JP2001310116A - 高非対称性陰イオン膜 - Google Patents

高非対称性陰イオン膜

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JP2001310116A
JP2001310116A JP2000133467A JP2000133467A JP2001310116A JP 2001310116 A JP2001310116 A JP 2001310116A JP 2000133467 A JP2000133467 A JP 2000133467A JP 2000133467 A JP2000133467 A JP 2000133467A JP 2001310116 A JP2001310116 A JP 2001310116A
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Wan Ai-Fan
アイ−ファン・ワン
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USF Filtration and Separations Group Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 持続性の内部陰イオン電荷を有するポリマー
膜を提供する。 【解決手段】 持続性の内部陰イオン電荷を有するポリ
マー膜は、スルホンポリマー、陰イオン電荷変性剤、非
溶剤および溶剤を含んでなる溶液または懸濁液から流延
され、膜は、第1表面および第2表面を有し、それぞれ
の表面は、孔を有し、膜は、第1表面と第2表面の間に
多孔質支持構造も有し、多孔質支持構造は、第1表面の
孔と第2表面の孔の間に流路の網目状ネットワークを有
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部陰イオン電荷
を有する膜およびそのような膜を製造する方法に関す
る。陰イオン的に電荷を帯びた膜は、陰イオン成分を組
み込む膜流延方法から製造される。
【0002】
【従来の技術】陰イオン電荷により変性した膜は、溶液
から種々の物質を除去するのに、およびバイオテクノロ
ジー用途においても有用である。例えば、陰イオン帯電
膜は、溶液からエンドトキシンの除去に有用である。エ
ンドトキシンは、細菌性溶解物からしばしば誘導される
毒性物質である。さらに、そのような膜は、例えば半導
体産業のための高純度水の調製において、供給流れから
正帯電物を除去するのに有用であることが分かってい
る。
【0003】産業(特に食品加工産業および環境用途)
に有用である限外濾過およびミクロ濾過膜は、付着物を
減少させ、膜に付加的な所望の特性を与えるように親水
性物質によって表面変性され得る典型的な疎水性膜であ
る。膜は、孔構造において等方性または非対称性(非等
方性)であってよい。等方性膜は、膜全体を通して均一
な孔構造を有する。非対称性膜は、膜全体を通して均一
な孔構造を有さない。非対称性多孔質膜は、流動および
保持特性が流動方向に依存しない等方性かつ均一膜から
区別される。非対称性膜は、ミクロ濾過、限外濾過およ
び逆浸透法で有用である。
【0004】さまざまな異なる方法および試薬が、電荷
変性された最初は親水性または疎水性である膜および関
連の膜を製造するのに利用されている。米国特許第4,
012,324号(Gregor)は、マトリックスポリマ
ー、高分子電解質、溶剤および化学架橋剤を含んでなる
流延用配合物を記載している。膜は、溶剤を蒸発させ
て、均一な多孔性および巨視的な均質性の膜を形成する
工程を通して製造され、固定した陰イオンおよび陽イオ
ン電荷ならびに約15〜約75%の水含量を有してい
る。実質的に平衡した水含量を有する膜は、ヒドロゲル
