JP2001299657A - 清掃用物品及びその製造方法 - Google Patents
清掃用物品及びその製造方法Info
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Abstract
物品は、繊維層を基材シートに接合する接合線の間隔に
対し、接合線から立ち上がる繊維層の長さの合計が短か
った。よって基材シート上の繊維層にボリューム感がな
く、また基材シートが露出するため、清掃時の摩擦力が
大きかった。 【解決手段】 基材シート11をY方向へ伸ばして、長
繊維層12Yを載せ、基材シート11と長繊維層12Y
を、間隔Pyの接合線13で接合する。接合線13間で
長繊維層12Yを切断し、基材シート11を自らの収縮
力により収縮させると接合線13の間隔がPとなる。よ
って接合線13間での繊維層12の立ち上がり寸法の合
計L=L1+L2が、接合線13の間隔Pよりも長くな
る。
Description
製造方法に関する。更に詳しくは基材シートから延びる
繊維層の平均密度を高くして前記繊維層にボリュームを
持たせてゴミ等の捕集能力に優れるようにした清掃用物
品及びその製造方法に関する。
使用される清掃用物品、または手で保持して使用される
清掃用物品として、使用後に使い捨てが可能とされたも
のがある。
基材シートの表面に繊維層による刷毛部が形成されたも
のの断面図を示している。この種の清掃用物品は、例え
ば特開平9−149873号公報に開示されている。
織布などの基材シート1の表面に、繊維層2が溶着線3
により接合され、前記溶着線3から延びる前記繊維層2
により刷毛部が形成されている。
1の上にトウから開繊された長繊維をその繊維が基材シ
ート1の長手方向(Y方向)へ延びるように設置する。
そして、前記長手方向へ一定の間隔を開け且つ互いに平
行に延びる複数の溶着線3,3、…により基材シート1
と長繊維層とを熱溶着し、その後に隣り合う溶着線3と
溶着線3との間で長繊維層を切断する。これにより溶着
線3と溶着線3との間に、前記溶着線3を基端とし自由
端2aが溶着線3と溶着線3との間に延びる繊維層2に
よる刷毛部が形成される。
用物品では、長繊維層を基材シート1に溶着線3,3で
接合し、この溶着線3と溶着線3との間で長繊維層を切
断して製造している。そのため、溶着線3の配列間隔
(ピッチ)をPaとし、隣り合う溶着線3と溶着線3と
の間で刷毛部を形成している繊維層2,2の溶着線3か
ら自由端2a,2aまでの長さをそれぞれLa、Lb
(La≒Lb)としたときに、必然的にPa>La+L
bとなる。
線3との間では、左右に2分された繊維層2の自由端2
aと繊維層2の自由端2aとの間に隙間Sが形成され
る。したがって、基材シート1の表面の全面に対する繊
維層2の平均密度が低くなり、刷毛部のボリューム感を
出すことができない。またこの清掃用物品で拭き取り作
業を行うときに、前記隙間Sを介して左右に2分された
それぞれの繊維層2,2が基材シート1の表面に倒れ、
その倒れた状態から復元されにくくなる。さらに、床な
どを拭くときに、繊維層2による刷毛部の清掃効果が全
体として低下し、また前記隙間Sにおいて基材シート1
が直接に床などの拭き取り面に当たるため床面などに摺
動させるときの摩擦力が大きくなって、拭き取り作業の
際の摺動抵抗が大きくなる。
あり、基材シートの面に形成される繊維層の平均密度を
高めて清掃効果を高くし、また繊維層が基材シートに倒
れにくくし、さらに清掃面との摺動抵抗も低減できるよ
うにした清掃用物品およびその製造方法を提供すること
を目的としている。
と、前記基材シートの片面または両面に設けられた繊維
層と、前記繊維層を前記基材シートに接合する接合線と
が設けられた清掃用物品において、前記接合線は互いに
所定間隔を開けて形成され、前記接合線の間隔をP、隣
り合う接合線間に位置する前記繊維層の前記接合線から
自由端までの長さの合計をLとしたときに、P<Lであ
ることを特徴とするものである。
する繊維層の長さLが、接合線の間隔(ピッチ)Pより
も長いため、基材シートの表面に繊維層の隙間が形成さ
