JP2001309898A - ウェーブレット・ニューロ波形診断方法および装置 - Google Patents

ウェーブレット・ニューロ波形診断方法および装置

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JP2001309898A JP2000131407A JP2000131407A JP2001309898A JP 2001309898 A JP2001309898 A JP 2001309898A JP 2000131407 A JP2000131407 A JP 2000131407A JP 2000131407 A JP2000131407 A JP 2000131407A JP 2001309898 A JP2001309898 A JP 2001309898A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定対象からの各種波形現象により、その個
体の罹患している疾患の有無、種類、並びにその程度
(確率)、およびその個体の属性、並びにその程度(確
率)をより高い精度で診断する。 【解決手段】 測定対象からの信号を電位波形として測
定されたものに、ウェーブレット変換を適用し所定の解
像度までの高周波成分を計算する高周波成分計算部13
と、高周波成分の2乗和を計算し所定の次元のベクトル
を生成する波形ベクトル生成部14と、閾値を用いて所定
次元ベクトルを複数の群に分け診断対象を所定の群に割
り振る群決定部15と、所定次元ベクトルを、それが属す
る群に対して、すでに主成分分析によって得られている
固有ベクトルによって展開し、主成分ベクトルを生成す
る主成分ベクトル生成部16と、主成分ベクトルを入力す
る3層ニューラルネットワークを有し、出力値が最も大
きい出力ユニットの番号を保存する診断部17を具備す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脳波、大脳誘発電
位、脈波などの生体の各種波形現象から、その個体の罹
患している疾患の有無、罹患している疾患の種類ならび
にその程度(確率)などを診断し、また男女などその被
験者の属する属性ならびにその程度(確率)を診断する
方法および診断装置に関するものである。
【0002】また、上記生体の各種波形現象に基づく診
断のみならず、例えば、電力、鉄鋼、化学工業等におけ
る各種プラントに配置されたセンサからの時系列信号に
基づき各種装置の故障診断等にも適用可能な診断方法お
よび診断装置に関するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】脳波、大脳誘発電位、
脈波などの生体から測定される各種波形現象によって、
その個体の罹患している疾患の有無、疾患の種類などを
診断することができるが、その診断の精度は必ずしも高
いものではなく実際の臨床診断に適用するには問題があ
った。
【0004】例えば、大脳誘発電位は、その神経伝導路
における障害(遮断)の有無、その障害(遮断)の部位の診
断、ならびに脳死判定の一助として広く用いられ、さら
に精神神経科疾患を含む疾患の診断への応用も試みられ
ている。
【0005】例えば、大脳誘発電位は、電気刺激、視覚
刺激、聴覚刺激などの感覚刺激が感覚受容器や神経に与
えられると、それが神経伝導路を上行して大脳に誘発さ
れる微小電位変化のことであり、頭皮上の記録電極を介
して記録される。大脳誘発電位には、それを誘発する感
覚刺激の感覚様式の種類によって、体性感覚誘発電位、
視覚誘発電位、聴覚誘発電位などの種類がある。しかし
個々の刺激に対する個々の誘発電位は小さいのでより振
幅の大きな背景脳波の中に埋没している。それで所定の
時間間隔をおいて繰り返し刺激を与え、大脳誘発電位記
録装置によって、刺激が加えられた時点を0時点として
大脳誘発電位を含む脳波を加算平均することにより、刺
激と一定の時間関係をもたない脳波を相殺し、刺激から
一定の潜時をもって一定の方向性(+または−)をもつ
大脳誘発電位が増幅されて平均大脳誘発電位の電位波形
として記録される。従来の大脳誘発電位記録装置は、記
録されたこれらの平均大脳誘発電位をアナログ波形とし
てCRTなどにより表示し、さらに、種々の波形処理に
よりより観察し易いデータに変換し提供してきた。
【0006】かかる波形またはデータに基づき医師が疾
患の有無を判断するに当たっては、医師が、例えば平均
大脳誘発電位の波形を直接目視により観察し、またはデ
ータ処理装置による波形解析の結果を見て、その神経伝
導路における神経活動の有無、伝導障害(遮断)の有
無、その障害の種類や障害(遮断)の部位などを診断し
てきた。医師による神経伝導路における伝導障害の有無
を判断するための波形成分の分析は、通常、注目する波
形成分の潜時、成分間の伝導時間、および各成分の振幅
の観察、さらに特定の成分の有無などにより行われてい
る。
【0007】しかし、通常、個人間で大きなバラツキを
有する平均大脳誘発電位の波形を目視して、疾患の有無
やその種類を判断することは、医師の主観的な判断能力
の限界を超えるものであり、また、医師の個人的判断に
依存するため、医師間で判断が相違する場合が生ずると
いう問題点があった。
