JP2001501481A - Mapキナーゼ:ポリペプチド、ポリヌクレオチドおよびその使用 - Google Patents

Mapキナーゼ:ポリペプチド、ポリヌクレオチドおよびその使用

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Abstract

(57)【要約】 アミノ酸配列(I)、またはその変異体、断片、融合体もしくは誘導体、またはその変異体もしくは断片もしくは誘導体の融合体を含んでなる、実質的に純粋なストレス活性化プロテインキナーゼ。前記のストレス活性化プロテインキナーゼおよび関連のストレス活性化プロテインキナーゼSAPK3は、薬剤のスクリーニングアッセイに有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 MAPキナーゼ:ポリペプチド、ポリヌクレオチドおよびその使用 本発明は、ポリペプチド、ポリヌクレオチドおよびその使用に関し、特に、ス トレス活性化(stress-activated)プロテインキナーゼ(SAPK)ファミリーのメン バーに関する。 4種のマイトジェン活性化(MAP)プロテインキナーゼファミリーのメンバーは 、細胞ストレス(化学薬品、熱および浸透圧ショック、紫外線照射、タンパク質 合成阻害剤)、細菌リポ多糖類(LPS)、およびサイトカイン・インターロイキン- 1(IL-1)および腫瘍壊死因子(LPS)により活性化され、それゆえ、ストレス活性化 プロテインキナーゼすなわちSAPKと呼ばれてきた(Cohen,1997に概説)。イソ型 SAPK1[c-Jun N末端キナーゼ(JNK)とも呼ばれる]は、c-Junの活性化ドメイン内の Ser-63およびSer-73をリン酸化し(Pulverer et al,1991)、それによりその転写 活性が増強される。転写因子E1k1(Cavigelli et al,1995)およびATF2はin vitr oでリン酸化され(後者はThr-69、Thr-71およびSer-90で(Gupta et al,1995;Li vingstone et al,1995))、これらのタンパク質の転写活性が増強される。転写 因子c-Junにおける同部位も、細胞が、SAPK1を活性化するストレスおよびサイト カイン類に曝された場合、あるいはSAPK1を活性化させることが知られているプ ロテインキナーゼを用いた同時トランスフェクション(Pulvere et al,1991;Hib i et al,1993;Derijard et al,1994;Kyriakis et al,1995;Zinck et al,199 5)の後にリン酸化され、このことはc-JunがSAPK1の生理学的基質であることを示 唆している。 SAPK2[p38(Han et al,1994)、p40(Freshney et al,1994)、RK(Rouse et al ,1994)、CSBP(Lee et al,1994)およびMxi2(Zervos et al,1995)とも呼ばれる ] は、いくつかの生理学的基質を同定するために開発されたピリジニルイミダゾー ルSB 203580およびSB 202190(Lee et al,1994;Cuenda et al,1995;Cohen,197 7で概説)により極めて特異的に阻害される。これらは、4種のプロテインキナー ゼ、すなわち、MAPキナーゼ活性化プロテインキナーゼ-2(MAPKAP-2、Rouse et a l,1994)および75%のアミノ酸配列の一致を有し、in vitroで同様の基質特異性 を有する密接に関連したMAPKAP-K3(McLaughlin et al,1996;Ludwig et al,199 6;Clifton et al,1996)、ならびにMAPキナーゼ相互作用プロテインキナーゼ-1 および-2(Mnk1 and Mnk2)(Waskiewicz et al,1997;Fukunaga and Hunter,1997 )を含む。 MAPKAP-K2/K3の生理学的基質には、熱ショックタンパク質(HSP)27(Stokoe et al,1992a;Cuenda et al,1995;Huot et al,1995)、転写因子CREB(Tan et al, 1995)を含み、一方、転写因子eIF4EはMnkl/2の生理学的基質である(Waskiewicz et al,1997)。HSP27のリン酸化は、アクチンの重合を促進するようであり、ま た、細胞ストレス中に損傷されるアクチン微細繊維網の修復を助け、それにより 細胞の生存を助けると考えられる(Lavoie et al,1995)。CREBの(Ser-133にお ける)リン酸化は、このタンパク質がサイクリックAMP応答エレメント(CRE)を含 む遺伝子の転写を刺激することを可能にするために不可欠である。またSAPK2は 、ストレス誘導リン酸化(Ser-78およびSer-81における)ならびにCEBPβ関連転 写因子CHOP(Wang and Ron,1996)およびEIk-1(Price et al,1996)の活性化を仲 介する。 SB 203580の作用に基づけば、SAPK2aの活性化は、単球におけるIL1およびTNF のLPSにより誘導される産生(Lee et al,1994)、繊維芽細胞におけるIL6およびG M-CSFのTNFにより刺激される転写(Beyaert et al,1996)、上皮細胞におけるIL1 により誘導されるグルコースの取り込み(Gould et al,1995)、コラーゲンによ り誘導される血小板凝固(Saklatvala et al,1996)、繊維芽細胞におけるストレ スにより誘導されるc-Junおよびc-Fosの転写(Hazzalin et al,1996;Price et a l,1996)およびRAW264.7マクロファージにおけるLSPにより誘導されるシクロオ キシゲナーゼ-2の合成(COX-2、プロスタグランジン合成における律速酵素)(Pa ul et al,1996)における律速となる。c-fosおよびCOX2プロモーターはCREを含 むので、MAPKAP-K2/K3が介在するCREBのリン酸化は、ストレスおよびサイトカイ ンにより誘導されるこれら2つの遺伝子の転写の一因である可能性がある。c-fo s mRNAの誘導におけるCREの重要性は十分に記載されている(Gimty et al,1 996)。SAPK2aにより触媒されるElk-1のリン酸化(Price et al,1996)およびMAPK AP-K2により触媒されるCREBのリン酸化(Tan et al,1996)は双方とも、ストレス により誘導されるc-fosの転写の一因であると思われる(Ginty et al,1994)。転 写因子ATF2およびElk-1はまた、in vitroにてSAPK2によりリン酸化され、上流の SAPK2のアクチベーターで哺乳類細胞をトランスフェクトした後は、SAPK1を活性 化しない(Raingeaud et al,1996)。 最近、さらに2つのSAPキナーゼが同定され、これらはSAPK2b[またはp38β(Ji ang et al,1996)]およびSAPK3(Mertens et al,1996)[ERK6(Lechner et al,19 96)およびp38γ(Li et al,1996)とも呼ばれる]と呼ばれている。SAPK2bのアミ ノ酸配列は、SAPK2aと73%一致し、それはSAPK2aと同濃度のSB 202190により阻害 される。これに対し、SAPK3のアミノ酸配列はSAPK2aおよびSAPK2bとは60%しか一 致せず、SAPK1とは47%しか一致しない。SAPK2同様、SAPK3は活性化ドメイン内に TGYモチーフを含み(これは、SAPK1ではTPYであり、p42およびp44 MAPキナーゼ ではTEYである)、サブドメインVIIは、6個のアミノ酸により、サブドメインVI II内の活性化ループから分断されている(比較として、SAPK1では8残基、他のい ずれかのMAPキナーゼファミリーのメンバーでは12を超える残基)。SAPK2bは一 時的トランスフェクションにより哺乳類細胞へ導入され、SAPK1およびSAPK2aと 同様に、前炎症性サイトカイン類およびストレス性刺激に応答して活性化される ことが示されている。SAPK2bおよびSAPK3の生理学的役割はまだ知られていない 。これらの酵素をコードするmRNAは実験した総ての哺乳類組織に存在してお り(Jiang et al,1996;Mertens et al,1996;Goedert et al,1997)、SAPK3をコ ードするmRNAは骨格筋に最も高い。筋細胞ラインC2C12における野生型SAPK3 および不活性突然変異体の発現はそれぞれ、筋管への分化を促進および阻害した (Lechner et al,1996)。in vitroにおいて、SAPK2bおよびSAPK3は、SAPK2aの基 質でもあるいくつかのタンパク質をリン酸化した。SAPK2bはSAPK2aよりも効果的 に転写因子ATF2をリン酸化するが(Jiang et al,1996)、繊維芽細胞においてス トレスおよびサイトカインにより誘導されるリン酸化は、SB 203580により影響 を受けないので(Hazzalin et al.,1996;Beyaert et al.,1996)、トランスフェ クションに基づくアプローチを用いた初期の研究(Gupta et al,1995)とは対照 的に、SAPK2aもSAPK2bもin vivoでのATF2のリン酸化の律速段階とはならないと 考えられることが報告されている。しかしながら、SAPK1および/またはSAPK3の いすれがATF2のin vivoリン酸化の律速であるのかはまだわかっていない。 哺乳類細胞において、クロマトグラフィーにより明確な5種のSAPキナーゼキ ナーゼ(SKKまたはSAPKK)が同定された(Meier et al,1996;Cuenda et al,1996) 。in vitroにおいて、SKK1[MKK4(Derijard et al,1995)、SEK1(Sanchez et al ,1994)およびXMEK2(Yashar et al,1993)とも呼ばれる]は、SAPK2bはあまり効 果的にはリン酸化されないものの、4種SAPK1、2aおよび2b総てを活性化する(Sa nchez et al,1994;Derijard et al,1995;Doza et al,1996)。SKK2[MKK3(Deri jard et al,1995)とも呼ばれる]およびSKK3(Cuenda et al,1996)[MKK6(Han et al,1996;Moriguchi et al,1996;Raingeaud et al,1996)およびMEK6(Stein e t al,1996)とも呼ばれる]は、SAPK2aは活性化するが、SAPK1は活性化しない。S KK3はまた、同時トランスフェクション実験において、最も有効なSAPK2aのアク チベーターであった(Jiang et al,1996)。SKK4およびSKK5はSAPK1を活性化する が、SAPK2aは活性化しない(Meier et al,1996)。SKK4/SKK5は精製またはクロー ン化されておらず、従って、それらのアミノ酸配列もまだ知られていない。SKK1 およびSKK2は、ラットクロム親和性細胞種(PC12)細胞を化学薬品ストレス、浸透 圧ショック、紫外線照射またはタンパク質合成阻害剤アニソマイシンに曝した場 合に生成するSAPK2のアクチベーターでしかない(Meier et al,1996)。しかしな がら、ヒト上皮(KB)細胞をPC12細胞と同様のストレスに曝すか、またはIL-1で刺 激した場合、またはヒト(THP1)単球をLPSで刺激した場合、SKK3はSAPK2の優先的 なアクチベーターであり、また、SKK4/SKK5はSAPK1の優先的なアクチベーターで ある(Meier et al,1996;Cueda et al,1996)。従って、このSAPK1およびSAPK2 の上流アクチベーターの特性は細胞によって様々である。 in vitroおよび/または同時トランスフェクション実験において、SKK1、SKK2 およびSKK3を活性化することができる少なくとも5種の酵素、すなわちMEKキナ ーゼ(MEKK)(Yan et al,1994;Lin et al,1995;Matsuda et al,1995;Blank et al,1996)、MAPキナーゼ上流キナーゼ(MUK)(Hirai et al,1996)、混合リネアー ジキナーゼ-3(MLK-3)(Rana et al,1996)、TGFb活性化プロテインキナーゼ-1(TA K-1)(Moriguchi et al,1996)および原腫瘍遺伝子Tp12(Salmeron et al,1996) が同定された。MEKKは、同時トランスフェクトされたSAPK2またはMAPキナーゼキ ナーゼ-1(MKK1、p42および44 MAPキナーゼの生理アクチベーター)(Xu et al,19 96)よりも効果的に同時トランスフェクトされたSAPK1を活性化する。しかしなが ら、SKK1はまた、MUK、MLK3およびTp12により、SKK2はTAK1により活性化され得 、一方、Tp12はまたMAPKK1を活性化できる。(もしあるならば)これらキナーゼ のいずれが、in vivoの異なる条件下で、各SAPKKを活性化するのかを理解するに はさらなる研究が必要である。 発明者らは、発明者らがSAPK4と呼ぶ、新規MAPキナーゼファミリーのメンバー のクローニングおよびSAPK3およびSAPK4の特徴を報告する。SAPK4もまたその活 性化ドメインにTGY配列を含み、SAPK2a、SAPK2bおよびSAPK3と約60%の一致示し 、そのmRNAはヒト組織で広く発現している。発明者らは、SAPK4が、他のSAP キナーゼを活性化するのと同じ刺激によって活性化され、また、SKK3がin vivo において、SAPK3およびSAPK4の主要上流アクチベーターである可能性があること を示す。in vitroにおけるSAPK4の基質特異性はSAPK3のそれと同様であり、SAPK 3もSAPK4もSB 203580またはSB 202190により阻害されない。 本発明の第1の態様は、アミノ酸配列を含んでなる、実質的に純粋なストレス活性化プロテインキナーゼ、またはその 変異体、断片、融合体もしくは誘導体、またはその変異体もしくは断片もしくは 誘導体の融合体を提供する。 前記で示したアミノ酸配列を有するポリペプチドは、本明細書ではSAPK4(ス トレス活性化プロテインキナーゼ4)と呼ばれる。 「実質的に純粋」により、発明者らは、このプロテインキナーゼが実質的に他 のタンパク質を含まないことを意味する。従って、発明者らは、プロテインキナ ーゼの重量としての少なくとも30重量%のタンパク質内容物、好ましくは少なく とも50重量%、より好ましくは少なくとも70重量%、いっそう好ましくは少なくと も90重量%、最も好ましくは少なくとも95重量%のタンパク質内容物がプロテイン キナーゼである、いずれの組成物をも含める。 従って、本発明はまた、プロテインキナーゼと夾雑物を含んでなる組成物を含 み、この夾雑物は組成物の70重量%未満、好ましくは組成物の50重量%未満、より 好ましくは組成物の30重量%未満、いっそう好ましくは組成物の10重量%未満、最 も好ましくは組成物の5重量%未満を含む。 本発明はまた、ex vivoで他の成分と組み合わせた場合の実質的に純粋なプロ テインキナーゼを含み、この他の成分は、プロテインキナーゼが見られる細胞中 に見られる成分の必ずしも総てではない。 ポリペプチドの「変異体」により、発明者らは、挿入、欠失および保存的また は非保存的いずれかの置換を含める。特に発明者らは、かかる変異がプロテイン キナーゼの活性を実質的に変更しない場合のポリペプチドの変異体を含める。 「保存的置換」とは、Gly,Ala;Val,Ile,Leu;Asp,Glu;Asn,Gln;Ser, Thr;Lys,Arg;およびPhe,Tryなどの組み合わせを意味するものである。 ストレス活性化プロテインキナーゼ変異体が、前記に与えられたアミノ酸配列 と少なくとも65%の同一性、より好ましくは少なくとも70%の同一性、いっそう好 ましくは少なくとも75%の同一性、なおいっそう好ましくは少なくとも80%の同一 性、さらに好ましくは少なくとも85%の同一性、いっそうさらに好ましくは少な くとも90%の同一性、最も好ましくは前記に与えられたアミノ酸配列と少なくと も95%または97%の同一性を有するアミノ酸配列を持つならば特に好ましい。 2つのポリペプチド間の配列同一性%は適切なコンピュータープログラム、例 えば、University of Wisconsin Genetic Computing GroupのGAPプログラムを用 いて決定すればよく、同一性%はその配列が最適に整列されたポリペプチドに関 して補正されることに価値があると考えられる。 本発明の特に好ましい具体例は、アミノ酸配列からなる、実質的に純粋なヒトSAPK4ポリペプチド、または自然に生じるその対 立遺伝子変異体を提供する。 不可欠ではないが、プロテインキナーゼの変異体もしくは断片もしくは誘導体 もしくは融合体、またはその変異体もしくは断片もしくは誘導体の融合体が、ミ エリン塩基性タンパク質のリン酸化に関して、SAPK4の酵素活性の少なくとも30% を有することが特に好ましい。プロテインキナーゼの変異体もしくは断片もしく は誘導体もしくは融合体、またはその変異体もしくは断片もしくは誘導体の融合 体が、ミエリン塩基性タンパク質のリン酸化に関して、SAPK4の酵素活性の少な くとも50%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも90%を有して いるならばより好ましい。しかしながら、酵素活性を欠く変異体もしくは融合体 もしくは誘導体もしくは断片も、例えば、別のポリペプチドと相互作用すること により、やはり有用であり得ると認識されよう。 本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様で定義されたプロテインキナーゼ をコードするか、またはこのキナーゼの変異体もしくは断片もしくは誘導体もし くは融合体、またはその変異体もしくは断片もしくは誘導体の融合体をコードす る組換えポリヌクレオチドを提供する。このプロテインキナーゼ変異体として好 ましいのは、本発明の第1の態様におけるものと同様である。 1つの好ましい具体例では、ポリヌクレオチドはアミノ酸配列 またはその変異体、断片、融合体もしくは誘導体を含んでなる。 