れにくくなる。よって基材シート上での繊維層の平均密
度を高くでき、繊維層による拭き取り効果を高くでき
る。また基材シートが直接に床など拭き取り面に当たり
にくくなるので、摺動抵抗を低減でき、拭き取り感触を
良好にできる。
て延びていることが好ましい。また、隣り合う接合線の
それぞれから前記接合線間に繊維層が延びているもので
は、一方の接合線から延びる前記繊維層のその接合線か
ら自由端までの長さをL1、他方の接合線から延びる前
記繊維層のその接合線から自由端までの長さをL2とし
たときに、P<L=L1+L2である。
いし、前記L1とL2が相違してもよい。
の接合線のみから前記長さLの繊維層が延びているもの
とすることも可能である。
基材シートから離れる方向へ向けられて前記繊維層によ
り刷毛部が形成されているものである。ただし、製造時
に繊維層が基材シートの表面に密着しており、拭き取り
作業で摺動力が作用したときに、基材シートから繊維層
が立ち上がって前記刷毛部が形成されるものであっても
よい。
ている。または、前記繊維層は、トウから開繊された繊
維で形成されている。または、前記繊維層は、フラット
ヤーンにより形成されてもよく、前記繊維層は、スプリ
ットヤーンにより形成されててもよい。あるいは、前記
繊維層の代わりに、樹脂シートまたは不織布から短冊状
に切断された短冊状シートの層が使用される。
線の並ぶ方向へ伸縮性を有するものである。ただし、基
材シートが伸縮性を有しないものであってもよい。
程を含むことを特徴とするものである。
し、この基材シートの伸び方向に沿って延びる長繊維層
を前記基材シートの表面と裏面の少なくとも一方に重ね
るとともに、前記伸び方向へ間隔を開け且つ伸び方向と
交叉する方向に延びる複数の接合線により、前記基材シ
ートと前記長繊維層とを接合する工程、(b)隣り合う
接合線間で前記長繊維層を切断する工程、(c)前記
(b)の工程の前または後で、前記基材シートに与えた
伸びを解除して前記基材シートを収縮させる工程。
を特徴とするものである。 (d)基材シートの表面と裏面の少なくとも一方に、一
方向に揃えられた第1の長繊維層を重ね、前記第1の長
繊維層の延びる方向へ間隔を開け且つ前記延びる方向と
交叉する方向に延びる複数の第1の接合線により、前記
基材シートと第1の長繊維層とを接合する工程、(e)
前記第1の長繊維層を、隣り合う第1の接合線間で切断
する工程、(f)前記第1の長繊維層の上に、第2の長
繊維層を前記第1の長繊維層と同じ方向へ延びるように
重ね、前記第1の長繊維層が切断された部分において、
前記基材シートと前記第2の長繊維層とを、第2の長繊
維層が延びる方向と交叉する方向に延びる第2の接合線
で接合する工程、(g) 前記第2の長繊維層を、隣り
合う前記第2の接合線の間で切断し、第1の接合線と、
第2の接合線のそれぞれから延びる繊維層を形成する工
程。
特徴とするものである。 (h)基材シートの表面と裏面の少なくとも一方に、一
方向に揃えられた長繊維層を重ね、前記長繊維層の延び
る方向へ間隔を開け且つ前記延びる方向と交叉する方向
に延びる複数の接合線により、前記基材シートと前記長
繊維層とを接合する工程、(i)前記長繊維層を、隣り
合う接合線間で切断する工程、(j)前記(i)の工程
の前または後で、前記基材シートを前記接合線の間隔を
狭めるように接合する工程。
成してもよい。または、前記長繊維層として、トウから
開繊された長繊維層を用いる。あるいは、前記長繊維層
として、フラットヤーンの層を用いてもよいし、また前
記長繊維層として、スプリットヤーンを用いてもよい。
または、前記長繊維層の代わりに、樹脂シートまたは不
織布から短冊状に切断された短冊状シートの層を使用す
ることも可能である。
は、熱溶着線であることが好ましいが、接着剤で繊維層
と基材シートを接合してもよく、また繊維層を基材シー
トに線状に縫合して前記接合線を形成してもよい。
して説明する。
物品10を示す部分斜視図である。この清掃用物品10
には、縦方向(Y方向)に長く、横方向(X方向)に所
定幅寸法を持つ長方形の基材シート11が設けられ、こ
の基材シート11の片面に繊維層12,12,…が接合
