JP2001333774A - 核酸抽出方法 - Google Patents

核酸抽出方法

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JP2001333774A
JP2001333774A JP2001080564A JP2001080564A JP2001333774A JP 2001333774 A JP2001333774 A JP 2001333774A JP 2001080564 A JP2001080564 A JP 2001080564A JP 2001080564 A JP2001080564 A JP 2001080564A JP 2001333774 A JP2001333774 A JP 2001333774A
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nucleic acid
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JP2001080564A
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Sukeyasu Yoneda
祐康 米田
Shinji Kanayama
晋治 金山
Hisao Hirano
久夫 平野
Satoshi Furui
聡 古井
Rie Saito
里衣 齋藤
Hidenori Asano
秀徳 浅野
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Nippon Gene KK
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Nippon Gene KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多糖類を多く含む試料中の核酸を簡便に且つ
効率的に抽出・回収できる方法の提供。 【解決手段】 試料を核酸抽出用溶解液中に懸濁するこ
とによって前記試料から前記溶解液中に核酸を抽出する
方法において、前記試料が多糖類を含有し、前記核酸抽
出用溶解液が前記多糖類を分解可能な糖質関連酵素を含
むものとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多糖類を多く含む
試料から核酸を抽出する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR
法)によるDNAの増幅及び検出は、鋭敏かつ正確性が
高いことから、臨床診断や環境化学分析、食品衛生管理
等を中心とした様々な分野で応用されている。このPC
R法は、試料中から抽出、精製したDNA又はRNA等
の核酸を鋳型としてDNA増幅を行うものであるため、
鋳型用の核酸の抽出には、簡便で効率が良いと共に精製
純度が高い方法が望まれている。
【0003】PCR法による鋳型DNAの増幅は、熱変
性によるDNA二本鎖の解離、プライマーとのアニーリ
ング、DNAポリメラーゼによる伸長反応、という3段
階の繰り返しにより行うが、DNAポリメラーゼの酵素
反応阻害物質として、供雑多糖類やポリフェノール、P
CR阻害タンパク質等が知られている。
【0004】従って、試料から鋳型となる核酸を抽出・
回収する際に、これらの阻害物質を除去しておくことが
望ましい。現在いくつかの方法が報告されており、例え
ば、ポリフェノールをポリビニルピロリドンにより吸着
除去する方法、またPCR反応を阻害するタンパク質を
フェノール等の有機溶媒に接触させて失活させる方法な
どが挙げられる。
【0005】一方、種子およびデンプン等は、炭水化物
として人類の食生活に欠くことができない栄養源である
ことから、様々な研究が行われており、特にその由来の
各種植物についての遺伝子研究が精力的に行われてい
る。このためにはまず対象となる試料から核酸を抽出
し、これをPCR法により増幅して実験に供することが
必要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな多くの多糖類を含有する試料から核酸を抽出しよう
とする場合、核酸抽出用溶解液に試料を懸濁すると、多
糖類が液を吸収して膨潤し、溶解液中に核酸が抽出され
てなる核酸抽出液は粘性の高いものとなり、場合によ
り、多糖がゼリー状塊として発生してしまう。従って核
酸抽出液は扱い難く、該抽出液からの核酸の回収操作が
極めて困難となる。
【0007】また、試料中の多糖類による含水を見込ん
で溶解液を増やしたとしても、やはり膨潤した多糖類が
核酸の回収率を低下させるだけでなく、全液量の増加が
操作を面倒にする。
【0008】従来より、核酸抽出液中に夾雑する多糖類
を除去する目的で、少量の塩又はアルコールを共存させ
た状態で氷上静置することが行われているが、この方法
は、多糖類の析出が不充分であったり、抽出するサンプ
ルの状態により核酸の回収率が減少するなど、試料によ
って回収率にバラツキが生じやすいものであった。この
ような方法では、上記の如き多くの多糖類を含有する試
料に対して実際的な多糖類除去方法とはなり得ない。
【0009】また、核酸吸着性物質に核酸抽出液中の核
酸を吸着させて回収するという別の方法も考えられる
が、多糖類は核酸吸着性物質と核酸との結合を妨げた
り、その粘性により操作自体を困難にする等の問題が多
い。
【0010】さらに、以上のような従来の方法では、い
ずれも核酸を抽出しようとする場合、抽出した核酸の量
や純度が、操作する人間の技量や個人差にも左右される
ものであった。このように、簡便で確実に試料からの核
酸の抽出・回収を行える方法は未だ開発されていない。
【0011】本発明の目的は、上記問題点に鑑み、多糖
類を多く含む試料中の核酸を簡便に且つ効率的に抽出・
回収できる方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明に係る核酸抽出方法は、試料
を核酸抽出用溶解液中に懸濁することによって前記試料
から前記溶解液中に核酸を抽出する方法において、前記
試料が多糖類を含有し、前記核酸抽出用溶解液が前記多
糖類を分解可能な糖質関連酵素を含むことを特徴とする
ものである。
【0013】また、請求項2に記載の発明に係る核酸抽
出方法は、請求項1に記載の核酸抽出方法において、前
記糖質関連酵素は、糖質加水分解酵素であることを特徴
とするものである。
【0014】また、請求項3に記載の発明に係る核酸抽
出方法は、請求項2に記載の核酸抽出方法において、前
記糖質加水分解酵素は、α−アミラーゼ、β−アミラー
ゼ、セルラーゼのうちの少なくとも一種であることを特
徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明においては、試料を懸濁し
て該試料から核酸を抽出するための溶解液中に、試料に
含有される多糖類を分解可能な糖質関連酵素を含むもの
であるため、試料を核酸抽出用溶解液に懸濁すると、酵
素反応により試料中の多糖類が分解され、多糖類が溶解
液を吸収、膨潤してゼリー状塊や粘性を生じることなく
液化される。従って、試料中の核酸は液層中に遊離した
