JP2001508550A - ビラリ効果シートベルト張力センサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ビラリ効果シートベルト張力センサ１０は、プランジャ室５２と舌部頭部室５４とを有するセンサハウジング５０を備える。この二室５２と５４は、その間に延びてこの二室を接続する通路となる放射状フランジ５８によって分離されている。ビラリ効果センサ１２は、前記センサハウジング内に同軸に設けられ、プランジャ室５２内に設けられたプランジャ４０に一端１６で固定され、舌部頭部フランジ室５４内に設けられた舌部頭部フランジ２０に反対端１４で固定されている。シャフト２８により舌部頭部フランジ２０に接続された舌部２４は、シートベルト８０を固定するためのスロット２８を有する。

Description

【発明の詳細な説明】 ビラリ効果シートベルト張力センサ 関連出願相互参照 当出願は、１９９７年１１月２０日に申請して本発明と共通に譲渡されたア メリカ合衆国仮出願番号Ｎｏ．６０／０３５，１４９の利益を請求する。 この出願は、１９９７年１月９日に申請して本発明と共通に譲渡されたアメ リカ合衆国同時系属仮出願番号Ｎｏ．６０／０３５，１４９に関する。 発明の背景 当発明は、自動車乗客拘束ベルト（シートベルト）適用時の張力を測定する ためのビラリ(Villari)効果センサを用いるシートベルト張力センサ装置に関す る。特に、本発明は、頑強で温度変化に無感応なシートベルト張力センサ装置を 備え、アナログ張力測定値を高い抜取率で提供する。 シートベルト張力の測定は、広範囲にわたる様々な情況下で行われることが 望ましい。シートベルト張力測定値は、シートベルトプレテンショナを始動させ 、衝突重大度にもとずくエアーバッグインフレーションプロフィルを改変し、座 席乗員のどのような前進加速をも測定し、以って他の衝突に関わる力の強さを計 算せしめるのに用いてもよい。更に、シートベルト張力測定値は、自動車内に幼 児座席があるかどうかを確認するための座席重量センサと連携して用いてもよい 。 車両は、搭乗者の障害を軽減するために車両が衝突した時に反応して起動す る自動安全拘束アクチュエータを有することがある。そのような拘束アクチュエ ータの例としては、エアーバッグ、シートベルトプレテンショナおよび展開可能 な膝ボルスタがある。 自動安全拘束装置の一つの目的は、搭乗者の障害を軽減することであり、自 動安全拘束装置が起動しなかった場合にその衝突によって生ずるよりも更に多く の障害が自動安全拘束装置によって生じないようにすることである。このような 自動安全拘束作動装置による庇護利益にも拘らず、その配備にはリスクとコスト を伴うのが一般的である。通例、安全拘束装置は障害を軽減する必要がある時に のみ起動することが望ましい。なぜなら安全拘束装置の関連構成部品の交換費が 嵩んだり、装置をそのように起動することが搭乗者に危害を加える可能性がある からである。このことは、エアーバッグ拘束装置について特に言えることであっ て、エアーバッグが展開する時、その近くに居すぎた搭乗者−即ち位置違いの搭 乗者−は、関連する車両衝突が比較的軽い場合であっても、展開するエアーバッ グから死傷を蒙りやすい。更に、子供達や、若い成人や、虚弱骨格の人々のよう な、小柄または虚弱体質の搭乗者は、エアーバッグインフレータによって誘発さ れる障害を特に蒙りやすい。更にまた、前座席搭乗者側エアーバッグに近接して 正常に配置された後向幼児座席（ＲＦＩＳ）に適切に固定された幼児も、幼児座 席の後部表面がエアーバッグインフレータモジュールと密接しているため、展開 するエアーバッグから死傷を蒙りやすい。 それゆえ、エアーバッグインフレータの作動を抑制するために、自動車内に幼 児座席があるかどうかを確定することが望ましい。自動車の座席に幼児座席が固 定されていると、成人あるいは「通常の背格好」の搭乗者がシートベルトを着用 している場合より、シートベルト張力が可成り高いことが度々実証されている。 シートベルトを着用している人は、通常の操作条件で、シートベルトをシートベ ルト張力の１０ポンド以上固く絞めることはまれである。これとは対照的に、幼 児座席を固定するのに使われるシートベルト張力は５０ポンド程も高い。このよ うに装備された装置においては、座席にいる搭乗者の重量を検知するために使用 されるシートパッドに幼児座席を無理矢理に押し込むことにより、高いシートベ ルト張力が高い表示度数をシート重量センサに人為的に誘発することが出来る。 