されている。また各繊維層12の繊維が主に延びる方向
はY方向である。ただし、繊維の延びる方向がY方向と
X方向の双方に対して傾斜していてもよい。
3,13,…は、Y方向すなわち前記繊維層12の繊維
の延びる方向へ一定の間隔(ピッチ)Pを開けて且つ前
記繊維の延びる方向と直交する方向に向けて互いに平行
に形成されている。ただし、前記接合線13,13,1
3、…の間隔Pは場所によって相違してもよく、また前
記各接合線13は、Y方向とX方向に対して傾斜してい
てもよい。あるいは前記各接合線13が波形状や曲線形
状あるいはV字形状の各パターンに形成されていてもよ
い。V字形状パターンの場合、V字の頂部が縦方向(Y
方向)へ向けられていることが好ましい。
繊維層12は、前記接合線13で基材シート11に止め
られて、繊維層12の自由端12aと自由端12bは、
接合線13を中心としてY方向での左右両側に延びてい
る。そして、接合線13を基端として一方の自由端12
aまで延びる繊維層12が刷毛部12Aとなり、接合線
13を基端として他方の自由端12bまで延びる繊維層
12が刷毛部12Bとなっている。
へ倒れていてもよく、使用時の床面などとの摺動力によ
って、繊維層12の自由端12a,12bが基材シート
11から立ち上がって刷毛部12Aと12Bが形成され
るものであってもよい。
領域では、一方の接合線13から前記刷毛部12Aを形
成する繊維層12が延び、他方の接合線13から前記刷
毛部12Bを形成する繊維層12が延びている。ここ
で、一方の刷毛部12Aを形成する繊維層12の接合線
13から自由端12aまでの繊維の長さ(多数の繊維の
平均長さ)をL1、他方の刷毛部12Bを形成する繊維
層12の接合線13から自由端12bまでの繊維の長さ
(多数の繊維の平均長さ)をL2としたときに、前記長
さL1とL2の合計L=L1+L2と、前記接合線13
の間隔Pとの関係は、P<L=L1+L2である。すな
わち、刷毛部12Aを形成する繊維層12と、刷毛部1
2Bを形成する繊維層12とが、共に基材シート11に
倒れたときに、刷毛部12Aを形成する繊維層12の先
部と、刷毛部12Bを形成する繊維層12の先部とが重
複する関係である。
くとも1.1倍以上が好ましく、さらに好ましくは1.
3倍以上、さらに好ましくは1.5倍以上である。
物品10Aを示す部分斜視図である。
態と同様に、基材シート11の片面に繊維層12が設け
られ、各繊維層12は繊維の主に延びる方向がY方向で
ある。前記基材シート11と繊維層12は、Y方向に一
定の間隔Pを開けて且つX方向へ互いに平行に延びる接
合線13,13,…により接合されている。
左方向へ延びており、接合線13から自由端12dまで
の部分の繊維層12で刷毛部12Dが形成されている。
この実施の形態では、隣り合う接合線13と接合線13
との間の領域において、一方の接合線からのみ刷毛部1
2Dが延びている。なお、接合線13で繊維層12が基
材シート11に止められるときに、前記繊維層12が接
合線13から図示右方向へ若干はみ出る。このはみ出し
部分の繊維層12の自由端12eと接合線13との間の
繊維長さL0はきわめて短く、2mm以下、好ましくは
1mm以下程度である。よって、接合線13から自由端
12eまでの部分は実質的に刷毛部としての機能を発揮
しない。
成する繊維層12において、接合線13から自由端12
dまでの繊維の長さ(多数の繊維の平均長さ)をLとし
たときに、接合線13と接合線13との間隔Pとの関係
は、P<Lである。すなわち、接合線13から延びる刷
毛部12Dを形成する繊維層12は、基材シート11側
に倒れたときに、隣りの接合線13に重なる関係であ
る。
1.1倍以上が好ましく、さらに好ましくは1.3倍以
上、さらに好ましくは1.5倍以上である。
毛部を形成している繊維層の接合線から自由端までの繊
維長さL=L1+L2、またはLが、接合線13の間隔
Pよりも大きいため、基材シート11上の全面での繊維
層12の平均密度を高くでき、繊維層12で形成される
刷毛部にボリューム感を持たせることができる。また床
面などの拭き取り作業を行う際に、刷毛部を形成する繊
