JP2001506880A - 超音波により物質を投与する方法およびその装置 - Google Patents

超音波により物質を投与する方法およびその装置

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テクニオン・リサーチ・アンド・デベロツプメント・フアンデーシヨン・リミテツド
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、細胞、組織または膜を二つの超音波の励振に露出し、この際第1の励振は細胞、組織または膜に一時的な孔を開けるのに使用し、第2の励振は該孔を通して該物質を推進するのに使用することにより細胞、組織または膜の方へまたはそれを通して該物質を投与する方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 超音波により物質を投与する方法およびその装置 本発明の分野 本発明は超音波により組織および膜を通して物質を投与する方法およびその装 置に関する。 本発明の背景 薬物、栄養剤、ワクチンおよび代謝産物のような物質を、組織を通して、また は生体または人工的な(移植物など)膜を介して投与する場合、異物成分の望ま しくない侵入に対し健康な組織、および生体または人工的な膜が障壁となるため に困難に直面することが多い。現在物質が組織を横切って輸送されるのを容易に する種々の方法が開発されている。このような方法の例としては、投与すべき化 合物に濃度勾配をつける方法;電磁場を使用し、投与される物質の推進力を増加 させ、また組織または膜の中に孔を生成させるイオン導入法;および超音波を用 いる方法がある。 超音波は20kHzよりも高い周波数をもつ音波として定義され、多数の医療 および診断処置、例えば内部器官の画像化、滅菌、脱ガス、表面の眼球レンズの 表皮の手術、胆石の破砕および抗ガン処置等に利用されている。 超音波はまた組織、典型的には皮膚を横切る種々の化合物の輸送を容易にする のに使用される(Mitragotri,M.等、Science誌269巻、 850〜853(1995年))。 米国特許5,076,208号には、例えばゴナドトロピン放出ホルモン同族 列(GnRHa)のような分子を音響的媒質の中に入れた水棲 動物に送り込む方法が記載されている。投与される分子を媒質に加え、これに超 音波をかけて動物による該化合物の吸収を増強させる。超音波は通常比較的長い 時間、例えば10〜15分間、単一の周波数を用い、強度1.7W/cm2でか ける。 化学的な透過増強剤および/またはイオン導入法を併用すると超音波による投 与法は改善される(米国特許5,231,975号)。他の方法では外傷を起こ すような方法で局所神経を興奮させるのに超音波を使用し、神経の興奮によって 表皮/真皮接合部の膜および毛管の表皮細胞接合部を開かせ、これによって薬物 が皮膚を通り血流の中へと輸送されるのを可能にする(米国特許5,421,8 26号)。 超音波を利用する従来の投与法は、蛋白質、核酸、および小さい分子の薬物な ど、典型的には液体の媒質に溶解する、即ち可溶性の物質の投与には適している 。 現在では、組織または生体膜を通して大きさが1nm、または10〜100μ 程度の大きな複雑な粒子を投与することが望まれているが、このような複雑な粒 子はそれが運ばれる液体媒質の中では実質的に不活性である。このような複雑な 粒子の例としては、免疫の目的で投与する死んだまたは弱められたビリオン、黴 または寄生体、またはそれらの断片;遺伝子操作の目的で組織または培養細胞に 投与されるプラスミド;施肥の目的で卵母細胞に投与される生殖体の核;治療の 目的で投与される、医薬品を包蔵し低速度でこれを周りの組織に放出する粒子; 酸化の防止、吸湿効果の防止、心臓に対する抵抗の増加を行なうために化合物を 変化させるため、或いは粒子の内容物を生物的効果から(例えば解重合)から保 護するために保護被膜で被覆された粒子;および局所的または全身 的な治療、化粧用または研究の目的で局所的または全身的に投与される粒子、例 えば磁性をもったビーズ、または染料粒子がある。 当業界の現状において超音波を用い容易に投与を行ない得る方法は、このよう な大きな複雑な粒子の投与には適していない。何故なら組織を通して大きさが小 さい分子を推進するのに十分な超音波パルスをかけても、大きな複雑な粒子を組 織または生体膜または人工膜を通して推進するのには不十分だからである。超音 波をかける時間、超音波パルスの周波数または強度を組織または細胞膜を通して 大きな複雑な粒子を推進するのに十分なレベルまで増加させることはこれまで報 告されていない。何故ならその結果組織に不可逆的な損傷を及ぼすか、または大 量の細胞の死を招くからである。超音波の照射強度または照射時間を増加させる と、同様に非生体膜、例えばポリエチレンまたはエラストマー(例えば移植に使 用される膜)にも不可逆的な損傷が起こる。 従って、超音波を使用し、組織または細胞に対する損傷を最低限度に抑制しな がら、組織、細胞または膜(天然の膜および人工膜の両方)に対し物質を投与す る方法が極めて望まれている。さらに比較的大きな大きさをもつ複雑な粒子を超 音波を用いて容易に投与する方法が極めて望ましい。 本発明の概要 本発明によれば、細胞、組織または膜の中に、またはそれを通して物質を導入 する新規方法が提供される。本発明に従えば、この方法は第1の刺激的な励振と 第2の推進的な励振とから成る複雑な超音波励振(stimulus)を用いる ことによって達成される。これらの二つの励振を用いることにより、不可逆的な 損傷を生じることなく大きな複雑な 粒子を組織または細胞へ導入し得ることが見出された。本発明方法による細胞、 組織または膜へ物質を投与する方法は下記の工程から成っている。 (a)細胞、組織または膜を第1の超音波的励振に露出し、細胞の塊または組 織の大部分の細胞に不可逆的な損傷を与えることなく、或いは膜に不可逆的な損 傷を与えることなく該物質が通過し得るような大きさの孔を該細胞、該組織また は該膜に一時的につくる工程、および (b)該孔の少なくとも一部がまだ開いている時間内に、該細胞、組織または 膜を第2の推進的な超音波的励振に露出し、この際該露出は該細胞、組織または 膜と接触した媒質の中で該物質を含ませて行ない、該第2の超音波励振は、細胞 の塊または組織の大部分の細胞、或いは膜に不可逆的な損傷を与えることなく該 孔を通して該物質の少なくとも一部を推進させるのに有効であるような励振であ るような工程。 本発明方法は投与すべき物質の種類に依存して、治療用または化粧用の目的、 並びに診断用および実験用の目的に使用することができる。 投与すべき物質は例えば治療的な処置のための種々の医薬品のような可溶性物 質、遺伝子操作の目的で使用するDNA分子のような高分子、細胞内部または組 織の内部を診断する目的の種々の染料等であることができる。 好適具体化例によれば、投与すべき物質は複雑な粒子である。「複雑な粒子」 という言葉は一般に大きさが少なくとも1nmで10または100μまでの範囲 にあり、通常は数種の型の分子から構成されているが、時には単一の型の分子か ら成っていることもある粒子を意味する。複雑な粒子はそれが運ばれる媒質に実 質的に不溶である。複雑な粒子の例は 弱められた病原剤またはその一部、例えばワクチンの目的で投与されるバクテリ ア、ビリオン、黴、原生動物、または寄生体;遺伝子操作の目的で組織または培 養細胞に挿入されるDNAを含んだプラスミド;施肥の目的で卵母細胞に投与さ れる生殖体の核;治療の目的で医薬品を包蔵し周りの組織に低速度でそれを放出 し得る粒子;例えば永久的なメーキャップを行なう場合のような入れ墨を目的と した生体適合性をもつ染料を含む粒子;診断用の検出可能なマーカーを含む粒子 等がある。 