JP2001304027A - ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置

Info

Publication number
JP2001304027A
JP2001304027A JP2000126577A JP2000126577A JP2001304027A JP 2001304027 A JP2001304027 A JP 2001304027A JP 2000126577 A JP2000126577 A JP 2000126577A JP 2000126577 A JP2000126577 A JP 2000126577A JP 2001304027 A JP2001304027 A JP 2001304027A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel injection
fuel
neural network
valve
injection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000126577A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Nakayama
善博 中山
Tadayuki Motai
匡之 馬渡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2000126577A priority Critical patent/JP2001304027A/ja
Publication of JP2001304027A publication Critical patent/JP2001304027A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速且つ容易に燃料噴射率の最適化を実現す
るフィードフォワード方式のディーゼルエンジンの燃料
噴射制御装置を提供することにある。 【解決手段】 エンジン回転数を検知して、増圧された
液体燃料を噴射ノズルで燃焼室内に供給するディーゼル
エンジンの燃料噴射制御装置において、前記噴射ノズル
に至る増圧された噴射燃料回路上に、噴射燃料逃し弁と
該燃料の噴射パターンを検知する圧力センサを設けると
ともに、前記逃がし弁の操作タイミングの最適化が、ニ
ューラルネットを用いて学習により未計測値を推定しな
がら行う学習機能を付加し、前記学習機能により、圧力
センサの実測値が目標とする燃料噴射パターンに近づく
ように、噴射期間内に前記逃がし弁の開閉若しくは弁開
度タイミング(以下操作タイミングという)の試行を繰り
返すことにより得られた学習データにより、設計時若し
くは試験時等に予め定めた弁操作タイミングを補正しな
がら、噴射率の最適化を実現する事を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽油や油/水混合
燃料等の液体燃料を用いたディーゼルエンジンの燃料噴
射制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンの燃料噴射装置は、
燃料タンク(不図示)中の燃料をろ過して燃料噴射ポンプ
に送り、エンジンの運転状態に応じて燃料の噴射量及び
噴射時間を制御して燃料噴射ノズルから、シリンダ/ピ
ストン間に形成される燃料室内に燃料を噴射するもので
あり、かかる装置の従来の構成は図13に示すように燃
料を増圧する燃料噴射ポンプ3、増圧された燃料の通路
となる噴射管8、シリンダ21/ピストン20間に形成
される燃焼室20内に燃料を供給する噴射ノズル2、燃
料噴射ポンプ3を駆動するカム5、エンジン回転数に基
づいて燃料供給量を調整するガバナ9等により構成され
る。
【0003】かかるディーゼルエンジンの燃料噴射装置
においては、カム5によりクランク角を検知して、その
タイミングに合わせた燃料油の増圧により、燃料を燃焼
室内に噴射している。また、ガバナ9によりエンジン回
転数を検知し、 燃料噴射ポンプ3の有効ストロークを
変化させることにより、燃料供給量を制御している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらかかる従
来技術においては、カム形状に追従してその噴射率曲線
(燃料噴射パターン)が形成されるものであるために、近
年のより強く求められている有害物質の排出抑制に関し
て、燃料供給の観点から対応しようとした場合、カム5
の形状の設計変更を余儀なくされ、大きなコストがかか
る。
【0005】一方近年、環境汚染問題の見地から、ディ
ーゼルエンジンについても低NOx化が望まれている。
そのため、燃焼および熱サイクル的な視点より、燃料噴
射パターンの最適化が望まれている。この実現に際し