維層12が押されたときに、この繊維層は隣り合う刷毛
部を形成する繊維層に重なるため、繊維層12が基材シ
ート11側へ倒れても直ちに復元できる。
1が露出しにくいため、基材シート11の面で直接に床
などを擦ることが少なくなり、床面などとの摩擦力を低
減でき、拭き取り感触を良好にできる。
された前記刷毛部により、微小な埃からパン屑まで、種
々のゴミを除去・捕集できる。
によって形成された不織布、樹脂フィルム、合成繊維を
含んだ布等、使用に耐えうる強度をもつものであればど
のようなものも使用することができる。例えば、強度が
高い点において、基材シート11は、芯がポリエチレン
テレフタレート、鞘がポリエチレンからなる複合繊維で
できたスパンボンド不織布などが使用可能である。また
後に説明する図3の工程で清掃用物品10または10A
を製造する際には、前記基材シート11として少なくと
もY方向へ弾性伸縮性を有しているものが使用される。
弾性伸縮性を有する基材シートは、捲縮繊維、または弾
性伸縮性繊維で形成された不織布、または前記弾性伸縮
性繊維を含む不織布、またはゴムシートなどである。
長繊維層(長繊維束)が使用される。長繊維層は、例え
ばポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエス
テル、レーヨンなどから製造される。この中でも、芯が
ポリエステル、鞘がポリエチレンの複合繊維を用いるこ
とが好ましい。その他、芯がポリエチレンテレフタレ
ート、鞘がポリエチレンの複合繊維、芯と鞘がポリエ
チレンテレフタレートの複合繊維、芯がポリエチレン
テレフタレート鞘がポリプロピレンの複合繊維、芯と
鞘がポリプロピレンの複合繊維、芯がポリプロピレン
鞘がポリエチレンの複合繊維などが使用可能である。ま
た、長繊維のデニールは1〜50dtexが好ましく、
更に好ましくは2〜10dtexである。また、長繊維
は必要に応じて捲縮させたものを使用することができ
る。また繊維層12が異なるデニールの繊維を含むもの
でもよい。この場合、基材シート11側に大きいデニー
ルの繊維層を設け、その上に小さいデニールの繊維層を
重ねてもよく、あるいはその逆であってもよい。
テープ状にスリットし、延伸させたフラットヤーンや、
スプリットヤーンと称される熱可塑性フィルムを樹脂の
配向方向と直交する方向にかきわけて、繊維状となった
フィルムが網目状に接合されているものを使用してもよ
い。その他、羊毛や毛糸等のように天然繊維を用いても
良い。
い。捲縮繊維としては、予め捲縮している羊毛や、繊維
形成後に捲縮処理を施すことによって形成された繊維で
ある。捲縮繊維を用いると、繊維層が嵩高くなり、さら
に捲縮部分に塵や埃を取り込み易い構造となる。特に、
トウ繊維から形成された捲縮繊維が好ましい。
トの束を使用することができる。この短冊状シートは、
不織布やフィルム等のシート状のものを、幅寸法が極め
て短い短冊状(例えば長方形)にし、その短冊状のシー
トを束にしたものである。
状シートの層は、熱可塑性樹脂(熱融着性繊維)を含有
することが好ましい。この場合、前記接合線13は、熱
エンボスロール加工や超音波溶着手段を用いた熱融着線
により形成できる。ただし、前記接合線13において基
材シート11と繊維層12または短冊状シートの層を接
着剤を用いて接着してもよいし、あるいは縫合して前記
接合線13を形成してもよい。前記接合線13の間隔P
は5〜50mmであることが好ましい。
の一部において、前記接合線13と接合線13との間を
渡る繊維層が設けられていてもよい。この場合、前記刷
毛部を形成する繊維層で細かなゴミを捕捉でき、接合線
13と接合線13を渡っている繊維層と基材シート11
との間に形成されるポケットで、比較的大きなゴミを捕
捉することが可能である。この場合、X方向へ向けて、
前記刷毛部と、前記ポケットを形成する繊維層が交互に
配置されていることが好ましい。
12に、パラフィン等の鉱物油、ポリオレフィン等の合
成油、シリコーン油などの油剤、埃の吸着剤、界面活性
剤などを塗布することが可能であり、また消臭剤、保湿
