JP2001296419A - 光学素子 - Google Patents

光学素子

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JP2001296419A
JP2001296419A JP2001022015A JP2001022015A JP2001296419A JP 2001296419 A JP2001296419 A JP 2001296419A JP 2001022015 A JP2001022015 A JP 2001022015A JP 2001022015 A JP2001022015 A JP 2001022015A JP 2001296419 A JP2001296419 A JP 2001296419A
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optical
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temperature
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JP2001022015A
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Tadashi Koyama
正 小山
Hiroaki Yamamoto
博章 山本
Koichiro Nakamura
浩一郎 中村
Atsushi Yamaguchi
山口  淳
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】環境温度が変化した場合、固体材料の屈折率が
温度により変化するとともに、物理的寸法も熱膨張によ
り変化する。光学素子においては、この2つの効果が重
なった形で光学長が変化し、光学的特性が変動してしま
う。 【解決手段】光学素子の光路を構成する材料を2つの材
料の混合体もしくは複合体とし、第1の材料と第2の材
料は屈折率の温度係数の符号が反対のものを選ぶ。これ
に適合する材料としては有機材料と無機材料の混合体ま
たは複合体がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信や光計測の
分野において、光の回折、干渉効果などを利用する光学
素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光通信の発展とともに、光学素子
の機能が著しく発展している。特に、波長多重光通信
は、通信容量の増大とともに、ますます重要になってき
ている。波長多重光通信は、従来、光ファイバーの中の
伝搬する光の波長が、1550nmなど、1波長に限ら
れていたものが、多波長を同時に送受信し、通信容量の
増大を図るものである。波長としては、1550nm付
近において、波長間隔1.6nmで8波長(チャンネ
ル)、あるいは0.8nm間隔で16波長などが実用化
されているが、今後、この波長間隔とチャンネル数は増
大する傾向にある。このような通信方式においては、各
波長の合波、分波などの機能が重要になってくる。特
に、複数の波長を分離するためには、光の回折、干渉な
どの効果を用いている。
【0003】これらの代表的な例としては、光ファイバ
ブラック格子がある。図1に示すようなクラッド層4と
その内部のSiO2とGeO2を含むコア3とからなる光
ファイバ2に対して、コア3部分に周期的な強度分布を
持つ紫外光5(例えば248nmの波長をもつ、エキシ
マレーザを用いる)を照射することにより、コア3内に
屈折率の高い部分9と低い部分を周期的に形成でき、こ
の部分が光ファイバブラッグ格子1として機能する。周
期的な光強度分布の発生には、フェーズマスク6等を使
用し、その回折光7,8を干渉させる。光ファイバブラ
ッグ格子1は、波長多重光通信においては、波長分離素
子として重要な役割を果たし、所望の波長のみを反射さ
せ、取り出すの役立つ。
【0004】また、このようなブラッグ格子は、光ファ
イバ中に作製するのみならず、感光性ポリマーなど平板
状部材に、屈折率の高い層と低い層を周期的に作ること
により、波長分離素子、フィルタとしても応用できる。
さらに、J. Lightwave Technology(ジャーナル・オブ