本発明はまた、本発明の第2の態様の組換えポリヌクレオチドの断片を含んで なるポリヌクレオチドを含む。好ましくは、そのポリヌクレオチドは、少なくと も10ヌクレオチドの長さ、より好ましくは少なくとも14ヌクレオチドの長さ、さ らに好ましくは少なくとも18ヌクレオチドの長さである断片を含んでなる。かか るポリヌクレオチドはPCRプライマーとして有用である。 ポリヌクレオチドまたは組換えポリヌクレオチドは、DNAまたはRNAであ ってよく、好ましくはDNAである。ポリヌクレオチドは、コーディング配列に イントロンを含んでもよいし、また含まなくてもよい;好ましくはポリヌクレオ チドはcDNAである。 ポリヌクレオチドの「変異体」としては、(i)次にはポリヌクレオチドによっ てコードされるタンパク質に特異的に結合する抗体の調製に使用可能なタンパク 質またはその断片を製造するのに使用可能なもの、または(ii)まさに定義した通 りのタイプ(i)の遺伝子または変異体に対応するアンチセンス配列が挙げられる 。例えば、元のコドンと同一のアミノ酸をコードする異なるコドンは置換可能で ある。また、置換コドンは、タンパク質の活性または免疫原性に作用しない、も しくはその活性または免疫原性を改良する、またそうでなければ変調する異なる アミノ酸をコードしてもよい。例えば、引用されることにより本明細書の開示の 一部とされる、Boststein and Shortle,"Strategies and Applications of In Vitro Mutagenesis,"Science,229:193-210(1985)に記載の位置指定突然変異誘 発または他の技術を使用して、置換、挿入、欠失および転位などの単一または複 数の突然変異を作出することができる。このように修飾されたポリヌクレオチド は、本明細書に含まれる教示に対し公知の技術を適用することにより得ることが でき、このように修飾されたポリヌクレオチドは本発明の請求の範囲内にある。 さらに本発明のポリヌクレオチド配列(またはその断片)を使用して、高スト リンジェンシー条件下で、それとハイブリダイズする他のポリヌクレオチド配列 を得ることができるということが、当業者により認識されるであろう。かかるポ リヌクレオチドはゲノムDNAのいずれをも含む。従って、本発明のポリヌクレ オチドは、本発明の方法において同定されたポリヌクレオチドと少なくとも55% 、好ましくは60%、さらに好ましくは70%、最も好ましくは90%の相同性を示すポ リヌクレオチドを含む(ただし、かかる相同ポリヌクレオチドは、以下に記載す る少なくともいくつかの方法に使用可能な、またはそうでなければ有用であるポ リペプチドをコードする)。 相同性%は、例えばUniversity of Wisconsin Genetic Computer GroupのGAPプ ログラムにより決定することができる。 DNA-DNA、DNA-RNAおよびRNA-RNAハイブリダイゼーション は、0.1XSSC〜6XSSCの間を含有する水溶液中で、55℃〜70℃の間の温度にて行っ てよい。より高温またはSSC濃度がより低くなれば、ハイブリダイゼーション条 件はよりストンリンジェントとなることは当該技術分野で十分に公知である。「 高ストリンジェンシー」により、発明者らは2XSSCおよび65℃を意味する。1XSSC は0.15M NaCl/0.015Mクエン酸ナトリウムである。高ストリンジェンシーにおい てハイブリダイズするポリヌクレオチドは本発明の請求の範囲内に含まれる。 ポリヌクレオチドの「変異体」はまた、たとえ2つのポリヌクレオチド間の全 相同性が非常に低くとも、その比較的短い範囲(例えば、20〜50ヌクレオチド) が本発明のポリヌクレオチドの等価範囲と高度な相同性(少なくとも80%、好ま しくは少なくとも90または95%)を有するポリヌクレオチドも含む。これはタン パク質の一般構造が異なる場合でさえ、重要な活性、または結合部位を共有して いるといるからであろう。 本発明のさらなる態様は、プロテインキナーゼ、またはそのプロテインキナー ゼの変異体、断片、誘導体もしくは融合体、またはその変異体、断片もしくは誘 導体の融合体をコードする組換えポリヌクレオチドを含んでなる複製可能なベク ターを提供する。 ポリヌクレオチド、特にDNAを、例えば相補的付着末端を介して、ベクター へ作動可能なように連結するために、種々の方法が開発されてきた。例えば、相 補的ホモポリマー域をDNAセグメントに付加し、ベクターDNAに挿入するこ とが可能である。次いで、ベクターおよびDNAセグメントを相補的ホモポリマ ー末端間での水素結合により連結し、組換えDNA分子を形成する。 1以上の制限部位を含有する合成リンカーは、DNAセグメントをベクターに 連結する代替法を提供する。DNAセグメントは、初めに記載したように、エン ドヌクレアーゼ制限消化により作製し、バクテリオファージT4DNAポリメラー ゼまたは大腸菌(E.coli)DNAポリメラーゼI、3'-5'エキソ核酸分解活性を有す る凸部の一本鎖3'末端を除去し、次いでそれらの重合活性を有する凹部の3'末端 を満たす酵素群で処理する。 従って、これらの活性の組合わせにより、平滑末端DNAセグメントが生じる 。次いでこの平滑末端セグメントを、バクテリオファージT4DNAリガーゼのよ うな平滑末端DNA分子の連結を触媒することができる酵素の存在下で、高モル 濃度の過剰なリンカー分子とともインキュベートする。このように、反応生成物 はそれらの末端に重合リンカー配列を有するDNAセグメントある。次いで、こ れらのDNAセグメントを適切な制限酵素で切断し、DNAセグメントのそれら に適合した末端を生ずる酵素で切断した発現ベクターに連結する。 種々の制限エンドヌクレアーゼ部位を含有する合成リンカーは、Internationa l Biotechnologies Inc,New Haven,CN,USAをはじめとする多数の入手元から 、市販されている。 本発明のペプチドをコードするDNAを修飾する望ましい方法は、Saiki et a l(1988)Sciencs 239,487-491によって開示された、ポリメラーゼ連鎖反応を 用いるものである。この方法は、例えば適した制限部位で加工することにより、 DNAを適したベクターへ導入する目的で用いてもよいし、または当該技術分野 で公知の他の有用な方法でDNAを修飾するのに用いてもよい。 この方法では、酵素的に増幅すべきDNAを、それら自身が増幅されたDNA に組み込まれるようになる、2種の特異的プライマーによってフランクさせる。 この特異的プライマーは、当該技術分野で公知の方法を用いて発現ベクターへの クローニングに使用することの可能な制限エンドヌクレアーゼ認識部位を含んで もよい。 次いで、DNA(またはレトロウイルスベクターの場合はRNA)を適当な宿 主で発現させ、本発明の化合物を含んでなるポリペプチドを生産する。かくして 、本発明の化合物を含んでなるポリペプチドをコードするDNAは、本明細書に 含まれる教示の点から適切に改良した公知の技術に従って使用し、次いで本発明 のポリペプチドの発現および産生のための適切な宿主細胞に形質転換するために 用いられる発現ベクターを構築することができる。かかる技術は、1984年4月3日 にRutter et al.に対して発行された米国特許第4,440,859号、1985年7月23日にW eissmanに対して発行された同第4,530,901号、1986年4月15日にCrowlに対して発 行された同第4,582,800号、1987年6月30日にMark et al.に対して発行された同 第4,677,063号、1987年7月7Goeddelに対して発行された同第4,678,751号、1987 年11月3日にItakura et al.に対して発行された同第4,704,362号、1987年12月1 日にMurrayに対して発行された同第4,710,463号、1988年7月12日にToole,Jr.e t al.に対して発行された同第4,757,006号、1988年8月23日にGoeddel et al.に 対して発行された同第4,766,075号、および1989年3月7日にStalkerに対して発行 された同第4,810,648号に開示されたものを含み、これらすべては引用されるこ とにより本明細書の開示の一部とされる。 本発明の化合物を構成するポリペプチドをコードするDNA(またはレトロウ イルスベクターの場合はRNA)は、適切な宿主へと導入するための様々な他の DNA配列と連結してもよい。相手のDNAは、宿主の性質、DNAの宿主への 導入様式、およびエピソームとしての維持、または組込みが望ましいかどうかに 依存するであろう。 一般に、DNAは発現のために適切な方向、かつ正確なリーディングフレーム で、プラスミドのような発現ベクターに挿入する。このような制御は発現ベクタ ーには一般に有用ではあるが、必要であれば、DNAを、望ましい宿主によって 認識される適切な転写および翻訳調節制御ヌクレオチド配列と連結させてもよい 。次いで、このベクターを標準的な技術によって宿主へ導入する。一般に、総て の宿主がこのベクターによって形質転換するわけではない。従って、形質転換宿 主細胞を選択する必要があろう。1つの選択技術は、抗生物質耐性のような、形 質転換細胞において選択可能な特質をコードする必要な制御エレメントのいずれ かとともにDNA配列を発現ベクターへ組み込むことを含む。別法として、かか る選択可能な特質に関する遺伝子は別のベクターに存在していてもよく、これを 使用して望ましい宿主細胞を同時形質転換する。 次いで、本発明の組換えDNAによって形質転換された宿主細胞を、次いで回 収可能なポリペプチドの発現を可能にするため、本明細書で開示された教示の点 で当業者に公知である、十分な時間、および適当な条件下で培養する。 細菌(例えば、大腸菌および枯草菌(Bacillus subtilis))、酵母(例えば、 サッカロミセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae))、糸状菌(例えば、 アスペルギルス(Aspergillus))、植物細胞、動物細胞および昆虫細胞を含む、 多くの発現系が公知である。 このベクターは、他の、非原核細胞種での発現に用いる場合でさえ、原核細胞 の増殖のためのColE1 oriのような原核細胞レプリコンを含む。このベクターは また、それで形質転換された大腸菌などの、細菌宿主細胞での遺伝子発現(転写 および翻訳)を指示する能力を持った原核細胞プロモーターのような、適当なプ ロモーターを含む。 プロモーターは、RNAポリメラーゼの結合および転写が起こることを可能に するDNA配列によって形成される発現制御エレメントである。典型的には、典 型的な細菌宿主と適合性のあるプロモーター配列を、本発明のDNAセグメント の挿入に都合のよい制限部位を含有するプラスミドベクターに提供する。 典型的な原核細胞ベクタープラスミドは、Biorad Laboratories,(Richmond, CA,USA)より入手可能なpUC18、pUC19、pBR322およびpBR329、ならびにPharmaci a,Piscataway,NJ,USAより入手可能なpTrc99AおよびpKK223-3である。 典型的な哺乳動物細胞ベクタープラスミドは、Pharmacia,Piscataway,NJ,U SAより入手可能なpSVLである。このベクターは、クローン化された遺伝子の発現 、COS-1細胞のようなT抗原産生細胞に見られる最も高レベルの発現を作動させ るSV40後期プロモーターを用いる。 誘導可能な哺乳動物発現ベクターの例としては、これもまたPharmaciaから入 手できるpMSGがある。このベクターは、クローン化された遺伝子の発現を作動さ せるためのマウス乳癌ウイルスの長い末端反復配列のグルココルチコイド誘導プ ロモーターを用いる。 有用な酵母プラスミドベクターは、pRS403-406およびpRS413-416であり、一般 にStratagene Cloning Systems,La Jolla,CA92037,USAから入手できる。プラ スミドpRS403、pRS404、pRS405およびpRS406は、酵母組込みプラスミド(Yips)で あり、酵母選択可能マーカーHIS3、TRPI、LEU2およびURA3を組込んである。プラ スミドpRS413-416は、酵母動原体プラスミド(Ycps)である。 本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドベクター構築体で形質転換された宿 主細胞に関する。宿主細胞は、原核細胞か真核細胞のいずれかであり得る。細菌 細胞は好ましい原核宿主細胞であり、典型的には例えば、Bethesda Research La boratories Inc.,Bethesda,MD,USAより入手可能な大腸菌DH5株のような大腸 菌株、およびAmerican Type Culture Collection(ATCC)of Rockville,MD,USA( NoATCC31343)より入手可能なRRIである。好ましい真核宿主細胞は、酵母、昆虫 および哺乳類細胞、好ましくはマウス、ラット、サルまたはヒト繊維芽細胞系統 に由来するものなどの脊椎動物細胞を含む。酵母宿主細胞は、一般に、Stratage ne Cloning Systems,La Jolla,CA92037,USAから入手できるYPH499、YPH500お よびYPH501を含む。好ましい哺乳類宿主細胞は、ATCCからCCL61として入手でき るチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ATCCからCRL1658として入手できるNI Hスイスマウス胚細胞NIH/3T3、およびATCCからCRL1650として入手できるサル腎 臓誘導COS-1細胞を含む。好ましい昆虫細胞は、バキュロウイルス発現ベクター でトランスフェクトされ得るSf9細胞である。 本発明のDNA構築体での、適切な細胞宿主の形質転換は、典型的には、用い られるべクターの種類により、十分に公知な方法によって行われる。原核宿主細 胞の形質転換に関しては、例えば、Cohen et al.(1972)Proc.Natl.Acad.Sci .USA 69,2110およびSambrook et al.(1989)Molecular Cloning,A Laborator y Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NYを参照。 酵母細胞の形質転換は、Sherman et al.(1986)Methods In Yeast Genetics,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY に記載されている。Beggs(1978)Nature 275,104-109の方法もまた有用である 。脊椎動物細胞に関して、例えばリン酸カルシウムおよびDEAE-デキストランま たはリポソーム組成物などの細胞をトランスフェクトするのに有用な薬剤は、 Stratagene Cloning Systems,またはLife Technologies Inc.,Gaithersburg,M D20877,USAから入手できる。 エレクトロポレーションもまた、細胞の形質転換および/またはトランスフェ クションに有用であり、酵母細胞、細菌細胞、昆虫細胞および脊椎動物細胞の形 質転換に関しては当該技術分野で十分に公知である。 例えば多くの細菌種は、引用されることにより本明細書の開示の一部とされる Luchansky et al.(1988)Mol.Microbiol.2,637-646に記載の方法により形質 転換すればよい。2.5X PEB中に懸濁させたDNA細胞混合液の、25μFDにて6250 V/cmを用いたエレクトロポレーションの後、一貫して、最大数の形質転換細胞が 回収される。 エレクトロポレーションによる酵母の形質転換法は、Becker & Guarente(199 0)Methods Enzymol.194,182に開示されている。 首尾よく形質転換された細胞、すなわち本発明のDNA構築体を含む細胞は、 十分に公知な技術により同定できる。例えば、本発明の発現構築体の導入から得 られた細胞を増殖させて、本発明のポリペプチドを生産することが可能である。 細胞を採取し、溶解し、次いでそれらのDNA含有量を、Southem(1975)J.Mo l.Biol.98,503またはBerent et al.(1985)Biotech.3,208によって記載さ れるような方法を用いて、DNAの存在に関して試験することができる。別法と して、上清中のタンパク質の存在を、以下に記載の抗体を用いて検出することも できる。 組換えDNAの存在についての直接的なアッセイに加え、組換えDNAがタン パク質の発現を指示能力を有する場合、形質転換の成功を十分に公知な免疫学的 方法によって確認することができる。例えば、発現ベクターで首尾よく形質転換 された細胞は、適当な抗原性を呈するタンパク質を産生する。形質転換されたと 思われる細胞のサンプルを採取し、適切な抗体を用い、タンパク質に関してアッ セイをする。 かくして、形質転換された宿主細胞自身に加え、本発明はまた、栄養培地にお ける、それらの細胞の培養、好ましくはモノクロナール(クローンとして均一) 培養、またはモノクロナール培養から誘導された培養を意図する。 本発明のさらなる態様は、ストレス活性化プロテインキナーゼ、またはその変 異体、誘導体、断片もしくは融合体、またはその変異体、断片もしくは誘導体の 融合体を作出する方法であって、組換えポリヌクレオチドまたはストレス活性化 プロテインキナーゼをコードする複製可能なベクターを含んでなる宿主細胞を培 養し、次いでそのプロテインキナーゼ、またはその変異体、誘導体、断片もしく は融合体、またはその変異体、断片もしくは誘導体の融合体をその宿主細胞から 単離する方法を提供する。宿主細胞を培養し、次いで組換えタンパク質を単離す る方法は、当該技術分野で十分に公知である。 本発明はまた、前記の本発明の方法によって得ることが可能なストレス活性化 プロテインキナーゼ、またはその変異体、断片、誘導体もしくは融合体、または その変異体もしくは断片もしくは誘導体の融合体を含む。 本発明のなおさらなる態様は、本発明のストレス活性化プロテインキナーゼに 対して反応性のある抗体を提供する。 本発明のストレス活性化プロテインキナーゼに対して反応性のある抗体は、当 該技術分野において十分に公知な方法によって作製してよい。