JP2001504378A - 二次元走査からの三次元画像作成 - Google Patents

二次元走査からの三次元画像作成

Info

Publication number
JP2001504378A
JP2001504378A JP52443198A JP52443198A JP2001504378A JP 2001504378 A JP2001504378 A JP 2001504378A JP 52443198 A JP52443198 A JP 52443198A JP 52443198 A JP52443198 A JP 52443198A JP 2001504378 A JP2001504378 A JP 2001504378A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dimensional
image data
data
dimensional image
grid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP52443198A
Other languages
English (en)
Inventor
アルロット,クリストファー・ポール
バリー,クリストファー・デイヴィッド
アランデル,フィリップ・アンソニー
ジョン,ナイジェル・ウィリアム
メローア,ポール・マックスウェル
Original Assignee
ゼネカ・リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ゼネカ・リミテッド filed Critical ゼネカ・リミテッド
Publication of JP2001504378A publication Critical patent/JP2001504378A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01SRADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
    • G01S7/00Details of systems according to groups G01S13/00, G01S15/00, G01S17/00
    • G01S7/52Details of systems according to groups G01S13/00, G01S15/00, G01S17/00 of systems according to group G01S15/00
    • G01S7/52017Details of systems according to groups G01S13/00, G01S15/00, G01S17/00 of systems according to group G01S15/00 particularly adapted to short-range imaging
    • G01S7/52085Details related to the ultrasound signal acquisition, e.g. scan sequences
    • G01S7/52087Details related to the ultrasound signal acquisition, e.g. scan sequences using synchronization techniques
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01SRADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
    • G01S15/00Systems using the reflection or reradiation of acoustic waves, e.g. sonar systems
    • G01S15/88Sonar systems specially adapted for specific applications
    • G01S15/89Sonar systems specially adapted for specific applications for mapping or imaging
    • G01S15/8906Short-range imaging systems; Acoustic microscope systems using pulse-echo techniques
    • G01S15/8993Three dimensional imaging systems
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T17/00Three dimensional [3D] modelling, e.g. data description of 3D objects
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B8/00Diagnosis using ultrasonic, sonic or infrasonic waves
    • A61B8/48Diagnostic techniques
    • A61B8/483Diagnostic techniques involving the acquisition of a 3D volume of data
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01SRADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
    • G01S15/00Systems using the reflection or reradiation of acoustic waves, e.g. sonar systems
    • G01S15/88Sonar systems specially adapted for specific applications
    • G01S15/89Sonar systems specially adapted for specific applications for mapping or imaging
    • G01S15/8906Short-range imaging systems; Acoustic microscope systems using pulse-echo techniques
    • G01S15/8995Combining images from different aspect angles, e.g. spatial compounding

