JP2001329911A - ハイブリッドロケットエンジンとそのポンプ駆動方法 - Google Patents

ハイブリッドロケットエンジンとそのポンプ駆動方法

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JP2001329911A
JP2001329911A JP2000152479A JP2000152479A JP2001329911A JP 2001329911 A JP2001329911 A JP 2001329911A JP 2000152479 A JP2000152479 A JP 2000152479A JP 2000152479 A JP2000152479 A JP 2000152479A JP 2001329911 A JP2001329911 A JP 2001329911A
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pump
gas
turbine
liquid
pressurized
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JP2000152479A
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Hiroyuki Watanabe
裕之 渡辺
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Original Assignee
IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高圧発生を必要とするポンプを効率的に駆動
することができ、かつノズル部を効果的に冷却すること
ができ、これにより全体重量の大幅な軽量化とシステム
構成のシンプル化ができ、かつ再利用を可能にすること
ができるハイブリッドロケットエンジンとそのポンプ駆
動方法を提供する。 【解決手段】 液体推進薬4を内蔵する液体推進薬タン
ク3と、固体推進薬15を内蔵する燃焼器16と、燃焼
器で発生した燃焼ガスを噴射するノズル部14と、ポン
プ5とタービン6からなるターボポンプ7とを備える。
ノズル部14は、内壁21と外筒22の間に中空冷却ジ
ャケット10を有し、液体推進薬の少なくとも一部を中
空冷却ジャケットに供給してノズル部を冷却し、蒸発、
昇温されたガスをタービンに供給してポンプを回転駆動
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体推進薬と固体
推進薬を用いるハイブリッドロケットエンジンに関す
る。
【0002】
【従来の技術】液体推進薬と固体推進薬を用いるハイブ
リッドロケットエンジンには、液体推進薬として液体燃
料、固体推進薬として固体酸化剤を用いるものと、逆に
固体燃料と液体酸化剤を用いるものとがある。これらの
ハイブリッドロケットエンジンは、燃料と酸化剤が分離
しているため安全性が高く、かつ固体ロケットの利点
(安定性)と液体ロケットの利点(制御性)を併せもつ
特徴があり、将来性の高いロケットエンジンとして現在
開発が鋭意進められている。
【0003】ハイブリッドロケットエンジンは、液体推
進薬の供給方式により、ガス押し方式とポンプ方式に大
別することができる。ガス押し方式のハイブリッドロケ
ットエンジンは、例えば、特許第2666883号、特
許第2673663号、特開平7−19120号、同7
−310594号、同7−310595号等に開示され
ている。また、ポンプ方式のハイブリッドロケットエン
ジンとして、特開平8−93557号及び同8−935
58号が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のガス押し方式の
ロケットエンジンは、液体推進薬(液体燃料又は液体酸
化剤)を加圧タンク内に収容し、ガス圧で燃焼器に供給
して燃焼させる形式のロケットエンジンであり構造がシ
ンプルである利点がある。しかし、推進剤タンク及び加
圧ガスタンクの肉厚が厚くなり、かつ大量の押しガスを
必要とすることから全体重量が大きくなる問題点があ
