JP2001353224A - 医療用酸素濃縮器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 室内の空気を清浄化する空気清浄手段を備え
た医療用酸素濃縮器を提供する。 【解決手段】 空気中の酸素を濃縮して患者に供給する
医療用酸素濃縮器において、医療用酸素濃縮器に吸込ま
れた室内の空気の一部を清浄化して室内へ吐出する空気
清浄手段を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、室内の空気を清
浄化する空気清浄手段を備えた在宅酸素療法に使用する
医療用酸素濃縮器に関する。

【０００２】

【従来の技術】在宅酸素療法に使用する医療用酸素濃縮
器は、室内の空気を原料にしてその中に含まれる酸素を
濃縮して利用するものである。

【０００３】その濃縮方法は、空気中の窒素を選択的に
吸着する吸着剤を充填した吸着筒に空気を加圧して充填
し、窒素を吸着分離する圧力変動吸着法が一般的であっ
た。

【０００４】この種の従来の医療用酸素濃縮器として、
例えば、特開２０００−３７４５８号公報に記載の医療
用酸素濃縮器が提案されていた。

【０００５】従来、在宅酸素療法を行っている患者は、
室内の空気を清浄化するためには空気清浄装置を別に用
意するのが一般的であった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】このため、医療用酸素
濃縮器と空気清浄装置とを使用する患者は室内を有効に
使いたいと言う要望が強くなっていた。

【０００７】そこで、本発明は、上述の点に考慮して、
室内の空気を清浄化する空気清浄手段を備えた医療用酸
素濃縮器を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項１にかかる発明は、空気中の酸素を濃縮して
患者に供給する医療用酸素濃縮器において、医療用酸素
濃縮器に吸込まれた室内の空気の一部を清浄化して室内
へ吐出する空気清浄手段を備えることを特徴とする。

【０００９】請求項２にかかる発明は、空気清浄手段
は、脱臭機能を有することを特徴とする。

【００１０】請求項３にかかる発明は、空気清浄手段
は、医療用酸素濃縮器で精製した濃縮酸素の一部を流用
して生成したオゾンによる脱臭機能を有することを特徴
とする。

【００１１】請求項４にかかる発明は、脱臭機能はその
出口に残存するオゾンを除去するオゾン分解フィルタを
備えることを特徴とする。

【００１２】請求項５にかかる発明は、脱臭機能は、マ
イナスイオンを発生するイオン発生機能を備えることを
特徴とする。

【００１３】

【発明の実施の形態】本発明の実施例を図１乃至図４を
参照して説明する。

【００１４】図１は、本発明の実施例を示す医療用酸素
濃縮器の正面の説明図である。図２は、本発明の実施例
を示す医療用酸素濃縮器のフロー図である。

【００１５】図２に示すように、一般に医療用酸素濃縮
器は、空気中の酸素を濃縮する酸素濃縮手段と濃縮した
酸素を患者に供給する供給手段と上述した各手段を制御
する制御手段（図示せず）とを有する。

【００１６】図１に示す１は、本発明の実施例を示す医
療用酸素濃縮器で、その正面に制御手段等を構成する表
示操作部２０と、供給手段を構成する加湿部１７と、空
気清浄手段を構成する空気吸込口１０及び空気吹出口３
０とを備えている。

【００１７】表示操作部２０は、主電源の入り切りを行
う電源スイッチ２１と、供給手段を構成する濃縮酸素取
出口１８及び流量計／調節弁１３と、空気清浄手段の入
り切りを行う空気清浄スイッチ２２と、表示器３５とを
備えている。

【００１８】表示器３５は、液晶ディスプレー等で構成
され医療用酸素濃縮器１の様々な機能の表示が可能とな
っている。

【００１９】次に空気中の酸素を濃縮する酸素濃縮手段
について説明する。

【００２０】酸素濃縮手段は、図２に示すように、室内
の空気を圧縮する圧縮器４と、窒素吸着剤として例えば
ゼオライトを充填した２本の吸着筒２Ａ，２Ｂと、濃縮
した酸素を貯留するアキュムレータ６と、吸着筒２Ａ，
２Ｂへの空気の流れを切り替える５方弁３、オリフィス
７、均圧弁８、逆止弁５Ａ，５Ｂと、排気消音器９等で
構成される。