特に、その抗体は 、ポリクロナール抗体またはモノクロナール抗体であってよい。 このプロテインキナーゼに対して反応性のある適切なモノクロナール抗体は、 例えば"Monoclonal Antibodies:Amammal of techniques",H Zola(CRC Press,1 988)および"Monoclonal Hybridoma Antibodies:Techniques and Applications" ,SGR Hurrell(CRC Press,1982)に開示されたものなどの公知な技術によって調 製すればよい。 好ましい具体例では、SAPK4の所与のアミノ酸配列より得ることが可能な適切 なペプチド配列のいずれかを用いて抗体を作製する。ポリクロナール抗ペプチド 抗体が作製されれば望ましい。 抗体がSAPK2a、SAPK2bまたはSAPK3などの別のストレス活性化プロテインキナ ーゼとは実質的に反応しないならば、特に望ましい。従って、SAPK4配列に基づ くペプチドを使用すれば好ましく、これは、SAPK2a、SAPK2bまたはSAPK3などの 他のストレス活性化プロテインキナーゼにいずれかで見られるいずれのペプチド とも有意に異なるものである。 ペプチドが合成される前または後に、1以上のアミノ酸残基が化学的に修飾さ れているペプチドを使用すればよく、これにより、ペプチドの機能、すなわちin vivoで特異的抗体の産生が実質的に変化しないで留まっているということにな る。かかる修飾は、酸または塩基、特に生理学上許容される有機または無機酸お よび塩基で塩を形成し、末端のカルボキシル基のエステルまたはアミドを形成し 、次いでN-t-ブトキシカルボニルのようなアミノ酸保護基を付加することを含む 。かかる修飾により、in vivo代謝からペプチドを保護すればよい。このペプチ ドは、単一または多重コピーとして、例えば縦列反復として存在してもよい。か かる縦列または多重反復は、それ自身、担体の使用を不要にするに十分に抗原性 があると考えられる。ペプチドについては、N末端とC末端がともに連結したルー プとして形成されること、または1以上のCys残基を1末端に付加して、抗原性 を増強すること、および/またはジスルフィド結合の形成を可能にすることが有 利である。そのペプチドが担体、好ましくはポリペプチドと共有結合している場 合には、次いで、本発明のペプチドがループを形成するように配置することが好 ましい。 最新の免疫学理論によれば、担体機能は、免疫系を刺激する、または刺激を増 強するために、いずれの免疫原組成物にも存在するはずである。最良の担体は、 T細胞エピトープを包含する(または、抗原とともに、生じる)と思われる。ペ プチドは、例えば架橋によって、血清アルブミン、ミオグロビン、細菌トキソイ ドおよびスカシガイ科ヘモシアニンのような、個々の担体と結合させてもよい。 さらに最近開発された、免疫応答においてT細胞を援助する担体としては、B型肝 炎コア抗原(ヌクレオキャプシドタンパク質とも呼ばれる)、Thr-Ala-Ser-Gly- Val-Ala-Glu-Thr-Thr-Asn-Cysのような推定T細胞エピトープ、β-ガラクトシダ ーゼおよびインターロイキン-1の163-171ペプチドが挙げられる。後者の化合物 は、担体またはアジュバンドもしくはその両者と、様々に考えられ得る。別法と して、本発明の同一の、または異なるペプチドのいくつかのコピーを別のものと 架橋してもよく;このような状況では、別個の担体自体は存在しないが、担体機 能はかかる架橋により提供され得る。適切な架橋剤としては、SigmaおよびPierc e cataloguesなどに一覧化されたもの、例えばグルタルアルデヒド、カルボジイ ミドおよびスクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボ キシレートが挙げられ、後者の薬剤はC-末端システイン残基(存在する場合)の -SH基を利用するものである。 ペプチドを、適切な宿主細胞において、適切なヌクレオチド配列の発現によっ て調製するのであれば、担体として働くペプチド配列を有する融合生成物として 、そのペプチドを発現させることが有利である。Kabigenの"Ecosec"系は、かか る配置の一例である。本発明のペプチドを、他の抗原と結合させて、2つの効果 を提供してもよい。 ペプチドは、Lu et al.(1981)J.Org.Chem.46,3433、およびその中の参考 文献よって開示された、Fmoc-ポリアミド様式の固相ペプチド合成によって合成 してもい。一時的なN-アミノ基保護は、9-フルオレニルメチロキシカルボニル(F moc)基により供される。N,N-ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジンを用いて 、この極めて塩基に不安定な保護基の反復切断がなされる。側鎖の官能性は、そ れらのブチルエーテル(セリン、トレオニンおよびチロシンの場合)、ブチル エステル(グルタミン酸およびアスパラギン酸の場合)、ブチロキシカルボニル 誘導体(リジンおよびヒスチジンの場合)、トリチル誘導体(システインの場合 )および4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホニル誘導体(アルギニン の場合)として保護すればよい。グルタミンまたはアスパラギンがC-末端残基で ある場合には、側鎖アミド官能性の保護に、4,4'-ジメトキシベンズヒドリル基 が使用される。この固相支持は3種のモノマー、ジメチルアクリルアミド(主鎖 モノマー)、ビスアクリロイルエチレンジアミン(架橋剤)およびアクリロイル サルコシンメチルエステル(官能化剤)から構築されるポリジメチルアクリルア ミドポリマーに基づく。用いるペプチド-樹脂切断可能結合剤は、酸に不安定な4 -ヒドロキシメチル-フェノキシ酢酸誘導体である。総てのアミノ酸誘導体は、逆 転N,N'-ジシクロヘキシル-カルボジイミド/1-ヒドロキシベンゾトリアゾールが 介在するカップリング法を用いて付加されるアスパラギンまたはグルタミンを除 き、それらの予め作製した対称無水誘導体として付加される。カップリングおよ び脱保護反応は、ニンヒドリン、トリニトロベンゼンスルホン酸またはイソスズ 試験法を用いてモニターする。合成の完了時、ペプチドを、50%スカベンジャー 混合物を含有する95%トリフルオロ酢酸での処理によって、側鎖保護基の同時除 去で樹脂支持体から切断する。通常用いられるスカベンジャーは、エタンジチオ ール、フェノール、アニソールおよび水であり、合成されたペプチドの構成アミ ノ酸により、的確な選択がなされる。トリフルオロ酢酸を真空蒸発により除去し 、次いでジエチルエーテルでトリチュレートして粗ペプチドを得る。水性相の凍 結乾燥の際にスカベンジャーを含まない粗ペプチドを得る単純抽出法により、存 在するいずれのスカベンジャーも除去する。ペプチド合成剤は、一般にCalbioch em-Novabiochem(UK)Ltd,Nottingham NG72QJ,UKから入手できる。精製は、サ イズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーおよび(主として )逆相高性能液体クロマトグラフィーなどの技術のいずれか1つ、または組合せ に よって達成すればよい。ペプチドの解析は、薄層クロマトグラフィー、逆相高性 能液体クロマトグラフィー、酸加水分解後のアミノ酸分析および高速原子衝撃(F AB)による質量分析を用いて行ってよい。 本発明のさらなる態様は、本発明の第1の態様で定義されたストレス活性化プ ロテインキナーゼ、またはストレス活性化ブロテインキナーゼSAPK3の活性を阻 害する化合物の同定方法であって、化合物を、ストレス活性化プロテインキナー ゼ、または適切なその変異体、断片、誘導体もしくは融合体、またはその変異体 、断片もしくは誘導体の融合体と接触させ、次いで、化合物の不在下で、プロテ インキナーゼの活性がプロテインキナーゼ、またはその変異体、断片、誘導体も しくは融合体、またはその変異体、断片もしくは誘導体の融合体の活性に比べて 低下するかどうかを決定することを含んでなる方法を提供する。 SAPK3が、SAPK4と類似した基質特異性を有するストレス活性化ブロテインキナ ーゼであるということは理解されるであろう(Cuenda et al(1997);実施例1およ び実施例4)。好都合なことに、この方法は、実施例1および実施例4に記載のよう に、SAPK3またはSAPK4がミエリン塩基性タンパク質をリン酸化するということを 利用するものであるが、いずれの適切な基質を使用してもよい。例えば、Elk-1 、ATF2、SAP-1、MARKAP-K2、MARKAP-K3、p53、SAP-2またはc-junは、基質として 用いればよい;特に、Elk-1、ATF2またはSAP-1が望ましい。 便宜的には、この方法は、SAPK3をSAPK4に置き換えてもよいこと以外は、実施 例4および出典明示して本明細書の一部とみなされるCuenda et al(1997)EMBO J.16,295-305で開示されたものと実質的に同様のアッセイを使用するものであ る。 本発明のなおさらなる態様は、本発明の第1の態様で定義されたストレス活性 化プロテインキナーゼ、またはストレス活性化ブロテインキナーゼSAPK3のSKK3 による活性化を阻害する化合物の同定方法であって、化合物が、(a)本発明の第 1の態様で定義されたストレス活性化プロテインキナーゼ、すなわちSAPK3、ま たは適切なその断片、変異体、誘導体もしくは融合体、または断片、変異体もし くは誘導体の適切な融合体と、(b)SKK3またはその適切な変異体、誘導体、断片 もしくは融合体、または変異体、誘導体もしくは断片の適切な融合体との間の相 互作用を増強または阻害するかどうかを決定するか、あるいは、その化合物が、 ストレス活性化プロテインキナーゼ、または適切なその変異体、断片、誘導体も しくは融合体、または断片、誘導体もしくは融合体の融合体の、SKK3またはその 適切な変異体、誘導体、断片もしくは融合体による活性化を実質的に阻害するか どうかを決定することを含んでなる方法を提供する。 SAPK3をSAPK4に置き換えてもよいこと以外は、SKK3またはSKK1によるSAPK3ま たはSAPK4の活性化は、実施例4または引用されることにより本明細書の開示の一 部とされるCuenda et al(1997)EMBO J.16,295-305に実質的に記載されたよ うにアッセイすればよい。 「SKK3」により、発明者らは、実施例1に記載されたストレス活性化プロテイ ンキナーゼキナーゼ3(SAPキナーゼキナーゼ3;SAPKK3)を意味する。SKK1も用いて よく、このように本発明はまた、本発明の第1の態様で定義されたSKK1によるス トレス活性化プロテインキナーゼの活性化を阻害する化合物の同定方法も含む。 便宜的には、この方法に用いるストレス活性化プロテインキナーゼまたはその 断片、誘導体、変異体もしくは融合体は、組換えDNA技術により製造されたも のである。同様に、この方法に用いるSSK3、またはその断片、誘導体、変異体も しくは融合体が、組換えDNA技術により生成されたものであれば好ましい。 また、SKK3が適切な天然の供給源から精製されたSKK3であれば好ましく;例え ば、SSK3は、Cuenda et al(1996)EMBO J.15,4156-4164に記載の方法を用い て単離してよい。 「適切な」により、発明者らは、アッセイに用いる、あるいはより都合よく用 いる場合に、その方法の構成要素が、SAPK3またはSAPK4またはSKK3のものと実質 的に等価な相互作用または活性を有するものであることを意味するものと理解さ れよう。例えば、SAPK3またはSAPK4またはSKK3SKK1の融合体は、その融合体を容 易に精製することを可能にする部分を含み得るので、特に有用である。 ストレス活性化プロテインキナーゼと、SKK3または適切な誘導体、断片、融合 体もしくは変異体との間の相互作用の増強または阻害は、生化学分野で十分に公 知な方法を用いてin vitroで測定可能であり、タンパク質-タンパク質相互作用 を評価するために用いることのできるいずれの方法をも含む。 この相互作用はまた、例えば、当該技術分野で十分公知の酵母のツー・ハイブ リッド系(two hybrid system)を用いて、細胞内で測定することができる。 本発明はSAPK3もしくはSAPK4の活性、またはそれらのSKK3との相互作用を変調 するのに有用な薬剤に関するスクリーニングアッセイを提供することが認識され るであろう。本方法で同定される化合物は、それら自身、薬剤として有用であり 得るか、またはそれらはより効果的な化合物の設計および合成のための鉛化合物 を提供してもよい。 本発明のさらなる態様は、本発明のスクリーニング方法により同定可能な化合 物を提供する。なおさらなる態様は、医薬に使用するためのかかる化合物を提供 する。 かかる化合物は、炎症性疾患の治療に有用であると確信される。炎症性疾患と しては、慢性関節リウマチ、乾癩、敗血症発作、喘息、および炎症性腸疾患が含 まれる。 従って本発明のさらなる態様は、本発明のスクリーニング方法によって同定可 能な化合物の有効量を患者に投与することを含んでなる、炎症性疾患を患う患者 の治療方法を提供する。 なおさらに本発明は、患者の炎症性疾患の治療用医薬の製造における、本発明 のスクリーニング方法により同定可能な化合物の使用を提供する。 本発明の前記化合物またはそれらの組成物は、経口および非経口(例えば、皮 下または筋肉内)注射をはじめとする従来法のいずれにより投与されてもよい。 治療は単回用量または一定期間にわたる複数回用量からなってよい。 本発明の化合物は単独で投与可能であるが、1以上の許容される担体とともに 医薬組成物として提供することが好ましい。この担体は、本発明の化合物と適合 し、かつ、その受容者に有害ではないという意味から、「許容」されなければな らない。典型的にはこれらの担体は、滅菌されかつ発熱物質を含まない水または 食塩水であろう。従って本発明はまた、本発明のスクリーニング方法により同定 可能な化合物および医薬上許容される担体を含んでなる医薬組成物を提供する。 本発明のさらなる態様は、プロテインキナーゼの活性を阻害するか、またはSK K3によるプロテインキナーゼの活性化を阻害する化合物に関するスクリーニング アッセイにおける、本発明の第1の態様で定義したストレス活性化プロテインキ ナーゼまたはその変異体、断片、誘導体もしくは融合体、またはその変異体、誘 導体もしくは断片の融合体の使用を提供する。 本発明のさらなる態様は、このスクリーニング方法を行うのに有用なキットの 一部を提供する。 本発明のなおさらなる態様は、タンパク質のリン酸化、遺伝子発現および/ま たはタンパク質合成の調節における、SAPK3、その類似体、イソ型、インヒビタ ー、アクチベーターおよびその機能的等価体の使用(in vitroまたはin vivo) を提供する。かかる薬剤を含んでなる組成物はまた、本発明により包含され、タ ンパク質のリン酸化、遺伝子発現および/またはタンパク質合成が異常を示す疾 病の治療のためのかかる薬剤の使用もまた提供される。 本発明はまた、タンパク質のリン酸化、遺伝子発現および/またはタンパク質 合成が異常を示す病状の治療用医薬の製造におけるSAPK3の使用を提供する。 SAPK3の活性に影響を及ぼし得る薬剤を同定する方法(in vitroまたはin vivo) であって、 a.SAPK3の基質の存在下で、試験化合物をSAPK3またはその機能的等価体に曝し; b)基質がリン酸化されたかどうか(さらに所望により、どの程度か)を検出する ことを含んでなる方法もまた提供される。 アッセイ後、基質と結合した、または基質から解離したリン酸塩の存在および /または量の検出は、いずれの従来法により行ってもよい。一般に、検出は、自 由溶液中の、または基質に結合した標識(例えば、放射性標識)リン酸塩を用い 、次いで、アッセイ前と後で基質と結合した(もしくは基質から解離した)量を 比較することにより達成されてよい。 試験物質はSAPK3の類似体、イソ型、インヒビターまたはアクチベーターであ ってよい。 基質はミエリン塩基性タンパク質(MBP)またはATF-2などの転写因子を含んでな り得る。ある具体例では、試験物質はそれ自身、基質として作用することができ 、かつ、リン酸化されることもできる。従って、この基質は、それ自身がタンパ ク質のリン酸化、遺伝子発現および/またはタンパク質合成に作用することがで きるホスファターゼであり得る。 アッセイは溶液中で行うことができるが、いくつかのアッセイ構成要素は、ブ ロッティングメンブランまたはELISA用アッセイプレートなどの表面上に置かれ ていてもよい。 本発明のさらなる態様は、本発明の第1の態様で定義したようなストレス活性 化プロテインキナーゼまたはその変異体、断片、誘導体もしくは融合体、または その変異体、誘導体もしくは断片の融合体(SAPK4)、あるいはSAPK3またはその変 異体、断片、誘導体もしくは融合体、またはその(SAPK3)変異体、誘導体もしく は断片の融合体の活性に影響を及ぼし得る薬剤を同定する方法であって、 a)SAPK4またはSAPK3をSKK3に曝し; b)それぞれSAPK4またはSAPK3の基質の存在下で、試験物質をSAPK4またはSAPK3に 曝し; c)基質がリン酸化されたかどうか(さらに所望により、どの程度か)を検出する ことを含んでなる方法におけるSKK3の使用にある。 なおさらなる態様は、請求項1で定義されたストレス活性化プロテインキナー ゼまたはその変異体、断片、誘導体もしくは融合体、またはその変異体、誘導体 もしくは断片の融合体(SAPK4)、あるいはSAPK3またはその変異体、断片、誘導体 もしくは融合体、またはその変異体、誘導体もしくは断片の融合体(SAPK3)を活 性化する方法であって、SAPK4またはSAPK3をSKK3とともにインキュベートするこ とを含んでなる方法にある。 SKK1およびSKK3が、SAPK3およびSAPK4の活性化に関する機能的等価体であり得 、かつ、SKK3の代わりにSKK1を用いてもよいことが認識されるであろう。SKK3を 用いることが好ましい。 SKK3またはSKK1が精製されていてもよいことが認識されるであろうし;SKK3ま たはSKK1は精製されていることが好ましい。さらに、SKK3またはSKK1が組換え体 であってもよいことが認識されるであろう。 