【0008】本願の発明者等は、この問題を克服するた
めに、記録した平均大脳誘発電位の波形をウェーブレッ
ト関数を用いて処理し、疾患の種類を判別する装置につ
いて発明し、特許出願した(特願平9−248975
号)。
【0009】この方法によれば、健常者、精神分裂病、
躁鬱病、およびてんかんの診断においてほぼ80%強の
検出率が得られた。この検出率は大脳誘発電位の測定結
果からのみ得られる検出率としては高い値であるが、臨
床的に利用するには必ずしも十分とは言えない場合があ
り、さらに高い検出率が望まれている。
【0010】したがって、本発明は、上記従来技術の問
題点に鑑みてなされたもので、脳波、大脳誘発電位、脈
波などの生体の各種波形現象によって、その個体の羅患
している疾患の有無、罹患している疾患の種類ならびに
その程度(確率)などを診断し、また男女などその診断
対象の属する属性ならびにその程度(確率)をより高い
精度で診断することが可能な信号処理の方法および装置
を提供することを目的とする。
【0011】また、本発明は、例えば自動化システム等
に適用し、システムに設置された各種センサから出力さ
れる時系列信号が正常か異常かを検知し、異常の場合に
は異常信号をもとにその原因を診断すること等が可能な
信号処理の方法および装置を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の波形診断方法
は、(1)測定対象から測定された複数の電位波形にウェ
ーブレット変換を適用し、各電位波形の高周波成分を計
算して各電位波形に関する所定のn次元ベクトルを生成
するステップと、(2)群を定める割り振り表の閾値を用
いて、各n次元ベクトルがいずれの群に属するかを定め
るステップと、(3)その群について主成分分析により得
られたn個の固有ベクトルを用いてn次元ベクトルを展
開し、n個の展開係数を並べてn次元主成分ベクトルを
形成するステップと、(4)n次元主成分ベクトルを、そ
の群に関して構築された3層ニューラルネットワークに
入力し、出力値が最も大きい出力ユニットの番号を保存
するステップと、(5)ステップ(2)から(4)までの操作を
前記各電位波形について繰り返すステップと、(6)ステ
ップ(5)で得られた出力ユニットの番号の中で最も多い
番号を、診断または属性の不明な測定対象の診断または
属性と診断する波形診断方法である。また、上記3層ニ
ューラルネットワークは判別領域を拡大するように学習
されたニューラルネットワークである波形診断方法であ
る。
【0013】また、本発明による波形診断装置は、測定
対象からの信号を電位波形として測定されたものにウェ
ーブレット変換を適用し、所定の解像度までの高周波成
分を計算する高周波成分計算部と、それぞれの高周波成
分の2乗和を計算し所定の次元のベクトルを生成する波
形ベクトル生成部と、所定の閾値を用いてn次元ベクト
ルを複数の群に分け測定対象を所定の群に割り振る群決
定部と、測定対象から測定された電位波形から計算され
た所定次元のベクトルを、それが属する群に対して、す
でに主成分分析によって得られている固有ベクトルによ
って展開し、主成分ベクトルを生成する主成分ベクトル
生成部と、主成分ベクトルを入力する3層ニューラルネ
ットワークを有し、その出力値が最も大きい出力ユニッ
トの番号を保存する診断部とを具備する波形診断装置で
ある。また上記3層ニューラルネットワークは判別領域
を拡大するように学習された3層ニューラルネットワー
クである波形診断装置である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、波形現象から対象の異
常の種類や程度を診断する方法として、ウェーブレット
特に高次のDaubechiesウェーブレットと、判
別領域を拡大するように学習された3層ニューラルネッ
トワークを用いる。
【0015】連続する波形の数値解析には通常フーリエ
変換による周波数解析を使用するのが一般的である。し
かし、脳波、大脳誘発電位、または脈波等による疾患、
自動機械の異常等の判定等においては、フーリエ変換に
よる周波数解析よりもウェーブレット解析の方が優れて
いる。
【0016】その理由は、フーリエ変換は、サイン関数
やコサイン関数などの周期関数をもとにした変換であ
り、周期性をもつ波形の解析には適しているが、フーリ
エ変換では、例えば脳波のように周期性があっても時刻
毎に周期がいろいろと変化する波形、異常脳波の波形、
正常脳波と異常脳波との境(時間的な境,正常脳波の間
に異常脳波が混入する)など周期性がない場合の波形、
また、大脳誘発電位のように周期性がほとんど見られな
い波形、不連続に発生する自動機械等の異常に対しては
適切な解析ができないからである。
【0017】ウェーブレット関数は、局所的な関数でし
かも周波数に相当するスケールとよばれるパラメータを
含んでおり、そのパラメータを動かすと関数が急峻にな
ったり緩慢になるので、このような関数による変換によ
り、波形の各時刻における挙動を的確にとらえることが
可能となる。
【0018】特にDaubechiesウェーブレット
関数を用いた解析は周期性の有無または多少にかかわら
ず、波形現象全体を対象とするので、対象波形の周期性
