JP2001349327A - 転がり軸受の予圧調整方法 - Google Patents

転がり軸受の予圧調整方法

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JP2001349327A JP2000167463A JP2000167463A JP2001349327A JP 2001349327 A JP2001349327 A JP 2001349327A JP 2000167463 A JP2000167463 A JP 2000167463A JP 2000167463 A JP2000167463 A JP 2000167463A JP 2001349327 A JP2001349327 A JP 2001349327A
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torque
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Hiroaki Ishikawa
寛明 石川
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2229/00Setting preload

Abstract

(57)【要約】 【課題】 転がり軸受ユニット1の動トルクを測定する
事に基づいて、この転がり軸受ユニット1に付与する予
圧の大きさを調整する作業を、容易且つ正確に、しかも
低コストで行なえる方法を実現する。 【解決手段】 外輪6、6若しくは間座8の外周面にそ
の一端側部分を巻付けた紐14の他端を、作業者の手で
引っ張る事により、これら外輪6、6及び間座8を、5
〜25min-1 の範囲内で定める一定の回転速度で回転さ
せる。この際に上記紐14を引っ張るのに要した力をプ
ッシュプルゲージ15で測定する事に基づき、上記動ト
ルクを測定する。この動トルクの測定時に転がり接触部
を潤滑する潤滑油として、粘度がISO VG100〜
460の範囲にあり、且つ、粘度指数であるVI値が1
80以上のものを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係る転がり軸受の
予圧調整方法は、各種産業機械の回転支持部分に組み込
む転がり軸受に、所定の予圧を付与する為に利用する。
【0002】
【従来の技術】各種機械装置の回転支持部分に組み込む
転がり軸受は、一般に所定の予圧を付与した状態で使用
する。又、この様に転がり軸受に付与する予圧は、この
転がり軸受の剛性及び転がり疲れ寿命を確保する為に、
適正範囲に収める必要がある。この様な目的で転がり軸
受に付与する予圧を調整する方法として従来から、転が
り軸受の起動トルク(起動時の回転抵抗)若しくは動ト
ルク(運転時の回転抵抗)を測定する事に基づく予圧調
整方法が知られている。
【0003】これら起動トルク若しくは動トルクを測定
する事に基づく予圧調整方法は、転がり軸受に付与され
ている予圧と、この転がり軸受の起動トルク若しくは動
トルクとの関係を表す校正曲線を、これら予圧と起動ト
ルク若しくは動トルクとを測定する事に基づいて作成
し、この校正曲線から上記所定の予圧(予圧の適正値)
に対応する起動トルク若しくは動トルクの値を目標値と
して求める。そして、上記転がり軸受に予圧を付与する
際に、この転がり軸受の起動トルク若しくは動トルクを
測定しつつ、この起動トルク若しくは動トルクの値が上
記目標値となる様に、上記転がり軸受に付与する予圧の
調整を行なう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記動トル
クを測定する事に基づく予圧調整方法の場合には、図4
に示す様に、この動トルクと上記予圧との関係を表す校
正曲線が、軸受温度により大きくばらつく。この為、動
トルクの測定時に軸受温度が変化すると、上記予圧を適
正範囲内に収めると言った、正確な予圧調整を行なうの
が難しくなる。この場合、正確な予圧調整を行ない易く
する為には、転がり軸受を恒温室内に長時間保持し、こ
の転がり軸受の温度を所定温度にした状態で、上記動ト
ルクの測定を行なえば良い。但し、この場合には、恒温
室を用意する分、コストが嵩み、しかも測定作業に要す
る時間も長くなって、生産効率が低下する。一方、上記
起動トルクを測定する事に基づく予圧調整方法の場合に
は、図5に示す様に、この起動トルクと上記予圧との関
