JP2001500013A - HT▲下m4▼、治療およびアッセイ方法、アゴニストおよびアンタゴニスト - Google Patents

HT▲下m4▼、治療およびアッセイ方法、アゴニストおよびアンタゴニスト

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、HTm4タンパク質をコードする組み換えDNA分子、HTm4タンパク質をコードするDNA分子が安定的に形質転換された形質転換宿主細胞、及び組み換えHTm4タンパク質に関する。本発明はまた、遺伝性アトピーの存在を検出する方法、HTm4タンパク質のアゴニスト及びアンタゴニスト、並びにそれらの診断のための及び治療のための使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 HTm4、治療およびアッセイ方法、アゴニストおよびアンタゴニスト 発明の背景 白血球細胞表面蛋白質は、環境に感じ、応答して、相互作用している重要なも のである。かかる蛋白質の1つのクラスは、白血球上で様々に発現している少な くとも15のメンバー(CD9、CD37、CD53、CD63、CD81、C D82、A15等)からなる4−膜貫通蛋白質(TM4SF)のスーパーファミ リーである。非常に多くの異なるTM4SF分子の存在ならびにヒトから住血吸 虫まで多様な生物での該分子の発現は、生物学における重要な役割を示唆する。 ごく最近では、前立腺癌転移蛋白質に対するcDNAがクローニングされ、同じ ファミリーの蛋白質に会合していることが見出されている。このファミリーの蛋 白質に関する明らかな機能はわからないが、累積しつつある証拠は、これらの蛋 白質が細胞増殖および活性化の制御に重要な機能を有しているらしいことを示唆 する。 TM4SFとは構造的に異なる4−膜貫通蛋白質の別のファミリーが存在する 。最近まで、このファミリーのわずか2つの知られたメンバーは、高アフィニテ ィーIgE Fcレセプターのβ−サブユニットであるFcεRIβおよびB細 胞特異的抗原CD20であった。 FcεRIβは、1つのα鎖、1つのβ鎖および2つのγ鎖からなる四量体レ セプター複合体の一部である(キネット(Kinet)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.US A,15:6483-6487(1988))。同時に、それらは、肥満細胞の広範囲の核分解のよ うな劇的な細胞応答につながるIgE結合抗原との相互作用を媒介する。最近ま で、肥満細胞および好塩基球でのみ発現されると思われたが、高アフィニティー レセプターFcεRIは、ランゲルハンス細胞(キネット(Kinet,J.-P.)ら、Pr oc.Natl.Acad.Sci.USA,85:6483-6487(1988))、好酸球(サットン(Sut ton,B.J.)とゴウルド(Gould,H.J.)、Nature(London)366:421-428(1993)) にも存在することが示され、蛋白質が明らかにされたが、累積しつつある証拠は 、これらの蛋白質が細胞増殖および活性化の制御に重要な機能を有しているらし いことを示唆する。 TM4SFとは構造的に異なる4−膜貫通蛋白質の別のファミリーが存在する 。最近まで、このファミリーのわずか2つの知られたメンバーは、高アフィニテ ィーIgE Fcレセプターのβ−サブユニットであるFcεRIβおよびB細 胞特異的抗原CD20であった。 FcεRIは、1つのα鎖、1つのβ鎖および2つのγ鎖からなる四量体レセ プター複合体の一部である(キネット(Kinet)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA ,15:6483-6487(1988))。同時に、それらは、肥満細胞の広範囲の核分解のよう な劇的な細胞応答につなかるIgE結合抗原との相互作用を媒介する。最近まで 、肥満細胞および好塩基球でのみ発現されると思われたが、高アフィニティーレ セプターFcεRIは、ランゲルハンス細胞(キネット(Kinet,J.-P.)ら、Proc .Natl.Acad.Sci.USA,85:6483-6487(1988))、好酸球(サットン(Sutton,B .J.)とゴウルド(Gould,H.J.)、Nature(London)366:421-428(1993))および 末梢単球にも存在することが示された。βサブユニットであるFcεRIβは、 細胞質に存在するアミノ末端およびカルボキシ末端の両方を有する4−膜貫通蛋 白質である。 アトピーは、花粉またはハウスダストダニのような共通抗原に対する免疫グロ ブリンE(IgE)応答障害として一般に定義されている。それは、全血清Ig Eレベルの上昇、抗原特異的IgE応答または共通アレルゲンに対する陽性の皮 膚テストのいずれかにより頻繁に検出される。原則として、アトピーは、抗原曝 露およびIgEと肥満細胞上のそのレセプターとの相互作用に対するIgE応答 で始まる経路、高アフィニティ−FcレセプターFcεRI、ならびにそのリガ ンド−レセプター連動により媒介されるその後の細胞の活性化のいかなる部分の 調節不全から生じることもできる(ラベッチ(Ravetch)、Nature Genetics,7:11 7-118(1994))。クックソン(Cookson)ら、Lancet,333:1292-1295(1989)は、一 般化されたアトピー性IgE応答とヒト染色体11qの遺伝子座との間の遺伝的 関連を報告している。 したがって、FcRIは、同様にアトピー性疾患に重要な役割を果している。 アレルギー、喘息、アトピー性皮膚炎(または湿疹)およびアレルギー性鼻炎を 含むアトピー性疾患は、同時に、医学的介入を要求する臨床的障害の最大群の1 つを構成する。英国だけで、アトピーは3〜5百万症例に昇り、毎年2,000 もの死亡が生じている。 ヒトCD20抗原(テッダー(Tedder,T.F.)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:208-212(1988))ならびにそのネズミ等価物Ly−44(テッダー(Tedder,T .F.)ら、J.Immumol.141:4388-4394(1988))は、B細胞でのみ発現する。異な るCD20抗体を用いる機能研究により、CD20は、B細胞の活性化の制御に 関与することが示唆される(クラーク(Clark,E.A.)とレーン(Lane,J.L.)Annu .Rev.Immumol.9:97-127(1991))。また、CD20蛋白質も、細胞膜の細胞質 側にアミノ末端およびカルボキシ末端を有する4つの膜貫通ドメインを含む。C D20は、膜経由Ca流動において直接的な役割を果たすと思われる。しかしな がら、CD20だけがチャンネル蛋白質であるかどうか、CD20が他の蛋白質 との会合においてそのように機能するかどうかまたはCD20が内在する膜チャ ンネルの活性化を誘導するかどうかは不明である。発明の要約 本発明は、HTm4、HTm4のアゴニストおよびHTm4のアンタゴニストを含有 する組成物、HTm4に結合する抗体、これらの生成物を用いる治療方法、HTm4 の結合を阻害する方法ならびにHTm4相互作用の阻害のための候補作用剤のスク リーニング方法に関する。図面の簡単な説明 図1Aおよび1Bは、HTm4遺伝子のcDNA配列およびコードする蛋白質の アミノ酸配列を示す。ヌクレオチド配列は、左側に番号を付す。最長のオープン リーディングフレームのアミノ酸配列は、右側に最初の推定開始メチオニンで始 まる番号を付す。上流のイン・フレーム停止コドンであるTAAは、85位で太 字で示す。TAA停止コドン(END)後に、AATAAAポリアデニル化シグ ナルを含む3’未翻訳領域がある。4つの推定膜貫通ドメインを下線で示す。2 つのリン酸化部位を点線の下線で示す。発明の詳細な説明 本発明は、HTm4のcDNAの発見とクローニングに関する。1672ヌクレ オチド長のcDNAは、ヌクレオチド位置97で開始する長いオープンリーディ ングフレームを含む。cDNAの発現産物は、約25kDaの計算された分子質 量および214個のアミノ酸を有する4つの膜貫通部位を有する膜をまたがる蛋 白質である。該配列を図1Aおよび1Bに示す。 HTm4は、20〜21アミノ酸の4つの疎水性ドメインを含む。最初の疎水性 ドメインの開始前のアミノ末端領域は、4個のプロリンを含む。膜貫通セグメン ト間の各親水性領域は、1個のプロリンを含む。セリン/スレオニンのカゼイン キナーゼ2リン酸化(ピナ(Pina,L.A.)Biochem.Biophys.Acta.1054:267-28 4(1990))に対するいくつかの基質は、残基24(TGPE)、155(SSS E)、181(TLLE)および203(SREE)で見られ、プロテインキナ ーゼCリン酸化に対しては残基149(SLR)で見られる。該配列は、膜を4 回交差するポリペプチド鎖と一致し、細胞外に2つの小さなループを突出し、細 胞質にアミノ末端およいカルボキシ末端部分を保持している。 本明細書で規定されるHTm4は、シグナル伝達、細胞成長、細胞増殖、転写因 子の活性化等の転写調節およびアトピー性障害の媒介を含む天然の蛋白質の機能 を1以上有する発現産物を包含するものである。天然の蛋白質および/または1 以上のアミノ鎖か欠失、付加もしくは置換された蛋白質もしくはポリペプチドの 機能的蛋白質またはポリペプチド断片および領域が含まれる。該蛋白質またはポ リペプチドは、図1Aおよび1Bの天然の蛋白質の対応する配列と好ましくは少 なくとも約50%のホモロジー、より好ましくは少なくとも約75%のホモロジ ーを共有する。また、HTm4の融合蛋白質およびアミノ酸配列改変体を含む誘導 体も含まれるが、これに限定されるものではない。 1つの態様において、本発明の組換えDNA分子は、本明細書で規定されるH Tm4をコードする。1つの態様において、該分子は、天然の遺伝子またはその断 片の対応する配列と、特にHTm4、CD20およびFcεRIβの4−膜貫通蛋 白質ファミリーの高度に保存された領域において、少なくとも約50%のホモロ ジーまたは配列同一性、好ましくは少なくとも約75%のホモロジー(少なくと も約90%のホモロジー等)を共有する。好ましくは、該組換えDNA分子は、 図1Aおよび1Bの対応するコーディングヌクレオチド配列を含有する。 別の態様において、プローブ等の組換えDNA分子は、例えば、FcεRI等 の膜貫通蛋白質またはレセプターをコードする遺伝子を単離するために用いるこ とができる。かかる分子は、図1Aおよび1Bの配列の全部または断片に好まし くは選択的にハイブリダイズする組換えDNA分子を含有する。好ましくは、該 分子は、サンブルーク(Sambrook)ら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual ,第2版(Cold Spring Harbor Lab.,Cold Spring harbor,NY(1989))に記載 されたようなストリンジェントな条件下でハイブリダイズする。ストリンジェン トな条件の例は、ハイブリッドの計算上の融解温度の約12〜20℃以下である 温度と塩濃度の組合せでありうる。該温度と塩濃度は、フィルター上に固定され たゲノムDNAの試料をプローブにハイブリダイズさせ、次いで洗浄する予備実 験で経験的に決定可能なことが多い。前述、9.50にて。 組換えDNA分子は、コーディングおよびノンコーディング配列を含むことが できる。好ましくは、該分子は、遺伝子を取り出すために95〜100%の配列 同一性を有する少なくとも約25ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも約6 0ヌクレオチドを含有する。好ましくは、DNAプローブは、蛋白質のN末端ま たはC末端をコードする対応する領域と同一または相同な配列を含有する。 本明細書で論ずるHTm4の予想構造は、この蛋白質とFcεRIβおよびCD 20抗原との関連性を示唆し、4−膜貫通スパン蛋白質のファミリーに関する証 拠を提供する。3つの蛋白質すべての間のアミノ酸の保存性は、4つの膜貫通ド メインで最も高い。