JP2001327142A - 電磁アクチュエータ - Google Patents

電磁アクチュエータ

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JP2001327142A
JP2001327142A JP2000138400A JP2000138400A JP2001327142A JP 2001327142 A JP2001327142 A JP 2001327142A JP 2000138400 A JP2000138400 A JP 2000138400A JP 2000138400 A JP2000138400 A JP 2000138400A JP 2001327142 A JP2001327142 A JP 2001327142A
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rotor
piece
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JP2000138400A
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Tetsuro Muraji
哲 朗 連
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Mikuni Corp
Original Assignee
Mikuni Corp
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Publication date
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Reciprocating, Oscillating Or Vibrating Motors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】電磁アクチュエータにおいて、ロータの停止位
置のバラツキを小さくし、又、ロータの回転角度位置を
高精度に検出できるようにする。 【解決手段】外周面にマグネット21が結合されたロー
タ20と、ロータの外周面に対向して配置された第1磁
極片30a、第2磁極片30b、及び第3磁極片30c
と、これらの磁極片同士を相互に連結して磁路を形成し
一部に電磁コイル50が巻装された連結磁路形成部材3
0と、第2磁極片30bと第3磁極片30cとの間に磁
路を形成しロータの回転輪郭に沿って形成された隣接磁
路形成部材60とを備え、この隣接磁路形成部材60
に、第2磁極片30b及び第3磁極片30cの周方向長
さを画定する二つの磁気ギャップ71,72を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁コイルへの通
電によりロータを回動させるロータ型の電磁アクチュエ
ータに関し、特に、内燃機関の電子制御スロットルシス
テム等の駆動源として適用される電磁アクチュエータに
関する。
【0002】
【従来の技術】車両に搭載された内燃機関の燃焼状態、
出力、回転制御等を、運転者の意図するアクセルコント
ロール以上に高精度かつきめ細かに制御する手法とし
て、電子制御スロットルシステム、すなわち、ドライブ
バイワイヤーシステムが知られている。この電子制御ス
ロットルシステム(ドライブバイワイヤーシステム)
は、アクセルペダルとスロットルバルブとをアクセルワ
イヤーで接続するのではなく、アクセルペダルの踏み込
み量を電気信号に変換し、この変換された電気信号に基
づいて予め設定された種々の開度、あるいは、車両の故
障時等における待避走行等を可能にするデフォルト開度
等に、スロットルの開度を制御するものである。したが
って、このスロットルの開度を制御する駆動源として
は、高精度な開度の制御が行なえるものが要求され、そ
の一つとしてトルクモータ等の電磁アクチュエータが開
発されている。
【0003】この種の電磁アクチュエータとしては、例
えば、特開平11−252889号公報、特開平11−
356028号公報、特開平11−356029号公報
等に開示されたものが知られている。特開平11−25
2889号公報に開示された電磁アクチュエータは、図
11(a)に示すように、外周に極性の異なるマグネッ
ト1a,1bを備えかつ一部が切り欠かれたロータ1
と、このロータ1の外周表面に沿うように配置された3
つの磁極片2,3,4と、これら3つの磁極片2,3,
4のうち隣り合うもの同士を連結して磁路を形成すると
共にその一部(コア)に電磁コイル5が巻装された連結
磁路形成部材(ヨーク)6と、隣り合う2つの磁極片
3,4を連結して磁路を形成すると共にロータ1の回転
輪郭に沿うようにロータ1に隣接して弧状に形成された
隣接磁路形成部材(ヨーク)7等を備えており、電磁コ
イル5を含む連結磁路形成部材6の一部に形成された磁
気ギャップ8及びロータ1の切り欠き領域に形成される
弧状ギャップ9により、非通電時におけるロータ1の停
止位置が調整されるものである。
【0004】特開平11−356028号公報に開示さ
れた電磁アクチュエータは、前述の電磁アクチュエータ
のような磁気ギャップによりロータ1の停止位置を調整
するのではなく、図11(b)に示すように、ロータ1
に隣接して弧状に形成された隣接磁路形成部材(ヨー
ク)7の一部をロータ1から遠ざかる方向に扇状に切り
欠くことにより段差7aを設けて磁極片3,4それぞれ
の周方向の長さを設定することにより、非通電時におけ
るロータ1の停止位置が調整されるものである。
【0005】特開平11−356029号公報に開示さ
れた電磁アクチュエータは、図11(c)に示すよう
に、特開平11−252889号公報に開示の電磁アク
チュエータにおいて、磁気ギャップ8に磁束密度を検出
するホール素子10を配置し、このホール素子10によ
り出力される信号に対して、電磁コイル5を流れる電流
の影響を補正することにより、ロータ1の回転角度位置
