JP2001342508A - 高炉送風羽口の開孔装置およびその方法 - Google Patents

高炉送風羽口の開孔装置およびその方法

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JP2001342508A JP2000167364A JP2000167364A JP2001342508A JP 2001342508 A JP2001342508 A JP 2001342508A JP 2000167364 A JP2000167364 A JP 2000167364A JP 2000167364 A JP2000167364 A JP 2000167364A JP 2001342508 A JP2001342508 A JP 2001342508A
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Takanori Inokuchi
孝憲 井ノ口
Noriyoshi Takagaki
法義 高垣
Akio Shimomura
昭夫 下村
Tsuneo Araki
常夫 荒木
Michiro Sakota
道郎 迫田
Shiomi Kaneko
四男美 金子
Shoji Kimura
昇二 木村
Yuji Fujinaga
祐二 藤永
Kazuharu Kawai
一治 川合
Takashi Shimada
孝 島田
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JFE Denki Corp
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Mentec Kiko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操業中に羽口開孔を実施する場合に閉塞材を
安全かつ迅速に完全除去するための羽口開孔装置および
方法を提供する。 【解決手段】 送風を遮断するために羽口に充填した閉
塞材の少なくとも一部に先導孔を形成し、次いで、この
ように形成した前記先導孔にショットブラストによって
研掃材を吹き付けて前記閉塞材を研掃除去して、操業中
に短時間で容易に羽口を開孔することを特徴とする高炉
送風羽口の開孔方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高炉の長時間休風
時や炉冷事故等の炉況不調時に、羽口溶損防止策として
一定期間送風を遮断するため羽口に充填された閉塞材
を、送風開始に伴い除去する際に、休風することなく操
業中に、安全かつ迅速に羽口開孔を実施することができ
る高炉送風羽口の開孔方法および開孔装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】高炉操業において、長時間休風や炉況不
調などにより炉熱が冷え込むと、炉内で溶銑滓が凝固し
たり、粘性が上昇して出銑滓が不調に陥る場合がある。
このような場合に、全送風羽口から熱風を吹き込むと生
成された多量の溶銑滓が出銑口からスムーズに排出され
ないため、羽口前面近傍に滞留し、羽口に直接接触する
ことになる。羽口には高流速で冷却水が通水されている
が、高温の溶銑が直接接触すると羽口の溶損を招くこと
があり、羽口が溶損すると、炉内へ冷却水が漏水し、さ
らなる炉冷やトラブルの拡大を引き起こすことになる。
【0003】このため、通常上述のような状態に陥った
場合は、出銑口直上の複数個の羽口を除き、羽口内に粘
土やプラスチック耐火物を充填して羽口を閉塞し、送風
を遮断して羽口前での溶銑滓の生成を抑制する。その
際、炉熱の回復前に、充填した閉塞材が自然開孔や亀裂
発生などによって部分的に開孔し、開孔した部分から少
量でも送風が行われると、羽口前面で溶銑滓が生成され
てしまう。しかしながら、生成されたその流出経路が確
保されていないので、羽口前面近傍に滞留し、羽口の溶
損を誘発することになる。このため、閉塞材の充填は強