それゆえ、高い座席重量の読みと合わせて異常に高いシートベルト張力が存在す る時、幼児座席があることが推定されので、エアーバッグのインフレーションプ ロフィルがそれなりに改変されることがある。 既知のシートベルト張力測定装置は一般にスプリング式接触センサとロードセ ルを含む。スプリング式接触センサは限界重量探知のみを提供する。即ちベルト 上の張力が一定の限界以上か以下かは、スプリングによって確定されるのである 。ロードセルは、ほどほどに信頼できるアナログ張力測定値を提供するが、高価 で、定期的な校正が必要であり、軸外荷重（ｏｆｆ−ａｘｉｓ ｌｏａｄｓ）で 破損されやすく、温度変化に伴って著しく変化する出力の読みを示す。加えて、 多 くのロードセルアナログ出力信号は、張力測定値を得るために時間遅延を誘発す ることもある電子加算接合の所産であり、乗客の拘束を展開することを抑制する ような時間制約型操作には、その測定値はそぐわないものとなる。 発明の概要 本発明によれば、ビラリ効果センサを用いるシートベルト張力測定装置が提供 される。本装置はシートベルトに作用する引張力をビラリ効果センサに伝達して シートベルトにある張力量に応じて電気信号を発生させる。ビラリ効果センサを 格納し、そこに固定された舌部を軸方向に運動させるセンサハウジングが提供さ れる。シートベルト張力センサはシートベルトに作用するすべての引張力をビラ リ効果センサに伝達してそこに生ずる摩擦の影響を未然に除去する。 本発明は、設計が割に複雑ではなく、温度変化に無感応であり、定期的な校正 を必要とせず、軸外荷重に影響を受けず、そして極めて高い抜取率で、張力値を 提供できる張力測定装置を提供する。本発明はまた、例えばロードセルの技術と 比較して、制作費が安いという付加的な利点がある。本発明の他の利点は、車両 の設計要件次第で、シートベルト装置内の数箇所にセンサを設置し得ることであ る。 更に、本発明の出力は、万一衝突した場合に減速率を確定するのに使用しうる し、幼児座席の有無を確定するシート重量センサと同時に使用しうる。 従って、本発明の一つの目的は、車両シートに幼児座席または他の非成人アイ テムがあるかどうかを確定するための、エアーバッグ制御装置に組込まれること が可能なシートベルト張力センサを提供することである。 本発明のもう一つの目的は、頑強で、温度変化に無感応なシートベルト張力セ ンサを提供することである。 更に、本発明のもう一つの目的は、製造するのが安価なシートベルト張力セン サを提供することである。 本発明の更なる目的は、設計要件次第で車両シートベルト装置内の数箇所に配 置できるシートベルト張力センサを提供することである。 更に、本発明の更なる目的は、乗客拘束制御装置にアナログ張力表示を示すビ ラリ効果センサを用いたシートベルト張力センサを提供することである。 本発明は、添付の図面を参照しながら以下に記す好適態様の詳細な説明を読み 終えれば、もっと完全に理解し得るであろう。 図面の簡単な説明 図１．は、当発明によるビラリ効果シートベルト張力センサのダイアグラム説 明図である。 図２．は、自動車にシートベルト張力センサを仮想配置した説明図である。 好適態様の詳細な説明 本発明のシート重量センサは、或る材料の透磁率が機械的ストレスを加えると 変化するという原理を利用して作動するものである。この原理はビラリ効果とし て知られている。 特に、ビラリまたは“逆ジュール磁気弾性”(inverse Joule magnetoelastic) 効果は、１８００年中頃ジュールとビラリによって発見され、研究された。ビラ リ効果現象は、強磁性材料に発生し、応力を受けると材料の透磁率に変化が生ず ることを特徴とする。つまり、材料を磁化する能力は、材料に加えられる応力の レベルによるのである。ビラリ効果は、磁歪現象と密接に関連している。磁歪( “ジュール磁歪”(Joule magnetoelastic)としばしば呼ばれている)は、磁化中 の強磁性材料を拡大または縮小することを特徴としている。正の磁歪材料は、磁 化されると、磁場方向へ並行に拡大し、負の磁歪材料は、磁化されると、磁場と 並行の方向へ縮小する。 磁歪性を示す材料は、ビラリ効果をも示す。正の磁歪係数をもつ材料は、圧縮 応力を受けると透磁性の減少に会い、引張応力を受けると透磁性の増大を示す。 負の磁歪材料には、これとは逆のことが起こる。即ち、圧縮応力を加えると透磁 性が増大し、引張応力を加えると縮小する。応力が加えられると、材料の透磁性 または反応磁化に表れるこの変化を、ビラリ効果という。 