JP2001289847A - リボソームリサイクリングファクターの阻害物質のスクリーニング方法 - Google Patents

リボソームリサイクリングファクターの阻害物質のスクリーニング方法

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JP2001289847A
JP2001289847A JP2000110582A JP2000110582A JP2001289847A JP 2001289847 A JP2001289847 A JP 2001289847A JP 2000110582 A JP2000110582 A JP 2000110582A JP 2000110582 A JP2000110582 A JP 2000110582A JP 2001289847 A JP2001289847 A JP 2001289847A
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Giichi Nakamura
義一 中村
Tomohiko Toyoda
友彦 豊田
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RRF KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】RRFの活性発現において重要な役割を持つ立体
構造を標的とする薬剤のスクリーニング方法の提供。 【解決手段】RRFのヒンジ部分を標的とする薬剤のスク
リーニング方法が提供された。高度好熱菌であるT.ther
mophilusに由来するRRFにおける立体構造と活性の関係
を明らかにした結果、ヒンジ部分がRRFの活性と密接に
関連していることが見出された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細菌のリボソーム
リサイクリングファクター(Ribosome RecyclingFacto
r;以下、RRFと記載する)活性の阻害物質のスクリーニ
ング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】細菌のタンパク質合成最終段階に関わる
因子(RRF;リボソーム・リサイクリング・ファクター、
Kaji a.et al.,Disassembly of the post-termination
complex and reduction of translational error by ri
bosome recycling factor (RRF) -A possible new targ
et for an antibacterial agents.Biochem.Biophys.Re
s.Commun.250:1-4,1998)は、細菌の増殖に必須のタン
パク質である。タンパク質合成の最終段階では、完成し
たペプチドがペプチジルtRNAから遊離する反応が起き、
終止コンプレックスと呼ばれる複合体が生じる。タンパ
ク鎖の翻訳開始ステップ(第1ステップ)、タンパク鎖
延長ステップ(第2ステップ)、そしてタンパク鎖合成
終止ステップ(第3ステップ)に続くこの段階は、リボ
ソームリサイクリングステップ(第4ステップ)と呼ば
れている。終止コンプレックスは、mRNA、tRNA、そして
70sリボソームから構成されている。RRFは、終止コンプ
レックスを構成している各要素をばらばらにして再びタ
ンパク質合成に利用可能な状態とする機構を支えるタン
パク質である。RRFは一連の作業をタンパク鎖延長因子
であるEF-G(elongation factor-G、あるいはtranslocas
e)、ならびにGTPと協力して行っている(Hirashima A.et
al.,Factor-dependent release of ribosomesfrom mes
senger RNA.Requirement for two heat stable factor
s. J.Mol.Biol.65:45-38,1972)。
【0003】RRFが関与するタンパク質合成の第4ステ
ップは、細菌と真核生物とでは機構が異なっている。た
とえば、細菌においてはRRFは必須だが、真核生物にお
いては必須ではない。したがって、RRF阻害物質は細菌
に対して選択毒性を示すものと期待される。またRRFは
すべての病原細菌に存在している。更にこれまでに明ら
かにされたRRFの構造を比較すると、アミノ酸配列レベ
ルで40-60%程度のホモロジーを有し、各細菌に固有のRR
Fが存在する。したがって、個々の微生物に特異的なRRF
阻害剤を実現できる可能性が有る。このような背景か
ら、現在RRFは抗生物質の新しい標的因子として注目さ
れている。RRFの阻害は、細菌の生理学的状況により、
致死的または増殖抑制的に働き、RRFの阻害機構は他の
タンパク質合成阻害とは全く異なることが明らかにされ
てきた(Janosi L.,Evidence for in vivo ribozome re
cycling, the fourth step in protein biosynthesis.
EMBOJ.17:1141-1151,1988)。このように、RRFを選択的
に阻害する物質は、従来から存在する抗生物質とは全く
異なる新しい抗菌剤となることが期待される。
【0004】ペニシリンの発見以来、人類は数多くの抗
生物質を手にした。そして抗生物質は感染症治療に大き
く貢献し、結核や赤痢などの伝染病を克服してきた。抗
生物質の登場で人類は、細菌感染との戦いに勝利したと
まで言われたこともあった。しかしながら、高齢化が進
み、高度医療の進展による感染のハイリスク者が増加し
ている昨今、抗生物質に耐性を持った薬剤耐性菌の出現
と拡大が懸念されている。例えば、既に克服されたと思
われた結核菌も再び耐性病原菌として台頭しつつある。
黄色ブドウ球菌等にも薬剤耐性を持つ菌(MRSA; methic
illin resistant Staphylococcus aureus)が増加して
いる。また、MRSAに対する唯一の特効薬と考えられてい
たバンコマイシンにも、低感受性のMRSAの存在が報告さ
れ始めている。その他、バンコマイシン耐性腸球菌(VR
E;vancomycin resistant enterococcus)の拡散も心配
されている。
【0005】こうした状況の中で、既知の抗生物質とは
全く異なった作用機序で、病原微生物に作用するRRF阻
害剤を作り出すことは、閉塞状況にある薬剤耐性菌対策
を打開する有効な手立てでもある。しかしこれまでにRR
F活性阻害による抗菌剤についての報告は無い。
【0006】ところで、現在ではコンピューターを利用