係を表す校正曲線が、軸受温度が一定である場合にも大
きくばらつく、この為、正確な予圧調整を行なう事は難
しい。
【0005】尚、従来から知られているその他の予圧調
整方法として、転がり軸受を構成する軌道輪を軸方向に
押圧するナットの送り量(螺入量)を規制する事に基づ
く予圧調整方法や、転がり軸受の共振周波数を測定する
事に基づく予圧調整方法等がある。ところが、上記ナッ
トの送り量を規制する事に基づく予圧調整方法の場合に
は、予圧荷重がゼロとなる、ナットのゼロ点位置の見極
めが難しく、しかも、このナットの送り精度も低い為、
正確な予圧調整を行なえなくなる可能性がある。又、上
記共振周波数を測定する事に基づく予圧調整方法の場合
には、この共振周波数を測定する為の測定機器が高価で
あると共に、煩雑な調整作業を行なう必要がある為、コ
ストが嵩むだけでなく、生産効率も低い。
【0006】これに対して、転がり軸受の予圧調整は、
この転がり軸受を組み込んだ機械装置の設置現場に於い
て、容易且つ正確に、しかも低コストで行なえる事が望
ましい。そこで、本発明者は、この様な要望に応えられ
る予圧調整方法を実現する為に、上述した動トルクを測
定する事に基づく予圧調整方法に改良を加えて本発明を
なすに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の対象となる転が
り軸受は、外周面に内輪軌道を有する内輪と、内周面に
外輪軌道を有する外輪と、これら内輪軌道と外輪軌道と
の間に転動自在に設けた複数個の転動体とを備え、所定
の予圧を付与した状態で使用する。又、本発明の転がり
軸受の予圧調整方法は、前述した従来の動トルクを測定
する事に基づく予圧調整方法と同様、上記転がり軸受に
上記所定の予圧を付与すべく、この転がり軸受に付与さ
れている予圧とこの転がり軸受の動トルクとの関係を表
す校正曲線を、これら予圧と動トルクとを測定する事に
基づいて作成する。そして、この校正曲線から上記所定
の予圧に対応する動トルクの値を目標値として求め、上
記転がり軸受に予圧を付与する際に、この転がり軸受の
動トルクを測定しつつ、この動トルクの値が上記目標値
となる様に上記転がり軸受に付与する予圧の調整を行な
う。
【0008】特に、本発明の転がり軸受の予圧調整方法
に於いては、上記動トルクは、上記内輪と上記外輪との
うちの一方の軌道輪を静止させた状態で、これら内輪と
外輪とのうちの他方の軌道輪を、5〜25min-1 の範囲
内で定める一定の回転速度で回転させる為に必要な、こ
の他方の軌道輪に加える力として測定する。又、この力
を測定する際に、上記各転動体の転動面と上記内輪、外
輪両軌道との転がり接触部を潤滑する潤滑油として、粘
度がISO VG100〜460{JIS表記(JIS
K 2239)で、ISO VG100は、90.0
〜110cSt(40℃)に、ISO VG460は、
414〜506cSt(40℃)に、それぞれ対応す
る。}の範囲にあり、且つ、粘度指数であるVI値が1
80以上のものを使用する。
【0009】
【作用】上述の様に構成する本発明の転がり軸受の予圧
調整方法によれば、転がり軸受に付与する予圧の調整
を、正確且つ容易に、しかも低コストで行なえる。即
ち、本発明の場合、動トルクを測定する際には、内輪と
外輪とのうちの他方の軌道輪にトルクを加える事によ
り、この他方の軌道輪を5〜25min-1 の範囲内で定め
る一定の回転速度で回転させる。この様に他方の軌道輪
を回転させる作業は、例えば、この他方の軌道輪の外周
面にその一端側部分を巻付けた紐の他端を、この他方の
軌道輪の中心軸に対し捻れの位置で、且つこの中心軸の
方向に対し直角方向に、作業者の手で引っ張る事により
行なえる。又、本発明の場合、上記動トルクは、上述の
様に他方の軌道輪に加えた力として測定するが、この力
は、上記紐を引っ張るのに要した力を、この紐の他端に
結び付けたプッシュプルゲージ等の簡単な測定器で測定
する事により、容易に測定できる。この為、本発明の場
合には、上記動トルクを測定する作業を、容易且つ低コ
ストで行なえる。
【0010】又、上述の様に紐の他端を引っ張る事によ
り、上記他方の軌道輪を一定の回転速度を保持しつつ安
定して回転させる為には、転がり軸受を構成する転動体
の転動面と内輪、外輪両軌道との転がり接触部の潤滑状
態を良好に保持すると共に、転がり軸受の動トルクが大
きくなり過ぎない様にする必要がある。この為に本発明
の場合には、上記転がり接触部を潤滑する潤滑油とし
