JP2001334295A - 有機物含有液の醗酵方法および醗酵装置 - Google Patents

有機物含有液の醗酵方法および醗酵装置

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JP2001334295A
JP2001334295A JP2000155303A JP2000155303A JP2001334295A JP 2001334295 A JP2001334295 A JP 2001334295A JP 2000155303 A JP2000155303 A JP 2000155303A JP 2000155303 A JP2000155303 A JP 2000155303A JP 2001334295 A JP2001334295 A JP 2001334295A
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Japan
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fermentation
tank
liquid
organic substance
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Isao Hashiguchi
功 橋口
Fumio Matsuoka
文雄 松岡
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Toshiba Plant Construction Corp
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Toshiba Plant Construction Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 家畜の糞尿などの有機物含有液を醗酵槽で醗
酵してメタンガスを生成する際、醗酵槽内をピストンフ
ローさせ、醗酵に必要且つ十分な滞留時間を確保する。 【解決手段】 受入槽22からの有機物含有液を複数の
醗酵槽21で順にオーバーフローさせて醗酵し、生成し
たメタンガスをガスホルダ32へ回収する。各醗酵槽2
1の液温は下流側になるほど段階的に高い値に設定さ
れ、それによる液密度の差で上流側からのオーバーフロ
ーは醗酵槽21の底部にもぐり込んでから徐々に上昇す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は家畜の糞尿や生ゴ
ミ、下水汚泥などの有機物含有液を原料としてメタンガ
スや液肥などの有用物を生成するために使用される醗酵
方法および醗酵装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】家畜の糞尿や生ゴミ、下水汚泥などの水
分の多い有機物含有液から液肥と共にメタンガスなどの
有用物を生成する方法として、醗酵槽を使用した醗酵法
(いわゆるバイオガスプラント)が推奨されている。こ
の方法には30〜40℃程度の比較的低い温度で醗酵を
行う中温メタン菌による中温醗酵法と、50〜60℃程
度の比較的高温で醗酵を行う高温メタン菌による高温醗
酵法との2種が知られている。前者の中温醗酵法は醗酵
速度が幾分低いので、20日程度の醗酵滞留時間を必要
とするが、加熱に要するエネルギーコストが低く、醗酵
に際して副成する硫化水素環境下でも装置の腐食が緩や
かである。
【0003】しかしメタンガスを脱離した脱離液を液肥
として使用すると、液肥中に含まれる雑草の種子や細菌
(有機物含有液から移行する)は死滅しないので、圃場
に撒いたときに雑草や細菌が蔓延する場合があり、安全
性からいえば脱離液を産業廃棄物として処理せざるを得
ないという問題がある。後者の高温醗酵法は醗酵速度が
高いので、15日程度の醗酵滞留時間でメタンガスの生
成を十分行わせることができ、醗酵槽も小さくできる。
しかも高温で醗酵させるため、有機物含有液に含まれる
雑草の種子や細菌などは死滅し、脱離液を安全性の高い
液肥として使用することができる。しかし醗酵槽を高温
に維持する熱エネルギーを必要とし、硫化水素環境によ
る装置の腐食対策に考慮する必要がある。
【0004】上記いずれの方法を採用する場合において
も、実用上は有機物含有液を醗酵槽に連続的に供給しな
がら醗酵させることが効率的であり、醗酵槽内で有機物
含有液がメタンガスを十分に生成するための滞留時間が
必要である。そのためには入口部から流入した有機物含
有液が醗酵槽内において前から存在している液を追い越
したり逆流したりせずに、できるだけピストンフローで
通過させることが望ましい。従来の代表的な醗酵槽とし
て、横置きの細長い円筒型や分割型のものが知られてお
り、いずれも有機物含有液ができるだけピストンフロー
で通過するように工夫されている。
【0005】図6は円筒型の醗酵槽の例で、槽本体1の
内部にヒートパイプ式の加熱部を兼ねた攪拌機2が設け
られ、槽本体1の長手方向の一端部に入口部3、反対側
の端部に出口部4が設けられる。そして入口部3と出口
部4の間隔を大きくすることにより、有機物含有液をで
きるだけピストンフローに近づけるようにしている。な
お槽本体1の上部に醗酵により生成するメタンガスを排