より大きな相違が親水性アミノ末端およびカルボキシ末端に 存在するが、これらの領域内のいくつかのアミノ酸は、3つの蛋白質すべてのア ミノ末端に4〜5個のプロリンの存在のような保存性がある。Tm−3とTm− 4との間の2番目の細胞外ドメイン中の2つの保存されたシステイン残基は、こ のドメインに分子内または分子間ジスルフィド結合が3つの蛋白質すべてに存在 することを示唆する。また、HTm4は、蛋白質の細胞質領域中に2個のリン酸化 部位(スレオニン24およびセリン203)も含む。最後に、3つの蛋白質すべての カルボキシ末端で高度に保存されたSSPPドメインが存在する。CD20と他 の2つの蛋白質との間の相違は、非相同性アミノ酸の複数の長いひと続きの区間 によって有意に貢献される。FcεRIβのカルボキシ末端は、CD20または HTm4に存在しないRethまたは抗原レセプター活性化モチーフ(ARAM) を含む(レス(Reth,M.)、Nature(London)338:383-384(1989))。ARAM配列 は、CD3γ、δ、εおよびζを含む複数のレセプターサブユニット、Igαお よびIgβの細胞質テールで、MB−1およびB29抗原で、ならびにFcεR Iのβおよびγ鎖で見出される(ワイス(Weiss,A.)とリットマン(Littman,D. R.)Cell 76:263-274(1994))。ARAM配列中のチロシン残基は、追加のエフ ェクター分子の補充を可能にする、細胞質チロシンキナーゼによるリン酸化の厳 密な誘導剤および基質であると考えられる(ワイス(Weiss,A.)とリットマ ン(Littman,D.R.)Cell 76:263-274(1994);パオリーニ(Paolini,R.)ら、Natur e(London)353:855-858(1991));アイズマン(Eiseman,E.)とボーレン(Bolen,J .B.)、Nature(London)355:78-80(1992))。ARAM配列を含む遺伝子の共通 のエキソン−イントロン構成は、同一の遺伝子ファミリーから進化したらしいと いう示唆に至った(ワイス(Weiss,A.)とリットマン(Littman,D.R.)Cell 76:2 63-274(1994))。しかしながら、FcεRIβとCD20およびHTm4との構造 上の類似性は、ARAM配列が進化の間にFcεRIβ遺伝子によって獲得され たことを示唆する。 染色体マッピングにより、HTm4遺伝子はCD20遺伝子の位置である染色体 11q12−13.1に位置した。ネズミFcεRIβおよびCD20のネズミ 等価物であるLy−44は、両方ともマウス染色体19の同じ位置に存在する( テッダー(Tedder,T.F.)ら、J.Immunol.141:4388-4394(1988);クラーク(Clar k,E.A.)とレーン(Lane,J.L.)、Annu.Rev.Immunol.9:97-127(199l);ハッ ピ(Huppi,K.)ら、J.Immunol.143:3787-3791(1989))。したがって、3つの遺 伝子は同一の遺伝子座に由来して進化したものであると考えられ、このことは、 さらに、それらが関連蛋白質の同一のファミリーのメンバーであるという提案を 支持する。また、それらは、CD9、CD37、CD532、CD63およびR 2を含むTAPA−1(フェアロン(Fearon,D.T.)Curr.Op.Immunol.5:341-3 48(1993);バークレイ(Barclay,A.N.)ら、The Leucocyte Antigen Facts Book ,(Academic Press Inc.,San Diego,CA)(1993))に関連した4−膜貫通蛋白 質の別の大きなファミリーとは完全に区別される蛋白質のファミリーを形成する 。 FcεRIβに関連するHTm4のような遺伝子産物の同定は、重要である。α 、βおよびγ遺伝子の同時のコトランスフェクションがネズミFcεRIレセプ ターの表面発現を誘導するのに必要であるが、β遺伝子なしでのヒトαおよびγ 遺伝子のコトランスフェクションは、高アフィニティーFcレセプターの発現を 誘導するのに十分である(ミラー(Miller,L.)ら、Science 244:334-337(1989)) 。さらに、最近の証拠により、機能的な高アフィニティ−IgE Fcレセプタ ーが、β鎖の非存在下で単球上で見出されうることが示唆された(マウラー(Mau rer,D.)ら、J.Exp.Med.179:745-750(1994))。 さらに、異なる造血細胞のFcレセプターにおけるサブユニットの多様な会合 が確立されている。例えば、FcεRIβは、肥満細胞において、IgGに対す る低アフィニティーFcレセプターであるFcγRIII(CD16)と会合し ていることがわかった(クロサキ(Kurosaki,T.)ら、J.Exp.Med.175:447-45 1(1992))。また、FcεRIγは、マクロファージにおいてFcγRIIIと 会合したホモダイマーとして(ラー(Ra,C.)ら、Nature,341:752-754(1989)) 、またはT細胞レセプター複合体中でζおよびη鎖とのヘテロダイマーとして( オルロッフ(Orloff,D.G.)ら、Nature,347:189(1990))発見された。NK細胞 において、FcεRIγは、ホモダイマーとしておよびT細胞レセプターのζ鎖 とのヘテロダイマーとして発見されるであろう(レトールノイアー(Letourneur, O.)ら、J.Immunol.147:2652-2656(1991))。ごく最近、別の研究者は、単球細 胞株および好中球において、γ鎖もまた、IgGに対する高アフィニティーレセ プターであるFcγRI(CD64)との会合を形成することができることを示 した(ショール(Scholl,P.R.)とゲーハ(Geha,R.S.)Proc.Natl.Acad.Sci .USA 90:8847-8850(1993);アーンスト(Ernst,L.K.)ら、Proc.Natl.Acad.S ci.USA 90:6023-6027(1993))。これらの知見は、異なるサブユニットから構成 されるシグナル伝達複合体の多様性が、類似のエフェクター機能を介するが異な る機能の結果を伴うことを示唆する。多量体レセプター複合体におけるこれらの サブユニットと代替リガンド認識サブユニットとの会合は、共通のシグナル伝達 経路に対して異なるリガンドのカップリングを可能にするであろう。 すべての造血細胞系譜におけるHTm4の発現および試験した非造血細胞のいず れにおいてもHTm4を発現していないことは、HTm4が造血細胞系譜に独特の生 物学的経路に関与することを示唆する。 HTm4をコードする遺伝子の配列を含有するDNAプローブ等の核酸は、遺伝 性アトピー性障害に罹っている患者を検出するためのアッセイに使用することが できる。 DNAまたはRNAのいずれかを本発明のアッセイ方法に使用することができ る。該方法に使用されうるDNAは、cDNAまたはゲノムDNAであってもよ い。DNAの供給源は、いかなる細胞または個体から取られた細胞であってもよ く、体細胞、血液細胞、精子、繊維芽細胞もしくは他の体細胞または生殖細胞等 のそれらの培養継代物を含むことができる。また、分析されることが好ましい核 酸は生殖細胞DNAであるので、該方法は、疾患または疾患症状の開始前にまた は開始後に行なうことができる。cDNAまたはRNAが使用される対象である 場合、核酸供給源は、造血細胞由来であるべきである。 変異の存在は、PCR(本明細書において下記記載)等の当該技術分野におい て一般に知られた方法を用いて決定することができる。あるいは、変異の部位ま たはその相補的部位を含有する核酸をシーケンスし、それにより変異の存在を同 定することができる。さらに別の態様において、該DNAによりコードされる蛋 白質をシーケンスまたは同定し、それにより変異の存在を確立することができる 。さらに別の態様において、変異した配列または野生型配列の1つに選択的に結 合する抗体を作製して、それぞれの蛋白質に対する蛋白質画分をスクリーニング するために用いることができる。 かかる方法の1つは、変異領域に隣接する配列に対して特異的な1対のプライ マーを用いるPCR法である。得られた産物をシーケンスし、ポリアクリルアミ ドもしくはアガロースゲル等のゲル上で分析し、または融解温度もしくは二次構 造等の物理学的特性により評価することができる。核酸の変異または修飾を決定 するための他の方法も同様に用いることができる。 ヘテロ接合体における2つの対立遺伝子の共増幅は、遺伝子が異なる、よって それらの融解および/または二次構造特性が異なると思われるPCR産物を生成 することができる。例えば、ムッター(Mutter)とボイントン(Boynton)(Nucleic Acids Res.23:1411(1995))に記載されたような条件下で、2つの対立遺伝子の 増幅効率はほとんど同等であり、ゲノムの鋳型のそれに比例した比率でPCR産 物を生成する。可変性と偏りは、増幅中にdGTPに対して7−デアザ−2’− dGTPの置換、分子内および分子間GC塩基対形成の安定性を低下させる介入 により消滅させることができる。 対立遺伝子PCR断片は、例えば、ゲル電気泳動により容易に分離され、挿入 する色素染色(臭化エチジウム等)により検出される。代替手法として、キャピ ラリー電気泳動を用いることができる。キャピラリー電気泳動の1例は、架橋剤 の非存在下で8%ポリアクリロイルアミノエトキシエタノールからなるポリマー ネットワークにおけるものであり、分離用の単純な手法および254nmでのU V吸光度を介するオンライン検出を提供し、よって、追加の染色工程を回避する 。キャピラリーカラムは、繰り返して使用することができ、エレクトロフェログ ラムは、磁気支持体上で保存することができる。異なる泳動間の比較は、マーカ ーとして添加した既知の塩基対サイズの内部標準に対するすべてのトレースを整 列させて得られうる(ネシ(Nesi)ら、Electrophoresis,15:644-6(1994))。 さらに別の態様において、変異の存在は、ヤマモト(Yamamoto)ら(Biochem.Bi ophys.Res.Comm.,182:507(1992))の方法に従って決定することができる。試 験対象の目的物から得られたDNAまたはRNAを、標準PCRにより増幅し、 プライマー伸長は、反応混合物にジデオキシATPの付加後に行なう。変異の部 位の3’末端に隣接した末端標識逆プライマーの伸長は、試験対象の配列の後ろ の選択されたヌクレオチドで停止し、得られたプライマー産物は、変性ポリアク リルアミドゲル電気泳動およびオートラジオグラフィーにより分析することがで きる。 使用することができる追加のPCRに基づく方法には、カーネイ(Carney)ら( Gene,155:289,(1995))により記載されたcDNA末端のランダム迅速増幅( RACE);一本鎖コンフォメーションポリモルフィズムアナリシス(リスース タルパー(Ris-Stalpers)ら、Pediatric Res.,36:227(1994))および逆転写酵素 PCR(ナカムラ(Nakamura)ら、J.Neurological Sci.122:74(1994))が含まれ る。追加のハイブリダイゼーション技術には、例えば、同一もしくは異なる放射 性または蛍光色素で標識されたプローブの使用が含まれる。この方法は、変異ま たは野生型配列の直接検出を可能にする(例えば、サンペイ(Sanpei)ら、Bioche m.Biophys.Res.Comm.212:341-6(1995);タネジャ(Taneja)、J.Cell Biology ,128:995-1002(1995)およびサイトー(Saito)、Japanese Journal Of Human G enetics,39:421-5(1994)を参照のこと)。 さらに別の態様において、遺伝子またはその断片にコードされる蛋白質、ある いは別法として核酸は、当該技術分野で認識された分離媒体および方法を用いて サイズにより分離することができる。低濃度のメチレンビスアクリルアミドおよ び長い泳動を用いる標準ポリアクリルアミドゲルまたは改変されたSDS−PA GEプロトコール(イデ(Ide)ら、Biochem.Biophys.Res.Comm.209:1119(199 5))。 