て、粘度がISO VG100〜460の範囲にあるも
のを使用する事により、上記安定した回転を実現可能と
している。尚、潤滑油の粘度を上記範囲に限定した具体
的な理由は、後述する実施の形態で説明する。
【0011】又、本発明の場合、上記潤滑油として、粘
度指数(VI値)が大きい(VI値≧180)もの、即
ち、温度変化に対して粘度が変化しにくいものを使用す
る。この為、本発明の場合には、軸受温度の差異に基づ
く上記動トルクのばらつきを十分に小さく抑える事がで
きる。即ち、前述の図4に示した様に、転がり軸受の動
トルクが軸受温度の差異に基づいて大きくばらつくの
は、この軸受温度の変化に伴って上記潤滑油の粘度が変
化し、これに伴って上記転動体の転がり抵抗等が変化す
る為である。従って、本発明の様に上記潤滑油としてV
I値が大きいものを使用すれば、軸受温度の差異に基づ
く上記動トルクのばらつきを十分に小さく抑える事がで
きる。尚、潤滑油のVI値を上記範囲に限定した具体的
な理由は、後述する実施の形態で説明する。
【0012】又、上述した様に、軸受温度の変化に伴っ
て上記潤滑油の粘度が変化すると、これに伴って上記転
動体の転がり抵抗等も変化するが、この様に転動体の転
がり抵抗等が変化する割合は、上記他方の軌道輪の回転
速度を小さくする事により小さくできる。本発明の場合
には、上記他方の軌道輪を低速度(5〜25min-1 の範
囲内で定める一定の回転速度)で回転させる為、上記転
がり抵抗等が変化する割合を小さくできる。従って、こ
の点からも、軸受温度の差異に基づく上記動トルクのば
らつきを小さく抑える事ができる。この結果、本発明の
場合には、転がり軸受に付与されている予圧とこの転が
り軸受の動トルクとの関係を表す校正曲線として、軸受
温度の差異に基づくばらつきが十分に小さいものを作成
する事ができる。従って、この様に作成した校正曲線を
利用して、この校正曲線を作成した場合と同様の条件に
より、前述した動トルクを測定する事に基づく予圧調整
方法を行なえば、軸受温度を決定する周辺環境に左右さ
れる事なく、予圧調整を容易且つ正確に、しかも低コス
トで行なえる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1〜3は、本発明の実施の形態
の1例を示している。本発明により予圧の調整を行なう
対象となる転がり軸受ユニット1は、1対の円すいころ
軸受2、2を背面組み合わせで組み合わせる事により構
成した、複列円すいころ軸受である。上記各円すいころ
軸受2、2はそれぞれ、外周面に円すい凸面状の内輪軌
道3を有する内輪4と、内周面に円すい凹面状の外輪軌
道5を有する外輪6と、これら内輪軌道3と外輪軌道5
との間に転動自在に設けた複数個の円すいころ7、7と
から成る。そして、上記転がり軸受ユニット1は、上記
1対の円すいころ軸受2、2の上記各軌道3、5の小径
側の端面同士を対向させた状態で、これら各円すいころ
軸受2、2を構成する外輪6、6同士の間に、円環状の
間座8を軸方向に挟持する事により構成している。尚、
この状態で、1対の内輪4、4の互いに対向する端面同
士の間には、隙間が存在する。又、上記各外輪6、6及
び間座8が、上記転がり軸受ユニット1を構成する外輪
となる。
【0014】上述の様な転がり軸受ユニット1は、鉛直
方向に配置した、使用時に回転する回転体9の端部(図
1の上端部)に固設した小径の支持軸部10の外周面
に、外嵌支持している。即ち、上記各内輪4、4を上記
支持軸部10に外嵌固定すると共に、これら各内輪4、
4を、上記支持軸部10の基端部に設けた段部11とこ
の支持軸部10の先端部に設けた雄ねじ部12に螺合し
更に緊締したナット13との間で、軸方向に挟持してい
る。そして、この様に1対の内輪4、4を軸方向に挟持
した状態で、これら各内輪4、4に互いに近づき合う方
向の力が加わり、上記転がり軸受ユニット1に予圧が付
与される。尚、この予圧の大きさは、上記ナット13の
送り量を変える事により調整自在である。
【0015】本発明の転がり軸受の予圧調整方法によ
り、上述の様な転がり軸受ユニット1に所定の予圧を付
与する作業を行なう場合には、前述した従来の動トルク
を測定する事に基づく予圧調整方法の場合と同様、先
ず、上記転がり軸受ユニット1に付与されている予圧
と、この転がり軸受ユニット1の動トルクとの関係を表
す校正曲線を、これら予圧と動トルクとを測定する事に
基づいて作成する。本例の場合、上記転がり軸受ユニッ
