JP2001343036A - 電動ブレーキ装置 - Google Patents
電動ブレーキ装置Info
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Abstract
の引きずり現象が生じるのを防止する。 【解決手段】 ブレーキパッドの偏摩耗を検出するパッ
ド偏摩耗検出手段を有し(ステップSA1)、制御手段
は、パッド偏摩耗検出手段の検出結果に応じて、ブレー
キパッドとディスクのクリアランスを広げるようにモー
タを制御する(ステップSA8)。
Description
な電動ブレーキ装置に関する。
2000−46082号公報に開示されたものが知られ
ている。この公報に開示された電動ブレーキ装置は、デ
ィスクの両側に配置される一対のブレーキパッドと、前
記一対のブレーキパッドの少なくとも一方に対向させて
キャリパ本体内に設けられたピストンと、前記キャリパ
本体に設けられ、ロータを回転させるモータと、該モー
タにより回転するロータの回転運動を直線運動に変換し
て前記ピストンに伝達する変換機構部と、前記ピストン
のストローク位置を検出する位置検出手段と、制動信号
の入力と前記位置検出手段の検出結果とに基づいて前記
モータを制御する制御手段とを備え、ピストンを介して
ブレーキパッドをディスクに押圧させることで車輪に制
動力を発生させる基本構成になっていて、車両の走行状
態を、例えばアクセルが踏圧操作されているか否かを検
出するアクセル踏圧センサ等の走行状態検出手段によっ
て検出し、その検出結果から運転者が近々ブレーキ操作
を行うであろう旨を判断し、運転者が近々ブレーキ操作
を行うと判断したときには、ブレーキ操作が行われる前
に、ブレーキパッドとディスクのクリアランスを予め狭
め、これによりブレーキ初期の応答性の向上を図ろうと
するものである。
平03−45462号公報に開示されたものも知られて
いる。この公報に開示された電動ブレーキ装置は、フル
ブレーキ状態を検知し、そのときのブレーキパッドの位
置から所定量戻した位置を、ブレーキペダル等のブレー
キ操作部開放時のブレーキパッド位置とし、この位置に
ブレーキパッドを配することで、ブレーキ操作部開放時
に、常に適正なブレーキパッド位置となるように企図し
たものである。
レーキ装置は、いずれもブレーキパッドのディスクのク
リアランスを調整するものではあるが、その目的とする
ところは、あくまでブレーキ初期の応答性の向上を図っ
たり、あるいは、適正なパッド位置を確保しようとする
ものであった。本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、ブ
レーキパッドに偏摩耗が生じているときに該ブレーキパ
ッドに対向配置されているディスクに引きずり現象が生
じており、これが、ブレーキパッドの摩耗量を増加させ
たり、車輪の回転力を低下させたりする要因の一つにな
っていることを見いだした。また、例えば長い降坂を走
行した後の停車中に、摩擦熱によって高温になっている
ディスクからキャリパを介してブレーキモータに熱が伝
わってブレーキモータ自体が高温になっており、これ
が、モータの作動効率を低下させる要因の一つになって
いることを見いだした。
で、その目的とするところは、ブレーキパッドの偏摩耗
に起因するディスクの引きずり現象が生じるのを防止す
ることができる電動ブレーキ装置を提供することにあ
る。また、高温になっているディスクの影響を受けてモ
ータの温度が上昇し、それに伴いモータの効率が低下す
るのを防止することができる電動ブレーキ装置を提供す
ることも目的とする。
は、ディスクの両側に配置される一対のブレーキパッド
と、前記一対のブレーキパッドの少なくとも一方に対向
させてキャリパ本体内に設けられたピストンと、前記キ
ャリパ本体に設けられ、ロータを回転させるモータと、
該モータにより回転するロータの回転運動を直線運動に