て、従来の燃料噴射装置の場合、以下のような問題点が
ある。 (1)燃料噴射パターンについてはカム形状が支配的な因
子であり、燃料噴射率パターンまで制御を行うものはな
い。そのため噴射率パターンの最適化ができない。 (2)燃料噴射は非常に短期間に行われるため、制御の高
速性が要求され、フィードバック制御系の実現が困難で
ある。 (3)エンジンの経年変化、燃料油の種類、燃料油の温度
による粘度の変化等により、一定の負荷、回転数でエン
ジンを回転させても、燃料噴射圧が変化するため、設計
時に定めた最適運転状態から少しずれる。
【0006】本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、
高速且つ容易に燃料噴射率の最適化を実現するフィード
フォワード方式のディーゼルエンジンの燃料噴射制御装
置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決させるための手段】本発明は、噴射期間内
に逃がし弁の開閉の試行を繰り返すことにより実測値が
燃料噴射パターンに近づくよう逃がし弁の開閉タイミン
グを最適化しながら、ニューラルネットを用いて学習に
より未計測値を推定する演算装置を備えたものであり、
特に請求項1記載の発明は、エンジン回転数を検知し
て、増圧された液体燃料を噴射ノズルで燃焼室内に供給
するディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置において、
前記噴射ノズルに至る増圧された噴射燃料回路上に、少
なくとも1つ以上の前記噴射燃料逃し弁と該燃料の噴射
パターンを検知する圧力センサを設けるとともに、その
燃料噴射パターンを所望する噴射パターンに最適化する
学習機能を付加し、前記学習機能により、圧力センサの
実測値が目標とする燃料噴射パターンに近づくように、
噴射期間内に前記逃がし弁の開閉若しくは弁開度タイミ
ング(以下操作タイミングという)の試行を繰り返すこと
により得られた学習データにより、設計時若しくは試験
時等に予め定めた弁操作タイミングを補正しながら、噴
射率の最適化を実現する事を特徴とするディーゼルエン
ジンの燃料噴射制御装置にある。この場合、前記逃がし
弁は、燃料噴射期間中に1回しか作動できないON/O
FF弁、燃料噴射期間中に複数動作可能な連続ON/O
FF弁、燃料噴射期間中に開弁率を変化させることがで
きる比例弁のいずれかを用いるのが好ましい。
【0008】従って本発明によれば、従来技術に用いた
カムと異なり、前記燃料噴射パターンの最適化が、エン
ジンの回転数以外の変化要因、例えばエンジンの経年変
化、燃料の種類、エンジン動作環境(環境温度、気圧
等)等により、エンジンの動作点が設計最適値よりずれ
ても、そのずれを圧力センサで自動的に検知することに
より、エンジン動作状態での燃料噴射パターンを最適化
を実現することが可能となる。
【0009】又請求項3記載の発明は、前記逃がし弁の
操作タイミングの最適化が、ニューラルネットを用いて
学習により未計測値を推定しながら行うことを特徴とす
る。ここでニューラルネットは、非常に多くの単純なモ
ジュールを利用する情報処理装置で情報は同時にモジュ
ール間の結合に影響を与える要素毎に蓄積されるもので
ある。
【0010】請求項5記載の発明は、前記ニューラルネ
ットが、現在のエンジン回転数に対する逃がし弁の開閉
タイミングの初期誤差を求める初期調整用ニューラルネ
ットであり、代表計測点をニューラルネットに学習させ
ながら、 燃料噴射パターンとの誤差評価を行う際に必
要な初期2乗誤差の値が得ることを特徴とする。
【0011】かかる発明は、初期調整用ニューラルネッ
ト回路を用いることにより、エンジン設計時若しくは試
運転時にエンジン動作領域内の全ての入力の組み合わせ
を試行せずとも、代表計測点をニューラルネットに学習
させるだけで、燃料噴射パターンとの誤差評価を行う際
に必要な2乗誤差の値が得られるため、初期調整時の作
業負担が著しく軽減される。
【0012】請求項6記載の発明は、前記ニューラルネ
ットが、前記初期調整用ニューラルネットと実機調整用
ニューラルネットであり、実機調整用ニューラルネット
は、初期調整用ニューラルネットの出力と実機の結果を
補正する形で、2乗誤差の補正値を学習するニューラル
ネットであることを特徴とする。
【0013】かかる発明によれば、実機調整用ニューラ
ルネットを用いることにより、実機において未計測の状
態値も、ニューラルネットの汎化性により計測点の値か
ら推定できるため、実機の試行回数を軽減できる。
【0014】請求項7記載の発明は、実機調整用ニュー
ラルネットに学習させるタイミングをエンジンの回転数
変化時と、燃料噴射パターンとの2乗誤差が一定以上ず
れた時とし、等速回転時には、実測調整用ニューラルネ
ットの学習を行わないことにより、計測データの新旧に