の有無または多少には影響されない。また、本発明で
は、時系列信号の高周波成分のみを解析の対象としてお
り、高周波成分は波形の上下の平行移動や傾きに無関係
なので、波形の上下の平行移動や傾きは検査結果に影響
を及ぼさず、周波数情報のみが検査対象となる。
【0019】なお上記高周波成分は、波形が急激に変わ
る部分を数値で表現したものである。その数値は正の値
もあり負の値もある。数値の絶対値は、波形の変化の程
度によって大小変化する。したがって、例えば対象波形
が滑らかであればあるほど高周波成分の絶対値は小さく
なる。対象波形には、種々の高周波成分が含まれてお
り、診断または属性の不明な原波形を1回ウェーブレッ
ト分解して得られた第1高周波成分だけによる判断では
不十分である。
【0020】したがって、第1回のウェーブレット分解
により得られた第1低周波成分と第1高周波成分のう
ち、第1低周波成分をふたたびウェーブレット分解し
て、第2低周波成分と第2高周波成分を計算する。さら
に同じ理由で、第2低周波成分をウエーブレット分解し
て第3低周波成分と第3高周波成分を計算する。このこ
とを繰り返すことにより、一つの低周波成分と解像度の
異る複数の高周波成分が得られる。このようにして、原
波形の特徴は、ほとんど、解像度の異なる多数の高周波
成分に分散される。したがって、このような高周波成分
を解析すれば原波形を解析したことになる。
【0021】通常、ウェーブレット関数には、1次,2
次,3次,…という次数がついており、高次のウェーブ
レット関数は、この次数が高いことを意味する。この発
明の実施の形態における大脳誘発電位波形の解析には、
10次のDaubechiesウェーブレット関数を用
いている。低次のDaubechiesウェーブレット
関数ほど直線の組み合わせのように変化するが、4次以
上のDaubechiesウェーブレット関数になると
より滑らかな変化を示す。そして次数が高次になるとと
もにサポートが長くなっていく。例えば、2次ではサポ
ートの長さが4、3次ではサポートの長さが6と言う具
合に、サポートの長さは次数の2倍になる。なお、Da
ubechiesウェーブレットの次数と解像度は特に
関係はない。どのような次数のDaubechiesウ
ェーブレットを使っても、例えば原波形(時系列)の長
さが1024であれば、第1解像度から第8解像度の高
周波成分を計算できる。
【0022】精神神経科疾患の診断を目的として、平均
大脳誘発電位の解析に適用した場合を例に本発明の実施
の形態を以下具体的に説明する。以下に記載される本発
明の実施の形態は単なる1例であり、本発明の実施の形
態は対象波形の種類により多様に変形する事が可能であ
る。
【0023】図1は本発明のウェーブレット・ニューロ
波形診断装置(以下、波形診断手段10と称する)を、
大脳誘発電位の波形診断に応用する実施形態の図であ
る。大脳誘発電位記録手段1によって被験者から記録さ
れた大脳誘発電位を含む脳波を、波形診断手段10に取
り込み、データ処理を行って診断する。
【0024】大脳誘発電位記録手段1は、トリガー信号
を出力するタイマー2と、それぞれトリガー信号が入力
されると被験者に刺激電極6を介して電気刺激を与える
電気刺激器3−3、フラッシュ管5によってフラッシュ
などを与える視覚刺激器3−2、スピーカー4でクリッ
ク音などを与える聴覚刺激器3−1を有する。
【0025】タイマー2から任意に設定できる所定の周
期で繰り返し周期的に出力されるトリガー信号が、電気
刺激器3−3にのみ入力され被験者に電気刺激のみが繰
り返し与えられれば平均体性感覚誘発電位波形が、視覚
刺激器3−2にのみ入力され被験者に視覚刺激のみが繰
り返し与えられれば平均視覚誘発電位波形が、聴覚刺激
器3−1にのみ入力され被験者に聴覚刺激のみが繰り返
し与えられれば平均聴覚誘発電位波形が、すべての記録
誘導(記録系統)から同時に記録される。
【0026】上記のように同一種類の繰り返し刺激によ
り、その刺激に対応する1種類の平均大脳誘発電位を記
録する他に、所定の周期で、それぞれ所定の時間間隔を
おいて複数種類の刺激を順次繰り返し与えることによ
り、複数種類の平均大脳誘発電位を同時並行して記録す
ることも可能である。この場合、タイマー2は任意に設
定できる所定の周期(例えば全体として5秒周期)で、
例えば電気刺激、視覚刺激および聴覚刺激の順番で繰り
返しトリガー信号を出力することが可能である。
【0027】即ち、電気刺激へのトリガー信号出力と視
覚刺激へのトリガー信号との間を例えば1秒、視覚刺激
へのトリガー信号出力と聴覚刺激へのトリガー信号との
間を例えば2秒、さらに聴覚刺激へのトリガー信号出力
と次の電気刺激へのトリガー信号との間を例えば2秒と
することにより、全体として5秒周期で、それぞれ所定
の時間間隔をおいた電気刺激−視覚刺激−聴覚刺激の刺
激のサイクルを繰り返し与えることができる。
【0028】それぞれ電気刺激器3−3、視覚刺激器3
−2、聴覚刺激器3−1は、それぞれ刺激電極6、フラ
ッシュ管5、スピーカー4へトリガー信号を出力すると
同時に、波形診断手段10の誘発電位波形生成部12へ
トリガー信号を出力する。
【0029】それぞれの記録回路(記録系統)から波形
診断手段10の誘発電位波形生成部12へ送られた大脳