変換して前記ピストンに伝達する変換機構部と、前記ピ
ストンのストローク位置を検出する位置検出手段と、制
動信号の入力と前記位置検出手段の検出結果とに基づい
て前記モータを制御する制御手段とを有し、前記ピスト
ンを介してブレーキパッドをディスクに押圧させること
で車輪に制動力を発生させる電動ブレーキ装置におい
て、前記ブレーキパッドの偏摩耗を検出するパッド偏摩
耗検出手段を有し、前記制御手段は、前記パッド偏摩耗
検出手段の検出結果に応じて、前記ブレーキパッドと前
記ディスクのクリアランスを広げるように前記モータを
制御することを特徴としている。
に配置される一対のブレーキパッドと、前記一対のブレ
ーキパッドの少なくとも一方に対向させてキャリパ本体
内に設けられたピストンと、前記キャリパ本体に設けら
れ、ロータを回転させるモータと、該モータにより回転
するロータの回転運動を直線運動に変換して前記ピスト
ンに伝達する変換機構部と、前記ピストンのストローク
位置を検出する位置検出手段と、制動信号の入力と前記
位置検出手段の検出結果とに基づいて前記モータを制御
する制御手段とを有し、前記ピストンを介してブレーキ
パッドをディスクに押圧させることで車輪に制動力を発
生させる電動ブレーキ装置において、前記ディスクの温
度を検出するディスク温度検出手段を有し、前記制御手
段は、前記ディスク温度検出手段の検出結果に応じて、
前記ブレーキパッドと前記ディスクのクリアランスを広
げるように前記モータを制御することを特徴としてい
る。
よってブレーキパッドの偏摩耗が所定のしきい値以上進
んでいると判断した場合には、ブレーキパッドとディス
クのクリアランスを広げるようにモータを制御する。こ
れにより、ブレーキパッドの偏摩耗に起因するディスク
の引きずり現象が生じるのを防止する。また、ディスク
温度検出手段によってディスクの温度が所定値以上にな
っていることを検知したときには、ブレーキパッドとデ
ィスクのクリアランスを広げるようにモータを制御す
る。これにより、高温状態にあるディスクから、ブレー
キパッドおよびそれを支えるキャリパを介してブレーキ
モータに熱が伝わるのを極力低減する。
動ブレーキ装置の実施の形態を図1ないし図5を参照し
て以下に説明する。図1に示すように、電動ブレーキ装
置10は、車両の非回転部に固定されるキャリア12
と、このキャリア12にディスク13の軸線方向両側に
配設された状態で摺動自在に支持される一対のインナパ
ッド14およびアウタパッド15と、二カ所の図示せぬ
摺動案内部においてキャリア12にディスク13の軸線
方向に摺動自在となるよう支持された、インナパッド1
4とアウタパッド15を両側から挾持可能なキャリパ1
7とで主に構成されている。
配置される第1連結部22aおよび第2連結部22b
と、第1連結部22aおよび第2連結部22bの各端部
同士を連結させる二カ所の図示せぬ支持部とを有してい
る。そして、キャリア12は、支持部がディスク13の
周方向における両端位置となるようにディスク13に対
し配置された状態で車体側に固定される。なお、各支持
部に摺動案内部が設けられる。
互に対向するように一対の図示せぬパッドガイドが設け
られており、これらパッドガイドにより、インナパッド
14およびアウタパッド15はディスク13の軸線方向
に沿って摺動自在となるようにそれぞれの両端位置にお
いて支持される。なお、この支持状態でインナパッド1
4およびアウタパッド15は、ディスク13の軸線に平
行な軸線回りの回転が規制されている。
と、該筒状部材25の一側に固定される先端部材27と
を有するハウジング28を具備している。
このモータ33の回転運動を直線運動に変換するボール
ランプ機構(変換機構部)34とが設けられている。モ
ータ33は、筒状部材25の内周部に取り付けられたス
テータ35と、ステータ35の内側に位置して、ステー
タ35に電力が供給されることで回動するロータ36と
を有している。