したCARDD(Computer Aided Rational Drug Design)が実
用的なレベルで活用されるようになり、創薬工程が飛躍
的に効率化されつつある。CARDDに代表されるように、
コンピューターによる創薬システムにおいては、ターゲ
ットとなる分子の3次元構造の解析が前提となる。従っ
て、RRFについての3次元構造の解析、さらには分子内の
ターゲットとなりうる構造部位の決定は、RRFをターゲ
ットとした新規抗菌剤を開発する上で非常に重要であ
る。また、RRFの機能を決定する構造領域が明らかにな
れば、該領域を含むタンパク質断片を用いて、生化学的
に該断片と結合する物質をスクリーニングすることが可
能となる。このスクリーニングにより選択された物質
は、RRFの活性を阻害することが予想されるため、該物
質を有効成分として含む抗菌剤の開発が期待できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、RRF
の活性発現のために必要な立体構造を明らかにし、この
構造を標的とする薬剤のスクリーニング方法を提供する
ことである。RRFの一次構造(配列番号:1)は既に明
らかにされている。しかし本発明においては、その立体
構造と活性の関係を解明することによって、より効果的
な薬剤を効率的にスクリーニングすることができる方法
の提供を課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の課題を
解決するために、まず比較的結晶化が容易な高度好熱菌
Thermus thermophilusのRRF(以下、ttRRFと記載する)
について、結晶構造解析を行った。その結果、RRFは2つ
のドメインを有し、かつその間の領域がヒンジを形成す
ることを見出した。一方、RRFの機能確認方法である変
異大腸菌を利用した機能相補試験によれば、ttRRFは大
腸菌におけるRRFの機能を相補することができない。と
ころが本発明者は、RRFのヒンジ領域を構成するアミノ
酸に変異を導入する、もしくは該ヒンジ構造に近接した
アミノ酸を欠失させると、ttRRFが大腸菌において活性
を獲得することを見出した。このことはRRFのヒンジ構
造が、RRFの機能にとって非常に重要な役割を果たして
いることを示唆するものである。つまりRRFにおけるヒ
ンジ領域は、活性発現に必要な構造であると考えられ
た。本発明者は、これらの知見に基づいて、この領域に
結合する化合物との立体的、あるいは静電的な作用によ
ってヒンジの柔軟性(flexibility)を変化させれば、RRF
活性を効果的に阻害できると考えた。あるいはヒンジ構
造の柔軟性自体に大きな変化を起こさない場合でも、活
性発現に重要なアミノ酸残基を修飾(ブロック)するこ
とでRRF活性の阻害につながるものと考えられた。とこ
ろで本発明者によって明らかになったRRFのヒンジ構造
は、以前結晶構造解析が行われた別の高度好熱菌Thermo
toga maritimaのRRFにおいても、同様に存在する(M. Se
lmer et al. Science 286: 2349-2352, 1999)。従ってt
tRRFに見られるヒンジ構造は、種を問わず様々な細菌に
由来するRRFに、普遍的に見られる構造であるものと推
定される。本発明者は、このRRFのヒンジ構造を構成す
る領域を含むペプチドを利用することにより、RRFをタ
ーゲットとした効率的な薬剤のスクリーニングが可能で
あることを見出し、本発明を完成させた。すなわち本発
明は、以下のスクリーニング方法に関する。
【0009】〔1〕次の工程を含む、リボソームリサイ
クリングファクター活性の阻害物質のスクリーニング方
法。 (i)リボソームリサイクリングファクターのヒンジ構造
を構成する領域を含むペプチドを、候補化合物と接触さ
せる工程、(ii)前記ペプチドと結合した候補化合物を選
択する工程。 〔2〕ヒンジ構造を構成する領域が、リボソームリサイ
クリングファクターのループ領域である、〔1〕記載の
方法。 〔3〕ループ領域が「-Thr-Gly-Arg-Ala-」配列を含
む、〔2〕記載の方法。 〔4〕ループ領域が「-Ile-Pro-Pro-Leu-」配列を含
む、〔2〕記載の方法。 〔5〕ヒンジ構造を構成する領域が、リボソームリサイ
クリングファクターのC末端領域である、〔1〕記載の
方法。 〔6〕C末端領域が、「-Gln-Glu-Ile-Leu-Gly-」配列
を含む、〔5〕記載の方法。 〔7〕〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の方法によって
選択される化合物を、有効成分として含有する抗菌剤。 〔8〕リボソームリサイクリングファクターのヒンジ構
造にフィットする化合物を検索する工程、を含む抗菌活
性を有する化合物の設計方法。
〔9〕候補化合物が〔8〕に記載の方法によって設計さ
れた化合物である、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の
方法。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、RRF活性の阻害物質の
スクリーニング方法に関し、以下の工程から構成され
る。 (i)RRFのヒンジ構造を構成する領域を含むペプチドを、
候補化合物と接触させる工程、(ii)前記ペプチドと結合
した候補化合物を選択する工程。
【0011】本発明においてRRFのヒンジ構造を構成す
る領域とは、ヒンジ構造を形成する領域とともに、その
柔軟性を決定している領域を含む。RRFのヒンジ構造と
は、RRFのドメイン1とドメイン2の間にあって、ちょ
うどRRF分子が折れ曲がった部分に相当する構造を言
う。RRFは、αヘリックス構造を持つドメイン1と、主
としてβシートから構成されるドメイン2から構成さ
れ、両者がヒンジ構造で結ばれている。より具体的に
は、図1のBにおいてloop 1およびloop 2として示され
た領域が、ヒンジ構造を構成する。更に、本発明者が得
た知見によれば、ドメイン1のαヘリックスの一つであ
るH5(図1−B)は、ヒンジ構造の柔軟性を左右してい
るものと思われた。特にttRRFのC末端に相当するH5のヒ
ンジ領域側を構成するアミノ酸はヒンジの柔軟性を大き
く左右し、その活性発現に対する影響力が大きい。した
がって、これらの領域は、本発明のスクリーニング方法
における標的として有用である。より具体的には、loop
1としてはttRRFにおけるアミノ酸配列中26〜36位
のアミノ酸配列を含むペプチドを、本発明のスクリーニ
ング方法における標的ペプチドとして利用することがで
きる。より望ましくは、「-Thr-Gly-Arg-Ala-」(30
−33位)を含むペプチドをloop 1に相当するペプチド
