JP2001307916A - 超電導磁石装置 - Google Patents

超電導磁石装置

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JP2001307916A
JP2001307916A JP2000123205A JP2000123205A JP2001307916A JP 2001307916 A JP2001307916 A JP 2001307916A JP 2000123205 A JP2000123205 A JP 2000123205A JP 2000123205 A JP2000123205 A JP 2000123205A JP 2001307916 A JP2001307916 A JP 2001307916A
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superconducting magnet
temperature
cells
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English (en)
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Tsutomu Kurusu
努 来栖
Tsukasa Wada
司 和田
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】構造簡素にしてコンパクトにし、着磁・消磁の
操作が容易で、かつ着磁・消磁の識別が容易な超電導磁
石装置を提供する。 【解決手段】本発明に係る超電導磁石装置は、複数の高
温超電導体セル1,1…を接着剤で接着させて一体化
し、一つにまとめて超電導セル集合体2に形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温超電導体の残
留磁化を利用した磁場発生用の超電導磁石装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の超電導磁石装置は、超電導線材を
巻回して超電導コイルに形成して電磁石にしたものであ
るが、近年では、超電導体の残留磁化を利用した超電導
磁石が設計、試作例として発表されている。
【0003】この種の磁石装置は、永久磁石等と異なっ
て高温超電導材料のバルク体に外部から着磁させること
が多い。ここで、バルク体とは、例えばイットリウム
(Y)を含む希土類元素に、炭化物または炭酸化物を加
えた原料粉を仮焼きし、仮焼きにした仮焼粉を成形加工
した後、再び焼き上げて焼結体にし、金属被覆材等に詰
めて線材化するものである。
【0004】このようにして作製したバルク体を用いた
磁石は、バルク体の磁化の大きさに比例して磁場強度が
大きくなる。バルク体の磁化の大きさは、バルク体を形
成する超電導材料の臨界電流密度とバルク寸法に比例す
る。このため、高温超電導バルク体の高臨界電流密度化
と大寸法化との開発が数多くの研究所で進められている
ものの、未だ模索の段階である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】高温超電導バルク体の
高臨界電流密度化および大寸法化の研究が進められてい
る中、最近、90Kクラスの臨界温度が期待されている
イットリウム(Y)系を含む高温超電導材料では、超電
導体の寸法が大形化するにつれ、臨界電流密度が極端に
低下することがわかってきた。
【0006】また、高温超電導バルク体は、強度的に脆
いため、そのエレメントの寸法の大形化に伴って捕捉磁
場が大きくなると、バルク体の剛性が磁力に耐えられな
くなる。このため、磁石を構成する一個の高温超電導バ
ルク体は、そのエレメントの寸法に制限を受けるため、
そのエレメントを小形に形成し、小形に形成した複数の
エレメントを並べて着磁させる設計例や試作例が報告さ
れている。
【0007】しかし、高温超電導バルク体は、寸法に制
限を受けるため、小形に形成したエレメントを数多く並
べて一つにまとめてみても、各エレメントに作用する磁