出するためのガス排出部5が設けられ、槽本体1の下部
に複数の支持脚6と汚泥ドレン部7が設けられる。
【0006】図7は分割型の醗酵槽の例で、第1槽8と
第2槽9を有し、各槽には下部に入口部3と出口部4、
上部にガス排出部5が設けられ、さらに昇降可能な攪拌
機2がそれぞれ設けられる。なお各ガス排出部5には可
撓性の袋からなるガス貯留器10が接続され、それらガ
ス貯留器10に貯留されるメタンガスは一部有機物含有
液を加温する温水器11の燃料として使用され、残りは
他の加温用途等に使用される。有機物含有液はポンプ1
2で第1槽8の入口部3に供給され、槽内を通過し出口
部4から連通管13を経て流出して第2槽9の入口部3
に供給される。第2槽9の槽内を通過した有機物含有液
はその出口部4から排出する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、円筒型の醗酵
槽において十分なピストンフローを得ようとすると、入
口部3と出口部4を極端に離す必要があるので、円筒が
長くなって装置全体も大型になり、設置面積やコスト的
な問題を生じる。また、分割型の醗酵槽は単体では入口
部3と出口部4をあまり離せないので、多数の槽数を順
次接続することによって全体としてピストンフローを得
ようとするものである。しかし醗酵槽の数を極端に増や
すことは設置面積やコスト的な面から限界がある。そこ
で本発明は、このような従来技術の問題点を解決するこ
とを課題とし、そのための新しい有機物含有液の醗酵方
法および醗酵装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する請求
項1に記載の発明は、醗酵槽で有機物含有液を原料とし
てメタンガスを生成させる醗酵方法である。そしてこの
方法は、有機物含有液を複数の醗酵槽に順次通過しなが
ら醗酵させ、その際、有機物含有液を上流側からオーバ
フローさせて隣接する下流側に醗酵槽の底部に導くこと
により、複数の醗酵槽内を有機物含有液がピストンフロ
ーで順次通過するようにしたことを特徴とするものであ
る。上記方法では、有機物含有液を上流側からオーバフ
ローさせて隣接する下流側の醗酵槽の底部に導くように
したので、オーバフローにより醗酵槽に流入した有機物
含有液は先ずその底部にもぐり込み、次いでピストンフ
ローで徐々に上昇して再びオーバフローし、さらに下流
側の醗酵槽の底部にもぐり込む。したがって、各醗酵槽
中でそれぞれピストンフローが十分に形成されるので、
醗酵槽の数を多くしなくても醗酵に必要な滞留時間を容
易に確保できる。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の醗酵方法の実施の形態であって、複数の醗酵槽の液温
を下流側の槽に向かって順次段階的に高くし、その温度
差に応じて生じる有機物含有液の密度差により、上流側
からオーバフローした有機物含有液を隣接する下流側の
醗酵槽の底部に導くようにしたことを特徴とする。この
ように各醗酵槽の液温を変えて密度差を持たせることに
より、醗酵槽内にピストンフローを容易に形成できるの
で、装置が簡単になりコスト的にも極めて有利になる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の醗酵方法の
より好ましい実施の形態であって、各醗酵槽の液温を4
5℃から65℃の範囲内において段階的に上昇させるこ
とを特徴とする。液温をこの範囲に設定することによ
り、各醗酵槽における有機物含有液のピストンフローを
確保しながら、高温醗酵を可能にする。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の醗酵方法の他の実施の形態であって、各醗酵槽を上流
側から下流側に位置的に順次段階的に下げて配置し、オ
ーバフローする有機物含有液の流下速度を増加させるこ
とにより、上流側からオーバフローした有機物含有液を
隣接する下流側の醗酵槽の底部に導くようにしたことを
特徴とする。このように各醗酵槽の設置位置を変えるこ
とにより、上流側からオーバフローした有機物含有液を
隣接する下流側の醗酵槽の底部に容易に導くことがで
き、運転コストも低くできる。
【0011】請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求
項4のいずれかに記載の醗酵方法のより好ましい実施の
形態であって、各醗酵槽にはその底部に開口するオーバ
フロー導入路を設け、そのオーバフロー導入路に上流側
からの有機物含有液のオーバフローを導入するようにし
たことを特徴とする。このようなオーバフロー導入路を
醗酵槽に設けると、より確実にオーバフローした有機物
含有液を醗酵槽の底部にもぐり込ませることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項3に記載の醗酵方法の
他の実施の形態であって、メタンガスを脱離した脱離液
を液肥として回収することを特徴とする。この方法によ
れば、メタンガスの生成と液肥の回収を同時に行うの
で、経済的にも極めて有効である。
【0012】前記課題を解決する請求項7に記載の発明
は、醗酵槽で有機物含有液を原料としてメタンガスを生
成させる醗酵装置である。そしてこの装置は複数の醗酵
槽を備え、各醗酵槽を上流側から下流側に順次段階的に