物質を投与する細胞は典型的には媒質中で培養された任意の真核細胞または原 核細胞であることができる。これらの細胞は単細胞生物から、また多細胞生物の 細胞から得ることができる。 物質を投与する組織は典型的には上皮組織であり、これは人工的に湿らせたケ ラチン化した上皮組織、例えば皮膚、または湿らせた非ケラチン化した組織、例 えば眼、消化器官、呼吸器官、または再生システムを覆っている上皮である。こ れらの組織はまた種々の生育段階にある魚、甲殻類または軟体動物のような水棲 動物を覆う湿った上皮組織であることができる。 膜は天然の膜または人工的な膜、例えば移植部材の一部を構成するポリエチレ ンまたはエラストマーの膜であることができる。 本明細書で使用する「孔」という言葉は、細胞に関連して用いれる場合、細胞 膜の中につくられる孔を意味する。本明細書において組織に関連して使用される 「孔」と言う言葉は、組織を覆う基底層の中につくられる孔、または組織の細胞 間接合部の開口部、および/または組織から若干の細胞が取り去られたり、或い は組織の共鳴周波数またはその近くで振動することにより生じる細胞間隙の増大 部を意味する。膜(天然の 膜および人工膜の両方)と関連して使用される「孔」は天然または人工の膜の間 隙、即ち不連続的な空間を意味する。 場合によって細胞、組織または膜を液体媒質の内部に入れるかまたはそれと接 触させ、二つの種類の超音波の励振をかける。組織がケラチン化された皮膚であ る場合、液体媒質は超音波を露出させるのに適したゲルであることができる。液 体媒質は水、または特定の細胞、組織または膜を維持するために必要な添加剤を 加えた水である。 投与する物質は前以て、即ち第1の励振の間に液体媒質の中に存在させること ができる。或いは別法として、第2の推進用の励振をかける直前に液体媒質に物 質を加えるか、或いは第1の励振をかけ終った後に組織または細胞を物質を含む 媒質の中へ移動させることにより、第2の励振を加えている間だけ物質を存在さ せることができる。この二つの励振を同時にかける場合には、物質は前以て媒質 中に存在させなければならない。物質は手で媒質に加えることができる。別法と して、ベンチュリー管をつくり、超音波自身によってつくられる吸い上げ効果を 利用し、特別につくられた貯蔵器中に存在する物質を特殊な要求に従う速度で媒 質に移すことができる。 細胞または組織中の細胞の中に一時的な孔をつくることができる第1の刺激用 の励振、および該孔を通して投与する物質を細胞または組織の孔へと推進するこ とができる第2の推進用の励振の特定のパラメータは、細胞および組織の正確な 性質および投与する物質の性質に依存して実験的に決定しなければならない。 第1の刺激用励振のパラメータを決定するためには、物質を投与すべき細胞、 組織または膜の第1の組の試料を、強度、周波数、パルス・モ ードおよび照射時間を種々変化させた種々の超音波パルスに露出させ、それと同 時に或いは励振を加えた直後に、固定を行なって電子顕微鏡下で検査しなければ ならない。好ましくは、対応する一組の励振を第2の組の試料にも加え、回復の 程度を決定するために励振後数時間して試料を固定し電子顕微鏡で検査する。選 ばなければならないパラメータは、第2の組の試料によって決定されるように、 好ましくは細胞の塊または組織に対して不可逆的な損傷を与えることなく、第1 の組の試料で決定されるような所望の大きさをもった孔をつくり得るパラメータ でなければならない。 第2の推進用の励振は、孔がなお開いている間にかけなければならない。この 期間は通常第1の刺激用の励振を加えた後数秒〜数分の範囲である。第1の励振 によって生じる孔がなお開いている正確な時間間隔は、第1の励振を加えた後種 々の時間において孔の数および大きさを調べることによっても実験的に決定する ことができる。別法として二つの励振を同時に加えることができる。 第2の推進用の励振の正確なパラメータもまた、例えば投与する物質とほぼ同 じ大きさをもった電子密度の大きな粒子(即ちトレーサー)を用い、細胞の塊ま たは組織に実質的な損傷を与えることなく、第1の刺激用の励振によってつくら れた孔にトレーサーをうまく推進して通すのに必要な超音波の正確なパラメータ はどれかを決定することにより実験的に決定しなければならない。魚の皮膚に関 しては、不可逆的な損傷を与えないと考えるべき全体的な効果は、照射した区域 における表面の単層偏平細胞の損失を伴う壊死を起こす効果、即ち超音波照射区 域において皮膚層の約1/12の皮膚が剥離するような効果を越えない効果であ る。さらに一つの層だけ深い場所で細胞膜の遠い方の(外側に向って)部分に孔 の生成が観測されても、それは許容できる変化てある。それよりも深い所にある すべての細胞は影響を受けずに残っていなければならない。即ち超微細構造的に も生理的にも実質的に変化しないままでなければならない。最も外側の3〜4層 の表皮層の細胞間隙が2倍に拡大するのは許容できる。これらの現象の実質的な 回復、即ち再表皮化は約10分いないに観測されなければならない。 一般的に述べれば、第1の刺激用の励振は下記のパラメータをもっている。 周波数:20kHz〜3MHz、好ましくは100kHz〜1.5MHz、最 も好ましくは1MHz以下。 照射時間:0.01秒〜20分、好ましくは0.1秒〜30秒、最も好ましく は1秒以下であるが、1秒に近い方が良い。 強度:0.1〜500W/cm2、好ましくは0.1〜100W/cm2、最も 好ましくは3〜50W/cm2。 第2の推進用励振のパラメータは次の通り。 周波数:20kHz〜50MHz、好ましくは2MHz〜15MHz、最も好 ましくは3〜5MHz。 照射時間:0.01秒〜20分、好ましくは0.1秒〜5分、最も好ましくは 1〜10秒。 強度:0.1〜50W/cm2、好ましくは0.1〜10W/cm2、最も好ま しくは0.5〜5W/cm2。 強度と照射時間との間には逆比例関係が存在することを認めなければならない 。例えば音響レンズのような焦点合わせシステムを使用するこ とにより強度を増加させた場合には、照射時間を減少させなければならない。さ らに試験管内に存在する細胞は生体中に存在する細胞に比べ低い強度、短い照射 時間で処理しなければならない。試験管内の条件下にある細胞は、超音波をかけ る前に特定のシートに付着させ、特定の細胞に対する流れ効果を減少させるため に照射を制御し得るようにしなければならないことが多い。 好ましくは第2の推進用励振の照射時間および周波数は第1の刺激用の励振の 場合に比べ長くまた高くしなければならないし、強度は低くしなければならない 。 本発明の第2の態様に従えば、光、超音波または他のエネルギー源によって賦 活できる照射賦活性化合物を照射することにより細胞または組織を破壊する方法 が提供される。これらの化合物は本発明の投与法によって投与される。照射賦活 性化合物は、照射によって賦活されて遊離基を放出するとして知られれている数 種の化合物である。従ってこれらの化合物は医薬品の中において周囲の組織を損 傷させるのに使用される。いくつかの物質は光照射治療法において光によって賦 活して目標となる組織、典型的には腫瘍の組織を選択的に破壊するのに使用する ことができる(Orenstein等、Br.J.Cancer誌、73巻、9 37〜944頁(1996年))。