として知られ、使用前に保護されない場合に、水の損失
を受けやすく、さらに用途は限定される。
【0005】米国特許第4,673,504号(Ostrei
cherら)は、親水性有機ポリマー微孔質膜から製造され
る陽イオン電荷変性微孔質膜を記載している。この微孔
質膜は、膜全体を通して均一な孔構造を有し、親水性か
つ等方性である。しかしながら、非等方性親水性膜は、
この特許に記載されていない。
【0006】米国特許第4,797,187号(Davis
ら)は、改良された選択性を有するイオン的に結合した
コアセルベート層膜を製造する方法を記載している。こ
の膜は、逆浸透、気体分離および限外濾過に有用な種類
の複合半透性膜であり、選択性を改良するために後処理
される。
【0007】米国特許第5,531,893号(Huら)
は、互いに浸透するポリマーネットワークの架橋した構
造を有する親水性電荷変性された微孔質膜を記載してい
る。膜は、ポリエーテルスルホン(PES)、多官能グ
リシジルエーテルおよび重合アミン(例えば、ポリエチ
レンイミン(PEI)、ポリアミン類)およびポリエチ
レングリコールの均一マトリックスを含んでなる。89
3号特許の欠点は、ネットワーク構造の安定化のために
加熱した膜が、より低い陽イオン電荷密度を有すること
である。このことは、膜構造内で架橋したPEI付加物
の漸進的な分解によると記載されている。
【0008】したがって、さまざまな異なる方法および
試薬が、電荷変性膜を製造するのに利用されることが分
かっている一方で、引用された文献それぞれは、1また
はそれ以上の好ましくない特徴を有している。引用され
た文献には、陰イオン電荷により変性され、等方性また
は非等方性の、要すればヒドロゲルを含まない膜を、化
学的な架橋剤を用いないで簡単な流延方法で製造するこ
とは記載されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】したがって、複雑かつ
費用のかかる装置を用いないで、ポリマー出発物質から
流延工程で容易に製造できる複数の固定された負電荷を
有し、等方性またはヒドロゲル膜種に限定されない改良
された安定な、陰イオン電荷を有する膜に対する要求が
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、スルホンポリ
マー、陰イオン電荷変性剤、非溶剤および溶剤を含んで
なる溶液または懸濁液から流延される持続性の内部陰イ
オン電荷を有するポリマー膜を提供する。膜は、第1表
面および第2表面を有し、それぞれの表面は、孔を有
し、膜は、第1表面と第2表面の間に多孔質支持構造も
有し、多孔質支持構造は、第1表面の孔と第2表面の孔
の間に流路の網目状ネットワークを有する。スルホンポ
リマーは、例えばポリスルホン、ポリエーテルスルホン
またはポリアリールスルホンであってよい。陰イオン電
荷変性剤が、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸または1−プロパンスルホン酸2−メチル−
2−(1−オキシ−2−プロペニルアミノ)であってよ
い。非溶剤は、低分子量有機酸、アルコール、エーテ
ル、界面活性剤または水、例えばt−アミルアルコー
ル、メトキシエタノールまたはプロピオン酸であってよ
い。溶剤が、N−メチルピロリドンであってよく、流延
用溶液または懸濁液は、さらに架橋開始剤を含みうる。
【0011】本発明のこの要旨の膜は、限外濾過膜であ
ってよく、約10kDaまたは約100kDaの分子量
排除限界を有しうる。同様に、膜は、ミクロフィルター
であってよく、約0.1μm未満、約0.2μm未満ま
たは0.3μm〜約1.0μmの平均通過孔寸法を有し
うる。膜は、非対称性であってよく、第2表面の孔が、
第1表面の孔より少なくとも約5倍より大きくてよい。
