【発明の詳細な説明】
組立装置および方法並びに該組立装置を備えた装置
本発明は、組立装置に関する。本発明は、また、この装置で実施する方法並び
にこの組立装置を備えた装置、特に、箱やケースのようなコンテナー装置(容器
)に関する。
化粧品や香料や食品や消費物資のような多くの分野においては、製品や物品は
剛性の箱又はケースに入れて流通せられる。これらの箱又はケースは、一般に、
製品や物品を収容する主要部と、蓋又は栓のような可動部を備えており、この可
動部には組立装置が取付けてある。
例えばねじ、クリップ、圧入、蝶番によって作動する可逆式組立装置が知られ
ている。しかし、今日の組立装置は、使用時に特にねじを数回転させる必要があ
る場合に操作が困難で面倒であるという不便や、コンパクトディスクや化粧用コ
ンパクトのケースの場合のように頻繁に使用したときに壊れやすいという不便が
ある。今日の組立装置は製造が高価である。今日の組立装置は異なる雌雄部材を
必要としており、これは製造にあたり極めて高価な工具を要し内部的運動学によ
り工具の速度が低下することを意味している。
特にWO94/07038から、雄筒状部材が雌筒状部材内で回転することによって得ら
れる半径方向楔作用によるクランプ効果を用いた筒状の組立装置が知られており
、これらの筒状部材は例えばカムのような適当な形状を有する。この筒状組立装
置においては、把持と人間工学の問題は存在しない。
ところが、前述した大部分の用途においては、消費者は箱又はケースに収容さ
れている製品又は物品に対するアクセスがより容易かつ迅速な箱又はケースを要
望している。
本発明は消費者の側から並びに製造の側から斯る要望を満たすと共に前述の不
便を解消することを目的とするもので、使用のより大きな容易性とより良い強度
とが結合され、簡単な工具しか必要とせず、製造速度を向上させることが可能で
、
内部的運動学を必要としない迅速な組立装置提供することにある。
本発明は、装置(容器)の第1部分と第2部分を組立てるための装置であって
、前記第1および第2部分上に夫々位置する第1および第2の連結手段を備え、
前記第1および第2の連結手段は協働して一方の部分の他方の部分に対する相対
変位により前記変位にほぼ垂直な応力の発生によりプログレッシブクランプを生
じさせるようになった装置に関する。
本発明に従えば、前記第1および第2の連結手段は、アンダーカットなしに形
成可能であって、且つ、夫々、相対変位の際に前記第1および第2の連結手段を
空間的に案内するべく配置された1つ若しくは複数の接触領域を備えている。
このようにすれば、アンダーカットがないので、工具のコストが最小限になり
、製造速度が向上する。
従って、本発明の組立装置は従来装置よりもより良い人間工学的な使用を可能
にする。即ち、使用者が行う組立と分解はこの装置の2つの部分の空間的ガイド
によって助成される。
組立部分を形成するために難変形性を用いる場合に特に有利な本発明の第1実
施例においては、第1および第2連結手段は、夫々、対応する第1および第2部
分の内側面上に円形に配置された1つ若しくは複数のスロープを備え、第1連結
手段のスロープは第2連結手段のスロープと協働して、一方の部分の他方の部分
に対する1回転の何分の一かの回転の外部作用により、半径方向プログレッシブ
クランプによる閉鎖および次の連結、又は、回転方向に沿った楔作用による第1
部分と第2部分の切り離し、および2つの部分の分離を生じさせる。
従って、部品の外部に突出部又は直接把持可能な部分を設けることなく組立機
能が得られる。開放作用は圧力と一方の部分の他方の部分に対する回転との組合
せにより行われる。即ち、一方の部分に回転力を作用させれば、他方の部分は並
進運動に沿って変位しようとする。これは2つの部分を分離する効果を生じ、そ
の結果、一方をグリップしながら2つの部分の切り離しを可能にする。
上部と下部はスロープのところで同一にすることができるので、第1および第
2連結手段は完全に雌雄同体である。これは特に例えばプラスチックの射出成形
にあたり1つの凹みしか必要としないという大きな利点を提供する。
連結手段の楔作用はスロープ上に突出部と凹み部を設けることにより実現され
、一方の部分のスロープの突出部は他方の部分のスロープの凹み部に嵌合する。
凹み部の幅は使用者が時計方向に回転させるにつれて減少するので、凹み部の内
側に現れた部分に楔作用が生じる。調節は、最初はポジティブであるが、次第に
ネガティブになる。組み合わされた2つの部分は組合わせ面に垂直な開放付勢力
を受け、この付勢力は時計方向の回転による強い付勢によりこれら2つの部分が
互いに緊迫されるにつれて増大する。
情報担持ディスクに関し、蝶番の軸線を中心として枢着された2枚の板を備え
たケースがWO9414160から知られており、このケースにおいてはディスクは一方
の板と一体の保持部材によって中心部で保持される。
ピボット連結を構成するケースの要素はしばしば脆弱であり、特に衝撃により
劣化し破壊する。
斯る不具合を解消するため、本発明は本発明の組立装置が中央に配置されたコ
ンパクトディスク用ケースを提供する。
更に、好ましくは、可動部材の少なくとも一方がこのケースに収容されたディ
スク又は小冊子の少なくとも一面に配置された情報および/又は文字の光学的拡
大を行うように構成することができる。
また、ケースの2つの可動部分の間にケースのサイズよりも大きなサイズの支
持ジャケット若しくは小冊予を挿入し、次にケースをプラスチックフィルムで包
むことができる。
本発明の他の観点においては、本発明は、本発明のケースを受け入れるための
枠を提供する。この枠の外部サイズは標準型のコンパクトディスクケースのサイ
ズに対応しており、今日の貯蔵および配送用箱を使用するのが可能である。この
枠はケースの一方の部分に直接に製造することができる。この枠は例えば目の形
に形成することができ、安定な姿勢で垂直に保持できるように構成することがで
き、参照のために第2の態様に配置することができる。
前述したように、引き離しに対して垂直な抵抗力は、一方において組立装置に
作用する緊迫応力に、他方において2つの部分を構成する材料間の摩擦係数に直
接に関連すると共に、クランプ角又は楔角に直接に関連している。更に、使用者
が加える圧力を別とすれば、一方の部分を他方の部分の上に強制的に載置するこ
とがないことは界面領域に平行な平面に対する密封性の確保を非常にデリケート
にする。
本発明は更にアンダーカットなしの製造の経済的利点を保持しながら前述の難
点を解消することの可能な組立装置を提供する。
本発明のこの態様は強度に又は容易に変形可能な材料で形成された組立装置に
特に好適である。これは、特に、例えば食品又は化粧品産業の場合のように、引
き離しに対する抵抗力(界面領域に対して軸方向又は垂直な保持力)を必要とす
ると共に、この組立装置を備えた容器又は包装の密封性を必要とする特殊な用途
又は技術分野について言える。更に、このような製品については一般に保存と衛
生を保障する再閉鎖可能性が要求されており、特に食品や薬学上一度に消費しな
い製品の場合にはそうである。より一般的には、内容物が容器の内部に圧力を作
用させる場合(ガス性飲料、スプレー、など)や組立体が蓋によって捕捉される
