JP2001281348A - 光学式測距装置 - Google Patents

光学式測距装置

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JP2001281348A
JP2001281348A JP2000097156A JP2000097156A JP2001281348A JP 2001281348 A JP2001281348 A JP 2001281348A JP 2000097156 A JP2000097156 A JP 2000097156A JP 2000097156 A JP2000097156 A JP 2000097156A JP 2001281348 A JP2001281348 A JP 2001281348A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】屈折率等のパラメータの変動により対向観測局
間の設置間距離Lが変動しても、その間の水底基板での
水平歪み量εの有意な変化の有無を識別する。 【解決手段】対向観測局間の補正前の設置距離Lと、屈
折率n、又はそのパラメータの任意の短時間平均補正量
とを用い、時間t1 〜t2 間の補正後の真の距離Lを算
出し、〔(時間t2 の補正後の真の距離Lt2)−(時間
1 の補正後の真の距離Lt1)〕と、〔(時間t1 にお
ける補正後の真の距離Lt1の値)及び(時間t2 におけ
る補正後の真の距離Lt2の値)の平均値〕との比から、
又は〔(時間t2 の補正後の真の距離Lt2)−(時間t
1 の補正後の真の距離Lt1)〕と、(時間t1 における
補正後の真の距離Lt1の算出値)との比から、歪み量ε
の発生の有無、歪み変化量を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海底や、湖底等の
領域に観測局を敷設するとともに、水温等の変動に基づ
く光の伝播速度の変動を補正した基線間における対向局
間の設置距離Lを求める演算式に基づいて、対向局間に
歪み量が発生したか否かを識別する光学式測距装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】海底の2箇所に超音波測距計を設置し、
両者間の超音波の伝播時間の変化から基線の伸縮を検出
し、地震発生のメカニズムの研究資料にせんとする超音
波測距測定方式では、超音波の伝播速度が塩分濃度や水
温変化等の影響を受けて変動する等の理由があるため、
mm程度の精度で安定した測定結果を得るのが困難であ
り、このため、本出願人等は、超音波に代えてレーザ光
を用い、正確な伝播時間の測定の行える光学式測距装置
を既に出願して特許を得ている(特許第2906232
号)。
【0003】この光学式測距装置よりなり、海底に敷設
した測線を概念的に示す図25を参照すると、光学式測
距装置を構成するレーザ光送信局903aと、多数の中
継局903b・・・と、最終段の受信局903nとが、
例えば、30m間隔にて海底Eの成るべく水平な海底面
を選んで配列されている。そして、光送信局903aの
図示しないレーザ光源から発生される光パルスM1 を、
送光窓905aから次段の中継局903bの受光窓90
5bに送光し、この送光パルスM2 を図示しない次段の
中継器に伝播し、このようにして最終段の受信局903
nの受光窓905bに受光させる。送信局903a、中
継局903b、・・・、及び最終局903nにて三角プ
リズムで分岐した各光パルスM1 ・・・Mn を光電変換
したパルスPを、ケーブル902を介して地上観測局9
01に送信し、送信局903aから最終段受信局903
n迄の配設基線のレーザ光伝播時間Tt を測定し、前回
測定した伝播時間T0 と対比して基線の伸縮の有無を判
別している。
【0004】このように構成した光学式測距装置よりな
る2組の測線910、911を、図26(A)に示すよ
うに、断層909を跨いで直交、又は斜行させて個別に
配設し、測線910、911で収集した2方向の観測デ
ータを伝送ケーブル907、908を経由し、搬送ケー
ブル919にて地上局に搬送する。あるいは、図26
(B)に示すように、断層909を跨いで、光学式測距
装置の2組の測線912、913を共に直交させて海底
に一度に配設し、各測線912、913で収集した2方
向の観測データを伝送ケーブル915、916を介し、
搬送ケーブル919にて地上局に搬送する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の光学式測距装置
においても、超音波程ではないが、光の水中伝播速度が
屈折率nや、水温等のパラメータの変動に応じて変化す
るため、基線間の光パルスの伝播時間が変動を受けた値
を示すこととなる。よって、前回測定した基準伝播時間
の測定時の屈折率や、水温等の液体のパラメータと、次
回測定時の屈折率や、水温等の液体のパラメータとが等
しくない場合には、基線間に変動が実際に存在しない場
合であっても、基線間に変動が発生したと誤認識し、正
確な観測を行ない得ないという問題がある他、基線間の
伝播時間だけを観測する方式であるため、光学式測距装
置の敷設位置における水圧等の周囲の海水の物理的状態
を認識し得ないという問題がある。
【0006】さらに、光学的に独立した2組の測線を上
記のように直交配設する方式では、交叉角度を変更した
り、又は、測線距離を伸長させても、観測領域はせいぜ
い2組の測線配設方向及びその伸長距離範囲に制限さ
れ、測線からさらに多方向にわたる一層広い観測領域か
らの測定データを入手し得ないという問題がある。
【0007】そこで、請求項1の発明は、上記課題に鑑
みてなされたもので、その目的とするところは、屈折率
の変動に基づく液中の光パルス伝播速度の変動の影響を
受けずに基準値測定時に測定した基線間の対向局間の真
の設置距離Lと基準値測定時から所定時間経過した後の
測定時の対向局間の真の設置距離Lとの差の結果に基づ
いて対向局間における水底歪みの発生の有無を識別し、
そして、この対向局間の真の設置距離の差と、対向局間
の真の設置距離の平均値との比の結果に基づいて歪み量
を求め得る光学式測距装置を提供することにある。
【0008】請求項2の発明は、補正前の対向局間の設
置距離Lの見掛け上の変動を補正するための短時間平均
補正量として、「上記対向局の何れか一方の局における
複数のパラメータgの各短時間平均補正量<g>」を加
算したもの、又は「対向局の各局における複数のパラメ
ータgの各短時間平均補正量<g>を加算して対向局数
2で除算した平均値」で示すときは、<δL´(パラメ
ータ)>と表して用いる光学式測距装置を提供すること
にある。
【0009】請求項3の発明は、測線の先頭の送信局か
ら中継局を経由して終端の受信局に送光する基準量測定
時τ1に測定したレーザ光の伝播時間と、所定時間経過
後τ2に測定した伝播時間とを照合し、測線全体が一様
な温度変動を受けても、その影響を受けずに断層の発生
の有無を検知する新規な温度補正方式を用いた光学式測
距装置を提供することにある。
【0010】請求項4の発明は、測線に設けた往路用光
学系の他に、復路用光学系を並列配設することで、光パ
ルス伝播方向の順方向、及び逆方向の計測データを得る
ことで、計測精度を向上する光学式測距装置を提供する
ことにある。
【0011】請求項5の発明は、測線を平行敷設するこ
とで、水底面に面的拡がりを持たせた観測網を敷設する
ことが出来る光学式測距装置を提供し、また、請求項6
の発明は、測線の伝送光パルスを光学的に多方向に分
岐、送光することで多方向に向けての測線の敷設を可能
にし、これにより、水底における測定網の敷設領域を拡
大形成し、従来よりも広い観測網から測定データを得る
ことを可能にする光学式測距装置を提供することにあ
る。
【0012】請求項7の発明は、水底における多数の三
角形の頂点形成位置に観測局を敷設し、各観測局は、隣
接する局からの光伝播パルスを受光し、さらに、隣接局
に対し光伝播パルスを送光することにより相互に光結合
することで、水底歪みの有無を各観測局間毎に識別可能
とするとともに、より一層広い観測網を形成し得る光学
式測距装置を提供することにある。
【0013】請求項8の発明は、対向設置された局同士
から出力される各分岐パルスを1組とし、この1組の分
岐パルスの時間幅ΔTを周波数が異なる複数のクロック
信号により計数し、それぞれの計数結果を総合すること
により正確な測定結果求める光学式測距装置を提供する
ことにある。
【0014】請求項9の発明は、測線を構成する各局間
に介在する水温がそれぞれ相違する場合であっても、水
温相違の影響を受けずに、基準値測定時に求めた、対向
2局間に介在する水中を透過する一方の分岐パルス光の
光路長、及び対向2局間に介在する分布型光ファイバー
温度計の光ファイバー路を伝播する他方の分岐パルス光
の光路長の差と、基準値測定時から所定時間経過した後
の測定時に求めたの両光路長の差との対比結果に基づい
て、断層の出現の有無、あるいは、断層の伸縮、地殻変
動の有無を正確に判別することができる光学式測距装置
を提供する事にある。
【0015】
【課題を解決するための手段】そこで請求項1の発明
は、水底の断層を介在させて、光パルスを送光する送信
局と、該光パルスを受光して次段の局に送光する中継局
と、中継局からの光パルスを受光する最終段の受信局と
を所定間隔毎に対向配設してなる測線を設け、送信局か