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Radar, Positioning & Navigation (AREA)
  • Remote Sensing (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Geometry (AREA)
  • Computer Graphics (AREA)
  • Software Systems (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Physiology (AREA)
  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)
  • Image Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 二次元的に複数回走査された目的物のイメージを三次元的に再構成し、異なる傾斜角度で複数の二次元イメージ・データ・スライスを生じさせる方法及び装置が開示されている。これらのスライスは、例えば、ビデオ・テープなどの記録媒体上に記録及び記憶されるが、その記録媒体上には、スライスは、位置決め、ECG及び/又は呼吸サイクルなどの少なくとも1つの変換する物理的パラメータに対応するものとしてイメージ・データ・スライスを識別する少なくとも1つのデータと共に、連続的に記録される。二次元イメージ・データ・スライスは、処理され、走査されている目的物の少なくとも一部分に基づいて、データ値を含む点からなる三次元グリッドを作成し、そのイメージ・データ値は、前記少なくとも1つのデータに依存する二次元イメージ・データ・スライスの処理の結果として、グリッド点において挿入される。好ましくは、この走査は、フリーハンドでの超音波走査によって実行され、哺乳類の身体内部の条件の非侵襲的な判断に用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 二次元走査からの三次元画像作成 本発明は、二次元の走査に基づき、三次元の画像作成または診断を行う方法及 び装置に関する。 背景技術 三次元的な画像作成の価値は、長年の間、広く認識されてきている。病状と体 積に関するそれ以外の変数とについての正確でシーケンシャルなモニタリングが 可能になっており、構造に関する有意義な情報を、より容易に通信することがで きる。しかし、三次元の技術を超音波を用いて実現することは、困難で時間のか かるプロセスであることがわかっている。最も早くは、1956年に、身体構造 に対する三次元の立体的な観察が、超音波によってなされていた(Howry et al .1956)。1980年には、データ取得の視野及び角度とは独立な体積測定を可 能にする三次元的な超音波データの再構成が、報告された(Moritz et al.1980 )。 それ以来、超音波データの三次元的な再構成方法の開発に関して、かなりの数 の報告が現れている(Rankin et al.1993;Vogel et al.1995;Levine et al.1 992を参照)。いくつかの研究では、従来の二次元トランスデューサを用いてパ ラレル又はほぼパラレルなイメージ・セットを得る方法について述べている。ト ランスデューサは、ステッピング・モータを用いて(Franceschi et al.1992;H ell et al.1995;Moskalik et al.1995;Vogel et a1.1995)、フリーハンドで の掃引によって(Geiser et al.1982;Gardener et al.1991;Kelly et al.199 4;King et al.1990;Moritz et al.1980;Nelson et al.1996;Riccabona et al .1995)、又は、血管内部(intravascular)の研究では、カテーテルの計時さ れたプルバックによって(von Birgelen et al.1995;Mintz et al.1992;Rosen field et al.1991)、又は、中心軸の回りの回転によって(Kok-Hwee et al.1 994)、進められる。フリーハン ドでの方法が用いられる場合には、イメージの位置決めは、機械的なアーム、音 響スパーク・ギャップ、又は電磁センサ技術を用い、トランスデューサの位置及 び向きを同時に記録することによって、行うことができる(Detmer et al.1994 ;Geiser et al.1982:Gardener et al.1991;Hernandez et al.1996:Kelly et al.1994;King et al.1990;Moritz et al.1980;Moskalik et al.1995;Nelson et al.1996;Riccabona et al.1995)。 専用の三次元超音波システムであって、断層撮影用トランスデューサを用い、 内部的な機械的掃引技術又は二次元アレイを用いて体積に呼び掛けをするものも 、文献上見られる(Hamper et al.1994;von Ramm et al.1996;Zosmer et al. 1996)。 現時点では、三次元超音波法に関して文献上見られる方法には、すべて、制限 がある。ステッピング・モータやフリーハンドでの掃引に基づく従来のシステム は、三次元的な再構成に寄与するデータ・スライスが比較的少数であったり、ス ライス間隔が大きかったりという制限を有する。データ補間法を用いて、再構成 のために、欠けているデータを「埋める」ことが行われてきている。一致するイ メージ・フレームは、積極的に回避することにより、データ・ブロック内の1つ の点に対して複数の値が生じるという問題を克服している。文献においても既に 指摘されているように(Nelson et al.1996)、これによって、データを合成し て三次元イメージの質を向上させるという可能性は、全く、禁じられている。専 用の三次元トランスデューサは、多くの場合、場所をとるので、静止プローブか ら、音波が向けられた体積(insonated volume)に等しい三次元的な体積を得る 場合にしか用いることができない。そのようなシステムでは、好ましい視野を得 る能力が制限される可能性があるし、特に、重なり合う構造から影が生じる場合 にそうである。データ取得のための音波発生(insonation)角度は、三次元的な 方法では固定されていることが多いが、他方で、二次元的な超音波撮影法では、 通常、様々な角度からの呼び掛け(interrogations)によって、構造の境界画定 を最適化することができる。組織の組成を調べる際の超音波反射及び 後方散乱の角度依存性は、1985年に報告されている(Picano et al.1985) 。これらの複数の音波発生角度を1つのデータ・セットに「合成」できれば、信 号対雑音(SN)比が著しく向上し、従って、コントラストにスペックルを与え 、セグメント化と再構成とのために、最もコヒーレントな目的物を生じさせるこ とができる(Hernandez et al.1996;Hughes etal.1996;Moskalik et al.1995 ;Nelson et al.1996;Shattuckand von Ramm 1982)。 発明の開示 本発明の目的は、フリーハンドでの二次元超音波走査に、本質的にではないが 好ましくは基づいており、正確で迅速な三次元的な再構成を与え、そして、連続 的なグレースケール・セグメント化及び容量分析(volumetric analysis)を行 うことができるシステムを提供することである。 本発明の実施例は、生体医学及び臨床研究環境に適合し、三次元の超音波が、 三次元的な画像作成及び分析の長所を日常的に利用することができる磁気共鳴画 像作成法(MRI)やコンピュータ画像診断法(CT)など、それ以外のメインスト リームの画像作成方法と共に、その位置を確保することを可能にする。 本発明のある側面によると、二次元的に複数回走査された目的物(object)の イメージを三次元的に再構成し、複数の二次元イメージ・データ・スライスを異 なる傾斜角度で生じさせる方法であって、前記複数の二次元イメージ・データ・ スライスは、記録媒体上に記録及び記憶され、前記記録媒体上では、前記二次元 イメージ・データ・スライスが、前記二次元的な走査が行われる際に時間と共に 変動する少なくとも1つの変化する物理的パラメータに対応するものとしてこれ らの二次元イメージ・データ・スライスを識別する少なくとも1つのデータと共 に、連続して記録され、前記目的物の前記三次元イメージは、前記記録された少 なくとも1つの変化する物理的パラメータに依存して、前記記録された二次元イ メージ・データ・スライスから再構成される、方法が提供される。 本発明の第2の側面によると、二次元的に複数回走査された目的物のイメ ージを三次元的に再構成し、複数の二次元イメージ・データ・スライスを生じさ せるのに用いられる装置であって、目的物を走査し、前記二次元イメージ・デー タ・スライスを異なる傾斜角度で生じさせるように動作可能である走査手段と、 前記走査手段に結合されており、その出力を、前記二次元イメージ・データ・ス ライスが連続的に記録される記録媒体上に記録するように動作可能であり、更に 、前記二次元イメージ・データ・スライスと共に、前記二次元的な走査が行われ る際に時間と共に変動する少なくとも1つの変化する物理的パラメータに対応す るものとして前記二次元イメージ・データ・スライスを識別する少なくとも1つ のデータを、前記記録媒体上に記録するように動作可能である記録手段と、前記 記録手段に結合されており、前記目的物の前記三次元イメージを、前記記録媒体 から、前記記録された少なくとも1つの変化する物理的パラメータに依存して、 再構成するように動作可能である処理手段と、を備えている装置が提供される。 本発明の第3の側面によると、二次元的に複数回走査された目的物の少なくと も一部分のイメージを三次元的に再構成する方法であって、異なる傾斜角度での 前記走査の結果として生じる複数の二次元イメージ・データ・スライスは、処理 されて、データ値を含む点から成る三次元グリッドを作成し、前記複数の二次元 イメージ・データ・スライスは、これらの二次元イメージ・データ・スライスの 前記目的物に対する様々な位置決めを識別する少なくとも1つのデータと関連付 けられ、前記三次元グリッドは、走査されている目的物の前記少なくとも一部分 に基づいて構成され、イメージ・データ値は、前記少なくとも1つのデータに依 存して、前記二次元イメージ・データ・スライスの処理の結果として前記グリッ ド点において挿入される、方法が提供される。 本発明の第4の側面によると、登録フレームを定義する位置検出送信機と、前 記位置検出送信機と協動し、それ自身の座標系を有する位置検出受信機と、前記 位置検出受信機に機械的に接続されており、生じるイメージと関連付けされた座 標系を有する走査トランスデューサと、を有する走査及び位置検出デバイスを較 正(calibrate)する方法であって、前記イメージ座標系から 前記位置検出受信機の座標系への変換は、トランスデューサの異なる角度及び位 置から空間における点又は体積を走査し、結果的なデータに対して数学的な処理 を反復的に行い、この変換を計算することによって決定される、方法が提供され る。 本発明のこの第4の側面は、本発明のこれ以外の既に述べた側面と組み合わせ て用いることができる。 本発明の第5の側面によると、哺乳類の身体内部の条件を非侵襲的に判断する 方法であって、二次元的に複数回走査された前記身体の少なくとも一部分のイメ ージを三次元的に再構成し、複数の二次元イメージ・データ・スライスを異なる 傾斜角度で生じさせるステップを含んでおり、前記複数の二次元イメージ・デー タ・スライスは、記録媒体上に記録及び記憶され、前記記録媒体上では、前記二 次元イメージ・データ・スライスが、前記二次元的な走査が行われる際に時間と 共に変動する少なくとも1つの変化する物理的パラメータに対応するものとして これらの二次元イメージ・データ・スライスを識別する少なくとも1つのデータ と共に、連続して記録され、前記身体の前記三次元イメージは、前記少なくとも 1つの変化するパラメータに依存して、前記記録された二次元イメージ・データ ・スライスから再構成される、方法が提供される。 本発明の第6の側面によると、哺乳類の身体内部の条件を非侵襲的に判断する 方法であって、二次元的に複数回走査された目的物の少なくとも一部分のイメー ジを三次元的に再構成するステップを含んでおり、異なる傾斜角度での前記走査 の結果として生じる複数の二次元イメージ・データ・スライスは、処理されて、 データ値を含む点から成る三次元グリッドを作成し、前記複数の二次元イメージ ・データ・スライスは、これらの二次元イメージ・データ・スライスの前記目的 物に対する様々な位置決めを識別する少なくとも1つのデータと関連付けられ、 前記三次元グリッドは、走査されている目的物の前記少なくとも一部分に基づい て構成され、イメージ・データ値は、前記少なくとも1つのデータに依存して、 前記二次元イメージ・データ・スライスの処理の結果として前記グリッド点にお いて挿入される、方法が提供さ れる。 好適な追加的な特徴は、従属請求項において、与えられている。 好適実施例として、従来の三次元分析及び体積測定ソフトウェアによる処理に 適している通常の三次元データ・ブロックを迅速に生じるシステムが開示される 。このシステムは、フリーハンドで走査された超音波Bモード・イメージ・フレ ーム又はスライスの電磁気的な空間位置と、信号調整半導体ウエハ12と、UN IXベースのコンピュータ処理とを用いる。様々な呼び掛け角度を用いて得られ た、二次元イメージ・フレームから抽出されたデータによるデカルト座標的なグ リッド(Cartesian grid)を用いる効率的なアルゴリズムが開発されている。複 数の音波発生角度からのデータを用いることにより、それぞれのインターフェー スからの反射強度の角度依存性が低下する。このような「合成」(compounding )は、スペックル・コントラストを著しく減少させ、三次元グレースケール・イ メージ内の構造コヒーレンスを向上させ、構造の境界に基づいて体積を検出、セ グメント化及び測定する能力を強化することが分かっている。 0.9から8.0mlの範囲の体積を有する一連の水を充填したラテックス及 び円柱状のフォーム・ラバーによる模型の、自動的なグレースケール・セグメン ト化に基づく体積測定によって、高度の精度、正確さ及び再現可能性が得られる ことが示される。水が充填されたラテックス製の模型の三次元的再構成及び自動 的なグレースケール・セグメント化によって、1.1%のrms(平方自乗平均 )精度で、包囲された水の体積が得られ、他方で、フォーム・ラバーの模型の体 積は、1.4%(テスト対再テスト)及び1.3%(内部対観察者)のrms変 動係数を示した。 この出願での開示によると、従来のフリーハンドによる走査技術を用いて得ら れた二次元(2D)イメージを再構成し、グレースケール・セグメント化の後で 、対象となる構造の信頼性があり正確な体積測定を可能にするエコー強度の三次 元(3D)マップを得ることができることが、示される。再構成に用いられるイ メージを選択する際に、生理学的な規準を考慮することを可能とすることによっ て、この技術を、生体に関するデータ・セットを扱え るように拡張することも、示される。 フリーハンドの二次元超音波イメージから満足できる三次元的な再構成を行う には、超音波イメージを、共通の座標軸において、正確に空間的登録をすること が必要である。データの合成は、この登録の正確さを特に強調することになり、 すべての位置感知デバイスに伴うシステム的なエラーに対する補償が要求される (Detmer et al.1994;Moskalik et al.1995)。そうして、三次元データ・ブ ロックが生成され、それぞれのイメージからの強度データが、その適切な位置に 抽出される。電子的カルジオグラフ(electro-cardiographic = ECG)記録を用 いて、血管内の呼吸又は心圧(Cardiac pressure)サイクルなどの生理的運動を 補償する又はゲート制御する正確な方法は、そのような運動が再構成すべき構造 の一体性を混乱させたり変形したりしないことを保証するのに、好ましいことが 多い。また、この技術が何らかの実際的な応用例を有する場合には、このプロセ スからの出力は、走査を完了してから短時間の内に利用可能でなければならない し、また、他の医学的イメージ作成方法のために開発された高度に効率的なイメ ージ処理及び分析ツールを利用できる形式になっていなければならない。体積測 定を生成するのに適したコンピュータ・モデルを用いることはできるが、これが 、病理学に適切に対処できない可能性がある。再構成されたグレースケールのエ コー強度とそれに続く任意の体積測定及び分析に基づく自動化されたセグメント 化の結果を、十分な程度に信用し信頼するためには、生成された三次元超音波イ メージの質が、典型的な二次元超音波フレームによって表現されたものよりも優 れているように、改善されていることが必要となる。 従って、我々の最適な三次元超音波システムの好適実施例は、次の特徴を有す る。すなわち、 1.超音波走査装置は、回復不可能なほどには修正されない。 2.超音波走査のフリーハンドでの対話的な性質は、保持されている二次元分 析の場合のオプションと共に、可能な限りほぼ通常なものとして維持される。 3.すべてのデータは、心臓又は呼吸サイクル内の特定の周期に取得を限定す るのではなく、連続的に記録される。そして、後処理技術を用い、適切なイメー ジ・フレームを選択することができる。これにより、超音波走査を反復する必要 なく、異なる生理的状態におけるデータの再呼び掛けが可能となる。 4.二次元超音波イメージでの強度値は保存され、取得されたデータの再構成 、体積測定及びグレースケール分析を可能とする。 5.イメージの質は、典型的な二次元超音波によって表現されるものを超えて 改善される。 6.三次元データ・ブロックは、三次元イメージ分析製品と直接的に互換とな るように生成される。 以下では、装置に何らの危険も与えず、また、超音波イメージの従来の二次元 分析に戻ることができる可能性を損なうことなく、これらの規準を満足し、著し い効果を奏するシステムを説明することにする。 従って、好適実施例及び方法を、添付の図面を参照して説明するが、その際に 、これらの好適実施例及び方法の特定の特徴の重要性を強調する。単なる例を挙 げると、電磁気的な位置及び方向センサ(EPOS)を説明するが、走査スライ スにおけるデータ点の座標とEPOS受信機の座標との間のΔ変換の特定の計算 方法に、特に重点をおく。特許請求の範囲による一般的な特徴を超える好適実施 例及び方法の特定の特徴は、どれも、本発明自体の本質的な特徴ではなく、従っ て、別の特定のシステムにおける別の特徴をもって代替できることを理解すべき である。 本発明は、生物的なサンプルや生きた組織に応用されるものとして説明される が、例えば、製造された金属製の物体におけるきずやひび割れを検出する場合の ように、生命のない物体にも応用できる。 本発明は、超音波以外の放射を用いる走査や、フリーハンドではない走査にも 応用できることも理解すべきである。 図面の簡単な説明 本発明のよりよく理解のために、そして、それがどのように実現されるか を理解するために、この出願の最後に添付されている次の図面を例示として参照 する。 図1は、本発明の好適実施例のシステム構成要素の図である。 図1aは、図1の回路の詳細である。 図2aは、ポルヒームス(Polhemus)受信機と組み合わされた超音波トランス デューサを示している。 図2bは、図2aの装置に関する変換を示している。 図2cは、フレーム選択のために用いられる処理された信号を示している。 図3は、フォーム模型(foam phantom)の容量的再構成(volmetric reconstru ction)である。 図4は、図1のシステムによって作成される模型のイメージを示している。 残りの表及び図は、ワタナベ・ラビット(Watanabe rabbit)において実行さ れた診断用走査についての本出願における説明と、以下で論じられるように、人 間の頸動脈の分岐点(human carotid arterybufurcations)の走査とに関するも のである。 図面の詳細な説明 図1では、ポルヒームス送信機1が、走査されるべき目的物(object)に隣接 して固定され、電磁波を放出している。送信機1は、EPOSポルヒームス2に 結合されており、EPOSポルヒームス2は、東芝製スキャナ3とプローブ4と に堅固に結合されたポルヒームス受信機2aから信号を受け取る。 EPOSポルヒームス2、スキャナ3及びプローブ4に結合されている同期及 び処理ハードウェア5は、それ自体が、ビデオ・レコーダ6に結合されており、 イメージ・データを、そのビデオ・チャネルに提供する。その際に、位置決め( EPOS)及び生理(ECG)情報が、2つのオーディオ・チャネルそれぞれに 、提供される。 ビデオ・レコーダ6の出力は、記憶装置を備えているプロセッサ7に与えられ 、このプロセッサ7は、フレーム選択回路8に結合されている。 プロセッサ記憶装置の出力は、3Dグリッド・マップの再構成のために、 別のプロセッサ9に与えられ、他方で、PC10が、3Dグリッド・マップから 3Dイメージと測定値とを再構成するように構成されている。以下では、このシ ステムの機能を、3つのフェーズに分けて、説明する。 図1aは、同期及び処理ハードウェア5の詳細を示している。説明は後で行う 。 図2aは、図1のポルヒームス受信機2a、スキャナ3及びプローブ4の物理 的構成を示しており、パースペクス(perspex)ストリップが、受信機2aをそ れ以外の部分に接続している。 図2bは、スライス内に座標qrsを有する走査されたイメージ・データ・ス ライスにおける点と送信機1の座標系での座標XYZを有する点との間で変換を 行うのに必要な変換を示している。これらの変換の意義は、後に明らかになる。 システムの実現は、3つの異なるフェーズに分けられる(図1)。 ・S−VHSビデオ・テープへのデータ取得 ・データ抽出と三次元的な再構成 ・三次元的な再構成の分析と表現 図1のシステムの構成 II.1 S−VHSビデオ・テープへのデータ取得 フェーズ1は、超音波イメージ、その符号化された位置情報及び任意のECG 波形の、完全で連続的な記録から構成される。これら3つの入力が、S−VHS ビデオ・レコーダ6(日本の大阪府所在の松下電器工業株式会社製パナソニック AG7350)のビデオ及び2つの関連付けされたステレオ・オーディオ・チャ ネル上で捕捉される。超音波イメージ・フレームは、7.5MHz線形アレイ・ トランスデューサ4と適合する東芝製のSSH140a超音波スキャナ3(英国 クローリ(crawley)所在のトーシバ・メディカル・システムズUK)上に生成 される。登録のための位置情報は、図1aに示されたカスタム・ハードウェアに よって制御され同期がとられている電磁的位置及び向きセンサ(EPOS)であ る、ポルヒームス製の「3スペース・アイソトラックII」システム(米国バーモ ント州コルチェスタ所在のポルヒ ームス社)から得られる。また、このハードウェアによって、任意のECG信号 が、ビデオ・オーディオ・チャネル上への記録に提供したフォーマットに調整さ れる。 テープへの超音波イメージの取得 すべての超音波走査は、7.5MHz線形アレイ・トランスデューサ4と適合 する東芝製のSSH140a超音波スキャナ3を用いて実行される。イメージ生 成パラメータは、対象となる目的物(object of interest)の視覚化を最適にす るように予め設定されている。Bモードの超音波イメージが、毎秒31フレーム (fps)の標準的な速度で取得され、呼び掛け(質問、interrogation)の間 は、25fpsのより低い速度でS−VHSPALビデオ・レコーダ(パナソニ ック)を用いて連続的に記録される。残りの6fpsは、ビデオ読み出しの間は 、スキャナの内部フレーム・バッファからシステマティックに脱落される。1つ の呼びかけによって、約1万個の2Dイメージがビデオテープ上に生成される。 信号処理ハードウェア モジュラ信号処理ハードウェア5によって、位置及び任意のECG情報を、ビ デオ・レコーダの2つのハイファイ・オーディオ・チャネル上に記録することが 可能になる。 位置情報の記録 超音波トランスデューサの位置情報は、図2aに示されているように超音波走 査トランスデューサ3に付属しているポルヒームス社製の「3スペース・アイソ トラックII」である電磁的位置及び向きセンサ(EPOS)から、得られる。 図1aでは、手動で接点を1回閉じると、第1の処理モジュールが、プログラ マブル・コントローラII(PIC16C54)によって要求されるコマンド・ラインを、 EPOSに対して生成する。コントローラは、8MHzの水晶振動子によってク ロックされ、RS−232ライン・ドライバ(MAX233)を介して、9600ボー (baud)で動作するEPOSと通信している。コマンド・ラインは、出力リスト を、xyz線形座標にロール、ピッチ及びヨーに 対する角度を加えたものとして定義し、「キャリッジ・リターン」及び「ライン ・フィード」コマンドと共に散在する13のキャラクタから構成される。 同期パルスを受信すると(以下を参照)、EPOSは、その時点でのセンサの位 置に対応し、従って、現在のビデオ・フレームに対応する出力リストを送信する 。この出力バイナリ・データ・ストリームは、モジュールに戻され、ライン・ド ライバ12(MAX483)と分圧器13とを用いてスケーリングされて、S−VHS ビデオ・テープ・レコーダのオーディオ入力チャネルに適した0.4Vの振幅非 平衡信号を提供する。 対応する位置情報と共に記録されるそれぞれのビデオ・フレームに対しては、 スキャナとEPOSとの間の同期が必要である。後者は、「不連続」モードで動 作され、データ・ストリームを開始させるパルスを待機する。これを達成するた めに、スキャナからの複合ビデオ出力は、目的設定された「同期」モジュールに 運ばれる。複合信号は、同期セパレータ回路14(TDA8128)に与えられ、この 回路は、それぞれのビデオ・フィールドに対して出力パルスを提供する。それぞ れのフレームからの2つのインターレースされたフィールドとして、バイステー ブルな回路15(4013)が、2分割として用いられ、フレーム当たり1つの出力 パルスを与える。このモノフェーズのパルスが差動ライン・ドライバ16(MAX4 83)を付勢し、EPOSに外部同期信号を提供する。単純なダイオード・ポンプ 回路17もまた、フィールド・パルスを積分して、同期パルスの存在の視覚的確 認として、インジケータを点灯させる。 以上の処理は、位置情報が、対応するビデオ・フレームと同時にテープに送ら れることを保証するように設計されている。実際には、フレームの開始の瞬間と 位置データ・ストリームとの間には、約18msという若干の遅延(レイテンシ )が存在する。これは、デジタル・フレーム記憶媒体における後続の編集の間に 、正確に測定され補償される。 ECG記録 超音波呼び掛けを連続的に記録し器具のゲーティングを用いないことを選択す る場合には、生体への呼び掛けの際には、設備が提供されて、心臓サイ クルにおける時間的な位置に基づき、フレームが再構成のために選択されること を可能にする。必要なときには、調整されたECG信号が、ビデオ・レコーダの 第2のハイファイ・オーディオ・チャネルに記録される。 ECG調整モジュールは、2つの部分において考慮することができる。電気的 に孤立しているフロント・エンドは、外部の演算増幅器と共に構成された、50 の電圧ゲインを有する従来型の差動計測増幅器(West LothianのLivingston所在 のバーブラウン社)を有しており、中立的な電極のアクティブ・ドライブを提供 する。このフロント・エンドは、緩衝増幅器(バーブラウン社によるISO107)を 介してこの回路の第2の部分とインターフェースを有しており、この緩衝増幅器 は、また、前置増幅器とドライバとに対して、孤立した電源を与えている。被験 者に対する接地接続は存在しないので、結果的な分離(交流2500ボルト、r ms、直流3500ボルト)によって、安全な臨床的使用が可能となる。アイソ レータの出力は、可変減衰器を介して、回路の第2の分離されていない部分に接 続されている。これは、10倍の固定された直流ゲインを有する容量結合された 反転増幅器と、緩衝増幅器内の発振器によって生じる高周波のリプル・アーテフ ァクト(rippleartefact)を除去するローパス・フィルタとから構成される。こ の地点の出力ソケットは、高レベルの直流の分離されていない患者入力によるソ ケットへの接続によって、超音波スキャナ・スクリーン上の表示のための増幅さ れたECGを提供する。このECG段の第2の出力は、モジュール内を通って微 分器に至るように経路決定され、QRS波の強調とP及びT波の部分的な抑制と を行う。高速の時定数が、ベースライン・シフトを除去する。ECGのこの非常 にフィルタリングを受けたものが、スケーリングされ、ハイファイ・オーディオ ・チャネル(20Hzから20kHz)を介して、S−VHSビデオ・テープ・ レコーダに記録され、ビデオ・イメージと同時に記憶される。 図2cは、ビデオ・テープ・レコーダによってテープ上に記録されたECG及 びポルヒームス信号を示している。 ECGの代わりに、又は、ECGに加えて、従来型の手段によって検出さ れた呼吸信号を用いることもできる。 II.2 データ抽出及び三次元的再構成 フェーズ2は、それぞれが関連付けされたEPOS及びECGデータを伴った イメージ・フレームの連続的なシーケンスの、ビデオ・テープからコンピュータ への転送と共に開始する。この次には、そのイメージの内容及び/又は心臓サイ クル内のタイミングに基づくフレームの部分集合の選択と、最終的には、再構成 プロセスとが続く。 超音波イメージの抽出 ビデオテープからのデータは、96メガバイトのメモリ、ビデオ・オプション ・カード、及びコスモ・コンプレス(Cosmo Compress)による動画JPEG(Jo int Photographic Experts Group)ビデオ圧縮カードを用いて構成されている1 00MHZのシリコン・グラフィクス製のインディR4600PCワークステー ション7において、デジタル化される。4つの外部SCSIディスクが、インデ ィに接続されており、並行的に(Striped)、1つの高速の8ギガバイトのディ スク記憶装置を提供している。超音波イメージ(PALタイミングによる)を用 いてリアルタイムのビデオ取得を達成するには、コスモ・カード上のJPEGク オリティ・ファクタは、75%に設定され、ほぼ15:1の圧縮率を与えている 。データは、シリコン・グラフィクスのプロプラエタリ・ムービー・ファイル・ フォーマットで記憶される。典型的には、4分間のビデオが得られ、6000の イメージ・フレームを含み、600メガバイトを占めるムービー・ファイルを提 供する。 EPOS及びECGデータ抽出 ECG及びEPOSデータを含むオーディオ・ハイファイ・チャネルは、イン ディ・アナログ・オーディオ入力を用いて、48kHzでサンプリングされる。 シリコン・グラフィクス・フォーマットで作られるオーディオ・ファイルは、任 意の個別的なイメージ・フレームと関連付けされたオーディオが一意的に抽出さ れるように、ムービーファイルにリンクされる。そして、位置情報とECGとは 、任意の選択されたイメージ・フレームで運ばれ処理される。シリコン・グラフ ィクスのアイリス(IRIS)デジタル媒体ソフトウ ェア・ツールである、オーディオ・パネル、ビデオ・パネル及びキャプチャ(Au dio Panel,Video Panel,and Capture)が、適切なソフトウェアに補完されて 、すべてのデータ・キャプチャのためのユーザ・インターフェースを提供する。 イメージ及びオーディオ・フレームの検討と選択とは、ムービー・プレーヤ、ム ービー・メーカ及びサウンド・エディタ(Movie Player,Movie Maker,and Sou nd Editor)とそれらを補完するインハウスで書かれた適切なソフトウェアとに よって、提供される。 イメージ・フレームの選択 調査の対象である構造と関連する呼吸又は心臓サイクル運動が存在しないデー タ・セットに対しては、フレームの完全なシーケンス又は適切な部分集合が、開 始、終了及びフレーム期間を指示するカスタム・コマンド・ライン・ユーティリ ティを用いて、選択され抽出される。 心臓サイクルに関連する運動を除去するためにイメージのECGゲーティング が必要な場合には、これは、デジタル化されたQRS波形を用いて遡及的に行う ことができる。この目的のために、使用が容易なユーザ・インターフェースを備 えたユーティリティが開発されており、これによって、特定の範囲に含まれる継 続時間を有する心臓サイクルの中の位置に基づいて、フレームを選択することが できる。処理されたECG波形を含むデジタル化されたオーディオ・チャネルの 呼び掛けにより、サイクル長のヒストグラムが表示され、この中からユーザは、 最も妥当なサンプルを選択する。ユーザは、フレームが選択される心臓サイクル において、時間又はパーセンテージ・ベースのウィンドウを特定し、極端に長い 又は短い継続時間のサイクルの使用を回避する。それぞれの有効なECGサイク ルに対して、このウィンドウのエンド・ポイントの厳格な時間が計算され、ムー ビー・ファイルのイメージ・トラック上の対応するフレームにマップされ、「有 効フレームのリスト」ファイルが生成される。 典型的には、約500の有効フレームがそれぞれのデータ・セットから選択さ れ、三次元的に構成され、「有効フレームのリスト」ファイルに記録される。 イメージを同様に処理及びゲーティングして呼吸サイクルに関連する動画を除 去することが、同様に達成でき、ECG信号を、呼吸サイクルを示す従来技術に よって生成された信号によって、代替する。 イメージ・フレームの処理 超音波ビデオ・フレームのいくらかの予備的な処置が行われる。コスモ・コン プレス・カードによって32ビットの整数フォーマットでキャプチャされたデー タは、8ビットのグレースケール値に減少される。PALビデオのインターレー ス解除(de-interlacing)が提供され、テキスト、グレースケール・バー・ブラ ンク・スペース及びグリッド・ラインなどの冗長ビデオ情報が、除去される。最 後に、三次元再構成ソフトウェアによって処理されるデータの全体的な量を更に 減少させるために、イメージは、アナモルフィック・イメージ・スケーリング・ アルゴリズムを用いて、元のサイズの半分にスケーリングされる(Schumacher 1 991)。この予備的な処理によって、最終的な再構成の質を著しく妥協させるこ となく、データ・サイズを全体で約98%縮小させることが達成される。ムービ ー・ファイルからの抽出と要求されるフォーマットへの変換とは、カスタマイズ されたコマンド・ライン・ユーティリティと先に生成された「有効フレーム・リ スト」ファイルとによって制御される背景のバッチ処理によって実行される。我 々の100MHzのR4600ベースのSGIインディを用いると、このタスク は、1イメージ当たり3秒を要する。しかし、これは、現時点で類似のコストで 利用可能なR5000及びR10000ベースのシステムを用いる場合よりも、 かなりの短縮である。 超音波イメージ・データの三次元的な登録 図2aは、EPOS超音波トランスデューサ設置の物理的な構成である。 図2bは、座標系と変換とである。 我々のシステムでは、EPOS送信機1は、走査されている目的物の半径30 cm以内の便利な位置に配置され、データ取得の間を通じて固定されたまま維持 される。送信機の原点と軸とによって、固定された「登録座標系」(reqistrati on frame)が確立される(図2bでは、XYZと表されて いる)。EPOSの読み取りは、固定された送信機の座標系に対する、受信機2 aの位置と向きとを、従って、受信機の座標系(xyzで示されている)を、ト ラッキングする。座標系xyzにおける点の座標から座標系XYZにおける同じ 点の座標への変換は、Mで表され、EPOSから直接に得られる。EPOS受信 機2aは、トランスデューサ3、4に付着されているが、これは、このトランス デューサに確実に固定された短い(15cm)プラスチック製ストリップ上に取 り付けることによって行われ、それにより、電磁気的な影響が最小化されている (図2a)。超音波イメージ自体と関係付けされた座標系(qrsで表されるが 、qは常にゼロ)は、受信機の座標系xyzに対して固定されており、位置と向 きとの両方のオフセットを有する。並進(translation)と回転との両方を含む 変換を、二次元超音波イメージに関するEPOS受信機の位置と向きとを訂正す るために適応されなければならない。我々は、これを、デルタ(Δ)変換と称す る。この変換は、超音波イメージを適切に登録することができるのに先立ち、超 音波トランスデューサ上へのそれぞれの特定の設置に対して、一回だけ決定され なければならない。 特に、変換M及びΔは、共に、超音波イメージの座標系qrsを用いて測定さ れた空間内の点の座標を、登録座標系XYZにおいて測定された同じ点の座標に 関連させる。前者の座標をp(qrs)で表し、後者の座標をP(XYZ)で表 すとすると、次の方程式1が成立する。すなわち、 P(XYZ)=M*Δ*p(qrs) 又は、 p(qrs)=(M*Δ)-1*P(XYZ) =Δ-1*M-1*P(XYZ) デルタ変換の決定 デルタ(Δ)変換は、広い範囲のトランスデューサ角度及び位置を用いて、2 0%w/vのガラクトース溶液のバス(bath)の中につり下げられた2本の交差 したスレッド(threads)で構成された較正模型を走査することによって決定さ れる。ガラクトース溶液は、水の場合よりも正常な組織内の音の 伝送速度に、より正確に対応する、超音波のための伝送媒体を提供する。交差に よって、空間内に点が与えられる。この点の座標は未知ではあるが、EPOS送 信機に対して固定されている。シリコン・グラフィクスのインディにおいてデジ タル化を行った後で、交差を見ることができるイメージを含む座標系が、ムービ ーファイルから抽出される。これらの二次元の座標系は、表示され、交点の中心 のイメージ位置(r,s)が決定され、記録される。それぞれの姿勢(attitude )に対して、最低で2回の観察がなされ、合計で、この空間内の点を約50回観 察することになる。次に、この未知の固定された位置P(XYZ)とp(qrs )及びMという既知の値の対への変換Δ(方程式1)とに関する多くの過剰決定 連立方程式(over-determinedseries of equations)が、P(XYZ)とΔとに 関して解かれることになる。ここでは、開始トライアルΔと、それに続いて、Δ 変換を定義する3つの角度と3つの距離の最も急峻で適切な微調整とに基づく、 反復的なプロセスが用いられる。最小の規準関数は、グループ平均からP(XY Z)の個別的な評価を平方自乗平均として導くことである。結果として得られる Δ変換行列は、それ以後、スキャナのための「視野及びスケーリング」パラメー タの固定された設定に対する特定の超音波トランスデューサ/EPOS受信機構 成を用いるすべての再構成に用いられる。これらの2つのパラメータの設定がど のように変化しても、一般的に、その結果として、新たなqrs座標系が導入さ れ、新たなΔ変換行列を実験的に決定することが必要となる。そして、任意の2 つのΔの間には、その特定のトランスデューサに対して一意的な数学的関係が存 在する。 グリッド点マッピングを用いた三次元再構成 Δ変換を決定することによって、二次元超音波イメージを、固定された送信機 によって確立される三次元座標系に正確に登録するのに必要な超音波トランスデ ューサ/EPOS構成が較正される。第2の重要なステップは、グリッド・マッ ピングである。