ことが要望される場合には、垂直方向又は軸方向の保持力の問題が生じる。
以下にはここで用いる幾つかの概念の定義を述べる。
変位とは、あらゆる並進運動、回転、並進運動と回転運動の組合せを意味する
。
界面領域とは、開閉装置又は組立装置の2つの部分の間のあらゆる接合面又は
継ぎ目を意味する。
摺動(滑り)領域とは、組立装置の一方の部分の他方の部分に対するあらゆる
近接領域を意味する。
保持力は、並進運動の場合の垂直応力並びに回転運動の場合の軸方向応力を表
す。
クランプ応力は、並進運動の場合の変位に垂直な応力並びに回転運動の場合の
半径方向応力を表す。
薄壁とは、
−特に熱成形、プレス成形、又は他の均等技術で形成されたシート状の、
−回転成形、射出成形、ブロー成形などで形成された、
材料(プラスチック又は金属)で形成されたあらゆる壁を意味する。
これらの補足的目的は、装置(容器装置)の第1部分と第2部分との組立を実
現するための装置によって達成されるもので、この装置は第1および第2部分上
に夫々位置する第1および第2の連結手段を備え、前記第1および第2の連結手
段は閉鎖位置において界面領域を画成し、前記第1および第2の連結手段は互い
に協働して、界面領域にほぼ接線方向における一方の部分の他方の部分に対する
変位により、第1部分と第2部分との前記組立を行うと共に、前記変位にほぼ垂
直な応力の発生によりプログレッシブクランプを行い、前記第1および第2連結
手段は、アンダーカットなしで製造されていると共に、前記プログレッシブクラ
ンプの際に変形を受けてアンダーカットの創成により界面領域にほぼ垂直な保持
力を生ずるように配置されている。
本発明のこの実施態様に基づく組立装置は特に(但し、非限定的に)薄壁を備
えた装置を目的としている。
留意すべきことに、本発明の方法は更に従来の方法よりも大きな公差を許容す
ると共に、従って工具の寿命、遊びの補償、固有の製造公差を有する異なる材料
の組合せ(例えば、プラスチック/ガラス、プラスチック/木の組合せ)の点で
追加的な利点を生じる。
回転の場合には、操作は半径方向成分だけでなく軸方向成分をもった反応によ
って補償される。軸方向保持力は材料の変形によるクランプ応力により得られる
。的確に発生させた変形は製造時にアンダーカットが存在していなくても使用時
にアンダーカットが創成されるのを可能にする。これは、より容易でより安価で
より迅速というアンダーカットなしの製造に基づく装置の利点と独創性を保持し
ながら、ボルト−ナット装置、四分の一回転構造、又はあり継ぎに近い保持力を
得るのを可能にする。
密封性については、これは特に直接的な水平方向密封性(或いは、蓋と基部と
の間で圧潰されたぴったりとした継ぎ目によって実現される密封性)を保障する
ために蓋を基部の上に載置するのを可能にする。以下の記載では、蓋と基部の術
語は広義に解釈するべきである。
好ましくは、界面領域に垂直で変位にほぼ接線方向の平面内にスロープを形成
した実施例を想定することができる。回転の場合には、これはねじ山効果を再生
する。こうして、クランプ後は、蓋を半径方向だけでなく軸方向に保持しクラン
プしながら、蓋は基部に付着せられる。
本発明の2つの実施態様に基づく組立装置はあらゆる曲率半径、特に並進的に
無限の曲率半径や複雑なカーブに適用することができる。
本発明のこの第2実施態様に基づく組立装置に用いる材料の変形については、
材料の弾性限界内に留まっても留まらなくてもよく、即ち、変形は残留してもし
なくてもよい。組立体の再使用は初期残留変形の有無に影響する。
また、容積のモジュール化を実現するため、本発明の組立装置を備えた異なる
サイズおよび形状の複数の部品の積み重ねからなる装置(容器)を想定すること
ができる。
更に、本発明の装置を備えた容器装置の複数箇所に下位の組立装置を分散する
ことができる。
本発明の他の観点においては、本発明は、2つの可動部からなる容器装置を備
えた本発明の第2実施態様に基づく装置で実施する方法を提供するもので、この
方法は、
−この組立装置を備えた容器装置の2つの可動部を接触させる工程(これら2
つの可動部は相補的連結形状を有する)と;
−他方の部分に対して一方の部分を滑り領域に沿って変位させる工程、
−界面領域にほぼ垂直な表面が変形するまでプログレッシブ・クランプによっ
て組立てる工程、
を包含する。
本発明の他の特徴や効果は以下の記載から更に明らかとなろう。非限定的な実
施例を示す添付図面において:
図1Aは本発明のコンパクトディスク・ケースの分離した2つの部分の断面図
;
図1Bは図1Aのケースの閉じた状態における断面図;
図2は本発明の組立装置の概略図;
図3は2枚のディスク又は1枚のディスクと1枚の紙葉を収容するための本発
明のケースの分解図;
図4はコンパクトディスク・ケースの他の実施例の断面図;
図5は本発明の三傾斜面式雌雄同体型の組立装置の運動学を図解したもの;
図6は本発明のケースの2つの部分の間にジャケット又は小冊子を挿入するや
り方を示し;
図7は本発明の組立装置の第1実施例を示し;
図8は本発明の組立装置の第2実施例を示し;
図9は本発明の組立装置の第3実施例を示し;
図10A、10B、10Cは、夫々、本発明の目の形のケースの分解図、枠囲
いを備えたケースの下面図、閉じたケースの断面図;
図10Dは本発明の目の形のケースの配列例を示し;
図10Eは本発明の目の形のケース積み重ねたところを示し;
図11は円錐形部材の継合せによる本発明の組立装置を示し;
図12は本発明の組立装置を用いた固定装置又は組立セットを示し;
図13は本発明の組立装置を備えたシェーカー形容器の種々の状況を示し;
図14は本発明の複数の組立装置を共通に搬送するようになった可動部材付き
プレートの実施例を示し;
図15はアンダーカットなしで形成した本発明の組立装置の2つの部分の製造
時の断面図;
図16は図15に示した装置の使用時の断面図;
図17Aは“ダブル傾斜面”型の線形展開プロフィルを用いた組立装置の2つ
の部分の製造段階の側面図;
図17Bは図17Aに示した2つの部分の正面断面図;
図18は図17Aに示した部分の下面図;
図19Aは図18Aに示した2つの部分の使用時の相関関係を示し;
図19Bは図19Aに示した装置の正面断面図;
図20A、20B、20Cは、夫々、図18Aから図19Bに示した組立装置
を備えた舟形容器の蓋、容器、組立状態を示し;
図21Aは“シンプル傾斜面”型の線形展開プロフィルを用いた組立装置の2
つの部分の製造段階の側面図;
図21Bは図21Aに示した2つの部分の正面断面図;
図21Cは図21Aに示した装置の下面図;
図22Aは図21Aに示した装置の2つの部分の使用時の相関関係を示し;
図22Bは図22Aに示した装置の蓋を置いただけの状態における正面断面図
;
図22Cは図22Aに示した装置の使用状態における正面断面図;
図23A、23B、23Cは、夫々、図21Aから図22Cに示した組立装置
を備えた舟形容器の蓋、容器、組立状態を示し;
図24Aは凹んだ壁に取り付けるための本発明の組立装置の可動部材を示し;
図24Bは図24Aに示した組立装置の連結前の可動部と固定部を示し;
図24Cはロック位置における図24Aと図24Bに示した組立装置を示し;