力を支持する構造物が別に必要になり、エレメントの数
が増加するにつれて、その支持構造物が複雑化する等の
問題点があった。
【0008】また、超電導体の残留磁化を利用した超電
導磁石装置では、超電導コイルを用いた超電導磁石装置
と異なり、着磁・消磁の際、特別の装置が必要となり、
また、磁場発生の有無を誤認する等の不都合・不具合が
あった。
【0009】本発明は、このような事情に基づいてなさ
れたもので、構造簡素にしてコンパクトにし、着磁・消
磁の操作が容易で、かつ着磁・消磁の識別が容易な超電
導磁石装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る超電導磁石
装置は、上述の目的を達成するため、請求項1記載に記
載したように、超電導体の残留磁化による発生磁場を利
用した超電導磁石装置において、複数の高温超電導体セ
ルを接着剤で接着させて一体化し、一つにまとめて超電
導セル集合体に形成したものである。
【0011】また、本発明に係る超電導磁石装置は、上
述の目的を達成するため、請求項2に記載したように、
高温超電導体セルは、多角柱体に形成したものである。
【0012】また、本発明に係る超電導磁石装置は、上
述の目的を達成するため、請求項3に記載したように、
接着剤は、プリプレイグおよびエポキシ樹脂のうち、い
ずれかであることを特徴とするものである。
【0013】また、本発明に係る超電導磁石装置は、上
述の目的を達成するため、請求項4に記載したように、
高温超電導体セルには、高温超電導バルク体で構成した
ものである。
【0014】また、本発明に係る超電導磁石装置は、上
述の目的を達成するため、請求項5に記載したように、
高温超電導体セルは、基盤部に高温超電導バルク体を被
覆して構成したものである。
【0015】また、本発明に係る超電導磁石装置は、上
述の目的を達成するため、請求項6に記載したように、
高温超電導体セルは、隣接する高温超電導体セルとの間
に絶縁物および高電気抵抗物のうち、いずれか一方を選
択して介装させたものである。
【0016】また、本発明に係る超電導磁石装置は、上
述の目的を達成するため、請求項7に記載したように、
絶縁物は、プリプレイグ、エポキシ樹脂、FRPのう
ち、いずれかであることを特徴とするものである。
【0017】また、本発明に係る超電導磁石装置は、上
述の目的を達成するため、請求項8に記載したように、
高電気抵抗物は、ステンレス鋼,銅,ニッケルのうち、
いずれかであることを特徴とするものである。
【0018】また、本発明に係る超電導磁石装置は、上
述の目的を達成するため、請求項9に記載したように、
高温超電導バルク体は、その外周側に補強部材を設けた
ものである。
【0019】また、本発明に係る超電導磁石装置は、上
述の目的を達成するため、請求項10に記載したよう
に、補強部材は、ステンレス鋼,チタン,銅合金、アル
ミ合金のうち、いずれかであることを特徴とするもので
ある。
【0020】また、本発明に係る超電導磁石装置は、上
述の目的を達成するため、請求項11に記載したよう
に、高温超電導体セルは、隣接する高温超電導体セルと
の間に伝熱部材を介装させたものである。
【0021】また、本発明に係る超電導磁石装置は、上
述の目的を達成するため、請求項12に記載したよう
に、伝熱部材は、銅、アルミ、窒化アルミのうち、いず
れかであることを特徴とするものである。
【0022】また、本発明に係る超電導磁石装置は、上
述の目的を達成するため、請求項13に記載したよう
に、高温超電導体セルは、隣接する高温超電導体セルと
の間に冷媒を導通させる通路を形成する冷却チャンネル
と、この冷却チャンネルの外側に設けたスペーサとを介
装させたものである。
【0023】また、本発明に係る超電導磁石装置は、上
述の目的を達成するため、請求項14に記載したよう
に、超電導セル集合体は、高温超電導体セルを16個用
いて組み立てるとともに、16個の高温超電導体セルの
うち、8個が六面を持つセルを用いたものである。
【0024】また、本発明に係る超電導磁石装置は、上