固に且つ厚く詰められる傾向にある。上述したように、
炉熱が冷え込んだ後の送風に際しては、閉塞されていな
い、出銑口直上の複数個の羽口を通って送風を行い、炉
熱が上昇して銑滓の排出が促進されるにつれ、閉塞され
た羽口に充填していた閉塞材を順次貫通させ、送風を行
う羽口本数を増加させていく。
【0004】羽口に充填された閉塞材の貫通作業は、一
般的には、送風支管の開孔窓から棒鋼等を挿入し、作業
員が棒鋼などで閉塞材を突き抜く作業であり、作業間に
高温の熱風が開孔窓から吹き返してくるので、作業の安
全が確保できる程度に炉内圧力を減圧して作業を実施す
るか、または、減圧下での作業でも困難な場合には、休
風して羽口に充填された閉塞材を完全に除去する。羽口
に充填された閉塞材の貫通作業において、羽口内面に付
着している閉塞材等の付着物を完全に除去しないと、各
羽口毎の送風量にばらつきが生じたり、1本あたりに所
定の風量を供給することができず、所望の熱および衝風
エネルギーが充分に供給されないので、上述したような
羽口の溶損を再び引き起こしてしまう恐れがある。
【0005】このため、従来の羽口閉塞においては、充
填する閉塞材を厚く詰めて突き固めるか、あるいは例え
ば特開平11−50115号公報(以下、「先行技術
1」という)に開示されているように、羽口内面と相似
形状の有底環状逆円錐台耐火物を挿入し、充填する耐火
物が少量で済むようにし、自然剥離を抑制しながら、開
孔も短時間で実施できるような充填物が提案されてい
る。図3に先行技術1の高炉送風羽口の遮蔽方法を示
す。図3において、31は高炉の送風羽口、32は有底
環状逆円錐台耐火物、33は閉塞材を示す。
【0006】図3に示すように、送風羽口1の炉内側が
先細り状の円錐台状の有底環状逆円錐台耐火物32を、
閉塞材33を介して、羽口1の内側に接着している。相
似形状の有底環状逆円錐台耐火物32を羽口軸方向に平
行に挿入すればするほど、有底環状逆円錐台耐火物32
と送風羽口1内周間に充填される閉塞材に圧着が生じ、
閉塞材33の熱風による自然剥離が抑制される。更に開
孔作業に際しては、送風支管の開孔窓から棒鋼を挿入し
て、棒鋼によって、突ついて有底環状逆円錐台耐火物お
よび閉塞材を破砕する。
【0007】
【発明が解決しょうとする課題】しかしながら、上記の
羽口遮蔽方法でも、開孔時には終始、棒鋼を使用して作
業員による貫通作業を実施しなければならない。送風中
に棒鋼で突っついて羽口開孔をする際、高温の熱風が開
孔窓から吹き出すため、作業員の安全に配慮し通常減圧
して実施している(通常0.05〜0.15MPa)。
自然開孔がないよう充填された閉塞材を除去するには、
かなりの回数の棒鋼の突き込みを繰返さなければなら
ず、また貫通後も内面の一部に付着した材料を突き落と
すには内部を覗き込み長尺の棒鋼の先をその位置に当る
よう突き込んだりしなければならず、高温の熱風が勢い
よく噴き出すなど安全上また作業環境上悪条件の中での
作業である。
【0008】従って、この発明の目的は、上記従来技術
の問題点を解決し、操業中に羽口開孔を実施する場合に
閉塞材を安全かつ迅速に完全除去することができる高炉
送風羽口の開孔装置およびその方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述した従
来技術の問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結
果、削岩機を用いて閉塞材を貫通する先導孔の形成を行
い、次いで、形成された先導孔にショットブラストによ
って研掃材を吹き付けて残りの閉塞材を研掃することに
より、短時間で閉塞材を完全に除去できることを知見し
た。更にその際、ショットブラストで使用する研掃材と
して、スラグに同化する酸化物または金属粉を用いる
と、研掃材は、研掃後炉内で溶解するので閉塞材を除去
するのに必要な量を吹き込むことができることを知見し
た。
【0010】この発明は、上記知見に基づいてなされた
ものであって、この発明の高炉送風羽口の開孔方法の第