これは、傾斜した平行でない超音波平面上で観察されたデータ値 を用いて、通常の三次元グリッド上の点におけるエコー強度を、表現(presenta tion)、セグメント化及び分析のためのソフトウェ アと互換性を有するフォーマットで計算するプロセスである。このアプリケーシ ョンのために用いられるアルゴリズムは非常に効率的であることが本質的である のだが、その理由は、典型的な再構成には、500の登録座標系に含まれる約1 200万の値から成る入力データ・セットから、約200万の新たな位置強度値 を計算することが含まれることによる。 このアルゴリズムには、2つの可能性のある実現方法が存在する。第1のもの は、グリッド位置の通常のアレイを通過してシーケンス動作を行い、それぞれの 点において、グリッド値の計算に「妥当な」(relevant)USデータの部分集合 を識別して用いることを含む。第2のものは、入力データ点を通過してシーケン ス動作を行い、グリッド位置の「妥当な」部分集合への寄与分(contribution) を集積することを含む。いずれの場合にも、「妥当な」部分集合は、限界半径( limiting radius)Rを導入することによって、特定することができる。この限 界半径の中では、寄与分の相対的なウェイトは、データ点とグリッド位置との間 の距離rの関数になっている。第1のオプションの方がより直接的であるように 思えるが、第2のものの方が、より効率的である。USデータのシステム的な構 成を完全に利用することを可能にすることに加え、第2のアプローチは、限界半 径を効率的に用いて、三次元的な再構成の計算に用いられるグリッド点とデータ 点との対の数を著しく減少させることを可能にする。限界半径Rが、超音波座標 系上のデータ間隔やグリッド間隔(0.2mm)と同じ大きさである典型的な場 合には、全体的な計算時間の節約は、半径Rの球の体積に対するグリッド・マッ プされたボックスの体積の比に近づくことがありうる。アルゴリズムに内在する 並列的な性質に注意すると、この第2のアプローチは、現時点の計算技術を用い ると、ほぼリアルタイムの実現方法をサポートする潜在性を有している。我々の 実現方法は、第2のアプローチに従うものであり、2つの入れ子式のサイクルに よる「距離の逆数1/r」の重み付け方式を用いる。外側のサイクルは、個々の 二次元超音波フレームを通過してインデクシング(indexing)を行い、内側のサ イクルは、USフレームのそれぞれと関連するデータ値及び位置を通過してイン デクシングを行う。二次元超音波フレ ームが処理される際に、再生されるそれぞれのボクセル(voxel)に対して、2 つの和が、集積される。第1の和の項は、三次元的に登録されるときにはボクセ ルの中心から限界半径Rの範囲にあり、ボクセルの中心からデータ点までの距離 の逆数に等しいファクタによってスケーリングされた超音波データ点の測定され たエコー強度である。第2の和の項は、距離の逆数のスケーリング・ファクタ自 体である。これらの2つの和の最終的な値の比率は、ボクセルに指定された、正 規化され距離重み付けされた平均を与える。 三次元再構成グリッドの位置及び向きは、ユーザの選択によるKEY超音波フ レームとの関係で定義される。これは、典型的には、中心に位置し、対象となる 目的物の完全な断面を表すものである。EPOS送信機の座標系に対するKEY 超音波フレームの向き及び位置は、EPOSの値と、Δ変換を知ることとによっ て、決定される。三次元グリッドの原点は、KEYフレームの中心にあり、グリ ッドの軸は、この超音波フレームのものと平行である。EPOS送信機の座標系 と三次元再構成グリッドの座標系とに関する変換は、KEYフレームの中心の座 標と向き付けされたKEYUSフレームの正規化された軸ベクトルとから得られ る。 II.3再構成の分析及び表現 システムのフェーズ3は、エコー強度の再構成された三次元アレイに内在する 情報のセグメント化、表現及び分析をカバーする。 イメージ分析及び測定は、IBMから市販されているソフトウェアである、T OSCA(Tools for Segmentation,Correction and Analysis)及びDX(Dat a explorer)によって提供される。これらのソフトウェアは、128メガバイト 以上のメモリ、3ギガバイトのディスク、80MHzのプロセッサ、及びGT4 Eグラフィクス・アダプタを備えて構成されているパワーPCUNIXワークス テーション上で動作する。TOSCAは、自動グレースケール・セグメント化の ための三次元的な領域成長(region-growing)アルゴリズムを実現している(El liot et al.1996;Sivewright et al.1994)。ウィンドウ及びレベル・パラメ ータによって特徴付けられるユーザの選択したシード・ポイント(Seed-point) の直 接的な近傍におけるボクセル値に対する統計を用いて、アルゴリズムは、同じ関 心領域(region-of-interest = ROI)に包含させるために隣接するボクセルをテ ストし、シード・ポイントの統計と一貫する連続的なボクセルが存在しなくなる まで、このプロセスを反復する。表示の目的だけのために、表面の滑らかな輪郭 が生成されてROIに境界を与え、体積が、滑らかにされた表面によって境界が 与えられた体積を評価するのではなく、統計的に受け入れることのできるボクセ ルを計数することによって、決定される。このような体積の評価は、ROIの境 界が強度の点で十分に連続性と一様性とを有する場合には、輪郭形成(contouri ng)技術やエッジ検出アルゴリズムに基づく他の方法を用いて得られる結果に匹 敵する。 処理の後で、すべてのデータ・セットは、再構成されて表示されるが、この処 理には、通常で、30分はかからない。模型の通常の形状(後の説明を参照)で は、形状の変形又は破壊に関する再構成の自覚的な評価が可能であり、形状の明 白な変形又は破壊は認められず、フォーム・ラバーの模型を吊すのに用いた0. 5mmのワイヤの識別でさえ成功した(図3)。我々のシステムにおける3つの 重要な要素は、次の通りである。 1)空間における2次元超音波データの個別的なフレームの位置決めに関して 高精度が得られ、それによって、広範囲の構成されたデータ・セットを三次元的 に正確に「登録」し、再構成プロセスにおいて効果的に用いることができる。 2)一般的なUNIXワークステーションを用いて短時間で容易に、三次元的 な再構成を生成することを可能とする非常に効率的な「グリッド・マッピング」 を実現する。 3)グレースケール・エコー強度値に基づいてセグメント化を行う性能とよい 相関関係を有する客観的な「イメージ品質の測度」を開発すること。 Δ変換の正確な決定は、イメージ再構成における最初の重要なステップである 。それによって、超音波トランスデューサの較正、すなわち、二次元超音波イメ ージを固定された送信機によって確定される三次元座標系に正確に登録するのに 必要なEPOS送信機の構成が得られる。次の重要なステップ は、「グリッド・マッピング」であり、これは、超音波強度値を、表現、セグメ ント化及び体積評価を含む分析用の市販のソフトウェアへの入力に適した通常の 三次元グリッド上にマップすることを含む。 グリッド・マッピングは、多数の傾斜した平行でない二次元超音波平面上で観 察されたデータ値から、通常の三次元グリッド上の点における超音波エコー強度 を計算することを含む。このアプリケーションに用いられるアルゴリズムは効率 的であることが非常に重要であるが、その理由は、典型的な再構成には、それぞ れが25000のエコー強度値を有する約500のフレームを含む入力データ・ セットから100万から200万の値を計算することが含まれるからである。 エコー強度の数及び分布は、それぞれの三次元グリッド点の周囲で観察された 、走査パターン、座標系の選択及び半径に依存する。それぞれのグリッド点に割 り当てられた1つの値は、この半径内で観察された超音波エコー強度を表現して いなければならない。これは、切断半径(R)を通常は0.25mmに設定した 上で、1/rの重み付け方式によって達成される。この切断半径の設定は、典型 的には0.2mmである超音波イメージ平面におけるデータ点間の離間距離より も、僅かに大きい。データ点が十分に稠密であれば、結果は、重み付け方式の具 体的な関数形式には、影響されない。 具体的な我々の実現例は、以下の通りである。外側サイクル内では、二次元超 音波フレームの位置及び向きは、グリッドの座標系に対して計算される。次に、 グリッドに境界を与えているボックスが、超音波イメージ平面上にマップされ、 再構成に関係するすべてのデータ点を含み元々確定されており各辺が超音波フレ ームと平行な矩形の限界(limit)を表すインデクス(x及びy)が計算される 。これは、グリッドの8つのコーナーの座標を、データ・フレームの座標系に、 その原点と向きの余弦とを用いて変換することによって行われる。超音波データ 平面(z=0)とグリッドの12のエッジとの交点が決定され、x及びyの限界 は、離散的なデータ・インデクスによって表される。データ平面がグリッド・ボ ックスを通過する場合には、最小で3つ最大で6つのエッジが交差する。x及び yのインデクスがこれらの限界の外 にあるデータ点は無視することができ、それによって、内部サイクルの計算サイ ズを減少させることができる。場合によっては、例えば、プローブが掃引の間に サイド位置決めされる際にフレームがキャプチャされる場合には、このテストに よると、データ平面の全体を、最小の計算によって処理することができる。 内部サイクルは、x及びyのインデクス範囲の限界内部にあるデータ点を通過 してシーケンス動作をする。三次元座標系の場合のように、これらのデータ点は 、通常の正方形の格子の中に存在するが、部分的な三次元グリッド・インデクス によって表現されたそれぞれの点の位置は、超音波データのローとコラムとに沿 った単位変位を特定する2つのベクトルを用いて、漸増的(incrementally)に 計算することができる。選択された限界半径(R)に対しては、1/rの重み付 け関数を用いると、それぞれの最終的なグリッド値は、個々の寄与分の数と、そ の個々のウェイトと重み付けされたエコー強度との和とから、計算することがで きる。 この目的のために、グリッドは、線形位置インデクスの適切なマッピングを備 えた3xNのアレイによって表される。それぞれのグリッド位置に対するこれら の3つの和は、それぞれのUSデータ点が処理される際に、集積し、「関係する 」サブグリッド位置に対応するインデクスのそれぞれに対して、寄与分が計算さ れる。我々のプログラム・コードは、超音波データ点がグリッドマップ点と厳密 に一致するような特別の場合を処理する準備もできている。 データ平面及びデータ点の上でのサイクルが完了すると、すべてのグリッド点 それぞれに対する強度(輝度、intensity)値が、重み付けされた強度の和を重 み(ウェイト)の和で除算することによって、計算される。 特定の要件をサポートするために、3つの追加的な設備が実現される。 1)再構成ボックスの寸法は、「フリンジ」パラメータに等しい量だけ拡張さ れる。これは、2つの隣接する再構成を1つのブロックの中に合成するのに用い られる。この場合には、「フリンジ」は、限界半径(R)と同じ値に設定され、 2つのボックスが接触する潜在的なエッジ効果を回避する。こ れにより、実際のボックスの外部ではあるが、ボックス表面上にある又はボック ス表面に近接するグリッド点の限界半径内にあるデータ点を、計算に含めること が可能となる。 2)ある範囲の超音波フレーム密度を扱うために、値を割り当てられるべき任 意のグリッド点に対して存在しなければならない最小の数の寄与分を特定するパ ラメータが、実現される。このパラメータに対する設定は、グリッドの解像度と 限界半径(R)とによって影響される。 3)KEYフレームの向きから著しく偏向したデータ平面は、拒絶することが できる。角度が特定の値(典型的には、45度)よりも大きい場合には、キー平 面とすべての他の寄与するデータ平面とに垂直であるベクトルの角度が計算され 、すべての候補となる平面を拒絶するというオプションを用いてテストされる。 ゼネカ三次元超音波環境 ゼネカ(zeneca)社内で開発されたシステムは、超音波イメージ作成のための 既存の三次元システムと比較して多くの長所を有している。スキャニングは、フ レームのステップ取得を用いるのではなく、リアルタイムでフリーハンドで達成 され、通常の二次元スキャニング手順及び測定へのアクセスを与える。登録され たデータをビデオテープ上に記憶することで、通常の二次元で検討することがで きるコスト効率のよいデータ記憶システムが得られる。データ・セットの組又は 一部を、取得の後の任意の時点で三次元システムにロードすることができる。 三次元処理の間を通じて、元の超音波強度データが、保持される。これにより 、表面のレンダリング(rendering)及び視覚化に加えて、構造内のデータへの 呼び掛けの機会が得られる。 デジタル化されたデータ・セットからイメージ・フレーム部分集合を選択する ユニークなシステムによって、心臓サイクル内の正確な時点でのデータの呼び掛 けが可能となる。 三次元目的物の再構成は、心臓サイクル内の特定の間隔で得られ、心臓サイク ルの間の圧力変化の結果生じる、任意の運動又は構造的な変化が識別さ れる。 このシステムはまた、MRIやCTなどの他のイメージ作成方法のために設計 された現在の技術水準の自動セグメント化パッケージを用いての体積測定に適し た三次元データブロックの出力を特徴とする。 要約すると、我々が三次元データ・ブロックを生成するために設置しているシ ステムは、次のような特徴を有する。 *フリーハンド・スキャニングである。すなわち、装置又は通常の二次元スキ ャニングを著しく変更することなく、超音波診断装置と保存すべき呼び掛けとの 間の強力な相互作用が可能となる。関心対象である特徴は、より完全に直感的に スキャンされ、この結果として、その領域におけるデータ密度が増加する。うま く画定されていない境界や陰付き(shadowed)の領域は、別の角度からスキャン され、そのデータがデータセットに寄与する。 *生成されたデータ・セットは、市販の三次元分析(=解析)ソフトウェアに おいて、分析される。合成されたデータは、どの音波発生角度からも独立してお り、自動化されたグレースケール・セグメント化技術に適しているコヒーレント ・データを提供する。元のデータは、データ・ブロックを生成するプロセスの間 を通じて保存され、別個に分析されて、データ取得密度、探索された音波発生角 度、寄与するデータ値、及び統計が決定される。 *データをS−VHSビデオテープに記憶することによって、コスト効率がよ く効率的なデータ記憶媒体が得られる。ビデオは、二次元データ取得、又は、三 次元データ出力に関して、検討することができる。ビデオの一部は、三次元的な 分析を必要とする興味ある特徴のためにキャプチャすることができるし、また、 患者の再検査を必要とすることなく、心臓サイクルの異なるセグメントの間に、 遡及的にキャプチャすることもできる。個々の呼び掛けからのすべての三次元デ ータが、空間的に登録され、それによって、ビデオの異なる部分からキャプチャ した場合であっても、構造の間の関係が明らかになる。 *データ・ブロック生成のすべてのプロセスが、線形アルゴリズムを用いる。 従って、処理時間は、そのブロックの生成に用いられたフレームの数に 比例する。処理アルゴリズムが線形であるから、並列処理やシリコン・チップ技 術を用いることにより、パフォーマンスをかなり向上させることが可能である。 三次元データブロックの出力が、近い将来には、リアルタイムに近い状態で達成 することができると、自信を持って予言することができる。 *三次元データ・ブロックの生成は、我々が用いている分析パッケージ(IB M−DX及びTOSCA)とは独立であり、任意のUNIXベースのワークステ ーションに移植可能である。 更なるシステムの詳細 電磁気的な向き及び位置センサ(バーモント州コルチェスタ所在のポルヒーム ス社による)が、スキャニング・トランスデューサに付着しており、生成された それぞれのイメージ・フレームに対して自由度6の正確な位置情報を提供する。 イメージ・フレームの正確な空間的位置決めを可能にする変換行列を、それぞれ のセンサ/トランスデューサの組合せに対して確立しなければならない。 関心対象の目的物のフリーハンドでの自由動作(25fps)スキャニングが 、ビデオテープ(S−VHS)に記録され、同時的なECG、呼吸及びポルヒー ムス登録データは、オーディオ・チャネル上に記憶される。(テープの帯域幅は 、2−20kHzである。) これらの信号は、ビデオに接続されたゼネカ社製造のハードウェア・モジュー ルによって、処理され、イメージ・データとの同期がとられる。モジュールは、 スキャナからのビデオに対する同期を用いて、ポルヒームスに同期パルスを提供 する。ポルヒームスは、このイメージ・フレームに対する位置情報を出力する。 バイナリRS233ポルヒームス情報は、次に、バッファされ、これが、ビデオ ・テープレコーダのオーディオ・ハイファイ・チャネル1上でキャプチャするこ とを可能にする。ECGの入力も、同様に、バッファされ、プニューモトレース II(米国カリフォルニア州UFI)からの呼吸信号と多重化され、周波数変調 されて、呼吸の遅いフェーズを保存し、ハイファイ・チャネル2の上へのキャプ チャが可能になる。 ビデオ(イメージ及びオーディオ両方のデータ)は、次に、リアルタイム のフレーム・グラバ(15:1のJPEG圧縮を用いるSG−COSMO)を用 いて、シリコン・グラフィクス製のインディ・ワークステーション上にデジタル 化される(5分間のビデオに対して、約7500フレーム)。周波数変調された オーディオ・チャネル2信号は、キャプチャ前に復調される。オーディオ信号は 、それぞれのチャネル上で、48kHzでオーバサンプリングされる。 IRIX媒体を用いるカスタム・リトゥンの(カスタマイズして書かれている )グラフィカル・ユーザ・インターフェースによって、心臓サイクルと呼吸フェ ーズとの正確な部分において生じているイメージ・フレームが抽出されることが 可能になる。これは、ECG/呼吸トレースのオーディオ・ファイルを用いて心 臓サイクルの間隔を認識し、関連するイメージ・フレームとポルヒームス・デー タとを識別する。典型的には、500フレームのデータ・セットが抽出される。 別のカスタム・リトゥンのソフトウェアが、位置情報を復号化し、変換行列を 適用して、イメージ・フレームを空間的に位置合わせし、グレースケール情報を 通常の三次元データ・ブロックに抽出する。このソフトウェアは、指定された半 径から所定のデータ点までデータを清掃することによって、指定されたデータ・ ブロック内の任意の1つのデータ点の様々な角度からの複数の観察を提供する。 この「合成された」グレースケール・データは、このプロセスが「スペックル」 を減少させセグメント化アルゴリズムに対してコヒーレントなデータを提供する という点で、著しく強化されたイメージを提供する。 III.方法及びシステム評価 このシステムは、3つの規準を用いて評価される。すなわち、アテローム動脈 硬化性プラーク(atherosclerotic plaque)や小さな腫瘍と遭遇した範囲内の体 積の正確な評価を提供する能力と、注意深く登録した空間的な合成を通じて全体 的なイメージの質を向上させる能力と、臨床的に有意義な生体の再構成を実行す る能力と、である。最初の2つの研究では、室温で、ガラクトース溶液を用いて スキャンされた模型を使い、イメージ深度のスキ ャナの内部較正に内在する組織に対する1540m/sの音速にマッチさせた。 III.1模型の研究 このシステムの再構成及び体積測定の正確さは、体積が0.9から8.0ml までの、水が充填された一連のバルーン模型を用いて評価される。これらの模型 は、20%w/vガラクトース溶液のバスの中に配置され、それぞれが、以上で 説明したシステムを用い、複数回のフリーハンドでの送信を行い広範囲の音波発 生角度を用いた。三次元的な再構成の後で、TOSCAによって提供される自動 グレースケール・セグメント化及び分析ツールを用いて、体積を、測定する。測 定の後で、ラテックス製バルーンは、乾燥させ、計量する。次に、バルーンに穴 を開け、乾燥させて、再び計量する。バルーンの中から抜かれた水の体積は、室 温(22℃)での密度の値を0.9978gm/mlと想定して、この重量差か ら得られる。 第2の一連の模型を用いて、異なる形状の体積を求めるだけでなく、内部的な 構造及び組織(texture)を導入する。これらの模型は、既知の直径のコルク穿 孔器によってフォーム・ラバーのブロックから切り出し、約0.75、1.00 及び2.50mlの体積を与える長さに形状を整えた円柱である。これらの模型 は、20%w/vガラクトース溶液のバスの中で再びスキャンされる。「ぬれた 」断面の直径と円柱の長さの測定が、体積の計算のために、二次元超音波イメー ジからなされる。この場合は、変位によるより直接的な体積評価は不可能である 。というのは、フォーム内のセルの一体性を保証することができないからである 。結果的に、それぞれの円柱の長さと直径とが、それぞれのスキャンにおいて3 つの位置で測定され、これらの観察の平均値が、「最良の評価値」を計算するの に用いられる。これを、予め設定したレベル及びウィンドウにおける三次元デー タ・ブロックのセグメント化に基づく体積成長アルゴリズムによってTOSCA において再び測定された三次元体積と比較する。レベルとウィンドウとは、デー タ・ブロック内の目的物を横断する強度値のプロファイルを表示し、「レベル」 の平均値と適切な「ウィンドウ」とを選択して目的物のエッジの輪郭を決定する ことによ って、選択される。二人の観察者がそれぞれのデータ・セットを、自らが好むレ ベルとウィンドウとを用いて測定する。それぞれの模型に関する2つのデータ・ セットは、独立に処理されることで、この方法による体積測定の再現可能性と客 観性とを評価することが試みられる。 III.2 イメージの質の研究 複数の音波発生角度を用いて得られた高密度のサンプリングされたデータをグ リッド・マップすることの効果を、二次元イメージの比較によって調べる。一方 のイメージは、超音波取得ビデオから直接にとられた「キー・フレーム」であり 、他方は、グリッド・マップされた三次元のデータ・セットの中心フレーム又は 平面である。この再構成された平面は、位置と向きとにおいて、入力「キーフレ ーム」と同一であり、このデータ密度でのすべての再構成された平面の質を表し ている。結果が意味を有するためには、ROIの境界が正確に画定されているこ とが、この研究では重要である。上述のフォーム・ラバー模型は、ガラクトース ・バスに対する高コントラストのインターフェースと、境界のエコー生成に関す る高い一様性とを提供するように選択される。 これらのイメージと寄与するデータとの統計的な分析が提供される。すなわち 、イメージ全体に対する平均ピクセル値と、それぞれのグリッド点に寄与する二 次元超音波データ値の数と、計算された平均ピクセル値への重み付けされた寄与 分の変動係数百分率(percent coefficient of variation= % CoV)と、である 。これらによって、個々のピクセル値の質が特徴付けられる。%CoVは、他の イメージ作成方法において遭遇する「信号対雑音」比の超音波におけるアナロジ として機能し、従って、スペックル・コントラストの直接的な測度である(Hern andez et al.1996)。統計的なセグメント化ツールがグレースケール強度に基 づいて関心対象の体積(VOI)を生成する能力を特徴付ける必要がある。これ は、以下で述べるように、VOIの境界を形成するピクセルの強度の「コヒーレ ンス」を考慮することに関係する。 コヒーレンスの単純な測度は、固定されたレベル(40)とウィンドウ(2) とにおけるインターフェース境界において識別されたピクセルの数と、IBMD X環境における境界に沿ったピクセルの強度の変動とを調べることによって得ら れる。固定されたレベル(40)で連続的な境界を生じさせるのに要求される「 セグメント化ウィンドウ幅」は、このコヒーレンスの逆数の類似ではあるが独立 な測度を与える。 より自動でありツールと独立な測度は、二次元イメージ平面におけるそれぞれ のピクセル位置に、次に示す3x3の反転距離(inverse distance)フィルタ( F)を適用することによって、実現される。 次に、イメージにおけるそれぞれのピクセルに対するフィルタの結果を、元の ピクセル値と百分率で表された結果の絶対値とによって、正規化する。これらの 百分率の値は、ディスプレイをカラーコードして、関心対象の領域内のコヒーレ ンスが高い又は低い領域を明らかにするのに用いられる。その際に、より大きな コヒーレンスは、より低い百分率の値で表されている。これらの百分率の値の平 均を領域の全体にわたってとることによって、全体的なコヒーレンスの測度が得 られる。特に、我々は、再構成されたマップ又は個々の平面に対する「コヒーレ ンス数」を、100をそのマップ又は平面に対する百分率の値の平均で除算した 値として定義する。 IV.結果 再構成 処理の後で、すべてのデータ・セットは、再構成され表示されるが、処理には 、通常で、バッチ処理の時間も含めて、30分も要しない。通常の形状の模型で あれば、形状の変形や破壊に関する再構成の視覚的評価が可能である。すなわち 、形状の明白な変形又は破壊は認識され、フォーム・ラバー模型をつり下げるの に用いられた0.5mmのワイヤでさえも、成功裏に区別される(図3)。 このように実現されたシステムの空間解像度は、平面内の解像度が0.1mm である二次元超音波イメージの半分のサイズへのアナモルフィックなスケーリン グから、0.2mmという理論上の等方的(isotropic)な限度を有している。 二次元イメージの平面外の解像度は、トランスデューサのビームの厚さのプロフ ァイルによって制御され、焦点深度においてでさえも、1mmのオーダーである 。複数の音波発生角度での空間合成技術を用いない場合には、これよりもはるか に大きな値が、空間解像度特性を支配し、それらは、著しく異方的(anisotropi c)となる。システムの空間解像度が理論値に接近する程度は、合成の程度(超 音波平面の数と音波発生角度の広がり)とイメージの登録に用いられるΔ行列の 質とに依存する。交差ワイヤ模型を用いてのΔ行列決定に関する統計に基づいて 、システムの空間解像度は、0.5mmの等方性を有すると判断される。この数 字は、0.18mmという関連する標準偏差を有しており、結果の質と紙全体に 表現されたイメージとの一貫性を有する。 体積決定の精度 バルーン模型からの体積測定は、TOSCA内のグレースケール・セグメント 化ツールがバルーンの内部表面を検出することができるという点で、直接的であ る。この表面内でのグレースケール・セグメント化は、1.1%の精度のrms を有する再生可能な体積を提供する(表1)。表1は、この明細書では、後に掲 載されている。 フォーム円柱の最もよい評価値は、次の式によって、平均の直径及び長さの測 定値から計算される。ただし、この式において、dは、円柱の平均の直径であり 、Lは、平均の長さである。 Vol=π(d/2)2・L 体積に対する全体的な平均値が、正確な決定のために得られ、それぞれの模型 に関する独立のデータ・セットからの体積に対する個々のオペレータの値が、再 生可能性のために、得られる(表2)。表2も、この明細書では、後に掲載され ている。 フォーム模型の体積測定は、二人の観察者が、それぞれ、3回の測定を行 う。 二人の独立の観察者による、それぞれのフォーム模型からの2つのデータ・セ ットの3回の測定の結果として、よい全体的な再現可能性が得られる。観察者1 は、三次元的な分析に対する全体として1%のCoVと比較して、モデル・ベー スの体積計算に対して、5%から2%までのCoVを示した。第2の観察者は、 三次元的な分析に対する1%に対して、モデル・ベースの体積計算に対し、2% のCoVを示した。三次元的な再構成の全体的な精度は、1.4%(テストと再 テストの間)と1.3%(観察者の間)というrms変動係数によって示されて いる。 イメージの質の相対的測度 のちに掲げる表3は、現実のイメージ平面と再構成されたイメージ平面との統 計的な性質を示している。 すべての場合に、「合成された」グリッド・マップされた再構成は、インター フェース・コヒーレンスに関し、従って、強度値に基づいて関心対象の体積をセ グメント化する能力に関して、非常に著しい改善を示している。a)フォーム・ ラバー模型を用いて高コントラストのインターフェースに相対的に一様な境界密 度を与え、b)「キー」二次元平面による三次元グリッドの位置決めを用いるこ とにより「現実の」データ平面と再構成されたデータ平面との直接的な比較がで きるようにすることによって、合成され、フリーハンドのスキャニングによる高 密度サンプリングされたデータ・セットに基づく再構成によって達成することが できるイメージの質の改善を数値化することが可能となっている(表3、図4a 及び図4b)。 再構成の際に合成が用いられる程度は、角度の範囲と、再構成された中央の平 面内のそれぞれの値を計算する際に用いられた超音波データ点の平均の数とによ って、示される。この平均は、入力データ・セットにおける超音波フレームの数 とグリッド・マップされた限界半径(R)との両方と共に増加する。グリッド・ マップされた体積全体に対する統計を用いると、グリッド点当たりで用いられる データ点の平均数と、フレーム数と限界半径の立方との積との間には、非常に強 い相関関係が存在することが示される(15回の 観察での線形回帰係数は、0.999998)。平均では、寄与している超音波 イメージ・フレームからの60の値(表3)を用いて、再構成されたデータ・ブ ロックにおける1つのボクセルの値が決定される。これと比較して、従来の二次 元イメージでは、ただ1つである。 再構成の際に用いられる1/r重み付けされた値の百分率変動係数(CoV) は、再構成におけるそれぞれのピクセルに対するグリッド・マッピング手順の間 の平均をとられた値の分散の一貫性(consistency)を示している。表3に示さ れている例では、平面全体でとられた平均のCoVは、0.23%である。 固定されたセグメント化レベルに対する境界の連続性の評価は、関心対象の体 積(VOI)に対して連続的な境界線を確立するのに必要な「ウィンドウ」の幅 を決定することを含む。これらの属性は、グレースケール強度値に基づいて構造 をセグメント化する能力に直接に関係する。表にした結果(表3)は、再構成さ れた平面におけるピクセルの平均値である、40の「レベル」設定に対応する。 次に、「セグメント化ウィンドウ幅」が、量的に連続であり途切れていない境界 を得るためには、再構成された平面におけるVOIに対して、±3.1(レベル の15%)に設定されなければならない。これは、二次元超音波イメージの場合 に同じ効果を得るのに必要な±8.5(レベルの42%)のウィンドウ幅と比較 して優れている。 ウィンドウ・パラメータの標準的な設定によって検出される境界線におけるピ クセルの数をカウントする、より量的な連続性測度は、同様の改善を示す。 あるVOIの境界線に対して、345の最大ピクセル数が、±2(レベルの1 0%)のウィンドウにおいて、0.5mmの限界半径(R)を用いてグリッド・ マップされた1000のフレーム再構成から得られる。典型的な再構成の例(5 00のフレーム、R=0.25mm)で、同じ±2(レベルの10%)のウィン ドウを用いると、元の二次元超音波平面の場合の121(最大値の35%)と比 較して、三次元の再構成された平面では、300の境界ピクセルが検出される( 最大値の87%)(表3)。この2倍から3倍の境 界ピクセル数の増加は、(a)グレースケール強度と構造の境界とに基づく容量 的(volmetric)なセグメント化を実行する統計的セグメント化ツールのパフォ ーマンスと、(b)再構成された模型の三次元的表現との両方において見られる 改善に直接的に寄与する(表3)。 導かれた「コヒーレンス数」(方法についてのセクションを参照)は、用いる ツールとは独立のグレースケール強度をセグメント化する能力に関する抽象的な 測度を提供する。平面の統計的な分析から生じるコヒーレンス数は、次の3つと よい相関関係にあることが分かっている。すなわち、 1)TOSCAセグメント化の容易性と一貫性とに基づく、イメージの質の定 量的な評価と、 2)適切な「レベル及びウィンドウ」選択に対応する値の狭い範囲内にあるピ クセルだけを表示することによって明らかになるインターフェースの外観に基づ く、イメージの質の定量的な評価と、 3)「セグメント化ウィンドウ幅」を用いる構成要素であるインターフェース のエッジ連続性に基づく、イメージの質の定量的な評価と、である。(17回の 観察による線形回帰係数=0.9737) すべての場合に、「合成された」超音波データ・セットのグリッド・マップさ れた三次元的再構成は、インターフェース・コヒーレンスと、関心対象の構造を グレースケール強度からセグメント化する能力とにおいて、著しい改善を与える 。 V.検討(DISCUSSION) 得られた結果によれば、二次元超音波スキャニング技術を用いて得られたデー タを再構成して高い質を有する三次元エコー強度イメージを提供することができ るという仮定が支持される。これらの結果は、信頼でき一貫したグレースケール 構造のセグメント化と、体積の正確な測定(及び連続的なモニタリング)を支持 することができる。鍵となるのは、次の点である。 ・フォーム・ラバー模型の表面レンダリングされた三次元再構成は、模型の円 柱状のボディの詳細だけでなく支持ワイヤ(直径が0.5mm)まで明確に示し ている。 ・表1及び表2は、水か充填されたバルーンと円柱状のフォーム・ラバー模型 とを用いた体積測定に関して、高い精度と再現可能性が得られることを示してい る。 ・百分率変動係数は、密接にグループ化される基準平面の三次元再構成に用い られる1/r重み付けされたピクセル値の分散を示しているが、平面全体(13 000ピクセル)に対する平均値は、500フレームの再構成の場合で0.25 %である(表3)。有効な「信号対雑音」の数値は、1:400である。 二次元超音波イメージ・フレームと、フォーム・ラバー模型の三次元的に再構 成されたイメージから抽出された同じ平面に対するエコー強度とを比較すると、 狭い範囲のピクセル強度が選択されるときに得られるインターフェースの連続性 には違いがあることが示される。識別される可能性がある345のピクセルに対 して、従来の二次元イメージは、これらの35%を有するに過ぎないが、500 のフレーム再構成からの平面は、87%を有している(表3)。 ・TOSCAレベル及びウィンドウ・タイプのアルゴリズムを用いてのセグメ ント化の容易性と信頼性とを特徴付けるコヒーレンス数は、「現実」の二次元イ メージ平面(13000ピクセル)の平均である51から、500フレームの再 構成の場合の190に改善する(表3)。この370%の改善は、2x2のボッ クス・フィルタを用いての「平滑化」(smoothing)の前後でイメージに対する コヒーレンス数を比較した場合よりも、オーダーが1つ上である。 以上で説明したアプローチの威力は、広範囲(extensive)の合成された(com pounded)データ・セットのフリーハンドでの取得に起因する。第1に、フリー ハンドであるという側面により、直感的なスキャニングを利用することができ、 最も関心のある領域において高密度のデータを取得できることが確実になる。第 2に、広範囲のデータ・セットと二次元超音波イメージの三次元的な再構成のた めのΔ行列による定式化とによって達成され得る精度と関連して、上述のグリッ ド・マッピング手順により、三次元再構成にお けるそれぞれの点に対するエコー強度が非常の多くの観察されたデータ値から計 算されることが保証される。第3に、合成することにより、再構成点の直接の近 傍におけるエコー強度の広範囲な位置的なサンプリングと、広範囲の音波発生角 度とが保証され、その結果として、スペックルの削減が生じる。イメージの質の 全体的な改善により、グレースケールの三次元的なエコー強度に基づく、信頼で き正確な構造のセグメント化と体積の評価とが可能になる。最後に、再構成のフ ォーマットによって、かつてはMRIやCTに独占されていた進んだサン時点分 析環境における超音波イメージ・データの日常的な扱いが可能となる。 グレースケール強度に基づく超音波データのセグメント化能力は、今日まで、 議論がある。これは、スペックルによって汚染されたままである二次元又は三次 元超音波イメージをセグメント化しようとする試みから生じたものである。また 、同じ目的物に起因するグレースケールが、スキャニング装置の間で著しく異な るという事実も依然として存在している。この研究では、信頼できる自動化され たグレースケールセグメント化は、合成されたデータの高密度のサンプリングが 達成されグリッド・マッピング手順と共に用いられた後でのみ達成される。標準 的な統計的セグメント化方法を成功裏に用いることができる、必要なレベルのコ ヒーレンスを伴った再構成が、その次に、得られる。IBMのTOSCA製品は 、データ・ブロックの代表的なスライスの全体で得られる強度のプロファイルを 提供する。これにより、適切なレベル及びウィンドウが、関心対象の領域に対し て選択され、ブロックを通じてのセグメント化のために用いられることが可能と なる。そして、基準となる特徴を用いて、装置とそれ以降のデータ・セットとの 間の構造と強度との相関関係が与えられる。これは、3つの超音波スキャナと、 2つの較正された7.5MHz線形アレイ・トランスデューサ/EPOSセンサ 構成とを、様々な組合せで用いることによってチェックされる。 上述した方法の更なる長所は、三次元的なイメージ作成技術すべてに共通する ことであり、容量分析における二次元データに内在する限界に起因するものであ る。任意の三次元イメージは、一連の平行な二次元平面イメージと 考えることができるが、二次元データを用いての体積の評価では、比較的少数の 独立の平面が用いられる。これらは、1組の一次元又は二次元パラメータを確立 して三次元「モデル」を定義し、その体積を計算するのに用いられる。予測され る体積の質は、パラメータの測定の正確性と、選択される平面がモデルの幾何学 的な要求を満足する精度と、その構造がモデルに「一致する」程度とに依存する 。主な限界は、「モデル」自体の中に存在する。単純なモデルでは、構造の対称 性や規則性について仮定を設けている。最も適切なパラメータ的なモデルを選択 するのにトレーニング・セットを用いるようなより高度で適応性があるモデル化 方法の場合でも、病状(pathology)の程度が上昇するにつれて、徐々に有効性 が低下する(Cootes et al.1994;Syn et al.1995)。 我々のアプローチでは、過剰決定的(over-determined)なデータ・セットを 取得し三次元的な登録及び再構成に関連する重要なステップをサポートする、と いう点を強調することにより、他の場所で述べられているものと対照的なものと なっている。文献上では、モータ駆動による線形トランスデューサ又は特別の二 次元水晶アレイを用いた通常の平行スキャニング方法では、音波発生角度(inso nation angle)が1つの値に限定されてしまう。固定されたスライス間隔と取得 に関する生理学的な制御(gating)とによっって、再構成のために利用可能なデ ータ点の密度が制限される。フリーハンドでのスキャニングが用いられる場合に は、それに続く三次元的な再構成では、高密度の合成されたイメージをグリッド ・マッピングのアプローチと共に用いてはいなかった。その代わりに、比較的少 数の、ほぼ並行で、合成されておらず、二次元の超音波イメージ平面が、三次元 的に登録され、構造の境界は、これらの平面上で識別された。次に、これらの境 界を、三次元平面を作成するのに用い、標準的な表面レンダリング技術に関連す る表面三角形又は多角形を生成するのに必要な追加的なデータ点は、補間法によ って提供されていた。