を検出するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記特開平
11−252889号公報に開示の電磁アクチュエータ
においては、磁気ギャップ8等の磁気抵抗のバランスに
より、非通電時にロータ1が停止する停止位置を設定す
るものであるが、実際の生産(量産)時における製造バ
ラツキ等により、この停止位置を所定の位置に調整する
のは困難である。
【0007】また、特開平11−356028号公報に
開示の電磁アクチュエータにおいては、上記停止位置の
バラツキは解消されるものの、磁極片2,3,4をそれ
ぞれ連結して磁路を形成する磁路形成部材(ヨーク)が
全域において結合されており、磁路内の磁束密度を検出
することはできない。
【0008】さらに、特開平11−356029号公報
に開示の電磁アクチュエータにおいては、電磁コイル5
を含む連結磁路形成部材(ヨーク)6に設けた磁気ギャ
ップ8内にホール素子10を配置し、すなわち、電磁コ
イル5を流れる電流の影響を受け易い(電磁コイル5に
より生成された磁束が高密度に分布する磁場)領域にお
いて磁束密度を検出することを前提として、電磁コイル
5を流れるコイル電流の影響を補正する補正回路等を設
けるものである。それ故に、検出回路等が複雑になり、
その簡略化のためには、できるだけコイル電流の影響が
小さくなる構成が要求される。
【0009】したがって、上記特開平11−35602
8号公報に開示の電磁アクチュエータに、特開平11−
252889号公報に開示の磁気ギャップ及び特開平1
1−356029号公報に開示のホール素子を適用し
て、ロータ1の回転角度位置を検出できるようにして
も、ホール素子の検出信号に対するコイル電流の影響を
小さくすることはできない。また、前述のような補正回
路等を設けると、システムの複雑化等を招くことにな
る。
【0010】本発明は、上記従来技術の課題に鑑みて成
されたものであり、その目的とするところは、電磁コイ
ルへの非通電磁にロータが停止する停止位置のバラツキ
を抑え、又、構造の簡略化を図りつつ、ロータの回転角
度位置を高精度に検出できる電磁アクチュエータを提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の電磁アクチュエ
ータは、異なる極性に着磁されたマグネットにより外周
面の少なくとも一部が形成されて所定軸回りに回動可能
に配置されたロータと、ロータの外周面に対向するよう
に配置された第1磁極片、第2磁極片、及び第3磁極片
と、第1磁極片、第2磁極片、第3磁極片をお互いに連
結して磁路を形成すると共にその一部に電磁コイルが巻
装された連結磁路形成部材と、第2磁極片と第3磁極片
との間に磁路を形成すると共にロータの回転輪郭に沿う
ようにロータに隣接して形成された隣接磁路形成部材と
を備えた電磁アクチュエータであって、上記隣接磁路形
成部材には、ロータの回転輪郭に沿う方向における第2
磁極片及び第3磁極片の周方向長さを画定する二つの磁
気ギャップが設けられている、ことを特徴としている。
この構成によれば、電磁コイルが通電されてロータが所
定方向に回転した状態から、電磁コイルへの通電が断た
れた非通電の状態になると、マグネットの磁束のみが作
用して、隣接磁路形成部材に設けられた二つの磁気ギャ
ップに蓄積された磁気エネルギが解放されて安定した状
態となるべく、ロータが逆向きに回転して、二つの磁気
ギャップと極性の異なるマグネットとが対称的な位置関
係となるところでロータが停止する。また、二つの磁気
ギャップにより第2磁極片及び第3磁極片の周方向長さ
が画定されるため、このロータの停止位置のバラツキも
小さくあるいは防止される。
【0012】上記構成において、二つの磁気ギャップ
は、第2磁極片及び第3磁極片のそれぞれの周方向長さ
を異ならせる位置に配置されている、構成を採用するこ
とができる。この構成によれば、非通電の状態におい
て、極性の異なるマグネットと第2磁極片及び第3磁極
片との間には、それぞれ第2磁極片の周方向長さと第3
磁極片の周方向長さとの比率に応じた磁力線(磁束)が
分布するため、その比率に応じた所定の角度だけ、ロー
タが回転した位置にて停止する。すなわち、二つの磁気
ギャップを配置する位置を適宜選定することにより、ロ
ータの停止位置(例えば、デフォルト開度の位置)を所
望の位置に設定することができる。
【0013】上記構成において、ロータの周方向におい
て、第1磁極片を挟む両側の一方の側に第2磁極片が他
方の側に第3磁極片がそれぞれ配置され、電磁コイル
は、連結磁路形成部材のうちの第1磁極片を連結する部
分に巻装され、二つの磁気ギャップの少なくとも一つに
は、磁気ギャップ内の磁気エネルギを検出する磁気セン
サが配置されている、構成を採用することができる。こ
の構成によれば、電磁コイルへの通電により生成された
磁束は、この電磁コイルが巻装された連結磁路形成部材
の部分から他の連結磁路形成部材の部分に主として導か
れるループを形成することになる。すなわち、磁気ギャ
ップは、電磁コイルを流れるコイル電流の影響を受け難
い隣接磁路形成部材の領域にあり、この領域に磁気セン
サ(例えば、磁束密度を検出するホール素子)が配置さ
れているため、磁気エネルギ(例えば、磁束密度)を高
精度に検出することができる。また、場合によっては、
コイル電流の影響を補正する補正回路等を用いることな
く、高精度に磁気エネルギ(例えば、磁束密度)を検出
することができる。
【0014】上記構成において、マグネットは、ロータ
の回転中心を通る直線に対して線対称に配置されかつ外
側表面がそれぞれ異なる極性に着磁された一対の永久磁
石片からなり、この一対の永久磁石片の一端部は、ロー
タの回転方向において、それぞれ第2磁極片及び第3磁
極片側から磁気ギャップを越えて、隣接磁路形成部材に
対向する位置まで突出するように形成されている、構成
を採用することができる。この構成によれば、通電の状
態において、ロータがいずれの回転位置に位置していて
も、二つの磁気ギャップの一方を、必ず一方の永久磁石
片が覆って隣接磁路形成部材と対向することになる。し