本発明のさらなる態様では、ヒトまたは非ヒト(好ましくは哺乳類)動物の身 体の治療方法であって、SAPK3、その類似体、阻害剤、刺激剤またはその機能的 等価体を身体に投与することを含んでなる方法を提供する。この方法は、好まし くは、遺伝子転写因子の活性に作用することにより、治療される身体での遺伝子 発現の調節に作用する。 本発明はまた、SAPK3、その類似体、阻害剤、刺激剤または機能的等価体と相 互作用することにより、遺伝子発現および細胞調節に作用することができる治療 薬を提供する。かかる治療薬は、抗炎症薬として、および/または免疫抑制剤、 抗アポトーシスおよび抗癌剤として効果がある可能性がある。 以下に記載する組換えポリヌクレオチドを用いて、当該技術分野で十分に公知 のタンパク質工学および位置指定突然変異誘発変異体に関する方法を使用して変 異体(自然に生じてもよいし、そうでなくともよい)を作製してもよい。 「プロテインキナーゼの断片」により、発明者らは、活性を保持しているか、 または他のいくつかの方法、例えば、抗体の作製もしくは結合アッセイにおける 使用に有用ないずれの断片をも含める。 「プロテインキナーゼの融合体」により、発明者らは、他のいずれのポリペプ チドと融合したプロテインキナーゼをも含める。例えば、このプロテインキナー ゼは、プロテインキナーゼの精製を助けるための、グルタチオン-S-トランスフ ェラーゼ(GST)またはタンパク質Aなどのポリペプチドと融合していてもよい。同 様に、このプロテインキナーゼは、His6などのオリゴ-ヒスチジンタグと、また は十分に公知のMycタグエピトープなどの抗体により認識されるエピトープと融 合していてもよい。このプロテインキナーゼ変異体、断片または誘導体のいずれ とも融合体も本発明の範囲内に包含される。 以下、図面および実施例を参照して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明 はこれらに限定するものではない。 図1は、ヒトSAPキナーゼ-4のヌクレオチドおよび推定アミノ酸配列を示して いる。ヌクレオチドは5'から3'方向に番号を付け、アミノ酸はヌクレオチド配列 の上に1文字コードで示している。フレーム内終結コドンはアステリスクでマー クしている。 図2は、ヒトSAPK4、ヒトSAPK3(Goedert et al,1997)(ERK6およびp38γとも呼 ばれる)、ヒトSAPK2a(Lee et al,1994)(p38、p40、RK、CSBP2、Mxi2およびXMp k2とも呼ばれる)、ヒトSAPK2b(p38βとも呼ばれる)およびS.セレビシエ由来 のHOG1(Brewster et al,1993)の配列比較を示している。アミノ酸を並べ、ギ ャップを導入して相同性を最大にした。5つの配列のうち少なくとも3つの間で のアミノ酸一致を黒いバーで示している。アステリスクは活性ドメインのTGYモ チーフにおける2つのリン酸化部位を示している。ここで示されるSAPK2b配列は 、公表されたp38β配列(Jiang et al,1996)とは異なっている(実施例1の考察 を参照)。SAPK3(Goedert et al,1997)のアミノ酸配列は、Lechner et al,(199 6)のERK6配列とは13位で、またLI et al,(1996)p38γ配列とは1個のアミノ酸で 異なっている。 図3は、プローブとして[32P]標識SAPK4DNAを用いる、成人ヒト組織由来の ポリ(A)+RNAのRNAブロット解析を示している。サイズマーカー(kb)左に記 している。レーン:1,心臓;2,脳;3,胎盤;4,肺;5,肝臓;6,骨格筋;7,腎臓; 8,膵臓;9,脾臓;10,胸腺;11,前立腺;12,精巣;13,卵巣;14,小腸;15,結腸; 16,白血球。 図4は、KBおよび293細胞において、SAPK4がサイトカイン類および細胞ストレ スにより活性化されることを示している。KB細胞は、「方法」に記載したように 、mycエピトープタグ付きSAPK4をコードするDNA構築体で一時的にトランスフ ェクトした。細胞はDMEM中で、0.5Mソルビトール、1mM H202、20ng/ml IL1α、0 .5mM亜砒酸ナトリウム、100ng/ml TNFα、100ng/ml EGFまたは300ng/ml TPAで15 分間;10μg/mlアニソマイシンで30分間、または100ng/ml IGF-1で10分間刺激 した。UV照射は60J/m2で行い、30分後に細胞を溶解した。刺激後、mycエピトー プタグ付きSAPK4を、モノクローナル抗体9E10を用いて細胞溶解液から免疫沈降 させ、次いで、実施例1の「材料および方法」で示したように、基質としてMBP を用いてキナーゼ活性を測定した。結果は、4実験の平均±SEMとして示されて いる。 図5は、KB細胞においてSKK3が主要なSAPK4アクチベーターであることを示して いる。休止KB細胞(Aの白丸)からの細胞溶解液(0.6mgタンパク質)または10μg /mlアニソマイシンで30分間(AおよびBの黒丸)、または20ng/ml IL1αで15分 間 (Cの黒丸)で刺激した細胞をMono Sでのクロマトグラフィーにかけ、次いで、 SAPK2aのアクチベーター(A)またはSAPK4のアクチベーター(BおよびC)を「方法 」に記載したようにアッセイした。(B)および(C)で見られるSAPK4アクチベータ ーピークからのアリコートを、抗MKK6抗体を用い、従前に記載されたように(Cue nda et al,1996)免疫沈降させ、次いで、上清中に残留しているSAPK4アクチベ ーターをアッセイした(BおよびCの白三角)。同様の結果が3つの異なる実験で得 られた。 図6は、SKK3によるSAPK4およびSAPK2aのリン酸化および活性化を示している。 (A)GST-SAPK4(0.5μM)白丸)またはアフリカツメガエルSAPK2a相同体であるMalE -Mpk2(0.5μM、黒丸)を100U/ml SKK3を用いてリン酸化し、次いで、非標識ATP およびSAPK活性を、基質としてMBPを用い、示された時間で測定した。(B)GST-SA PK4、不活性突然変異体GST-SAPK4(D168A)およびMalE-Mpk2を、[32P]ATPを用いる 以外は(A)と同様に2時間リン酸化した(Cuenda et al,1997)。反応物のアリコー トを、1mlの20%(重量)TCAの添加により沈殿させ、この懸濁液を13000xgにて5 分間遠心分離し、次いで、このペレットを20%(重量)TCAで3回、水で5回洗浄し て乾燥させた。次いで、このサンプルを6M HCl中、110℃にて90分間インキュベ ートし、pH3.5にて薄層セルロース上で電気泳動にかけてホスホセリン(pS)、ホ スホスレオニン(pT)およびホスホチロシン(pY)を分離し、オートラジオグラフィ ーにかけた。 図7は、SKK1(MKK4)によるSAPK4およびSAPK2aの活性化を示している。GST-SAPK 4(0.5μM、白丸)またはアフリカツメガエルSAPK2a相同体であるMalE-Mpk2(0.5 μM、黒丸)を100U/ml SKK1とともにインキュベートし、次いで、非標識ATPおよ びSAPK活性の発生を、基質としてMBPを用いて示された時間で測定した。 図8は、SAPKA2a、SAPK2bおよびSAPK4によるMAPKAP-K2およびMAPKAP-K3の活性 化を示している。(A)GST-MAPKAP-K2(5-400)または(B)GST-MAPKAP-K3(0.2mg/ml) を非標識ATPおよび5U/mlのアフリカツメガエルSAPK2a相同体(黒丸)、5U/mlのS APK2b(黒三角)または5U/mlのSAPK4(白丸)とともにインキュベートし、次い で、MAPKAP-K2/K3活性を「方法」に記載したように示された時間で測定した。SA PK2a、SAPK2bまたはSAPK4を除いた場合、GST-MAPKAP-K2(5-400)またはMAPKAP-K3 のリン酸化または活性化は見られなかった。 図9は、SAPK2a、SAPK2b、SAPK3およびSAPK4に対するSB 203580またはSB 20219 0の効果を示している。アフリカツメガエルSAPK2a相同体(黒丸)、ヒトSAPK2b (白丸)、ヒトSAPK3(黒丸)およびヒトSAPK4(白三角)は、図7と同様、in vi troにてSKK3で活性化し、次いで、示された濃度のSB 203580またはSB 202190と ともに10分間インキュベートした後、アッセイした。結果は、阻害剤を除いた対 照インキュベーションと比較して示されている。 図10は、哺乳類MAPキナーゼおよびSAPキナーゼシグナル伝達経路の略図を示す 。成長因子またはホルボールエステルでの刺激の後、MAPキナーゼキナーゼMKK1 およびMKK2(MEK1およびMEK2とも呼ばれる)は、MAPキナーゼのERK1およびERK2 基を活性化する。ERK1およびERK2(それぞれp44およびp42MAPキナーゼとも呼ば れる)は、プロテインキナーゼMAPKAP-K1(p90rskとも呼ばれる)および転写因 子Elk-1をはじめとする多くの基質をリン酸化する。いくつかの細胞のバックグ ラウンドにおいては、前炎症性サイトカイン類および細胞ストレスも、たとえ成 長因子やホルボールエステルよりも弱いものであっても、MAPキナーゼ経路を活 性化する(括弧によいr表示)。SAPキナーゼ(SAPK)経路は、前炎症性サイトカ イン類および多数のストレス性刺激により、強力に活性化される。いくつかの細 胞においては、それらはまたある成長因子(括弧により表示)により、より弱く 活性化される。SAPキナーゼキナーゼSKK1(MKK4およびSEK1とも呼ばれる)は、 転写因子c-Junをリン酸化するSAPK1(SAPKまたはJNKとも呼ばれる)を活性化す る。高い相同性を有するSAPK1イソ型は、3つの異なる遺伝子の産物である。SAP キナ ーゼキナーゼSKK2(MKK3とも呼ばれる)は、SAPK2a(p38、RK、CSBPおよびMxi2 とも呼ばれる)を活性化する。SAPキナーゼキナーゼSKK3(MKK6またはMEK6とも 呼ばれる)は、SAPK2a、SAPK2b(p38βとも呼ばれる)、SAPK3(ERK6およびp38 γ)およびSAPK4を活性化する。SAPK1、SAPK2aおよびSAPK3のその他の形態は、 選択的なmRNAのスプライシングにより生じる。特異的阻害剤SB 203580を用 いた研究では、SAPK2a(およびおそらくはSAPK2b)はプロテインキナーゼMAPKAP -K2/3およびMnk1/2、ならびに転写因子CHOPおよびElk-1をリン酸化することが示 されている。なぜATF2がSAPK2aおよびSAPK2bに対する生理学的基質ではあり得な いかという理由は本明細書中に示され、従って、この転写因子はin vivoでSAPK1 、SAPK3および/またはSAPK4によりリン酸化され得る。SKK1は、in vitroおよび トランスフェクション実験においてSAPK2aおよびSAPK2bを活性化するが、in viv oではこれらの酵素を活性化するとは考えられない。SKK1はまた、in vitroにお いてSAPK3およびSAPK4を弱いながら活性化するが、トランスフェクション実験で は活性化しない。酸化ストレスおよび浸透圧ストレスは、MEK5により活性化され ると確信されているSAPK5(BMK1とも呼ばれる)を活性化するが、これはまだ直 接的には示されていない(波線の矢印により表示)。疑問符は、与えられたSAPK がin vitroで標的タンパク質をリン酸化するが、現在のところin vivoにおける これに対応する働きに対する証拠はない。SAPK1はinvitroでリン酸化するが、El k-1のリン酸化およびc-fosの転写がSB 203580およびPD 098059により完全に抑制 されるので、これはin vivoにおけるこのタンパク質のリン酸化の律速ではない( Hazzalin et al,1996;Price et al,1996)。MKK1(Alessi et al,1995a)の活 性化の特異的阻害剤であるPD 098059は、ERK1およびERK2の活性化を妨げる。 図11。KBおよび293細胞において、SAPK3はサイトカイン類および細胞ストレス により活性化される。KB細胞(A)または293細胞(B)を、mycエピトープタグ付きSA PK3を発現するDNA構築体で一時的にトランスフェクトした。DMEM中の細胞を0 . 5Mソルビトールで(浸透圧ショック)、20ng/ml IL-1α、100ng/ml TNFa、0.5mM 亜砒酸ナトリウム(化学ストレス)、100ng/mlのEGFまたは300ng/ml TPAで15分 間、または10mg/mlアニソマイシンで30分間、または100ng/ml IGF-1で10分間刺 激した。細胞のUV-C照射は60J/m2(KB細胞)または200J/m2(293細胞)にて行い 、次いで、この細胞を溶解前にさらに37℃にて30分間放置した。mycエピトープ タグ付きSAPK3を、9E10モノクローナル抗体を用いて細胞溶解液から免疫沈降さ せ、次いで、基質としてMBPを用いてアッセイした。図は、各刺激に応答したSAP K3の活性化倍率を示しており、結果は3実験についての±SEMで表されている。UV -C照射後の抽出物におけるSAPK3活性は0.18U/mg(KB細胞)および0.1U/ml(293 細胞)であった。イムノブロッティング実験では、SAPK3が各実験で同レベルで 発現したことが示された。 図12。293細胞において、SKK3はSAPK3の主要なアクチベーターである。刺激を 受けていない293細胞(白丸)、または0.5Mソルビトールで15分間浸透圧ショッ クを受けた細胞(黒丸)からの細胞溶解液(0.8mgタンパク質)を、Pharmacia S mart System(Cuenda et al,1995)を用い、MonoS(5x0.16cm)でのクロマトグラ フィーにかけた。この画分を、「方法」に記載したように、SAPK2(A)または(C) のアクチベーターに関してアッセイした。波線はNaCl勾配を示す。3回の異なる 実験から同様の結果が得られた。Aからの2つの主要なSAPK2アクチベーター(Iお よびII)を別個にプールし、次いで、抗MKK6抗体、抗MKK4抗体または抗MKK3抗体 を用いて免疫沈降させた。パネルBは、抗体を除いた場合の対照インキュベーシ ョン(100%)と比較において、適切な競合ペプチド抗原(0.6mM)の存在下(+)また は不在下(-)での免疫沈降後、上清に残留するSAPK2アクチベーターの量を、パネ ルDは上清中に残留するSAPK3アクチベーターの量を示している。結果は、3回の 別々の実験についての平均値±SEMを表してる。 図13。KB細胞において、SKK3はSAPK3の主要なアクチベーターである。Aおよび B;刺激を受けていないKB細胞(白丸)、または0.5Mソルビトールで刺激した細胞 (白丸)からの細胞溶解液(0.4mgタンパク質)を、Mono Sでのクロマトグラフ ィーにかけ、次いで、この画分をSAPK2(A)のアクチベーターまたはSAPK3(B)のア クチベーターに関してアッセイした。各画分のアリコートを、抗MKK6抗体を用い て免疫沈降させ、次いで、この上清をSAPK3のアクチベーター(白三角)に関し て再びアッセイした。刺激を受けなかった細胞ではSAPK3アクチベーターは検出 されなかった(図1Aを参照)。波線はNacl勾配を示す。3回の異なる実験で同様 の結果が得られた。(C)細胞を、ソルビトールの代わりに10μg/mlアニソマイシ ンで30分間刺激し、次いで、SKK3の免疫沈降の前(黒丸)と後(白三角)に、SA PK3アクチベーターに関してアッセイした。 図14。トランスフェクトされた細胞において、SKK3はSAPK3を活性化する。COS -1細胞をSAPK3を発現するDNAで一時的にトランスフェクトするか、またはSKK 3もしくはMEKキナーゼ(MEKK)のいずれかで同時トランスフェクトした。細胞をDM EM中で、0.5Mソルビトールで15分間刺激した。刺激および細胞溶解後、SAPK3を 、SAPK3のC末端16残基に対して作製した抗SAPK3抗体を用いて、細胞溶解液から 免疫沈降させ(「方法」を参照)、次いで、基質としてMBPを用い活性を測定し た。図は、SAPK3単独でトランスフェクトされた、刺激を受けなかった細胞との 比較において、ソルビトールおよび/またはSKK3での同時トランスフェクション に応答したSAPK3の活性化倍率を示している。 図15。精製SKK3によるSAPK3およびSAPK2のリン酸化および活性化。(A)GST-SAP K3(0.5μM)および(B)アフリカツメガエルSAPK2相同体(MalE-Mpk2、0.5μM)を 非標識MgATPおよび100U/ml SKK3とともにインキュベートし、次いで、活性の発 生(黒丸)を基質としてMBPを用い、示された時間で測定した。SKK3が最初にPP2 Aで不活性化された場合には(白丸)、GST-SAPK3またはMalE-Mpk2のいずれかの 活性を生じることはなかった。GST-SAPK3またはMalE-Mpk2のリン酸化(白三角) は、 [γ-32P]ATP(106cpm/nmol)を用いる並行インキュベーションで、またAから15お よび120分時点(C)で測定し、Bは6M HCl中で110℃にて90分間部分加水分解し、pH 3.5にて薄層セルロース上で電気泳動し、次いで、オートラジオグラフィーにか けてホスホセリン(pS)、ホスホトレオニン(pT)およびホスホチロシン(pY)を同定 した。(D)野生型SAPK3を、Asp-171がAlaに変化したキナーゼ不活性変異体に置き 換えた以外は、Cと同じ120分時点。 図16。SKK1(MKK4)のよるSAPK3およびSAPK2の活性化。GST-SAPK3(0.5mM、白丸) またはアフリカツメガエルSAPK2相同体のMalE融合タンパク質(0.5μM、黒丸)を 、非標識MgATPおよび100U/ml SKK1とともにインキュベートし、次いで、活性の 発生基質としてMBPを用い、示された時間で測定した。 図17。SAPK3およびSAPK2によりリン酸化されたATF2上の部位の同定。GST-SAPK 3およびアフリカツメガエルSAPK2相同体をMBSに対する活性に関して合わせ、次 いで、各酵素(0.4U/ml)を、1mM野生型(WT)または変異体GST-ATF2(19-96)およびM g[γ-32P]ATPとともに全溶量50mlで、30℃にて30分間インキュベートした。