JP2001503818A - マグネシウムを含む高強度鋳造アルミニウム―ベリリウム合金 - Google Patents

マグネシウムを含む高強度鋳造アルミニウム―ベリリウム合金

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Abstract

(57)【要約】 式(25−60% Al)+(40−75% Be)+(0.1−1.25%Mg)+ によって表される、マグネシウムを含む高強度鋳造アルミニウム−ベリリウム合金であり、Xはニッケル、コバルト、及び銅からなるグループから選択される少なくとも一つの元素であり、Yはシリコン及び銀からなるグループから選択される少なくとも一つの元素であり、Zは鉄、チタン、ジルコニウム、硼素、アンチモン、ストロンチウム、ゲルマニウム、スカンジウム、及び希土類金属からなるグループから選択される少なくとも一つの元素である。

Description

【発明の詳細な説明】 マグネシウムを含む高強度鋳造アルミニウム−ベリリウム合金 発明の背景 本発明は合金に関し、特に、より優れた強度、耐蝕性、X線横断面、及び環境 許容性を有する新しい鋳造アルミニウム−ベリリウム合金に関する。 アルミニウム−ベリリウム合金は、強度、剛性、軽さ、機械加工性及び耐食性 といった特性を独自に合わせ持つことで知られている。これらの特徴のため、航 空機部品からコンピュータのディスクドライブ用のアクチュエータアームセット に至るまで、商業上の広い範囲で、しばしば、注目を浴びてきた。 また、商業上での可能性を更に拡大するために、これらの合金の特性について 、改良及び開発の努力がなされてきた。これは、典型的には、合金の成分濃度を 変化させることによって達成されている。例えば、ベリリウムの濃度を増加する と、アルミニウムやその他の合金成分の酸化を防ぐことができるのは周知のこと である。ニッケルの添加により、アルミニウム−ベリリウム合金の高温耐酸化性 を改善するばかりでなく、合金の強度及び靭性を高めることができることが判っ ている。導電性及び強度を改善するために、銅を添加することも行われている。 アルミニウム−ベリリウム合金を、より商業的に利用可能なものにするために 、マグネシウムも用いられてきた。このことによって延性は改善されるものの、 マグネシウムの他の特徴の故に、真空鋳造合金の用途に対してはその使用は避け られてた。それらの特徴には、揮発性、アルミニウム成分の硬度、強度および加 工硬化率が含まれる。その結果、従来のアルミニウム−ベリリウム合金の商業上 での可能性は限られていた。 発明の概要 本発明の目的は、それゆえ、高性能なアルミニウム−ベリリウム合金の商業領 域における利用の可能性を拡大することである。 本発明の他の目的は、改善された延性を有する高性能の合金を提供することで ある。 本発明の更に他の目的は、インベストメント(埋め込み)鋳造法に適した高性 能のアルミニウム−ベリリウム合金を提供することである。 本発明の他の目的は、マグネシウムを含む、高い強度の鋳造アルミニウム−ベ リリウム合金の製造方法を提供することである。 また、本発明の他の目的は、インベストメント鋳造性を犠牲にすることなく延 性を改善したマグネシウムを含んだアルミニウム−ベリリウム−銅合金を提供す ることである。 本発明更なる目的は、インベストメント鋳造性を犠牲にすることなく延性を改 善したマグネシウムを含んだアルミニウム−ベリリウム−ニッケル合金を提供す ることである。 更に、本発明の他の目的は、インベストメント鋳造によるアルミニウム−ベリ リウム合金製品の簡単且つ効果的な製造方法を提供することである。 また、本発明の更なる目的は、マグネシウムを含むアルミニウム−ベリリウム −銅合金の経済的で、高強度のインベストメント鋳造による製品を提供すること である。 本発明の他の目的は、マグネシウムを含むアルミニウム−ベリリウム−ニッケ ル合金の経済的で、高強度のインベストメント鋳造による製品を提供することで ある。 本発明の一形態によると、式(25〜60% Al)+(40〜75% Be )+(0. =100によって表される、マグネシウムを含む高強度鋳造アルミニウム−ベリ リウム合金において、Xはニッケル、コバルト、及び銅からなるグループから選 択された少なくとも一つの元素であり、Yはシリコン及び銀からなるグループか ら選択された少なくとも一つの元素であり、Zは鉄、チタン、ジルコニウム、硼 素、アンチモン、ストロンチウム、ゲルマニウム、スカンジウム、及び希土類金 属からなるグループから選択された少なくとも一つの元素であることを特徴とす るマグネシウムを含む高強度鋳造アルミニウム−ベリリウム合金が得られる。 本発明の他の形態によれば、式(25〜60% Al)+(40〜75% B e)+(0. =100によって表される、マグネシウムを含むアルミニウム−ベリリウム合金 からなるイ ンベストメント(埋め込み)鋳造ネットシェイプ(完成形状)物品において、X はニッケル、コバルト、及び/あるいは銅であり、Yはシリコン及び/あるいは 銀であり、Zは鉄、チタン、ジルコニウム、硼素、アンチモン、ストロンチウム 、ゲルマニウム、スカンジウム及び/あるいは希土類金属であることを特徴とす るインベストメント鋳造ネットシェイプ物品が得られる。 本発明の更なる形態によれば、式(25〜60% Al)+(40〜75% Be)+(0. =100によって表される、マグネシウムを含むアルミニウム−ベリリウム合金 から本質的になるアビオニクスボックス(航空機用電子回路ボックス)において 、Xはニッケル、コバルト、及び/あるいは銅であり、Yはシリコン及び/ある いは銀、Zは鉄、チタン、ジルコニウム、硼素、アンチモン、ストロンチウム、 ゲルマニウム、スカンジウム及び/あるいは希土類金属であることを特徴とする アビオニクスボックスが得られる。 