また、三次元形状のモデリングは、様々な登録された二次 元イメージ平面上で確定された構造の境界が与える制約を伴いながら、用いられ ていた。一般に、そのような表面レンダリングがなされた目的物の外観は 優れてはいるが、比較的低いデータ密度や単一の音波発生角度に依存することに より、そのようなセグメント化及び体積評価に付随する精度は、必然的に制限を 受ける。 対照的に、これらの問題点(潜在的に不正確なモデルへの適応によって生じる 制限されたデータと体積測定に付随する)は、この出願において記述されている ように作成された三次元再構成イメージのセグメント化に基づいて、体積を直接 的に評価することによって、回避される。 ここで説明している三次元的な再構成技術は、線形アレイ・トランスデューサ を伴う使用には限定されないし、原理的には、二次元超音波が用いられる場合で あれば常に応用することができる。他のプローブ・タイプを用いて取得されたデ ータの再構成も、我々の実験室では達成されている。研究又は臨床的な環境にお いてこのシステムを生体を用いた研究に拡張するには、対象となる構造の相対運 動又は変形を生じさせうる心肺機能を生理学的にモニタリングすることが必要と なる。同一の心臓サイクル条件の下で捕捉されたこれらの二次元超音波イメージ を選択する装置については、既に述べた。呼吸運動を扱えるような拡張も、開発 されている。S−VHSテープの第2のステレオ・チャネルが、そのような情報 を記録するのに用いられる。選択規準が十分であり、関連する運動を有効に「停 止させる」(freeze)場合には、一貫性のある三次元再構成を得ることができる 。これは、心拡張期(diastole)の中間点に近くて記録された二次元超音波イメ ージだけを用いた生きている血管構造の三次元的な再構成を通じて、この実験室 で既に示されている(Allott et al.1995)。 既に述べた装置を用いると、二次元超音波イメージを取得してから30分以内 に、三次元的な再構成が、セグメント化及び分析のために入手できる。これは、 臨床的な診断環境においても、受け入れることができる処理時間であると考えら れ、従って、臨床的又は臨床前的(Pre-Clinical)な研究において日常的に使用 することが可能となる(Halliwell,Rees,Berman,Woodcock,Seifとの個人的 な通信によるので、許可を求める必要あり)。この実験室では、実験的及び生体 の両方のソースから、超音波データ・セッ トの2000を超える三次元的な再構成を、このシステムを用いて、過去12ヶ 月に行い、潜在的には、臨床的にも有効である三次元イメージを得ている。 使用例 自由に取得された超音波イメージから生成された合成されたデータ・ブロック に呼び掛けを行えることは、多くの可能性のある応用例を有している。 医学的な応用例 容易に得られる体積の測定は、例えば、腫瘍の成長、アテローム性動脈硬化プ ラーク、心臓の肥大、腎臓病など、ある構造の大きさが疾病の進行に影響を受け るような場合に、治療の間の疾病の進行又は緩解の進展を追うのに用いることが できる。それ以外の診断的な機能には、卵胞の成熟、受精した子宮内膜(endome tria in fertility)のモニタリング、胎児成長、などへの応用が含まれる。 組織の特性に基づいて構造を区別できることによって、疾病進行を更に弁別す るモニタリングが可能となる。組織の大きさではなく特性は、いくつかの疾病の 進行の間に変化する。これらの変化は、視野及び取得角度とは独立である、三次 元データ・セット内のグレースケール属性を分析することによって、モニタでき る。これらの特性の変化は、組織の損傷とそれに続くキズ発生(scarring)が、 例えば、腎臓病、肝臓病、梗塞症などの、血管の不全、毒性又は繊維性(fibrot ic)の反応の結果として生じる場合に見ることができる。 様々な角度から、三次元的な体積へ寄与するすべてのデータに呼び掛けること ができると、音波発生角度が既知であれば、寄与しているグレースケールの属性 と位置との分析が可能になる。このデータを用いると、表面の特性(すなわち、 粗さ)を判断することもできる。血栓の形成を促進し血管の閉塞に至ることが知 られているアテローム性動脈硬化の軟骨又は潰瘍のモニタリングへの応用があり うる。 通常の三次元データ・ブロックの生成において合成されたデータを用いること により、データを、好適な角度又は向きでのスライスとして表現するこ とが可能になり、データ取得に用いた向きとは無関係な新規な二次元超音波イメ ージを生成できる。再構成された合成データ・ブロック内のデータ・ボクセルは 等方性(isotropic nature)を有するので、従来型の超音波スキャニングでは得 ることができない視野を与えるのに意味があり有益である。例えば、平面的な頸 動脈の分岐点(carotid bifurcation)を図解するスキャンの向きは、後で述べ るようにして、得られる。これは、被験者の頭部又は胸部の中に配置されたトラ ンスデューサを用いて得られる視野と同等である。 呼び掛けの再構成はまた、手術の計画を補助することもありうる。多くの場合 に、血管などの構造の間の空間的関係は、手術手順への最良のアプローチを決定 する際に非常に重要である。構造及び組織の特性を区別して表示し、それらをス クリーン上で回転させることができれば、全体的な概観を得ることができ、それ によって、そのような計画を、より大きな自信を持って行うことができる。 医学以外への応用例 超音波は、既に述べたように、医学分野以外でも多く使用されている。 圧力容器のクラック・テストは、広く行われている応用例であるが、これは、 呼び掛け角度に依存する。超音波ビームがクラックの方向と一致してしまうと、 物質内にインターフェース(境界)が存在しないことになるので、そのクラック は検出されないことになる。様々な音波発生角度からの合成されたデータであれ ば、クラックとその正確な空間的位置とを、より正確に検出することができる。 これと類似の合成技術はまた、パイプラインに、堆積や障害を捜すために呼び 掛けを行うのに用いられる。合成されたデータによって、堆積物の位置と区別と を、パイプ内部の流体のフェーズから改善することができる。これは、障害物を の位置を決定し、その障害物の範囲及び濃度(consistency)を判断し、修理手 段を決定する際に有用である。 合成技術はまた、例えば爆発物など、物質の性能に関して物質内にある空洞が 重要性を有する製造プロセスにも応用できる。 我々の研究からは、次の仮定をサポートする結果が得られている。 1)合成されたフリーハンドの超音波イメージからの正確な三次元的再構成が 、達成された。 2)二次元イメージを合成して通常の三次元データ・ブロックを生成すること によって、よりよいイメージ構造のコヒーレンスが得られ、それによって、この 三次元再構成は、CT及びMRIにも匹敵し、現在の技術水準の三次元的な医用 イメージ分析製品と共に用いることができるように、適切にフォーマットされ得 る。 3)EPOSデータとシステム・スケーリング・ファクタとが要求される精度 で得られると仮定すると、任意の二次元トランスデューサのタイプ又は解剖学的 な位置から得られた任意の超音波イメージ・データ・セットを、これらの方法に よって、三次元的に再構成することができる。 4)これらの合成されたイメージからの三次元的な再構成及び体積測定の精度 及び正確さは、患者モニタリングにおける臨床的な使用に十分である。 5)超音波イメージからの通常の三次元データ・ブロックの三次元的な空間内 での向き付けと生成とに含まれる計算プロセスは、もはや、データ処理における ボトルネックとはならない。データ・セットの再構成及びセグメント化は、30 分以内で達成することができ、従って、臨床的な使用にも適している。 以上で、我々は、二次元超音波スキャニング技術を用いて取得したデータから 始まる、三次元的な再構成と正確な体積測定のプロセスについて、説明した。こ れたの手順は、市販のソフトウェア及び装置と共に用いられて、十分に優れた効 果を奏し、臨床的な環境においての使用を提案することができるシステムを生じ る。 表及び図面の表題 表1:バルーン模型の体積測定の精度 表2:フォーム模型の体積測定の精度 表3二次元超音波イメージと再構成されたイメージ平面の統計的性質 図1:三次元フリーハンド超音波システムの構成要素の図解 図2: a)超音波トランスデューサとポルヒームスEPOS受信機との物理的構成の 写真 b)二次元超音波イメージの三次元的な空間配置のための座標系及び変換 図3:報告されている研究のための模型として用いられている、700mm3 のフォーム・ラバーの円柱と、直径0.5mmの支持ワイヤとの表面レンダリン グされた三次元的再構成 図4:40のレベルと2のウィンドウとを用いたフォーム模型の境界における ピクセルのセグメント化である。パネルaは元の二次元イメージにおけるセグメ ント化可能なピクセルを表す。パネルbは、位置が同じ合成され再構成された平 面におけるセグメント化可能なピクセルを表す。 我々の全体的な目標は、フリーハンドのスキャニングに基づいて、信頼できる グレースケール・セグメント化と優れた体積評価とをサポートする、正確で迅速 な三次元再構成を与えるシステムを開発することであった。 2次元(2D)的で、経皮的な、超音波Bモードによるイメージ作成は、 心臓、血管及び腫瘍病の検査及び診断を含む広範囲な臨床的及びバイオメディカ ル的な応用例において、広く確立されている。しかし、二次元超音波を用いて疾 病の進行又は治療への反応を数量化し、見いだしたものをスキャニング手順には 関係しなかった第三者に示す際に、大きな困難に遭遇している。二次元的なイメ ージ視野と音波発生角度との連続的で同一の登録を保証して、正確な時間的な比 較を行うことはほとんど不可能である。これらの問題点は、構造が、不規則的な 形状を有していたりエコー発生態様が変化したりする場合には、増長される(ex acibated)。このために、この方法は、臨床的な診断や、新規な、疾病を変容さ せる薬物(disease modifying drugs)を評価する研究において、その有してい る潜在的な可能性に到達することができない。 これとは対照的に、超音波イメージの三次元的な再構成によれば、体積や体積 に関係するそれ以外の変数を、データの取得視野及び角度とは独立に測定するこ とが可能となる(Picano 1995)。構造全体がそれぞれの呼び掛けにおいて含ま れるために、病状を正確にシーケンシャルにモニタし、その情報を通信すること が、可能になっている。過去10年間には、超音波データの三次元的な再構成の ための方法の開発に関するかなりの数の報告が現れている(リビューについては 、Rankin 1993;Vogel 1995;Levine 1992を参照)。フリーハンド技術が用いられ る場合には、イメージの位置決めを、機械的アーム、音響スパーク・ギャップ又 は電磁気的なセンサ技術を用いたトランスデューサの位置と向きとを同時に記録 することによって、得られる(Detmer 1994;Geiser 1982;Gardener 1991;Kelly 1994;King 1990;Moritz 1980;Nelson 1996;Riccabona 1995)。 既に述べたことであるが(Barry 1996)、我々のシステム実現例は、従来の三 次元分析及び体積測定ソフトウェアによる分析に適した通常の三次元データ・ブ ロックを生じる。このシステムは、フリーハンドのスキャニングによる超音波B モードのイメージ・フレームの電磁気的な空間位置と、カスタム・ビルトの信号 調整ハードウェアと、UNIXベースのコンピュータ処理とを、を組み入れてい る。このシステムは、二次元イメージ・フレームか ら抽出され三次元的に正確に位置決めされたデータを用いて、デカルト座標的な グリッドを満たす高速アルゴリズムを用いる。広範囲の音波発生角度を用いての 複数の二次元超音波フレームからの反射率を含めることにより、それぞれのイン ターフェースからの反射強度値の角度依存性が低減される。このような「合成」 は、三次元グレースケール・イメージ内の構造コヒーレンスを著しく改善し、構 造の境界に基づくセグメント化と体積評価とを可能にする。 フリーハンドによって取得された二次元超音波イメージから三次元データを満 足できるように再構成するには、超音波イメージを、固定された座標系において 、正確に空間的に登録することが必要となる。これにより、それぞれのイメージ からのデータを、抽出し、共通の三次元データ・ブロックの中に適切に位置決め することができる。この技術が現実的な応用例を有するには、三次元再構成は、 スキャニングが終了してから短時間の内に利用可能になり、他の医用イメージ作 成方法のために開発された非常に効率的なイメージ処置及び分析ツールを使用す ることが許容されるようなフォーマットでなければならない。 また、優れたシステムであるためには、三次元イメージの質が、典型的な二次 元超音波フレームの場合よりも改善されていることが必要になり、それによって 、グレースケールと再構成されたエコー強度とに基づくセグメント化を用いるこ とができ、自動化されたセグメント化とそれに続く体積測定及び分析の結果に、 十分な程度まで自信をもち信頼できるようになる。 我々のシステムにおける3つの重要な要素は、次の通りである。 1)二次元超音波の個々のフレームを空間において位置決めする際に高度な正 確さを達成し、それにより、広範囲な合成されたデータ・セットを三次元的に正 確に「登録」することができ、再構成プロセスにおいて、有効に用いることがで きる。 2)典型的なUNIXワークステーションを用いて、三次元的な再構成を、迅 速かつ日常的に生成することを可能にする、効率的な「グリッド・マッピング」 を実現していること。 3)グレースケール・エコー強度値に基づいてセグメント化を行う能力と十分 に相関する、客観的な「イメージの質の測度」の開発。 このセクションは、三次元的再構成、グリッド・マッピング、及びイメージの 質とグレースケールのセグメント化可能性の評価の背後にある数学的及び計算上 の原理について説明する。我々は、ある範囲の条件とパラメータの設定とを前提 として、このシステムとキーとなる手順とのパフォーマンスを分析し、他の作業 グループの仕事との比較を行う。 II 超音波イメージの三次元的登録 II.1 デルタ変換 図2:座標系及び変換 二次元超音波イメージ平面の三次元空間における位置及び向きは、電磁気的位 置及び向きシステム(EPOS)を用いて確立される。このセンサは、超音波プ ローブに付着され、他方で、送信機の原点と軸とは、固定された「登録座標系( フレーム)」(図2bで、XYZと指定されている)を確立する。EPOSは、 受信機をトラッキングし、ベクトルと、固定された送信機の座標系に対する受信 機の位置及び向きとその座標系(xyzと指定する)とを定義する3つのオイラ ー角度との読み取り(read-out)を提供する。座標系xyzにおける点の座標を 同じ点の座標軸XYZにおける座標に関係付ける変換は、Mで表される。超音波 イメージ自体と関連する座標系(qrsと指定する)は、超音波プローブと、従 って、受信機の座標系xyzとに対して固定されているが、位置と向きとの両方 についてオフセットを有する。並進と回転との両方を含む変換を適用して、EP OS受信機の位置及び向きを、二次元超音波イメージの座標系qrsに対して訂 正しなければならない。これを、我々は、デルタ(Δ)変換と定義する。 変換M及びΔは、共に、超音波イメージの座標系における空間内の点の座標p (qrs)を、次の方程式に従って、登録座標系において測定された同じ点の座 標P(XYZ)に関係させるものである。すなわち、 P(XYZ)=M*Δ*p(qrs) 方程式1a 及び、 p(qrs)=(M*Δ)-1*P(XYZ) 方程式1b =Δ-1*M-1*P(XYZ) 変換M及びΔは、並進と回転との要素を有しており、ベクトルと3x3の回転 行列とによって、又は、同次座標(homogeneous co-odinates)の形式を用いて 1つの4x4行列によって、表現することができる。 II.2 デルタ変換の決定 これは、登録される超音波イメージに対して、決定されなければならない。 Δ変換は、広い範囲のトランスデューサ角度及び位置を用いて、20%w/v のガラクトース溶液の中につり下げられた2本の交差したスレッドで構成された 較正(calibration)模型を走査(スキャン)することによって決定される。交 差によって、空間内に点が与えられる。この点の座標は未知ではあるが、EPO S送信機に対して固定されている。ガラクトース溶液は、正常な組織内の音の伝 達速度に一致し、従って、超音波装置の内部の深度のスケーリングに一致する媒 体を提供する。シリコン・グラフィクスのインディにおいてデジタル化を行った 後で、交差を見ることができるイメージを含む座標系が、ムービーファイルから 抽出される。これらの二次元の座標系は、表示され、交点の中心のイメージ位置 (r,s)が決定され、記録される。それぞれの姿勢に対して、最低で2回の観 察がなされ、合計で、空間内の1つの点を約50回観察することになる。次に、 この未知の固定された位置P(XYZ)とp(qrs)及びMという既知の値の 対への変換Δ(方程式1a)とに関する多くの過剰決定連立方程式が、P(XY Z)とΔとに関して解かれることになる。ここでは、開始トライアルΔと、それ に続いて、Δ変換を定義する3つの角度と3つの距離の最も急峻で適切な微調整 とに基づく、反復的なプロセスが用いられる。最小の規準関数は、グループ平均 から、P(XYZ)の個別的な評価を平方自乗平均として導くことである。結果 として得られるΔ変換行列は、それ以後、特定の超音波トランスデューサ/EP OS受信機構成を用いるすべての再構成に用いられる。 再構成に必要なデルタは、与えられたトランスデューサ及びEPOS受信機の 構成に対して一定に維持されるので、異なる点の模型か、異なる送信機 位置を有する同じ模型かのスキャニングに対応するデータの独立な組を、1つの 改善された評価に合成することができる。これは、それぞれのデータ・セットに 対して規準関数のrms測度を計算し、これらの和を微調整規準として用いるこ とによって達成される。この手順を直接に拡張して重み付けされた和を用いるこ とによって、個々のスキャニングの質を組み入れて評価することが可能となる。 方程式1bは、また、同じ点の模型のアプローチを用いたデルタの別の評価の 基礎としても用いられる。グループ平均P(XYZ)は、逆変換され、個々の超 音波イメージの座標系におけるこの点の座標p(qrs)が計算される。これら の逆変換された座標と元の観察された位置との間の差は、規準関数を計算するの に用いられる。この場合のオプションは、解像度のより優れた平面内成分(r及 びs)に対する超音波イメージ平面qに垂直な成分の寄与分(重み付け)を、低 減することである。相対的な重み付けが1.0であると、元々の微調整手順の結 果を生じる。他方で、重み付けがゼロであると、典型的には、向きに関して数度 、並進運動について数ミリメートル異なるデルタを生じる。これは、非常に著し い変化である。 体積の微調整 次の開発は、点模型ではなく、体積を用いることに関係する。当初には、目的 は、規準関数の残差(residual)よりも有用で客観的なデルタ評価の測度を確立 することであった。結果的に、体積模型測度とその分析とが、それ自体で、微調 整(純化、refinement)プロセスの基礎となった。 フォーム・ラバーの円柱が1つ、20%ガラクトースのバスの中に設置され、 上述した装置を用いてスキャンされる。様々なスキャン方法及び角度を用いて、 いくつかのデータ・セットが記録されるが、それぞれのセットは、ほぼ同じアラ イメントからのスキャンだけしか含まない。これらのデータ・セットは、次に、 個別的に処理され、異なる位置及び向きから得た、模型体積に関する複数の観察 を提供する。 一連のスキャニングの通過からの再構成された模型は、完全ではないデルタを 用いて、同じデータが最適なデルタ行列を用いて処理されたときには1 つに収束する、複数の離散的なイメージの発生を示す。 直ちに、2つの仮説をたてることができる。 −第1に、再構成されたイメージがスキャンされた超音波イメージの異なる部 分集合から生じる構成要素の収束を示す程度は、デルタの質の測度、すなわち、 それが収束する、つまり、最適である程度を提供することができる。 −第2に、この三次元イメージの収束の数量化は、デルタの反復的な純化を駆 動する新たなより優れた規準を提供する可能性が高い。 数量化は、それぞれが目的物の全体を再構成するのに十分である限り、2以上 のスキャニング部分集合からの体積再構成の間で、複数のブール代数演算の中の 任意の演算を用いることによって、達成できる。ここで関係するブール演算子は 、共通部分(積集合、INTERSECTION)、減算(SUBTRACTION)及び和集合(UNION )である。別々の再構成された体積を共通の1つの値に収束させることも、用い ることができる。 II.3 デルタ変換の性質 分析は、方程式1aを用いて開始するが、P及びpは、2つの座標系における 一般化された点の位置として再定義し、それによって、この方程式は、二次元超 音波イメージ平面全体に対するデータの登録を表すことになる。 P(XYZ)=M*Δ*p(qrs) 方程式1a(再褐) 一般的なインデクスiを有する二次元超音波イメージの部分集合によって定義 される目的物と、既知のEPOS送信機・受信機変換Miとに対しては、次が成 立する。 Pi(XYZ)=Mi*Δ*pi(qrs) ここで、次のように定義する。 Wi=Mi*Δ*Mi -1 i(XYZ)=Wi*Mi*pi(qrs) 方程式2 真のΔをΔTによって表し、正確な再構成における対応する一般化されたデー タ点をpi Tによって表すと、次が成立する。 Pi T(XYZ)=Wi T*Mi*pi(qrs) ただし、ここで、Wi T=Mi*ΔT*Mi -1であり、従って、 Mi*pi(qrs)=(Wi T-1*Pi T(XYZ)である。 ここで、方程式2は、次のように書き換えることができる。 Pi(XYZ)=Wi*(Wi T-1*Pi T(XYZ) これを簡略化すると、次の方程式3が得られる。 Pi(XYZ)=Ui*Pi T(XYZ) 方程式3 ただし、ここで、 Ui=Wi*(Wi T-1=Mi*Δ*(ΔT-1*Mi -1 方程式4 方程式3及び4は、個々の超音波イメージの三次元的な登録が真の結果にどの くらい近いのかを判断する際の、Δ及びMi変換の効果を定義している。Ui変換 は、回転と並進との積であるから、それ自体が、並進運動と、ある軸の周囲の回 転とに対応する。 ある再構成が形状及び体積において正確であるためには、方程式3は、iとは 独立にすべての二次元イメージに対して同じであるUiを用いた、剛体の変換に 対する方程式に集約されなければならない。更に、再構成に用いられるすべての 二次元イメージに対して、再構成の位置が正確であるためには、すべてのUが、 回転も並進も行わない単位変換(identity transformation)でなければならな い。 一般的に、無制限で、フリーハンドのスキャニングでは、1つの二次元超音波 イメージに対するMiと、別のものに対するMkとの間には、固定された関係は存 在しない。Δ=ΔTであり、すなわち、すべてのiとkとに対してUi=Uk=単 位変換(I)である場合に限って、再構成された目的物は、形状、体積及び位置 において正確となる。 次に、再構成がΔを省略して実行される場合を考える。これは、方程式3及び 4において、Δ=Iと設定する場合、従って、次の場合に対応する。 Pi I(XYZ)=Ui I*Pi T(XYZ) Ui I=Mi*(ΔT-1*Mi -1=(Mi*ΔT*Mi -1-1 やはり、すべてのiに対してUi I=Iである場合に限って、再構成は正確とな る。しかし、位置的な正確さについての要件を緩和し、形状と体積とだけが正確 となるような条件を分析する場合には、Ui Iが、再構成に用いられ るすべての二次元超音波イメージに対して、すなわち、すべてのiに対して、同 じ剛体変換に対応すれば十分である。 ここで、Kによってこの一般的な剛体変換を表し、Cによってその逆変換を表 して、iの任意の2つの特定の値を、すなわち、j及びkを、考える。すると、 Uj I=(Mj*ΔT*Mj -1-1=K=C-1 k I=(Mk*ΔT*Mk -1-1=K=C-1 形状と体積とが正確に再構成されなければならない場合には、これらの方程式 は、任意のj又はkに対して、同時に成立しなければならない。このためには、 次が要求される。 (Mi*ΔT*Mi -1)=(Mk*ΔT*Mk -1)=C 方程式5a MとΔとは、それぞれが、三次元において、3つの角度と1つのベクトルとに よって定義される回転及び並進成分を有している。二次元イメージに対するM、 ΔT及びCの回転及び並進成分を、一般的なインデクスj及びkを用いて、Ro tMj、TranMj、RotMk、TranMk、RotDT、TranDT、RotC、 TranCによってそれぞれ表すと、回転成分は、次の方程式を満たさなければ ならない。 RotMj*RotDT*RotMj -1 =RotMk*RotDT*RotMk -1=RotC 方程式5b このためには、RotMj=RotMk*RotMであることが必要であり、これ は、向きが固定されておりイメージ平面が平行である場合に対応する。 同時に、並進成分に対する方程式もまた、形状と体積とが保存されるためには 、満足しなければならない。このためには、次の両方が成立することが、必要で ある。 RotM*TranDT+(I−RotM*RotDT*RotM -1)*TranMi =TranC RotM*TranDT+(I−RotM*RotDT*RotM -1)*TranMk= TranC TranCは任意であり、RotM*TranDTの項は、共通であり、平行 スキャニングに対しては一定であるから、再構成が正確な形状と体積とを与える ための必要十分条件は、次の通りである。 (I−RotM*RotDT*RotM -1)*TranMj =(I−RotM*RotDT*RotM -1)*TranMk これを解くと、次の両方が成立することが必要となる。すなわち、 TranMj=Aj*V+B TranMk=Ak*V+B ここで、AjとAkとは任意のスカラーであり、Bは、共通の一定の原点すなわち オフセット・ベクトルであり、Vは、固有値が1である場合のRotM*RotD T *RotM -1の固有ベクトルである。これらの解は、アペンディクス3に与えら れているように、固有ベクトルVと平行な任意の直線を表し、Vは、積RotM *RotDT*RotM -1によって定義される回転行列の軸である。この変換は、 次のように拡張できる。すなわち、 RotM*RotDT*RotM -1 =RotM*RotDT*(RotDT*RotDT -1)RotM -1 =(RotM*RotDT)*RotDT*(RotM*RotDT-1 となり、これは、座標系の間の変換がRotM*RotDTであるときに、ある座 標系において定義される回転(RotDT)を、新たな座標系において定義される 同じ回転に関係付ける標準的な表現形式となっている。これによって、Vは、平 行な超音波イメージ座標系(図2のqrs)において定義されるときには、Ro tDTの軸と一致することが示される。我々は、この一意的な方向を、「ゼータ方 向」(Zeta direction)と称することにする。この方向に沿って行われた平行な スキャニングでは、Δに割り当てられる値がどのようなものであっても、形状と 体積とが、正確に再生される。 まとめると、この分析の実際上の結論は、次の通りである。 1)再構成が位置、形状及び体積において正確であるためには、Δの正確な決 定が不可欠である。これは、高度に合成された(平行でない)データ・セットを 用いた再構成においても妥当する。 2)方程式によると、Δを無視したとしても、スキャニングが「ゼータ方 向」と平行でこの方向に沿っている場合には、再構成は、依然として形状及び体 積に関して正確であることが示されるが、この一意的な方向を決定するためには 、依然として、Δを知らなければならない。 3)Δが真のΔに近く、スキャニングが十分に平行である場合には、再構成に おけるエラーは、比較的小さい。Δが無視されたり、高い精度をもって評価され なかったりする場合には、スキャニングがほぼ平行でなければ、形状、体積及び 位置に関する評価は、不正確になる。 IV イメージの質の評価 多くのイメージ作成方法で、イメージの質は、複数の、同様に得られたサンプ ルの平均を取ることによって、改善することができる。この基礎となるのは、信 号はシステマティックであるのに対して、ノイズはランダムであるということで ある。n個のサンプルの平均をとることによって、信号とノイズとの間の弁別( 差異、discrimination)は、nの平方根の分だけ、1つのサンプルの場合よりも 増加する。MRIでは、こうしてイメージを改善するのであるが、このためには 、連続するサンプルにおける対応する点が、同一の場所に配置されていなければ ならない。合成されているサンプルがノイズ成分の分だけ異なっているという条 件では、信号対雑音比そのものが、質についての重要な特徴付けを提供する。 超音波イメージの再構成において「合成」及び「グリッド・マッピング」の技 術を用いる場合には、実際に、複数の超音波イメージからのデータが合成されて いる。しかし、この場合には、サンプルは、同じように得られているのではなく 、音波発生角度は、フレームごとに異なっている。更に、それらは、同じ位置に 配置されてもいない。すなわち、それらは、単に、関係するグリッド点に最も近 いので、半径が限界半径に等しい球の内部に分散されているのである。 この条件では、これらの事実を説明することができ、限界球の内部への1/r 重み付けされた値の分散の統計的な性質によって表現することができるような、 信号対雑音比のための別の測度が必要である。「信号」のアナロジーは平均値で あり、他方で、「ノイズ(雑音)」のアナロジーは、この平均 の標準偏差である。これによって、「信号対雑音」比に対する適切なアナロジー を与える、分散の平均に対する百分率変動係数(% coefficient of variation) に到達する。 しかし、独立の実体(independent entity)においてのように、再構成された 目的物においてそれぞれのピクチャ・エレメント(ピクセル又はボクセル)の統 計を単に特徴付けるのではなく、強度に基づいて関心対象の体積(VOI)をセ グメント化する能力と直接に関係する測度(measure)を提供する必要も存在す る。このためには、VOIの境界(すなわち、インターフェース)を定義するピ クセルの部分集合の中の強度の一貫性(consistency)すなわち「コヒーレンス」 を反映する測度が必要となる。 範囲レベル±ウィンドウ内の強度を有するピクセル又はボクセルがVOIに含 まれているような統計的なセグメント化方法に共通するレベル及びウィンドウ・ パラメータを用いると(例えば、IBMのTOSCA、Elliot 199?)、コヒーレ ンスの単純な測度を、境界に沿ったピクセルの強度の変動を数量化することによ って、得ることができる。そのような測度の1つとして、VOI境界の平均強度 に等しいレベルの狭いウィンドウ内に存在する境界ピクセルの計数(カウント) がある。また、平均レベルにおいて連続的な境界を生じさせるのに必要なウィン ドウの幅は、このコヒーレンスの逆数の同様のしかし独立の測度を提供する。 より自動でありツールと独立な測度は、二次元イメージ平面におけるそれぞれ のピクセル位置に、次に示す3x3の反転距離(inverse distance)フィルタ( F)を適用することによって、実現される。 次に、イメージにおけるそれぞれのピクセルに対するフィルタの結果を、元の ピクセル値と百分率で表された結果の絶対値とによって、正規化する。これらの 百分率の値は、ディスプレイをカラーコードして、関心対象の領域内のコヒーレ ンスが高い又は低い領域を明らかにするのに用いられる。その 際に、より大きなコヒーレンスは、より小さな百分率の値で表されている。これ らの百分率の値の平均を領域の全体にわたってとることによって、全体的なコヒ ーレンスの測度が得られる。特に、我々は、再構成されたマップ又は個々の平面 に対する「コヒーレンス数」を、100をそのマップ又は平面に対する百分率の 値の平均で除算した値として、定義する。このコヒーレンス数によって、それぞ れのピクセルの値がその直近で隣り合っているピクセル、すなわち、VOIのイ ンターフェースすなわち境界を形成するピクセルの値と相関関係を有する程度が 数量化される。これによって、また、エッジの連続性の測度も得られる。 V.結果 V.1 デルタ行列 1)再構成が位置、形状及び体積において正確であるためには、Δの正確な決 定が不可欠である。これは、高度に合成された(平行でない)データ・セットを 用いた再構成においても妥当する。 2)方程式によると、Δを無視したとしても、スキャニングが「ゼータ方向」 と平行でこの方向に沿っている場合には、再構成は、依然として形状及び体積に 関して正確であることが示されるが、この一意的な方向を決定するためには、依 然として、Δを知らなければならない。 3)Δが真のΔに近く、スキャニングが十分に平行である場合には、再構成に おけるエラーは、比較的小さい。Δが無視されたり、高い精度をもって評価され なかったりする場合には、スキャニングがほぼ平行でなければ、形状、体積及び 位置に関する評価は、不正確になる。 V.2 グリッド・マッピングのパフォーマンス及び依存性 256メガバイトのメモリを備えた80MhzのIBMパワーPCを用いたグ リッド・マッピングに対する、結果から移動されたタイミングと、23/4/9 6のタイムズのcdbとリネームされたマップとが、表X2及びX3に表されて いる。 グリッド・マッピング・アルゴリズム自体の構造が、実行時間は、3つの項の 和であることを示している。 第1は、超音波データ・フレームの入力と、それぞれに対するデータの関連す る部分集合の選択とに関する。この項は、入力セットにおけるフレーム数につい て、線形である。 第2は、グリッド・マップの計算そのものに関する。これは、グリッド点当た りに用いられる超音波データの平均数と、グリッド点の総数とに比例する。この 項は、最も低いRの値を除くすべてに対して優越する。 第3の項は、計算されたグリッド・マップの出力に関し、グリッド・マップさ れた体積に対して線形である。 T=A*超音波フレーム数 +B*データ/グリッド点の平均数*グリッド・マップ・ボックスの体積 +C*グリッド・マップ・ボックスの体積 再構成において用いられるグリッドの離間幅は、0.2mmであり、それによ り、1マップ当たりのグリッド点の総数は、125とマップ体積との積に等しく なる(単位mm)。二次元超音波フレームは、31x32mmにトリミング(cr opped)され、0.2mmのデータ離間幅を有し、それぞれのフレームは、最大 で24800の入力データ値を再構成のために生じる。 関心対象の体積が100%有効な方法でスキャンされるという理想化されたモ デルでは、データは、一様に分散され、すべての値が、再構成されている体積の 中に含まれる。再構成された体積がV立方ミリメートルであり、N個の寄与する 超音波フレームがある場合には、ミリメートル当たりの入力二次元超音波データ 値の密度は、次のようになる。 ρ=24800*N/V グリッド・マッピング・プロセスでは、限界半径Rの球の中のすべての超音波 データ点を用いるので、グリッド点当たりの計算に用いられるデータ値の典型的 な数は、次の通りである。 ρ*4πR3/3 =4πR3*24800*N/3V =1.04*N*R3/V*105 フリーハンドのスキャニング・パターンは、完全に一様というのではなく、超 音波データ全体の上限となる体積は、単に部分的に、グリッド・マップされた体 積と一致するだけである。従って、特定のグリッド点に割り当てられた値に寄与 する超音波データ値の実際の数は、再構成グリッドの中の超音波フレームの相対 的な位置と向きとに依存し、また、フリーハンドでのスキャニング・パターンの 特性にも依存する。 しかし、異なる数のフレーム(マップA、B及びC)を用いて同じ関心対象の 体積の再構成に関する統計を使うと、グリッド点当たりで用いられるデータの平 均数とN*R3とを軸としてプロットを行うと、現実に、線形の関係が存在して いることが確認される。15回の観察を伴うマップ全体に対する回帰でのrの値 は、0.99998である。同じ線形の相関は、個々の平面についても妥当し、 この場合は、中央の「KEYフレーム」平面の再構成に対するrの値は、0.9 987である。 更に、体積が11440mm3である3回のマップ(A、B及びC)に対する 比例定数として、モデルによって予測された値である9.09は、マップ全体に 対し、また、再構成された中央のキー平面に対して決定された値と一貫している 。これらの値は、それぞれ、4.53と9.45とであり、全体の超音波データ 点の約50%が、グリッド・マップされた体積の中に含まれ、同時に、スキャニ ングに対する焦点であって、超音波データの密度が最大である、中央の平面内に あるということを示している。 この結果は、タイミング表現における第2項に対して、別の関数形式を与えて いる。すなわち、B*データ/グリッド点の平均数*グリッド・マップ・ボック スの体積は、B’*N*R3によって代替することができる。 表X3で見られるVへの残存依存性(residual dependence)は、計算に含ま れる超音波データ・フレームの比率が、グリッド・マップされたボックスの形状 及び体積と共に変化することによって生じる。 V.3 イメージの質の評価 表X1は、イメージの質に関係するパラメータに対する観察された値をリ ストにしている。これは、データ平面の数と限界半径Rは、固定されたグリッド ・マップされた体積に対して変動するからである。マップBに対するR=0.1 mmと、マップCに対するR=0.1及び0.2mmの場合のエッジ連続性は、 疑いをもって扱う必要があるが、これは、これらの場合にデータ点/グリッド点 の密度が低いということは、限界半径(cut-off radius)の中にデータ値がないよ うなグリッド点が多く存在することを意味するからである。これらの場合には、 再構成された平面において、結果的に「破れ」(teas)があり、セグメント化が困 難となる。 再構成において合成が用いられる範囲は、再構成されたKEY平面におけるそ れぞれのグリッド点に対して値を計算するのに用いられた平均のデータ数を示す エントリによって表される。この平均は、入力データ・セットの中の超音波フレ ームの数とグリッド・マップされた限界半径(R)との両方と共に増加する。グ リッド・マップされた体積の全体に対する統計を用いると、グリッド点当たりで 用いられる平均のデータ数と、フレーム数と限界半径Rの立方との積との間には 、非常に強い線形の相関関係が存在することを示すことができる。 1/r重み付けされた値の百分率変動係数は、グリッド・マッピング手順の間 に平均される値の分散の「緊密さ」(tightness)を示す。再構成されたKEY フレームに対する平均のピクセル値は、提出された15の場合においては、39 .9から40.6の中に含まれる。データ/グリッド点の平均の数についての統 計によって、従って、フレーム数と限界半径Rの立方との積とによって表現され ているように、この%CoVと合成の程度との間の関係は、明らかである。対数 :対数のプロットは、R=0.5の場合のマップA(信頼性をもって評価するの には、%CoVが小さすぎる)と、R=0.1の場合のマップC(一般的に疑わ しい)とに対する点がいったん無視されると、1.68のベキ法則と、0.99 60の回帰係数とを有する相関関係を示す。 コヒーレンス数と逆数的に相関しているフィルタ百分率手段と最大値とについ ては、先に、セクションIII.1で定義した。平滑化されたデータに 対する値を用いると、データ/グリッド点の平均の数との、従って、フレーム数 と限界半径Rの立方との積との相関関係は、明らかである。対数:対数のプロッ トによれば、ほぼ立方根の依存性と、従って、Rにおける線形関係とを確認でき る。 