反応 は5mlの6%(重量)SDSの添加により停止させ、次いで、このサンプルを10% SDS/ ポリアクリルアミドゲルでの電気泳動にかけ、オートラジオグラフィーにかけた 。略号:T69T71,Thr-69およびThr-71がAlaに変異した突然変異体;T69T71S90, Thr-69、Thr-71およびSer-90がAlaに変異した突然変異体;S90,Ser-90がAlaに 変異した突然変異体。 図18。SAPK2およびSAPK3によるMAPKAP-K2およびMAPKAP-K3の活性化。(A)GST-M APKAP-K2(46-400)、(B)GST-MAPKAP-K3または(C)GST-MAPKAP-K2(5-400)(0.2mg/ml )を、非標識MgATPおよび0.3U/ml SAPK2(黒丸)または0.3U/mlSAPK3(白丸)と ともにインキュベートし、次いで、示された時間で活性を測定した。SAPK2およ びSAPK3を除いた場合、MAPKAP-K2またはGST-MAPKAP-K3のリン酸化または活性化 は認められなかった。 図19。SAPK3およびSAPK2の活性化に対するSB 203580の効果。SAPK3(白丸)お よびSAPK2(黒丸)をin vitroで精製SKK3を用いて活性化させ(図5)、次いで、 示された濃度のSB 203580の存在下でアッセイした。結果は、阻害剤を除いた対 照インキュベーションと比較して表されている。 実施例1:サイトカイン類および細胞ストレスによる新規ストレス活性化プロ テインキナーゼSAPK4の活性化はSKK3(MKK6)により仲介される;他のSAPキナーゼ とのその基質特異性の比較 要約 そのアミノ酸配列が、活性化ドメインにTGYモチーフを含む他の3種のSAPキナ ーゼの配列とおよそ60%一致する新規MAPキナーゼファミリーのメンバーである、 ヒト・ストレス活性化プロテインキナーゼ4(SAPK4)をコードするcDNAをクロ ーン化した。SAPK4をコードするmRNAは、ヒト組織中に広く分布しているこ とが見出された。KB細胞で発現させる場合、SAKP4は、他のSAPKと同様に、細胞 ストレスおよび前炎症性サイトカイン類に応答して活性化された。in vitroにお いてSAPK4は、SKK3(MKK6とも呼ばれる)により、またはCOS細胞中へSKK3ととも に同時トランスフェクトした場合に活性化された。SKK3は、KB細胞を細胞ストレ スに曝すか、またはインターロイキン-1で刺激した場合に誘導される、SAPK4の 唯一のアクチベーターであった。これらの発見は、SKK3がSAPK4の活性化を仲介 することを示すものである。in vitroにおけるSAPK4の基質特異性は、実施例4 に示したSAPK3のそれと同様であった。両酵素は、転写因子ATF2、Elk-1およびSA P-1を同じ速度でリン酸化したが、MAPKAPキナーゼ-2およびMAPKAPキナーゼ-3の 活性化においては、SAPK2a(RK/p38とも呼ばれる)またはSAPK2b(p38βとも呼 ばれる)よりも効果は遥かに低かった。SAPK1(LNKとも呼ばれる)とは異なり、 SAPK3およびSAPK4は、c-Junの活性化ドメインリン酸化しなかった。SAPK2aおよ びSAPK2bとは異なり、SAPK4およびSAPK3は、薬剤SB203580およびSB 202190によ り 阻害されなかった。発明者らの結果は、以前にSAPK1および/またはSAPK2による ものとした細胞機能が、SAPK2またはSAPK4により仲介され得ることを示唆してい る。 材料および方法 材料 SB 203580およびSB 202190は、Dr JohnLee(SmithKline Beecham,King of Pru ssia,PA,USA)からの好意により譲渡されたものであり、DMSOに溶解させた。抗 MKK6抗体(ヒトMKK6のN末端付近の配列に相当するペプチドCNPGLKEAFEQPQTSに対 して作製)を従前に記載したように作製、精製した(Cuenda et al,1996;Meier et al,1996)。MalE-Mpk2、アフリカツメガエルSAPK2a相同体(Rouse et al,19 94)およびラットGST-SAPK3(実施例4およびCuenda et al,1997)を従前に記載 したように大腸菌(E.coli)で発現させ、精製した。他の総ての材料、酵素、融合 タンパク質および方法の供給源は、実施例4またはCuenda et al(1997)に与えら れている。 cDNAのクローニングおよび配列決定 SAPK2b(p38β,Jiang et al,1996)の一部をコードするESTクローン156272(Ge nBank number R72662)由来のNatI/EcoRI挿入配列をプローブとして用い、高スト リンジェンシー下で、ヒト下垂体cDNAライブラリー(Clontech,Palo Alto, CA)をスクリーニングした。2x106のファージをスクリーニングした後に、いくつ かの部分ERK5クローン、そのいくつかは全長であった多数のSAPK2bクローンおよ び1つの部分SAPK4クローンが得られた。配列決定後、SAPK4挿入配列をプローブ として用いて、高ストリンジェンシー条件下で、下垂体cDNAライブラリーを スクリーニングした。3x106のプラークをスクリーニングした後、全16個のハイ ブリダイゼーション陽性クローンが得られ;それらを単離し、EcoRI挿入配列をM 13mp18中へサブクローニングし、次いで配列決定した。16クローンのうち3 つが全長であった。配列決定は、合成オリゴヌクレオチドを用いて手動で、また 蛍光プライマーを用いてApplied Biosystems 377 DNAシーケンサーでも行った。 全長配列は、cDNAクローンhSAPK412の両鎖から作出した。ブラストアルゴリ ズム(blast algorithm)(blast@ncbi.nlm.nih.gov)を用い、NCBI配列のデータベ ースを検索した。SAPK4、SAPK3、SAPK2a、SAPK2bおよびHOG1の重複配列が視認に より構築された。 RNAブロットアッセイ RNAブロットは、レーンにつき2μgのポリ(A)+RNAを用い、Clontech製 のヒト・マルチプル・ティッシュ・ノーザンブロット(human multiple tissue N orthern blots)を使用して行った。プローブは、ランダムプライミングにより[3 2 p]dCTPで標識し、高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズさせた。SAPK4 プローブはcDNAクローンhSAPK412のゲル精製した挿入配列から調製した。ヒ トβ-アクチンプローブはClontechから購入した。 SAPK2b、SAPK3およびSAPK4発現プラスミド 細菌での発現のためには、ヒトcDNAクローンhSAPK2B2、hSAPK32およびhSA PK412のオープンリーディングフレームをPCRにより増幅し、EcoRI断片として発 現ベクターpGEX4T-1(Pharmacia)中へサブクローニングし、次いで、大腸菌株BL2 1(DE3)中に形質転換した。形質転換細菌を、600nmにて吸収0.6まで増殖させ、0. 4mMイソプロピル-1-チオ-β-ガラクトピラノシド(IPTG)を用いて誘導した。ヒト GST-SAPK2b、GST-SAPK3およびGST-SAPK4は、グルタチオン-アガロース上でのア フィニティークロマトグラフィーにより精製した。c-mycエピトープタグ付きSAP K4の発現のためには、PCRを用いてSAPK4のカルボキシ末端に、アミノ酸配列MEQK LISEEDLNをコードするヌクレオチド配列を導入し、停止コドンがこれに続く。得 られたEcoRI/NotI断片を哺乳類発現ベクターpcDNA3.1(Invitrogen)中へサブ クローニングした。キナーゼ不活性化突然変異体を作製するためのSAPK4におけ るAsp-168のAlaによる置換は、位置指定突然変異誘発により行った。PCR断片は DNA配列決定により確認された。COS1細胞へのトランスフェクションは、実施 例4およびCuenda et al,1997に記載のように行った。 プロテインキナーゼアッセイ SAPK4、SAPK2aおよびSAPK2bは、厳密に実施例4およびCuenda et al,1997にSA PK3に関して記載したように、MBPのリン酸化により慣例的にアッセイした。1ユ ニットの活性とは、1分間に1nmolのリン酸塩をMBPへ組み込んだ酵素量であった 。SAPK4アクチベーターは、実施例4およびCuenda et al,1997にGST-SAPK3に関 して記載したように、それらのGST-SAK4を活性化する能力によりアッセイした。 GST-SAPK4を除いた対照実験を行った。1ユニットのSAPK4アクチベーターとは、 SAPK4活性をIU/分だけ増強した量であった。MAPKAP-K2およびMAPKAP-K3は、基 質としてペプチドKKLNRTLSVAを用いてアッセイし(Stokoe et al,1993)、1ユニ ットの活性とは、1分に1nmのペプチド基質のリン酸化を触媒した量であった。S APK2aアクチベーターは、アフリカツメガエルSAPK2a相同体(Meier et al,1996) を活性化するそれらの能力によりアッセイした。活性化されたSAPK2a自身は、GS T-MAPKMLK2(46-400)の活性化により測定した。SB 203580およびSB 202190の効果 を研究する場合には、総ての実験にDMSOが存在した。この濃度のDMSOは、約10% まで各々のSAPKを阻害した。 SAPK4の免疫沈降 mycエピトープタグ付きSAPK4でトランスフェクトされた細胞溶解物を4℃にて 10分間13000xgで遠心分離した。上清のアリコート(100μgタンパク質)を、c -mycエピトープを認識する3μgのモノクローナル抗体9E10と結合した5μlのタ ンパク質G-Sepharoseとともに、振盪プラットフォーム上で2時間インキュベート した。免疫沈降物を、実施例4およびCuenda et al,1997に記載したように洗浄 、アッセイした。 結果 ヒトSAPK4の分子クローニング SAPKファミリーの新規メンバーを同定するために、発明者らは、ヒト下垂体c DNAライブラリーをスクリーニングするためのプローブとして、SAPK2b(p38β )のタンパク質をコードするESTクローン156272(GenBank number R72662)を用い た。陽性クローンの配列決定によいり、別個の3つの配列が示された。第1のセ ットのクローンはERK5(Zhou et al,1995)[BMK1(Lee et al,1995)とも呼ばれる ]のタンパク質をコードしており、一方、第2のセットは新規形態のp38β(考察 を参照)をコードしていた。第3のセットのクローンは、配列が公知のSAPKの配 列と類似してはいるが異なっているタンパク質をコードしており、これが結果的 にストレス活性化プロテインキナーゼ-4(SAPK4)と名付けられた。ヒトSAPK4のヌ クレオチドおよび推定アミノ酸配列は図1に示されている。オープンリーディン グフレームは、42kDaの推定分子量を有する、365個のアミノ酸からなるタンパク 質をコードしている。それはプロテインキナーゼに特有な保存されたアミノ酸ド メイン(I-XI)を有し、SAPK3と64%の一致、SAPK2aと59%の一致、SAPK2bと58%の一 致、S.セレビシエ由来のHOG1と42%の一致(図2)、SAPK1と45%の一致、またp42MAP キナーゼと41%の一致を示している。サブドメインVIIIの残基Thr180およびTry18 2は、酵素活性のためにリン酸化が求められる、公知のMAPキナーゼおよびSAPキ ナーゼにおけるTEY、TPYおよびTGY配列と同じ位置にある。SAPK4は、SAPK2a、SA PK2b、SAPK3およびHOG1とTGY配列を共有する(図2)。さらに、SAPK2a、SAPK2b、S APK3およびHOGIにおけるのと同様、サブドメインVIIはたった6個のアミノ酸によ って、サブドメインVIIIの活性化領域から分断されているが(図2)、このギャッ プは、SAPK1では8残基であり、MAPキナーゼでは12残基を超える。ヒト組織にお けるSAPK4 mRNAの組織分布は、RNAブロッティングによりアッセイした( 図3)。[32P]標識SAPK4 cDNAのマルチプル・ティッシュ・ノーザンブロット への ハイブリダイゼーションでは、およそ2.3kbの転写物が、種々のレベルではある が、実験した16種の組織のほとんどに存在していたことが示された(図3)。最高 レベルは膵臓、精巣、小腸および前立腺で検出された。ブロットのβ-アクチン に対するプローブとのハイブリダイゼーションでは、ほぼ同じRNA含量が示さ れた(データ省略)。 SAPK4は細胞ストレスおよびサイトカイン類により活性化される SAPK4は、前記のように細胞ストレスおよびサイトカインIL1により活性化され る酵素であるTNFSAPK3、SAPK2aおよびSAPK2bに最も密接に関連している。従って 発明者らは、同じ刺激がSAPK4を活性化するかどうかを検討した。ヒト上皮KB細 胞をmycエピトープタグ付きSAPK4で一時的にトランスフェクトし、細胞ストレス またはサイトカイン類に曝した後に、酵素を免疫沈降させ、アッセイした。これ らの実験では、SAPK2a、SAPK2bまたはSAPK3の活性化を引き起こす刺激はまた、S APK4を活性化するが(図4)、SAPK2a、SAPK2bまたはSAPK3を活性化しない刺激(イ ンスリン様成長因子-1(IGF-1)およびホルボールエステル類など)はまたSAPK4を 活性化できない(図4)ことが示された。 上皮細胞におけるSAPK4の主要なアクチベータ−としてのSKK3の同定 発明者らはこれまでに、いくつかの方法で、またはIL1による刺激でストレス を受けたKB細胞由来の細胞溶解物のMono Sクロマトグラフィー後に検出されるSA PK2aアクチベータの、SKK3は95%を占め、SKK2は5%を占めることを示した(Cuenda et al,1996;Meier et al,1996)。図5に示したように、KB細胞を、IL1またはM ono S上でSKK3とともに移動したタンパク質合成阻害剤アニソマイシンで処理し た後に検出されたSAPK4の単一ピークを、抗MKK6抗体によって定量的かつ特異的 に沈降させた。この実験はまた、これらの刺激によりKB細胞で活性化され、かつ 、SKK3よりも高濃度NaClでMono Sから溶出するSKK4およびSKK5(Meier et al,19 96)はSAPK4を活性化しないことを証明した。SKK3はまた、KB細胞に、ソルビトー ル を用いた浸透圧ストレスをかけた後、SAPK4の唯一のアクチベーターであった( データ省略)。SKK3はin vivoでSAPK4を活性化することができるというさらなる 証拠は、COS細胞中への同時トランスフェクションにより得られた。SAPK4活性は 、SKK3との同時発現により12.5±0.63倍と評価された(n=3)。これに対し、SAPK4 は、MEKキナーゼがCOS細胞における内生SKK1を活性化した条件下での、MEKキナ ーゼとの同時トランスフェクションによっては有意に活性化されなかった(デー タ省略)。 in vitroにおけるSKK3によるSAPK4の活性化 SAPK4は、in vivoで骨格筋由来のSKK3の高精製調製物により活性化されたが( 図6)、p42 MAPキナーゼが最大に活性化された条件下で、MKK1によっては活性化 することはできなかった(データ省略)。SAPK4およびSAPK2aの両酵素は、2時間 後、ミエリン塩基性タンパク質(MB P)に対し同じ固有活性に達したが、SKK3によ るSAPK4の活性化は、SAPK2aのそれより2〜3倍遅く生じた(図6)。MBPに対するSAP K2aおよびSAPK4の活性は、この基質に対するp42 MAPキナーゼの活性より25〜50 倍低い(Stokoe et al,1992a)。SAPK3の活性化同様、SAPK4の活性化(実施例4 およびCuenda et al,1997)は〜1.6mol/サブユニットmolで平衡状態に達し(デ −タ省略)、同等量のホスホチロシンおよびホスホトレオニンの発生を伴ってい た(図6B)。興味深いことに、SAPK4はまた、SAPK3と同等、しかしSAPK2aとは異な って、セリン残基でリン酸化されていた。野生型SAPK4を触媒として不活性なSAP K4-D168A突然変異体に置き換えた場合には、このようなことは起こらず(図7B)、 このことはセリンのリン酸化が、活性化された後のSAPK4自身により触媒される ことを示している。興味深いことに、不活性なSAPK4突然変異体はチロシンにつ いてリン酸化され得るだけで、トレオニンについてはリン酸化されず、このこと は、この突然変異が、SKK3によるSAPK4の認識に作用するコンホメーション変異 をもたらしていることを示すものである。 in vitroにおけるSKK1(MKK4)によるSAPK4の活性化 SAPK2はin vitroで、SKK2およびSKK3によりリン酸化されるだけでなく、SKK1( MKK4)によってもリン酸化される(前記参照)。SKK1はサイトカイン類および細 胞ストレスにより活性化され、従って、この酵素もまたin vitroでSAPK4を活性 化する可能性があるかどうかを検討することは興味深いことである。図7は、SAP K4はin vitroでSKK1によりリン酸化され、活性化されるが、同条件下のSAPK2aよ りかなり遅い速度であることを示している。この活性の速度の遅さに合致して、 SAPK4は、SKK1の上流アクチベーターであるMEKキナーゼでのCOS1細胞への同時ト ランスフェクションの後には活性化されない(データ省略)。このことは、KB細 胞抽出物におけるSAPK4活性化活性に対するSKK1の寄与が無視できることと矛盾 しない(図5)。 SAPK4の基質特異性とSAPK2aのそれとの比較 SAPK2bおよびSAPK3 グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)を転写因子Elk-1、ATF2、SAP-1、SAP -2およびp53の活性化ドメインに結合させた融合タンパク質のリン酸化において 、SAPK4は、SAPK2aまたはSAPK2bより活性が高く、一方、c-Junは3つの酵素によ りわずかにリン酸化されたのみであった(表1)。