・ライトウエーブ・テクノロジー)16巻、265頁、
(1998)に示されるような光ファイバにより構成さ
れたマッハ−ツエンダ型の干渉素子、また、同誌17
巻、771頁、(1999)に示されるような、導波路
により構成されたマッハ−ツエンダ型の干渉素子におい
て、2つに分離した光路を通過する光の干渉する効果を
利用した構成のものも、光通信技術の中では用いられて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところがこのような光
学素子において、温度が変化した場合、屈折率が温度に
より変化するとともに、素子の長さも温度とともに変化
する。この2つの効果が重なった形で光学長が変化し、
たとえば、光ファイバブラッグ回折格子では、反射波長
が設計値よりもシフトしてしまう。たとえば、J. Light
wave Technology(ジャーナル・オブ・ライトウエーブ
・テクノロジー)14巻、58頁、(1996)によれ
ば、シリカ光ファイバにおける温度による波長のシフト
は、0.01nm/℃程度としており、温度が−20℃
から80℃まで変化すると、1nm程度反射波長が長波
長側にシフトする。これは前述の、波長多重光通信にお
ける波長間隔を越えるものであり、本質的にシステムを
成り立たなくさせる重大な問題点である。光ファイバブ
ラック回折格子は一例であるが、他の光学素子において
も同様な弊害が発生する。本発明の目的は、上記のよう
な温度変化による光学長の変化を減少させ、波長多重光
通信に適用できる光学素子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】光学素子の光路を構成す
る材料を第1の材料と第2の材料の混合体もしくは複合
体とし、第1の材料の屈折率と第2の材料の屈折率は符
号が反対の温度係数をもつものを選ぶ。これに適合する
材料としては有機材料と無機材料の混合体または複合体
がある。
【0007】有機材料としては炭化水素および/または
炭化水素の誘導体を主体とする材料を用い、無機材料と
してはSiO2、TiO2、GeO2、Al23、Zr
2、B 23、Na2O、MgO、CaOの少なくともい
ずれか1つを成分として含むガラス材料を使用する。
【0008】なお、出発原料としては有機化合物と無機
化合物を混合したものを使用してもよいが、有機無機複
合体を使用するのがさらに好ましい。また、上記材料で
構成される光学素子は、その製造過程において150℃
を越える温度で加熱処理されることが望ましい。
【0009】上記のような材料を用いて、回折格子、干
渉フィルタ、ホトニッククリスタル、エタロン、光導波
路などの光学素子を構成することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】上記のような光の干渉、回折を用
いる光学素子は一部、プラスチックなどもあるが、大部
分はガラスなどの無機材料で構成されることが多い。温
度が変化した場合の光学的変化は、屈折率が温度により
変化し結果的に光路長が変化する項と、熱膨張により物
理的な光路長が変化する項が重なり合って、光学的特性
の変化が起こる。たとえば、光ファイバブラッグ回折格
子を考えた場合、反射波長は式1のようにかける。
【数1】λB=2nΛ ただし、λB は中心波長、nは伝搬モードの有効屈折
率、Λを回折格子の周期とする。
【0011】温度がΔT℃変化したときの中心波長は式
2のようになる。
【数2】 λBT=2(n+(dn/dT)ΔT)・(Λ+αΛΔT)) =2(nΛ+(dn/dT)ΔTΛ+nαΛΔT +(dn/dT)ΔTαΛΔT) ここでdn/dTは屈折率の温度係数、αは線膨張係数
である。これらはともに10-6台の値であるから、式2に
おける最後の項は無視してもかまわない。温度変化(Δ
T)による光ファイバ回折格子の波長シフトΔλは、式
3のようになる。
【数3】Δλ=2{(dn/dT)+nα}ΔTΛ
【0012】さらに、波長のシフトをゼロにするために
は、式3の右辺括弧内をゼロにすれば良いことが容易に
わかる。すなわち式4が成り立てばよい。
【数4】(dn/dT)+nα=0
【0013】n、αは通常正数であるため、式4が成り
立つためには、dn/dTの項を負にする必要がある。
この条件は、ファイバーブラック格子を例にとったがエ