剤、抗菌剤等の物質を含有させることができる。
1の実施の形態を示している。図3では、図1に示す清
掃用物品10を製造する工程を一例として示している。
として少なくともY方向へ弾性伸縮性を有する不織布な
どが使用されている。
の張力Tを与えて、Y方向に伸長させる。このときの伸
長倍率(Py/P)は最低で1.1倍以上である。好ま
しくは1.3倍以上、さらに好ましくは1.5倍以上で
ある。
し、その上に長繊維層12Yを設置する。この長繊維層
12Yはトウから開繊されたもの、あるいはフラットヤ
ーンや、前記フラットヤーンを機械的な方法によって微
細に割裂させたスプリットヤーン、または前記長繊維層
12Yの代わりに用いられる短冊状シート層である。前
記長繊維12Yは繊維の主な延び方向がY方向となるよ
うに、前記基材シート11に重ねられる。
の状態で、基材シート11と長繊維層12Yを、接合線
13により接合する。接合線13はY方向へ等間隔(P
y)で且つX方向へ延びるように平行に形成される。ま
たこの接合線13はX方向へ向けて波形状でもよく、X
方向とY方向に対して傾斜していてもよく、あるいはV
字形状パターンとなるように形成されてもよい。
接合線13と接合線13との中点、すなわち前記間隔P
yの1/2の位置で、前記長繊維層12Yを切断する。
このときの切断線C1は、X方向へ延び且つ互いに平行
である。また前記切断線C1をX方向へ間欠的に形成
し、接合線13と接合線13との間で、長繊維層12Y
が切断されている領域と切断されていない領域とがX方
向へ交互に繰り返すように形成してもよい。また接合線
13が波形状やV字形状パターンに形成されている場
合、前記切断線C1も同じ形状で両側の接合線13と切
断線C1とが等間隔となるように形成されることが好ま
しい。
解除し、基材シート11をY方向へ自らの弾性収縮力に
より収縮させる。図3(B)は収縮後に完成した清掃用
物品10を示している。基材シート11の収縮により接
合線13の間隔はPyからPに収縮する。その結果、接
合線13から一方の側に延びる繊維層12により刷毛部
12Aが形成され、接合線13から他方の側に延びる繊
維層12により刷毛部12Bが形成される。ここで、刷
毛部12Aを形成する繊維層12の接合線13から自由
端12aまでの繊維長をL1、刷毛部12Bを形成する
繊維層12の接合線13から自由端12bまでの繊維長
をL2とするとL1≒L2である。また刷毛部12Aと
刷毛部12Bでの繊維長の合計L=L1+L2は、P<
L=L1+L2である。なお、PとLとの比率は、図3
(A)における基材シート11のY方向への伸長倍率に
より決まる。
3と接合線の中点で長繊維層12Yを切断したためにL
1≒L2であるが、前記切断線C1の位置を前記中心か
らY方向へずらすと、L1とL2が異なる長さとなる。
この場合もP<L=L1+L2である。
ように、一方の接合線13にきわめて近い位置の切断線
C1aで長繊維層12Yを切断すると、図2に示すよう
に、一方の接合線13から延びる繊維層12で刷毛部1
2D(繊維長さL)が形成された清掃用物品10Aを得
ることができる。
の保持を解除し、基材シート11がY方向へ収縮した後
に、前記切断線C1により長繊維層12Yを切断しても
よい。
2の実施の形態を示している。この製造方法は、図1に
示す清掃用物品10を製造するのに適している。
の上に第1の長繊維層12Y1を設置する。この場合も
長繊維層12Y1の主たる繊維の延びる方向はY方向で
ある。そして、基材シート11と第1の長繊維層12Y
1とを、第1の接合線13aにより接合する。この第1
の接合線13aは互いに平行であり、そのY方向の間隔
は2P(Pの2倍)である。この場合も接合線13aの
向き形状は自由であり前記のように波形やV字形パター
ンにすることができる。
う第1の接合線13aと第1の接合線13aとの間で前
記第1の長繊維層12Y1を切断する。この切断は、接
合線13aと接合線13aのほぼ中点で行う。このとき
図3(A)に示すような1本の切断線C1で長繊維層1
2Y1を切断してもよいが、図4(A)では、Y方向に
間隔W1を開けた2つの切断線C2,C2で長繊維層1