図25Aおよび25Bは、夫々、図24Aから図24Cの組立装置の連結前と
ロック後の断面図;
図26は本発明の装置を用いた栓を備えた多重レベル形状のボトルを示し;
図27は食品や化粧品などの分野で使用可能な本発明の組立装置を備えたポッ
トを示し;
図28は非可逆式の本発明の組立装置の実施例を示し;
図29は非可逆式の本発明の組立装置の他の実施例を示し;
図30Aは閉鎖の密封性を保障するための相補的手段を備えた本発明の組立装
置の2つの部分を示し;
図30Bは図30Aに示した組立装置の閉鎖位置を示し;
図31A、31B、31Cは飲料缶のような回転体容器のための本発明の組立
装置の第1使用例を示し;
図32A、32B、32Cはペンキ壷のような回転体容器のための本発明の組
立装置の第1使用例を示し;
図33は凹んだ壁に取り付けるようになった本発明の組立装置の実施例を示し
;
図34は特徴的な2つの状況における本発明の組立装置の断面図である。
次に本発明の組立装置の実施例、この装置を備えたケースおよび容器の実施例
、並びにこの装置における組み立て方法を説明する。異なる実施例に共通の部材
は共通の参照番号で示す。
説明の冒頭部は難変形性又は固い材料で形成する場合に対応する本発明の第1
実施例に基づく組立装置の実施例に当てる。最初に図1Aおよび1Bを参照しな
がらコンパクトディスク用のケースの実施例を説明する。
図1を参照するに、本発明のケース10はほぼレンズ状の2つの部分1、2と、
第1部分1と一体の第1連結部材4と第2部分2と一体の第2連結部材3からな
る中央連結装置100を備え、各部分は内部凹み11、12を備え、2つの部分を連結
したときにはこれらの内部凹みは少なくとも1枚のディスクを収蔵するための内
部空間を画成する。ケース10は好ましくは図3に示したように受け枠5内に配置
され、この枠は例えばケースの外周を受け入れるように形成された内部肩部と任
意形状(例えば、今日のコンパクトディスク・ケースと同一の方形又は目の形)
の外部輪郭を有する。
これらの部分1と2は例えば射出成形した透明プラスチックのようなあらゆる
材料で形成され、その表面の全部又は一部にわたって光学的拡大機能を呈するこ
とができる。これらの部分のレンズ形状はこの拡大機能に寄与するもので、適当
な光学指数を有する材料を用いることにより拡大機能を大なり小なり増強するこ
とができる。
連結装置100は図2に示したように螺旋形である。第1部分1の内側面の中央
に位置する第1連結部材4は、非限定的な例として、半径方向に配置された3つ
の歯41、42、43を備え、これらの歯は夫々スロープ410、420、430と中央凹み44
を備えている。第2連結部材3は中央凹み34と半径方向に配置された3つの歯
31、32、33を備え、これらの歯は夫々スロープ310、320、330を備えている。第
1連結部材4と第2連結部材3は、閉鎖位置において各歯41、42、43;31、32、
33が夫々接線方向に接触することにより連結されるように構成されている。各連
結部材4、3の各スロープ410、420、430;310、320、330は、閉鎖位置において
相補的になると共に、後述するようにケース10の開閉シーケンスにおいて歯41、
42、43;31、32、33の螺旋状変位を許容するように構成されている。この連結モ
ードにおいては好ましくは2つの連結部材を雌雄同体型になし、閉鎖位置におい
て歯が重なるのを可能にする歯の特殊な合致によって2つの部分を閉鎖位置に維
持することができることに留意されたい。
前述したタイプの本発明のケース50を、図3に示したように、2枚のディスク
D1、D2(又は1枚のディスクと1枚の紙葉)を収蔵するように構成することがで
きる。
即ち、本発明のケースは、必要に応じて1枚または複数のディスクを収容する
ように構成することができる。1枚だけのディスクのためのケースの場合には、
このデイスクはコンパクトディスク用ケースに使用されている従来型保持装置に
よってケースのいづれか一方の部分に位置決めすることができる。複数のディス
クを収容するケースの場合には、これらのディスクはケースのいづれか一方の部
分に設けた中央軸上に堆積するか、夫々の部分に分散させることができる。好ま
しくは1枚のコンパクトディスクを小冊子に置換する。
図4に示した実施例では、ケース30は第1部分1と一体の中央雌部材4’と第
2部分2と一体の中央雄部材3’とを備えた中央連結装置100’を備えている。
中央雄部材3’は、非限定的な実施例として、三点式センタリング部材6を有す
ることができ、このセンタリング部材の外周には3つの変形可能部材が左右同形
に配置される。この雄部材3’は従って雌部材4’内に締結によって挿入され保
持される。
本発明の装置の三傾斜面式雌雄同体型の運動力学的実施例C(図5)において
は、螺旋状開口Oは1回転の何分の一かだけ反時計方向に回転させて3つのスロ
ープ上に乗り上げることにより得られる。この装置の閉鎖Fは1回転の何分の一
かだけ時計方向に回転させて3つのスロープRIに沿って降下させることにより
得られる。突出部分が凹み部の低支承部PBに達したときには、特に部品の摩耗
の補償を可能にしながらプログレッシブクランプの位相SPに入る。このプログ
レッシブクランプ機能は低支承部のプロフィルが、中心O2のカーブと、この装
置の主中心O1に対して偏心した曲率RDとを有することにより得られる。これ
は低支承部PBを狭窄することになり、好都合なことに部品の楔止を可能にする
。
次に、図7、8、9を参照にしながら、非限定的な実施例として、本発明の組
立装置を用いた栓タイプの装置の3つの実施例を説明する。強力保持オプション
に対応する第1実施例(図7)においては、本発明の組立装置70の第1および第
2部分71、72は、図2および図5に基づいて前述したように配置されたスロープ
アッセンブリを備えた連結部材73、74を備えている。この第1実施例においては
、開放Oは所定の方向(例えば、反時計方向)に1回転の何分の一かだけ回転さ
せることにより得られ、他方、閉鎖Fは反対方向1回転の何分の一かだけ回転さ
せることにより得られる。
図8に示した第2実施例においては、本発明の組立装置80の第1および第2可
動部分81、82は連結部材83、84を備え、これらの連結部材は夫々ほぼ丸い形状の
突出部材アッセンブリ84を備えており、後者は閉鎖位置において反対側の可動部
分の突出部材間に配置された凹み内に貫入するべく配置されている。この実施例
は二方向の開閉を可能にする。図9に示した第2実施例においては、本発明の組
立装置90の2つの可動部分91、92は、夫々、閉鎖位置において規則的又は滑らか
な外観を有する不規則なプロフィルのインターフェース縁93、94を備えている。
この第3実施例は例えばこの装置の外部から見えるように装置を使用したい場合
に選択することができる。
次に、本発明の組立装置の応用例、特に、化粧品(図10Aから10C)、食
品サービス(図11、13、14)および固定(図12)への応用例を説明する
。
化粧品や香料の分野においては、本発明の箱は、コンパクト、メーキャップ用
パレット、更にはクリームその他の化粧用製品を収容するための機能、特に栓お
よび止め金の機能を果たすように構成される。