遺伝性アトピーに関連する変異は、遺伝性アトピーを有することが疑わしい個 体の集団および遺伝性アトピーを有しないと考えられる個体の集団のHTm4遺伝 子を単離してシーケンスすることにより同定することができる。このように提供 された配列を相互に関連させて比較することができる(例えば、コンセンサス配 列を得ることまたは配列を整列させること)。本明細書で規定される「変異」と は、遺伝性アトピーを有しないと考えられる個体の集団(または亜集団)で見出 される配列と比較して、遺伝性アトピーを有することが疑わしい個体の集団(ま たはその亜集団)に共有された配列の一貫した偏りである。 また、本発明の核酸は、蛍光インサイチュ・ハイブリダイゼーション法(コバ ヤシ(Kobayashi)ら、Blood,81:3027-3033(1993))を用いる等のヒト染色体上の 遺伝子をマッピングするためのプローブとしても有用でありうる。 さらに、機能的HTm4がコードされないか発現されないようにそのゲノムに遺 伝子の変異を有する動物モデルを用いて、薬剤標的を試験することができる。か かる1つの例において、そうしなければ免疫原の蓋然性がある薬剤または薬剤標 的のスクリーニング用に使用可能な動物を免疫抑制する。 さらに、本発明の蛋白質は、天然のリガンドをスクリーニングするために使用 することができる。HTm4と相互作用する分子 ここで、HTm4は2つのタイプの蛋白質に結合することが発見され、HTm4活 性の活性化と阻害に関してさらなる情報が提供されることになった。一つは、K APと呼ばれる両特異性ホスファターゼ、すなわちサイクリン依存性キナーゼで あるCDK2と相互作用するチロシンおよびセリン/スレオニン脱リン酸化蛋白 質である。もう一つのタイプの蛋白質は、TNFレセプター、腫瘍壊死因子関連 因子TRAF−1、TRAF−2およびTRAF−3のカルボキシ末端に結合す る。これらはレセプターとNF−κBなどの転写因子の間のシグナル伝達と、E BVウイルスの腫瘍原性に関与するようである。HTm4に対するこれら蛋白質の 結合を促進および阻害することに関連する方法とアッセイも本発明に包含される 。両機能性CDK2関連ホスファターゼ(KAP) 両機能性CDK2関連ホスファターゼ(KAP)は細胞周期化に関与する哺乳 類サイクリン依存性キナーゼである。CDK2蛋白質はG1期とS期で細胞周期 を制御する。ハンノン(Hannon,G.J.)ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,91:1 731-1735(1994)、ツサイ(Tsai,L-H)ら,Oncogene,8:1593-1602(1993)を参 照されたい(これらの教示は全て参照により本明細書に組み込まれる)。同時 免疫沈降実験により、サイクリン依存性キナーゼはサイクリンの他にいくつかの 蛋白質を結合することが示されている。ガラクチノフ(Galaktionov,K.)ら,Cel l,67:1181-1194、セバスチャン(Sebastian)ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 90:3521-3524(1993)、ハーキス(Hakes)ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90: 4017-4021(1993)、ハーパー(Harper)ら,Cell,74:805-816(1993)、これら の教示は全て参照により本明細書に組み込まれる。CDK関連蛋白質(KAP) はホスホチロシルだけでなくホスホセリルをも脱リン酸化することから、この蛋 白質はいわゆる「両機能性」ホスファターゼの一群に分類されている。KAPの ようなホスファターゼは、CDK蛋白質のリン酸化レベルを制御するのに決定的 な役割を果たしていると考えられる。ごく最近、プーン(Poon)らは、サイクリン 依存性キナーゼ(CDK)の活性化には保存されたスレオニン(CDK2中のT hr)のCDK活性化キナーゼ(CAK)によるリン酸化が必要であることを示 した。Science,270:90-93(1995)、これらの教示は全て参照として本明細書に 組み込まれる。ヒトKAP(Cdilとも呼ばれる)は、ヒトCDK2中のスレ オニンを脱リン酸化することを示した。KAPは、天然の単量体CDK2中のチ ロシンを脱リン酸化することができず、スレオニンを脱リン酸化した。熱変性さ れたCDK2は、KAPによって脱リン酸化されなかった。CDK2へのサイク リンAの結合は、KAPによるThrの脱リン酸化を阻害したが、サイクリンA −CDK2複合体へのKAPの結合を妨げなかった。さらに、KAPによるTh rの脱リン酸化は、それ以降のサイクリンAとの会合時にCDK2キナーゼ活性 を妨げた。これらの結果から、会合したサイクリンサブミットが分解または解離 すると、KAPはCDK2に結合してThr160を脱リン酸化することが示唆さ れる。 したがって、KAPは、活性化ループ中のリン酸基を除去することによって特 定の標的蛋白質キナーゼを不活化することができ、この能力が両特異性ホスファ ターゼファミリーのメンバーにとっての普遍的役割を構成すると考えられる。K APの生理学的重要性は、KAPの過剰発現がHeLa細胞において細胞周期の 前複製G1期の進行を遅らせるという知見によって証明される(プーン(Poon)ら ,前掲)。TNFレセプター関連因子(TRAF−1、TRAF−2およびTRAF−3) TNFレセプター関連因子(TRAF−1、TRAF−2およびTRAF−3 )もHTm4と結合する。TRAF−2は腫瘍壊死因子レセプター−2(TNF− R2)のカルボキシ末端に結合する蛋白質である。ロッテ(Rothe,M.),Cell,7 8:681-692(1994)、モシアロス(Mosialos,G.),Cell,80:389-399(1995)、 チェング(Cheng,G.)ら,Science,267:1494-1498、これらの教示は全て参照と して本明細書に組み込まれる。TRAF−2はもう1つの関連蛋白質であるTR AF−1とも強く結合して、腫瘍壊死因子レセプターであるTNF−R2の細胞 質ドメインと結合するヘテロ二量体型複合体を形成する。TNF−R2は、細胞 増殖の刺激、遺伝子誘導の媒介およびNF−κBなどの転写因子の活性化につな がるTNFシグナル伝達を媒介する。TRAF−1とTRAF−2は、「TRA Fドメイン」と呼ばれるC末端ホモロジー領域を含む蛋白質ファミリーのメンバ ーである。興味深いことに、エプスタイン・バーウイルス形質転換蛋白質である LMP1との相互作用に関与するシグナル伝達蛋白質を検索するために二重ハイ ブリッド酵母系を使用したところ、LMP1の細胞質カルボキシ末端に結合する TRAF−2様蛋白質(ここではTRAF−3と呼ぶ)が同定された。モシアロ ス(Mosialos)(前掲)。感染細胞上に発現されるLMP1(6回膜貫通型蛋白質 )はTRAF−3とTRAF様蛋白質を介して細胞増殖経路を構成的に活性化し 、NF−κBの転写をもたらすと考えられる。 HTm4の両機能性ホスファターゼであるKAPとの会合は、HTm4の活性化が リン酸化を含みうることを示唆している。またこれは、HTm4をリン酸化し活性 化するキナーゼが存在するかもしれないことをも示している。KAPは細胞周期 関連ホスファターゼであるため、HTm4は細胞周期の制御に関与するかもしれな い。HTm4と会合する第二の蛋白質であるTRAF−2は、HTm4が遺伝子転写 、細胞活性化、細胞の増殖と分化、炎症応答およびアポトーシスの制御に重要で ありうることを示唆している。総合すると、これらの新しい発見は、特定の造血 細胞の成長または活性化の制御に関するHTm4蛋白質の潜在的な重要性を強調す るものである。 上述のように、HTm4は造血細胞に選択的に発現され、これまでに得られた証 拠はHTm4がシグナル伝達経路に関与する新規なレセプター蛋白質であることを 示唆している。細胞成長、細胞活性化およびアポトーシスを含む多面的機能を媒 介するTNFと、重要なEBV形質転換蛋白質であるLMP−1が、どちらも類 似する経路を利用することは重要である。それゆえ、TRAF蛋白質は細胞成長 にとって決定的なシグナル伝達を媒介する。 レセプターの架橋は、TRAFと会合した分子とを局所的に凝集させ、それに より、レセプター会合セリン/スレオニンキナーゼによって媒介され、転写因子 NF−κBの活性化と細胞成長を含む表現型の変化によって顕在化する第二メッ センジャーシグナルを生じると考えられる。この経路の負の制御はホスファター ゼによる脱リン酸化であると考えられる。 したがって、細胞シグナル伝達と細胞増殖および転写を変調させるには、HTm4 の活性化を、例えば、HTm4の天然リガンド、KAPまたはTRAF−2への その結合を阻害することなどによって阻害または活性化することが望ましいだろ う。このような変調は、HTm4の断片、突然変異体および抗体を含むHTm4のア ゴニストとアンタゴニストのスクリーニング、開発および使用によって起こりう る。天然HTm4蛋白質または断片のアミノ酸配列改変体 HTm4およびHTm4断片のHTm4天然リガンドの天然リガンドのHTm4天然リ ガンドの天然リガンドのアミノ酸配列改変体は、天然または改変HTm4DNAに 適当なヌクレオチド変異を導入することにより、あるいは所望のポリペプチドの インビトロ合成により、当該技術分野で知られている方法で調製することができ る。アミノ酸配列改変体の構築には2つの主要な変異性、すなわち突然変異部位 の位置および突然変異の性質がある。HTm4のアミノ酸配列改変体は、HTm4を コードするDNA配列の操作を必ずしも必要としない天然に発生する対立遺伝子 を除いて、好ましくは、自然界には存在しないアミノ酸配列改変体となるように そのDNAを突然変異させることによって構築される。 突然変異は、膜貫通型、細胞外型または細胞内型と同定される1または複数の HTm4ドメイン(HTm4の天然リガンド、TRAF−1、TRAF−2、TRA F−3またはKAPとの相互作用に関与するものなど)の外部または内部で作製 することができる。HTm4の天然リガンド、TRAF−1、TRAF−2、T RAF−3またはKAPとの会合(結合または間接的会合)が増加するように、 および/またはそれらの結合能力を保ち、好ましくはそれと同時にNF−κB活 性化をシグナル伝達するそれらの能力を減少または排除するように突然変異させ たHTm4改変体は、HTm4の天然リガンド、TRAF−1、TRAF−2、TR AF−3および/またはKAP蛋白質によって媒介される天然の生物学的活性の 阻害剤として有用だろう。また、そのような改変体ならびに天然HTm4とその結 合断片は、それら蛋白質の過剰発現と関連する病理学的状態の診断や、HTm4の 天然リガンド、TRAF−1、TRAF−2、TRAF−3またはKAPの精製 に役立つだろう。そのような突然変異の好ましい標的は細胞質カルボキシ末端で ある。というのは、このドメインはTRAF−1、TRAF−2、TRAF−3 またはKAPとの相互作用に関与すると考えられるからである。HTm4の生物学 的活性の阻害剤として作用する他のアミノ酸配列改変体は、例えば、後述する生 化学的スクリーニングアッセイによって同定できる。 一般に、突然変異は、保存的または非保存的なアミノ酸置換、アミノ酸挿入も しくはアミノ酸欠失でありうる。突然変異は、HTm4結合部位(TRAF−1、 TRAF−2、TRAF−3またはKAP結合部位など)に、またはその近く( 5または10アミノ酸以内)に位置しうる。 より好ましくは、改変型または非改変型のHTm4をコードするDNAの部位指 定突然変異誘発によって、HTm4アミノ酸配列改変体をコードするDNAを調製 する。部位指定(部位特異的)突然変異誘発は、所望の突然変異のDNA配列、 並びに交差されている欠失接合部の両側に安定な二本鎖を形成するのに十分なサ イズと配列の複雑さを有するプライマー配列を与えるのに十分な数の隣接ヌクレ オチドとをコードする特定のオリゴヌクレオチド配列を使用することによってH Tm4変種の作製を可能にする。通常、長さが約20〜25ヌクレオチドで、変化 させる配列の接合部の両側に約5〜10残基を有するプライマーが好ましい。