JP2001505440A - グリコシダーゼ酵素 - Google Patents

グリコシダーゼ酵素

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Abstract

(57)【要約】 種々のサーモコッカス(thermococcus)、スタフィロサームス(staphylothermus)およびピロコッカス(pyrococcus)属の生物に由来する耐熱性グリコシダーゼ酵素を開示する。かかる酵素は天然または組換え宿主細胞から産生され、食品加工産業、医薬品産業、繊維産業、洗剤産業およびパン製造産業において利用可能である。

Description

【発明の詳細な説明】 グリコシダーゼ酵素 本発明の背景 1.本発明の属する技術分野 本発明は、新たに同定されたポリヌクレオチド、そのようなポリヌクレオチド がコードしているポリペプチド、そのようなポリヌクレオチドおよびポリペプチ ドの用途、ならびにそのようなポリヌクレオチドおよびポリペプチドの生産およ び単離に係る。より特定的にいうと、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプ チドは、グルコシダーゼ、α‐ガラクトシダーゼ、β‐ガラクトシダーゼ、β‐ マンノシダーゼ、β‐マンナナーゼ、エンドグルカナーゼおよびプルラナーゼと して推定的に同定されている。 2.関連技術の説明 β‐ガラクトシドのグリコシド結合はいろいろな種類の酵素によって開裂され 得る。(i)ホスホエノールピルビン酸ホスホトランスフェラーゼ系(PTS)に 依存する取込みを介して生成するリン酸化基質に特異的であるホスホ‐β‐ガラ クトシダーゼ(EC 3.2.1.85);(ii)β‐ガラクトシドに比較的特異的である、大 腸菌(Escherichia coli)LacZ酵素によって代表される典型的なβ‐ガラクトシダ ーゼ(EC 3.2.1.23);(iii)アグロバクテリウム・ファエカリス(Agrobacterium f aecalis)、クロストリジウム・サーモセルム(Clostridium thermocellum)、ピロ コッカス・フリオサス(Pyrococcus furiosus)またはスルホロブス・ソルファタ リカス(Sulfolobus solfataricus)の酵素のようなβ‐グルコシダーゼ(EC 3.2.1 .21)[Day,A.G.and Withers,S.G.,(1986)「アルカリゲネス・ファエカリス( Alcaligenes faecalis)からのβ‐グルコシダーゼの精製と特性決定」Can.J.B iochem.Cell.Biol.,64,914-922;Kengen,S.W.M.,et al.(1993)Eur.J.B iochem.,213,305-312;Ait,N.,Cruezet,N.and Cattaneo,J.(1982)「クロストリジウム・サーモセルム(Clostridium thermoce llum)から精製したβ‐グルコシダーゼの特性」J.Gen.Microbiol.,128,569- 577;Grogan,D.W.(1991)「スルホロブス・ソルファタリカス(Sulfolobus solf ataricus)のβ‐ガラクトシダーゼは耐熱性のβ‐D‐グリコシダーゼのいくつ かの活性のひとつに過ぎないことの証拠」Appl.Environ.Microbiol.,57,164 4-1649]。後者のグループのものは、グリコシド結合のβ‐アノマー配置に対し て極めて特異的であるが、かなり緩い基質特異性を示し、β‐グルコシド以外に β‐フコシドやβ‐ガラクトシドも加水分解する。 一般に、α‐ガラクトシダーゼは、多糖骨格上のガラクトース残基の加水分解 を触媒するかまたはガラクトースを含む二糖もしくはオリゴ糖の開裂を加水分解 する酵素である。 一般に、β‐マンナナーゼは、多糖骨格内のマンノース残基の加水分解を触媒 するかまたはマンノース残基を含む二糖もしくはオリゴ糖の開裂を加水分解する 酵素である。β‐マンノシダーゼは、マンノースを含む多糖上の非還元末端マン ノース残基を加水分解し、またマンノース残基を含む二糖またはオリゴ糖の開裂 を加水分解する。 グアーガム(guar gum)は、β‐1,4結合したマンノース骨格とα‐1,6結 合したガラクトース側鎖から構成される分枝したガラクトマンナン多糖である。 グアーの分解に必要とされる酵素はβ‐マンナナーゼ、β‐マンノシダーゼおよ びα‐ガラクトシダーゼである。β‐マンナナーゼはマンノース骨格を内部で加 水分解し、β‐マンノシダーゼは非還元末端マンノース残基を加水分解する。α ‐ガラクトシダーゼはα結合したガラクトース残基を加水分解する。 ガラクトマンナン多糖およびそれを分解する酵素にはさまざまな用途がある。 グアーは一般に食品の増粘剤として使われており、また油やガスの回収の際の油 圧破壊(hydraulic fracturing)に利用されている。したがって、ガラクトマンナ ナーゼは産業上グアーの分解と改質に適している。また、掘削(drilllng)および 油井刺激(well stimulation)に伴なう過激な条件下で活性である耐熱性のガラク トマンナーゼに対するニーズがある。 これらの酵素にはテンサイ糖産業のような各種産業に他の用途もある。米国 内のスクロース消費量の20〜30%はテンサイ(sugar beet)からのスクロース である。原料のテンサイ糖は、テンサイの加工前の貯蔵中に腐敗が始まるとき少 量のラフィノースを含有していることがある。ラフィノースはスクロースの結晶 化を阻害し、また隠れた(hidden)量のスクロースも構成する。したがって、原料 のテンサイ糖からラフィノースを除去することには利点がある。α-ガラクトシ ダーゼも、豆類のような食品およびその他のガスを含む(gassy)食品でラフィノ ース、スタキオースおよびベルバスコース(verbascose)を分解する消化助剤とし て使われている。 高温において活性で安定なβ-ガラクトシダーゼはラクトースを含有しない栄 養乳製品の製造に優れた酵素であると思われる[Chaplin,M.F.and Bucke,C. (1990)酵素技術(Enzyme Technology)、第159〜160頁、ケンブリッジ大 学出版、ケンブリッジ、英国]。また、いくつかの研究により、グリコシル基転 移反応によるオリゴ糖の酵素的合成にβ-ガラクトシダーゼを応用できる可能性 が示されている[Nilsson,K.G.I.(1988)「オリゴ糖の酵素的合成」Trends Bio technol.,6,156-264;Cote,G.L.and Tao,B.Y.(1990)「酵素的グリコシル 基転移によるオリゴ糖合成」Glycoconjugate J.,7,145-162]。このように産 業上の可能性があるにもかかわらず、今までのところ、好熱菌のβ-ガラクトシ ダーゼで特性決定されたものはほんの少しだけである。報告されている2つの遺 伝子は、現在までに記載された中で最も好熱性の有機栄養真正細菌の一種である 超好熱菌サーモトガ・マリティマ(Thermotoga maritima)のβ-ガラクトシド開裂 酵素である[Huber,R.,Langworthy,T.A.,Konig,H.,Thomm,M.,Woese,C. R.,Sleytr,U.B.and Stetter,K.O.(1986)「T.マーティマ(T.martima)sp. nov.は90℃まで生育する独特の極めて好熱性の真正細菌の新しい属を表す」Ar ch.Mlcrobiol.,144,324-333]。その遺伝子産物はβ-ガラクトシダーゼの一 種およびβ-グルコシダーゼの一種と同定された。 プルラナーゼはプルランおよびデンプンの枝切り酵素として良く知られている 。この酵素はこれら高分子のα-1,6-グルコシド結合を加水分解する。この酵 素の非常に重要な産業上の用途は甘昧料(グルコースまたはマルトース)の製造 のためのデンプン分解である。デンプンの分解は二段階で進む。第一段階は α-アミラーゼによる基質の液化であり、第二段階すなわち糖化段階は収率を上 げるために枝切り酵素として添加されるプルラナーゼとβ-アミラーゼによって 行なわれる。 エンドグルカナーゼは各種産業用途で使用することができる。たとえば、本発 明のエンドグルカナーゼはセルロース内部のβ-1,4-グリコシド結合を加水分 解することができ、したがって植物バイオマスを燃料や化学物質に変換するのに 用いることができる。またエンドグルカナーゼは洗剤製造、織物産業、動物飼料 、廃棄物処理、および果実汁の透明化・抽出のためにフルーツジュースや醸造産 業にも用途がある。 図面の簡単な説明 添付の図面は本発明の具体例を例示したものであり、請求の範囲に包含される 本発明の範囲を限定する意味はない。 図1a〜bは、本発明のM11TLの全長DNAおよび対応する推定アミノ酸配列 である。本発明の配列の配列決定はすべて378自動DNAシークエンサー(App lied Biosystems,Inc.)を用いて実施した。 図2は、OCl/4V-33B/Gの全長DNAおよび対応する推定アミノ酸配列である。 図3は、F1-12Gの全長DNAおよび対応する推定アミノ酸配列である。 図4a〜bは、9N2-31B/Gの全長DNAおよび対応する推定アミノ酸配列であ る。 図5a〜bは、MSB8-6Gの全長DNAおよび対応する推定アミノ酸配列である 。 図6は、AEDII12RA-18B/Gの全長DNAおよび対応する推定アミノ酸配列であ る。 図7a〜bは、GC74-22Gの全長DNAおよび対応する推定アミノ酸配列である 。 図8a〜bは、VC1-7G1の全長DNAおよび対応する推定アミノ酸配列である 。 図9a〜cは、37GP1の全長DNAおよび対応する推定アミノ酸配列である。 図10a〜cは、6GC2の全長DNAおよび対応する推定アミノ酸配列である。 図11a〜dは、6GP2の全長DNAおよび対応する推定アミノ酸配列である。 図12a〜cは、63GB1の全長DNAおよび対応する推定アミノ酸配列である 。 図13a〜bは、OC1/4Vの全長DNAおよび対応する推定アミノ酸配列である 。 図14a〜eは、6GP3の全長DNAおよび対応する推定アミノ酸配列である。 図15a〜dは、サーモトガ・マリティマ(Thermotoga maritima)MSB8-6GP2の 全長DNAおよび対応する推定アミノ酸配列である。 図16a〜cは、サーモトガ・マリティマ(Thermotoga maritima)MSB8-6GB4の 全長DNAおよび対応する推定アミノ酸配列である。 図17a〜dは、バンキ・グルディ(Banki gouldi)37GP4の全長DNAおよび 対応する推定アミノ酸配列である。 図18a〜bは、ピロコッカス・フリオサス(Pyrococcus furiosus)VC1-7EG1 の全長DNAおよび対応する推定アミノ酸配列である。 