即ち、図10A、10B、10Cを参照するに、コンパクト110は2つの可動
部分112、111を備え、後者は夫々接触周辺のところに特に図5に基づいて前述し
た態様で作動する連結部材114を備えている。上部部分112は好ましくは透明材料
で形成されており、光学的拡大作用をもったレンズ状の形状を有する。他方、下
部部分111もまた同様に可動(図示せず)の低部分を備え、例えば鏡又はメーキ
ャップ用パレットを提供するようになっている。連結部材114a-dは好ましくは不
均斉形状を有すると共に、前述のプログレッシブクランプ機能を保障する狭窄部
を備え、この狭窄部は例えば連結部材の低支承部の曲率半径の偏心に対応してい
る。他方、コンパクト110の下部111がプレゼンテーション用枠又はケース115内
に位置するようにすることができる。
食品の分野においては、本発明の箱には液体、ペースト、クリーム、ヨーグル
ト、サンドイッチ、又は無包装物の形の食品を収容することができる。特に、ハ
ンバーガーを入れるように箱を構成することができる。また、食品処理装置のボ
ールを構成し、その蓋として第1組立装置を設け、食品処理装置の基部にこれを
係止するための第2組立装置を設けることができる。また、図13に示したよう
に、乳濁物や混合物を製造するための“シェーカー”の形の容器130を構成する
ことができる。閉鎖位置では、2つの可動部分131、132は嵌合している。この装
置130の密封性は従来の溶接技法により得られる。この種の容器の2つの可動部
分は消費者用ボール(鉢)として使用することができる。本発明の組立装置の特
に有利な他の応用例は食事用プレート140を提供することからなり、このプレー
トはその上面に連結部材アッセンブリ142を有する嵌合部を備え、この嵌合部は
プレート140の連結部材142と協働する凹んだ連結部材143、243を備えた皿241や
グラス141a-cのような可動部を受け入れるようになっている(但し、連結部材の
ないテーブル上にも載置することができる)。即ち、団体輸送(飛行機、船舶、
自動車、など)の顧客に使用の習慣を破ることなく安定性の高い食事用プレート
を提供することができる。
消費物資の分野においては、本発明の箱はディスクや日曜大工用品や装飾用品
や宝石その他の物品を収容するために使用することができる。非限定的な例とし
て、本発明の組立装置を用いた固定装置120(図12)を挙げることができる。
この装置は一方においてネジ121の端部に配置された第1連結部材124からなり、
他方においてフレーム125に設けた穴122の中央に配置された第2連結部材からな
る。斯る固定装置は、例えば、1回転の何分の一かのネジ121の回転により部品1
26を固定するのを可能にする。斯る装置はゲーム日用大工や産業用固定装置の用
途に使用することができる。
次に、図15から図32Cを参照しながら、この明細書の第2部として、本発
明の第2の観点に基づくアンダーカットのない組立装置の幾つかの実施例並びに
関連する実施方法を説明する。
最初に、シート材(例えばプラスチックシートや金属シート)のような薄板を
用いた組立装置の製造を説明する。図15にかなり模式的に示した製作段階(F
)においては、2枚のシート152、153からアンダーカットのない形状を製作する
。アンダーカットがないので工具コストが安く製造速度が高い。製造後、2枚の
シート152、153から側部521、523;531、533と底部522、532とほぼ平らな縁520
、530を備えた矩形断面の形状をもった組立装置を作る。図16に示した使用段
階(U)においては、部材152、153の相対変位(D1∈153、D2∈152)と変形は界
面領域に垂直な力の創成又は増加に寄与する。これにより界面領域に対して垂直
な軸の保持(F1/F2)が得られる“アンダーカット”効果が生じる。
包装の製造時には、例えば、プラスチックの熱成形、金属のプレス成形、又は
吸引(減圧)若しくはブロー(加圧)成形によりシート材の形状変形および/又
は成形を行う。これにより自然引っ張りにより通常は製造面に垂直な方向に厚さ
の減少が生じる。従って、シートの通常の厚さはプレス成形による自然引っ張り
領域におけるこのシート自体の厚さよりも極めて大きい。
これはしばしばハンディキャップとなる事実ではあるが、ここでは利点を発揮
する。何故ならば、撓みモーメントが小さいので、界面領域にほぼ垂直な表面の
変形を容易にするからである。反対に、界面領域に平行な表面はその初期厚さを
維持し、圧力を保持するのに好都合な慣性モーメントが得られる。
当然の結果は、クランプの際の部材の変形である。クランプすればするほど材
料は変形し、有利なことに:
−界面領域に垂直な保持力F1、F2、
−2表面間の密封性、
を増強する。
本発明の根底をなすこの変形原理は、例えば、図17A、17B、18、19
A、19Bに示した“ダブル傾斜面”型の線形展開ロフィルを備えた包装の製作
に応用することができる。即ち、製造段階では、一方のシート923は蓋の機能を
もち、他方のシート922はベースの機能を持つ。蓋923は縁230、側部231、233、
および底部232を有する特殊な形状を備え、ベース922は側部221、223と底部222
をもった井戸の形状を有する。
図19Aおよび19Bに示したようにベース922に対して蓋923が変位D1してい
る使用段階では、2つの形状の接触面の変形により組立を行う。これにより界面
領域に垂直に保持力が得られる。
更に、材料の寸法を適切に設定することによりフリーストッパ又はスナップ嵌
合を得ることができ、これらは界面領域に垂直な保持力に有用なロック作用を果
たす。このフリーストッパの可能性は変形可能な材料の寸法決め(このときには
製造公差を補償する役割を果たす)により得られるもので、これは従来の組立方
法では得ることができないものである。
プロフィルによるこの組立原理は、図20Aから20Cに示したように、舟形
容器に実施することができる。図20Aから20Cに示した舟形容器240用の組
立装置においては、蓋243と箱242に配置された4つの組立領域2430;2432が局部
的変形可能に設けてある。
また、図21Aから21Cおよび図22Aから22Cに示したように、“シン
プル傾斜面”型の線形展開プロフィルを備えた本発明の可逆式組立装置の実施例
も可能である。この種の実施例は界面領域に垂直な保持を行う1つの保持手段し
か必要としない舟形容器270(図23Aから23C)に特に適している。製造段
階では、舟形容器の蓋に対応する本発明の組立装置の上部分253は接触領域2530
と変形壁2531を備え、下部分252は接触領域520と変形壁2521と基部領域2522
を有し、後者の上に剥離可能な蓋2524が固定されている。
使用時には、上下部分253、252の変形可能部2521、2531は界面領域を形成する
ところで互いに当接する。それらの変形はアンダーカットを生じさせ、装置の垂
直保持力に奇与する。この組立装置の使用は例えば剥離可能な蓋2524を取り除い
た後に行うことができる。
本発明の範囲内でダブルプロフィルまたはシンプルプロフィルをもった傾斜面
のない組立装置を想定することができる。
本発明の根底をなすクランプと変形による垂直保持力の原理は、図31Aから