【００２１】酸素濃縮手段の作動は、次の通りである。

【００２２】患者が医療用酸素濃縮器の電源スイッチ２
１を入れると圧縮器４が運転を開始し、空気吸込口１０
から室内の空気を吸い込み、プレフィルタ２１と空気清
浄フィルタ２２で除塵したあと、約１．５から３kg/cm
に圧縮する。圧縮した空気を５方弁３で加圧側（窒素吸
着工程）の吸着筒２Ａへ導き、その内部の窒素吸着剤に
窒素を吸着させて濃縮酸素とし、それを逆止弁５Ａを通
過させてアキュムレータ６に貯留する。

【００２３】吸着筒２Ａの窒素吸着能力は、窒素吸着剤
の容量により限度があり定期的な再生が必要となる。こ
のため、加圧工程（窒素吸着工程）の吸着筒２Ａを出た
濃縮酸素の一部が、オリフィス７で減圧され減圧工程
（窒素排出工程）の吸着筒２Ｂへ導かれ、窒素吸着剤に
蓄えられた窒素を排出させて、５方弁３で排気消音器９
へ導き器外へ排出して、窒素吸着剤を再生する。この
時、吸着筒２Ｂとアキュムレータ６の間の配管の途中に
設けられた逆止弁５Ｂは、アキュムレータ６からの濃縮
酸素の漏れを防ぐように閉止する。

【００２４】上述した窒素吸着工程と窒素排出工程と
は、制御手段により５方弁３を定期的に切り替え各吸着
筒２Ａ，２Ｂの機能を切り替えて、繰り返し行われアキ
ュムレータ６の圧力が上限に達するまで圧縮器４が運転
される。

【００２５】この時、オリフィス７と並列に設けられた
均圧弁８は、各工程の切り替え直前に開いて各吸着筒２
Ａ，２Ｂの圧力をバランスさせ再び閉じることにより、
各工程の立ち上がり時間を短縮する。

【００２６】次に濃縮した酸素を患者に供給する供給手
段について説明する。

【００２７】図２に示すように、供給手段は、アキュム
レータ６からの濃縮酸素を減圧する減圧弁１１と、流量
計／調節弁１３と、濃縮酸素を除菌清浄化する除菌フィ
ルタ１４と、濃縮酸素を加湿する加湿手段１７と、患者
のカニューラを接続する濃縮酸素取出口１８とで構成さ
れている。

【００２８】次に濃縮した酸素を患者が吸入する時の操
作について説明する。

【００２９】患者は、濃縮酸素取出口１８にカニューラ
のチューブを接続して濃縮酸素の供給を受ける準備をす
る。

【００３０】又、患者が流量計／調節弁１３を操作する
ことにより、アキュムレータ６に貯留した濃縮酸素が減
圧弁１１へ供給される。

【００３１】減圧弁１１で約０．２kg/cmに減圧された
濃縮酸素は、患者が流量計／調節弁１３を調節すること
により医師の処方流量に調節され、除菌フィルタ１４で
除菌され、加湿部１７で加湿され、濃縮酸素取出口１８
から患者のカニューラに導かれる。

【００３２】患者が酸素の吸入を終了すると、患者が流
量計／調節弁１３を操作することにより濃縮酸素の供給
が停止する。

【００３３】次に空気清浄手段の操作について説明す
る。

【００３４】患者が医療用酸素濃縮器の表示操作部２０
の空気清浄スイッチ２２を入れると送風機２３が運転を
開始し、空気吸込口１０から室内の空気を吸い込み、プ
レフィルタ２１と空気清浄フィルタ２２で除塵したあ
と、送風機２３で加速され、オゾン脱臭室２５で脱臭さ
れ、オゾン分解フィルタ２６で残存するオゾンを分解除
去されて、更に除菌フィルタ１４Ａで除菌され、空気吹
出口３０から室内へ吐出される。