多孔質支持構造の流路の直径が、第1表面から第2表面
に向かって、徐々に増大しうる。
【0012】他の要旨において、本発明は、持続性の内
部陰イオン電荷を有するポリマー膜を製造する方法を提
供する。方法は、スルホンポリマー、陰イオン電荷変性
剤、非溶剤および溶媒を含んでなる流延用溶液または懸
濁液を供給する工程;薄いフィルムを形成するために、
溶液または懸濁液を流延する工程;冷却浴でフィルムを
凝集する工程;および持続性の内部陰イオン電荷を有す
るポリマー膜を回収する工程を含んでなり、膜が、第1
表面および第2表面を有し、それぞれの表面が、孔を有
し、膜が、第1表面と第2表面の間に多孔質支持構造も
有し、多孔質支持構造が、第1表面の孔と第2表面の孔
の間に流路の網目状ネットワークを有する。方法で使用
されるスルホンポリマーは、例えばポリスルホン、ポリ
エーテルスルホンおよびポリアリールスルホンであって
よい。陰イオン電荷変性剤は、例えば2−アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸または1−プロパン
スルホン酸2−メチル−2−(1−オキシ−2−プロペ
ニルアミノ)であってよい。非溶剤は、低分子量有機
酸、アルコール、エーテル、界面活性剤または水、例え
ばt−アミルアルコール、メトキシエタノールまたはプ
ロピオン酸であってよい。溶剤は、N−メチルピロリド
ンであってよく、流延用溶液または懸濁液は、さらに架
橋開始剤を含みうる。本発明の方法は、さらに、膜を加
熱架橋する付加的な工程を含んでよい。加熱架橋工程
は、100〜130℃の温度で行われ得る。
【0013】本発明の方法は、限外濾過膜(約10kD
aまたは約100kDaの分子量排除限界を有しうる)
を製造するために使用されてよい。膜は、ミクロフィル
ターであってよく、約0.1μm未満、約0.2μm未
満または0.3μm〜約1.0μmの平均通過孔寸法を
有しうる。本発明の方法によって製造された膜は、非対
称性であってよく、第2表面の孔が、第1表面の孔より
少なくとも約5倍大きくてよい。多孔質支持構造の流路
の直径が、第1表面から第2表面に向かって、徐々に増
大しうる。
【0014】本発明は、内部陰イオン濾過膜およびその
製造方法に関する。一般に、高非対称性の内部陰イオン
性膜は、陰イオン性電荷を帯びた親水性ポリマーまたは
モノマーを、他のポリマー膜成分とブレンドして、均一
な溶液またはコロイド状懸濁液である組成物を形成して
製造されうる。この組成物を流延して、固体形態に相分
離する。相分離後、膜を加熱架橋して、不可逆的に重合
した内部陰イオン膜を形成しうる。これらの膜は、断面
で高非対称性の孔構造を有し、スキンおよび孔寸法の勾
配を有する多孔質非対称支持体を有する。ここで使用さ
れる用語「スキン」は、膜内に見られる最小である孔を
有する膜表面を示す。この語法は、気体分離膜の技術分
野で使用される用語「スキン」の常套の語法(スキンと
は、孔を有さないか、またはほとんどないくらいの小さ
い寸法の孔を有するほとんど不浸透性である相である)
と異なる。
【0015】本発明の膜は、内部親水性であり、孔の内
部面に負電荷が配置されている。これは、後流延処理
(例えば、スルホン化)によって製造された従来の陰イ
オン膜とは対照的である。後流延スルホン化は、非帯電
膜を、帯電膜に転化することが知られているが、さまざ
まな欠点を持つ。例えば、孔が非常に小さい場合に、ス
ルホン化工程は、確実には帯電膜を生成しない。さら
に、膜の後流延スルホン化は、膜の寿命を低下させ、膜
使用の費用を高くする。
【0016】本発明の膜は、一端封鎖(デッドエンド)
またはクロスフロー濾過による産業廃棄物処理、油廃水
処理、酸アミン水または金属イオン供給流の濾過のさま