る。すなわち、ロケットエンジンの燃焼圧力は非常に高
く(例えば約70ata)、そのため、液体推進薬タン
クと加圧ガスタンクの耐圧を燃焼圧力以上(例えば10
0〜200ata)にする必要があり、全体重量が大き
くなり、その分ペイロードが小さくなる問題点があっ
た。
【0005】これに対して、特開平8−93557号及
び同8−93558号に開示されたポンプ方式のハイブ
リッドロケットエンジンでは、ポンプにより液体推進薬
を燃焼器に供給するため、加圧ガスタンクが不要とな
り、かつ推進剤タンクの耐圧も低くできる利点がある。
しかし、高圧の燃焼室へ液体推進薬を供給するため、ポ
ンプ動力が非常に大きくなり、これを効率的に駆動する
ポンプ駆動手段がなく、ハイブリッドロケットエンジン
の全体システムの構築が困難であった。
【0006】また、従来のハイブリッドロケットエンジ
ンでは、ノズル部が無冷却であるため、耐熱材料(例え
ばグラファイトやセラミックス)を使う必要があり、再
利用できない問題点があった。
【0007】本発明はかかる問題点を解決するために創
案されたものである。すなわち、本発明の目的は、高圧
発生を必要とするポンプを効率的に駆動することがで
き、かつノズル部を効果的に冷却することができ、これ
により全体重量の大幅な軽量化とシステム構成のシンプ
ル化ができ、かつ再利用を可能にすることができるハイ
ブリッドロケットエンジンとそのポンプ駆動方法を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、液体推
進薬(4)を内蔵する液体推進薬タンク(3)と、固体
推進薬(15)を内蔵する燃焼器(16)と、燃焼器で
発生した燃焼ガスを噴射するノズル部(14)と、ポン
プ(5)とタービン(6)からなるターボポンプ(7)
とを備え、前記ノズル部(14)は、内壁(21)と外
筒(22)の間に中空冷却ジャケット(10)を有し、
液体推進薬の少なくとも一部を前記中空冷却ジャケット
に供給してノズル部を冷却し、気化、昇温されたガスを
前記タービンに供給してポンプを回転駆動する、ことを
特徴とするハイブリッドロケットエンジンが提供され
る。
【0009】本発明の構成によれば、液体推進薬(4)
の少なくとも一部を中空冷却ジャケット(10)に供給
してノズル部(14)を冷却するので、ノズル部を効果
的に冷却することができ、ノズル部に耐熱温度の比較的
低い合金を用いることができ、かつ、再利用を可能にす
ることができる。また、加圧ガスをタービン(6)に供
給してポンプ(5)を回転駆動するので、高圧発生を必
要とするポンプを効率的に駆動することができる。すな
わち低圧ガスで大きな動力を出せるタービンをポンプの
駆動源とするので、駆動源の小型化ができ、全体重量を
軽減できる。また、タービンを利用することで、これを
駆動するガスの種類が色々選択が可能となり、それに合
わせたタービンを使用できるため、ロケットシステム構
成の自由度が増す。更に、液体推進薬タンク(3)とこ
れを加圧する加圧タンクを低圧にできるので、ガス押し
方式に比べて全体重量の大幅な軽量化とシステム構成の
シンプル化ができる。
【0010】本発明の好ましい実施形態によれば、前記
ポンプ(5)の吐出側とノズル部(14)及び燃焼器
(16)のそれぞれの液入口(17,16a)とを連通
する加圧液ライン(9a,9b)と、ノズル部(14)
のガス出口(18)とタービン(6)のガス入口(6
a)とを連通するタービン駆動ガスライン(11a)と
を備え、ノズル部でガス化、昇温されたガスをタービン
に供給してポンプを回転駆動し、ポンプ(5)で加圧さ
れた液体推進薬(4)の一部を加圧液ライン(9b)を
介して燃焼室に供給する。この構成により、ノズル部で
ガス化、昇温されたガスをタービンに供給してポンプを
回転駆動するので、シンプルな構成でタービン駆動が容
易にできる。
【0011】また、前記中空冷却ジャケット(10)
は、ノズル部及び燃焼器を冷却するように燃焼器(1
6)の外壁まで連通している。この構成により、ノズル
部及び燃焼器の両方を冷却して、加圧ガス温度を更に高
めることができる。
【0012】また、別の好ましい実施形態によれば、前