タロン、干渉性導波路などにおいても必要な条件とな
る。多くのガラス材料の屈折率の温度係数dn/dTは
正で、特殊なものは負のものもあるが、nαがそれより
も大きな正の数値になるため、式4左辺をゼロにするの
は困難である。一方、有機化合物は「機能材料」10月
号、頁5、1998年に示されるように負のdn/dT
を持つものが多く、式4左辺は負になり得る。
【0014】以上のことより、有機化合物と無機化合物
の混合物は、温度の依存性をなくすことができる。本発
明では、光学素子を構成する基本材料を、有機材料と無
機材料の混合体もしくは複合体とすることで、問題を解
決しようとするものである。ここで混合体とは、有機化
合物と無機化合物を単純に混合撹拌した材料である。ま
た複合体とは、有機成分と無機成分が共有結合や配位結
合等の化学結合をしている材料である。以下に有機材料
と無機材料の組成比を目標値を決定する方法を説明す
る。
【0015】(1)有機材料、無機材料それぞれについ
て、有機材料のみの室温における屈折率np、無機材料
のみの室温における屈折率ni、有機材料のみの屈折率
温度係数dnp/dT、無機材料のみの屈折率温度係数
dni/dT、有機成分材料のみの線膨張係数αp、無機
材料のみの線膨張係数αiを計測により求める。
【0016】(2)ローレンツ−ローレンスの関係より
導かれる式5を用い、上記測定値に対するφp、φiを求
める。
【数5】dnm/dT=[{(nm 2−1)(nm 2
1)}/6nm](φm−3αm) ただし有機材料に対してはm=p、無機材料にたいして
はm=iとする。
【0017】(3)有機材料と無機材料の組成比xを変
数とした逐次漸近法により、以下の式6〜式11を用い
て混合体もしくは複合体の室温における屈折率nc、屈
折率温度係数dnc/dT、線膨張係数αcを求め、式4
が成り立つ該光学素子を構成する材料の無機成分のモル
数xを決定できる。
【数6】nc 2=(Vc+2Rc)/(Vc−Rc
【数7】Vc=Vix+Vp(1−x)
【数8】Rc=Rix+Rp(1−x)
【数9】αc=[αi・Vix/{Vp(1−x)+V
ix}]+[αp・Vp(1−x)/{Vp(1−x)+V
ix}]
【数10】φc=[φi・Vix/{Vp(1−x)+Vi
x}]+[φp・Vp(1−x)/{Vp(1−x)+Vi
x}]
【数11】dnc/dT=[{(nc 2−1)(nc 2
1)}/6nc](φc−3αc
【0018】ここで、φcは該光学素子を構成する材料
の電子分極の温度係数、Vcは該光学素子を構成する材
料の分子容 、Vpは有機成分材料のみの分子容、Vi
無機成分材料のみの分子容、Rcは該光学素子を構成す
る材料の分子屈折、Rpは有機成分材料のみの分子屈
折、Riは無機成分材料のみの分子屈折である。
【0019】なお、ここで言う組成比、すなわちモル分
率は、つぎのような基準で無機成分と有機成分を区別
し、その構成原子数の比で定義する。無機成分は金属元
素(Si、Ti、Zr、Al、Zn、In、Sn等)と
それに直接結合している酸素原子、ハロゲン原子の個数
で濃度を規定する。有機成分は上記無機成分以外の元素
(C、H、Cl、F、Br、I、O等)の原子数で規定
する。ただし調合時に含有されていても、分解、揮発す
る物質は成分として考慮せず、残留する成分のみを考慮
する。例えば溶媒のエタノール、Si−OC25が加水
分解して発生するC25OHは揮発すれば成分とは考え
ない。また無機化合物中に含まれる有機成分は有機成分
として計算する。例えば、有機ケイ素化合物について
は、CH3−SiのCH3基、Ph−SiのPh(フェニ
ル)基、CH2=CH−SiのCH2=CH基はすべて有
機成分として算入する。
【0020】
【実施例1】混合する材料は無機物としてSiO2、有
機物として光重合性モノマーを念頭に置いて試料作製を
行った。これらの材料を均一に混合するために、ゾルゲ
ル法を主体とする反応を用いた。SiO2(屈折率約
1.42)の原料としてはテトラエトキシシラン(TE
OS)、光重合性モノマーとしては、2−ヒドロキシ−
3−フェノキシプロピルアクリレート(CH2=CHCOOCH2C
(OH)HCHO-C6H5:HFPA)を用いた。有機成分と無機
成分の比は、TEOSの加水分解した後のSiO2とH
FPA、重合開始剤および増感剤との組成比で決めた。