たがって、例えば、両方の磁気ギャップ内にそれぞれ磁
気センサが配置されている場合、一方の磁気センサの出
力勾配に変化を招くことなく、より安定した出力が得ら
れ、より正確な角度位置の検出が行なわれる。
【0015】上記構成において、磁気ギャップは、非磁
性材料により形成された磁気抵抗部材からなり、隣接磁
路形成部材は、ロータの回転方向においてお互いに接合
及び分離自在に分割された複数の分割片からなり、磁気
抵抗部材は、これら複数の分割片のいずれかに接合され
た、構成を採用することができる。この構成によれば、
複数の分割片と磁気抵抗部材とを接合する際に、磁気抵
抗部材を挟む位置を適宜選定することにより、非通電の
状態でロータを停止させる停止位置(例えば、デフォル
ト開度の位置)が、所望の位置に設定される。これによ
り、停止位置(デフォルト開度の位置)が異なる電磁ア
クチュエータ同士において、部品の共用化が行なえる。
したがって、部品の共用化によるコストの低減を行なう
ことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、添付図面を参照しつつ説明する。図1及び図2は、
本発明に係る電磁アクチュエータの第1の実施形態を示
すものであり、図1は概略構成図、図2は動作を説明す
る動作図である。この実施形態に係る電磁アクチュエー
タは、図1に示すように、所定軸例えば内燃機関のスロ
ットルバルブを構成するスロットルシャフトSに直結さ
れ得ると共にその外周にマグネット21が結合されたロ
ータ20と、このロータ20の外周面(マグネット21
の外周面)に対向するように配置された第1磁極片30
a、第2磁極片30b、及び第3磁極片30cと、これ
ら第1磁極片30a、第2磁極片30b、第3磁極片3
0cをお互いに連結して磁路を形成する連結磁路形成部
材30と、この連結磁路形成部材30の一部にボビン4
0を介して巻装(巻回して装着)された電磁コイル50
と、ロータ20に隣接して配置されると共に第2磁極片
30bと第3磁極片30cとの間に磁路を形成する隣接
磁路形成部材60と、この隣接磁路形成部材60の領域
に設けられた二つの磁気ギャップ70等を、その基本構
成として備えている。
【0017】ところで、ロータ20は、磁性材料等によ
り、所定の厚みをなす円板状でかつ外周面の一部が切り
欠かれて平坦に形成されており、その外周表面の一部
に、異なる極性(N極とS極)に着磁された弧状のマグ
ネット21が結合されている。このマグネット21は、
断面が弧状をなしかつ外側表面がN極となるように着磁
された永久磁石片21aと、同様に断面が弧状をなしか
つ外側表面がS極となるように着磁された永久磁石片2
1bとにより構成されている。これら一対の永久磁石片
21a,21bは、ロータ20の平坦部22に垂直でか
つ回転中心を通る直線Vに対して線対称な位置に配置さ
れており、ロータ20の外周面の一部を形成、すなわ
ち、回転輪郭Rを形成している。
【0018】ロータ20の周囲には、その外周面(マグ
ネット21の外周面)に対して、所定の間隔(例えば、
0.4mm程度)を空けて非接触にて対向するように、
第1磁極片30a,第2磁極片30b,第3磁極片30
cが配置されている。これら第1磁極片30a,第2磁
極片30b,第3磁極片30cは、図1(a)に示すよ
うに、ロータ20の外周面に対向する面が円弧面状に形
成され、又、直線V上に第1磁極片30aが配置され、
この第1磁極片30aを挟む両側の一方の側(直線Vか
ら反時計回りに約90°回転した左側の位置)に第2磁
極片30bが配置され、他方の側(直線Vから時計回り
に約90°回転した右側の位置)に第3磁極片30cが
配置されている。
【0019】また、これら第1磁極片30a,第2磁極
片30b,第3磁極片30cは、図1(a)に示すよう
に、連結磁路形成部材30により磁路が一体的に連結さ
れている。すなわち、この連結磁路形成部材30は、一
端部領域に第1磁極片30aをもつ磁性材料よりなるコ
ア31と、略C字形状をなしその両端部領域にそれぞれ
第2磁極片30b及び第3磁極片30cをもつ磁性材料
よりなるヨーク32とにより構成されており、コア31
の他端部31aとヨーク32の中央部32aとが連結さ
れて、全体として連続した磁路を形成するようになって
いる。
【0020】コア31の周りには、樹脂材料等の非磁性
材料により、断面略矩形形状に成型されたボビン40が
取り付けられており、このボビン40に対して電磁コイ
ル50が巻装(巻回して装着)されている。したがっ
て、この電磁コイル50に電流が流されると、コア31
内に磁束が発生し、この発生した磁束はヨーク32を通
ることになる。そして、例えば、第1磁極片30aの極
性がN極になると、第2磁極片30b及び第3磁極片3
0cの極性がS極となり、一方、第1磁極片30aの極
性がS極になると、第2磁極片30b及び第3磁極片3
0cの極性がN極となる。
【0021】隣接磁路形成部材60は、磁性材料により
形成されて、第2磁極片30bと第3磁極片30cとの
間に磁路を形成するためのヨークであり、ロータ20の
回転輪郭Rに沿うような曲率に湾曲して形成されてい
る。そして、この隣接磁路形成部材60には、その途中
に二つの磁気ギャップ70が設けられている。尚、隣接
磁路形成部材60に磁気ギャップ70を設けるという概
念は、隣接磁路形成部材60が第2磁極片30bと第3
磁極片30cとを機械的に連結する構造を前提にした表
現であり、第2磁極片30bと第3磁極片30cに隣接
してそれぞれ磁気ギャップを配置し、これら磁気ギャッ
プをおいて隣接磁路形成部材60を配置するという概念
をも含むものである。
【0022】磁気ギャップ70は、ロータ20の回転輪
郭Rに沿う方向において、第2磁極片30bの周方向長
さL1を画定する第1磁気ギャップ71と、第3磁極片
30cの周方向長さL2を画定する第2磁気ギャップ7
2とからなる。ここでは、第2磁極片30bの周方向長
さL1と第3磁極片30cの周方向長さL2とが同一と
なるように、すなわち、二つの磁気ギャップ70(7
1,72)が直線Vに対して線対称となる位置に配置さ