31Cおよび図32Aから32Cに示したように、回転体容器、金属罐、ペンキ
壷、ベビー用ポット、などの閉鎖に使用することができる。
即ち、罐380はプログレッシブクランプ式の第1組立部分382と、第2組立部分
384を備えた蓋383とを備えている。この罐380は更に不可侵リング386(図31C
)を備えている。図32Aから32Cに示したように、本発明の装置に似た配置
はペンキ壷3110の閉鎖に使用することができ、この壷は蓋3113に設けた第2組立
部分3114と協働する第1組立部分3112を備えている。罐380と壷3110に設けた蓋3
83、3113は好ましくは使用者が蓋の開閉にあたり蓋の回転を容易に行うのを可能
にする半径方向部材385、3115をその上部に備えている。
好ましくは、この装置の密封性を確保するため、本発明の組立装置を備えた罐
の内部の圧力の一部を抜くように構成する。
本発明の可逆式組立装置は好ましくは、例えば、プロジェクタの支持部や伸縮
式の釣竿や、トラックや船舶や航空機の船倉で使用可能な迅速楔止部材のような
可動部材を有する装置を所定位置にロックするために応用することができる。こ
のような応用例においては、本発明により得られるプログレッシブクランプ機能
と変形による保持を利用する。また、図24A−C、図25A−Bに示した装置
や図33および図34に示した装置のように、凹んだ壁への固定を実現するため
の組立装置を想定することができる。
本発明の他の有用な用途は円錐形管状部材(図11)の継合せに関連するもの
で、これは例えば標識装置の製作に使用することができる。
本発明の組立装置は他の数々の用途に使用することができる。非限定的な例と
して、ボトル18(図26)の多重レベル型栓2182、シェーカー19の閉鎖装置、更
には食品や化粧品に使用可能なポットのための閉鎖装置2250(図27)を挙げる
ことができる。
本発明はまたプログレッシブクランプ式かつ垂直保持式で非可逆特性を有する
組立装置をも提供することに留意されたい。例えば、図28に示したような冷間
組立方式の組立装置2400を構成することができる。特殊プロフィルの一連の歯24
03を備えた第1部分2401は、第1部分の歯を受け入れるようになった内側プロフ
ィルを備えた第2部分2402と連結させることができる。また、図29に示したよ
うに、特に熱間組立に対応する組立装置2420を構成することができ、この場合に
は2つの部分2421、2422は変形後に密接に連結される。
本発明の組立装置を備えた容器の高レベルの密封性を保障する必要がある場合
には、図30Aおよび30Bに示したように、装置の上部分441から下部分2442
に恒久的な圧力を作用させる装置をこの装置2440に結合するのが好ましい。この
実施例においては、上部分2441は連結部2447とその周辺領域に二重ボス2445、24
43を備え、他方、下部分は連結部2448とその周辺領域に単一ボス2446、2444(上
部分2441の二重ボスのほぼ向かいに配置されている)を有する。
2つの連結部2447、2448の組立(図30B)を行うときには、下部分のボス24
46、2444は上部分2441の二重ボス2445、2443と接触する。これはカチッという音
を生じさせると共に、上部分2441が持ち上がることにより接触領域のところに圧
力を生じさせる。
本発明の装置により得られる利点は多重であり、特に、アンダーカットの必要
がないので製造コストが低下すること、装置の再閉可能性により衛生面で進歩す
ること、操作が確実であること、がある。即ち、この最後の点については、プラ
スチックの熱成形による舟型容器、特に食品用や医薬用の容器については、本発
明の組立装置は突出した角のない丸みのある縁を備え、切断性の縁を備えた装置
に較べて安全面で優れている。
今日の装置では、容器内の雰囲気は再閉可能な蓋とは別の剥離可能な蓋によっ
て保持されており、これが初期コスト(材料と製造)を増加させると共にリサイ
クルの問題を招いている。
本発明の組立装置は特に公差に関して多大な柔軟性があると共に複雑な工具を
必要とせず製造速度が高いので容易に大量生産することができる。
従来は蓋と密封用フィルムを必要としたが、今では単一の製品が2つの機能を
実現する。工場では、蓋はクランプすることなく置かれる。次に、特別な細菌学
的かつ化学的障壁を確保しながら密封性と保存性を実現するために剥離可能な溶
接を全周に行う。使用者は蓋を基部から隔離する。この蓋は次に舟型容器を再び
閉鎖するために再使用される。
本発明の組立装置は唯一の材料で形成することができるので、そのリサイクル
は容易である。更に、材料の弾性限界を超えることなく変形の解決を選ぶ場合に
は製品の再使用を想定することができる。
金属製の飲料罐については、突出した角が全くない丸みのある縁のお陰で、使
用時に唇や指を裂傷するおそれがない。更に、本発明の組立装置は容器の外部に
液体を保持しない滑らかな表面を提供するのを可能にする。更に、本発明の組立
装置はハンドルを蓋に直接に製造時に設けるので再閉鎖可能性を提供する。また
、蓋は上表面全体を覆うことができるので、液体に混じるおそれのある塵埃の堆
積を防止する。
本発明の装置においては、通常は蓋は工場でクランプされ、従って“ねじ山”
を形成するので、不可侵性を保障するために例えば舌状部材を折り曲げたり接着
したりすることにより、変形に対する材料の抵抗に因り大きな応力を要する。ま
た、栓を保持するために周辺にローラーをかけることも可能である。
本発明の組立装置は、応用分野内で、現在の装置の4つの代わりに3つの部材
を備え、これは製造管理面で有利である。更に、蓋の生産と平行に包装が可能で
あるので、生産や包装の単位を分離することにより特に大きな柔軟性が得られる
。
本発明を金属容器特にペンキ罐に適用する場合には、本発明の組立装置は操作
の安全性を高める。即ち、現在のペンキ罐を操作するには、罐を開けるためのド
ライバーや閉めるためのハンマーのような補助的道具の使用が必要である。本発
明の装置によれば、ペンキ罐の開閉は工具の助けなしに行うことができ、これは
大きな利点である。
勿論、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸
脱することなく多数の設計変更を加えることが可能である。即ち、ケースや箱の
製作に用いた材料はプラスチック材料以外の材料でもよい。更に、特にコンパク
トディスク用のケースに適用する場合には、本発明のケースに収容するディスク
の数は機械的制約によってしか制限されない。更に、本発明のケースの寸法は現
在のフォーマットに限定されず、将来のディスクのフォーマットの発展や多様性
に応じて変更することができる。
更に、非限定的な応用例として、ドライバー、伸縮式釣竿、調節可能な箒、距
離を保持したり間隔を調節するために用いる保持タンポン、貯蔵や荷扱いなどの
ための迅速楔止具、香水ディフューザ、プロジェクタの昇降装置のロック装置、
相補的な隔室を備えた食品用ポット、を挙げることができる。しかし、本発明は
また迅速で容易な組立を必要とする多数の分野に応用することができる。特に、