2Y1を切断し、切断線C2とC2との間で長さW1分
の長繊維層12Y1を除去している。その結果、図4
(B)に示すように、第1の接合線13aの両側におい
て、切断後の繊維層12により刷毛部12A1と12B
1が形成される。ただしこの状態では、刷毛部12A1
を形成する繊維層12の自由端12a1と、刷毛部12
B1を形成する繊維層12の自由端12b1との間に
は、Y方向に間隔(W1)が開けられている。
毛部12B1が形成された層の上に第2の長繊維層12
Y2が載せられる。この第2の長繊維層12Y2の繊維
の主な延び方向はY方向である。そして、前記刷毛部1
2A1の自由端12a1と、刷毛部12B1の自由端1
2b1との隙間において、前記第2の長繊維層12Y2
と前記基材シート11とを、第2の接合線13bにより
接合する。
13aと平行である。また前記第2の接合線13bと第
2の接合線13bとの間隔は2P(Pの2倍)であり、
第1の接合線13aと第2の接合線13bの間隔はPと
なるように接合線が形成される。このとき、第2の長繊
維層12Y2の下に位置する刷毛部12A1の自由端1
2a1と、刷毛部12B1の自由端12b1との隙間
(間隔W1)において前記第2の接合線13bを形成す
ることができるため、刷毛部12A1と刷毛部12B1
を形成する繊維層が、第2の長繊維層12Y2または基
材シート11に接合されることがない。
第2の接合線13bと第2の接合線13bとの間におい
て、第2の長繊維層12Y2を2つの切断線C3,C3
で切断する。前記切断線C3とC3はY方向に間隔W2
を開けて設定され、その結果、前記間隔W2分だけ前記
第2の長繊維層12Y2が除去される。前記間隔W2
は、図4に示す間隔W1と等しいことが好ましいが、必
ずしも等しくなくてもよい。
第2の接合線13bの一方の側に繊維層12Y2による
刷毛部12A2が形成され、他方の側に繊維層12Y2
による刷毛部12B2が形成される。すなわち、第1の
接合線13aと第2の接合線13bが等間隔Pを介して
交互に並び、また刷毛部12A1および刷毛部12B1
と、刷毛部12A2および刷毛部12B2が、Y方向へ
交互に並ぶことになる。
bとの間では、接合線13aから刷毛部12A1が延
び、接合線13bから刷毛部12B2が延びる。あるい
は、隣り合う接合線13aと接合線13bとの間では、
接合線13aから刷毛部12B1が延び、接合線13b
から刷毛部12A2が延びる。
3a又は13bから自由端12a1又は12a2までの
繊維長をL1、刷毛部12B2と12B1の接合線13
b又は13aから自由端12b2又は12b1までの繊
維長をL2とすると、P<L=L1+L2である。そし
てL1≒L2である。なお、図4(A)に示す切断長さ
W1と図4(C)に示す切断長さW2を変えると、前記
L1とL2は等しくなくなる。
13aの中点に形成せず、第2の接合線13bをいずれ
か一方の第1の接合線13aに近い位置に形成してもよ
い。
第3の実施の形態を示している。この製造方法では、図
5(A)において、非伸縮性の基材シート11の上に長
繊維層12Yまたは短冊状シートの層を、繊維がY方向
へ延びるように設置する。そして、基材シート11と前
記長繊維層12Yとを、接合線13により接合する。こ
の接合線13は前記各実施の形態で説明したように、互
いに平行でX方向に延びる。ただし、接合線13が波形
状やV字形状パターンであってもよい。
は、完成時の接合線13の間隔Pよりも長くしておく。
Py/Pは1.1以上、好ましくは1.3以上、さらに
好ましくは1.5以上である。
との中点において、切断線C1により長繊維層12Yを
切断する。そして、図5(B)に示すように、隣り合う
接合線13と接合線13との間で、基材シート11を上
方からブレードで押込むことで重合部11aを形成し、
この重合部11aを接合する。基材シート11が熱融着
性である場合には、前記ブレードで押込んだ後に、重合
部11aを両側から挟んで加熱加圧し溶着することで、
重合部11aを固めることができる。あるいは重合部1
1aでシート間を接着しあるいは縫合してもよい。