1の態様は、送風を遮断するために羽口に充填した閉塞
材の少なくとも一部に先導孔を形成し、次いで、このよ
うに形成した前記先導孔にショットブラストによって研
掃材を吹き付けて前記閉塞材を研掃除去して、操業中に
短時間で容易に羽口を開孔することを特徴とする、高炉
送風羽口の開孔方法である。
【0011】この発明の高炉送風羽口の開孔方法の第2
の態様は、前記ショットブラストの前記研掃材として、
高炉スラグ中の酸化物の粉粒体、または、融点が溶銑温
度以下の金属粉を用いることを特徴とする、高炉送風羽
口の開孔方法である。
【0012】この発明の高炉送風羽口の開孔方法の第3
の態様は、前記先導孔の形成を削岩機によって行い、前
記ショットブラストをホースおよびその先端部に取り付
けられた噴射ノズルによって行うことを特徴とする、高
炉送風羽口の開孔方法である。
【0013】この発明の高炉送風羽口の開孔装置の第1
の態様は、下記手段を備えた高炉送風羽口の開孔装置で
ある(1)羽口に充填した閉塞材に対して、先導孔を形
成する開孔手段と、(2)前記開孔手段によって形成さ
れた前記先導孔に設置して、前記閉塞材を研掃除去する
研掃除去手段。
【0014】この発明の高炉送風羽口の開孔装置の第2
の態様は、前記研掃除去手段は、研掃材をショットブラ
ストによって吹き付けて、前記閉塞材を研掃除去するこ
とを特徴とする、高炉送風羽口の開孔装置である。
【0015】この発明の高炉送風羽口の開孔装置の第3
の態様は、前記研掃材は、高炉スラグ中の酸化物の粉粒
体、または、融点が溶銑温度以下の金属粉からなってい
ることを特徴とする、高炉送風羽口の開孔装置である。
【0016】本発明においても、最初の開孔作業は、従
来の方法と同様に削岩機を用いるが、羽口に充填された
閉塞材を貫通する先導孔の形成のみでよいので、従来の
方法よりも短時間で済む。その後、残りの閉塞材の研掃
のためのショットブラストを実施することによって、充
填された閉塞材を完全に除去することができる。これに
より、送風羽口の開孔作業のために炉内を減圧する減圧
時間を短縮することができ、素早く炉の昇圧を開始する
ことができる。ショットブラストに使用する研掃材とし
て、スラグに同化する酸化物あるいは金属粉を用いる
と、ショットブラストによって炉内に吹き込まれた研掃
材は、炉内で容易に溶解するので、研掃材の吹き込み量
等は何ら操業に悪影響を及ぼすことはない。従って、シ
ョットブラストによって羽口本体を傷つけない範囲内で
十分の量を使用して研掃しても構わない。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態を説明する。図1は、この発明の高炉送
風羽口の開孔方法における、羽口貫通作業で使用する削
岩機の羽口設置状況を示す図である。図1に示すよう
に、高炉送風羽口の炉内7に突出した小羽口1内には、
閉塞材としてのプラスト粘土2が充填されて、完全に閉
塞されている。高炉送風羽口は、上述した小羽口1に連
接して、炉外方向にハの字型に広がった大羽口9、更
に、受け金物12が炉壁部8に設けられて形成されてい
る。
【0018】羽口の小羽口1に接続して、炉内に送風す
るブローパイプ(送風支管)3が取りつけられている。
ブローパイプ3は、大羽口9内、更に、受け金物12内
を通って、水平方向に伸び、概ね直角に湾曲して垂直部
分11を形成し、図示しない環状管に接続される。ブロ
ーパイプの湾曲部には、ドリル(棒鋼)5が挿入される
開孔窓4が設けられている。ドリル5の後端部は、ドリ
ルの送り、回転、打撃が可能なジャックハンマー6に取
りつけられている。ドリル5の先端部は、閉塞材として
のプラスト粘土2を貫通して、先導孔を形成する。
【0019】図2は、この発明の高炉送風羽口の開孔方
法における、先導孔開孔後に実施するショットブラスト
装置と羽口内研掃作業状況を示す図である。図2に示す
ように、高炉送風羽口の炉内に突出した小羽口1内に
は、充填された閉塞材としてのプラスト粘土2の中央部