発明の概要 本発明の一つの好適な実施形態によると、図1〜18の推定アミノ酸配列(配 列番号15〜28および61〜64)を有する成熟酵素をコードしている単離さ れた核酸(ポリヌクレオチド)が提供される。 別の実施形態において、本発明は、図1〜18のポリヌクレオチドを含有する 宿主細胞を培養し、該宿主細胞から該ポリヌクレオチドによりコードされるポリ ペプチドを発現させてこのポリペプチドを単離することを含んでなる、ポリペプ チドの産生方法を提供する。 別の実施形態において、本発明は、配列番号15〜28または61〜64に示 すアミノ酸配列を有する酵素、および配列番号15〜28または61〜64に示 すアミノ酸配列を有する酵素の少なくとも30個の連続したアミノ酸残基を有す る酵素からなる群から選択される酵素を提供する。 さらに別の実施形態において、本発明は、可溶性セロオリゴ糖からのグルコー ス生成方法であって、オリゴ糖を含有するサンプルを、配列番号15〜28、6 1〜63および64に示すアミノ酸配列を有する酵素からなる群から選択される 有効量の酵素と接触させてグルコースを産生させることを含む。 本明細書で議論した刊行物は、本出願の出願日以前のそれらの開示内容につい てのみ提供するものである。本明細書に記載の内容は、本発明が先行発明による そうした開示より前のものではないと認めると解釈されるものではない。 定義 本明細書中で使用する「単糖」という用語は、単一のポリヒドロキシアルデヒ ドまたはウートン単位をさす。 本明細書中で使用する「オリゴ糖」は、共有結合により互いに連結された単糖 単位の短鎖からなる。これらのうち、最も多いのは2個の単糖単位を有する二糖 である。 本明細書中で使用する「多糖」は、多数の単糖単位を有する長鎖からなる。 「遺伝子」という用語は、ポリペプチド鎖の産生に関与するDNAのセグメン トを意昧し,ており、コード領域の前後の領域(リーダーおよびトレーラー)な らびに個々のコードセグメント(エキソン)の間にある介在配列(イントロン) を包含する。 あるコード配列は、RNAポリメラーゼが2つのコード配列を転写して単一の mRNAとし、このmRNAが次いで翻訳されて双方のコード配列から導かれる アミノ酸を有する単一のポリペプチドになるとき、他のコード配列に「機能的に 連結」している。これらのコード配列は、発現される配列が最終的にプロセッシ ングを受けて所望のタンパク質を産生する限り、互いに連続している必要はない 。 「組換え」酵素とは、組換えDNA技術によって産生される酵素、すなわち、 所望の酵素をコードしている外因性のDNA構築物によって形質転換された細胞 から産生される酵素をいう。「合成」酵素とは化学合成によって製造される酵素 をいう。 特定の酵素のDNA「コード配列」または特定の酵素を「コードしているヌク レオチド配列」とは、適当な調節配列の制御の下におかれたときに転写され翻訳 されて酵素になるDNA配列をいう。発明の詳細な説明 本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、その酵素活性の結果として 、グルコシダーゼ、α-ガラクトシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、β-マンノシ ダーゼ、β-マンナナーゼ、エンドグルカナーゼおよびプルラナーゼと同定され た。 本発明の一つの態様では、新規な酵素、ならびにその活性な断片、類似体およ び誘導体が提供される。 本発明のもう一つの態様では、本発明の酵素をコードしている単離された核酸 分子、たどえばmRNA、cDNA、ゲノムDNAならびにそのような酵素の活 性のある類似体および断片が提供される。 本発明の別の態様では、本発明の核酸配列を含有する組換え原核および/また は真核宿主細胞を、前記酵素の発現を促進する条件下で培養し、次いで前記酵素 を回収することからなる、前記ポリペフチドを組換え技術によって製造する方法 が提供される。 本発明のさらに別の態様では、そのような酵素を、またはそのような酵素をコ ードしているポリヌクレオチドを、食品加工産業で、医薬品産業で、たとえばラ クトースに対する不耐性を治療するために診断用リポーター分子として、トウモ ロコシの湿式粉砕で、フルーツジュース産業で、パン製造で、織物産業で、また 洗剤産業で使用するガラクトースとグルコースにラクトースを加水分解するため に利用する方法が提供される。 さらに、本発明の別の態様では、そのような酵素を、グアーガム(ガラクトマ ンナン多糖)を加水分解して非還元型末端マンノース残基を除去するために利用 する方法が提供される。またガラクトマンナンのような多糖およびそれを分解す る本発明の酵素は各種用途をもっている。グアーガムは食品中に増粘剤として一 般に用いられており、また油やガスの回収の際の油圧破壊でも利用されている。 したがって、マンナナーゼは産業上グアーガムの分解と改質に関連している。さ らに、掘削および油井剌激に伴なう過激な条件で活性である耐熱性のマンナーゼ に対するニーズがある。 また、本発明のさらに別の態様では、本発明の核酸配列と特異的にハイブリ ダイズするのに充分な長さを有する核酸分子からなる核酸プローブが提供される 。 さらにまた本発明の別の態様では、そのような酵素を、またはそのような酵素 をコードしているポリヌクレオチドを、科学的研究に関連するin vitroの目的で 、たとえば、前記ヌクレオチド配列の特定の領域、すなわち保存配列領域を用い ることにより、類似の酵素をコードしているかもしれない類似の配列を他の生物 から同定するためのプローブを作製するために、利用する方法が提供される。 本発明のこれらの態様およびその他の態様は本明細書の教示から当業者には明 らかであろう。 本発明のポリヌクレオチドはもともと、以下の生物から得られたゲノム遺伝子 ライブラリーから回収された。 M11TLは、イエローストーン国立公園(Yellowstone National Park)のダイヤ モンドプール(Diamond Pool)から単離されたデスルフロコッカス(Desulfurocloc cus)の新種である。この生物は、酵母エキス、ペプトンおよびゼラチンを基質と して含有する低塩培地中でN2/CO2気相中、85〜88℃、pH7.0で最適 に生育する。 OC1/4Vはサーモトガ(Thermotoga)属に由来する。この生物は、イエローストー ン国立公園(Yellowstone National Park)から単離されたものであり、基質とし てセルロースを含有する低塩培地中でN2気相中、75℃で最適に生育する。 ピロコッカス・フリオサス(Pyrococcus furiosus)VC1および(7EG1)は、ピロコ ッカス(Pyrococcus)属に由来する。VC1はイタリアのヴルカノ(Vulcano)から単離 されたものであり、基質として元素状イオウ、酵母エキス、ペプトンおよびデン プンを含有する高塩培地(海)中でN2気相中、100℃で最適に生育する。 スタフィロサームス・マリヌス(Staphylothermus marinus)F1は、スタフィロ サームス(Staphylothermus)属に由来し、イタリアのヴルカノ(Vulcano)から単離 されたものであり、基質として元素状イオウおよび酵母エキスを含有する高塩培 地(海)中でN2気相中、85℃、pH6.5で最適に生育する。 サーモコッカス(Thermococcus)9N-2は、サーモコッカス(Thermococcus)属に由 来する。9N-2は東太平洋海膨の拡散ベント流体(diffuse vent fluid)から単離さ れたものであり、87℃で最適に生育する偏性嫌気性生物である。 サーモトガ・マリティマ(Thermotoga maritima)MSB8およびMSB8(クローン#6GP 2および6GB4)は、サーモトゴ(Thermotogo)属に由来し、イタリアのヴルカノ(Vul cano)から単離されたものであり、基質としてデンプンおよび酵母エキスを含有 する高塩培地(海)中でN2気相中、85℃、pH6.5で最適に生育する。 サーモコッカス・アルカリフィルス(Thermococcus alcaliphylus)AEDII12RAは 、サーモコッカス(Thermococcus)属に由来し、基質としてポリスルフィドおよび 酵母エキスを含有する高塩培地(海)中でN2気相中、85℃、pH9.5で最 適に生育する。 サーモコッカス・キトノファグス(Thermococcus chitonophagus)GC74は、サー モコッカス(Thermococcus)属に由来し、基質としてキチン、肉エキス、元素状イ オウおよび酵母エキスを含有する高塩培地(海)中でN2気相中、85℃、pH 6.0で最適に生育する。AEPII 1aは嫌気性条件下海洋培地中で85℃、pH6 .5で最適に生育する。それは多くの基質を有する。バンキア・グルディ(Banki a gouldi)はバンキア(Bankia)属に由来する。 したがって、ポリヌクレオチドおよびそれによってコードされている酵素はそ れらが単離された生物によって識別され、本明細書中では時として、「M11TL」 (図1、配列番号1および15)、「OC1/4V-33B/G」(図2、配列番号2および 16)、「F1-12G」(図3、配列番号3および17)、「9N2-31B/G」(図4、 配列番号4および18)、「MSB8」(図5、配列番号5および19)、「AEDII1 2RA-18B/G」(図6、配列番号6および20)、「GC74-22G」(図7、配列番号 7および21)、「VC1-7G1」(図8、配列番号8および22)、「37GP1」 ( 図9、配列番号9および23)、「6GC2」(図10、配列番号10および24) 、「6GP2」(図11、配列番号11および25)、「AEPII1a」(図12、配列 番号12および26)、「OC1/4V」(図13、配列番号13および27)、なら びに「6GP3」(図14、配列番号14および28)、「MSB8-6GP2」(図15、 配列番号57および61)、「MSB8-6GB4」(図16、配列番号58および62 )、「VC1-7EG1」(図17、配列番号59および63)、ならびに37GP4(図1 8、配列番号60および64)と称することがある。 本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、表1に示す公知の遺伝子お よびこれにコードされるタンパク質と、ヌクレオチドおよびタンパク質レベルで 同一性を示す。 本発明のポリヌクレオチドと酵素は、表2に示すように互いに相同性を示す。 表1と2に記載のすべてのクローンは、α−グリコシダーゼまたはβ−グリコ シダーゼ活性を有するポリペプチドをコードする。 本発明の酵素をコードする単離された核酸分子以外に、本発明はまた、実質的 に同様の配列を与える。単離された配列は、もし、(i)これらが後述する条件 下で、配列番号1〜14および57〜60のポリヌクレオチドにハイブリダイズ することができるなら、(ii)または、これらが配列番号1〜14および57〜 60のポリヌクレオチドに対して縮重しているDNA配列をコードするなら、実 質的に同様である。縮重DNA配列は、配列番号15〜28および61〜64の アミノ酸配列をコードするが、ヌクレオチドのコード配列では変動がある。本明 細書においで、実質的に同様であるとは、本発明の配列と同様の同一性を有する 配列を意昧する。実質的に同じヌクレオチド配列は、ハイブリダイゼーションま たは配列の比較により同定することができる。実質的に同じ酵素配列は、以下の 1つまたはそれ以上により同定することができる:タンパク質分解、ゲル電気泳 動、および/または微量配列決定法。 本発明の酵素をコードする核酸分子を単離するための1つの手段は、遺伝子ラ イブラリーを天然のまたは人工的に作成したプローブと、当該分野で公知の方法 (例えば、Current Protocols in Molecular Biology,Ausubel F.M.ら(編) 、 Green Publishing Company Assoc.and John Wiley Interscience、ニューヨー ク、1989、1992)を使用してプローブ結合することである。配列番号1 〜14および57〜60のポリヌクレオチドまたはその断片(少なくとも12の 連続したヌクレオチドを含む)は、特に有用なプローブであることは当業者には 理解されるであろう。この目的のための他の特に有用なプローブは、配列番号1 〜14および57〜60の配列にハイブリダイズすることができる断片(すなわ ち、少なくとも12の連続したヌクレオチドを含む)である。 本明細書に開示した特異的な核酸配列とハイブリダイズする核酸配列に関して 、ハイブリダイゼーションは、低ストリンジェンシー、中程度のストリンジェン シー、またはストリンジェントな条件下で行われる。オリゴヌクレオチドハイブ リダイゼーションの例として、固定化した変性核酸を含有するポリマー膜を、ま ず0.9M NaCl、50mM NaH2PO4、pH7.0、5.0mM Na2 EDTA、0.5%SDS、10×デンハルツ、および0.5mg/mlポリリボア デニル酸よりなる溶液中で45℃で30分プレハイブリダイゼーションする。次 にこの溶液に、約2×107cpm(比活性4〜9×108cpm/μg)の32P末端標識 オリゴヌクレオチドプローブを加える。12〜16時間のインキュベーション後 、0.5%SDSを含有する1×SET(150mM NaCl、20mMトリス塩 酸、pH7.8、1mM Na2EDTA)中で、膜を室温で30分洗浄し、次に 、オリゴヌクレオチドプローブについて、Tm 10℃で新鮮な1×SET中で 30分洗浄する。次に膜をオートラジオグラフィーフィルムに暴露して、ハイブ リダイゼーションシグナルを検出する。 ストリンジェントな条件は、配列の間に少なくとも90%の同一性、好ましく は少なくとも95%の同一性、および最も好ましくは少なくとも97%の同一性 がありさえずれば、ハイブリダイゼーションが起きることを意味する。さらに、 100塩基対の配列の一部である、長さが95塩基対の断片は、100塩基対の 配列から誘導される配列と95%の同一性を有すると理解される。J.Sambrook ら、Molecular Cloning,A Laboratory Manual、第2版、コールドスプリングハ ーバーラボラトリー(Cold Spring Harbor Laboratory)(1989)を参照さ れたい(これは、参考のためその全体が本明細書に組み込まれる)。また、10 0塩基対の一部である、長さが95塩基対の断片は、100塩基対の配列から誘 導される配列と95%の同一性を有すると理解される。 本明細書において、例えばBLASTINにより互いに正しく整列した時、第 1の配列の塩基と別の配列の塩基との間に、それぞれ少なくとも70%、および 好ましくは少なくとも80%または90%の同一性があるなら、第1のDNA( RNA)配列は、別のDNA(RNA)配列と少なくとも70%および好ましく は少なくとも80%同一である。 本明細書において「同一性」という用語は、参照ポリヌクレオチド(配列番号 1〜14および57〜60)と同じ塩基の割合を含むポリヌクレオチド配列を意 昧する。例えば、参照ポリヌクレオチドと少なくとも90%同一であるポリヌク レオチドは、参照ポリヌクレオチドを構成する塩基の90%が同一であるポリヌ クレオチド塩基を有し、このポリヌクレオチド配列を含む塩基の10%が異なる 塩基を有しでもよい。 本発明は、変化がサイレント変化(例えば、変化は、ポリヌクレオチドにより コードされるアミノ酸配列を変化させない)であるような、参照ポリヌクレオチ ドとは異なるポリヌクレオチドに関する。本発明はまた、参照ポリヌクレオチド によりコードされるポリペプチド中の、アミノ酸置換、付加、欠失、融合、およ び末端切断を引き起こすヌクレオチドの変化に関する。本発明の好適な面におい て、これらのポリペプチドは、参照ポリペプチドによりコードされるポリペプチ ドと同じ生物作用を有する。 このようなプローブは、プローブの同定を促進するために、分析的に検出可能 な試薬で標識することができ、好ましくは標識されることも理解される。有用な 試薬には、特に限定されないが、放射性物質、蛍光性色素、または検出可能な生 成物の生成を触媒することができる酵素がある。すなわち、プローブは、他の供 給源からDNAの相補的なコピーを単離するため、または関連配列についてこの ような供給源をスクリーニングするのに有用である。 本発明のポリヌクレオチドは、表1に示す生物からのゲノム遺伝子ライブラリ ーから回収した。例えば、遺伝子ライブラリーは、ラムダZAPIIクローニング ベクター(ストラタジーンクローニングシステムズ(Stratagene Cloning Systems))で作成できる。これらのライブラリーについて大量に切断して、pBl uescriptファジミド中でライブラリーを作成することができる。こうしてライブ ラリーを作成し、以下に記載するプロトコル/方法に従って切断が行われる。 切断ライブラリーは、大腸菌(E.coli)BW14893 F'kan1A株に導入される。次 に高温フィルター測定法を使用して発現クローンを同定する。いくつかのグルカ ナーゼおよびいくつかの他のグリコシダーゼをコードする発現クローンを同定し 、再精製する。本発明のポリヌクレオチドおよびこれにコードされる酵素は、上 記の活性を提供する。 本発明の酵素のコード配列は、グルコシダーゼまたはガラクトシダーゼ活性を 有するクローンについて調製したゲノムDNAをスクリーニングして同定した。 そのような測定法の例は、高温フィルター測定法であり、大腸菌(E.coli)B W14893 F'kan1A株に切断ライブラリーを導入した後、1mg/mlの基質5−ブロモ −4−クロロ−3−インドリル−β−D−グルコピラノシド(XGLU)(Diag nostic Chemicals LimitedまたはSigma)を含有する緩衝液Z(以下の調製法を 参照)を使用して、高温フィルター定法により発現クローンを同定した。XGL Uaseをコードする発現クローンを同定し、M11TL、OC1/4V、ピロコッカス・ フリオサス(Pyrococcus furiosus)VC1、スタフィロサームス・マリヌス(Stap hylothemus marinus)F1、サーモコッカス(Thermococcus)9N-2、サーモトガ・ マリティマ(Thermotoga maritima)MSB8、サーモコッカス・アルカリフィルス (Thermococcus alcaliphilus)AEDII12RA、およびサーモコッカス・キトノファ グス(Thermococcus chitonophagus)GC74から再精製した。 Z−緩衝液:(Miller,J.H.(1992)A Short Course in Bacterial Genetics、 445頁に記載) 1リットル当たり: Na2HPO4−7H2O 16.1g NaH2PO4−7H2O 5.5g KCl 0.75g MgSO4−7H2O 0.246g β−メルカプトエタノール 2.7ml pHを7.0に調整する 高温フィルター測定法 (1)f因子f'kan(大腸菌(E.coli)CSH118株から)(1)を、pho-pnh-lac- BW14893株(2)に導入した。BW13893(2)。得られるBW14893 F'kan株上に、繊維 状ファージライブラリーを蒔いた。(Miller,J.H.(1992)A Short Course in Ba cterial Genetics;Lee,K.S.,Metcalf,ら、(1992)Evidence for two Phosp honate degradative pathways in Enterobacter Aerogenes,J.Bacteriol.,17 4:2501-2510)。 (2)100μg/mlアンピシリン、80μg/mlネチシリン(nethicillin)およ び1mM IPTGを含有する100mmのLBプレート上で増殖させた後、ミリボア (Millipore)HATF膜を使用してコロニーリフトを行った。 (3)フィルターに移したコロニーを、150mmガラスシャーレ中でクロロホルム 蒸気で溶解させた。 (4)フィルターを、緩衝液で飽和したワットマン3MMろ紙片1つを含有する 100mのガラスシャーレに移した。 (a)ガラクトシダーゼ活性(XGALase)について試験する時は、3MM ろ紙を、1mg/ml XGAL(ChemBridge Corporation)を含有するZ緩衝液で飽 和させた。溶解したコロニーを有するフィルターをガラスシャーレに移した後、 シャーレを80〜85℃のオーブン中に入れた。 (b)グルコシダーゼ(XGLUase)について試験する時は、3MMろ紙を 、1mg/ml XGLUを含有するZ緩衝液で飽和させた。溶解したコロニーを有す るフィルターをガラスシャーレに移した後、シャーレを80〜85℃のオーブン 中に入れた。 (5)「陽性」は、フィルター膜上の青いスポットとして観察した。以下のフィ ルターレスキュー法を使用して、溶解した陽性のコロニーからプラスミドを回収 した。パスツールピペット(またはガラス毛細管)を使用して、フィルター膜か ら青いスポットを円形に抜き取った。20μlの水を含有するエッペンドルフ管 に、小さいフィルターディスクを入れた。エッペンドルフ管を75℃で5分間イ ンキュベートし、次にボルテックス混合して、フィルターからプラスミドDNA を溶出させた。サーモトガ・マリティマ(Thermotoga maritima)MSB8-6G、スタ フィロサームス・マリヌス(Staphylothermus marinus)F1-12G、サーモコッカ ス(Thermococcus)AEDII12RA-18B/G、およびサーモコッカス・キトノファグス (Thermococcus chitonophagus)GC74-22G、M11T1、およびOC1/4Vについて、こ のDNAを、エレクトロコンピタントな大腸菌(E.coli)細胞DH10Bに形質転換 した。