【0021】本実施例では、無機成分を10モル%、か
ら90モル%近くまで変化させ、その効果を調べた。な
お、無機成分が90モル%を越え、有機成分が10モル
%以下に減少すると、光重合性モノマーが少ないため感
光性がなくなり、下記の露光記録ができない。一方、無
機成分が10%以下、有機成分が90%を越えると、材
料が塑性変形し易くなるため、光学的な端面加工などが
難しくなり、また耐候性にも問題が生じる。有機成分は
50%以下に抑えた方が上記の問題点を緩和するために
望ましい。
【0022】導波路構造を製作する手順をつぎに説明す
る。まず、無機成分のベースとなるTEOS反応液を以
下の手順で準備した。TEOS:90g、THF:20
cc、i−PA:100cc、H2O:15.6cc、
HCl:7.2ccを混合し、80℃で30分反応させ
た。その後、HFPAを所定の量混合し、さらに光重合
開始剤として、3,3,4,4−テトラ(t−ブチルパ
ーオキシカルボニル)ベンゾフェノン(BTTB:日本
油脂製)を固形分に対して10wt%、さらに可視光増
感剤としてケトクマリン色素(3,3−カルボニルビス
(7−ジエチルアミノクマリン)、KCD)を固形分に
対して0.5wt%混合した。その後、反応生成物を石
英ガラス基板上にスピンコートし、2.5μmの厚みの
目的とする材料を得た。
【0023】この材料は、干渉光により、光強度の強い
部分では光重合性モノマーが重合する。325nmの光
源(He−Cdレーザ)を用いて2光束干渉露光法によ
り432nmの周期構造を有する回折格子を形成した。
2光束干渉露光法の光学的配置を図2に示す。レーザ光
源20の発するレーザ光42をミラー22で折り返し、
ビームスプリッタ24で2つの光束43,44に分け
る。この2光束43,44をミラー26,28でそれぞ
れ反射させた2つの光束45,46を上記材料の薄膜か
らなる試料30上で干渉させ周期的な強度をもつ露光を
行った。露光した部分の重合が進み、それとともに屈折
率が高くなり、結果として、屈折率が周期的に変化する
回折格子が得られた。 干渉露光は、2Λ・sinθ=
λ (λ:露光の光波長、Λ:干渉縞のピッチ、θ:干
渉露光の角度)の式に従って設定し、角度を22.1度
で照射した。
【0024】この後、160℃で加熱処理を行い、目的
とする回折格子を得た。このように150℃を越える温
度での加熱処理を施すことで、上記反応液の調整過程で
溶媒として添加された水やアルコール類を揮発させ、こ
れらが材料中に残留するのを防ぐことができる。これに
より素子形成後にこれらの溶媒の揮発が生じて材料が収
縮するのを抑えることができ、光学素子の温度変化を低
減することができる。
【0025】ただし加熱によって創製した材料中の有機
成分が分解しないように有機成分に応じて加熱温度を設
定する必要がある。この加熱温度の上限値は、用いる有
機成分の化学構造によって異なる。例えば、耐熱性に優
れたケイ素−炭素骨格からなる有機ケイ素化合物あるい
はポリイミドについては、550℃以下、好ましくは4
00℃以下、より好ましくは350以下で加熱される。
エポキシ、アクリルなどの有機成分については、350
℃以下、好ましくは300℃以下、より好ましくは25
0℃以下で加熱される。
【0026】図3に示すように基板50上の薄膜52内
の一部に回折格子54が形成された。この角度で露光す
ることにより得られた回折格子54は432nmのピッ
チを持っていた。薄膜52はスラブ導波路56としての
機能するので、図3に示すように端面方向から光を導波
させることができる。導波光の光源は波長1280nm
にピークを持つLEDで、そのスペクトルの広がりは±
100nmほどある。
【0027】たとえば、有機成分が16モル%程度含ま
れる試料は、屈折率が1.50であり、透過光をスペク
トルを光スペクトラムアナライザで解析したところ、2
0℃では1280nmの波長に図3に示すようなブラッ
グ格子の反射に起因するスペクトルの抜けが観察され
た。回折格子の回折波長は試料の屈折率により変化する
が、上記の広いスペクトル幅の帯域に収まるものであっ
た。また、回折格子を作製していないスラブ導波路56
部分の導波パターンを赤外線ビジコンで観察した結果、
縦方向に光の閉じ込めがあり、縦方向(膜厚方向)には
シングルモードであることが確認できた。回折格子54