非限定的な例として、日用大工、レジャーを挙げることができる。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】平成11年1月23日(1999.1.23)
【補正内容】
明細書
組立装置および方法並びに該組立装置を備えた装置
本発明は、組立装置に関する。本発明は、また、この装置で実施する方法並び
にこの組立装置を備えた装置、特に、箱やケースのようなコンテナー装置(容器
)に関する。
以下にはここで用いる幾つかの概念の定義を述べる。
変位とは、あらゆる並進運動、回転、並進運動と回転運動の組合せを意味する
。
界面領域とは、開閉装置又は組立装置の2つの部分の間のあらゆる接合面又は
継ぎ目を意味する。
摺動(滑り)領域とは、組立装置の一方の部分の他方の部分に対するあらゆる
近接領域を意味する。
保持力は、並進運動の場合の垂直応力並びに回転運動の場合の軸方向応力を表
す。
クランプ応力は、並進運動の場合の変位に垂直な応力並びに回転運動の場合の
半径方向応力を表す。
薄壁とは、
−特に熱成形、プレス成形、又は他の均等技術で形成されたシート状の、
−回転成形、射出成形、ブロー成形などで形成された、
材料(プラスチック又は金属)で形成されたあらゆる壁を意味する。
化粧品や香料や食品や消費物資のような多くの分野においては、製品や物品は
剛性の箱又はケースに入れて流通せられる。これらの箱又はケースは、一般に、
製品や物品を収容する主要部と、蓋又は栓のような可動部を備えており、この可
動部には組立装置が取付けてある。
例えばねじ、クリップ、圧入、蝶番によって作動する可逆式組立装置が知られ
ている。しかし、今日の組立装置は、使用時に特にねじを数回転させる必要があ
る場合に操作が困難で面倒であるという不便や、コンパクトディスクや化粧用コ
ンパクトのケースの場合のように頻繁に使用したときに壊れやすいという不便が
ある。今日の組立装置は製造が高価である。今日の組立装置は異なる雌雄部材を
必要としており、これは製造にあたり極めて高価な工具を要し内部的運動学によ
り工具の速度が低下することを意味している。
特にWO94/07038から、雄筒状部材が雌筒状部材内で回転することによって得ら
れる半径方向楔作用によるクランプ効果を用いた筒状の組立装置が知られており
、これらの筒状部材は例えばカムのような適当な形状を有する。この筒状組立装
置においては、把持と人間工学の問題は存在しない。
ところが、前述した大部分の用途においては、消費者は箱又はケースに収容さ
れている製品又は物品に対するアクセスがより容易かつ迅速な箱又はケースを要
望している。
本発明は消費者の側から並びに製造の側から斯る要望を満たすと共に前述の不
便を解消することを目的とするもので、使用のより大きな容易性とより良い強度
とが結合され、簡単な工具しか必要とせず、製造速度を向上させることが可能で
、内部的運動学を必要としない迅速な組立装置提供することにある。
更に、引き離しに対して垂直な抵抗力は、一方において組立装置に作用する緊
迫応力に、他方において2つの部分を構成する材料間の摩擦係数に直接に関連す
ると共に、クランプ角又は楔角に直接に関連している。更に、使用者が加える圧
力を別とすれば、一方の部分を他方の部分の上に強制的に載置することがないこ
とは界面領域に平行な平面に対する密封性の確保を非常にデリケートにする。
本発明はアンダーカットなしの製造の経済的利点を保持しながら前述の難点を
解消することの可能な組立装置を提供する。
上記目的は、装置(容器装置)の第1部分と第2部分との組立を実現するため
の装置によって達成されるもので、この装置は第1および第2部分上に夫々位置
する第1および第2の連結手段を備え、前記第1および第2の連結手段は閉鎖位
置において界面領域を画成し、前記第1および第2の連結手段は互いに協働して
、
一方の部分の他方の部分に対する相対変位により、前記変位にほぼ垂直な応力の
発生によりプログレッシブクランプを行い、前記第1および第2連結手段の少な
くとも一方は、アンダーカットなしで製造されていると共に、前記プログレッシ
ブクランプの際に変形を受けてアンダーカットの創成により界面領域にほぼ垂直
な保持力を生ずるように配置されている。
本発明の組立装置は特に(但し、非限定的に)薄壁を備えた装置を目的として
いる。これは強度に又は容易に変形可能な材料で形成された組立装置に特に好適
である。これは、特に、例えば食品又は化粧品産業の場合のように、引き離しに
対する抵抗力(界面領域に対して軸方向又は垂直な保持力)を必要とすると共に
、この組立装置を備えた容器又は包装の密封性を必要とする特殊な用途又は技術
分野について言える。更に、このような製品については一般に保存と衛生を保障
する再閉鎖可能性が要求されており、特に食品や薬学上一度に消費しない製品の
場合にはそうである。より一般的には、内容物が容器の内部に圧力を作用させる
場合(ガス性飲料、スプレー、など)や組立体が蓋によって捕捉されることが要
望される場合には、垂直方向又は軸方向の保持力の問題が生じる。
留意すべきことに、本発明の装置は更に従来の方法よりも大きな公差を許容す
ると共に、従って工具の寿命、遊びの補償、固有の製造公差を有する異なる材料
の組合せ(例えば、プラスチック/ガラス、プラスチック/木の組合せ)の点で
追加的な利点を生じる。
回転の場合には、操作は半径方向成分だけでなく軸方向成分をもった反応によ
って補償される。軸方向保持力は材料の変形によるクランプ応力により得られる
。的確に発生させた変形は製造時にアンダーカットが存在していなくても使用時
にアンダーカットが創成されるのを可能にする。これは、より容易でより安価で
より迅速というアンダーカットなしの製造に基づく装置の利点と独創性を保持し
ながら、ボルト−ナット装置、四分の一回転構造、又はあり継ぎに近い保持力を
得るのを可能にする。
密封性については、これは特に直接的な水平方向密封性(或いは、蓋と基部と
の間で圧潰されたぴったりとした継ぎ目によって実現される密封性)を保障する
ために蓋を基部の上に載置するのを可能にする。以下の記載では、蓋と基部の術
語は広義に解釈するべきである。
好ましくは、界面領域に垂直で変位にほぼ接線方向の平面内にスロープを形成
した実施例を想定することができる。回転の場合には、これはねじ山効果を再生
する。こうして、クランプ後は、蓋を半径方向だけでなく軸方向に保持しクラン
プしながら、蓋は基部に付着せられる。
このようにすれば、アンダーカットがないので、工具のコストが最小限になり
、製造速度が向上する。
本発明の組立装置はあらゆる曲率半径、特に並進的に無限の曲率半径や複雑な
カーブに適用することができる。
本発明の組立装置に用いる材料の変形については、材料の弾性限界内に留まっ
ても留まらなくてもよく、即ち、変形は残留してもしなくてもよい。組立体の再
使用は初期残留変形の有無に影響する。
また、容積のモジュール化を実現するため、本発明の組立装置を備えた異なる
サイズおよび形状の複数の部品の積み重ねからなる装置(容器)を想定すること
ができる。
更に、本発明の装置を備えた容器装置の複数箇所に下位の組立装置を分散する
ことができる。
本発明の他の観点に従えば、アンダーカットなしに形成された前記第1および