本発明の更に他の形態によれば、式(25〜60% Al)+(40〜75% Be)+ 5%)=100によって表される、マグネシウムを含むアルミニウム−ベリリウ ム合金から本質的になるアクチュエータの回転可能なアームセットにおいて、X はニッケル、コバルト、及び/あるいは銅であり、Yはシリコン及び/あるいは 銀、Zは鉄、チタン、ジルコニウム、硼素、アンチモン、ストロンチウム、ゲル マニウム、スカンジウム及び/あるいは希士類金属であることを特徴とするアク チュエータの回転可能なアームセットが得られる。 また、本発明の更なる形態によれば、ディスクドライブのシャフトの周りを回 転するボアを有し、ヘッドをディスクドライブのディスクを径方向に横切るよう に配置するためのアクチュエータの回転可能なアームセットにおいて、マグネシ ウムを含むアルミニウム−ベリリウム−銅合金から本質的になる単体であること を特徴とするアクチュエータの回転可能なアームセットが得られる。 また、本発明の他の形態によれば、ディスクドライブのシャフトの周りを回転 するボアを有し、ヘッドをディスクドライブのディスクを径方向に横切るように 配置するためのアクチュエータの回転可能なアームセットにおいて、マグネシウ ムを含むアルミニウム−ベリリウ ム−コバルト合金から本質的になる単体であることを特徴とするアクチュエータ の回転可能なアームセットが得られる。 本発明の更なる形態によれば、マグネシウムを含むアルミニウム−ベリリウム −ニッケル合金において、該合金は、約285KSIの微小硬さHμを有するベ リリウムのβ相に基づく第1の固溶体からなる第1の相と、約85KSIの微小 硬さHμを有するアルミニウムのα相に基づく固溶体からなる第2の相と、約7 14KSIの微小硬さHμを有する未知なる性質の相とを有することを特徴とす るマグネシウムを含むアルミニウム−ベリリウム−ニッケル合金が得られる。 また、本発明の更なる形態によれば、アルミニウム−ベリリウム−銅共晶合金 システムにおいて、その合金システム組織は、ベリリウム相(β相)とアルミニ ウム中で僅かに合金となっているベリリウムの固溶体からなる縮退した共晶との 存在を特徴とするアルミニウム−ベリリウム−銅共晶合金システムが得られる。 また、本発明の他の形態によれば、アルミニウム−ベリリウム−ニッケル共晶 合金システムにおいて、その合金システム組織は、ベリリウム相(β相)とアル ミニウム中で僅かに合金となっているベリリウムの固溶体からなる縮退した共晶 との存在を特徴とするアルミニウム−ベリリウム−銅共晶合金システムが得られ る。 本発明の他の形態によれば、式(25〜60% Al)+(40〜75% B e)+(0. =100によって表されるマグネシウムを含むアルミニウム−ベリリウム合金か ら本質的になるロボットアーム用のエンドエフェクタにおいて、Xはニッケル、 コバルト、及び/あるいは銅であり、Yはシリコン及び/あるいは銀であり、Z は鉄、チタン、ジルコニウム、硼素、アンチモン、ストロンチウム、ゲルマニウ ム、スカンジウム及び/あるいは希土類金属であることを特徴とするロボットア ーム用のエンドエフェクタが得られる。 本発明の更なる形態によれば、自動車エンジン用のピストンにおいて、該ピス トンは、基本的に、式(25〜60% Al)+(40〜75% Be)+(0 .1〜1.25% M されるマグネシウムを含むアルミニウム−ベリリウム合金からなり、Xはニッケ ル、コバル ト、及び/あるいは銅であり、Yはシリコン及び/あるいは銀、Zは鉄、チタン 、ジルコニウム、硼素、アンチモン、ストロンチウム、ゲルマニウム、スカンジ ウム及び/あるいは希土類金属であることを特徴とする自動車エンジン用のピス トンが得られる。 本発明の他の形態によれば、マグネシウムを含む高強度鋳造アルミニウム−ベ リリウム合金を製造する方法が得られる。その製造方法は、まず、アルミニウム −ベリリウムの混合物を真空下で溶解し、つづいて、不活性ガスを使用して、そ の溶解物を加圧する。選択された圧力下で、マグネシウムを添加して沸騰を遅ら せる。その溶解物を、選択された圧力下で、鋳造し、不活性ガス雰囲気中におい て、冷却する。これとは別に、或いは、それと同時に、選択された圧力下で冷却 する。 本発明はマグネシウムを含んでいるアルミニウム−ベリリウム合金に関して図 示され説明されているが、貴金属や、アルミニウム、チタン、ニッケル、鉄、コ バルト、あるいは銅ベースの合金といった他の原料の鋳造特性を改良するために 適応可能である。 図面の簡単な説明 第1図は、本発明のマグネシウム含有量と吸収係数に対する、溶解した合金の 晒し時間の関係を示したグラフである。 第2図は、本発明の合金の機械特性に対する、溶解合金の晒し時間の影響を示 したグラフである。 第3図は、本発明によるベリリウム−(36〜40)アルミニウム−(4.5 〜5.5)ニッケル合金の機械特性とそのマグネシウムの含有量との関係を示し たグラフである。 第4図は、本発明にける、鋳型充填のマグネシウム含有量への依存度を示した グラフである。 第5図は、本発明における、α相及びβ相中の銅濃度に対する合金中の銅濃度 のグラフである。 第6図は、本発明における、β相の格子パラメータに対する合金の銅含有量を 示したグラフである。 第7図は、本発明における、合金(1)及びα相(2)中におけるアルミニウ ムラインの 幅に対する銅含有量を示したグラフである。 第8図は、α相格子パラメータに対する冷却温度のグラフである。 第9図は、ベリリウム−(20〜40)アルミニウム合金の最大引張り強さ( KSI)と銅含有量(wt.%)との関係を示したグラフである。 第10図は、ベリリウム−(20〜40)アルミニウム合金の伸びと銅含有量 (WT.%)との関係を示したグラフである。 