として利用することができる。
【0012】同様にloop 2に対しては、102〜108
位のアミノ酸配列を含を本発明のスクリーニング方法に
用いることができる。より具体的には、「-Ile-Pro-Pro
-Leu-」(103〜106位)を含むペプチドをloop 2
に相当するペプチドとして利用することができる。一方
ヒンジ構造の柔軟性を決定すると考えられる領域である
H5においては、そのC末端のアミノ酸配列を含むペプチ
ドが本発明のスクリーニングに有用である。具体的に
は、たとえば、C末端の5アミノ酸「-Gln-Glu-Ile-Leu-G
ly-」は、本発明におけるスクリーニング方法に有用で
ある。
【0013】これらの領域は、ttRRFにおいてRRFの活性
発現を左右する重要な構造決定要因となっている。した
がって、この領域に結合する化合物との立体的、あるい
は静電的な作用によってヒンジの柔軟性(flexibility)
を変化させれば、RRF活性を効果的に阻害できる。ある
いはヒンジ構造の柔軟性自体に大きな変化を起こさない
場合でも、活性発現に重要なアミノ酸残基を修飾(ブロ
ック)することでRRF活性の阻害につながる。
【0014】本発明のスクリーニングには、ttRRFのみ
ならず、その他の細菌に由来するRRFを用いることもで
きる。本発明者が明らかにしたttRRFの立体構造は、既
に報告されているThermotoga maritimaのRRFにおいても
見出される構造である(M. Selmer et al. Science 286:
2349-2352, 1999)。また、実施例に示すとおり、この
領域のアミノ酸配列を変異させることによってttRRFは
大腸菌においてもRRFとして機能できるようになる。こ
れらの知見を総合すると、RRFのヒンジ構造の機能発現
における重要性は、細菌の種を超えて共通の特徴である
と考えられる。したがって、本発明者が活性との関連性
を明らかにしたttRRFのみならず、あらゆる微生物に由
来するRRFは本発明のスクリーニング方法において有用
である。あるいは特定の微生物に対する選択性の高い抗
菌剤を得ることを目的として、特定の微生物のRRFを特
異的に阻害する化合物を選択することもできる。図2の
アライメントに示すように、RRFの構造は細菌の種によ
って少しづつ相違している。細菌の種の間のRRFのホモ
ロジーはアミノ酸配列レベルで40〜60%といわれて
いる。しかし、ttRRFにおける特定の領域に相当する領
域を他のRRF分子中で特定することは、当業者であれば
容易に行いうる。より具体的には、相違するアミノ酸配
列をアライメント用のプログラムで整列させれば、両者
の相応する領域を特定することができる。図2はこのよ
うにして、公知のRRFのアミノ酸配列を整列させた結果
を示している。図2によれば、たとえば先に立体構造が
明らかにされているThermotoga maritimaのRRFにおいて
は、loop 1は25〜35位、loop 2は101〜107
位、そしてC末端は末端から6アミノ酸残基が、ttRRFに
対する相同な領域であることがわかる。
【0015】本発明のスクリーニング方法に用いるペプ
チドを構成するアミノ酸の数は、特に限定されない。す
なわち、先に具体的に示したloop 1、loop 2、およびC
末端のいずれかの領域から選択されたアミノ酸配列を含
む任意のペプチドによって、本発明のスクリーニングを
構成することができる。ただしヒンジ構造とは無関係な
領域までをも含む場合には、場合により効率的なスクリ
ーニングにつながらない可能性もあるので、先に具体的
に示した領域の範囲内から選択されたアミノ酸配列を利
用するのが望ましい。すなわち、loop 1で26〜36
位、loop 2で102〜108位、そしてC末端の5アミノ
酸残基である。本発明において、RRFに由来するアミノ
酸配列を含むスクリーニング用のペプチドを、RRFペプ
チドと記載する。しかしながら、たとえば後に述べる競
合的な反応原理に基づくスクリーニング方法において
は、RRF分子そのものをスクリーニングに用いてヒンジ
領域に結合する化合物を選択することが可能となる。し
たがって、本発明のスクリーニング方法に用いるペプチ
ドは、RRF分子そのものであることもできる。
【0016】本発明のスクリーニング方法に用いる前記
ペプチドは、公知の方法によって得ることができる。具
体的には、化学的な合成や、遺伝子組換え技術、あるい
は細菌菌体から天然のRRF分子を精製することなどによ
って得ることができる。化学的な合成方法によれば、必
要なアミノ酸配列からなるペプチドを自由に合成するこ
とができる。あるいは天然のRRFのように全長アミノ酸
配列からなる完全な分子として得られたRRFは、アミノ
酸配列特異的なプロテアーゼを利用して適当な断片に切
断することができる。これらのペプチドは、必要に応じ
て固相化したり、あるいは標識して、スクリーニング方
法に利用することができる。
【0017】本発明のスクリーニング方法は、公知の結
合検定に基づいて実施することができる。たとえば、候
補化合物ライブラリーと、RRFの部分ペプチドとを接触
させ、両者の結合を観察することによりスクリーニング
を行うことができる。両者の結合は、一方を標識し、他
方を固相に結合しておくことによって、容易に観察する
ことができる。標識には、放射性同位元素(RI)や、蛍光
物質などを用いることができる。固相としては、プレー
トの内壁やカラムが一般に用いられる。あるいは、固相
を用いることなく、両者の結合による分子量の増加を、
ゲルろ過などの分離技術によって検出する方法や偏光蛍
光法等も公知である。さらに標識を用いない結合検出方
法として表面プラズモン法も利用できる。候補化合物と
RRFペプチドとの結合を、競合的な原理によって確認す
ることもできる。たとえば、RRFのヒンジ領域に結合す
ることが明らかな化合物が明らかになった場合、この化
合物とRRFの結合を阻害する化合物は、RRFのヒンジ構造
に対して結合する活性を持っている。競合的な原理に基
づくスクリーニングにおいては、RRFペプチドに代えてR
RFそのものをスクリーニングに用いることができる。
【0018】本発明のスクリーニング方法によってスク
リーニングを行う候補化合物には、化学的に合成された
化合物のライブラリーや、天然の化合物ライブラリーを
用いることができる。化学的に合成された化合物として
は、たとえばコンビナトリアルケミストリーによって合
成された化合物ライブラリーを示すことができる。これ
らのライブラリーには、毒性を示す可能性がある構造を
含まず、かつ良好な体内動態を期待できる化合物の割合
を高める努力が続けられており、本発明のスクリーニン
グ方法の対象として望ましい。一方、天然の化合物ライ