誘発電位を含む脳波は、それぞれ対応する刺激器、即ち
電気刺激器3−3、視覚刺激器3−2、聴覚刺激器3−
1からのトリガー信号によって加算平均され、それぞれ
平均大脳誘発電位、即ち平均体性感覚誘発電位、平均視
覚誘発電位、平均聴覚誘発電位の電位波形が生成され
る。つまり、それぞれ感覚様式の異なる刺激に対する3
種の平均大脳誘発電位が同時並行して記録される。
【0030】大脳誘発電位の記録は、被験者の頭皮上の
それぞれ異なる部位に複数の、例えば6個の記録電極7
が配置され、所定の記録電極2個づつを組み合わせた複
数の、例えば6系統の記録誘導8を経て大脳誘発電位を
含む脳波が継続して記録回路9−1,9−2,9−3へ
送られる。記録回路は所定の時定数に設定され、増幅機
能を具備しているが、体性感覚誘発電位の記録回路、視
覚誘発電位の記録回路、および聴覚誘発電位の記録回路
は、いずれも同等の構成のものが用いられる。
【0031】それぞれの記録回路(記録系統)から波形
診断手段10の誘発電位波形生成部12へ送られた大脳
誘発電位を含む脳波は、対応する刺激器からのトリガー
信号が入力された時点を0時点として、潜時1024ms
ec(時系列の長さ1024)の範囲で、例えば100回
加算平均され、刺激と無関係な波動である脳波が相殺さ
れ、刺激から一定の潜時をもって一定の方向への変化と
して起こる大脳誘発電位のみが増幅されて信号/ノイズ
比が改善され、それぞれの記録誘導(記録系統)からの
平均大脳誘発電位の電位波形が生成され、記録部18へ
送られて保存され、また高周波成分計算部13へ送られ
る。
【0032】図2に、例えばある被験者から記録された
平均大脳誘発電位(平均体性感覚誘発電位)の波形の1
例を示す。縦軸は電圧(振幅)であり1280が50μ
Vに相当し、横軸は時間(msec)であり1024m
secまでである。個々の刺激が被験者に与えられた時
点が、平均大脳誘発電位の波形の開始時点である。
【0033】通常、記録された大脳誘発電位波形の解析
時間(継続時間)は、大脳誘発電位波形記録手段1にお
いて設定されるが、例えば図2のように1024mse
cの解析時間で記録されている大脳誘発電位の波形の、
どの範囲(例えば15〜600msecの範囲など)を
解析の対象とするかは任意である。
【0034】波形診断手段10には、解析制御部11に
制御されて被験者の大脳誘発電位の電位波形をもとに疾
患や属性の診断を行うためウェーブレット変換を適用
し、例えば8解像度までの高周波成分を計算する高周波
成分計算部13、それぞれの高周波成分の2乗和を計算
し8次元ベクトルを生成する波形ベクトル生成部14、
閾値を用いて上記8次元ベクトルをいくつかの群に分け
各被験者をそれぞれの群に割り振る群決定部15、各被
験者の電位波形から計算された8次元ベクトルを、それ
が属する群に対して、すでに主成分分析によって得られ
ている固有ベクトルによって展開し、8次元主成分ベク
トルを生成する主成分ベクトル生成部16、および疾患
の種類や属性などを診断する診断部17を有する。そし
て、上記構成要素を制御する解析制御部11、各構成要
素の計算結果などを記録する記録部18および解析経過
および診断結果を表示する表示部19を有する。なお、
記録部18および表示部19には、大脳誘発電位記録手
段1より取り込まれた大脳誘発電位を含む脳波および平
均大脳誘発電位を記録し、等間隔時間軸または対数時間
軸によって表示することができる。
【0035】診断は複数の3層ニューラルネットワーク
からなる診断部17で行う。診断を行うには、上記3層
ニューラルネットワークの結合荷重ならびに閾値は決ま
っていなくてはならない。つまり、上記3層ニューラル
ネットワークは学習済みでなくてはならない。そこでま
ず、3層ニューラルネットワークを学習させるための訓
練データの作成法を述べる。
【0036】各記録誘導毎に,複数の臨床診断または属
性が明らかな測定対象の電位波形を用意する。図1に示
す高周波成分計算部13では、それらに、ウェーブレッ
ト係数、特に高次のDaubechiesウェーブレッ
ト係数を分解係数にもつMallat分解公式を次々に
適用して、第1解像度から第8解像度までの高周波成分
を計算する。
【0037】Daubechiesウェーブレット関数
は、いわゆるサポートと言われる関数の値が0でないと
ころが完全に局所的であり(このことをしばしばコンパ
クトサポートと言う。)、他のウェーブレット関数に比
べてサポートが短いという特徴をもっている。このよう
にサポートが短いため、他のウェーブレット関数と比較
し、特に波形の局所的な解析に適している。もちろん、
関数の次数が高くなるにつれてサポートは長くなってい
くが、関数は次第に滑らかになっていくので、大脳誘発
電位のようにほぼ滑らかで緩慢な動きを呈する波形の解
析には、高次のDaubechiesウェーブレットが
適している。即ち、高次のDaubechiesウェー
ブレット関数は、サポートが長く滑らかであるので、長
期波形を特徴とする生体信号の解析に特に適している。
【0038】ここで、Mallat変換公式とは、波形
を低周波成分と高周波成分に直交分解する公式のことで
あり、10次のDaubechiesウェーブレットに
よって第1高周波成分から第8高周波成分まで分解する
