JP2001506847A - 結合接着分子(jam)、密着結合の膜貫通蛋白質 - Google Patents

結合接着分子(jam)、密着結合の膜貫通蛋白質

Info

Publication number
JP2001506847A
JP2001506847A JP52518498A JP52518498A JP2001506847A JP 2001506847 A JP2001506847 A JP 2001506847A JP 52518498 A JP52518498 A JP 52518498A JP 52518498 A JP52518498 A JP 52518498A JP 2001506847 A JP2001506847 A JP 2001506847A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protein
jam
modifier
cells
seq
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP52518498A
Other languages
English (en)
Inventor
エリザベッタ デジャナ
パデュラ イネス マルティン
デイビッド サイモンズ
リサ ウィリアムズ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
F Hoffmann La Roche AG
Original Assignee
F Hoffmann La Roche AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by F Hoffmann La Roche AG filed Critical F Hoffmann La Roche AG
Publication of JP2001506847A publication Critical patent/JP2001506847A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01KANIMAL HUSBANDRY; CARE OF BIRDS, FISHES, INSECTS; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K2217/00Genetically modified animals
    • A01K2217/05Animals comprising random inserted nucleic acids (transgenic)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies

Abstract

(57)【要約】 密着結合部位に存在する膜貫通蛋白質を開示する。本蛋白質は内皮細胞、上皮細胞、巨核球、および血小板で発現される。本蛋白質は、結合接着分子(JAM)と呼ばれる。ヒトJAMおよびマウスJAMのアミノ酸配列を提示する。また、DNA配列、遺伝子、および本遺伝子または遺伝子断片によって発現される組換え蛋白質またはペプチドを開示する。さらに、JAMまたはJAMの一部に特異的に結合する抗体および修飾因子、すなわち膜貫通JAMの重合の阻害因子および誘導因子、ならびに診断キットにおける試薬としての抗体および修飾因子、ならびにワクチンアジュバントおよび医薬品中の有効成分としての修飾因子も開示する。最後に、JAMを過剰発現または欠失するトランスジェニック動物または細胞も、本開示に含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】 結合接着分子(JAM)、密着結合の膜貫通蛋白質 本発明は、密着結合の膜貫通成分に関し、より正確には、内皮細胞、上皮細胞 、巨核球、および血小板で発現される新しい蛋白質に関する。この新しい蛋白質 は、結合接着分子(JAM)と命名され、ヒトのJAMの大部分およびマウスJAM全体 の配列が決定された。本発明は、さらにJAMをコードするcDNA、JAMをコードする 構造遺伝子、構造遺伝子またはその遺伝子断片によって発現される組換え蛋白質 またはペプチド、JAMに特異的な抗体、膜貫通JAMの重合の修飾因子、抗体または 修飾因子を含む診断キット、修飾因子を含むワクチンアジュバント、修飾因子を 含む薬剤、およびJAMを過剰発現または欠失しているトランスジェニック動物ま たは細胞を含む。修飾因子の例には、JAMに特異的に結合し、密着結合におけるJ AMの重合を阻止し、その結果とりわけ白血球の遊出を阻止するモノクローナル抗 体がある。 発明の背景 内皮は、高分子および循環細胞が血液から組織へ通過する際の主な障壁になっ ている。内皮の透過性は主として細胞間結合によって調節されている。これらは 、細胞質/細胞骨格蛋白質のネットワークに連結した膜貫通接着分子によって形 成される複雑な構造である。少なくとも4種類の内皮の結合が記述されている: 密着結合、ギャップ結合、接着結合および靱帯結合(syndesmos)である(Dejan aら、以下)。 細胞間の密着結合は、内皮および上皮細胞層の透過性の制御を担っている[And ersonら;Curr.Opin.Cell.Biol.5,772-778(1993)]。これらの細胞器官は、 白血球の遊出、細胞の極性および増殖も調節している。したがって、密着結合を 構成する分子は炎症反応、血管形成、および一般的な細胞増殖に影響を与える薬 剤を開発するための良い標的となる[Dejanaら、FASEB J.9,910-918(1995)]。 炎症における内皮または上皮を通した白血球の遊出は、浮腫と組織の損傷を伴 う。白血球が遊出するためには、密着結合を開き、細胞間接触を通過する必要が ある[CarlosおよびHarian,Blood 84,2068-2101(1994)]。この過程を特異的に 制限する手段は、先行技術では開示されていない。 腫瘍細胞は同様の機構を使って、内皮を通って遊出し、組織に浸潤すると考え られる。したがって、密着結合の開放を予防する薬剤は、腫瘍の転移を制限する ために有用である。 さらに、密着結合は脳の微小血管系において血液と中枢神経系の間の透過性の 厳密な制御をしているので、ここで特に重要である[RisauおよびWolburg,Trend s Neurosci.13,174-178(1990)]。この内皮の障壁は、例えば、脳腫瘍の治療の ための化学療法薬の浸透のように、有用な薬剤が脳に到達する際の強力な障害と なっている。内皮の障害を誘導することなく血液脳関門を開放または修復する方 法は、まだ文献に記述されてはいない。 最後に、密着結合は上皮細胞に由来する腫瘍ではあまり発現されておらず、密 着結合の成分の中には、腫瘍抑制活性を持つもの、すなわち、それが存在すると 腫瘍の増殖および転移能力が低下するものがある[Tsukitaら、J.Cell Biol.12 3,1049-1053(1993)]。密着結合分子の遺伝子のトランスフェクションは、腫瘍 の進行を制限する方法となる可能性がある。また、新しい血管の正しい組織化に は密着結合が必要なため、その組織化を阻害すると血管形成が子防され、そのた め癌のような増殖性疾患の発生が阻害できる可能性がある。 密着結合の分子構成は、現在までに部分的にしか解析されていない。密着結合 に特異的な膜貫通蛋白質が1つだけ同定され、オクルディン(occludin)と命名 された[Furuseら、J.cellBiol.123,1777-1788(1993)]。この蛋白質は細胞内 の特定の細胞骨格蛋白質を連結する。オクルディンの接着性の性質および同型の 細胞同士の相互作用を促進する能力は、まだ確定的に証明されていない。 