ら中継局を経由し受信局に伝播される伝播用光パルスか
ら各局毎に観測用の光パルスを分岐し、その光電変換パ
ルスの列と、各局毎に設けたセンサにより検出した各局
設置周囲の水の屈折率、塩分濃度、水温、水圧、流速、
及び流向の検出データとを伝送ケーブルを介して地上局
に伝送し、光電変換パルス列を取り込み、基準値測定時
1 及びこの基準値測定時から所定時間経過した後の測
定時t2 において、対向配設された局同士の光電変換パ
ルスを1組とし、求めた1組毎の対向局間片道のパルス
伝播時間幅ΔT及び検出データに基づいて水底基盤にお
ける対向局間の水平歪みの発生の有無を識別するデータ
処理装置を備える光学式測距装置であって、上記データ
処理装置は、測定時t1 及び測定時t2 において、対向
局間の設置距離Lに対し見掛け上の変動を与える屈折
率、塩分濃度、水温、水圧、流速、及び流向の各パラメ
ータgをそれぞれN回反復検出し、下記演算式(2)
に、下記演算式(1)により求めた測定時t1 及び測定
時t2 における対向局間の水中の光パルスの伝播速度v
と対向局間のパルス伝播時間幅ΔTとを代入して測定時
1 及び測定時t2 における補正前の対向局間設置距離
Lを求め、下記演算式(3)に基づいて、対向局の何れ
か一方の局における任意の1つのパラメータgのN回の
反復検出値の加算値をNで除算して算出した測定時t1
及び測定時t2 における各短時間平均補正量<g>を<
δL(パラメータ)>と表し、下記演算式(3´)に示
す上記<δL(パラメータ)>を測定時t1 及び測定時
2 における補正前の対向局間の設置距離Lの見掛け上
の変動を補正するための短時間平均補正量とみなして用
い、下記演算式(4)により、測定時t1における補正
前の対向局間設置距離L(j) と短時間平均補正量<δL
(パラメータ)>t1との和に基づいて補正後の真の対向
局間設置距離Lを求め、下記演算式(4´)により、測
定時t2 における補正前の対向局間設置距離L(j) と短
時間平均補正量<δL(パラメータ)>t2との和に基づ
いて補正後の真の対向局間設置距離Lを求め、下記演算
式(5A)、又は(5B)に示す上記(測定時t2 にお
ける補正後の真の対向局間設置距離Lt2)の値から(測
定時t1 における補正後の真の対向局間設置距離Lt1
の値の差の結果に基づいて対向局間における歪みの発生
の有無を識別し、そして、下記演算式(5A)に基づい
て、上記(測定時t2 における補正後の真の対向局間設
置距離Lt2の値、及び測定時t1 における補正後の真の
対向局間設置距離Lt1の値の差)と、上記(測定時t1
及びt2における補正後の真の対向局間設置距離Lt1
びLt2の平均値)との比から、又は下記演算式(5B)
に基づいて、上記(測定時t2 における補正後の真の対
向局間設置距離Lt2の値、及び測定時t1 における補正
後の真の対向局間設置距離Lt1の値の差)と、上記(測
定時t1 における補正後の真の対向局間設置距離L t1
との比から対向局間に発生する歪み量〔ε(i、i+
1)〕t1 t2を求めるよう構成したことを特徴とする。 演算式(1):v=C0 /n、ここで、nは測定時t1
及びt2 における各局の水の実測屈折率、C0 は真空中
の光速度(3×108 m/s)、vは測定時t1及びt
2 における対向局間の光パルスの伝播速度を示す、 演算式(2):v×ΔT=L、ここで、ΔTは対向局間
の光パルスの片道伝播時間幅を示す、 ここで、<g>は各パラメータgのN回測定の平均値、
即ち、各パラメータgの短時間平均補正量、<δL(パ
ラメータ)>は補正前の対向局間の設置距離Lの見掛け
上の変動を補正するための短時間平均補正量、i、(i
+1)はi番目、(i+1)番目の局、δg(j) 及びδ
(j) はN回の反復検出のうちj回目の測定量を示す、 演算式(4):測定時t1 における補正後の真の対向局
間設置距離L=〔Lt1 C(i、i+1)〕=(測定時t
1 における補正前の対向局間設置距離〔L(j) (i、i
+1);t=t1 〕)+(測定時t1 における短時間平
均補正量<δL(パラメータ)>t1)、 演算式(4´):測定時t2 における補正後の真の対向
局間設置距離L=〔Lt2 C (i、i+1)〕=(測定時
2 における補正前の対向局間設置距離〔L(j)(i、
i+1);t=t2 〕)+(測定時t2 における短時間
平均補正量<δL(パラメータ)>t2)、 演算式(5A):〔ε(i、i+1)〕t1 t2≡{(測定
時t2 における補正後の真の対向局間設置距離〔Lt2 C
(i、i+1)〕)−(測定時t1 における補正後の真
の対向局間設置距離〔Lt1 C (i、i+1)〕)}/
0.5×{(測定時t1 における補正後の真の対向局間
設置距離〔Lt1 C (i、i+1)〕)+(測定時t2
おける補正後の真の対向局間設置距離〔Lt2 C (i、i
+1)〕)}、 演算式(5B):〔ε(i、i+1)〕t1 t2≡{(測定
時t2 における補正後の真の対向局間設置距離〔Lt2 C
(i、i+1)〕)−(測定時t1 における補正後の真
の対向局間設置距離〔Lt1 C (i、i+1)〕)}/
(測定時t1 における補正後の真の対向局間設置距離
〔Lt1 C (i、i+1)〕)。
【0016】請求項2の発明は、上記<δL(パラメー
タ)>が、上記測定時t1 及び測定時t2 における補正
前の対向局間の設置距離Lの見掛け上の変動を補正する
ための短時間平均補正量として、上記対向局の何れか一
方の局における任意の複数のパラメータgの各短時間平
均補正量<g>を加算するとき、又は対向局の各局にお
ける任意の複数のパラメータgの各短時間平均補正量<
g>を加算して対向局数2で除算した平均値で示すとき
は、<δL´(パラメータ)>として表し、下記演算式
(4A)により、測定時t1 における補正前の対向局間
設置距離L(j)と短時間平均補正量<δL´(パラメー
タ)>t1 との和に基づいて測定時t1における補正後
の真の対向局間設置距離Lを求め、下記演算式(4B)
により、測定時t2 における補正前の対向局間設置距離
(j) と短時間平均補正量<δL´(パラメータ)>
t2 との和に基づいて測定時t2 における補正後の真の
対向局間設置距離Lを求め、下記演算式(5A)、又は
(5B)に示す(測定時t2における補正後の真の対向
局間設置距離Lt2)の値から(測定時t1 における補正
後の真の対向局間設置距離Lt1)の値の差の結果に基づ
いて対向局間における歪みの発生の有無を識別し、そし
て、下記演算式(5A)に基づいて、(測定時t2 にお
ける補正後の真の対向局間設置距離Lt2の値、及び測定
時t1 における補正後の真の対向局間設置距離Lt1の値
の差)と、上記(測定時t1 及びt2 における補正後の
真の対向局間設置距離Lt1及びLt2の平均値)との比か
ら、又は下記演算式(5B)に基づいて、(測定時t2
における補正後の真の対向局間設置距離Lt2の値、及び
測定時t1 における補正後の真の対向局間設置距離Lt1
の値の差)と、(測定時t1 における補正後の真の対向
局間設置距離Lt1)との比から対向局間に発生する歪み
量〔ε(i、i+1)〕t1 t2を求める事を特徴とする。 演算式(4A):測定時t1 における補正後の真の対向
局間設置距離L=〔Lt1 C (i、i+1)〕=(測定時
1 における補正前の対向局間設置距離〔L(j)(i、
i+1);t=t1 〕)+(測定時t1 における短時間
平均補正量<δL´(パラメータ)>t1)、 演算式(4B):測定時t2 における補正後の真の対向
局間設置距離L=〔Lt2 C (i、i+1)〕=(測定時
2 における補正前の対向局間設置距離〔L(j)(i、
i+1);t=t2 〕)+(測定時t2 における短時間
平均補正量<δL´(パラメータ)>t2)、 演算式(5A):〔ε(i、i+1)〕t1 t2≡{(測定
時t2 における補正後の真の対向局間設置距離〔Lt2 C
(i、i+1)〕)−(測定時t1 における補正後の真
の対向局間設置距離〔Lt1 C (i、i+1)〕)}/
0.5×{(測定時t1 における補正後の真の対向局間
設置距離〔Lt1 C (i、i+1)〕)+(測定時t2
おける補正後の真の対向局間設置距離〔Lt2 C (i、i
+1)〕)}、 演算式(5B):〔ε(i、i+1)〕t1 t2≡{(測定
時t2 における補正後の真の対向局間設置距離〔Lt2 C
(i、i+1)〕)−(測定時t1 における補正後の真
の対向局間設置距離〔Lt1 C (i、i+1)〕)}/
(測定時t1 における補正後の真の対向局間設置距離
〔Lt1 C (i、i+1)〕)。
【0017】請求項3の発明は、水底の断層を介在させ
て、光パルスを送光する送信局と、光パルスを受光して
次段の局に送光する中継局と、中継局からの光パルスを
受光する最終段の受信局とを所定間隔毎に対向配設して
なる測線を設け、送信局から中継局を経由し受信局に送
光される伝播用光パルスから各局毎に観測用の光パルス
を分岐し、その光電変換パルス列を伝送ケーブルを介し
て地上局に伝送し、基準量測定時τ1 において、光電変
換パルス列を取り込み、対向配設された局同士の分岐パ
ルスを1組とし、その1組毎の対向局間片道のパルス伝
播時間幅ΔTを求め、加算して測線の伝播時間Tを基準
伝播時間として求め、基準伝播時間Tと基準量測定時τ
1 の後の測定時τ2 に求めた伝播時間Tとを対比し、そ
の差異の有無から水底基盤における水平歪みの変化の有