の格子縞に対して垂直に光を入射した場合は、式1に従
う回折光が得られる。
【0028】作製した試料の回折特性の温度依存性を測
定した。測定は温度コントロール機能を持った素子(ペ
ルチェ素子)を使い試料の温度を変化させた。温度変化
に伴う回折格子に起因する波長がシフトは、図4に示す
ように、有機成分が多い試料においてはマイナスで、無
機成分が多い試料ではプラスとなったが、単一の組成の
場合よりも少ないシフト量であった。とくに有機成分が
16モル%の付近に温度変化による波長シフトが起こら
ない組成が存在することが見出された。さらに材料を個
々の物性を測定したところ、有機成分が16モル%の試
料は式7〜11の関係を良く満足することがわかった。
【0029】
【実施例2】光重合性モノマーとして、2−ヒドロキシ
−3−フェノキシプロピルアクリレートの代わりにメチ
ルメタクリレートを用いた以外は、実施例1と同様の方
法で回折格子を得て、同様に回折特性の温度依存性を測
定した。図5に示すように、この場合には、有機成分が
20モル%付近で温度変化による波長シフトが起こらな
い組成が存在することが見出され、式7〜11の関係を
良く満足することがわかった。
【0030】(比較例)上記実施例の材料における、S
iO2成分の代わりに、ポリメチルメタクリレート:3
0gを溶媒としてジオキサン:70gを用い、他は実施
例と同様、有機物のモノマーとしてはHFPAを20g
、光重合開始剤にBTTBを固形分に対し10wt
%,可視光増感剤にKCDを固形分に対し0.5wt%
混合し、基板に塗布して成膜した。屈折率は1.523
であった。この材料も、紫外光により重合が進むため、
回折格子などを作製することができる。また、屈折率が
上記実施例より高いため、シングルモードを得るために
膜厚は2μmとした。回折格子のピッチは、屈折率が実
施例の場合と違うため、露光角度を変更し421nmと
した。この試料の回折特性を実施例と同様の方法で測定
した。20℃での反射波長が1280nmであったが、
温度を70℃まで変化した場合、波長は明らかに高エネ
ルギー側(波長の短い方向)にシフトし、70℃では
1.3nm程度のシフトが観測された。
【0031】本実施例および比較例においては、干渉露
光により図3に示すような構造の導波路型ブラッグ回折
格子を作製することによりその効果を確認したが、この
ような導波路型ブラッグ回折格子を作製すること自体は
本発明の本質ではなく、上記実施例に示したような材料
を用いることにより、熱膨張の影響と、温度による屈折
率の変化の影響を相殺することができることが重要であ
る。このような特性を持つ材料は、回折格子の他、干渉
フィルタ、ホトニッククリスタル、エタロン、光導波路
などの材料として好適である。
【0032】この材料の創成するための有機化合物の出
発原料としては、炭素の酸化物、金属炭酸塩を除くすべ
ての炭素化合物、とくに炭化水素基を有する化合物が適
用できる。また光重合性モノマーは上記のHFPAに限
られず、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、アリル
基等を含む各種モノマーが使用できる。光重合性モノマ
ーに対してはラジカルを発生させる光重合開始剤を、ま
た光の波長に応じて、色素などを添加しても良い。また
無機化合物の出発原料としては上記TEOSに代表され
る金属アルコキシドのほか、金属ハロゲン化物、金属錯
体などが使用できる。
【0033】しかし特定の有機化合物と無機化合物を混
合する場合に、相溶性が悪いため分相、白化現象が生じ
る場合がある。例えば、無機化合物を生成する過程で発
生するシラノール基などの水酸基に対して、これと結合
しやすい官能基(例えば、アミド結合、イミド結合、ウ
レタン結合など)を有機化合物が含んでいない場合、上
記の問題が生じる。これに対して原料の時点で有機化合
物と無機化合物が結合している有機無機複合体を用いる
と、相溶性が改善する効果がある。このような有機無機
複合体としては、ビニルシラン、アクリルシラン、メタ
クリルシランなどを使用するのが好ましい。
【0034】最終的に本発明の光学素子を構成する有機
材料には、炭素の酸化物、金属の炭酸塩などを除く、上
記出発原料から得られるすべての炭素化合物が含まれ
る。構成元素が、炭素、水素、酸素、窒素、硫黄、リ