正の磁歪材料の例としては、鉄、パナジュウム ペルメンジュウル（鉄４９％ ，コバルト４９％、パナジュウム２％）または一連の合金パーマロイ（ニッケル 鉄）が挙げられる。テルフェノル−Ｄは、鉄、テリビウム及びジスプロシウムか ら成るセラミック材料で、極めて高い透磁性を持つように特別に調整されている 。ニッケルは、負の磁歪係数を持つ材料の例である。金属合金が使用される場合 、 その材料は、加工硬化効果を取り除いて検知材料としての程よい均一性を確保す るために、適切に焼きなましされなければならない。 本発明のシートベルト張力センサは、張力を測定するために配置され、以下に 更に詳しく説明するように、張力測定ビラリ効果センサに適用できる。 始めに、シートベルトに作用する張力を測定するには、適切な磁歪材料を選ばな ければならない。張力を測定する際、当該材料は、張力がある場合に透磁率の減 少を示すような負の磁歪係数を持つていることが望ましい。磁歪係数の符号はセ ンサが透磁率の減少する領域で作動するように選ばれる。一般に、増大する応力 と共に減少する透磁率を利用するセンサは、さらに大きなダイナミックレンジを 持っており、応力が加えられるにつれて増大する透磁率を利用するものよりも、 加えられた応力によってさらに線形的に変化する信号を提供するであろう。 公知のビラリ効果センサは、交流の駆動電流を加えて材料内に交番磁場をつく る駆動コイルに囲まれた磁歪材料を備えるセンサロッドから構成されている。複 数の検知コイルが、磁歪材料内の磁束の導関数に比例する出力信号を供給する材 料の周囲に巻き付けられている。出力信号は、例えば、エアーバッグの展開を抑 制する乗客拘束装置の制御と関連する様々な機能を遂行するように都合よくプロ グラムされた制御プロセッサに操作的に接続されている。 図１は、本発明の好ましい実施の形態によるビラリ効果シートベルト張力セン サ１０を図示する。シートベルト張力センサ１０は、第一のアンカにより舌部頭 部フランジ２０に固定された第一の端１４を有する軸方向に設けられた磁歪セン サロッド１８を有するビラリ効果センサ１２を備える。ビラリ効果センサロッド １８の第二の端１６は、第二のアンカ３０によりプランジャ４０に固定されてい る。アンカ３０は、例えばセンサ１２にある磁場に材料的に影響を及ぼさぬテフ ランジ２０とプランジャ４０は共にアンカ３０を受け入れるような形に造られた アンカ孔２２と４２を有する。センサロッド１８の端は適切な非金属性のファス ナであれば、どんなファスナであってもそれによって舌部頭部フランジ２０とプ ランジャ４０とに固定してもよい。 センサハウジング５０は、軸方向に配置されたプランジャ室５２と舌部頭部室 ５４を格納している。センサハウジング５０は更に、シートベルト張力センサ１ ０を車両フレームまたは他の適当な構造部材に取付るために、その一端に、据付 ボルト孔５６を有する。スプリング６０は、ビラリ効果センサロッド１８の周囲 に同軸に設けられており、プランジャ４０と一端で隣接し、他端でプランジャ室 ５２と舌部室５４の間で内側に延びるセンサハウジング放射状フランジ５８と隣 接している。放射状フランジ５８は、プランジャ４０がフランジ５８を通り過ぎ て軸方向へ移動するのを防ぐため、プランジャ４０の幅よりも大きな幅を持って いる。放射状フランジ５８はまた、プランジャ室５２を舌部頭部室５４と接続す る通路となっている。 センサハウジングプランジャ室５２は、プランジャ４０，スプリング６０およ びセンサロッド１８の第２の端１６の周囲に設けられている。センサハウジング 舌部頭部室５４は、ハウジング放射状フランジ５８によってプランジャ室５２か ら分離されて舌部頭部フランジ２０、センサロッド１８の第一の端１４および軸 方向に延びる舌部シャフト２８の周囲に設けられている。舌部頭部室５４は、据 付ボルト孔５６からセンサハウジング５０の反対端に設けられ、舌部シャフト２ ８がそこを通って延びる通路となるセンサハウシングリップ７０を更に備えてい る。 センサロッド１８，プランジャ４０及び舌部頭部フランジ２０は、センサハウ ジング５０内を軸方向に移動することができる。スプリング６０は、そこに作用 するシートベルト８０によって加えられる引張応力と反対方向へプランジャ４０ を偏倚させる。センサハウジングリップ７０は、舌部頭部フランジ２０に隣接し てセンサロッド１８が破損した場合にその軸方向への移動を阻止し、シートベル トがセンサ１０を確実に取付けたまま接着するようになっている。