光によって賦活されるものとして以前に報告 された若干の化合物を明らかに賦活し得るような光増感剤および超音波の効果を 組み合わせて癌を治療する方法も報告されている(Miyoshi等、Radi at.Res.誌、143巻、194〜202頁(1995年))。 しかし従来法の方法には、局所的な照射を行なった場合、照射して賦 活された可溶なまたは粒状の化合物をどのようにして目標の区域に到達させるか についての記載がない。これは本発明方法によって達成される。これらの化合物 が所望の区域、例えば表皮層から数層深い層に到達すると賦活用のエネルギーを 照射する。これは光、超音波または他のエネルギー源のいずれであってもよい。 このモードにより、投与した化合物が到達した区域における細胞または組織だけ が破壊され、この区域の外側にある細胞および組織は影響を受けない。 第2のモードにおいては賦活用の照射を第2の推進用の励振と同時に行なう。 この場合も賦活用の照射は光、超音波または他のエネルギー源のいずれでもよい 。これによって照射賦活性物質はその浸透経路において既にその組織破壊効果を 及ぼし、投与した部位(皮膚の外側の層)から物質が到達した区域に至る実質的 にすべての区域が実質的に破壊される。 光で賦活される照射賦活性物質の例は、フォトフリン、フェオフォルバイド( pheophorbide)、ポルフィリン、硼素化したポルフィリン、フタロ シアニン、ヘマトポルフィリンおよびクロリンである。 超音波で賦活される照射賦活性物質の例は、ジメチルフォルムアミド、N−メ チルフォルムアミド、ジメチルスルフォキシドおよびガリウムポルフィリンであ る。 本発明はまた上記方法において使用されるシステムに関する。 このシステムは一般に多重周波数信号発生器、マッチング・ユニットおよび少 なくとも一つの変換器から成り、これらは所望の部位における強度を増加させる ために焦点合わせシステム(例えば焦点合わせ用レンズ)に取付られていること ができる。このシステムはまた第1または第 2の変換器に取付られた任意の超音波ポンプに取付られていることができる。 下記実施例により本発明を例示する。これらの実施例は本発明を限定するもの ではない。図面の簡単な説明 図1は1MHz、1.5w/cm2の超音波の連続波を5分間照射した魚の表 皮の電子顕微鏡写真(倍率3,900)を示す。 図2は1MHz、1.5w/cm2の超音波の連続波を50秒間照射した魚の 表皮の電子顕微鏡写真(倍率7,500)を示す。 図3は1MHz、3w/cm2の超音波の連続波を1秒間照射した魚の表皮の 電子顕微鏡写真(倍率12,450)を示す。 図4、5は3MHz、1.7w/cm2の超音波の連続波を5分間照射した魚 の表皮の電子顕微鏡写真(倍率:図4が4,800、図5が3,900)を示す 。 図6は3MHz、1.7w/cm2の超音波の連続波を50秒間照射した魚の 表皮の電子顕微鏡写真(倍率8,700)を示す。 図7、8は3MHz、1.7w/cm2の超音波の連続波を10秒間照射した 魚の表皮の電子顕微鏡写真(倍率:図7が18,000)図8が19,400) を示す。 図9、10は、トレーサーのランタン(矢印)を存在させ、3MHz、1.7 w/cm2の超音波の連続波を5分間照射した魚の表皮の電子顕微鏡写真(倍率 :図9が19,500、図10が9,900)を示す。 図11、12および13は、トレーサーのランタン(矢印)を細胞中および細 胞間隙に存在させ、1MHz、1.7w/cm2の超音波の連 続波を5分間照射した魚の表皮の電子顕微鏡写真(倍率:図11が12,900 、図12が15,000、図13が3,000)を示す。 図14は図13の一部の高倍率写真(倍率19,000)である。 図15は1MHz、2w/cm2で10秒間照射した後、トレーサーを組織の 中に存在させて3MHzで50秒間照射し、照射後直ちにサンプリングした魚の 表皮の電子顕微鏡写真(倍率9,900)を示す。 図16〜18は、照射後10分して上記図15に示した処理を行なった魚の表 皮の電子顕微鏡写真である。トレーサーは影響を受けない細胞の中に存在する( 倍率:図16が24,000、図17が24,000、図18が27,000) 。 図19は本発明の超音波システムの模式図である。 図20は本発明のシステムに使用されている音響レンズの模式図を示す。 図21は音響ポンプの模式図を示す。 本発明の詳細な説明 I.実験方法 A.超音波装置 使用した治療用の超音波装置はSonicator 720(米国カリフォル ニア州、Mettler Electronics社)であり、二つの可能な周 波数1.0および3.0MHz(±5%)に対するプローブの表面積はそれぞれ 5cm2および10cm2である。出力は最高2.2w/cm2であり、20%の 負荷時間率のパルスモードかまたは連続波を使用する。 B.魚への超音波の付加 重さ4〜100gの魚(テラピアおよび鯉の種類)120匹以上の試料を海水 中で超音波で処置した。魚が同じ容器(約3,000ml)の中に入れられてい る場合、4〜6匹の魚に対して同時に超音波をかけ、特殊な保持器を用いてそれ ぞれの魚を自分の位置に安定に保持した。図17の模式図に示されているように 、超音波は上方から照射した。トレーサーを含む他の容器に魚を移した一例を除 いて、他のすべての実験では二つの励振を与える間魚は同じ容器の中に入れたま まにした。ランタンのトレーサーは第2の照射を行なう直前に加えるか、または 第1の照射の前から媒質の中に存在させた。トレーサーを加える時期は結果に著 しい影響を及ぼさない。後で再びこの実験を繰り返した。今回はランタン・トレ ーサーの代わりに細菌ワクチン(ストレプトコッカス(streptococc us))を用いたが、これは2回目の照射の際に水に加えた。 C.電子顕微鏡解析用の組織学的試料の調整 超音波を照射した後異なった時期に皮膚の生検試料(3×3mm、厚さ0.5 mm)を採取した。生検試料は軽く麻酔をかけた(MS222)魚の背鰭の部分 から採取し、また魚を殺さずに生検試料を採取した。ナトリウムカコジレート緩 衝液(0.09M、pH7.3)中に3%のグルタルアルデヒドを含む溶液中で 組織を固定し、同じ緩衝液で洗滌し、同じ緩衝液中に四酸化オスミウム(1%) を含む溶液で後固定を行なった。エタノールで脱水した組織をアガー(Agar )100樹脂中に埋め込む。薄い区画を300メッシュの銅の格子の上に集める 。トレーサーを用いないで処理した魚の試料は、酢酸ウラニルおよびクエン酸鉛 を用いてさらにコントラストを付ける。トレーサーの存在下で処理した魚 の試料はこのようなコントラストを付けず、トレーサーにょる視覚化が増強され るようにした。すべての試料はJeolの100CX透過電子顕微鏡で検査した (Iger,Y.およびWendlaar Bonga,S.E.,Cell Tissue Res.,275巻、481〜492頁、(1994年))。 D.超音波システム 図19のシステム1は下記の実験を行なうのに使用する概念モデルであり、す べて番号2を付した多重周波数信号発生器、および信号増幅器およびマッチング ・ユニット、並びに変換器3から成っている。図において内部容器5の中に示さ れているように、照射は常に水性媒質、即ちゲルまたは水を介して行なわれる。 変換器6の作動側は水性媒質4の中に入れられている。刺激用の励振を与える変 換器は正常の不活性な音響結合用のゲルを介して焦点合わせ用のレンズ(図示せ ず、強度を増加させるためのもの)に取付ることができる。 実際には、刺激用励振をかけ、その後で或いは同時に、組織または細胞を第2 の推進用の振励に露出させる。次に送り込む物質を、第2の励起に対して露出る 前または後のいずれかにおいて、前以て媒質4の中に導入する。