下げて配置することによりオーバフローする有機物含有
液の流下速度を増加させるように構成し、上流側からオ
ーバフローした有機物含有液を隣接する下流側の醗酵槽
の底部に導くようにしたことを特徴とするものである。
上記装置を使用することにより、各醗酵槽中でそれぞれ
ピストンフローが十分に形成されるので、醗酵槽の数を
多くしなくても醗酵に必要な滞留時間を容易に確保でき
る。
【0013】前記課題を解決する請求項8に記載の発明
は、醗酵槽で有機物含有液を原料としてメタンガスを生
成させる醗酵装置である。そしてこの装置は複数の醗酵
槽と、各醗酵槽の液温を独立して制御する温度制御装置
を備え、各温度制御装置の温度設定値が下流側に順次段
階的に高くなるように設定され、その温度差に応じて生
じる有機物含有液の密度差により上流側からの有機物含
有液のオーバフローが隣接する下流側の醗酵槽の底部に
導かれるようになされていることを特徴とするものであ
る。上記装置を使用することにより、各醗酵槽中でそれ
ぞれ有機物含有液のピストンフローが十分に形成される
ので、醗酵槽の数を多くしなくても醗酵に必要な滞留時
間を容易に確保できる。
【0014】請求項9に記載の発明は、請求項7または
請求項8に記載の醗酵装置の実施の形態であって、各醗
酵槽の底部に開口するオーバフロー導入路を設けたこと
を特徴とするものである。このようなオーバフロー導入
路を醗酵槽に設けると、より確実にオーバフローした有
機物含有液を醗酵槽の底部にもぐり込ませることができ
る。請求項10に記載の発明は、請求項7〜請求項9の
いずれかに記載の醗酵装置の実施の形態であって、最上
流側の醗酵槽に有機物含有液の受入槽が液シール手段を
介して接続されると共に、最下流側の醗酵槽に脱離槽が
液シール手段を介して接続され、有機物含有液が受入槽
から最上流側の醗酵槽に流入し、醗酵してメタンガスを
脱離した脱離液が最下流側の醗酵槽から脱離槽に流入す
るように構成されていることを特徴とするものである。
このようにすると各醗酵槽を外気と遮断した状態にする
ことができ、嫌気性のメタン菌の繁殖を助けてそれによ
る醗酵を活発に維持することができる。
【0015】請求項11に記載の発明は、請求項10に
記載の醗酵装置の好ましい実施の形態であって、受入槽
と脱離槽が隣接して配置され、受入槽の有機物含有液と
脱離槽の脱離液の熱交換をする熱交換手段が設けられて
いることを特徴とするものである。このように構成する
ことにより、使用する熱エネルギーを大幅に抑制するこ
とができる。請求項12に記載の発明は、請求項11に
記載の醗酵装置の実施の形態であって、熱交換手段が熱
サイホンまたはヒートパイプであることを特徴とするも
のである。このように熱交換手段として熱サイホンまた
はヒートパイプを使用することにより、簡単な構造と低
コストで安全確実に受入槽と脱離槽の熱交換を行うこと
ができる。
【0016】請求項13に記載の発明は、請求項12に
記載の醗酵装置の好ましい実施の形態であって、受入槽
と脱離槽が鉄筋コンクリート製で作られると共に、受入
槽内に有機物含有液を収容する金属製の容器が設置さ
れ、該容器に熱サイホンの開口部側またはヒートパイプ
が固定され、その熱サイホンまたはヒートパイプが脱離
槽内部に延長されていることを特徴とするものである。
このように受入槽内に設置した金属製の容器に熱サイホ
ンまたはヒートパイプを固定すると、受入槽の有機物含
有液と脱離槽の脱離液の熱交換効率を向上させることが
でき、さらに、万一鉄筋コンクリート壁に亀裂等が生じ
た場合にも、金属製の容器によって受入槽の有機物含有
液と脱離槽の脱離液の混合を有効に防止することができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
により説明する。図1は本発明の醗酵方法を実施するた
めの醗酵装置およびその周辺機器を含むプロセスフロー
図である。醗酵装置20は仕切壁を境界壁として連接さ
れた3基の醗酵槽21、仕切壁を有する液シール手段2
2を介して最上流側の醗酵槽21に接続された受入槽2
3、仕切壁を有する液シール手段22を介して最下流側
の醗酵槽21に接続された脱離槽24、各醗酵槽21を
加温する温水を貯蔵するための貯湯タンク25、貯湯タ
ンク25に温水を供給する排熱ボイラ26とポンプ2
7、排熱ボイラ26に熱源を供給するガス燃焼エンジン
28、ガス燃焼エンジン28により駆動される発電機2
9、各醗酵槽21で生成するメタンガス中の硫黄成分を
除去する脱硫装置30、脱硫されたメタンガス中の水分
を除去する除湿装置31、除湿されたメタンガスを貯蔵
するガスホルダ32を有する。なお図1におけるa〜i
は配管、Dはダクトである。
【0018】鉄筋コンクリート製の3基の醗酵槽21
は、上部が開放された構造体の中間部を2つの仕切壁2
1aで仕切ることによって形成され、図1の右端が最上
流側の醗酵槽21、それに隣接する中間部の醗酵槽2
1、左端が最下流側の醗酵槽21である。そして最上流
側の醗酵槽21から最下流側の醗酵槽21に有機物含有
液が仕切壁21aを越えて次々とオーバーフローするよ
うに、左側の仕切壁21aは右側の仕切壁21aより低
く形成されている。なお各醗酵槽21の防水性を十分に
確保するために、その内壁面に防水塗料などの皮膜を形
成したりゴム等の防水シートをコーティングすることが
