JP2001305530A - 反射型液晶表示素子およびそれを用いた画像表示応用機器 - Google Patents

反射型液晶表示素子およびそれを用いた画像表示応用機器

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JP2001305530A
JP2001305530A JP2000120772A JP2000120772A JP2001305530A JP 2001305530 A JP2001305530 A JP 2001305530A JP 2000120772 A JP2000120772 A JP 2000120772A JP 2000120772 A JP2000120772 A JP 2000120772A JP 2001305530 A JP2001305530 A JP 2001305530A
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English (en)
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Takayuki Hatanaka
孝之 畑中
Shingo Fujita
晋吾 藤田
Hiroshi Mizuno
水野  宏
Tetsu Ogawa
鉄 小川
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反射型液晶表示素子の反射面形状が凹凸構成
で、画素内の液晶層の厚さが均一で、白表示が十分に明
るく、高コントラストの白黒表示。 【解決手段】 一対の基板13、19間に液晶が封入さ
れた液晶セル12と、偏光フィルム10と、1枚もしく
は複数枚の複屈折フィルム11a、11bと、反射層1
7とを備え、下側基板19上に基板から凹凸層18、反
射層17、平坦化層16、透明電極14の積層順で形成
し、液晶層のツイスト角が220゜から270゜で、凹
凸層18と反射層17との凹凸反射層の拡散反射率Rd
ifが40以上70以下の範囲の凹凸構造を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯情報端末等の
画像表示応用機器に用いられる反射型液晶表示素子に関
する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話、PHS、PDA(携帯情報端
末)等の情報通信機器の急速な普及に伴い、時間や場所
を選ばず、誰でも気軽にアクセスや発信のできるインフ
ラが整いつつある。これらはモバイル用途が前提である
ため、軽量で、薄型で、低消費電力の表示素子が求めら
れており、現在、液晶表示素子がその中心となってい
る。液晶表示素子は、数ボルトの実効電圧で液晶分子を
駆動させることにより光の透過強度を変化させて表示を
行うが、液晶は非発光物質であるので他に何らかの光源
が必要となる。光源には、液晶駆動用電力に比べ非常に
大きな電力を供給する必要があるが、液晶表示素子の下
側に反射板を備えて周囲光を利用して表示させる反射型
液晶表示素子とすることにより、極めて消費電力が低く
液晶本来の特徴を活かした表示素子が実現できるので、
反射型液晶表示素子は携帯情報端末のディスプレイの一
つとして重要性がより高まりつつある。
【0003】また、情報量の増加に伴い携帯情報端末の
ディスプレイとしてカラー表示の重要度が増しており、
反射型液晶表示素子においてもカラーフィルタや複屈折
効果によりカラー表示を行う構成がいくつか提案されて
いる。
【0004】しかしながら、反射型液晶ディスプレイは
周囲光を利用して表示をおこなうことから、照明環境に
よって表示が暗くなる可能性があるという課題を有す
る。その対策として反射面の形状を凹凸にすることによ
り反射型液晶表示素子の正面方向に反射光を集光させる
構成がいくつか提案されている。図6は従来の構成の反
射型液晶表示素子の構造を示すものであり、60は偏光
板、61は複屈折フィルム、62は液晶セル、63はガ
ラス基板、64は透明電極、65は液晶層、66は平滑
化膜、67は反射金属膜、68は突起、69は下側ガラ
ス基板である。上記のように反射面の形状を凹凸にした
反射型液晶表示素子において、構成上、入射した光の反
射率の低減を考慮する必要があり、より明るい表示を得
るためには、反射板が明るいこと、つまり反射板単体の