第2の変換器( 図示せず)をレンズに取り付け、さらに強度を増加させることもできる。魚7は 照射中それを動かないようにするための留め具として作用する特別なスタンド8 によって適切な位置に保持されている。照射される組織の遠い方の部分にゴムの 層を置いてエネルギーを吸収させ、超音波の強度を不必要に増強する結果を招く 定常波の生成を防ぐ。 E.音響レンズ プレクシガラス(plexiglass)のシリンダーからプレクシガラスの レンズをつくる。エッチングしたレンズの曲率半径は28mmである。即ち物理 的な焦点はr−28mmの所にある。F(音響的な焦点)はF−40mmであっ た。このレンズの模式図を図20に示す。ここでFは音響的な焦点、rはレンズ の曲率を示す。区域10はプレクシガラスからつくられ、区域11は水からつく られている。レンズのパラメータの計算はGoedon,S.K.,Acous tic waves,devices,imaging and analog signal processing,米国ニュージャージー州、Engle wood Cliffs、Prentice Hall Inc.発行、652 頁参照のこと。 Fの計算は次のようにして行なう。 ここでr=レンズの曲率半径、 Cp=マトリックス中の音速(プレクシガラス中では毎時2.7km)、 Cw=20℃における水中での音速(毎時1.48km)である。 Fはまた実験的にも決定することができる。正確な焦点の所では強度がもっと も強く、影響を受ける面積が最少であるから、露出された材料には最少の時間で 最少の標識を付けることができる。較正には薄いプラスティックスの可動円板を 使用した。次いでプラスティックスの上に超音波が所望の最少の「傷痕」を残す 距離を選ぶ。F.超音波ポンプ 超音波の力は、媒質の流れを生じ、投与部位に送ろうとする物質を送り込むの に使用することができる。 媒質の流れは「ベンチュリー管」として知られている効果に基づき周辺部にお いて吸引作用を生じ、この吸引作用を使用して所望の要素を媒質の中に導入する ことができる。このようなことは、中空の形、例えば円筒の中に音波が閉じ込め られている場合に起こるであろう。 図21は、投与システム20を示す。このシステムは平らな円板22によって 一端が閉じられ、超音波変換器24に取付られた音響レンズ23によって他端が 閉じられた中空のシリンダー21を含んでいる。シリンダー21はほぼ中央の区 域に3個の孔25(図には一つだけしか示されていない)を有し、このシリンダ ーが入れられたタンク30から曲った矢印の示す方向にシリンダー21の中へと 媒質29が流れ得るようになっている。円板22は孔26を有し、これによって 液はシリンダーから直線の矢印の方向へ外側に流れ出すことができる。円板22 の頂部には2本の端が開いた管があり、これはそれぞれその一端が投与すべき物 質を含む貯蔵器28へ取付られ、孔26または円板22の近傍には端が開いた他 の管が存在している。 超音波がかけられると、タンク30の中に存在している媒質29は孔25を通 ってシリンダー21の中に流れ込み、次いで矢印の方向に向って孔26を通りシ リンダーから出て行く。孔26を通る際、開始された吸引作用によって貯蔵器2 8の中に存在する物質が管27を通って引き出される。次いで物質は媒質29の 中へ放出される。貯蔵器から管を通って放出される物質の速度は特に孔25の面 積とシリンダー21の直径と の間の関係に比例するであろう。吸引および放出の強さは必要に応じて調節する ことができる。 実施例 1.超音波をかける場合の形態的効果 体重4〜100gの魚(テラピアおよび鯉の種類)の試料120匹以上を超音 波で処理した。すべての魚は超音波照射中およびなお監視を続けた全時間(30 〜50日)に亙り生存していた。巨視的に云えば、1MHzの超音波をかけた魚 (通常の生きた状態または麻酔をかけた状態)はキャビテーションによって生じ る泡に覆われたが、3MHzの超音波をかけた魚は(10g以下の場合)音波の 圧力により僅かに下方へ圧し下げられた。 他の超音波のパラメータのを使用した場合、表皮の細胞の接合部が破け始め、 その後で(巨視的には)表皮の痴皮化が起こった。強い強度で長時間照射した場 合には、血管拡張および皮膚の出血が始まった。 実施例2.超音波照射の超音波効果 種々のパラメータの超音波相の効果およびその結果を図1〜8に示す。 強度1.5w/cm2で5分間1MHzの超音波をかけると、局所的な変性効 果が得られる(図1)。図の上部のところで示される最も外側の細胞は著しい損 傷を受け、多数の膜の孔が見られる。それよりも深い所にある細胞はあまり影響 を受けておらず、内側の細胞層は正常のように見える(図1の下部)。1.5w /cm2で50秒間照射した場合(図2)では、表面の細胞は壊死している。残 りの外側の細胞は見ることができ、深い所にある細胞は正常なように見える。3 0w/cm2の超音波を音響レンズを用いて30秒間かけた場合(図3)には、 細胞の変性が起こり、核の異質染色質の膠着と細胞膜の断裂が認められる。 3MHzの超音波を強度1.7w/cm2で5分間かけた場合(図4および5 )には、表面から4〜5枚の表皮層の所にある細胞に断裂と融合が認められるが 、外側の細胞は影響を受けない。超音波をかけ始めてから5〜15分後に外側の 層の皮膚の剥離が起こる。 3MHzの超音波を強度1.7w/cm2で50秒間かけた場合(図6)には 、超音波をあてた所で細胞の離脱が生じる。この離脱面に対し外側にある細胞は 緻密な層として表皮から剥脱する。裂けた細胞膜の残りの部分を観測することが できる。 3MHzの超音波を強度1.7w/cm2で10秒間かけた場合(図7および 8)には、膜によって切り離された小胞の生成が見られる。これは恐らく表皮細 胞の中のキャビテーションによる泡であろう。 1MHzの超音波をかけると、表皮を取囲む粘液による以前の擾乱されない微 気候(microclimate)状態を破壊し棄却することができる。表皮の 最も外側の2〜3層は、最大の場合壊死を生じるような細胞膜における孔の生成 および細胞膜の破断が生じた(2分間より長く照射すると、照射後最も外側の2 0〜30層で影響を受けた表皮組織の脱落が起こる)。このような強度の超音波 を2分間以内かけた場合には、多くの細胞を回復させ、表皮組織の一体となった 部分を残すことができる。それよりも深い所にある細胞は、少なくとも見かけ上 は影響を受けない。外部表皮層の内側の細胞間隙は僅かに増加する。 実験の部Dで説明した特殊な焦点合わせ用のレンズを使用すると、魚に超音波 をあてる時間を1〜2秒短縮し、しかも上記と同じ効果を得ることができる。 実施例3.音響泳動法 大きさ約60〜90nmの水酸化ランタン(LH)をコロイド・トレーサーと して使用した。0.1%w/wの濃度でLHを含む浴に魚を浸漬し、水を加えた 後直ちに第2の超音波励振を行なう。超音波を用いないでLHに露出させた対照 の魚の生検試料においては、皮膚の表面にトレーサーは稀にしか観測されなかっ た。LHを存在させ3MHzで照射後直ちにサンプリングした魚では、LHが著 しく表皮表面に付着していた(図9〜10)が、トレーサーは細胞の中には侵入 していなかった。1MHzで照射後直ちにサンプリングした魚では、十分に断裂 した膜をもつ細胞の中、およびそれよりも深い所にある細胞と1層または2層深 い所にある影響を受けていない細胞との間の空間にもトレーサーが侵入していた (図11〜14)。 トレーサーを存在させ、魚に1MHzの超音波をあてた後、3MHzの超音波 をあてた。