サーモコッカス(Thermococcus)9N2-3lB/G、およびピロコッカス・フリ オサス(Pyrococcus furiosus)VC1-7G1については、エレクトロコンピタントな BW14893 F'kan1A大腸菌(E.coli)を使用した。形質転換プレートでフィルター リフト・を繰り返して、「陽性」を同定した。フィルターリフト後、形質転換プ レートを37℃インキュベーターに戻して、コロニーを再生した。100μg/ml のアンピシリンを含有する3mlのLB液に、再精製した陽性物を接種し、37℃ で一晩インキュベートした。これらの培養物からプラスミドDNAを単離し、プ ラスミド挿入物の配列を決定した。最初のコロニーリフトで使用したプレートが コンフルエントでないコロニーを含有した場合には、フィルター上の青いスポッ トに対応する特異的コロニーは、再生したプレート上で同定でき、フィルターレ スキュー法を使用する代わりに直接再精製した。 このような測定法の別の例は、高温フィルター測定法の変法であり、コロニー を含むフィルターを異なる温度で加熱死滅させて(例えば、105℃で20分) 、熱安定性を追跡した。3MMろ紙を異なる緩衝液(すなわち、100mM Na Cl、5mM MgCl2、100mM トリス−塩酸(pH9.5))で飽和させて 、異なる緩衝液条件下で酵素活性を測定した。 β−グルコシダーゼ測定法も使用でき、ここではGlcpf3Npが人工基質 (アリール−β−グルコシダーゼ)として使用される。p−ニトロフェノール( pNp)放出の結果としての405nmの吸光度の増加は、サーモスタット式のキ ュベット・ホルダーを取り付けたHitachi U-1100分光光度計で追跡した。測定は 、密封した1mlの石英キュベット中で80℃または90℃で行った。標準的反応 混合物は、150mM 三ナトリウム基質(pH5.0)(80℃で)および0. 95mM pNp誘導体pNp=0.561mM-1−cm-1)を含有する。反 応混合物を所望の温度にして、次に適切な量(最終容量1.06ml)の酵素を注 入して反応を開始させる。 1Uのβ−グルコシダーゼ活性は、1.0μmol pNp/分の生成を触媒する のに必要な量であると定義される。D−セロビオースも、基質として使用できる 。 β−ガラクトシダーゼ活性についてのONPG測定法は、Miller,J.H.(199 2)A Short Course in Bacterial GeneticsおよびMill,J.H.(1992)Experiment s in Molecular Geneticsに記載されている(これらは、その全体が参考のため 本明細書に組み込まれる)。 β−ガラクトシダーゼ特異的活性についての定量的蛍光測定法は、Youngman P .,(1987)Plasmid Vectors for Recovering and Exploiting Tn917 Transposi tions in Bacillus and other Gram-Positive Bacteriaに記載されている。Plas mlds:A Practical approach(K.Hardy編)79〜103頁、IRLプレス、オ クスフォード。この方法は、Miller(1992)75〜77頁に記載されている(そ の内容は、参考のためその全体が本明細書に組み込まれる)。 本発明のポリヌクレオチドは、cDNA、ゲノムDNA、および合成DNAを 含有するDNAの形でもよい。このDNAは2本鎖または1本鎖でもよく、1本 鎖なら、コード鎖または非コード(アンチセンス)鎖でもよい。成熟した酵素を コードするコード配列は、図1〜8に示すコード配列(配列番号1〜14および 57〜60)と同一でもよいか、または遺伝コードの重複または縮重の結果とし て図1〜18のDNA(配列番号1〜14および57〜60)と同じ成熟酵素を コードする、異なるコード配列でもよい。 図1〜18の成熟酵素をコードするポリヌクレオチド(配列番号15〜28お よび61〜64)は、特に限定されないが:成熟酵素のコード配列のみ;成熟酵 素と追加のコード配列(例えば、リーダー配列およびプロタンパク質配列)のコ ード配列;成熟酵素のコード配列(および、随時追加のコード配列)および非コ ード配列(例えば、成熟酵素のコード配列のイントロンまたは非コード配列5’ および/または3’)を含む。 「酵素(タンパク質)をコードするポリヌクレオチド」という用語は、酵素の コード配列のみを含むポリヌクレオチド、ならびに追加のコード配列および/ま たは非コード配列を含むポリヌクレオチドを包含する。 本発明はさらに、図1〜18の推定アミノ酸配列(配列番号15〜28および 61〜64)を有する酵素の断片、類似体および誘導体をコードする、前述のポ リヌクレオチドの変種に関する。ポリヌクレオチドの変種は、ポリヌクレオチド の天然に存在するアレレ変種またはポリヌクレオチドの天然には存在しない変種 でもよい。 すなわち、本発明は、図1〜18に示すもの(配列番号15〜28および61 〜64)と同じ成熟酵素をコードするポリヌクレオチド、ならびに図1〜18の 酵素(配列番号15〜28および61〜64)の断片、誘導体、または類似体を コードする変種である、このようなポリヌクレオチドの変種を含む。このような ヌクレオチド変種は、欠失変種、置換変種および付加または挿入変種を含む。 前述したように、ポリヌクレオチドはまた、図1〜18に示すコード配列(配 列番号1〜14および57〜60)の天然に存在するアレレ変種であるコード配 列でもよい。当該分野で公知のように、アレレ変種は、コードされる酵素の機能 を実質的に変化させない、1つまたはそれ以上のヌクレオチドの置換、欠失また は付加を有するポリヌクレオチド配列の代わりの型である。 本発明の完全長遺伝子の断片は、cDNAまたは遺伝子ライブラリーのための ハイブリダイゼーションプローブとして、完全長DNAを単離したり、遺伝子と 高い配列類似性および同様の生物活性を有する他のDNAを単離するのに使用で きる。好ましくはこのタイプのプローブは、少なくとも10、好ましくは少なく とも15、およびさらに好ましくは少なくとも30塩基を有し、例えば少なくと も50またはそれ以上の塩基を含有してもよい。このプローブはまた、完全長転 写体に対応するDNAクローン、ゲノムクローン、および制御領域、プロモータ ー領域、エキソン、そしてイントロンを含む完全な遺伝子を含有するクローンを 同定するのに使用することもできる。スクリーニングの例としては、公知のDN A配列を使用して遺伝子のコード領域を単離し、オリゴヌクレオチドプローブを 合成する。本発明の遺伝子の配列に相補的な配列を有する標識オリゴヌクレオチ ドは、ゲノムDNAのライブラリーをスクリーニングするために使用して、ライ ブラリーのどのメンバーにプローブがハイブリダイズするかを決定することがで きる。 本発明は、配列同士が70%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは 95%以上の同一性を有している場合に上述の配列とハイブリダイズするポリヌ クレオチドにも関するものである。本発明は、特に、上述のポリヌクレオチドと ストリンジェント条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドに関する。本発 明で使用する場合には、「ストリンジェント条件」という用語は、配列同士が9 5%以上、好ましくは97%以上の同一性を有している場合にのみハイブリダイ ゼーションが生じるような条件のことを称するものである。好適実施態様の一つ で上述のポリヌクレオチドとハイブリダイズするポリヌクレオチドは、図1〜1 8(配列番号1〜14および57〜60)のDNAによってコードされる成熟酵 素と実質的に同じ生物学的機能あるいは活性を保持している酵素をコードしてい る。 また、このポリヌクレオチドは、上述のように本発明のポリヌクレオチドの任 意の部分とハイブリダイズし、本発明のポリヌクレオチドと同一性を有している 複数個の塩基で、なおかつ、活性を保持しているか、保持していないかのいずれ かであるような15以上の塩基、好ましくは30以上の塩基、さらに好ましくは 50以上の塩基を有することができる。こうしたポリヌクレオチドは、たとえば 、配列番号1〜14および57〜60のポリヌクレオチドに対するプローブとし て用いることもできるし、たとえば、ポリヌクレオチドの回収に使用したり、診 断用プローブあるいはPCR用プライマーとして使用することもできる。 このように、本発明は、配列番号15〜28および61〜64の酵素をコード するポリヌクレオチドと70%以上の同一性、好ましくは90%以上の同一性、 さらに好ましくは95%以上の同一性を有しているポリヌクレオチド、ならびに その断片に関するものであり、この断片は、15以上の塩基、好ましくは30以 上の塩基、さらに好ましくは50以上の塩基を有する断片であり、本発明のポリ ヌクレオチドの任意の部分と90%以上、好ましくは95%以上、ストリンジェ ント条件では、さらに好ましくは97%以上同一であるような断片である。 本発明は、さらに、図1〜18(配列番号15〜28および61〜64)の推 定アミノ酸配列を有する酵素、ならびにこの酵素の断片、類似体、誘導体に関す る。 図1〜18(配列番号15〜28および61〜64)の酵素に関して使用する 場合には、「断片」、「類似体」、「誘導体」という用語は、こうした酵素と本 質的に同じ生物学的機能または活性を保持している酵素を称するものである。し たがって、類似体としては、プロタンパク質部分を開裂して活性の成熟酵素を生 成することによって活性化が可能なプロタンパク質を包含するものである。 本発明の酵素は、組換え酵素、天然酵素、あるいは合成酵素とすることができ 、好ましくは組換え酵素である。 図1〜18(配列番号15〜28および61〜64)の酵素の断片、類似体、 または誘導体は、(i)1つ以上のアミノ酸残基が、保存的または非保存的なア ミノ酸残基(好ましくは保存的アミノ酸残基)で置換されているもの(この置換 アミノ酸残基は、遺伝コードでコードされているアミノ酸残基であってもなくて もよい)、または(ii)アミノ酸残基の1つ以上が置換基を有しているようなも の、(iii)成熟酵素が、別の化合物、たとえば酵素の半減期を延長するための 化合物(たとえばポリエチレングリコール)と融合されているもの、または(iv )成熟酵素に、さらなるアミノ酸、たとえばリーダー配列あるいは分泌配列、あ るいは成熟酵素精製用の配列、もしくはプロタンパク質配列が融合されているも のとすることもできる。