述の目的を達成するため、請求項15に記載したよう
に、超電導セル集合体は、断熱容器に充填した冷媒に浸
漬させたものである。
【0025】また、本発明に係る超電導磁石装置は、上
述の目的を達成するため、請求項16に記載したよう
に、超電導セル集合体は、冷凍機を備えた断熱容器の熱
シールドに収容し、極低温状態に維持させたものであ
る。
【0026】また、本発明に係る超電導磁石装置は、上
述の目的を達成するため、請求項17に記載したよう
に、超電導体の残留磁化による発生磁場を利用した超電
導磁石装置において、複数の高温超電導体セルを接着剤
で接着させて一体化し、一つにまとめて形成した超電導
セル集合体を断熱容器に収容させたまま、着磁装置を用
いて着磁させたものである。
【0027】また、本発明に係る超電導磁石装置は、上
述の目的を達成するため、請求項18に記載したよう
に、超電導セル集合体を収容させた断熱容器は、複数個
にし、その複数個に着磁装置を用いて着磁させたもので
ある。
【0028】また、本発明に係る超電導磁石装置は、上
述の目的を達成するため、請求項19に記載したよう
に、超電導体の残留磁化による発生磁場を利用した超電
導磁石装置において、複数の高温超電導体セルを接着剤
で接着させて一体化し、一つにまとめて形成した超電導
セル集合体に加熱手段を設けて消磁させたものである。
【0029】また、本発明に係る超電導磁石装置は、上
述の目的を達成するため、請求項20に記載したよう
に、超電導体の残留磁化による発生磁場を利用した超電
導磁石装置において、複数の高温超電導体セルを接着剤
で接着させて一体化し、一つにまとめて形成した超電導
セル集合体に着磁の有無を識別させる表示手段を設けた
ものである。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る超電導磁石装
置の実施形態を図面および図面に付した符号を引用して
説明する。
【0031】図1は、本発明に係る超電導磁石装置の第
1実施形態を示す概念図である。
【0032】本実施形態に係る超電導磁石装置は、複数
個の高温超電導体セル1,1,…を互いに接着して一体
化させ、一つにまとめた超電導セル集合体2に形成した
ものである。
【0033】一つ一つの高温超電導体セル1,1,…を
互いに接着する接着剤は、高温超電導体セル1,1,…
に作用する磁力や熱応力で超電導セル集合体2がセル1
毎に分離せず、また超電導特性が低下しないもの、具体
的にはプリプレイグやエポキシ樹脂である。
【0034】また、高温超電導体セル1,1,…は、そ
の形状を正六角柱体にしているが、この形状に限ること
なく、多角柱体であればよく、さらに配列も積層状等任
意の形状および配列にしてもよい。
【0035】しかし、超電導セル集合体2を着磁したと
きの磁場分布を考慮すると、高温超電導体セル1,1,
…の形状・寸法を変化させると有効な場合もある。例え
ば、高温超電導体セル1,1,…の寸法や形状を強度や
磁力から決定するとともに、超電導特性に異方性が発生
する場合、その寸法や形状をその特性が最大限利用でき
るようにしておくことが大切である。
【0036】このように、本実施形態は、複数個の高温
超電導体セル1,1,…を互いに接着して一体化させ、
一つにまとめた超電導セル集合体2に形成したので、簡
素にしてコンパクトな超電導磁石装置を実現することが
できる。
【0037】図2は、本発明に係る超電導磁石装置の第
2実施形態を示す概念図である。
【0038】本実施形態は、高温超電導体セル1を高温
超電導バルク体3で構成したものである。高温超電導バ
ルク体3は、イットリウム(Y)系、ネオジウム系、ビ
スマス系のうち、いずれかが選択される。
【0039】このように、本実施形態は、高温超電導体
セル1を高温超電導バルク体3として構成したので、簡
素にしてコンパクトな超電導磁石装置を実現することが
できる。
【0040】なお、本実施形態は、高温超電導セル1を
高温超電導バルク体3で構成したが、この例に限らず、
例えば図3に示すように、基盤部4に高温超電導バルク