無を識別するデータ処理装置を備える光学式測距装置で
あって、上記各局に、設置周囲の水温を検出する温度セ
ンサ及び水の屈折率nを検出する屈折率計を設け、上記
データ処理装置は、基準量測定時τ1 の実測水温を初期
温度tAs℃とし、水温における水の実測屈折率を初期屈
折率nAsとし、初期屈折率nAsを下記演算式1に代入し
て求めた光パルスの伝播速度を初期伝播速度vAsとし、
さらに、各局同士間の1組毎の実測パルス伝播時間幅Δ
Tの和を初期伝播時間TAsとして記憶手段に記憶し、基
準量測定後の測定時τ2 の実測水温tn ℃における実測
屈折率nn を下記演算式1に代入して光パルスの伝播速
度vn を算出して、1組毎の実測パルス伝播時間幅ΔT
の和を実測伝播時間Tn として求め、基準量測定後の測
定時τ2 の実測伝播時間Tn 及び伝播速度vn と、初期
伝播速度vAsとを下記演算式2に代入して求めた伝播時
間TAsn を、基準量測定後の測定時τ2 における実測伝
播時間Tn を初期温度t As℃における初期伝播時間TAs
に温度補正された伝播時間TAsn として記憶保持し、基
準量測定時τ1 の初期伝播時間TAsと温度補正した伝播
時間TAsn とを対比し、その対比結果に基づいて水平歪
みの有無を識別するように構成したことを特徴とする。 演算式1:v=C0 /n、ここで、nは上記基準量測定
時τ1 及び該基準量測定後の測定時τ2 の水の実測屈折
率、C0 は真空中の光速度(3×108 m/s)、vは
算出した上記基準量測定時τ1 及び該基準量測定後の測
定時τ2 の水中の光パルスの初期伝播速度を示す、 演算式2:TAsn =(vn ・Tn )/vAs、ここで、v
Asは上記基準量測定時τ 1 に測定した水中の光パルスの
初期伝播速度、vn は該基準量測定時τ1 の後の測定時
τ2 における水中の光パルスの伝播速度、Tn は上記測
定時τ2 の実測伝播時間、TAsn は測定時τ2 の実測伝
播時間Tn を上記基準量測定時τ1 の初期温度tAs℃に
おける初期伝播時間TAsに温度補正した伝播時間を示
す。
【0018】請求項4の発明は、上記測線における各局
毎に、光パルスを送光する送信局からのレーザ光送光方
向に配設されている光学的測定系と並例に、かつレーザ
光送光方向とは逆方向に向けて光学的測定系を配設する
ことにより、測線に往復路光学的測定系を形成し、往復
路光学的測定系により検出したパルス伝播時間幅データ
と、各局に設けたセンサからの検出データとを上記デー
タ処理装置に伝送する事を特徴とする。
【0019】請求項5の発明は、上記測線に対し、先頭
に位置する送信局、中継局、及び受信局の列からなる測
線の多数を、測線の伝播用光パルスを送光する送信局
と、各測線の先頭送信局とが並列位置するよう敷設し、
測線の送信局と、各測線の先頭送信局とが、測線の送信
局が送光する伝播用光パルスから分岐した伝播用光パル
スを各測線の先頭送信局に順次伝播するよう光結合され
ており、各測線の先頭送信局から中継局を介して受信局
に、伝播用光パルスを送光し、各測線の先頭送信局、中
継局、及び受信局から分岐した伝播用光パルスから分岐
した観測用の光パルスの光電変換パルス列と、各局毎に
設けたセンサからの検出データとをデータ処理装置に伝
送することを特徴とする。
【0020】請求項6の発明は、上記測線における所定
の局を、送信局から送光する伝播用光パルスを分岐する
分岐局とし、分岐局から複数の方向に向けて、先頭に位
置する送信局、中継局、及び受信局よりなる分岐測線の
複数を分岐敷設し、伝播用光パルスを分岐局にて分岐
し、各分岐測線の先頭送信局から中継局を介して受信局
に送光し、各分岐測線の先頭送信局、中継局、及び受信
局から、伝播用光パスルから分岐した観測用の光パルス
の光電変換パルス列と、各分岐測線の各局に設けたセン
サの検出データとを上記データ処理装置に伝送する事を
特徴とする。
【0021】請求項7の発明は、水底における多数の三
角形の頂点を形成する位置毎に観測局を敷設し、観測局
は、この観測局から発生される光伝播パルスを観測局に
隣接する観測局のうちの半数の観測局に対してそれぞれ
送光し、隣接する観測局のうちの残りの半数の観測局か
ら送光される光伝播パルスをそれぞれ受光するよう構成
することにより観測局同士が相互に光結合している光学
式測距装置であって、観測局と、この観測局に隣接する
各観測局との間で送、受光される光伝播パルスの検出伝
播時間幅データ、及び各観測局に設けたセンサの上記検
出データとをデータ処理装置に伝送することを特徴とす
る。
【0022】請求項8の発明は、上記光電変換パルス列
を伝送ケーブルを介して地上局に伝送し、対向設置され
た局同士の分岐パルスを1組とし、1組毎のパルス伝播
時間幅ΔTを、周波数が異なる複数のクロックパルスに
より計数することを特徴とする。
【0023】請求項9の発明は、水底の断層を介在させ
て、光パルスを送光する送信局、光パルスを受光して次
段の局に送光する中継局、及び中継局からの光パルスを
受光する最終段の受信局を所定間隔毎に配設してなる測
線を敷設し、データ処理装置を備える地上局からの伝送
ケーブルを上記送信局、中継局、及び受信局を連接し、
対向する上記各局同士間に介在する伝送ケーブルに、各
局同士を接続する分布型光ファイバー温度計をそれぞれ
添設し、基準量測定時t1 及び該測定時t1 から所定時
間経過後の測定時t2 のそれぞれの計測時において、対
向局の一方の対向局から他方の対向局に向け、上記一方
の対向局にて分岐した一方の分岐光パルスSwを上記対
向局間に介在する水中光路を透過させると共に、他方の
分岐光パルスScを上記対向局間同士を連接する分布型
光ファイバー温度計の光ファイバー光路を介して伝送
し、分岐光パルスSc及び基準光パルスSpを他方の対
向局内設置の計測演算装置の第1成分検出部にて受光
し、検出した両パルスSc及びSp間の位相差を示す第
1の成分信号と、分岐光パルスSw及び基準光パルスS
pを計測演算装置の第2成分検出部にて受光し、検出し
た両パルスSw及びSp間の位相差を示す第2の成分信
号との位相差を示す基準量測定時t1 及び測定時t2
検出信号をそれぞれ伝送ケーブルを介して地上局に伝送
し、地上局にて、基準量測定時t1 における計測時の検
出信号と測定時t2 における計測時の検出信号との位相
差を対比し、その対比結果に基づいて、測線を構成する
対向局間に介在する水温とその余の対向局間の水温との
相違に関係無く、断層の出現の有無、あるいは、断層の
伸縮、地殻変動の有無を識別することを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に本発明の第1の実施の形態
の詳細を、添付した図面に基づいて説明する。図1は海
底に配設する本発明のレーザ光送信局の構成を示し、
(A)は同(B)の切断線A−A′に沿って切断して矢
印P方向から眺めた送信局の一部断面図、(B)は
(A)に示す送信局の斜視図、図2は測線の中継局の内
部構成を概略的に示す断面図、図3は海底の送信局、中
継局、及び受信局からの観測データを地上局に送信する
伝送ケーブルと、片側給電を行う給電線とを備える外装
ケーブルの断面図、図4(A)は送信局、中継局、及び
受信局に設けた光増幅器の構成図、(B)は光増幅器の
例としてエルビウム(Er )添加型光ファイバー式光増
幅器の構成図を示し、図5は光電力を分岐するカプラー
を示すもので、(A)は送信局に配設される前段の光カ
プラーを側面から眺めた図、(B)は上記送信局の前段
の光カプラーの後段に配設される光カプラーを側面から
眺めた図、(C)は測線の最終段の受信局に設けた光カ
プラーを側面から眺めた図、図6は図8に示す第1組の
測線AAの各局構成の概略的断面を示し、光源光送信局
10aからのパルス光が中継局10b・・・を経由して
最終段の受信局10nに送光する間に、各局から発信さ
れる光電変換パルスを外装ケーブルを介して伝送する説
明図、図7は図8に示す第2組の測線BBの各局構成の
概略的断面を示し、測線AAの送信局10aからの分岐
光を受光した先頭の送信局20a、中継局20bを経由
して受信局20nに受光される間に、各局から発信され
る光電変換パルスを外装ケーブルを介して伝送する説明
図、図8は本発明の光学式測距装置の第1の敷設方式に
よる全体配設図を示し、2組の測線を平行敷設したブロ
ック図、図9(A)は測線AA、測線BBの各局から送
光される光パルス列Ma 、Mb 、・・・Mn 、及びM´
a 、M´b 、・・・M´n を示し、(B)は各局から光
パルスが送信される間に、光の分岐、伝播による光強度
の減衰を補償する目的で、減衰された光強度をレーザ光
源から出射されるレーザ光の光強度に光増幅した光強度
の減衰・増幅変動波形図、(C)は分岐された光パルス
の光電変換パルス列Pa 、Pb 、・・・Pn 、及びP´
a 、P´b 、・・・P´n と、各パルス間の伝播時間幅
ΔTab、ΔTbc、・・・ΔTmn、及びΔT´ab、ΔT´
bc、・・・ΔT´mnとを示す波形図である。
【0025】図1(A)に示すように、海底Eには、地
上局のデータ処理装置からの指令信号により、所定時間
間隔毎に点灯するパルスレーザ光源4を内蔵する光送信
局10aが設置され、その耐圧容器1は、鉄製で、四角
柱形状を有し、その高さは、例えば、1.5m程度、重
量は、例えば、200〜300kgであり、そして、容
器1の内部は、真空状態、又は、大気圧に保持されると