ざまな用途で有用である。本発明は、かなり高い水の流
速、さまざまな金属塩の優れた保持特性および表面電荷
の故に著しく汚れのない特徴を有する。これらの帯電膜
は、さまざまな分野(例えば、溶質の選択的な回収、工
業的な水の再利用操作、金属めっき濯ぎ水の回収、硬度
の減少、スクラバーおよび鉱山水の再利用、高懸濁固体
物を含有する溶液の処理など)で有望な結果を示してい
る。
【0017】本発明の1態様において、ポリマーブレン
ドを流延することによって製造される膜の充分な不可逆
的陰イオン電荷変性は、化学的に誘導される架橋工程を
用いないで達成されうる。前記の膜製造方法で化学的な
架橋剤を使用しないことは、有害物質の使用および有害
廃棄物の製造を減少させる環境的な観点で望ましい。さ
らに、最終膜中の未反応化学的架橋剤が、膜性能上の問
題を引き起こすことが知られている。陰イオン電荷変性
ポリマーの、それ自体およびポリマーブレンドの他の成
分による簡単な熱誘導架橋を用いて、不可逆的に陰イオ
ン電荷を帯びた膜が製造できる。そのような陰イオン膜
は、効率のよいカチオン染料保持性を示すことが分かっ
ていた。
【0018】本発明の膜は、電子産業、製薬業および生
物産業のための水および他の流体の濾過ならびに二次代
謝物質流からのエンドトキシンの除去および血液濾過
(白血球、リンパ球、血小板などの分離)を含めたさま
ざまな濾過用途で有用である。
【0019】本発明は、内部陰イオン電荷変性した膜お
よびそのような膜を製造する方法を提供する。膜は、疎
水性ポリマー、陰イオン剤、非溶剤および有機溶剤を含
有する混合ポリマー溶液または懸濁液を用いて、フィル
ムを流延して製造されうる。フィルムを、形成後に水溶
浴中で急冷し、得られた膜を洗浄し、乾燥する。常套の
フィルム流延、急冷、濯ぎおよび乾燥工程が使用されう
る。
【0020】本発明の膜は、非対称性または高非対称性
断面構造を有する。非対称性構造を有する典型的な膜
は、最小(最も小さいかほぼ最も小さい)孔を有する1
つの表面およびより大きな孔を有する反対表面ならびに
表面の間の厚みにある孔の勾配を有してよく、孔寸法が
徐々にスキン面から反対面に向かって増大している。そ
のような膜において、非対称性は、反対面の孔直径を、
スキン面の孔直径を比較して、量的に定められる。非対
称性膜は、約2:1〜約9:1の孔寸法比率を有し得
る。高非対称性膜は、10:1、100:1、100
0:1、10000:1またはそれ以上の孔寸法比率を
有し得る。加えて、さらに別の膜は、非対称性と等方性
領域を組み合わせた構造を有し得る。例えば、膜は、そ
の厚みの一部分で等方性であり、その厚みの残りで徐々
にまたは急激に非対称性であってよい。そのような等方
性かつ非対称性の膜は、広い範囲の孔寸法および分布を
有するように製造されうる。例えば、膜を、ミクロ濾過
膜または限外濾過膜に製造できる。
【0021】限外濾過膜は、分子量排除限界値によって
分類され、分子量排除限界値は、既知の分子量を有する
物質(例えば、ポリサッカリドまたはタンパク質)の膜
の保持効率に基づいて決定されうる。本発明の限外濾過
膜は、分子量限界値、例えば約10kDaまたはそれ未
満、30kDa、50kDa、100kDaまたはそれ
以上を有し得る。
【0022】ミクロ濾過膜は、膜の限界孔の寸法に基づ
いて分類されうる。膜の構造に依存して、限界孔は、そ
の1つの表面にあってよく、その場合に、「スキン」孔
と称されてよい。または、限界孔は膜内に、1つの表面
の真下または内部膜構造のより深い位置にあってもよ
い。限界孔が表面にない場合、顕微鏡を使用して寸法を
視覚的に測定することは困難である。そのような場合、
平均通過孔寸法は、ここで記載されるようなポロメータ
ー試験によって決定されうる。本発明のミクロ濾過膜
は、約0.03μmまたはそれ未満、0.1μm、0.