直後にサンプリングした魚では(図15)、トレーサーは表面から最 大5〜6層の深くまで侵入し、また1MHzを1回かけた場合に得られる量より も多量に表皮の細胞間隙の中に侵入した。照射後10分してサンプリングした魚 では(図16〜18)、細胞間隙ばかりでなく、一層深い表皮区域の基底層近く にある影響を受けていない細胞の細胞質の中にもトレーサーの粒子が観測された 。このような粒子が細胞の中に侵入するのは、恐らく食菌作用によって行なわれ るのであろう。これらは大部分が食小体(ファゴソーム)によって呑み込まれた ものだからである。10分後粒子は真皮区域にも見出されるようになる。 LHの代わりに細菌ワクチン(フォルマリンで不活性化したストレプトコッカ ス)を用い、第2の照射を行なう直前に濃度が5×107細菌ワクチン/mlに なるように水に導入した場合でも同様の結果が得られ た。超音波を照射しなかった場合、細菌ワクチンを含んだ水の中に浸漬した組織 中に細菌ワクチンの粒子は観測されなかった。1MHzの超音波で照射した後、 3MHzの超音波で照射すると、細菌ワクチンの粒子は皮膚に侵入した。これら の粒子は表皮の細胞間隙および表皮細胞の細胞質、並びに深い所にある影響を受 けていない細胞の細胞質の中にも見出された。 上記結果は、本発明の二相移送法を使用すれば、魚の皮膚の表面、細胞および 細胞間のレベルにおける非特異的な障壁を迂回して粒子を表皮細胞およびそれよ りも深い真皮区域まで移送することができることを示している。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成10年12月17日(1998.12.17) 【補正内容】 図9、10は、トレーサーのランタン(矢印)を存在させ、3MHz、1.7 w/cm2の超音波の連続波を5分間照射した魚の表皮の電子顕微鏡写真(倍率 :図9が19,500、図10が9,900)を示す。 図11、12および13は、トレーサーのランタン(矢印)を細胞中および細 胞間隙に存在させ、1MHz、1.7w/cm2の超音波の連続波を5分間照射 した魚の表皮の電子顕微鏡写真(倍率:図11が12,900、図12が15, 000、図13が3,000)を示す。 図14は図13の一部の高倍率写真(倍率19,000)である。 図15は1MHz、2w/cm2で10秒間照射した後、トレーサーを組織の 中に存在させて3MHzで50秒間照射し、照射後直ちにサンプリングした魚の 表皮の電子顕微鏡写真(倍率9,900)を示す。 図16〜18は、照射後10分して上記図15に示した処理を行なった魚の表 皮の電子顕微鏡写真である。トレーサーは影響を受けない細胞の中に存在する( 倍率:図16が24,000、図17が24,000、図18が27,000) 。 図19は本発明の超音波システムの模式図である。 図20は本発明のシステムに使用されている音響レンズの模式図を示す。 図21は音響ポンプの模式図を示す。 図22は職業用の経皮的移送システムを示す。 図23は経皮的移送システムであり、図23Aは分解図、図23Bは組立図で ある。 図24A、24Bおよび24Cは経皮的移送を行なうための個人用の処置シス テムの一部の模式図であり、図24Dは吸引を行う装置を示す。 図25は個人用の経皮的移送システムを示し、図25Aは第1の照射相に使用 される位置を、図25Bは第2の照射相に使用される位置を示す。 図26は他の個人用の経皮的移送システムを示し、図26Aは第1の照射相に 使用される位置を、図26Bは第2の照射相に使用される位置を示す。 図27はさらに他の個人用の経皮的移送システムを示し、図27Aは第1の照 射相に使用される位置を、図27Bは第2の照射相に使用される位置を示す。 本発明の詳細な説明 I.実験方法 A.超音波装置 使用した処置用の超音波装置はSonicator 720(米国カリフォル ニア州、Mettler Electronics社)であり、二つの可能な周 波数1.0および3.0MHz(±5%)に対するプローブの表面積はそれぞれ 5cm2および10cm2である。出力は最高2.2w/cm2であり、20%の 負荷時間率のパルスモードかまたは連続波を使用する。 サーは表面から最大5〜6層の深くまで侵入し、また1MHzを1回かけた場合 に得られる量よりも多量に表皮の細胞間隙の中に侵入した。照射後10分してサ ンプリングした魚では(図16〜18)、細胞間隙ばかりでなく、一層深い表皮 区域の基底層近くにある影響を受けていない細胞の細胞質の中にもトレーサーの 粒子が観測された。このような粒子が細胞の中に侵入するのは、恐らく食菌作用 によって行なわれるのであろう。これらは大部分が食小体(ファゴソーム)によ って呑み込まれたものだからである。10分後粒子は真皮区域にも見出されるよ うになる。 LHの代わりに細菌ワクチン(フォルマリンで不活性化したストレプトコッカ ス)を用い、第2の照射を行なう直前に濃度が5×107細菌ワクチン/mlに なるように水に導入した場合でも同様の結果が得られた。超音波を照射しなかっ た場合、細菌ワクチンを含んだ水の中に浸漬した組織中に細菌ワクチンの粒子は 観測されなかった。1MHzの超音波で照射した後、3MHzの超音波で照射す ると、細菌ワクチンの粒子は皮膚に侵入した。これらの粒子は表皮の細胞間隙お よび表皮細胞の細胞質、並びに深い所にある影響を受けていない細胞の細胞質の 中にも見出された。 上記結果は、本発明の二相移送法を使用すれば、魚の皮膚の表面、細胞および 細胞間のレベルにおける非特異的な障壁を迂回して粒子を表皮細胞およびそれよ りも深い真皮区域まで移送することができることを示している。 次に医院、病院等で職業的に使用される経皮的移送システムを示す図22を参 照しよう。 このシステム30は物質を皮膚31へと送り込むのに有効な処置用シ リンダー33、および変換器のハウジング35の内部で動き得る変換器36を含 んでいる。処置用シリンダーは吸引力によって皮膚31に固定されている。 このシステムはまた経皮的に投与すべき薬剤を保持する貯蔵器64、および下 記に説明するように該薬剤の注入を容易にするためのガスを保持する風船形フラ スコ55を含んでいる。 変換器36は、信号発生器、増幅器およびマッチング・ユニット(図示せず) から構成された駆動ユニット51によって動作する。作動ユニット51は制御ユ ニット52によって制御され、該制御ユニットは好ましくは計算機化された構成 成分を含む作動ユニットに予備設定された指示を与えることができる。制御ユニ ット52はまたシステムの種々の構成成分からの入力を受け取り、下記に説明す るようにフィードバック入力を与える。 職業的な目的に対しては、基底ハウジング32によってこのシステムを皮膚3 1に取付る。底部が固定するまで吸引用の溝33に真空による力を柔らかくかけ ることにより、基底ハウジングを皮膚31と接触させる。皮膚への取り付けは当 業界に公知のいくつかの方法により行なうことができる。処置用シリンダー34 は適当な溝孔によって基底ハウジング32に固定される。変換器のハウジング3 6は変換器と共に処置用シリンダー34に取付られている。処置の照射相が完了 した後、モーター付の駆動装置59によるかまたは手で下方に動かすことにより 第2の下方の位置へと下げる。この変換器のハウジングの新しい位置は、孔61 を介し固定用のピン60を固定用の孔62から固定用の孔63または64へと通 すことにょって固定される。第2の照射相の間ハウジング35 を孔63の高さまで下げ、その壁に固定することが好ましい。 貯蔵器37から処置用シリンダー34への液流は次のように動作する:水の貯 蔵器の弁36が開かれると、水は貯蔵器37からポンプ38およびパイプ39を 経て吸い込まれ、入口孔40および41を通って処置用シリンダー34の中に入 る。