に先導孔20がドリルによって形成され、その後に、先
端に噴射ノズルが取りつけられたブラストホース15が
配置されている。図1に示したように、高炉送風羽口
は、上述した小羽口1に連接して、炉外方向にハの字型
に広がった大羽口9、更に、受け金物12が炉壁部に設
けられて形成されている。更に、羽口の小羽口1に接続
して、炉内に送風するブローパイプ3が取りつけられて
いる。
【0020】ブローパイプ3は、大羽口9、更に、受け
金物12内を通って、水平方向に伸び、概ね直角に湾曲
して垂直部分11を形成し、図示しない環状管に接続さ
れる。ブローパイプの湾曲部には、ブラストホース15
が挿入される開孔窓4が設けられている。開孔窓の後方
には、操作員を熱風から防護するための防風板10が設
けられている。ブラストホース15の他端部は、ブラス
トタンク16に接続されている。ブラストタンク16の
更に後方には、電動式エアコンプレッサ18が設けら
れ、ブラストタンク16と、電動式エアコンプレッサ1
8とは、フィルタを介してエアホース17によって接続
されている。
【0021】本発明による羽口開孔方法は、削岩機によ
って、小羽口に充填された閉塞材の一部を貫通する先導
孔の形成と、その後ショットブラストによって小羽口内
に付着している閉塞材の研掃除去とからなっている。ブ
ローパイプ後方の開孔窓へ削岩機(ドリル)をセットす
る際には、炉内からのガス吹きを極力防止できるように
ガスシール装置を介して、削岩機のロットを挿入できる
構造にすることが望ましいが、先導孔を開けるのみで充
分であり、従来の貫通作業よりも作業時間が大幅に短縮
されるので、従来使用している防熱・防風板だけでも作
業の安全性は確保することができる。
【0022】即ち、削岩機による開孔は、先導孔のみで
よいので、その後のショットブラストによる研掃材が通
過できるだけの孔であれば充分である。従って、棒鋼を
数回突いて開孔できればよい。閉塞材を貫通する先導孔
が形成されたことを確認することができると、直ちに削
岩機を撤去し、次いで、ショットブラストのためのコン
プレッサーに接続されたブラスト装置から伸びるホース
の先端に噴射ノズルを取り付ける。先端に噴射ノズルが
取り付けられたホースを、削岩機のビットと同様に、羽
口開孔窓から所定の位置まで挿入し、短時間のブラスト
を実施して小羽口内面に付着した粘土等の残存閉塞材を
完全に研掃する。炉内で溶解することができる研掃材を
使用してショットブラストによって、完全に小羽口内面
の付着物を除去した後、即座にノズルを抜き取り、羽口
窓を閉じて次の操業アクション(更に羽口を開孔する
か、または、昇圧する)に移ることができる。
【0023】本発明による高炉送風羽口の開孔装置は、
開孔する羽口に接続されるブローパイプ後方の開孔窓部
に取り付け、および、取り外し可能であり、従来の開孔
作業同様に一回の開孔作業によって複数個の羽口の連続
開孔を行うことも可能である。本発明による高炉送風羽
口の開孔方法により、羽口開孔作業のために炉を減圧す
る減圧時間を短縮することができ、素早く、昇圧を開始
することができる。高炉操業では、炉内のガス流れや液
体の滴下、装入物の降下などが定常状態であることが安
定操業につながる。炉況不調時等においても同様のこと
がいえるので、減圧による炉内のガス流れ変化、送風や
燃焼による熱の供給の減少を極力短時間に制限して、素
早く復旧することがその後の炉況安定、炉熱回復に好結
果をもたらす。
【0024】本発明においても、上述したように、最初
の開孔作業は、従来と同様に削岩機を用いるが、先導孔
の貫通のみでよいので、従来の方法よりも短時間で済
む。更に、研掃のためのショットブラストを実施するこ
とによって、充填された閉塞材を完全に除去することが
できる。その結果、送風羽口の開孔作業のための減圧時
間を短縮することができ、すばやく昇圧を開始できる。
【0025】次に、この発明の高炉送風羽口の開孔装置
について説明する。この発明の高炉送風羽口の開孔装置
は、(1)羽口に充填した閉塞材に対して、先導孔を形