状態とされ、従来の核酸抽出液の回収を困難にしていた
多糖類による悪影響を受けることなく、安定した条件で
粘性の低い核酸抽出液が容易に得られる。
【0016】このように、試料が溶解液中の糖質関連酵
素で処理されて核酸が遊離している核酸抽出液は、遠心
分離操作で不要物を沈殿させれば核酸抽出上清が得ら
れ、この上清から容易且つ効率的に核酸を回収できる。
また、シリカ又は陰イオン交換体等のフィルターを用い
る方法でも、多糖類によるフィルターの目詰まりが解消
されるため、良好に抽出上清を回収することができる。
【0017】本発明で用いる糖質関連酵素とは、試料に
含まれる多糖類に対する分解能を有するものであれば良
く、産業用に大量生産されている安価な試薬を用いるこ
とができる。従って、本発明の核酸抽出方法によれば、
試料に含まれる多糖類を除去するために特殊な合成ポリ
マーや有機溶媒等を使用する必要がなく、低コストで簡
便に核酸の抽出・回収を行える。
【0018】なお、本発明の糖質関連酵素としては、糖
質加水分解酵素を用いることが望ましい。該酵素は、多
糖類を少糖類にまで分解するものであるため、核酸抽出
液中の多糖類による粘性を確実に低下させて液化する効
果に優れている。また、本発明に用いられる糖質分解酵
素は、抽出した核酸を分解する核酸分解酵素や糖質分解
酵素を分解する蛋白質分解酵素、およびPCR反応等の
際に擬陽性となりうる糖質分解酵素由来の核酸を含まな
いことが望ましい。
【0019】なお、本発明による核酸抽出方法が用いら
れる試料としては、主に植物の組織や培養細胞が考えら
れるが、これらの試料に専ら含まれる多糖類は、多数の
単糖がグリコシド結合によって脱水縮合した高分子化合
物(通常、構成糖11以上)であって、貯蔵多糖または
栄養多糖としてのデンプン、グリコーゲン、セルロース
等の構造多糖である。
【0020】そこで、これらの多糖類を対象とする場
合、前記糖質加水分解酵素の具体的なものとしては、例
えば、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、セルラーゼが
挙げられ、これらのうちの少なくとも一種を核酸抽出用
溶解液中に含めることが望ましい。即ち、α−1,4グ
ルコシド結合を有する多糖を加水分解する酵素(アミラ
ーゼ等)および/またはβ−1,4グルコシド結合を有
する多糖を加水分解する酵素(セルラーゼ等)を用いれ
ば上記多糖類をほぼ分解することができる。
【0021】なお、このような加水分解酵素は各種のも
のがあるが、被分解物を特定数のグルコース単位を切り
離していくエキソ型分解様式の酵素(βーアミラーゼは
マルトース単位のエキソ型)と、ほぼランダムに近い分
解様式のエンド型分解酵素とに大別できる。本発明にお
いては、エンド型の酵素の方が、液化力効果の強さから
より望ましい。
【0022】本発明の核酸抽出法を用いるのに適した試
料の例としては、主なものに前述の如き植物の組織や培
養細胞が挙げられるが、具体的には、植物細胞では種
子、根、茎、葉、果実など、培養細胞ではシュート、カ
ルスなどがある。植物としては、一般名称でマツ、イチ
ョウ、オリーブ、カカオ、コーヒーなどの木本性植物
や、コケ・シダ類、あるいはイネ、コムギ、オオムギ、
ダイズ、トウモロコシ、ジャガイモ、トマト、ナタネ、
タバコ、シロイヌナズナ等の草本性植物が挙げられる。
【0023】また、植物以外の動物または微生物の組織
や培養細胞を試料とする場合も、試料中にグリコーゲン
等の多糖が含まれるか、あるいは培養時に炭素源として
デンプンやデキストリン等の多糖類が添加されていたの
であれば、試料にも多糖類が多く混在していることか
ら、本発明の核酸抽出方法が有効である。
【0024】また、本発明に使用する核酸抽出用溶解液
は、核酸と糖質関連酵素を安定した状態で一定に保つこ
とのできる緩衝液をその主要構成成分とする。特に種類
が限定されるものではないが、例えば、トリス・塩酸、
酢酸・酢酸ナトリウム、リン酸・リン酸ナトリウム、リ
ン酸・リン酸カリウム等の従来から一般的に用いられて
いる緩衝液を用いることができる。
【0025】さらに、核酸抽出用溶解液には、試料から
効率的に核酸を遊離させたり、試料に夾雑するタンパク
質を変性させるための界面活性剤や、糖質関連酵素の活
性化や安定性向上のための金属イオン等が適宜加えられ
る。
【0026】例えば、セチルトリメチルアンモニウムブ
ロミド等の陽イオン性界面活性剤、ドデシル硫酸ナトリ
ウム、ドデシル−N−サルコシン酸ナトリウム等の陰イ
オン性界面活性剤、トリトンX−100、ツイーン20
等の非イオン性界面活性剤、N−ドデシルベタイン等の
両性界面活性剤や、塩化カルシウム等の金属イオンなど
が挙げられる。
【0027】また、必要に応じてDNA分解酵素の活性
を不活化するEDTA(エチレンジアミン四酢酸)の様
なキレート試薬や、タンパク質変性剤としてグアニジン
塩酸塩等のカオトロピック塩や、尿素等を加えても良
い。但し、本発明に用いる界面活性剤、キレート剤、タ
ンパク質変性剤は、特に限定されるものではないが、い
ずれも糖質関連酵素の活性を妨げることなく、且つ核酸
抽出液からの核酸の回収操作を妨げないものとする。
【0028】なお、核酸抽出用溶解液には、核酸抽出液
からの核酸の回収操作を行う際に必要な試薬、例えばカ
オトロピック塩や、エチルアルコール、イソプロピルア
ルコール等のアルコール、塩化ナトリウム等の塩を予め
加えておくことも可能である。
【0029】
【実施例1】以下に、本発明の第1の実施例として、試
料であるコーンスターチから、糖質関連酵素としてα−
アミラーゼを用いてDNAを抽出・回収する場合を説明
する。核酸抽出用溶解液は、枯草菌由来のα−アミラー
ゼ(200ユニット)、3%塩化ナトリウム、10mM
塩化カルシウム、0.5%トリトンX−100、5%ツ
イーン20、5M尿素を含む30mMのトリス・塩酸緩
衝液(pH8.0)からなるものとした。
【0030】なお、酵素活性はヨウ素呈色法により測定
した。即ち、40℃、5分間保温した1%可溶性デンプ
ン1mLを含む10mM酢酸緩衝液(pH6.0)に酵
素液0.1mLを加えて撹拌後、40℃、10分間反応
した。この反応液を0.1mL分注したものに0.1N
塩酸を1mL加えて酵素活性を止めた。この液から50
μLを分注し、0.005%I/0.05% KI
を1mL加えた際にデンプンが呈色する青紫色を660
nmの吸光度で測定した。上記測定条件において、酵素
液に代わって前記緩衝液を加えた以外は同一の行程を経
たデンプン溶液を対照として、青色呈色が1%低下する
酵素量を1ユニットと定義した。
【0031】本実施例1には、試料として性状の異なる
5種類のコーンスターチ、即ち、順にコーンスターチ、
α化コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、α化の
可能性があるワキシーコーンスターチ、α化ワキシーコ
ーンスターチ、を用いた。各コーンスターチを0.15
g秤量してそれぞれ上記溶解液1.5mLに加え、懸濁
し、90℃、30分間保温した。保温後の各溶液は、コ
ーンスターチ由来の夾雑多糖がα−アミラーゼの効果に
より充分に分解されて、完全に液状化したDNA抽出液