コヒーレンス数は、TOSCAセグメント化のレベル及びウィンドウ・パラメ ータに直接的に基づく別のエッジ連続性測度とよく相関する。信号対雑音測度の 場合のように、コヒーレンス数は、サンプルのサイズが増大するにつれて改善さ れるが、結果が示しているように、この関係は、超音波フレームの積の立方根と 限界半径の立方とを含み、あるいは、実際には、n(潜在的に同じ値を有する反 復されたサンプルの数)の平方根ではなく、グリッド点(すべて区別できる、す なわち、異なる音波発生角度を有する)の値に寄与するデータの平均数に関係す る。 固定されたセグメント化レベルに対するエッジ連続性の測度は、VOIのため に連続的な境界線を確立するのに必要な「ウィンドウ」の幅と、ウィンドウの標 準的な設定のためのその境界線におけるピクセルの計数(カウント)とを決定す ることを含む。これらの属性は、TOSCAセグメント化に直接に関係する。表 になった結果が、再構成された平面内のピクセルの平均値40に設定されている 「レベル」と、2に設定されているピクセル・カウントに対する標準的なウィン ドウとに対応する。これは、1009のフレームと0.50mmのRとを有する マップAを用いて得られる、最大の「ターゲット」であるピクセル・カウントで ある345を与える。 コヒーレンス数は、グレースケールTOSCAセグメント化に関する再構成の 質を特徴付ける、適切で客観的で定量的な方法を表す、という独立した確認を、 ウィンドウ・エントリは、提供する。エッジ連続性を保証するウィンドウの幅と コヒーレンスの逆数との間の相関関係は、17回の観測での線形適合に対する回 帰係数が0.9734であることを示している。R=0.10mmであるときの マップCに対するデータだけが、廃棄されている。 R=0.1mmであるときのマップBとR=0.1又は0.2mmであるとき のマップCに対する疑わしい値は考慮しなければ、ピクセル・カウント は、再構成のために用いられた超音波フレームの数又は限界半径Rが減少すると 、最大値である345から徐々に低下することが予測されることを示している。 R=0.3mmのときにマップCに対して生じる最小値(268)は、現実の二 次元超音波フレームに対して記録された121のカウントよりも、依然としてか なり大きい。 最後に、イメージの平滑化に関する2つの点である。第1に、表X1に与えら れているコヒーレンス数、フィルタ値及びエッジ連続性測度は、明白に「平滑化 」がなされたイメージに基づいており、二次元グリッド・セルの4つのコーナー における強度値の平均は、中心における強度として用いられる。コヒーレンスの 場合には、平滑化なしで、このパラメータの評価を行うことができる(表X1に おける括弧の中の数値)。 1.33という勾配と0.9977という回帰係数とを有するこれらの2つの オプションの間には、線形の相関が存在する。従来の「平滑化」によると33% のオーダーの改善が得られるという事実が、「合成」の結果として生じる、10 0%のオーダーである改善のスケールを評価するための有用な計量(metric)を 与える。 第2に、グリッド・マッピングの限界半径Rが超音波フレーム上のデータ離間 幅(この場合は、0.2mm)以上である場合には、超音波フレームにおけるそ れぞれのデータ値は、2つの隣接するグリッド点に対するグリッド・マップの計 算に寄与する潜在性を有している。この潜在性は、Rがグリッドの対角線(0. 346mm)の長さを超えるときには、確実なものとなる。更に大きなRの値に 対しては、関係するグリッド点の数は、2よりも多くなる。これは、イメージ平 滑化の1つの形式を表しており、グリッド・マッピング・プロセスに内在するも のである。効果の大きさは、R=0.19及び0.20mmにおいて、そして再 び、R=0.3と0.4との間での様々な質の測度における不連続性を捜すこと によって、評価することができる。 表X1に与えられている結果は、著しい不連続を示していない。 まとめると、「コヒーレンス数」は、次の3つとよい相関関係にあることが分 かっている。すなわち、 1)TOSCAセグメント化の容易性と一貫性とに基づく、イメージの質の定 量的な評価と、 2)適切な「レベル及びウィンドウ」選択に対応する値の狭い範囲内にあるピ クセルだけを表示することによって明らかになるインターフェースの外観に基づ く、イメージの質の定量的な評価と、 3)「レベル及びウィンドウ」測度を用いる、エッジ連続性に基づく構成要素 であるインターフェースのコヒーレンスからの、イメージの質の定量的な評価と 、である。 すべての場合に、「合成された」グリッド・マップされた再構成は、インター フェース・コヒーレンスの非常に著しい改善を与える。この改善は、単純なデー タ平滑化によって得られるものと比較して、6倍から10倍大きなものである( 表X1)。二次元データの「キー」平面を用いて三次元グリッドを位置決めする ことに関するこの出願で詳細に述べた手順が、おそらくは、初めて可能なものと なり、合成されたフリーハンドでスキャンされた高密度でサンプリングされたデ ータに基づく再構成に続いて、イメージの質における改善の真の評価が達成され る。これは、日常的な臨床的な使用のために、重要な影響を有するであろう。 表X1は、KEY二次元超音波フレームの位置と一致するグリッド・マップさ れた中央の平面に対する質のパラメータを示している。表X1及び2においての ように、マップA、B及びCは、固定されたサイズ(26x20x22mm)で あるが、それぞれ、1009、505、253の超音波フレームを備えたデータ ・セットに基づく再構成を表している。 注意:マップBでのR=0.1、マップCでのR=0.1及び0.2に対する データは、疑いがある。というのは、再構成された平面に破れがあり、これらの より小さなRの値では、データ密度が不十分であるからである。 コヒーレンス数と信号対雑音比 これらの2つの測度を区別し、その一方又は他方を、「イメージの質」を特徴 付ける特定の要件に適したものとして用いることが重要である。 多くのイメージ作成方法で、イメージの質は、複数の、同様に得られたサンプ ルの平均を取ることによって、改善することができる。この基礎となるのは、信 号はシステマティックであるのに対して、ノイズはランダムであるということで ある。n個のサンプルの平均をとることによって、信号とノイズとの間の弁別( 差異、discrimination)は、nの平方根の分だけ、1つのサンプルの場合よりも 増加する。MRIでは、こうしてイメージを改善するのであるが、このためには 、連続するサンプルにおける対応する点が、同一の場所に配置されていなければ ならない。合成されているサンプルがノイズ成分の分だけ異なっているという条 件では、信号対雑音比そのものが、質についての重要な特徴付けを提供する。 超音波イメージの再構成において「合成」及び「グリッド・マッピング」の技 術を用いる場合には、実際に、複数の超音波イメージからのデータが合成されて いる。しかし、この場合には、サンプルは、同じように得られているのではなく 、音波発生角度は、フレームごとに異なっている。更に、それらは、同じ位置に 配置されてもいない。すなわち、それらは、単に、関係するグリッド点に最も近 いので、半径が限界半径に等しい球の内部に分散されているのである。 この条件では、これらの事実を説明することができ、限界球の内部への1/r 重み付けされた値の分散の統計的な性質によって表現することができるような、 信号対雑音比のための別の測度が必要である。「信号」のアナロジーは平均値で あり、他方で、「ノイズ(雑音)」のアナロジーは、この平均の標準偏差である 。これによって、「信号対雑音」比に対する適切なアナロジーを与える、分散の 平均に対する百分率変動係数(% coefficient of variation)に到達する。再構 成された中央のキー平面全体に対するこの測度の平均値は、様々なマップ・パラ メータに対して、表X1に記録されている。典型的な値は、「信号対雑音」の値 に対応して0.1%から0.75% の範囲にあり、これは、100:1よりも優れている。平均の%CoVと、超音 波フレームの数と限界半径の立方との積との関係は、逆5/3ベキ法則にほぼ等 しい。 しかし、独立の実体においてのように、再構成された目的物においてそれぞれ のピクチャ・エレメント(ピクセル又はボクセル)の統計を単に特徴付けるので はなく、強度に基づいて関心対象の体積(VOI)をセグメント化する能力と直 接に関係する測度を提供する必要も存在する。このためには、VOIの境界(す なわち、インターフェース)を定義するピクセルの部分集合の中の強度の一貫性 を反映する測度を用いることを含む。この出願において定義された「コヒーレン ス数」は、適切な特性を有しているのだが、それは、この数が、それぞれのピク セルの値がその直近で隣り合っているピクセル、すなわち、VOIのインターフ ェースすなわち境界を形成するピクセルの値と相関関係を有する程度を数量化す ることによる。これによって、また、エッジの連続性の測度も得られる。図X6 に示されているように、コヒーレンス数は、TOSCAセグメント化のレベル及 びウィンドウ・パラメータに直接に基づく別のエッジ連続性測度とよい相関性を 有している。信号対雑音測度の場合のように、コヒーレンス数は、サンプルのサ イズが増大すると改善するが、図X3及びX5に表されている結果が示すように 、この関係は、超音波フレームの数と限界半径の立方との積の立方根を含み、あ るいは、実際には、n(潜在的に同じ値を有する反復されたサンプルの数)の平 方根ではなく、グリッド点(すべて区別できる、すなわち、異なる音波発生角度 を有する)の値に寄与するデータの平均数に関係する。 グリッド・マッピング及びセグメント化パラメータ グリッド・マッピングにおいて限界半径を0.25mmに選択すると、超音波 データ離間幅とグリッドのサイズとが0.2mmであるときに、よい妥協となる 。Rの低い方の値は、 1)任意のデータ点が、ただ1つのグリッド点の計算に用いられ、望まないデ ータ平滑化をすべて回避することを、保証し、 2)グリッド・マッピングの計算時間の全体を減少させ、 3)再構成におけるエッジ及び特徴の拡大(broadening)を減少させ、 4)再構成されたフレームから離れて、より「正常な」超音波イメージを捜す 。 しかし、低い方のRの値は、データ値の数を減少させ、従って、グリッド・マ ップされたエコー強度を計算するのに用いられる音波発生角度を減少させる。従 って、 1)セグメント化と境界を接する再構成における「破れ/ギャップ」が存在す る可能性が上昇し、 2)「スペックル」などの超音波人工物(artefacts)がグリッド・マッピン グによって除去される度合いが減少し、 3)コヒーレンス数によって測定されたイメージの全体的な質を低下させ、従 って、関心対象の体積をセグメント化する能力を低下させる。 再構成されたイメージがTOSCAを用いてセグメント化され、関心対象の体 積(VOI)の境界を確立し、距離、面積及び体積による特徴付けを可能にする 際に得られた結果は、グレースケール「レベル」の設定に依存する。適切な値の 選択は、超音波マシンの設定に、そして、ある程度まで、限界半径(R)などの グリッド・マッピング・パラメータの選択に依存する。測定に一貫性を与え、客 観的なものにするためには、それぞれの特定のVOIに対してレベルの最適な設 定を識別することが必要である。これは、TOSCA(又は、DXネット)にお ける設備を用いて問題になっているエッジ/インターフェースの「プロファイル 」を与え、インターフェースの全体での強度の差の平均であるレベルを選択する ことによって、容易に行われる。 V.検討 ここに表明された結論は、「信頼性の系列」(chain of confidence)を形成 する。これは、従来の二次元超音波スキャニング技術を用いて得られたデータは 、再構成して、構造の信頼でき正確なセグメント化と正確な測定とをサポートし 、徐々に体積のモニタリングをすることができる高品質の三次元グレースケール ・エコー強度イメージを提供することができる、という仮定を支持している。こ の系列のリンクは、次の通りである。 3)百分率変動係数は、密接にグループ化される基準平面の三次元再構成に用 いられる1/r重み付けされたピクセル値の分散を示しているが、平面全体(1 3000ピクセル)に対する平均値は、250フレームの再構成に対して0.7 5%であり、これは、1000フレームの場合と比べて、0.1%低い。 4)二次元超音波イメージ・フレームと、フォーム・ラバー模型(図4)の三 次元的に再構成されたイメージから抽出された同じ二次元平面に対するエコー強 度とを並べて比較すると、狭い範囲のピクセル強度が選択されるときに得られる インターフェースの連続性には違いがあることが示される。識別される可能性が ある345のピクセルに対して、従来の二次元イメージは、35%を有するが、 250のフレームでの再構成からの平面は、70%を有しており(表XX)10 00のフレームでは、92%まで上昇する。 5)TOSCAレベル及びウィンドウ・タイプのアルゴリズムを用いてのセグ メント化の容易性と信頼性とを特徴付けるように機能するコヒーレンス数は、再 び、250のフレーム再構成に対して、51から140の「現実」の二次元イメ ージに対する平面(13000ピクセル)の平均から、1000フレームが用い られる場合の220に改善する(表3)。百分率で275%と430%とのこの 改善は、2x2のボックス・フィルタを用いての「平滑化」の前後でイメージに 対するコヒーレンス数を比較した場合に典型的に見いだされる33%の改善より も、8から13倍効果が大きい。 表XX:現実及び再構成されたイメージ平面の様々な統計的な特性に対する「 典型的な値」のまとめである。限界半径Rは、マップA、B及びCに対して、0 .2から0.3mmの間である。 この出願及び他の文書において提示されている結果は、三次元的な再構成は達 成することができ、ミリリットル以下の範囲の体積を再構成及び分析する際でも 、高い精度が得られるということを示している。これは、位置的な不確実性が大 きいために、「比較的大きな解剖学的特徴」以外のものは、意味を有するように 再構成及び分析することはできない、というデトマー(Detmer)の見解と矛盾し ている。この立場をとるにあたって、デトマーは、付随する誤差は、その性質上 ランダムなものであって、再構成されたものの中のそれぞれの点に対して相関性 のない態様で生じ、従って、ミリメートルという大きさのために、意味のある再 構成は、それらの比較的大きな特徴に制限される、と考えたようである。 我々自身の観察と結果とに基づき、特に、デルタ行列が摂動を生じるような合 成された再構成における、複数の明白で離散的なイメージの生成に関係する観察 と結果とに基づいて、我々は、二次元フレーム登録の誤差は、ランダムではなく システマティックであり、1ミリメートルの残差(residual)は、精度ではなく 正確さの測度を表し、これは、再構成の要素である個々の データ点ではなくて、全体としての再構成された目的物の位置決めに関連するこ とを見いだした。 ネルソンら(Nelson et al.)は、容量的な再構成と比較的大きな目的物(m l)の測定を達成したという点で、フレームの正確な登録(システムの構成及び スケーリング・ファクタ)を行っている。 従来の再構成アルゴリズム Pitt,Humphreys BIR 1994 & BNUS;Detmer;Nelson;McPherson(Sci.American) では、個々のUS平面は、共通の三次元座標系に登録され、次に、補間法を用い て表面をレンダリングして、ギャップを充填する。Prager,Gee(Cambridge)は、 類似する方法を用いるが、横断平面(transverse planes)上にデータを必要と し、交差している平面を「調整」して、境界を位置合わせさせようと試みている 。 これらの再構成方法は、依然として、非常に少数の独立な超音波フレームから のデータに依拠している。スペックルを制限又は除去するために、合成を内在的 に用いることは行われていない。 これらの再構成が、登録誤差に対するグリッド・マッピングよりも脆弱ではな い、などということはあり得ない。 従来の研究者たちは、二次元イメージのシーケンスを得て、空間におけるそれ ぞれの位置を評価していた。そして、それぞれの二次元イメージにおけるすべて のデータ点の位置を計算し、そのデータ値を三次元デカルト座標的なグリッド上 の最も近いグリッド位置に割り当てていた。最良の場合でも、彼らは、それぞれ のグリッド位置に対してただ1つのデータ値(スペックルやシャドウ・アーチフ ァクト(shadow artifacts)に影響されている)を有することになる。値がない 場合には、情報を、最も近い近傍の手順を用いて、隣接する位置から引き出すの である。用いられる位置情報は、すべての二次元平面が平行であるか、又は、フ リーハンド・スキャニングに対して、イメージ平面が、超音波ワンドに付属して いる電磁気的位置決め装置の軸に平行であるか、のどちらかが成立することを想 定している。しかし、これらの2つの想定は、どちらも、望ましくないし、多く の場合には有効ですらな い。 この三次元グリッド上のデータの「単一である」という性質のために、データ 値の信頼性は、それぞれの二次元イメージの場合よりもよいとはいえない。二次 元イメージ内の典型的なインターフェースのグレーレベル・セグメント化は、内 在的に信頼することができず、回避すべきであることが知られている。固定され たセグメント化レベルに対するエッジ連続性の測定(表X1)には、VOIのた めに連続的な境界線を確立するのに必要な「ウィンドウ」の幅と、ウィンドウの 標準的な設定のための、境界線におけるピクセルの数とを決定することが含まれ る。これらの属性は、TOSCAセグメント化に直接に関係する。表にされた結 果は、再構成された平面におけるピクセルの平均値、これは40であるが、に設 定されている「レベル」に対応し、ピクセル数に対する標準的なウィンドウは、 2に設定されている。これは、1009のフレームと0.50mmであるRとを 備えたマップAを用いて得られる、345という最大の「ターゲット」であるピ クセル数を与える。 ここで詳細に論じられる例では、これらのパラメータを用いての、「現実」の 二次元イメージのセグメント化の結果として、121だけのピクセルを含み、残 りはギャップである「経路」(VOIの境界線)が生じる。これは、直接にグレ ーレベル・セグメント化に用いることはできず、「アクティブ形状モデル」、又 は、何らかのそれ以外のモデル・ベースの手順によって扱われなければならない 。[モデルとは、同様の形状についての何らかのアプリオリな知識を意味し、病 状が増大すると、妥当性が低下するという状況である。] この例では、「経路」は、平均ピクセル値が40である。これによって、二次 元イメージに基づいて連続性を達成するためには、ウィンドウ幅が8又は9に設 定されていること、換言すると、グレイレベルの限度が31.5から48.5で あることが必要となる。このような幅の広いウィンドウは、イメージ平面全体の 約50%がインターフェースとして「含まれている」ことを可能とするが、セグ メント化のためには、これは、望みのない目標(lost cause)である。 次の述べる技術は、5つのセクションに分割できる。すなわち、 1.グレーレベル・セグメント化を可能にするデータ密度の著しい増加 2.一致する計算環境を伴った、これらの大きなデータ・セットの再構成のた めの高速アルゴリズム 3.大きなデータ体積に対して回帰技術を用い、最初に、超音波ワンドを較正 することによって、位置データのより高い精度が達成される 4.フリーハンドの合成されたデータの長所を用いて、「現実の」グレーレベ ルの信頼性を向上させる 5.元の二次元データ・フレームを、再構成の後で、それと全く同じ位置の均 等物と直接的に比例する。これによって、実行すべき方法によって生じる改善点 を完全に統計的に分析することを可能にし、従って、このアプローチの有効性に 対する信頼性が上昇する。 これらは、以下の議論において、拡張される。 1.データ密度:グレースケール・セグメント化 超音波に対する三次元的な能力を開発する際に、我々は、直感的なスキャニン グ動作を利用するフリーハンドでのスキャニング技術を用いる。これによって、 最も関心のある領域を高密度にスキャニングすることが可能となる。典型的には 、選択されたフレーム上の超音波エコー強度値の数は、三次元グリッド点の数を 、5倍から10倍上回っている。高密度、データの過剰サンプリング及び複数の 音波発生角度(合成)という性質が実現された後で初めて、MRIやCTなどの 方法のために開発された三次元データ分析用の市販ソフトウェアは、自動化され たグレースケール・セグメント化を提供することができる。グレースケール強度 に基づいて超音波データをセグメント化する能力は、今日まで議論があるが、こ れは、スペックルのためであり、また、同じ目的物に帰されるグレースケールは 、マシンの間で著しく異なるからである。 しかし、この出願で説明された技術全体によると、グレーレベルに対するセグ メント化に成功することが可能となった。第1に、十分な数のデータ平面を記録 及び登録して(典型的には、250から500)、それぞれのグリ ッド点の値が、検査される模型に対して、17から60の間のデータ点の平均と なるようにする。表X1では、R=0.1mmのときのマップBとR=0.1又 は0.2mmのときのマップCとに対する疑わしい値は考慮せずに、再構成に用 いられる超音波フレーム数又は限界半径Rが減少すると、ピクセル・カウントは 、345である最大値から徐々に減少することが予測されることを示している。 R=0.3mmに対してマップCと共に生じる最小値(268)は、現実の二次 元超音波フレームに対して記録される121のカウントよりも、依然として、は るかに大きい。この値(268)は、38.0から40.0のグレーレベルの範 囲内で達成され、連続的な経路は、36.5から43.5のグレーレベル限度の 中で達成される。このように区別が根本的に改善されることによって、正確なグ レーレベル・セグメント化が現実となる。 2.高速;環境 データ密度のこの著しい増加は、フリーハンドでの呼び掛けにおけるすべての フレームをEPOS位置のオーディオ・チャネル記録と共に記録するS−VHS ビデオ・レコーダと、要求される場合には、タイミングがecgサイクルと一致 することを可能にする高度なフレーム選択インターフェースと(S−VHSの第 2のチャネル上に記録される)、500のデータ・フレームからの再構成を30 分未満で可能にする高速のデータ取得及び位置決めアルゴリズムと、を用いるこ とによって、達成される。 S−VHSビデオテープは、約300ギガバイトに相当する情報をそれぞれの テープ上に記憶することができるので、対費用効果がよく効率的なアーカイブを 与える。取得されたデータは、自走的であり(free-running)、被験者に対して 再度の呼び掛けを行うことを必要とせずに、データ部分集合として、その後に抽 出される。ビデオテープ・アーカイブを後処理し、心臓サイクルの特定の周期か らデータの部分集合を抽出することができることにより、同時に登録した構造の 形状、体積及び組織パターンを、これらの異なるフェーズの間に比較することが 可能となる。ここで説明したシステムは、従来型の二次元超音波スキャニング技 術から体積を正確にモニタする手段を 提供するが、用いられている基本的な装置及びソフトウェアは、ほとんどの部分 が、市販のものである。しかし、このプロトタイプの実験室ツールを、十分な融 通性を有し効率的であり臨床的な環境における使用開始を提案することができる 程のシステムにまで発展させたのは、この出願に記載されているカスタマイズさ れたハードウェア及びコンピュータ・ソフトウェアである。我々の実験室では、 このシステムを用いて、超音波データ・セットからの約2000の三次元的再構 成が、過去12ヶ月の間になされており、それぞれが、潜在的に臨床的な妥当性 を有する三次元イメージを提供している。 3.精度、デルタ:再構成 データ密度の増加は、それぞれの二次元イメージにおける個々のデータ点の位 置の精度が大きく改善されたという点で、第2の利点を有している。これは、点 模型を用いて得られたデルタ行列が、この大きく過剰決定されているデータ・セ ットに対して線形最小自乗最小化アプローチを用いることによって最適化され、 3つのビーム軸及びプローブ座標のそれぞれに対して、0.01度及び10ミク ロンのレベルまでの精度を与えているからである。従来の研究者は、その最適化 の過程において個別的なデータ点だけを用いていたので、1.0mm以上のrm s偏差の程度で停止しなければならなかった。 三次元再構成の成功の鍵となるのは、二次元USデータの正確な登録である。 フリーハンド・スキャニングの場合には、この登録は、我々のΔ行列において実 現されているシステム・スケーリング・パラメータの組を正確に決定することに 依存する。平行な平面データからの再構成は、EPOS装置を用いる場合でも用 いない場合でも、特別の場合を表すのであるが、数学的な変換(アペンディクス 1)の分析から導かれ、再構成された体積と交差したスレッドによる模型との詳 細な外形によって確認されているΔ行列の性質と役割とに依然として基づかなけ ればならない。 円柱状のフォーム・ラバー模型などの目的物の複数のスキャンを用いての再構 成は、すべて、多数の離散的イメージから構成されており、それぞれのイメージ は、二次元超音波イメージの部分集合と関連している。用いられるΔが理想的で ある場合には、二次元超音波イメージは、三次元送信機座標系 XYZに正しく登録され、離散的なイメージは、1つの目的物に収束する。Δの 微調整の間には、二次元超音波イメージの三次元的な登録は、完全ではなく、従 って、個別の離散的な目的物は形状が異なっており、体積が正確に収束しないの が一般的である。二次元超音波イメージの登録が正しくなく個々の離散的な目的 物が変形され位置がずれている程度は、部分的にはΔの評価に依存するが、特定 のスキャンの部分集合を構成するイメージに対するEPOSの値(M)を定義す る並進及び向きとにも依存する。 フリーハンド・スキャニングに対する数学的な分析(アペンディクス)による と、次が確認される。 1)真のΔだけが、無制限のフリーハンドでのスキャニング・パターンを用い た、形状、体積及び位置を正確に表す再構成を、結果的に生じる。 2)不完全なΔでも、形状と体積とを正確に表す再構成を提供することはでき るが、非常に制限されたスキャニング・パターンの範囲に対してのみである。 3)すべてのトランスデューサ・EPOS受信機構成に対して、用いられるΔ とは独立に正確な形状と体積とを伴う再構成を結果的に生じさせる、一意的なス キャニングの方向である、「ゼータ方向」が存在する。しかし、この特別な場合 でも、再構成の位置を正しく決定し、超音波基準座標系qrsに対してこの一意 的なスキャニングの方向を決定するのには、真のΔ行列が、必要となる。 等しく離間した平行な二次元USフレーム(Lee & Gardner他を参照)を報告 している論文は、一般に、Δ行列を無視している。これは、Δの回転成分が単位 行列であること、又は、インクリメンタルな変位が二次元USフレームと正確に 垂直であり従ってこの構成に対する一意的な「ゼータ・スキャニング方向」に対 応することを想定することに等しい。フリーハンド・スキャニングの場合には、 再構成に用いられる有効な(単位)行列と真の状況を表す行列との間の相違が、 再構成された目的物の形状、体積又は位置におけるすべての誤差の大きさを制御 する。 Δ行列における小さなずれ(deviations)でさえも、結果として生じる 再構成の質に深刻な影響を与えることがあり、一般には、USプローブにおける 水晶によって定義されるUSビーム平面は、プローブ自体の面に対して正確に位 置合わせができているとはいえない。しかし、単一の平行スキャン再構成では、 非常に著しいΔ行列の食い違いであっても、よい形状の再構成を生じさせること がありうるが、結果的には、体積の測定において劣ったものとなる。フリーハン ドの場合には、イベントのこの組合せは、再構成を行っている者に対し、複数の 離散的イメージによって識別される問題が存在することを警告することになる。 点模型アプローチを用いて超音波イメージを登録するために並進行列を決定す ると、収束の際の規準関数の値は、典型的には、1.0ミリメートル以上のオー ダーのrms偏差である。デトマーら(1994年の論文)によると、点模型で はあるが幾分異なったΔの決定方法とより高度な位置装置を用いる場合に、同じ 大きさの残余が見いだされたとのことである。同様の結果は、他の研究者(Pitt at BMUS 95)によっても見いだされている。 やはりデトマーと一致するのであるが、我々が一般的に見いだしたのは、ずれ が生じる主要な原因は、焦点距離における超音波ビームの厚さが有限であること に起因して超音波に内在する位置的な不確実性である。我々は、方程式1bを用 いてグループ平均P(XYZ)を逆変換し、個別的な超音波イメージの座標系p (qrs)におけるこの点の座標を計算することによって、この組織をより詳細 に調べた。その結果、超音波イメージ平面の上下の高さに対応する座標(q)は 、このモデルと一貫性を有する分散を有することが示された。 真の最適なΔからの微調整されたΔのずれは、位置的な不確実性にも寄与する 。Δ変換は、三次元再構成の質と精度とに大きな影響を与えるので、かなりの正 確さが要求される。幸運にも、この過剰決定型の連立方程式は、極端に振る舞い がよく、単一の最小値と、Δの6つのパラメータのそれぞれに対する、規準関数 のレンジが長くほぼ二次的な依存性とを生じる。大きく異なっているトライアル のΔから開始した微調整は、ΔとP(XYZ)とに対して、同じ解に収束する。 これらの評価は、直接に測定する場合よりも優れ ている(角度は、0.01度、位置は、10ミクロン以内)。 4.合成 三次元データ・ブロックの再構成において用いられる強度データの角度依存性 を減少させる複数の角度によるデータ取得が与えられる。我々のシステムでは、 合成によって、スペックルの効果が減少し、同時に、TOSCA製品によると、 強度のプロファイルをデータ・ブロックの代表的なスライス全体で得ることが可 能となる。これによって、ブロックを通じて、セグメント化のための関心対象の 領域に対して適切なレベルとウィンドウとを選択することが可能になり、規準と なる特徴を用いて、マシンとそれに続くデータ・セットとの間の構造とその強度 に関する相互の相関を得ることができる。このアプローチなしでは、セグメント 化は、失敗する。 更に、それぞれのグリッド点におけるデータ値の信頼性は、合成によって向上 する。これは、合成においては、シャドウイングやまずい視野角によって生じる グレーレベルにおける失敗が、それ以外の「優れた」平面によって、平均では、 帳消しになるからである。17から60のデータ値/グリッド点は、17から6 0の別個のデータ平面が寄与することを意味している(複数の点を与える平面は 存在しない)のを思い出すと、1つ又は2つの「欠点を有する」平面の悪影響は 、急速に消滅することを理解するのは、容易である。これは、従来の研究者が得 ることのできなかったものである。 すべての場合に、「合成された」グリッド・マップされた再構成は、インター フェースのコヒーレンスにおいて、非常に著しい改善をもたらす。この改善は、 単純なデータの平滑化によって得られる者の6から10倍である(表X1)。二 次元データの「キー」平面を用いて三次元グリッドを再構成することに関してこ こで述べた詳細な手順を用いることによって、おそらくは初めて、合成された、 フリーハンドのスキャニングによる、高密度の、サンプリングされたデータに基 づいて、再構成に続いて達成されるイメージの質の改善の真の評価が可能となる 。これは、日常的な臨床での使用に重要な影響を有するだろう。 5.統計:誤差(エラー) このような作業を実行する際の信頼性のレベルは、IBMによるDXシステム の威力により今日では可能になっている%CoVの統計的分析によって評価され る。ここで述べた「キー・フレーム・コンセプト」を用いることで、初めて、現 実の二次元フレームと、三次元的な再構成された「正確に位置が決定している」 その同等物とを比較することが可能となった。このような統計は、二次元イメー ジからは得られないが、三次元的な再構成に関しては、最悪の場合の0.75% CoVでも、安心できる。ここで定義したコヒーレンス数に関しても、データの 平滑化は、改善を行うためにこれまで利用可能であったツールに過ぎないことを 思い出すことが重要である。表X1では、コヒーレンス数、フィルタ数及びエッ ジ連続性の測度は、明白に「平滑化された」イメージに基づいており、二次元グ リッド・セルの4つのコーナーにおける強度値の平均が、中心の強度として用い られる。コヒーレンス数の場合には、評価は、平滑化なしで、このパラメータに 関しても行うことができる(表X1における括弧内の数値)。図X7(シート2 、チャート4)は、これらの2つのオプションの間には相関関係があり、勾配が 1.33であり、回帰係数rが0.998であることを示している。従来の「平 滑化」は33%のオーダーの改善を生じさせるという事実は、「合成」から生じ る150から300%のオーダーの改善のスケールを評価する有用な計量(metr ic)を与える。 この出願及び他の文書において提示されている結果は、三次元的な再構成は達 成することができ、ミリリットル以下の範囲の体積を再構成及び分析する際でも 、高い精度が得られるということを示している。これは、位置的な不確実性が大 きいために、「比較的大きな解剖学的特徴」以外のものは、意味を有するように 再構成及び分析することはできない、というデトマー(Detmer)の見解と矛盾し ている。この立場をとるにあたって、デトマーは、付随する誤差は、その性質上 ランダムなものであって、再構成されたものの中のそれぞれの点に対して相関性 のない態様で生じ、従って、ミリメートルという大きさのために、意味のある再 構成は、それらの比較的大きな特徴に制限される、と考えたようである。 我々自身の観察と結果とに基づき、特に、デルタ行列が摂動を生じるような合 成された再構成における、複数の明白で離散的なイメージの生成に関係する観察 と結果とに基づいて、我々は、二次元フレーム登録の誤差は、ランダムではなく システマティックであり、1ミリメートルの残差(residual)は、精度ではなく 正確さの測度を表し、これは、再構成の要素である個々のデータ点ではなくて、 全体としての再構成された目的物の位置決めに関連することを見いだした。 ネルソンら(Nelson et al.)は、容量的な再構成と比較的大きな目的物(m l)の測定を達成したという点で、フレームの正確な登録(システムの構成及び スケーリング・ファクタ)を行っている。 まとめると、「コヒーレンス数」は、次の3つとよい相関関係にあることが分 かっている。すなわち、 1)TOSCAセグメント化の容易性と一貫性とに基づく、イメージの質の定 量的な評価と、 2)適切な「レベル及びウィンドウ」選択に対応する値の狭い範囲内にあるピ クセルだけを表示することによって明らかになるインターフェースの外観に基づ く、イメージの質の定量的な評価と、 3)「レベル及びウィンドウ」測度を用いる、エッジ連続性に基づく構成要素 であるインターフェースのコヒーレンスからの、イメージの質の定量的な評価と 、である。 最後に グリッド・マップされたデータ・ブロックがいったん生成されると、体積の測 定が、三次元的な分析において利用できる多くの特徴や効用の唯一の例である。 セグメント化された目的物は、表示され回転されて、通常のスキャニングでは得 ることのできない視野を与えてくれる。特徴や組織を強調するのに、フィルタリ ングやカラー・マッピングを施すこともできる。データ・ブロックを通過して要 求される任意の平面を表示して、セグメント化された三次元の目的物に対して表 示することができる。これは、超音波を、MRIやCTなどの他の方法による組 織学的な断面又は同時に登録されたイメージ と比較するときに意味を有する。データは、臓器又は構造のモデルなどの通常の 表面にマップすることができる。これによって、形状や組織の異常の位置を決定 し、ある特徴の分布マップを提供することができるようになる。この情報は、す べて、関係する段階の概要を述べる信頼性の系列(chain of confidence)と共 に、表()にまとめてある。 まとめ−信頼性の系列 模型のピクチャー>模型の体積−>再構成された平面に対するCoV−>現実 の及び再構成された中央の平面の数値−>コヒーレンス数 「典型的な値」であるR20−R30のマップA、B及びCを用いて、表にお いてまとめることができる。 アペンディクス2 回転行列と同次(homogeneous)座標 M及びΔとは、それぞれが、3つの角度と1つのベクトルとによって三次元的 に定義された回転及び並進成分を有する。簡略化された形式の同次座標の記号を 用いることが便利である(MAXW46 & 51/176 & 175 Robert 233 and Newman & Sp roull)。すると、このような変換は、次の形式の2x2の部分に分けられた行 列によって、シンボリカルに表すことができる。 ここで、Rotは、それ自身が、3x3の回転行列であり、Tranは、3つの 成分の列ベクトルである。 回転行列は、ユニタリである行列によって表され、この明細書において利用さ れているいくつかの重要な性質を有する。次に、その内容を述べる。 1)回転行列の転置(transpose)は、その逆行列である。 2)座標系XYZによって与えられている空間内の固定された点に対する座標 がPxyzであり、新たな座標系QRSに対する座標がPqrsであり、QRSの原点 がOxyzであり、QRSの軸が単位ベクトルAxyz、Bxyz、Cxyzによって定義さ れている場合には、Pqrsが与えられてPxyzを得る変換は、並進成分Tr an=Oxyzと、3つの列ベクトルAxyz、Bxyz、Cxyzを有する回転成分Rot とを有する。 3)空間内での向きが3つの方向余弦a、b及びcで表され、行による成分R11 、R12、R13、R21、R22、R23、R31、R32、R33、を有するベクトルの周 囲での角度τの回転を表す行列は、次の通りである。 τ=Cos-1((R11+R22+R33−1)/2 a=(R32−R23)/2*Sin(τ) b=(R13−R31)/2*Sin(τ) c=(R21−R12)/2*Sin(τ) 4)一般化された回転行列は、3つの相互に直交する固有ベクトルを有し、そ の1つは実数であって、回転軸と一致し、残りの2つは複素数である。上述の記 号を用い、iで−1の平方根を表すとすると、固有値と固有ベクトルとは、次の 通りである。 固有値:1.0 固有ベクトル:(a,b,c) 固有値:Cos(τ)+iSin(τ)固有ベクトル:0.707(VA−iV B) 固有値:Cos(τ)−iSin(τ)固有ベクトル:0.707*(VB−i VA) ここで、VAは、(a,b,c)とベクトル(1,0,0)との外積(cross product)から得られる正規化されたベクトルであり、VBは、(a,b,c)と VBとの外積から得られる正規化されたベクトルである。 5)ポルヒームス(POLHEMUS)変換Mは、装置から得られるパラメータである 、3つの位置と3つの向きとによって定義されなければならない。次に、ポルヒ ームス社のマニュアル(参考文献?)での記号を用いて、回転成分Rotが、方 位角、仰角、ロール(ここでは、a、e、rと略記する)として指定され、X、 Y、Z軸の回転を表する3つのオイラー角度によって定義される。回転行列は、 一般には、可換ではないので、順序が重要である。 Rot(a,e,r)=Z(a)*Y(e)*X(r) この積を、3x3行列において具体的に書くと次のようになる。 ただし、sa、ca、se、ce、sr及びcrは、それぞれが、角度a、e、 rそれぞれの制限及び余弦である。 a’=II+a、e’=II−e、r’=II+rとすると、Rot(a,e,r) =Rot(a’,e’,r’)である。 