れている。また、この磁気ギャップ70(71,72)
は、エアギャップとして形成されているが、非磁性材料
により形成された部材を介在させてもよい。また、この
磁気ギャップ70(71,72)は、隣接磁路形成部材
60に対して、電磁コイル50への非通電時にマグネッ
ト21からの磁束(磁力線)を通過させず、電磁コイル
50への通電時に磁束を通過させるような磁気抵抗(リ
ラクタンス)をもつように形成されている。
【0023】これら磁気ギャップ70(71,72)の
領域には、それぞれ磁気センサとしてのホール素子8
1,82が配置されており、この磁気ギャップ70内を
通過する磁束密度を検出するようになっている。そし
て、これらホール素子81,82の出力信号に基づい
て、ロータ20の回転角度位置が検出される。ここで、
ホール素子81,82の配置手法としては、第2磁極片
30b及び第3磁極片30cの端面にそれぞれ凹部を形
成しこれらの凹部内に配置する方法、あるいは、隣接磁
路形成部材60の両端面に凹部を形成しこれらの凹部内
に配置する方法、さらには、磁気ギャップ70内に配置
する方法等、種々の方法を採用することができる。
【0024】尚、これらのホール素子81,82は、一
方を他方が故障した際の予備として使用することもで
き、あるいは、両方同時に使用して両方から得られる検
出信号に基づいて磁束密度の検出を高精度に行なうこと
もできる。好ましくは、ホール素子81,82により検
出される信号に対して、電磁コイル50に流されるコイ
ル電流の影響を補正する方法を用いて、磁束密度が検出
され、ロータ20の回転角度位置が検出される。また、
磁気ギャップ70は、その空間を通る磁束が電磁コイル
50を流れるコイル電流の影響を受け難い位置に設けら
れていることから、これらホール素子81,82を用い
た磁束密度の検出においては、従来に比べて高精度な検
出が行なわれる。
【0025】上記ロータ20のマグネット21(永久磁
石片21a,永久磁石片21b)と第1磁気ギャップ7
1及び第2磁気ギャップ72との位置関係は、電磁コイ
ル50への非通電状態において、図1(a)に示すよう
に、永久磁石片21aの一端部は、ロータ20の回転方
向において第1磁気ギャップ71に接する第2磁極片3
0bの端面から突出して磁気ギャップ71を越え(覆
い)、さらに隣接磁路形成部材60に対向する位置まで
突出して伸びている。また、永久磁石片21bの一端部
も、ロータ20の回転方向において第2磁気ギャップ7
2に接する第3磁極片30cの端面から突出して磁気ギ
ャップ72を越え(覆い)、さらに隣接磁路形成部材6
0に対向する位置まで突出して伸びている。
【0026】したがって、非通電の状態においては、磁
気ギャップ70(71,72)等に蓄積された磁気エネ
ルギが解放される状態、すなわち、図1(a)に示すよ
うに、直線Vに対して線対称となる位置にてロータ20
は停止し安定する。また、通電状態において、ロータ2
0がいずれの回転位置にあっても、永久磁石片21a,
21bの一方が、磁気ギャップ71,72の一方を常に
覆うように隣接磁路形成部材60まで伸びて対向してい
るため、ホール素子81,82の少なくとも一方から
は、より安定した出力が得られる。これにより、より高
精度な回転角度位置の検出が行なわれる。
【0027】次に、この実施形態に係る電磁アクチュエ
ータの動作について、図2に基づき説明する。先ず、電
磁コイル50に通電されない非通電の状態においては、
磁気ギャップ71,72の磁気抵抗が永久磁石片21
a,21bの磁力に対して大きいため、図2(a)に示
すように、磁束(磁力線)は、磁気ギャップ71,72
を通らず、永久磁石片21a→第1磁極片30a→永久
磁石片21bを辿る経路と、永久磁石片21a→第2磁
極片30b→ヨーク32→第3磁極片30cを辿る経路
とを通ることになる。これにより、ロータ20は、永久
磁石片21aが第1磁極片30aの左半分及び第2磁極
片30bと対向し、又、永久磁石片21bが第1磁極片
30aの右半分及び第3磁極片30cと対向した位置、
すなわち、直線Vに対して線対称となる位置(停止位
置)に停止して安定する。
【0028】続いて、電磁コイル50に所定の電流を流
した通電状態においては、図2(b)に示すように、第
1磁極片30aにN極、第2磁極片30b及び第3磁極
片30cにS極がそれぞれ発生し、磁束は矢印付き実線
で示すような経路を通り、ロータ20は反時計回りに回
転する。また、このとき、磁気ギャップ71,72を通
過する磁束は、電磁コイル50を流れるコイル電流と鎖
交し難い関係にある。すなわち、磁気ギャップ71,7
2を通過する磁束は、コイル電流の影響を受け難い状態
にある。一方、電磁コイル50に逆向きの電流を流した
通電状態においては、図2(c)に示すように、第1磁
極片30aにS極、第2磁極片30b及び第3磁極片3
0cにN極がそれぞれ発生し、磁束は矢印付き実線で示
すような経路を通り、ロータ20は時計回りに回転す
る。この場合、ロータ20は、停止位置から反時計回り
及び時計回りに同一の角度(約60°:作動角全体とし
ては約120°)だけ回転し得ることになる。また、こ
の場合の停止位置をデフォルト開度の位置に設定すれ
ば、非通電の状態において、デフォルト開度への位置決
めが高精度に行なわれる。
【0029】図3及び図4は、本発明に係る電磁アクチ
ュエータの第2の実施形態を示すものであり、図3は概
略構成図、図4は動作を説明する動作図である。この実
施形態に係る電磁アクチュエータは、図1に示す前述の
実施形態に対して、磁気ギャップを設ける位置を変更し
て第2磁極片30b及び第3磁極片30cのそれぞれの
周方向長さを異ならせた以外は同一の構成となってい
る。したがって、同一の構成には同一の符号を付してそ
の説明を省略する。この実施形態に係る電磁アクチュエ
ータにおいては、図3(a)に示すように、第2磁極片
30bの周方向長さL1´が、第3磁極片30cの周方
向長さL2´よりも長くなるように、第1磁気ギャップ
71´と第2磁気ギャップ72´とが配置されている。