対し一貫性のある2乗誤差の最小値探索を可能としたこ
とを特徴とする。
【0015】本発明により計測データの新旧に対し一貫
性のある2乗誤差の最小値探索を可能とする事が出来
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施形
態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載
される構成部品や回路の種類、数量、その相対配置など
は特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれ
のみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1に本発明の実施形態に係るディーゼルエンジンの燃
料噴射制御装置の概要を示す。
【0017】本図の燃料噴射制御装置は、燃料を増圧す
る燃料噴射ポンプ3、シリンダ21/ピストン22間に
形成される燃焼室20内に燃料を供給する噴射ノズル2
と、その噴射圧を検出する圧力センサ4、増圧された噴
射用燃料の通路となる噴射管8、また、燃料噴射ポンプ
3を駆動するカム5、その角度および回転数を検出する
エンコーダ7、そして、燃料の圧力を調整する噴射燃料
逃がし弁1、さらに、圧力センサ4およびエンコーダ7
からの検出信号を入力し、逃がし弁1の開閉指令を出力
する電子制御用コンピュータ(ECU、以下ECU)
6、エンジン回転数を検出し、燃料供給量を調整するガ
バナ9により構成される。
【0018】なお、後記に示す第1実施例では、噴射燃
料逃がし弁1はON/OFF弁であり、弁の応答特性
上、噴射期間内で弁の開閉が1回しかできないという制
約を受けるものとする。又第2実施例は、図1の燃料噴
射制御装置にて噴射期間内で弁の開閉が複数回出来る逃
がし弁、言い換えれば逃がし弁1が連続ON/OFF可
能なもの、または連続的に弁開度が調整できる比例弁で
ある場合について示す。図5は前記各実施例に用いる燃
料噴射圧制御部のブロック図で、10は最小値探索回
路、11は設定値調整回路、12は 実機調整用ニュー
ラルネット回路、13は、初期調整用ニューラルネット
回路である。尚、本実施例ではハード的な構成を取るた
めに、回路という言葉を用いたが、必ずしもハード的な
構成を取る必要はなく、ソフト的な構成をとっても良
い。この場合は、前記回路はプログラムという言葉に置
き換わる。
【0019】図6は前記図1の実施形態におけるECU
6(学習コントローラ)の処理フロー図、図7は図1の
実施形態において、運転時における実測値のニューラル
ネットへの格納状態を示した概略図で、これらは後記に
第1実施例を参照して説明してあるが、第2実施例にも
共用して適用可能であることは言うまでもない。
【0020】「第1実施例」図2乃至図9は前記逃がし
弁にON/OFF弁を用いた場合の第1実施例を主とし
て説明するもので、 図2に燃料油の逃がし弁1の挙動
を示す。横軸はクランク角を示しているが、噴射期間に
おいてクランクの回転角速度はほぼ等速のため、横軸は
時間とみなすことができる。又縦軸は逃がし弁の開閉挙
動を示す。本図において、ECUの制御周期をΔT(s
ec)とし、噴射期間内でn回のサンプリングができる
ものとする。逃がし弁1は、n分割された噴射期間(t
1、t2、・・・・、tn)内で1度だけ弁の開閉を行うこ
とができるため、逃がし弁1をtaのタイミングで開
き、tbのタイミングで閉じるものとする。(前記t
a、tbは、t1、t2、・・・・・、tnのいずれかを示
す。)
【0021】図3は、第1実施例において図2の目標値
となる燃料噴射圧パターンQ=[q1、q2、・・・、q
n]、および実測値P=[p1、p2、・・・・、pn]のずれ
の一例を示したものである。(以下、P、Qは上記ベク
トルを示す記号とする)図3において噴射圧力初期時に
おいて、実測値pに時間遅れが生じているのが理解でき
る。
【0022】図4は前記ON/OFF逃がし弁1の初期
調整時における2乗誤差学習をさせる時のブロック図、
図5は、図1のECU6(学習コントローラ)の燃料噴
射圧制御ブロック図、図6は処理手順をフローチャート
で示したものである。先ず、予め、図4に示すようにエ
ンジン設計時若しくは試験時に逃がし弁1の開タイミン
グと閉タイミングTij=[tai、tbj]、回転数
Nk(i、j、k=1、2、・・・・・)を様々に変化させた
時の代表的な噴射圧波形をシミュレーション(試験機で
測定)し、各回転数において設定した噴射圧目標パター
ンQ(Nk)との各時刻における噴射期間内の2乗誤差
の総和を式に示すように、学習させ、初期調整用ニュ
ーラルネット回路13の内部の重み係数を定めておく。
(図6における(S1)手順参照) Eijk=Σ{Pm(tai、tbj、Nk)−Qm(Nk)}2 ・・・・・・