ブラリーとしては、微生物細胞、植物細胞、あるいは動
物細胞等の培養上清や、細胞内物質を用いることができ
る。あるいは、遺伝子ライブラリーの発現産物を候補化
合物とすることもできる。
【0019】本発明のスクリーニング方法のための候補
化合物として、コンピューターを利用して推測したRRF
のヒンジ構造にフィットする化合物群を用いることもで
きる。分子の3次元構造に基づく薬物設計については、
医薬品の開発・第7巻「分子設計」(廣川書店)をはじ
めとして数多くの総説がある。具体的には、第一にFlex
iDock、FlexX等のフレキシブルリガンドバインディング
シミュレーションソフトウエアを用いて、Oracle等のリ
レーショナルデータベースに格納された低分子(分子量
1000以下)化合物のライブラリー(たとえば約150000
種)をコンピュータでスクリーニングする。このライブ
ラリー内の化学物質はCONCORD等のプログラムで3次元
構造を指定し、活性部位にはめ込める物質を選択するこ
とができる。選ばれた物質の中からInsight IIやMOE等
のシミュレーションプログラムを用いて肉眼により更に
よく活性部位にあてはまる化合物を絞り込む。一連の過
程で利用されるコンピューターソフトウエアは、いずれ
も以下のような市販のものである。 FlexiDock: Tripos Inc. FlexX: Tripos Inc. CONCORD: Tripos Inc. Oracle: Oracle Corp. Insight II: Molecular Simulations Inc. Sybyl: Tripos Inc. MOE: Chemical Computing Group Inc. シミュレーションプログラムを用いて絞り込まれた化合
物群について本発明のスクリーニング方法を適用し、い
くつかの有効候補化合物を選択する。有効候補化合物を
実際にRRFと混合しNMR解析、および結晶化してそのフィ
ットを検討する。更にフィットを有機合成を用いて修飾
することにより、より望ましい構造とする。この方法に
よって2年足らずという短期間の間に実用化を達成した
ものもある(Proc.Natl.Acad.Sci.USA.94,73,1997)。
【0020】第二の方法は、未知の物質を含めた候補化
合物のコンピューターによる設計である。この方法に
は、メチル、エチル等の化学基を活性部位に並べてフィ
ットするものを探す方法と、原子を活性部位にコンピュ
ータープログラムを用いて並べていく方法とが知られて
いる。これらの方法は、ライブラリーに候補化合物を限
定されない点で、理論的には第一の方法よりもはるかに
勝っている。
【0021】このような操作を何度も繰り返すことで、
候補化合物の絞り込みが行われる。絞り込まれた化合物
は合成され、実際に抗菌活性に基づいてスクリーニング
される。十分な抗菌活性を示した候補化合物は、更に動
物実験によってin vivoでの抗菌活性や、体内動態、あ
るいは毒性等に関して試験される。
【0022】本発明のスクリーニング方法によって選択
された化合物は、RRFを作用点とする抗菌剤として有用
である。RRFは細菌においては増殖に必須のタンパク質
であるが、ヒトなどの真核細胞生物においてはその機能
は必須ではない。したがって、RRFの機能を阻害する化
合物には、安全性に優れ、かつ公知の抗菌剤に対する薬
剤耐性能に打ち勝つ可能性を秘めた抗菌剤として期待さ
れる。すなわち本発明は、前記スクリーニング方法によ
って得られた化合物を有効成分として含む抗菌剤に関す
る。本発明による抗菌剤は、錠剤、粉剤、液剤、注射
剤、坐剤、あるいは軟膏のような、公知の製剤とするこ
とができる。これらの製剤には、必要に応じて担体や有
効成分の保護剤を加えることができる。本発明の抗菌剤
は、通常成人男性(体重60kg)1人当たり1日1mg〜
300mg、一般的には5mg〜100mg投与される。本発
明の抗菌剤の投与量は、症状や投与ルートに応じて適宜
調整することができる。以下本発明を実施例をあげて説
明するが、本発明はこれらの実施例により制限されるも
のではない。
【0023】
【実施例】〔実施例1〕ttRRFタンパク質の発現、およ
び精製 ttRRFタンパク質を細菌発現系で過剰生産させた(Fujiwa
ra et al.,Amber mutations in ribosome recycling fa
ctors of Escherichia coli and Thermus thermophilu
s: evidence for C-terminal modulator element. FEBS
Lett., 447, 297-302.1999)。pET30-ttRRFプラスミド
で形質転換したE.coli BL21(DE3)を0.7 A6 00の細胞密度
になるまで37℃で増殖させた。イソプロピル-1-チオ-β
-D-ガラクトシドを添加し(最終0.5 mM)、次いで、37
℃で3時間培養することにより、ttRRFの発現を誘導し
た。回収した細胞ペースト(2g)を500 mM NH4Clを含
有する16mlの緩衝液A(50 mM Tris-HCl, pH 7.0, 10 m
M MgCl2, 5 mMβ-メルカプトエタノール)に懸濁し、超
音波処理した。2回の連続遠心分離(16,000 x gで20
分、100,000 x gで30分)により細胞破片とリボソーム
を細胞溶解物から除去した。上清を65℃で15分間加熱
し、E.coliの変性タンパク質を遠心分離により除去し
た。結晶性硫酸アンモニウムを清澄にした上清に1.5 M
まで添加し、タンパク質溶液をButyl-Toyopearlカラム
(10 ml)にかけた。緩衝液A中1.5-0 Mの硫酸アンモニ
ウムの直線勾配を溶出に用いた。ttRRFを含有する画分
を合わせて、緩衝液Aに対して透析し、さらに、緩衝液
A中の0-1 M NH4Clの直線勾配を用いてHeparin-Ultrage
lカラム(15 ml)で精製した。SDS-ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動で判定して不純物が3%以下のほぼ均質物と
なるまで、このタンパク質を精製し、10-15 mg/mlまで
濃縮した。
【0024】〔実施例2〕ttRRFの結晶構造解析 (1)結晶化およびデータの収集 ttRRFタンパク質のNative結晶は、ハンギングドロップ
蒸気拡散法により、20℃で成長させた。1 mlあたり10-1
5 mgのタンパク質を含有する3容量のタンパク質溶液を
1容量の沈殿溶液(2 M硫酸アンモニウム、0.1 M 酢酸
ナトリウム3水和物、pH 4.6 (Crystal Screen, Hampto
n Research))と混合した。 結晶は2週間以内に最大0.