【0030】この実施形態においては、ロータ20のマ
グネット21(永久磁石片21a,永久磁石片21b)
と第1磁気ギャップ71´及び第2磁気ギャップ72´
との位置関係は、電磁コイル50への非通電時におい
て、図3(a)に示すように、永久磁石片21aの一端
部が、ロータ20の回転方向において第1磁気ギャップ
71´と接する第2磁極片30bの端面から突出して磁
気ギャップ71´を越え(覆い)、さらに隣接磁路形成
部材60に対向する位置まで突出して伸びている。ま
た、永久磁石片21bの一端部も、ロータ20の回転方
向において第2磁気ギャップ72´と接する第3磁極片
30cの端面から突出して磁気ギャップ72´を越え
(覆い)、隣接磁路形成部材60に対向する位置まで突
出して伸びている。したがって、非通電状態において
は、前述の図1に示した場合に比べて、ロータ20は所
定角度だけ反時計回りに回転偏倚したところで、磁気ギ
ャップ内の磁気エネルギが解放されて安定した状態とな
る。
【0031】次に、この実施形態に係る電磁アクチュエ
ータの動作について、図4に基づき説明する。先ず、電
磁コイル50に通電されない非通電の状態においては、
第1磁気ギャップ71´及び第2磁気ギャップ72´の
磁気抵抗が永久磁石片21a,21bの磁力に対して大
きいため、図4(a)に示すように、磁束(磁力線)
は、磁気ギャップ71´,72´を通らず、永久磁石片
21a→第1磁極片30a→永久磁石片21bを辿る経
路と、永久磁石片21a→第2磁極片30b→ヨーク3
2→コア31→第1磁極片30aを辿る経路と、永久磁
石片21a→第2磁極片30b→ヨーク32→第3磁極
片30cを辿る経路とを通ることになる。これにより、
ロータ20は、永久磁石片21aが第1磁極片30aの
左側一部及び第2磁極片30bと対向し、又、永久磁石
片21bが第1磁極片30aのほぼ右半分及び第3磁極
片30cと対向した位置、すなわち、図4(a)に示す
ように、直線Vに対して反時計回りに所定角度だけ回転
偏倚した位置(停止位置)に停止して安定する。
【0032】続いて、電磁コイル50に所定の電流を流
した通電状態においては、図4(b)に示すように、第
1磁極片30aにN極、第2磁極片30b及び第3磁極
片30cにS極がそれぞれ発生し、磁束は矢印付き実線
で示すような経路を通り、ロータ20は反時計回りに回
転する。また、このとき、磁気ギャップ71´,72´
を通過する磁束は、電磁コイル50を流れるコイル電流
と鎖交し難い関係にある。すなわち、磁気ギャップ71
´,72´を通過する磁束は、コイル電流の影響を受け
難い状態にある。一方、電磁コイル50に逆向きの電流
を流した通電状態においては、図4(c)に示すよう
に、第1磁極片30aにS極、第2磁極片30b及び第
3磁極片30cにN極がそれぞれ発生し、磁束は矢印付
き実線で示すような経路を通り、ロータ20は時計回り
に回転する。この場合、ロータ20は、停止位置から反
時計回りよりも時計回りの方向により大きく回転可能
で、作動角全体としては約120°となっている。ま
た、この場合の停止位置をデフォルト開度の位置に設定
すれば、非通電の状態において、デフォルト開度への位
置決めが高精度に行なわれる。
【0033】図5及び図6は、本発明に係る電磁アクチ
ュエータの第3の実施形態を示すものであり、図5は概
略構成図、図6は動作を説明する動作図である。この実
施形態に係る電磁アクチュエータは、図1に示す前述の
実施形態に対して、ロータ及びマグネットを変更した以
外は同一の構成となっている。したがって、同一の構成
には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0034】この実施形態に係る電磁アクチュエータに
おいては、図5(a)に示すように、ロータ200が、
磁性材料等により、所定の厚みをなす円板状に形成され
ており、その外周表面の全域を囲むように、環状に形成
されかつ異なる極性(N極とS極)に2等分されて着磁
されたマグネット、すなわち、一対の永久磁石片として
の環状永久磁石210が結合されている。この環状永久
磁石210は、円筒状をなし、回転中心線を通る面を境
に、N極に着磁されたN極半体210aとS極に着磁さ
れたS極半体210bとに区分けされている。そして、
これらN極半体210a及びS極半体210bの外周面
が、ロータ200の外周面すなわち回転輪郭を形成して
いる。
【0035】すなわち、N極半体210aの一端部は、
ロータ200の回転方向において第1磁気ギャップ71
に接する第2磁極片30bの端面から突出して磁気ギャ
ップ71を超え(覆い)、隣接磁路形成部材60に対向
する位置まで突出して伸びており、又、S極半体210
bの一端部も、ロータ200の回転方向において第2磁
気ギャップ72に接する第3磁極片30cの端面から突
出して磁気ギャップ72を超え(覆い)、隣接磁路形成
部材60に対向する位置まで突出して伸びている。
【0036】そして、このロータ200の周囲には、そ
の外周面(環状永久磁石210の外周面)に対して、所
定の間隔(例えば、0.4mm程度)を空けて非接触に
て対向するように、前述同様の第1磁極片30a,第2
磁極片30b,第3磁極片30cが配置されている。こ
の実施形態においては、ロータ200の環状永久磁石2
10(N極半体210a,S極半体210b)と第1磁
気ギャップ71及び第2磁気ギャップ72との位置関係
は、電磁コイル50への非通電時において、図5(a)
に示すように、N極半体210aとS極半体210bと
が、ロータ200の回転中心を通る直線Vに対して線対
称となる位置にて、磁気ギャップ内の磁気エネルギが解
放されて安定した状態となる。
【0037】次に、この実施形態に係る電磁アクチュエ
ータの動作について、図6に基づき説明する。先ず、電
磁コイル50に通電されない非通電の状態においては、
第1磁気ギャップ71及び第2磁気ギャップ72の磁気
抵抗が環状永久磁石210の磁力に対して大きいため、
図6(a)に示すように、磁束(磁力線)は、磁気ギャ
ップ70(71,72)を通らず、N極半体210a→