一 般に、部位特異的突然変異誘発の技術は、エデルマン(Edelman)ら,DNA2,1 83(1983)などの刊行物によって例証されるように、当該技術分野ではよく知られ ている。部位特異的突然変異誘発技術では、通常、一本鎖型と二本鎖型の両方で 存在するファージベクターを使用する。部位指定突然変異誘発に有用な典型的ベ クターには、例えばメッシング(Messing)ら,Third Clevel and Symposium on M acromolecules and Recombinant DNA,ワルトン(A.Walton)編,エルゼビア 社,アムステルダム(1981)により開示されているようなM13ファージなどの ベクターが挙げられる。このファージベクターとその他のファージベクターは市 販されており、それらの使用は当業者に公知である。M13系ベクターを使って DNA断片中のオリゴヌクレオチド指定部位特異的突然変異を構築するための、 汎用性があって効率のよい手法は、ゾラー(Zoller,M.J.)およびスミス(Smith, M.),Nucleic Acids Res.10,6487-6500[1982])に公表されている。一本鎖D NAを得るには、一本鎖ファージ複製起点を含有するプラスミドベクター[ベイ ラ(Veira)ら,Meth.Enzymol.153,3(1987)]も使用できる。また、ヌクレ オチド置換体は、適当なDNA断片をインビトロで合成し、それを当該技術分野 で公知のPCR操作で増幅することによって導入することができる。 一般に、これによる部位特異的突然変異誘発は、その配列内に関連する蛋白質 をコードするDNA配列を含む一本鎖ベクターをまず得ることによって行いうる 。所望の突然変異配列を保持するオリゴヌクレオチドプライマーは、一般的には 、例えば、クレア(Crea)ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75,5765(1978)の方 法によって合成的に調製される。次にこのプライマーを、一本鎖蛋白質配列含有 ベクターにアニールし、大腸菌ポリメラーゼIクレノウ断片などのDNA重合酵 素に供することで、突然変異保持鎖の合成を完了させることができる。このよう にして、一方の鎖が元の非突然変異配列をコードし、他方の鎖が所望の突然変異 を保持するヘテロ二本鎖が形成される。次にこのヘテロ二本鎖ベクターを使って JP101細胞などの適当な宿主細胞を形質転換し、突然変異配列を保持する組 換えベクターを含むクローンを選択することができる。その後、その突然変異領 域を取り出し、蛋白質生産用の適当な発現ベクターに入れることができる。 HTm4のアミノ酸配列改変体の作製にはPCR技術も使用できる。PCRでの 出発物質としてテンプレートDNAを少量使用する場合、テンプレートDNA中 の対応する領域と配列がわずかに異なるプライマーを使用して、そのプライマー がテンプレートと異なる位置でのみテンプレート配列と異なる特定のDNA断片 を比較的大量に生産することができる。プラスミドDNAに突然変異を導入する ために、該突然変異の位置と一部重なり、かつ、該突然変異を含有するように、 一方のプライマーを設計することができる。他方のプライマーは、該プラスミド の反対鎖の配列の範囲と同一であることが好ましいが、この配列は該プラスミド DNAに沿ってどの位置にあってもよい。しかし、最後に第一、第二のプライマ ーに挟まれたDNAの全増幅領域を容易に配列決定できるように、第二プライマ ーの配列は第一プライマーの配列から200ヌクレオチド以内に位置することが 好ましい。ここに記述したようなプライマーを用いたPCR増幅は、そのプライ マーによって特定される突然変異の位置、あるいはテンプレートの複製がいくら かエラーを起しやすい他の位置で異なるDNA断片の集団をもたらす。 産生物質に対するテンプレートの比率が極端に低い場合は、生成DNA断片の 大多数は所望の突然変異(1または複数)を内包する。この生成物を使って、標 準的DNA技術により、PCRテンプレートとして役立つプラスミド中の対応す る領域を置換することができる。突然変異位型第二プライマーを使用するか、異 なる突然変異型プライマーを用いる第二のPCRを行ない、得られた2つのPC R断片を三つ(またはそれ以上)の部分連結反応でベクター断片に同時に連結す ることにより、離れた位置にある突然変異を同時に導入することができる。 別の改変体調製方法であるカセット突然変異誘発は、ウェルス(Wells)らが記 載の技術[Gene 34,315(1985)]に基く。突然変異させるHTm4DNAを含む プラスミド(またはベクター)を出発物質にすることができる。そのHTm4内の 突然変異させるコドン(1または複数)を同定する。同定した突然変異部位(1 または複数)の両側には独特の制限エンドヌクレアーゼ部位がなければならない 。かかる制限部位が存在しない場合は、上述のオリゴヌクレオチド媒介突然変異 誘発方法を使ってHTm4DNA中の適当な位置に制限部位を導入することにより 、それらを作製することができる。プラスミドに制限部位を導入した後、該プラ スミドをそれらの部位で切断して直線化する。該制限部位間のDNAの配列をコ ードするが所望の突然変異(1または複数)を含有する二本鎖オリゴヌクレオチ ドを標準的な手法を用いて合成する。2本の鎖を別個に合成した後、標準的技術 を用いてそれらを互いにハイブリッド形成させる。この二本鎖オリゴヌクレオチ ドをカセットと呼ぶ。このカセットは、直線化したプラスミドの末端と適合する 3’および5’末端を持ち、プラスミドに直接連結できるように設計される。こ の時点で、このプラスミドは突然変異したHTm4DNA配列を含む。 HTm4蛋白質の改変体、誘導体またはその断片は、当該技術分野で公知の方法 にしたがってモノクローナル抗体などの抗体を調製する際に使用できる。それら の抗体を使用して、HTm4を含むレセプターまたはFcRIなどの他のレセプタ ーへのリガンド結合を遮断または模倣し、HTm4蛋白質またはHTm4蛋白質を含 有する造血細胞に用いて単離することができる。 該抗体は試料中の造血細胞の検出にも役立てることができる。例えば、該方法 は、抗体がHTm4蛋白質に結合するのに十分な条件下で試料を抗体と接触させ、 結合した抗体の存在を検出することからなる。抗体及び方法 「抗体」という用語は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(mAbs)、キ メラ抗体、溶解性の形態又は結合した形態で標識され得る抗体に対する抗イディ オタイプ(anti-ID)抗体、並びに公知のいかなる技術、特に限定されないが、例 えば、酵素による切断、ペプチド合成又は組み換え技術等により提供されるそれ らの断片、領域又は誘導体を含む。本発明の抗HTm4抗体はHTm4と結合するこ とができ、それにより、例えば、HTm4のネイティブリガンド、TRAF-1、TRAF-2 、TRAF-3及びKAPを含む一以上の他のタンパク質へのHTm4の結合を阻害する。 抗TRAF-1、TRAF-2又はTRAF-3及び抗KAP抗体、並びに本発明のHTm4のネイティ ブリガンドに結合する抗体は、それぞれ、TRAF-1、TRAF-2、TRAF-3、KAP及び HTm4のネイティブリガンドに結合する能力を有し、そのタンパク質のHTm4へ の結合阻害が生じる。 ポリクローナル抗体は、一つの抗原で免疫された動物の血清由来の抗体分子の 不均一な集団である。モノクローナル抗体は抗原に対して特異的な抗体の実質的 に均一な集団からなり、その集団は実質的に類似のエピトープ結合部位を含む。 mAbsは、当業者に公知の方法によって得ることができる。例えば、コーラーとミ ルスタイン、Nature 256:495-497(1975);米国特許第4,376,110号明細書;オ ースベルら編、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY、グリーン パブリッ シング アソシエーション アンド ウィリー インターサイエンス、ニューヨ ーク(1987,1992);及びハーローとレインANTIBODIES:A LABORATORY MANUAL Co ld Spring Harbor Laboratory(1988);コリガンら編、CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY、グリーン パブリッシング アソシエーション アンド ウィリー インターサイエンス、ニューヨーク(1992,1993)を参照のこと、これらの参 照文献の内容は、引用により本明細書にそのまま取り込まれる。かかる抗体はIg G、IgM、IgE、IgA、GILD及びそれらのサブクラスの全てを含むあらゆる免疫グロ ブリンクラスとなり得る。本発明のmAbを生産するハイブリドーマは、インビト ロで、インサイチュで、又はインビボで培養することができる。インビボ又はイ ンサイチュにおいて高力価のmAbを生産することにより、これが現在好ましい生 産方法となる。 ヒト化した抗体を含むキメラ抗体は、別々の部分が別々の動物種に由来してい る分子、例えば、ネズミmAb由来の可変部とヒト免疫グロブリン定常部とを有す るもの、である。キメラ抗体は主に、例えば、適用時の免疫原性を低減させるた めに、及び/又は生産収率を向上させるために用いられる。キメラ抗体とその製 法は、当該技術分野において公知である(キャビリら、Proc.Natl.Acad.Sci .USA 81:3273-3277(1984);モリソンら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6851 -6855(1984);ボーリアンら、Nature 312:643-646(1984);キャビリら、欧州特 許出願125023(1984年11月14日公開);ノイベルガーら、Nature 314:268-270(1 985);タニグチら、欧州特許出願171496(1985年2月19日公開);モリソンら、 欧州特許出願1739494(1986年3月5日公開);ノイゲルガーら、PCT出願WO86/015 33(1986年3月13日公開);クドら、欧州特許出願184187(1986年6月11日公開) ;モリソンら、欧州特許出願173494(1986年3月5日公開);サーガンら、J.Immu nol.137:1066-1074(1986);ロビンソンら、国際特許公開#PCT/US86/02269(19 87年4月7日公開);リウら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:3439-3443(1987) ;スンら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:214-218(1987);ベッターら、Scienc e 240:1041-1043(1988);ハーローとレインANTIBODIES:A LAB ORATORY MANUAL Cold Spring Harbor Laboratory(1988))。これらの参照文献 は、引用により本明細書にそのまま取り込まれる。 抗イディオタイプ(anti-Id)は、通常、一つの抗体の抗原結合部位と会合する 唯一の決定基を認識する抗体である。anti-Idが調製されるmAbを用いることによ り、mAbの供給源としての同種で同遺伝子型の動物(例えば、マウス株)を免疫 することによりanti-Id抗体を調製することができる。免疫された動物は、これ らのイディオタイプ決定基に対する抗体(anti-Id抗体)を生産することにより、 免疫した抗体のイディオタイプ決定基を認識し、それに応答するであろう。例え ば、米国特許第4,699,880号明細書を参照すること、これは引用により本明細書 にそのまま取り込まれる。 anti-Id抗体も「免疫原」として使用することができ、さらに他の動物におけ る免疫応答を誘導し、いわゆる抗anti-Id抗体を生産する。抗anti-Id抗体は、an ti-Idを誘導する元のmAbとエピトープ上同一とすることができる。