ト1に付与されている予圧は、前記間座の外周面に貼り
付けた歪みゲージにより測定する。又、上記転がり軸受
ユニット1の動トルクは、上述の様に支持軸部10に外
嵌固定した各内輪4、4を静止させた状態で、上記各外
輪6、6及び間座8を一定の回転速度で回転させる為に
必要な、これら各外輪6、6及び間座8に加える力とし
て測定する。
【0016】本例の場合、上述の様に各外輪6、6及び
間座8を一定の回転速度で回転させる作業は、上記外輪
6、6若しくは間座8の外周面にその一端側部分を巻付
けた紐14の他端を、これら各外輪6、6及び間座8の
中心軸に対して捻れの位置で、且つこの中心軸の方向に
対し直角方向に、作業者の手で引っ張る事により行な
う。この様に紐14の他端を作業者の手で引っ張る為、
上記トルクはあまり大きくはできず、せいぜい引っ張り
力(接線力)として100N程度に抑える必要がある。
又、回転速度とトルクとの間に明確な比例関係がある事
が望ましい。これらの事を考慮すれば、上記各外輪6、
6及び間座8を、人力により一定の回転速度を保持しつ
つ安定して回転させる事ができ、しかもトルクとの関係
を明確にできる回転速度範囲は、図2に示す様に、5〜
25min-1 の範囲にする必要がある。この為、本発明の
場合には、上記一定の回転速度を、5〜25min-1 の範
囲に規制している。又、本例の場合、上記動トルクは、
この様に各外輪6、6及び間座8を一定の回転速度で回
転させる為に必要な、上記紐14の引っ張り力(これら
各外輪6、6及び間座8の外周面に加える接線力)とし
て測定する。本例の場合、この紐14を引っ張るのに要
した力は、この紐14の他端を結び付けたプッシュプル
ゲージ15により測定する。この様に本例の場合には、
上記動トルクの測定を、容易且つ低コストで行なえる。
【0017】尚、上述の様に紐14の他端を引っ張る事
により、上記各外輪6、6及び間座8を一定の回転速度
を保持しつつ安定して回転させる為には、前記各円すい
ころ7、7の転動面と前記内輪、外輪両軌道3、5との
転がり接触部の潤滑状態を良好に保持する必要がある。
即ち、本発明の様に上記各外輪6、6及び間座8を、上
述した5〜25min-1 程度の低速度で回転させる場合に
は、上記転がり軸受ユニット1に付与する予圧が所定値
に達する前に、上記転がり接触部に十分な油膜が形成さ
れなくなって、この転がり接触部で金属同士が直接接触
する、所謂金属接触が発生する可能性がある。この様な
金属接触が発生した場合には、上記紐14を引っ張る事
に基づいて上記各外輪6、6及び間座8を一定速度で回
転させるのが難しくなるだけでなく、トルク測定の条件
が不安定になり、トルクと予圧との関係に再現性がなく
なる。
【0018】一方、上述の様に各外輪6、6及び間座8
を5〜25min-1 程度の低速度で回転させる場合にも、
上記転がり接触部に良好な油膜が形成される様にする為
には、上記転がり接触部を潤滑する潤滑油の粘度が、I
SO VG100以上である必要がある。但し、この粘
度がISO VG460より大きくなると、上記転がり
軸受ユニット1の動トルクが過大となって、やはり上記
紐14を引っ張る事に基づいて上記各外輪6、6及び間
座8を一定速度で回転させるのが難しくなる。この為、
本発明の場合には、上記動トルクを測定する際に使用す
る上記潤滑油として、粘度がISO VG100〜46
0の範囲にあるものを使用している。
【0019】又、上記転がり軸受ユニット1の運転時に
は、上記潤滑油としてVI値(粘度指数)が100程度
の鉱油を使用する事が多いが、上記動トルクの測定時に
この様な潤滑油を使用すると、前述の図4に示した様
に、この動トルクが軸受温度の差異に基づいて大きくば
らついてしまう。即ち、前述した様に、軸受温度の差異
に基づく上記動トルクのばらつきを抑える為には、上記
潤滑油のVI値を大きくする必要がある。特に、軸受温
度が15〜25℃となる環境下で上記動トルクを測定す
る事を考慮すると、この15〜25℃の温度範囲で上記
動トルクのばらつきを十分に抑える為には、上記潤滑油
としてVI値が180以上のものを使用する必要があ
る。この為、本発明の場合には、上記動トルクを測定す
る際に使用する上記潤滑油として、VI値が180以上
のものを使用している。
【0020】上述の様な測定条件に基づいて作成した、
上記転がり軸受ユニット1の予圧と動トルクとの関係を
表す校正曲線を、図3に示す。この図3から明らかな通