GST-MAPKAP-K2(5-400)および全 長GST-MAPKAP-K3の活性化においては、SAPK4はSAPK2aよりはるかに作用が弱く、 MAPKAP-K2およびMAPKAP-K3活性化の初速度および最大活性化の半分の時間は20倍 遅かった(図8)。in vitroにおけるSAPK4の特異性は、SAPK3のそれと同様であっ た(表1;実施例4およびCuenda et al.,1997)。それらの類似したアミノ酸配 列と一致して(図2)、SAPK2aおよびSAPK2bの基質特異性は実質的には区別がで きない(表1、図8)。 表1.SAPK4の基質特異性のSAPK2a、SAPK2bおよびSAPK3の基質特異性との比較 実験は、アフリカツメガエルSAPK2a相同体、ヒトSAPK2bおよびヒトSAPK4を用 いて行った。SAPKはin vitroで活性化させ(図7)、各タンパク質のリン酸化はS APK濃度0.15U/mlにて試験した。結果は6回の測定(2回の独立した実験)の平均 ±SEMで表した。ラットSAPK3のデータは実施例4およびCuenda et al(1997)から取 った。 SAPK4はSB 203580またはSB 202190により阻害されない。 SAPK3同様、in vitroにおいてSKK3により活性化された細菌により発現したSAP K4は、SB 203580またはSB 202190により阻害されなかった(図9)。これに対し 、SAPK2aおよびSAPK2bは、0.3〜0.6μMの類似するIC50値を有する両薬剤により 阻害された(図9)。SB 203580およびSB 202190はまた、リン酸化型の0.1%以上 の活性を有するSAPK3およびSAPK4の脱リン酸化型を阻害しなかった(データ省略 )。さらに、SB 203580はKB細胞の浸透圧ショックによっては、トランスフェク トされたSAPK3の活性化を妨げなかった。 考察 本実施例において、発明者らはそのmRNAが広く発現し、かつ、そのアミノ 酸配列がSAPK2a、SAPK2bおよびSAPK3と約60%一致する新規MAPキナーゼファミリ ーのメンバーである、ヒトSAPK4をコードするcDNAのクローニングを報告す る。さらに、SAPK2a、SAPK2bおよびSAPK3同様、SAPK4はサブドメインVIIおよび サブドメインVIIIの活性化ループの間に二重のTGYリン酸化モチーフおよび6個の アミノ酸挿入を含む。SAPK4はSAPK1(45%の一致)およびp42/p44 MAPキナーゼ( 41%の一致)とはあまり類似していない。本研究中、発明者らはまた、SAPK2bの いくつかのcDNAクローンの配列決定を行った。それらは、公表されているp3 8β配列(Jiang et al,1996)とは2つの点で異なる364個のアミノ酸からなるタン パク質をコードしていることがわかった。それはキナーゼサブドメインVおよびV I間の8個のアミノ酸配列を欠き、この領域において2個のアミノ酸の相違を示す 。結果として、発明者らのSAPK2b配列は、他のSAPキナーゼ配列といずれのギャ ップも要することなく並ぶ。 SAPK2a、SAPK2bおよびSAPK3に対するそのアミノ酸配列の類似性と矛盾するこ となく、SAPK4は同様の細胞ストレスおよびサイトカイン類に応答して活性化さ れる。細胞ストレスまたはIL1に曝された上皮KB細胞から調製された抽出液中で 検出できたSAPK4の唯一のアクチベーターは、MKK6遺伝子の生成物であるSKK3で あった。SAPK4はまた、COS細胞中にSKK3DNAで同時トランスフェクトされた場合 に活性化されるようになる。これに対し、SAPK4はin vitroにおいてSKK1(MKK4) によっては十分には活性化されず、SKK1の上流アクチベーターであるMEKキナー ゼでの同時トランスフェクション実験において活性化されなかった(Yan et al, 1994)。SAPK4はまた、MKK1、SKK2(MKK3)、SKK4またはSKK5によって活性化されな かった。このように、いくつかの哺乳類細胞系統においてSAPK2a(Cuenda et al ,1996)、SAPK2b(Jiang et al,1996)およびSAPK3(実施例4およびCuenda et al , 1997)の優先的アクチベーターであるSKK3はまた、SAPK4の主要なアクチベーター であると思われた。 マイクロモル以下の濃度でSB 203580またはSB 20190により阻害されるSAPK2a およびSAPK2bとは対照的に、SAPK3およびSAPK4はこれらの薬剤により作用されず ;さらに、SB 203580はSAPK3の活性化を阻害しなかった。SB 202190がSAPK3を阻 害できなかったということは、細菌により発現したSAPK3の基礎活性がこの薬剤 によって阻害されたと報告したLi et al(1996)の研究とは一致しない。発明者ら は、発現させたSAPK3の基礎活性またはSKK3でのリン酸化により最大限に活性化 されたSAPK3のいずれに対してもSB 203580またはSB 202190の作用を認めること ができなかったため、この矛盾の理由は明らかではない。同一の結果が、細菌に より発現させたラットSAPK3(実施例4およびCuenda et al,1997)およびヒトSAP K3を用いて得られた。 in vitroにおけるSAPK4基質特異性は、SAPK3のそれに似ており、両酵素は多く のタンパク質(いくつかの転写因子の活性化ドメインを包む)を、SAPK2aおよび SAPK2bと同様の速度でリン酸化したが、それらはMAPKAP-K2およびMAPKAP-K3の活 性化においては、SAPK2aまたはSAPK2bのいずれよりもかなり低い作用であった。 前記の結果は、検討された総ての哺乳類細胞において、SB 203580がストレスお よびサイトカインが誘導するMAPKAP-K2およびMAPKAP-K3の活性化を80〜95%まで 抑制するという所見と一致する(Cuenda et al,1995;Beyert et al,1996;Cli ifton et al,1996;McLaughlin et al,1996)。さらに、SAPK3およびSAPK4はin vitroにおいて転写因子Elk-1の活性化ドメインを有効にリン酸化するものの、i n vivoにおいては、いずれの酵素もElk-1のリン酸化に対する律速ではないと考 えられ、これは細胞ストレスにより誘導されるElk-1のリン酸化が、繊維芽細胞 系統においてはSB 203580によって(Hazzalin et al,,1996)、あるいはHeLa細胞 においてはSB 203580およびPD 98059の組み合わせによって(Price et al,1 996)妨げられるからである。MKK1の活性化の特異的阻害剤であるPD098059(Aless i et al,1995a)は、p42/p44 MAPキナーゼの活性化を妨げる。SAPK3およびSAPK4 の生理学的基質としての候補は、細胞ストレスおよび/または前炎症性サイトカ イン類により引き起こされるリン酸化/活性化がSB 203580により妨げられない タンパク質である。かかるタンパク質は転写因子c-Jun、ATF2およびNFKBを含む( Beyaert et al,1996;Hazzalin et al,1996)。しかしながら、c-JunはSAPK3お よびSAPK4によりほとんどリン酸化されず、かつ、SAPK1のイソ型はおそらくin v ivoにおいてはこのタンパク質をリン酸化すると考えられる(「序章」を参照) 。 要約すれば、細胞ストレスおよび/または前炎症性サイトカイン類により活性 化されるMAPキナーゼファミリーのメンバーの数は、これまでに明らかになって いるものよりずっと多い(図10に化学量論的に示される)。SAPK1、SAPK2a、SAP K2b、SAPK3およびSAPK4に加えて、成長因子により強力に活性化されるp42/p44 M APキナーゼもまた、より弱くはあるが、いくつかの細胞のバックグラウンドで、 ストレス性刺激および前炎症性サイトカイン類により活性化される。さらに、MA PキナーゼファミリーのメンバーERK5(BMK1とも呼ばれる)は、浸透圧および酸 化ストレスにより活性化される(Abe et al,1996)。これらのMAPキナーゼファミ リーメンバーの各々に対する特異的阻害剤の開発は、それらの生理学的役割の解 明を大いに助けるであろう。 実施例2:プロテインキナーゼアッセイ SAPK4は慣例的にMBPのリン酸化によってアッセイする。SAPK4(0.5または1μM )は、10μlの50mM酢酸マグネシウム-0.5mM[γ-32P]ATPで反応を開始させる前に 、40μlの25mM Tris/HCl pH7.5、0.1mM EGTA、0.1mMオルトバナジウム酸ナトリ ウム、1μM PKIおよび0.33mg/ml MBP中で30℃にて3分間インキュベートする。 30℃にて20分後、40μlアリコートを採取し、1.5x1.5cm角のWhatman P81ホスホ セ ルロースペーパー上にスポットし、75mMリン酸中に浸漬した。このペーパーを洗 浄、乾燥後(Alessi et al,1995 Meth.Enzymol.255,279-290)、MBP中へ組み 込まれた32P放射活性を測定する。1ユニットの活性は、1分にMBS中へ1nmolのリ ン酸塩を組み込む酵素量である。 SAPK4アクチベーターは、それらのGST-SAPK4を活性化する能力によりアッセイ する。15μl Mono S画分を、50mM Tris/HCl pH7.5、0.1mM EGTA、0.03%(重量 )Brij-35、0.1%(容量)2-メルカプトエタノールおよび5%(容量)グリセロー ル中で、2.5μlの10μM GST-SAPK4とともに30℃にて3分間インキュベートし 、次いで、2.5μlの80mM酢酸マグネシウム-0.8mM非標識ATPで反応を開始させる 。30分後、アリコート(10μl)を採取し、前記のようにSAPK4活性に関してアッ セイする。インキュベーション混合物からGST-SAPK4を除いた対照実験を行う。 1ユニットのSAPK4アクチベーターとは、SAPK4の活性を1U/分だけ増強させる量 である。 MAPKAP-K2およびMAPKAP-K3は、基質としてペプチドKKLNRTLSVAを用いてアッセ イし(Stokoe et al,1993 Biochem J.296,843-849)、1ユニットの活性とは、 1分に1nmolのペプチド基質のリン酸化を触媒する量である。SAPK2はGST-MAPKAP- K2(46-400)の活性化により、またSAPK2アクチベーターはそれらのMalE-Mpk2(ア フリカツメガエルSAPK2相同体)を活性化する能力により測定する(Meier et al, 1996 Eur.J.Biochem.236,796-805)。 実施例3:SKK3およびSKK1によるGST-SAPK4の活性化およびリン酸化理論量 インキュベーションは25mM Tris/HCl,pH7.5、0.1mM EGTA、1μM PKI、0.1% (容量)2-メルカプトエタノール、0.5μM GST-SAPK4、精製SKK3またはSKK1(1 00U/ml、単位の定義についてはCuenda et al,1996 EMBO J.15,4156-4164を参 照)、10mM酢酸マグネシウムおよび0.1mM ATPを含む。反応は、他の成分を30℃ にて3分間インキュベートした後に、MgATPで開始させる。種々の時間でアリコ ートを採取し、前記実施例2に記載のようにSAPK4活性に関してアッセイする。SA PK 4のリン酸化の程度を求めるため、非標識ATPを[γ-32P]ATP(2x106cpm/nmol)に置 き換えた並行インキュベーションを行った。種々の時間で反応液のアリコートを 、1mlの20%(重量)トリクロロ酢酸(TCA)に加える。13000gにて5分間の遠心分離 後、上清を除去し、ペレットを25%TCAで3回洗浄し、次いでCerenkov計数により 解析する。リン酸化の理論量は、各融合タンパク質の算出分子量およびBradFord (1976)Anal.Biochem.72,248-254に従い求めたタンパク質濃度を用いて決定し た。 実施例4:SAPK3の同定 材料および方法 材料 組織培養試薬、ミクロシステイン-LR、リポフェクチン試薬、MBPおよびヒトIG -1は、Gibco-BRL(Paisley,UK)から購入した。タンパク質G-SepharoseはPharmac ia(Milton Keynes,UK)から、ならびに組換えヒトIL-1およびEGFはBoehringerか ら;アニソマイシン、ソルビトールおよびTNFαはSigma(Poole,UK)から。cAMP- 依存プロテインキナーゼ(TTYADFIASGRTGRRNAIHD)の特異的ペプチド阻害剤である PKIおよび他の全てのペプチドは、MRC Protein Phosphorylation UnitのMr F B Caudwellにより合成された。SB 203580はDr J Lee(SmithKline Beecham,King o f Prussia,USA)から好意により譲渡され、これはジメチルスルホキシドに溶解 して最終濃度20mMとした。他の試薬は分析用以上のものであり、BDH Chemicals またはSigma Chemical Co(Poole,UK)から購入した。 酵素および転写因子 SKK3はウサギ骨格筋から精製した(Cuenda et al,1996) 。グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)融合タンパク質をコードする大腸菌 プラスミドは括弧内に示した研究者から好意により提供され、大腸菌で発現させ 、次いでグルタチオン-アガロース上でのアフィニティークロマトグラフィーに より精製した;GST-MAPKAP-K2(5-400)およびGST-MAPKAP-K2(46-400)(Dr R Ben-L ev y and Dr C Marshall,Institute for Cancer Research,London,Ben Levy et al,1995)、GST-MAPKAP-K3(Dr J Young,SmithKline Beecham,King of Prussia ,USA)、GST-MKK1(Dr C Marshall)、GST-MKK4(Dr J Woodgett,Ontario Cancer Institute,Canada)、GST-SAP1(267-431)、GST-SAP2(221-417)、GST-Elk1(307-4 28)、GST-cJun(1-194)、GST-ATF2(19-96)およびThr-69、Thr-71および/またはS er-90がAlaに変化したGST-ATF2(19-96)の種々の誘導体(Dr N Jones and R Treis man,ICRF,London)。MEKキナーゼのC末端キナーゼドメインを発現するMalE融合 タンパク質(MalE-MEKK)およびアフリカツメガエルSAPK2相同体(MalE-Mpk2)は、D r A R Nebreda(EMBL,Heidelberg,Germany)からの好意により譲渡されたもので あった。トランスフェクション研究用のMEKキナーゼのC末端キナーゼドメインを 発現するDNA(Olson et al,1995)は、Dr A Ashworth(Institute of Cancer R esearch,London)により提供された。p53(Helps et al,1995)は、MRC Protein Phosphorylation UnitのDr N Helpsにより提供された。 SAPK3 およびSKK3発現プラスミド 細菌発現については、cDNAクローンrSAPK37のオープンリーディングフレ ーム(Mertens et al,1996)をPCRにより増幅させ、発現ベクターpGEX-4T1(Pharm acia)中へEcoRI断片としてサブクローニングし、次いで、大腸菌BL21株(DE3)中 へ形質転換した。形質転換細菌を600nmにて吸収0.6まで増殖させ、次いで、0.4m Mイソプロピル-1-チオ-b-ガラクトピラノシド(IPTG)とともにインキュベートし た。GST-SAPK3は、グルタチオン-アガロース上のアフィニティークロマトグラフ ィーにより精製した。トランスフェクションについては、cDNAクローンrSAP K37のオープンリーディングフレームをPCRにより増幅させ、次いで、哺乳類発現 ベクターpSG5(Stratagene)中へEcoRI断片としてサブクローニングした。別法と して、PCRを使用して、停止コドンが続くrSAPK3のカルボキシ末端にc-mycタグME QKLISEEDLNをコードするヌクレオチド配列を導入した。次いで、得られた断片を pSG5へ連結した。ヒトSKK3をコードする細菌発現構築体(Cuenda et al,1996)は Dr A R Nebreda(EMBL,Heidelberg,Germany)からの好意により譲渡されたもの であった。ヒトSKK3のオープンリーディングフレームはPCRにより増幅させ、次 いで、哺乳類発現プラスミドpcDNA3.1(Invitrogen)中へHindIII断片としてサ ブクローニングした。キナーゼ不活性突然変異体を作製するためのSAPK3におけ るAsp171のAlaによる置換は、位置指定突然変異誘発により行った。PCR断片はD NAの配列決定により様々である。 細胞培養および一時的トランスフェクション 293、KBおよびCOS-7細胞を、10%ウシ胎児血清を添加したダルベッコの改変イ ーグル培地(Dulbecco's modified Eagles' Medium,DMEM)で、5%CO2大気下、37 ℃にて培養した。293細胞のトランスフェクションはリン酸カルシウム法を用い て行った。細胞を2x106/10cmディッシュの密度で分注し、37℃にて12時間後、50 μlの滅菌CaCl2に、0.45mlの滅菌水中10μgのプラスミドDNAを加え、次い で、50mM N,N-ビス[2-ヒドロキシエチル]-2-アミノエタン硫酸/HCl pH6.96、0. 28M NaClおよび1.5mM Na2HPO4からなる滅菌緩衝液0.5mlを加えた。得られた混合 液を1分間攪拌し、20分間室温で静置し、次いで、293細胞が入った10cmディッシ ュへ滴下した。この細胞を37℃にて16時間、3%CO2大気下に置き、次いで、培地 を吸引し、10%ウシ胎児血清を含有する新鮮なDMEMに置換した。この細胞を、刺 激前に、5%CO2大気下37℃にて24時間インキュベートした。