第2連結手段は、相対変位の際に装置の第1および第2部分を空間的に案内する
べく配置された1つ若しくは複数の接触領域を備えている。
従って、本発明の組立装置は従来装置よりもより良い人間工学的な使用を可能
にする。即ち、使用者が行う組立と分解はこの装置の2つの部分の空間的ガイド
によって助成される。
組立部分を形成するために難変形性を用いる場合に特に有利な本発明の第1実
施例においては、第1および第2連結手段は、夫々、対応する第1および第2部
分の内側面上に円形に配置された1つ若しくは複数のスロープを備え、第1連結
手段のスロープは第2連結手段のスロープと協働して、一方の部分の他方の部分
に対する1回転の何分の一かの回転の外部作用により、半径方向プログレッシブ
クランプによる閉鎖および次の連結、又は、回転方向に沿った楔作用による第1
部分と第2部分の切り離し、および2つの部分の分離を生じさせる。
従って、部品の外部に突出部又は直接把持可能な部分を設けることなく組立機
能が得られる。開放作用は圧力と一方の部分の他方の部分に対する回転との組合
せにより行われる。即ち、一方の部分に回転力を作用させれば、他方の部分は並
進運動に沿って変位しようとする。これは2つの部分を分離する効果を生じ、そ
の結果、一方をグリップしながら2つの部分の切り離しを可能にする。
上部と下部はスロープのところで同一にすることができるので、第1および第
2連結手段は完全に雌雄同体である。これは特に例えばプラスチックの射出成形
にあたり1つの凹みしか必要としないという大きな利点を提供する。
連結手段の楔作用はスロープ上に突出部と凹み部を設けることにより実現され
、一方の部分のスロープの突出部は他方の部分のスロープの凹み部に嵌合する。
凹み部の幅は使用者が時計方向に回転させるにつれて減少するので、凹み部の内
側に現れた部分に楔作用が生じる。調節は、最初はポジティブであるが、次第に
ネガティブになる。組み合わされた2つの部分は組合わせ面に垂直な開放付勢力
を受け、この付勢力は時計方向の回転による強い付勢によりこれら2つの部分が
互いに緊迫されるにつれて増大する。
情報担持ディスクに関し、蝶番の軸線を中心として枢着された2枚の板を備え
たケースがWO9414160から知られており、このケースにおいてはディスクは一方
の板と一体の保持部材によって中心部で保持される。
ピボット連結を構成するケースの要素はしばしば脆弱であり、特に衝撃により
劣化し破壊する。
斯る不具合を解消するため、本発明は本発明の組立装置が中央に配置されたコ
ンパクトディスク用ケースを提供する。
更に、好ましくは、可動部材の少なくとも一方がこのケースに収容されたディ
スク又は小冊子の少なくとも一面に配置された情報および/又は文字の光学的拡
大を行うように構成することができる。
また、ケースの2つの可動部分の間にケースのサイズよりも大きなサイズの支
持ジャケット若しくは小冊子を挿入し、次にケースをプラスチックフイルムで包
むことができる。
本発明の更に他の観点においては、本発明は、本発明のケースを受け入れるた
めの枠を提供する。この枠の外部サイズは標準型のコンパクトディスクケースの
サイズに対応しており、今日の貯蔵および配送用箱を使用するのが可能である。
この枠はケースの一方の部分に直接に製造することができる。この枠は例えば目
の形に形成することができ、安定な姿勢で垂直に保持できるように構成すること
ができ、参照のために第2の態様に配置することができる。
本発明の他の観点においては、本発明は、2つの可動部からなる容器装置を備
えた本発明の第2実施態様に基づく装置で実施する方法を提供するもので、この
方法は、
−この組立装置を備えた容器装置の2つの可動部を接触させる工程(これら2
つの可動部は相補的連結形状を有する)と;
−他方の部分に対して一方の部分を滑り領域に沿って変位させる工程、
−界面領域にほぼ垂直な表面が変形するまでプログレッシブ・クランプによっ
て組立てる工程、
を包含する。
本発明の他の特徴や効果は以下の記載から更に明らかとなろう。非限定的な実
施例を示す添付図面において:
図1Aは本発明のコンパクトディスク・ケースの分離した2つの部分の断面図
;
図1Bは図1Aのケースの閉じた状態における断面図;
図2は本発明の組立装置の概略図;
図3は2枚のディスク又は1枚のディスクと1枚の紙葉を収容するための本発
明のケースの分解図;
図4はコンパクトディスク・ケースの他の実施例の断面図;
請求の範囲
1.装置の第1部分と第2部分(272、273)を組立てるための装置であって、前
記第1および第2部分上に夫々位置する第1および第2の連結手段(252、253)
を備え、前記第1および第2の連結手段(252、253)は協働して一方の部分の他
方の部分に対する相対変位により前記変位にほぼ垂直な応力の発生によりプログ
レッシブクランプを生じさせ、その特徴は、前記第1および第2の連結手段の少
なくとも一方は、アンダーカットなしに製造されていると共に、前記プログレッ
シブクランプの際に変形を受けてアンダーカットの生成により界面領域にほぼ垂
直な保持力を提供するべく配置されていることからなる装置。
2.前記第1および第2部分(272、273)は製造前はシート状又は薄壁状材料の
形であり、界面領域にほぼ垂直な表面はクランプの際に変形を受けるべく配置さ
れていることを特徴とする請求項1に基づく装置。
3.前記表面が界面領域にほぼ垂直に受ける変形は残留性であることを特徴とす
る請求項2に基づく装置。
4.第1および第2の連結手段(252、253)は、夫々、対応する第1および第2
部分の面に配置された1つ若しくは複数のスロープを備え、第1連結手段(252
)のスロープは第2連結手段(253)のスロープと協働して、一方の部分の他方
の部分に対する変位の外部作用により、変位の方向における第1部分と第2部分
の連結又は分離を生じさせることを特徴とする請求項1から3のいづれかに基づ
く装置。
5.前記第1および第2連結手段のスロープ(2432、2430)は凹んだ低部と2つ
の第1および第2部分(242、243)の間の界面領域から突き出た上部を備え、装
置の一方の部分のスロープ(2432)の突出部は組立操作の終了時に該装置の他方
の部分のスロープ(2430)の凹んだ部分内に嵌合するように配置されており、前
記凹んだ部分は突き出た部分を変形させて組立の保持を実現することを特徴とす
る請求項4に基づく装置。
6.装置の複数箇所に分散された複数の下位組立装置を備えていることを特徴と
する前記請求項のいづれかに基づく装置。
7.第1および第2連結手段は複数のレベルに配置されていることを特徴とする
前記請求項のいづれかに基づく装置。
8.第1および第2連結手段を包含する組立てられた部分は雌雄同体型であるこ
とを特徴とする前記請求項のいづれかに基づく装置。
9.閉鎖位置又は組立位置において第1連結手段と第2連結手段との間に接触応
力を作用させるための手段(2445;2446;2443;2442)に連結されていることを
特徴とする前記請求項のいづれかに基づく装置。
10.前記応力手段(2445;2446)は第1および第2部分の周辺領域に夫々配置
されたボスを備え、これらのボスは閉鎖位置又は組立位置において互いに協働し