第1磁極片30a→S極半体210bを辿る経路と、N
極半体210a→第2磁極片30b→ヨーク32→第3
磁極片30cを辿る経路と、N極半体210a→隣接磁
路形成部材60→S極半体210bを辿る経路とを通る
ことになる。
【0038】また、N極半体210aとS極半体210
bとは、第1磁極片30a及び隣接磁路形成部材60に
対して、周方向の長さが等しい割合となる位置にて安定
し、又、この安定状態に向かわせようとする磁力の作用
が、ロータ200を所定の停止位置に位置決めすること
になる。このとき、N極半体210aが第1磁極片30
aの左半分、第2磁極片30b、及び隣接磁路形成部材
60の左半分と対向し、又、S極半体210bが第1磁
極片30aの右半分、第3磁極片30c、及び隣接磁路
形成部材60の右半分と対向した位置、すなわち、図6
(a)に示すように、直線Vに対して線対称となる位置
(停止位置)に停止して安定する。
【0039】続いて、電磁コイル50に所定の電流を流
した通電状態においては、図6(b)に示すように、第
1磁極片30aにN極、第2磁極片30b及び第3磁極
片30cにS極がそれぞれ発生し、磁束は矢印付き実線
で示すような経路を通り、ロータ200は反時計回りに
回転する。また、このとき、磁気ギャップ71,72を
通過する磁束は、電磁コイル50を流れるコイル電流と
鎖交し難い関係にある。すなわち、磁気ギャップ71,
72を通過する磁束は、コイル電流の影響を受け難い状
態にある。
【0040】一方、電磁コイル50に逆向きの電流を流
した通電状態においては、図6(c)に示すように、第
1磁極片30aにS極、第2磁極片30b及び第3磁極
片30cにN極がそれぞれ発生し、磁束は矢印付き実線
で示すような経路を通り、ロータ20は時計回りに回転
する。この場合、ロータ200は、停止位置から反時計
回り及び時計回りに同一の角度(約60°:作動角全体
としては約120°)だけ回転し得ることになる。ま
た、この場合の停止位置をデフォルト開度の位置に設定
すれば、非通電の状態において、デフォルト開度への位
置決めが高精度に行なわれる。
【0041】図7及び図8は、本発明に係る電磁アクチ
ュエータの第4の実施形態を示すものであり、図7は概
略構成図、図8は動作を説明する動作図である。この実
施形態に係る電磁アクチュエータは、図5に示す前述の
実施形態に対して、磁気ギャップを設ける位置を変更し
て第2磁極片30b及び第3磁極片30cのそれぞれの
周方向長さを異ならせた以外は同一の構成となってい
る。したがって、同一の構成には同一の符号を付してそ
の説明を省略する。この実施形態に係る電磁アクチュエ
ータにおいては、図7(a)に示すように、第2磁極片
30bの周方向長さL1´が、第3磁極片30cの周方
向長さL2´よりも長くなるように、第1磁気ギャップ
71´と第2磁気ギャップ72´とが配置されている。
【0042】この実施形態においては、ロータ200の
環状永久磁石210(N極半体210a,S極半体21
0b)と第1磁気ギャップ71´及び第2磁気ギャップ
72´との位置関係は、電磁コイル50への非通電時に
おいて、図7(a)に示すように、N極半体210aと
S極半体210bとの接合面(分割面)Fが、ロータ2
00の回転中心を通る直線Vに対して、反時計回りに所
定角度だけ回転偏倚したところで、磁気ギャップ内の磁
気エネルギが解放されて安定した状態となる。
【0043】次に、この実施形態に係る電磁アクチュエ
ータの動作について、図8に基づき説明する。先ず、電
磁コイル50に通電されない非通電の状態においては、
第1磁気ギャップ71´及び第2磁気ギャップ72´の
磁気抵抗が環状永久磁石210の磁力に対して大きいた
め、図8(a)に示すように、磁束(磁力線)は、磁気
ギャップ71´,72´を通らず、N極半体210a→
第1磁極片30a→S極半体210bを辿る経路と、N
極半体210a→第2磁極片30b→ヨーク32→コア
31→第1磁極片30aを辿る経路と、N極半体210
a→第2磁極片30b→ヨーク32→第3磁極片30c
を辿る経路と、N極半体210a→隣接磁路形成部材6
0→S極半体210bを辿る経路とを通ることになる。
【0044】また、N極半体210aとS極半体210
bとは、隣接磁路形成部材60に対して、周方向の長さ
が等しい割合となる位置にて安定し、又、この安定状態
に向かわせようとする磁力の作用が、ロータ200を所
定の停止位置に位置決めすることになる。このとき、N
極半体210aが第1磁極片30aの左側の一部、第2
磁極片30b、及び隣接磁路形成部材60の左半分と対
向し、又、S極半体210bが第1磁極片30aの中央
よりも僅かに左寄りまでの部分、第3磁極片30c、及
び隣接磁路形成部材60の右半分と対向した位置、すな
わち、図8(a)に示すように、直線Vに対して反時計
回りに所定角度だけ回転偏倚した位置(停止位置)に停
止して安定する。
【0045】続いて、電磁コイル50に所定の電流を流
した通電状態においては、図8(b)に示すように、第
1磁極片30aにN極、第2磁極片30b及び第3磁極
片30cにS極がそれぞれ発生し、磁束は矢印付き実線
で示すような経路を通り、ロータ20は反時計回りに回
転する。また、このとき、磁気ギャップ71´,72´
を通過する磁束は、電磁コイル50を流れるコイル電流
と鎖交し難い関係にある。すなわち、磁気ギャップ71
´,72´を通過する磁束は、コイル電流の影響を受け
難い状態にある。
【0046】一方、電磁コイル50に逆向きの電流を流
した通電状態においては、図8(c)に示すように、第
1磁極片30aにS極、第2磁極片30b及び第3磁極
片30cにN極がそれぞれ発生し、磁束は矢印付き実線
で示すような経路を通り、ロータ20は時計回りに回転
する。この場合、ロータ200は、停止位置から反時計
回りよりも時計回りの方向により大きく回転可能で、作
動角全体としては約120°となっている。また、この
場合の停止位置をデフォルト開度の位置に設定すれば、
非通電の状態において、デフォルト開度への位置決めが
高精度に行なわれる。