したがって、 mAbのイディオタイプ決定基に対する抗体を使用することにより、同一の又は実 質的に同一の特異性の抗体を発現する他のクローンを同定することができる。 本発明の抗体は、少なくとも一つの重鎖定常部(Hc)、重鎖可変部(Hv)、 軽鎖可変部(Lv)、及び軽鎖定常部(Lc)を含むことが可能であり、ここで、 ポリクローナルAb、モノクローナルAb、それらの断片及び/又は領域は、所 望の抗原の一部と結合して少なくとも一つの生物学的活性を阻害及び/又は中和 する、重鎖可変部(Hv)又は軽鎖可変部(Lc)を含む。 本発明の好ましい抗体は高親和性坑HTm4及びそれらの断片又は領域であり、 そしてそれらはインビボでヒトHTm4に対する強力な阻害及び/又は中和活性を 有する。かかる抗体は、精製組み換えHTm4又はそのペプチド断片を用いて免疫 することにより創出された抗体を含み得る。好ましい抗体としては、HTm4の非 膜貫通ドメインにおけるエピトープに結合するものである。特に好ましくは、第 一及び第二の膜貫通ドメイン間の細胞外ドメインにおけるエピトープや、第三及 び第四の膜貫通ドメイン間の細胞外ドメインにおけるエピトープに結合する抗体 である。また、配列番号:4の193−214のアミノ酸に位置するエピトープ 又は残基を含む断片も好ましい。 また、好ましい抗HTm4mAbは、HTm4のネイティブリガンド、TRAF-1、TRAF- 2、TRAF-3、KAPによるHTm4への結合をインビボで競合的に阻害する抗体、又は 実質的に同一の特異的結合活性を有する抗体並びにそれらの断片及び領域である 。また、本発明の好ましい抗体としては、TRAF-1、TRAF-2、TRAF-3、KAPにより 認識され、配列番号:4のアミノ酸193−214に含まれるエピトープと結合 するものである。 また、好ましいものとしては、細胞質カルボキシル末端ドメインにおけるリン 酸化部位と結合し、HTm4のKAPへの結合を阻害する抗HTm4抗体がある。 競合阻害によるmAbの特異性及び親和性を決定するための好ましい方法として は、ハーローら、Antibodies:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Labor atory Press、Cold Spring Harbor、ニューヨーク(1988)、コリガンら編、CURRE NT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY、グリーン パブリッシング アソシエーション アンド ウィリー インターサイエンス、ニューヨーク(1992,1993)、及びミュ ーラー、Meth.Enzymol.、92:589-601(1983)が挙げられ、これは引用により本明 細書にそのまま取り込まれる。 小さなペプチド配列に対する本発明の抗体であって、フリーの状態において、 複合体において又は大きなタンパク質の内容におけるネイティブ配列として提示 されたときにこれらの配列で認識して結合する抗体を惹起させる技術は、本分野 で公知である。かかる抗体には、ハイブリドーマ又は本分野で公知の組み換え技 術により生産されたネズミ、ネズミ−ヒト及びヒト−ヒト抗体が含まれる。 本明細書で用いられる「抗原結合領域」という用語は、抗原と相互作用し、抗 原に対する特異性及び親和性を抗体に付与するアミノ酸残基を含む抗体分子の部 分を意味する。この抗体領域は、抗原結合残基の適切なコンフォメーションの維 持に必要な「枠組み」アミノ酸残基を含む。 好ましくは、抗原結合領域はネズミ起源であろう。他の態様においては、抗原 結合領域は他の動物種、取り分けウサギ、ラット又はハムスター等の哺歯類動物 由来が好ましい。 本発明のキメラ抗体の抗原結合領域は、好ましくは、対象ヒトタンパク質に対 して特異的な非ヒト抗体由来のものである。かかる非ヒト抗体をコードするDN Aの好ましい供給源としては、抗体を生産する細胞系、好ましくは、ハイブリド ーマとして広く知られているハイブリッド細胞系を含む。 「抗原」は、その抗原のエピトープに結合し得る抗体の生産を、動物に付加的 に誘導し得る抗体によって結合され得る分子又は分子の一部である。一つの抗原 は、一つか一つを超えるエピトープを持ち得る。上記の特異的反応とは、その抗 原が高い選択性をもって対応する抗体と反応し、他の抗原によって誘導され得る 他の抗体の多数とは反応しないことを示す意味である。 本発明の抗体を生成するために使用することができる特定のペプチドとしては 、配列番号:4のHTm4の193−214残基、及びHTm4の非膜貫通ドメイン を含むHTm4の断片、例えば、第一及び第二の膜貫通ドメイン間や、第三及び第 四膜貫通ドメイン間の細胞外ドメイン等が挙げられる。その中に含まれるペプチ ドの断片又はその組み合わせ、それらは、抗HTm4抗体、その断片及び領域によ って結合されるHTm4のエピトープを提供したり、提供された抗HTm4生物活性 に結合する。 「エピトープ」という用語は、一以上のAbの抗原結合領域で抗体により認識さ れ、結合され得る全ての分子の部分と解釈されると意味される。エピトープは通 常、アミノ酸又は糖側鎖等の分子の化学的に活性的な表面配置からなり、特異的 な電荷の特性だけでなく、特異的な三次元構造特性を持っている。「エピトープ を阻害及び/又は中和すること」とは、抗体に結合したときに、インビボ、イン ビトロ又はインサイチュで、より好ましくはインビボで、エピトーブを含む分子 又は生物体の生物学的活性の損失を生ずるエピトープをいい、HTm4とHTm4リ ガンド又は他の結合タンパク質との結合を含む。 本発明の抗体、その断片及び領域により認識されるエピトープは、HTm4の1 93−214アミノ酸残基、又は抗HTm4活性、本発明の抗体、その断片及び可 変領域により認識され、及び/又は結合するHTm4のトポグラフィカルエピトー プ又は三次元エピトープを提供する第一と第二の膜貫通ドメイン間及び第三と第 四の膜貫通ドメイン間の細胞外ドメイン等のHTm4の非膜貫通ドメイン内に位置 するアミノ酸残基の少なくとも一つを含有することができる。 本明細書での「キメラ抗体」という用語は、一価、二価又は多価の免疫グロブ リンを含む。一価のキメラ抗体は、キメラL鎖とジスルフィド結合により会合し たキメラH鎖から形成される二量体(HL)である。二価のキメラ抗体は、少な くとも一つのジスルフィド結合により会合した二つのHL二量体から形成される 四量体(H22)である。多価のキメラ抗体も、例えば、凝集しているCH領域 (例えば、IgMのH鎖、又はμ鎖)を使用することにより生産することができる 。 本発明のネズミ及びキメラ抗体、断片及び領域は、個々の重(H)及び/又は 軽(L)免疫グロブリン鎖を含有する。キメラH鎖は、ヒトH鎖C領域(CH) 、例えば、CH1又はCH2等、の少なくとも一部に結合した抗原に特異的な非ヒ ト抗体のH鎖由来の抗原結合領域を含む。 本発明におけるキメラL鎖は、HTm4に特異的な非ヒト抗体のH鎖由来で、少 なくともヒトL鎖のC領域(CL)の一部に結合した抗原結合領域を含む。 同一又は異なる可変部結合特異性のキメラH鎖及びL鎖を有する抗体、断片又 は誘導体も、公知の工程の方法、例えば、後述のオースベル、後述のハーロー、 及び後述のコリガンの方法に従って、個々のポリペプチド鎖を適当に会合するこ とによって調製することができ、これらの参照文献は、引用により本明細書にそ のまま取り込まれる このアプローチによって、キメラH鎖(又はその誘導体)を発現する宿主は、 キメラL鎖(又はその誘導体)を発現する宿主とは別々に培養され、免疫グロブ リン鎖が別々に回収された後、会合される。あるいは、宿主を共に培養すること が可能であり、鎖は培地内で自発的な会合に付され、次いで、集合した免疫グロ ブリン、断片又は誘導体が回収される。 ハイブリッド細胞は、非ヒト抗HTm4抗体生産細胞、典型的には、天然又は組 み換えHTm4のいずれか、又はヒトHTm4タンパク質配列のペプチド断片に対し て免疫された動物の脾臓細胞を融合することにより、形成される。あるいは、非 ヒト抗HTm4抗体生産細胞は、血液、脾臓、リンパ節若しくは他の組織又はHTm4 で免疫を受けた動物から得られたBリンパ球であっても良い。 不死化能を与える第二の融合相手はリンパ芽球細胞又はプラズマサイトーマ又 はミエローマ細胞であり得、それはそれ自身では抗体を生産する細胞ではないが 、悪性である。好ましい融合相手の細胞には、SP2/0(ATCC CRL1 581)と省略されているハイブリドーマSP2/0−AG14、及びミエロー マP3X63Ag8(ATCC TIB9)又はその誘導体か含まれる。例えば 、後述のオースベル、後述のハーロー、及び後述のコリガンを参照すること。 HTm4に特異的なmAbを生産するネズミハイブリドーマは、SP2/0等のマ ウス融合相手細胞と、配列番号:4のHTm4の193−214残基又は他のHTm4 を含有する生物学的製剤から選ばれるアミノ酸を含有するペプチドを含む、精 製HTm4、組み換えHTm4、天然又は合成HTm4ペプチドに対して免疫されたマ ウス由来の脾臓細胞との融合により生成される。マウスを免疫するためには、種 々の異なる常法に従えば良い。例えば、マウスに、HTm4の一次及び追加免疫を 与えることができる。 本発明のキメラ抗体の抗原結合部位をコードするヌクレオチド配列に寄与する 細胞である抗体生産細胞も、霊長類の動物等の非ヒト細胞、又はヒト細胞の形質 転換により生産することもできる。例えば、エプスタイン−バーウイルス等のウ イルスを用いて、抗HTm4抗体を生産するBリンパ球への感染及びそれの形質転 換を行うことができ、不死化抗HTm4生産細胞を得る(コズボーら、Immunol.T oday 4:72-29(1983))。あるいは、本分野で周知の通りの、形質転換する遺伝子 産物を与えることにより、Bリンパ球の形質転換を行うことができる。例えば、 後述の後述のオースベル、後述のハーロー、及び後述のコリガンを参照すること 。ハイブリドーマを用いる抗体生産 免疫学の分野における当業者が周知の標準的な手法により、細胞融合を行う。 融合相手細胞系、並びにハイブリドーマの融合方法及び選択方法、及びmAbのス クリーニング方法は、本分野で周知である。例えば、後述の後述のオースベル、 後述のハーロー、及び後述のコリガンを参照すること。 抗体を分泌するハイブリドーマ又はトランスフェクトされた細胞をマウス腹膜 腔内に注入し、適当な時間の後、高力価のmAbを含有する腹水を回収し、次いで そこからmAbを単離することにより、本発明のHTm4特異的ネズミ又はキメラmAb を大量に生産することができる。非ネズミハイブリドーマ(ラット又はヒト等) を用いての、かかるmAbのインビボ生産については、被照射又は無胸腺ヌードマ ウス中でハイブリドーマ細胞を培養することが好ましい。又は、ハイブリドーマ 又はトランスフェクトされた細胞をインビトロで培養し、細胞培養培地から分泌 されたmAbを単離することにより、又は真核細胞又は原核細胞中で組み換え的に 抗体を生産することができる。 断片としては、例えば、Fab、Fab’、F(ab’)及びFvが挙げられ る。これらの断片はインタクトの抗体のFc断片を欠いており、より急激に循環 から除かれ、そしてインタクトの抗体よりも非特異的な組織への結合が少ない( ワールら、J.Nucl.Med.24:316-325(1983))。これらの断片は、本分野で周知 の方法、例えば、(Fab断片を生産する)パパイン又は(F(ab’)断片を 生産する)ペプシン等の酵素を用いてのタンパク質分解によりインタクトの抗体 から生産される。治療方法 本発明は、個体にHTm4のアンタゴニストを投与することを含む、個体におけ るアトピー、腫瘍等のHTm4介在疾患の治療方法にも関する。アンタゴニストは 、例えば、細胞DNA複製又は増殖を阻害することにより、HTm4遺伝子又はタ ンパク質の活性を阻害することができる。本明細書においては、腫瘍細胞DNA 複製の阻害には、DNA複製の完全な抑制だけではなく、DNA複製の頻度の低 下をも含む。また、本明細書で規定されるように、主題である腫瘍成長の阻害に は、腫瘍の成長を停止させること及び腫瘍の大きさを小さくすることが含まれる 。 