36の内周部に固定されて回動可能となっている可動ラ
ンプ部材37Aと、該可動ランプ部材37Aに対向して
設けられ筒部51にピンによって固定された固定ランプ
部材37Bと、可動ランプ部材37Aと固定ランプ部材
37Bとの間に介装された複数のボール38とから構成
されている。
Bの対向面に円周方向に沿って円弧状に形成された複数
のボール溝内に摺動可能に配置されており、両ランプ部
材37A,37Bの相対回転によって複数のボール38
が前記ボール溝内を転動して前記相対回転に応じて両ラ
ンプ部材37A,37Bとの軸方向の間隔が変化するよ
うになっている。
軸をなして固定される略円筒状の筒部51と、該筒部5
1の径方向における一側から筒状部材25に対し反対側
に延出するディスクパス部52と、該ディスクパス部5
2の先端側から筒部51と対向するように延出する爪部
53とを有している。
述したボール38が嵌合されており、該ボール38の近
接には、可動ランプ37Aの軸線方向の位置を検出し、
それに基づき前記ピストン部40のストローク位置を検
出する位置検出器(位置検出手段)57が取り付けられ
ている。
持させた状態で、モータ33およびボールランプ機構3
4はそれぞれの軸線をディスク13の軸線に平行するこ
とになり、ボールランプ機構34の内周側に配置されて
いるピストン部40がインナパッド14のディスク13
に対し反対側に当接可能に対向配置され、先端部材27
は、ディスクパス部52がディスク13の外周部を跨ぐ
ように延出して爪部53がアウタパッド15のディスク
13に対し反対側に当接可能に対向配置されることにな
る。上記のような構成により、ロータ36の回転運動が
ボールランプ機構34で直線運動に変換されてピストン
部40に伝達される。この直線運動によりピストン部4
0及び爪部53を介してインナパッド14及びアウタパ
ッド15により、ディスク13を押圧して制動力を発生
させるようになっている。
部と前記ボール38の外側を覆うカバー28との間に
は、ボールランプ機構34の嵌合部分にほこりが入るの
を防止するダストブーツ59が設けられている。
は、車両の前後左右の各車輪に対しそれぞれ設けられて
おり、すべての電動ブレーキ装置10のモータ33およ
び位置検出器57がコントローラ(制御手段)60に接
続されている。ここで、各モータ33はそれぞれを駆動
するためにコントローラ60に設けられた図示せぬモー
タドライバに接続されている。また、コントローラ60
には、ステアリングの切れ角を検出するステアリングセ
ンサ61、車両の左右方向への首振り状況を検出するヨ
ーレイトセンサ62、当該車両と前方の車両との車間距
離を測定する車間距離センサ63、および車両あるいは
車輪の上下方向の加速度を検出する加速度センサ64
が、それぞれ接続されている。
ブレーキ装置の動作について図2に示すフローチャート
を参照しつつ説明する。図2において、図示しないイグ
ニッションスイッチがオンにされると、コントローラ6
0はステップSA1へ進み、パッド偏摩耗検出手段によ
ってパッド14、15の偏摩耗がどの程度であるか測定
する。
すると、図3に示すように、まず、コントローラ60
は、モータ33でボールランプ機構34の可動ランプ部
材37Aを正方向に回転させるとともに、その一方で、
ピストン部40がパッド14,15のディスク13への
接触を開始させたか否かを判断する(ステップSB
1)。
5のディスク13への接触を開始させるまで移動する際
には、まず図4にJ→Kで示すように、モータ33への
駆動電流値が、ほぼ無負荷電流値のままピストン部40
が移動する状態が維持される。そして、パッド14,1
5が偏摩耗の状態にあって、ディスク13への接触を開
始すると、図4にK→Lで示すように、モータ33への
駆動電流値がやや増大する。よって、コントローラ60
はステップSB1において、モータ33への駆動電流値
がプラスの一定値から上昇しかつその単位時間当りの上
