JP2001357718A - 高分子固体電解質及びその製造方法 - Google Patents

高分子固体電解質及びその製造方法

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JP2001357718A
JP2001357718A JP2000179633A JP2000179633A JP2001357718A JP 2001357718 A JP2001357718 A JP 2001357718A JP 2000179633 A JP2000179633 A JP 2000179633A JP 2000179633 A JP2000179633 A JP 2000179633A JP 2001357718 A JP2001357718 A JP 2001357718A
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Yoshiyuki Miwa
孔之 三輪
Hiromori Tsutsumi
宏守 堤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 室温付近でも高いイオン伝導性を有し、かつ
優れた成膜性、可撓性及び機械的強度を有する高分子固
体電解質を提供するものである。 【解決手段】 下記一般式(1)で表される少なくとも
1種のオキセタン化合物(ただし、式(1)中、mはそ
れぞれ独立して1〜6であり、nはそれぞれ独立して1
≦n≦20であり、Rは分枝していてもよい炭素数1〜
12のアルキル基である。)の開環重合体からなる高分
子化合物と電解質塩とを含有することを特徴とする高分
子固体電解質に関する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオン伝導性の高
分子固体電解質及びその製造方法に関する。さらに詳し
くは、本発明は、オキセタン化合物の開環重合体からな
る高分子固体電解質であって、リチウムイオンをはじめ
とするアルカリ金属イオン系のイオン伝導性キャリアを
含有させた、高いイオン伝導性を有し、しかも成膜性、
柔軟性及び機械的強度に優れた高分子固体電解質に関す
る。本発明の高分子固体電解質は、一次電池、二次電
池、エレクトロクロミック表示素子、コンデンサ等の電
解質として使用することができる。
【0002】
【従来の技術】一次電池、二次電池、エレクトロクロミ
ック表示素子、コンデンサ等の電解質としては従来より
液体のものが用いられてきた。しかしながら、液体電解
質は、部品外部への液漏れ、電極物質の溶出等が発生し
やすいため長期信頼性の問題がある。これに対して、固
体電解質を用いて前記一次電池、二次電池等を構成した
場合、前記液漏れ等の問題がなく、電池の安全性及び信
頼性が向上する。また、薄膜化することができるため、
電池の薄型化、積層化ができ、部品の小型化、軽量化が
可能になる利点を有している。そのため、固体電解質は
電池その他の電気化学的デバイス材料として注目され、
その研究開発が活発に行われている。
【0003】ところで、固体電解質については、一般的
に高いイオン伝導性を有し、しかも成膜性、柔軟性及び
機械的強度に優れていることが望まれている。
【0004】固体電解質材料としては、従来より、無機
材料からなるものと有機材料からなるものとの大きく二
種類に分けられる。このうち無機材料からなる固体電解
質は比較的イオン伝導性は高いが、結晶体であるために
機械的強度が乏しく、任意の形に成形、成膜するのが困
難な場合が多く、かつ一般に高価格であるため、実用上
の問題がある。
【0005】一方、高分子物質(ポリマー)を使用した
高分子固体電解質は可撓性を有する薄膜に成膜すること
が可能であり、また成形した薄膜には高分子固有の可撓
性により優れた機械的性質を付与することができるた
め、高分子固体電解質からなる薄膜は、無機材料からな
る固体電解質に比べて利点を多く有している。このため
高分子物質(ポリマー)を使用した高分子固体電解質
は、リチウム二次電池等の高エネルギー密度電池用の固
体電解質材料として、開発が続けられている。
【0006】このような高分子固体電解質としては、種
々のポリマーを用いた固体電解質が提案されている。例
えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシ
ド、ポリエチレンイミン、ポリエピクロルヒドリン、ポ
リエチレンサクシネート等のポリマーと、Li、Na等
の無機イオン塩との組み合わせからなる固体電解質組成
物及びそれらの組成物を用いた電池が多数提案されてい
る(例えば、特開昭55−98480号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の組成物はイオン伝導性が充分ではなく、さらに高いイ
