JP2001299900A - 生体活性セメント組成物 - Google Patents
生体活性セメント組成物Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 生体活性が高く、機械的強度が高くしかも生
体内での耐久性の良い生体活性セメント組成物を提供す
ることである。 【解決手段】Ca含有ガラス又は結晶化ガラスビーズか
らなる生体活性フィラー粉末と、メタクリレート系ポリ
マー粉末と、メタクリレート系モノマーと、重合開始剤
と、重合促進剤とからなり、生体活性フィラー粉末が
0.03〜0.98質量%のシランカップリング剤で塗
布されてなることを特徴とする。
体内での耐久性の良い生体活性セメント組成物を提供す
ることである。 【解決手段】Ca含有ガラス又は結晶化ガラスビーズか
らなる生体活性フィラー粉末と、メタクリレート系ポリ
マー粉末と、メタクリレート系モノマーと、重合開始剤
と、重合促進剤とからなり、生体活性フィラー粉末が
0.03〜0.98質量%のシランカップリング剤で塗
布されてなることを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、整形外科分野、口
腔外科分野等の領域において使用されるインプラント材
料の接着固定や骨欠損部の充填及び、脳神経外科分野に
おける頭蓋骨欠損部の再建等に使用される生体活性セメ
ント組成物に関するものである。
腔外科分野等の領域において使用されるインプラント材
料の接着固定や骨欠損部の充填及び、脳神経外科分野に
おける頭蓋骨欠損部の再建等に使用される生体活性セメ
ント組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、整形外科分野、口腔外科分野等で
用いられるインプラント材料の接着固定や骨欠損部への
充填及び、脳神経外科分野における頭蓋骨欠損部の再建
等に使用されるセメント材料として、PMMAセメント
が広く知られている。ところがこのセメントには生体活
性がないため、自然骨と化学的に直接結合することがで
きない。そこで近年、PMMAセメントに生体活性を付
与するために、Ca含有ガラス等の生体活性フィラーを
添加した生体活性セメントが提案されている。
用いられるインプラント材料の接着固定や骨欠損部への
充填及び、脳神経外科分野における頭蓋骨欠損部の再建
等に使用されるセメント材料として、PMMAセメント
が広く知られている。ところがこのセメントには生体活
性がないため、自然骨と化学的に直接結合することがで
きない。そこで近年、PMMAセメントに生体活性を付
与するために、Ca含有ガラス等の生体活性フィラーを
添加した生体活性セメントが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記生体活性セメント
は、生体内で硬化すると、硬化体表面に露出したフィラ
ー粉末からCaイオンが溶出し、体液と反応して硬化体
表面にアパタイト層を形成する結果、自然骨と化学的に
直接結合することができる。ところが、十分に生体活性
が高く、しかも機械的強度が高く長期耐久性も優れた生
体活性セメントは、まだ得られていないのが現状であ
る。
は、生体内で硬化すると、硬化体表面に露出したフィラ
ー粉末からCaイオンが溶出し、体液と反応して硬化体
表面にアパタイト層を形成する結果、自然骨と化学的に
直接結合することができる。ところが、十分に生体活性
が高く、しかも機械的強度が高く長期耐久性も優れた生
体活性セメントは、まだ得られていないのが現状であ
る。
【0004】本発明の目的は、生体活性が高く、機械的
強度が高くしかも生体内での耐久性の良い生体活性セメ
ント組成物を提供することである。
強度が高くしかも生体内での耐久性の良い生体活性セメ
ント組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の生体活性セメン
ト組成物は、Ca含有ガラス又は結晶化ガラスビーズか
らなる生体活性フィラー粉末と、メタクリレート系ポリ
マー粉末と、メタクリレート系モノマーと、重合開始剤