【0023】[上記総和をm=1、2、・・・・、nに対し
てとる。又、各計測点における実測値pm(tai、t
bj、Nk)はtai、tbj、Nkの3条件で定まる
値であることを示す。 更に、燃料噴射圧パターンQm
(Nk)はNkで定まる値であることを示す。] 又逃がし弁が複数個存在する場合には、開タイミングと
閉タイミングの初期調整用ニューラルネット回路13へ
のへの入力数は弁の個数の2倍となる。
【0024】前記重み係数を定めた以降は、初期調整用
ニューラルネット回路13は、学習をさせずに、回転数
Nと逃がし弁1の開閉タイミングを入力とする初期設定
時の2乗誤差を出力する関数として用いる。
【0025】しかしながら、実機は設計値とのずれ、経
年変化、燃料油の温度、油質の変化等によりエンジンの
最適動作点が初期設定点よりずれる。次にそのずれの補
正方法について述べる。本実施形態の制御装置では、燃
料噴射圧パターンをエンジン回転数Nの関数として、図
1に示すECU6(学習コントローラ)に予め記憶して
おく。
【0026】図5に示すように、実機調整用ニューラル
ネット回路12は、最初は無学習状態であるため、その
出力である補正2乗誤差enは常に零であり、加算器1
4より出力される推定2乗誤差eには、初期調整を行っ
たニューラルネット13の初期2乗誤差eの値が出力
される。そこで、設計時(試運転時)のデータに基づき
逃がし弁1の開閉タイミングを次の手順で定める。
【0027】まず、図5の最小値探索回路10で、現在
のエンジン回転数Nに対する逃がし弁1の開閉タイミン
グ(状態量)Tを設定範囲内で変化させることにより、推
定2乗誤差eが最小となる値Tを数値探索で求め、設
定値調整回路11の初期設定値として出力する。(図6
の(S2)手順)尚、本処理は内部演算のみであるため、
逐次的に探索しても、探索時間はかからない。
【0028】こうして得られた初期調整値Tは、エン
ジン設計時(試験時)における逃がし弁の最適タイミン
グであるため、エンジンの経年変化、温度等の動作環境
の相違、燃料油成分の相違等による実機の最適タイミン
グとの差は、わずかである。また、逃がし弁が変化した
時刻以降にその影響が噴射圧に及ぶことから、逃がし弁
の閉タイミングtbの2乗誤差の影響は、逃がし弁の開
タイミングtaに比べて小さい。よって、制御対象(エ
ンジン)に対する逃がし弁開閉タイミングをTから開
始して、図6のフロー手順に従いta→tbの順でT
周辺の燃料噴射圧の状態を計測しながら順次調べること
により、設定値調整回路11にて実測2乗誤差Eが最小
となる設定値Tsを比較的容易に求められる。(S3) この場合、極小値探索途中で回転数が変化した場合は、
測定値の時間的整合性をとるため探索をやり直す。又、
逃がし弁1が複数個存在する場合には、同様に早い時刻
で変化する開閉タイミングから順次調べていく。
【0029】設定値調整回路11にて設定値Tsを求め
た後、それまでに制御対象に対して試行した入力値(T
=[tai、tbj]、Nk)および2乗誤差Eijk
(i、j、k=1、2、・・・・・・・)の値をその都度3次元配
列に格納すると試行した箇所のみ埋まっていくため、図
7のような状態となる。図7は回転数Nと逃がし弁開タ
イミングtbjと閉タイミングtaiの三軸構成とした
三次元モジュールからなるニューラルネットワークで、
2乗誤差Eijk(i、j、k=1、2、・・・・・・・)は同時
のモジュール間の結合を与える要素毎に蓄積される。
尚、図中(a)は高速回転数でのモジュール、(b)は低速
回転数でのモジュール、(c)は中速回転数でのモジュー
ルを示す。
【0030】図8は前記逃がし弁の実機調整時における
2乗誤差学習をさせる時のブロック図である。図7に示
す入出力データモジュールを元に図8のように実機調整
時において2乗誤差学習をさせると、初期調整用ニュー
ラルネット回路13の出力と実機の結果を差分器15で
補正する形で、実機調整用ニューラルネット回路12は
2乗誤差の補正値を学習する。
【0031】なお、実機調整用ニューラルネット回路1
2には、汎化の性質があるため、未計測の状態(図7の
空欄箇所)の値も、周辺の計測データに基づいた推定値
として得ることができる。
【0032】したがって、未実施の条件においても、ニ
ューラルネットに基づく最小値探索結果として得られる
逃がし弁の初期設定値Tの近傍のみを実機で探索すれ
ば良い。なお、計測点数が増えるに従い、ニューラルネ
ットモデルは実機で計測している領域内では実機の状態
に近づくため、未計測点での初期設定値(推定値)も精
度が向上する。
【0033】また、再測定点のデータは、図7の配列デ
ータにて上書きされるため、ニューラルネットで学習す
る元データは常に最新の値に基づいており、燃料の質の
変化、環境温度の変化、経年変化等により、噴射圧の挙
動が変化しても、最適な状態で逃がし弁の開閉タイミン
