JP2006514929A (ja) * 2002-11-15 2006-05-18 ジェンベク、インコーポレイティッド 冠動脈疾患の治療
BRPI0509620A (pt) 2004-04-05 2007-09-18 Univ California modulação de nkg2d
EP3072522B1 (en) 2005-01-06 2019-04-24 Novo Nordisk A/S Anti-kir combination treatments and methods
US7751883B2 (en) 2006-04-25 2010-07-06 Eugenio Picano System and method for promoting coronary angiogenesis
WO2007136673A2 (en) * 2006-05-19 2007-11-29 Medistem Laboratories, Inc. Treatment of disc degenerative disease and compositions for same
US8983570B2 (en) 2007-03-27 2015-03-17 Cardiovascular Biotherapeutics, Inc. Therapeutic angiogenesis for treatment of the spine
US11224635B2 (en) 2007-03-27 2022-01-18 Venturis Thereuptics, Inc. Therapeutic angiogenesis for treatment of the spine and other tissues
CN101998965B (zh) 2007-11-01 2014-03-12 安斯泰来制药有限公司 免疫抑制性多肽与核酸
US8409147B2 (en) * 2009-08-22 2013-04-02 Joseph Wayne Kraft Rapid local anesthesia linear injection device
US8088108B2 (en) * 2009-08-22 2012-01-03 Joseph Wayne Kraft Rapid local anesthesia injection cone
WO2011026041A2 (en) 2009-08-28 2011-03-03 The Cleveland Clinic Foundation Sdf-1 delivery for treating ischemic tissue
US20150206302A1 (en) * 2012-08-30 2015-07-23 Emory University Systems, methods and computer readable storage media storing instructions for integrating fluoroscopy venogram and myocardial images
WO2016134293A1 (en) 2015-02-20 2016-08-25 Baylor College Of Medicine p63 INACTIVATION FOR THE TREATMENT OF HEART FAILURE
EP3329930A1 (en) 2016-12-05 2018-06-06 Nuritas Limited Pharmaceuctical compositions
AU2017373651B2 (en) 2016-12-05 2022-03-10 Nuritas Limited Compositions comprising peptide wkdeagkplvk
EP4041192A4 (en) * 2019-10-09 2023-11-08 Xylocor Therapeutics, Inc. EPICARDIAL DELIVERY OF GENE THERAPY

Family Cites Families (34)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US510413A (en) 1893-12-12 Drainage-tube
US2551902A (en) 1948-09-10 1951-05-08 Arthur Schaffer Dehorning fluid ejector
US2670673A (en) 1950-07-17 1954-03-02 Joyce A Gordon Fluid injecting device
US3467096A (en) 1966-04-12 1969-09-16 Ferrell S Horn Multiple hypodermic syringe arrangement
FR1584474A (ja) 1968-02-20 1969-12-26
US3572336A (en) 1968-04-30 1971-03-23 Daniel R Hershberg Syringe
US4150669A (en) 1977-03-16 1979-04-24 Alvaro Latorre Apparatus for effecting and enhancing an erection
US4167179A (en) 1977-10-17 1979-09-11 Mark Kirsch Planar radioactive seed implanter
US5335670A (en) 1986-04-18 1994-08-09 Henry Fishman Allergy testing method and apparatus
JPS6438100A (en) 1987-07-31 1989-02-08 Toray Industries Vascular endothelial cell growth factor
JPH02117698A (ja) 1988-10-27 1990-05-02 Toray Ind Inc 血管内皮細胞成長因子
US5240848A (en) 1988-11-21 1993-08-31 Monsanto Company Dna sequences encoding human vascular permeability factor having 189 amino acids
JPH02279698A (ja) 1989-04-20 1990-11-15 M K Medical:Kk 血管内皮細胞成長因子及びその製造方法
US5332671A (en) 1989-05-12 1994-07-26 Genetech, Inc. Production of vascular endothelial cell growth factor and DNA encoding same
EP0399816B1 (en) 1989-05-24 1995-12-20 Merck & Co. Inc. Purification and characterization of a glioma-derived growth factor
US5219739A (en) * 1989-07-27 1993-06-15 Scios Nova Inc. DNA sequences encoding bVEGF120 and hVEGF121 and methods for the production of bovine and human vascular endothelial cell growth factors, bVEGF120 and hVEGF121
JPH03178996A (ja) 1989-12-06 1991-08-02 Makoto Goto 成長因子
US6228844B1 (en) * 1991-11-12 2001-05-08 Vical Incorporated Stimulating vascular growth by administration of DNA sequences encoding VEGF
EP0476983B1 (en) 1990-09-21 2000-03-15 Merck & Co. Inc. Vascular endothelial cell growth factor II
DE69229454T2 (de) 1991-03-28 2000-01-05 Merck & Co Inc Untereinheit-C des vaskulären endothelialen Zellwachstumsfaktors
US5244460A (en) 1991-11-27 1993-09-14 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Method to foster myocardial blood vessel growth and improve blood flow to the heart
EP0550296A3 (en) 1991-11-28 1993-12-29 Terumo Corp Vascular endothelial cells growth factor
US5290258A (en) 1992-07-27 1994-03-01 Genesis Industries, Inc. Syringe for administering sequentially multiple doses of a medicament
US5273525A (en) 1992-08-13 1993-12-28 Btx Inc. Injection and electroporation apparatus for drug and gene delivery
US6177401B1 (en) * 1992-11-13 2001-01-23 Max-Planck-Gesellschaft Zur Forderung Der Wissenschaften Use of organic compounds for the inhibition of Flk-1 mediated vasculogenesis and angiogenesis
ES2249762T3 (es) 1994-03-08 2006-04-01 Human Genome Sciences, Inc. Factor de crecimiento del endotelio vascular 2.
US5851806A (en) * 1994-06-10 1998-12-22 Genvec, Inc. Complementary adenoviral systems and cell lines
US5417683A (en) 1994-07-13 1995-05-23 Shiao; I-Shen Mini-graft hair implanting device for implanting multiple clumps of hair follicles at one time
JPH10507758A (ja) * 1994-10-19 1998-07-28 ジェネティック セラピー,インコーポレイテッド アデノウイルスおよび免疫抑制剤同時反復投与を伴う遺伝子治療
US5792453A (en) * 1995-02-28 1998-08-11 The Regents Of The University Of California Gene transfer-mediated angiogenesis therapy
US6121246A (en) 1995-10-20 2000-09-19 St. Elizabeth's Medical Center Of Boston, Inc. Method for treating ischemic tissue
AU745409B2 (en) * 1997-01-29 2002-03-21 Cornell Research Foundation Inc. Multiple site delivery of adenoviral vector for the induction of angiogenesis
US5846225A (en) 1997-02-19 1998-12-08 Cornell Research Foundation, Inc. Gene transfer therapy delivery device and method
JP3371331B2 (ja) * 1998-12-14 2003-01-27 セイコーエプソン株式会社 インクジェット式記録ヘッドおよびその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016506911A (ja) * 2013-01-17 2016-03-07 メディツィーニシェ・ホーホシューレ・ハノーファーMedizinische Hochschule Hannover 疾患の治療または予防に用いるためのファクター1およびファクター2タンパク質、およびその阻害剤
JP2020203894A (ja) * 2013-01-17 2020-12-24 メディツィーニシェ・ホーホシューレ・ハノーファーMedizinische Hochschule Hannover 疾患の治療または予防に用いるためのファクター1およびファクター2タンパク質、およびその阻害剤