昇勾配が予め定められた上下二つのしきい値(下側のし
きい値>0)の範囲内にあると、ピストン部40がパッ
ド14,15のディスク13への接触を開始させる接触
開始位置に位置したと判断して、このときのピストン部
40のストローク位置を位置検出器57で検出される可
動ランプ部材37Aの回転位置に対応させて接触開始位
置として記憶する(ステップSB2)。
で示す偏摩耗のない正常状態のパッド14,15におけ
る上昇勾配の設計値を基準値として設定することになる
が、実際の測定値を基準値として設定してもよい。ま
た、左右輪の上昇勾配を比較しその偏差に応じて左右輪
のしきい値を補正してもよい。
ップSB1でパッド14,15がディスク13への接触
を開始していないと判断していない場合に、パッド1
4,15がディスク13に全面的に接触したか否かを判
断する(ステップSB3)。
5をディスク13へ全面的に接触させるまで移動する
と、図4のL以降に示すように、モータ33への駆動電
流値が偏摩耗しているパッド14,15の接触開始時点
の駆動電流値の上昇勾配より大きい勾配(正常時の勾配
と等しい)で増大する。よって、コントローラ60はス
テップSB3において、モータ33への駆動電流値が上
昇しかつその単位時間当りの上昇勾配が予め定められた
しきい値(上述した接触開始を判断したときの上側のし
きい値より大)を越えていると、ピストン部40がパッ
ド14,15をディスク13へ全面的に接触させる全面
接触位置に位置したと判断して、このときのピストン部
40のストローク位置を、位置検出器57で検出される
可動ランプ部材37Aの回転位置から割り出して全面接
触位置として記憶する(ステップSB4)。
40の接触開始位置から全面接触位置までのストローク
値を(全面接触位置−接触開始位置)で割り出し、この
ストローク値を偏摩耗量とする(ステップSB4)。
場合は、図4に破線で示すようになり、ステップSB1
の判断がYESにはならずにステップSB3の判断がY
ESになる。よって、コントローラ60では、接触開始
位置が記憶されることなく全面接触位置のみが記憶され
ることになり、このような状況下ではステップSB4に
おいて、全面接触位置=接触開始位置とする。その結
果、パッド14,15の偏摩耗量は0となる。
ド14,15がディスク13へ接触を開始する時点から
パッド14,15がディスク13に最大限に接触する時
点までの間のピストン部40のストローク値が大きくな
るほどパッド14,15の偏摩耗の量が比例的に大きく
なることから、コントローラ60が、これらの時点をモ
ータ33への駆動電流値から割り出すとともにこれらの
時点間のピストン部40のストローク値を位置検出器5
7で検出することでパッド14,15の偏摩耗量を検出
する。
ステップSA6における、パッド14、15とディスク
13のクリアランスの規定隙間を決定する。すなわち、
規定隙間は、パット14、15に対してディスクが引き
ずり現象を生じさせない値に設定される。この値は、種
々の実験から得られる、パッドの14、15の偏摩耗量
と、引きずり現象を生じさせないパッドとディスクとの
クリアランス14との関係から決定される。
を、図示しないブレーキペダルスイッチの出力信号から
判断する(ステップSA2)。そして、今、運転者によ
りブレーキペダルが踏まれたとすると、ブレーキペダル
スイッチからはオン信号が出力される。これにより、コ
ントローラ60は、ステップS1の判断結果を「YE
S」として、ステップSA3へ進む。ステップS2で
は、コントローラ60は、図示せぬ操作量検出センサで
検出されたブレーキペダルの操作量に応じて各車輪にブ
レーキ力を発生させるように、各電動ブレーキ装置10
のそれぞれについて、モータ33を位置検出器57の回
転位置データに基づいてフィードバック制御した後、ス
テップSA11へ移る。すなわち、ブレーキペダルの操
作量検出センサから出力される信号は、特許請求の範囲