望ましい。各醗酵槽21の底部近傍には蛇腹状に形成さ
れた温水配管33がそれぞれ配置され、各温水配管33
には貯湯タンク25からポンプ34を設けた配管cによ
り温水が供給され、熱交換して温度が下がった温水は配
管dを経て貯湯タンク25に戻される。各醗酵槽21内
にはサーミスタや熱電対などの温度検出器35が配置さ
れ、その検出信号が温度制御器36に入力される。各温
度制御器36はその検出信号が予め設定された温度にな
るようにポンプ34を起動−停止制御または速度制御す
る。そしてこれら温水配管33、ポンプ34、温度検出
器35および温度制御器36により温度制御装置37を
構成している。
【0019】上記の例では醗酵槽21ごとにそれぞれポ
ンプ34を設けているが、共通のポンプを配管cに設
け、醗酵槽21ごとに温度制御器36で制御される流量
調整弁を設けててもよい。さらに各醗酵槽21の上部に
は醗酵に伴い生成して浮いてくる繊維状物質の柔らかい
塊(スカム)を細かく砕いて分散させるための攪拌装置
21bが設けられる。醗酵槽21内の液温は均一になら
ない場合が多いので、温度検出器35を醗酵槽21の鉛
直方向と水平方向に数個ずつ離して配置し、それらの検
出値の平均値を温度検出値として温度制御器36に入力
することが望ましい。なお場合によっては温度検出器3
5が攪拌装置21bの攪拌作用で損傷する可能性もある
ので、温度検出器35はその周囲を孔付きの保護管で覆
うことが望ましい。
【0020】鉄筋コンクリート製の受入槽23は、その
一方の壁が最上流側の醗酵槽21の壁と共用されてオー
バーフロー部38を形成し、残りの3方の壁がオーバー
フロー部38より高くされてその上部を閉鎖する水平壁
に開閉蓋付きのマンホール39が設けられる。そして受
入槽23の中間部には水平壁から途中まで液シール手段
22を形成するための仕切壁が垂直に設けられる。有機
物含有液を導入する配管aが受入槽23内に延長され、
その配管aの途中には開閉弁40が設けられる。そして
配管aの先端には有機物含有液を搬入するタンクローリ
ー41の排出ホースを接続する接続部42が設けられ
る。なお受入槽23にはその液レベルを管理するための
液面計23aが設けられる。
【0021】鉄筋コンクリート製の脱離槽24も受入槽
23を左右逆方向に配置した構造とされる。すなわち、
その一方の壁が最下流側の醗酵槽21と共用されてオー
バーフロー部43を形成し、残りの3方の壁がオーバー
フロー部43より高くされ、その上部を閉鎖する水平壁
に開閉蓋付きのマンホール44が設けられる。そして脱
離槽24の中間部における水平壁から途中まで液シール
手段22を形成するための仕切壁が垂直に設けられる。
メタンガス2を脱離した脱離液を排出するための配管b
が脱離槽24内に延長され、その配管bの先端には脱離
液を排出するタンクローリー45の吸入ホースを接続す
る接続部46が設けられる。なお脱離槽24にはその液
レベルを管理するための液面計24aが設けられる。
【0022】3基の醗酵槽21のそれぞれの上部は受入
槽23と脱離槽24の上部に連結するようにして蓋47
で閉鎖され、蓋47の閉鎖と前記液シール手段22によ
り、3基の醗酵槽21はいずれも外気から遮断されて嫌
気性メタン菌の繁殖条件を維持する。、または各醗酵槽
21と受入槽23と脱離槽24は地中に埋設して設置す
ることもできる。そのように埋設すると地表部分を周辺
機器などの設置場所として活用することができる。さら
に各醗酵槽21の外壁を断熱材で覆うようにすると熱エ
ネルギーの消費を抑制できる。
【0023】次に、図1の醗酵装置20を使用して有機
物含有液を醗酵し、メタンガスの生成回収とメタンガス
を脱離した後の脱離液を液肥として回収する方法につい
て説明する。先ずタンクローリー41で運ばれてきた家
畜の糞尿や生ゴミ、下水汚泥などの有機物含有液は、そ
の排出ホースを接続部42に接続して開閉弁40を開け
ることにより受入槽23に移送される。有機物含有液の
固形物や水分の調整は、マンホール39の蓋を開けて希
釈水や生ゴミ、下水汚泥などを受入槽23に投入するこ
とによって行われる。なお受入槽23の液レベルは液面
計23aで監視する。
【0024】受入槽23の上部空間と醗酵槽21の上部
空間は液シール手段22によりシールされて分離され
る。そしてタンクローリー41から有機物含有液の移送
を続けると受入槽23の液レベルが次第に上昇し、それ
が液シール手段22の仕切壁の上端(オーバーフロー部
38)を越えると有機物含有液がオーバーフローして最
上流側の醗酵槽21に流入する。最上流側の醗酵槽21
の液レベルが次第に上昇して仕切壁21aの上端を越え
ると、有機物含有液はオーバーフローして隣接する下流
側の醗酵槽21(この場合は中間に位置する醗酵槽2
1)に流入する。さらにその醗酵槽21の液レベルが上
昇すると有機物含有液はオーバーフローして最下流側の
醗酵槽21に流入する。このようにして3基の醗酵槽2
1に有機物含有液が充填されると装置の醗酵準備が完了
する。なお各醗酵槽21には予め必要な嫌気性メタン菌
を存在させておく。そのためには、例えば牛の糞尿中な
どには多量の嫌気性メタン菌が含まれているので、有機
物含有液に必要量の牛の糞尿を予め混入すればよい。
【0025】各醗酵槽21の液温は例えば45℃から6
5℃の範囲内で上流側から下流側に順次段階的に高くな