発明の説明 本発明は、密着結合に存在する新しい膜貫通蛋白質の発見に基づく。この新し い蛋白質は、結合接着分子と呼ばれ、省略してJAMと記される。密着結合に存在 するこのJAM蛋白質は細胞と細胞との同型接着を促進する。同一および隣接する 細胞の上にある本蛋白質の細胞外部分同士は、ジッパーのような方法で二量体化 、オリゴマー化、またはポリマー化によって接着し、細胞間隙の透過性を大きく 低下させる。 本明細書の実験の部分で使用されるJAMはマウス由来であるが、例えば、腫瘍 の 治療、血管形成の制御、血液脳関門の制御、炎症反応の制御、白血球の遊出の制 御、脳の遺伝子療法のような他の天然または操作された細胞の遊出の制御などの 診断薬や薬剤の開発モデルには、ヒト由来のJAMが主に使用される。 したがって、本発明の第1の局面は、下記の配列番号:1(ヒト)、および配列 番号:1と少なくとも72%の相同性を持つ相同配列から選択されるアミノ酸配列 を含む、グリコシル化された形またはグリコシル化されていない形の蛋白質に関 する。 相同性の割合は、特に相同配列が同一種または非常に関連した種の膜貫通蛋白質 に由来する場合には、例えば75%、80%もしくは85%、またはそれよりも高く90 %もしくは95%のような可能性がある。しかし、N末端配列である配列番号:1( 全長蛋白質のC末端のいくつかのアミノ酸残基を欠く)と少なくとも72%の相同 性を持つ蛋白質は、診断薬や薬剤としての特性も非常に高いために、本発明の種 々の用途に使用できると期待される。そのような蛋白質には、同一または異なる 種由来の天然型の類似体および変異体、ならびに合成または組換えの同等物が含 まれる可能性がある。配列番号:1に対して少なくとも75%の相同性を持つその ような蛋白質の例は、下記の配列番号:2(マウス)のアミノ酸配列を持つマウ スJAM蛋白質である。 合成または組換えによって製造された本発明の蛋白質は、密着結合の競合剤と して作用すると考えられる。 本発明の第2の局面は、本発明の蛋白質をコードするDNA配列に関し、特に本発 明の蛋白質をコードするcDNA配列である。本発明のこの局面の具体的な態様は、 配列番号:1のアミノ酸配列を持つ蛋白質をコードするcDNA配列、配列番号:3( ヒトの一部) および配列番号:2のアミノ酸配列を持つ蛋白質をコードする配列番号:4(マウ ス) である。 本cDNA分子は遺伝子療法に適用でき、この分子を持たない癌細胞にトランスフ ェクトして腫瘍サプレッサーとして使用できる。 本発明の第3の局面は、本発明の蛋白質または本蛋白質に由来するペプチドを コードする遺伝子に関する。本遺伝子は、本発明の蛋白質またはペプチドの生産 に使用される。プロモーターまたはリーダー配列のようなフランキング領域は、 好ましくは、効率よく生産するために用いられる発現系を考慮して選択する。さ らに、遺伝子に使用されるコドンは、発現収率を最適化するために、選択された 発現宿主によって最も頻繁に使用されるコドンを考慮して選択することができる 。例えば、発現宿主として酵母を選択したら、コドンを酵母用に最適化すること ができる。本発明の遺伝子の具体的な例は、本発明の例示したcDNAの蛋白質コー ド領域であり、すなわち、配列番号:1のアミノ酸配列を持つ蛋白質をコードす る部分的ヌクレオチド配列、配列番号:5(ヒト配列番号:3の一部) および配列番号:2のアミノ酸配列を持つ蛋白質をコードする配列番号:6(マウ ス配列番号:4の一部) を有する遺伝子である。 本発明の蛋白質は、当技術分野で周知の標準的な方法、好ましくはMerrifield (J.Am.Chem.Soc.85,2149-2154[1963])のような固相法を用いて化学合成す ることができる。または、本発明の蛋白質をDNA組換え技術(Sambrookら、「分子 クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning-A Laboratory Manual)」 ,第2版、Cold Spring Harbor Laboratory[1989])の方法を用いて製造すること もできる。したがって、本発明の第4の局面は、本発明に記載の構造遺伝子また は遺伝子断片によって発現される組換え蛋白質またはペプチドに関する。 好ましくは、本発明の蛋白質をコードするDNAは、発現クローニングにより単 離される。以前に記述された方法(Fawcettら、Nature 360,481[1992])でマウス 脳EC株(bEnd.3)からcDNA発現ライブラリーを作製する。このcDNAライブラリーで COS細胞を一時的にトランスフェクトし、抗JAM抗体を用いて懸濁液中で染色し、 適当な2次抗体でコートしたプラスチックディッシュ上に播種して薄く広げる。 本発明の蛋白質をコードするDNA配列を、必要な発現シグナルを生産する適切 な発現ベクター中に組み込む。 原核宿主細胞で使用するために適した発現ベクターは、例えば、上記のManiat isらの教科書などに記載されている。発現制御配列に機能的に連結した本発明の 蛋白質をコードするDNA配列を含むそのような原核発現ベクターは、通常の方法 を用いて、任意の適当な原核細胞に組み込むことができる。適当な原核細胞の選 択は、当技術分野で周知のいくつかの要素によって決定される。したがって、た とえば、選択したベクターとの適合性、発現産物の毒性、発現特性、必要な生物 学的安全予防措置、および費用が関与するため、これらの要素すべての間の妥協 点を見いださなくてはならない。 適当な原核生物には、例えば大腸菌(E.coli)や枯草菌(B.subtilis)のような グラム陰性およびグラム陽性細菌が含まれる。原核生物の例は、Villarejoらに よって[J.Bacteriol.120,466-474(1974)]にOZ 291株として記述された大腸菌 M15株、および大腸菌W3110(ATCC No.27325)である。しかし、上記の大腸菌株に 加えて、大腸菌294(ATCC No.31446)および大腸菌RR1(ATCCNo.31343)のよう な一般に入手できる他の大腸菌株も使用できる。 哺乳類細胞に使用するために適する発現ベクターには、pBC12MI[ATCC 67109 ]、pSV2dhfr[ATCC 37146]、pSVL[ファルマシア社、スウェーデン、ウプサラ]、 pRSVcat[ATCC37152]およびpMSG[ファルマシア社、ウプサラ]が含まれるが、これ らに限定されるわけではない。本発明の蛋白質の発現に好ましい1つのベクター はpECEである。 使用できる哺乳類宿主細胞には、例えば、ヒトHeLa、H9、およびJurkat細胞、 マウスNIH3T3およびC127細胞、アフリカミドリザル腎細胞CV1、ウズラ細胞QC1-3 、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、マウスL細胞およびCOS細胞株が含ま れる。CHO細胞株(ATCC CCL 61)が好ましい。 本発明の蛋白質の発現を実施する方法は、選択した発現ベクター/宿主系によ る。 通常は、所望の発現ベクターを含む原核宿主生物を、その原核宿主生物の増殖 に最適な条件下で増殖させる。対数増殖期の終りにユニット時間あたりの細胞数 の増加が低下した時点で、所望の蛋白質の発現を誘導する。誘導は、誘導物質ま たは抑制解除物質を増殖培地に添加するか、物理的パラメータを変更することに よって実施できる。 所望の発現ベクターを含む哺乳類宿主細胞は、哺乳類宿主細胞の増殖に最適な 条件下で増殖させる。代表的な発現ベクターには、mRNAの転写を仲介するプロモ ーター要素、蛋白質コード配列、および転写の効率的な終結とアデニル化に必要 なシグナルが含まれる。