ここで、診断手段として使用しうる非侵襲的技術について以下に記載する。 要約; ワタナベ・ラビットにおけるアテローム性動脈硬化性病変の進行およびプロブ コール処理による病変の成分の変容を30週間にわたり、三次元再構成した超音 波イメージデータを使用してシーケンシャルにモニターした。 三次元超音波データは従来の手で支える(hand held)二次元超音波の呼び掛 けから得られる多く(>500)のイメージ・フレームの空間的方向付けおよび グリッドマッピングによって得られるが、使用する音波発生角度の間で重度に合 成され、シグナル対ノイズおよび構造のコーヒレンスの両方が向上された。この 高密度なデータの合成により、データの正確で再現性のあるグレースケール分析 およびセグメント化が可能となり、グレースケール強度の差異に基づいて同定お よび選択された構造成分のシーケンシャルな体積測 定をできることが見出された。 これらの動物に発生した病変の2つの主要な成分を、超音波イメージの三次元 再構成およびセグメント化を使用して同定し、シーケンシャルにモニターした。 実験の最後に、組織学的手法を使用して病変の組成物を確証した。同定された成 分の一つは、動物のプロブコール処理の間、病変の平滑筋細胞/コラーゲンカプ セル(cap)の発達と相関関係があった。第二の成分は、低レベルのエコーで病 変の脂質含量を示し、第一の成分と共に、組織学的評価により測定される総病変 体積と相関関係があった。サンプリングした大量の超音波データを合成して三次 元再構成することにより、プラーク成分のグレースケールの分別同定および体積 測定ができ、これには従来の超音波イメージでは血液の充満した血管ルーメンと 識別するのが通常困難な脂質を含まれる。 ここに示すデータは、超音波イメージの三次元再構成を使用して、アテローム 性動脈硬化症の進行について精密かつ客観的なシーケンシャル体積測定を行いう ることを示している。 緒言; 広範なイメージングを提供する高分解能トランスデューサおよび走査機器そし てドップラー設備の開発に伴い、経皮的超音波は、血管疾患の呼び掛けおよび末 梢動脈硬化症の判断のために選択される様式となった(Strandncss、1986)。超音 波の呼び掛けが非侵襲性であること、そして二元または三元走査の融通性により 、血管狭窄および血流障害の程度についての情報だけでなく、血管壁のアテロー ム硬化性プラークのテクスチャーの外観についての情報も得ることができる診断 手段が提供される。プラークのテクスチャーのイメージを調べることにより、破 裂および生じる血栓現象の可能性に関して、患者にとって最大のリスクを呈する プラークを認識することができうる。血管の呼び掛けは容易に得ることができる が、それらのイメージ、疾病の程度、そして疾病の進行の正確でシーケンシャル なモニタリングの定量化は未だ困難なままである。 再現性のあるアテローム性頸動脈硬化症の進行のモニタリングに対して超音波 イメージングが適しているかどうかについては、かなりの間、調査中であった。 入手可能な証拠から、頚動脈の二次元イメージから得られる血管内膜−中膜厚( intimal-medial thickness;IMT)の長さの変化の測定は、イメージの生成に 多くの配慮が払われる場合には、血管疾患のモニタリングにおいて定量に利用で きることが示されている(Salonen、1991;Poli、1988;Pignoli、1989;Riley 、1992)。これらの測定が、呼び掛け角度およびBモード・イメージの質の再現 性に依存しているということは、測定過程において音波検査者が決定的な役割を 果たすことになる(Salonen、1993)。 直線寸法よりむしろ体積により、全体構造をそれぞれの呼び掛けで測定できる ようになり、取得角度と得られる画像が独立したものとなる。単一平面における プローブ位置のステップ・モーターの進歩、断層写真撮影装置のプローブ、また はプローブの登録されたシングル・マニュアル・スウィープを含むいくつかの技 術が開発されてマルチ・スライス三次元超音波データが生み出され、体積がシー ケンシャルな測定に使用されるようになった(Levine、1992;Hell、1995;Gard cner、1991;Kelly、1994;King、1990;Moritz、1980;Nelson、1996;Riccabo na、1995)。これらの技術は頸動脈の呼び掛けにうまく適用されてきたが、どの 平面でも単一の観測結果しか得られないため、相対的に低密度のデータに限定さ れる。検査する構造の所々は、アテローム性動脈硬化病変内のカルシウム沈着か ら遮られうる。 それらのイメージから体積を測定するには、一般に手作業によるセグメント化 またはモデル適合アルゴリズム(model fitting algorithms)を必要とするが、 これは単一イメージ内のデータはシステムの至る所から生じるスペックルでしば しば汚染され、自動グレースケールセグメント化法を可能とするほど完全ではな いからである(Nelson、1995、1996;Pretorius、1995)。 体積内の任意の単一地点の種々の呼び掛け角度から得られる複数の観測結果、 およびこれらの観測結果の合成により、超音波イメージのスペックルが減少し、 イメージの質が有意に向上する(Nelson、1996)。十分広い範囲の角度が呼び掛 けに使用されれば、遮へいも減少または回避される。 アテローム硬化性プラークの種々の成分は、超音波の反射体および散乱体とし て様々な程度で作用する細胞および粒子状物質を様々な配置と密度でもっている 。従って、超音波イメージ内のテクスチャーの外観は、反射体と散乱体の割合、 それらのサイズ、配置、および密度に依存し、また、超音波の周波数および呈す る角度に依存する。このテクスチャーに関する情報は十分認識され、プラークの 構造の本質的評価にしばしば適用され、これによってプラークは4または5種類 に区別され、それはカルシウム沈着、線維形成、および脂質含量の程度と分布に よるプラークの均一性を示す。不安定で脂質が多い(lipid laden)プラークは 血栓現象と最も関係が深いが、これが認識された後は、超音波イメージ内のテク スチャー情報の分析によりこれらの成分の定量的同定をするために相当の努力が 払われる。そのようなプラークの脂質成分は反射体または散乱体粒子をほとんど 含有しておらず、そのエコールーセント(echolucent)な性質および外観により 、超音波イメージにおいて低レベルのグレースケール属性(attribution)であ ると同定される(Gcroulakosら;1993、1994)。しかしながら、そのような低レ ベルグレースケール属性を、血液の充満した血管のルーメンと区別するのはしば しば困難である。超音波イメージ生成が角度に依存することにより、テクスチャ ー情報のシーケンシャルな比較は非常に困難となる。全く同一の取得角度を使用 してin vivoでの異なる呼び掛けから同一の画像を得ることは事実上不可能であ る。今のところ、そのような分析からプラーク成分の変化に関する情報を誘導す ることはほとんど成功しておらず、積分された後方散乱データの呼び掛けの代替 技術が、切除した組織と高周波数トランスデューサを使用して研究されてきた( Wickline、1993;Picano、1985)。しかしながら、単一の二次元イメージまたは 後方散乱分析による呼び掛けからのプラーク成分の評価は非常に限定された有用 性のものであり、これは成分が体積中に均一に分布していないことがほとんど間 違いないからである。 テクスチャーのキャラクタリゼーションにおけるシーケンシャルな次元測定お よびビーム角度設定(beam angulation)の両方を含む、アテローム硬化性プラ ークの進行の定量化に関連する問題は、最近このグループによって記 載されたように、フリーハンドの2次元超音波イメージングから得られた化合物 のデータの3次元再構成および体積分析を使用することにより解決されうる(Al lott.1996)。線形の次元よりむしろ体積によって、構造が、規則的な形状か不 規則かに関わらず、それぞれの呼び掛けで正確に測定される。フリーハンドの走 査で構造の呼び掛けに使用される種々の音波発生角度を合成して、更に再現性の 高い反射強度データを得てもよい。興味のある体積の至る所のそのようなデータ のセグメント化はプラークの特徴をより正確に表す。 ワタナベ遺伝性高脂血症(WHHL)ウサギ(Watanabe、1980)はLDL−レ セプター遺伝子(Kita、1983)に変異を有し、これはヒト家族性高コレステロー ル血症に見られるものと類似している。これらの動物では血漿中のコレステロー ル濃度が持続的に増加し、それによって早い時期に一過性の(accelerated)ア テローム性動脈硬化症が引き起こされ、これには大動脈弓でのプラーク形成も含 まれる。この血管におけるアテローム硬化性プラークの進行を種々の観点で研究 するために、多くの研究者がWHHLウサギを使用してきた(Carew、1987;Dau ghcrty、1991;Braescn、1995;O'Bricn、1991;Nagano、1992)。 WHHLウサギの大動脈弓の二次元超音波イメージの後処理システムの開発お よび評価をし、三次元再構成、体積のセグメント化、およびアテローム性動脈硬 化症の病変の進行の分析をするために、本研究に着手した。またこれらの技術は 、抗酸化剤および低脂血症剤であるプロブコールでの処理の際の、進行性のアテ ローム性硬化症病変における変化の同定および定量に使用される。この試薬はワ タナベ・ラビットにおけるアテローム硬化性プラークの体積および細胞組成の両 方に影響することが記載されてきた(Nagano、1992;O'Brien、1991;Carew、19 87;Daughcrty、1991;Braesen、1995)。 方法 12〜14週令のメスのワタナベ・ホモ接合性高脂血症ウサギ(WHHL;Ch arles River,UKLtd.)を、標準的な条件下で、自由に水を摂取できる状態で収容 した。1日当たり150gの標準的なウサギの餌を与え、500gの種々 の生野菜を補い、スイートグラス(sweet grass)の干し草は自由に摂取できる ようにして、飼料中の脂質含量を管理した。動物の体重を1週間間隔で測定し、 体重が減少しないようにした。5週間間隔で動物の血清コレステロールをモニタ ーし、大動脈弓を従来の二次元超音波で検査した。まず0.3mlのフェンタニ ール(Hypnorm、Janssen)を筋肉内に(im)注射して沈静させ、耳の静脈から 2.5mlの血液を採取して市販の比色分析キット(Boehringer Mannheim)で 血清コレステロールを測定用とした。次いで動物に0.25mlのミダゾラム( midazolam)(Hypnovel、Roche)を静脈内(iv)注射して麻酔をかけ、それぞ れの動物の大動脈弓を超音波で調べた。30週で動物を2群に分けた。1群には 1%オリーブオイルを含有する標準的な餌を与え、2群にはオリーブオイルに溶 解した0.5%w/wのプロブコール(Sigma)を餌に添加して与えた。動物を 体重、血清コレステロール濃度、および超音波で測定した大動脈弓の外観に基づ いて分け、全ての選択基準が2群に均等に配分されるようにした。更に30週間 、動物の食餌管理を継続した。血清コレステロールのための血液のサンプリング と三次元再構成をする超音波検査を、残りの試験期間の間、5週間間隔で継続し た。 最終検査の後、過量のペントバルビタールナトリウム(Euthatal、May & Bake r Ltd.)をiv注射して動物を死亡させ、大動脈弓を切除し、生理食塩水で洗浄 して正式な生理食塩水(formal saline)中に保存した。 超音波検査 7.5MHz線形アレイ・トランスデューサを取り付けたToshiba SSH1 40a超音波スキャナーを終始使用した。実験開始時にイメージを最適化して、 呼び掛けパラメータをスキャナーにプレ・セットした。プレ・セット値はその後 の全ての検査に使用し、倍率と焦点のセッティングのみを大動脈弓がはっきり見 えるようにそれぞれの動物で最適化した。三次元再構成を行うために、電磁位置 /方向センサー(EPOS-Polhemus-Isotrak II)を走査トランスデューサに取り付 けた。これによりトランスデューサの位置及び方向の情報が得られ、オフライン ・コンピューター処理によりフリーハンドの二次 元の超音波イメージを再構成して合成した三次元データ・ブロックにすることが できた。 前記の麻酔の後(前記参照)、それぞれの動物の胸部および頸部を鋭利な電動 バリカンで剃毛し、透過ゼリーを大量に塗布した。大動脈弓および頸動脈起点の 画像を鎖骨越しに右側面ウィンドウから得た。大動脈弓および頸動脈起点の周囲 の組織体積を30フレーム/秒(fps)で約3〜5分間、できるだけ多くの音 波発生角度で完全かつ連続的に積算し、イメージをS−VHSビデオテープに保 存した。同時に、動物の胸部に適用したレコーディング電極からECGシグナル を得た。このシグナルを特注のプロセッシング・ハードウェアのモジュールを通 して、S−VHSビデオ・レコーダー・オーディオ・チャンネルに記録した。イ メージと同時に得られたEPOSからの位置情報を第二のハードウェア・モジュ ールで処理し、第二のS−VHSレコーダー・オーディオ・チャンネルに記録し た。これらのシグナルは、後に、超音波イメージ・フレームおよび空間的向き( spatial orientation)の処理後の選別に使用した。イメージデータ、位置情報 、およびECG記録を含んだビデオテープは、三次元再構成および分析まで保存 した。 実験の最後に、COSMOビデオ圧縮カードおよびIRISメディア・ツール を使用して、Silicon Graphics Indy ワークステーショ ンにリアルタイムでビデオテープをデジタル化した。これにより、約6,000 のデジタル化されたイメージ・フレームの呼び掛けのそれぞれについての映像フ ァイルが得られ、超音波イメージが独自に同定され、そのフレームの位置情報お よびECGサイクル内の位置を含めて、オーディオ記録の適当な部分に保存され る。 次いで、特注のモチーフ・アプリケーションを使用して、データ・セットから 得られたイメージ・フレームをECGサイクル内の時間的位置に基づいて更に選 別した。選別したデータ・セットはそれぞれ、心周期の同一位置から種々の呼び 掛け角度で得た約500のイメージ・フレームを含有した。次いで、選別したフ レームからのグレースケール強度のデータを抽出し、空間的に位置を合わせ、通 常の三次元グリッドにマッピングし、合成三次元デー タ・ブロックを得た。これらのデータ・ブロックをIBM RS 6000ワー クステーションに転写し、IBM 三次元自動セグメント化/分析ソフトウェア TOSCA(セグメント化、相関、および分析のためのツール)を使用して分析 した。 それぞれのデータ・セットをTOSCAで視覚化した。肋骨および鎖骨による 骨格の陰影を避けた興味対象部分のアウトラインが得られ、大動脈弓のルーメン も含まれていた。(図1)TOSCA体積増加演算法を使用したセミ・オート統 計学的グレースケールセグメント化(Cootes、1994)を使用し、ウィンドウおよ びレベルのセッティングを固定し、グレースケール・プロフィール設備を使用し て選別して、イメージ内の種々の構造を同定した。以下のパラメーターで、三次 元データ・セットのアウトライン化した領域によってセグメント化を行った:− a)血管のルーメンの描写にはレベル32±2。 b)血管ルーメン内に突出した血管壁に隣接する低エコー性構造の描写にはレ ベル42±4。 c)血管壁および周辺組織に隣接する、またはその内部の構造の描写にはレベ ル60±10。 d)高エコー性(hyperechoic)部分の描写にはレベル90±20。 全てのセグメント化した構造の体積を得て、セグメント化した体積/cm3総 組織として表し、動物の解剖学的変異に標準化した。 組織学的処置 各処置群からの4匹の動物から切り出した大動脈弓をアトランダムで選んで組 織学的処理を行った。大動脈弓をO.T.C Tissur-Tek包埋(embedding)化合物(M iles Inc.)中におき、−28℃に凍結し、トリムした後、アングリア・サイエ ンティフィック・クリオトーム(Anglia Scientific Cryotome)を用いてセクシ ョンを調製した。シーケンシャルな横断セクションが血管の心臓端部から進行す るように大動脈弓を配置させ た。3つの連続する10μセクションを、頚動脈洞付近で終わる大動脈弓の全長 に沿って170μ間隔でとった。セクションを3−アミノプロピルトリエトキシ シラン(Merck-Schchardt)でコーティングしたスライドに乗せた。各3枚の組 のうちの2番目のスライドを即座にオイルレッドO(Sigma)で染色してプラー ク内の脂質を同定してヘマトキシリン(Shandon)で対比染色した。残るスライ ドはスナップ凍結して免疫組織化学的研究又は細胞化学的研究用に−70℃で保 存した。 染色されない正常組織又はオイルレッドOで染色された組織で占められる各セ クションの領域を面積測定により決定した。パナソニックカラービデオカメラを 備えたツァイス顕微鏡を用いてカラービデオモニター上で各セクションを観察し た。領域を透明フィルム上にトレースし、次にTDS Bit Padを用いてディジタル 化した(digitised)。較正グリッドを用いてトレースの大きさを決定し、測定 面積を計算した。各シーケンシャルな10μセクションについての正常組織及び 病巣の面積値を得た。連続するセクション間の190μのギャップについて直線 関係があると仮定して全大動脈を含む容積測定を計算した。データをセグメント 化容積(mm3)/cm3全組織で表した。 病巣コラーゲンの推定 病巣コラーゲン濃度に及ぼす抗酸化剤処理の影響を決定するために、大動脈の 下行部分(descending portion)のスライドを調製した。コラーゲンに対するシ リウスレッドの選択的結合に基づく分光光度計法(De Leon et al.)を用いた。 ファーストグリーンFCFとシリウスレッドの両方を0.1%w/v含む、新た に濾過した飽和ピクリン酸溶液でスライドを30分処理した。次にこれをすぐさ ま蒸留水を5回換えながらリンスし、室温で風乾した。脱水メタノール中の0.1M NaOH(1:1v/v)100μlを2容量で抽出することによってセクションを 脱染色し、これを平底96ウエルプレートのウエル中で合わせて、540nmの吸光 度を測定した。シリウスレッド(1−15μg/ml)に対する標準較正曲線を同 時に作り、この曲線を参照して各セクションから溶出するシリウスレッドの濃度 を決定した。 免疫組織化学処置 −70℃で保存した凍結セクションを用いて病巣の細胞充実性(cellularity )を決定した。特に、平滑筋細胞とマクロファージの相対数を以下の免疫組織学 的アプローチで評価した。大動脈弓の全長をカバーするシーケンシャルな隣接ペ アスライドを選択した。各ペアの第一のスライドはウサギマクロファージRAM −11に対するマウスモノクローナル抗体(Mab)でプローブした。この抗体 はマクロファージ細胞質抗原と反応し、ウサギのアテローム性動脈硬化病巣の細 胞成分を調べる研究によく用いられてきた。スライドをイムノピュア・ペルオキ シダーゼ・サプレッサー(Immunopure peroxidase suppressor:Pierce and Warr iner)とともに21℃で1時間インキュベートし、TBS中で5分リンスし、T BS中の正常ウサギ血清(1:50)と40分インキュベートした。これを次に Mab抗ウサギマクロファージRAM−11(IgG1)(1:40)とともに 1時間インキュベートした。TBS中で5分リンスし、ウサギ抗−マウスペルオ キシダーゼコンジュゲートF(ab)2IgG(Serotec)(1:40)と1時間 インキュベートした。さらにTBS中で5分リンスした後、スライドを金属増強 した3,3'-ジアミノベンジジンテトラヒドロクロリド(Pierce and Warriner)を 用いて10−15分発色させた。 各ペアの第二のスライドは抗−α平滑筋細胞アクチン(抗α−SM−1)でプ ローブした。これはアクチンの42kDのα−平滑筋アイソフォームを認識する が、内皮細胞中に存在するその他のアイソフォームとは反応しない。このアクチ ンアイソフォームは大動脈の血管組織の主なアクチン成分であり、アテローム性 動脈硬化症病巣中の平滑筋細胞の理想的なプローブである(参考文献1)。スラ イドをアルカリ性ホスファターゼ・サプレッサー(Pierce and Warriner)と1 時間、21℃でインキュベートし、トリス緩衝塩溶液(TBS)中で5分リンス し、TBS中の正常マウス血清(1:50)と40分インキュベートした。次に アルカリホスファターゼ結合した抗−平滑筋細胞アクチン(Sigma)(1:10 0)と1時間インキュベートし、さらにTBSで5分リンスした。イムノピュア アルカリ性ホスファターゼ基質キット(Pierce and Warriner)と10分インキ ュベートしてスライドを発色 させた。スライドを水道水で洗浄してヘマトキシリンで30分対比染色した。 ウサギ牌臓、膀胱及び脳の凍結セクションを同時に同じ抗体でプローブし、陽 性及び陰性対照スライドを調製した。 0−5の任意のスコアシステムを用いて、隣接するセクションからのアテロー ム性動脈硬化症病巣の平滑筋細胞とマクロファージ量を評価した。これらの任意 のスコアを相対的比率面積値(relative percentage areavalue)に変換した。 各スライド中に見られるマクロファージに対する平滑筋細胞の比をマッチした隣 接領域を比較することによって計算し、個々のウサギからの全ての病巣について の全てのスコアを平均することによって、各パラメータについての平均スコアを 計算した。 結果 超音波分析 ワタナベ・ラビットの大動脈弓の良好な可視化は7.5MHzのリニア・トラ ンスデューサで得られた。アテローム性動脈硬化病巣と血管ルーメン中の血液と の区別が足りないために、二次元イメージでは病巣の同定と測定は困難であった (図2)。これらの二次元イメージを後処理して三次元に再構成することによっ てこの同定がおおいに助けられた。 合成(compound)三次元データセットにした、ワタナベ・ラビットの1匹の大 動脈弓の1枚の横断スライスを図3に示す。右側のパネルは、弓の上部カーブ上 のポイントAから、血管壁(w)、ルーメン(l)、大動脈後壁(pw)を通っ て、肺動脈(pa)へ至り、ポイントBに至る間のグレースケール強度のピクセ ルxピクセルのプロフィールを示す。この血管の血液で満たされたルーメンは一 定のグレースケール強度32±2でプロフィールしている。グレースケール42 ±4の低レベルエコーをもつ構造がルーメン内に入り込んでいる。血管壁のルー メン側のその他の構造、壁自体及び周囲の組織はよりエコーを生成し、ボクセル ・グレースケール強度60±10で同定できた。 最後に、90±20の領域に、もっとエコー生成性であるランダムに分布した 領域が観察された。42±4及び60±10の2つのグレースケールレ ベルでセグメント化された体積が、血管壁の周囲に位置することと、弓のルーメ ンに入り込んでいることから、アテローム性動脈硬化病巣と関連するという仮説 が得られた。 超音波体積変化 処置前後における三次元超音波データセットのグレースケール容量的分析を、 8匹の対照と8匹のプロブコール(probucol)処置した動物で行った。分析でき ない例は、データ取得中に登録されていない動きのためにデータセットが壊れた ことによる。同じ理由によって、9匹の対照のうち7匹のみで、また9匹のプロ ブコール処置動物のうち5匹のみで完全な長期的動力学的評価が得られた。 表1に示す結果は、対照動物では低エコー物質(42)の体積が30週の処置 期間の間に有意に増加したのに対して、エコー生成物質(60)は変化しなかっ たことを示す。これとは対照的に、プロブコール処置した動物では、低エコー物 質にほとんど変化が見らなかったが、エコー生成物質の体積は有意に増加した。 これら2つのグレースケールでセグメント化された体積を加えて表される全体積 はどちらの群でも時間と共に有意に増加することを示した。5週の動力学的評価 の結果を図4にまとめた。このデータは同様の傾向を示しており、対照動物では 低エコー物質42がグレースケール体積を時間と共に増加し、エコー生成物質6 0は変化せず、一方プロブコール処置した動物では、60がグレースケール体積 を時間と共に増加し、42はグレースケールを一定に保った。しかし、プロブコ ールで誘導される増加は最後の時点で対照から統計学的に区別できるだけであっ た。 組織学的評価 4匹のプロブコール処置した動物(3,5,8及び26)と、4匹の対照動物 (16,17,19及び28)から切り出した大動脈弓をランダムに選んで組織 学的評価を行った。オイルレッドOで染色した連続セクションからの面積測定に より病巣体積を決定したが、2群の間に差は観察されなかった(対照の平均病巣 体積は490±8.5であり、プロブコール処置の平均病巣体積は514±83 .8であり、p=N.S.)。しかしながら、組織学 によって決定した病巣体積と、60/10(p<0.01)超音波グレースケー ルでセグメント化した体積と42/4+60/10値を一緒にしたもの(p<0 .02)との間には統計的に有意な直線関係が観察された(図5)。全病巣体積 と42/4グレースケールセグメント化体積との相関は統計学的有意さに達する ことはできなかった(p=0.11)。 免疫組織学的評価 大動脈弓の長手方向に沿った代表的隣接凍結セクションを処理して、方法の部 に記載したようにしてマクロファージと平滑筋細胞を同定した。図6は、対照群 とプロブコール処置群における病巣の典型的外観と細胞組成を示す。病巣中の細 胞分布の分析のまとめを表2に示す。2群の病巣部位においては、どちらの細胞 タイプもかなり均等に分布していることが観察された。上部脈管内膜にある病巣 の縁に沿ってだけ、プロブコール処置した動物由来の病巣で統計的に多数の平滑 筋細胞が見られた。プロブコール処置はSMCを病巣、特にプラークの上部に集 めて線維キャップ(fibrotic cap)の形成を開始させるよう刺激すると思われる 。解剖学的なバリエーションと固定中の組織の物理的縮小を調節する正規化を行 うと、病変キャップの平滑筋細胞数と超音波再構築から計算された60±10グ レースケール強度のセグメント化体積との間には統計的に有意な直線関係があっ た(図7)。 弓のセクションをシリウスレッドで同様に染色し、これを抽出すると、セクシ ョンのコラーゲン量を定量する手段が得られる。表2に示すように、プロブコー ル処置はシリウスレッド濃度を増加し、従って病巣のコラーゲン量を増加させる 傾向があった。しかしながら、この増加は統計的有意さに達しなかった。しかし 、シリウスレッド濃度と平滑筋細胞スコアとの間には有意な相関があった(図6 )。 図6 A)プロブコール処置したWHHLラビットの病巣の組織学的セクションは、病 巣キャップにおける平滑筋細胞集団の増加を示した−アルカリホスファターゼ抗 SMCアクチンと結合した抗αSMCアクチン。 B)対照動物−上と同じ。 C)オイルレッドOで染色されヘマトキシリンで対比染色された病巣の広がりを 示す、プロブコール処置したWHHLラビットの大動脈弓の組織学的セクション 。 D)ウサギマクロファージ(RAM−11)に対するマウスモノクローナル抗体 でプローブした、プロブコール処置したWHHLラビットの病巣の組織学的セク ション。 検討 非侵襲的体積測定、細胞変化の示唆である樹立したプラーク中における初期の 組織変化の検出と定量を行った。 プロブコールによるワタナベ・ラビットの処置は、進行したアテローム性動脈 硬化プラーク体積に劇的な変化をもたらさなかった。しかしながら、この処置は 、ワタナベ・ラビットモデルでよく見られるマクロファージの多い(macrophage laden)脂肪条痕に由来するプラークの細胞成分を変化させ、この変化は組織学 でも超音波イメージ特徴付けでも確認された。処置を行うと、超音波イメージは エコー生成構造の増加を記録し、これは平滑筋細胞の有意な増加と相関した。組 織学的には、プラークの外縁に存在し、平滑筋の多いキャップを形成し始めた。 これらの観察は進行した病巣には体積変化がないこと(Daugherty,1991)及び 平滑筋細胞成分の変化(O'Brien,1991;Braesen,1995)を示した以前の研究者 の知見と一致する。 ウサギ大動脈弓のフリーハンド超音波スキャンから三次元にデータを再構築で きる能力を図1、3及び5に示す。呼び掛け(interrogations)とイメージ獲得 のために複数の音波発生(insonation)角度を用いることによりデータ合成が可 能となり、これは三次元に再構成されたデータブロックの正確なグレースケール セグメント化を行うのに必須のステップであることがわかった。同様に、二次元 イメージのシーケンシャルな定量を行うときの同様の試みでよく遭遇するリロケ ーション(relocation)問題は、シーケンシャルな三次元再構築から得られる体 積データの決定によって克服された。三次元体積評価の再現性は、対照グレース ケール(60)体積の分析によって最もよく示されており、この対照グレースケ ール体積は、月ごとに最小の 変化しか示さず、平均5.2%の変動係数(Coefficient of Variation:%CoV)で あった。これは線状頸動脈血管内膜−中膜(intimal-medial)厚さ測定について 報告されている観察者間の変動(intraobserver variation)(Salonen,1993;C hambless,1996)と比べて好ましいものである。 グレースケールの属性は血管の種々のコンパートメントとかなりよく一致した 。各動物の血管のルーメンを参照強度として用いて、各再構成において32±2 のグレースケール強度をもたらした。これは超音波スキャナーのプリセットを実 験の間中一定に保っておいたので予期できぬことではなかった。 42±4のグレースケール強度でセグメント化される対象となる低エコー領域 がルーメンの縁であるが管壁自体から離れた場所に見出された。二次元イメージ フレームからの寄与値(contributin value)を検討したところ、このグレース ケール値のコンパートメントは低いルーメン値と高い管壁値との間のシグナル平 均の結果ではないことがわかった(未発表データ)。いくつかの理由から、この 領域はマクロファージに富んだ脂質の多い部位と最も密接に関連すると思われた 。まず第一に、脂質はエコー生成に乏しいことがよく知られており、低レベルの グレースケール属性をもつイメージ領域と関連するであろう。第二に、このグレ ースケール強度でのセグメント化可能な構造の体積は正常ウサギ大動脈では小さ く示された(図9a)。最後に、血管のルーメンに突き出したこの領域の位置は 組織学的セクションで見られた位置と同じである(図9b)。対照群では、この 領域は体積増加が続き、上述したように脂質取り込みが続いた(Daugherty,199 1)。この増加はプロブコール処置群では観察されず、この化合物について前に 示されていた脂質沈着の遅れと関連している。組織学的評価ではプロブコール処 置した動物でマクロファージ数がやや減少したが、これは統計的有意さには達し なかった。マクロファージ数は必ずしも病巣の脂質体積と相関しないので、この 知見の関連性についてははっきりしない。 残りの対象となる領域は中間のグレースケール強度60±10をもち、病巣と は関連するものの、血管壁の付近及び血管壁とくっついて見出された。 2群におけるこのエコー生成領域の体積は、低エコー領域の体積とは全く逆の結 果を示した。対照動物ではこの領域の増加はなく、プロブコール処置動物では時 間に依存した増加を示した。超音波イメージにおけるこれらの違いは、プロブコ ール処置が改良されたエコー生成性をもつ物質をプラーク中に発生させたり集め たりすることを示唆している。病巣の免疫組織学的分析は、プロブコール処置動 物での平滑筋細胞の増加を示しており、これはエコー生成体積と直線的相関を示 した。シリウスレッドの量によってコラーゲンの有意な増加を示すことはできな かったが、病巣の単位体積当たりのシリウスレッドの濃度は平滑筋細胞数と有意 に直線的相関を示した。このことは、SMC単独又はこれと刺激されたコラーゲ ン沈着の組み合わせが、この中間強度における選択的グレースケール体積セグメ ント化によって同定される病巣テクスチュアの変化の原因であることを示唆して いる。その他の高エコー領域(グレースケール強度>70)が同定され定量され たが、処置期間を通じていずれの群にも変化をもたらさなかった。 ワタナベ・ラビットは三次元で超音波イメージを再構成する技術を開発するの に有用であることが判明した。アテローム動脈硬化性プラークの進行と退行、な らびにこれらの事象と関連する細胞変化を非侵襲的にモニターする正確かつ再現 可能な手段としてフリーハンド超音波スキャニングと再構成を用いることを我々 は示した。しかしながら、ウサギモデルは非常に小さい寸法の病巣をもっており 、ヒトアテローム動脈硬化性プラークと通常関連する特徴を全て実験的に表すに は限界がある。 動物の病巣はヒトタイプ1プラークと同様に、主として脂質が多い(Geroulak os,1993,1994)。不均質でよりエコー生成的なプラークはあまり見られない。 それでも、脂質の多いプラークがその固有の不安定さのために心血管に関連する 被告(culprit)病巣であることが今では広く認められている。これらを作って いる血液と脂質の区別が乏しいことから、従来の超音波イメージで同定、測定が 困難であった。従って、本研究ではたとえ小さな被告病巣であっても再現可能に 同定、定量出来、選択されたグレースケール強度の容量的セグメント化(volmet ric segmentation)によって このような病巣における細胞変化をモニターできることを示した。予め較正され たスキャナーからの多数のサンプルイメージを三次元合成すると、極めて信頼性 があり、かつ二次元及び複数スライス三次元環境におけるセグメント化と通常関 連する問題を除去できることが判明した。 これらの動物実験は、自由に得た超音波イメージの三次元再構成が実際的であ り、またこのような技術を用いることによって疾患の進行を定量するときに大き な利点が得られることを示している。 上述した研究の中で、適当なゲーティング技術によっては修正できない人工の 動き(movement artefacts)のために、常にデータを三次元に再構成できるわけ ではなかった。スキャニング中に登録されていない動きがあると、空間アライン メント(alignment)と数分にわたって得られたイメージの合成にかなりの問題 を残す。従って、イメージシーケンスを得ている間にはいかなる登録されていな い動きも最小にするように、そしてこれらの可能性のある問題を除去するような ゲーティング・パラメータを最適にするように注意を払わねばならない。このよ うな動きの原因となりうるのは呼吸であり、従って従来のECG選択基準(sele ction criteria)に加えて、イメージの後プロセシング選択に呼吸ゲーティング を導入した。 また、上述したような実験的研究で非侵襲的方法を用いることにより動物の使 用数を減らすことに注意されたい。組織学的評価法のみを用いてプラーク成分の 経時変化を検討する同様の研究では、各時点でまびいていく動物群を必要とする であろう。病気の進行と退行速度にかなりの個体のバラツキがあるので、統計的 な有意性を得るためには各群に多数の動物が必要となろう。組織学的手法によっ て上述した経時データを得るには、200匹以上を必要とする。ワタナベ・ラビ ットのような貴重な動物資源をこのように大量に使用し、大量の動物を飼育、処 置し、このような数の動物由来の組織学的試料を処理することはかかる研究を実 際的なものでないものにしてしまう。同じ動物個体を非侵襲的に優しく連続的に モニターできるので、それぞれをその対照として使用でき、統計的有意さを得る ために必要な全動物数を大幅に減少できる。 非侵襲的呼び掛けによって同定された被告病巣のプラーク体積とテクスチャの 特徴を正確にモニターできることは、臨床診断及び新規な抗アテローム動脈硬化 症薬剤の臨床試験の両方で大きな利点がある。このような技術を用いて、抗抗ア テローム動脈硬化症治療の臨床研究を以前よりも遙かに小さいスケールで設計で きる。ヒト頸動脈を再構成し、細胞成分と関連する種々のプラークタイプと、こ の血管における抗アテローム動脈硬化症と関連する組織学的外観を同定するのに 必要な基準を検討するための研究を現在行っている。この情報が得られると、上 述した目的を達成し、病気の変化を定量するために非侵襲的モニタリングを用い ることが可能になるであろう。 三次元超音波によるヒト頸動脈分岐点のルーメン体積の測定 まとめ: ゼネカ社で開発された三次元超音波システムを用いて4名のボランティアで2 回にわたり頸動脈分岐点の呼び掛け(interrogate)を行った。目で見た外形(g eometry)と測定したルーメン体積の両方で、各個人についての再構成の間に良 好な対応が見られた。しかし、4名のボランティアは血管分岐点の目で見た外形 が異なっていた。1人のボランティアでは、どちらのスキャンでも認められた小 さい血管病理領域が観察された。 方法: 三次元超音波システムを用いて4人のボランティアで右頸動脈分岐点で呼び掛 けを行った。呼び掛けの間、両腕と左足に付けた接着電極によってECGを記録 した。登録されていない動きを除去するために、顎、額及び頬骨で接触する枠を 用いて、ボランティアの頭を拘束した。各頸動脈を約3分にわたって継続して呼 び掛けした。1週間後に呼び掛けを繰り返した。プロセシング中にECGサイク ル・ゲーティングを用いてデータセットを抽出し、0.3mmのカットオフ半径 で0.2mmの異方的(isotropic)グリッドにグリッドマップした。次にデー タセットを0.2mm厚さの50枚のスライスにセグメント化し、合計で1cm 長さの血管に変換し、完全な内部/外部頸動脈隔壁がデータセットの真ん中に見 られるようなスライスとした。この構造の体積を各セグメントにつき記録した。 セグメント化した構造の表面演色 表示(surface rendered display)を用いて、各個人について1週離して行った 2回のスキャン間の外形の対応を検討した。 結果: ルーメンセグメント化の表面演色(レンダリング)は4人のボランティア回に 外形の違いがあることを示した。各スキャンは同定しうる特徴をもっていた。被 験者1は規則正しい(regular)分岐点をもち、被験者2と3は内部頸動脈中に はるかに大きい外部頸動脈がより鋭角で分岐しており、被験者2は内部頸動脈口 近くに何らかの病気をもつ。被験者4は内部頸動脈と外部頸動脈の間に長い不完 全隔壁をもつ。各ボランティアで繰り返しスキャンしたところ、1回目のスキャ ンと同様の外形を示した(図11)。 1cm長さのルーメンセグメント化で記録された体積は両スキャンで一定であ った。 1cm長さの頸動脈分岐点ルーメンの体積(cm3 検討: 各ボランティアについての2回のスキャンから得られた表面演色したルーメン セグメントの目視試験は良好な外形の対応を与えた。ボランティア間にかなりの 幾何学的差異が見られた。 頸動脈を1cm長さにわたって継続的に体積測定することは、病気の進行又は 退行の検出に用いるシーケンシャル測定を可能にするであろう。 表1:処置前及び処置後の体積変化 表2:プラークの組織
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 アランデル,フィリップ・アンソニー イギリス国 チェシャー シーダブリュー 4 8ピーエヌ,グーストリー,ミル・レ ーン,ブラッドゲート・ハウス (72)発明者 ジョン,ナイジェル・ウィリアム イギリス国 チェシャー シーエイチ3 6ビーエス,チェスター,ハンチントン, チェスター・ロード 71エイ (72)発明者 メローア,ポール・マックスウェル イギリス国 チェシャー シーダブリュー 12 4エルピー,コングルトン,パッグバ リ・レーン 14