こうした断片、類似体、または誘導体は、当業者にとっ ては、本発明の教示内容の範囲内であると考えられる。 本発明の酵素およびポリヌクレオチドは、単離形態として提供するのが好まし く、均一状態まで精製しておくのが好ましい。 「単離された」という用語は、当該物質が、そのもとの環境(たとえば、その 物質が天然に存在する物質である場合には、天然環境)から取り出されたもので あることを意味する。たとえば、生存中の動物内に存在している天然に存在する ポリヌクレオチドまたは酵素は単離されていないのに対し、共存物質のすべてあ るいはその一部から分離されたポリヌクレオチドまたは酵素は単離されている。 こうしたポリヌクレオチドは、ベクターの一部である場合もあり、そして/また は、こうしたポリヌクレオチドもしくは酵素は、組成物の一部である場合もある 。 しかし、そうした場合でも、こうしたベクターまたは組成物が、その天然環境の 一部ではないように単離することが可能である。 本発明の酵素は、配列番号15〜28および61〜64の酵素(特に、成熟酵 素)、ならびに配列番号15〜28および61〜64の酵素と70%以上の類似 性(好ましくは、70%以上の同一性)を有する酵素、さらに好ましくは、配列 番号15〜28および61〜64の酵素と90%以上の類似性(好ましくは、9 0%以上の同一性)を有する酵素、そしてさらに好ましくは、配列番号15〜2 8および61〜64の酵素と95%以上の類似性(好ましくは、95%以上の同 一性)を有する酵素を含むものであり、こうした酵素の部分も含むものである。 酵素のこうした部分は、一般に30以上のアミノ酸、さらに好ましくは50以上 のアミノ酸を含むものである。 当業界では周知のように、2つの酵素間の「類似性」は、一方の酵素のアミノ 酸配列とその保存的アミノ酸置換を、もう一方の酵素の配列と比較することによ って決定する。 変異体ポリペプチド、すなわち「断片」、「類似体」、または「誘導体」ポリ ペプチドと、基準ポリペプチドとは、アミノ酸配列が、1個以上の置換、付加、 欠失、融合、末端切断(truncation)、あるいはそれらの任意の組み合わせによっ て異なっている。 好適な変異体としては、保存的なアミノ酸置換によって基準ポリペプチドと異 なるものが挙げられる。こうした置換としては、ポリペプチドの所定のアミノ酸 の、似た特性を有する別のアミノ酸による置換が挙げられる。保存的置換とみな される置換としては、脂肪族アミノ酸Ala、Val、Leu、Ileの間での相互の置換、 ヒドロキシル残基SerおよびThrの交換、酸性残基AspおよびGluの交換、アミド残 基AsnおよびGluの交換、塩基性残基LysおよびArgの交換、および芳香族残基Phe とTyrの間での置換が代表的である。 変異体として特に好ましいのは、変異の出発点となった基準ポリペプチドと同 じ生物学的機能ならびに活性を保持している変異体である。 本発明の酵素の断片または部分は、ペプチド合成により対応する全長の酵素を 生成するにあたって使用することができ、したがって、こうした断片は、全長の 酵素を生成ずるにあたっての中間物質として使用することができる。本発明のポ リヌクレオチドの断片または部分は、本発明の全長ポリヌクレオチドを合成する 際に使用することができる。 本発明は、本発明のポリヌクレオチドを含むベクター、本発明のベクターで遺 伝子操作した宿主細胞、ならびに組換え的手法による本発明の酵素の生成にも関 するものである。 宿主細胞は、本発明のベクターで遺伝的に操作(形質導入、形質転換、または トランスフェクト)され、ベクターは、たとえば、クローニングベクターあるい は発現ベクターとすることができる。ベクターは、たとえば、プラスミド、ウイ ルス粒子、ファージ等の形態とすることができる。遺伝子操作を行った宿主細胞 は、プロモーターを活性化したり、形質転換体を選別したり、本発明の遺伝子を 増幅したりするのに適するよう改変した通常の栄養培養液中で培養することがで きる。培養条件、たとえば、温度、pHなどは、発現に際して選んだ宿主細胞で 従来から使用されてきた条件とすることができ、こうした条件は、当業者にはす ぐわかるはずである。 本発明のポリヌクレオチドは、組換え手法で酵素を生成する際に用いることが できる。すなわち、たとえば、ポリヌクレオチドを、各種の発現ベクターのうち の任意のものに包含させて、酵素を発現させることができる。こうしたベクター としては、染色体、非染色体、および合成DNA配列、たとえばSV40の誘導 体、細菌プラスミド、ファージDNA、バキュロウイルス、酵母プラスミド、プ ラスミドとファージDNAの組み合わせから誘導したベクター、ワクシニア、ア デノウイルス、家禽ポックスウイルス、仮性狂犬病などのウイルス性DNAがあ る。しかし、宿主中で複製可能かつ生存可能であるならば、任意の他のベクター を使用することもできる。 適当なDNA配列のベクターへの挿入は、各種の方法で行うことができる。一 般に、DNA配列は、適当な制限エンドヌクレアーゼ部位に、公知の方法によっ て挿入する。こうした方法をはじめとする各種の方法は、当業者にとって周知の ものである。 発現ベクター中のDNA配列は、適当な発現制御配列(プロモーター)に作動 可能なかたちで連結させて、mRNAの合成を誘導する。こうしたプロモーター の代表的な例としては、LTRまたはSV40プロモーター、大腸菌のlacまた はtrp、ラムダファージPLプロモーターをはじめとする原核細胞、真核細胞、 またはそのウイルスで遺伝子の発現を制御することが知られているプロモーター を挙げることができる。発現ベクターは、翻訳開始のためのリボソーム結合部位 、ならびに転写ターミネーターも有している。ベクターは、発現を増幅する適当 な配列を含むこともできる。 また、発現ベクターに1つ以上の選択マーカー遺伝子を含有させて、形質転換 宿主細胞を選別する際に特徴的な表現型、たとえば、真核細胞の培養に際しては 、ジヒドロ葉酸還元酵素あるいはネオマイシン耐性、大腸菌ではテトラサイクリ ンあるいはアンピシリン耐性が示されるようにしておくのが好ましい。 上述のような適当なDNA配列ならびに適当なプロモーターまたは制御配列を 含むベクターを用いて適当な宿主を形質転換して、宿主にタンパク質を発現させ ることができる。 適当な宿主の代表的な例としては、細菌細胞、たとえば大腸菌、ストレプトマ イセス属、枯草菌;菌類細胞、たとえば、酵母;昆虫細胞、たとえばショウジョ ウバエS2、およびスポドプテラ(Spodoptera)Sf9;動物細胞、たとえば、C HO、COS、またはBowes黒色腫;アデノウイルス;植物細胞などを挙げるこ とができる。当業者であれば、本発明の教示内容に照らして、適当な宿主を選ぶ ことができるはずである。 さらに具体的には、本発明は、上記に概略を説明した1種以上の配列を含む組 換え構築物を包含するものである。構築物は、ベクター、たとえばプラスミドま たはウイルスのベクターに、本発明の配列を前向きあるいは逆向きに挿入したも のである。この実施態様の好適な一観点では、この構築物は、さらに、調節配列 、たとえば、上記配列に作動可能なかたちで連結されている調節配列を含む。多 数の適当なベクターおよびプロモーターが当業者に周知であり、市販されている 。そうしたベクターの例を以下に挙げると、細菌のベクターとしては、pQE70、p QE60、pQE-9(Qiagen)、pD10、psiX174、pBluescript II KS、pNH8A、pNH16a、 pNH18A、pNH46A(Stratagene)、ptrc99a、pKK223-3、pKK233-3、pDR540、 pRIT5(Pharmacia);真核生物のベクターとしては、pSV2CAT、pOG44、pXT1、pS G(Stratagene)、pSVK3、pBPV、pMSG、pSVL(Pharmacia)がある。しかし、宿 主内で複製、生存が可能なものであれば、他のプラスミドまたはベクターを使用 することもできる。 プロモーター領域は、CAT(クロラムフェニコールトランスフェラーゼ)ベ クターあるいは他のベクターを選択マーカーとともに使用することによって、任 意所望の遺伝子から選ぶことができる。適当なベクター2種を挙げると、pKK232 -8とpCM7がある。細菌のプロモーターの具体例としては、1acI、lacZ、T3、T7、 gpt.ラムダPR、PLおよびtrp、真核生物のプロモーターとしては、前初期CMV 、HSVチミジンキナーゼ、初期および後期SV40、レトロウイルス由来のL TR、マウス・メタロチオネイン−Iがある。適当なベクターおよびプロモータ ーの選択は、当業者の通常レベルの範囲内である。 別の実施形態では、本発明は、上述の構築物を含む宿主細胞に関するものであ る。宿主細胞は、啼乳動物細胞のような高等真核細胞とすることも、酵母細胞の ような下等真核細胞とすることもでき、また、細菌細胞のような原核細胞とする こともできる。構築物の宿主細胞への導入は、リン酸カルシウムトランスフェク ション法、DEAE-デキストラン媒介トランスフェクション法、あるいは電気穿孔 法によって行うことができる(Davis,L.,Dibner,M.,Battey,I.,Basic Met hods in Molecular Biology(1986))。 宿主細胞中の構築物は、通常の方法で使用して、組換え配列によってコードさ れた遺伝子生成物を生成することができる。また、本発明の酵素は、通常のペプ チド合成装置によって合成して製造することもできる。 成熟タンパク質は、啼乳動物細胞、酵母、細菌をはじめとする各種の細胞中で 、適当なプロモーターの制御下で発現させることができる。本発明のDNA構築 物から誘導したRNAを使用することによって、無細胞翻訳系を用いて、こうし たタンパク質を生成させることもできる。原核および真核細胞宿主とともに使用 するのに適したクローニングベクターあるいは発現ベクターは、Sambrookら、Mo lecular Cloning:A Laboratory Manual,Second Edition,Cold Spring Harbor ,N.Y.,(1989)に記載されており、本発明は、この刊行物の記載内容を 参考として包含するものである。 本発明の酵素をコードするDNAの高等真核生物による転写は、ベクターにエ ンハンサー配列を挿入することによって増大させることができる。エンハンサー は、通常約10〜300bpのDNAのシス作用性エレメントで、このエンハンサ ーがプロモーターに作用して、その転写を促進する。例としては、複製起点より 100〜270bp後期側に位置するSV40エンハンサー、サイトメガロウイル ス初期プロモーターエンハンサー、複製起点より後期側に位置するポリオーマエ ンハンザー、アデノウイルスエンハンサーがある。 組換え発現ベクターは、一般に、宿主細胞の形質転換を可能とする複製起点な らびに選択マーカー、たとえば、大腸菌のアンピシリン耐性遺伝子、および酵母 のTRP1遺伝子、ならびに高度に発現される遺伝子由来の下流側の構造配列の 転写を誘導するプロモーターを含んでいる。