体3を被覆または被着した高温超電導体セル1にしても
よい。
【0041】図4は、本発明に係る超電導磁石装置の第
3実施形態を示す概念図である。
【0042】本実施形態は、超電導体セル集合体2を構
成する高温超電導体セル1,1,…の隣接間に絶縁物5
および高電気抵抗物6のうち、いずれか一方を選択して
介装させたものである。
【0043】絶縁物5は、プリプレイグ、エポキシ樹
脂、FRPが好ましく、また高電気抵抗部6は、ステン
レス鋼,銅,ニッケルがよい。
【0044】なお、絶縁物5または高電気抵抗物6は、
高温超電導体セル1,1,…に対し、外周全域および部
分的局所のうち、いずれかを選択して被覆または被着さ
せてもよい。
【0045】また、超電導セル集合体2は、高温超電導
セル1,1,…が臨界温度以上の環境の基で外部からの
磁場が加えられた後、高温超電導体セル1,1,…が超
電導状態になるまで冷却させてから外部の磁場が取り除
かれる着磁方法を用いている。
【0046】なお、高温超電導体セル1,1,…に絶縁
物5または高電気抵抗物6を被覆または被着させたの
は、以下の理由に基づく。
【0047】高温超電導体セル1,1,…に外部から加
えられている磁場を取り除く場合、超電導セル集合体2
間に電気的導通があると、電流が誘起されてジュール熱
が発生する。ジュール熱の発生を低く抑えると、高温超
電導体セル1,1,…を流れる電流の減衰時定数が長く
なり、磁石から発生する磁場がゆっくりとした変化が続
く。このため、本実施形態では、高温超電導体セル1,
1,…の隣接間に絶縁物5および高電気抵抗物6のう
ち、いずれか一方を選択して介装し、電流の減衰時定数
を短くしたことに基づく。
【0048】このように、本実施形態は、超電導セル集
合体2を構成する高温超電導体セル1,1,…の隣接間
に絶縁物5および高電気抵抗物6のうち、いずれか一方
を選択して被覆または被着させたので、外部から着磁さ
せる際、高温超電導体セル1,1,…間を横切る電流の
流れを少なくすることができ、着磁損失を低く抑えるこ
とができる。
【0049】なお、本実施形態は超電導セル集合体2を
構成する高温超電導体セル1,1,…の隣接間に絶縁物
5および高電気抵抗部6のうち、いずれか一方を選択し
て被覆または被着させたが、この例に限らず、例えば、
図5に示すように、高温超電導バルク体3に絶縁物5お
よび高電気抵抗物6のうち、いずれか一方を選択して被
覆または被着させてもよい。
【0050】図6は、本発明に係る超電導磁石装置の第
4実施形態を示す概念図である。
【0051】本実施形態は、高温超電導バルク体3の外
周側に強度の高い補強部材7を全周または局所的に被覆
または被着させたものである。
【0052】補強部材7は、超電導体セル1に磁力や熱
応力が作用した場合、高温超電導バルク体3に変形が生
じ、その特性が低下することを防止するもので、例えば
ステンレス鋼,チタン等の極低温に適用できるもの、あ
るいは銅合金、アルミ合金等である。
【0053】なお、高温超電導バルク体3の外周側に補
強部材7を被覆または被着させる場合、図6に示すよう
に、紙面に垂直方向をZ軸とし、紙面に平行な面をXY
平面とするとき、高温超電導バルク体3に作用する力が
XY面に対して主になっており、Z面が無視できる場
合、補強部材7をXY面に垂直な四面仕上げにしてもよ
い。
【0054】このように、本実施形態は高温超電導バル
ク体3の外周側に補強部材7を被覆または被着させたの
で、超電導体セル1の強度を確実に保証することがで
き、超電導体セル1に安定運転を行わせることができ
る。
【0055】図7は、本発明に係る超電導磁石装置の第
5実施形態を示す概念図である。
【0056】本実施形態は、超電導セル集合体2を構成
する高温超電導体セル1,1,…の隣接間に伝熱部材
8、具体的には銅、アルミ等の金属材料あるいは窒化ア
ルミ等のセラミックス材料を介装させたものである。隣
接する高温超電導体セル1,1,…間に伝熱部材8を介
装させたのは、超電導セル集合体2を冷却させる際、熱
伝導特性を良好にして冷却時間を短縮させることに基づ
く。