オン伝導性を有し、しかも成膜性、柔軟性及び機械的強
度に優れた高分子固体電解質が求められている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、オキセタ
ン誘導体について検討を重ねた結果、特定のオキセタン
化合物の開環重合体からなる高分子化合物が高いイオン
伝導性を有し、しかも成膜性、柔軟性及び機械的強度に
優れた新規な高分子固体電解質であることを見出し、本
発明に至った。
【0009】すなわち、本発明は、下記一般式(1)〜
(3)で表される少なくとも1種のオキセタン化合物
(ただし、式(1)及び(2)中、mはそれぞれ独立し
て1〜6であり、nはそれぞれ独立して1≦n≦20で
あり、また式(1)中、Rは分枝していてもよい炭素数
1〜12のアルキル基である。)の開環重合体からなる
高分子化合物と電解質塩とを含有することを特徴とする
高分子固体電解質に関する。
【0010】
【化7】
【0011】
【化8】
【0012】
【化9】
【0013】また、本発明は、前記一般式(1)〜
(3)で表される少なくとも1種のオキセタン化合物
(ただし、式(1)及び(2)中、mはそれぞれ独立し
て1〜6であり、nはそれぞれ独立して1≦n≦20で
あり、また式(1)中、Rは分枝していてもよい炭素数
1〜12のアルキル基である。)を触媒存在下に開環重
合することを特徴とする高分子固体電解質の製造方法に
関する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明の高分子固体電解質に含有される電解質塩
としては、従来の高分子固体電解質に用いられているも
のを使用することができる。例えば、LiBr、LiC
l、LiI、LiSCN、LiBF4、LiAsF6、L
iClO4、CH3COOLi、CF3COOLi、Li
CF3SO3、LiPF6、LiN(CF3SO2 2、Li
C(CF3SO23、LiN(C25SO22、LiP
3(CF33、LiPF3(C253、LiPF4(C
252、LiPF3(iso−C373、LiPF
5(iso−C37)等のリチウム塩を使用することが
できる。この場合、電解質塩としては単独種を使用して
もよく複数種の塩を同時に使用してもよい。
【0015】また、電解質塩としては、上述のリチウム
塩のアニオンと、リチウム以外のアルカリ金属、例えば
カリウム、ナトリウム等との塩を併用することもでき
る。本発明において、高分子化合物と電解質塩との構成
割合が、エーテル鎖[−O−]に対する電解質塩のモル
比([電解質塩]/[エーテル鎖])が、0.01〜
0.9であることが好ましい。
【0016】なお、本発明の高分子固体電解質において
使用されるオキセタン化合物としては、上記式(1)、
(2)で表されるm、nが特定されたユニットを有する
化合物を単独で使用することができ、さらに複数種のユ
ニットを有している混合物を使用することができる。
【0017】本発明の高分子固体電解質の製造方法にお
いて、使用される触媒として、前記電解質塩及び/又は
カチオン開始剤を挙げることができる。触媒として、L
iBF4、LiAsF6、LiPF6、LiN(CF3SO
22、LiN(C25SO22等から選ばれる少なくと
も1種の電解質塩を使用すると、高分子固体電解質に含
有される電解質塩としても使用することができ、また、
得られた高分子化合物中に前記電解質塩を均一に分散さ
せることができるため、イオン伝導率に優れ、安定した
特性の高分子化合物を提供することができるので好まし
い。
【0018】また、本発明の高分子固体電解質の製造方
法において、使用される他の触媒として、第四級アンモ
ニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニ
ウム塩及びヨードニウム塩等のカチオン開始剤の少なく
とも1種を挙げることができる。カチオン開始剤の具体
例としては、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロ
ボレート、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホ
スフェート、テトラブチルアンモニウムハイドロゲンサ
ルフェート等の第四級アンモニウム塩;エチルトリフェ
ニルホスホニウム六フッ化アンチモン、テトラブチルホ
スホニウム六フッ化アンチモン等のホスホニウム塩;ト
リフェニルスルホニウム四フッ化ホウ素、アデカオプト
ンSP−150(旭電化工業社製、対イオン:P
6)、アデカオプトンSP−170(旭電化工業社
製、対イオン:SbF6)、アデカオプトンCP−66