り、本発明の場合には、軸受温度の差異に基づく上記校
正曲線ばらつきを極く小さくできる。この様に転がり軸
受ユニット1の予圧と動トルクとの関係を表す校正曲線
を作成したならば、次いで、この校正曲線から上記転が
り軸受ユニット1に付与すべき所定の予圧に対応する動
トルクの値を目標値として求める。上記転がり軸受ユニ
ット1に予圧を付与する際には、この転がり軸受ユニッ
ト1の動トルクを、上述した測定条件により(上記校正
曲線を作成した場合と同様の潤滑油を使用し、同様の回
転速度で)測定しつつ、この動トルクの値が上記目標値
となる様に、上記転がり軸受ユニット1に付与する予圧
の調整を行なう。
【0021】上述の様な本発明の転がり軸受の予圧調整
方法の場合には、軸受温度の差異に基づく上記校正曲線
ばらつきを極く小さくできる。この為、この校正曲線を
利用して、上述の様に転がり軸受ユニット1の予圧調整
を行なえば、軸受温度を決定する周辺環境に左右される
事なく、この予圧調整を正確に行なえる(上記予圧を適
正範囲に収める事ができる)。この為、本発明の場合に
は、複数の転がり軸受ユニット1に就いての予圧調整作
業を、効率的に行なえる。尚、本発明による予圧調整作
業が完了した後に、必要な場合には、上記動トルクを測
定する為に使用した潤滑油と、実際の運転時に使用する
潤滑油との交換作業を行なう。尚、上述した実施の形態
では、回転体9を鉛直方向に配置した例に就いて示した
が、本発明は、回転体9を水平方向に配置した場合に就
いても同様に実施できる。
【0022】
【発明の効果】本発明の転がり軸受の予圧調整方法は、
以上に述べた通り構成され作用する為、周辺環境に左右
される事なく、予圧調整を正確に行なえる。又、動トル
クの測定時に煩雑な測定機器の調整を行なう必要がない
為、予圧調整作業を容易に行なえる。更に、予圧調整を
正確に行なう為に高価な測定機器や恒温室等を使用する
必要がない為、予圧調整作業を低コストで行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を、予圧の調整作業
を行なう状態で示す部分断面図。
【図2】転がり軸受の動トルクと、この転がり軸受の回
転輪の回転速度との関係を表す線図。
【図3】本発明の方法により作成した、転がり軸受の動
トルクと予圧との関係を表す線図。
【図4】従来方法により作成した、転がり軸受の動トル
クと予圧との関係を表す線図。
【図5】転がり軸受の起動トルクと予圧との関係を表す
線図。
【符号の説明】
1 転がり軸受ユニット 2 円すいころ軸受 3 内輪軌道 4 内輪 5 外輪軌道 6 外輪 7 円すいころ 8 間座 9 回転体 10 支持軸部 11 段部 12 雄ねじ部 13 ナット 14 紐 15 プッシュプルゲージ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面に内輪軌道を有する内輪と、内周
    面に外輪軌道を有する外輪と、これら内輪軌道と外輪軌
    道との間に転動自在に設けた複数個の転動体とを備え、
    所定の予圧を付与した状態で使用する転がり軸受に、当
    該所定の予圧を付与すべく、この転がり軸受に付与され
    ている予圧とこの転がり軸受の動トルクとの関係を表す
    校正曲線を、これら予圧と動トルクとを測定する事に基
    づいて作成し、この校正曲線から上記所定の予圧に対応
    する動トルクの値を目標値として求め、上記転がり軸受
    に予圧を付与する際にこの転がり軸受の動トルクを測定
    しつつ、この動トルクの値が上記目標値となる様に上記
    転がり軸受に付与する予圧の調整を行なう転がり軸受の
    予圧調整方法に於いて、上記動トルクは、上記内輪と上
    記外輪とのうちの一方の軌道輪を静止させた状態で、こ
    れら内輪と外輪とのうちの他方の軌道輪を5〜25min
    -1 の範囲内で定める一定の回転速度で回転させる為に
    必要な、この他方の軌道輪に加える力として測定し、こ
    の力を測定する際に、上記各転動体の転動面と上記内
    輪、外輪両軌道との転がり接触部を潤滑する潤滑油とし
    て、粘度がISO VG100〜460の範囲にあり、
    且つ、粘度指数であるVI値が180以上のものを使用
    する事を特徴とする転がり軸受の予圧調整方法。
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