こうしたプロモーターは、特に、解 糖酵素、たどえば3−ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)、α−因子、酸ホ スファターゼ、または熱ショックタンパク質等をコードしているオペロンから誘 導することができる。異種構造配列は、翻訳開始配列ならびに翻訳終止配列、そ してできれば、翻訳された酵素の分泌を誘導しうるリーダー配列とともに適切な 位相で組み立てる。場合によっては、異種配列は、発現された組換え産物を安定 化したり、簡便な精製を可能とするなどの所望の特性を付与するN末端アイデン ティフィケーションペプチド(N-terminal identification peptide)を含む融合 酵素をコードすることもできる。 細菌の場合に有用な発現ベクターは、所望のタンパク質をコードする構造DN A配列を、機能プロモーターと作動性の読み位相(reading phase)とした適当な 翻訳開始ならびに終止シグナルとともに挿入することによって構築される。ベク ターは、1つ以上の表現型選択マーカーと、ベクターを確実に維持するための、 また所望に応じて宿主内での増幅を可能とするための複製起点とを有している。 形質転換を行ううえで適当な原核細胞宿主としては、大腸菌、枯草菌、サルモネ ラ菌、ならびにシュードモナス属、ストレプトマイセス属、スタフィロコッカス 属の各種の種が挙げられるが、他の宿主を選択して使用することもできる。 例を挙げると、細菌の場合に使用できる有用な発現ベクターは、選択マーカー と、周知のクローニングベクターであるpBR322(ATCC37017)の遺伝子エレメン トを含む市販のプラスミド由来の細菌の複製起点を含むことができるが、これら に限定されるものではない。こうした市販のベクターとしては、たとえば、pKK2 23-3(Pharmacia Fine Chemicals,Uppsala,Sweden)、GEM1(Promega Biotech ,Madison,WI,USA)がある。これらpBR322の「主鎖」部分を、適当なプロモー ターならびに発現対象構造配列と組み合わせる。 適当な宿主の系統を形質転換し、この宿主の系統を適切な細胞密度となるまで 増殖させた後、選択したプロモーターを適当な手段(たとえば、温度変化あるい は化学的誘導)で誘導して、細胞をさらに一定期間培養する。 細胞は、通常、遠心して回収し、物理的あるいは化学的手段によって破砕し、 得られた粗製抽出物をさらなる精製に備えて保持しておく。 タンパク質の発現に際して用いた微生物細胞は、凍結解凍の繰り返し、超音波 処理、機械的破砕、あるいは細胞溶解剤の使用などの任意の好都合な方法で破砕 することができ、こうした方法は、当業者に周知のものである。 組換えタンパク質の発現にあたっては、各種の哺乳動物細胞培養系を使用する こともできる。哺乳動物発現系の例としては、Gluzman,Cell,23:175(1981) に記載されたサル腎臓繊維芽細胞のCOS−7系統をはじめとして、適合性のベ クターを発現しうる他の細胞系統、たとえば、C127、3T3、CHO、HeLa、BHK細胞 系統がある。哺乳動物発現ベクターは、複製起点、適当なプロモーターおよびエ ンハンサー、ならびに任意の必須のリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、 スプライス供与および受容部位、転写終止配列、5’フランキング非転写配列を 含むものである。SV40スプライス部位ならびにポリアデニル化部位由来のD NA配列を使用して、必要とされる非転写遺伝エレメントを得ることができる。 組換え細胞培養物からの酵素の回収ならびに精製は、硫酸アンモニウムまたは エタノール沈殿、酸抽出、アニオンまたはカチオン交換クロマトグラフィー、ホ スホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフ ィニティクロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、な らびにレクチンクロマトグラフィーなどの方法によって行うことができる。成熟 タンパク質の立体配置を完了させる際には、必要に応じてタンパク質再折り畳み (refolding)工程を用いることができる。最後に、最終的な精製工程として、高 速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いることができる。 本発明の酵素は、天然に精製された生成物、化学的合成法による生成物、ある いは原核細胞宿主あるいは真核細胞宿主からの組換え法による生成物(たとえば 、培養中での、細菌細胞、酵母細胞、高等植物細胞、昆虫細胞、哺乳動物細胞か らの生成物)とすることができる。組換え法による製造過程で用いる宿主に応じ て、本発明の酵素をグリコシル化したり、非グリコシル化したりすることができ る。また、本発明の酵素は、最初のメチオニンアミノ酸残基を含んでいても、い なくてもよい。 β−ガラクトシダーゼは、ラクトースを加水分解して、ガラクトースとグルコ ースとする。したがって、OC1/4V、9N2-31B/G、AEDII12RA−18B/G、ならびにF1- 12G酵素は、食品加工業界で、ラクトース含量の少ない牛乳を製造したり、チー ズ製造の際に大量に生じる副産物である乳清中に含まれているラクトースからガ ラクトースまたはグルコースを生成したりする際に用いることができる。一般に 、食品加工で使用される酵素、たとえば上述のβ−ガラクトシダーゼは、微生物 による汚染を防止するためにも、高温で安定であることが望ましい。 こうした酵素は、医薬品業界でも用いることができる。この酵素は、ラクトー ス不耐性を治療する際に使用され、この場合も、熱安定性の酵素が望ましい。熱 安定性のβ−ガラクトシダーゼは、診断の用途も有しており、この場合には、レ ポーター分子として使用される。 グルコシダーゼは、可溶性のセロオリゴ糖に非還元末端から作用して、グルコ ースを単一生成物として生じる。グルカナーゼ(エンドグルカナーゼおよびエキ ソグルカナーゼ)は、セルロースの解重合に作用して、さらなる非還元性末端を 生じる(たとえば、エンドグルカナーゼでは、内部の結合に作用して、セロビオ ース、グルコース、ならびにセロオリゴ糖を生成物として生じる)。β−グルコ シダーゼは、グルコースが所望の生成物であるような用途で使用される。したが って、M11TL、F1-12G、GC74-22G、MSB8-6G、OC1/4V、VC1-7G1、9N2-31B/G、およ びAEDII12RA18B/Gは、穀物の湿潤製粉でのデンプンとグルテンの分離、果実業界 での清澄化ならびに機器(equipment)の保守、パン製造業界での粘土の低減、 繊維業界でのブルージーンズの加工、洗剤業界での添加剤をはじめとする多岐に わたる産業用途で使用することができる。こうした用途でも、またそれ以外の用 途でも、熱安定性の酵素が所望されている。 本発明の配列に対応する酵素に対して生成された抗体は、動物に酵素を直接注 入するか、動物、好ましくはヒト以外の動物に酵素を投与することによって得る ことができる。こうして得られた抗体は、酵素それ自体と結合する。この方法で は、酵素の断片のみをコードする配列であっても、天然の酵素全体と結合する抗 体を生成する際に使用することができる。次に、この抗体を用いて、当該酵素を 発現している細胞から酵素を単離することができる。 モノクローナル抗体の調製には、連続的な細胞系の培養により生産される抗体 を与えるあらゆる方法を使用することができる。例としては、ハイブリドーマ法 (Kohler及びMilstein,1975,Nature,256:495-497)、トリオーマ法、ヒトB-細 胞ハイブリドーマ法(Kozborら、1983,Immunology Today4:72)、及びヒトモノク ローナル抗体を生産するEBV-ハイブリドーマ法(Coleら、1985,Monoclonal Anti bodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,Inc.,pp.77-96)が挙げられる。 単鎖抗体を生産するためのこれまでに記載された方法(米国特許第4,946,778号 )を、本発明の免疫原性酵素産物に対する単鎖抗体の製造に利用できる。また、 トランスジェニックマウスを使用して本発明の免疫原性酵素産物に対するヒト化 抗体を発現することができる。 本発明の酵素に対して生成された抗体は、その他の生物及びサンプルからの同 様の酵素をスクリーニングするのに使用することができる。そのようなスクリー ニング方法は当分野で公知であり、例えばそのようなスクリーニングアッセイの 一つが「セルラーゼ活性の測定方法(Methods for Measuring Cellulase Activi ties)」Methods in enzymology,Vol 160,pp.87-116に記載されている。この 文献は参考としてその全体を本明細書中に援用する。 以下の実施例を参考として本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの実施 例に限定されないものと解さなければならない。特に記載しない限り、全ての部 及び量は重量によるものである。 以下の実施例の理解を容易にするため、いくつかの頻出する方法及び/または 用語について説明する。 「プラスミド」は小文字のpとその前及び/または後の大文字及び/または数 字で命名される。本明細書で使用する出発プラスミドは、制限なく公衆が利用可 能な市販品として利用できるものであるか、文献に記載された方法により利用可 能なプラスミドから構築できるものである。また、記載されたものに等価なプラ スミドは当分野で公知であり、当業者には明らかである。 DNAの「消化」は、DNA中の特定の配列のみについて作用する制限酵素に よるDNAの触媒的開裂をいう。本明細書において使用した種々の制限酵素は市 販品として入手可能で、その反応条件、補因子、及びその他の要件は当業者に知 られたものを使用する。分析目的には、典型的には約20μlのバッファー溶液中 で1μgのプラスミドあるいはDNA断片を約2単位の酵素と共に使用する。プ ラスミド構築のためにDNA断片を単離する目的では、典型的にはより大きい容 量中で5〜50μgのDNAを20〜250単位の酵素により消化する。特定の制限酵 素のための適当なバッファー及び基質量は製造業者により記載されている。37℃ で約1時間のインキュベーション時間を通常使用するが、供給者の説明書に従い 変更してもよい。消化の後、反応物をポリアクリルアミドゲル上で直接電気泳動 にかけて所望の断片を単離する。 開裂断片のサイズ分けは、Goeddel,D.