プラスミドDNAは 、供給者により推奨されたリポフェクチン法により、KB細胞およびCOS-1細胞中 へトランスフェクトした。細胞を1x106/6cmデッィシュの密度で分注し、5%CO2大 気下37℃にて24時間インキュベートした後、細胞を2mlの血清フリー増殖培地で 2回洗浄し、2μgのDNA(予め15mgのリポフェクチン試薬とともに室温にて 15分間インキュベートする)を加えた。5%CO2大気下37℃にて6時間後、DNA含 有培地を10%ウシ胎児血清を含有する新鮮なDMEMと置換した。さらに48時間後、 こ の細胞を図の凡例で示されたアゴニストで刺激した。細胞は、IGF-1での刺激前 には血清の不在下で12時間、あるいは他の刺激に曝す前には1時間、DMEM中でイ ンキュベートした。溶解緩衝液に2μMミクロシスチンが存在した以外は、記載 のように細胞を溶解した(Rouse et al,1994)。 プロテインキナーゼアッセイ SAPK3は慣例的にMBPのリン酸化によってアッセイした。SAPK3(0.5または1μM )は、10μlの50mM酢酸マグネシウム-0.5mM[γ-32P]ATPで反応を開始させる前に 、40μlの25mM Tris/HCl pH7.5、0.1mM EGTA、0.1mMオルトバナジウム酸ナトリ ウム、1μM PKIおよび0.33mg/ml MBP中で30℃にて3分間インキュベートした 。30℃にて20分後、40μlアリコートを採取し、1.5x1.5cm角のWhatman P81ホス ホセルロースペーパー上にスポットし、75mMリン酸中に浸漬した。このペーパー を洗浄、乾燥後(Alessi et al,1995b)、MBP中へ組み込まれた32P放射活性を測 定した。1ユニットの活性は、1分にMBS中へ1nmolのリン酸塩を組み込む酵素量 であった。 SAPK3アクチベーターは、それらのGST-SAPK3を活性化する能力によりアッセイ した。15ml Mono S画分を、50mM Tris/HCl pH7.5、0.1mM EGTA、0.03%(重量)B rij-35、0.1%(容量)2-メルカプトエタノールおよび5%(容量)グリセロール中 で、2.5μlの10μM GST-SAPK3とともに30℃にて3分間インキュベートし、次 いで、2.5μlの80mM酢酸マグネシウム-0.8mM非標識ATPで反応を開始させた。30 分後、アリコート(10μl)を採取し、前記のようにSAPK3活性に関してアッセイ した。インキュベーション混合物からGST-SAPK3を除いた対照実験を行った。1 ユニットのSAPK3アクチベーターとは、SAPK3の活性を1U/分だけ増強させる量で ある。 MAPKAP-K2およびMAPKAP-K3は、基質としてペプチドKKLNRTLSVAを用いてアッセ イし(Stokoe et al,1993)、1ユニットの活性とは、1分に1nmolのペプチド基質 のリン酸化を触媒する量であった。SAPK2はGST-MAPKAP-K2(46-400)の活性化によ り、またSAPK2アクチベーターはそれらのMalE-Mpk2(アフリカツメガエルSAPK2 相同体)を活性化する能力により測定した(Meier et al,1996)。 SKK3 およびSKK1によるGST-SAPK3およびMal-Mpk2の活性化ならびにリン酸化理 論量 インキュベーション物は、25mM Tris/HC,pH7.5、0.1mM EGTA、1mM PKI、0.1% (容量)2-メルカプトエタノール、0.5mM GST-SAPK3またはMalE-Mpk2、精製KK3 またはSKK1(100U/ml、単位の定義についてはCuenda et al,1996を参照)、10mM 酢酸マグネシウムおよび0.1mM ATPを含んだ。反応は、30℃にて3分間他の成分を プレインキュベーションした後、MgATPで開始させた。種々の時間でアリコート を採取し、前記のように、SAPK3またはSAPK2活性に関してアッセイした。SAPK3 およびSAPK2のリン酸化程度を測定するため、非標識ATPを[α-32P]ATP(2x106cpm /nmol)に置き換えた並行インキュベーションを行った。種々の時間で反応物のア リコートを1mlの20%(重量)トリクロロ酢酸(ACT)に加えた。13000xgで5分間遠 心分離した後、この上清を除去し、ペレットを25%TCAで3回洗浄し、次いで、Ce renkov計数により分析した。リン酸化の理論量は、各融合タンパク質の算出分子 量およびBradford(1976)に従って求めたタンパク質濃度を用いて決定した。 SAPK3 の免疫沈降 SAPK3でトランスフェクトされた細胞の溶解液を13000xgで4℃にて10分間遠心 分離した。上清(100μgタンパク質)を、mycエピトープを認識する9E10モノクロ ーナル抗体3μg(mycエピトープタグ付きSAPK3として)、またはラットSAPK3の C末端配列(KPPRNLGARVPKETAL)に対してヒツジで作製された、アフィニティー精 製ポリクローナル抗体5μg(非タグSAPK3として)のいずれかを結合させたタン パク質G-Sepharose 5mlとともに、振盪プラットフォーム上で120分間インキュベ ートした。この上清を13000xgで1分間遠心分離し、次いで、ペレットを、0.5M NaClを含有する溶解緩衝液1mlで2回、さらに溶解緩衝液で2回洗浄し、その 後、反応を振盪プラットフォーム上で行って、アガロースビーズを懸濁させたま まにし、それにより確実に基質に接近させるようにした以外は、前期と同様にし て、この免疫沈降物をSAPK3活性に関してアッセイした。 SAPKK の抗体および免疫沈降 ポリクローナル抗MKK3抗体(MKK3のN末端付近の配列に相当するペプチドRNLDS RTFITIGDRNに対して作製)、抗MKK4抗体(XMEK2のC末端の14残基に相当するペプ チドEQMPVSPSSPMYVDに対して作製)および抗MKK6抗体(ヒトMKK6のN末端付近の 配列に相当するペプチドCNPGLKEAFEQPQTSに対して作製)を従前に記載したよう に作製、精製した(Cuenda et al,1996;Meier et al,1996)。Mono Sで精製した SAPK2アクチベーターまたはSAPK3のアクチベーターのアリコート(30ml)を、5μ gの抗MKK3、5μgの抗MKK4または2μgの抗MKK6抗体を結合させたタンパク質G- Sepharose5mlとともに、振盪プラットフォーム上で4℃にてインキュベートした 。90分間混合した後、上清を13000xgにて2分間遠心分離し、この上清をSAPK3ア クチベーターに関してアッセイした。対照実験では、免疫沈降に先立ち、タンパ ク質G-Sepharoseに結合させた抗体を、適切なペプチド免疫源50nmolとともに4℃ にて30分間インキュベートした。 結果 SAPK3 は細胞ストレスおよびサイトカイン類によって活性化される ヒト胚形成腎臓上皮293細胞およびヒト上皮KB細胞を、mycエピトープタグ付き SAPK3で一時的に形質転換し、次いで、細胞ストレスまたはサイトカイン類に曝 した後、酵素を免疫沈降させてアッセイした。これらの実験は、SAPK2(またはS APK1)の活性化を引き起こす刺激はまた、SAPK3を活性化することを示した。浸 透圧ショック、タンパク質合成阻害剤阻害剤アニソマイシン、化学ストレス(亜 砒酸ナトリウム)、UV-C照射、IL1およびTNFは総て、SAPK3を5〜14倍活性化した (図11Aおよび11b)。同様の結果が、SAPK3をCOS7細胞中へ一時的にトランスフ ェクトし、次いで、浸透圧ショック、アニソマイシンまたは亜砒酸ナトリウムに 曝した場合にも得られた(データ省略)。EGFはトランスフェクトされたSAPK3を より弱いながら活性化したが、IGF-1およびホルボールエステル類はほとんど、 または全く活性化を引き起こさなかった(図11A)。これに対しIGF-1は、並行実 験において、トランスフェクトされたプロテインキナーゼBの強力な活性化を引 き起こした(Alessi et al,1996)。 上皮細胞におけるSAPK3の主要なアクチベーターとしてのSKK3の同定 15分間を与えた浸透圧ショック293由来の細胞溶解液を、Mono Sでのクロマト グラフィーにかけ、SAPK2およびSAPK3のアクチベーターに関してアッセイした。 他の哺乳類細胞に関してこれまでに報告されたように(Cuenda et al,1996;Meie r et al,1996)、SAPK2アクチベーターの2つのピークを同定した。第一のピー クはSKK1およびSKK3と同じ位置に、第二のピークはSAPKK2と同じ位置に溶離した 。刺激を受けなかった細胞由来の溶解液を用いた対照実験ではいずれのピークも 認められなかった(図12)。活性の第一のピークは、抗MKK6抗体により定量的に 免疫沈降したが、抗MKK4または抗MKK3抗体によってはしなかったので、それはSK K3(または極めて近い関連の相同体)であった(図12B)。第二のピークは抗MKK 3抗体によっては免疫沈降したが、抗MKK4または抗MKK6抗体によってはしなかっ た(図12B)。同画分をSAPK3のアクチベーターに関してアッセイした場合、SKK3 とともに溶離する単一ピークしか検出されず(図12C)、これは抗MKK6抗体によ って免疫沈降したが、抗MKK4または抗MKK3抗体によってはしなかった(図12D) 。同様の結果が、細胞をアニソマイシンで刺激した場合にも得られた(データ省 略)。刺激を受けなかった細胞由来の溶解液を用いた対照実験では、SAPK3アク チベーターは認められなかった(図12C)。 発明者らはこれまでに、SKK3は、いくつかの方法でストレスを受けたか、また はIL-1で刺激を受けたKB細胞由来の溶解液のMono Sクロマトグラフィーの後に検 出されたSAPK2アクチベーターの95〜100%を占めることを示した(Cuenda et al, 1996;Meier et al,1996)。図13に示したように、KB細胞に浸透圧ショックまた はアニソマイシン処理をかけた後に検出されたSAPK3アクチベーターの単一ピー クは、Mono S上でSKK3とともに移動し、抗MKK6抗体により定量的かつ特異的に免 疫沈降した。この実験もまた、SAPKK4およびSAPKK5もまた、これらの刺激により KB細胞で活性化され、かつ、SKK3よりも高いNaCl濃度でMono Sから溶離し(Meier et al,1996)、SAPK3を活性化しないことを証明した。 SKK3がin vivoでSAPK3を活性化し得るというさらなる証拠は、COS細胞中への 同時トランスフェクションによって得られた。これらの実験は、SAPK3活性がSKK 3との同時発現により10倍上昇し、また、浸透圧ショックに曝すことで、SSK3が 同時トランスフェクトされた細胞では、トランスフェクトされたSAPK3の30倍高 い活性化を引き起こしたことを示した(図14)。 in vitro におけるSKK3によるSAPK3の活性化 SAPK3はin vitroで、骨格筋由来のSKK3高精製調製物により活性化されたが( 図15)、p42 MAPキナーゼが最大に活性化された条件下で、MKK1によっては活性 化され得なかった(データ省略)。SKK3によるSAPK3の活性化速度はSAPK2のそれ と同様であり、両酵素は1時間後にミエリン塩基性タンパク質(MBP)に対して同じ 固有活性に達した(図15Aおよび15B)。 MBPに対するSAPK2およびSAPK3の活性は、この基質に対するp42 MAPキナーゼの活 性よりも25〜50倍低い(Stokoe et al,1992b)。SKK3がSAPK2およびSAPK3とのイ ンキュベーションに先立ち、プロテインホスファターゼ2Aにより不活性化された 場合には、SAPK2またはSAPK3の活性化またはリン酸化は起こらなかった(図15A および15B)。SAPK2およびSAPK3の活性化は、予期していたようにホスホチロシ ンおよびホスホトレオニンの出現を伴い、両酵素は、同程度に低いまたは高いSA PK3およびSAPK2の活性化レベルまでリン酸化された(図15)。興味深いことに、 SAPK3(SAPK2とは異なり)もまた、セリン残基でリン酸化されるようになった。 野生型SAPK3を不活性な突然変異体に置き換えた場合にはこのようなことは起こ らず(図15D)、このことはセリンのリン酸化が、それが活性化された後にSAPK3 自身により触媒される自己リン酸化事象であることを示唆している。自己リン酸 化部位はSer-3および/またはSer-281であると考えられ、これらはプロリンが続 く、SAPK3中でのただ2つのセリンである(Merten et al,1996)。 in vitro におけるSKK1(MKK4)によるSAPK3の活性化 SAPK2はin vitroで、SAPKK2およびSKK3によりリン酸化されるだけでなく、SKK 1(MKK4)によってもリン酸化される(「序説」を参照)。SKK1はそれ自身サイト カイン類および細胞ストレスにより活性化され、ゆえに、この酵素がin vitroで SAPK3を活性化する能力を有するかどうか検討することに注目された。図16は、S APK3がin vitroでSKK1により活性化され得るが、SAPK3の活性化の初速度は、同 条件下のSAPK2のそれよりかなり遅いことを示している(図16A)。この活性化の 速度の遅さに一致して、SAPK3は、SKK1の上流アクチベーターであるMEKキナーゼ を用いたCOS1細胞での同時トランスフェクション後には、活性化されなかった( 図14)。このことは、KBおよびCOS細胞で観察された全SAPK3活性化活性へのSKK1 の寄与が無視できることと矛盾はない。 SAPK2 およびSAPK3の基質特異性の比較 SAPK3は、転写因子Elk1、ATF2、SAP1、SAP2およびp53のリン酸化において、SA PK2とまさに同等の活性を有するが、c-Junは両酵素により微弱にしかりン酸化さ れなかった(表1)。SAPK1は、Thr-69、Thr-71およびSer-90でATF2をリン酸化す ることが示されており(Livingstone et al,1995)、ゆえに、SAPK2およびSAPK3 によるATF2のリン酸化が、野生型ATF2およびそれらの残基がAlaへ変化した突然 変異体を用いて、極めて詳細に研究された。SAPK3によるリン酸化後のホスホア ミノ酸解析では、野生型ATF2がトレオニンおよびセリン残基でリン酸化され、ホ スホトレオニン含量がホスホセリン含量より2倍高くなることが示された(デー タ省略)。これに対し、SAPK2によるリン酸化後では、ATF2はトレオニンでリン 酸化されるだけであった(データ省略)。これらの実験と一致して、Thr-69およ びThr-71がアラニンへ変化した変異体ATF2は、SAPK3によってはリン酸化された が、SAPK2によってはリン酸化されず(図17)、しかもSAPK3によるこの突然変異 体のリン酸化はセリンでしか起こらなかった(データ省略)。Thr-69、Thr-71お よびSer-90が全てAlaへ変化した変異体ATF2は、SAPK2またはSAPK3のいずれかに よりリン酸化されず、Ser-90がAlaへ変化した突然変異体は、SAPK3によりトレオ ニン残基でリン酸化されたが、SAPK2によってはリン酸化されなかった(図17) 。これらの実験はSAPK2およびSAPK3はThr-69およびThr-71でATF2をリン酸化する が、SAPK3のみではSer-90をリン酸化することを示している。 SAPK3は、GST-MAPKAP-K2(46-400)および全長GST-MAPKAP-K3の活性化において 、SAPK2よりもずっと効果が低く、MAPKAP-K2およびMAPKAP-K3の活性化の初速度 、ならびに最大活性の半分の時間は20倍遅かった(図18Aおよび18B)。発明者ら はこれまでに、p42 MAPキナーゼはin vitroでGST-MAPKAP-K2(46-400)を活性化す ることはできるが、全長に近いGST-MAPKAP-K2[GST-MAPKAP-K2(5-400)]を活性化 することはできなないことを報告している(Ben-Levy et al,1995)。SAPK3はま た、GST-MAPKAP-K2(5-400)も有意には活性化することができない(図18C)。 SAPK3 はSB 203580により阻害されない SAPK3は、SAPK2(0.6μM)のIC50より100倍高い濃度(0.1mM)でさえ、SB 203580 により有意には阻害されなかった(図19)。 考察 発明者らは、SAPK3が、SAPK1およびSAPK2と同様の細胞ストレスおよびサイト カイン類に応答して活性化されることを証明した。2種の上皮細胞系統では、検 出できたSAPK3の唯一のアクチベーターは、発明者らがこれまでに単球および筋 肉ならびに上皮細胞から調製した抽出物において優勢なSAPK2のアクチベーター であることを示した、MKK6遺伝子の産物であるSKK3であった(Cuenda et al,199 6)。SKK3はin vitroにおいて同速度でSAPK3とSAPK2を活性化した。さらに、スト レスにより誘導されるSAPK3の活性化は、SKK3との同時発現により大幅に向上し た。これらの観察は、上皮細胞では、SKK3が細胞ストレスおよびサイトカイン類 によるSAPK3の活性化を仲介することを示している。SAPK3は、MKK1、SKK1(MKK4) 、SAPKK2(MKK3)、SAPKK4またはSAPKK5によっては有意な速度では活性化されない 。 SAPK3のアミノ酸配列はSAPK2と60%一致し、かつ、両酵素はTGYリン酸化モチー フおよびサブドメインVIIとサブドメインVIIIの活性化ループとの間に6個のア ミノ酸挿入を共有しているが、SAPK3の特性はいくつかの点でSAPK2とは異なって いる。第一に、SAPK3はSB 203580によっては阻害されなかった(図19)。第二に 、SAPK3はSAPK2とは異なり、Ser-90でATF2をリン酸化した(図17)。第三に、こ れまでに実験したあらゆる哺乳類細胞で、SB 203580がストレスおよびサイトカ インにより誘導されるMAPKAP-K2およびMAPKAP-K3の活性化を80〜95%まで抑制す るという知見(Cuenda et al,1995;Beyaert et al,1996;Clifton et al,1996; McLaughlin et al,1996)に一致して、SAPK3は、MAPKAP-K2およびMAPKAP-K3の活 性化においてSAPK2よりも遥かに効果が低かった。 