ともに、後述する光学系を備えている。さらに、耐圧容
器1の外側面、又は、その頂面に、海水の屈折率を検出
する屈折率計12、サーミスタ等による水温検出用の温
度センサ13、ストレンゲージ等による水圧センサ1
4、例えばレーザドップラー型の流速検出用の流速セン
サ15、流向計16、及び塩分濃度計として、例えば、
ナトリウムイオン電極式又は電導式塩分濃度計17が並
設され、また、容器1の内部には、地震計10と、光源
光送信局10aの傾斜状態を検知する傾斜計11とが設
けられ、それらの測定データは容器1内に配設した信号
線18を経由し、後述する外装ケーブル103Aを介し
て図示しない地上局に送信される。
【0026】耐圧容器1の側壁下部を貫通している外装
ケーブル103Aは、図3に示すように、例えば、各局
からの光信号伝送用の光ファイバーケーブル及び光電変
換パルス等の観測データを伝送する通信線よりなる伝送
ケーブル113と、その周囲を囲む片側給電線123
と、伝送ケーブル113及び給電線123を囲む外装部
133とにより構成されているが、対向耐圧容器1間に
介在するケーブル103Aは、対向耐圧容器1間の海底
に歪みが発生しても、その影響を吸収して容器1が転倒
しないようにたるみを持たせて接続されている。なお、
外装部133には、必要に応じて鉄線を巻付けるよう構
成して引っ張り強度を増大させることも可能である。勿
論、図8に示す測線BBの外装ケーブル103Bも同様
に構成されている。
【0027】図1(B)にも見られるように、容器1の
底面に設けた重錘19の底面から約1mの高さ位置の4
側面には、耐圧性及び光透過性を持つパイレックス(登
録商標)製等の窓3がそれぞれ設けられ、耐圧容器1の
側壁の上部には、容器1の各側面の上部縁から水平4方
向に向けて突出する4つの庇部分2・・・を設け、窓3
が、海底に沈降するプランクトン等の死骸により汚染さ
れないようにする。
【0028】次に、図1(A)を再び参照して容器1内
の光学系を説明すると、レーザ光源4から出射されたレ
ーザパルス光は、図1(A)では判別を容易にする目的
でその形状を概略的にT字形状にて示してあるが、図5
(A)に示すように、前段の光電力分岐カプラー5Aの
ポート51に入射して光電力を二分し、ポート52を介
し、その一方の分岐パルス光L1を、図4(A)に示す
ように、光増幅器6に入射させ、その入射により閉止さ
れたスイッチSWを介して電源E1からの電流供給によ
りランプを点灯して光L2を送光し、ランプ光L2を光
増幅器の光導電体Fに受光させ、電源E2からEL(電
場発光体)に電流が供給され、上記した分岐による光減
衰を、レーザ光源4からの出射光強度と同じ光強度にな
るように増幅した光パルス信号L3を出射する。
【0029】あるいは、図4(B)に示すように、光増
幅器として、例えばエルビウム(E r )添加型光ファイ
バー増幅器6´を用い、レーザ光を光増幅して出射させ
てもよい。この増幅器6´の構成を概略的に説明する
と、エルビウム(Er )をシリケイトガラス、または、
フォスフェイトガラスにドープしてなる光ファイバOF
のレーザ光入射部ITから、入力光カプラーIC、フィ
ルタFIL、光ファイバOFのループ形成部、及びその
出射側に光カプラーCが連接され、さらに、その出射側
を分岐し、その一方にはEr の980nm、または14
80nmの吸収線に一致する半導体レーザを備えるポン
プレーザPLが、その他方には光増幅したレーザ光を出
力する出射部OTが設けられている。
【0030】そして、ポンプレーザPLのレーザ光によ
り光ファイバOFのエルビウム(E r )を光励起する
と、光ファイバOFの入射部ITに入力された、点線で
示す1550nmの波長を持つ弱い入射光が(図4
(A)の入射光L1に相当)、光ファイバOF中を実線
で示すように伝播しながら光増幅されて出射端OTから
出力される1550nmの光(実線で示す、図4(A)
の増幅した光パルス信号L3に相当)を利用するように
してもよい。
【0031】そして、図5(B)に示す後段の分岐カプ
ラー5Bに向けて送光する。上記した他方の分岐パルス
光は、観測用光パルスとして、図5(A)に示すよう
に、点線で示す端部を下方に緩く曲げたポート53を介
して光電変換器9に入射され(図1(A))、電気パル
スPに変換される。
【0032】なお、図4(A)に示す符号D1、D2は
透明電極であり、その表面に貼着するガラスは省略して
示してある。また、図5に示す分岐カプラー5Aは、後
述する図2に代表例として示す中継局用の分岐カプラー
にも用いられる。そして、分岐カプラー5Aは、測線B
Bの先頭送信局20aに用いる場合には、送信局10a
から送光されるパルス光を受光し得るように、分岐カプ
ラー5Aのポート51の端部を発信局10aの送光窓に
向けて緩く屈曲させるよう構成しておくことは勿論であ
る。
【0033】さらに続けると、図5(B)に示すよう
に、後段の光電力分岐カプラー5Bのポート51に入
射、分岐された一方の分岐パルス光は、ポート52を介
して光増幅器6に入射され、そして、他方の分岐パルス
光は、伝播用光パルスとして、ポート53を経由し、送
信局10aの側壁に設けた図示しない光透過窓3を介し
て海中に送光し、そして、隣接する測線BBの先頭送信
局20aの側壁に設けた分岐光受光用の光透過窓3を介
して受光させ、光増幅器6にて、同様に、レーザ光源4
からのレーザ光強度と同一の光強度になるように光増幅
し、集光レンズ8(第2図、参照)及び光透過窓3を通
過して次段の中継局20b・・・に向けて送光される。
他方、ポート54の端部に設けた光吸収部材(又は、光
アイソレータ)56により、ポート53からの反射光を
吸収する。
【0034】このようにして、伝播用パルス光は、図示
しない最後の中継局10m(図示せず)に送光され、こ
の中継局から、図5(C)に示すように、測線AAの最
終段の受信局10nに設けた分岐カプラー5Cのポート
51に入射され、ポート52、53に2分した、観測用
光パルスとしての一方の分岐パルス光を、ポート52の
端部に設けた光吸収部材55により吸収し、そして、そ
の端部部分が曲げられたポート53を介して光電変換器
9に入射され、電気パルスPに変換される。ポート52
の先端には光増幅器6が配設されている。
【0035】なお、上記した図1(A)に示す集光レン
ズ8には、容器1が傾斜して着床した場合や、レベル差
のある海底面に着床した場合に、隣接する局の送光窓と
受光窓とが正確に対向しなくても、パルス光の送受を支
障なく行えるようにする目的で、耐圧容器1の垂直方向
の軸回りにレンズ8を微回動させるための回動機構と、
送受光方向と平行する水平面に対する傾斜角、つまり、
伏角を微調整する回動機構を設け、レンズ8の位置を微
調整し、確実な送、受光を可能にするよう構成されてい
ることは勿論である。
【0036】図2は測線AAの中継局10b〜10mの
耐圧容器1を示すもので、送信局10aの耐圧容器1の
構成と対比すると、その相違は、レーザ光源4と分岐カ
プラー5Bを具備していない上、分岐カプラー5Aの前
段の光増幅器6の前方に集光レンズ8を具備する点で相
違している。
【0037】また、最終段の受信局10nの耐圧容器1
は、図2に示す中継局用10b〜10mの耐圧容器1と
対比すると、図6、及び図7に示すように、分岐カプラ
ー5Aに代え、図5(C)に示す分岐カプラー5Cを備
える他、分岐カプラー5Cの後段にレンズ8を具備しな
い点である。さらに、測線BBの先頭送信局20a、中
継局20b〜20m及び受信局20nにおける分岐カプ
ラーについても、測線AAと同様に構成されている。
【0038】なお、図1(A)及び図2において、符号
20は、耐圧容器1を低層水流等の押圧力や、漂砂、浸
食等の影響を受けて転倒させずに長期間にわたり安定に
保持させる目的で、容器1の下方に取り付けられた重錘
19の底面に取り付けられるもので、例えば、尖った先
端部を備え、耐圧容器の自重、及び水圧により海底地中
に刺入された脚部材を示す。
【0039】さて、図8の第1の設置例に示すように、
海底Eの断層60を跨いで、例えば、30m間隔で配設
されている各局10a〜10nからなる第1組の測線A
Aが配設されており、この測線AAと平行に、同様に3
0m間隔で配設された各局20a〜20nよりなる第2
組の測線BBが断層61を跨いで配設されている。
【0040】次に、図6、図7、及び図8に示す測線A
A及び測線BBにて発生、伝送されるパルスについて、
図9(A)〜(C)の波形図を参照しながら説明する。
図9(A)に示すように、測線AAの送信局10aのレ
ーザ光源4のパルスレーザ光Ma を分岐カプラー5Aに
入射し、一方の分岐パルス光を後段の光増幅器6に入射
し、図9(B)に示すように、分岐による光減衰を、レ
ーザ光源4の光強度と同じ光強度となるように光増幅し
た伝播用パルス光を後段の分岐カプラー5Bに入射し、
その一方の分岐パルス光をさらに後段の光増幅器6に入
射し、さらに、耐圧容器1の光透過窓3を介して次段の
中継局10bに送光させる。中継局10bの光透過窓3
を介し、光増幅器6にてレーザ光源4の伝播用光パルス
の光強度と同一の光強度に光増幅した光パルスMb を中
継局10bの分岐カプラー5Aに入射させ、光透過窓3
から図示しない次段の中継器に送光する。このようにし
て、図示しない中継局10mから最終段の受信局10n
の光透過窓3を介して光増幅器6に入射され、光増幅後