2μm、0.5μm、1.0μm、2.0μmおよびそ
れ以上の限界孔または平均通過孔寸法を有しうる。
【0023】好ましい態様において、疎水性ポリマー
は、スルホンポリマーであり、ポリスルホン、ポリアリ
ールスルホンおよびポリエーテルスルホンのような化合
物から選択され、ポリエーテルスルホンが最も好まし
い。一般に、約5重量%〜約50重量%の疎水性スルホ
ンポリマー濃度が、膜ドープ混合物中で使用されうる。
好ましくは、約8重量%〜約25重量%の濃度が使用さ
れる。最も好ましくは、約9〜18重量%のスルホンポ
リマー濃度が使用される。
【0024】陰イオン剤は、負電荷を有する親水性ポリ
マーまたはモノマーであってよい。例えば、2−アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸または1−プ
ロパンスルホン酸2−メチル−2−(1−オキシ−2−
プロペニルアミノ)(AMPS)のホモポリマーが好ま
しい陰イオン剤である。陰イオン剤の濃度は、0.1〜
10%、好ましくは0.2〜6%、さらに好ましくは
0.4〜4%である。
【0025】内部陰イオン膜を製造するのに使用される
有機溶剤は、ポリマーを溶解するために有用ないずれか
の溶媒であってよい。好ましい溶剤は、N−メチルピロ
リドン(NMP)またはジメチルホルムアミド(DM
F)である。他の適した溶剤は、限定されないが、ジメ
チルアセトアミド、ジオキサン、ジメチルスルホキシ
ド、クロロホルムおよびテトラクロロエタンプロピオン
酸およびテトラヒドロフランである。一般に、約10〜
80重量%の濃度が、ポリマー溶液に使用されうる。約
20〜70重量%、30〜60重量%、40〜50重量
%の範囲が特に有用である。
【0026】ポリマー配合物中の非溶剤は、1またはそ
れ以上の、低分子有機酸、アルコール、エーテル、界面
活性剤または水である。適した非溶剤または孔形成剤の
例は、限定されないが、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪
酸(プロピオン酸が最も好ましい)、2−メトキシエタ
ノール、t−アミルアルコール、1−ブタノール、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、ヘキサノー
ル、へプタノール、オクタノール、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、ブチルエーテ
ル、酢酸エチル、酢酸アミル、グリセロール、ジエチレ
ングリコール、ジ(エチレングリコール)ジエチルエー
テル、ジ(エチレングリコール)ジブチルエーテル、界
面活性剤、例えばTWEEN 20,40,60,80および水である。
非溶剤の濃度は、約10%もしくはそれ未満ないし約7
5%もしくはそれ以上である。ある態様および配合物に
おいて好ましい濃度範囲は、約60%〜約70%であ
り、他の態様および配合物において好ましい濃度範囲
は、約10%〜20%である。さらに他の態様におい
て、好ましい濃度は、約30%〜40%である。
【0027】
【実施例】以下に本発明を説明するために実施例を挙げ
る。しかしながら、実施例は、単に本発明を例示するも
のであって、本発明の主題を限定するものではない。す
べての化学濃度%は、特記しないかぎりw/v%に基づ
く。
【0028】実施例1 ポリエーテルスルホン(Ultrasone E, 6020P 、BASF(B
ridgeport, NJ)から入手)9.4重量%、2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸ホモポリマー
0.4重量%、水1.4重量%、メトキシエタノール6
5重量%および溶剤としてのN−メチルピロリドン(N
MP)23.8重量%を含有する流延用溶液を調製し
た。膜試料を、16ミル(425μm)のナイフギャッ
プでキャスティングナイフを使用してポリエチレン被覆
紙の移動ベルト上に流延した。流延後、膜を1秒未満の
間空気にさらし、その後25℃の水浴で急冷した。
【0029】凝固後、膜を脱イオン水で洗浄し、次いで
風乾した。形成された膜は、内部親水性であった。内部
親水性は、水との数秒間接触中に膜を完全に湿らせるこ
とによって示される。膜を、6psi(約41.2kPa)
で、直径25mmの円盤Amicon攪拌セル(約3.