【0057】また、隣接する高温超電導体セル1,1,
…間に伝熱部材8を介装させたのは、高温超電導体セル
1,1,…に外部から与えられる磁場の着磁後、外部か
らの磁場の消磁の際、ヒステリシス損による温度上昇を
防止したもので、運転温度が低いほど臨界電流密度が高
く、残留磁化が大きく、着磁後に発生する磁場が大きく
なることに基づく。
【0058】このように、本実施形態は、隣接する高温
超電導体セル1,1,…間に伝熱部材8を介装させたの
で、超電導セル集合体2の冷却時間をより一層短かくし
て、外部からの着磁後の磁場の発生をより一層大きくす
ることができる。
【0059】なお、本実施形態は、超電導セル集合体2
を構成する高温超電導体セル1,1,…の隣接間に伝熱
部材8を介装させたが、この例に限らず、例えば、図8
に示すように、液体窒素等の冷媒を導通させる通路を形
成する冷却チャンネル9とこの外側にスペーサ10を介
装させてもよい。
【0060】図9は、本発明に係る超電導磁石装置の第
6実施形態を示す概念図である。
【0061】本実施形態は、超電導セル集合体2を構成
する高温超電導体セル1,1,…を16個で組み立て、
その16個のうち、8個が六面を持つセル11にし、稠
密度の向上を図ったものである。
【0062】このように、本実施形態は、16個の高温
超電導体セル1,1,…を用いて超電導セル集合体2を
構成する際、8個分が六面を持つセル11として用いて
稠密度を向上させたので、コンパクトな超電導磁石装置
を実現することができる。
【0063】図10は、本発明に係る超電導磁石装置の
第7実施形態を示す概念図である。
【0064】本実施形態は、高温超電導体セル1,1,
…を一体化して一つにまとめた超電導セル集合体2を、
例えば液体窒素等の冷媒12を充填した断熱容器13に
浸漬(どぶづけ)し、極低温状態に維持させたものであ
る。
【0065】なお、超電導セル集合体2の極低温状態へ
の維持は、断熱容器13の冷媒12への浸漬に代えて、
例えば、図11に示すように、断熱容器13に収容した
熱シールド14に冷凍機15を設け、冷凍機15で超電
導セル集合体2を極低温状態に維持させてもよい。
【0066】このように、本実施形態は、超電導セル集
合体2を冷媒12および冷凍機15で冷却させたので
せ、超電導セル集合体2を確実に極低温状態に維持させ
ることができる。
【0067】図12は、本発明に係る超電導磁石装置の
第8実施形態を示す概念図である。
【0068】本実施形態は、断熱容器13に収容する高
温超電導体セル1,1,…を一体化して一つにまとめた
超電導セル集合体2に着磁させる際、別置きの着磁装置
16を用いて着磁させたものである。
【0069】着磁装置16は、例えば、図13に示すよ
うに、断熱容器13に収容する高温超電導セル1,1,
…を一体化して一つにまとめた超電導セル集合体2の複
数個を一つ一つ着磁させる場合にも付属物として特別な
着磁手段を設けることもなく好都合である。
【0070】このように、本実施形態は、別置きの着磁
装置16を用いて超電導セル集合体2を着磁させたの
で、付属物として特別な着磁手段を設けることなく構造
を簡素化させることができる。
【0071】図14は、本発明に係る超電導磁石装置の
第9実施形態を示す概念図である。
【0072】本実施形態は、断熱容器13に収容する高
温超電導体セル1,1,…を一体化して一つにまとめた
超電導セル集合体2を消磁させる際、加熱手段17を用
いて消磁させたものである。
【0073】一般に、超電導体は、臨界温度以上に加熱
されると、超電導状態から常電導状態に転移し、磁化を
消失して発熱することが知られている。また、その発熱
が隣接する他の超電導体に伝わると、上述と同様に常電
導状態に転移し、常電導状態への転移が連鎖的に続き、
最終的に、超電導体は、全て消磁することが知られてい
る。
【0074】本実施形態は、このような点に着目したも
ので、高温超電導体セル1,1,…の一部および全部の
うち、いずれか一方に例えばヒータ等の加熱手段17を
設け、高温超電導体セル1,1,…に加熱手段17から