にパルス光Mn が分岐パルス光が分岐カプラー5Cに入
射される。
【0041】そして、送信局10aの分岐カプラー5A
にて分岐された他方の分岐パルス光Ma 、中継局10b
の分岐カプラー5Aにて分岐された他方の分岐パルス光
b、Mc ・・・と、最終段の受信局10nの分岐カプ
ラー5Cの他方の分岐パルス光Mn をそれぞれ観測用光
パルスとして、それぞれ光電変換器9・・・に入射さ
せ、電気パルスPa 、Pb 、Pc ・・・Pn を伝送ケー
ブル103にて伝送する。
【0042】また、測線BBでは、測線AAの送信局1
0aの分岐カプラー5B(図5(B))にて分岐され、
その光透過窓3を介して海中に送光された分岐パルス光
は、伝播用光パルスとして、分岐カプラー5Aを示す図
5(A)、及び図8を参照すると、測線BBの先頭に位
置する送信局20aの光透過窓3を介し、その耐圧容器
1内の光増幅器6に入射され、レーザ光源の光強度と同
一の光強度に光増幅される。この光増幅器6から送光さ
れたパルス光を分岐カプラー5Aで分岐し、その一方の
分岐パルス光を光透過窓3を介して次段の中継局20b
に送光する。そして、中継器20bから図示しない次段
の中継局に送光しながら、最終段の受信局20nに送光
する。中継局20aの分岐カプラー5Aにて分岐した他
方の分岐パルス光M´a 、及び他方の分岐パルス光M´
b ・・・M´n を、観測用光パルスとしてそれぞれ光電
変換器9に入射させ、電気パルスP´a 、P´b ・・・
P´n を伝送ケーブル103Bにより地上局に伝送す
る。
【0043】なお、図9(C)に示すパルスPa
b 、・・・Pn と、P´a 、P´b ・・・P´n とを
外装ケーブル103A、103Bにて地上局に伝送せず
に、分岐パルス光をそのまま(又は、光増幅後)地上局
に伝送する方式も可能である。また、地上局からクロッ
クパルスを海底に設置した各局に伝送し、上記した分岐
パルス光の波長をカウントし、このカウント値を地上局
に伝送する方式も可能である。さらに、地上局に伝送さ
れる光電変換パルス列の、対向設置された局同士の分岐
パルスを1組とし、該1組毎の分岐パルスの伝播時間幅
ΔTを、周波数が異なるクロック信号により計測し、そ
れぞれの測定結果を総合することで正確な測定値を求め
ることが可能となる。
【0044】次に、測線AA、及び測線BBにおける基
準値測定時t1 と基準値測定時から所定時間経過後の測
定時t2 とにおいて、対向する設置局間の片道の光パル
ス伝播時間幅ΔT、光パルスの伝播速度v、対向局間設
置距離Lを求めるとともに、屈折率n、あるいは水温等
のそのパラメータの変動に対応して見掛け上変動する対
向局の設置間距離Lを補正するデータ処理を行ない、対
向局間における歪み量の発生の有無を識別するデータ処
理装置について、図10に示す機能ブロック図を参照し
ながら説明する。
【0045】図10は、CPUに接続されたプリンタ、
図示しないキーボードや、マウス等の入出力装置を有す
るとともに、メモリを備え、以下に記載するデータ処理
の制御プログラムを実行するマイクロコンピュータ、又
はパソコンの機能ブロック図である。これを機能的に説
明すると、先ず測線AAにおいて、検出部では、各局に
設置したセンサにより、測定時t1 及びt2 における各
1回の測定時間、即ち、1秒〜数秒の短時間毎にN回に
わたり海水の屈折率と、塩分濃度、温度等のパラメータ
との反復検出を行うとともに、図9(C)に示すよう
に、海底の各耐圧容器1、即ち、各局から地上局に次々
に伝送されて来る光電変換パルスPa 、P b 、Pc 、・
・・Pn を順次取り込み、次いで、カウンタ部では、測
定時t1 及びt2 毎の1組のパルスPa b 間の伝播時
間幅ΔTabと、Pb c 間の伝播時間幅ΔTbcと、・・
・・Pm n 間の伝播時間幅ΔTmnを計数し、メモリに
各伝播時間幅を記憶させる。
【0046】ところで、各局における水中の光伝播速度
vは、v=C0 /nの演算式(1)で示される、ここ
で、C0 は真空中の光速度3×108 (m/s)、nは
各局設置の屈折率センサにより検出した水の屈折率を示
す。そして、水中の光パルスの伝播速度v及び伝播時間
ΔTの積と、測線AAにおける対向局間のそれぞれの設
置距離Lとの関係は、v×ΔT=Lの演算式(2)にて
示される。
【0047】したがって、対向局間の屈折率n、海水の
塩分濃度、水温、水圧、流速、流向等のパラメータgの
値が変動すると、海水中の光パルスの伝播速度vが変動
する。このため、例えば、i番目の局と(i+1)番目
の局との対向局間設置距離Lは、上記屈折率等のパラメ
ータgの変動に基づく光パルスの水中伝播速度の変動の
影響を受けた補正前のi番目及び(i+1)番目の局間
の水中光パルスの片道伝播速度v:〔v(j) (i、i+
1)〕と、i番目の局から(i+1)番目の局への水中
光パルスの実測伝播時間幅ΔT:〔T(j) (i、i+
1)〕との積、即ち、 (補正前の伝播速度〔v(j) (i、i+1)〕)×(補正前の実測伝播時間幅〔 T(j) (i、i+1)〕)=(補正前の対向局間設置距離〔L(j) (i、i+1 )〕)・・・(2´) で示される、ここで、i、(i+1)は正の数値を示
し、v(j) 、T(j) はj回目測定時の伝播速度と伝播時
間幅との値を示す。
【0048】上記式(2´)の右辺のi番目と(i+
1)番目の各局間の対向距離Lは、海底歪みの発生、伸
縮によるのではなく、屈折率や、その海水温度、塩分濃
度、流速、流向等のパラメータの変動により見掛け上変
動していることを示している。そこで、i番目及び(i
+1)番目の対向局間の真の、即ち、見掛け上の変動を
補正した後の設置間距離Lは、見掛け上の変動補正前の
対向局間設置距離Lである上記〔L(j) (i、i+
1)〕と、i番目及び(i+1)番目の対向局設置距離
の補正量δLとの和、即ち、(真の対向局間設置距離
L)=(補正前の対向局間設置距離L)+(補正量)に
て示される。これを具体的に示すと、 (真の対向局間設置距離〔L(j) (i、i+1)〕)=(補正前の対向局間設置 距離〔L(j) (i、i+1)〕)+(補正量〔δL(j) (i、i+1)〕)・・ ・・(2″) で示される。この式(2″)の右辺第1項の補正前の距
離Lの数値は上記演算式(2)で求めた値そのものを示
しているが、右辺第2項の(補正量)の算出について以
下に説明する。
【0049】一般に、単に1回の測定データのみを用い
て補正量とする事は、より正確な結果が得られないため
好ましいことではない。既に述べたように、対向局間の
設置距離は、例えば30mで比較的短距離であるから、
その間の屈折率分布や、塩分濃度等のパラメータ分布に
は大幅な変動は考え難く、このため、i番目局と(i+
1)番目局のうち、i番目局のパラメータ検出値の平均
値<g>、又は(i+1)番目局のパラメータ検出値の
平均値<g>の何れかを用いた補正で十分間に合うもの
と考えられる。
【0050】そこで、データ処理装置の平均補正量算出
部では、各測定時t1 、t2 の測定時期毎に、例えば、
それぞれ1秒〜数秒の短時間の間にi番目及び(i+
1)番目の両局に設置したセンサ12〜17によりN回
反復検出した屈折率、海水温度、塩分濃度、流速、及び
流向等の各パラメータgの検出値を、屈折率や塩分濃度
等の各パラメータ毎にそれぞれ区分して加算し、各加算
値を検出回数Nでそれぞれ除算することで、i番目局、
又は(i+1)番目局における屈折率等の各パラメータ
gの短時間平均値、換言すると短時間平均補正量<g
>、 を求める。
【0051】ところで、式(2″)の右辺、第2項に示
す補正量〔δL(j) (i、i+1)〕、即ち、<δL>
は、レーザパルス光の伝播経路における屈折率や塩分濃
度、水温等の各パラメータgの変動(δg)の函数と、
計測機器のノイズ等に起因する人工的変動の和で表現さ
れるため、これらを纏めて短時間平均補正量<δL>=
F(パラメータ)+<δL(計測機器)>と表現でき
る。以下では、簡単のため、<δL(計測機器)>をゼ
ロと仮定するが、勿論、<δL(計測機器)>を別途実
施する計測機器の検定により推定してもよい。そして、
上記F(パラメータ)を一次近似的に<δL(パラメー
タ)>として各パラメータ毎の線形一次近似式の和で表
現すると、<δL(パラメータ)>=<δL(屈折率の
みの変動の影響)>+<δL(塩分濃度のみの変動の影
響)>+<δL(水温のみの変動の影響)>+<δL
(水圧のみの変動の影響)>+<δL(流速のみの変動
の影響)>+<δL(流向のみの変動の影響)>+・・
・と記載することができる。
【0052】実際には、例えば、屈折率等のパラメータ
gのうちの任意の何れか1つのパラメータを選択し、平
均補正量算出部で算出した短時間平均補正量<g>を<
δL(パラメータ)>と表現し、この<δL(パラメー
タ)>を、上述した式(2″)の第2項に示す各局設置
間距離Lの補正計算用の真の短時間平均補正量<δL>
に相当するものと見なして用いる事としたのである。そ
して、上記した短時間平均補正量である<δL(パラメ
ータ)>は、 <δL(パラメータ)>= (Σ(j) N 〔δL(パラメータ)(j) (i、i+1)〕)/N・・・(3´) の式で示されるが、このようにN回の反復検出値の平均
値を求めることにより、測定精度は√N倍向上すること
となる。かくして、補正前の対向局間設置距離Lと短時
間平均補正量<δL(パラメータ)>を加算した真の距
離Lが、メモリに記憶される。