8cm2の有効濾過面)を用いて透水性およびカチオン
性染料保持について試験した。膜の断面は高非対称性構
造を示した。そのように形成された膜は、20mLを超
える濾過されたカチオン性染料溶液から99.9%を超
えるカチオン性メチレンブルー染料(10ppm)を保
持することが分かった。
【0030】実施例2 実施例1で使用される成分を、ポリスルホン(Udel-350
0, AMOCO(Alpharetta, GA)から入手)、1−プロパン
スルホン酸2−メチル−2−(1−オキソ−2−プロペ
ニルアミノ)(AMPS, LUBRIZOL Co., Wickliffe, OH)、
水、DMF、t−アミルアルコールおよび架橋開始剤
(例えば、Na228、酸化還元系)に代えて、実施
例1のように、流延用溶液を製造した。冷却浴温度を約
30℃にする以外は実施例1と同様に、膜試料を流延
し、空気にさらし、急冷した。
【0031】凝固後、膜を脱イオン水で洗浄し、次いで
5分間100℃〜130℃で加熱架橋した。形成された
膜は、親水性であった。それぞれの膜を、実施例1のよ
うに透水性およびカチオン性染料保持について試験し
た。膜は高非対称性構造を有していた。膜は、10pp
mのメチレンブルー染料溶液の20mL試料を、99.
9%を超えて保持していた。
【0032】実施例3 ポリエーテルスルホン16%、固形分14%を含有する
水溶液中の2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸のホモポリマー0.6%、NMP46.4%お
よびプロピオン酸37%から限外濾過膜を製造し、実施
例1と同様に、流延し、空気にさらし、約25℃または
約40℃の水浴中で急冷した。
【0033】凝固後、膜を脱イオン水で洗浄し、次いで
風乾した。形成された膜は、親水性であった。それぞれ
の膜を、10psi(約68.7kPa)で透水性およ
びカチオン性染料保持について試験した。膜は、図1に
示されるように、高非対称性構造を示した。膜は、10
ppmのメチレンブルー染料溶液の20mL試料を、9
9.9%を超えて保持していた。25℃の水浴中で急冷
した膜は、98.9%の免疫グロブリンG(IgG、約
160kDa)保持率および94%の牛血清アルブミン
(BSA、約67kDa)保持率を有していた。40℃
水浴中で急冷した膜は、96.2%のIgG保持率を有
していた。
【0034】実施例4 ポリエーテルスルホン11%、固形分14%を含有する
水溶液中の2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸ホモポリマー2%、DMF71.6%およびt
−アミルアルコール15.4%から限外濾過膜を製造し
た。得られた溶液を実施例1と同様に流延した。流延
後、膜を3秒間空気にさらし、約40℃の水浴中で急冷
した。
【0035】凝固後、膜を脱イオン水で洗浄し、次いで
風乾した。形成された膜は、親水性であった。それぞれ
の膜を、10psi(約68.7kPa)で透水性およ
びカチオン性染料保持について試験した。膜は、図2に
示されるように、高非対称性構造を有していた。膜は、
20mLを超える溶液からのカチオン性染料を効率よく
保持していた。
【0036】実施例5 ポリエーテルスルホン11%、ホモポリマー2−アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(固形分14
%を含有する水溶液)4%、DMF73%およびt−ア
ミルアルコール12%から限外濾過膜を製造し、実施例
4と同様に流延し、空気にさらし、急冷した。凝固後、
膜を脱イオン水で洗浄し、次いで風乾した。形成された
膜は親水性であり、実施例4と同じ染料保持特性を有し
ていた。
【0037】ポリマー濃度の効果 実施例に記載された膜の中で、主ポリマーの比較的高い
濃度の膜は、より小さい孔寸法を有している。溶剤およ
び非溶剤の濃度は、実施例の膜で同一ではないが、膜の
記載された特性の比較は、他のファクターが一定である
と、より高いポリマー濃度がより小さな孔を有する膜を
導くという一般的な原則を支持する。
【0038】急冷温度の効果 急冷温度も、膜の形態にかなり影響する。実施例3の膜
の比較は、有益である。両方の膜は、同じ成分およびポ
リマー、非溶剤および溶剤の類似の配合比を有するドー