記ポンプ(5)の吐出側とノズル部(14)の液入口
(17)とを連通する加圧液ライン(9c)と、ノズル
部(14)のガス出口(18)とタービン(6)及び燃
焼器(16)のそれぞれのガス入口(6a,16a)と
を連通する加圧ガスライン(11b)とを備え、ポンプ
(5)で加圧された液体推進薬(4)の全部をガス化、
昇温し、その一部をタービンに供給してポンプを回転駆
動し、残部を燃焼室に供給する。この構成により、ガス
化、昇温したガスを燃焼室に供給するので、燃焼器にお
ける着火・燃焼をより安定化し、かつ流量調整を容易に
行うことができる。
【0013】更に、別の好ましい実施形態によれば、前
記ポンプ(5)の吐出側とノズル部(14)及び燃焼器
(16)のそれぞれの液入口(17,16a)とを連通
する加圧液ライン(9a,9b)と、ノズル部(14)
で蒸発したガスをノズル部内に直接連通する噴射口(1
2a)と、ノズル部内の燃焼ガスをタービン(6)のガ
ス入口(6a)に導く抽気ガスライン(11b)とを備
え、ノズル部内の燃焼ガスをタービンに供給してポンプ
を回転駆動し、ポンプ(5)で加圧された液体推進薬
(4)の一部を加圧液ライン(9b)を介して燃焼室に
供給する。この構成により、ノズル部(14)で燃焼し
た高温の燃焼ガスによりタービンを駆動するので、ター
ビンをより効率的に駆動することができ、かつ未反応の
液体推進薬(4)の放出をなくすことができる。
【0014】この場合、前記タービン(6)を始動する
ための始動モータ(例えばキックモータ、ガス発生器)
を備えることにより、ガスラインをシンプルにでき、エ
ンジン全体を小型化、軽量化することができる。
【0015】更に、別の好ましい実施形態によれば、前
記ポンプ(5)の吐出側とノズル部(14)及び燃焼器
(16)のそれぞれの液入口(17,16a)とを連通
する加圧液ライン(9a,9b)と、ノズル部(14)
で蒸発したガスをノズル部内に直接連通する噴射口(1
2a)と、タービンに加圧ガスを供給する加圧ガス供給
装置(25)とを備え、加圧ガスをタービンに供給して
ポンプを回転駆動し、ポンプ(5)で加圧された液体推
進薬(4)の一部を加圧液ライン(9b)を介して燃焼
室に供給する。前記加圧ガス供給装置(25)は、低圧
ガスタンク又は自己燃焼式のガス発生器である、ことが
好ましい。この構成により、ノズル部(14)を冷却す
るラインと、タービンを駆動するラインとを独立させる
ことができ、それぞれを最適化しかつシステム構成のシ
ンプル化ができる。
【0016】また、前記ターボポンプ(7)のポンプ
(5)とタービン(6)は、同一軸又は歯車列を介して
連結されている。この構成により、システムをシンプル
にしかつより軽量化が可能となる。
【0017】更に、本発明によれば、液体推進薬(4)
を内蔵する液体推進薬タンク(3)と、固体推進薬(1
5)を内蔵する燃焼器(16)と、燃焼器で発生した燃
焼ガスを噴射するノズル部(14)と、ポンプ(5)と
タービン(6)からなるターボポンプ(7)とを備えた
ハイブリッドロケットエンジンのポンプ駆動方法であっ
て、液体推進薬の少なくとも一部をノズル部に供給して
ノズル部を冷却し、この冷却によりガス化、昇温された
ガスの少なくとも一部をタービンに供給してポンプを回
転駆動する、ことを特徴とするハイブリッドロケットエ
ンジンのポンプ駆動方法が提供される。
【0018】本発明の方法により、ノズル部の冷却と、
この冷却により蒸発・昇温されたガスによりタービンを
駆動してポンプを回転駆動することができ、高圧発生を
必要とするポンプを効率的に駆動することができ、かつ
ノズル部を効果的に冷却することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を図面を参照して説明する。なお、各図において共通す
る部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略す
る。
【0020】図1は、本発明によるハイブリッドロケッ
トエンジンの第1実施形態を示す全体系統図である。こ
の図において、1は低圧アキュムレータ、2は低圧遮断
弁、3は液体推進薬タンク、4は液体推進薬、5はポン