第11図は、本発明の一態様によるアビオニクスボックスを示している。 第12図は、本発明の一態様によるコンピュータディスクドライブ用のアクチ ュエータアームセットを示している。 第13図は、図12のディスクドライブ中の一つのアクチュエータアームを示 している。アームに働く力はベクトルで示されている。 第14図は、本発明の一態様によるコンピュータディスクドライブ用のアクチ ュエータアームセットを示している。 第15図は、本発明の一態様によるロボットアーム用のエンドエフェクタを示 している。 第16図は、本発明の一態様によるメタルウッドゴルフクラブの平面図である 。 第17図は、図16の線2−2で切断した断面図である。 第18図は、図16の線3−3で切断した断面図である。 第19図は、本発明の他の態様によるゴルフクラブを示している。 第20図は、図19に示されているゴルフクラブヘッドの底面図である。 発明の実施の形態 本発明は、マグネシウムをアルミニウム−ベリリウム合金と選択した方法で結 合させることと併せて、マグネシウムの濃度を約0.1から1.25%の間で選 択することによって、合金の物理的及び機械的特性に非常に良い影響があるとい う発見に関する。 本発明の一形態は、式(25〜60% Al)+(40〜75% Be)+( 0.1〜1. 00によって表される、マグネシウムを含む高強度鋳造アルミニウム−ベリリウ ム合金にお いて、Xはニッケル、コバルト、及び/または銅からなり、Yはシリコン及び/ または銀からなり、Zは鉄、チタン、ジルコニウム、硼素、アンチモン、ストロ ンチウム、ゲルマニウム、スカンジウム、及び/または希土類金属からなること を特徴とするマグネシウムを含む高強度鋳造アルミニウム−ベリリウム合金であ る。合金のそれぞれの成分の割合は、当業者には理解されるように、好ましくは 重量に基づくものである。 本発明の他の形態は、マグネシウムを含む高強度鋳造アルミニウム−ベリリウ ム合金を製造する方法である。その製造方法は、まず、アルミニウム−ベリリウ ムの混合物を真空下で溶解し、つづいて、不活性ガスを使用して、その溶解物を 加圧するステップを有している。これに、マグネシウムを、選択された圧力下で 、添加して沸騰を遅らせる。その結果物を、選択された圧力下で、鋳造し、不活 性ガス雰囲気中において、冷却する。これとは別に、或いは、それと同時に、選 択された圧力下で冷却する。 例1 本発明の合金に対して、様々な試験が行われた。例えば、本発明の1形態によ ると、50%のマグネシウム−アルミニウムの母合金をアルミ箔中に置き、真空 中でアルミニウム−ベリリウム合金を入れたルツボ上につるした。その後、アル ミニウム−ベリリウム合金を溶解した。溶解中に、その真空を、約650mmH gの圧力のアルゴンガスに変えた。続いて、その溶解した金属の表面の上方で、 母合金を所定の時間加熱し、その溶解した金属内に浸した。その結果、その溶解 した金属は激しく沸騰し、マグネシウム蒸気が多量に噴出した。 例2 ニッケルでできた容器にマグネシウム母合金を入れた。最初、容器を約873 °Kまで加熱した。この容器の中に、50%マグネシウム−アルミニウム母合金 を入れて溶解した。その結果、強いマグネシウムの蒸発が起こり、溶解したアル ミニウム−ベリリウムに加えた時、この溶解金属が飛び散った。あまり濃度の高 くないマグネシウム母合金の場合には、反応強度に影響は現われなかった。マグ ネシウムの吸収については例1の場合よりも不安定であった。同様の結果が、ニ ッケル−マグネシウム母合金を使用したときにも生じた。 例3 まず、マグネシウム母合金を精製し、溶解した金属の液相温度以下の80−1 00°Kに冷却し、アルミ箔で包み、真空下でるつぼ中に入れた。次に、溶解炉 をアルゴンガスで満たし、アルミで包んだ母合金を溶解した金属の固化面上に置 いた。この母合金は、徐々に、加熱され、溶解された。この固化表面の温度は、 約1000℃から1100℃であった。更に、溶解した金属の加熱と同時に加熱 を行った。続いて、母合金をるつぼの中に入れ、溶解した液相母合金を、だいた い同じ温度の溶解した液体金属と混合した。この方法では、金属は飛び散ること はなく、マグネシウムの蒸発はさほど強くなかった。更に、望ましいマグネシウ ムの濃度において合金製造の信頼性を維持しながら、吸収係数約0.7を得るこ とができた。これを、以下の表1で説明する。 表1:マグネシウム導入方法に応じたベリリウム−32アルミニウム−4ニッケ ル合金によるマグネシウム吸収 合金性能を達成させる重要な要素は、鋳型に注入する前の溶解した合金にマグ ネシウムを導入する時間であることがわかった。マグネシウムへ晒す時間とマグ ネシウム濃度との相関を得るための試験を行った。その結果を図1に示す。これ らの試験において、マグネシウムは、約1%の量、合金に導入された。サンプル は、2、4、6、10、20分の間隔で試験 プローブで採取された。 試験の結果を分析すると、マグネシウム濃度は時間(τ)に対して指数関数的 に変化することが分かる。 [%Mg]=0.76 X exp(−0.06(τ)) 更に、晒し時間が約10分の場合には、最初の濃度の約3分の1まで低下し、最 大は、図2に示すとおり、約4分の晒し後であった。この現象は、合金内でマグ ネシウムがより均一に分布された結果であると考えられる。 このように比較的短い晒し時間からすると、様々な商業的仕様において要求さ れるマグネシウムの濃度のベリリウム−アルミニウム合金を、容易に製造できる ことがわかる。 例4 1100グレードアルミニウム、真空鋳造したベリリウム塊、及びニッケルシ ョットからなる混合物を、31%アルミニウム、65%ベリリウム、及び4%ニ ッケルの割合に秤量した。これらの原料をベリリウムのルツボ中に配置し、約2 50ミクロン以下の真空状態で誘導加熱した。