【0053】次に、測線AAにおいて、パラメータgと
して何れか一方の局の屈折率nのみを選択し、i番目の
局と(i+1)番目の局との真の設置間距離Lの算出
と、測定時t1 からt2 の間に発生した歪み量の算出す
る場合について説明する。図11に示すように、例え
ば、海底の断層観察開始時間t1 、即ち、1秒〜数秒の
短時間t1 の間に、i番目局、又は(i+1)番目局に
設置した屈折率計12により水の屈折率nのN回の反復
検出を行ない、観察開始時間(基準値測定時)t1 から
所定時間経過後の時間t2 、同様に1秒〜数秒の短時間
2 の間に屈折率nのN回の反復検出を行うとともに、
上記演算式(1)、(2)により算出したi番目と(i
+1)番目の各局間における補正前の距離Lと、データ
処理装置の平均補正量算出部により算出した、i番目、
又は(i+1)番目の局で検出した屈折率nの短時間平
均補正量<δL(パラメータ)>t1とを用いて、t=t
1における補正後のi番目と(i+1)番目の局間の真
の距離LをLt1 C (i、i+1)と示すと、距離算出部
では、Lt1 C (i、i+1)=(測定時t1 における補
正前の対向局間設置距離〔L(j ) (i、i+1)〕)+
(測定時t1 における短時間平均補正量<δL(パラメ
ータ)>t1)・・・(4)により算出し、同様にt=t
2 におけるi番目と(i+1)番目の対向局間の補正後
の真の距離Lを、Lt2 C (i、i+1)と示すと、Lt2
C (i、i+1)=(測定時t2 における補正前の対向
局間の設置距離〔L (j) (i、i+1)〕)+(測定時
2 における短時間平均補正量<δL(パラメータ)>
t2)・・・(4´)により算出する。
【0054】さらに、測定時t1 〜t2 と歪み変化量ε
の変動傾向との関係を示す図11から明らかとなるが、
測定時t1 〜t2 におけるi番目及び(i+1)番目の
対向局間の真の設置距離Lの変動量、換言すると、歪み
変化量εは、下記演算式、〔ε(i、i+1)〕t1 t2
{(測定時t2 における補正後の真の対向局間設置距離
〔Lt2 C (i、i+1)〕−(測定時t1 における補正
前の対向局間設置距離〔Lt1 C (i、i+1)〕)}/
0.5×{(測定時t1 における補正後の真の対向局間
設置距離〔Lt1 C (i、i+1)〕)+(測定時t2
おける補正後の真の対向局間設置距離〔Lt2 C (i、i
+1)〕)}・・・(5A)にて、又は下記演算式、
〔ε(i、i+1)〕t1 t2≡{(測定時t2 における補
正後の真の対向局間設置距離〔Lt2 C (i、i+1)〕
−(測定時t1 における補正前の対向局間設置距離〔L
t1 C (i、i+1)〕)}/(測定時t1 における補正
後の真の対向局間設置距離〔Lt1 C (i、i+1)〕)
・・・(5B)により算出される。
【0055】比較部では、(測定時t2 における補正後
の真の距離Lt2の算出値)と(測定時t1 における補正
後の真の距離Lt1の算出値)との差が計測能力限界(例
えば、10-8)以下であり、かつ、等しければ、基準値
測定時t1 から所定時間経過後の測定時t2 の間に有意
な歪みの発生がなく、等しくなければ、歪みが発生した
と識別し、その判別信号と上記演算式(5A)、又は
(5B)により求めた歪み変化量を示す信号とを出力す
る。
【0056】また、測線BBについても同様に、パラメ
ータgとして何れか一方の局の屈折率nのみを用い、i
番目の局と(i+1)番目の局との真の設置間距離Lの
算出と、測定時t1 からt2 の間に発生した歪み量の算
出とを説明する。図11に示すように、海底の断層観察
開始時間t1 の間に、i番目局、又は(i+1)番目局
に設置した屈折率計12により水の屈折率nのN回の反
復検出を行ない、観察開始時間(基準値測定時)t1
ら所定時間経過後の時間t2 の間に屈折率nのN回の反
復検出を行うとともに、上記演算式(1)、(2)によ
り算出したi番目と(i+1)番目の各局間における補
正前の距離Lと、データ処理装置の平均補正量算出部に
より算出した、i番目、又は(i+1)番目の局で検出
した屈折率nの短時間平均補正量<δL(パラメータ)
t1とを用い、距離算出部では補正後のi番目と(i+
1)番目の局間の真の距離Lを、Lt1 C (i、i+1)
=(測定時t1 における補正前の対向局間設置距離〔L
(j ) (i、i+1)〕)+(測定時t1 における短時間
平均補正量<δL(パラメータ)>t1)・・・(4)に
より算出し、同様にt=t2 におけるi番目と(i+
1)番目の対向局間の補正後の真の距離Lを、L
t2 C (i、i+1)=(測定時t2 における補正前の対
向局間の設置距離〔L (j) (i、i+1)〕)+(測定
時t2 における短時間平均補正量<δL(パラメータ)
t2)・・・(4´)により算出する。
【0057】さらに、測定時t1 〜t2 におけるi番目
及び(i+1)番目の対向局間の真の設置距離Lの変動
量、即ち、歪み変化量εを下記演算式(5A)、〔ε
(i、i+1)〕t1 t2≡{(測定時t2 における補正後
の真の対向局間設置距離〔Lt2 C (i、i+1)〕−
(測定時t1 における補正前の対向局間設置距離〔Lt1
C (i、i+1)〕)}/0.5×{(測定時t1 にお
ける補正後の真の対向局間設置距離〔Lt1 C (i、i+
1)〕)+(測定時t2 における補正後の真の対向局間
設置距離〔Lt2 C (i、i+1)〕)}により、又は下
記演算式(5B)、〔ε(i、i+1)〕t1 t2≡{(測
定時t2 における補正後の真の対向局間設置距離〔Lt2
C (i、i+1)〕−(測定時t1 における補正前の対
向局間設置距離〔Lt1 C (i、i+1)〕)}/(測定
時t1 における補正後の真の対向局間設置距離〔Lt1 C
(i、i+1)〕)により算出する。
【0058】比較部では、(測定時t2 における補正後
の真の距離Lt2の算出値)と(測定時t1 における補正
後の真の距離Lt1の算出値)との差が計測能力限界(例
えば、10-8)以下であり、かつ、等しければ、基準値
測定時t1 から所定時間経過後の測定時t2 の間に有意
な歪みの発生がなく、等しくなければ、歪みが発生した
と識別し、その判別信号と上記演算式(5A)、又は
(5B)により求めた歪み変化量を示す信号とを出力す
る。
【0059】次に、断層60、61に跨がって配設した
測線AA、BBの作用を以下に説明する。いま、図6、
図8に示す光送信局10aのレーザ光源4から発生され
た光パルスを前段の分岐カプラー5Aにより分岐し、分
岐による減衰分を光増幅器6によりレーザ光源4からの
光パルスの光強度と同一強度に増幅した光パルスM
a (図9(A))を後段の分岐カプラー5Bに入射し、
さらに、分岐による減衰分をレーザ光源4からの光パル
スの光強度まで増幅し(図9(B))、光透過窓3を介
し、次段の中継局10bの光透過窓3に向けて送光す
る。また、分岐カプラー5Aにて分岐された他方の分岐
パルス光を、光電変換器9にて光電変換したパルスP a
を伝送ケーブル103Aを介して図示しない地上局に伝
送する(図9(C))。
【0060】次段の中継器10bの光透過窓3を介して
受光した光パルスを光増幅器6によりレーザ光源4から
の光パルスの光強度と同じ強度に増幅し、分岐カプラー
5Bで分岐した一方の分岐パルス光を光増幅器6に入射
し、さらに、光透過窓3を介して次段の中継局に向けて
送光し、このようにして、分岐パルス光を後続する中継
局に次々に伝送する。中継局10b、・・・の分岐カプ
ラー5Aにて分岐された他方の分岐パルス光Mb
c 、・・・Mm を光電変換器9により電気パルス
b 、Pc 、・・・Pm に変換し、伝送ケーブル103
を介して図示しない地上局に伝送する。最終段の受信局
10nでは、光透過窓3を介して入射した一方の分岐パ
ルス光を光増幅6によりレーザ光源4からの光パルスの
光強度と同じ強度に増幅し、分岐カプラー5Cにより分
岐させた他方の分岐パルス光Mn の光電変換パルスPn
を、同様に伝送ケーブル103を介して伝送する。
【0061】他方、図7、図8に示すように、送信局1
0aの分岐カプラー5Bにより分岐した分岐パルス光
を、隣接する測線BBの先頭の送信局20aの光透過窓
3を介して前段の光増幅器6に入射し、レーザ光源4の
光強度と同一強度に光増幅した一方の分岐パルス光M´
a を分岐カプラー5Aに入射し、一方の分岐パルス光を
後段の光増幅器6に入射し、レーザ光源4の光強度と同
一強度に光増幅し、光透過窓3を介して次段の中継器2
0bに送光する。そして、分岐カプラー5Aの他方の分
岐パルス光を光電変換器9により電気パルスP´a に変
換して送出する。かくして、一方の分岐光パルスを後続
する中継局20b・・・を経由し、さらに、最終段の受
信局20nに次々に伝送する。他方、中継局20b、・
・・の分岐カプラー5Aにて分岐された他方の分岐パル
ス光M´b 、Mc ´、・・・M´nを光電変換器9によ
り電気パルスP´b 、P´c 、・・・P´n に変換し、
伝送ケーブル103を介して図示しない地上局に伝送す
る。
【0062】図12に示すフローチャートを参照し、各
局から伝送されてくる検出データの処理について説明す
る。地上局のデータ処理装置の検出部では、図9(C)
に示すように、測線AAの送信局10a、中継局10
b、・・・、受信局10nから次々に伝送されて来る光
電変換パルスPa 、Pb 、Pc 、・・・Pn と、測線B