るように温度制御装置37で制御される。特に好ましく
は最上流側、中間および最下流側の醗酵槽21の液温を
それぞれ50℃、55℃および60℃に制御する。各醗
酵槽21の液温は温度検出器35で検出され、例えば液
温が設定値より低くなると温度制御器36はポンプ34
を起動または増速度制御し、液温が設定値より高くなる
と温度制御器36はポンプ34を停止または減速度制御
する。有機物含有液の密度はその温度に逆比例するの
で、各醗酵槽21内の有機物含有液の密度は下流側に向
かって順次段階的に低くなる。そのため有機物含有液を
オーバーフローさせながら各醗酵槽21で連続的に醗酵
操作を行う際に、その密度差により有機物含有液は各醗
酵槽21を順次ピストンフローで通過する。
【0026】すなわち、上流側からオーバーフローする
有機物含有液の密度はそれに隣接する下流側の醗酵槽2
1内の有機物含有液の密度より大きいので、流入した有
機物含有液は下流側の醗酵槽21の底部にもぐり込む。
そしてその下流側の醗酵槽21内の有機物含有液はさら
に下流側の醗酵槽21へオーバーフローするので、液流
はピストンフローで底部から上部に流通する。なお最上
流側の醗酵槽21には受入槽23からの有機物含有液が
オーバーフロー部38よりオーバーフローして流入する
が、その有機物含有液の温度は外気温(冬季10℃以
下、夏期25℃程度)とほぼ等しいので、前記のように
最上流側の醗酵槽21内の液温を50℃程度に温度制御
しておけば、流入する有機物含有液の密度は槽内の液密
度より大きくなり、有機物含有液は底部にもぐり込む。
【0027】このように有機物含有液は各醗酵槽21を
ピストンフローで次々と通過し、醗酵に必要な滞留時間
が十分に確保される。なお醗酵に伴い生成するスカムは
前述のように1日に数回(1回5分程度)作動する攪拌
装置21bで細かく分散され、槽内に蓄積することなく
下流側に流出する。各醗酵槽21内の圧力はメタンガス
の生成により大気圧より上昇するので、その圧力により
生成するメタンガスが配管eから流出し、脱硫装置3
0、除湿装置31を通過する間に硫黄成分および水分を
除去されてガスホルダ32(外側は機械的強度を保つ隔
壁、内側は伸縮するガス貯留膜により構成)に貯蔵され
る。この例では、ガスホルダ32に貯蔵されたメタンガ
スは発電機29を駆動するガス燃焼エンジン28にブロ
ア58により燃料として供給され、発電された電力は所
内動力や他の用途に利用される。
【0028】ガス燃焼エンジン28から排出する高温の
燃焼ガスは、ダクトDを経て排熱ボイラ26に供給され
熱源として利用され排気される。排熱ボイラ26は配管
iからの補給水を80〜90℃程度まで加熱するか、貯
湯タンク25内の比較的温度の低い温水を配管hから導
入して80〜90℃に加熱する。加熱された温水はポン
プ27により配管gから貯湯タンク25に供給される。
貯湯タンク25の温水は前述のように配管cから各醗酵
槽21に供給され熱交換し、配管dより再び貯湯タンク
25に戻る。貯湯タンク25の温水の一部は配管hを経
て排熱ボイラ26に戻され、そこで再加熱され再び貯湯
タンク25に供給される。なお貯湯タンク25の温水の
温度は図示しない温度制御装置で予め設定された値にな
るように制御される。例えば温度が設定値より低下する
と配管hから排熱ボイラ26に戻る流量を増加させ、逆
に設定値より上昇すると減少させる。流量を減少させた
場合、エンジンの排熱は十分利用されないまま排気筒D
' より排出される。
【0029】装置の運転開始時などにおいて、ガスホル
ダ32にまだメタンガスが貯蔵されていない場合は、図
示しない供給配管からメタンガス等の燃料ガスをガス燃
焼エンジン28に供給することにより、排熱ボイラ26
の熱源を確保することができる。しかし装置の運転開始
時に例えば記載していない別の温水ボイラなどから80
〜90℃程度の温水を貯湯タンク25に別途供給するよ
うにしてもよい。醗酵により有機物含有液からメタンガ
スを脱離した後の脱離液は、最下流側の醗酵槽21から
オーバーフローして脱離槽24に流入する。脱離槽24
の液レベルは液面計24aで監視し、所定のレベルに達
したとき配管46とタンクローリー45の吸入ホースを
接続して運び出す。この脱離液は畑地や圃場に撒いて野
菜や牧草の液肥として利用できる。
【0030】図2は本発明の醗酵方法を実施するための
他の醗酵装置のプロセスフロー図であり、図1と同じ部
分には同一符号が付されている。なお図2の例において
も、図1で設けたスカム攪拌用の攪拌装置21b,温度
制御装置37、貯湯タンク25、排熱ボイラ26、燃焼
エンジン28、ガスホルダ32などが設けられるが、説
明を簡単にするため図面上は省略している。この醗酵装
置20では、例えば傾斜地を利用して受入槽23、各醗
酵槽21および脱離槽24を上流側から下流側に階段状
に順次下げた位置に配置している。それによってオーバ
フロー位置から醗酵槽21の液面までの距離を大きくし
て上流側からオーバフローした有機物含有液が醗酵槽2
1に流入する初速度を上げ、その重力(流動エネルギ
ー)により有機物含有液を醗酵槽21の底部に導くよう
にしている。
【0031】さらに各醗酵槽21にはその底部に開口す
るオーバフロー導入路48が設けられ、そのオーバフロ
ー導入路48に上流側からオーバフローした有機物含有