拡散反射率Rdifを強めることが必要になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな拡散反射性の強い反射板を液晶セル内部に設ける
と、全反射による白表示反射率の低下、偏光解消による
黒表示反射率の上昇、そしてコントラスト比の低下が生
じる。液晶層に入射した光が反射板で拡散反射して出射
するとき、透明電極とガラスなどの界面で一部の光が全
反射されるため、その出射光強度が著しく低下する。そ
のため、液晶表示装置の拡散反射率Rpが低く、表示が
非常に暗くなるという課題を有する。
【0006】例えば、反射板単体の拡散反射率Rdif
が90%のとき、偏光板の透過率を45%、カラーフィ
ルタの透過率を65%と仮定した場合、液晶表示素子の
拡散反射率Rpは、理論値では17.1%であるのに対
し、実測値は7.7%と著しく低減し、表示が非常に暗
くなる。また、偏光解消が生じるために黒表示の反射率
が2.0%となりコントラスト比が3.9と悪くなる。
【0007】また、液晶セル内に凹凸散乱層がある反射
型液晶表示素子において、液晶との界面である反射電極
表面において凹凸となっているために、液晶層の厚さが
場所により異なる。液晶表示素子において、液晶層のリ
タデーションを変えることにより白黒表示を制御してい
る。ここで、液晶層のリタデーションは液晶の複屈折Δ
nLCと液晶層厚dLCの積が、ΔnLC・dLCで表
されることから、液晶層の厚さが場所により異なると、
反射率、彩度等の光学特性を大きく損ねてしまうという
課題に結びつく。特に、リタデーションの変化に対する
光学特性へ大きく影響する反射型STN液晶表示素子に
おいては重大な課題となる。本発明では、かかる事情に
鑑み、白表示が明るく、高いコントラストが得られ、良
好な画像を有する反射型液晶表示素子を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述する課題を解決する
ため、本発明の反射型液晶表示素子は、第1基板と第2
基板との間に液晶層を有し、第1基板は一方の面に、1
枚または複数枚の複屈折フィルムと偏光フィルムを有
し、さらに上記第1基板の他方の面に上側透明電極を有
し、第2基板は一方の面に凹凸層と光を反射させる反射
層と凹凸面を平坦にさせる平坦化層と下側透明電極とを
有し、上記凹凸層は上記第2基板の一方の面に備えら
れ、上記反射層は上記凹凸層を有した面の液晶層側に備
えられ、上記平坦化層は上記反射層を有した面の液晶層
側に備えられ、上記下側透明電極は上記平坦化層を有し
た面の液晶層側に備えられた反射型液晶表示素子で、上
記液晶層のツイスト角が220°から270°の範囲内
であり、上記凹凸層と上記反射層からなる凹凸反射層が
拡散反射性を有し、拡散照明下で正反射成分を概略除去
して集光積分により測定した上記凹凸反射層の反射輝度
をBdif、拡散照明下において正反射成分を概略除去
して集光積分により測定した標準白色板の反射輝度をB
d0とするとき、Rdif=Bdif/Bd0×100
[%](式1)で定義される上記凹凸反射層の拡散反射
率Rdifが、40%から70%の範囲にとする。この
ような構成とすることにより、反射率の高い無彩色な白
表示を得られ、コントラストの高い良好な光学特性を有
する反射型液晶表示素子を提供することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。 (実施の形態1)まず、本発明の実施の形態1につい
て、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の
形態1における反射型液晶表示素子を示す断面図であ
る。図1において、10は偏光フィルム(偏光子)、1
1aは複屈折フィルム(1)、11bは複屈折フィルム
(2)、12は液晶セル、13は上側透明基板、14は
透明電極、15は液晶層、16は平坦化層、17は反射
層、18は凹凸層、19は下側基板を示す。
【0010】図2は実施の形態1の反射型液晶表示素子
の光学構成図である。20は基準線、21は上側基板上
の液晶分子の配向方向、22は下側基板上の液晶分子の
配向方向、23は液晶セルに近い側の複屈折フィルム
(1)の遅相軸方向、24は偏光フィルム側の複屈折フ
ィルム(2)の遅相軸方向、25は偏光フィルムの吸収
軸方向を示す。また、φLC0は下側基板19上の液晶
分子の配向方向22と、φLCは上側透明基板13上の
液晶分子の配向方向21と、φF1は複屈折フィルム