グを補正する。
【0034】図8に示す実機調整用ニューラルネット回
路12の学習終了後、 (1)エンジン回転数が変化 (2)関数発生器16で求めた最適条件における実測2乗
誤差Eとニューラルネット回路12、13で推定した推
定2乗誤差eとの差が一定値(ε)以上のいずれかであ
れば、再び数値探索からやり直す。なお、(2)は一定回
転数でエンジンを動作させていても、気温、気圧等の環
境の変化、燃料温度上昇等のエンジン内部の経時変化に
よる燃料噴射圧の変化が生じた場合に適応させるためで
ある。
【0035】図9は、図7の実測値を実機調整用ニュー
ラルネット12で学習させることにより、初期設定時の
2乗誤差eが修正されていることを示す一例である。
図9は、図7の斜線部で示す部分のデータをグラフ化し
たものであり、高速回転数でのモジュールの実測結果
(a)、および低速回転数でのモジュールの実測結果(b)
より、実測値が存在する部分の2乗誤差は一致している
ことが理解される。また、中速回転数(c)の領域は、計
測を行っていないが、ニューラルネットの汎化性によ
り、(a)、および(b)の値から推定した2乗誤差の結果
(太線)は、真の値(細線)を近似していることが推定
される。なお、実機で計測領域外の部分のニューラルネ
ットの値は、実機とはかけ離れた値となるが、実機では
使用しない領域であるため、問題を生じない。
【0036】「第2実施例」第2実施例は、図1の燃料
噴射制御装置にて噴射期間内で弁の開閉が複数回出来る
逃がし弁、言い換えれば逃がし弁1が連続ON/OFF
可能なもの、または連続的に弁開度が調整できる比例弁
である場合について示し、図10は前記連続逃がし弁の
挙動を示す図2対応図、図11は連続動作弁の初期調整
時における2乗誤差学習をさせる時のブロック図、図1
2は連続動作弁の実機調整時における2乗誤差学習をさ
せる時のブロック図で、前記第1実施例と同一機能は同
一符号で示す。
【0037】燃料油の連続逃がし弁1が比例弁である場
合の挙動を示す図10において、制御周期毎に閉弁率r
が設定可能であるため、t1、t2、・・・・・における閉弁
率をr1、r2、・・・・・とする。(逃がし弁1が連続O
N/OFF可能なもの場合は、閉弁率rは0%か100
%のいずれかの値となる)
【0038】この場合、図11に示すように連続動作弁
に対しては、逃がし弁の閉弁率R=[r1、r2、r
3、・・・・・・・、rn]を初期 ニューラルネット回路の入
力とし、第1実施例と同様にエンジン設計時若しくは試
験時における図3の目標パターンとの2乗誤差の値を予
め学習させておく。(逃がし弁が複数個存在する場合に
は、開閉タイミングのニューラルネットへの入力数は弁
の個数の2倍となることは前記実施例と同様である。ま
た、入力信号を増やすことにより、実施形態1のON/
OFF弁との併用も可能である。実機運転時は、第1実
施例と同様、図5の学習コントローラで制御するが、初
期調整用ニューラルネット回路13の入力信号と数が異
なるため、実機調整用ニューラルネット回路12の入力
も図12のように逃がし弁の閉弁率R=[r1、r2、
r3、・・・・・・・、rn]と対応する数になる。逃がし弁
の制御方法、ニューラルネット回路に対する学習方法等
は、実施形態1と同様であるため、その詳細な説明は省
略する。
【0039】
【発明の効果】以上記載のごとく本発明によれば、前記
燃料噴射パターンの最適化が、エンジンの回転数以外の
変化要因、例えばエンジンの経年変化、燃料の種類、エ
ンジン動作環境(環境温度、気圧等)等により、エンジ
ンの動作点が設計最適値よりずれても、そのずれを圧力
センサで自動的に検知することにより、エンジン動作状
態での燃料噴射パターンを最適化を実現することが可能
となるり、これにより従来技術のカムと異なり、回転数
以外の要素を取り込み高速且つ容易に燃料噴射率の最適
化を実現するフィードフォワード方式のディーゼルエン
ジンの燃料噴射制御装置を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の代表的な実施形態に係るディーゼル
エンジンの燃料噴射制御装置の概略図である。
【図2】 図1に示す逃がし弁にON/OFF弁を用い
た場合(第1実施例)における逃がし弁の挙動を示す時間
と弁の開閉状態を示すグラフ図である。
【図3】 第1実施例において目標値となる燃料噴射パ
ターンとその実測値とのずれを示すグラフ図の一例であ
る。
【図4】 第1実施例においてON/OFF弁の初期調
整時における2乗誤差学習をさせる時のブロック図であ
る。
【図5】 図1の実施形態における燃料噴射圧制御部の
ブロック図である。
【図6】 図1の実施形態における学習コントローラの
処理フロー図である。
【図7】 図1の実施形態において、運転時における実
測値のニューラルネットへの格納状態を示した概略図で