その他の要素として、エンハンサーおよびスプライシン グのドナーおよびアクセプター部位にはさまれた介在配列が含まれる可能性があ る。 与えられたコード配列の一時的発現に使用されるベクターの大部分は、SV40複 製起点を持っており、これによりウイルスDNAの合成を開始するために必要なT抗 原を構成的に発現する細胞中(例、COS細胞)で高コピー数に複製することがで きる。一時的な発現は、COS細胞に限定されない。この目的のためには、トラン スフェクトの可能な任意の哺乳類細胞株が利用できる。効率の高い転写を制御す る要素には、SV40の初期または後期プロモーター、およびRSV、HIV、HTLVIのよ うなレトロウイルスの長い末端反復配列(LTR)が含まれる。しかし、細胞シグナ ルも使用できる(例、ヒト-β-アクチンプロモーター)。 または、gpt、dhfr、ネオマイシン、またはヒグロマイシンのような選択可能 マ ーカーと共に同時トランスフェクションをして、対象の遺伝子が染色体に組み込 まれた安定な細胞株を選択することもできる。 ところで、トランスフェクトされた遺伝子を増幅させて大量の外来蛋白質を発 現させることができる。ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)は、対象の遺伝子を10 00コピー以上持つ細胞株を作製するために有用なマーカーである。哺乳類細胞を メトトレキセートの量を徐々に増加させた中で増殖させる。その後、メトトレキ セートを除去すると、細胞株は染色体に組み込まれた増幅した遺伝子を含んでい る。 バキュロウイルス-昆虫細胞ベクター系も、本発明の蛋白質の生産に使用でき る(総説はLuclowおよびSummers,Bio/technology 6,47-55[1988]参照)。組換 えバキュロウイルスが感染した昆虫細胞で生産される蛋白質は、N-グリコシル化 (Smithら、Proc.Nat.Acad.Sci.USA 82,8404-8408)およびO-グリコシル化 (Thomsenら、12.International Herpesvirus Workshop、ペンシルバニア州フ ィラデルフィア大学)などの翻訳後プロセッシングを受け得る。 本発明の蛋白質は、例えば、硫酸アンモニウムなどによる沈殿、透析、限外濾 過、ゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィー、SDS-PAGE、等電点電気泳動、免 疫アフィニティークロマトグラフィーのようなアフィニティークロマトグラフィ ー、通常または逆相のHPLCなどのような、当技術分野で周知の蛋白質化学の方法 にしたがって、細胞集団または培養上清から精製できる。 本発明の第5の局面は、本発明に記載の蛋白質またはその蛋白質の一部に特異 的に結合する抗体に関する。本抗体は、ポリクローナルまたはモノクローナルで あり得る。本明細書の実験の部分で、本発明のモノクローナル抗体の調製が開示 されている。本発明のモノクローナル抗体の1つであるmAb BV12はJAMに特異的に 結合するが、密着結合を通した白血球の遊出は阻害しない。本発明の別のモノク ローナル抗体mAb BV11はJAMに特異的に結合するばかりでなく、密着結合を通し た白血球の遊出も阻害する。JAMに特異的に結合する両方の抗体は、例えば、特 に内皮細胞の初期の損傷のマーカーとして循環JAMを検出することによる、細胞 の障害のスクリーニングまたは検出のための診断薬および診断キットに使用でき る可能性がある。 本発明の第6の局面は、本発明に記載の膜貫通蛋白質の重合の修飾因子に関す る。 「修飾因子」という用語は広く解釈され、本明細書および添付の請求の範囲の 中では、本発明のJAM蛋白質の重合の阻害因子および活性因子の両方が含まれる 。したがって、本発明の修飾因子は、密着結合におけるJAM分子の重合、すなわ ち、それぞれ密着結合におけるJAMの二量体化、オリゴマー化、もしくはポリマ ー化、またはJAMの脱二量体化、脱オリゴマー化、もしくは脱ポリマー化を、阻 害するか促進するかのいずれかである。 本発明の修飾因子は、本蛋白質に結合し、本蛋白質(JAM)の重合を阻害また は促進する能力を持つ、本発明の蛋白質に対する任意のリガンドであり得る。例 えば、本発明の修飾因子は、本発明の蛋白質またはその一部に相補的な構造を持 つ可能性がある。しかし、本発明のこの局面の好ましい態様では、本修飾因子は 、本発明に記載された蛋白質に特異的に結合し、該蛋白質の重合を阻害または誘 導するポリクローナルまたはモノクローナル抗体、ならびに本発明に記載される 蛋白質のアミノ酸配列に由来する、重合阻害または誘導蛋白質、ペプチド、疑似 ペプチド、および有機分子-リガンドからなる群より選択される。 本発明のポリクローナルおよびモノクローナル抗体は、当技術分野で周知の方 法で製造できる。これらの方法には、KohlerおよびMilsteinによる[Nature 256 ,495-497(1975)]およびBurdonら編[「生化学および分子生物学の実験室テクニ ック(Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology)」(第 13巻、Elsevier Science Publishers,Amsterdam(1985))中のCaJnpbellによる 「モノクローナル抗体技術、齧歯類およびヒトのハイブリドーマの生産と解析( Monoclonal Antibody Technology,The production and Characterization of R odent and Human Hybridomas)」中に記述された免疫学的方法、ならびにHuseら によって[Science 246,1275-1281(198)]に記述された組換えDNA法が含まれる。 抗体は、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、およびヒトを含む哺乳動物中で調製 できる。抗体は次の免疫グロブリンのクラス:IgG、IgM、IgA、IgD、またはIgE ならびにそのサブクラスの1つに属し、好ましくはIgG抗体である。 本発明の第7の局面は、本発明に記載される抗体または本発明に記載される修 飾 因子を診断試薬として含む診断キットに関する。使用される実際の診断方法がキ ットの他の成分を決定し、本キットは好ましくは使用説明書を伴う。広く使用さ れている免疫診断方法の図には、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)があり、これ は本明細書の実験の部分で使用された。 本発明の第8の局面は、本発明の修飾因子の有用な用途、すなわち本発明に記 載される修飾因子を含むワクチンアジュバントに関する。 本発明の第9の局面は、本発明の修飾因子のもう1つの有用かつ望ましい用途、 すなわち、本発明に記載される修飾因子を活性成分として含む薬剤に関する。 本発明の修飾因子の種々の用途の例は、以下のとおりである。 - 白血球の遊出 - 腫瘍細胞の転移 - 血管形成 - 内皮透過性 - 初期の内皮細胞損傷の検出 - 経ロワクチンのアジュバント、および - 消化管の結合に対する抗原の透過性を高め、それにより、急性および慢性炎症 性疾患、臓器移植、心筋虚血症、アテローム性動脈硬化、癌、糖尿病性網膜症、 乾癖、慢性関節リウマチ、腸内感染の治療または予防治療のための薬剤として使 用できる。 本発明の第10の局面は本発明に記載の蛋白質を過剰発現または欠失するトラン スジェニック動物または細胞に関する。 