このシステムに閉じ込められた空気は開口部42、43および44から放出 される。処置用シリンダー34が水で充たさ、空気の泡がなくなると、変換器の 照射面45から皮膚31へと伝達される超音波を用いて超音波処置を開始する。 水の戻りラインの弁47は超音波の力をかけている間閉じていることができ、 或いはパイプ48およびフィルター49を経て水を貯蔵器37へと循環させて戻 し、再び処置用シリンダー34へと流すことができる。水を、特に開口部40を 経て、定常的に循環させると、変換器の照射面から出る過剰の気泡が除去される 。過剰の空気は適当な抜き取り用の孔を通して抜き取られる。 過剰の水は抜き取り用の孔42、43および44を通して抜き取られる。この 処置装置において所望の物質を経皮的に推進させる第2の照射相を行なう準備が できると、貯蔵器の弁65を開き、移送すべき化合物を容器64から管67を経 て吸い出す。この化合物は、ハウジング35および変換器36を新しい低い位置 へと下げた後にも残っている容器34の空間に圧入される。化合物は入口孔60 を経てシリンダー34の空間に入り、孔44を通って抜き取られる過剰の水を移 動させる。弁65を閉め、吸引を生じるのに十分な時間の間抜き取り用の弁47 を開いたままにすることにより、処置を受ける皮膚の区域の上でさらに余分の吸 引を行なうことができる。好適具体化例においては吸引取り付け装置が 用いられる。この取り付け装置は、処置用シリンダーを良好な方法で取り付け得 るようにする部分的な真空をつくる。さらに第1の照射相の間この部分的な真空 を利用することができる。何故ならこれによってキャビテーションの閾値を減少 させ、良好な照射効果を得ることができるからである。第2の照射相の間、部分 的な真空によって移送が改善される。何故なら真空の力により血管が拡張し、超 音波によって移送される化合物を良好に拡散させることができるからである。処 置完了後、過剰の溶液を抜き取り、吸引を緩め、装置を取り出す。 制御ユニット52は貯蔵器のセンサー53を介して水貯蔵器の中のガスの濃度 を監視し、必要に応じガスの損失(例えば第1の照射相の間のキャビテーション による)を補償することができる。ガスの風船形のフラスコの弁54を開き、ガ スを風船形フラスコ55からパイプ57を経て貯蔵器37へと逃がすことにより 補償を行なう。この機構によりシリンダー34の中の溶解したガスの含量は一定 に保たれる。風船形のフラスコの中の圧力も圧力センサー(図示せず)を使用し てコンピュータにより監視される。コンピュータはポンプの速度を調節してシリ ンダー34の中で所望の水の圧力を保つ。 図23は処置システム100の模式図を示し、図23Aではそれを分解した形 を、図23では組み立てた形を示す。このシステムは、例えば或る種の医薬品を 毎日経皮的に投与することを必要とする患者に対するような、個人用としてつく られたシステムである。このシステムはシリンダーの形をしていることが好まし い。このシステムは変換器ユニット101、処置用シリンダー102および吸引 カップ103から成っている。変換器ユニット101はハウジング104および 変換器ユニット1 05から成っている。変換器ユニット105は信号カード、増幅器カードおよび エネルギー電池電源から成る独立した照射装置であり、これらの機素は一緒に連 結されて変換器自身の照射部分の所で所望の周波数と強度をもつ所望の信号系列 を発生させることができる。別法として、変換器ユニット105は変換器自身か ら構成され、これが信号発生器、増幅器およびエネルギー源から成る他の外部装 置(図示せず)と電気的に連結されていることができる。治療装置102は装置 の壁107および突き出した唇状部108から構成されている。吸引カップ10 3は可撓性の材料、例えばゴムからつくられていることが好ましい。これは特殊 な形をしており、片側には溝110を、他の側には吸引トンネル109を有して いる。互いに連結した場合(図23B)、変換器ユニット101’は処置装置1 02’に取付られる。装置102’は、突き出した唇状部を溝の中に入れること により、さらに吸引カップ103’に取付られる。 図24A、B、CおよびDは経皮的移送を意図した個人用処置装置の部分の模 式図である。 図24Aは、経皮的移送装置、および吸引底部(図示せず)の密封用の溝の中 にはめ込まれる密封材202として用いられることを意図した唇状部を有する処 置用シリンダー201を模式的に示している。経皮的に移送される化合物を保持 ユニット203の中に入れ、シリンダーを吸引カップ(図示せず)に固定し、皮 膚208に取り付ける。装置の頂部を通して水を充たし、皮膚211に相対する 弁209の近傍に上方から変換器ユニット(図示せず)を取り付け、過剰の水を 弁209を通して押出す。最初の照射相の間、反射材または吸収材のいずれかの 遮蔽材2 10を照射源と該化合物との間に置いて化合物203を保護し、化合物にキャビ テーションの泡の破壊効果が及ぶのを防ぐ。この位置における皮膚の照射区域は 211である。 図24Bは第2の照射相の間のシステムの位置を示す。この時点において遮蔽 材210をシリンダーの他の側へ跳ね上げ、化合物203を第2の推進用の励振 に露出させる。第2の照射相の間区域203は区域211’の上に重なっている 。この区域は第1の照射相の間照射される同じ区域に対応している(図24Aの 区域211)。この位置において照射を行なうと化合物に効果が及ぼされ、最初 の照射区域の中へ運ばれる。このシステムは二つの照射用変換器を有し、その一 つは水および皮膚211の上にあり、他の一つは化合物203の上にあることが できる。この二つの変換器は同期して動作し、従って遮蔽材は必要ない。 図24Cは、経皮的に投与すべき化合物がシリンダーの側面に取り付けられた 貯蔵器220の中に保持されている装置を模式的に示している。この装置を吸引 底部(図示せず)を介して皮膚に取り付けた後、シリンダーに水を充たし、変換 器をE1の高さの所に置く。予備処理後、注射器221を通して水を除去し、変 換器をE2の高さに下げる。投与すべき化合物を貯蔵器220から下方の処置線 E2と皮膚との間の間隙の中に放出させる。注射器を用いて皮膚の上に吸引力を 生じさせる。 図24Dは吸引を生じる他の装置を模式的に示す。この場合はシリンダーの壁 の一部を構成するゴムの密封材230を圧して緩めることにより吸引を行なう。 取り付けを行なう前に密封材を圧し、取り付けた後に密封材を離すことにより所 望の吸引を生じる真空が得られる。図24EのB−Bの断面の230にゴムの密 封材がさらに例示されている。 図25Aは個人的な経皮的投与システム300を模式的に示し、このシステム は蝶番302に取り付けられた反射材−遮蔽材の扉301を有し、この扉は第1 の照射相で使用する場合には開いた位置に置かれている。変換器303は治療装 置304に取り付けられ、変換器で照射を行なう区域305はシリンダーの壁3 19を経て超音波エネルギーを照射することができる。この処置装置は、突き出 した唇状部307が適当な溝の中に入るように吸引ユニット306に取り付けら れている。この装置が所望の処置区域を覆い、移送すべき薬剤を保持する処置液 で充たされ、その水面が変換器の面305を通過するまで、この装置を皮膚30 8に圧し付ける。貯蔵器の蓋318を閉じる。最初の照射相(即ち最初のパルス )の間キャビテーションの泡310が生じる。処置を行なう間生じた泡を空気捕 獲器312または化合物保持器313のき中に集める。