(旭電化工業社製、対イオン:SbF6)、アデカオプ
トンCP−77(旭電化工業社製、対イオン:Sb
6)、サンエイドSI−60L(三新化学工業社製、
対イオン:SbF6)等のスルホニウム塩;塩化ベンゼ
ンジアゾニウム、臭化ベンゼンジアゾニウム、アメリカ
ン・キャン社製のAMERICURE(対イオン:BF
4)、旭電化工業社製のULTRASET(対イオン:
BF4、PF6)等のジアゾニウム塩;ヨウ化トルエンジ
アゾニウム、ジフェニルヨードニウム六フッ化砒素、ジ
4−クロロフェニルヨードニウム六フッ化砒素、ゼネラ
ル・エレクトリック社製のUVEシリーズ、ミネソタ・
マイニング・アンド・マニファクチュアリング社製のF
Cシリーズ、東芝シリコーン社製のUV−9310C
(対イオン:SbF6)、ローヌプーラン社製のPhotoin
itiator 2074(対イオン:(C654B)等のヨ
ードニウム塩を挙げることができる。
【0019】さらに、前記カチオン開始剤の少なくとも
1種とともに、LiBr、LiCl、LiI、LiSC
N、LiBF4、LiAsF6、LiClO4、CH3CO
OLi、CF3COOLi、LiCF3SO3、LiP
6、LiN(CF3SO22、LiC(CF3
23、LiN(C25SO22、LiPF3(CF3
3、LiPF3(C253、LiPF4(C252、L
iPF3(iso−C373、LiPF5(iso−C3
7)等の電解質塩の少なくとも1種を併用することも
できる。
【0020】前記オキセタン化合物に前記カチオン開始
剤や電解質塩を含有させて加熱又は光照射することによ
り、開環重合を行い本発明の高分子固体電解質を得るこ
とができる。加熱により開環重合を行う場合、通常有機
溶媒存在下に行うことが好ましい。また、紫外線、電子
線等による光照射により開環重合を行う場合には、前も
って有機溶媒を取り除くことが好ましい。
【0021】本発明の高分子固体電解質の製造方法にお
いて、通常使用される有機溶媒としては、テトラヒドロ
フラン、酢酸エチル、アセトン、メチルイソブチルケト
ン、メタノール、エタノール、イソプロピレンピルアル
コール、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート
等の極性溶媒が好ましく、また、オキセタンの開環反応
を阻害しないものが好ましい。
【0022】本発明の高分子固体電解質は、前記極性溶
媒にオキセタン化合物と触媒を均一に溶解した溶液を平
坦な基板にキャストして、30〜150℃、好ましくは
40〜100℃で加熱することにより、溶媒を蒸発させ
るのと平行してオキセタンの開環反応を行うことにより
好適に製造することができる。触媒として、LiB
4、LiAsF6、LiPF6等の比較的熱安定性が低
い電解質塩を使用する場合には、減圧下に加熱すること
が好ましい。
【0023】また、本発明の高分子固体電解質において
は、その構造材となる高分子化合物を、上記式(1)の
ユニットを有する高分子化合物のみから構成することが
できるが、上記式(1)のユニットを有する高分子化合
物の他に、これと相溶性のある他の高分子化合物をブレ
ンドしたポリマーブレンドから構成することもできる。
この場合、他の高分子化合物としては、例えば、ポリエ
チレンオキシド(PEO)やエチレンカーボネートメタ
クリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、メトキ
シテトラエチレングリコールメタクリレート等のアクリ
レート類の少なくとも1種の重合体や共重合体を挙げる
ことができる。また、ブレンドの割合は、高分子固体電
解質フィルムに必要とされるイオン伝導率や柔軟性等に
応じて適宜定めることができる。
【0024】また、本発明の高分子固体電解質の用途と
しては、リチウム電池等の高エネルギー密度電池をはじ
めとする種々の電気化学的デバイス材料として使用する
ことができる。
【0025】本発明において使用されるオキセタン化合
物において、一般式(1)で表されるオキセタン化合物
としては、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル
オキセタン(En3;一般式(1)中、m=2、n=
3、R=メチル基)、ポリエチレングリコールモノメチ
ルエーテルオキセタン(En9;一般式(1)中、m=
2、n=9、R=メチル基)、ポリエチレングリコール
モノエチルエーテルオキセタン(一般式(1)中、m=
2、n=3、R=エチル基)、ポリエチレングリコール
モノiso−プロピルエーテルオキセタン(一般式
(1)中、m=2、n=3、R=iso−プロピル
基)、ポリエチレングリコールモノn−ブチルエーテル
オキセタン(一般式(1)中、m=2、n=3、R=n