となった。これらDNA抽出液をそれぞれ遠心分離して
第1〜第5のDNA抽出上清を得た。
【0032】本実施例1の対照として、α−アミラーゼ
を含まない以外は本実施例と同組成の溶解液を用いて、
同様に溶解液1.5mLに、コーンスターチ0.15g
を秤量して加えて懸濁し、90℃、30分間保温した。
しかし、保温処理後は液分がほとんど多糖類に含水され
て全体が糊状となり、DNA抽出液として回収可能な液
層が得られず、以降の操作は続行不可能となった。
【0033】本実施例1における上記第1から第5の抽
出上清の1.2mLを、それぞれDEAE−セルロース
紙を敷いたカラムに供した。該カラムによる濾過で、各
抽出上清中のDNAをそれぞれDEAE−セルロース紙
に吸着させた。上清濾過後は、前記核酸抽出用溶解液を
0.6mLずつカラムに供して各DEAE−セルロース
紙の吸着物を2回ずつ洗浄した。
【0034】次に、10%塩化ナトリウムを含む30m
Mトリス・塩酸緩衝液(pH8.0)0.6mLずつを
用いて各DEAE−セルロース紙に吸着したDNAを溶
出し、この各溶出液にぞれぞれ2μLの高分子キャリア
ー(エタ沈メイト:ニッポンジーン社製)と60μLの
3M酢酸ナトリウム塩、0.6mLのイソプロパノール
を加えて分別沈殿を行った。
【0035】それぞれ遠心分離後、得られた各沈殿物を
1mLの70%エタノールで洗浄し、風乾した後、20
μLのTEバッファーに溶解して第1〜第5の抽出DN
Aを回収した。アルコール沈殿後のDNA沈殿物には、
いずれもゼリー状に析出する夾雑多糖は全く観察されな
かった。
【0036】以上の方法で試料コーンスターチから抽
出、回収した第1〜第5のDNAを鋳型として以下に示
す手順でそれぞれPCR反応を行ってターゲットDNA
を増幅させ、抽出DNAの回収を確認した。このPCR
反応では、トウモロコシ由来のアミロプラスト特異的通
過蛋白( Amyloplast-specific transit protein)遺伝
子をターゲットDNAとし、TaqDNAポリメラーゼ
(Gene Taq:ニッポンジーン社製)を用いた。
【0037】また、PCR用プライマーには、トウモロ
コシ由来のアミロプラスト特異的通過蛋白遺伝子を鋳型
としてPCR増幅を行った場合、全長104bp、中央
部分にBam HIサイトを含むDNA断片が得られるように
設計したもの(5'-aaatgcatgctgttctgcaggcag-3':配列
番号1および、5'-acgaagactgcaactcttaccgtat-3':配
列番号2)を用いた。これらPCR用プライマーは、後
述する配列表の配列番号1及び配列番号2として記載し
た。
【0038】まず本実施例1で回収された第1〜第5の
抽出DNAのうちそれぞれ2μLを用いて、TaqDN
Aポリメラーゼおよびプライマー、基質dNTP混合液
を含む総量20μLの反応系で、95℃で5分間ホット
スタートを行った後、第一段階として95℃で20秒間
(熱変性によるDNA2本鎖の解離)、第二段階として
70℃で20秒間(アニーリング)、第三段階として7
2℃で20秒間(TaqDNAポリメラーゼによる伸長
反応)という3段階のサイクルを40回繰り返すことに
より、ターゲットDNAを増幅した。
【0039】それぞれ増幅したDNAを含む第1〜第5
のPCR反応液のうち、それぞれ5μLを3%アガロー
ス21(商品名:ニッポンジーン社製)ゲルにて電気泳
動を行った。このゲルを臭化エチジウムにより染色して
紫外線下で観察したところ、図1の模式図に示すよう
に、実験に供した5種類全ての試料コーンスターチから
目的の104bpにターゲット遺伝子の明瞭なバンド
(レーン1〜5)が確認できた。
【0040】なお、このターゲット遺伝子は制限酵素 B
am HI のサイトを含むことから、上記第1〜第5のPC
R産物を前記制限酵素でそれぞれ処理したもの(レーン
9〜13)と、陽性コントロールとしてトウモロコシ葉
からCTAB法により抽出したDNA由来のターゲット
遺伝子(レーン7)を前記制限酵素で処理したもの(レ
ーン14)を、pUC19DNAを制限酵素MspIで消
化した分子量マーカー(マーカー11:ニッポンジーン
社製,レーン8)と共に、電気泳動した。
【0041】図1のレーン9〜13,およびレーン14
から明らかなように、レーン1〜5およびレーン7の1
04bpに認めれらた5種類のコーンスターチDNA由
来のターゲット遺伝子および陽性コントロールのターゲ
ット遺伝子は、全て制限酵素処理により消失し、新たに
2本のバンドが確認された。これに加えてレーン7に見
られるトウモロコシ葉DNA由来のバンドがそれぞれ5
種類のコーンスターチから増幅したレーン1〜5に見ら
れるバンド長と完全に一致したこと、レーン6の鋳型と
なるDNAを含まないでPCR反応を行った反応液では
104bpのバンドが得られなかったことから、各コー
ンスターチからの抽出物を鋳型DNAとして増幅して得
たDNAはターゲット遺伝子であることが確認された。
【0042】
【実施例2】次に、前述の実施例1における試料コーン
スターチから2種、順にコーンスターチ、α化コーンス
ターチを選び、各0.15gずつを秤量し、核酸抽出用
溶解液を用いてスターチに含まれる多糖類を分解した。
核酸抽出用溶解液の組成は、前述の枯草菌由来のα-ア
ミラーゼ(200ユニット)、500mM塩化ナトリウ
ム、10mM塩化カルシウム、0.5%トリトンX-1
00、5%ツイーン20、5M尿素を含む30mMのト
リス・塩酸緩衝液(pH8.0)からなるものとした。
【0043】次いで、コーンスターチのDNAを含む核
酸抽出用溶解液をDEAE基を有するシリカ担体を充填
したカラム(Genomic tip 100/G;キアゲン社製)
に供し、各抽出上清中のDNAを吸着した。これに続く
カラム洗浄、DNA溶出及び回収の操作は、Genomic ti
pのマニュアルに基づき、Genomic DNA buffer set(キ
アゲン社製)を用いて行った。具体的には、4mLのバ
ッファーQBTにて平衡化したGenomic tip 100/G
カラムに、試料コーンスターチのDNAを含む核酸抽出
用溶解液を供した。7.5mLのバッファーQCで2度
洗浄した後、5mLのバッファーQFにて溶出した。こ
の溶出液に2μLの高分子キャリアー(エタ沈メイト:
ニッポンジーン社製)と3.5mLのイソプロパノール
を加えて遠心する事によりDNAを沈殿させ、沈殿物を
2mLの70%冷エタノールで洗浄した。沈殿物を乾燥
後、40μLのTEバッファーに溶解した。ここでもア
ルコール沈殿後のDNA沈殿物には、いずれもゼリー状
に析出する夾雑多糖は全く観察されなかった。
【0044】本実施例2で回収した2種の試料コーンス
ターチ抽出DNAをそれぞれ、原液、10倍希釈、10
0倍希釈したもの全6種について、各2μLを用いてT
aqDNAポリメラーゼおよびプライマー、基質dNT
P混合液を含む総量25μLの反応系を調製した。次
に、95℃10分間ホットスタートを行った後、第一段
階として95℃で30秒間、第二段階として60℃で3
0秒間、第三段階として72℃で30秒間という3段階
のサイクルを40回繰り返すことにより、ターゲットD
NAを増幅した。