標準的な手法[Hoganら、「マウス胚の操作:実験室マニュアル(Manipulating the mouse embryo:A laboratory manual.)」Cold Spring Harbor Laboratory Press N.Y.(1994)]によって作製したJAMのヌル変異を持つトランスジェニック 動物は、JAMを置き換える活性化分子のスクリーニングおよび医療で遺伝子療法 におけるJAMの治療能力を提供するためのインビボモデルとして使用される。 JAMを過剰発現する動物(例、NSE、Thy 1、PDGFB、VEカドヘリン、ウィルブラ ンド因子、およびトランスモジュリンから選択されるプロモーターを使う)は、 医療でJAMの重合の修飾因子の治療用途のインビボスクリーニングに使用される 。 トランスジェニック細胞は、インビトロの試験目的に使用される。 本発明を一般的に記述してきたが、本発明は具体的な実施例を参照することに よって、さらに理解が深まると思われる。別途記載がないかぎり、実施例は、限 定を目的としてではなく、例証のためにのみ本明細書に含まれる。 実施例1 JAM 中和活性を持つmAbの作製 JAMに特異的に結合する抗体は、Martin-Paduraら、[J.Biol.Chem.269,612 4-6132(1994)]に記載されるようにして標準的なハイブリドーマ手法により実験 室で製造された。簡単に述べると、マウス内皮細胞株(H5V)によってルイスラッ トを免疫した[Garlandaら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91,7291-7295(1994)] 。免疫されたラットの脾臓細胞とATCC(米国、メリーランド州)のSp2/O細胞株 とを融合させてハイブリドーマを作製した。標準的な酵素結合免疫吸着検定法(E LISA)によって、ハイブリドーマの上清のH5Vへの結合をスクリーニングした。そ の後、陽性のハイブリドーマについて、以下に説明する免疫蛍光顕微鏡法によっ て内皮細胞の細胞間接触を染色する能力の解析をした。 中和活性を持つmAbを選択するために、内皮細胞の単層を通った白血球の遊出 を用いてスクリーニングした(以下参照)。第1回のスクリーニング後に、mAb B V11およびBV12を選択し、対応するハイブリドーマを限界希釈法によって連続的 に2回クローニングした。ラットのアイソタイプ決定キット(Sigma社)を用い てmAbのアイソタイプを決定した。標準的な手法[Martin-Paduraら、前記]によっ て腹水を生産した。簡単に述べると、10x106のハイブリドーマ細胞を腹腔注射 する6日前に、Nu/Nu(CD1)BRマウスに0.5mlのプリスタンを腹腔注射して初回 感作した。2〜3週後に腹水を採取した。mAb BV11は、前記のMartin-Paduraらに 記述されるようにして、固定化プロテインG(ファルマシア社)への結合によっ て、腹水から精製された。 実施例2 密着結合におけるJAMの局在性 免疫蛍光顕微鏡法 免疫蛍光染色の前に、ガラス製カバースリップ上に細胞を播種し、20%新生ウ シ血清を含むMedium 199中で密集状態まで増殖させた。細胞の種類によっては、 ガラス製カバースリップをヒト血漿フィブロネクチン(7μg/ml)でコートした。M eOHで4分間細胞を固定し、以前にLampugnaniら、[J.Cell.Biol.118,1511-15 22(1992)]に詳しく記述されたようにして、間接免疫蛍光顕微鏡法のために処理 した。簡単に述べると、1次抗体(mAb BV11またはmAb BV12)とのインキュベー ション後、フルオレセイン標識ファロイジン(1μg/ml)の存在下でローダミン 結合2次抗体(Dakopatts)とインキュベートし、各段階の間で0.1%BSAを含むPBSで 数回洗った。その後カバースリップをMowiol 4-88(Calbiochem社)に載せた。観 察にはZeiss Axiophot顕微鏡が使用され、画像の記録にはKodakTMaxP3200フィル ムが使用された。 共焦点レーザー免疫蛍光顕微鏡法は、Zeiss LSM 410 UV(CarlZeiss社)を用い て行なった。同時二重標識の蛍光には、488nmのアルゴンイオンレーザーおよび5 43nmのヘリウム・ネオンレーザー、ならびにそれぞれFICTおよびローダミンの蛍 光の可視化のために510〜525および590〜610のバンドパスフィルターの組み合わ せを用いた。1,024x1,024画素(ピクセル)と2秒の走査時間を用いて、高解像 モードでRGB画像を作製した。何本かの走査線の平均をとってノイズレベルを定 期的に低下させた。投影画像は組織標本または細胞層の0.8μm光学切片から作製 した。JAMおよびチングリンの分布を確認するために、横座標に沿った20ピクセ ルオフセットによって電子的に個々の画像を分離した。 JAMは内皮および上皮細胞における細胞間接触部位に選択的に分布する。分布 はZO-1またはチングリンのような密着結合に局在する他の分子に対応している。 共焦点電子顕微鏡法では、JAMは密着結合に局在するが、接着結合のような他の 細胞間接触の領域には観察されなかった。 実施例3 JAM は白血球の遊出を阻害する。 A.Transwellユニツト中でのインビトロアッセイ 2x105の内皮細胞を、ヒト血漿フィブロネクチン(7μg/ml、Sigma社)であら かじめコートしたTranswellユニット(直径24mm;ポアサイズ8.0μm)のポリカ ーボネートメンブレン上に播種し、密集状態になるまで4〜5日培養した。上下両 方のチャンバーの培地を新しい培地に取り替え、一部の実験では内皮細胞単層に 30分間mAbを添加してから、遊出アッセイ時にもそのまま残した。Colottaら、[J .Immunol.132,936(1984)]に記述されるようにして正常な健康なドナーから末 梢血の単球を採取した。簡単に述べると、フィコール-ハイパック分離した単核 細胞から、等張(285 mOsmol)Percoll(Pharmacia社)の不連続(46%)勾配遠 心によって、単球(純度約92%)を調製した。多形核白血球は、以前にDel Masc hioら、[Br.J.Haematol.72,329-335(1989)]に記述されたようにして、デキ ストラン沈殿後にLymphoprep勾配および赤血球の低張溶解を行なって単離した。 懸濁液で使用する細胞は、完全培地中に107細胞/mlで懸濁し、100mCiの51Crによ り室温で1時間標識した。細胞をよく洗浄し、完全培地中に1.8x106細胞/mlで再 懸濁した。その後、放射標識した細胞の一部(1.5ml)を各ウェルに添加し、37℃ で60分間インキュベートした。その後、2% FCSを含むPBSによって穏やかに洗っ て、上部チャンバーから接着しない細胞を除去した(非接着画分)。遊出した細 胞は、下部チャンバーの培地から採集し、またフィルターの裏側を綿棒でこすっ て取り出した。これらの2つの画分を集めた(遊出画分)。ポリカーボネートメ ンブレンを切り出して、そのままのEC単層および接着性白血球を採取した(接着 画分)。カウンター(Beckman社)でこれらの3つの画分の放射能を測定した。 結果は以下の表1、2、および3に示されている。 mAb BV11およびmAb BV12は共に本発明の抗体である。 抗CD31 mAbはVecchi,A.ら、[Eur.J.Cell Biol.63,247-254(1994)]に開示 されている。 抗体は、1:2希釈したハイブリドーマの上清として、上部チャンバーに添加さ れた。数値は4回の実験の平均±SEMである。**分散分析およびダンカンの検定で p<0.01。mAb BV11:JAMに結合し中和するモノクローナル抗体。mAb BV12:JAMに 結合するが中和しないモノクローナル抗体。 