場合は次の式で与えられる。
【0039】
【数1】
【0040】
【数2】
【0041】式(1)に現れるαiと式(2)に現れる
βiは、それぞれ、10次のDaubechiesスケ
ーリング係数および10次のDaubechiesウェ
ーブレット係数とよばれるものであり、βiは表1に与
えられている。αiはβiの符号を交互に変えたものであ
る。c0 i+2kは原波形を表す。第1高周波成分dk -1は式
(2)においてj=1とおいた式より計算できる。ただ
し、原波形(時系列)c0 i +2kの長さを1024として
いるので、kは高々512までしか動けない。つまり、
k -1は半分にダウンサンプリングされる。第2高周波
成分dk -2は、まず、式(1)においてj=1とおいて
第1低周波成分ck -1を計算しておき、これを式(2)
においてj=2とおいた式の右辺に代入すると計算でき
る。もちろん、上と同じ理由で半分にダウンサンプリン
グされ、長さは256となる。第3高周波成分から第8
高周波成分も第2高周波成分の計算と同様に、式(1)
によって低周波成分を計算し、それを式(2)の右辺に
代入すれば計算できる。こうして、第1解像度から第8
解像度までの高周波成分dk -1,dk -2,....,dk -8
が計算できる。ただし、解像度が下がるごとにダウンサ
ンプリングされるので、kの動く範囲は順に0≦k≦5
12,0≦k≦256,....,0≦k≦4となる。高周
波成分の計算を第8解像度までとした理由は、大脳誘発
電位の波形解析において10次のDaubechies
ウェーブレットを用いた場合、実験結果から第9解像度
以後の高周波成分はほとんど0になるからである。
【0042】図3は、図2に示すある被験者から記録さ
れた平均大脳誘発電位(平均体性感覚誘発電位)の波形
についての第1解像度から第8解像度までの高周波成分
を示す。縦軸は電圧(振幅)を表し1280が50μV
に相当し、横軸は時間msecである。なお、各高周波
成分は解像度ごとに長さが異なるが、図3では第1高周
波成分から第8高周波成分を、原波形と同じ長さの10
24に引き伸ばして描いている。
【0043】図1に示す波形ベクトル生成部14では、
各波形毎に第1高周波成分から第8高周波成分の2乗和
【0044】
【数3】
【0045】を計算し、8次元ベクトル
【0046】
【数4】
【0047】を作成する。
【0048】図1に示す群決定部15では、波形ベクト
ル生成部14で各記録誘導毎に計算された複数の8次元
ベクトルを、あらかじめ記録部18に格納された閾値を
用いていくつかの群に分け、割り振り表を作成する。割
り振り表は記録部18に格納する。このようにいくつか
の群に分ける理由は、同じ記録誘導から得られた電位波
形をもとに作成された8次元ベクトルが、疾患あるいは
属性に無関係に共通の特徴をもつ場合があるからであ
る。例えば、第1記録誘導から記録された4種類の男性
疾患群(健常者群も含む)では、上記8次元ベクトルは
第1成分の大小を分ける閾値によって大きく2つの群に
分けられ、それぞれの群はさらに第2成分から第8成分
の和の大小を分ける閾値によって2つの群に分けられ
る。つまり、第1記録誘導を用いて得られた電位波形は
4つの群に分けられる。表2には、第1記録誘導を用い
て得られたいずれも男性の健常者(mapl)99人、精神
分裂病患者(mcpl)99人、躁鬱病患者(mepl)21
人、てんかん患者(mgpl)96人の平均体性感覚誘発電
位の電位波形を上記の方法により4つの群に分けた結果
を載せている。
【0049】図1に示す主成分ベクトル生成部16で
は、群決定部15で作成された割り振り表の各群毎に、
それに属する8次元ベクトルに対して主成分分析を行
い、8次元固有ベクトルならびに8次元主成分ベクトル
を計算する。得られた8次元固有ベクトルと8次元主成
分ベクトルは記録部18に格納する。
【0050】図1に示す主成分ベクトル生成部16にお
いて作成された8次元主成分ベクトルを、診断部17に
おける3層ニューラルネットワークの訓練データとして
用いる。
【0051】次に、図1に示す診断部17における3層
ニューラルネットワークの学習法について述べる。3層
ニューラルネットワークとは、図4に示すような入力層
21のユニットと隠れ層22のユニットが互いに結線2
4で結ばれ、また隠れ層22のユニットと出力層23の
ユニットが互いに結線25で結ばれ、各結線上に結合荷
重とよばれるパラメータがおかれ、さらに隠れ層22の
出力部と出力層23の出力部に、閾値と閾値関数がおか
れたものを言う。
【0052】しかしながら、このような3層ニューラル
ネットワークは、結合荷重と閾値を与えてやらないと何
の働きもしない。そこで、結合荷重と閾値をどのように
して決めるか、即ちニューラルネットワークの学習が問
題になる。この学習には、よく誤差逆伝搬法(BP法)
という学習法が用いられる。
【0053】しかし、本発明では、3層ニューラルネッ
トワーク20の学習法として、BP法と異なる判別領域
拡大法という学習法を用いる。この学習法の特徴は、主
成分ベクトル生成部14において計算され記録部18に
格納されている各群の8次元主成分ベクトルを、上記3
層ニューラルネットワークの訓練データとして用いるこ