(1)11aの遅相軸方向23と、φF2は複屈折フィ
ルム(2)11bの遅相軸方向24と、φpは偏光フィ
ルム10の吸収軸方向25と基準線20とのなす角度を
示し、液晶のツイスト方向を正とする。また、ΩLCは
液晶のツイスト角度を示す。
【0011】以下に、本実施の形態における反射型液晶
表示素子の詳細構成を、その製造手順に従って説明す
る。
【0012】まず、上側透明基板13および下側基板1
9としてガラス基板を用い、上側透明基板13上に、透
明電極14としてインジウム・錫・オキサイド(IT
O)で画素電極を形成する。また下側基板19上の全面
に、光および熱伸縮性樹脂をスピンコートにより2.0
μmの膜厚になるように全面塗布し、紫外線を80mJ
/cm2から100mJ/cm2照射後、クリーンオーブ
ンにて150℃で1時間の熱処理を行うことにより伸縮
を起こし、凸部間平均距離10μm、凹凸の最高部と最
低部の平均高低差が0.4μmの凹凸層18を形成す
る。次に、その表面上を所定の形状のステンレスマスク
で覆い、蒸着法により1100Åの膜厚のアルミニウム
を成膜することで反射層17を形成する。
【0013】ここで形成した凹凸層18および反射層1
7からなる凹凸反射層の拡散反射率Rdifは50%に
なる。更にその基板表面上全面に平坦化層16として熱
効果性アクリル樹脂膜をスピンコートにより3.0μm
の膜厚に塗布した後クリーンオーブンにて230℃で1
時間硬化し、平均膜厚が2.8μm、平均表面粗度が
0.08μmの平坦化層16を形成した。そして、平坦
化層16上に、透明電極14としてインジウム・錫・オ
キサイド(ITO)で画素電極を形成する。
【0014】また、上側透明基板13および下側基板1
9上に形成した透明電極14上には配向膜を形成した
後、ラビングによって配向処理を行った。そして、上側
透明基板14上の周囲部分にはガラスファイバを1.0
wt%混入した熱硬化性シール樹脂をスクリーン印刷
し、下側基板19上には所定の径の樹脂ビーズを200
個/mm2の割合で散布し、上側透明基板14と下側基
板19を互いに貼り合わせ、150℃で2時間の熱処理
によりシール樹脂を硬化する。その後、Δn=0.14
のエステル系ネマティック液晶に所定の量のカイラル剤
を混ぜた混合液晶を真空注入し、紫外線硬化性樹脂で封
口した後、紫外線照射により硬化する。
【0015】このように作製した液晶セル12の上側透
明基板13上に複屈折フィルム11aおよび11bとし
てポリカーボネートのフィルムを2枚貼合した。複屈折
フィルム(1)11a、複屈折フィルム(2)11bと
して、リタデーション値がそれぞれ所定のものを、遅相
軸がそれぞれ所定の角度となるように貼り合わす。さら
にその上に偏光フィルム11として、ニュートラルグレ
ーの偏光フィルム(住友化学工業(株)製SQ−185
2AP)にアンチグレア(AGとも呼称される)処理を
施したものを、吸収軸の方向が所定の角度をなすように
貼り合わす。これにより、画素内で均一に反射率が低く
無彩色の黒表示と、反射率が高く無彩色の白表示を得る
ことができるノーマリーブラックモードの反射型液晶表
示素子を実現できる。これは、白表示と黒表示が十分に
できるだけの液晶のリタデーション差があり、なおか
つ、液晶の複屈折効果による色付きを補償できる範囲で
あることによる。
【0016】液晶のツイスト角度については、単純マト
リクス駆動する場合、選択可能な電極の本数であるデュ
ーティー比に影響があり、ツイスト角度が大きいほどデ
ューティー比を小さくでき、選択本数を増やすことがで
き、画素数を増やすことができる。本実施の形態におい
て、液晶のツイスト角度を220°から270°の範囲
内とすることにより、デューティー比1/200以下で
駆動しても良好な表示を得られることも確認している。
ここで具体的に、 ΔnLC・dLC=900nm、 Rfilm(1)=520nm、 Rfilm(2)=700nm、 φLC0=−35°、 φLC=35°、 ΩLC=250°、 φF1=154°、 φF2=93°、 φp=119°、 Rdif=50%、 の場合の光学特性を測定した結果を示す。測定は大塚電
子製液晶表示素子評価装置LCD−7000を用いる。
【0017】1/240デューティー比での正面特性と
して測定した。結果としては、コントラスト13.0、
Y値換算での白表示の反射率が98.5%という良好な
特性が得られた。また、黒表示から白表示まで無彩色に
変化することも確認した。また、画素内の反射率のばら