センサハウジ ング５０の外部に設けられた舌部２４は、そこにシートベルトを固定するために 舌部シャフト２８から延びており、そこを通り抜けるスロット２６が設けられて いる。 図２を参照して、ビラリ効果シートベルト張力センサ１０は、設計要件次第に より、在来シートベルト内の複数の位置に配置してもよい。動作中に、シートベ ルト８０の張力が増大するにつれて、プランジャ４０が軸方向へ転移し、スップ リング６０を、センサハウジング放射状フランジ５８の方へ圧縮する。引張力す べてが、ビラリ効果センサロッド１８に受け止められ、その透磁率を変える。プ ランジャ室５２内のプランジャ４０，スプリング６０及びセンサロッド１８が移 動すると、引張力がセンサロッド１８だけに加えられ、摩擦力が四散しないよう になる。センサ１０の透磁率が変化するにつれて、ビラリ効果センサは、センサ ロッド１８に作用する張力の量に応ずる出力を、乗客拘束始動装置を制御するた めに使用される制御プロセッサへ供給する。 以上具体的な態様が詳細に説明されたが、開示全体の技術内容にかんがみ、種 々の修正や代替がこれらに加えられることは、当業者には理解されるであろう。 従って、開示された特定の装置は単に例証を意図するものであって、本発明の範 囲を限定するものではなく、その範囲は、請求の範囲の全範囲及びその等価物の 一切を含むものである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＣＡ，ＪＰ，Ｋ Ｒ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．シートベルト張力センサであって、 その間を内側に延びる放射状フランジによって画定される通路によって接続さ れたプランジャ室と舌部頭部室とを有するセンサハウジングであって、その一端 に据付ボルト孔と、その反対端に通路を定めるハウシングリップとを更に有する 前記センサハウジングと、 アンカ孔を有する、前記センサハウジングのプランジャ室内に設けられたプラ ンジャと、 アンカ孔と前記センサハウジングのハウジングリップにより画定された通路を 介して軸方向へのびる舌部シャフトとを有する舌部頭部室内に設けられた舌部頭 部フランジと、 シートベルトを固定するためのスロットを有する舌部シャフトから延びる舌部 と、 第一と第二の端を有し、それぞれが固定されたアンカを有し、一つのアンカは 前記プランジャのアンカ孔に設けられ、他のアンカは前記舌部頭部フランジのア ンカ孔に設けられている、軸方向に設けられた磁歪材料を備えるビラリ効果セン サと、 ビラリ効果センサの周囲に同軸に設けられたスプリングであって、該スプリン グの一端が前記プランジャに隣接し、該スプリングの他端が前記センサハウジン グ放射状フランジに隣接する前記スプリングと、 を備える、前記センサ。 ２． ビラリ効果センサアンカが非金属材料から成る、請求項１に記載のシー トベルト張力センサ。 ３． ビラリ効果センサ磁歪材料が負の磁歪係数を有する、請求項１に記載の シートベルト張力センサ。 ４． ビラリ効果センサ磁歪材料がニッケルから成る、請求項１に記載のシー トベルト張力センサ。 ５．シートベルト張力センサであって、 その間を内側に延びる放射状フランジによってなる通路によって接続されたプ ランジャ室と舌部頭部室とを有するセンサハウジングであって、その一端に据付 ボルト孔と、その反対端に通路を定めるハウジングリップとを更に有する前記セ ンサハウジングと、 センサハウジングプランジャ室内に設けられたプランジャと、 センサハウジングのハウジングリップによって定められた通路を介して軸方向 へ延びる舌部シャフトを有する舌部頭部室内に設けられた舌部頭部フランジと、 シートベルトを固定するためのスロットを有する舌部シャフトから延びる舌部 と、 プランジャと前記舌部フランジにそれぞれ固定された第一と第二の端を有する 軸方向に設けられた磁歪材料を備えるビラリ効果センサと、 ビラリ効果センサの周囲に同軸に設けられたスプリングであって、該スプリン グの一端が前記プランジャに隣接し、該スプリングの他端がセンサハウジング放 射状フランジに隣接するスプリングと、 を備える、前記センサ。 ６． ビラリ効果センサアンカが非金属材料から成る、請求項５に記載のシー トベルト張力センサ。 ７． ビラリ効果センサ磁歪材料が負の磁歪係数を有する、請求項５に記載の シートベルト張力センサ。 ８． ビラリ効果センサ磁歪材料がニッケルから成る、請求項５に記載のシー トベルト張力センサ。