【0045】なお、PCR用プライマーには、トウモロ
コシ由来のツェイン(zein)遺伝子を増幅した際に99
bpの増幅DNAが得られるように設計した2種のもの
(5'-atggcgtgtccgtccctgat-3':配列番号3、5'-tgaca
tcatgttaggcgtcatc-3':配列番号4)を用いた。これら
PCR用プライマーは、後述する配列表の配列番号3及
び配列番号4として記載した。
【0046】以上の6種のPCR反応液5μLを、前記
分子量マーカー11(レーン5および10)と共に、そ
れぞれ前述の3%アガロースゲルにて電気泳動した。こ
れを臭化エチジウム染色し、紫外線下で観察したものが
図2である。図2のレーン2〜4(順に、コーンスター
チより抽出・回収したDNAの原液、10倍希釈、10
0倍希釈したものを鋳型とした増幅産物)に示すとお
り、レーン2および3に目的の99bpにターゲット遺伝
子の明瞭なバンドが確認できた。他方、図2のレーン7
〜9(順に、α化コーンスターチより抽出・回収したD
NAの原液、10倍希釈、100倍希釈したものを鋳型
とした増幅産物)では、レーン7および8に99bpの明
瞭なバンドが確認できた。レーン1および6に示した鋳
型となるDNAを含まない陰性コントロールでは、ター
ゲット遺伝子のバンドは得られなかった。次に、これら
のDNA増幅断片をpGEM-Tベクター(プロメガ社製)へ
クローニングし、M13(-21)プライマーにより塩基
配列を調べたところ、既知の配列と一致した。これらの
結果、各試料コーンスターチから抽出した鋳型DNAは
ターゲットDNAであるツェインをコードするDNA配
列を含むことが示された。
【0047】
【実施例3】次に、本発明の第3の実施例として、試料
に市販されている6種類のコーンスナック菓子を選択
し、これらの試料から、糖質関連酵素としてα−アミラ
ーゼを用いてDNAを抽出・回収する場合を説明する。
用いた第1〜第6のコーンスナック菓子は、順にカール
・サラダ味(商品名:カルビー社製)、黒糖コーン(商
品名:南国製菓社製)、もろこし輪太郎(商品名:菓道
社製)、おじゃる丸コーンスナック・プリン味(商品
名:亀田製菓社製)、うまい棒・メンタイ味(商品名:
リスカ社製)、チーズビット(商品面:カルビー社
製)、というコーンの加熱調味製品である。
【0048】用いた核酸抽出用溶解液は、前記実施例1
と同様の枯草菌由来のα−アミラーゼ(200ユニッ
ト)および500mM塩化ナトリウム、10mM塩化カ
ルシウム、0.5%トリトンX−100、5%ツイーン
20、5M尿素を含む30mMのトリス・塩酸緩衝液
(pH8.0)からなるものとした。
【0049】各試料は、それぞれ細かく砕いたものを
0.8gずつ秤量して上記溶解液8mLに加えて懸濁
し、90℃30分間保温した後、遠心分離により第1〜
第6のDNA抽出上清を得た。本実施例2においても、
いずれの試料もα−アミラーゼの効果により多糖が充分
に分解されており、DNA抽出液回収操作は容易であっ
た。
【0050】以下、前記実施例2と同一の手順で、4m
LのバッファーQBTにて平衡化したGenomic tip 10
0/Gカラムに、DNAを含む核酸抽出用溶解液の上清
6種をそれぞれ供した。7.5mLのバッファーQCで
2度洗浄した後、5mLのバッファーQFにて溶出し
た。これら各溶出液に2μLの高分子キャリアーである
エタ沈メイトと3.5mLのイソプロパノールを加えて
遠心する事によりDNAを沈殿させ、この沈殿物を2m
Lの70%冷エタノールで洗浄した。沈殿物を乾燥後、
40μLのTEバッファーに溶解した。ここでもアルコ
ール沈殿後のDNA沈殿物には、いずれもゼリー状に析
出する夾雑多糖は全く観察されなかった。
【0051】以上の方法で試料コーンスナック菓子から
抽出・回収した第1〜第6のDNAを鋳型としてそれぞ
れPCR反応を行ってターゲットDNAを増幅させ、抽
出DNAの回収を確認した。このPCR反応では、トウ
モロコシ由来のツェイン(zein)遺伝子をターゲットD
NAとし、TaqDNAポリメラーゼ(AmpliTaq Gol
d:PEバイオシステムズジャパン社製)を増幅反応に
用いた。
【0052】本実施例2で回収した第1〜第6のコーン
スナック抽出DNAのうち、それぞれ2μLを用いてT
aqDNAポリメラーゼおよびプライマー、基質dNT
P混合液を含む総量25μLの反応系を調製した。次
に、95℃10分間ホットスタートを行った後、第一段
階として95℃で30秒間、第二段階として60℃で3
0秒間、第三段階として72℃で30秒間という3段階
のサイクルを40回繰り返すことにより、ターゲットD
NAを増幅した。本遺伝子およびPCR用プライマー
(配列番号3,4)は実施例2のものと同一である。
【0053】第1〜第6のPCR反応液5μLを、前記
分子量マーカー11(レーン7)と共に、それぞれ前述
の3%アガロースゲルにて電気泳動した。これを臭化エ
チジウム染色し、紫外線下で観察したところ、図3のレ
ーン1〜6(順に、カール・サラダ味、黒糖コーン、も
ろこし輪太郎、おじゃる丸コーンスナック・プリン味、
うまい棒・メンタイ味、チーズビットより抽出・回収し
たDNAを鋳型としたもの)に示すとおり、目的の99
bpにターゲット遺伝子の明瞭なバンドが確認できた。
他方、レーン8に示した鋳型となるDNAを含まない陰
性コントロールでは、ターゲット遺伝子のバンドは得ら
れなかった。これに加えてレーン9に見られるトウモロ
コシ葉DNA由来のバンドがそれぞれ5種類のコーンス
ナックから増幅したレーン1〜6に見られるバンド長と
完全に一致した。そこで、カール・サラダ味から得られ
たDNA増幅断片をpGEM-Tベクター(プロメガ社製)へ
クローニングし、その塩基配列を調べたところ、既知の
配列とほぼ一致した。これらの結果、各試料コーンスナ
ックから抽出した鋳型DNAはターゲットDNAを含む
ことが示された。
【0054】
【実施例4】次に、本発明の第4の実施例として、試料
に市販されているコーンシリアル、具体的にはモーニン
(商品名:カルビー社製)を選択し、このコーンシリア
ル試料から、糖質関連酵素としてα−アミラーゼを用い
てDNAを抽出・回収した場合を説明する。
【0055】用いた核酸抽出用溶解液は、前記実施例1
と同様の枯草菌由来のα−アミラーゼ(200ユニッ
ト)、500mM塩化ナトリウム、10mM塩化カルシ
ウム、0.5%トリトンX−100、5%ツイーン2
0、5M尿素を含む30mMのトリス・塩酸緩衝液(p
H8.0)からなるものである。
【0056】試料のコーンシリアルを細かく砕いたもの
を0.8g秤量して上記溶解液8mLに加えて懸濁し、
90℃30分間保温した後、遠心分離により得たDNA
抽出上清を、実施例2と同じ手順でDNAをDEAE−
シリカ担体を充填したカラムで濾過して該DEAE−シ
リカ担体に抽出上清中のDNAを吸着させ、GenomicDNA
buffer setのバッファーQBTにより溶出した。次い
で、この溶出液に2μLのエタ沈メイトと3.5mLの
イソプロパノールを加えて分別沈殿を行い、遠心分離
後、得られた沈殿物を70%エタノールで洗浄し、風乾
した後、40μLのTEバッファーに溶解して抽出DN