とと、上記3層ニューラルネットワークの結合荷重と閾
値を、判別領域を拡大するように決めることにある。判
別領域を拡大する学習法を用いると、診断または属性が
不明な測定対象の電位波形から作成された8次元主成分
ベクトルが、いずれかの判別領域に属する可能性が高ま
り、その8次元主成分ベクトルがどの判別領域に属する
かを判定することによって診断が可能になる。BP法は
判別領域という概念にもとづいた学習法ではないのでB
P法によって学習された3層ニューラルネットワークで
はこのような判定はできない。
【0054】この発明の実施の形態においては、8次元
主成分ベクトルを3層ニューラルネットワーク20の入
力データとするので、入力ユニット26の個数は8であ
る。出力ユニット27は、疾患あるいは属性の数(m
個)だけ用意する。3層ニューラルネットワーク20の
入出力関係は次の式で表される。
【0055】
【数5】
【0056】ただし、x1 ,…,x8 は入力値を表し、
1 ,…,ym は出力値を表す。hは隠れユニットの数
である。また、vjkは入力層と隠れ層間の結合荷重を表
し、ηj は隠れユニットの閾値を表す。さらに、wij
隠れ層と出力層間の結合荷重を表し、θi は出力ユニッ
トの閾値を表す。式(5)に含まれる2つの関数f
(t)とg(t)は次の式で与えられる。
【0057】
【数6】
【0058】図4は、3層ニューラルネットワーク20
の構造を図示したものである。判別領域を最大にする学
習法とは、訓練データに対する出力ユニットの発火条件
から導かれた入力空間における判別領域を最大にするよ
うな学習法である。判別領域は、3層ニューラルネット
ワークの結合荷重と閾値に関するいくつかの不等式によ
って表される。判別領域そのものは非線形関数を含んだ
複雑な形をしているが、その領域の隠れ層空間への写像
は超立方体といくつかの超平面(例えば、方程式 a1
1+22+33+44=d を満たす点
(x1 ,x2 ,x 3 ,x4 )の集合を4次元超平面と言
う。同様にして、一般にk次元超平面を考えることがで
きる。)に囲まれた単純な形をしているので、この領域
を最大にする条件と、写像に含まれる一次係数を最小に
する条件とから、判別領域を最大にするように3層ニュ
ーラルネットワークの結合荷重および閾値を学習させる
ことができる。
【0059】この学習法により構築された3層ニューラ
ルネットワークは、未知のデータがどの疾患(健常を含
む)に属するかあるいはどの属性に属するかを判別でき
る判別領域を備えており、診断機能(能力)をもってい
る。
【0060】図5に判別領域とそれを隠れ層に写像して
得られた領域を示す。3層ニューラルネットワーク20
の入力層21のところを見るとわかるが、8個の入力値
1 ,…,x8 が縦に並んでいる。これらを横に並べ括
弧で括り、即ち、
【0061】
【数7】
【0062】のようにすると、8次元ベクトルとみなす
ことができる。図5の入力空間31とは、このような8
次元ベクトル全部の集まりのことであり、8次元ベクト
ル空間とよばれる。したがって、図5の判別領域とは、
8次元ベクトル空間の中のある領域、即ち特定の8次元
ベクトルの集まりを表わす。
【0063】入力層に入力された8次元ベクトルx=
(x1 ,…,x8 )は次式
【0064】
【数8】
【0065】によってh次元ベクトルz=(z1 ,…,
)に変換される。したがって、8次元ベクトルx
=(x1 ,…,x8 )が図5の左側に示すような領域を
動くとき、変換されたh次元ベクトルzもある領域を動
く。その領域を図5の右側に図示している。このような
変換のことを写像とよぶ。なお、8次元ベクトルやh次
元ベクトルの領域は図に描けないので、図5は2次元平
面に模式的に描いたものである。
【0066】図5は、入力空間31(8次元ベクトル空
間)における判別領域が、隠れ層空間32(h次元ベク
トル空間)の中に、どのように写されるかを表したもの
である。h次元ベクトル空間における領域は図示できな
いので、図5においては2次元平面に模式的に描いてい
る。
【0067】各記録誘導毎に作成した表2のような割り
振り表の各群毎に、主成分ベクトル生成部で計算した8
次元主成分ベクトルを訓練データとして用いて、上記の
方法によって3層ニューラルネットワークを構築する。
もし記録誘導数が6で、割り振り表の群の数が4の場合
には、24個の3層ニューラルネットワークを構築する
ことになる。
【0068】診断は次のようにして行う。図1に示す高
周波成分計算部13において、診断または属性の不明な
測定対象の電位波形に10次のDaubechiesウ
ェーブレットに対するMallat変換公式、式(1)
ならびに式(2)を適用し、第1解像度から第8解像度
までの高周波成分を計算する。
【0069】図1に示す波形ベクトル生成部14では、
得られた第1高周波成分から第8高周波成分の2乗和を
計算し8次元ベクトルを作成する。
【0070】図1に示す群決定部15では、図1に示す
記録部18に記録された割り振り表の閾値を用いて、そ
れがどの群に属するかを決定する。
【0071】図1に示す主成分ベクトル生成部16で
は、上記8次元ベクトルを、図1に示す記録部18に格
納されている、そのベクトルが属する群の8次元固有ベ