3 x 0.3 x 0.25 mm3まで成長した。30%グリセロールを
含む抗凍結剤溶液で母液を置換し、110 Kの窒素気流中
で瞬間凍結した。空間群は P3221、格子定数a=b=71.5
Å、c=79.6 Åであり、これは非対称単位あたり一分子
のRRFが存在することを示唆している。ultraX 18 X線発
生装置でCuKα線を発生し、Rigaku R-AXIS IVのイメー
ジングプレートを用いて、Native結晶の反射データを収
集した。 1 mM PtNa2Cl4および1.8 M硫酸アンモニウム
を含有する90 mM 酢酸ナトリウム緩衝液(pH 4.6)にNati
ve結晶を浸漬することにより、白金誘導体結晶を調製し
た。 次いで、この重原子誘導体結晶を用い、Spring-8
のビームラインBL45XUの放射光を使用してRigaku R-AXI
S IVイメージングプレート で、2.2 Åの分解能までの
回折データを収集した。結晶の蛍光スペクトルから、3
つの波長(λ1=1.0200 Å,λ2=1.07125 Å, λ3=1.0
7176 Å )を選択した。積分反射強度はプログラムDENZ
Oで計算し、SCALEPACKでマージした。
【0025】(2)構造決定方法、およびデータ修正 分解能50-4.0 Åのデータを使用し、SHELX-97を用いた
バイフィット差パターソンピークの解釈により重原子位
置を同定した。重原子位置の精密化とMAD法での位相計
算は、50-3.0 Åの分解能のデータを用いてMLPHAREによ
り行った。これらの初期位相は、DMによる溶媒領域平滑
化およびヒストグラムマッチング法により精密化した。
計算に用いた溶媒含量は単位胞の20%とした。分子領域
の非常に弱い電子密度が平滑化されるのを防ぐため、こ
の値は計算値(60%)よりはるかに低く取ってある。こ
の電子密度マップを用い、130残基からなる初期モデル
をQUANTAを用いて構築した。X-PLORを用いて原子位置を
精密化した後、モデルと実験で得られた位相をSIGMAAで
結合した。全分子の約90%が構築されるまで、これらの
工程を10回繰り返した。次の段階では、原子位置の精密
化後、モデル構造から位相を計算し、DMによる溶媒平滑
化およびヒストグラムマッチングにより位相を精密化し
た。モデル分子から計算されたマスク(半径4.0Å)を
この精密化に用い、計算に用いる溶媒含量は単位胞の40
%とした。分子全体のモデルが構築されるまで、これら
の工程を24回繰り返した。最後に、水分子をモデル構造
に追加して、原子位置および温度因子の修正を数回行っ
た。最終的なR因子は2.6-10Åの分解能で23.2%であっ
た(全データの5%から計算したRfree は30.5%)。PROCH
ECKにより、ラマチャンドランプロットの許容領域の外
にある残基はないことが示された。最終的な構造は1479
個の非水素原子と84個の水分子を含んでいる。構造の
座標はProtein Data Bank (http://www.rcsb.org/pdb:
登録コード1EH1)に登録されている。
【0026】(3)結晶学的構造の決定 ttRRFの構造解明のために、重原子浸漬条件の検索を行
って、白金誘導体を得た(表1)。この白金原子誘導体
結晶を用いて、我々は、吸収端(2つのデータセット)
および短波長側に位置する3つの波長(λ1=1.0200 Å,
λ2=1.07125Å,λ3=1.07176 Å)で回折データを集
め、多波長異常分散(MAD)法を用いて位相を計算した
(表1)。最終モデルは全185個のアミノ酸と84個の水
分子を含んでいた。最終のR値およびRfree値は、それぞ
れ、23.2%および30.5%(表1)で、原子位置の平均誤差
は0.38 Åであった(Luzzati, P. (1952) Traitement s
tatistique des erreurs dans dans la determination
des structures cristallines. Acta Crystallogr., 5,
802-810.)。
【0027】
【表1】
【0028】分子量20,994ダルトンのRRFは最小の翻訳
因子に属する。ttRRF分子は、60 Åx 45 Å x 25 Åの
大きさで、2つのドメイインからなる(図1A)。二次
構造のトポロジーの模式図を図1Bに示す。ドメイン1
は、残基1-29および107-185を含む3つのヘリックスの
束である。ヘリックスH1(残基3-26)、H4(残基108-14
6)、およびH5(残基151-183)は広範な疎水性相互作用
で互いにしっかりと詰まっている。ドメイン2は、残基
34-102を含む球状の構造で、そこでは、片方の側に4本
鎖逆平行βシート(S3, S4, S6およびS5)が、もう片方
の側に2本鎖逆平行βシート(S1およびS2)および2つ
の短いαヘリックス(H2およびH3)があって、それらの
疎水性側鎖をドメインの内部に向けている。かくして、
ドメイン2は疎水性コアを中心としたサンドイッチ構造
をとっており、それがドメイン構造を安定化している。
ドメイン1および2は、ループ1(残基30-33)および
ループ2(残基103-106)の2つのループで架橋してい
る。ドメイン接触領域は、全ドメイン領域(10890
2)のうちの892 Å(7.6%)である。これは通常より
低く、ドメイン1および2間の相互作用が比較的弱いこ
とを示していると解釈される。
【0029】〔実施例3〕ヒンジ構造を構成する領域の
変異による、ヒンジ機能、およびC末端尾部機能の評価 (1)RRFヒンジ領域アミノ酸への変異導入 ttRRFの変異体を、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いた
部位特異的突然変異誘発により操作した。ループ1変異
をセンスオリゴヌクレオチド: R32A, 5'-GGGGCTCGAGGT
CCTGGAGCACAACCTGGCAGGCCTCGCCACCGGCCGCGCCAACCCCG-3'
(配列番号:2); R32S, 5'-GGGGCTCGAGGTCCTG GAGCAC
AACCTGGCAGGCCTCTCCACCGGCCGCGCCAACCCCG-3'(配列番
号:3); R32G, 5'-GGGGCTCGAGGTCCTGGAGCACAACCTGGCA
GGCCTCGGCACCGGCCGCGCCAACCCCG-3'(配列番号:4)中
にデザインした。これらの変異断片をこれらのセンスプ
ライマー、および、ユニバーサル(アンチセンス)プラ
イマー5'-GTTTTCCCAGTCACGAC-3'(配列番号:5)を用
いた PCR により増幅し、それらの XhoI-BamHI 消化産
物をプラスミド pIQV-ttRRF の同一の制限酵素部位にラ
イゲーションした。ループ2変異をセンスオリゴヌクレ
オチド: I103A, 5'-GGACGCGTTATACATCAACGCCCCGCCCCTC
ACGGAGGA-3'(配列番号:6); P104A, 5'-GGACGCGTTAT
ACATCAACATCGCGCCCCTCACGGAGGAAAG-3'(配列番号:
7); P105A, 5'-GGACGCGTTATACATCAACATCCCGGCCCTCACG
GAGGAAAGGCG-3'(配列番号:8); L106A, 5'-GGACGCGT
TATACATCAACATCCCGCCCGCCACGGAGGAAAGGCGAAAG-3'(配列
番号:9) 中にデザインした。これらの変異 C 末端側
断片をこれらのセンスプライマー、および、ユニバーサ
ル(アンチセンス)プライマーを用いた PCR により増
幅し、それらの MluI-BamHI 消化産物をプラスミド pIQ
V-ttRRF の同一の制限酵素部位にライゲーションした。
C 末端側ΔC5 欠失(Glu181 → アンバーアレル)は、
野生型断片を ttRRF*181 (Fujiwara et al., 1999) 由
来の StuI-BamHI(ΔC5)断片により置換することによ
り、関連する変異体に導入し、非サプレッサー(sup0
条件において活性を検査した。Glu182 → Ser 変異体