で言う「制動信号」に対応する。
せる際に、モータ33でボールランプ機構34の可動ラ
ンプ部材37Aを正方向に回転させる。すると、図示せ
ぬ回止部で回転が規制されたピストン部40が、ディス
ク13方向に移動しインナパッド14をディスク13に
接触させる一方、その反力でキャリパ17がキャリア1
2に対し移動して爪部53をディスク13の方向に移動
させることになり、このようにして最終的に、ピストン
部40と爪部53とでインナパッド14およびアウタパ
ッド15がディスク13の方向に押圧され、これらイン
ナパッド14およびアウタパッド15がディスク13に
接触してブレーキ力を発生させる。
ブレーキ力を緩める際に、モータ33で可動ランプ部材
37Aを上記正方向に対し逆の戻し方向に回転させる。
すると、回転が規制されたピストン部40がディスク1
3から離間する方向に移動し、その結果、インナパッド
14およびアウタパッド15がディスク13から離間し
てブレーキ力を解除させる。
いものとすると、コントローラ60は、ステップSA2
の判断結果を「NO」としてステップSA4へ進む。ス
テップSA4では、コントローラ60は、図示しない回
転センサの出力信号から車両が走行中であるか否かを判
断する。上記回転センサは、ディスク13の回転を検出
するセンサである。
ントローラ60は、回転センサの出力信号からステップ
SA4の判断結果を「NO」として、ステップSA5へ
進む。ステップSA5では、コントローラ60は、ディ
スク13とインナパッド14(アウタパッド15)との
クリアランスがゼロとなるように、位置検出器57から
のフィードバック信号を受けながらモータ33へ供給す
るモータ電流を制御した後、ステップSA11へ移る。
上述した動作を経て、インナパッド14およびアウタパ
ッド15が移動され、この結果、ディスク13とインナ
パッド14(アウタパッド15)との間のクリアランス
がゼロとされる。
ロであるため、ディスク13とインナパッド14(アウ
タパッド15)との間に水が侵入したり侵入した水が凍
るといった不具合の発生を防止できる。
コントローラ60は、回転センサの出力信号からステッ
プSA4の判断結果を「YES」として、ステップSA
6へ進む。ステップSA6では、コントローラ60は、
制動動作が必要になりそうか否かを予め予測する。
示しないアクセルペダルが踏まれているか否かを図示し
ないアクセルペダルスイッチの出力信号から予測する。
つまり、アクセルペダルが離されたときには、制動動作
が必要になりそうであると予測する。
l)機構による制御の場合では、ステアリングセンサ61
からの検出信号、ヨーレイトセンサ62からの検出信
号、またはこれら双方のセンサ61、62からの検出信
号を基に判断し、これらセンサからの検出信号が、後述
するVDC機構作動条件より緩い条件で設定したしきい
値を超えたときに、VDC機構の動作が必要になりそう
であると予測する。
では、前方車両との車間距離を車両に設けた車間距離セ
ンサ63からの検出信号によって測定し、車間距離セン
サ63からの検出信号が、自動ブレーキ機構作動条件よ
り緩い条件で設定したしきい値を超えたときに(実際に
は車間距離が予め設定した値よりも短くなったとき
に)、あるいは、別の制御系のコントローラから制動動
作予告信号が発せられたときに、自動ブレーキ機構の動
作が必要になりそうであると予測する。
になりそうであると予測した場合には、ステップSA6
の判断結果を「YES」として、ステップSA7へ進
む。ステップSA7では、コントローラ60は、ディス
ク13とインナパッド14(アウタパッド15)とのク
リアランスが図3に示すように予め定められた微少隙間
となるように、位置検出器57からのフィードバック信
号を受けながらモータ33へ供給するモータ電流を制御
した後、ステップSA9へ移る。上述した動作を経て、
インナパッド14およびアウタパッド15が移動され、