合金の温度が約1250℃に達し たとき、真空炉を、真空がちようど1気圧以下になるまで、アルゴンガスで充填 した。次に、合金中に約1.5%のマグネシウムレベルを生じさせるに十分な品 質のマグネシウムリボンを溶解物の中に入れた。混合を促進するために、溶解物 を数分間誘導によって撹拌した。混合した後、その溶解物をグラファイトの鋳型 に注入し、ヘリウム、アルゴン、あるいは窒素ガス中で冷却した。 例5 例4の手順に従って作成した溶解合金を、ワックス法あるいは同様の方法で作 られたネットシェープインベストメント鋳型に注入した。この方法の一般的な説 明は、例えば、1997年7月1日発効の「ベリリウムを含んだアルミニウム合 金とその合金のインベストメント鋳造」という名称の米国特許第5,642,7 73号に記載されており、その開示事項の全 部を、ここに組み込むものとする。その後、鋳型を窒素あるいはアルゴンのよう な不活性ガスの中で冷却する。 例6 例4及び5に記載されているように合金を用意し、今度は、注入した鋳型を圧 力容器に入れて加圧した。沸騰と鋳巣を最小にするためには、180psiの圧 力が最適であることが分かった。圧力を180psiより高くしても低くしても 良い結果は得られるであろう。 マグネシウムの沸騰を遅らせるために高い圧力を使用するという考えは、溶解 、鋳造、及び冷却のどの組み合わせの間にも使用できるであろう。この技術は、 溶解物中に鉛、あるいはリチウム添加物を維持する際にも適用できる。しかし、 各合金成分に対して、それぞれ異なった最適の圧力を使用するべきである。 本発明の様々な形態にしたがって、マグネシウムを含んだベリリウム−アルミ ニウム−ニッケル合金を溶解する一連の実験を、マグネシウムの濃度を約0.1 5%から約1.5%に増加しながら、行った。サンプルは、略4.5%から5. 5%の範囲内のニッケルと、略36%から40%の範囲内のアルミニウムと、実 質的に残りの割合を占めるベリリウムとからなる。機械的特性の試験の結果を以 下の表2、及び図3に示した。 表2:マグネシウム含有量に対するベリリウム−(36〜40)アルミニウム− (4.5〜5.5)ニッケル合金の機械的特性 この表より、マグネシウムの濃度が約0.6%から1.0%の範囲にまで上昇す ると共に、合金の強度も次第に上昇し、それ以上の濃度では、強度は減少する。 延性も同じように変化する。マグネシウムの濃度が約0.7%から0.9%の範 囲にあるものは、約43KSIかそれ以上の最大引張り強さと約2%の延びが得 られた。 インベストメント鋳造の間、流動性ないし充填度(即ち鋳型を充填できる度合 い)は減少する。例えば、略0.2%から0.4%の範囲内のマグネシウムを導 入すると、合金の溶解物 は約5mmの厚さかそれ以下のプローブ壁を埋めることができなかった。これは 、一般に、鋳込み条件の変化と共に悪化した(即ち、注湯を真空中ではなく大気 圧に近いアルゴン雰囲気中で行う場合)。 充填度を増加させるために、鋳型からマグネシウムの蒸気及び他のガスを逃が すための通路を確保するために、鋳型の上方部に通気孔を設けた。図4は、マグ ネシウム含有量に対するプローブの半分の高さを充填する基準Z50(これは約 50mmの壁の高さに対応する)の依存度を示している。 約0.6%から約0.8%のマグネシウムを含む合金は、約2.5mm以下の 厚さの50mmの高さの壁を充填できないことがわかった。マグネシウムの濃度 を上昇させると、さらに充填度が減少することがわかった。マグネシウムを含む ベリリウム−アルミニウム−ニッケル合金は適度の可鋳性を有する高い強度特性 を示した。特別のゲート機構の使用が望ましい。 マグネシウムの濃度を約0.6%から0.8%の範囲内に保持した状態で、機 械的特性及び充填度に対するアルミニウム及びニッケル含有量の影響を、数学的 回帰法(22マトリックス)で調べた。回帰法の式は以下の通りである。 (σB)=250+19[Al]+14[Ni] (δ) =1.69+0.85[Al]−0.5[Ni] (Z50)=0.515+002[Al] [Al]及び[Ni]の値は以下の式によって決定する。ここで、XAl、XNiは合金内のアルミニウム及びニッケルの含有量にそれぞれ対 応している。 これらの式から、合金システムの強度がアルミニウム及びニッケルの含有量の 増加に応じて増加することが分かった。伸びは、アルミニウムを添加することに より上昇し、より多くのニッケルを付加すると伸びは減少した。合金の充填度は 溶解金属のマグネシウム含有量によって決定された。充填度は、概略、アルミニ ウムの含有量が増加すると上昇したが、ニッケルの含有量とは関係ないようであ った。 分析 マグネシウムを含むベリリウム−アルミニウム−ニッケル合金を詳細に分析し た。評価した合金は、約38%のアルミニウムと、約4%のニッケルと、約0. 7%のマグネシウムと、残部実質的にベリリウムとからなっていた。合金内の不 純物濃度は、鉄が約0.15%未満、酸素が約0.1%未満、そしてケイ素が約 0.1%未満であった。1.相構成 合金は2つの主な相からなっており、1つは、約285KSIの微小硬さHμ を有するBe−β相に基づく一次固溶体であり、2つめは、約85KSIの微小 硬さHμを有するAl−α相に基づく固溶体であった。また、合金内には、約7 14KSIの微小硬さHμを有する未知なる性質の相も存在した。2.物理的特性 合金の物理的特性が表3に示されている。熱膨脹係数(α)を、約2℃/分の 加熱速度で算出した。熱伝導率は、平均比熱の計算値と温度伝導率の計算値とか ら決定された。 表3:ベリリウム−38アルミニウム−4ニッケル−0.7マグネシウム合金の 物理的特性 3.機械的特性 下の表4には、合金の機械特性を、温度関数として、示した。これらの特性は 、10回試験をした結果であり、下記の通りである。 