と、重合促進剤とからなり、生体活性フィラー粉末が
0.03〜0.98質量%のシランカップリング剤で塗
布されてなることを特徴とする。
ト組成物は、Ca含有ガラス又は結晶化ガラスビーズか
らなる生体活性フィラー粉末と、メタクリレート系ポリ
マー粉末と、メタクリレート系モノマーと、重合開始剤
と、重合促進剤とからなり、生体活性フィラー粉末が
0.03〜0.98質量%のシランカップリング剤で塗
布されてなることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において、生体活性フィラ
ー粉末として使用するCa含有ガラス又は結晶化ガラス
ビーズ粉末はシランカップリング処理されている。この
ため、マトリックス樹脂であるメタクリレート系樹脂と
のなじみが良くなり、生体活性セメントの機械的強度及
び生体内での長期耐久性の向上が図れる。つまり、生体
活性フィラー粉末に塗布されたシランカップリング剤
は、そのフィラー粉末とはシロキサン結合で化学吸着
し、一方、マトリックス樹脂とは有機官能基との重合反
応により結合することによって、生体活性フィラー粉末
とマトリックス樹脂を強力に接着させる。
ー粉末として使用するCa含有ガラス又は結晶化ガラス
ビーズ粉末はシランカップリング処理されている。この
ため、マトリックス樹脂であるメタクリレート系樹脂と
のなじみが良くなり、生体活性セメントの機械的強度及
び生体内での長期耐久性の向上が図れる。つまり、生体
活性フィラー粉末に塗布されたシランカップリング剤
は、そのフィラー粉末とはシロキサン結合で化学吸着
し、一方、マトリックス樹脂とは有機官能基との重合反
応により結合することによって、生体活性フィラー粉末
とマトリックス樹脂を強力に接着させる。
【0007】しかしながら、シランカップリング剤の塗
布量の多い場合にはセメント硬化体表面に露出したガラ
ス又は結晶化ガラスビーズ粉末からのCa2+イオンの溶
出が阻害されてしまい、骨との結合能が低下して生体活
性が大幅に減少する。また、少ない場合にはマトリック
ス樹脂及び生体活性フィラー粉末との界面が体液によっ
て浸食されやすくなり、機械的強度の低下及び耐久性が
悪くなるという問題が生じる。
布量の多い場合にはセメント硬化体表面に露出したガラ
ス又は結晶化ガラスビーズ粉末からのCa2+イオンの溶
出が阻害されてしまい、骨との結合能が低下して生体活
性が大幅に減少する。また、少ない場合にはマトリック
ス樹脂及び生体活性フィラー粉末との界面が体液によっ
て浸食されやすくなり、機械的強度の低下及び耐久性が
悪くなるという問題が生じる。
【0008】このため、シランカッツプリング剤の塗布
量は、生体活性フィラー粉末に対して、質量%で0.0
3〜0.98%に制限される。これは、シランカップリ
ング剤の塗布量が0.03%より少ないと、生体活性フ
ィラー粉末とマトリックス樹脂とのなじみが悪くセメン
ト混合時の作業性を著しく低下させるとともに、両者の
接着強度が低くセメント硬化体の機械的強度及び生体内
での耐久性を向上させる効果が乏しい。一方、シランカ
ップリング剤の塗布量が0.98%より多いと、化学吸
着していない過剰なシランカップリング剤によって生体
活性セメント硬化体表面全体が覆われ、生体活性フィラ
ー粉末からのCa2+イオンの溶出が阻害されて生体活性
が低下し、また過剰なシランカップリング剤が生体活性
フィラー粉末とマトリックス樹脂の界面に多く存在する
ため体液に侵食され易くなって、生体活性セメント硬化
体の機械的強度が低くなり耐久性も悪くなる。なお、シ
ランカップリング剤としては、メタクリル基、アミノ
基、又はビニル基を有するが、好ましくはメタクリル基
を有するγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ンが好適である。
量は、生体活性フィラー粉末に対して、質量%で0.0
3〜0.98%に制限される。これは、シランカップリ
ング剤の塗布量が0.03%より少ないと、生体活性フ
ィラー粉末とマトリックス樹脂とのなじみが悪くセメン