クトルを用いて展開し、展開係数を並べて8次元主成分
ベクトルを生成する。
【0072】図1に示す診断部17では、上記8次元主
成分ベクトルを、もとの8次元ベクトルが属する群に対
して得られている3層ニューラルネットワークに入力
し、出力値が最も大きい出力ユニットの番号を保存す
る。このことを各記録誘導毎に行い、保存された出力ユ
ニットの番号の数が最も多い番号を被験者の疾患(健常
者を含む)または属性と診断する。
【0073】図1に示す記録部18には、診断または属
性の明らかな測定対象の電位波形、10次のDaube
chiesウェーブレット係数(表1)、10次のDa
ubechiesウェーブレット変換を施し計算された
第1解像度から第8解像度までの高周波成分、それらの
2乗和から構成される8次元ベクトル、8次元ベクトルを
いくつかの群に分類するための閾値と割り振り表(表
2)、割り振り表によって決定された群、各群に属する
8次元ベクトルに主成分分析を施して得られた固有ベク
トルならびに8次元主成分ベクトル、3層ニューラルネッ
トワークの入力層のユニット数、隠れユニット数、出力
層のユニット数、学習された結合荷重および閾値などが
記録される。
【0074】また、診断のために、臨床診断または属性
の不明な測定対象の電位波形、この電位波形にウェーブ
レット変換を施して計算された第1解像度から第8解像
度までの高周波成分、ならびに、それらの2乗和から構
成された8次元ベクトル、8次元ベクトルが属する割り振
り表の群の番号、ならびに、その群に対応する固有ベク
トルによる8次元ベクトルの展開係数等が記録される。
【0075】図6に診断処理の流れ図を示す。診断処理
は次のようにして行う。
【0076】(i)被験者から記録された平均大脳誘発
電位波形から、高周波成分計算部13により高周波成分
を計算し(ステップ42)、波形ベクトル生成部14に
より、各記録誘導毎に8次元ベクトルを作る(ステップ
43)。
【0077】(ii)各記録誘導毎に作成された割り振り
表の閾値を用いて、群決定部15により8次元ベクトル
がどの群に属するかを決める(ステップ44)。
【0078】(iii)主成分ベクトル生成部16によ
り、その群の主成分分析によって得られた8個の固有ベ
クトルを用いて(ii)の8次元ベクトルを展開し(ステッ
プ45)、8個の展開係数を並べて8次元主成分ベクト
ルを作る(ステップ46)。
【0079】(iv)この8次元主成分ベクトルを、診断
部17を構成するその群で構築された3層ニューラルネ
ットワーク20に入力し(ステップ47)、出力値が最
も大きい出力ユニットの番号を保存する(ステップ4
8)。
【0080】(v)(ii)から(iv)までの操作を各記録誘
導毎に行う(ステップ42〜ステップ50)。
【0081】(vi)(v)で得られた出力ユニットの番
号の中で、最も多い番号を被験者の疾患(健常を含む)
または属性と診断する(ステップ51)。
【0082】図6におけるnの値は、例えば、大脳誘発
電位については、n=6[3種類(体性感覚誘発電位、
視覚誘発電位および聴覚誘発電位)×2(記録誘導)]
程度が適切である。nをさらに増やすことにより検出率
を幾分か上げることができると考えられるが、せいぜい
n=9[3種類(体性感覚誘発電位、視覚誘発電位およ
び聴覚誘発電位)×3(記録誘導)]までと考えられ
る。
【0083】
【発明の効果】以上に述べた方法を、6記録誘導(体性
感覚誘発電位、視覚誘発電位、聴覚誘発電位の各2記録
誘導)から同時平行して記録された男性と女性の平均大
脳誘発電位(平均体性感覚誘発電位、平均視覚誘発電位
および平均聴覚誘発電位)の波形に、それぞれ男女別々
に適用して診断を試みた。なお、各記録誘導の割り振り
表における群の数は4とした。したがって、構築された
3層ニューラルネットワークは、男性と女性のそれぞれ
に対して24個づつである。また、3層ニューラルネッ
トワークの訓練データとしては、各記録誘導の上記各群
における臨床診断の確定している患者(健常者を含む)
の80%弱を用いた。
【0084】臨床診断の確定している被験者579人
(男性315人、女性264人)について本方法による
診断成績(検出率)は、健常者(男性99人、女性10
0人)、精神分裂病患者(男性99人、女性81人)、
躁鬱病患者(男性21人、女性22人)、およびてんか
ん患者(男性96人、女性61人)に対して、次のとお
りである。
【0085】 健常者 精神分裂病 躁鬱病 てんかん 男性 99% 100% 90% 98% 女性 99% 97% 95% 100% なお、例えば、全6記録誘導のうち、3以上の記録誘導
で精神分裂病と判断されればその被験者は精神分裂病と
診断した。
【0086】これらの検出率は大脳誘発電位の測定結果
のみから得られる検出率としては驚異的な値である。も
っとも、訓練データの数を減らせば検出率も下がるが、
上記の検出率から判断して、訓練データの数が少々減っ
ても高い検出率が得られることがわかる。
【0087】その他、電力、鉄鋼、化学工業等の自動化
システムにおいては、システムの動作を監視装置を用い
て常時監視しており、監視装置は自動化システムに設置
された各種センサからの出力である時系列信号を検出
し、制御装置がシステムの制御を行っている。本発明