単球の播種の5分前に、下部チャンバーに100ng/mlのMCP-1を添加した。抗体は 、1:2希釈したハイブリドーマの上清として、上部チャンバーに添加した。数値 は2回の実験の平均士SEMである。**分散分析およびダンカンの検定でp<0.01。mA b BV11:JAMを中和するモノクローナル抗体。 Transwellユニットの下部チャンバーにfMLP(500nM)を添加して走化性を誘導し た。抗体は、1:2希釈したハイブリドーマの上清として、上部チャンバーに添加 した。数値は2回の実験の平均±SEMである。**分散分析およびダンカンの検定で p<0.01。mAb BV11:JAMを中和するモノクローナル抗体。 結論として、表1、2、および3に報告されるように、JAMに特異的に結合するモ ノクローナル抗体BV11を添加すると、単球および多形核白血球の両方の遊出が阻 害された。この抗体は、フィルターに接着したままの細胞数は有意に変化させな かった。 B.インビボアッセイ:空気嚢モデルにおける白血球の移行の測定 マウスをエーテル麻酔して、5mlの無菌空気を背中の皮膚の下に注射し、空気 嚢を作製した(0日目)。3日後に、空気嚢に3mlの無菌空気を再度注射した。4日 目に、JAMに特異的に結合するモノクローナル抗体BV11または非免疫ラットIgG( Sigma社)を200μg静脈注射した。6日目に、生理食塩水中の1%カラゲナンを1m l空気嚢に注射した。カラゲナン注射後、異なる時点でマウスを麻酔し、1mlの生 理食塩水で空気嚢を洗浄した。洗浄液は直ちに氷上で冷やし、体積を記録した。 その後、50μlをエリスロシン染色後、細胞の計数に使用した。 結果は表4に示されている。 白血球の移行は、6日後の空気嚢に無菌生理食塩水(1ml)中のカラゲナンを注射 して誘導した。精製mAb BV11(JAMに結合するmAb)またはラットの非免疫IgG( 対照)200μgを、カラゲナン処理の12時間前に、200μl静脈注射した。処理の48 時間後にラットを殺した。データは2回の実験における少なくとも7匹の動物の平 均±SDである。*スチューデントのT検定でp<0.002。 結論として、表4に報告されるように、カラゲナン注射後に空気嚢中に観察さ れる多形核白血球の数は、マウスIgGの場合と比較して、JAMに特異的に結合する モノクローナル抗体BV11で処理したマウスでは有意に低下していた。 空気嚢モデル中の透過性の測定は、採取した滲出液の体積として評価された。 血漿滲出液は、6日目の空気嚢中で無菌生理食塩水中(1ml)のカラゲナンによって 誘導された。精製mAb BV11(JAMに結合するmAb)またはラットの非免疫IgG(対 照)200μgを、カラゲナン処理の12時間前に200μl静脈注射した。処理の48時間 後にラットを殺した。データは2回の実験における少なくとも8匹の動物の平均± SDである。*スチューデントのT検定でp<0.049。 実施例4 JAM による細胞間隙の透過性の阻害 A.構築物とトランスフェクション 構築物の調製とトランスフェクションの手順は、Breviarioら、[Arterioscler .Throm.Vasc.Biol.15,1229-1239(1995)]にしたがって実施した。JAM cDNA は発現クローニングによって単離した。以前に記述されたようにして(Fawcettら 、Nature360,481[1992];Seed,Nature 329,840[1987];SeedおよびAruffo,Pr oc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.84,3365[1987];Siwonsら、Nature 331,624[198 8])、マウス脳EC株(bEnd.3)からcDNA発現ライブラリーを作製した。cDNAライブ ラリーは、オリゴdTをプライマーとしたbEnd.3ポリA+ RNAをpCDM8(Nature 329, 840-842[1987])にクローニングしたものである。プラスミドpCDM8をHindIIIおよ びNotI酵素で切断し、インサートの末端を平滑にし、真核生物の発現ベクターpE CE(Rutterら、Cell 45,721-732[1986])のSmaI制限部位にサブクローニングし、 pECE-JAM構築物を得た。その後、ジデオキシチェーンターミネーション法(「分 子クローニング(Molecular Cloning)」,第2版、Cold Spring Harbor Laborat ory Press(1987)およびAusubelら編、「分子生物学の最新プロトコール(Curren t Protocols in Molecular Biology)」Green Publishing Associates/Wiley-In terscience,New York(1990))を用いてこの構築物の配列分析をして方向性が正 しいことを確認した。100mmのペトリ皿あたり、10% FCSを含むDMEM中の3〜4x106 のCHO細胞を播種した。播種の24時間後に、リン酸カルシウム沈殿法を用いて、 20μgのpECE-JAMおよび2μgのプラスミドpSV2 neo(Rutterら、前記)によって 細胞をトランスフェクトした。24時間後に、DNAを含む培地を10% FCSを含む新し いDMEMと交換し、さらに48時間維持した。その後、細胞をはがして、100mmペト リ皿あたり1x106細胞を播種し、600μg/mlのG418(ジェネティシン、GIBCO社) を含む選択培地で培養した。耐性のコロニーを単離し、免疫蛍光染色法および免 疫沈降分析によってBV11抗原の発現を調べた。限界希釈法によって陽性の細胞を クローニングし、以後の研究に用いるために増殖させた。 B.TransWellユニツト中のデキストランの通過の測定 Transwellユニット中の細胞単層を通した透過性の測定方法は、前記のBreviar ioらに詳しく記述されている。簡単に述べると、JAMトランスフェクタントまた は内皮細胞をTranswellユニット(ポリカーボネートフィルター、0.4mmポア、Co s tar社)中で6.5nmmあたり1.5x104で播種し、密集状態になるまで5日間培養した 。その後、培地を無血清培地と交換し、上部チャンバーにフルオレセインイソチ オシアネートーデキストラン(1mg/ml、Sigma社)を添加した。種々の時点で、 下部チャンバーから100μlを採取し、蛍光光度計でアッセイした(励起波長は49 2nm、発光は520nmに設定)。 結果は表6に示されている。 値は3つの独立した実験の平均±SEMである。**分散分析およびダンカンの検定 でp<0.01。 トランスフェクタントをTranswellフィルター上に播種し、上部チャンバーに デキストランを添加して、2時間後に下部チャンバーへのその通過を評価した。J AMトランスフェクタントの透過性は、EGTAおよびサイトカラシンDの添加によっ て上昇しており、この活性がCa++依存性であり、無傷のアクチン細胞骨格を必要 とすることを示す。 結論として、表6に報告されるように、JAMのトランスフェクションによって、 細胞間結合を通したデキストランの通過が有意に低下した。参考として、この表 はEGTAおよびサイトカラシンDのような透過性を上昇させる薬剤の効果も報告し ている。これは、JAMはその効果を発揮するためにCa++および無傷のアクチン細 胞骨格を必要とすることも示す。 実施例5 ELISA アッセイでJAMを検出するためのmAb BV11の使用 ELISAサンドイッチ ELISAの標準的プロトコールは以下の通りであつた[Periら、J.Immunol.Meth .174,249-257(1994)]。