Aを回収した。ここでもアルコール沈殿後のDNA沈殿
物には、ゼリー状に析出する夾雑多糖は全く観察されな
かった。
【0057】以上の方法で試料コーンシリアルから抽
出、回収したDNAを鋳型としてTaqDNAポリメラ
ーゼ(AmpliTaq Gold:PEバイオシステムズジャパン
社製)によるPCR反応に供し、ターゲットDNAであ
るトウモロコシ由来のツェイン(zein)遺伝子を検出
した。本遺伝子およびPCR用プライマー(配列番号
3,4)は実施例2のものと同一である。
【0058】即ち、本実施例4で回収したコーンシリア
ル抽出DNAを2μL使用して、TaqDNAポリメラ
ーゼおよびプライマー、基費dNTP混合液を含む総量
25μLの反応液を調製し、これを95℃10分間ホッ
トスタートした後、第一段階として95℃で30秒間、
第二段階として60℃で30秒間、第三段階として72
℃で30秒間という3段階の反応を40サイクル操り返
すことにより、ターゲットDNAを増幅した。
【0059】増幅したDNAを含むPCR反応液のう
ち、5μLを前述のマーカー11(レーン3)と共に3
%のアガロース21ゲルにて電気泳動を行った。このゲ
ルを臭化エチジウムで染色し、紫外線下で検出したもの
を図4に示す。試料コーンシリアルから抽出した鋳型D
NA(レーン1)は、コーンミールから抽出した陽性コ
ントロール(レーン2)と同じ101bpに明瞭なバン
ドを得た。さらに、DNAシーケンサ(ABI PRISM 3
77:PEバイオシステムズジャパン社製)を用いてこ
のバンドの塩基配列を調べたところ、既知のツェイン(z
ein)配列と一致することを確認した。
【0060】
【実施例5】次に、本発明の第5の実施例として、試料
に市販されている米菓、具体的にはおにぎりせんべい
(商品名:マスヤ社製)、ハッピーターン(商品名:亀
田製菓社製)を選択し、これら米菓試料から、糖質関連
酵素としてα−アミラーゼを用いてDNAを抽出・回収
した場合を説明する。
【0061】本実施例5においても、核酸抽出用溶解液
として、前記実施例2と同様の枯草菌由来のα−アミラ
ーゼ(200ユニット)、500mM塩化ナトリウム、
10mM塩化カルシウム、0.5%トリトンX−10
0、5%ツイーン20、5M尿素を含む30mMのトリ
ス・塩酸緩衝液(pH8.0)からなるものを用いた。
【0062】試料の米菓をそれぞれ細かく砕いたものを
0.8gずつ秤量して上記溶解液8mLに加えて懸濁
し、それぞれ90℃30分間保温した後、遠心分離によ
り得たDNA抽出上清を、実施例2と同じ手順でDNA
をDEAE−シリカ担体を充填したカラムで濾過して該
DEAE−シリカ担体に抽出上清中のDNAを吸着さ
せ、Genomic DNA buffer setのバッファーQBTにより
溶出した。次いで、これら2種の溶出液にそれぞれ2μ
Lのエタ沈メイトと3.5mLのイソプロパノールを加
えて分別沈殿を行い、遠心分離後、得られた各沈殿物を
70%エタノールで洗浄し、風乾した後、40μLのT
Eバッファーに溶解して2種類の抽出DNAを回収し
た。ここでもアルコール沈殿後のDNA沈殿物には、ど
ちらにもゼリー状に析出する夾雑多糖は全く観察されな
かった。
【0063】以上の方法で2種の米菓試料から抽出、回
収した2種のDNAを鋳型としてそれぞれTaqDNA
ポリメラーゼ(AmpliTaq Gold:PEバイオシステムズ
ジャパン社製)によるPCR反応に供し、イネ由来のプ
ロラミン(Oryza sativa prolamin)遺伝子をターゲッ
トDNAとして検出した。
【0064】なお、PCR用プライマーには、イネに由
来するプロラミン遺伝子の配列情報により合成したもの
(5'-caacagctcaggctggtagcgc-3':配列番号5、5'-gta
gacaacaccgacctgctgcag-3':配列番号6)を用いた。こ
れらのプライマーはイネ・プロラミン遺伝子を鋳型とし
て増幅した際に102bpのバンドが得られるように設計
したものである。また後述する配列表の配列番号5及び
配列番号6として記載した。
【0065】まず回収した2種の米菓抽出DNAをそれ
ぞれ、原液、10倍希釈、100倍希釈したもの全6種
について、各2μLをPCR反応の鋳型DNAとした。
PCR反応液は、それぞれ前述の6種の鋳型DNAを2
μL、TaqDNAポリメラーゼおよびプライマー、基
質dNTP混合液を含む総量25μLとした。これら6
種の反応液を、95℃10分間ホットスタートを行った
後、第一段階として95℃で30秒間、第二段階として
64℃で30秒間、第三段階として72℃で30秒間と
いう3段階のサイクルを40回操り返すことにより、タ
ーゲットDNAを増幅した。
【0066】PCR反応後、6種の反応液各5μLをそ
れぞれ前述の3%アガロースゲルにロードし、電気泳動
を行った。このゲルを臭化エチジウムで染色し、紫外線
下に観察したものが図5である。おにぎりせんべいから
抽出・回収したDNAを鋳型として用いたものをレーン
2〜4(順に、原液、10倍希釈液、100倍希釈液)
に示した。他方、ハッピーターンから抽出・回収したD
NAを鋳型として用いたものをレーン7〜9(順に、原
液、10倍希釈液、100倍希釈液)に、抽出系から鋳
型DNAのみを除いた陰性コントロールはレーン5およ
びレーン10に示した。また、レーン1およびレーン6
は、前述の分子量マーカー(マーカー11)である。そ
の結果、各試料米菓から抽出・回収したDNAを鋳型と
する反応液の全てに、ターゲット遺伝子の明瞭な陽性バ
ンド(102bp)を確認した。また、これら米菓のう
ちハッピーターンから得られたDNAを鋳型として塩基
配列を確認したところ、既報のものと一致した。
【0067】
【実施例6】次に、本発明の第6の実施例として、試料
に市販されているポテトスナック菓子、具体的にはポテ
トチップス・うすしお味(商品名:カルビー社製)、サ
ッポロポテト・ベジタブル(商品名:カルビー社製)を
選択し、これらジャガイモの加熱調味試料から、糖質関
連酵素としてα−アミラーゼを用いてDNAを抽出・回
収した場合を説明する。
【0068】本実施例6で用いた核酸抽出用溶解液も、
前記実施例1と同様の枯草菌由来のα−アミラーゼ(2
00ユニット)、500mM塩化ナトリウム、10mM
塩化カルシウム、0.5%トリトンX−100、5%ツ
イーン20、5M尿素を含む30mMのトリス・塩酸緩
衝液(pH8.0)からなるものである。
【0069】試料のポテトスナック菓子をそれぞれ細か
く砕いたものを0.8gずつ秤量して上記溶解液8mL
に加えて懸濁し、90℃30分間保温した後、遠心分離
により2種のDNA抽出上清を得た。これら2種の抽出
上清を実施例2と同じ手順でDNAをDEAE−シリカ
担体を充填したカラムで濾過して該DEAE−シリカ担
体に抽出上清中のDNAを吸着させ、Genomic DNA buff
er setのバッファーQBTにより溶出した。次いで、こ
の溶出液に2μLのエタ沈メイトと3.5mLのイソプ
ロパノールを加えて分別沈殿を行い、遠心分離後、得ら
れた各沈殿物を70%エタノールで洗浄し、風乾した
後、40μLのTEバッファーに溶解して2種の抽出D
NAを回収した。本実施例6においても、アルコール沈