この結果、ディスク13とインナパッド14(アウタパ
ッド15)との間のクリアランスが微少隙間とされる。
りそうであると予測しなかった場合には、ステップSA
6の判断結果を「NO」として、ステップSA8へ進
む。ステップSA8では、コントローラ60は、ディス
ク13とインナパッド14(アウタパッド15)とのク
リアランスが図3に示すように規定隙間となるように、
位置検出器57からのフィードバック信号を受けながら
モータ33へ供給するモータ電流を制御した後、ステッ
プSA9へ進む。ここで、規定隙間は、前述したように
パッド14、15の偏摩耗量を考慮してディスク13が
引きずり現象を生じさせない範囲で決定されたものであ
るから、ディスク13とインナパッド14(アウタパッ
ド15)とのクリアランスがこの規定隙間に設定される
と、当然に、パッド14、15とディスク13との間で
引きずり現象は生じない。このように偏摩耗に起因する
ディスク13の引きずり現象が生じるのを防止すること
ができるから、パッドが早期に摩耗したり車輪の回転力
が低下したりするのを未然に防止できる。
悪路の状態であるか否かを、例えば加速度センサ64に
よって判断する。そして、悪路の状態であると判断した
場合にはステップSA9の判断結果を「YES」とし
て、ステップSA10へ進む。ステップSA10では、
コントローラ60は、ディスク13とインナパッド14
(アウタパッド15)とのクリアランスが図3に示すよ
うに予め定められた微少隙間となるように、位置検出器
57からのフィードバック信号を受けながらモータ33
へ供給するモータ電流を制御する。これにより、ディス
ク13とインナパッド14(アウタパッド15)とのク
リアランスが微少隙間となるので、ディスク13とイン
ナパッド14およびアウタパッド15の間に小石などが
侵入するのを防止できる。その後、ステップSA11へ
移る。また、悪路の状態でないと判断した場合にはステ
ップSA9の判断結果を「NO」として、ステップSA
11へ進む。
制御が必要であるか否かを判断する。すなわち、ステア
リングセンサ61からの検出信号、ヨーレイトセンサ6
2からの検出信号、またはそれら双方のセンサ61、6
2からの検出信号が、VDC機構の制御作動条件として
予め設定したしきい値を超えたかどうか判断する。VD
C機構による制御が必要であると判断した場合には、ス
テップSA11の判断結果を「YES」として、ステッ
プSA12へ進む。ステップSA12では、所定のVD
C機構による制御が行われ、各車輪にそれぞれ所要の制
動力が働き、コーナリング時の車両の安定性が確保され
る。VDC機構による制御が行われた後はステップSA
13へ移る。
15)は、前述したように、VDC機構による制御が開
始される前にディスク13との距離が微少隙間となるよ
う予め移動されているから、VDC機構による制御が開
始されたときには、インナパッド14(アウタパッド1
5)が極めて短い時間でディスク13に接触するため、
ブレーキ初期応答特性は優れたものとなる。
と判断した場合には、ステップSA11の判断結果を
「NO」として、ステップSA13に進む。
による制御が必要であるか否か判断する。すなわち、車
間距離センサ63からの検出信号によって前方との車間
距離を測定し、同車間距離センサ63からの検出信号
が、自動ブレーキ機構の制御作動条件として予め設定し
たしきい値を超えたかどうか、あるいは、別の制御系の
コントローラから制動信号が発せられたかどうか判断す
る。そして、自動ブレーキ機構による制御が必要である
と判断した場合には、ステップSA13の判断結果を
「NO」として、ステップSA14へ進む。ステップS
A14では、所定の自動ブレーキ制御が行われ、これに
より例えば前方の車両との車間距離が適正に保たれる。
また、自動ブレーキ制御が必要ではないと判断した場合
には、ステップSA13の判断結果を「NO」として、