は、野生型 StuI-BamHI 配列をユニバーサル上流側セン
スプライマー、および、Glu182 → Ser アレル用にデザ
インした C 末端側アンチセンスプライマー(5'-GGGGAT
CCTCAGCCCAGGATTGACTGCTCCTTCTTCTCCGCCA-3')(配列番
号:10)を用いた PCR により増幅した変異断片で置
換することにより生成した。これらの変異体の配列は D
NA シーケンシングにより確認した。ttRRF遺伝子のIn v
ivo突然変異誘発をミューテーター株XL1-Red (endA1, g
yrA96 thi-1, hsdR17 supE44 relA1 lac mutD5 mutS mu
tTテトラサイクリン耐性;Stratagene)を通した継代に
より行った。In vitro突然変異誘発は、公知の方法(Os
hima, T., Ito, K., Kabayama, H. and Nakamura,Y. (1
995) Regulation of lrp gene expression by H-NS and
Lrp proteins inEscherichia coli: dominant negativ
e mutations in lrp. Mol. Gen. Genet..247, 521-52
8.; Ito, K., Uno, M. and Nakamura, Y. (1998) Singl
e amino acid substitution in prokaryote polypeptid
e release factor 2 permits it toterminate translat
ion at all three stop codons. Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA, 95, 8165-8169.)にしたがい、プラスミドDNA
を0.4 M ヒドロキシルアミンとpH 6.0で20時間37℃でイ
ンキュベーションすることにより行った。相補性および
サプレッサー選択の実験では、E.coliの条件によっては
致死的なfrr-3株(YN3576; Fujiwara et al., 1999)を
採用した。この株は39℃以上で致死的である。突然変異
誘発したプラスミドDNAによるYN3576の形質転換で、42
℃で生存したものとして補償的な変異体を選択した。プ
ラスミドDNAを回収し、同じ親株に再度トランスフォー
ムし、再現可能な表現型を与えるものをさらにキャラク
タライズした。これらのサプレッサー変異体から PCRに
より、ttRRFの全コード部分を増幅し、DNAシークエンシ
ングと相補性試験にかけた。
【0030】(2)ヒンジループ1の機能評価 ヒンジのループ1は保存性残基から構成されており、そ
のほとんどが第一、第二および第四の位置でThr、Glyお
よびAlaのような小さい親水性アミノ酸であり、例外は
第三の位置のArgである(図2参照)。ヒンジループの
アミノ酸の大きさがRRFの活性に影響すると仮定する
と、保存性のArg32が同様に重要な役割を果たすものと
推測できる。この推論を検討するために、Arg32をSer、
AlaおよびGlyに置換して、得られた変異体の相補能を調
べた。表2(完全C末端を有する)に示すように、Se
r、AlaおよびGly変異体は相補性活性を獲得し、その程
度は置換体のこの順番で大きくなった。すなわち、側鎖
が小さい程、機能の獲得が良好であった。
【0031】
【表2】
【0032】ヒンジのループ1(実験1)およびループ
2(実験2)における変異は、完全、ΔC5、およびGlu1
82→SerのC末端を有するT. thermophilusのRRFタンパ
ク質における位置指定PCR突然変異誘発により操作され
た。これらの単一または二重に変更されたttRRF遺伝子
を担持するプラスミドpTWV228誘導体で温度感受性の致
死frr-3株(YN3576)を形質転換し、形質転換細胞をLB
寒天プレートに塗り付け、39°C以上の制限温度でイン
キュベートした。遺伝子間相補能をコロニーの大きさお
よび増殖で採点した。+++, 正常な増殖(大きなコロニ
ー);++, 中程度の増殖(中位のコロニー);+, 弱い
増殖(小さいコロニー);-/+, 病的な増殖(わずかな
コロニー);-, 増殖無し。NDはデータがないことを意
味する。
【0033】(3)ヒンジループ2の機能評価 疎水性アミノ酸はループ2(103-106位)において保存
されており、Proは104位で普遍的に保存されている(図
2参照)。ヒンジ構造の機能的重要性を調べるために、
我々は個別にttRRFの103-106位のIle、Pro、Pro、およ
びLeuをAlaに置換し、E.coli (frr-3)の温度感受性致死
RRFを用いた遺伝子間相補性試験により、これらの変異
体の活性を検討した。正常ttRRFがE.coli frr-3変異体
を相補することができないことは知られている(Fujiwa
ra et al., 1999)。しかしながら、Ile103のAla置換
(すなわち、I103A)およびLeu106のAla置換(すなわ
ち、P104A)により、ttRRFに相補能(complementation
capacity)がもたらされた。これは、機能獲得の表現型
を示す。すなわち、I103AまたはP104Aアレルのいずれか
を含有するttRRF担持プラスミドで形質転換したE.coli
frr-3細胞は42℃でほぼ正常に増殖するが、Pro104およ
びPro105のAla変異体はこれらの条件下で増殖しない
か、増殖したとしてもわずかにE.coli frr-3株の増殖を
回復するに過ぎなかった(表2)。これらの結果は、中
心の2つのProと隣接するIleおよびLeuとが非相同条件
でRRFの作用に対して異なる役割を果たしている可能性
があることを示唆している。ヒンジのフレキシビリティ
ーは、両ドメインの疎水性コアに直接結合した残基103
および106の分子量の減少により増加し、それが機能の
獲得につながる一方で、Proはアーキテクチャーの観点
からヒンジの配向を制限するのに必要であると推測でき
る(図3A参照)。
【0034】(4)C末端尾部の機能評価 我々のこれまでの知見によれば、完全ttRRFがE.coliに
おいて非相同のRRFアレルを相補できないにもかかわら
ず、ttRRFのC末端の5個のアミノ酸をトランケートし
たアンバー変異により機能獲得性の表現型が生じ、ttRR
F(以前にttRRF181*と呼んだ;Fujiwara et al., 199
9)に遺伝子間相補性の活性がもたらされた。どの程度
C末端残基がこの表現型に応答性であるか評価するため
に、我々はttRRFのC末端(177-185位のEKKEQEILG)か
らアミノ酸を一つずつ除去し、E.coliのRRF変異体にお
けるそれらの変異体活性をモニターした。Ile183までの
1〜3個の欠失は検出可能な活性をもたらさなかった
が、Glu182の除去において、得られた4アミノ酸欠失変
異体はE.coliの欠損を相補する小さいが有意な能力を発
揮した。予想されたように、ttRRF181*と等価の、Gln1
81までのもう一つの欠失(ΔC5と呼ぶ)は、E.coliのRR
F欠損に対して相補する完全な能力をttRRFにもたらし
た。ttRRFのこの機能獲得の性質は、アミノ酸8個まで
のさらなる欠失があっても保持されたが、9番目のアミ
ノ酸の除去により消失した。これらの結果により、C末
端尾部、特にαヘリックスH5の端が、RRF活性を調節す
る重要な役割を果たすことが確認された。
【0035】親水性荷電残基であるEKKEQEは177-182の
位置を構成している。ループ2のヘリックスジャンクシ
ョンでクラスター化されているこれらの荷電アミノ酸は
E.coliの翻訳装置によるttRRFの作用に好ましくないフ
レキシビリティーを制限しているのかもしれず、これら
の残基による立体障害を除去することによりヒンジの可
動性が増し、それが機能獲得につながると推測すること
ができるだろう。この推論を検討するために、Glu182か