ら、Nucleic Acids Res.,8:4057(198 0)により記載された8パーセントポリアクリルアミドゲルを使用して行う。 「オリゴヌクレオチド」は、一本鎖ポリデオキシヌクレオチド、あるいは二本 の相補的ポリデオキシヌクレオチド鎖のいずれかをいい、化学合成できるもので ある。そのような合成オリゴヌクレオチドは5'リン酸を含まず、従ってキナーゼ の存在下にATPを用いてリン酸を付加することなしには他のオリゴヌクレオチド に連結しない。合成オリゴヌクレオチドは脱リン酸化されていない断片に連結す る。 「連結」は二本の二本鎖核酸断片の間にホスホジエステル結合を形成するプロ セスをいう(Maniatis,T.ら、上出、p.146)。特に示さない限り、連結は公知 のバッファーと条件を使用して、0.5μgのほぼ等モル量の連結されるDNA断 片あたり10単位のT4DNAリガーゼ(「リガーゼ」)で行うことができる。 特に記載しない限り、形質転換はGraham,F.及びVan der Eb,A.,Virology,5 2:456-457(1973)の方法に記載されたように行った。 実施例1 グリコシダーゼ酵素の細菌発現及び精製 本発明の酵素をコードするDNA、配列番号1〜14および57〜60は、本 明細書に示すプライマーを使用したPCR法により該DNAを含むpBluescript ベクターから最初に増幅した。次に増幅した配列をプライマー配列の下に示した それぞれのPQEベクターに挿入し、酵素を本明細書に記載したプロトコールによ り発現させた。それぞれの遺伝子についての5'及び3'プライマー配列は以下の通 りである。 Thermococcus AEDII12RA-18B/G ベクター:pQE12、以下の制限酵素部位、5’EcoRI及び3’BlgIIを含む。 OC1/4V-33B/G ベクター:pQE12、以下の制限酵素部位、5’EcoRI及び3’BlgIIを含む。 Thermococcus 9N2‐31B/G ベクター:pQE30、以下の制限酵素部位、5’EcoRI及び3’KpnIを含む。 Staphylothermus marinus F1-12G ベクター:pQE12、以下の制限酵素部位、5’EcoRI及び3’Bgl IIを含む。 Thermococcus chitonophagus GC74‐22G ベクター:pQE12、以下の制限酵素部位、5’EcoRI及び3’BamHIを含む。 M11TL ベクター:pQE70、以下の制限酵素部位、5’SphI及び3’HindIIIを含む。 Thermotoga maritima MSB8-6G ベクター:pQE12、以下の制限酵素部位、5’EcoRI及び3’KpnIを含む。 Pyrococcus furiosus VC1−7G1 ベクター:pQE12、以下の制限酵素部位、5’EcoRI及び3’KpnIを含む。 Bankia gouldiエンドグルカナーゼ(37GP1) ベクター:pQE52、以下の制限酵素部位、5’BamHI及び3’HindIIIを含む。 Thermotoga maritima α-ガラクトシダーゼ(6GC2) ベクター:pQET、以下の制限酵素部位、5’EcoRI及び3’HindIIIを含む。 Thermotoga maritima β-マンナナーゼ(6GP2) ベクター:pQEt、以下の制限酵素部位、5’HindIII及び3’EcoRIを含む。 AEPII 1a β-マンナナーゼ(63GBl) ベクター:pQEt、以下の制限酵素部位、5’HindIII及び3’EcoRIを含む。 OC1/4Vエンドグルカナーゼ(33GP1) ベクター:pQEt、以下の制限酵素部位、5’BamHI及び3’EcoRIを含む。 Thermotoga maritimaプルラナーゼ(6GP3) ベクター:pQEt、以下の制限酵素部位、5’EcoRI及び3’HindIIIを含む。 示した制限酵素部位は、それぞれの遺伝子について示した細菌発現ベクター上 の制限酵素部位に対応する(Qiagen,Inc.Chatsworth,CA)。pQEベクターは抗生 物質耐性(Ampr)、細菌複製起点(ori)、IPTG-制御可能プロモーターオペレーター (P/O)、リボソーム結合部位(RBS)、6-Hisタグ、及び制限酵素部位をコードする 。 示した制限酵素でpQEベクターを消化した。増幅した配列をそれぞれのpQEベク ターに連結し、RBSをコードする配列とともにフレーム内に挿入した。そしてこ の連結混合物を使用して、エレクトロポレーションにより大腸菌株M15/pREP4(Qi agen,Inc.)を形質転換した。M15/pREP4は、プラスミドpREP4の複数のコピーを 含み、これは1acIリプレッサーを発現し、またカナマイシン耐性(Kanr)を与える 。形質転換体は、LBプレート上で増殖するその能力により同定し、アンピシリン /カナマイシン耐性コロニーを選択した。プラスミドDNAを単離し、制限酵素 分析により確認した。所望の構築物を含むクローンを、Amp(100μg/ml)及びKan( 25μg/ml)の両方を補充したLB培地中で一晩(O/N)液体培養した。このO/N培養物 を使用して1:100〜1:250の比率で大規模な培養に接種した。細胞を0.4〜0.6の間 の光学密度600(O.D.600)まで増殖させた。そしてIPTG(「イソプロピル-β-D-チ オガラクトピラノシド」)を1mMの最終濃度に添加した。IPTGは、1acIリプレッサ ーを不活性化することによりP/Oの解放を誘導し、遺伝子発現を増加させる。細 胞をさらに3〜4時間増殖させた。その後遠心分離により細胞を回収した。 また上記のプライマー配列は、上記したハイブリダイゼーション法により沈殿 物質から標的遺伝子を単離するのに使用できる。 実施例2 沈殿したゲノムクローンからの選択されたクローンの単離 単離することが望まれる特定の遺伝子について実施例1に記載したオリゴヌク レオチドプライマーを使用して沈殿した物質をスクリーニングすることによりク ローンを直接単離する。具体的なオリゴヌクレオチドは、Applied Biosystems DNAシンセサイザーを使用して合成する。T4ポリヌクレオチドキナーゼを使用 してオリゴヌクレオチドを32P-ATPで標識し、標準的なプロトコールにより精製 する(Maniatisら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harb or Press,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring,NY,1982)。沈殿したpBlu escriptベクター中のクローンを使用して細菌宿主を形質転換することができ、 それを20,000〜50,000pfu/150mmプレートの密度に1.5%アガープレート上に播種 する。標準的なスクリーニングプロトコール(Stratagene,1993)に従いナイロン メンブランを使用してこれらのプレートをスクリーニングする。具体的には、変 成し固定したDNAを有するナイロンメンブランを、6xSSC、20mM NaH2PO4、0. 4% SDS、5xDenhardt's、500μg/ml変成超音波処理サケ精子DNA、そして6xS SC、0.1% SDS中でプレハイブリダイズさせる。1時間のプレハイブリダイゼーシ ョンの後、1x106cpm/ml32P-プローブとともに、ハイブリダイゼーションバッフ ァー、6xSSC、20mM NaH2PO4、0.4% SDS、500μg/ml変成超音波処理サケ精子D NAと42℃で一晩ハイブリダイズさせる。45〜50℃において6xSSC、0.1% SDSの 洗浄バッファーでメンブランを20〜30分洗浄し、乾燥させ、Kodak X線フィルム に一晩露出する。陽性のクローンを単離し、二次、三次のスクリーニングにより 精製する。精製されたクローンを配列決定し、プライマー配列に対するその実体 を確認する。 クローンを単離した後、目的の遺伝子に対応する二種のオリゴヌクレオチドプ ライマーを使用して沈殿した物質から遺伝子を増幅する。ポリメラーゼ連鎖反応 は、目的の遺伝子のDNAの0.5μgを含む25μlの反応混合物中で行う。反応混 合物は、1.5〜5mM MgCl2、0.01%(w/v)ゼラチン、それぞれ20μMのdATP、dCTP、d GTP、dTTP、25pmolの各プライマー、及び0.25単位のTaqポリメラーゼである。PC R(94℃で1分の変成、55℃で1分のアニーリング、72℃で1分の伸長)の35サイ クルをPerkin-Elmer Cetus自動サーマルサイクラーで行う。増幅産物をアガロー スゲル電気泳動により分析し、予想される分子量のDNAバンドを切り出し、精 製する。DNA産物をサブクローニングし、配列決定することによりPCR産物が 所望の遺伝子であることを確認する。新たに精製された遺伝子の末端のヌクレオ チド配列決定を行い、全長の配列を確認する。そしてエキソヌク レアーゼIII消化あるいはプライマーウォーキングにより完全長遺伝子の完全な 配列決定を行う。 実施例3 ガラクトシダーゼ活性のスクリーニング アッセイされ得るα−ガラクトシダーゼタンパク質活性についてのスクリーニ ング手順は以下の通りである。 基質プレートは標準的なプレート化手順により得た。XL1-Blue MRF大腸菌宿主 (Stratagene Cloning System,La Jolla,CA)をNZY培地で0.D.600=1.0に希釈す る。15mlチューブに、200μlの希釈宿主細胞をファージとともに接種する。穏や かに攪拌し、チューブを37℃で15分インキュベートする。1mM IPTGを含む約3.5 mlのLB最上層アガロース(0.7%)を各チューブに加えNYZプレートの全表面に注ぐ 。放冷させ、37℃で一晩インキュベートする。アッセイプレートは、基質p-ニト ロフェニルα-ガラクトシダーゼ(Sigma)(200mg/100ml)(100mM NaCl,100mMリン 酸カルシウム)1%(w/v)アガロースとして得る。プラークにニトロセルロースを重 ね、4℃で30分インキュベートした後、ニトロセルロースを取り外し、基質プレ ート上に重ねる。その後基質プレートを70℃で20分インキュベートする。 実施例4 マンナナーゼ活性についてのクローンのスクリーニング 固相スクリーニングアッセイを一次スクリーニング法として使用し、β-マン ナナーゼ活性についてクローンを試験した。 Y1090-大腸菌宿主株(Stratagene Cloning Systems,La Jolla,CA)の培養溶液 をNZY培地でO.D.600=1.0に希釈した。Thermotoga maritima λ gt11ライブラリ ーからの増幅ライブラリーをSM(ファージ希釈バッファー)中に、1:1000で5x107 pfu/μlに希釈し、そして1:100で5x102pfu/μlに希釈した。その後8μlのフ ァージ希釈物(5x102pfu/μl)を200μlの宿主細胞中に播種した。それらをその 後15mlチューブ中で37℃で15分間インキュベートした。 約52℃の約4mlの溶融LB最上層アガロース(0.7%)を各チューブに加え、混合物 をLBアガープレートの表面上に注いだ。そしてアガープレートを37℃で5時間イ ンキュベートした。プレートを複製し、10mM IPTG-浸漬Duralon-UVTMナイロンメ ンブラン(Stratagene Cloning Systems,La Jolla,CA)で一晩誘導した。ナイロ ンメンブラン及びプレートを針でマークしてその定位を保持し、そしてナイロン メンブランを取り外して4℃で貯蔵した。 Azo-ガラクトマンナン上層を、λプラークを含むLBプレートに置いた。該上層 は1%アガロース、50mMリン酸カリウムバッファー、pH7、0.4% Azocarob-ガラク トマンナンを含むものである(Megazyme,Australia)。プレートを72℃でインキ ュベートした。Azocarob-ガラクトマンナン処理プレートを4時間後に観察し、 一晩インキュベートに戻した。Azocarob-ガラクトマンナンプレート上の透明化 した領域により推定の陽性物を同定した。二つの陽性クローンが観察された。 陽性のクローンを回収したものに相当する上記のナイロンメンブランをプレー ト上に方向を合わせて広げ、陽性クローンについての透明化領域の位置に一致す る部分を切り出した。メンブランの切り出した部分から、各部分を500μlのSM( ファージ希釈バッファー)及び25μl CHCl3に浸漬することによりファージを溶 出した。 実施例5 マンノシダーゼ活性についてのクローンのスクリーニング 固相スクリーニングアッセイを一次スクリーニング法として使用し、β-マン ノシダーゼ活性についてクローンを試験した。 Y1090-大腸菌宿主株(Stratagene Cloning Systems,La Jolla,CA)の培養溶液 をNZY培地でO.D.600=1.0に希釈した。AEPII 1a λ gt11ライブラリーからの増幅 ライブラリーをSM(ファージ希釈バッファー)中に、1:1000で5x107pfu/μlに希 釈し、そして1:100で5x102pfu/μlに希釈した。その後8μlのファージ希釈物 (5x102pfu/μl)を200μlの宿主細胞中に播種した。それらをその後15mlチューブ 中で37℃で15分間インキュベートした。 約52℃の約4mlの溶融LB最上層アガロース(0.7%)を各チューブに加え、混 合物をLBアガープレートの表面上に注いだ。そしてアガープレートを37℃で5時 間インキュベートした。プレートを複製し、10mM IPTG-浸漬Duralon-UVTMナイロ ンメンブラン(Stratagene Cloning Systems,La Jolla,CA)で一晩誘導した。ナ イロンメンブラン及びプレートを針でマークしてそれらの定位を保持し、その後 ナイロンメンブランを取り外して4℃で貯蔵した。 p-ニトロフエニル-β-D-マンノ-ピラノシド上層を、λプラークを含むLBプレ ート上にアプライした。該上層は1%アガロース、50mMリン酸カリウムバッフアー 、pH7、0.4%p-ニトロフェニル-β-D-マンノ-ピラノシドを含むものである(Megaz yme,Australia)。プレートを72℃でインキュベートした。p-ニトロフエニル-β -D-マンノ-ピラノシド処理プレートを4時間後に観察し、一晩インキュベートに 戻した。p-ニトロフエニル-β-D-マンノ-ピラノシドプレート上の透明化した領 域により推定の陽性物を同定した。二つの陽性クローンが観察された。 陽性のクローンを回収したものに相当する上記のナイロンメンブランをプレー ト上に方向を合わせて重ね、陽性クローンについての透明化領域の位置に一致す る部分を切り出した。メンブランの切り出した部分から、個々の部分を500μlの SM(ファージ希釈バッファー)及び25μlCHCl3に浸漬することによりファージを溶 出した。 実施例6 プルラナーゼ活性についてのスクリーニング アッセイされ得るプルラナーゼタンパク質活性のスクリーニング手順は以下の 通りである。 基質プレートは標準的なプレート化手順により得た。宿主細胞をNZYあるいは 適当な培地で0.D.600=1.0に希釈する。15mlチューブに、200μlの希釈宿主細胞 をファージとともに接種する。穏やかに攪拌し、チューブを37℃で15分インキュ ベートする。約3.5mlのLB最上層アガロース(0.7%)を各チューブに加え、混合物 をプレート化し、放冷させ、37℃で約28時間インキュベートする。以下の基質の 4.5mlの上層を注ぐ。 100ml合計容量 0.5g レッドプルランレッド(Megazyme,Australia) 1.0g アガロース 5ml バッファー(トリス-HCl、pH7.2、@75℃) 2ml 5M NaCl 5ml CaCl2(100mM) 85ml dH2O プレートは室温で冷却し、その後75℃で2時間インキュベートする。陽性物は 基質の分解を示すものとして観察される。実施例7 エンドグルカナーゼ活性のスクリーニング アッセイされ得るエンドグルカナーゼタンパク質活性のスクリーニング手順は 以下の通りである。 1.遺伝子ライブラリーを、大腸菌宿主中で、LBアガロースを最上層アガロース として、6LB/GelR1te/0.1%CMC/NZYアガープレート上に播種する(約4,800プラ ーク形成単位/プレート)。プレートを37℃で一晩インキュベートする。 2.プレートを1時間4℃に冷却する。 3.プレートに室温で1時間Duralonメンブラン(Stratagene)を重ね、メンブラ ンの向きを合わせてプレートから持ち上げ、4℃で貯蔵する。 4.最上層アガロース層を除去し、プレートを約3時間37℃でインキュベートす る。 5.プレート表面をNaClでリンスする。 6.プレートを0.1%コンゴーレッドで15分間染色する。 7.プレートを1M NaClにより脱染する。 8.プレート上で同定された推定の陽性物をDuralonメンブランから単離する(陽 性物はクローンの周囲の透明化した領域により同定される)。500μl SM+25μl C HCl3中でインキュベートして溶出することによりファージをメンブランか ら溶出する。 9.インサートDNAを任意の適当なクローニングベクター中にサブクローン化 し、以下のプロトコールを使用してサブクローンをCMCアーゼ活性について再ア ッセイする。 i)クローンの1mlの一晩微量調製物を最大速度で3分間遠心分離する。 ii)上清をデカントし、LB/GelRite/0.1% CMCプレート中に形成された「ウェル 」を充填するのに使用する。 iii)37℃で2時間インキュベートする。 iv)0.1%コンゴーレッドにより15分間染色する。 v)1M NaClで15分間脱染する。 vi)クローン周囲の透明化領域により陽性物を同定する。 これまでの開示を参照することにより本発明の多くの改変や変形が可能である 。従って本発明は、添付の請求の範囲の範囲内で、特に記載したもの以外にも実 施することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12P 19/02 C12P 19/02 21/02 21/02 C (72)発明者 マシュア,エリック,ジェイ. アメリカ合衆国 92009 カリフォルニア 州,カールスバッド,ガリシア ウェイ 2654 (72)発明者 ラム,デヴィッド,イー. アメリカ合衆国 90710 カリフォルニア 州,ハーバー シティー,ウエスト 249 番 ストリート 1518

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.下記の(a)〜(e): (a)配列番号1〜14および57〜60、 (b)TがUでありうる配列番号1〜14および57〜60、 (c)配列番号1〜14および57〜60に相補的であるポリヌクレオチド配 列、 (d)配列番号15〜28および61〜64に示すアミノ酸配列をコードする ポリヌクレオチド配列、ならびに (e)長さが少なくとも15個の連続した塩基であってかつ配列番号15〜2 8および61〜64のポリペプチドをコードするDNAに選択的にハイブリ ダイズしうる、(a)、(b)、(c)または(d)の断片、 よりなる群から選択される単離されたポリヌクレオチド。 2.請求項1に記載のポリヌクレオチドを含んでなるベクター。 3.請求項2に記載のベクターを含んでなる宿主細胞。 4.前記宿主細胞が真核細胞である、請求項3に記載の方法。 5.前記宿主細胞が原核細胞である、請求項3に記載の方法。 6.下記の(a)〜(c): (a)請求項3に記載の宿主細胞を培養する工程、 (b)該宿主細胞からポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドを発 現させる工程、 (c)該ポリペプチドを単離する工程、 の工程を含んでなる、ポリペプチドの産生方法。 7.下記の(a)〜(b): (a)配列番号15〜28または61〜64に示すアミノ酸配列を含んでなる 酵素、および (b)(a)の酵素の少なくとも30個の連続したアミノ酸残基を含んでなる 酵素、 からなる群から選択される酵素。 8.一部が請求項1のポリヌクレオチドによりコードされる酵素であって、かつ 下記の(a)および(b): (a)配列番号15〜28または61〜64に示すアミノ酸配列よりなる群か ら選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも70%の同一性を有するアミ ノ酸配列を含んでなる酵素、および (b)(a)の酵素の少なくとも30アミノ酸残基を含んでなる酵素、 よりなる群から選択される酵素。 9.オリゴ糖を含有するサンプルと、配列番号15〜28、61〜63、および 64に示すアミノ酸配列を有する酵素よりなる群から選択される有効量の酵素 とを接触させてグルコースが生成するようにすることを含んでなる、可溶性の セロオリゴ糖からのグルコース生成方法。 10.前記サンプルが日常用品、フルーツジュース、洗剤、織物、グアーガム、 動物飼料、植物バイオマスおよび廃棄物からなる群から選択される、請求項9 に記載の方法。 11.前記オリゴ糖がマルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、ラ フィノース、スタキオース、ベルバスコース、セルロース、デンプン、アミロ ース、グリコーゲン、二糖、多糖およびプルランからなる群から選択される、 請求項9に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016111952A (ja) * 2014-12-12 2016-06-23 本田技研工業株式会社 耐熱性β−グルコシダーゼ

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