つきも±0.2%以内であることを確認している。これ
により、反射率の低い無彩色の黒表示と反射率の高い無
彩色の白表示が得られ、コントラストの高い反射型液晶
表示素子を実現できる。
【0018】なお、ここで用いた液晶層のリタデーショ
ン値ΔnLC・dLCおよび複屈折フィルムのリタデー
ション値Rfilm(i)はλ=550nmの光に対するリ
タデーション値である。
【0019】(実施の形態2)次に、本発明の実施の形
態2を図面を参照して説明する。本実施の形態における
反射型液晶表示素子の主要構成および製造手順は、上述
した実施の形態1における反射型液晶表示素子の主要構
成および製造手順とカラーフィルタの有無を除いて同じ
である。したがって、本実施の形態において、特に説明
のないものについては、実施の形態1と同じとし、実施
の形態1と同一符号を付与している構成部材について
は、特に説明のない限り、実施の形態1と同様の機能を
持つものとする。また、図3の本発明の実施の形態2に
おける反射型液晶表示素子の断面図および図2の反射型
液晶表示素子の光学構成図を用いて説明する。図3にお
いて、30はカラーフィルタを示す。
【0020】以下に、本実施の形態における反射型液晶
表示素子の詳細構成を、その製造手順に従って説明す
る。
【0021】まず下側基板19上に本発明の実施の形態
1と同じ手法により凹凸層18および反射層17を形成
し、その上にカラーフィルタ30を形成した。その後は
本発明の実施の形態1と同じ手法で平坦化層16、透明
電極14と順次形成し、反射型カラー液晶表示素子を作
製した。ここでカラーフィルタ30の形成方法として、
印刷板に形成したパターンをブランケットを介して基板
表面に転写する印刷法や、顔料を分散したカラーフィル
タ層形成用レジストを基板上に塗布し、フォトリソグラ
フィーで形成する顔料分散法を用いることにより、赤、
緑、青のストライプ配列のカラーフィルタを形成する。
【0022】このような構成とすることにより、カラー
フィルタを用いることからカラー表示が可能となる。ま
た、平坦化層16およびカラーフィルタ30により、平
坦化層16のみの場合に比べ、平坦化層表面の凹凸の高
低差が小さくなり、液晶パネルの液晶層厚の均一性が上
がる効果を得る。したがって、画素内均一な明るさの白
表示および高いコントラストが得られ、無彩色の白黒表
示が可能である良好な光学特性を有する反射型液晶表示
素子が得られる。
【0023】上記の有効性については、以下に示すよう
な実施例で確認する。具体的に、 ΔnLC・dLC=900nm、 Rfilm(1)=520nm、 Rfilm(2)=700nm、 φLC0=−35°、 φLC=35°、 ΩLC=250°、 φF1=154°、 φF2=93°、 φp=119°、 Rdif=50%、 の場合の光学特性を測定した結果を示す。1/240デ
ューティー比での正面特性として測定した結果、コント
ラスト13.5、Y値換算での白表示の反射率が34.
2%という良好な特性が得られた。また、黒表示から白
表示まで無彩色に変化し16階調4096色表示が可能
であることも確認した。画素内の反射率のばらつきも±
0.1%以内であることを確認している。これにより、
反射率の低い無彩色の黒表示と反射率の高い無彩色の白
表示が得られ、コントラストの高い反射型カラー液晶表
示素子を実現できる。
【0024】なお、ここで用いた液晶層のリタデーショ
ン値ΔnLC・dLCおよび複屈折フィルムのリタデー
ション値Rfilm(i)はλ=550nmの光に対するリ
タデーション値である。
【0025】ここで、比較実験として、上記の反射型液
晶表示素子の凹凸反射層17および18の拡散反射率R
difの異なる種々のサンプルについて、反射型液晶表
示素子を作製し、正面特性について測定をおこなった。
【0026】まず、Rdif=38%と40%の特性を
持つ凹凸反射層17および18について反射型液晶表示
素子の白反射率を比較した。40%の場合、10.2%
であるのに対し、38%の場合、8.1%であった。し
たがって、凹凸反射層の拡散反射率が40%未満の場合
には良好な白表示を得ることが出来なかった。
【0027】また、Rdif=70%と74%の特性を
持つ凹凸反射層17および18について反射型液晶表示
素子の黒反射率とコントラストを比較した。70%の場
合、反射率3.9%、コントラスト8.8であるのに対
し、74%の場合、反射率6.0%、コントラスト4.