ある。
【図8】 第1実施例において、ON/OFF弁の実機
調整時における2乗誤差学習をさせる時のブロック図で
ある。
【図9】 図1の実施形態において、ニューラルネット
学習による2乗誤差補正の効果を示した図である。
【図10】 図1に示す逃がし弁に連続逃がし弁を用い
た場合(第2実施例)における逃がし弁の挙動を示す時間
と弁の開閉状態を示すグラフ図である。
【図11】 第2実施例において連続逃がし弁の初期調
整時における2乗誤差学習をさせる時のブロック図であ
る。
【図12】 第2実施例において連続逃がし弁の実機調
整時における2乗誤差学習をさせる時のブロック図であ
る。
【図13】 従来のディーゼルエンジンの燃料噴射装置
の概略図である。
【符号の説明】
1 逃がし弁 2 噴射ノズル 3 燃料噴射ポンプ 4 圧力センサ 5 カム 6 電子制御用コンピュータ(ECU) 7 エンコーダ 8 噴射管 9 ガバナ 10 最小値探索回路 11 設定値調整回路 12 実機調整用ニューラルネット回路 13 初期調整用ニューラルネット回路
フロントページの続き Fターム(参考) 3G066 AA07 AB02 AD12 BA02 BA43 CA01S CA08 CA09 CB07U CC31 CD25 CD26 CE02 CE22 DA08 DC05 DC09 DC18 3G084 AA01 BA14 DA04 EA05 EA11 EB12 EB17 EC04 FA00 FA33 3G301 HA02 LB17 LC01 MA27 NA08 NA09 NC08 ND02 ND21 ND42 ND45 PB08A PB08Z PE01Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン回転数を検知して、増圧された
    液体燃料を噴射ノズルで燃焼室内に供給するディーゼル
    エンジンの燃料噴射制御装置において、 前記噴射ノズルに至る増圧された噴射燃料回路上に、少
    なくとも1つ以上の前記噴射燃料逃し弁と該燃料の噴射
    パターンを検知する圧力センサを設けるとともに、その
    燃料噴射パターンを所望する噴射パターンに最適化する
    学習機能を付加し、 前記学習機能により、圧力センサの実測値が目標とする
    燃料噴射パターンに近づくように、噴射期間内に前記逃
    がし弁の開閉若しくは弁開度タイミング(以下操作タイ
    ミングという)の試行を繰り返すことにより得られた学
    習データにより、設計時若しくは試験時等に予め定めた
    弁操作タイミングを補正しながら、噴射率の最適化を実
    現する事を特徴とするディーゼルエンジンの燃料噴射制
    御装置。
  2. 【請求項2】 前記逃がし弁が、燃料噴射期間中に1回
    しか作動できないON/OFF弁、燃料噴射期間中に複
    数動作可能な連続ON/OFF弁、燃料噴射期間中に開
    弁率を変化させることができる比例弁のいずれかである
    事を特徴とするディーゼルエンジンの燃料噴射制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記逃がし弁の操作タイミングの最適化
    が、ニューラルネットを用いて学習により未計測値を推
    定しながら行うことを特徴とする請求項1記載のディー
    ゼルエンジンの燃料噴射制御装置。
  4. 【請求項4】 前記ニューラルネットが、現在のエンジ
    ン回転数に対する逃がし弁の開閉タイミングの初期誤差
    を求める初期調整用ニューラルネットであり、代表計測
    点をニューラルネットに学習させながら、 燃料噴射パ
    ターンとの誤差評価を行う際に必要な初期2乗誤差の値
    が得ることを特徴とする請求項3記載のディーゼルエン
    ジンの燃料噴射制御装置。
  5. 【請求項5】 前記ニューラルネットが、前記初期調整
    用ニューラルネットと実機調整用ニューラルネットであ
    り、実機調整用ニューラルネットは、初期調整用ニュー
    ラルネットの出力と実機の結果を補正する形で、2乗誤
    差の補正値を学習するニューラルネットであることを特
    徴とする請求項4記載のディーゼルエンジンの燃料噴射
    制御装置。
  6. 【請求項6】 実機調整用ニューラルネットに学習させ
    るタイミングをエンジンの回転数変化時と、燃料噴射パ
    ターンとの2乗誤差が一定以上ずれた時とし、等速回転
    時には、実測調整用ニューラルネットの学習を行わない
    ことにより、計測データの新旧に対し一貫性のある2乗
    誤差の最小値探索を可能としたことを特徴とする請求項
    5記載のディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置。