熱を加えて常電導状態に転移させ、超電導セル集合体2
を消磁させたものである。
【0075】このように、本実施形態は、断熱容器13
に収容する高温超電導体セル1,1,…の一部または全
部に加熱手段17を設けたので、消磁装置を簡素化させ
て超電導セル集合体2を容易に消磁させることができ
る。
【0076】図15は、本発明に係る超電導磁石装置の
第10実施形態を示す概念図である。
【0077】本実施形態は、超電導セル集合体2に磁場
発生の有無が容易に識別できる表示手段18を設けたも
のである。なお、この表示手段18は、超電導セル集合
体2に限定適用されるものではなく、全ての超電導磁石
に適用される。もっとも、残留磁化を利用した磁石には
有効である。
【0078】表示手段18は、ガウスメータの表示のよ
うに、磁場計測センサの出力表示でもよく、磁性体、磁
性流体、液晶のような磁場と相互作用を示すものを用
い、磁場が発生すると外観変化するものでもよい。
【0079】このように、本実施形態は、表示手段18
で磁場発生の有無を容易に判別するので、磁場発生の有
無の誤認識のない、安定な運転を行わせる超電導磁石装
置を実現することができる。
【0080】
【発明の効果】以上の説明のとおり、本発明に係る超電
導磁石装置は、複数個の高温超電導体セルを一つにまと
めて超電導セル集合体に構成したので、構造簡素にして
コンパクトな磁石を実現することができる。
【0081】その際、超電導セル集合体は、着磁時、別
置きの着磁装置を用いて着磁させる一方、消磁を加熱手
段を用いて消磁させ、さらに表示手段を用いて着・消磁
の有無を識別させたので、着・消磁の操作を容易にして
誤認のない安全な運転を磁石に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超電導磁石装置の第1実施形態を
示す概念図。
【図2】本発明に係る超電導磁石装置の第2実施形態を
示す概念図。
【図3】本発明に係る超電導磁石装置の第2実施形態に
おける変形例を示す概念図。
【図4】本発明に係る超電導磁石装置の第3実施形態を
示す概念図。
【図5】本発明に係る超電導磁石装置の第3実施形態に
おける変形例を示す概念図。
【図6】本発明に係る超電導磁石装置の第4実施形態を
示す概念図。
【図7】本発明に係る超電導磁石装置の第5実施形態を
示す概念図。
【図8】本発明に係る超電導磁石装置の第5実施形態に
おける変形例を示す概念図。
【図9】本発明に係る超電導磁石装置の第6実施形態を
示す概念図。
【図10】本発明に係る超電導磁石装置の第7実施形態
を示す概念図。
【図11】本発明に係る超電導磁石装置の第7実施形態
における変形例を示す概念図。
【図12】本発明に係る超電導磁石装置の第8実施形態
を示す概念図。
【図13】本発明に係る超電導磁石装置の第8実施形態
における変形例を示す概念図。
【図14】本発明に係る超電導磁石装置の第9実施形態
を示す概念図。
【図15】本発明に係る超電導磁石装置の第10実施形
態を示す概念図。
【符号の説明】
1 高温超電導体セル 2 超電導セル集合体 3 高温超電導バルク体 4 基盤部 5 絶縁物 6 高電気抵抗物 7 補強部材 8 伝熱部材 9 冷却チャンネル 10 スペーサ 11 セル 12 冷媒 13 断熱容器 14 熱シールド 15 冷凍機 16 着磁装置 17 加熱手段 18 表示手段

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導体の残留磁化による発生磁場を利
    用した超電導磁石装置において、複数の高温超電導体セ
    ルを接着剤で接着させて一体化し、一つにまとめて超電
    導セル集合体に形成したことを特徴とする超電導磁石装
    置。
  2. 【請求項2】 高温超電導体セルは、多角柱体に形成し
    たことを特徴とする請求項1記載の超電導磁石装置。
  3. 【請求項3】 接着剤は、プリプレイグおよびエポキシ
    樹脂のうち、いずれかであることを特徴とする請求項1
    記載の超電導磁石装置。