8であった。したがって、凹凸反射層の拡散反射率が7
0%を超える範囲の場合には黒表示の反射率が高いため
に、コントラストが悪くなり、良好な画像を得ることが
出来なかった。
【0028】以上の点について、図4および5を用いて
説明を以下におこなう。まず、凹凸反射層単体の拡散反
射率Rdifと反射型液晶表示素子の白表示時の拡散反
射率Rp、偏光解消性との関係を調べた。結果を図4に
示す。なお、凹凸反射層において反射された光の拡散反
射成分について測定するために、測定装置にはミノルタ
株式会社製の分光測色計CM508dを用い、偏光解消
性の測定は液晶セル上に円偏光板を置き擬似的に黒表示
を実現したサンプルについて測定した。図4(a)から
わかるように、凹凸反射層単体の拡散反射率Rdifが
60%以下の範囲においては反射型液晶表示素子の白表
示拡散反射率Rpが増加傾向を示し、おおよそ60%の
あたりで最大値をとる。それに対し60%以上の拡散反
射率Rdifの範囲においては減少傾向を示す。
【0029】以下にこの理由について図5を用いて説明
する。液晶層を通過して拡散反射板表面に達した光は、
鏡面反射板の場合と異なり、正反射方向以外の観察方向
にも、多くの部分が反射される。つまり、拡散反射率R
difが高いということは、入射した光が拡散反射板表
面で反射した際、出射光の開き角が大きくなるというこ
とを意味する。図5において、反射板17の反射角をθ
1、偏光フィルム10からの出射角をθ2、液晶層15
の屈折率nLCをnLC=1.5、空気の屈折率nairをna
ir=1.0と仮定すると、Snellの法則により、n
LC・SINθ1=nair・SINθ2の関係式(式2)
が存在し、0°≦θ1≦42°(範囲A)の場合、入射
した光は凹凸反射層17から反射し、液晶層15から出
射してくる。
【0030】しかし、42≦θ1≦90°(範囲B)の
場合、凹凸反射層17からの反射光は、全反射により偏
光フィルム10から出射できなくなる。つまり、Rdi
f≦60%の場合、範囲Aの成分の反射光成分が大きく
寄与し、凹凸反射層17のRdifの増加に伴いRpが
増加する。また、Rdif≧60%の場合、範囲Aの成
分だけでなく、範囲Bの成分も含まれてくるために反射
率Rdifの増加にともなうRpの減少が生ずる。
【0031】また、図4(b)からわかるように、凹凸
反射層単体の拡散反射率Rdifが増加するに伴い、擬
似黒反射率Rbが増加傾向を示す。したがって、拡散反
射率がRdif≧70%の場合に黒表示時の偏光解消の
ために反射率が上昇し、コントラストの低下が生じる。
【0032】上記の点から凹凸反射層単体の拡散反射率
は40%≦Rdif≦70%が望ましいと説明できる。
なお、凹凸層の凹部と凸部の膜厚差が0.1μmから
1.0μmであり、隣接する凸部間の距離が3μmから
12μmである凹凸反射層の拡散反射率は上記の範囲内
であることを確認しており、平坦化層16の表面の平坦
性についても0.1μm以下にできる効果も有する。
【0033】なお、上述した実施の形態1および実施の
形態2において、反射層としてアルミニウムを用いると
して説明したが、これに限ることなく、例えば銀を構成
要素として含む金属反射層などを用いても同様の効果を
得ることができる。
【0034】また、上述した実施の形態1および実施の
形態2において、複屈折フィルムとしてリタデーション
値が520nmと700nmの2枚を用いたが、リタデ
ーション値、光軸角度はこれに限定されることなく、他
の1枚または複数枚からなる複屈折フィルムの構成にお
いても同様な効果を得ることができる。また、偏光フィ
ルムとしても光軸角度はこれに限定されることなく、他
の構成においても同様な効果を得ることができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したところから明らかなよう
に、上記のような構成をとる反射型液晶表示素子とする
ことにより、液晶層の厚さが画素内で均一にでき表示ム
ラを抑制することができるので、従来よりも反射率の高
い白表示と、反射率の低い黒表示とが得られ、コントラ
ストが高く、さらに視認性の高い良好な画像を実現で
き、産業的価値が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1における反射型液晶表示素子を示
す断面図
【図2】実施の形態1および2における反射型液晶表示
素子の光学構成図
【図3】実施の形態2における反射型液晶表示素子を示
す断面図
【図4】本発明の特性図(a)は本発明の凹凸反射層単
体の拡散反射率Rdifに対する反射型液晶表示素子の
白表示時の拡散反射率Rp特性図 (b)は本発明の凹凸反射層単体の拡散反射率Rdif
に対する偏光解消特性図
【図5】反射型液晶表示素子の拡散反射率Rpが減少す
る原理を示す説明図
【図6】従来の反射型液晶表示素子の構成例を示す断面
【符号の説明】
10 偏光フィルム 11a 複屈折フィルム(1) 11b 複屈折フィルム(2) 12 液晶セル 13 上側透明基板 14 透明電極 15 液晶層 16 平坦化層 17 反射層 18 凹凸層 19 下側基板