成する開孔手段と、(2)前記開孔手段によって形成さ
れた前記先導孔に設置して、前記閉塞材を研掃除去する
研掃除去手段とを備えている。先導孔を形成する開孔手
段として、羽口に充填した閉塞材の一部を貫通して先導
孔を形成することができる削岩機、棒鋼、ドリル等があ
る。
【0026】更に、上述した研掃除去手段は、研掃材を
ショットブラストによって吹き付けて、前記閉塞材を研
掃除去することができる、ショットブラストのためのコ
ンプレッサーに接続されたブラスト装置から伸びるホー
スの先端に噴射ノズルを取り付けたものがある。上述し
た研掃材は、高炉スラグ中の酸化物の粉粒体、または、
融点が溶銑温度以下の金属粉からなっている。高炉スラ
グ中の酸化物の粉粒体としては、上述したように、Si
2、Al23等がある。
【0027】
【実施例】以下に本発明の高炉送風羽口の開孔方法の詳
細を実施例に基づいて説明する。先ず、本発明の実施テ
ストとして、オフラインでの開孔テストを実施した。圧
力調整が可能な模擬炉内に見たてたボックスに接続され
た羽口内面に300mmの厚みでプラストを充填し、乾
燥させて、羽口を閉塞した。炉内、ブローパイプ内の圧
力を約0.15MPaに調整した後、先ず削岩機によっ
て貫通する先導孔の形成を行った。即ち、40mmφの
ロッドを使用し、送りと回転、打撃によって約20秒で
約46mmφの一孔削孔が可能であった。その後、削岩
機をショットブラストに取り替えて、研掃材として金属
鉄粉(粒度1mm、硬度64HRC)を使用して、ブラ
スト送風圧力0.5MPaにて、供給速度10kg/m
inで研掃材を吹き付けて、約5分間で研掃除去を完了
することができた。
【0028】この結果をもとに、内容積4900m3
出銑口4個、羽口40個(内径120〜130mmφ)
の高炉において、実炉使用を実施した。概略対角に位置
する出銑口2本の直上に位置する各4個からなる計8個
の羽口を除く残りの羽口のうち、開孔順序が遅く、途中
で自然剥離が生じるのを防止したい羽口20個にプラス
トを閉塞材として、内側に厚さ300mm程度で充填し
た。残りの羽口は順次開孔を実施することを前提に、プ
ラスト粘土の厚みを調整して送風を遮断し(厚み100
〜300mm)、炉熱の着熱に応じて、従来の棒鋼の突
き込みの繰り返しにより開孔していった。開孔作業は、
炉内圧を0.15MPaに減圧したところで開始した。
【0029】本発明の開孔方法は、プラスト詰めした羽
口の開孔時に実施した。最初の先導孔の貫通は、従来と
同様に0.15MPaまでの炉内圧を減圧し、図1に示
す削岩機を設置して開孔作業を行った。先導孔の開孔
は、何れも約1分以内(ほとんどが20〜30秒、2〜
3回の突き込み)にて完了した。その後、残存プラスト
の研掃では、図2に示すショットブラスト装置を用いて
実施した。何れの羽口も約6分程度で羽口内は充分研掃
除去できた。一連の作業時間としては約16分程度で、
連続開孔を除き0.15MPaの減圧時間は20分以内
がほとんどで、その後即昇圧を開始した。
【0030】表1に、本発明の方法と従来の方法を比較
して示す。
【表1】 表1から明らかなように、従来の方法によると、開孔で
は突き込み回数も6から11回と多く、また開孔作業終
了後の羽口内面には少なからず付着物が残存していたも
のも認められるのに対し、本発明の方法によると、突き
込み回数は2から3回と少なく、開孔作業終了後の羽口
内面には付着物が残存せず、良好な羽口内状況を示し
た。特に、危険な状況に曝される危険性の伴う突き込み
作業時間は、従来の方法では、370から610(se
c)であるのに対して、本発明の方法によると、突き込
み作業時間は、20から25(sec)と極めて低減し
ている。
【0031】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によると、
操業中に羽口開孔を実施する場合に閉塞材を安全かつ迅
速に完全除去することができる高炉送風羽口の開孔装置
およびその方法を提供することができ、羽口に充填され