は、このような時系列信号が正常か異常かを検知し、そ
して、異常の場合は異常信号をもとにその原因を診断す
るためにも使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ウェーブレット・ニューロ波形診断装置を平均
大脳誘発電位の波形診断に応用する実施形態の図であ
る。
【図2】平均大脳誘発電位(平均体性感覚誘発電位)波
形の1例を示す図である。
【図3】第1解像度から第8解像度までの高周波成分を
示す図である。
【図4】3層ニューラルネットワークを示す図である。
【図5】判別領域とそれらの隠れ層空間への写像を示す
図である。
【図6】ウェーブレット・ニューロ波形診断処理の流れ
を示す図である。
【図7】10次のDaubechiesウェーブレット
係数を示す表(表1)
【図8】割り振り表(表2)
【符号の説明】
1 … 大脳誘発電位記録手段 2 … タイマー 3−1 … 電気刺激器 3−2 … 視覚刺激器 3−3 … 聴覚刺激器 4 … スピーカー 5 … フラッシュ管 6 … 刺激電極 7 … 記録電極 8 … 記録誘導 9−1 … 記録回路 9−2 … 記録回路 9−3 … 記録回路 10 … ウエーブレット・ニューロ波形診断手段 11 … 解析制御部 12 … 誘発電位波形生成部 13 … 高周波成分計算部 14 … 波形ベクトル生成部 15 … 群決定部 16 … 主成分ベクトル生成部 17 … 診断部 18 … 記録部 19 … 表示部 20 … 3層ニューラルネットワーク 21 … 入力層 22 … 隠れ層 23 … 出力層 24,25 … 結線 26 … 入力ユニット 27 … 出力ユニット 31 … 入力空間 32 … 隠れ層空間 33〜35 … 判別領域 36〜38 … 判別領域の写像 41〜52 … 診断処理のステップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G024 AD33 BA11 CA13 CA30 4C027 AA03 CC00 DD01 DD02 DD03 FF00 GG07 GG10 GG11 GG13 GG15 HH12 KK03 KK05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1) 測定対象から測定された複数の電
    位波形にウェーブレット変換を適用し、前記各電位波形
    の高周波成分を計算して前記各電位波形に関する所定の
    n次元ベクトルを生成するステップと、 (2) 群を定める割り振り表の閾値を用いて、前記各n
    次元ベクトルがいずれの群に属するかを定めるステップ
    と、 (3) その群について主成分分析により得られたn個の
    固有ベクトルを用いて前記n次元ベクトルを展開し、n
    個の展開係数を並べてn次元主成分ベクトルを形成する
    ステップと、 (4) 前記n次元主成分ベクトルを、その群に関して構
    築された3層ニューラルネットワークに入力し、出力値
    が最も大きい出力ユニットの番号を保存するステップ
    と、 (5) ステップ(2)からステップ(4)までの操作を前記各
    電位波形について繰り返すステップと、 (6) ステップ(5)で得られた出力ユニットの番号の中で
    最も多い番号を、診断または属性の不明な測定対象の診
    断または属性と診断することを特徴とする波形診断方
    法。
  2. 【請求項2】 前記電位波形は大脳誘発電位波形である
    ことを特徴とする請求項1に記載の波形診断方法。
  3. 【請求項3】 前記3層ニューラルネットワークは判別
    領域を拡大するように学習された3層ニューラルネット
    ワークであることを特徴とする請求項1または2に記載
    の波形診断方法。
  4. 【請求項4】 測定対象から測定された電位波形にウェ
    ーブレット変換を適用し、所定の解像度までの高周波成
    分を計算する高周波成分計算部と、 前記それぞれの高周波成分の2乗和を計算し所定の次元
    のベクトルを生成する波形ベクトル生成部と、 所定の閾値を用いて前記所定次元ベクトルを複数の群に
    分け前記測定対象を所定の群に割り振る群決定部と、 前記測定対象からの電位波形から計算された前記所定次
    元のベクトルを、それが属する群に対して、すでに主成
    分分析によって得られている固有べクトルによって展開
    し、主成分ベクトルを生成する主成分ベクトル生成部
    と、 前記主成分ベクトルを入力する3層ニューラルネットワ
    ークを有し、その出力値が最も大きい出力ユニットの番
    号を保存する診断部とを具備することを特徴とする波形
    診断装置。
  5. 【請求項5】 前記電位波形は大脳誘発電位波形である
    ことを特徴とする請求項4に記載の波形診断装置。
  6. 【請求項6】 前記3層ニューラルネットワークは判別
    領域を拡大するように学習された3層ニューラルネット
    ワークであることを特徴とする請求項4または5に記載
    の波形診断装置。
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