JP2000126577A 2000-04-26 2000-04-26 ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置 Withdrawn JP2001304027A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000126577A JP2001304027A (ja) 2000-04-26 2000-04-26 ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000126577A JP2001304027A (ja) 2000-04-26 2000-04-26 ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001304027A true JP2001304027A (ja) 2001-10-31

Family

ID=18636333

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000126577A Withdrawn JP2001304027A (ja) 2000-04-26 2000-04-26 ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001304027A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1744037A1 (en) * 2005-07-14 2007-01-17 Ford Global Technologies, LLC Method of controlling the start of combustion for an internal combustion engine
EP2028356A3 (en) * 2007-08-23 2010-03-24 Denso Corporation Fuel injection control device
WO2010109667A1 (ja) * 2009-03-27 2010-09-30 本田技研工業株式会社 プラントの制御装置
GB2484745A (en) * 2010-10-18 2012-04-25 Gm Global Tech Operations Inc A method for feed-forward controlling fuel injection into a cylinder of an internal combustion engine
CN103410648A (zh) * 2013-07-23 2013-11-27 江苏大学 一种喷油嘴内部空穴流动可视化试验装置
CN105402069A (zh) * 2015-12-14 2016-03-16 江苏大学 一种柴油机透明喷嘴内空穴流动可视化试验装置
CN105891034A (zh) * 2016-03-30 2016-08-24 江苏大学 一种空化空蚀关系测量的可视化试验装置
CN106556546A (zh) * 2016-10-14 2017-04-05 江苏大学 一种自循环系统的空化空蚀实验平台

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1744037A1 (en) * 2005-07-14 2007-01-17 Ford Global Technologies, LLC Method of controlling the start of combustion for an internal combustion engine
EP2028356A3 (en) * 2007-08-23 2010-03-24 Denso Corporation Fuel injection control device
US7865293B2 (en) 2007-08-23 2011-01-04 Denso Corporation Fuel injection control device
WO2010109667A1 (ja) * 2009-03-27 2010-09-30 本田技研工業株式会社 プラントの制御装置
JP5149988B2 (ja) * 2009-03-27 2013-02-20 本田技研工業株式会社 プラントの制御装置
US8965664B2 (en) 2009-03-27 2015-02-24 Honda Motor Co., Ltd. Controller for plant
GB2484745A (en) * 2010-10-18 2012-04-25 Gm Global Tech Operations Inc A method for feed-forward controlling fuel injection into a cylinder of an internal combustion engine