【００３５】上述したオゾン脱臭室２５に供給されるオ
ゾンは、患者が空気清浄スイッチ２２を入れることによ
り減圧閉止弁１２が開いて、アキュムレータ６に貯留し
た濃縮酸素が適量だけ減圧されてオゾン発生器２４へ供
給される。

【００３６】オゾン発生器２４は、例えば特開平１１−
３３３４８号公報に記載の脱臭装置のように構成され、
濃縮酸素から効率よくオゾンを生成する。

【００３７】オゾン発生器２４は、例えば特開平９−１
３９２７７号公報に記載の空気イオン装置のように構成
されれば濃縮酸素から効率よくオゾンとマイナスイオン
を生成するようにすることも可能である。

【００３８】なお、本発明は上述した実施例に限定され
ず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であ
る。

【００３９】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１にかかる
発明によれば、空気中の酸素を濃縮して患者に供給する
医療用酸素濃縮器において、医療用酸素濃縮器に吸込ま
れた室内の空気の一部を清浄化して室内へ吐出する空気
清浄手段を備えることにより、室内の空気を清浄化する
空気清浄手段を備えた医療用酸素濃縮器を提供すること
ができる。

【００４０】請求項２にかかる発明によれば、空気清浄
手段は、脱臭機能を有することにより、室内の空気を脱
臭する脱臭機能を備えた医療用酸素濃縮器を提供するこ
とができる。

【００４１】請求項３にかかる発明によれば、空気清浄
手段は、医療用酸素濃縮器で精製した濃縮酸素の一部を
流用して生成したオゾンによる脱臭機能を有することに
より、室内の空気を効率的に脱臭する脱臭機能を備えた
医療用酸素濃縮器を提供することができる。

【００４２】請求項４にかかる発明によれば、脱臭機能
はその出口に残存するオゾンを除去するオゾン分解フィ
ルタを備えることにより、残存オゾンによる被害を防止
する空気清浄手段を備えた医療用酸素濃縮器を提供する
ことができる。

【００４３】請求項５にかかる発明によれば、脱臭機能
は、マイナスイオンを発生するイオン発生機能を備える
ことにより、室内の空気を清浄化する空気清浄手段を備
えた医療用酸素濃縮器を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す医療用酸素濃縮器の正面
の説明図である。

【図２】本発明の実施例を示す医療用酸素濃縮器のフロ
ー図である。

【符号の説明】

１ 医療用酸素濃縮器 ４ 圧縮器 ６ アキュムレータ １８ 濃縮酸素取出口 ２０ 表示操作部 ２２ 空気清浄フィルタ ２５ オゾン発生器 ２６ オゾン分解フィルタ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 毛間内 清文 栃木県足利市大月町１番地 三洋電機空調 株式会社内 (72)発明者 三代 重忠 栃木県足利市大月町１番地 三洋電機空調 株式会社内 (72)発明者 関 康一郎 栃木県足利市大月町１番地 三洋電機空調 株式会社内 Ｆターム(参考） 4C080 AA05 BB02 BB05 CC01 HH05 JJ03 KK08 LL10 MM08 QQ17 4G042 BA15 BA18 BB02 BC04 CB03 CE04

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 空気中の酸素を濃縮して患者に供給する
   医療用酸素濃縮器において、 前記医療用酸素濃縮器に吸込まれた室内の空気の一部を
   清浄化して室内へ吐出する空気清浄手段を備えることを
   特徴とする医療用酸素濃縮器。
2. 【請求項２】 前記空気清浄手段は、脱臭機能を有する
   ことを特徴とする請求項１記載の医療用酸素濃縮器。
3. 【請求項３】 前記空気清浄手段は、前記医療用酸素濃
   縮器で精製した濃縮酸素の一部を流用して生成したオゾ
   ンによる脱臭機能を有することを特徴とする請求項１又
   は２記載の医療用酸素濃縮器。
4. 【請求項４】 前記脱臭機能はその出口に残存するオゾ
   ンを除去するオゾン分解フィルタを備えることを特徴と
   する請求項１乃至３に記載の医療用酸素濃縮器。
5. 【請求項５】 前記脱臭機能は、マイナスイオンを発生
   するイオン発生機能を備えることを特徴とする請求項１
   乃至４に記載の医療用酸素濃縮器。