−ブチル基)、ポリエチレングリコールモノメチルエー
テルオキセタン(一般式(1)中、m=2、n=2、R
=メチル基)、ポリエチレングリコールモノエチルエー
テルオキセタン(一般式(1)中、m=2、n=2、R
=エチル基)、ポリエチレングリコールモノn−ブチル
エーテルオキセタン(一般式(1)中、m=2、n=
2、R=n−ブチル基)等を挙げることができる。ま
た、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテルオキ
セタン(一般式(1)中、m=3、n=2、R=メチル
基)、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテルオ
キセタン(一般式(1)中、m=3、n=3、R=メチ
ル基)、ポリプロピレングリコールモノn−プロピルエ
ーテルオキセタン(一般式(1)中、m=3、n=3、
R=n−プロピル基)等を挙げることができる。さら
に、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルオキセ
タン(一般式(1)中、m=2、n=6、R=メチル
基)等を挙げることができる。また、一般式(2)で表
されるオキセタン化合物としては、ジエチレングリコー
ルビスオキセタン(DDOE;一般式(2)中、m=
2、n=2)、トリエチレングリコールビスオキセタン
(TrDOE;一般式(2)中、m=2、n=3)、テ
トラエチレングリコールビスオキセタン(TeDOE;
一般式(2)中、m=2、n=4)等を挙げることがで
きる。さらに、一般式(3)で表される3,3’−(オ
キシジメチレン)ビス(3−エチルオキセタン)(DO
E)を挙げることができる。
【0026】本発明において使用される一般式(2)で
表されるオキセタン化合物は、例えば以下のような方法
により製造することができる。
【0027】[ジエチレングリコールビスオキセタン
(DDOE;一般式(2)中、m=2、n=2)の合成
例]ジエチレングリコール(DEG)50gとトリエチ
ルアミン(Et3N)136gとをクロロホルム300
mlのような溶媒に加え、窒素雰囲気下、メタンスルホ
ニルクロリド(MsCl)140gを10℃を越えない
ように滴下する。滴下終了後、徐々に室温に戻して反応
する。次に反応液に水を加えて有機層を回収し、この有
機層を水洗、脱水後、クロロホルムを留去すると、オイ
ル層が得られる。次に3−エチル−3−ヒドロキシメチ
ルオキセタン(EHO)92gと35%水酸化ナトリウ
ム溶液68gとをトルエン300mlのような溶媒に加
え、共沸で所定量の水を除いた後、40〜50℃の温度
で先に合成したオイル層をゆっくりと加え、60℃で1
時間程度反応後、110℃で4時間程度反応させる。次
に水を加えてトルエン層を回収し、このトルエン層を水
洗、乾燥後、減圧蒸留すると目的物であるDDOE(1
mmHg、178℃)が得られる。
【0028】上記と同様な方法により、エチレングリコ
ールの代わりにトリエチレングリコール又はテトラエチ
レングリコールを使用することにより、それぞれトリエ
チレングリコールビスオキセタン(TrDOE(1mm
Hg、195℃);一般式(2)においてm=2、n=
3)又はテトラエチレングリコールビスオキセタン(T
eDOE(1mmHg、203℃);一般式(2)にお
いてm=2、n=4)を合成することができる。
【0029】また、一般式(1)で表されるオキセタン
化合物は、例えば以下のような方法により製造すること
ができる。
【0030】[En3(一般式(1)中、m=2、n=
3、R=メチル基)の合成例]3−エチル−3−ヒドロ
キシメチルオキセタン(EHO)91g、トリエチルア
ミン(Et3N)115gをトルエン300mlの溶媒
に加え、10℃を越えないようにメタンスルホニルクロ
リド(MsCl)をゆっくり滴下した後、室温で撹拌
し、反応させる。反応終了後、水及びトルエンを加え
て、トルエン層を回収し、さらにトルエン層を水洗浄
後、乾燥後、減圧蒸留することにより3−エチル−3−
(メタンスルホニル)オキシメチルオキセタン(EHO
−Ms(2mmHg、120℃))が得られる。
【0031】次いで、得られたEHO−Msをトルエン
のような溶媒中、トリエチレングリコールモノメチルエ
ーテルのNa塩(NaO(CH2CH2O)3CH3)と反
応させ、水洗浄後に減圧蒸留することにより、En3が
得られる。En9の場合もトルエン抽出操作による精製
を行う以外はEn3と同様にして得られる。
【0032】さらに、一般式(3)で表される3,3’
−(オキシジメチレン)ビス(3−エチルオキセタン)
(DOE)は、3−エチル−3−(メタンスルホニル)オ
キシメチルオキセタン(EHO−Ms)と3−エチル−