CN103410648A (zh) * 2013-07-23 2013-11-27 江苏大学 一种喷油嘴内部空穴流动可视化试验装置
CN105402069A (zh) * 2015-12-14 2016-03-16 江苏大学 一种柴油机透明喷嘴内空穴流动可视化试验装置
CN105891034A (zh) * 2016-03-30 2016-08-24 江苏大学 一种空化空蚀关系测量的可视化试验装置
CN106556546A (zh) * 2016-10-14 2017-04-05 江苏大学 一种自循环系统的空化空蚀实验平台

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6236908B1 (en) Virtual vehicle sensors based on neural networks trained using data generated by simulation models
US7142975B2 (en) Virtual cylinder pressure sensor with individual estimators for pressure-related values
EP1682764B1 (en) Method for controlling combustion in an internal combustion engine and predicting performance and emissions
US7831378B2 (en) System and method for estimating NOx produced by an internal combustion engine
US7685871B2 (en) System and method for estimating engine internal residual fraction using single-cylinder simulation and measured cylinder pressure
CN111810309B (zh) 一种基于闭环观测器的高压共轨系统喷油量预测方法
JP2010112382A (ja) エンジン制御システムおよび方法
JP2009079594A (ja) 改良されたエンジン管理
JPH06317206A (ja) 可変カム・タイミングによる内燃機関の燃料制御方法及び装置
US6256575B1 (en) Process for controlling an internal combustion engine
JP2001304027A (ja) ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置
JPS63143348A (ja) 燃料噴射制御装置
JP5099267B2 (ja) 内燃機関の制御装置
CN109915293B (zh) 一种电控单体泵加电时间控制方法及控制系统
WO2009093112A1 (en) Fuel injection control system of internal combustion engine
KR101792293B1 (ko) 배기가스 재순환 방법
JP2012013637A (ja) エンジン制御パラメータの適合方法及び適合装置
JP2010174737A (ja) ディーゼル機関の制御装置
Zander et al. In-cycle closed loop control of the fuel injection on a 1-cylinder heavy duty CI-engine
US7444985B2 (en) Apparatus and method for controlling ignition timing of internal combustion engine
US6885934B1 (en) Method and system for determining camshaft position
US6769395B2 (en) Method, a computer program, and a control and regulating unit for operating an internal combustion engine
JP2010151530A (ja) 内燃機関の制御パラメータの適合方法
JP4304411B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
CN116591844A (zh) 一种识别喷气持续期的发动机闭环控制方法、系统及介质

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070703