線13の間隔がPyからPに縮められる。よって、隣り
合う接合線13の一方から延びる刷毛部12Aの接合線
13から自由端12aまでの繊維長L1と、刷毛部12
Bの接合線13から自由端12bまでの繊維長L2と、
接合線13の間隔Pとの関係は、P<L=L1+L2と
なる。
い。また、図5(A)において、一方の接合線13にき
わめて接近した位置で長繊維12Yを切断線C1aで切
断すると、図2に示すように、隣り合う接合線13と1
3の間で一方の接合線13から長さLで延びる繊維層
(刷毛部12D)が設けられた清掃用物品10Aを得る
ことができる。
と接合線13との間の間隔をPyからPに縮めるための
重合部11aを形成した後に、長繊維層12Yを切断線
C1により切断してもよい。
は、Y方向に連続して延びる基材シート11上に繊維層
を接合した連続シートを形成することができる。この連
続シートを形成した後に、Y方向への所定寸法となるよ
うに切断することで、個々の清掃用物品10または10
Aを得ることができる。
維層を毛羽立たせる工程を設けて、各刷毛部において繊
維層の自由端が基材シート11から持ち上がるようにし
てもよい。
11の一方の面にのみ繊維層が形成されているが、基材
シート11の表裏両面に繊維層が形成されていてもよ
い。すなわち、基材シート11の両面に設置された繊維
層を前記接合線13あるいは13aと13bにより一緒
に熱融着して接合し、上下両面の長繊維層を前記切断線
C1、C2またはC1aで切断すれば、基材シート11
の両面に刷毛部を形成することができる。
は、清掃用モップに取付けて使用しても良いし、手で保
持して拭き取り作業を行ってもよい。
材シート上に繊維層をボリューム感を持たせて設置する
ことができる。また、刷毛部が基材シートの表面から外
側に向って起毛した状態を維持できるため、表面に凹凸
がある面のゴミも捕集できる。また、パン屑のように比
較的大きなゴミであっても捕集できる。
材シート上にボリューム感のある繊維層を簡単な工程で
形成することができる。
斜視図、
斜視図、
掃用物品の製造方法を工程別に示す断面図、
施の形態の清掃用物品の製造方法を工程別に示す断面
図、
掃用物品の製造方法を工程別に示す断面図、
B2,12D 刷毛部 12a,12b,12a1,12b1,12a2,12
b2,12d,12e自由端 12Y 長繊維層 12Y1 第1の長繊維層 12Y2 第2の長繊維層 13 接合線 13a 第1の接合線 13b 第2の接合線
Claims (21)
- 【請求項1】 基材シートと、前記基材シートの片面ま
たは両面に設けられた繊維層と、前記繊維層を前記基材
シートに接合する接合線とが設けられた清掃用物品にお
いて、 前記接合線は互いに所定間隔を開けて形成され、前記接
合線の間隔をP、隣り合う接合線間に位置する前記繊維
層の前記接合線から自由端までの長さの合計をLとした
ときに、P<Lであることを特徴とする清掃用物品。 - 【請求項2】 前記繊維層では、繊維が一方向へ揃えら
れて延びている請求項1記載の清掃用物品。 - 【請求項3】 隣り合う接合線間において、一方の接合
線から延びる前記繊維層のその接合線から自由端までの
長さをL1、他方の接合線から延びる前記繊維層のその
接合線から自由端までの長さをL2としたときに、P<
L=L1+L2である請求項1または2記載の清掃用物
品。 - 【請求項4】 前記L1とL2が等しい請求項3記載の
清掃用物品。 - 【請求項5】 前記L1とL2が相違する請求項3記載
の清掃用物品。 - 【請求項6】 隣り合う接合線間において、一方の接合
線のみから前記長さLの繊維層が延びている請求項1記
載の清掃用物品。 - 【請求項7】 前記繊維層の自由端が前記基材シートか
ら離れる方向へ向けられて前記繊維層により刷毛部が形
成されている請求項1ないし6のいずれかに記載の清掃
用物品。 - 【請求項8】 前記繊維層は、捲縮繊維で形成されてい
る請求項1ないし7のいずれかに記載の清掃用物品。 - 【請求項9】 前記繊維層は、トウから開繊された繊維
で形成されている請求項1ないし8のいずれかに記載の