簡単に述べると、96ウェルのELISAプレート(Falcon社 )を15mM炭酸緩衝液、pH9.6で1/3000に希釈したウサギ抗JAM血清により50μl/ウ ェルでコートし、4℃で一晩インキュベートした。インキュベーション後、PBS+0 .05% Tween20(洗浄緩衝液)でプレートを3回洗った。洗浄緩衝液中の5%粉乳に より室温で2時間、非特異的結合をブロックした。洗浄後、JAMを含む試料を37℃ で2時間添加した。その後、プレートを洗浄し、37℃でmAb BV11と1時間インキュ ベートした。ペルオキシダーゼ結合抗ラットIgG(1:2000に希釈、Sigma社)を室 温で1時間インキュベートし、その後、100μlの色素原基質を添加した。405nmの 吸光度を測定した。 結果は表7に示されている。 対照:2次抗体のみ添加した。ウサギ抗JAM血清または非免疫ウサギ血清は1/3000 に希釈して使用した。吸光度は4重重複の平均士SEMである。**分散分析およびダ ンカンの検定でp<0.01。 結諭として、ELISAでmAb BV11は、可溶化した内皮細胞およびJAMトランスフェ クタント細胞中でJAM蛋白質を検出することができたが、造血前駆細胞株および3 T3線維芽細胞のようなJAMを発現しない細胞抽出物を使用すると、陰性の値が得 られた。 実施例6 可溶性JAMの発現 細胞外JAM断片は、開始コドンの上流にKpn1制限部位およびHindIII制限部位の すぐ前の775の位置に停止コドンを導入して、PCR[Saikiら、Science 239,487( 1988)]により全長JAM cDNAからクローニングした。増幅したDNAを制限酵素Kpn1 およびHindIIIで切断し、得られたDNAをバキュロウイルス発現ベクターpFASTBAC 1(Gibco BRL社)のクローニング部位に連結した。このベクターをDH10Bac細胞 (Gibco BRL社)中に形質転換し、形質転換体を播種し、製造元の推奨する方法 にし たがって、x-Galで染色した。組換えベクターの選択後、DNAをSf9細胞にトラン スフェクトした。ベクターのトランスフェクションの7日後、または組換えバキ ュロウイルスの感染の3日後に、細胞培養の培地中に可溶性JAMが検出された。 精製された可溶性JAMは、溶媒の条件によっては、それ自身で会合する。JAMの 自己会合の阻害剤は、物理的方法(光散乱、超遠心、ゲル浸透クロマトグラフィ ー、BioCore等)、または以下に説明するように、本発明のモノクローナル抗体 (mAb BV11およびmAb BV12)を使った両側のサンドイッチタイプの免疫アッセイ によって、同定できる。簡単に述べると、Immunoplate(Nunc Maxisorb社)を0. 1M炭酸水素ナトリウム緩衝液中のmAb BV12(10μg/ml)溶液100μl/ウェルで一 晩コートする。ウェルを、ブロッキング緩衝液(Tris緩衝生理食塩水、0.05%Twe en 20,pH7.5中の1%ウシ血清アルブミン;100μl/ウェル)を添加してブロック する。3時間後にウェルを洗浄し、適当に希釈した会合阻害剤と共に可溶性JAMの 試料を添加する。冷却して一晩インキュベートした後、試料を除去し、ウェルを 洗浄し、ブロッキング緩衝液で適当な濃度に希釈した抗体-酵素結合体を添加す る。抗体-酵素結合体は、NakaneおよびKawaoi(J.Histochem.Cytochem.22,10 84-1091[1975])に従って、活性化したセイヨウワサビペルオキシダーゼにmAb BV 12を結合させて調製できる。プレートを洗浄し、例えばテトラメチルベンジジン および過酸化水素のような比色分析用酵素基質とインキュベートする。JAMの自 己会合の阻害剤は、結合したペルオキシダーゼの活性が低下することによって判 定できる。mAb BV11またはmAb BV12でプレートをコートした同様なアッセイは、 マウスの内皮細胞障害/増殖の診断マーカーとして可溶性JAMを測定するために使 用できる。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成10年11月16日(1998.11.16) 【補正内容】 請求の範囲 1.結合接着分子(JAM)であり、かつ配列番号:1記載のアミノ酸または配列 番号:1の配列と少なくとも72%の相同性を有する相同配列を含む、グリコシル 化型または非グリコシル化型のタンパク質。 2.配列番号:2に記載の配列を有する請求項1記載のタンパク質。 3.請求項1または請求項2記載のタンパク質をコードするDNA配列。 4.配列番号:3および配列番号:4からなる群より選択される請求項3記載の DNA配列。 5.請求項3または4のいずれか一項記載のDNA配列を含む遺伝子、好ましくは 配列番号:5および配列番号:6からなる群より選択される遺伝子。 6.癌腫細胞においてトランスフェクションにより癌抑制活性を有する、請求項 4記載のDNA。 7.細胞外JAMフラグメントをコードする請求項3または4記載のDNAフラグメン ト。 8.請求項3もしくは4記載のDNA配列、請求項5記載の遺伝子、または請求項 7記載のフラグメントを含むベクター。 9.請求項8記載のベクターにより形質転換された非ヒト生物。 10.密着結合部位の膜貫通タンパク質の二量体化、オリゴマー化、ポリマー化 の修飾因子であるポリペプチドを調製する方法であって、下記の段階を含む方法 a)請求項3もしくは4記載のDNA配列、請求項5記載の遺伝子、または請求項7 記載のDNAフラグメントを含む生物体を培養する段階、および選択的に b)該生物体または培地から発現産物を単離する段階。 11.請求項10記載の方法により得られるポリペプチド。 12.請求項1または2記載のタンパク質に特異的に結合する抗体。 13.密着結合部位の膜貫通タンパク質の二量体化、オリゴマー化、ポリマー化 の修飾因子である、請求項12記載の抗体。 14.請求項1または2記載のアミノ酸配列に由来するタンパク質、ペプチド、 疑似ペプチド、または有機分子-リガンドを含む、ポリマー化阻害剤またはポリ マ ー化誘発剤である、密着結合部位の膜貫通タンパク質の二量体化、オリゴマー化 、またはポリマー化の修飾因子であって、密着結合部位の膜貫通タンパク質のポ リマー化を阻害または誘発することのできる修飾因子。 15.診断用試薬として、請求項13記載の抗体または請求項14記載の修飾因 子を含む診断キット。 16.請求項13記載の抗体または請求項14記載の修飾因子を含むワクチンア ジュバント。 17.有効成分として、請求項13記載の抗体または請求項14記載の修飾因子 を含む医薬品。 18.二量体化、オリゴマー化、またはポリマー化のための修飾因子を同定し単 離することを目的とする、請求項1または2記載の結合接着分子の使用。 19.医薬品の調製を目的とする、請求項13記載の抗体または請求項14記載 の修飾因子の使用。 20.特に実施例に関して、実質的に上記に記載された発明。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/395 A61K 39/395 N 48/00 48/00 A61P 35/00 A61P 35/00 C07K 14/47 C07K 14/47 16/18 16/18 C12P 21/02 C C12P 21/02 G01N 33/53 D G01N 33/53 C12P 21/08 // C12P 21/08 A61K 37/02 (C12P 21/02 C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ウィリアムズ リサ 英国 オックスフォード ヘッディントン ノースフィールド ロード 32