プ、6はタービン、7はターボポンプ、8は推薬弁、9
は加圧液ライン、10は中空冷却ジャケット、11aは
タービン駆動ガスライン、12はノズル内ブリード、1
3は機外ブリード、14はノズル部、15は固体推進
薬、16は燃焼器、17は液入口、18はガス出口、2
0はノズルスロート部、21は内壁、22は外筒であ
る。
【0021】すなわち、本発明のハイブリッドロケット
エンジンは、液体推進薬4を内蔵する液体推進薬タンク
3と、固体推進薬15を内蔵する燃焼器16と、燃焼器
16で発生した燃焼ガスを噴射するノズル部14と、ポ
ンプ5とタービン6からなるターボポンプ7とを備え
る。また、図1に示すように、ノズル部14は、内壁2
1と外筒22の間に中空冷却ジャケット10を有し、こ
の中空冷却ジャケット10内で液体推進薬4をノズルス
ロート部20及びノズル部14を通過する燃焼ガスで加
熱して蒸発・昇温するようになっている。
【0022】液体推進薬4として液体燃料、固体推進薬
15として固体酸化剤を用いてもよく、逆に固体燃料と
液体酸化剤を用いてもよい。液体燃料としては例えば液
化水素又はLNGなどを用い、液体酸化剤としては液化
酸素を用いる。固体推進薬には、従来から固体ロケット
に用いられている推進剤を用いることができる。なお、
以下の説明では液体燃料と固体酸化剤の組み合わせの場
合について説明する。
【0023】ターボポンプ7のポンプ5とタービン6
は、図1に示すように同一軸で連結されているのが好ま
しい。また、同一軸の代わりに歯車列を介して連結して
もよい。
【0024】燃焼器16は、このエンジンの主燃焼器で
あり、液体推進薬4と固体推進薬15を反応させて高温
ガス(例えば約3000℃)を発生させてこれをノズル
スロート部20から外部へ噴射し推力を得るようになっ
ている。
【0025】図1の第1実施形態において、本発明のハ
イブリッドロケットエンジンは、ポンプ5の吐出側とノ
ズル部14及び燃焼器16のそれぞれの液入口17,1
6aとを連通する加圧液ライン9a,9bと、ノズル部
14のガス出口18とタービン6のガス入口6aとを連
通するタービン駆動ガスライン11aとを備える。ま
た、この例では、加圧液ライン9bに開閉弁8aを備
え、始動時にこれを閉鎖できるようになっている。更
に、タービン6を出た低圧ガスは、ノズル内ブリード1
2を通ってノズル部14の低圧領域に排気される。な
お、図1に破線で示すように、この低圧ガスを機外ブリ
ード13から外部に放出するようにしてもよい。
【0026】図1に示した構成のハイブリッドロケット
エンジンは、以下のように作動する。 (1)始動時には開閉弁8aを閉じた状態で始動し、極
低温の液化燃料を加圧液ライン9aを介して中空冷却ジ
ャケット10に供給し、始動時に通常常温にあるノズル
部14の保有熱で液体燃焼を蒸発・昇温する。ノズル部
14で蒸発・昇温されたガスはタービン駆動ガスライン
11aを介してタービン6に供給されポンプ5を回転駆
動する。 (2)ポンプ5の回転により液化燃料の圧力が高まった
後に、開閉弁8aを開いて液化燃料を燃焼器に供給し、
ここで固体酸化剤との接触で燃料が燃焼し、燃焼ガスが
発生する。 (3)燃焼ガスの温度が上昇するにつれて、ターボポン
プ7に供給されるタービン駆動ガスの温度・圧力が高ま
り、ターボポンプ7が高速回転してハイブリッドロケッ
トエンジンが安定運転状態となる。
【0027】上述した本発明のハイブリッドロケットエ
ンジンによれば、液体推進薬4を中空冷却ジャケット1
0に供給してノズル部14を冷却するので、ノズル部を
効果的に冷却することができ、ノズル部に耐熱温度の比
較的低い合金(例えば銅合金)を用いることができ、か
つ、再利用を可能にすることができる。また、蒸発、昇
温されたガスをタービン6に供給してポンプ5を回転駆
動するので、高圧発生を必要とするポンプを効率的に駆
動することができる。すなわち低圧ガスで大きな動力を
出せるタービンをポンプの駆動源とするので、駆動源の
小型化ができ、全体重量を軽減できる。また、タービン
を利用することで、これを駆動するガスの種類が色々選
択が可能となり、それに合わせたタービンを使用できる
ため、ロケットシステム構成の自由度が増す。更に、液