液を流下させている。このようなオーバフロー導入路4
8を設けることにより、有機物含有液が醗酵槽の底部に
容易にもぐり込むので、より確実なピストンフローを生
成させることができる。なお、このようなオーバフロー
導入路48は図1の例における各醗酵槽21に設けるこ
ともできる。図2の醗酵装置20の作用は図1と同様な
ので、その説明は省略する。
【0032】図3は本発明の醗酵方法を実施するさらに
他の醗酵装置の模式的な斜視図であり、図1と同じ部分
には同一符号が付されている。なお図3の例も図2と同
様にその主要部のみ示し、図1と説明の重複する部分は
省略している。図1の例と同様に、醗酵装置20は鉄筋
コンクリート製の受入槽23、3基の醗酵槽21および
脱離槽24を有するが、それらは仕切壁を介して相互に
接続されコ字状に配置される。すなわち受入槽23から
上方から見て左回りに最上流側の醗酵槽21、中間部の
醗酵槽21、最下流側の醗酵槽21および脱離槽24が
仕切壁を介して順に配置され、受入槽23と脱離槽24
は背中合わせに隣接する。このような配置にすると装置
全体がコンパクトに構成でき、後述するように液温の高
い脱離槽24の脱離液と、液温の低い受入槽23の有機
物含有液(原料液)の間の熱交換をすることが容易にな
る。なお図3の醗酵装置20の作用も図1と同様である
ので、その説明は省略する。
【0033】図4は図3に示す受入槽23の有機物含有
液と脱離槽24の脱離液の熱交換をする際に使用する立
方形状を有する金属製の容器50を示す模式的な斜視図
である。容器50には熱交換手段としての複数の金属製
の熱サイホン51が固定されており、このような熱交換
手段を設けることにより使用する熱エネルギーの消費を
抑制することができる。容器50はタンクローリー等か
らの有機物含有液を受け入れるもので、耐食性と熱伝導
性が良好なステンレス等の金属材で作られる。
【0034】容器50を形成する一方の壁の頂部は若干
低くされ、該部分に水平なオーバーフロー板52とその
両端部を容器50の本体に連結する一対の側板53を有
するオーバーフロー部54が設けられる。容器50内に
収容される有機物含有液はオーバーフロー部54からオ
ーバーフローして最上流側の醗酵槽21(図3)に流入
する。熱サイホン51は耐食性および熱伝導性の良好な
ステンレス等の金属材で管状に作られ、その一端が開口
され他端が閉鎖されている。そして熱サイホン51の開
口端は容器50に設けた貫通孔に差し込まれて溶接等に
より固定され、そこから本体が受入槽23と脱離槽24
の鉄筋コンクリート製の境界壁を貫通し、さらに脱離槽
24内を垂直または斜め下方に延長している。
【0035】このような熱サイホン51は、内外の温度
差による内部液の対流を利用して熱交換をする。例えば
図4の場合には、熱サイホン51の内部はその開口端か
ら侵入した液温の低い容器50内の有機物含有液で満た
され、外部は脱離槽24内の液温の高い脱離液に囲まれ
ている。内外の温度差により内部の有機物含有液はその
周囲から温められて密度が下がり、熱サイホン51の管
内壁に沿って環状に流れて上昇し、開口端から容器50
内に押し出される。それと同時にそれより液温が低く相
対的に密度の大きい容器50内の新たな有機物含有液が
熱サイホン51の開口端から管中心部に沿って流下す
る。このように熱サイホン51内部の有機物含有液の軸
方向対流によって、容器50内の液温の低い有機物含有
液と脱離槽24内の液温の高い脱離液が熱交換される。
なお熱サイホン51の大きさと本数は必要とする熱交換
容量に応じて設計される。
【0036】図5は図4の変形例で、熱交換手段として
熱サイホン51の代わりにヒートパイプ55を使用する
ものであり、その他は図4と同様に構成される。ヒート
パイプ55は、密閉された管内にエーテルなどの揮発性
液体を真空下で1/3程度まで封入したものである。ヒ
ートパイプ55は稲妻型に形成され、その中間部を受入
槽23と脱離槽24の境界壁および容器50の壁を貫通
させ、上半分が容器50内に延長し、下半分が脱離槽2
4内に延長するように配置する。脱離槽24内の下半分
に溜まっている揮発性液体が液温の高い脱離液で温めら
れて沸騰蒸発し、その蒸気は容器50内の上半分に移動
する。上半分に移動した蒸気はそこで液温の低い有機物
含有液で冷却されて凝縮し、再び下半分に戻る。このサ
イクルにより容器50内の液温の低い有機物含有液と脱
離槽24内の液温の高い脱離液が熱交換される。なお、
ヒートパイプ55の大きさと本数も必要とする熱交換容
量に応じて設計される。
【0037】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載の醗酵方法
によれば、有機物含有液を上流側からオーバフローさせ
て隣接する下流側の醗酵槽の底部に導くようにしたの
で、オーバフローにより醗酵槽に流入した有機物含有液
は先ずその底部にもぐり込み、次いで徐々に上昇してピ
ストンフローで再びオーバフローし、隣接する下流側の
醗酵槽の底部にもぐり込む。したがって各醗酵槽中でそ
れぞれピストンフローが十分に形成されるので、醗酵槽
の数を多くしなくても醗酵に必要な滞留時間を容易に確
保できる。請求項2に記載の醗酵方法によれば、各醗酵
槽の液温を変えて液密度に差を持たせることにより、醗
酵槽内にピストンフローを容易に形成でき、装置が簡単