ト混合時の作業性を著しく低下させるとともに、両者の
接着強度が低くセメント硬化体の機械的強度及び生体内
での耐久性を向上させる効果が乏しい。一方、シランカ
ップリング剤の塗布量が0.98%より多いと、化学吸
着していない過剰なシランカップリング剤によって生体
活性セメント硬化体表面全体が覆われ、生体活性フィラ
ー粉末からのCa2+イオンの溶出が阻害されて生体活性
が低下し、また過剰なシランカップリング剤が生体活性
フィラー粉末とマトリックス樹脂の界面に多く存在する
ため体液に侵食され易くなって、生体活性セメント硬化
体の機械的強度が低くなり耐久性も悪くなる。なお、シ
ランカップリング剤としては、メタクリル基、アミノ
基、又はビニル基を有するが、好ましくはメタクリル基
を有するγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ンが好適である。
【0009】ところで、シランカップリング処理を施す
にあたっては、弱酸〜中性領域(pH5〜8程度)で行
うことが好ましい。これは、pHが5より低いと、ガラ
スビーズ又は結晶化ガラスビーズ表面が浸食されて生体
活性が低くなり、pHが8より高いとシランカップリン
グ処理が困難になるためである。
にあたっては、弱酸〜中性領域(pH5〜8程度)で行
うことが好ましい。これは、pHが5より低いと、ガラ
スビーズ又は結晶化ガラスビーズ表面が浸食されて生体
活性が低くなり、pHが8より高いとシランカップリン
グ処理が困難になるためである。
【0010】本発明において、生体活性フィラーとして
使用するCa含有ガラス又は結晶化ガラスビーズ粉末
は、体液と接触するとCa2+イオンを溶出する性質を有
するものであり、これと体液中のPO4-イオンとが反応
し、骨類似のアパタイトを形成し、そのアパタイトを介
してセメント硬化体と自然骨は結合することができる。
使用するCa含有ガラス又は結晶化ガラスビーズ粉末
は、体液と接触するとCa2+イオンを溶出する性質を有
するものであり、これと体液中のPO4-イオンとが反応
し、骨類似のアパタイトを形成し、そのアパタイトを介
してセメント硬化体と自然骨は結合することができる。
【0011】上記のCa含有ガラス又は結晶化ガラスビ
ーズ粉末としては、重量%でCaO30〜70%、Si
O2 30〜70%、P2O5 0〜40、MgO 0〜
20%、CaF2 0〜5%の組成を有することが好ま
しい。また、形状が球状であるためにセメント内部に発
生する応力集中を防止することができ、セメント硬化体
の機械的強度を高めることができる。
ーズ粉末としては、重量%でCaO30〜70%、Si
O2 30〜70%、P2O5 0〜40、MgO 0〜
20%、CaF2 0〜5%の組成を有することが好ま
しい。また、形状が球状であるためにセメント内部に発
生する応力集中を防止することができ、セメント硬化体
の機械的強度を高めることができる。
【0012】Ca含有ガラス又は結晶化ガラスビーズ粉
末の含有量は、10〜80質量%であることが好まし
く、10質量%より少ないと自然骨との結合性が低下
し、80質量%より多いとセメントの作業性が悪くなっ
たり、経時的な強度劣化が大きくなる。また、Ca含有
ガラス又は結晶化ガラスビーズ粉末の平均粒径は、20
μm以下、好ましくは10μm以下のものが望ましい。こ
れは、平均粒径が20μmより大きいと、セメント表面
に生体活性フィラーが露出しにくくなり十分な生体活性
が得られないためである。
末の含有量は、10〜80質量%であることが好まし
く、10質量%より少ないと自然骨との結合性が低下
し、80質量%より多いとセメントの作業性が悪くなっ
たり、経時的な強度劣化が大きくなる。また、Ca含有
ガラス又は結晶化ガラスビーズ粉末の平均粒径は、20
μm以下、好ましくは10μm以下のものが望ましい。こ
れは、平均粒径が20μmより大きいと、セメント表面
に生体活性フィラーが露出しにくくなり十分な生体活性
が得られないためである。
【0013】本発明に使用するメタクリレート系ポリマ
ーは、メタクリレート系モノマーの重合に必要な成分で