ステップSA1に戻る。以下、上述した動作を繰り返
す。
キ装置の第2の実施の形態を図6および図7を参照して
以下に第1の実施の形態との相違部分を中心に説明す
る。図6および図7は電動ブレーキ装置の動作を説明す
るものである。電動ブレーキ装置の機械的な構成につい
ては前述した第1の実施の形態で説明したものと同様で
あり、ここではその説明を省略する。なお、電動ブレー
キ装置の動作についても第1の実施の形態と同様の部分
については省略する。
スイッチがオンにされると、コントローラ60はステッ
プSC1へ進み、パッド偏摩耗検出手段によってロータ
13の温度を検出する。なお、この実施の形態では、具
体的にセンサ等で直接ロータ13の温度を検出するので
はなく、図7に示す手段によって温度を推定する。以
下、具体的な温度推定手段について説明する。
る(ステップSD1)。次いで、今回測定した車体速度
と前回の測定した車体速度の比較、あるいは今回測定し
た車体速度と前数回測定した車体速度との比較から、車
体が減速状態にあるか否か判断する(ステップSD
2)。減速状態にない場合にはステップSD2の判断を
「NO」として、ステップSD5へ移る。また、減速状
態にある場合には、ステップSD2の判断を「YES」
として、ステップSD3へ進む。ステップSD3では、
コントローラは、温度上昇値T1を減速度に応じて推定
する。具体的には、温度上昇値T1は、減速度に比例す
ると仮定し、減速度値に実験等で決定した係数αを乗じ
ることで求める(ステップSD3)。すなわち、車体が
減速状態にあって、ブレーキが作動しているので、その
ときの摩擦熱がロータ13の温度上昇をもたらすものと
仮定したのである。そして、この求めた温度上昇値T1
をロータ温度に加える(ステップSD4)。
は、コントローラは、温度低下値T2を車体速度に応じ
て推定する。具体的には、温度低下値T2は、車体速度
に比例すると仮定し、車体速度に実験等で決定した放熱
係数βを乗じることで求める(ステップSD5)。すな
わち、車体がある速度で走行しているときは、その車体
速度に応じた放熱がロータにあると仮定したのである。
そして、この求めた温度低下値T2をロータ温度から減
じる(ステップSD6)。
は、コントローラは、ロータの推定温度から前記放熱係
数βを補正し決定する。すなわち、放熱係数は一定では
なく、温度によっても変化するものとし、例えば、高温
になると大きな放熱係数βを採用し、低温になると小さ
な放熱係数を採用する。このように、ロータの温度によ
って前記放熱係数βを補正するので、高精度のロータ温
度推定が行える。以上の手段によって、ロータ13の温
度を決定しているが、勿論、この手段に限られることな
く、温度センサで直接ロータ13の温度を検出してもよ
い。
の温度を基に、ステップSC5において、パッド14、
15とディスク13のクリアランスをゼロにするか規定
隙間にするか判断する。
ず(ステップSD2)、かつ、車両が停止している状態
(ステップSD4)において、前記ロータ13の推定温
度が、予め設定した温度を超えるかどうか、すなわち、
高温状態になっているか否か判断する(ステップSD
5)。
ラは、ステップSD5の判断結果を「NO」として、ス
テップSD6へ進む。ステップSD6では、コントロー
ラは、ディスクとインナパッド(アウタパッド)とのク
リアランスがゼロとなるように、位置検出器からのフィ
ードバック信号を受けながらモータへ供給するモータ電
流を制御する。このような動作を経て、インナパッドお
よびアウタパッドが移動され、この結果、ディスクとイ
ンナパッド(アウタパッド)との間のクリアランスがゼ
ロとされる。従って、この場合には、ディスクとインナ
パッド(アウタパッド)との間に水が侵入したり、侵入
した水が凍るといった不具合の発生を防止できる。
る場合には、コントローラは、ステップSD5の判断結
果を「YES」として、ステップSD7へ進む。ステッ