プ配合物から流延された。これらの膜が調製された最も
著しい相違は、急冷温度にあり、1つは25℃であり
(IgG保持効率98.9%)であり、他方は40℃で
あった(IgG保持効率96.2%)。この比較は、他
のファクターが一定であると、急冷温度が高いほど孔は
より開き、より大きな分子量限界値が得られるという一
般則と一致する。
【0039】均等物 本発明は、特定の態様で記載されているが、さらなる変
化が可能であることが理解され、この適用は、さまざま
な本発明の変更、使用または適応を覆うことを意図し、
本発明の原理および技術分野において均等と理解されう
る本発明を起点とした原理ならびに本発明の範囲および
内容は、均等なものと解釈され、請求の範囲にしたがっ
て解釈される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、実施例3の限外濾過膜の断面の走査
電子顕微鏡写真である。
【図2】 図2は、実施例4のミクロ濾過膜の断面の走
査電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アイ−ファン・ワン アメリカ合衆国92128カリフォルニア州サ ンディエゴ、ミル・ピトレロ・ロード 12037番 Fターム(参考) 4D006 GA06 GA07 KD30 MA14 MA22 MB05 MC62X NA05 NA10 PB70 PC02 PC41 4F205 AA34 AB03 AB09 AB19 AC05 AG01 AG20 AH03 GA07 GB02 GC07 GE02 GE24 GF02 GF24 GN18 GN22

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スルホンポリマー、陰イオン電荷変性
    剤、非溶剤および溶剤を含んでなる溶液または懸濁液か
    ら流延された持続性の内部陰イオン電荷を有するポリマ
    ー膜であって、膜は、第1表面および第2表面を有し、
    それぞれの表面は、孔を有し、膜は、第1表面と第2表
    面との間に多孔質支持構造も有し、多孔質支持構造は、
    第1表面の孔と第2表面の孔の間に流路の網目状ネット
    ワークを有する膜。
  2. 【請求項2】 スルホンポリマーが、ポリスルホン、ポ
    リエーテルスルホンおよびポリアリールスルホンから成
    る群から選択される請求項1に記載の膜。
  3. 【請求項3】 スルホンポリマーがポリエーテルスルホ
    ンである請求項1に記載の膜。
  4. 【請求項4】 陰イオン電荷変性剤が、2−アクリルア
    ミド−2−メチルプロパンスルホン酸または1−プロパ
    ンスルホン酸2−メチル−2−(1−オキシ−2−プロ
    ペニルアミノ)を含んでなる請求項1に記載の膜。
  5. 【請求項5】 非溶剤が、低分子量有機酸、アルコー
    ル、エーテル、界面活性剤および水からなる群から選択
    される請求項1に記載の膜。
  6. 【請求項6】 非溶剤が、t−アミルアルコール、メト
    キシエタノール、プロピオン酸または水である請求項1
    に記載の膜。
  7. 【請求項7】 溶剤が、N−メチルピロリドンである請
    求項1に記載の膜。
  8. 【請求項8】 流延用溶液または懸濁液が、さらに架橋
    開始剤を含んでなる請求項1に記載の膜。
  9. 【請求項9】 膜が、限外濾過膜である請求項1に記載
    の膜。
  10. 【請求項10】 約10kDaの分子量排除限界を有す
    る請求項9に記載の膜。
  11. 【請求項11】 約100kDaの分子量排除限界を有
    する請求項9に記載の膜。
  12. 【請求項12】 膜が、ミクロフィルターである請求項
    1に記載の膜。
  13. 【請求項13】 約0.1μm未満の平均通過孔寸法を
    有する請求項12に記載の膜。
  14. 【請求項14】 約0.2μm未満の平均通過孔寸法を
    有する請求項12に記載の膜。
  15. 【請求項15】 約0.3μm〜約1.0μmの平均通
    過孔寸法を有する請求項12に記載の膜。
  16. 【請求項16】 膜が、非対称性である請求項1に記載
    の膜。
  17. 【請求項17】 第2表面の孔が、第1表面の孔より少