あり、モノマーによる溶解が起こって、硬化体を形成す
るのに有効に働く。ポリマー粉体としては、ポリメチル
メタクリレート(PMMA)粉末やメタクリレートとス
チレンの共重合体粉末、メタクリレートと2,2−ビス
[4−(3メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキ
シ)フェニル]プロパン(Bis−GMA)の共重合体
粉末等を使用することができる。メタクリレート系ポリ
マーの含有量は、10〜50質量%の範囲にあることが
望ましく、10質量%より少ないと、作業性が悪くなる
とともに、メタクリレート系モノマーが重合し難くなっ
て機械的強度が低下する。50質量%より多いと相対的
に生体活性フィラー粉末が少なくなって生体活性が低下
する。
ーは、メタクリレート系モノマーの重合に必要な成分で
あり、モノマーによる溶解が起こって、硬化体を形成す
るのに有効に働く。ポリマー粉体としては、ポリメチル
メタクリレート(PMMA)粉末やメタクリレートとス
チレンの共重合体粉末、メタクリレートと2,2−ビス
[4−(3メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキ
シ)フェニル]プロパン(Bis−GMA)の共重合体
粉末等を使用することができる。メタクリレート系ポリ
マーの含有量は、10〜50質量%の範囲にあることが
望ましく、10質量%より少ないと、作業性が悪くなる
とともに、メタクリレート系モノマーが重合し難くなっ
て機械的強度が低下する。50質量%より多いと相対的
に生体活性フィラー粉末が少なくなって生体活性が低下
する。
【0014】本発明で使用するメタクリレート系モノマ
ーはセメント硬化成分であり、重合反応後はセメント硬
化体のマトリックスを形成する。メタクリレート系モノ
マーとしては、メチルメタクリレート(MMA)が最も
好ましいが、これ以外にもエチルメタクリレート等を使
用することができる。なお、メタクリレート系モノマー
の含有量は10〜60質量%が好ましい。
ーはセメント硬化成分であり、重合反応後はセメント硬
化体のマトリックスを形成する。メタクリレート系モノ
マーとしては、メチルメタクリレート(MMA)が最も
好ましいが、これ以外にもエチルメタクリレート等を使
用することができる。なお、メタクリレート系モノマー
の含有量は10〜60質量%が好ましい。
【0015】メタクリレート系モノマーが10質量%よ
り少ないと、重合し難くなって機械的強度が低下し、6
0質量%より多いと生体活性が低下する。
り少ないと、重合し難くなって機械的強度が低下し、6
0質量%より多いと生体活性が低下する。
【0016】メタクリレート系モノマーに加え、ジメタ
クリレート系モノマーを添加することができる。ジメタ
クリレート系モノマーは、3次元的に重合して高強度の
ポリマーとなるものであり、硬化後は体内で長期にわた
って安定し、機械的強度が低下しにくいものである。ジ
メタクリレート系モノマーとしてはBis−GMA、
2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)
プロパン(Bis−MEPP)、トリエチレングリコー
ルジメタクリレート(TEGDMA)、ジエチレングリ
コールジメタクリレート(DEGDMA)、エチレング
リコールジメタクリレート(EGDMA)等を使用する
ことができる。
クリレート系モノマーを添加することができる。ジメタ
クリレート系モノマーは、3次元的に重合して高強度の
ポリマーとなるものであり、硬化後は体内で長期にわた
って安定し、機械的強度が低下しにくいものである。ジ
メタクリレート系モノマーとしてはBis−GMA、
2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)
プロパン(Bis−MEPP)、トリエチレングリコー
ルジメタクリレート(TEGDMA)、ジエチレングリ
コールジメタクリレート(DEGDMA)、エチレング
リコールジメタクリレート(EGDMA)等を使用する
ことができる。
【0017】なお、生体活性フィラー粉末、メタクリレ