になりコスト的にも極めて有利になる。
【0038】請求項3に記載の醗酵方法によれば、各醗
酵槽の液温を上流側から下流側に45℃から65℃の範
囲内において段階的に上昇させることにより、各醗酵槽
のピストンフローを確保しながら、高温醗酵を可能にす
る。請求項4に記載の醗酵方法によれば、各醗酵槽を上
流側から下流側に順次段階的に下げて配置したので、上
流側からオーバフローした有機物含有液を隣接する下流
側の醗酵槽の底部に容易に導くことができ、運転コスト
を極めて低くできる。請求項5に記載の醗酵方法によれ
ば、各醗酵槽にその底部に開口するオーバフロー導入路
を設けたので、より確実にオーバフローした有機物含有
液を醗酵槽の底部にもぐり込ませることができる。請求
項6に記載の醗酵方法によれば、メタンガスの生成と液
肥の回収を同時に行うので、経済的にも極めて有効な方
法となる。
【0039】請求項7に記載の醗酵装置によれば、各醗
酵槽を上流側から下流側に順次段階的に下げて配置した
ので、各醗酵槽中でそれぞれピストンフローが十分に形
成され、醗酵槽の数を多くしなくても醗酵に必要な滞留
時間を容易に確保できる。請求項8に記載の醗酵装置に
よれば、各醗酵槽に設けた各温度制御装置の温度設定値
が下流側に向かって順次段階的に高くなるように設定さ
れているので、各醗酵槽中でそれぞれピストンフローが
十分に形成され、醗酵槽の数を多くしなくても醗酵に必
要な滞留時間を容易に確保できる。
【0040】請求項9に記載の醗酵装置によれば、各醗
酵槽の底部に開口するオーバフロー導入路を設けたの
で、より確実にオーバフローした有機物含有液を醗酵槽
の底部にもぐり込ませることができる。請求項10に記
載の醗酵装置によれば、最上流側の醗酵槽に有機物含有
液の受入槽が液シール手段を介して接続されると共に、
最下流側の醗酵槽に脱離槽が液シール手段を介して接続
され、有機物含有液が受入槽から最上流側の醗酵槽に流
入し、醗酵してメタンガスを脱離した脱離液が最下流側
の醗酵槽から脱離槽に流入するように構成されているの
で、各醗酵槽を外気と遮断した状態にすることができ、
嫌気性のメタン菌の繁殖を助け、それによる醗酵を活発
に維持することができる。
【0041】請求項11に記載の醗酵装置によれば、受
入槽と脱離槽が隣接して配置され、受入槽の有機物含有
液と脱離槽の脱離液の熱交換をする熱交換手段が設けら
れているので、使用する熱エネルギーを大幅に抑制する
ことができる。請求項12に記載の醗酵装置によれば、
熱交換手段として熱サイホンまたはヒートパイプを使用
するので、簡単な構造と低コストで安全確実に受入槽と
脱離槽の熱交換を行うことができる。請求項13に記載
の醗酵装置によれば、受入槽と脱離槽が鉄筋コンクリー
ト製で作られると共に、受入槽内に有機物含有液を収容
する金属製の容器が設置されるているので、受入槽の有
機物含有液と脱離槽の脱離液の熱交換効率を向上させる
ことができ、さらに万一鉄筋コンクリート壁に亀裂等が
生じた場合でも、金属製の容器によって受入槽の有機物
含有液と脱離槽の脱離液の混合を有効に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の醗酵方法を実施するための醗酵装置お
よびその周辺機器を含むプロセスフロー図。
【図2】本発明の醗酵方法を実施するための他の醗酵装
置のプロセスフロー図。
【図3】本発明の醗酵方法を実施するためのさらに他の
醗酵装置の模式的な斜視図。
【図4】有機物含有液と脱離液の熱交換をする際に使用
する容器50とそれに固定された熱サイホン51を示す
模式的な斜視図。
【図5】図4の変形例を示す模式的な斜視図。
【図6】従来の横置き円筒型の醗酵槽の模式的な図。
【図7】従来の分割型の醗酵槽の模式的な図。
【符号の説明】 1 槽本体 2 攪拌機 3 入口部 4 出口部 5 ガス排出部 6 支持脚 7 汚泥ドレン部 8 第1槽 9 第2槽 10 ガス貯留器 11 温水器 12 ポンプ 13 連通管 20 醗酵装置 21 醗酵槽 21a 仕切壁 21b 攪拌装置 22 液シール手段 23 受入槽 23a 液面計 24 脱離槽 24a 液面計 25 貯湯タンク 26 排熱ボイラ 27 ポンプ 28 ガス燃焼エンジン 29 発電機 30 脱硫装置 31 除湿装置 32 ガスホルダ 33 温水配管 34 ポンプ 35 温度検出器 36 温度制御器 37 温度制御装置 38 オーバーフロー部 39 マンホール 40 開閉弁 41 タンクローリー 42 接続部 43 オーバーフロー部 44 マンホール 45 タンクローリー 46 接続部 47 蓋 48 オーバーフロー導入路 50 容器 51 熱サイホン 52 オーバーフロー板 53 側板 54 オーバーフロー部 55 ヒートパイプ 58 ブロア a〜i 配管 D ダクト D’ 排気筒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12M 1/00 C12M 1/00 H 1/113 1/113 C12P 5/02 C12P 5/02 C05F 3/00 // C05F 3/00 7/00 7/00 9/00 9/00 B09B 3/00 ZABD Fターム(参考) 4B029 AA02 AA12 BB02 CC01 DA05 DF01 DG06 4B064 AB03 AH19 CA02 CC22 CE20 DA11 DA16 4D004 AA03 BA03 BA04 CA17 CB04 CB21 CB31 CB42 CC07 DA02 DA06 4D059 AA01 AA03 AA07 BA12 BA17 BA48 BA51 BA56 BJ01 CA01 CC01 EA06 EB06 4H061 AA02 AA03 CC36 CC51 CC55 EE66 FF01 GG06 GG07 GG10 GG18 GG48 GG69 GG70 LL02