  4. 【請求項4】 高温超電導体セルには、高温超電導バル
    ク体で構成したことを特徴とする請求項1記載の超電導
    磁石装置。
  5. 【請求項5】 高温超電導体セルは、基盤部に高温超電
    導バルク体を被覆して構成したことを特徴とする請求項
    1記載の超電導磁石装置。
  6. 【請求項6】 高温超電導体セルは、隣接する高温超電
    導体セルとの間に絶縁物および高電気抵抗物のうち、い
    ずれか一方を選択して介装させたことを特徴とする請求
    項1記載の超電導磁石装置。
  7. 【請求項7】 絶縁物は、プリプレイグ、エポキシ樹
    脂、FRPのうち、いずれかであることを特徴とする請
    求項6記載の超電導磁石装置。
  8. 【請求項8】 高電気抵抗物は、ステンレス鋼,銅,ニ
    ッケルのうち、いずれかであることを特徴とする請求項
    5記載の超電導磁石装置。
  9. 【請求項9】 高温超電導バルク体は、その外周側に補
    強部材を設けたことを特徴とする請求項4記載の超電導
    磁石装置。
  10. 【請求項10】 補強部材は、ステンレス鋼,チタン,
    銅合金、アルミ合金のうち、いずれかであることを特徴
    とする請求項9記載の超電導磁石装置。
  11. 【請求項11】 高温超電導体セルは、隣接する高温超
    電導体セルとの間に伝熱部材を介装させたことを特徴と
    する請求項1記載の超電導磁石装置。
  12. 【請求項12】 伝熱部材は、銅、アルミ、窒化アルミ
    のうち、いずれかであることを特徴とする請求項11記
    載の超電導磁石装置。
  13. 【請求項13】 高温超電導体セルは、隣接する高温超
    電導体セルとの間に冷媒を導通させる通路を形成する冷
    却チャンネルと、この冷却チャンネルの外側に設けたス
    ペーサとを介装させたことを特徴とする請求項1記載の
    超電導磁石装置。
  14. 【請求項14】 超電導セル集合体は、高温超電導体セ
    ルを16個用いて組み立てるとともに、16個の高温超
    電導体セルのうち、8個が六面体を持つセルを用いたこ
    とを特徴とする請求項1記載の超電導磁石装置。
  15. 【請求項15】 超電導セル集合体は、断熱容器に充填
    した冷媒に浸漬させたことを特徴とする請求項1記載の
    超電導磁石装置。
  16. 【請求項16】 超電導セル集合体は、冷凍機を備えた
    断熱容器の熱シールドに収容し、極低温状態に維持させ
    たことを特徴とする請求項1記載の超電導磁石装置。
  17. 【請求項17】 超電導体の残留磁化による発生磁場を
    利用した超電導磁石装置において、複数の高温超電導体
    セルを接着剤で接着させて一体化し、一つにまとめて形
    成した超電導セル集合体を断熱容器に収容させたまま、
    着磁装置を用いて着磁させたことを特徴とする超電導磁
    石装置。
  18. 【請求項18】 超電導セル集合体を収容させた断熱容
    器は、複数個にし、その複数個に着磁装置を用いて着磁
    させたことを特徴とする請求項17記載の超電導磁石装
    置。
  19. 【請求項19】 超電導体の残留磁化による発生磁場を
    利用した超電導磁石装置において、複数の高温超電導体
    セルを接着剤で接着させて一体化し、一つにまとめて形
    成した超電導セル集合体に加熱手段を設けて消磁させた
    ことを特徴とする超電導磁石装置。
  20. 【請求項20】 超電導体の残留磁化による発生磁場を
    利用した超電導磁石装置において、複数の高温超電導体
    セルを接着剤で接着させて一体化し、一つにまとめて形
    成した超電導セル集合体に着磁の有無を識別させる表示
    手段を設けたことを特徴とする超電導磁石装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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