3−ヒドロキシメチルオキセタン(EHO)とをアルカ
リ存在下に反応させることにより得られる。
【0033】
【実施例】以下に実施例を示し、具体的に本発明の内容
を説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限
定されるものではない。
【0034】実施例1 [高分子固体電解質フィルムの作製]十分に脱水したア
セトンにLiBF4を添加し、十分に攪拌して均一溶液
とし、さらに攪拌しながら前記合成例で得られたオキセ
タン化合物(DDOE、TrDOE、TeDOE)のエ
ーテル鎖に対して[Liイオン]/[−O−ユニット]
=0.39となるように前記合成例で得られたオキセタ
ン化合物を加え、完全に溶解するまで攪拌した後、キャ
スト法により成膜した。即ち、溶液を底面が平滑なテフ
ロン(登録商標)製シャーレに入れ、窒素雰囲気下40
〜60℃の温度範囲に設定した恒温器中で約1時間かけ
て溶媒を蒸発させ、さらに70℃で1時間以上真空加熱
して溶媒を完全に除去するとともに、オキセタン化合物
の開環重合体を得ることにより、高分子固体電解質フィ
ルムを得た。
【0035】こうして得られた高分子固体電解質フィル
ムは可撓性に富んだフィルムであった。このフィルムの
厚さについては、目的に応じて所定の厚さに適宜作製す
ることができるが、ここでは後述するようにイオン伝導
率を評価するため、厚さ50〜150μmのものを作製
した(試料番号1〜13)。
【0036】[イオン伝導率の評価]得られた高分子固
体電解質フィルムのイオン伝導率を次のようにして評価
した。即ち、高分子固体電解質フィルムをステンレス板
の電極に圧着し、温度可変式の恒温装置を所定温度に設
定してその中に評価用セルを入れ、評価用セルがその温
度で定常状態となるように約1時間放置した。そして、
定電圧複素数インピーダンス法(交流振幅電圧10m
V、交流の周波数帯域1Hz〜500kHz、温度30
℃)により得られた半円弧部からイオン伝導率を解析的
に算出した。その結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1から分かるように、実施例の高分子固
体電解質フィルムは、室温近傍の温度領域におけるイオ
ン伝導率が、従来のPEOその他の高分子化合物とアル
カリ金属塩とからなる高分子固体電解質フィルムの室温
近傍の温度領域におけるイオン伝導率に比べて著しく高
いことが確認できた。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、室温付近でも高いイオ
ン伝導性を有し、かつ優れた成膜性、可撓性及び機械的
強度を有する高分子固体電解質を得ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)〜(3)で表される少
    なくとも1種のオキセタン化合物(ただし、式(1)及
    び(2)中、mはそれぞれ独立して1〜6であり、nは
    それぞれ独立して1≦n≦20であり、また式(1)
    中、Rは分枝していてもよい炭素数1〜12のアルキル
    基である。)の開環重合体からなる高分子化合物と電解
    質塩とを含有することを特徴とする高分子固体電解質。 【化1】 【化2】 【化3】
  2. 【請求項2】 高分子化合物と電解質塩との構成割合
    が、エーテル鎖[−O−]に対する電解質塩のモル比
    ([電解質塩]/[エーテル鎖])として、0.01〜
    0.9である請求項1記載の高分子固体電解質。
  3. 【請求項3】 下記一般式(1)〜(3)で表されるオ
    キセタン化合物(ただし、式(1)及び(2)中、mは
    それぞれ独立して1〜6であり、nはそれぞれ独立して
    1≦n≦20であり、また式(1)中、Rは分枝してい
    てもよい炭素数1〜12のアルキル基である。)を触媒
    存在下に開環重合することを特徴とする高分子固体電解
    質の製造方法。 【化4】 【化5】 【化6】
  4. 【請求項4】 前記開環重合を前記触媒を含む有機溶媒
    を30〜150℃で加熱することにより行う請求項3記
    載の高分子固体電解質の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記触媒が電解質塩及び/又はカチオン
    開始剤である請求項3〜4記載の高分子固体電解質の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記有機溶媒が極性溶媒である請求項4
    記載の高分子固体電解質の製造方法。
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