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.二次元的に複数回走査された目的物のイメージを三次元的に再構成し、複 数の二次元イメージ・データ・スライスを異なる傾斜角度で生じさせる方法であ って、前記複数の二次元イメージ・データ・スライスは、記録媒体上に記録及び 記憶され、前記記録媒体上では、前記二次元イメージ・データ・スライスが、前 記二次元的な走査が行われる際に時間と共に変動する少なくとも1つの変化する 物理的パラメータに対応するものとしてこれらの二次元イメージ・データ・スラ イスを識別する少なくとも1つのデータと共に、連続して記録され、前記目的物 の前記三次元イメージは、前記記録された少なくとも1つの変化する物理的パラ メータに依存して、前記記録された二次元イメージ・データ・スライスから再構 成され、前記目的物の前記三次元イメージは、前記記録媒体上に記録されたデー タを後処理し、前記変化する物理的パラメータの1つに依存して選択された二次 元イメージ・データ・スライスを用いることによって再構成されることを特徴と する方法。 2.請求項1記載の方法において、前記記録媒体はビデオ・テープであり、前 記二次元イメージ・データ・スライスはその上にビデオ・レコーダによって記録 され、前記少なくとも1つの変化する物理的パラメータは前記ビデオ・テープの オーディオ・トラック上に記録されることを特徴とする方法。 3.請求項1又は請求項2記載の方法において、前記二次元イメージ・データ ・スライスの前記目的物に対する位置決めは、前記変化する物理的パラメータの 1つとして記録されることを特徴とする方法。 4.請求項1、請求項2又は請求項3記載の方法において、前記二次元イメー ジ・データ・スライスが記録される周期の間に、前記目的物に対して作用する時 間変動する効果が、前記変化する物理的パラメータの1つとして記録されること を特徴とする方法。 5.請求項4記載の方法において、前記目的物は生物組織を含むことを特徴と する方法。 6.請求項5記載の方法において、前記目的物は生体の少なくとも一部分 6.請求項5記載の方法において、前記目的物は生体の少なくとも一部分を含 むことを特徴とする方法。 7.請求項6記載の方法において、前記二次元イメージ・データ・スライスが 記録される周期の間に、前記目的物に対して作用する生理的な時間変動する効果 に依存する信号が、前記変化する物理的パラメータの1つとして記録されること を特徴とする方法。 8.請求項7記載の方法において、前記生理的な時間変動する効果はECGを 含むことを特徴とする方法。 9.請求項7又は請求項8記載の方法において、前記生理的な時間変動する効 果は呼吸サイクルを含むことを特徴とする方法。 10.請求項1ないし請求項9の任意の請求項に記載の方法において、前記走 査はフリーハンド走査であることを特徴とする方法。 11.請求項1ないし請求項10の任意の請求項に記載の方法において、前記 走査は超音波走査であることを特徴とする方法。 12.二次元的に複数回走査された目的物のイメージを三次元的に再構成し、 複数の二次元イメージ・データ・スライスを生じさせるのに用いられる装置であ って、 目的物を走査し、前記二次元イメージ・データ・スライスを異なる傾斜角度で 生じさせるように動作可能である走査手段と、 前記走査手段に結合されており、その出力を、前記二次元イメージ・データ・ スライスが連続的に記録される記録媒体上に記録するように動作可能であり、更 に、前記二次元イメージ・データ・スライスと共に、前記二次元的な走査が行わ れる際に時間と共に変動する少なくとも1つの変化する物理的パラメータに対応 するものとして前記二次元イメージ・データ・スライスを識別する少なくとも1 つのデータを、前記記録媒体上に記録するように動作可能である記録手段と、 前記記録手段に結合されており、前記目的物の前記三次元イメージを、前記記 録媒体から、前記記録された少なくとも1つの変化する物理的パラメータに依存 して、前記記録媒体上に記録されたデータを後処理し、前記変化す る物理的パラメータの1つに依存して選択された二次元イメージ・データ・スラ イスを用いることによって、再構成するように動作可能である処理手段と、 を備えていることを特徴とする装置。 13.請求項12記載の装置において、前記記録媒体はビデオ・テープであり 、前記記録手段は、その上に前記二次元イメージ・データ・スライスを記録する ために提供されたビデオ・レコーダであり、前記少なくとも1つの変化する物理 的パラメータは前記ビデオ・テープのオーディオ・トラック上に記録されること を特徴とする装置。 14.請求項12又は請求項13記載の装置において、前記二次元イメージ・ データ・スライスの前記目的物に対する位置決めを、前記変化する物理的パラメ ータの1つとして記録する手段を備えていることを特徴とする装置。 15.請求項12、請求項13又は請求項14記載の装置において、前記二次 元イメージ・データ・スライスが記録される周期の間に、前記目的物に対して作 用する時間変動する効果を、前記変化する物理的パラメータの1つとして記録す る手段を備えていることを特徴とする装置。 16.請求項12ないし請求項15の任意の請求項に記載の装置において、前 記二次元イメージ・データ・スライスが記録される周期の間に、前記目的物に対 して作用する生理的な時間変動する効果に依存する信号を、前記変化する物理的 パラメータの1つとして記録する手段を備えていることを特徴とする装置。 17.請求項16記載の装置において、前記生理的な時間変動する効果はEC Gを含むことを特徴とする装置。 18.請求項16又は請求項17記載の装置において、前記生理的な時間変動 する効果は呼吸サイクルを含むことを特徴とする装置。 19.二次元的に複数回走査された目的物の少なくとも一部分のイメージを三 次元的に再構成する方法であって、異なる傾斜角度での前記走査の結果として生 じる複数の二次元イメージ・データ・スライスは、処理されて、データ値を含む 点から成る三次元グリッドを作成し、前記複数の二次元イメー ジ・データ・スライスは、これらの二次元イメージ・データ・スライスの前記目 的物に対する様々な位置決めを識別する少なくとも1つのデータと関連付けられ 、前記三次元グリッドは、走査されている目的物の前記少なくとも一部分に基づ いて構成され、イメージ・データ値は、前記少なくとも1つのデータに依存して 、前記二次元イメージ・データ・スライスの処理の結果として前記グリッド点に おいて挿入され、前記イメージ・データ値は、グリッド点位置のアレイを通過し てシーケンス動作し、前記グリッド点位置のそれぞれにおいて、前記複数の二次 元イメージ・データ・スライスに含まれており前記それぞれのグリッド点位置に おける前記イメージ・データ値の計算に関係するデータの部分集合を識別し用い ることによって、前記グリッド点において挿入されることを特徴とする方法。 20.二次元的に複数回走査された目的物の少なくとも一部分のイメージを三 次元的に再構成する方法であって、異なる傾斜角度での前記走査の結果として生 じる複数の二次元イメージ・データ・スライスは、処理されて、データ値を含む 点から成る三次元グリッドを作成し、前記複数の二次元イメージ・データ・スラ イスは、これらの二次元イメージ・データ・スライスの前記目的物に対する様々 な位置決めを識別する少なくとも1つのデータと関連付けられ、前記三次元グリ ッドは、走査されている目的物の前記少なくとも一部分に基づいて構成され、イ メージ・データ値は、前記少なくとも1つのデータに依存して、前記二次元イメ ージ・データ・スライスの処理の結果として前記グリッド点において挿入され、 前記イメージ・データ値は、前記複数の二次元イメージ・データ・スライスを通 過してシーケンス動作し、前記グリッド点位置の関係する部分集合への寄与分を 集積することによって、前記グリッド点において挿入されることを特徴とする方 法。 21.請求項19記載の方法において、前記関係する部分集合は、寄与分の相 対的なウェイトが前記イメージ・データ点と前記グリッド点位置との間の距離の 関数としてその内部に作られる限界半径を導入することによって特定されること を特徴とする方法。 22.請求項20記載の方法において、前記関係する部分集合は、寄与分 の相対的なウェイトが前記イメージ・データ点と前記グリッド点位置との間の距 離の関数としてその内部に作られる限界半径を導入することによって特定される ことを特徴とする方法。 23.請求項20又は請求項22記載の方法において、個別の二次元イメージ ・データ・スライスを通過してシーケンス動作する外側サイクルと、前記イメー ジ・データと前記二次元イメージ・データ・スライスのそれぞれと関連付けられ た位置とを通過してシーケンス動作する内側サイクルとを含む2つの入れ子シー ケンス・サイクルを含むことを特徴とする方法。 24.請求項19ないし請求項23の任意の請求項に記載の方法において、点 から成る前記三次元グリッドの位置及び向きは、前記複数の二次元イメージ・デ ータ・スライスの中のユーザが選択したものに対して定義されることを特徴とす る方法。 25.請求項24記載の方法において、点から成る前記三次元グリッドの原点 は、前記複数の二次元イメージ・データ・スライスの中の前記選択されたものの 中心にあることを特徴とする方法。 26.請求項19ないし請求項25の任意の請求項に記載の方法において、前 記走査はフリーハンド走査であることを特徴とする方法。 27.請求項19ないし請求項26の任意の請求項に記載の方法において、前 記走査は超音波走査であることを特徴とする方法。 28.請求項1ないし請求項18の任意の請求項に記載の方法において、前記 走査の結果として生じた前記複数の二次元イメージ・データ・スライスは、処理 され、データ値を含む点から成る三次元グリッドを作成し、前記複数の二次元イ メージ・データ・スライスは、これらの二次元イメージ・データ・スライスの前 記目的物に対する様々な位置決めを識別する少なくとも1つのデータと関連付け され、前記三次元グリッドは、走査されている目的物の前記少なくとも一部分に 基づいて構成され、イメージ・データ値は、前記少なくとも1つのデータに依存 する前記二次元イメージ・データ・スライスの処理の結果として前記グリッド点 において挿入されることを特徴とする方法。 29.登録フレームを定義する位置検出送信機と、前記位置検出送信機と協動 し、それ自身の座標系を有する位置検出受信機と、前記位置検出受信機に機械的 に接続されており、生じるイメージと関連付けされた座標系を有する走査トラン スデューサと、を有する走査及び位置検出デバイスを較正する方法であって、前 記イメージ座標系から前記位置検出受信機の座標系への変換は、トランスデュー サの異なる角度及び位置から空間における点又は体積を走査し、結果的なデータ に対して数学的な処理を反復的に行い、この変換を計算することによって、決定 され、前記イメージ座標系から前記検出受信機の座標系への前記変換の計算は、 点を走査し前記数学的変換を調節して、複数の二次元データ・スライスに対する 前記受信機の座標系における点の位置の拡がりを最小化することによって決定さ れることを特徴とする方法。 30.登録フレームを定義する位置検出送信機と、前記位置検出送信機と協動 し、それ自身の座標系を有する位置検出受信機と、前記位置検出受信機に機械的 に接続されており、生じるイメージと関連付けされた座標系を有する走査トラン スデューサと、を有する走査及び位置検出デバイスを較正する方法であって、前 記イメージ座標系から前記位置検出受信機の座標系への変換は、トランスデュー サの異なる角度及び位置から空間における点又は体積を走査し、結果的なデータ に対して数学的な処理を反復的に行い、この変換を計算することによって、決定 され、前記イメージ座標系から前記検出受信機の座標系への前記変換の計算は、 点を走査し前記数学的変換を調節して、計算された平均点位置の対応する逆変換 への複数の個別的な二次元イメージ・データ・スライス内で観察された点位置の 対応を最大化することによって、決定されることを特徴とする方法。 31.登録フレームを定義する位置検出送信機と、前記位置検出送信機と協動 し、それ自身の座標系を有する位置検出受信機と、前記位置検出受信機に機械的 に接続されており、生じるイメージと関連付けされた座標系を有する走査トラン スデューサと、を有する走査及び位置検出デバイスを較正する方法であって、前 記イメージ座標系から前記位置検出受信機の座標系への変換は、トランスデュー サの異なる角度及び位置から空間における点又は体積 を走査し、結果的なデータに対して数学的な処理を反復的に行い、この変換を計 算することによって、決定され、前記イメージ座標系から前記検出受信機の座標 系への前記変換の計算は、異なる角度からの複数の掃引を用いて空間における体 積を走査し、反復的に数学的な処理を行って前記掃引の容量的再構成の間の三次 元的な対応を最適化することによって定義されることを特徴とする方法。 32.哺乳類の身体内部の条件を非侵襲的に判断する方法であって、二次元的 に複数回走査された前記身体の少なくとも一部分のイメージを三次元的に再構成 し、複数の二次元イメージ・データ・スライスを異なる傾斜角度で生じさせるス テップを含んでおり、前記複数の二次元イメージ・データ・スライスは、記録媒 体上に記録及び記憶され、前記記録媒体上では、前記二次元イメージ・データ・ スライスが、前記二次元的な走査が行われる際に時間と共に変動する少なくとも 1つの変化する物理的パラメータに対応するものとしてこれらの二次元イメージ ・データ・スライスを識別する少なくとも1つのデータと共に、連続して記録さ れ、前記身体の前記三次元イメージは、前記少なくとも1つの変化するパラメー タに依存して、前記記録された二次元イメージ・データ・スライスから再構成さ れ、前記目的物の前記三次元イメージは、前記記録媒体上に記録されたデータを 後処理し、前記変化する物理的パラメータの1つに依存して選択された二次元イ メージ・データ・スライスを用いることによって再構成されることを特徴とする 方法。 33.請求項32記載の方法において、前記記録媒体はビデオ・テープであり 、前記二次元イメージ・データ・スライスはその上にビデオ・レコーダによって 記録され、前記少なくとも1つの変化する物理的パラメータは前記ビデオ・テー プのオーディオ・トラック上に記録されることを特徴とする方法。 34.請求項32又は請求項33記載の方法において、前記二次元イメージ・ データ・スライスの前記目的物に対する位置決めは、前記変化する物理的パラメ ータの1つとして記録されることを特徴とする方法。 35.請求項32、請求項33又は請求項34記載の方法において、前記 二次元イメージ・データ・スライスが記録される周期の間に、前記身体に対して 作用する時間変動する効果が、前記変化する物理的パラメータの1つとして記録 されることを特徴とする方法。 36.請求項35記載の方法において、前記二次元イメージ・データ・スライ スが記録される周期の間に、前記身体に対して作用する生理的な時間変動する効 果に依存する信号が、前記変化する物理的パラメータの1つとして記録されるこ とを特徴とする方法。 37.請求項36記載の方法において、前記生理的な時間変動する効果はEC Gを含むことを特徴とする方法。 38.請求項36又は請求項37記載の方法において、前記生理的な時間変動 する効果は呼吸サイクルを含むことを特徴とする方法。 39.請求項32ないし請求項38の任意の請求項に記載の方法において、前 記走査は超音波走査であることを特徴とする方法。 40.請求項32ないし請求項39の任意の請求項に記載の方法において、前 記走査はフリーハンド走査であることを特徴とする方法。 41.哺乳類の身体内部の条件を非侵襲的に判断する方法であって、二次元的 に複数回走査された目的物の少なくとも一部分のイメージを三次元的に再構成す るステップを含んでおり、異なる傾斜角度での前記走査の結果として生じる複数 の二次元イメージ・データ・スライスは、処理されて、データ値を含む点から成 る三次元グリッドを作成し、前記複数の二次元イメージ・データ・スライスは、 これらの二次元イメージ・データ・スライスの前記目的物に対する様々な位置決 めを識別する少なくとも1つのデータと関連付けられ、前記三次元グリッドは、 走査されている目的物の前記少なくとも一部分に基づいて構成され、イメージ・ データ値は、前記少なくとも1つのデータに依存して、前記二次元イメージ・デ ータ・スライスの処理の結果として前記グリッド点において挿入され、グリッド 点位置のアレイを通過してシーケンス動作し、前記グリッド点位置のそれぞれに おいて、前記複数の二次元イメージ・データ・スライスに含まれており前記それ ぞれのグリッド点位置における前記イメージ・データ値の計算に関係するデータ の部分集合を識別 し用いることによって、前記グリッド点において挿入されることを特徴とする方 法。 42.哺乳類の身体内部の条件を非侵襲的に判断する方法であって、二次元的 に複数回走査された目的物の少なくとも一部分のイメージを三次元的に再構成す るステップを含んでおり、異なる傾斜角度での前記走査の結果として生じる複数 の二次元イメージ・データ・スライスは、処理されて、データ値を含む点から成 る三次元グリッドを作成し、前記複数の二次元イメージ・データ・スライスは、 これらの二次元イメージ・データ・スライスの前記目的物に対する様々な位置決 めを識別する少なくとも1つのデータと関連付けられ、前記三次元グリッドは、 走査されている目的物の前記少なくとも一部分に基づいて構成され、イメージ・ データ値は、前記少なくとも1つのデータに依存して、前記二次元イメージ・デ ータ・スライスの処理の結果として前記グリッド点において挿入され、前記イメ ージ・データ値は、前記複数の二次元イメージ・データ・スライスを通過してシ ーケンス動作し、前記グリッド点位置の関係する部分集合への寄与分を集積する ことによって、前記グリッド点において挿入されることを特徴とする方法。 43.請求項41記載の方法において、前記関係する部分集合は、寄与分の相 対的なウェイトが前記イメージ・データ点と前記グリッド点位置との間の距離の 関数としてその内部に作られる限界半径を導入することによって特定されること を特徴とする方法。 44.請求項42記載の方法において、前記関係する部分集合は、寄与分の相 対的なウェイトが前記イメージ・データ点と前記グリッド点位置との間の距離の 関数としてその内部に作られる限界半径を導入することによって特定されること を特徴とする方法。 45.請求項42又は請求項44記載の方法において、個別の二次元イメージ ・データ・スライスを通過してシーケンス動作する外側サイクルと、前記イメー ジ・データと前記二次元イメージ・データ・スライスのそれぞれと関連付けられ た位置とを通過してシーケンス動作する内側サイクルとを含む2つの入れ子シー ケンス・サイクルを含むことを特徴とする方法。 46.請求項41ないし請求項45の任意の請求項に記載の方法において、点 から成る前記三次元グリッドの位置及び向きは、前記複数の二次元イメージ・デ ータ・スライスの中のユーザが選択したものに対して定義されることを特徴とす る方法。 47.請求項46記載の方法において、点から成る前記三次元グリッドの原点 は、前記複数の二次元イメージ・データ・スライスの中の前記選択されたものの 中心にあることを特徴とする方法。 48.請求項41ないし請求項47の任意の請求項に記載の方法において、前 記走査はフリーハンド走査であることを特徴とする方法。 49.請求項41ないし請求項48の任意の請求項に記載の方法において、前 記走査は超音波走査であることを特徴とする方法。 50.請求項32ないし請求項49の任意の請求項に記載の方法において、前 記条件の判断は、疾病によって影響を受ける構造の寸法の測定を含むことを特徴 とする方法。 51.請求項32ないし請求項50の任意の請求項に記載の方法において、前 記条件の判断は、疾病によって影響を受ける構造を特徴付ける組織の測定を含む ことを特徴とする方法。 52.請求項51記載の方法において、前記構造は、脂質の多い不安定アテロ ーム性動脈硬化症プラークであることを特徴とする方法。 53.請求項32ないし請求項52の任意の請求項に記載の方法において、前 記条件の判断は、疾病によって影響を受ける構造を特徴付ける表面の測定を含む ことを特徴とする方法。 54.請求項32ないし請求項53の任意の請求項に記載の方法において、前 記条件の判断は、手術計画を助けるものとしての前記身体内部の構造の空間的関 係の測定を含むことを特徴とする方法。
JP52443198A 1996-11-28 1997-11-27 二次元走査からの三次元画像作成 Pending JP2001504378A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB9624753.1 1996-11-28
GBGB9624753.1A GB9624753D0 (en) 1996-11-28 1996-11-28 3D imaging from 2D scans
PCT/GB1997/003250 WO1998024065A1 (en) 1996-11-28 1997-11-27 3d imaging from 2d scans