ート系ポリマー粉末、シランカップリング剤等からなる
粉末成分と、メタクリレート系モノマーやジメタクリレ
ート系モノマーからなる液体成分の粉液比は、質量比で
粉末:液体が30:70〜90:10であることが望ま
しい。
ート系ポリマー粉末、シランカップリング剤等からなる
粉末成分と、メタクリレート系モノマーやジメタクリレ
ート系モノマーからなる液体成分の粉液比は、質量比で
粉末:液体が30:70〜90:10であることが望ま
しい。
【0018】さらに本発明の生体活性セメント組成物
は、重合開始剤と重合促進剤を含有する。
は、重合開始剤と重合促進剤を含有する。
【0019】本発明で使用する重合開始剤は、粉末成分
に添加して使用する。重合開始剤としては、過酸化ベン
ゾイル、トリ−n−ブチルボラン等を使用することがで
きる。なお、重合開始剤の添加量はモノマー100質量
部に対して0.1〜5質量部であることが好ましい。
0.1質量部より少ないと、効果がほとんどなく、一
方、5質量部より多いと硬化時間が早くなりすぎて作業
性が悪い。
に添加して使用する。重合開始剤としては、過酸化ベン
ゾイル、トリ−n−ブチルボラン等を使用することがで
きる。なお、重合開始剤の添加量はモノマー100質量
部に対して0.1〜5質量部であることが好ましい。
0.1質量部より少ないと、効果がほとんどなく、一
方、5質量部より多いと硬化時間が早くなりすぎて作業
性が悪い。
【0020】本発明で使用する重量促進剤は液体成分に
添加して使用する。重合促進剤としては、ジメチル−p
−トルイジン等の第3級アミンを使用することができ、
その添加量はモノマー100質量部に対して0.1〜5
質量部であることが望ましく、0.1質量部より少ない
と効果がほとんどなく、5質量部より多いと硬化時間が
早くなりすぎて作業性が悪い。
添加して使用する。重合促進剤としては、ジメチル−p
−トルイジン等の第3級アミンを使用することができ、
その添加量はモノマー100質量部に対して0.1〜5
質量部であることが望ましく、0.1質量部より少ない
と効果がほとんどなく、5質量部より多いと硬化時間が
早くなりすぎて作業性が悪い。
【0021】なお、本発明の生体活性セメント組成物は
上記成分以外にもハイドロキシアパタイト(HAp)粉
末、薬剤、骨形成因子等種々の成分を必要に応じて適宜
添加することができる。
上記成分以外にもハイドロキシアパタイト(HAp)粉
末、薬剤、骨形成因子等種々の成分を必要に応じて適宜
添加することができる。
【0022】本発明の生体活性セメント組成物の提供形
態は粉末−液体系であり、ユーザーは粉体を混合して使
用すればよい。
態は粉末−液体系であり、ユーザーは粉体を混合して使
用すればよい。
【0023】本発明の生体活性セメント組成物は、粉末
と液体とを混合すると重合反応が起こり、3〜15分程
度の時間で硬化が完了する。硬化までの時間内はセメン
トを所望の形状に自由に成型できる。
と液体とを混合すると重合反応が起こり、3〜15分程
度の時間で硬化が完了する。硬化までの時間内はセメン
トを所望の形状に自由に成型できる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
する。
する。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】表1は本発明の実施例(試料No.1〜
6)を、表2は比較例(試料No.7,8)を示すもの
である。
6)を、表2は比較例(試料No.7,8)を示すもの
である。
【0028】試料No.1〜8は以下のようにして作製
した。
した。
【0029】まず質量%でCaO 45%、SiO2
34%、P2O5 16%、MgO4.5%、CaF2
0.5%の組成を有するCa含有ガラスを粉砕、分級し
た後、1500℃以上のガスバーナー火炎中に噴霧する
ことでガラスビーズを得た。また、得られたガラスビー
ズを1000℃で加熱処理することで結晶化ガラスを得
た。続いて各粉末をpH6に調整したシランカップリン