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.配列番号:1の配列およびそれに少なくとも72%の相同性を持つ相同配列から 選択されるアミノ酸配列を含む、グリコシル化型または非グリコシル化型の蛋白 質。 2.配列が配列番号:2である、請求項1記載の蛋白質。 3.請求項1または2記載の蛋白質をコードするDNA配列。 4.配列番号:3および配列番号:4からなる群より選択される請求項3記載のDNA 配列。 5.請求項1記載の蛋白質またはそれに由来するペプチドをコードする遺伝子。 6.配列番号:5および配列番号:6からなる群より選択される請求項5記載の遺伝 子。 7.請求項4記載のDNA配列または請求項5もしくは6記載の遺伝子を含むベクター 。 8.請求項7記載のベクターで形質転換された生物。 9.請求項5もしくは6記載の遺伝子または遺伝子断片によって発現される組換え 蛋白質またはペプチド。 10.請求項1記載の蛋白質またはその蛋白質の一部に特異的に結合する抗体。 11.請求項1記載の膜貫通蛋白質の重合の修飾因子。 12.請求項1記載の蛋白質に特異的に結合し、該蛋白質の重合を阻害または誘導 する抗体、ならびに請求項1記載の蛋白質のアミノ酸配列に由来する、重合を阻 害または誘導する蛋白質、ペプチド、疑似ペプチド、および有機分子-リガンド からなる群より選択される、請求項11記載の修飾因子。 13.請求項10記載の抗体または請求項11もしくは12記載の修飾因子を診断試薬と して含む診断キット。 14.請求項11または12記載の修飾因子を含むワクチンアジュバント。 15.請求項11または12記載の修飾因子を活性成分として含む医薬品。 16.請求項1記載の蛋白質を、その重合の修飾因子を同定および単離するために 使用すること。 17.医薬品の調製を目的とする請求項11または12記載の修飾因子の使用。 18.請求項8記載の生物を適当な培地で培養し、選択的に、該蛋白質を単離する こ とを含む、請求項1または2記載の蛋白質の製造方法。 19.請求項18記載の方法で調製された請求項1または2記載の蛋白質。 20.医薬品の有効成分としての請求項11または12記載の修飾因子。 21.特に実施例に関して、実質的に上記に記載された発明。
JP52518498A 1996-12-04 1997-12-01 結合接着分子(jam)、密着結合の膜貫通蛋白質 Pending JP2001506847A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
SE9604470-6 1996-12-04
SE9604470A SE9604470D0 (sv) 1996-12-04 1996-12-04 Transmembrane component of tight junction
PCT/EP1997/006723 WO1998024897A1 (en) 1996-12-04 1997-12-01 Junctional adhesion molecule (jam), a transmembrane protein of tight junctions