た閉塞材を貫通する先導孔を短時間に形成し、次いで、
ショットブラストによる研掃で残存閉塞材を完全に除去
することができるので、作業が安全に実施できるばかり
でなく、開孔時の安全確保のための減圧時間が短縮さ
れ、いち早く復旧に移行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の高炉送風羽口の開孔方法に
おける、羽口貫通作業で使用する削岩機の羽口設置状況
を示す図である。
【図2】図2は、この発明の高炉送風羽口の開孔方法に
おける、先導孔開孔後に実施するショットブラスト装置
と羽口内研掃作業状況を示す図である。
【図3】図3は、従来の高炉送風羽口の遮蔽方法を示す
図である。
【符号の説明】
1.小羽口 2.プラスト粘土 3.ブローパイプ(送風支管) 4.開孔窓 5.ドリル 6.ジャックハンマー 7.炉内 8.炉壁 9.大羽口 10.防熱板 11.ブローパイプの垂直部分 12.受け金物 15.ブラストホース 16.ブラストタンク 17.エアホース 18.電動式エアコンプレッサ 20.先導孔 31.高炉の送風羽口 32.有底環状逆円錐台耐火物 33.閉塞材
フロントページの続き (72)発明者 高垣 法義 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 下村 昭夫 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 荒木 常夫 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 迫田 道郎 広島県福山市鋼管町1番地 福山共同機工 株式会社内 (72)発明者 金子 四男美 広島県福山市鋼管町1番地 福山共同機工 株式会社内 (72)発明者 木村 昇二 広島県福山市鋼管町1番地 福山共同機工 株式会社内 (72)発明者 藤永 祐二 広島県福山市鋼管町1番地 福山共同機工 株式会社内 (72)発明者 川合 一治 広島県福山市鋼管町1番地 福山共同機工 株式会社内 (72)発明者 島田 孝 広島県福山市鋼管町1番地 福山共同機工 株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】送風を遮断するために羽口に充填した閉塞
    材の少なくとも一部に先導孔を形成し、次いで、このよ
    うに形成した前記先導孔にショットブラストによって研
    掃材を吹き付けて前記閉塞材を研掃除去して、操業中に
    短時間で容易に羽口を開孔することを特徴とする高炉送
    風羽口の開孔方法。
  2. 【請求項2】前記ショットブラストの前記研掃材とし
    て、高炉スラグ中の酸化物の粉粒体、または、融点が溶
    銑温度以下の金属粉を用いることを特徴とする請求項1
    に記載の高炉送風羽口の開孔方法。
  3. 【請求項3】前記先導孔の形成を削岩機によって行い、
    前記ショットブラストをホースおよびその先端部に取り
    付けられた噴射ノズルによって行う、請求項1または2
    に記載の高炉送風羽口の開孔方法。
  4. 【請求項4】下記手段を備えた高炉送風羽口の開孔装置
    (1)羽口に充填した閉塞材に対して、先導孔を形成す
    る開孔手段と、(2)前記開孔手段によって形成された
    前記先導孔に設置して、前記閉塞材を研掃除去する研掃
    除去手段。
  5. 【請求項5】前記研掃除去手段は、研掃材をショットブ
    ラストによって吹き付けて、前記閉塞材を研掃除去する
    ことを特徴とする、請求項4に記載の高炉送風羽口の開
    孔装置。
  6. 【請求項6】前記研掃材は、高炉スラグ中の酸化物の粉
    粒体、または、融点が溶銑温度以下の金属粉からなって
    いることを特徴とする、請求項5に記載の高炉送風羽口
    の開孔装置。
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