引張強度σB 35−45 KSI 降伏強度σ0.2 34−38 KSI 伸び δ 2−3% 面積減少率(圧下率) 2−3.5% 表4:ベリリウム−38アルミニウム−4ニッケル−0.7マグネシウム合金の 機械的特性 4.寸法の安定性 合金の安定性が、下の表5に示されている。 表5.ベリリウム−38アルミニウム−4ニッケル−0.7マグネシウム合金の 寸法安定性の特性 5.他の特性 溶接性は十分であって、鋳造は最小の欠陥をもつて行われた。この合金は炭化 物工具を用いて研削可能であった。高温割れが、5×5mmを超える断面をもっ て、生じる傾向があった。線形収縮率は略1.1%から1.2%の範囲内であっ たが、全収縮率は約9.2%であった。収縮の間隙率は約4.3%までであった 。 充填度は上述の方法により決定した。注湯金属の温度は、略1250℃から1 300℃の範囲内で、鋳型の温度は約600℃であった。充填される壁の高さと 厚さの関係は以下の通りである。 壁の厚さ mm 壁内の充填された高さ mm 1.5 25−40 2.0 60−80 2.5 80−100 3.0 100 一般的にいって、本発明による合金は耐食性であった。90日間、約98%の 相対湿度と約50℃の温度で合金標本をテストをしたが、腐食は表れなかった。 次に、本発明の他の形態として、ベリリウム−アルミニウム−銅共晶合金シス テムについて述べる。この合金システムの組織は、Be相(β−相)と、アルミ ニウム中のベリリウムのわずかに合金化した固溶体との存在によって特徴付けら れる。これらの合金の機械的特性を改善するためには、適当な合金化元素を用い て、更に合金を図ることである。そのような元素は、ベリリウム金属相図によっ て選択される。 これらの相図を分析すると、銅が合金を作る主な元素として約束されているこ とが分かった。銅は、強化元素として効果があることが知られている。これは、 ベリリウム−銅及びアルミニウム−銅の相図からも分かるように、ベリリウムと アルミニウムの両方への銅の溶解性に起因するものと思われる。テストをした標 本は、約60%から70%のベリリウムと、約20%から40%のアルミニウム と、約2%から10%の銅とを含むベリリウム−アルミニウム−銅合金であった 。 別々の相の性質及び組成、及びそれらの銅含有量への依存性を、様々な分析的 な方法を用いて検討した。異なる溶液中での別々の相の選択的且つ相違する溶解 度を基に、物理的及び化学的方法が用いられた。2%のか性ソーダ(NaOH) 溶液内でのアルミニウム相の溶解には、銅の沈殿を伴った。同じ溶液中へのBe5A l Me相の溶解には、銅の溶液中への移動、濃硝酸(HNO3)溶液中への銅の溶 解性、及び上の2%溶液へのベリリウム相の溶解を伴った。 最初の合金組成の化学的分析と関連づけて相の化学的組成を決定するために、 X線方法を使用した(URS−60装置、特性Nikα放射)。これにより、それ ぞれの相の組成元素を決定することができた。ベリリウム−アルミニウム−銅合 金の異なった相の組成及び銅含有量の評価についても調査した。その結果は表6 及び図5に示してある。比較のために、表6は微量分析によって行われた局部的 なX線分析に基づくデータを表している。これらの結果の相関から、この技術の 信頼性を確認でき、また、ベリリウム相の銅の含有量が合金の銅含有量と一致し ているが明らかである。α相中の銅の濃度は、約0.1%から、2%の銅合金に おける約0.3%に増加し、8.0%から9.4%銅合金では約2%から4%に 増加する。 表7にあるように、アルミニウム−ベリリウム−銅合金の種々の相中の絶対銅 含有量及び、 β相中の銅の量は、その合金中にある全銅量の約80%であった。 表6:物理的及び化学的分析(1)及び局部的X線のスペクトル分析(2)の結 果によるベリリウム−アルミニウム−銅合金の化学的組成表7:ベリリウム−アルミニウム−銅合金の相による銅の分布 α相中に閉める銅の割合は、合金内の銅含有量が約2%から約9.4%に増加 すると、約2%から約14%まで増加する。ベリリウム及びアルミニウム(β及 びα固溶体相)中での銅固溶体の形成は、図6に示すように、これらの相の結晶 格子パラメータの変化、及び図7に示すように、α相でのラインの拡大によって 確認される。 2成分の合金(ベリリウム−銅)を3成分の合金(ベリリウム−アルミニウム −銅)と比較すると、3成分系の格子パラメータの変化が2成分系の変化より大 きい場合に限り、銅とアルミニウムが同時に存在するβ固溶体へアルミニウムが 溶解する可能性が明らかとなった。 更に、合金相の組成は温度には敏感でないことが分かり、約730から820 °Kまでの温度では相の組成には目立った変化は見られなかった。この温度範囲 において、ベリリウム銅(BeCu)及びベリリウム3銅2アルミニウム(Be 3Cu2Al)が溶解する。このことは、これらの相からのX線ラインが消滅す ることによって確認された。金属組織学的な分析により、これらの相は、β相の 境界を形成し、ほぼ730から820°Kの温度範囲内で、α及びβ相中に溶解 するので、消失するものと考えられる。これにより、熱処理温度の管理様式が決 定される。 鋳造及び熱処理の後に、合金の銅の格子パラメータを測定して得られた実験結 果から、α相中での銅の合金化は、一般に、銅の含有量の増加及び急冷温度の低 下と共に増加することが分かった。これは、図8に示すとおりである。両方の場 合における格子パラメータの減少は、α相中の銅の含有量の相対的増加に関係す ると考えられる。 次に、微量添加部の分析についてであるが、X線分光法を用いて、α及びβ相 内のマグネシウム、マンガン、クロミウムといったごく僅かな添加物及び不純物 の分布を調査した。銅及びアルミニウムの分布もまた決定した。マグネシウムは 、α相内に均一に分布していた。