    なくとも約5倍より大きい請求項16に記載の膜。
  18. 【請求項18】 多孔質支持構造の流路の直径が、第1
    表面から第2表面に向かって、徐々に増大する請求項1
    6に記載の膜。
  19. 【請求項19】 持続性の内部陰イオン電荷を有するポ
    リマー膜を製造する方法であって、スルホンポリマー、
    陰イオン電荷変性剤、非溶剤および溶媒を含んでなる流
    延用溶液または懸濁液を供給する工程;薄いフィルムを
    形成するために、溶液または懸濁液を流延する工程;冷
    却浴でフィルムを凝集する工程;および持続性の内部陰
    イオン電荷を有するポリマー膜を回収する工程を含んで
    なる方法であって、膜が、第1表面および第2表面を有
    し、それぞれの表面が、孔を有し、膜が、第1表面と第
    2表面の間に多孔質支持構造も有し、多孔質支持構造
    が、第1表面の孔と第2表面の孔の間に流路の網目状ネ
    ットワークを有する方法。
  20. 【請求項20】 スルホンポリマーが、ポリスルホン、
    ポリエーテルスルホンおよびポリアリールスルホンから
    成る群から選択される請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 スルホンポリマーがポリエーテルスル
    ホンである請求項19に記載の方法。
  22. 【請求項22】 陰イオン電荷変性剤が、2−アクリル
    アミド−2−メチルプロパンスルホン酸または1−プロ
    パンスルホン酸2−メチル−2−(1−オキシ−2−プ
    ロペニルアミノ)を含んでなる請求項19に記載の方
    法。
  23. 【請求項23】 非溶剤が、低分子量有機酸、アルコー
    ル、エーテル、界面活性剤および水からなる群から選択
    される請求項19に記載の方法。
  24. 【請求項24】 非溶剤が、t−アミルアルコール、メ
    トキシエタノール、プロピオン酸または水である請求項
    19に記載の方法。
  25. 【請求項25】 溶剤が、N−メチルピロリドンである
    請求項19に記載の方法。
  26. 【請求項26】 流延用溶液または懸濁液が、さらに架
    橋開始剤を含んでなる請求項19に記載の方法。
  27. 【請求項27】 膜を加熱架橋する付加的な工程をさら
    に含んでなる請求項19に記載の方法。
  28. 【請求項28】 加熱架橋工程を、100〜130℃の
    温度で行う請求項27に記載の方法。
  29. 【請求項29】 膜が、限外濾過膜である請求項19に
    記載の方法。
  30. 【請求項30】 約10kDaの分子量排除限界を有す
    る請求項29に記載の方法。
  31. 【請求項31】 約100kDaの分子量排除限界を有
    する請求項29に記載の方法。
  32. 【請求項32】 膜が、ミクロフィルターである請求項
    19に記載の方法。
  33. 【請求項33】 約0.1μm未満の平均通過孔寸法を
    有する請求項32に記載の方法。
  34. 【請求項34】 約0.2μm未満の平均通過孔寸法を
    有する請求項32に記載の方法。
  35. 【請求項35】 約0.3μm〜約1.0μmの平均通
    過孔寸法を有する請求項32に記載の方法。
  36. 【請求項36】 膜が、非対称性である請求項19に記
    載の方法。
  37. 【請求項37】 第2表面の孔が、第1表面の孔より少
    なくとも約5倍より大きい請求項36に記載の方法。
  38. 【請求項38】 多孔質支持構造の流路の直径が、第1
    表面から第2表面に向かって、徐々に増大する請求項3
    6に記載の方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005214919A (ja) * 2004-02-02 2005-08-11 Toray Ind Inc タンパク質および/もしくはペプチド分析前処理用分離膜
JP2006230459A (ja) * 2005-02-22 2006-09-07 Toyobo Co Ltd ポリスルホン系選択透過性中空糸膜束および血液浄化器

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