体推進薬タンク3とこれを加圧する加圧タンクを低圧に
できるので、ガス押し方式に比べて全体重量の大幅な軽
量化とシステム構成のシンプル化ができる。
【0028】また、特に図1に示した第1実施形態のハ
イブリッドロケットエンジンによれば、ノズル部で蒸発
・昇温されたガスをタービンに供給してポンプを回転駆
動するので、シンプルな構成でタービン駆動が容易にで
きる。
【0029】図2は、本発明の第2実施形態を示す部分
系統図である。この第2実施形態では、中空冷却ジャケ
ット10が、ノズル部14及び燃焼器16を冷却するよ
うに燃焼器16の外壁まで連通している。すなわち、ノ
ズル部14の液入口17に供給された液体燃料は、中空
冷却ジャケット10のノズル部14で蒸発・昇温された
後、燃焼器16のまわりを冷却しながら更に高温化し、
燃焼器16の上部(図で)に設けられたガス出口18か
らタービン駆動ガスライン11aを通ってタービン6に
供給され、これを回転駆動するようになっている。その
他の構成は、図1と同様である。
【0030】この構成により、ノズル部14及び燃焼器
16の両方を冷却して、加圧ガス温度を更に高めること
ができるので、特に、液体推進薬の温度が高く(例えば
常温)、燃焼器16を過度に冷却しない場合には、効率
向上の点で有効である。また、逆に液体推進薬の温度が
低く(例えば極低温)、燃焼器16が過度に冷却される
おそれがある場合には、図1に示したように、燃焼器1
6をバイパスしてタービン6に供給するのがよい。
【0031】図3は、本発明の第3実施形態を示す部分
系統図である。この第3実施形態では、ポンプ5の吐出
側とノズル部14の液入口17とを連通する加圧液ライ
ン9cと、ノズル部14のガス出口18とタービン6及
び燃焼器16のそれぞれのガス入口6a,16aとを連
通する加圧ガスライン11bとを備える。また、図に示
すように、ガス入口6a,16aへの流量配分を適正化
するために、加圧ガスライン11bの一部(この例では
ガス入口6aの上流側)にオリフィス23が設けられて
いる。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0032】この構成により、ポンプ5で加圧された液
体推進薬4の全部を中空冷却ジャケット10で蒸発・昇
温し、その一部をタービン6に供給してポンプ5を回転
駆動し、残部を燃焼室16に供給することができる。ま
た、蒸発・昇温した加圧ガスを燃焼室16に供給するの
で、燃焼器16における着火・燃焼をより安定化し、か
つ流量調整を容易に行うことができる。更に、この構成
では、第1実施形態における開閉弁8aとその開閉作動
が不要となるため、装置の構造をよりシンプルにでき
る。
【0033】図4は、本発明の第4実施形態を示す部分
系統図である。この第4実施形態では、ポンプ5の吐出
側とノズル部14及び燃焼器16のそれぞれの液入口1
7,16aとを連通する加圧液ライン9a,9bと、ノ
ズル部14で蒸発したガスをノズル部内に直接連通する
噴射口12aと、ノズル部内の燃焼ガスをタービン6の
ガス入口6aに導く抽気ガスライン11bとを備える。
また、タービン6を始動するための始動モータ24を備
えている。始動モータ24は、例えば低圧ガスアキュム
レータによるキックモータ、固体燃料の着火によるガス
発生器等であり、タービン6を短時間回転駆動して始動
できるようになっている。その他の構成は第1実施形態
と同様である。
【0034】この構成により、ノズル部内の燃焼ガスを
タービン6に抽気・供給してポンプを回転駆動し、ポン
プ5で加圧された液体推進薬4の一部を加圧液ライン9
bを介して燃焼室に供給することにより、ノズル部14
を冷却するライン9aと、タービン6を駆動するライン
11bとを独立させることができ、それぞれを最適化し
かつシステム構成のシンプル化ができると共に、エンジ
ン全体を小型化、軽量化することができる。
【0035】図5は、本発明の第5実施形態を示す部分
系統図である。この第5実施形態では、ポンプ5の吐出
側とノズル部14及び燃焼器16のそれぞれの液入口1
7,16aとを連通する加圧液ライン9a,9bと、ノ
ズル部14で蒸発、昇温したガスをノズル部内に直接連