Bの中継局20a、・・・、受信局20nから次々に伝
送されて来る光電変換パルスP´a 、P´b 、P´c
・・・P´n とを取り込むとともに、測線AAからのパ
ルスPa b 間の伝播時間幅ΔTab、パルスPb c
の伝播時間幅ΔT bc、・・・・、パルスPm n 間の伝
播時間幅ΔTmnと、測線BBからのパルスP´a P´b
間の伝播時間幅ΔT´ab、パルスP´b P´c 間の伝播
時間幅ΔT´bc、・・・・、パルスP´m P´n 間の伝
播時間幅ΔT´mnとをカウンタ部にて計数し、測定時t
1 、t2 における各伝播時間ΔTをメモリに記憶させる
(ステップS1)。そして、測線AA、BBにおける各
局設置位置の屈折率、水温、水圧、流向、流速、塩分濃
度のパラメータgを、i番目、又は(i+1)番目の対
向局に設置した屈折率計12、温度センサ13、水圧セ
ンサ14、流速センサ15、流向計16、塩分濃度計1
7のセンサにより測定時t=t1 、及びこの時間から所
定時間経過後の測定時t=t2 において、例えば、1秒
〜数秒間の短時間内にそれぞれN回反復検出する(ステ
ップS2)。そして、メモリに記憶させた真空中の光速
度C0 と屈折率nを演算式(1)に代入し、光パルスの
伝播速度vを求め、この伝播速度vとi番目と(i+
1)番目の局間の伝播時間ΔTとを演算式(2)に代入
して補正前の距離Lを算出する(ステップ3)。
【0063】次に、平均補正量算出部では、ステップS
2で検出した測線AA、BBにおける屈折率、水温、塩
分濃度等の各パラメータgによる短時間平均補正量(Σ
(j) N 〔δg(j) (i、i+1)〕)/Nをそれぞれ算
出し、即ち、<δL(パラメータ)>を求める(ステッ
プS4)。距離算出部では、ステップS4で算出した屈
折率n等の短時間平均補正量<g>のうち、屈折率nの
短時間平均補正量<g>、換言すると、その<δL(パ
ラメータ)>を用いて対向局間の真の設置間距離Lの算
出を行う。
【0064】即ち、測線AA、BBの対向局間の、例え
ば、i番目の局と(i+1)番目の局間の真の設置間距
離Lの変動量、即ち、歪み量εは、測定時t1 とt2
おける算出した補正後の真の距離Lt1 C とLt2 C とを下
記演算式、 〔ε(i、i+1)〕t1 t2≡{(測定時t2 における補正後の真の対向局間設置 距離〔Lt2 C (i、i+1)〕−(測定時t1 における補正前の対向局間設置距 離〔Lt1 C (i、i+1)〕)}/0.5×{(測定時t1 における補正後の真 の対向局間設置距離〔Lt1 C (i、i+1)〕)+(測定時t2 における補正後 の真の対向局間設置距離〔Lt2 C (i、i+1)〕)}・・・(5A)、 又は、 〔ε(i、i+1)〕t1 t2≡{(測定時t2 における補正後の対向局間設置距離 〔Lt2 C (i、i+1)〕)−(測定時t1 における補正後の対向局間設置距離 〔Lt1 C (i、i+1)〕)}/(測定時t1 における補正後の真の対向局間設 置距離〔Lt1 C (i、i+1)〕)・・・(5B) に代入することにより算出される(ステップS5)。
【0065】比較部では、(測定時t2 における補正後
の真の距離Lt2の算出値)と(測定時t1 における補正
後の真の距離Lt1の算出値)との差が計測能力限界(例
えば、10-8)以下なら(ステップS6)、上記両値が
等しければ測定時t1 〜t2の間に有意な歪みの発生が
なく(ステップS8)、そうでなければ有意な歪みが発
生したと識別し(ステップS7)、その識別信号と上記
歪みの推定値を示す信号を出力する。
【0066】かくして、判別信号を、屈折率計12、温
度センサ13、水圧センサ14、流向計15、流速計1
6、塩分濃度計17により実測した水温、水圧、流向、
流速、塩分濃度等のパラメータの各測定データととも
に、プリンタ、CRTに送出し(ステップS9)、次
に、ステップS1、S2に飛んで、上記データ処理を対
向各局に対する測定を反復することにより、測線AA、
BBにおける全部の対向各局間における歪みの有無を識
別するとともに、歪み量の算出を行う。なお、測定時t
2 経過後の測定時t3 ・・・tn の各測定値と、測定時
1 との各対比から歪みの発生の有無、歪み量の検知を
行うことは勿論である。
【0067】上記した例では、光学式測距装置の収納容
器の側部の形状を四角柱状に特定し、その4側面に光透
過窓を設ける旨を述べてあるが、光透過窓の穿設高さ位
置の側壁のみを円筒形状に、又は、側壁全体を円筒形状
に形成した上、120°、90°、60°又は45°間
隔に光透過窓を設けることで、送受光方向を3方向、4
方向、6方向、及び8方向にも分岐して送受光可能とし
たり、また、90°毎に光透過窓を設け、その内の3方
向を送受方向とするよう構成する事も随意である。さら
に、多方向に光を分岐送光する場合には、図5に示す分
岐カプラーは2方向に分岐させるから、例えば、受光光
を3方向に分岐させるには、光増幅器を介在させながら
分岐カプラー2個を縦設すればよく、したがって、分岐
を行う局に、分岐方向数の増加に対応した数の分岐カプ
ラーを配設するよう構成すればよい。
【0068】また、ケーシング内に傾斜計10を設けて
あるため、本発明の光学式測距装置を傾斜して布設した
際には、傾斜計の傾斜信号は地上局に伝送され、これを
識別したオペレータは各中継局に設けた図示しないケー
ブルを、例えば、ケーブル布設用作業船を用いて牽引す
ることで、各中継局の傾斜を補正して設置することが可
能となる。さらに、上記実施例において、送信局、中継
局、及び受信局の何れかにデータ処理装置を設け、そこ
で検出データの処理を行って判別データを得た後、地上
局に転送するよう構成してもよいことは勿論である。
【0069】次に、既に述べた<δL(パラメータ)>
は、対向局の何れか一方の局における任意の1つのパラ
メータgの短時間平均補正量に限定されるものではな
く、対向局の何れか一方の局で求めた任意の複数のパラ
メータgの各短時間平均補正量<g>を加算したとき、
又は対向局の各局において求めた任意の複数のパラメー
タgの各短時間平均補正量<g>を加算して対向局数2
で除算した平均値で示すときにも適用されるもので、そ
れらの場合の短時間平均補正量を、識別化のため<δL
´(パラメータ)>と表現する事とする。ところで、対
向局の何れか一方の局で求めた複数のパラメータgの短
時間平均補正量<g>を加算するときは、演算式(3
A)により、<δL´(パラメータ)>=<δL(屈折
率のみの変動の影響)>+<δL(塩分濃度のみの変動
の影響)>+<δL(水温のみの変動の影響)>+<δ
L(水圧のみの変動の影響)>+<δL(流速のみの変
動の影響)>+<δL(流向のみの変動の影響)>と示
し、また、対向局の各局において求めた任意の複数のパ
ラメータgの短時間平均補正量<g>を加算して対向局
数2、換言すると、0.5で除算した平均値で示すとき
は、演算式(3B)により、<δL´(パラメータ)>
=0.5×{(一方の局における〔<δL(屈折率のみ
の変動の影響)>+<δL(塩分濃度のみの変動の影
響)>+<δL(水温のみの変動の影響)>+<δL
(水圧のみの変動の影響)>+<δL(流速のみの変動
の影響)>+<δL(流向のみの変動の影響)>〕)+
(他方の局における〔<δL(屈折率のみの変動の影
響)>+<δL(塩分濃度のみの変動の影響)>+<δ
L(水温のみの変動の影響)>+<δL(水圧のみの変
動の影響)>+<δL(流速のみの変動の影響)>+<
δL(流向のみの変動の影響)>〕)}と示す。
【0070】次に、対向局の何れか一方の局で求めた任
意の複数のパラメータgの各短時間平均補正量<g>を
加算したもの、又は、「対向局の各局において求めた任
意の複数のパラメータgの各短時間平均補正量<g>の
加算して対向局数2で除算した平均値」で示したものを
<δL´(パラメータ)>と表し、これを用いた歪み量
の算出を説明する。この場合、前述した対向局の何れか
一方の局の任意の1つのパラメータgを選択した時の各
短時間平均補正量<δL(パラメータ)>の算出前の処
理過程は同じであるが、これ以後の処理過程が若干相違
するので、以下に相違点について説明する。
【0071】先ず、測定時t1 、t2 に検出した任意の
複数のパラメータgを用いた各短時間平均補正量を加算
したものを<δL´(パラメータ)>とし、対向局の何
れか一方の局で求めた任意の複数のパラメータg、例え
ば、屈折率、塩分濃度のパラメータgを選択したとき
は、演算式(3A)により、<δL´(パラメータ)>
=<δL(屈折率のみの変動の影響)>+<δL(塩分
濃度のみの変動の影響)>を算出し、補正後の真の対向
局間設置距離Lを求める下記演算式(4A)、(4B)
の右辺第2項にそれぞれ代入する。また、対向局の各局
において求めた任意の複数のパラメータgを用いた各短
時間平均補正量<g>、例えば、各局における屈折率、
塩分濃度、水温のパラメータgを選択したときは、演算
式(3B)により、<δL´(パラメータ)>=0.5
×{(一方の局における〔<δL(屈折率のみの変動の
影響)>+<δL(塩分濃度のみの変動の影響)>+<
δL(水温のみの変動の影響)>〕)+(他方の局にお
ける〔<δL(屈折率のみの変動の影響)>+<δL
(塩分濃度のみの変動の影響)>+<δL(水温のみの
変動の影響)>〕)}を算出し、この場合も同様に、補
正後の真の対向局間設置距離Lを求める下記演算式(4
A)、(4B)の右辺第2項にそれぞれ代入する。