HTm4アンタゴニストには、HTm4の、HTm4のネイティブリガンド、TRA F−1、TRAF−2、TRAF−3又はKAPへの結合を抑制すること、転写 、翻訳又は翻訳後修飾、細胞表面上の発現、HTm4の分泌又は会合等の細胞内プ ロセシングによるHTm4生産を阻害すること等の、HTm4の生物学的活性の少な くとも一つを阻害する化合物が含まれる。また、HTm4アンタゴニストは、核酸 及びタンパク質濃度の両者でのHTm4生産の増加又は低減制御を含むもの等の、 代謝経路の制御を誘導又は増加することにより作用し得る。また、HTm4アンタ ゴニストは、HTm4に対する細胞の感受性を低減させることにより、そのような 感受性を調節することができる。HTm4アンタゴニストには、インビトロで、イ ンサイチュで又はインビボでHTm4活性を中和する抗体又はその断片若しくは一 部、ペプチド、ペプチド模倣化合物又は有機的模倣化合物が含まれる。HTm4ア ンタゴニストの活性を中和又は阻害するTNFを決定するために使用され得るス クリーニング方法としては、インビトロ又はインビボアッセイが含まれ得る。 従って、本発明による方法においては、適当ないかなるHTm4アンタゴニスト をも使用することができる。かかるHTm4アンタゴニストの例としては、HTm4 のエピトープに特異的な抗体又はその一部、HTm4のネイティブリガンド、KA P又はTRAF−1、TRAF−2、TRAF−3、HTm4に結合するHTm4ペ プチドの非活性化リガンド、HTm4を阻害するペプチド模倣化合物及び有機的模 倣化合物が挙げられる。 本発明は、特に限定されないが、ガン、アテローム性動脈硬化性血管障害、医 薬による又は外科的な再灌流法後の血管(vacular)再狭窄、乾癬、炎症性関節炎 及び他の炎症性疾患、自己免疫疾患、エプスタイン−バーウイルス及び移植組織 の拒絶反応を含む疾患における細胞増殖を阻害する、新しい方法及び産物に関す る。 従って、本発明は、HTm4のアンタゴニストを、適切な細胞に入り、そこで増 殖を阻害するのが望ましいような方法で個体に投与すること含む、個体における 望ましくない細胞増殖を阻害する方法を提供する。HTm4アンタゴニストはHTm4 の活性を抑制又は低下させ、それにより細胞DNAの複製を抑制する。他の態 様においては、HTm4アンタゴニストは遺伝性アトピーの症状を介在するHTm4 の活性を抑制又は低下させる。 また、特に限定されないが、外傷性負傷、心筋梗塞、心筋症、腎不全、肝不全 及び発作を含む個体中の生組織の喪失に関連する健康状態の治療のためにDNA 複製を開始させるHTm4の能力を利用して細胞増殖を高めることができる。例え ば、本発明は、HTm4又はHTm4アゴニストを、個体中に細胞に入れようとする ような個体に投与することを含む、個体における生組織の喪失に関連する健康状 態の治療のために細胞増殖を高める方法を提供する。 本明細書で用いられるHTm4「アゴニスト」という用語は、HTm4の機能又は 活性を模倣又は高める、又はDNA又はRNA(核酸)及びタンパク質(アミノ 酸)両者のレベルについてのHTm4発現の低減制御又は低減を防止又は阻害する 分子又は組成物を意味する。例えば、HTm4アゴニストには、キナーゼ及び抗K AP抗体、HTm4のネイティブリガンド、又はそのリガンドの機能を模倣する分 子を含む。HTm4又はHTm4アゴニストの活性により、細胞中のDNA複製や細 胞の有糸分裂が開始される。HTm4又はHTm4アゴニストの投与は、HTm4の自 然に発生するレベルを補うか、高めるか又は取り替え、そして細胞増殖を高める ことができる。 本発明のHTm4、HTm4アゴニスト及びアンタゴニストは、個別の治療剤とし て、又は他の治療剤との組成物として投与することができる。これらは単独で投 与できるが、一般的に、選ばれた投与経路及び標準的な薬学実務に基づいて選択 される、生理学的に影響を与えない薬剤担体との組成物として投与される。 本明細書の内容において、HTm4タンパク質配列に基づいて設計されヒトに使 用するように意図された薬剤は、例えば、HTm4に関連した又は内因性HTm4の 機能を改変するために設計された非ペプチド性小分子、ペプチド又はタンパク質 、若しくはHTm4に関連したタンパク質又はペプチドをコードするDNA又はR NA配列を含む。 投与量については、当然のことながら、特定の薬剤の薬力学的特性、その投与 方法及び投与経路、レシピエントの年齢、健康状態及び体重、症状の性質及び程 度、同時に行う治療の種類、治療の頻度並びに所望の効果等の、公知の因子に依 存して変更される。 特定の生理学的な媒体は、特に限定されないが、例えば水、塩類緩衝液、ポリ オール類(グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール 等)及びデキストロース溶液等を含んでいても良い。選択された媒体中の有効成 分の至適濃度は、医学分野での化学者にとって周知の手法に従って、経験的に決 定することができ、所望の最終的な調剤に依存する。治療部位への薬剤の導入方 法は限定されないが、皮内、筋内、腹腔内、静脈内、皮下内、口腔内、鼻腔内、 及び遺伝子療法が挙げられる。他の好適な方法は、生分解性デバイスや徐放性デ バイスを含み又は使用する。 経口で投与するときはタンパク質は消化に付されるため、非経口投与、例えば 、静脈内、皮下内、筋内投与は通常、吸収が最適になるように行われる。 非経口投与では、HTm4アゴニスト又はHTm4アンタゴニストは、溶液、懸濁 液、エマルション又は凍結乾燥粉体として、薬理学的に許容できる非経口賦形剤 とともに調剤することができる。かかる賦形剤の例としては、水、塩溶液、リン ゲル液、デキストロース溶液及び5%ヒト血清アルブミンが挙げられる。リポソ ーム及び固定油等の非水性賦形剤も使用することができる。賦形剤又は凍結乾燥 粉体には、等張性(塩化ナトリウム、マンニトール等)や化学的な安定性(緩衝 剤、保存剤等)を維持する添加剤が含まれていても良い。調剤は、常法により滅 菌される。好適な薬理学的担体は、本分野の標準的な参考文献であるレミントン のファーマシューティカル サイエンシーズ、エー.オーソルの最新版に記載さ れている。 一の好適態様は、本発明によれば、強いインビボHTm4阻害及び/又は中和活 性を有しうるHTm4アンタゴニストを含有する組成物であり、それはHTm4誘導 性細胞成長又は増殖或いは転写因子のHTm4誘導性活性化を阻害する。他の好適 な使用は、HTm4又はHTm4アゴニストを含有する組成物であり、それは細胞成 長又は細胞増殖を誘導し得るか、又はNF−κB等の転写因子を活性化し得る。アゴニスト及びアンタゴニストのスクリーング方法 本発明はさらに、モジュレーター、例えば、HTm4のアゴニスト及びアンタゴ ニストのスクリーニング方法に関する。この方法は、スクリーニングされる化合 物の存在下で、(ネイティブHTm4、その活性断片又は改変体を含む)HTm4と (KAP、TRAF−1、TRAF−2、TRAF−3及びネイティブタンパク 質、その活性断片又は改変体を含むネイティブリガンドを含む)HTm4と結合す るリガンド又は化合物等の結合相手とを接触させることを含む方法である。該方 法は、さらに結合の有無の検出を含む。本発明の方法で検出されるアゴニスト及 びアンタゴニストは、例えば、インビトロで又は上記の治療方法に使用すること ができる。 一の態様においては、この方法は、スクリーニングされる化合物の存在下でH Tm4と、HTm4のネイティブリガンド、TRAF−1、TRAF−2又はTRA F−3とを接触させ、そして結合の有無を検出することを含む、HTm4のインヒ ビター又はアンタゴニストをスクリーニングすることを含む。この化合物は化学 ライブラリーに設置することができる。結合阻害は多くの方法によって検出され 得る。例えば、本分野で公知のとおり、HTm4、HTm4のネイティブリガンド、 TRAF−1、TRAF−2又はTRAF−3のいずれかをラベルして、その他 のものを、直接(放射ラベルの場合のように)固定化された基質上でラベルの検 出を用いるか、結合アッセイで固定化することができる。他の態様においては、 ネイティブリガンド、TRAF−1、TRAF−2又はTRAF−3活性の非存 在又は阻害、例えば、NF−κB活性の非存在を観測することによって阻害を検 出することができる。さらに他の態様においては、細胞増殖の低下を観測するこ とによって阻害を決定することができる。 さらに他の態様においては、HTm4のインヒビター又はアンタゴニストをスク リーングする方法は、HTm4とKAPを接触させ、結合の存在又はKAPの脱リ ン酸化活性を検出することを含む。上記の方法と同様に、当該技術分野に公知の ようにHTm4又はKAPのいずれかをラベルして、その他のものを、直接(放射 ラベルの場合のように)固定化された基質上でラベルの検出を用いるか、結合ア ッセイで固定化することができる。他の態様においては、TRAF−1、TRA F−2又はTRAF−3活性の非存在又は阻害、例えば、NF−κB活性の非存 在を観測することによって阻害を検出することができる。さらに他の態様におい ては、細胞増殖の低下を観測することによって阻害を決定することができる。ま た、リン酸塩又はATPを観測して脱リン酸の存在を示すことができる。リン 酸塩又はATPの存在を検出するための鋭敏なアッセイは、本分野で極めてよく 知られており、ルシフェリン/ルシフェラーゼ結合アッセイが挙げられる。 さらに、HTm4とHTm4のネイティブリガンドを接触させ、結合しないことを 検出することにより、HTm4アンタゴニストをスクリーニングすることができる 。放射ラベルと固定化のための基質の使用、又は細胞増殖若しくはNF−κB転 写活性化の観測を含む上記の同様のやり方で、この態様における結合を検出する ことができる。 アゴニストの検出については、上記のように、HTm4とKAP、TRAF−1 、TRAF−2、TRAF−3又はHTm4のネイティブリガンドとを接触させる ことができる。アゴニストは、NF−κB遺伝子転写、細胞増殖又はTRAF− 1、TRAF−2若しくはTRAF−3活性を増加し、あるいはKAP脱リン酸 化活性を低下する一以上の特性を有し得る。上記のアンタゴニストについてのも のと同様のやり方で、これらの特性の一以上の検出を決定することができる。 本明細書において、HTm4アンタゴニストは、HTm4の一以上の生物学的活性 を低下又は阻害(競争阻害を含む)する分子又はタンパク質と定義される。本明 細書において、HTm4アゴニストは、HTm4の一以上の生物学的活性を上昇又は 活性化する分子又はタンパク質と定義される。HTm4の生物学的特性又は活性に は、例えば、細胞増殖及びTRAF−2活性化が含まれる。アゴニスト及びアン タゴニストは共にモジュレーターと考えられる。(抗原結合部位に依存する)ア ンタゴニスト又はアゴニストとなり得る化合物の例としては、HTm4、HTm4の ネイティブリガンド、KAP、TRAF−1、TRAF−2及びTRAF−3と 結合する抗体が挙げられる。他の例としては、HTm4、KAP、TRAF−1、 TRAF−2、TRAF−3及びHTm4のネイティブリガンドの断片又は改変体 が挙げられる。本発明の特に好ましい態様としては、HTm4及びHTm4断片及び 改変体が挙げられる。関連性のあるHTm4の結合部位と実質的に同一の配列を有 するが、タンパク質の他の活性又は結合部位は有していないHTm4の断片及び改 変体は、有用なモジュレーターの例である。 HTm4と結合相手(例えば、HTm4のネイティブリガンド、KAP、TRAF −1、TRAF−2及びTRAF−3)との結合に適した公知の条件下で、スク リーニング方法を達成することができる。一般的に、細胞内pHを含む生理学的 条件を使用することができる。本分野で知られているように、緩衝剤を存在させ ることにより、反応媒体のpHを効果的に制御することができる。反応温度は一 般的に、タンパク質の実質的な変性が生じないのであればいかなる温度であって も良い。一般的に室温が好適に採用される。 細胞系内でこのアッセイをすることは特に有利となり得る。かかる態様におい ては、HTm4、HTm4のネイティブリガンド、KAP及び/又はTRAF−1、 TRAF−2及びTRAF−3を発現する一又は複数の細胞(造血細胞又はこれ らのタンパク質をコードするDNAを有する組み換え構築物を有する細胞を含む )とスクリーニングされる化合物とを接触する。