通する噴射口12aと、タービン6に加圧ガスを供給す
る加圧ガス供給装置25とを備える。加圧ガス供給装置
25は、低圧ガスタンク又は自己燃焼式のガス発生器で
ある。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0036】この構成により、加圧ガス供給装置25で
発生する加圧ガスをタービン6に供給してポンプを回転
駆動し、ポンプ5で加圧された液体推進薬4の一部を加
圧液ライン9bを介して燃焼器16に供給することがで
き、ノズル部14を冷却するライン9aと、タービン6
を駆動するライン25aとを独立させることができ、そ
れぞれを最適化しかつシステム構成のシンプル化ができ
る。
【0037】上述した本発明のハイブリッドロケットエ
ンジンを用い、本発明の方法によれば、液体推進薬4の
少なくとも一部をノズル部14に供給してノズル部14
を冷却し、この冷却により蒸発・昇温されたガスの少な
くとも一部をタービン6に供給してポンプ5を回転駆動
する。従って、この方法により、ノズル部の冷却と、こ
の冷却により蒸発・昇温されたガスによりタービンを駆
動してポンプを回転駆動することができ、高圧発生を必
要とするポンプを効率的に駆動することができ、かつノ
ズル部を効果的に冷却することができる。
【0038】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種
々に変更できることは勿論である。
【0039】
【発明の効果】上述したように、本発明のハイブリッド
ロケットエンジンとそのポンプ駆動方法は、高圧発生を
必要とするポンプを効率的に駆動することができ、かつ
ノズル部を効果的に冷却することができ、これにより全
体重量の大幅な軽量化とシステム構成のシンプル化がで
き、かつ再利用を可能にすることができる、等の優れた
効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるハイブリッドロケットエンジンの
第1実施形態を示す全体系統図である。
【図2】本発明の第2実施形態を示す部分系統図であ
る。
【図3】本発明の第3実施形態を示す部分系統図であ
る。
【図4】本発明の第4実施形態を示す部分系統図であ
る。
【図5】本発明の第5実施形態を示す部分系統図であ
る。
【符号の説明】
1 低圧アキュムレータ、2 低圧遮断弁、3 液体推
進薬タンク、4 液体推進薬、5 ポンプ、6 タービ
ン、6a ガス入口、7 ターボポンプ、8 推薬弁、
8a 開閉弁、9,9a,9b,9c 加圧液ライン、
10 中空冷却ジャケット、11a タービン駆動ガス
ライン、12 ノズル内ブリード、13 機外ブリー
ド、14 ノズル部、15 固体推進薬、16 燃焼
器、16a 液入口、17 液入口、18 ガス出口、
20 ノズルスロート部、21 内壁、22 外筒、2
3 オリフィス、24 始動モータ、25 加圧ガス供
給装置、25a 加圧ガスライン

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体推進薬(4)を内蔵する液体推進薬
    タンク(3)と、固体推進薬(15)を内蔵する燃焼器
    (16)と、燃焼器で発生した燃焼ガスを噴射するノズ
    ル部(14)と、ポンプ(5)とタービン(6)からな
    るターボポンプ(7)とを備え、 前記ノズル部(14)は、内壁(21)と外筒(22)
    の間に中空冷却ジャケット(10)を有し、 液体推進薬の少なくとも一部を前記中空冷却ジャケット
    に供給してノズル部を冷却し、気化又は昇温されたガス
    を前記タービンに供給してポンプを回転駆動する、こと
    を特徴とするハイブリッドロケットエンジン。
  2. 【請求項2】 前記ポンプ(5)の吐出側とノズル部
    (14)及び燃焼器(16)のそれぞれの液入口(1
    7,16a)とを連通する加圧液ライン(9a,9b)
    と、ノズル部(14)のガス出口(18)とタービン
    (6)のガス入口(6a)とを連通するタービン駆動ガ
    スライン(11a)とを備え、ノズル部で気化、昇温さ