グ剤(γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン)で表面処理した。なお、シランカップリング剤は、
生体活性フィラー粉末に対して質量%で表に示す量を塗
布した。
34%、P2O5 16%、MgO4.5%、CaF2
0.5%の組成を有するCa含有ガラスを粉砕、分級し
た後、1500℃以上のガスバーナー火炎中に噴霧する
ことでガラスビーズを得た。また、得られたガラスビー
ズを1000℃で加熱処理することで結晶化ガラスを得
た。続いて各粉末をpH6に調整したシランカップリン
グ剤(γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン)で表面処理した。なお、シランカップリング剤は、
生体活性フィラー粉末に対して質量%で表に示す量を塗
布した。
【0030】また、メタクリレート系ポリマー粉末とし
ては平均粒径4μm、質量平均分子量25万のPMMA
粉末を用意した。
ては平均粒径4μm、質量平均分子量25万のPMMA
粉末を用意した。
【0031】次にガラスビーズ又は結晶化ガラスビーズ
粉末とPMMA粉末を表に示す割合で秤量し、さらに重
合開始剤として過酸化ベンゾイルを添加して混合し、粉
末系とした。
粉末とPMMA粉末を表に示す割合で秤量し、さらに重
合開始剤として過酸化ベンゾイルを添加して混合し、粉
末系とした。
【0032】また、メタクリレート系モノマーとしてM
MAを用意し、重合促進剤としてジメチル−p−トルイ
ジンを添加し液体系とした。
MAを用意し、重合促進剤としてジメチル−p−トルイ
ジンを添加し液体系とした。
【0033】なお、過酸化ベンゾイルとジメチル−p−
トルイジンの添加量は約7分で硬化するように調整し
た。
トルイジンの添加量は約7分で硬化するように調整し
た。
【0034】以上のようにして作製した各試料につい
て、周囲骨との結合の有無、作業性及び曲げ強度を評価
した。これらの結果を表1,2に示す。
て、周囲骨との結合の有無、作業性及び曲げ強度を評価
した。これらの結果を表1,2に示す。
【0035】周囲骨との結合の有無は、ラットの脛骨髄
腔内に試料を埋入した後、4週間後に埋入部位を取り出
し、試料と自然骨が直接結合している部分が試料全周の
30%以上であるものを「○」、試料全周の30%未満
であるものを「×」として評価した。作業性は、セメン
トを手で混練したときの作業のし易さを評価した。曲げ
強度は、セメント硬化体から大きさ3×4×20mmの
試料片を作製し、3点曲げ強度試験によって、初期強度
を測定し、さらに37℃の生理食塩水に6ヶ月浸漬後の
試料片についても強度測定を行った。
腔内に試料を埋入した後、4週間後に埋入部位を取り出
し、試料と自然骨が直接結合している部分が試料全周の
30%以上であるものを「○」、試料全周の30%未満
であるものを「×」として評価した。作業性は、セメン
トを手で混練したときの作業のし易さを評価した。曲げ
強度は、セメント硬化体から大きさ3×4×20mmの
試料片を作製し、3点曲げ強度試験によって、初期強度
を測定し、さらに37℃の生理食塩水に6ヶ月浸漬後の
試料片についても強度測定を行った。
【0036】表から明らかなように、実施例であるN
o.1〜6の試料について、カップリング剤は0.1〜
0.9%で、周囲骨との結合が認められ、作業性も良好
であった。また、曲げ強度は初期強度が120MPa以
上で、カップリング剤を含まないNo.7に比べて60
〜70MPaと高く、経時的な強度劣化もほとんどな
く、実用上十分な強度及び耐久性を有していることが分
かった。
o.1〜6の試料について、カップリング剤は0.1〜
0.9%で、周囲骨との結合が認められ、作業性も良好
であった。また、曲げ強度は初期強度が120MPa以
上で、カップリング剤を含まないNo.7に比べて60
〜70MPaと高く、経時的な強度劣化もほとんどな
く、実用上十分な強度及び耐久性を有していることが分
かった。
【0037】これに対して比較例であるNo.7の試料
は、周囲骨との結合が認められたが、作業性が悪く、曲
げ強度も非常に低く強度劣化も大きかった。試料No.