銅は、それぞれの相、すなわち、α相及びβ相 中に、また、合金粒子中に存在していた。 これらの分析によって、合金の化学的組成を高い信頼性を持って容易に決定す ることができた。また、マグネシウムの役割及び、微量の合金化添加物及び他の 不純物の役割も明らか になった。 表8には、合金を金属組織学的に分析した結果を示している。銅を添加すると 、ベリリウムの粒界に銅がベリリウム−銅(Be−Cu)型の相の形で析出する ので相間寸法が大きくなる。ベリリウム−銅相の体積比は、一般に、銅の含有量 の増加と伴に増えるが、ベリリウム合金の体積比は約1%と比較的一定のままで あった。 表8:ベリリウム−アルミニウム−銅合金の構造への銅の影響 銅を添加すると、β相の微小硬さ(その値の範囲は比較的大きい)及びα相( アルミニウムマトリックス)の微小硬さが増加した。これは、アルミニウム中で の銅の固溶体の形成及び化学的変化によるものであると考えられる。機械特性の 顕著な増加は、アルミニウムのα相の強化の結果であると考えられる。 銅の濃度を約2.0%から約10.0%に変えて一連の溶解実験を行った。テ ストした標本は(20〜40)アルミニウム合金であつた。その結果、アルミニ ウム−ベリリウム−銅 合金の銅の含有量が増加すると、強度が増加し、伸びが小さくなり、他方アルミ ニウムの含有量が増加すると、その反対の結果が得られることがわかった。機械 的テストの結果を、図9及び図10に示している。含有量の比較的低いアルミニ ウム(20%)及び銅(6%)を含む合金から作ったサンプルは、テスト中に鋳 造欠陥をおこし、失敗した。ダイアグラムにあるように、これらの基準が最大の 機械的特性を決定する。 ここで説明している方法は、ベリリウム−アルミニウム−ニッケル合金、ある いはベリリウム−アルミニウム−銅合金に適用されるが、本発明の範囲内におい て、同様の方法が、例えば、銀、鉄、コバルト、シリコン、チタン、ジルコニウ ム、あるいは他の元素のような添加物を含む合金にも、実施可能である。 全体として、マグネシウムが、アルミニウム−ベリリウム合金に種々の方法で 添加され得る。すなわち、混合物中に最初から添加すること、フォイルあるいは 混合物上に載置すること、別々に溶解して固体をその溶解物に投入することによ って添加すること、もしくはその溶解物を鋳型に充填する前に、所望の量のマグ ネシウムを含む湯だまりの中あるいはその上に、その溶解物を注入する方法があ る。望ましくは、溶解したマグネシウム母合金を溶解したアルミニウム−ベリリ ウム合金上に注入する、もしくは、その溶解物中にマグネシウムリボン/ワイヤ あるいはマグネシウム母合金リボン/ワイヤを入れる、という方法でマグネシウ ムが添加される。それぞれの場合において、純粋なマグネシウム、あるいは50 −50のマグネシウム−アルミニウムのようなマグネシウム母合金のいずれも、 可能なマグネシウム源として機能するが、母合金を使用する場合の差遺書の混合 物の化学組成には修正が必要であろう。 アルミニウム−ベリリウムは、第3元素であるマグネシウムとより高順位の元 素を添加する基本合金である。本発明の合金は、必要なびん秤量し、ここで提示 されている様々な方法によって溶解し、マグネシウムを添加することにより作ら れる。“Z”で表される元素は、マグネシウムを添加する前、いつでも添加する ことができる。 マグネシウムとシリコンの重量比が2:1であることが、機械的特性には最適 であると考えられている。鋳造性を上げるために、シリコンの含有量を理想的な 比率以上に増加させることもできる。ニッケル、コバルト、銅、鉛、及び鉄の合 計を約2%未満に維持するなら、 シリコンの添加は約6%まで可能であると認められる。約0.2%のストロンチ ウムあるいは他のシリコン調節剤(modifier)の添加は、合金の性能に 採って比較的重要なことと考えられる。 全体的に、本発明には、マグネシウムを含む高強度アルミニウム−ベリリウム 合金のインベストメント鋳造を容易にするという利点がある。その結果できた合 金は低いX線横断(X−ray cross section)及び優れた耐蝕性 を有する。さらに、添加物としてのマグネシウムを銀に替えると、処理中及びリ サイクルの際の環境汚染及び他の水汚染といった問題を除くことができる。本発 明はさらに、鋳造の直前、及び真空精製の直後に、マグネシウムを溶解物に添加 するという特徴も提供している。これにより、沸騰及び蒸着によるマグネシウム 損失を削減することができる。 図13−20を参照して、本発明の合金の様々な商業的応用について述べる。 本発明の1形態によると、図11に示されているとおり、アビオニクスボックス がこの合金で、好ましくはインベストメント鋳造法により、形成される。このボ ックスは、高い剛性、優れた機械的サポート、軽量及び優れた熱除去といった現 代の航空機に望ましい特徴を有すると伴に、温度サイクルに対し安定性を保証す るに十分低い熱膨張係数を備えている。 本発明の他の形態によると、マグネシウムを含む高強度鋳造アルミニウム−ベ リリウム合金から形成されるアクチュエータのアームセットが提供される。図1 2−14に示すように、アクチュエータの回転可能なアームセットは、ディスク を径方向に横切ってヘッドを位置決めするためにディスクドライブのシャフトの 周りを回転するためのボアを有する。このアームセットは、約1から99重量% のベリリウムと約0.1から1.25重量%のマグネシウムを含むアルミニウム の合金から本質的になる、好ましくはインベストメント鋳造で作られた単体であ る。 特に図12は、アクチュエータアーム14に複数のヘッド12を設けたハード ディスクドライブ用のリード/ライトアセンブリを示している。ヘッド12とア クチュエータアーム14はアクチュエータシャフト13上に−体に組み立てられ ている。