フロントページの続き (72)発明者 水野 宏 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小川 鉄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2H042 BA04 BA12 BA20 2H091 FA02Y FA08X FA08Z FA11X FA11Z FA16Y FB03 FB08 FC22 FD04 GA07 KA10 LA17 LA18 5C094 AA02 AA03 AA06 AA60 BA43 EA05 EB02 ED02 ED14 ED20 HA08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1基板と第2基板との間に液晶層を有
    し、第1基板は一方の面に、1枚または複数枚の複屈折
    フィルムと偏光フィルムを有し、さらに前記第1基板の
    他方の面に上側透明電極を有し、第2基板は一方の面に
    凹凸層と光を反射させる反射層と凹凸面を平坦にさせる
    平坦化層と下側透明電極とを有し、前記凹凸層は前記第
    2基板の一方の面に備えられ、前記反射層は前記凹凸層
    を有した面の液晶層側に備えられ、前記平坦化層は前記
    反射層を有した面の液晶層側に備えられ、前記下側透明
    電極は前記平坦化層を有した面の液晶層側に備えられた
    反射型液晶表示素子であって、前記液晶層のツイスト角
    が220°から270°の範囲内であり、前記凹凸層と
    前記反射層からなる凹凸反射層が拡散反射性を有し、拡
    散照明下で正反射成分を概略除去して集光積分により測
    定した前記凹凸反射層の反射輝度をBdif、拡散照明
    下において正反射成分を概略除去して集光積分により測
    定した標準白色板の反射輝度をBd0とするとき、Rd
    if=Bdif/Bd0×100 [%](式1)で定
    義される前記凹凸反射層の拡散反射率Rdifが、40
    %から70%の範囲内に有ることを特徴とする反射型液
    晶表示素子。
  2. 【請求項2】 第1基板と第2基板との間に液晶層を有
    し、第1基板は一方の面に、1枚または複数枚の複屈折
    フィルムと偏光フィルムを有し、さらに前記第1基板の
    他方の面に上側透明電極を有し、第2基板は一方の面に
    凹凸層と光を反射させる反射層とカラーフィルタと凹凸
    面を平坦にさせる平坦化層と下側透明電極とを有し、前
    記凹凸層は前記第2基板の一方の面に備えられ、前記反
    射層は前記凹凸層を有した面の液晶層側に備えられ、前
    記カラーフィルタは前記反射層を有した面の液晶層側に
    備えられ、前記平坦化層は前記カラーフィルタを有した
    面の液晶層側に備えられ、前記下側透明電極は前記平坦
    化層を有した面の液晶層側に備えられた反射型液晶表示
    素子であって、前記液晶層のツイスト角が220°から
    270°の範囲内であり、前記凹凸層と前記反射層から
    なる凹凸反射層が拡散反射性を有し、拡散照明下で正反
    射成分を概略除去して集光積分により測定した前記凹凸
    反射層の反射輝度をBdif、拡散照明下において正反
    射成分を概略除去して集光積分により測定した標準白色
    板の反射輝度をBd0とするとき、Rdif=Bdif
    /Bd0×100 [%](式1)で定義される前記凹
    凸反射層の拡散反射率Rdifが、40%から70%の
    範囲内に有ることを特徴とする反射型液晶表示素子。
  3. 【請求項3】 凹凸層の凸部と凹部との膜厚差が0.1
    μmから1.0μmであり、隣接凸部間の距離が3μm
    から12μmであることを特徴とする請求項1または請
    求項2のいずれかに記載の反射型液晶表示素子。
  4. 【請求項4】 凹凸層が光照射および熱により伸縮し凹
    部や凸部の形状を制御できる材料で備えられることを特
    徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の
    反射型液晶表示素子。
  5. 【請求項5】 アルミニウムまたは銀を構成要素として
    含んでいる金属で反射層が備えられることを特徴とする
    請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の反射型液
    晶表示素子。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれか一つに
    記載の反射型液晶表示素子を有する画像表示応用機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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