【0047】図9は、本発明に係る電磁アクチュエータ
の第5の実施形態を示すものであり、前述の第1ないし
第4の実施形態における磁気ギャップ71,71´,7
2,72´を非磁性材料により形成した磁気抵抗部材と
し、又、隣接磁路形成部材60を複数に分割した分割片
により構成した以外は同一の構成となっている。したが
って、同一の構成には同一の符号を付してその説明を省
略する。
【0048】この実施形態に係る電磁アクチュエータ
は、図9に示すように、磁気ギャップ700が、非磁性
材料により形成した第1磁気抵抗部材710と第2磁気
抵抗部材720とにより構成されており、又、隣接磁路
形成部材600が、ロータ20,200の回転方向にお
いて複数(ここでは5個)に分割された第1分割片61
0、第2分割片620、第3分割片630、第4分割片
640、及び第5分割片650により構成されている。
この複数の分割片610,620,630,640,6
50は、ロータ20,200の回転方向において接合及
び分離自在となっており、又、第1磁気抵抗部材710
及び第2磁気抵抗部材720に対しても、同様に接合及
び分離自在となっている。
【0049】例えば、前述の図1及び図5に示す実施形
態の如く、直線Vに対して線対称となる位置に第1磁気
抵抗部材710と第2磁気抵抗部材720とを配置する
場合は、図9(a)に示すように、第1分割片610と
第2分割片620との間に第1磁気抵抗部材710を挟
持し、第4分割片640と第5分割片650との間に第
2磁気抵抗部材720を挟持し、第2分割片620、第
3分割片630、及び第4分割片640を直接接合する
ことにより構成することができる。
【0050】また、前述の図3及び図7に示す実施形態
の如く、直線Vに対して所定角度傾斜した直線に対して
線対称となる位置に第1磁気抵抗部材710と第2磁気
抵抗部材720とを配置する場合は、図9(b)に示す
ように、第2分割片620と第3分割片630との間に
第1磁気抵抗部材710を挟持し、第5分割片650と
第3磁極片30cとの間に第2磁気抵抗部材720を挟
持し、第1分割片610と第2分割片620とを直接接
合し、又、第3分割片630、第4分割片640、及び
第5分割片650をお互いに直接接合することにより構
成することができる。
【0051】すなわち、磁気抵抗部材710,720を
挟む位置を適宜選定することにより、非通電の状態でロ
ータを停止させる停止位置(例えば、デフォルト開度の
位置)が、所望の位置に設定される。これにより、停止
位置(デフォルト開度の位置)が異なる電磁アクチュエ
ータ同士において、部品の共用化が行なえる。したがっ
て、部品の共用化によるコストの低減を行なうことがで
きる。
【0052】上記実施形態においては、隣接磁路形成部
材60,600として、ロータ20,200の回転中心
に対し、その内周面が一定の曲率半径をなす弧状の形態
に形成されたものを採用したが、これに限定されるもの
ではなく、内周面の曲率半径が略中央部で大きくなるよ
うに連続的に変化する形態に形成されたもの、あるい
は、第1磁極片30a、第2磁極片30b、及び第3磁
極片30cの内周面の曲率半径よりも大きい一定の曲率
半径をなす弧状の形態に形成されたものを採用すること
もできる。
【0053】また、上記実施形態においては、マグネッ
トとして、N極とS極とにそれぞれ着磁された一対の永
久磁石片21a,21b、あるいは、N極とS極とにそ
れぞれ2等分して着磁された環状永久磁石210(N極
半体210a,S極半体210b)をロータ20,20
0に結合したもの採用したが、ロータ20,200その
ものをN極とS極とに着磁したものを採用することもで
きる。また、上記実施形態においては、磁気センサとし
て、ホール素子81,82を採用したが、これに限定さ
れるものではなく、その他の磁電変換型の磁気抵抗効果
素子(MRE素子)等を採用することもできる。さら
に、上記実施形態においては、本発明に係る電磁アクチ
ュエータの適用例として、内燃機関の電子制御スロット
ルシステムを挙げたが、これに限定されるものではな
く、ISC制御システム、可変吸気制御システム等の駆
動源として、あるいは、その他の回転角度を駆動制御す
るものにも適用することができる。
【0054】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の電磁アクチ
ュエータによれば、ロータの外周面に対向するように配
置された第1磁極片、第2磁極片、及び第3磁極片をお
互いに連結しその一部に電磁コイルが巻装された連結磁
路形成部材とは別個に設けられ、第2磁極片と第3磁極
片との間に磁路を形成する隣接磁路形成部材に対して、
第2磁極片及び第3磁極片の周方向長さを画定する二つ
の磁気ギャップを設けたことにより、非通電時における
ロータの停止位置(例えば、デフォルト開度位置)を、
バラツキなく所定の位置に高精度に設定することができ
る。
【0055】また、二つの磁気ギャップを配置する位置
を適宜選択することにより、ロータが停止する位置(例
えば、デフォルト開度位置)を所望の角度位置に設定す
ることができる。また、二つの磁気ギャップの少なくと
も一つに、磁気センサ(例えば、ホール素子)を配置す
ることにより、磁気エネルギ(例えば、磁束密度)を検
出することで、ロータの回転角度位置を高精度に検出す
ることができる。さらに、磁気ギャップを非磁性材料よ
りなる磁気抵抗部材とし、隣接磁路形成部材を複数の分
割片により構成することにより、停止位置(例えば、デ
フォルト開度の位置)が異なる電磁アクチュエータ同士
において、部品の共用化、コストの低減等を行なうこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電磁アクチュエータの第1実施形
態を示すものであり、(a)は正面図、(b)は側断面
図である。
【図2】図1に示す電磁アクチュエータの動作を説明す
るものであり、(a)は停止状態を示す正面図、(b)
は反時計回りに回転した状態を示す正面図、(c)は時
計回りに回転した状態を示す正面図である。