この照射相の間、移送す べき化合物314は照射されず、唇状部315は取り付けないまま残される。 図25Bは第2の照射相の間における図25Aと同じ装置を示す。この配置に おいて突き出した唇状部315’は吸引用の溝の中に置かれている。化合物31 4’(例えばゲルまたはパッチの中にある)を入れ、第1の励振中に照射したの と同じ皮膚308’の区域309’に取り付ける。蝶番302’に連結した反射 材−遮蔽材の扉301’を手または重力によって閉め、新しい位置に置く。第2 の照射中変換器ユニットの照射区域305’で生じた超音波は反射材301’か ら反射され、化合物314’を経て皮膚の区域の中に入る。失われた液は、貯蔵 器の蓋318を通して加えることにより補給することができる。位置の変化によ り超音波は皮膚に取り付けられた化合物を経て通過し、従って第1の照 射によって皮膚に孔がつくられている区域へと化合物を運んで行く。 図26Aは他の個人用処置システム400を示す。このシステムでは変換器4 01は反射壁に面した伝導ユニット402に取り付けられている。ユニットに水 を充たし、処置室403の上に置く。照射に露出するのに使用される予備処置室 404に水を充たし、移送すべき化合物を保持ユニット405の少なくとも一部 の中に入れる。予備処置中予備処置室は区域407の上にある皮膚406を覆っ ており、影響を受けない化合物保持器は区域408を覆っている。超音波をかけ ている間超音波は変換器の照射区域410から皮膚に平行になった壁411を経 て伝播し、反射壁418で皮膚の方へ直角に反射され、壁406を通って処置室 404へ入り、キャビテーションの泡412を生じ、最後に皮膚に到達する。容 器402の中でつくられた泡は区域413の中に蓄積する。蓋414を開いてバ ランスを採り、過剰の空気をシステムから出すか、またはシステムの中に水を加 えるようにする。装置403からの空気の除去またはその中への水の添加は孔4 15を経て行なわれる。 図26Bにおいては、第2の照射相の際のシステムの成分の位置が示されてい る。処置室402’を区域404’から化合物保持ユニット405’の上のトラ ック(図示せず)を経て滑らせる。今回は、第2の照射の前に、化合物の容器4 05’が第1の照射相の間に照射された皮膚の区域407’の上に来るように装 置全体を動かす。この相においては移送される化合物を経て皮膚へ至るように超 音波をかける。 図27は個人処置用の他の移送システムを模式的に示している。図27Aにお いては、密封用の環503の中にある吸引用の溝502によりシステム500が 皮膚501に取り付けられている。このシステムはそ れを安定化するのに使用される他の取り付けゴム材504を有している。変換器 505は処置室506に取り付けられ、変換器の照射区域507は反射壁509 に面した壁508に連結されている。超音波は変換器の面507を出て処置室を 通り、反射壁509で反射された後皮膚に達する。移送すべき化合物510を保 持器511に入れ、止め512によって止められるまで保持器を保持トンネルの 中へと押し込む。室に水を充たした後、弁513を元に戻す。この弁は装置の全 内容物および取り付けられた皮膚を吸引するのに用いることもできる。最初の照 射相の間は把手の傾斜部517は止め512から或る距離にある。この第1の照 射または下記に述べる第2の照射はいずれも孔513を介して行なわれる他の吸 引作用の下で行なうことができる。この吸引作用はキャビテーションを増加させ るか、血管を拡張させるか、或いはその両方のために使用することができる。 図27Bは経皮的移送が起こる第2の推進用励振における装置を示す。止め5 12の所に至るまで保持器511をトンネルの中に押し込む。傾斜部517が止 め512に到達し、把手511および化合物510が全部皮膚501に圧し付け られる。この位置において薬品を推進する第2の照射が行なわれる。 各具体化例に使用される第1(皮膚に孔を開ける)および第2(この孔を通し て化合物を移送する)パルスは両方共数個のパルスから成り、これらの多数のパ ルスの各々はそのパルス(即ち第1または第2のパルス)に適した範囲にあるこ とができる。例えば第1のパルスは広帯域変換器を使用し同時に0.5、0.7 、0.9および1MHzの周波数をもっていることができる。第2のパルスも同 様な構成であることができる。 請求の範囲 1. (a)細胞、組織または膜を第1の超音波的励振に露出し、細胞の塊 または組織の大部分の細胞に不可逆的な損傷を与えることなく、或いは膜に不可 逆的な損傷を与えることなく物質が通過し得るような大きさの孔を、該細胞、該 組織または該膜に一時的につくり、 (b)該孔の少なくとも一部がまだ開いている時間内に、該細胞、組織または 膜を第2の推進的な超音波的励振に露出する工程から成り、該露出は該細胞、組 織または膜と接触した媒質の中で該物質を含ませて行ない、該第2の超音波励振 は、細胞の塊または組織の大部分の細胞、或いは膜に不可逆的な損傷を与えるこ となく該孔を通して該物質の少なくとも一部を推進させるのに有効であるような 励振であることを特徴とする細胞、組織または膜の方へおよび/またはそれを通 して物質を投与する方法。 2.該第2の励振の周波数および時間はそれぞれ第1の励振の周波数および 時間よりも高く且つ長く、第1の励振の強度は第2の励振の強度よりも大きいこ とを特徴とする請求項1記載の方法。 3.投与すべき化合物は複雑な粒子であることを特徴とする請求項1記載の 方法。 4.複雑な粒子は i.バクテリア; ii.ウイルスまたはビリオン; iii.黴; iv.原生動物; iv.寄生体; vi.(i〜v)の断片; vii.プラスミド; viii.細胞核; ix.医薬品を包蔵した粒子; x.生体適合性をもった染料を含む粒子;および xi.特性を変化させ得る被膜で被覆された粒子から成る群から選ばれること を特徴とする請求項3記載の方法。 5.第1およびだ2の励振を同時にかけることを特徴とする請求項1〜4記 載の方法。 6.第1の励振をかけた後に第2の推進用励振をかけることを特徴とする請 求項1〜4記載の方法。 7.第1の励振と第2の励振との間の間隔は最高15分であることを特徴と する請求項6記載の方法。 8.組織は湿った表皮組織であるか、または人工的に湿らされたケラチン化 した表皮組織であることを特徴とする請求項1記載の方法。 9.表皮組織は水棲動物の表皮組織であることを特徴とする請求項8記載の 方法。 10.第1の励振の周波数は20kHz〜3MHzであることを特徴とする請 求項1記載の方法。 11.該周波数は約1MHzであることを特徴とする請求項10記載の方法。 12.第2の励振の周波数は20kHz〜50MHzであることを特徴とする 請求項1記載の方法。 13.第2の励振の周波数は3〜5MHzであることを特徴とする請 求項12記載の方法。 14.第1の励振の照射時間は0.01秒〜20分であることを特徴とする請 求項1〜13記載の方法。 15.第1の励振の照射時間は約1秒であることを特徴とする請求項14記載 の方法。 16.第2の励振の照射時間は約0.01秒〜20分であることを特徴とする 請求項1〜15記載の方法。 17.第2の励振の照射時間は約1〜10秒であることを特徴とする請求項1 6記載の方法。 18.0.1〜400w/cm2の強度で第1の超音波の励振をかけることを 特徴とする請求項1〜17記載の方法。 19.強度は近区域(near−zone)の超音波の場において3〜5w/ cm2であり、焦点合わせシステムを使用する場合には焦点またはその付近にお いて30〜100w/cm2であることを特徴とする請求項17記載の方法。 