らGlu177までについて、αヘリックスの立体配置に影響
を与えないよう、嵩高いものから小さいものまでの一連
のアミノ酸置換体(これは、先に生成した一連の欠失体
の1セットに相当する)を生成した。すなわち、表面残
基であるLys178、Gln181およびGlu182をSerに置換し、
一方、内部残基であるLys179およびGlu180をAlaに置換
した。予期した通り、Glu182→Serの変化により、ttRRF
はE.coliのRRF欠損を完全に補償することができた(表
2)。他の一連の変異体であるKKEss、KKass、Kaass、s
aass、およびKaEQs(置換を小文字で示した)は、多か
れ少なかれ、E.coliのRRF欠損を相補する能力を獲得し
た(データは示さず)。これらの結果は、ヒンジとC末
端尾部の間での立体(または静電)障害がttRRFの活性
を制限することを示唆している。
【0036】(5)ヒンジとC末端尾部の間での機能的
な影響 ループ2のAla置換(機能獲得性のものを含む)をもう
一つの機能獲得性変化であるΔC5と組み合わせた場合、
これらの二重の変更により、Pro105→Alaの変化を除い
て、程度は異なるが、ttRRFΔC5の獲得活性は減少する
か、なくなった(表2)。従って、そのC末端が完全
か、トランケートされているかによって、RRF活性に対
して逆の影響がヒンジの変更により示された(図3AB
参照)ことになり、このことはループ2およびC末端の
変化が相乗的でないことを示している。これらの遺伝子
レベルでの観察結果は、RRFのC末端およびヒンジルー
プ2がRRF作用に協同的に関与し、ヒンジのフレキシビ
リティーを増すようないずれかの変更は機能獲得を生じ
るかもしれないが、両者を組み合わせると、おそらく、
もろすぎる立体配置のために活性が損なわれる(以下に
論じる)ことを示していると解釈される。一方、ループ
2のAla変異体は必ずしもGlu182→Serの変化の獲得能力
を損なわなかったが(表2)、これは、C末端尾部の存
在が機能的に活性なヒンジのフレキシビリティーを保つ
のに有効であることを示唆している。
【0037】(6)ヒンジ領域の変異を相補するアミノ
酸変異のスクリーニング 機能的および/または物理的ドメイン内/間相互作用の
手掛かりを得るために、ヒンジ領域の変異を相補するこ
とができる機能の喪失(loss of function)を伴う変異の
スクリーニングを行った。第一に、ttRRF-P104Aヒンジ
変異体を担持するプラスミドpTWV228をヒドロキシルア
ミンで突然変異誘発し(C→TおよびG→A置換の両方
が可能である)、該プラスミドでRRFノックアウトE.col
iを形質転換し、生存可能なコロニーを選択した。プラ
スミドの回収と再形質転換実験の後、相補能を獲得した
14個の独立のttRRF復帰(相補)変異体をキャラクタラ
イズした。これらは、106、180および182位にアミノ酸
置換を持つ3つのクラスに分類された(表2I)。これ
らのうち、Glu182→Lysは頻度の高い変更であった。立
体的な観点に基づき、保存性のPro104がttRRFのヒンジ
を湾曲させるのに必要であり、同じループ2における新
たに生じたPro106がこの曲がりの代替となっているもの
と推測できる(表3の予測A)。他の2つの変異体はヒ
ンジの機能に直接関与していないが、リボソームとの変
異タンパク質の相互作用に関わっている可能性が考えら
れた(表3予測B)。
【0038】
【表3】 親アレルを担持するプラスミドpTWV228-ttRRFをミュー
テーター株XL1-Redを使用して、もしくはヒドロキシル
アミンで処理することにより突然変異誘発させ、該プラ
スミドでfrr-3株(YN3576)を形質転換し、表現型復帰
変異体を42℃で選択した。E.coliのRRF欠損を相補する
能力を獲得したプラスミドをDNA配列決定により分析し
た。 a 構造の観点からのサプレッションの様式の予測。
A:RRF内部でのドメイン間の補償的相互作用。B:リ
ボソームまたは他の翻訳成分とのタンパク質間の補償的
相互作用。C:予測無し。
【0039】次に、Pro104→Alaを担持するttRRFΔC5か
ら、ミューテーター株突然変異誘発(バイアスのかかっ
ていない突然変異誘発)を用いて、遺伝子内サプレッサ
ーを選択した。というのは、この二重に変更したタンパ
ク質は、P104A単一変異体と比較して、重大な欠損を有
しているからである。かくして、単離した24個の復帰変
異体を10位の11個の二次置換体に分類した(表3)。5
つのアレルをドメイン1に位置付け、他の半分をドメイ
ン2に位置付ける。興味深いことに、それらのいずれも
が、単一P104A変異体から得られたアレルと重ならなか
った。Val115およびAla117はαヘリックスH4の一部であ
り、ヒンジのジャンクションの近くに位置するので、こ
れらの小さいものから嵩高いものまでのアミノ酸の変化
はPro104→A変化によるヒンジでの大きさの減少を相補
するものと考えられた(表3の予測A)。また立体構造
におけるサプレッサー変異の位置を図4に示す。
【0040】さらに、遺伝子内サプレッサーがIle103→
Alaを担持するttRRFΔC5からも選択された。分析された
22個の復帰変異体のうち、4つの置換が103、120、およ
び135位に帰属された(表3)。頻度が高い一つの変更
であるAla103→Val(すなわち、Ile103→Ala→Val)
は、もろくて不活性な構造に代わって、103位の疎水性
で大きい残基を置換することによって、ヒンジの機能的
フレキシビリティーを回復すると推測された。他の3つ
の置換は、RRFとリボソームまたは他の翻訳因子のと間
の相互作用に影響することによって、活性を回復するこ
とが示唆された(表3の予測B)。
【0041】
【発明の効果】本発明によって、RRFの活性発現におい
て重要な役割を持つ立体構造を標的とする薬剤のスクリ
ーニング方法が可能となる。RRFの一次構造は既に公知
である。しかしRRFにおけるヒンジ構造が活性と密接に
関連することを明らかにしたことによって、RRFの阻害
活性に優れる化合物をより効率的に見出すことができ
る。RRFの立体構造において、活性の発現に大きな影響
を与えるヒンジ部分は、少なくとも3つの領域によって
構造が決定されている。これらの領域に結合する化合物
をスクリーニングすることによって、ヒンジ部分の構造
に干渉し、RRF活性を変化させる化合物を得ることがで
きる。本発明によって、標的とすべき領域が絞り込ま
れ、効果的な候補化合物を効率的にスクリーニングする
ことが可能となる。このようにして得られる化合物は、
RRFの活性阻害に基づく抗菌剤として有用である。
【0042】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Nakamura, Yoshikazu RRF Research Inc. <120> Method for screening inhibitors of ribosome recycling factor <130> R2-A0001 <140> <141> <160> 10 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 185 <212> PRT <213> Thermus thermophilus <400> 1 Met Thr Leu Lys Glu Leu Tyr Ala Glu Thr Arg Ser His Met Gln Lys 1 5 10 15 Ser Leu Glu Val Leu Glu His Asn Leu Ala Gly Leu Arg Thr Gly Arg 20 25 30 Ala Asn Pro Ala Leu Leu Leu His Leu Lys Val Glu Tyr Tyr Gly Ala 35 40 45 His Val Pro Leu Asn Gln Ile Ala Thr Val Thr Ala Pro Asp Pro Arg 50 55 60 Thr Leu Val Val Gln