【図3】本発明に係る電磁アクチュエータの第2実施形
態を示すものであり、(a)は正面図、(b)は側断面
図である。
【図4】図3に示す電磁アクチュエータの動作を説明す
るものであり、(a)は停止状態を示す正面図、(b)
は反時計回りに回転した状態を示す正面図、(c)は時
計回りに回転した状態を示す正面図である。
【図5】本発明に係る電磁アクチュエータの第3実施形
態を示すものであり、(a)は正面図、(b)は側断面
図である。
【図6】図5に示す電磁アクチュエータの動作を説明す
るものであり、(a)は停止状態を示す正面図、(b)
は反時計回りに回転した状態を示す正面図、(c)は時
計回りに回転した状態を示す正面図である。
【図7】本発明に係る電磁アクチュエータの第4実施形
態を示すものであり、(a)は正面図、(b)は側断面
図である。
【図8】図7に示す電磁アクチュエータの動作を説明す
るものであり、(a)は停止状態を示す正面図、(b)
は反時計回りに回転した状態を示す正面図、(c)は時
計回りに回転した状態を示す正面図である。
【図9】磁気ギャップ及び隣接磁路形成部材の他の実施
形態を示すものであり、(a)及び(b)は磁気ギャッ
プを配置する位置を異ならせた場合を示す図である。
【図10】従来の電磁アクチュエータを示すものであ
る。
【符号の説明】
20 ロータ 21(21a,21b) 永久磁石片(マグネット) 21a´,21b´ 一端部 22 平坦部 30 連結磁路形成部材 30a 第1磁極片 30b 第2磁極片 30c 第3磁極片 31 コア(連結磁路形成部材) 32 ヨーク(連結磁路形成部材) 40 ボビン 50 電磁コイル 60 隣接磁路形成部材 70(71,71´,72,72´) 磁気ギャップ 81,82 ホール素子(磁気センサ) 200 ロータ 210 環状永久磁石(マグネット) 210a N極半体 210b S極半体 710,720 磁気抵抗部材(磁気ギャップ) 600 隣接磁路形成部材 610,620,630,640,650 分割片

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる極性に着磁されたマグネットによ
    り外周面の少なくとも一部が形成されて所定軸回りに回
    動可能に配置されたロータと、ロータの外周面に対向す
    るように配置された第1磁極片、第2磁極片、及び第3
    磁極片と、第1磁極片、第2磁極片、第3磁極片をお互
    いに連結して磁路を形成すると共にその一部に電磁コイ
    ルが巻装された連結磁路形成部材と、第2磁極片と第3
    磁極片との間に磁路を形成すると共にロータの回転輪郭
    に沿うようにロータに隣接して形成された隣接磁路形成
    部材と、を備えた電磁アクチュエータであって、 前記隣接磁路形成部材には、前記ロータの回転輪郭に沿
    う方向における前記第2磁極片及び第3磁極片の周方向
    長さを画定する二つの磁気ギャップが設けられている、
    ことを特徴とする電磁アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 前記二つの磁気ギャップは、前記第2磁
    極片及び第3磁極片のそれぞれの周方向長さを異ならせ
    る位置に、配置されている、ことを特徴とする請求項1
    記載の電磁アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 前記ロータの周方向において、前記第1
    磁極片を挟む両側の一方の側に前記第2磁極片が他方の
    側に前記第3磁極片がそれぞれ配置され、 前記電磁コイルは、前記連結磁路形成部材のうちの前記
    第1磁極片を連結する部分に巻装され、 前記二つの磁気ギャップの少なくとも一つには、前記磁
    気ギャップ内の磁気エネルギを検出する磁気センサが配
    置されている、ことを特徴とする請求項1又は2記載の
    電磁アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 前記マグネットは、前記ロータの回転中
    心を通る直線に対して線対称に配置されかつ外側表面が
    それぞれ異なる極性に着磁された一対の永久磁石片から
    なり、 前記一対の永久磁石片の一端部は、前記ロータの回転方
    向において、それぞれ前記第2磁極片及び第3磁極片側
    から前記磁気ギャップを越えて前記隣接磁路形成部材に
    対向する位置まで突出するように形成されている、こと
    を特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載の電磁ア
    クチュエータ。
  5. 【請求項5】 前記磁気ギャップは、非磁性材料により
    形成された磁気抵抗部材であり、 前記隣接磁路形成部材は、前記ロータの回転方向におい
    て、お互いに接合及び分離自在に分割された複数の分割
    片からなり、 前記磁気抵抗部材は、前記複数の分割片のいずれかに接
    合されている、ことを特徴とする請求項1ないし4いず
    れかに記載の電磁アクチュエータ。
JP2000138400A 2000-05-11 2000-05-11 電磁アクチュエータ Pending JP2001327142A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005071817A1 (de) * 2004-01-23 2005-08-04 Heinz Leiber Segmentmotor
JP2009247111A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Tamagawa Seiki Co Ltd 有限角モータ
KR20220155830A (ko) * 2021-05-17 2022-11-24 동아대학교 산학협력단 회전형 전동 액추에이터

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