このアクチュエータシャフトは、マグネットハウジング22中に配置さ れたワイヤコイル18及びマグネット20の相互作用によって回転する。アクチ ュエータアーム14は、静止状態の時のディスク上に載 るように、弾性的に付勢されている。ディスクが回転すると、ヘッド12下に空 気圧が発生し、ヘッドをディスクの僅か上方に持ち上げる。 アクチュエータアーム14は、図13に示すように、垂直方向力24及び回転 角方向の力26を受ける。アクチュエータアーム14は、垂直方向の振動の振幅 を最小化して、アクチュエータアーム14の上下にあるディスクの破壊を避ける に十分な剛性を有すべきである。同様に、アクチュエータアーム14は、横方向 の振動の振幅を最小化して、ディスク上の適切なアドレスへのリード/ライトの 早い応答を得るために十分な剛性を有すべきである。積層型の材料は、原理的に 、垂直方向の振れを最小にする効果がある。本発明によるマグネシウムを含むア ルミニウム−ベリリウム合金は、垂直方向及び横方向両方の振れを最小にすると いう効果がある。 図14には、本発明の他の形態によるアクチュエータアームセットが示されて いる。アクチュエータ11は、アームセット15、複数のサスペンション16、 複数のトランスデューサ17、ボイスコイル18、及びクラッシュストップ20 を有する。アームセット15は本体26を有する。本体にはブラケット28及び 29が設けられており、これらは、ボイスコイル18と、ディスクドライブアセ ンブリのそれぞれのハードディスクの上下に位置している複数のアーム20とを 支持している。 これらの一般的な構成のアームセットの構造は、例えば、1996年11月2 6日発行の米国特許第5,578,146号、及び1995年12月12日発行 の米国特許第5,475,549号に記載されている。これら両特許の開示は、 そっくりそのまま参考としてここに組み込まれる。 次に、ロボットへの応用として、本発明の1形態によるロボットアームのため のエンドエフェクタ32について、概略的に説明する。図15a−15bに示さ れている顎部33及び34は、少なくともその一部が、本発明によるマグネシウ ムを含んだ高強度鋳造アルミニウム−ベリリウム合金で作成されている。エンド エフェクタは、物体及び/あるいは材料を高速動作中に把持するだけでなく、高 精度に配置する作業をも含む様々な機能を行なう。 本発明の他の形態によると、ゴルフクラブのヘッド全体あるいはその一部が、 本発明のマグネシウムを含む高強度鋳造アルミニウム−ベリリウム合金によって 作成される。図16− 18に示されたゴルフのメタルウッドドライバ40は、鋳造された2分割品42 及び44から作成されており、これらは、クラブフェース50に平行にホーゼル 52の後方に延びている継ぎ目46に沿って互いに結合されている。2分割品は 、結合されると、フェース領域50、ホーゼル52、ソール領域54及びクラウ ン56を有する中空メタルウッドクラブを画定する。 図19及び20に示されたゴルフクラブヘッド60は、本発明のマグネシウム を含む高強度鋳造アルミニウム−ベリリウム合金によって全体あるいはその一部 が作成されている。ヘッドは、前壁62と基底壁64とを有する。基底壁は、ネ ジ溝付ぎ挿入物66a,bを有し、これらは対応する孔68a及びbで受けられ ている。挿入物は、銅合金あるいは鉄のような比較的重い材料から作られる。 本発明によるゴルフクラブヘッドの製造方法は、例えば、1992年12月1 日発行の米国特許第5,167,733号に記載されており、その開示はそのま まここに参考として組み込まれる。 本発明の合金を、アビオニクスボックス、アクチュエータアームセット、エン ドエフェクタ、そしてゴルフクラブについて説明してきたが、この合金は、自動 車エンジンのピストンや、ブレーキキャリパーなどの他の応用にも適しているこ とが分かっており、このような応用は本発明の意図と範囲に含まれていると考え る。 本発明の種々の変更や修正が、本発明の開示を検討することによっ考えられる であろう。これらの変更及び付加は、以下の請求項によって規定されている本発 明の範囲及び意図内にあるものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 式(25〜60% Al)+(40〜75% Be)+(0.1〜1 .25% って表される、マグネシウムを含む高強度鋳造アルミニウム−ベリリウム合金に おいて、 Xはニッケル、コバルト、及び銅からなるグループから選択された少なくとも 一つの元素であり、 Yはシリコン及び銀からなるグループから選択された少なくとも一つの元素で あり、 Zは鉄、チタン、ジルコニウム、硼素、アンチモン、ストロンチウム、ゲルマ ニウム、スカンジウム、及び希土類金属からなるグループから選択された少なく とも一つの元素であることを特徴とするマグネシウムを含む高強度鋳造アルミニ ウム−ベリリウム合金。 2. 式(25〜60% Al)+(40〜75% Be)+(0.1〜1 .25% 表される、マグネシウムを含むアルミニウム−ベリリウム合金からなるインベス トメント(埋め込み)鋳造ネットシェイプ(完成形状)物品において、Xはニッ ケル、コバルト、及び/あるいは銅であり、Yはシリコン及び/あるいは銀であ り、Zは鉄、チタン、ジルコニウム、硼素、アンチモン、ストロンチウム、ゲル マニウム、スカンジウム及び/あるいは希土類金属であることを特徴とするイン ベストメント鋳造ネットシェイプ物品。 3. 式(25〜60% Al)+(40〜75% Be)+(0.1〜1 .25% 表される、マグネシウムを含むアルミニウム−ベリリウム合金から本質的になる アビオニクスボックス(航空機用電子回路ボックス)において、Xはニッケル、 コバルト、及び/あるいは銅であり、Yはシリコン及び/あるいは銀、Zは鉄、 チタン、ジルコニウム、硼素、アンチモン、ストロンチウム、ゲルマニウム、ス カンジウム及び/あるいは希土類金属であることを特徴とするアビオニクスボッ クス。 