一の態様においては、その方法 の一又はそれ以上の工程の間、細胞は完全な又は溶解されて生存可能又は生存不 可能である。さらにβ−ガラクトシダーゼ遺伝子等のレセプター遺伝子を有する 細胞を、NF−κBプロモーター、これはHTm4で活性化される、の制御下で用 いることは、特に有利となり得る。この方法においては、HTm4の阻害剤及び活 性化剤を、レセプター伝子の発現を観測することによって決定することができる 。 アッセイが、細胞内細胞質においてHTm4活性の調節を決定する所では、細胞 質へ誘導又は輸送され得るスクリーニング用化合物を選択することが一般的に望 まれる。細胞質への輸送を促進するためには、細胞膜を経ての移送を可能とする 、リポソーム等の賦形剤中の反応媒体にその化合物又は剤を添加すれば良い。タ ンパク質もベクターを介してその膜内の細胞質へ輸送することができ、それは、 形質転換の際にタンパク質の発現を引き起こす。 以下の実施例により本発明を説明するが、かかる実施例は何らの制限を意図す るものでもない。 実施例1 材料と方法 細胞系と初代細胞 :この研究に使用される造血細胞系は、リンパ性骨髄球(DU 528)、赤白血球(K562、OCIR)、前骨髄球(HL60)、骨髄芽球 (KG−1)、単芽球(U937)、T細胞白血病/リンパ腫(MOLT−4、 Ly17、Ly13)および骨髄腫(OCI−My5)系を含んでいた。用いた 非造血細胞系は、骨髄支質(BS−1)、肝癌(HepG2)、メラノーマ(H S294)、骨格筋(HuSK)、神経芽細胞腫(SKNSH)、子宮頸癌(H eLa)および肺癌(Calu−1)細胞を含んでいた。ウシ血清をウマ血清に 置換したDU528を除くすべての細胞系を、10%ウシ胎仔血清および1mM L−グルタミンを補足したイスコフの改変ダルベッコの培地で維持した。ヒト 肥満細胞系HMC−1(Butterfield,J.H.ら、Leuk.Res.12:345-355(1988) )およびヒト因子依存性巨核球系、MO7e由来の全RNAは、サイトームド(Cy tomed)インコーポレーテッド、ケンブリッジ、マサチューセッツのカール ノ ッカ(Karl Nocka)博士により供与された。正常の骨髄細胞は、骨髄移植後のトラ ンスフュージョンフィルターから回収した。90%を越える芽球を有する初代白 血球細胞は、M4急性骨髄性白血病患者の末梢血から回収した。正常の個体由来 の好中球および好酸球ならびに過好酸球増加症候群の患者由来の好酸球の全RN Aは、ハーバード メディカル スクールのペーター ウエラー博士およびカイ ザー リム博士により供与された。ディファレンシャルスクリーニング用のサブトラクティブcDNAライブラリー 由来のプローブの調製 :PT3T719Uマルチファージミドベクター(Pharmac ia)を用いる3つのヒト造血細胞系(DU528、K562およびKG−1)お よび1つの非ヒト造血細胞系(BS−1)由来の4つのサブトラクティブcDN Aライブラリー(DU528/BS−1、K562/BS−1、KG−1/BS −1およびBS−1/BS−1)の構築は、以前に記載された(Lelias,J.M. ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA90:1479-1483(1993))。2つの造血系(DU5 28/BS−1およびKG−1/BS−1)および非造血系(BS−1/BS− 1)サブトラクティブライブラリーから取り出されたcDNA挿入物を精製し、32 Pで標識し、K562/BS−1ライブラリーをスクリーニングするためのプ ローブとして使用した(Sambrook,J.ら、Molecular Cloning:ALaboratoryMannu al,第2版(Cold Spring Harbor Lab.,Cold Spring Harbor,NY(1989))。U937細胞系の誘導 :U937細胞系は、1ml当たり5x10細胞の濃度ま で生育させ、50nM ホルボール12−ミリステート13−アセテート(PM A;シグマ)で分化を誘導した。HTm4遺伝子の染色体の位置 :HTm4遺伝子の染色体の位置を、以前に記載され た蛍光インサイチュ・ハイブリダイゼーション(FISH)により決定した(コ バヤシ(Kobayashi)ら、Blood,81:3027-3033(1993))。ヒト中期を、フィトヘマ グルチニン刺激した末梢血リンパ球から調製した。HTm4cDNAを、ビオチン −11−UTPを用いるニックトランスレーションにより標識した(Enzo Diagn ostics,Syosset,NY)。ビオチン標識プローブを、中期細胞にハイブリダイズし 、フルオレッセイン結合アビジン(Vector Lab,Burlingame,CA)で検出した。ス ライドは、使用したプローブを知らない2人の別々の観察者により調べた。逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR) :逆転写反応は、第1鎖cD NAを得るために種々の細胞型に対して濃縮した細胞系または細胞由来のRNA を用いて、(Sanger,F.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA74:5463-5467(1977))記 載のように行なった。cDNAを、388ヌクレオチドの予想PCR産物を与え るHTm4のヌクレオチド721〜1087をまたぐプライマーを用いて、(Wulf ,G.M.ら、EMBO J.12: 5065-5074(1993))記載のようにPCR増幅反応に供 した。使用したセンスプライマーは、5’−TCACCTCCCAATTCTG TGTAATCAAGA−3’(配列番号:1)であり、アンチセンスプライマ ーは、5’−GATTATACCGCCTTCGTTCCTTAAACC−3’ (配列番号:2)であった。PCR反応は、100nMのプライマーを用いて、 変性(94℃で1分)、アニーリング(54℃で1分)および伸長(72℃で2 分)の30サイクルで行なった。一般的な方法 :RNAは、RNAゾル法(Biotecx Laboratories,Houston,TX )を用いて単離した。DNAシーケンスは、適切なDNA断片をM13にサブク ローニングした後、ジデオキシヌクレオチド・チェーン−ターミネーション技術 (Sanger,F.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA74:5463-5467(1977))により行な った。結果 クローンHTm4の単離 :2つの造血系ライブラリー(造血系cDNAに対して濃 縮された)由来のcDNAプローブおよび非造血系BS−1ライブラリー由来の cDNAプローブを用いるK562造血系ライブラリーのディファレンシャルス クリーニングにより、造血系プローブにのみ陽性にハイブリダイズしたクローン が単離された。これらのうちのクローンHTm4と称される1つをプローブとして 用いて、種々の造血細胞系および非造血細胞系由来の全RNAからなるノーザン ブロットパネルをスクリーニングした。HTm4の発現パターン :ノザンブロットおよびRT−PCR解析の組み合わせを 用いて、組織と遺伝子の系統発現のスペクトラムを決定した。クローンHTm4の cDNA挿入物は、骨髄および赤血球系譜を含む5つの造血細胞株中の約1.7 kbの転写物や正常ヒト骨髄細胞にハイブリダイズした。HTm4およびmRNA は、T及び顆粒球分化潜在性(DU528)を用いたT細胞リンパ球系(Ly1 7)およびリンフォ骨髄白血球系中では検出できなかった。肺、頸、脳、骨格筋 、メラノーマ、ヘパトーマ、および骨髄間質細胞を含む、7つの非造血細胞株す べてにおいて、ハイブリダイスしていないmRNAを検出することができた。こ れらの非造血細胞株は、外胚葉、内胚葉および中胚葉起源の細胞を含んでいた。 mRNAは、M4急性骨髄白血病(AML)に罹っていると診断された患者の初 代芽細胞にもなかった。 RNA試料、特にノザンブロット分析に限らず、多くの細胞由来のもののスク リーニングを容易にするために、我々はRT−PCRにより発現を試みた。逆転 写後に得られたcDNAの第一の鎖の質は、ハウスキーピング遺伝子であるHP RT用のプライマーを用いて評価されたものと同様に、満足なものだった。HTm4 CDNAのヌクレオチド配列に基づき、オリゴヌクレオチドを合成し、PC R増幅用の特定のプライマーとして用いた。388ヌクレオチド長DNAの予想 されるPCR産物を正常骨髄細胞およびHL60細胞株で得られたが、HeLa およびLy17細胞株では得られず、ノザンブロット分析を確かめた。ヒト肥満 細胞(HMC−1)および巨核球株(MO7e)由来のRNAは、HT mRN Aに対して陽性であった。正常な好酸球または好中球、および高好酸球症候群( HES)に罹った患者由来の好酸球由来のRNAも予想されるPCR産物を生産 した。2つの白血球T細胞株(Ly13およびMOLT4)および骨髄種細胞株 (OCI−My5)もHTm4に対して陽性であることがわかった。PCR由来の DNAはすべて、続くサザン分析で放射能ラベルしたHTm4明確にハイブリダイ ズした。HTm4ヒトcDNAの分子分析 :HTm4cDNAのヌクレオチド配列および予想 されるアミノ酸配列を図1Aおよび1Bに示す。1672ヌクレオチド長cDN Aは、97位のヌクレオチドから始まり、25kDaの計算された分子質量を有 する214アミノ酸の蛋白質をコードする長いオープンリーディングフレームを 含む。カイトードゥリットル(Kyte-Doolittle)アルゴリズムを用いた親水性分析 (カイト(Kyte,J.)とドゥリットル(Doolittle,R.F.)J.Mol.Biol.157:105-1 32(1982))は、HTm4が20〜21アミノ酸の4つの疎水性ドメインを含むこと を示している。第一の疎水性ドメインの始まり前のアミノ末端領域は、4つのプ ロリンを含む。膜貫通部分の間の各親水性領域は、1つのプロリンを含む。セリ ン/スレオニンのカゼインキナーゼ2リン酸化用のいくつかの基質(ピナ(Pina ,L.a.)Biochim.Biophys.Acta 1054:267-284(1990))は、残基24(TGPE )、155(SSSE)、181(TLLE)、および203(SREE)で見 つかっており、プロテインキナーゼCリン酸化用のものは残基149(SLR) で見つかっている。該配列は、2つの小さなループを細胞外に突出し、細胞質に アミノ末端部分とカルボキシ末端部分を保持している、膜を4回貫通するポリペ プチド鎖と一致している。細胞株U937の分化中のHTm4の発現 :HTm4 mRNAの発現が細胞分化の 段階により変化するかどうかを確かめるために、我々は単芽球細胞株U937に おいて誘導された分化の結果を考察した。細胞をPMAに曝露すると、最終的に 分化したマクロファージに対するマーカーであるCD11bをモニターすること により、形態学的および分子的に確認されるように、マクロファージへの分化を 急速に誘導した(アーノート(Arnout,M.A.)Immunol.Rev.114:145-180(1990) )。48時間の期間を超えるHTm4mRNAの発現は、初め増加し、続いてダウ ンレギュレーションを示し、そのため3日目までHTm4転写物が非常に低いレ ベルで検出できた。HTm4は染色体11q12−13に位置する :30種の中期から41個の染色体 をポジティブ染色体バンドで得た。バンド11q12を18個の染色体11ホモ ログで標識し、バンド11q13.1を21個の染色体11ホモログで標識し、 バンド11q13.2を2個の染色体11ホモログで標識した。これらの細胞で は、他の染色体についてシグナルを検出しなかった。同様の結果が、このプロー ブを用いた追加の実験で得られた。従って、HTm4は染色体11q12−13. 1に位置する。 実施例II HTm4と相互作用する標的タンパク質を検索するために、二重のハイブリッド 酵母クローニングシステムを利用した。フィールズ、エス.およびソング、オー .、Nature 34:245を参照すること、この教示は引用によりそのまま本明細書に 取り込まれる。 