ン、ハロゲンなどである有機化合物であれば良い。
【0035】一方、最終的に本発明の光学素子を構成す
る無機材料としては、SiO2を主体としたガラス材料
が使いやすいが、これに限ることはなく、TiO2、G
eO2、Al23、ZrO2、B23、Na2O、Mg
O、CaOなどを主体とするもの、あるいはそれらが混
合されたものでも構わない。
【0036】上記出発原料からの材料の創製には、ゾル
ゲル法が適しているが、単純に混合するなどの方法であ
ってもよい。有機材料と無機材料の比率を考慮すること
が重要である。また、式11の関係は、基板上の材料に
当てはめることも可能であり、広範な範囲で応用と材料
選択が可能である。
【0037】
【発明の効果】本発明の材料の採用により、光路長が温
度の影響を受けない回折光学素子、干渉を利用した光学
素子、エタロン等を作製できる。したがって、温度補償
設備を別途準備する必要なく、温度変化に対して特性の
極めて安定な光学素子を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ファイバブラッグ回折格子の作製方法および
光ファイバブラッグ回折格子の構造を示す図である。
【図2】2光束干渉露光法による回折格子作製の光学的
配置図である。
【図3】本発明の実施例の導波路型回折格子の斜視図で
ある。
【図4】本発明の実施例における無機材料の組成比と波
長シフト量の関係を示すグラフである。
【図5】本発明の他の実施例における無機材料の組成比
と波長シフト量の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 光ファイバブラッグ格子 2 光ファイバ 3 コア 4 クラッド 5 照射光 6 フェーズマスク 7、8 フェーズマスクによる回折光 9 光照射により屈折率が変化した領域 20 レーザ 22,26,28 ミラー 24 ビームスプリッタ 30 試料 42,43,44,45,46 光束 50 基板 52 薄膜 54 回折格子 56 スラブ導波路
フロントページの続き (72)発明者 中村 浩一郎 大阪府大阪市中央区北浜4丁目7番28号 日本板硝子株式会社内 (72)発明者 山口 淳 大阪府大阪市中央区北浜4丁目7番28号 日本板硝子株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体材料からなる光学素子において、該光
    学素子の光路を構成する材料が、第1及び第2の材料の
    混合体もしくは複合体からなり、前記2材料の屈折率の
    温度係数の符号が互いに反対であることを特徴とする光
    学素子。
  2. 【請求項2】前記第1の材料が有機材料、第2の材料が
    無機材料であることを特徴とする請求項1に記載の光学
    素子。
  3. 【請求項3】前記有機材料が炭化水素および/または炭
    化水素の誘導体を主体とする材料であることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の光学素子。
  4. 【請求項4】前記無機材料がSiO2、TiO2、GeO
    2、Al23、ZrO2、B23、Na2O、MgO、C
    aOの少なくともいずれか1つを成分として含むガラス
    材料であることを特徴とする請求項1または2に記載の
    光学素子。
  5. 【請求項5】前記複合体は、出発原料を有機無機複合体
    として合成されることを特徴とする請求項1に記載の光
    学素子。
  6. 【請求項6】製造過程において150℃を越える温度で
    加熱処理されることを特徴とする請求項1乃至5に記載
    の光学素子。
  7. 【請求項7】前記光学素子が回折格子、干渉フィルタ、
    ホトニッククリスタル、エタロン、光導波路のいずれか
    であることを特徴とする請求項1乃至4に記載の光学素
    子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102674812A (zh) * 2011-02-09 2012-09-19 株式会社小原 光程的温度依赖性小的氧化物材料

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