前記で概略を示したSAPK3とSAPK2の間の違いにも関わらず、これらの酵素はin vitroにおいて同じ速度(表1)で、転写因子ATF2をはじめとする多くのタンパ ク質をリン酸化した。ATF2は、SKK1、MEKK(SKK1の上流アクチベーター)または SKK3で同時トランスフェクトされた細胞でリン酸化されるので、SAPK1およびSAP K2の生理学的基質であることが示唆された。しかしながら、上流アクチベーター でのトランスフェクションは、in vivo状態を模擬しないと考えられ、例えば、 異常に高レベルのSAPK1およびSAPK2活性を生じる。さらに本研究は、SKK3がSAPK 3ならびにSAPK2を活性化することを証明することにより、これらの実験の解釈に もう1つの問題をもたらす。従って、SAPK2またはSAPK3がSKK3でのトランスフェ クションによって引き起こされるATF2のリン酸化を仲介するかどうか評価するた めには、SB 203580を用いたさらなる実験が不可欠である。しかしながら、たと えSB 203580がSKK3でのトランスフェクションによって誘導されたATF2のリン酸 化を妨げたとしても、SAPK2活性はin vivoにおけるATF2のリン酸化の律速とはな り得ない。なぜならば、この薬剤がMAKPAK-K2の活性化ならびにIL6およびc-fos mRNAの誘導を妨げる条件下で、繊維芽細胞系統における内生ATF2の、TNFに より誘導されるリン酸化(Beyaert et al,1996)も、ストレスにより誘導される リン酸化(Hazzalin et al,1996)もSB 203580により影響を受けないからである 。これらのp条件下で起こるATF2のリン酸化がSAPK1、SAPK3または別のSAPK(ま だ同定されていないもの)によって触媒されるかどうか明らかにするためには、 さらなる研究が必要である。 SAPK3とSAPK2は、転写因子Elk1を同じ速度でリン酸化し(表2)、また、ATF2 同様、Elk1はSKK1、MEKKまたはSKK3で同時トランスフェクトされた細胞でリン酸 化されるようになるので(「序説」を参照)、SAPK1およびSAPK2の生理学的基質 であることが示唆されている。これらの実験はATF2に関して前記で概略を記載し たものと同様の制限を受けるが、Elk1に伴うさらなる警告は、それはまた、SAPK を活性化するいくつかのストレスおよびサイトカイン類によって活性化されるp4 2およびp44 MAPキナーゼの有効な基質でもあることである。Elk1(SAP1およびSA P2同様)はEtsドメインタンパク質であり、また、血清応答因子(SRF)と三元複合 体を形成し、かつ、c-Fosをはじめとする多くの遺伝子のプロモーターで見られ る血清応答エレメント(SRE)と結合するTCFファミリーの転写因子のメンバーであ る。アニソマイシンまたはUV照射に応答するc-fos mRNA誘導は、C3H T101/2 繊維芽細胞ではSB 203580により大幅に抑制されるが(Hazzalin et al,1996)、H eLa細胞およびNIH 3T3細胞では、UV照射により誘導されるc-fosの誘導は、SB 20 3580により部分的に阻害され、PD 98059(MKK1の活性化の特異的阻害剤(Alessi e t al,1995a)))により部分的に阻害され、また両阻害剤の存在によりほとんど 完全に抑制された(Price and Treisman,1996)。これらの観察は、SAPK2活性がc -fos遺伝子の転写活性化における律速であり、SAPK2およびERK1/ERK2の活性化が 、UV照射細胞におけるc-fos mRNAの誘導の一因であることを証明するもので ある。しかしながら、SB 203580によるc-fos mRNA産生の抑制が、Elk1、ま たはSAPKもしくはSAP2のような別のTCFのリン酸化の阻害から、またはMAPKAP-K2 が介在するCREBのリン酸化を妨げることにより生じるかどうか(「序説」を参照 )は、まだ確立されていない。MEKKでの同時トランスフェクションにより誘導さ れたElk1のリン酸化は、PD 98059により妨げられ、このことはこれらの条件下で ERK1/ERK2がElk1のリン酸化を仲介することを示している。初期の報告は、SAPK1 は、細胞が低レベルのMEKK DNAでトランスフェクトされた場合に特異的に活 性化されたことを主張するものであったが(Minden et al,1994)、PD 98059の作 用(SAPK1の活性化に対する作用はなかった;Cuenda et al,1995;Price and Tr eisman,1996)は、これがそのケースではないことを示している。ひとまとめに いて考えると、Price and Treisman(1996)の結果は、UV照射HeLa細胞においては 、SAPK1およびSAPK3はいずれもElk1のリン酸化およびc-fos mRNAの誘導の律 速でないことを示している。 本発明の範囲から逸脱しない限り、変更や改良も本発明の一部とみなされてよ い。 表2 SAPK2およびSAPK3の基質特異性の比較 SAPK2およびSAPK3をin vitroにて活性化し(図15)、次いで、0.1U/mlのSAPK 濃度で各タンパク質のリン酸化を研究した。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成10年9月17日(1998.9.17) 【補正内容】 請求の範囲 1. 下記アミノ酸配列 (SAPK4) を含んでなるストレス活性化プロテインキナーゼ、またはストレス活性化プロテ インキナーゼSAKP3/ERK6/p38γの、SKK3/MKK6/MEK6による活性化を阻害する化合 物の同定方法であって、化合物が、(a)ストレス活性化プロテインキナーゼ、ま たはその適切な断片、変異体、誘導体もしくは融合体、または適切な融合体、ま たは断片、変異体もしくは誘導体と、(b)SKK3/MKK6/MEK6またはその適切な変異 体、誘導体、断片もしくは融合体、またはストレス活性化プロテインキナーゼを 活性化することができる変異体、誘導体もしくは断片の適切な融合体との間の相 互作用を増強または阻害するかどうかを決定すること、あるいは、化合物が、ス トレス活性化プロテインキナーゼ、またはその適切な変異体、断片、誘導体もし くは融合体、またはその断片、誘導体もしくは融合体の融合体の、SKK3またはス トレス活性化プロテインキナーゼを活性化することができるその適切な変異体、 誘導体、断片もしくは融合体による活性化を実質的に阻害するかどうかを決定す ることを含んでなり、ストレス活性化プロテインキナーゼの変異体もしくは断片 もしくは誘導体もしくは融合体、またはその変異体もしくは断片もしくは誘導体 の融合体がミエリン塩基性タンパク質リン酸化することができ、かつ、SB 203 5 80またはSB 202 190により阻害されない方法。 2. SKK3/MKK6/MEK6によるプロテインキナーゼの活性化を阻害する化合物の スクリーニングアッセイにおける、請求項1記載のストレス活性化プロテインキ ナーゼ、またはその変異体、断片、誘導体もしくは融合体、またはその変異体、 誘導体もしくは断片の融合体の使用。 3. 請求項1記載のストレス活性化プロテインキナーゼ、またはその変異体 、断片、誘導体もしくは融合体、またはその変異体、誘導体もしくは断片の融合 体(SAPK4またはSAPK3/ERK6/p38γ)の活性化に影響を及ぼし得る薬剤の同定方法 であって、 a)SAPK4またはSAPK3/ERK6/p38γをSSK3/MKK6/MEK6に曝し; b)それぞれSAPK4またはSAPK3/ERK6/p38γの基質の存在下で、試験物質をSAPK4ま たはSAPK3/ERK6/p38γに曝し; c)基質がリン酸化されたかどうか(さらに所望により、どの程度か)を検出する ことを含んでなる方法におけるSSK3/MKK6/MEK6の使用。 4. 請求項1記載のストレス活性化プロテインキナーゼ、またはその変異体 、断片、誘導体もしくは融合体、またはその変異体、誘導体もしくは断片の融合 体 (SAPK4またはSAPK3/ERK6/p38γ)を活性化させる方法であって、SAPK4またはSAPK 3/ERK6/p38γをSSK3/MKK6/MEK6とともにインキュベートすることを含んでなる方 法。 5. SSK3/MKK6/MEK6が精製されている、請求項1記載の方法。 6. 基質がミエリン塩基性タンパク質(MBP)、転写因子、AFT-2、試験物質ま たはそれ自身がタンパク質のリン酸化、遺伝子発現および/またはタンパク質合 成に影響を与えることができるホスファターゼを含んでなる、請求項3記載の使 用。 7. 請求項1記載のストレス活性化プロテインキナーゼ、またはその変異体 、断片、誘導体もしくは融合体、またはその変異体、誘導体もしくは断片の融合 体、SSK3/MKK6/MEK6を含んでなるキットの一部、ならびに請求項1〜6のいずれ か1項に記載の使用または方法を実施するための手段。 8. 下記アミノ酸配列 (SAPK4) またはその融合体を含んでなる、実質的に純粋なストレス活性化プロテインキナ ーゼ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),AU,CA,JP,U S (72)発明者 マイケル、ゲーダート イギリス国ケンブリッジ、ヒルズ、ロー ド、エムアールシー、ラボラトリー、オ ブ、モレキュラー、バイオロジー内 【要約の続き】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 下記アミノ酸配列またはその変異体、断片、融合体もしくは誘導体、ま たはその変異体もしくは断片もしくは誘導体の融合体を含んでなる、実質的に純 粋なストレス活性化プロテインキナーゼ。 2. 変異体のアミノ酸配列が与えられたアミノ酸配列と少なくとも65%の同 一性を有する、請求項1記載のストレス活性化プロテインキナーゼの変異体。 3. 変異体のアミノ酸配列が与えられたアミノ酸配列と少なくとも85%の同 一性を有する、請求項2記載のストレス活性化プロテインキナーゼの変異体。 4. 変異体のアミノ酸配列が与えられたアミノ酸配列と少なくとも95%の同 一性を有する、請求項3記載のストレス活性化プロテインキナーゼの変異体。 5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロテインキナーゼをコードする 、またはそのキナーゼの変異体もしくは断片もしくは誘導体もしくは融合体、ま たはその変異体もしくは断片もしくは誘導体の融合体をコードする組換えポリペ プチド。 6. 下記ヌクレオチド配列またはその変異体、断片、融合体もしくは誘導体 を含んでなる組換えポリペプチド。 7. イントロンを含まない請求項5または6に記載のポリペプチド。 8. 請求項5〜7のいずれか1項に記載のポリペプチドを含んでなる複製可 能なベクター。 9. 請求項5〜8のいずれか1項に記載の組換えポリペプチドまたは複製可 能なベクターを含んでなる宿主細胞。 10. ストレス活性化プロテインキナーゼ、またはその変異体、断片、誘導 体もしくは融合体、またはその変異体もしくは断片もしくは誘導体の融合体を作 出する方法であって、ストレス活性化プロテインキナーゼ、またはその変異体、 断片、誘導体もしくは融合体、またはその変異体もしくは断片もしくは誘導体の 融合体を発現する請求項9記載の宿主細胞を培養し、次いで、そのプロテインキ ナーゼ、またはその変異体、断片、誘導体もしくは融合体、またはその変異体も しくは断片もしくは誘導体の融合体を単離する方法。 11. 請求項10の方法によって得ることができる、ストレス活性化プロテ インキナーゼ、またはその変異体、断片、誘導体もしくは融合体、またはその変 異体もしくは断片もしくは誘導体の融合体。 12. 請求項1〜4および11のいずれか1項に記載のストレス活性化プロ テインキナーゼに対して反応性のある抗体。 13. 別のストレス活性化プロテインキナーゼとは実質的に反応しない、請 求項12記載のストレス活性化プロテインキナーゼ、またはその変異体もしくは 断片もしくは誘導体に対して反応性のある抗体。 14. 請求項1記載のストレス活性化プロテインキナーゼ、またはストレス 活性化プロテインキナーゼ3(SAPK3)の活性を阻害する化合物の同定方法であって 、化合物を、ストレス活性化プロテインキナーゼ、または適切なその変異体、断 片、誘導体もしくは融合体、またはその変異体、断片もしくは誘導体の融合体と 接触させ、次いで、化合物の不在下でのプロテインキナーゼの活性がプロテイン キナーゼ、またはその変異体、断片、誘導体もしくは融合体、またはその変異体 、断片もしくは誘導体の融合体の活性に比べて低下するかどうかを決定する方法 。 15. 請求項1記載のストレス活性化プロテインキナーゼ、またはストレス 活性化プロテインキナーゼSAPK3の、SKK3による活性化を阻害する化合物の同定 方法であって、化合物が、(a)本発明の第1の態様で記載されたストレス活性化 プロテインキナーゼ、すなわちSAPK3、または適切なその断片、変異体、誘導体 もしくは融合体、または断片、変異体もしくは誘導体の適切な融合体と、(b)SKK 3またはその適切な変異体、誘導体、断片もしくは融合体、または変異体、誘導 体もしくは断片の適切な融合体との間の相互作用を増強または阻害するかどうか を決定するか、あるいは、その化合物が、ストレス活性化プロテインキナーゼ、 または適切なその変異体、断片、誘導体もしくは融合体、またはその断片、誘導 体もしくは融合体の融合体の、SKK3またはその適切な変異体、誘導体、断片もし くは融合体による活性化を実質的に阻害するかどうかを決定することを含んでな る方法。 16. SAPK3の活性に作用することができる薬剤の同定方法であって、 a)SAPK3の基質の存在下で、試験物質をSAPK3またはその機能的等価物に曝し; b)基質がリン酸化されたかどうか(さらに所望により、どの程度か)を検出する ことを含んでなる方法。 17. 試験物質がSAKP3の類似体、イソ型、インヒビターまたはアクチベー ターであるである、請求項16記載の方法。 18. 基質がミエリン塩基性タンパク質(MBP)、転写因子、ATF-2、試験物質 またはそれ自身がタンパク質のリン酸化、遺伝子発現および/またはタンパク質 合成に作用することができるホスファターゼを含んでなる、請求項16または1 7記載の方法。 19. アッセイ化合物のいくつかが表面上に置かれる、請求項16〜18の いずれか1項に記載の方法。 20. 請求項14〜19のいずれか1項に記載の方法によって同定可能な化 合物。 21. 医薬に使用するための請求項20記載の化合物。 22. 炎症性疾患を患う患者の治療方法であって、請求項21記載の化合物 の有効量を患者に投与することを含んでなる方法。 23. プロテインキナーゼの活性を阻害するか、またはSKK3によるプロテイ ンキナーゼの活性化を阻害する化合物に対するスクリーニングアッセイにおける 、請求項1記載のストレス活性化プロテインキナーゼ、またはその変異体、断片 、誘導体もしくは融合体、またはその変異体、誘導体もしくは断片の融合体、あ るいは、ストレス活性化プロテインキナーゼSAPK3、またはその変異体、断片、 誘導体もしくは融合体、またはその変異体、誘導体もしくは断片の融合体の使用 。 24. 請求項1記載のストレス活性化プロテインキナーゼ、またはその変異 体、断片、誘導体もしくは融合体、またはその変異体、誘導体もしくは断片の融 合体(SAPK4)、あるいはSAPK3またはその変異体、断片、誘導体もしくは融合体、 またはその変異体、誘導体もしくは断片の融合体(SAPK3)の活性に作用すること ができる薬剤の同定方法であって、 a)SAPK4またはSAPK3をSKK3に曝し; b)それぞれSAPK4またはSAPK3の基質の存在下で、試験物質をSAPK4またはSAPK3に 曝し; c)基質がリン酸化されたかどうか(さらに所望により、どの程度か)を検出する ことを含んでなる方法におけるSKK3の使用。 25. 請求項1記載のストレス活性化プロテインキナーゼ、またはその変異 体、断片、誘導体もしくは融合体、またはその変異体、誘導体もしくは断片の融 合体(SAPK4)、あるいはSAPK3またはその変異体、断片、誘導体もしくは融合体、 またはその変異体、誘導体もしくは断片の融合体(SAPK3)を活性化させる方法で あって、SAPK4またはSAPK3をSKK3とともにインキュベートすることを含んでなる 方法。 26. SKK3が精製されている、請求項15記載の方法。 27. 請求項1記載のストレス活性化プロテインキナーゼ、またはその変異 体、断片、誘導体もしくは融合体、またはその変異体、誘導体もしくは断片の融 合体、あるいは、SAPK3またはその変異体、断片、誘導体もしくは融合体、また はその変異体、誘導体もしくは断片の融合体を含んでなるキットの一部、ならび に請求項14〜19のいずれか1項に記載の方法を行うための手段。 28. 本明細書で開示したいずれもの新規ストレス関連プロテインキナーゼ 。 29. SAPK3またはその類似体、イソ型、インヒビター、アクチベーターも しくは機能的等価体を含んでなる組成物。 30. タンパク質のリン酸化、遺伝子発現および/またはタンパク質合成の 調節における、請求項29記載の組成物の使用。 31. in vitroにおいて用いられる、請求項30記載の使用。 32. タンパク質のリン酸化、遺伝子発現および/またはタンパク質合成が 異常を示す病状の治療のための、請求項29記載の組成物の使用。 33. 医薬として用いられる、請求項29記載の組成物。 34. タンパク質のリン酸化、遺伝子発現および/またはタンパク質合成が 異常を示す病状の治療用薬剤の製造のための、請求項29記載の組成物の使用。 35. ヒトまたは非ヒト動物の身体の治療方法であって、SAPK3またはその 類似体、阻害剤、刺激剤もしくは機能的等価体を身体へ投与することを含んでな る方法。 36. 好ましくは遺伝子転写因子の活性に作用することにより、治療される 身体での遺伝子発現の調節に影響を与える、請求項35記載の方法。 37. SAPK3、その類似体、阻害剤、刺激剤または機能的等価体と相互作用 することにより、遺伝子発現に影響を与え得る組成物。 38. 抗炎症、免疫抑制、抗アポトーシスまたは抗癌治療が必要な症状に用 いられる医薬の製造における、請求項20または29記載の化合物または組成物 の使用。
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