8では、作業性は良かったものの周囲骨との結合が認め
られず、機械的強度劣化は大きかった。
は、周囲骨との結合が認められたが、作業性が悪く、曲
げ強度も非常に低く強度劣化も大きかった。試料No.
8では、作業性は良かったものの周囲骨との結合が認め
られず、機械的強度劣化は大きかった。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の生体活性
セメント組成物は早期の骨結合性に優れ、生体内での強
度劣化がほとんどない。それゆえ、整形外科分野、口腔
外科分野、脳神経外科分野等の領域におけるインプラン
ト材料の接着固定用、骨欠損部の充填用、頭蓋骨欠損部
の再建用として好適である。
セメント組成物は早期の骨結合性に優れ、生体内での強
度劣化がほとんどない。それゆえ、整形外科分野、口腔
外科分野、脳神経外科分野等の領域におけるインプラン
ト材料の接着固定用、骨欠損部の充填用、頭蓋骨欠損部
の再建用として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北村 嘉朗 滋賀県大津市晴嵐2丁目7番1号 日本電 気硝子株式会社内 Fターム(参考) 4C081 AB04 AB06 AC04 BA13 BB08 CA081 CC05 CE08 CE11 CF062 CF112 CF132 DA11 DB07 DC13 4C089 AA06 AA10 BA03 BA11 BA13 BA16 BC06 BC08 BC13 BD02 BE03 CA03 CA07 CA09
Claims (3)
- 【請求項1】 Ca含有ガラス又は結晶化ガラスビーズ
からなる生体活性フィラー粉末と、メタクリレート系ポ
リマー粉末と、メタクリレート系モノマーと、重合開始
剤と、重合促進剤とからなり、生体活性フィラー粉末が
0.03〜0.98質量%のシランカップリング剤で塗
布されてなることを特徴とする生体活性セメント組成
物。 - 【請求項2】 Ca含有ガラス又は結晶化ガラスビーズ
からなる生体活性フィラー粉末が、質量%でCaO 3
0〜70%、SiO2 30〜70%、P2O 5 0〜4
0、MgO 0〜20%、CaF2 0〜5%の組成を
有することを特徴とする請求項1の生体活性セメント組
成物。 - 【請求項3】 シランカップリング剤が、メタクリル基
を有するγ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ンであることを特徴とする請求項1の生体活性セメント
組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000116703A JP2001299900A (ja) | 2000-04-18 | 2000-04-18 | 生体活性セメント組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000116703A JP2001299900A (ja) | 2000-04-18 | 2000-04-18 | 生体活性セメント組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001299900A true JP2001299900A (ja) | 2001-10-30 |
Family
ID=18628133
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000116703A Pending JP2001299900A (ja) | 2000-04-18 | 2000-04-18 | 生体活性セメント組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001299900A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009221171A (ja) * | 2008-03-18 | 2009-10-01 | Tokuyama Dental Corp | 歯科用硬化性材料 |
-
2000
- 2000-04-18 JP JP2000116703A patent/JP2001299900A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009221171A (ja) * | 2008-03-18 | 2009-10-01 | Tokuyama Dental Corp | 歯科用硬化性材料 |
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