殿後のDNA沈殿物には、いずれもゼリー状に析出する
夾雑多糖は全く観察されず、DNA抽出・回収操作は容
易であった。
【0070】以上の方法で2種の試料ポテトスナック菓
子から抽出、回収した2種のDNAを鋳型としてそれぞ
れTaqDNAポリメラーゼ(AmpliTaq Gold:PEバ
イオシステムズジャパン社製)によるPCR反応に供
し、ジャガイモ由来のパタチンクラス1(patatin clas
s1)遺伝子をターゲットDNAとして検出した。
【0071】なお、PCR用プライマーには、ジャガイ
モパタチンクラス1遺伝子をPCR増幅することが可能
で、103bpのDNA断片が得られるように設計した
もの(5'-cccttagcgttgcaacgagacttgc-3':配列番号
7、5'-gtgccagtgcctaatgagagcaac-3':配列番号8)を
用いた。これらのプライマーは、後述する配列表の配列
番号7および配列番号8として記載した。
【0072】回収した2種のポテトスナック菓子抽出D
NAをそれぞれ、原液、10倍希釈、100倍希釈した
もの全6種について、各2μLをPCR反応の鋳型DN
Aとし、TaqDNAポリメラーゼ、プライマー、基質
dNTP混合液を混合してそれぞれ総量25μLの反応
系を調製し、これらをそれぞれ95℃10分間ホットス
タートをした後、第一段階として95℃で30秒間、第
二段階として63℃で30秒間、第三段階として72℃
で30秒間という3段階の反応を40回繰り返すことに
より、ターゲットDNAを増幅した。
【0073】上記6種のPCR反応液について、それぞ
れ5μLを前述の3%アガロースゲルで電気泳動後、臭
化エチジウム染色し、紫外線下で観察した。図6のレー
ン2〜レーン3は、ポテトチップスうすしお味から抽出
した鋳型DNA(順に、原液、10倍希釈液、100倍
希釈液)の増幅産物を示したものである。他方、ハッピ
ーターンから抽出・回収した鋳型DNA(順に、原液、
10倍希釈液、100倍希釈液)の増幅産物をレーン7
〜9に、抽出系から鋳型DNAのみを除いた陰性コント
ロールはレーン5およびレーン10に示す。また、レー
ン1および6は、前述のマーカー11である。その結
果、ポテトスナック菓子から抽出・回収したDNAを含
む反応液は、全てターゲット遺伝子(103bp)の明
瞭なバンドを確認した。これらのうちポテトチップスう
すしお味については、DNAシークエンサーによりPC
R増幅バンドの塩基配列を調べたところ、ジャガイモ
パタチンクラス1遺伝子の一部であることを確認した。
【0074】
【実施例7】さらに、本発明の第7の実施例として、試
料に市販されている小麦スナック菓子であるおっとっと
(商品名:森永製菓社製)、ベビースターラーメン(商
品名:おやつカンパニー社製)を選択し、これら小麦の
加熱調味試料から、糖質関連酵素としてα−アミラーゼ
を用いてDNAを抽出・回収した場合を説明する。
【0075】用いた核酸抽出用溶解液は、前記実施例2
と同様の枯草菌由来のα−アミラーゼ(200ユニッ
ト)、500mM塩化ナトリウム、10mM塩化カルシ
ウム、0.5%トリトンX−100、5%ツイーン2
0、5M尿素を含む30mMのトリス・塩酸緩衝液(p
H8.0)からなるものである。
【0076】試料の小麦スナック菓子をそれぞれ細かく
砕いたものを0.8gずつ秤量して上記溶解液8mLに
加えて懸濁し、90℃30分間保温した後、遠心分離に
より2種のDNA抽出上清を得た。これら2種の抽出上
清を実施例2と同じ手順でDNAをDEAE−シリカ担
体を充填したカラムで濾過して該DEAE−シリカ担体
に抽出上清中のDNAを吸着させ、Genomic DNA buffer
setのバッファーQCにより洗浄し、バッファーQBT
により溶出した。次いで、この溶出液に2μLのエタ沈
メイトと3.5mLのイソプロパノールを加えて分別沈
殿を行い、遠心分離後、得られた各沈殿物を70%エタ
ノールで洗浄し、風乾した後、40μLのTEバッファ
ーに溶解して2種の抽出DNAを回収した。本実施例7
においても、アルコール沈殿後のDNA沈殿物には、い
ずれもゼリー状に析出する夾雑多糖は全く観察されず、
DNA抽出・回収操作は容易であった。
【0077】以上の方法で2種の試料小麦スナック菓子
からそれぞれ抽出、回収した2種のDNAを鋳型とし
て、それぞれTaqDNAポリメラーゼ(AmpliTaq Gol
d:PEバイオシステムズジャパン社製)によるPCR
反応に供し、小麦由来の低分子量グルテニン(low mole
cular weight glutenin)遺伝子をターゲットDNAと
して検出した。
【0078】なお、PCR用プライマーには、コムギグ
ルテニン遺伝子の配列情報を基に設計し、PCR増幅に
よって99bpのDNA断片が得られるもの2種(5'-c
cattgcactccgtaccctgcc-3':配列番号9、5'-caccaactc
cgatgccaacgcc-3':配列番号10)を用いた。これらの
プライマーは、後述する配列表に配列番号9および配列
番号10として記載した。
【0079】まず、回収した2種の小麦スナック菓子抽
出DNAをそれぞれ、原液、10倍希釈、100倍希釈
したもの全6種について、各2μLをPCR反応の鋳型
DNAとし、TaqDNAポリメラーゼおよびプライマ
ー、基質dNTP混合液を含む総量20μLの反応系
で、95℃で5分間ホットスタートを行った後、第一段
階として95℃で20秒間、第二段階として64℃で2
0秒間、第三段階として72℃で20秒間という3段階
のサイクルを40回繰り返すことにより、ターゲットD
NAを増幅した。
【0080】PCR反応後、それぞれ6種の反応産物5
μLを前述の3%アガロースゲルで電気泳動した。この
ゲルを臭化エチジウム染色し、紫外線下で観察した結果
を図7に示す。図7のレーン2〜レーン4は、おっとっ
とから抽出・回収された鋳型DNAを反応液に含むもの
であり、それぞれ順に、原液、10倍希釈、100倍希
釈の鋳型DNAを使用したものについて示した。他方、
ベビースターラーメンから抽出・回収された鋳型DNA
が原液、10倍希釈液、100倍希釈液の濃度で反応液
に含まれたものを、順にレーン7〜レーン9に泳動し
た。また、抽出系から鋳型DNAのみを除いた陰性コン
トロールはレーン5およびレーン10に、前述の分子量
マーカ(マーカー11)は、レーン1およびレーン6で
泳動した。その結果、試料小麦スナック菓子から抽出・
回収した鋳型DNAを増幅した反応液を含むレーン(レ
ーン2〜4および7〜9)の全てに99bpのターゲッ
ト遺伝子のバンドを確認した。これら試料小麦スナック
菓子のうち、ベビースターラーメンから得られたPCR
増幅バンドの塩基配列を調べたところ、既知の配列とほ
ぼ一致することを確認した。
【0081】
【実施例8】次に、本発明の第8の実施例として、市販
の乾燥麺を含む食品から、どん兵衛(カップ麺:日清食
品社製)と中華三昧・広東風拉麺(袋入りインスタント
麺:明星食品社製)を試料に選択し、これら試料乾燥麺
から糖質関連酵素としてα-アミラーゼを用いてDNA
を抽出・回収した場合を説明する。
【0082】用いた核酸抽出用溶解液は、前記実施例2
と同様の枯草菌由来のα-アミラーゼ(200ユニッ
ト)、500mM塩化ナトリウム、10mM塩化カルシ
ウム、0.5%トリトンXー100、5%ツイーン2
0、5M尿素を含む30mMのトリス・塩酸緩衝液(p
H8.0)からなるものである。
【0083】試料の乾燥麺をそれぞれ細かく砕いたもの
を0.8gずつ秤量して上記溶解液8mLに加えて懸濁
し、90℃、30分間保温した後、遠心分離により得た
2種の抽出上清を実施例2と同じ手順でDNAをDEA
E−シリカ担体を充填したカラムで濾過して該DEAE
−シリカ担体に抽出上清中のDNAを吸着させ、Genomi
c DNA buffer setのバッファーQCにより洗浄し、バッ
ファーQBTにより溶出した。ついで、この溶出液に2
μLにエタ沈メイトと3.5mLのイソプロパノールを
加えて分別沈殿を行い、遠心分離後、得られた沈殿物を
70%エタノールで洗浄し、風乾した後、40μLのT
Eバッファーに溶解して2種の抽出DNAを回収した。
本実施例8においても、アルコール沈殿後のDNA沈殿
物には、いずれもゼリー状に析出する夾雑多糖は全く観
察されず、DNA抽出・回収操作は容易であった。
【0084】以上の方法で試料乾燥麺から抽出・回収し
たDNAを鋳型としてAmpliTaq GoldによるPCR反応
に供し、ターゲットDNAであるコムギ由来のグルテニ
ン遺伝子を検出した。本遺伝子およびプライマー(配列
番号9,10)は実施例7のものと同じである。
【0085】まず、回収した2種の乾燥麺抽出DNAを
それぞれ原液、10倍希釈、100倍希釈したもの全6
種について、各2μLをPCR反応の鋳型DNAとし
た。PCR反応液は、それぞれ前述の6種の鋳型DNA
を2μL、TaqDNAポリメラーゼおよびプライマ
ー、基質dNTP混合液を含む総量25μLとした。こ
れら6種の反応液を95℃、30分間ホットスタートを
行った後、第一段階として95℃で30秒間、第二段階
として64℃で30秒間、第三段階として72℃で30
秒間という3段階のサイクルを40回繰り返すことによ
り、ターゲットDNAを増幅した。
【0086】PCR反応後、6種の反応液各5μLをそ
れぞれ前述の3%アガロースゲルにロードし、電気泳動
を行った。このゲルを臭化エチジウムで染色し、紫外線
下に観察したものが図7である。どん兵衛から抽出・回
収したDNAを鋳型として用いたレーン2〜4(順に、
原液、10倍希釈液、100倍希釈液)に示した。他
方、中華三昧・広東風拉麺から抽出・回収したDNAを
鋳型として用いたレーン7〜9(順に、原液、10倍希
釈液、100倍希釈液)に、抽出系から鋳型DNAのみ
を除いた陰性コントロールはレーン1およびレーン6に
示した。また、レーン5は前述のマーカー11である。
その結果、各試料乾燥麺から抽出・回収したDNAを鋳
型とする反応液の全てに、ターゲット遺伝子の明瞭な陽
性バンド(99bp)を確認した。また、これら2種の乾
燥麺試料からPCR増幅したバンドの塩基配列を確認し
たところ、共に既報の配列と一致した。
【0087】
【実施例9】次に、本発明の第9の実施例として、試料
に、市販の糖質を多く含む製品から生麺を選択し、さぬ
きうどん(ゆでうどん:株式会社加ト吉製)と焼きそば
(むし中華めん:東洋水産社製)を対象とし、これら試
料生麺から糖質関連酵素としてα-アミラーゼを用いて
DNAを抽出・回収した場合を説明する。
【0088】本実施例9で用いた核酸抽出用溶解液は、
前記実施例2と同様の枯草菌由来のα-アミラーゼ(2
00ユニット)、500mM塩化ナトリウム、10mM
塩化カルシウム、0.5%トリトンXー100、5%ツ
イーン20、5M尿素を含む30mMのトリス・塩酸緩
衝液(pH 8.0)からなる。
【0089】試料の各生麺を凍結乾燥してから細かく砕
いたものを0.8gずつ秤量して上記溶解液8mLに加
えて懸濁し、90℃、30分間保温した後、遠心分離に
より得た2種の抽出上清を実施例2と同じ手順で、DN
AをDEAE−シリカ担体を充填したカラムで濾過して
該DEAE−シリカ担体に抽出上清中のDNAを吸着さ
せ、Genomic DNA buffer setのバッファーQCにより洗
浄し、バッファーQBTにより溶出した。ついで、この
溶出液に2μLのエタ沈メイトと3.5mLのイソプロ
パノールを加えて分別沈殿を行い、遠心分離後、得られ
た沈殿物を70%エタノールで洗浄し、風乾した後、4
0μLのTEバッファーに溶解して2種の抽出DNAを
回収した。本実施例9においても、アルコール沈殿後の
DNA沈殿物には、いずれもゼリー状に析出する夾雑多
糖は全く観察されず、DNA抽出・回収操作は容易であ
った。
【0090】以上の方法で2種の試料生麺から抽出・回
収したDNAを鋳型として前述のAmpliTaq Goldによる
PCR反応に供し、ターゲットDNAであるコムギ由来
のグルテニン遺伝子を検出した。本遺伝子およびプライ
マー(配列番号9,10)は実施例7のものと同じであ
る。
【0091】まず回収した2種の生麺抽出DNAをそれ
ぞれ原液、10倍希釈、100倍希釈したもの全6種に
ついて、各2μLをPCR反応の鋳型DNAとした。P
CR反応液は、それぞれ前述の6種の鋳型DNAを2μ
L、TaqDNAポリメラーゼおよびプライマー、基質
dNTP混合液を含む総量25μLとした。これら6種
の反応液を95℃、30分間ホットスタートを行った
後、第一段階として95℃で30秒間、第二段階として
64℃で30秒間、第三段階として72℃で30秒間と
いう3段階のサイクルを40回繰り返すことにより、タ
ーゲットDNAを増幅した。
【0092】PCR反応後、6種の反応液各5μLをそ
れぞれ前述の3%アガロースゲルにロードし、電気泳動
を行った。このゲルを臭化エチジウムで染色し、紫外線
下に観察したものが図9である。さぬきうどんから抽出
・回収したDNAを鋳型として用いた増幅産物をレーン
2〜4(順に、原液、10倍希釈液、100倍希釈液)
に示した。他方、焼きそばから抽出・回収したDNAを
鋳型として用いた増幅産物をレーン7〜9(順に、原
液、10倍希釈液、100倍希釈液)に、抽出系から鋳
型DNAのみを除いた陰性コントロールはレーン1およ
びレーン6に示した。また、レーン5およびレーン10
は前述のマーカー11である。その結果、各試料生麺か
ら抽出・回収したDNAを鋳型とする反応液の全てに、
ターゲット遺伝子の明瞭な陽性バンド(99bp)を確認
した。また、これら2種の生麺試料からPCR増幅した
バンドの塩基配列を確認したところ、共に既報の配列と
一致した。
【0093】以上の実施例の結果から、本核酸抽出方法
は、低コストで簡便な手法でありながらも多糖類を多く
含む様々な試料において、後のPCR法によるDNA増
幅が支障無く行える鋳型DNAとして、純度の高いDN
Aを効率よく試料から抽出、回収できるものであると言
える。
【0094】なお、上記実施例においては、試料に含ま
れる多糖類としてデンプン関連糖質を対象とし、核酸抽
出用溶解液に含まれる糖質関連酵素としてα−アミラー
ゼを用いた場合を示したが、本発明による核酸抽出方法
においては、試料中の多糖類の種類に応じて適宜酵素を
選択し、また組み合わせて用いれば良い。
【0095】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明の核酸抽出
方法においては、試料に多くの多糖類が含まれている場
合でも、試料が懸濁される核酸抽出用溶解液にその多糖
類を分解可能な糖質関連酵素を含有させることにより、
多糖類が分解されて粘性の低い核酸抽出液が得られるた
め、低コストで簡便な方法でありながらも効率的に且つ
容易に核酸を回収できるという効果があり、従来は困難
であった多糖類を多く含む様々な試料からの効率的な核
酸の抽出・回収を実現できる。
【0096】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> NIPPON GENE CO.,LTD. <120> 核酸抽出方法 <130> PJ23775 <150> JP 2000-77871 <151> 2000-03-21 <160> 10
【0097】 <210> 1 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence : Primer <400> 1 aaatgcatgc tgttctgcag gcag 24
【0098】 <210> 2 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence : Primer <400> 2 acgaagactg caactcttac cgtat 25
【0099】 <210> 3 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence : Primer <400> 3 atggcgtgtc cgtccctgat 20
【0100】 <210> 4 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence : Primer <400> 4 tgacatcatg ttaggcgtca tc 22
【0101】 <210> 5 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence : Primer <400> 5 caacagctca ggctggtagc gc 22
【0102】 <210> 6 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence : Primer <400> 6 gtagacaaca ccgacctgct gcag 24
【0103】 <210> 7 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence : Primer <400> 7 cccttagcgt tgcaacgaga cttgc 25
【0104】 <210> 8 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence : Primer <400> 8 gtgccagtgc ctaatgagag caac 24
【0105】 <210> 9 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence : Primer <400> 9 ccattgcact ccgtaccctg cc 22
【0106】 <210> 10 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence : Primer <400> 10 caccaactcc gatgccaacg cc 22
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例において試料コーンスター
チから抽出・回収されたDNAを鋳型としたPCR法に
よるターゲットDNA(トウモロコシ由来アミロプラス
ト特異的通過蛋白遺伝子)増幅後の電気泳動パターンの
模式図である。
【図2】本発明の第2実施例において試料コーンスター
チから抽出・回収されたDNAを鋳型としたPCR法に
よるターゲットDNA(トウモロコシ由来ツェイン遺伝
子)増幅後の電気泳動パターンの模式図である。
【図3】本発明の第3実施例において試料コーンスナッ
ク菓子から抽出・回収されたDNAを鋳型としたPCR
法によるターゲットDNA(トウモロコシ由来ツェイン
遺伝子)増幅後の電気泳動パターンの模式図である。
【図4】本発明の第4実施例において試料コーンシリア
ルから抽出・回収されたDNAを鋳型としたPCR法に
よるターゲットDNA(トウモロコシ由来ツェイン遺伝
子)増幅後の電気泳動パターンの模式図である。
【図5】本発明の第5実施例において試料米菓から抽出
・回収されたDNAを鋳型としたPCR法によるターゲ
ットDNA(イネ由来プロラミン遺伝子)増幅後の電気
泳動パターンの模式図である。
【図6】本発明の第6実施例において試料ポテトスナッ
ク菓子から抽出・回収されたDNAを鋳型としたPCR
法によるターゲットDNA(ジャガイモ由来パタチンク
ラス1遺伝子)増幅後の電気泳動パターンの模式図であ
る。
【図7】本発明の第7実施例において試料小麦スナック
菓子から抽出・回収されたDNAを鋳型としたPCR法
によるターゲットDNA(コムギ由来グルテニン遺伝
子)増幅後の電気泳動パターンの模式図である。
【図8】本発明の第8実施例において試料乾燥麺から抽
出・回収されたDNAを鋳型としたPCR法によるター
ゲットDNA(コムギ由来グルテニン遺伝子)増幅後の
電気泳動パターンの模式図である。
【図9】本発明の第9実施例において試料生麺から抽出
・回収されたDNAを鋳型としたPCR法によるターゲ
ットDNA(コムギ由来グルテニン遺伝子)増幅後の電
気泳動パターンの模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (72)発明者 平野 久夫 富山県富山市問屋町1−29 株式会社ニッ ポンジーン酵素研究所内 (72)発明者 古井 聡 富山県富山市問屋町1−29 株式会社ニッ ポンジーン酵素研究所内 (72)発明者 齋藤 里衣 富山県富山市問屋町1−29 株式会社ニッ ポンジーン酵素研究所内 (72)発明者 浅野 秀徳 富山県富山市問屋町1−29 株式会社ニッ ポンジーン酵素研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料を核酸抽出用溶解液中に懸濁するこ
    とによって前記試料から前記溶解液中に核酸を抽出する
    方法において、 前記試料が多糖類を含有し、前記核酸抽出用溶解液が前
    記多糖類を分解可能な糖質関連酵素を含むことを特徴と
    する核酸抽出方法。
  2. 【請求項2】 前記糖質関連酵素は、糖質加水分解酵素
    であることを特徴とする請求項1に記載の核酸抽出方
    法。
  3. 【請求項3】 前記糖質加水分解酵素は、α−アミラー
    ゼ、β−アミラーゼ、セルラーゼのうちの少なくとも一
    種であることを特徴とする請求項2に記載の核酸抽出方
    法。
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