清掃用物品。 - 【請求項10】 前記繊維層は、フラットヤーンにより
形成されている請求項1ないし8のいずれかに記載の清
掃用物品。 - 【請求項11】 前記繊維層は、スプリットヤーンによ
り形成されている請求項1ないし8のいずれかに記載の
清掃用物品。 - 【請求項12】 前記繊維層の代わりに、樹脂シートま
たは不織布から短冊状に切断された短冊状シートの層が
使用される請求項1ないし7のいずれかに記載の清掃用
物品。 - 【請求項13】 前記基材シートは、前記接合線の並ぶ
方向へ伸縮性を有するものである請求項1ないし12の
いずれかに記載の清掃用物品。 - 【請求項14】 少なくとも次の工程を含むことを特徴
とする清掃用物品の製造方法。 (a)伸縮性を有する基材シートを伸ばし、この基材シ
ートの伸び方向に沿って延びる長繊維層を前記基材シー
トの表面と裏面の少なくとも一方に重ねるとともに、前
記伸び方向へ間隔を開け且つ伸び方向と交叉する方向に
延びる複数の接合線により、前記基材シートと前記長繊
維層とを接合する工程、 (b)隣り合う接合線間で前記長繊維層を切断する工
程、 (c)前記(b)の工程の前または後で、前記基材シー
トに与えた伸びを解除して前記基材シートを収縮させる
工程。 - 【請求項15】 少なくとも次の工程を含むことを特徴
とする清掃用物品の製造方法。 (d)基材シートの表面と裏面の少なくとも一方に、一
方向に揃えられた第1の長繊維層を重ね、前記第1の長
繊維層の延びる方向へ間隔を開け且つ前記延びる方向と
交叉する方向に延びる複数の第1の接合線により、前記
基材シートと第1の長繊維層とを接合する工程、 (e)前記第1の長繊維層を、隣り合う第1の接合線間
で切断する工程、 (f)前記第1の長繊維層の上に、第2の長繊維層を前
記第1の長繊維層と同じ方向へ延びるように重ね、前記
第1の長繊維層が切断された部分において、前記基材シ
ートと前記第2の長繊維層とを、第2の長繊維層が延び
る方向と交叉する方向に延びる第2の接合線で接合する
工程、 (g) 前記第2の長繊維層を、隣り合う前記第2の接
合線の間で切断し、第1の接合線と、第2の接合線のそ
れぞれから延びる繊維層を形成する工程。 - 【請求項16】 少なくとも次の工程を含むことを特徴
とする清掃用物品の製造方法。 (h)基材シートの表面と裏面の少なくとも一方に、一
方向に揃えられた長繊維層を重ね、前記長繊維層の延び
る方向へ間隔を開け且つ前記延びる方向と交叉する方向
に延びる複数の接合線により、前記基材シートと前記長
繊維層とを接合する工程、 (i)前記長繊維層を、隣り合う接合線間で切断する工
程、 (j)前記(i)の工程の前または後で、前記基材シー
トを前記接合線の間隔を狭めるように接合する工程。 - 【請求項17】 前記長繊維層を、捲縮繊維で形成する
請求項14ないし16のいずれかに記載の清掃用物品の
製造方法。 - 【請求項18】 前記長繊維層として、トウから開繊さ
れた長繊維層を用いる請求項14ないし17のいずれか
に記載の清掃用物品の製造方法。 - 【請求項19】 前記長繊維層として、フラットヤーン
の層を用いる請求項14ないし17のいずれかに記載の
清掃用物品の製造方法。 - 【請求項20】 前記長繊維層として、スプリットヤー
ンの層を用いる請求項14ないし17のいずれかに記載
の清掃用物品の製造方法。 - 【請求項21】 前記長繊維層の代わりに、樹脂シート
または不織布から短冊状に切断された短冊状シートの層
を使用する請求項14ないし16のいずれかに記載の清
掃用物品の製造方法。
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JP2017196100A (ja) * | 2016-04-26 | 2017-11-02 | 山崎産業株式会社 | 洗浄又は清掃具 |
-
2000
- 2000-04-27 JP JP2000127081A patent/JP3628236B2/ja not_active Expired - Lifetime
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