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001504378A true JP2001504378A (ja) 2001-04-03

Family

ID=10803622

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP52443198A Pending JP2001504378A (ja) 1996-11-28 1997-11-27 二次元走査からの三次元画像作成

Country Status (7)

Country Link
EP (1) EP1008111A1 (ja)
JP (1) JP2001504378A (ja)
AU (1) AU5127998A (ja)
CA (1) CA2269323A1 (ja)
GB (1) GB9624753D0 (ja)
IL (1) IL130056A0 (ja)
WO (1) WO1998024065A1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000126182A (ja) * 1998-10-27 2000-05-09 Mitani Sangyo Co Ltd 腫瘍診断方法
KR101382227B1 (ko) * 2013-01-30 2014-04-04 주식회사 넥시아 디바이스 윈도우 영상을 분류하는 방법, 이를 입체 영상으로 변환하는 방법 및 이를 수행하는 전자 장치
KR101492336B1 (ko) * 2013-09-24 2015-02-11 서울여자대학교 산학협력단 금속품의 크랙 자동 검출 시스템 및 그 검출 방법
CN115575496A (zh) * 2022-09-30 2023-01-06 大连理工大学 一种基于反距离权重的高分辨力超声频域全聚焦方法

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB9810236D0 (en) * 1998-05-13 1998-07-08 Microbiological Res Authority Improvements relating to encapsulation of bioactive agents
DE19838140C1 (de) * 1998-08-21 2000-04-20 Tomtec Imaging Syst Gmbh Verfahren und Vorrichtung zur Aufnahme von Ultraschallbildern
US6126599A (en) * 1998-10-01 2000-10-03 Atl Ultrasound, Inc. Ultrasonic diagnostic imaging system with real time spatial compounding processor
US6416477B1 (en) 2000-08-22 2002-07-09 Koninklijke Philips Electronics N.V. Ultrasonic diagnostic systems with spatial compounded panoramic imaging
US8989842B2 (en) 2007-05-16 2015-03-24 General Electric Company System and method to register a tracking system with intracardiac echocardiography (ICE) imaging system
US9549713B2 (en) 2008-04-24 2017-01-24 Boston Scientific Scimed, Inc. Methods, systems, and devices for tissue characterization and quantification using intravascular ultrasound signals
WO2012006636A1 (en) * 2010-07-09 2012-01-12 Edda Technology, Inc. Methods and systems for real-time surgical procedure assistance using an electronic organ map
JP6235583B2 (ja) 2012-07-11 2017-11-22 ユニバーシティー オブ ミシシッピ メディカル センター 画像獲得データから肝線維症を検出及びステージ決定する方法
WO2014073944A1 (es) * 2012-11-09 2014-05-15 Universidad Nacional Autónoma de México Sistema y proceso de inspección dinámica del interior de materia suave
GB201402643D0 (en) * 2014-02-14 2014-04-02 Univ Southampton A method of mapping images of human disease
US20160026894A1 (en) * 2014-07-28 2016-01-28 Daniel Nagase Ultrasound Computed Tomography
US10456105B2 (en) 2015-05-05 2019-10-29 Boston Scientific Scimed, Inc. Systems and methods with a swellable material disposed over a transducer of an ultrasound imaging system
US10803601B2 (en) * 2017-10-13 2020-10-13 University Of Rochester Rapid assessment and visual reporting of local particle velocity
CN110731795B (zh) * 2018-07-19 2022-04-29 青岛海信医疗设备股份有限公司 空间复合成像的处理方法和装置
DE102019118823A1 (de) * 2019-07-11 2021-01-14 Deutsches Zentrum für Luft- und Raumfahrt e.V. Verfahren zur Quantifizierung von Textureigenschaften von Geweben
CN110782516B (zh) * 2019-10-25 2023-09-05 四川视慧智图空间信息技术有限公司 一种三维模型数据的纹理合并方法及相关装置
US11606477B2 (en) 2020-01-20 2023-03-14 Instituto De Pesquisas Eldorado Multispectral camera
EP3975129A1 (en) * 2020-09-25 2022-03-30 Medit Corp. Image processing method providing a reliability representation mode and apparatus using the same
CN114469175B (zh) * 2021-12-21 2024-04-05 上海深至信息科技有限公司 一种甲状腺扫查完整性的判断方法及装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5315512A (en) * 1989-09-01 1994-05-24 Montefiore Medical Center Apparatus and method for generating image representations of a body utilizing an ultrasonic imaging subsystem and a three-dimensional digitizer subsystem
NO943214D0 (no) * 1994-08-30 1994-08-30 Vingmed Sound As Fremgangsmåte ved ultralydavbildning

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000126182A (ja) * 1998-10-27 2000-05-09 Mitani Sangyo Co Ltd 腫瘍診断方法
KR101382227B1 (ko) * 2013-01-30 2014-04-04 주식회사 넥시아 디바이스 윈도우 영상을 분류하는 방법, 이를 입체 영상으로 변환하는 방법 및 이를 수행하는 전자 장치
KR101492336B1 (ko) * 2013-09-24 2015-02-11 서울여자대학교 산학협력단 금속품의 크랙 자동 검출 시스템 및 그 검출 방법
CN115575496A (zh) * 2022-09-30 2023-01-06 大连理工大学 一种基于反距离权重的高分辨力超声频域全聚焦方法

Also Published As

Publication number Publication date
IL130056A0 (en) 2000-02-29
GB9624753D0 (en) 1997-01-15
CA2269323A1 (en) 1998-06-04
EP1008111A1 (en) 2000-06-14
WO1998024065A1 (en) 1998-06-04
AU5127998A (en) 1998-06-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001504378A (ja) 二次元走査からの三次元画像作成
Barry et al. Three-dimensional freehand ultrasound: image reconstruction and volume analysis
DeVore et al. Spatio‐temporal image correlation (STIC): new technology for evaluation of the fetal heart
US7025725B2 (en) Three-dimensional ultrasound computed tomography imaging system
Fenster et al. 3-D ultrasound imaging: A review
Pandian et al. Dynamic three‐dimensional echocardiography: Methods and clinical potential
McCann et al. Multidimensional ultrasonic imaging for cardiology
Insana et al. Analysis of ultrasound image texture via generalized Rician statistics
JP4204095B2 (ja) 被検体ボリュームの三次元イメージング・システムおよび方法
Robinson et al. Measurement of velocity of propagation from ultrasonic pulse-echo data
Li et al. Semi-automatic contour detection for volumetric quantification of intracoronary ultrasound
KR20010014492A (ko) 3차원 초음파를 위한 자동화된 세그먼테이션 방법
Sklansky et al. Real‐time 3‐dimensional fetal echocardiography with an instantaneous volume‐rendered display: early description and pictorial essay
JPH10262975A (ja) 心臓診断用超音波装置
Fenster et al. 3D ultrasound imaging of the carotid arteries
Bhat et al. Validation of volume and mass assessments for human fetal heart imaging by 4‐dimensional spatiotemporal image correlation echocardiography: in vitro balloon model experiments
Hottier et al. 3D echography: status and perspective
Sklansky Advances in fetal cardiac imaging
Kudla et al. Spatiotemporal image correlation using high‐definition flow: a new method for assessing ovarian vascularization
Vogel et al. Comparison of three dimensional echocardiographic findings with anatomical specimens of various congenitally malformed hearts.
Pini et al. Echocardiographic three-dimensional visualization of the heart
Rabben Technical principles of transthoracic three-dimensional echocardiography
Chandrasekaran et al. Three-dimensional volumetric ultrasound imaging of arterial pathology from two-dimensional intravascular ultrasound: an in vitro study
Duan et al. Validation of optical-flow for quantification of myocardial deformations on simulated RT3D ultrasound
Jiang et al. Quantitative three-dimensional reconstruction of left ventricular volume with complete borders detected by acoustic quantification underestimates volume