て2つの部分の少なくとも一方を変形させてこれら2つの部分の間に接触応力を
作用させることを特徴とする請求項9に基づく装置。
11.第1および第2部分の各ボスは、更に、2つの部分を閉鎖し又は組み立て
た時に(カチッという)音響効果を生じるように構成されていることを特徴とす
る請求項10に基づく装置。
12.舟型に形成され、その下部(252)に剥離可能なカバー(2254)を備えて
いることを特徴とする前記請求項のいづれかに基づく装置。
13.蓋を備えた舟型に形成され、使用者が蓋を引き剥がし次いで再使用して舟
型容器を再閉鎖し得るように前記蓋の周りに剥離可能な溶接が形成されているこ
とを特徴とする請求項1から12のいづれかに基づく装置。
14.請求項1から13のいづれかに基づく装置を製造する方法であって、前記
装置の2つの可動部の各連結形状はプレス成形又は熱成形により予め形成されて
いることを特徴とする方法。
15.前記第1および第2連結手段(4、3)は、夫々、接触領域において、組立
面に関して傾斜し第1および第2部分(1、2)の内側面上に配置された1つ若し
くは複数のスロープ(410、420、430;310、320、330)を備え、第1および第2
連結手段のスロープは互いに協働して、一方の部分の他方の部分に対する変位の
外部作用により、第1部分と第2部分(1、2)の連結又は分離を生じさせると共
に、更に閉鎖位置において変位に垂直な組立装置の楔止を生ずるべく配置された
周辺外部形状を有することを特徴とする請求項1に基づく装置。
16.前記第1および第2連結手段(4、3)のスロープ(410、420、430;310、
320、330)は凹んだ低部と2つの第1部分と第2部分(1、2)との間の界面領域
から突き出た上部を備え、容器装置(10)の一方の部分のスロープの突出部は組
立操作の終了時に該容器装置の他方の部分のスロープの凹んだ部分内に嵌合する
ように配置されており、前記突き出た部分は凹んだ部分を半径方向に変形させて
組立の保持を実現することを特徴とする請求項15に基づく装置。
17.装置の複数箇所に分散された複数の解放および組立用下位装置を更に備え
ていることを特徴とする請求項15から16のいづれかに基づく装置。
18.請求項15から17のいづれかに基づく装置で実施する組立方法であって
、
以下の工程を包含することを特徴とする方法:
装置(10)の閉鎖にあたり、
−他方の部分に対して一方の部分を傾斜面上を滑らせながら所定の方向に変位
させることにより2つの可動部を連結する工程;
−変位に垂直なプログレッシブクランプによって組立てる工程。
19.内部収容空間を画成するべく可逆的に組立可能な第1および第2部分(1
、2)と、請求項15から17のいづれかに基づく組立装置とを備えてなる装置
(10)、特に、ケース又は箱。
20.2つの部分(1、2)の少なくとも一方は直接に噛み合うことのない外面を
有することを特徴とする請求項7に基づく装置(10)。
21.回転対称を呈する第1および第2部分(1、2)を備え、第1および第2連
結手段(4、3)は夫々装置(10)の第1および第2部分(1、2)の中心に配置さ
れていることを特徴とする請求項19又は20のいづれかに基づく装置(10)。
22.2つの部分(1、2)の少なくとも一方は光学的拡大効果を生ずるべく配置
された領域を少なくとも部分的に有することを特徴とする請求項15から17の
いづれかに基づくケース(10)。
23.受け枠(5)を備えていることを特徴とする請求項15から17のいづれ
かに基づくケース(10)。
24.受け枠(5)は所定の垂直配列を可能にするべく構成された外部輪郭を有
することを特徴とする請求項23に基づくケース(10)。
25.受け枠(115)は目の形を有することを特徴とする請求項24に基づくケ
ー
ス(110)。
26.受け枠はケースの2つの部分の一方と一体形成されていることを特徴とす
る請求項23から25のいづれかに基づくケース。
27.ケースの2つの部分の間に挿入された小さな厚さの可動部材、特にジャケ
ット若しくは小冊子、を更に備えていることを特徴とする請求項22から26の
いづれかに基づくケース。
28.請求項1から13のいづれかに基づく装置を備えた舟型の熱成形容器(24
0、270)。
29.請求項1から13または15から17のいづれかに基づく装置を備えた液
体容器(218、380)、特に、飲料罐。
30.不可侵リング(386)を備えていることを特徴とする請求項29に基づく
飲料罐(380)。
31.請求項1から13または15から17のいづれかに基づく装置を備えた特
にペンキ又は類似物を収容するための金属容器(3110)。
32.蓋の機能をする連結手段に連結された開放用ハンドルを更に備えているこ
とを特徴とする請求項28から31のいづれかに基づく容器。
33.積み重ねた複数のモジュールからなる容器であって、これらのモジュール
を組み立てるために請求項1から13または15から17のいづれかに基づく複
数の装置を備えていることを特徴とする容器。
34.請求項15から17のいづれかに基づく可逆式装置を用いた円錐形の筒状
部材の継合せ装置。
35.請求項35に基づく装置であって、迅速楔止具を形成するため、多重カム
付きプログレッシブ型であることを特徴とする装置。
36.その上面に嵌合部を備えたプレート(140)であって、前記嵌合部は連結
部材(142)を備えていると共に、連結部材(143)を備えた可動部(141、141a-
c、241)を受け入れるようになっており、前記連結部材(143)は前記嵌合部の
連結部材(142)と共に請求項1から13または15から17のいづれかに基づ
く組立装置を構成することを特徴とするプレート。
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(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S
D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG
,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT
,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,
CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F
I,GB,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP
,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,
LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M
W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD
,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,
TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW