JP2001332907A - 帯域阻止フィルタおよびそれを用いた干渉波除去装置およびそれを用いた通信装置 - Google Patents

帯域阻止フィルタおよびそれを用いた干渉波除去装置およびそれを用いた通信装置

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JP2001332907A
JP2001332907A JP2000150428A JP2000150428A JP2001332907A JP 2001332907 A JP2001332907 A JP 2001332907A JP 2000150428 A JP2000150428 A JP 2000150428A JP 2000150428 A JP2000150428 A JP 2000150428A JP 2001332907 A JP2001332907 A JP 2001332907A
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wave
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interference wave
band
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Satoru Nishimura
哲 西村
Hiroyasu Matsuzaki
宏泰 松崎
Motoi Nakanishi
基 中西
Tetsuya Kawachi
哲也 河内
Hiroaki Tanaka
裕明 田中
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な回路で干渉波を除去することのできる
帯域阻止フィルタおよびそれを用いた干渉波除去装置お
よびそれを用いた通信装置を提供する。 【解決手段】 YIG薄膜22上に、平行かつ対向して
第1のトランスデューサ23と第2のトランスデューサ
24を設け、それらに直交して第3のトランスデューサ
25を設けて帯域阻止フィルタ20を構成する。第3の
端子P3から阻止帯域の1/2の周波数で、静磁波伝搬
路の飽和閾値より高いレベルの強制注入波を入力する。 【効果】 強制注入波の周波数の2倍の周波数において
阻止帯域を有する帯域阻止フィルタとして動作する。し
かも、回路構成が簡単で、小型化、低コスト化が実現で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯域阻止フィルタ
およびそれを用いた干渉波除去装置およびそれを用いた
通信装置、特にスペクトル拡散信号に混入した干渉波を
取り除くための帯域阻止フィルタおよびそれを用いた干
渉波除去装置およびそれを用いた通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の通信システムの発展、特にスペク
トル拡散通信システムの発展に伴って、拡散信号の帯域
に混入した干渉波による拡散信号の劣化を防止する対策
が必要とされており、干渉波を除去する干渉波除去装置
が提案されている。
【0003】図8に、従来の干渉波除去装置を示す。図
8に示した干渉波除去装置の構成や動作は、特開平5−
95205号公報に開示されている。
【0004】図8において、干渉波除去装置1は、入力
端子Pin、可変発振器2、可変減衰器3、合波器4お
よび11、MSWデバイス5および8、減衰器6および
7および9、遅延線10、出力端子Poutから構成さ
れている。ここで、入力端子Pinは合波器4の一方の
入力に接続されている。可変発振器2は可変減衰器3を
介して合波器4の他方の入力に接続されている。合波器
4の出力は2つに分岐し、その一方はMSWデバイス5
と減衰器6を順に介して合波器11の一方の入力に接続
され、他方は減衰器7、MSWデバイス8、減衰器9、
遅延線10を順に介して合波器11の他方の入力に接続
されている。そして、合波器11の出力は出力端子Po
utに接続されている。
【0005】このように構成された干渉波除去装置1に
おいて、入力端子Pinから入力されるスペクトル拡散
信号などの広帯域信号に狭帯域の干渉波が混入している
と、可変発振器2から干渉波の周波数に等しい周波数の
強制注入波を出力し、可変減衰器3を介して合波器4に
入力して、広帯域信号に合成する。このとき、強制注入
波のレベルが広帯域信号のレベルよりも大きくなるよう
に設定しておく。
【0006】強制注入波の合成された信号は2つに分け
られ、一方はMSWデバイス5に入力される。MSWデ
バイス5の飽和閾値を、広帯域信号のレベルより高く、
強制注入波のレベルより低いレベルに設定しておくこと
によって、MSWデバイス5においては飽和閾値を超え
るレベルの強制注入波の周波数とその近傍の周波数にお
ける広帯域信号のレベルが大きく制限され、広帯域信号
と強制注入波とのレベル差が小さくなる。MSWデバイ
ス5から出力された信号は減衰器6で減衰されて、合波
器11に入力される。
【0007】合波器4から出力されて2つに分けられた
他方の信号は、減衰器7で減衰され、MSWデバイス8
に入力される。減衰器7の減衰量は、信号に含まれる強
制注入波のレベルがMSWデバイス8の飽和閾値以下に
減衰するように設定されている。MSWデバイス8にお
いては、信号に含まれる強制注入波と広帯域信号のいず
れもが飽和閾値以下になっているために、そのまま(実
際には帯域全体に挿入損失があるので、全体に一定レベ
ル減衰して)出力される。そのため、広帯域信号と強制
注入波のレベル差は変わらない。MSWデバイス8から
出力された信号は減衰器9で減衰され、遅延線10で位
相シフトされる。このとき、減衰器9においては、遅延
線10から出力されて合波器11に入力される信号の強
制注入波のレベルが、減衰器6から出力されて合波器1
1に入力される信号の強制注入波のレベルに一致するよ
うに、減衰量が設定されている。また、遅延線10にお
いては、遅延線10から出力されて合波器11に入力さ
れる信号の位相と、減衰器6から出力されて合波器11
に入力される信号の位相が反転するように、位相シフト
量が設定されている。
【0008】合波器11においては、減衰器6から出力
された信号と遅延線10から出力された信号が合成され
る。このとき、入力された2つの信号においては、強制
注入波のレベルが等しく、位相が反転している。そのた
め、両者を合成することによって強制注入波同士が相殺
し合い、理想的には消滅する。現実には非常に低いレベ
ルになる。このとき、強制注入波の近傍の周波数の信号
も減衰する。これに対して、減衰器6から出力された信
号と遅延線10から出力された信号に含まれる強制注入
波とその近傍の周波数の信号以外は、位相は反転してい
るが互いにレベルが大きく異なっている。そのため、合
波器11で合成されてもほとんど相殺し合うことはな
く、大部分が残ったまま出力される。
【0009】このようにして、干渉波の混入した周波数
およびその近傍の周波数の信号のみが、強制注入波とと
もに除去される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8に
示した干渉波除去装置1においては、強制注入波を最終
的に完全に相殺することは難しく、相殺しきれない部分
が新たな妨害波となる可能性がある。また、MSWデバ
イス5を飽和させるのに十分な強制注入波を発生させる
大電力の発振器を必要としたり、強制注入波を広帯域信
号に注入したり、2つの信号を相殺したりする回路を必
要としたり、さらには2つのMSWデバイスを必要とし
たりするなど、回路規模が大きく複雑になる。また、干
渉波の周波数が不明の場合には、周波数をあらかじめ検
出する必要があり、これも回路が複雑になったり規模が
大きくなったりする原因になる。
【0011】本発明は上記の問題点を解決することを目
的とするもので、簡単な回路で干渉波を除去することの
できる帯域阻止フィルタおよびそれを用いた干渉波除去
装置およびそれを用いた通信装置を提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の帯域阻止フィルタは、阻止帯域を内部に含
む周波数帯域の第1の信号で第1の静磁波を静磁波伝搬
路に励起して伝搬させる手段と、前記阻止帯域の中心周
波数の1/2の周波数の第2の信号で第2の静磁波を前
記静磁波伝搬路に励起して伝搬させる手段とを有するこ
とを特徴とする。
【0013】また、本発明の帯域阻止フィルタは、前記
第2の信号の電力を、前記静磁波伝搬路の飽和閾値を超
える電力としたことを特徴とする。
【0014】また、本発明の帯域阻止フィルタは、前記
第1の静磁波が表面静磁波であり、前記第2の静磁波が
体積後退静磁波であることを特徴とする。
【0015】また、本発明の帯域阻止フィルタは、前記
第1の静磁波と前記第2の静磁波を垂直に交差させてな
ることを特徴とする。
【0016】また、本発明の帯域阻止フィルタは、前記
第1の静磁波を励起する手段が、磁性体薄膜上に設けら
れた互いに平行で対向する第1および第2のトランスデ
ューサからなり、前記第2の静磁波を励起する手段が、
前記磁性体薄膜上に設けられた第3のトランスデューサ
からなることを特徴とする。
【0017】また、本発明の干渉波除去装置は、上記の
いずれかに記載の帯域阻止フィルタを用いたことを特徴
とする。
【0018】また、本発明の干渉波除去装置は、前記干
渉波の周波数の1/2周波数の信号を前記第2の信号と
したことを特徴とする。
【0019】また、本発明の干渉波除去装置は、前記第
1の信号を1/2に分周した信号を前記第2の信号とし
たことを特徴とする。
【0020】また、本発明の通信装置は、上記のいずれ
かに記載の干渉波除去装置を用いたことを特徴とする。
【0021】このように構成することにより、本発明の
帯域阻止フィルタにおいては、回路構成を簡単にするこ
とができる。
【0022】また、本発明の干渉波除去装置において
は、干渉波の除去を効率よく行うことができ、また装置
の小型化と低コスト化を図ることができる。
【0023】また、本発明の通信装置においては、小型
化と低コスト化と通信品質の向上を図ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1に、本発明の帯域阻止フィル
タの一実施例を示す。図1において、帯域阻止フィルタ
20は、GGG(ガリウム・ガドリウム・ガーネット)
基板21上に磁性体薄膜であるYIG(イットリウム・
アイアン・ガーネット)薄膜22を形成し、その上に第
1のトランスデューサ23、第2のトランスデューサ2
4、第3のトランスデューサ25をそれぞれ設けて構成
されている。ここで、第1のトランスデューサ23と第
2のトランスデューサ24は平行で、しかも対向して配
置されている。また、第3のトランスデューサ25は、
第1および第2のトランスデューサ23、24に対して
直交して配置されている。第1のトランスデューサ23
の一端は第1の端子P1に接続され、他端は接地されて
いる。また、第2のトランスデューサ24の一端は第2
の端子P2に接続され、他端は接地されている。また、
第3のトランスデューサの一端は第3の端子P3に接続
され、他端は接地されている。なお、図示を省略してい
るが、YIG薄膜22には、YIG薄膜22の面に平行
で、第1および第2のトランスデューサ23、24にも
平行な方向に静磁界が印加されている。
【0025】そのため、YIG薄膜22の、第1のトラ
ンスデューサ23と第2のトランスデューサ24の間に
は、第1のトランスデューサ23で励起された第1の静
磁波MSW1が伝搬する静磁波伝搬路26が形成されて
いる。また、第3のトランスデューサ25で励起される
第2の静磁波MSW2は、静磁波伝搬路26を第1の静
磁波MSW1に対して垂直に交差して伝搬する。なお、
静磁波のモードは、静磁波の進行方向と、YIG薄膜2
2に印加される静磁界の方向によって決定されるため、
この場合は、第1の静磁波MSW1は表面静磁波とな
り、第2の静磁波MSW2は体積後退静磁波となる。
【0026】このように構成された帯域阻止フィルタ2
0において、第1の端子P1から第1の信号を入力する
と、第1のトランスデューサ23で第1の静磁波MSW
1に変換され、YIG薄膜22上の静磁波伝搬路26を
第2のトランスデューサ23の方に向かって伝搬する。
そして、第2のトランスデューサ24で再び信号に変換
され、第2の端子P2から出力される。なお、この場
合、第1の信号の電力は静磁波伝搬路26の飽和閾値を
超えていないものとする。
【0027】第1の信号の入力と同時に、第1の信号の
周波数帯域に含まれるある周波数(仮にfoとする)の
1/2の周波数(fo/2)の信号を第2の信号として
第3の端子P3から入力する。第2の信号は第3のトラ
ンスデューサ25で第2の静磁波MSW2に変換され、
静磁波伝搬路26を第1の静磁波MSW1と垂直に交差
して伝搬する。ここでは、第2の信号の電力を静磁伝搬
路26の飽和閾値を超える値に設定しておく。そのた
め、第2の静磁波MSW2は飽和している。
【0028】このように、第2の静磁波MSW2が飽和
することによって静磁伝搬路26において第2の信号の
周波数における格子振動が発生し、その格子振動によっ
て第1の静磁波MSW1のうち第2の静磁波MSW2の
2倍の周波数(fo)およびその近傍の周波数の信号の
エネルギーを吸収する。その結果、上記のように第3の
端子P3から第2の信号の入力された帯域阻止フィルタ
20の、第1の端子P1から入力され第2の端子P2か
ら出力される信号の特性(挿入損失)Saは図2に示す
ようになる。なお、図2においては、比較のために第3
の端子P3から第2の信号を入力しない場合の特性Sb
も同時に示している。図2より分かるように、第2の信
号が入力されないときには挿入損失はほぼ平坦だが、第
2の信号が入力されると、第2の信号の周波数(fo/
2)の2倍の周波数(fo)およびその近傍の周波数に
おいて、挿入損失が極端に大きくなる周波数領域(阻止
帯域)ができている。これより、帯域阻止フィルタ20
は、第2の信号を入力することによって、その2倍の周
波数およびその近傍の周波数を阻止帯域として動作する
ことが分かる。
【0029】以上説明したように、帯域阻止フィルタ2
0においては比較的簡単な回路で干渉波の除去を行うこ
とができ、回路の小型化、低価格化を実現することがで
きる。また、帯域阻止フィルタ20においては、注入さ
れる第2の信号の周波数が第1の信号の周波数のほぼ半
分の周波数であるため、たとえ第2の信号が漏れるよう
なことがあっても不必要な信号が残って第1の信号に直
接悪影響を与えるようなことはない。また、第2の信号
に周波数によって阻止帯域が決まるため、阻止帯域の周
波数を自由に設定することができる。
【0030】なお、帯域阻止フィルタ20においては、
第1の静磁波MSW1が表面静磁波であり、第2の静磁
波MSW2が体積後退静磁波であるとしたが、印加する
静磁界の方向を変えることによってそれぞれ別のモード
の静磁波としても構わないものである。
【0031】また、帯域阻止フィルタ20においては、
第1および第2のトランスデューサ23、24と第3の
トランスデューサ25を直交させて配置することによっ
て、第1の静磁波MSW1と第2の静磁波MSW2が垂
直に交差するようにしたが、必ずしも垂直に交差してい
なくても構わないもので、第2の静磁波MSW2が第1
の静磁波MSW1の進行方向に対して垂直のベクトル成
分を有した状態で公差していれば同様の作用効果が得ら
れるものである。
【0032】図3に、本発明の干渉波除去装置の一実施
例を示す。図3に示した干渉波除去装置30においては
図1に示した帯域阻止フィルタ20を利用している。
【0033】図3において、帯域阻止フィルタ20の第
3の端子P3には発振器31が接続されている。そし
て、帯域阻止フィルタ20の第1の端子P1が入力端子
Pinに、第2の端子P2が出力端子Poutにそれぞ
れ接続されている。
【0034】このように構成された干渉波除去装置30
において、入力端子Pinからは干渉波を含んだ広帯域
信号(入力信号S1)が入力され、これがそのまま第1
の信号として帯域阻止フィルタ20の第1の端子P1に
入力される。また、発振器31からは干渉波の1/2の
周波数の強制注入波S2が、第2の信号として帯域阻止
フィルタ20の第3の端子P3に入力される。そして、
出力端子Poutからは入力信号S1から干渉波の除去
された信号が出力信号S3として出力される。
【0035】干渉波除去装置30の動作を、図4を用い
て説明する。図4において、(a)は入力端子Pinか
ら入力される入力信号S1のスペクトルを、(b)は帯
域阻止フィルタ20の第3の端子P3に入力される強制
注入波S2のスペクトルを、(c)は出力端子Pout
から出力される出力信号S3のスペクトルを示してい
る。
【0036】まず、入力信号S1には、図4(a)に示
すように、広帯域信号Ssと、その帯域内に混入してい
る干渉波Siが含まれている。干渉波Siの周波数はf
1で、そのレベルは広帯域信号Ssのレベルよりかなり
高くなっている。また、図4(b)に示すように、強制
注入波S2の周波数はf1/2となっており、そのレベ
ルは帯域阻止フィルタ20の静磁波伝搬路26の飽和閾
値Ltより高くなっている。このような強制注入波S2
を入力することによって、前述の説明のように帯域阻止
フィルタ20は周波数f1およびその近傍の周波数にお
いて阻止帯域を持つようになる。入力信号S1はこのよ
うな帯域阻止フィルタ20を通過することによって、周
波数f1およびその近傍の周波数の信号が減衰し、出力
信号S3となって出力される。出力信号S3において
は、図4(c)に示すように、干渉波Si’とその近傍
の周波数の信号が大きく減衰し、広帯域信号Ss’との
レベル差がほとんどなくなっている。
【0037】このように、干渉波除去装置30において
は、帯域阻止フィルタ20を用いることによって、元の
信号に悪影響を与えることなく、干渉波を効果的に除去
することができる。また、干渉波除去装置の小型化と低
コスト化を図ることができる。特に、発振器31の発振
周波数が干渉波の1/2の周波数ですむため、発振器の
作成が容易になり、この点でも干渉波除去装置30の低
コスト化を図ることができる。
【0038】なお、干渉波除去装置30においては、強
制注入波S2を発生させる発振器31を必要としてお
り、発振器31の発振周波数、ひいては干渉波の周波数
があらかじめ分かっている必要がある。しかしながら、
干渉波の周波数は必ずしもあらかじめ分かっているとは
限らない。その場合には、例えば発振器31をVCOと
し、入力信号S1の一部を取り出して干渉波の周波数を
測定し、これを用いてVCOの周波数が干渉波の周波数
の1/2になるように制御するという構成であっても構
わないものである。
【0039】図5に、本発明の干渉波除去装置の別の実
施例を示す。図5に示した干渉波除去装置40において
も図1に示した帯域阻止フィルタ20を利用している。
図5において、図3と同一の部分には同じ記号を付し、
その説明を省略する。
【0040】図5において、干渉波除去装置40は、入
力端子Pinと、帯域阻止フィルタ20と、分配器41
と、分周器42と、アンプ43と、出力端子Poutか
ら構成されている。ここで、入力端子Pinは分配器4
1に接続されている。分配器41の一方の出力は帯域阻
止フィルタ20の第1の端子P1に接続され、他方の出
力は分周器42とアンプ43を順に介して帯域阻止フィ
ルタ20の第3の端子P3に接続されている。そして、
帯域阻止フィルタ20の第2の端子P2は出力端子Po
utに接続されている。
【0041】このように構成された干渉波除去装置40
の動作を、図6を併用して説明する。図6において、
(a)は入力端子Pinから入力される入力信号S4の
スペクトルを、(b)は帯域阻止フィルタ20の第3の
端子P3に入力される強制注入波S5のスペクトルを、
(c)は出力端子Poutから出力される出力信号S6
のスペクトルを示している。なお、図6において、図4
と同一もしくは同等の部分には同じ記号を付し、その説
明を省略する。
【0042】まず、入力信号S4には、図6(a)に示
すように、広帯域信号Ssと、その帯域内に混入してい
る干渉波Siが含まれている。干渉波Siの周波数はf
1で、そのレベルは広帯域信号Ssのレベルよりかなり
高くなっている。入力信号S4は分配器41で2つに分
配され、一方は帯域阻止フィルタ20の第1の端子P1
に入力され、他方は分周器42に入力される。分周器4
2に入力された信号は2分周され、広帯域信号と干渉波
の区別無く、全体に半分の周波数の信号に変換される。
したがって、そこに含まれる干渉波の周波数はf1/2
となる。分周器42から出力された信号はアンプ43で
増幅され、強制注入波S5として帯域阻止フィルタ20
の第3の端子P3に入力される。このとき、アンプ43
においては、図6(b)に示すように、強制注入波S5
の中の干渉波Si’’のレベルが静磁波伝搬路26の飽
和閾値Ltより高くなり、かつ、拡散信号Ss’’のレ
ベルが静磁波伝搬路26の飽和閾値Ltより低くなるよ
うに制御される。強制注入波S5は帯域阻止フィルタ2
0の第3の端子P3に入力され、第3のトランスデュー
サ25で第2の静磁波MSW2に変換される。このとき
干渉波Si’’の周波数f1/2においては静磁波伝搬
路26が飽和するため、帯域阻止フィルタ20は周波数
f1およびその近傍の周波数に阻止帯域を持つようにな
る。しかしながら、拡散信号Ss’’における干渉波S
i’’の周波数以外の周波数においては静磁波伝搬路2
6は飽和しないため、それによって帯域阻止フィルタ2
0に阻止帯域ができることはない。すなわち、帯域阻止
フィルタ20は干渉波Siの周波数f1およびその近傍
にのみ阻止帯域を持つことになる。帯域阻止フィルタ2
0の第1の端子P1に入力された入力信号S4は、この
ような帯域阻止フィルタ20を通過することによって、
周波数f1およびその近傍の周波数の信号が減衰し、出
力信号S6となって出力される。出力信号S6において
は、図6(c)に示すように、干渉波Si’が大きく減
衰し、広帯域信号Ss’とのレベル差がほとんどなくな
っている。
【0043】このように、干渉波除去装置40において
は、帯域阻止フィルタ20を用いることによって、元の
信号に悪影響を与えることなく、干渉波を効果的に除去
することができる。また、強制注入波を作るための発振
器を必要としないこともあって、干渉波除去装置のさら
なる小型化と低コスト化を図ることができる。
【0044】また、強制注入波を干渉波自身を加工(分
周)して利用するため、干渉波の周波数f1が変動する
ような場合にも、その影響を受けることなく干渉波の除
去を行うことができる。また、アンプ43の動作周波数
が入力信号S4の1/2の周波数であるため、アンプ4
3の作成が容易になり、干渉波除去装置40の低コスト
化を図ることもできる。
【0045】なお、上記の2つの干渉波除去装置30、
40においては帯域阻止フィルタ20を拡散信号に含ま
れる干渉波を除去する目的で使用しているが、拡散信号
の干渉波除去に限らず、一般的な帯域阻止フィルタとし
て用いても構わないものである。
【0046】図7に、本発明の通信装置の一実施例を示
す。図7に示した通信装置50は、本発明の干渉波除去
装置30を用いたスペクトル拡散通信の受信装置を示し
ている。
【0047】図7において、通信装置50は、アンテナ
51、アンプ52、局部発振器53、ミキサ54、フィ
ルタ55、干渉波除去装置30、逆拡散器56、復調器
57から構成されている。このうち、アンテナ51はア
ンプ52を介してミキサ54の一方の入力に接続されて
いる。局部発振器53もミキサ54の他方の入力に接続
されている。ミキサ54の出力はフィルタ55を介して
干渉波除去装置30に接続されている。そして、干渉波
除去装置30の出力は逆拡散器56を介して復調器57
に接続されている。
【0048】このように構成された通信装置50におい
て、アンテナ51で受信した広帯域信号、すなわち拡散
信号は、アンプ52で増幅され、ミキサ54でIF信号
に周波数変換され、フィルタ55で不必要な信号が取り
除かれて干渉波除去装置30に入力される。干渉波除去
装置30においては、拡散信号の帯域内に混入した干渉
波が除去される。干渉波除去装置30で干渉波が除去さ
れた拡散信号は、逆拡散器56で逆拡散され、復調器5
7で復調され、信号処理回路へ送られる。
【0049】このように、通信装置50においては、干
渉波除去装置30を用いることによって受信した信号の
SN比を高くして通信品質を向上させることができる。
また、従来の干渉波除去装置を用いる場合に比べて、小
型化と低コスト化を図ることができる。
【0050】なお、通信装置50においては干渉波除去
装置30を用いたが、干渉波除去装置40を用いても構
わないもので、同様の作用効果を奏するものである。ま
た、通信装置50はスペクトル拡散通信用の受信装置で
あるが、スペクトル拡散通信用に限られるものではな
く、また、受信装置に限られるものでもなく、さまざま
な用途に応用可能なものである。
【0051】
【発明の効果】本発明の帯域阻止フィルタによれば、阻
止帯域を内部に含む周波数帯域の第1の信号で第1の静
磁波を静磁波伝搬路に励起して伝搬させる手段と、阻止
帯域の中心周波数の1/2の周波数の第2の信号で第1
の静磁波と垂直に交差する第2の静磁波を静磁波伝搬路
に励起して伝搬させる手段とを有し、さらに第2の信号
の電力を静磁波伝搬路の飽和閾値を超える電力とするこ
とによって、阻止帯域の周波数を自由に設定することが
できる。
【0052】また、本発明の干渉波除去装置によれば、
本発明の帯域阻止フィルタを用い、干渉波の周波数の1
/2の周波数の信号を前記第2の信号とすることによっ
て、干渉波の除去を効果的に行うことができる。また、
干渉波除去装置の小型化と低コスト化を図ることができ
る。
【0053】また、本発明の干渉波除去装置によれば、
第1の信号を1/2分周した信号を第2の信号とするこ
とによって、干渉波の周波数が変動しても、その影響を
受けることなく干渉波の除去を行うことができる。ま
た、発振器が不要なため、干渉波除去装置のさらなる小
型化と低コスト化を図ることができる。
【0054】そして、本発明の通信装置によれば、本発
明の干渉波除去装置を用いることによって、受信信号の
SN比を高くして通信品質を向上させることができる。
また、通信装置の小形と低コスト化を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の帯域阻止フィルタの一実施例を示す斜
視図である。
【図2】図1の帯域阻止フィルタの挿入損失を示す特性
図である
【図3】本発明の干渉波除去装置の一実施例を示す概略
ブロック図である。
【図4】図3の干渉波除去装置の各部における信号のス
ペクトルを示す特性図で、(a)は入力信号のスペクト
ルを、(b)は強制注入波のスペクトルを、(c)は出
力信号のスペクトルを示している。
【図5】本発明の干渉波除去装置の別の実施例を示す概
略ブロック図である。
【図6】図5の干渉波除去装置の各部における信号のス
ペクトルを示す特性図で、(a)は入力信号のスペクト
ルを、(b)は強制注入波のスペクトルを、(c)は出
力信号のスペクトルを示している。
【図7】本発明の通信装置の一実施例を示すブロック図
である。
【図8】従来の干渉波除去装置を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
20…帯域阻止フィルタ 21…GGG基板 22…YIG薄膜 23…第1のトランスデューサ 24…第2のトランスデューサ 25…第3のトランスデューサ 26…静磁波伝搬路 30、40…干渉波除去装置 31…発振器 41…分配器 42…分周器 43…アンプ 50…通信装置 P1…第1の端子 P2…第2の端子 P3…第3の端子 MSW1…第1の静磁波 MSW2…第2の静磁波 Pin…入力端子 Pout…出力端子 S1、S4…入力信号 S2、S5…強制注入波 S3、S6…出力信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河内 哲也 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 田中 裕明 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 Fターム(参考) 5J006 HD04 JA02 LA21 LA24 MA00 NA00 5J097 AA10 AA13 BB17 GG08 5K022 EE01 EE33 5K052 AA01 BB01 DD04 EE06 FF07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 阻止帯域を内部に含む周波数帯域の第1
    の信号で第1の静磁波を静磁波伝搬路に励起して伝搬さ
    せる手段と、 前記阻止帯域の中心周波数の1/2の周波数の第2の信
    号で第2の静磁波を前記静磁波伝搬路に励起して伝搬さ
    せる手段とを有することを特徴とする帯域阻止フィル
    タ。
  2. 【請求項2】 前記第2の信号の電力を、前記静磁波伝
    搬路の飽和閾値を超える電力としたことを特徴とする、
    請求項1に記載の帯域阻止フィルタ。
  3. 【請求項3】 前記第1の静磁波が表面静磁波であり、
    前記第2の静磁波が体積後退静磁波であることを特徴と
    する、請求項1または2に記載の帯域阻止フィルタ。
  4. 【請求項4】 前記第1の静磁波と前記第2の静磁波を
    垂直に交差させてなることを特徴とする、請求項1ない
    し3のいずれかに記載の帯域阻止フィルタ。
  5. 【請求項5】 前記第1の静磁波を励起する手段は、磁
    性体薄膜上に設けられた互いに平行で対向する第1およ
    び第2のトランスデューサからなり、 前記第2の静磁波を励起する手段は、前記磁性体薄膜上
    に設けられた第3のトランスデューサからなることを特
    徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の帯域阻
    止フィルタ。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の帯
    域阻止フィルタを用いたことを特徴とする干渉波除去装
    置。
  7. 【請求項7】 前記干渉波の周波数の1/2の周波数の
    信号を前記第2の信号としたことを特徴とする、請求項
    6に記載の干渉波除去装置。
  8. 【請求項8】 前記第1の信号を1/2分周した信号を
    前記第2の信号としたことを特徴とする、請求項6に記
    載の干渉波除去装置。
  9. 【請求項9】 請求項6ないし8のいずれかに記載の干
    渉波除去装置を用いたことを特徴とする通信装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115332745A (zh) * 2022-08-17 2022-11-11 成都威频科技有限公司 一种宽阻带yig可调谐带阻滤波器

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