4. 式(25〜60% Al)+(40〜75% Be)+(0.1〜1 .25% 表される、マグネシウムを含むアルミニウム−ベリリウム合金から本質的になる アクチュエータの回転可能なアームセットにおいて、Xはニッケル、コバルト、 及び/あるいは銅であり、Yはシリコン及び/あるいは銀、Zは鉄、チタン、ジ ルコニウム、硼素、アンチモン、ストロンチウム、ゲルマニウム、スカンジウム 及び/あるいは希土類金属であることを特徴とするアクチュエータの回転可能な アームセット。 5. ディスクドライブのディスクを径方向に横切るようにヘッドを位置決 めするためにディスクドライブのシャフトの周りを回転するためのボアを有する アクチュエータの回転可能なアームセットにおいて、マグネシウムを含むアルミ ニウム−ベリリウム−銅合金から本質的になる単体であることを特徴とするアク チュエータの回転可能なアームセット。 6. ディスクドライブのディスクを径方向に横切るようにヘッドを位置決 めするためにディスクドライブのシャフトの周りを回転するためのボアを有する アクチュエータの回転可能なアームセットにおいて、マグネシウムを含むアルミ ニウム−ベリリウム−コバルト合金から本質的になる単体であることを特徴とす るアクチュエータの回転可能なアームセット。 7. ディスクドライブのディスクを径方向に横切るようにヘッドを位置決 めするためにディスクドライブのシャフトの周りを回転するためのボアを有する アクチュエータの回転可能なアームセットにおいて、マグネシウムを含むアルミ ニウム−ベリリウム−ニッケル合金から本質的になる単体であることを特徴とす るアクチュエータの回転可能なアームセット。 8. マグネシウムを含むアルミニウム−ベリリウム−銅合金から本質的に なるアビオニクスボックス。 9. マグネシウムを含むアルミニウム−ベリリウム−銅合金から本質的に なるアビオニクスボックス。 10. マグネシウムを含むアルミニウム−ベリリウム−ニッケル合金から 本質的になるアビオニクスボックス。 11. 約38%アルミニウムと、約4%のニッケルと、約0.7%マグネ シウムと、残部実質的にベリリウムと、約0.15%以下の鉄と、0.1%以下 の酸素と、0.1%以下のケイ素とから実質的になるマグネシウムを含むアルミ ニウム−ベリリウム−ニッケル合金において、該合金は、約285KSIの微小 硬さHμを有するベリリウムのβ相に基づく 第1の固溶体からなる第1の相と、約85KSIの微小硬さHμを有するアルミ ニウムのα相に基づく固溶体からなる第2の相と、約714KSIの微小硬さH μを有する未知なる性質の相とを有することを特徴とするマグネシウムを含むア ルミニウム−ベリリウム−ニッケル合金。 12. マグネシウムを含むアルミニウム−ベリリウム−ニッケル合金にお いて、該合金は、約285KSIの微小硬さHμを有するベリリウムのβ相に基 づく第1の固溶体からなる第1の相と、約85KSIの微小硬さHμを有するア ルミニウムのα相に基づく固溶体からなる第2の相と、約714KSIの微小硬 さHμを有する未知なる性質の相とを有することを特徴とするマグネシウムを含 むアルミニウム−ベリリウム−ニッケル合金。 13. アルミニウム−ベリリウム−銅共晶合金システムにおいて、その合 金システム組織は、ベリリウム相(β相)とアルミニウム中で僅かに合金となっ ているベリリウムの固溶体からなる縮退した共晶との存在を特徴とするアルミニ ウム−ベリリウム−銅共晶合金システム。 14. アルミニウム−ベリリウム−ニッケル共晶合金システムにおいて、 その合金システム組織は、ベリリウム相(β相)とアルミニウム中で僅かに合金 となっているベリリウムの固溶体からなる縮退した共晶との存在を特徴とするア ルミニウム−ベリリウム−銅共晶合金システム。 15. 式(25〜60% Al)+(40〜75% Be)+(0.1〜 1.25% 表されるマグネシウムを含むアルミニウム−ベリリウム合金から本質的になるロ ボットアーム用のエンドエフェクタにおいて、Xはニッケル、コバルト、及び/ あるいは銅であり、Yはシリコン及び/あるいは銀であり、Zは鉄、チタン、ジ ルコニウム、硼素、アンチモン、ストロンチウム、ゲルマニウム、スカンジウム 及び/あるいは希土類金属であることを特徴とするロボットアーム用のエンドエ フェクタ。 16. 自動車エンジン用のピストンにおいて、該ピストンは、基本的に、 式(25〜 むアルミニウム−ベリリウム合金からなり、Xはニッケル、コバルト、及び/あ るいは銅であり、Yはシリコン及び/あるいは銀、Zは鉄、チタン、ジルコニウ ム、硼素、アンチモン、ストロンチウム、ゲルマニウム、スカンジウム及び/あ るいは希土類金属であることを特徴とする自動車エンジン用のピストン。 17. マグネシウムを含む高強度鋳造アルミニウム−ベリリウム合金を製 造する方法において、 (1)アルミニウム−ベリリウムの混合物を真空下で溶解するステップと、 (2)不活性ガスを使用して、ステップ(1)の溶解物を加圧するステップと 、 (3)ステップ(2)の溶解物に、選択された圧力下で、マグネシウムを添加 して沸騰を遅らせるステップと、 (4)ステップ(3)の溶解物を、選択された圧力下で、鋳造するステップと 、 (5)ステップ(4)の溶解物を、不活性ガス雰囲気中において、冷却するス テップとを有することを特徴とする方法。 18. 請求項15による方法において、ステップ(5)は、ステップ(4 )の溶解物を、選択された圧力下で冷却することであることを特徴とする方法。
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