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001506847A true JP2001506847A (ja) 2001-05-29

Family

ID=20404862

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP52518498A Pending JP2001506847A (ja) 1996-12-04 1997-12-01 結合接着分子(jam)、密着結合の膜貫通蛋白質

Country Status (7)

Country Link
EP (1) EP0948621A1 (ja)
JP (1) JP2001506847A (ja)
AU (1) AU5657898A (ja)
CA (1) CA2273202A1 (ja)
SE (1) SE9604470D0 (ja)
WO (1) WO1998024897A1 (ja)
ZA (1) ZA9710794B (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6410708B1 (en) 1997-11-21 2002-06-25 Genentech, Inc. Nucleic acids encoding A-33 related antigen polypeptides
US8088386B2 (en) 1998-03-20 2012-01-03 Genentech, Inc. Treatment of complement-associated disorders
EP2014677A1 (en) * 1997-11-21 2009-01-14 Genentech, Inc. A-33 related antigens and their pharmacological uses
US8007798B2 (en) 1997-11-21 2011-08-30 Genentech, Inc. Treatment of complement-associated disorders
US7282565B2 (en) 1998-03-20 2007-10-16 Genentech, Inc. PRO362 polypeptides
US7198917B2 (en) 1997-11-21 2007-04-03 Genentech, Inc. Compounds, compositions and methods for the treatment of diseases characterized by A-33 related antigens
HU229376B1 (en) * 1999-03-11 2013-11-28 Serono Lab Vascular adhesion molecules and modulation of their function
US6391855B1 (en) 1999-06-02 2002-05-21 Adherex Technologies, Inc. Compounds and methods for modulating junctional adhesion molecule-mediated functions
EP1513867A4 (en) * 2001-07-16 2006-02-08 Lilly Co Eli EXTRACELLULAR JUNCTIONAL ADHESION MOLECULES
WO2006008076A2 (en) * 2004-07-16 2006-01-26 Universita Degli Studi Di Milano Methods and agents stimulating the immune response
JP2010504955A (ja) 2006-09-28 2010-02-18 メルク セローノ ソシエテ アノニム 接合部接着分子c(jam−c)結合化合物とその利用方法
FR2909092B1 (fr) * 2006-11-24 2012-10-19 Pf Medicament Nouveaux anticorps anti-proliferation
PE20091923A1 (es) 2008-05-06 2009-12-19 Genentech Inc VARIANTES DE CRIg MADURAS POR AFINIDAD

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5665701A (en) * 1994-11-17 1997-09-09 The Research Foundation Of State University Of New York Platelet membrane glycoprotein F11 and polypeptide fragments thereof

Also Published As

Publication number Publication date
WO1998024897A1 (en) 1998-06-11
CA2273202A1 (en) 1998-06-11
AU5657898A (en) 1998-06-29
ZA9710794B (en) 1998-06-04
EP0948621A1 (en) 1999-10-13
SE9604470D0 (sv) 1996-12-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8680239B2 (en) Use of RGM and its modulators
KR101106441B1 (ko) 노고 수용체 결합 단백질
EA027623B1 (ru) Антитела, направленные против icos, и их применения
JP2002512038A (ja) 被験体における腫瘍の浸潤または蔓延の阻害法
CA2436281A1 (en) Chimeric molecules containing a module able to target specific cells and a module regulating the apoptogenic function of the permeability transition pore complex (ptpc)
US8398984B2 (en) Removal promoters and inhibitor for apoptosis cells in vivo
JP2001506847A (ja) 結合接着分子(jam)、密着結合の膜貫通蛋白質
US7771952B2 (en) Modulators and modulation of the interaction between RGM and Neogenin
Tsurudome et al. Function of fusion regulatory proteins (FRPs) in immune cells and virus-infected cells
EP0889900A1 (en) Monoclonal antibodies specific to endothelial cell cadherins and uses thereof
KR20010104373A (ko) 혈관신생 및 심혈관형성의 촉진 또는 억제 방법
WO2004064857A1 (ja) ガレクチン9含有医薬
JP2004244411A (ja) ガレクチン9含有医薬
CA2298066A1 (en) Methods and compositions for regulating nuclear trafficking of proteins
EP2843048B1 (en) NOVEL INTEGRIN alpha9beta1 LIGAND AND USES THEREOF
WO2004075917A1 (ja) 器官または組織の線維化抑制剤
KR20030004354A (ko) 신규 단백질 및 그것을 코드하는 유전자
JP2008056694A (ja) 生体内のアポトーシス細胞の除去促進剤及び除去阻害剤
WFERACTIONS A MOLECULAR APPROACH TO UNDERSTANDING CENTRAL APPARATUS FUNCTION IN CHLAMYDOMONAS FLAGELLA.((EF
JP2003212791A (ja) ラミニン−6を含む、細胞接着活性及び/又は細胞運動活性調節用組成物
JP2003000271A (ja) 新規ポリぺプチド、新規dna、新規抗体および新規遺伝子改変動物
JP2003093064A (ja) ラミニンα3鎖の改変体