    れたガスをタービンに供給してポンプを回転駆動し、ポ
    ンプ(5)で加圧された液体推進薬(4)の一部を加圧
    液ライン(9b)を介して燃焼室に供給する、ことを特
    徴とする請求項1に記載のハイブリッドロケットエンジ
    ン。
  3. 【請求項3】 前記中空冷却ジャケット(10)は、ノ
    ズル部及び燃焼器を冷却するように燃焼器(16)の外
    壁まで連通している、ことを特徴とする請求項2に記載
    のハイブリッドロケットエンジン。
  4. 【請求項4】 前記ポンプ(5)の吐出側とノズル部
    (14)の液入口(17)とを連通する加圧液ライン
    (9c)と、ノズル部(14)のガス出口(18)とタ
    ービン(6)及び燃焼器(16)のそれぞれのガス入口
    (6a,16a)とを連通する加圧ガスライン(11
    b)とを備え、ポンプ(5)で加圧された液体推進薬
    (4)の全部を蒸発・昇温し、その一部をタービンに供
    給してポンプを回転駆動し、残部を燃焼室に供給する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッドロケッ
    トエンジン。
  5. 【請求項5】 前記ポンプ(5)の吐出側とノズル部
    (14)及び燃焼器(16)のそれぞれの液入口(1
    7,16a)とを連通する加圧液ライン(9a,9b)
    と、ノズル部(14)で蒸発したガスをノズル部内に直
    接連通する噴射口(12a)と、ノズル部内の燃焼ガス
    をタービン(6)のガス入口(6a)に導く抽気ガスラ
    イン(11b)とを備え、ノズル部内の燃焼ガスをター
    ビンに供給してポンプを回転駆動し、ポンプ(5)で加
    圧された液体推進薬(4)の一部を加圧液ライン(9
    b)を介して燃焼室に供給する、ことを特徴とする請求
    項1に記載のハイブリッドロケットエンジン。
  6. 【請求項6】 前記タービン(6)を始動するための始
    動モータを備える、ことを特徴とする請求項5に記載の
    ハイブリッドロケットエンジン。
  7. 【請求項7】 前記ポンプ(5)の吐出側とノズル部
    (14)及び燃焼器(16)のそれぞれの液入口(1
    7,16a)とを連通する加圧液ライン(9a,9b)
    と、ノズル部(14)で蒸発したガスをノズル部内に直
    接連通する噴射口(12a)と、タービンに加圧ガスを
    供給する加圧ガス供給装置(25)とを備え、加圧ガス
    をタービンに供給してポンプを回転駆動し、ポンプ
    (5)で加圧された液体推進薬(4)の一部を加圧液ラ
    イン(9b)を介して燃焼室に供給する、ことを特徴と
    する請求項1に記載のハイブリッドロケットエンジン。
  8. 【請求項8】 前記加圧ガス供給装置(25)は、低圧
    ガスタンク又は自己燃焼式のガス発生器である、ことを
    特徴とする請求項7に記載のハイブリッドロケットエン
    ジン。
  9. 【請求項9】 前記ターボポンプ(7)のポンプ(5)
    とタービン(6)は、同一軸又は歯車列を介して連結さ
    れている、ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか
    のハイブリッドロケットエンジン。
  10. 【請求項10】 液体推進薬(4)を内蔵する液体推進
    薬タンク(3)と、固体推進薬(15)を内蔵する燃焼
    器(16)と、燃焼器で発生した燃焼ガスを噴射するノ
    ズル部(14)と、ポンプ(5)とタービン(6)から
    なるターボポンプ(7)とを備えたハイブリッドロケッ
    トエンジンのポンプ駆動方法であって、 液体推進薬の少なくとも一部をノズル部に供給してノズ
    ル部を冷却し、この冷却によりガス化、昇温されたガス
    の少なくとも一部をタービンに供給してポンプを回転駆
    動する、ことを特徴とするハイブリッドロケットエンジ
    ンのポンプ駆動方法。
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