プSD7では、コントローラは、ディスクとインナパッ
ド(アウタパッド)とのクリアランスが規定隙間となる
ように、位置検出器からのフィードバック信号を受けな
がらモータへ供給するモータ電流を制御する。この結
果、ディスクとインナパッド(アウタパッド)との間の
クリアランスが規定隙間に保持される。したがって、高
温状態にあるロータから、パッドおよびそれを支えるキ
ャリパを介してモータに熱が伝わるのを極力低減するこ
とができ、このため、モータ自体が高温になってモータ
の効率を低下するのを未然に防止できる。
発明によれば、パッド偏摩耗検出手段の検出結果に応じ
て制御手段が、ブレーキパッドとディスクのクリアラン
スを広げるようにモータを制御するので、ブレーキパッ
ドの偏摩耗に起因するディスクの引きずり現象が生じる
のを防止でき、この結果、ブレーキパッドが早期に摩耗
したり車輪の回転力が低下したりするのを未然に防止で
きる。また、請求項2にかかる発明によれば、ディスク
温度検出手段の検出結果に応じて制御手段が、ブレーキ
パッドとディスクのクリアランスを広げるようにモータ
を制御する。これにより、高温状態にあるディスクか
ら、ブレーキパッドおよびそれを支えるキャリパを介し
てブレーキモータに熱が伝わるのを極力低減することが
でき、このため、モータ自体が高温になってモータの効
率を低下するのを未然に防止できる。
キ装置の構成を示す側断面図である。
の動作を説明するフローチャートである。
の動作における偏摩耗検出手段の一例を示すフローチャ
ートである。
の動作におけるモータへの制御電流値とピストン部の位
置との関係を示すタイムチャートである。
の動作におけるモータ位置を表すタイムチャートであ
る。
キ装置の動作を説明するフローチャートである。
の動作におけるロータ温度検出手段の一例を示すフロー
チャートである。
Claims (2)
- 【請求項1】 ディスクの両側に配置される一対のブレ
ーキパッドと、 前記一対のブレーキパッドの少なくとも一方に対向させ
てキャリパ本体内に設けられたピストンと、 前記キャリパ本体に設けられ、ロータを回転させるモー
タと、 該モータにより回転するロータの回転運動を直線運動に
変換して前記ピストンに伝達する変換機構部と、 前記ピストンのストローク位置を検出する位置検出手段
と、 制動信号の入力と前記位置検出手段の検出結果とに基づ
いて前記モータを制御する制御手段とを有し、 前記ピストンを介してブレーキパッドをディスクに押圧
させることで車輪に制動力を発生させる電動ブレーキ装
置において、 前記ブレーキパッドの偏摩耗を検出するパッド偏摩耗検
出手段を有し、 前記制御手段は、前記パッド偏摩耗検出手段の検出結果
に応じて、前記ブレーキパッドと前記ディスクのクリア
ランスを広げるように前記モータを制御することを特徴
とする電動ブレーキ装置。 - 【請求項2】 ディスクの両側に配置される一対のブレ
ーキパッドと、 前記一対のブレーキパッドの少なくとも一方に対向させ
てキャリパ本体内に設けられたピストンと、 前記キャリパ本体に設けられ、ロータを回転させるモー
タと、 該モータにより回転するロータの回転運動を直線運動に
変換して前記ピストンに伝達する変換機構部と、 前記ピストンのストローク位置を検出する位置検出手段
と、 制動信号の入力と前記位置検出手段の検出結果とに基づ
いて前記モータを制御する制御手段とを有し、 前記ピストンを介してブレーキパッドをディスクに押圧
させることで車輪に制動力を発生させる電動ブレーキ装
置において、 前記ディスクの温度を検出するディスク温度検出手段を
有し、 前記制御手段は、前記ディスク温度検出手段の検出結果
に応じて、前記ブレーキパッドと前記ディスクのクリア
ランスを広げるように前記モータを制御することを特徴
とする電動ブレーキ装置。
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