LexA DNA結合ドメインを、HTm4のカルボキシル末端の最後の75ア ミノ酸に融合して、融合タンパク質、ベクター、LexA−75HTm4を構築 した。LexA結合ドメインはGAL4−活性化ドメイン(GAD)に結合し、 GAL4結合ドメインの代替物として頻繁に使用されている。LeXA−HTm4 構築物の配列を決定して、HTm4断片が、ミューテーションを受けずに正しくイ ンフレームであることを確認した。HTm4の部分は、第四の親水性膜貫通ドメイ ンと細胞質親水性カルボキシル末端とを含んでいた。13日目のラット胎児GA D−cDNAライブラリーDNA体と共に、LeXA−75HTm4DNAでHI S3/LacZ酵母株を形質転換した。ヒスチジンによる選択を行わずに、約1 500万個の形質転換体を得た。このことは、トランスフェクションの効率が非 常に高いことを示している。ヒスチジンによる選択を行ったところ、約20のヒ スチジン非要求性酵母クローンを得た。ヒスチジンを除いたプレートにおけるこ れらのクローンの生存は、HTm4と相互作用し、宿主の酵母株中のヒスチジン遺 伝子を活性化させる、共形質転換されたクローン由来のタンパク質の存在を示す ものである。これらのクローンについてのβ−ガラクトシダーゼ活性をテストし たところ、コロニーの90%が、非常に濃い青(70%)から淡い青に至る陽性 の青色反応を示した。約10%のみが陰性であったことから、ヒスチジンによっ て非常に効率的な前選択が行われたことが示された。予備的な分析において、1 5の濃い青を示す酵母株からのプラスミドDNAを細菌に形質転換し、ロイシン プレートでcDNAを選択して各酵母クローンから4〜5のコロニーをピックア ップした。次いで、LeXA−HTm4DNAと共に、各プラスミドからのDNA で個別に酵母を形質転換し、どのクローンがβ−ガラクトシダーゼ活性の原因と なっているかについて調べた。HTm4に特異的に相互作用する二つのクラスのタ ンパク質が同定された。 KAP HT4BP−1と名づけられた、単離された最初のクローンは、基質 −特異性を有するホスファターゼであるKAP(CDK2関連タンパク質)と呼 ばれるヒトcDNAと85%が同一の、311塩基対の部分cDNAを含んでい た。HT4BP−1は、KAPタンパク質のカルボキシル末端に対応する103 アミノ酸の長いオープンリーディングフレームを含んでいる。この領域内に、プ ロテインチロシンホスファターゼの触媒中心の特徴的なモチーフHCXXXXG Rがあることは重要である。HT4BP−1/KAPとHTm4との間の相互作用 の特異性を調べるために、HT4BP−1をLexA−LaminとLexA− MEK(キナーゼタンパク質)で形質転換した。LTHプレート上ではコロニー は得られなかった。対照的に、HT4BP−1をLeXA−75HTm4で共形質 転換を行ったところ、多数のコロニーを得ることができた。これらのコロニーの 個々について、かき取ってβ−ガラクトシダーゼ活性を調べたところ、これら全 てが強い陽性の青色反応を示した。LeXA−75HTm4を自己形質転換又はG AD−byr、GAD−MEK、GAS−rasおよびGAD−racで形質転 換しても、いかなるコロニーをも生じなかった。これらの結果から、HTm4とK APとの間の結合は非常に特異的であることが示された。 LeXA−75−HTm4中のKAP結合ドメインについて調べるために、Le xA−HTm4擬似物でデリーションを作製した。LexA−HTm4の尾部を切断 して膜貫通4ドメインを除去し、親水性細胞質尾部の最後の25アミノ酸だけか らなるLeXA−25HTm4擬似物を得た。LeXA−25HTm4はそれ単独で はコロニーを生じさせなかったが、HT4BP−1/KAPと一緒であれば、全 てがβ−ga1活性が陽性である多数のコロニーを生じさせた。このことから、 二元のハイブリッドアッセイ(two-hybrid assay)において、HTm4の親水性尾 部だけで、KAPタンパク質への結合性を与えるに十分であることが明らかにな った。 TRAF−2 HT4BP−3は、TRAF−2と87%の同一性を示す33 6塩基対のcDNAである。このcDNAクローンは109アミノ酸の長いオー プンリーディングフレームを含む。この領域は、TRAFモチーフが存するアミ ノ酸残基におけるTRAF−2タンパク質のカルボキシ末端における領域に対応 する。HT4BP−3と同じ重複cDNAを有する、第二のcDNAクローンで あるHT4BP−2は、別の青色酵母コロニーから単離された。LexA−75 HTm4で形質転換されたクローンHT4BP−2/TRAF−2は、極めて多数 のコロニーを生じさせ、その全てのコロニーを、β−gal活性の強い青色陽性 について試験した。LexA−Lamin又はLexA−MEKで共形質転換し たHT4BP−3/TRAF−2は、HTm4で形質転換したものよりも明らかに コロニー生育が遅れていた。これらの結果は、TRAF−2とHTm4のカルボキ シ末端の間に優先的な結合性があることを明らかに示すものであった。 HTm4が2つの他のTRAF様蛋白質、TRAF−1およびTRAF−3にも 結合するかどうかを試験するために、TRAF−1をTRAF−2と同時に単離 し、2つのTRAFは、TNFレセプターテールとの複合体としてともに結合す るように考えられた。TRAF−3を、EBVトランスフォーミング蛋白質であ る後期膜蛋白質(LMP−2)の細胞質テールに結合する蛋白質として単離した 。前記ソングとフィールドに記載されたプロトコールを、GADベクターを用い て繰り返した。GAD−TRAF1およびGAD−TRAF3ベクターは、ハー バードのジョージ モシアロス博士およびエリオット キーフ博士により供与さ れた。驚くべきことに、LeXA−75 HTm4は、TRAF−2に結合するが 、TRAF−1またはTRAF−3のいずれとも相互作用しない。しかしながら 、切断テールマイナス膜貫通4ドメインであるLeXA−25 HTm4は、TR AF−1およびTRAF−3と非常によく結合する。 均等物 当業者であれば、単なる日常的実験手法により、本明細書に記載された発明の 具体的態様に対する多くの均等物を認識し、あるいは確認することができるであ ろう。これらのおよび他のすべての均等物は、下記請求の範囲に含まれることを 意図されている。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成10年4月10日(1998.4.10) 【補正内容】 24. 該結合相手が、HTm4のネイティブリガンド、KAP、TRAF−1、 TRAF−2、又はTRAF−3である請求項23の方法。 25. 該HTm4及び該結合相手が細胞中で共発現される請求項23の方法。 26. 該HTm4及び該結合相手が細胞外で接触する請求項23の方法。 27. 該検出工程が細胞増殖を観測する請求項23の方法。 28. 該検出工程がレセプター遺伝子の遺伝子転写を観測する請求項23の方 法。 29. 該レセプター遺伝子がNF−κBによる転写制御下にある請求項28の 方法。 30. 該検出工程がHTm4のKAP脱リン酸化を観測する請求項23の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 1/16 A61P 13/12 9/10 29/00 13/12 31/22 29/00 35/00 31/22 37/06 35/00 43/00 105 37/06 C07K 14/705 43/00 105 16/28 C07K 14/705 A61K 37/02 16/28 37/52 (72)発明者 アドラ,チェイカー,エヌ. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02109 ボストン,デヴォンシア プレイ ス 1,アパートメント 3601 (72)発明者 レリアス,ジーン―ミッシェル アメリカ合衆国 オハイオ 43215 コロ ンブス,イースト フルトン ストリート 330ビー

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 哺乳動物のHTm4タンパク質をコードする、組み換えDNA分子。 2. 配列番号:3のヌクレオチド配列で特徴づけられる請求項1のDNA分子 。 3. 配列番号:3の673〜738のヌクレオチド配列で特徴づけられる請求 項1のDNA分子。 4. HTm4に結合する抗体。 5. HTm4の細胞質カルボキシル末端ドメインに結合する請求項4の抗体。 6. HTm4のネイティブリガンドに特異的なHTm4のエピトープに結合する請 求項4の抗体。 7. KAPに特異的なエピトープでのHTm4の細胞質カルボキシル末端ドメイ ンのリン酸化部位に結合する請求項4の抗体。 8. TRAF−1、TRAF−2及びTRAF−3からなる群より選ばれるT NFレセプター関連因子に特異的なHTm4のエピトープに結合する請求項4の抗 体。 9. HTm4活性を活性化又は阻害するのに十分な量のHTm4のアゴニスト又は アンタゴニストを哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物のHTm4介在細胞増 殖の病状を治療する方法。 10. アンタゴニストが、抗TRAF−2抗体、抗HTm4抗体及びKAPから なる群より選ばれる請求項9の方法。 11. 細胞増殖の病状が腫瘍である請求項9の方法。 12. 細胞増殖の病状が、アテローム性動脈硬化性血管障害、血管再狭窄、乾 癬、炎症性関節炎、自己免疫疾患、エプスタイン−バーウイルス、炎症及び移植 組織の拒絶反応からなる群より選ばれる疾患に関連する請求項9の方法。 13. アンタゴニストが、抗TRAF−1抗体、抗TRAF−3抗体及びHTm4 のネイティブリガンドに対する抗体からなる群より選ばれる請求項9の方法。 14. 有効量のHTm4又は有効量のHTm4のアゴニストを投与することを含む 、哺乳動物における治療のために細胞増殖を高める方法。 15. アゴニストがHTm4のネイティブリガンド、キナーゼ又は抗KAP抗体 である請求項14の方法。 16. 哺乳動物が外傷性負傷、心筋梗塞、心筋症、腎不全、肝不全及び発作か らなる群より選ばれる症状を有する請求項14の方法。 17. 抗KAP抗体を哺乳動物に投与して、KAPのHTm4タンパク質のカル ボキシル末端への結合を阻害することを含む、哺乳動物中の生きている組織の喪 失に関連する症状の治療のために細胞増殖を高める方法。 18. 症状が、外傷性負傷、心筋梗塞、心筋症、腎不全、肝不全及び発作から なる群より選ばれる請求項17の方法。 19. 該HTm4とHTm4のアンタゴニストとを接触させることを含む、HTm4 のリガンド/抗リガンド結合を阻害する方法。 20. アンタゴニストが、抗TRAF−1抗体、抗TRAF−2抗体、抗TR AF−3抗体、抗HTm4抗体、HTm4のネイティブリガンドに対する抗体及びK APからなる群より選ばれる請求項19の方法。 21. 該HTm4が配列番号:4の193〜214のアミノ酸を含む請求項19 の方法。 22. 抗HTm4抗体、HTm4のネイティブリガンドに対する抗体及びKAPか らなる群より選ばれるHTm4のアンタゴニストの有効量を投与することを含む、 哺乳動物における遺伝性アトピーを治療する方法。 23. モジュレーターの存在下で、HTm4とHTm4の結合相手とを接触させ、 該HTm4の該結合相手への結合を検出することを含む、HTm4活性を調節するた めの化合物をスクリーニングする方法。 24. 該結合相手が、HTm4のネイティブリガンド、KAP、TRAF−1、 TRAF−2、又はTRAF−3である請求項1の方法。 25. 該HTm4及び該結合相手が細胞中で共発現される請求項2の方法。 26. 該HTm4及び該結合相手が細胞外で接触する請求項2の方法。 27. 該検出工程が細胞増殖を観測する請求項2の方法。 28. 該検出工程がレセプター遺伝子の遺伝子転写を観測する請求項2の方法 。 29. 該レセプター遺伝子がNF−κBによる転写制御下にある請求項6の方 法。 30. 該検出工程がHTm4のKAP脱リン酸化を観測する請求項2の方法。
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