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 醗酵槽21で有機物含有液を原料として
    メタンガスを生成させる醗酵方法において、有機物含有
    液を複数の醗酵槽21に順次通過しながら醗酵させ、そ
    の際、有機物含有液を上流側からオーバフローさせて隣
    接する下流側の醗酵槽21の底部に導くことにより、複
    数の醗酵槽21内を有機物含有液がピストンフローで順
    次通過するようにしたことを特徴とする有機物含有液の
    醗酵方法。
  2. 【請求項2】 複数の醗酵槽21の液温を下流側の槽に
    向かって順次段階的に高くし、その温度差に応じて生じ
    る有機物含有液の密度差により、上流側からオーバフロ
    ーした有機物含有液を隣接する下流側の醗酵槽21の底
    部に導くようにした請求項1に記載の有機物含有液の醗
    酵方法。
  3. 【請求項3】 各醗酵槽の液温を45℃から65℃の範
    囲内において段階的に上昇させる請求項2に記載の有機
    物含有液の醗酵方法。
  4. 【請求項4】 各醗酵槽21を上流側から下流側に順次
    段階的に下げて配置し、オーバフローする有機物含有液
    の流下速度を増加させることにより、上流側からオーバ
    フローした有機物含有液を隣接する下流側の醗酵槽21
    の底部に導くようにした請求項1に記載の有機物含有液
    の醗酵方法。
  5. 【請求項5】 各醗酵槽21にはその底部に開口するオ
    ーバフロー導入路48を設け、そのオーバフロー導入路
    48に上流側からオーバフローした有機物含有液を導入
    するようにした請求項1〜請求項4のいずれかに記載の
    有機物含有液の醗酵方法。
  6. 【請求項6】 メタンガスを脱離した脱離液を液肥とし
    て回収する請求項3に記載の有機物含有液の醗酵方法。
  7. 【請求項7】 醗酵槽21で有機物含有液を原料として
    メタンガスを生成する醗酵装置において、複数の醗酵槽
    21を備え、各醗酵槽21を上流側から下流側に順次段
    階的に下げて配置することによりオーバフローする有機
    物含有液の流下速度を増加させ、それによって上流側か
    らオーバフローした有機物含有液を隣接する下流側の醗
    酵槽21の底部に導くようにしたことを特徴とする有機
    物含有液の醗酵装置。
  8. 【請求項8】 醗酵槽21で有機物含有液を原料として
    メタンガスを生成する醗酵装置において、複数の醗酵槽
    21と、各醗酵槽21の液温を独立して制御する温度制
    御装置を備え、各温度制御装置の温度設定値が下流側に
    順次段階的に高くなるように設定され、その温度差に応
    じて生じる有機物含有液の密度差により上流側からの有
    機物含有液のオーバフローが隣接する下流側の醗酵槽2
    1の底部に導かれるようになされていることを特徴とす
    る有機物含有液の醗酵装置。
  9. 【請求項9】 各醗酵槽21の底部に開口するオーバフ
    ロー導入路48が設けられた請求項7または請求項8に
    記載の有機物含有液の醗酵装置。
  10. 【請求項10】 最上流側の醗酵槽21に有機物含有液
    の受入槽23が液シール手段22を介して接続されると
    共に、最下流側の醗酵槽21に脱離槽24が液シール手
    段22を介して接続され、有機物含有液が受入槽23か
    ら最上流側の醗酵槽21に流入し、醗酵してメタンガス
    を脱離した脱離液が最下流側の醗酵槽21から脱離槽2
    4に流入するように構成されている請求項7〜請求項9
    のいずれかに記載の有機物含有液の醗酵装置。
  11. 【請求項11】 受入槽23と脱離槽24が隣接して配
    置され、受入槽23の有機物含有液と脱離槽24の脱離
    液の熱交換をする熱交換手段が設けられた請求項10に
    記載の有機物含有液の醗酵装置。
  12. 【請求項12】 熱交換手段が熱サイホン51またはヒ
    ートパイプ55である請求項11に記載の有機物含有液
    の醗酵装置。
  13. 【請求項13】 受入槽23と脱離槽24が鉄筋コンク
    リート製で作られると共に、受入槽23内に有機物含有
    液を収容する金属製の容器50が設置され、該容器50
    に熱サイホン51の開口部側またはヒートパイプ55の
    中間部が固定され、その熱サイホン51またはヒートパ
    イプ55が脱離槽24内部に延長されている請求項12
    に記載の有機物含有液の醗酵装置。
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