20.0.1〜50w/cm2の強度で第2の超音波の励振をかけることを特 徴とする請求項1〜19記載の方法。 21.該強度は近区域の超音波の場において0.5〜5w/cm2であり、焦 点合わせシステムを使用する場合には5〜50w/cm2であることを特徴とす る請求項20記載の方法。 22.10%の負荷時間率ないし連続波の間で第1および第2の励振をかける ことを特徴とする請求項1〜21記載の方法。 23.照射賦活性物質により細胞または組織を破壊する方法において、 (a)請求項1記載の方法により細胞または組織の方へおよび/また はそれを通して該物質を局所的に投与し、 (b)該物質を賦活し得る強度、周波数および照射時間で細胞または組織に照 射を行なう工程から成ることを特徴とする方法。 24.該物質は光を照射することによって賦活され、工程(b)では光を照射 することを特徴とする請求項23記載の方法。 25.該物質は超音波を照射することによって賦活され、工程(b)では超音 波を照射することを特徴とする請求項23記載の方法。 26.該物質はフォトフリン、フェオフォーバイド、ポルフィリン、硼素化し たポルフィリン、フタロシアニン、ヘマトポルフィリン、およびクロリンから成 る群から選ばれることを特徴とする請求項24記載の方法。 27.該物質はジメチルフォルムアミド、N−メチルフォルムアミド、ジメチ ルスルフォキシド、およびガリウムポルフィリンから成る群から選ばれることを 特徴とする請求項25記載の方法。 28.工程(a)および工程(b)を同時に行なうことを特徴とする請求項2 3記載の方法。 29.工程(a)の後で工程(b)を行なうことを特徴とする請求項23記載 の方法。 30.請求項1〜29記載の方法に使用するシステム。 31.上記に実質的に記載された請求項1記載の方法。 32.上記に実質的に記載された請求項30記載のシステム。 【図1】【図2】 【図3】 【図4】【図5】 【図6】 【図7】 【図8】【図9】 【図10】【図11】 【図12】 【図13】【図14】 【図15】 【図16】 【図17】【図18】 【図19】【図20】 【図21】【図22】【図23】【図24】【図25】【図26】【図27】
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. (a)細胞、組織または膜を第1の超音波的励振に露出し、細胞の塊 または組織の大部分の細胞に不可逆的な損傷を与えることなく、或いは膜に不可 逆的な損傷を与えることなく該物質が通過し得るような大きさの孔を、該細胞、 該組織または該膜に一時的につくり、 (b)該孔の少なくとも一部がまだ開いている時間内に、該細胞、組織または 膜を第2の推進的な超音波的励振に露出する工程から成り、この際該露出は該細 胞、組織または膜と接触した媒質の中で該物質を含ませて行ない、該第2の超音 波励振は、細胞の塊または組織の大部分の細胞、或いは膜に不可逆的な損傷を与 えることなく該孔を通して該物質の少なくとも一部を推進させるのに有効である ような励振であることを特徴とする細胞、組織または膜の方へおよび/またはそ れを通して物質を投与する方法。 2.該第2の励振の周波数および時間はそれぞれ第1の励振の周波数および 時間よりも高く且つ長く、第1の励振の強度は第2の励振の強度よりも大きいこ とを特徴とする請求項1記載の方法。 3.投与すべき化合物は複雑な粒子であることを特徴とする請求項1記載の 方法。 4.複雑な粒子は i.バクテリア; ii.ウイルスまたはビリオン; iii.黴; iv.原生動物; iv.寄生体; vi.(i〜v)の断片; vii.プラスミド; viii.細胞核; ix.医薬品を包蔵した粒子; x.生体適合性をもった染料を含む粒子;および xi.特性を変化させ得る被膜で被覆された粒子から成る群から選ばれること を特徴とする請求項3記載の方法。 5.第1およびだ2の励振を同時にかけることを特徴とする請求項1〜4記 載の方法。 6.第1の励振をかけた後に第2の推進用励振をかけることを特徴とする請 求項1〜4記載の方法。 7.第1の励振と第2の励振との間の間隔は最高15分であることを特徴と する請求項6記載の方法。 8.組織は湿った表皮組織であるか、または人工的に湿らされたケラチン化 した表皮組織であることを特徴とする請求項1〜7記載の方法。 9.表皮組織は水棲動物の表皮組織であることを特徴とする請求項8記載の 方法。 10.第1の励振の周波数は20kHz〜3MHzであることを特徴とする請 求項1〜9記載の方法。 11.該周波数は約1MHzであることを特徴とする請求項10記載の方法。 12.第2の励振の周波数は20kHz〜50MHzであることを特徴とする 請求項1〜11記載の方法。 13.第2の励振の周波数は3〜5MHzであることを特徴とする請 求項12記載の方法。 14.第1の励振の照射時間は0.01秒〜20分であることを特徴とする請 求項1〜13記載の方法。 15.第1の励振の照射時間は約1秒であることを特徴とする請求項14記載 の方法。 16.第2の励振の照射時間は約0.01秒〜20分であることを特徴とする 請求項1〜15記載の方法。 17.第2の励振の照射時間は約1〜10秒であることを特徴とする請求項1 6記載の方法。 18.0.1〜400w/cm2の強度で第1の超音波の励振をかけることを 特徴とする請求項1〜17記載の方法。 19.強度は近区域(near−zone)の超音波の場において3〜5w/ cm2であり、焦点合わせシステムを使用する場合には焦点またはその付近にお いて30〜100w/cm2であることを特徴とする請求項17記載の方法。 20.0.1〜50w/cm2の強度で第2の超音波の励振をかけることを特 徴とする請求項1〜19記載の方法。 21.該強度は近区域の超音波の場において0.5〜5w/cm2であり、焦 点合わせシステムを使用する場合には5〜50w/cm2であることを特徴とす る請求項20記載の方法。 22.10%の負荷時間率ないし連続波の間で第1および第2の励振をかける ことを特徴とする請求項1〜21記載の方法。 23.照射賦活性物質により細胞または組織を破壊する方法において、 (a )請求項1記載の方法により細胞または組織の方へおよび/また はそれを通して該物質を局所的に投与し、 (b)該物質を賦活し得る強度、周波数および照射時間で細胞または組織に照 射を行なう工程から成ることを特徴とする方法。 24.該物質は光を照射することによって賦活され、工程(b)では光を照射 することを特徴とする請求項23記載の方法。 25.該物質は超音波を照射することによって賦活され、工程(b)では超音 波を照射することを特徴とする請求項23記載の方法。 26.該物質はフォトフリン、フェオフォーバイド、ポルフィリン、硼素化し たポルフィリン、フタロシアニン、ヘマトポルフィリン、およびクロリンから成 る群から選ばれることを特徴とする請求項24記載の方法。 27.該物質はジメチルフォルムアミド、N−メチルフォルムアミド、ジメチ ルスルフォキシド、およびガリウムポルフィリンから成る群から選ばれることを 特徴とする請求項25記載の方法。 28.工程(a)および工程(b)を同時に行なうことを特徴とする請求項2 3記載の方法。 29.工程(a)の後で工程(b)を行なうことを特徴とする請求項23記載 の方法。 30.請求項1〜29記載の方法に使用するシステム。 31.上記に実質的に記載された請求項1記載の方法。 32.上記に実質的に記載された請求項30記載のシステム。
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