Also Published As

Publication number Publication date
IL131021A0 (en) 2001-01-28
NO993669L (no) 1999-09-27
NO993669D0 (no) 1999-07-28
US20010041679A1 (en) 2001-11-15
CA2278621A1 (en) 1998-07-30
US6518255B2 (en) 2003-02-11
KR20000070572A (ko) 2000-11-25
HUP0001964A3 (en) 2002-01-28
DE69827021D1 (de) 2004-11-18
PL334902A1 (en) 2000-03-27
EP1012291B1 (en) 2004-10-13
AU745409B2 (en) 2002-03-21
US20030103943A1 (en) 2003-06-05
EP1012291A1 (en) 2000-06-28
BR9806819A (pt) 2000-05-09
HUP0001964A2 (hu) 2000-10-28
WO1998032859A1 (en) 1998-07-30
ATE279518T1 (de) 2004-10-15
AU6253098A (en) 1998-08-18
MXPA99006993A (es) 2005-06-01
NZ336838A (en) 2002-04-26
DE69827021T2 (de) 2005-02-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001509168A (ja) 血管新生を誘導するためのアデノウイルスベクターの多部位送達
JP3961019B2 (ja) 遺伝子転移媒介の血管形成療法
EP1017421B1 (en) Use of adenoviral vectors expressing VEGF or PDGF FOR HEALING TISSUE DEFECTS AND INDUCING HYPERVASCULARITY IN MAMMALIAN TISSUE
Schwarz et al. Evaluation of the effects of intramyocardial injection of DNA expressing vascular endothelial growth factor (VEGF) in a myocardial infarction model in the rat—angiogenesis and angioma formation
EP1232759A1 (en) Gene transfer-mediated angiogenesis therapy
US20160250290A1 (en) Gene therapy for diabetic ischemic disease
KR102376245B1 (ko) Vegf-a 폴리펩타이드를 인코딩하는 변형된 rna, 이와 관련된 제제 및 용도
Li et al. Targeted miR-21 loaded liposomes for acute myocardial infarction
Lee et al. Cardiac gene transfer by intracoronary infusion of adenovirus vector—mediated reporter gene in the transplanted mouse heart
Funatsu et al. Therapeutic angiogenesis in the ischemic canine heart induced by myocardial injection of naked complementary DNA plasmid encoding hepatocyte growth factor
US6329348B1 (en) Method of inducing angiogenesis
JP2002502885A (ja) 増強された遺伝子送達のための、核酸および血管作用性薬剤の組合せ
US20050191278A1 (en) Coronary artery disease treatment
Iwatate et al. Effects of in vivo gene transfer of fibroblast growth factor-2 on cardiac function and collateral vessel formation in the microembolized rabbit heart
WO2011024480A1 (ja) 血管新生療法用医薬組成物
AU2006235836A1 (en) Gene transfer-mediated angiogenesis therapy

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050121

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080401

A313 Final decision of rejection without a dissenting response from the applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A313

Effective date: 20080826

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20081014