Ser Trp Asp Gln Asn Ala Leu Lys Ala Ile Glu 65 70 75 80 Lys Ala Ile Arg Asp Ser Asp Leu Gly Leu Asn Pro Ser Asn Lys Gly 85 90 95 Asp Ala Leu Tyr Ile Asn Ile Pro Pro Leu Thr Glu Glu Arg Arg Lys 100 105 110 Asp Leu Val Arg Ala Val Arg Gln Tyr Ala Glu Glu Gly Arg Val Ala 115 120 125 Ile Arg Asn Ile Arg Arg Glu Ala Leu Asp Lys Leu Lys Lys Leu Ala 130 135 140 Lys Glu Leu His Leu Ser Glu Asp Glu Thr Lys Arg Ala Glu Ala Glu 145 150 155 160 Ile Gln Lys Ile Thr Asp Glu Phe Ile Ala Lys Ala Asp Gln Leu Ala 165 170 175 Glu Lys Lys Glu Gln Glu Ile Leu Gly 180 185 <210> 2 <211> 59 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 2 ggggctcgag gtcctggagc acaacctggc aggcctcgcc accggccgcg ccaaccccg 59 <210> 3 <211> 59 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 3 ggggctcgag gtcctggagc acaacctggc aggcctctcc accggccgcg ccaaccccg 59 <210> 4 <211> 59 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 4 ggggctcgag gtcctggagc acaacctggc aggcctcggc accggccgcg ccaaccccg 59 <210> 5 <211> 17 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 5 gttttcccag tcacgac 17 <210> 6 <211> 39 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 6 ggacgcgtta tacatcaacg ccccgcccct cacggagga 39 <210> 7 <211> 42 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 7 ggacgcgtta tacatcaaca tcgcgcccct cacggaggaa ag 42 <210> 8 <211> 45 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 8 ggacgcgtta tacatcaaca tcccggccct cacggaggaa aggcg 45 <210> 9 <211> 49 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 9 ggacgcgtta tacatcaaca tcccgcccgc cacggaggaa aggcgaaag 49 <210> 10 <211> 43 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 10 ggggatcctc agcccaggat tgactgctcc ttcttctccg cca 43
【図面の簡単な説明】
【図1】ttRRFの構造の模式図である。(A)はttRRFのリ
ボン図形は全般的な折り畳みを示す。αヘリックスおよ
びβストランドは、それぞれ、らせん構造および矢印で
描いてある。(B)はttRRFのトポロジーの図形である。
【図2】異なる細菌由来の代表的なRRF配列のアライメ
ントを示す図である。 TTH, Thermus thermophilus(GenBank登録番号 AB01649
8); TMA, Thermotoga maritima (AE001792); HIN, Haemophilus influenzae (P44307); ECO, Escherichia coli (P16174); AAE, Aquifex aeolicus (AE000703); BME, Brucella melitensis (U53133); HPY, Helicobacter pylori (P56398); BST, Bacillus subtilis (Z99112); SAU, Staphylococcus aureus (AF033018); MLE, Mycobacterium leprae (Z97369); CTR, Chlamydia trachomatis (U60196); MGE, Mycoplasma genitalium (P47673); RPR, Rickettsia prowazekii (Q9ZE08); SOL, Spinacia oleracea (AJ133751)。
【図3】ヒンジ領域の三次元構造を示す図である。(A)
野生型ttRRF。(B)ttRRFΔC5。(C)tmRRF。
【図4】相補アレルの位置を示す図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/15 G01N 33/50 Z 33/50 33/566 33/566 C12N 15/00 ZNAA (72)発明者 豊田 友彦 神奈川県横浜市港北区日吉5丁目25番22− 206 Fターム(参考) 2G045 AA28 AA40 CB21 DA36 FB02 4B024 AA11 BA80 CA03 4C084 AA17 ZB352

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の工程を含む、リボソームリサイクリ
    ングファクター活性の阻害物質のスクリーニング方法。 (i)リボソームリサイクリングファクターのヒンジ構造
    を構成する領域を含むペプチドを、候補化合物と接触さ
    せる工程、(ii)前記ペプチドと結合した候補化合物を選
    択する工程。
  2. 【請求項2】ヒンジ構造を構成する領域が、リボソーム
    リサイクリングファクターのループ領域である、請求項
    1記載の方法。
  3. 【請求項3】ループ領域が「-Thr-Gly-Arg-Ala-」配列
    を含む、請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】ループ領域が「-Ile-Pro-Pro-Leu-」配列
    を含む、請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】ヒンジ構造を構成する領域が、リボソーム
    リサイクリングファクターのC末端領域である、請求項
    1記載の方法。
  6. 【請求項6】C末端領域が、「-Gln-Glu-Ile-Leu-Gly
    -」配列を含む、請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の方法によ
    って選択される化合物を、有効成分として含有する抗菌
    剤。
  8. 【請求項8】 リボソームリサイクリングファクターの
    ヒンジ構造にフィットする化合物を検索する工程、を含
    む抗菌活性を有する化合物の設計方法。
  9. 【請求項9】 候補化合物が請求項8に記載の方法によ
    って設計された化合物である、請求項1〜6のいずれか
    に記載の方法。
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