【0072】よって、何れの場合も、測定時t1 におけ
る補正後の真の対向局間設置距離Lは、 L=〔Lt1 C (i、i+1)〕=(測定時t1 における補正前の対向局間設置距 離〔L(j) (i、i+1);t=t1 〕)+(測定時t1 における短時間平均補 正量<δL´(パラメータ)>t1)・・・演算式(4A) に示すように、測定時t1 における補正前の対向局間設
置距離L(j) と上記短時間平均補正量<δL´(パラメ
ータ)>t1 との和から測定時t1 における補正後の真
の対向局間設置距離Lを求めると共に、測定時t2 にお
ける補正後の真の対向局間の設置距離Lは、 測定時t2 における補正後の真の対向局間設置距離L=〔Lt2 C (i、i+1) 〕=(測定時t2 における補正前の対向局間設置距離〔L(j) (i、i+1); t=t2 〕)+(測定時t2 における短時間平均補正量<δL´(パラメータ) >t2)・・・演算式(4B) に示すように、測定時t2 における補正前の対向局間設
置距離L(j) と上記短時間平均補正量<δL´(パラメ
ータ)>t2 との和から測定時t2 における補正後の真
の対向局間設置距離Lを求める。
【0073】 次に、{(測定時t2 における補正後の真の対向局間設置距離〔Lt2 C (i、 i+1)〕)−(測定時t1 における補正後の真の対向局間設置距離〔Lt1 C ( i、i+1)〕)}/0.5×{(測定時t1 における補正後の真の対向局間設 置距離〔Lt1 C (i、i+1)〕)+(測定時t2 における補正後の真の対向局 間設置距離〔Lt2 C (i、i+1)〕)}・・・演算式(5A)、 又は、 {(測定時t2 における補正後の真の対向局間設置距離〔Lt2 C (i、i+1) 〕)−(測定時t1 における補正後の真の対向局間設置距離〔Lt1 C (i、i+ 1)〕)}/(測定時t1 における補正後の真の対向局間設置距離〔Lt1 C (i 、i+1)〕)・・・演算式(5B)、 の分子の{(測定時t2 における補正後の真の対向局間
設置距離Lt2)の値から、(測定時t1 における補正後
の真の対向局間設置距離Lt1)の値の差}の結果に基づ
いて対向局間における歪みの発生の有無を識別し、そし
て、演算式(5A)に基づき、{(測定時t2 における
補正後の真の対向局間設置距離Lt2の値、及び測定時t
1 における補正後の真の対向局間設置距離Lt1の値の
差)と、上記(測定時t1 及びt2 における補正後の真
の対向局間設置距離Lt1及びLt2の平均値)}との比か
ら対向局間に発生する歪み量〔ε(i、i+1)〕t1 t2
を、又は演算式(5B)に基づいて、{(測定時t2
おける補正後の真の対向局間設置距離Lt2の値、及び測
定時t 1 における補正後の真の対向局間設置距離Lt1
値の差)と、上記(測定時t1における補正後の真の対
向局間設置距離Lt1)}との比から対向局間に発生する
歪み量〔ε(i、i+1)〕t1 t2を求めることが出来
る。
【0074】次に、上記した測定処理を実行する測線の
多数を幾つかの断層を跨いで多方向に分岐配設した実施
例を、以下に説明する。図13は、観測領域を一層拡大
するため、測線の多数を幾つかの断層を跨いで多方向に
分岐配設した第2の設置例のブロック図を示し、例え
ば、30m間隔毎に配設された送信局10A、中継局1
0B、・・・、10F、・・・10M、受信局10Nよ
りなる測線AAが断層71、72を跨いで直線状に敷設
され、送信局10Aから送光された光パルスは中継局1
0B、・・・10M、受信局10Nに次々に伝播され
る。
【0075】そして、測線AAの中継局10Fを光パル
ス分岐局とし、その図示しない2個の光透過窓を介して
光パルスを、直交方向に配設されている一方の測線BB
の先頭送信局30Aの光透過窓に送光し、さらに、図示
しない中継局を経由して最終段の受信局30Nに送光す
る一方、他方の測線CCの先頭送信局40Aの光透過窓
に送光し、図示しない中継局を経由して最終段の受信局
40Nに送光する。
【0076】また、中継局10Mを光パルス分岐局と
し、その図示しない2個の光透過窓を介して光パルス
を、直交方向に配設されている一方の測線HHの先頭送
信局50Aの光透過窓に送光し、図示しない中継局を経
由して最終段の受信局50Nに送光する一方、他方の測
線JJの先頭送信局60Aの光透過窓に送光し、図示し
ない中継局を経由して最終段の受信局60Nに送光す
る。
【0077】さらに、測線AAの受信局10Nを光パル
ス分岐局とし、その光透過窓を介して光パルスが、相互
にほぼ90°の角度を持ち、かつ、断層73に跨がって
配設されている一方の測線KKの先頭送信局70Aに送
光し、図示しない中継局を介して最終段の受信局70N
に送光され、また、他方の測線LLの先頭送信局80A
の光透過窓に送光するとともに、図示しない中継局を介
して最終段の受信局80Nに送光される。
【0078】そして、測線AA、BB、HH、JJ、K
K、LLの各局から発生される光電変換パルスPと、測
定した海水の屈折率、水温、水圧、流向、流速、塩分濃
度データとを、並列伝送ケーブル103A、103B、
103C、103H、103J、103K、103Lを
経由し、これらの搬送ケーブルを収容している伝送ケー
ブル103Tを介して搬送され、地上局にて既に述べた
データ処理を実行する。上記したように、観測領域が7
本の測線により敷設されるため、観測領域の拡大化をは
かることが可能となる。
【0079】次に、多数の測線を海底に平行敷設する第
3の設置例のブロック図を示す図14を参照すると、例
えば、30m間隔毎に配設された光パルスを発生する送
信局10a、中継局10b・・・、受信局10nを直線
状に敷設した測線AAと、送信局10aからの分岐光パ
ルスを送光される先頭送信局20a、中継局20b・・
・、受信局20nを直線状に敷設した測線BBと、測線
BBの先頭送信局20aからの分岐光パルスを送光され
る先頭送信局30a、中継局30b・・・、受信局30
n 直線状に敷設した測線CCと、測線CCの先頭送信
局30bからの分岐光パルスを送光される先頭送信局4
0a、中継局40b・・・、受信局40nを直線状に敷
設した測線DDと、測線DDの先頭送信局40aからの
分岐光パルスを送光される一方の先頭送信局50a、中
継局50b・・・、受信局50nを直線状に敷設した測
線EEとが海底に平行配設されている。そして、測線A
A、測線BB、測線CC、測線DD、及び測線EEにお
ける各局から発生される光電変換パルスPと、敷設位置
における海水温度、水圧、流向、流速、及び塩分濃度の
測定データとを、それぞれ並列した搬送ケーブル103
A、103B、103C、103D、及び103Eを介
して地上局に搬送される。この場合でも、既に述べた海
水の温度変動による温度補償等のデータ処理と同じデー
タ処理を行う。
【0080】図15は、国土地理院により地上に設置し
た三角測量網と同様に、海底における多数の三角形の頂
点形成位置毎に観測局を二次元的拡がりを形成するよう
に敷設した第4の設置例のブロック図である。なお、こ
の実施の形態例では、隣接2局間の伝播時間を測定し、
その測定時t1 の測定値とこの測定時t1 から所定時間
経過した測定時t2 の測定値との差の有無を識別し、こ
れにより、2局間に介在する地殻の伸縮の有無を判別す
る点でこれ迄の実施の形態の例とは相違するが、その後
の温度補正等のデータ処理については、これ迄述べたも
のと同じである。
【0081】図15において、例えば、30m間隔毎
に、後述する構成を有する観測局10A1・・・10A
6・・・と、10B1・・・10B7・・・と、さら
に、10C1・・・10C7・・・と、10D2・・・
10D7・・・とが、例えば、正三角形の各頂点形成位
置に敷設されている。
【0082】次に、図15の観測網の梯形領域Sを抜き
出して示す図16を参照し、この観測網に用いるに観測
局の構成と、各観測局間における光パルスの伝播及び伝
播時間Tの測定とについて説明する。この観測局は全て
同じ構成であるが、伝播時間の測定説明の中心となる観
測局10B3についてはその関連部材について参照符号
を付して説明し、隣接観測局については上記説明と関連
する部材についてだけ参照符号を付して説明し、説明の
重複化を避けることとする。
【0083】観測局10B3内の水平軸における図中左
側の水平線位置を0°とし、ここから時計方向回りに6
0°ずつの角度間隔をおいて3個の光電変換器9A、9
B、9Cを配設し、さらに、図中右側の水平線位置を1
80°とし、ここから時計方向回りに60°ずつ角度間
隔を置いて、パルス光を発生するレーザ光源4C、4
B、4Aの順に配設されている。なお、このレーザ光源
4A、4B、4Cは、図示しない搬送ケーブル内の給電
ケーブルに接続され、地上局のデータ処理装置からの指
令により、所定時間間隔毎に同時的に点灯するよう構成
されている。この観測局の構成によれば、これ迄の説明
した観測局のように、分岐カプラー5A〜5C、及び光
増幅器6を備える必要がなく、構成上の簡単化がはかれ
る。
【0084】次に、例示的に、観測局10B3を中心と
した隣接局への光パルスの伝播と、この局10B3と隣
接局10A2、及び10A3との間の伝播時間T1 、T
2 、隣接局10B2、及び10B4との間の伝播時間T
3 、T4 、隣接局10C3、10C4との間の伝播時間
5 、T6 の測定について説明する。
【0085】隣接局10A1(図15、16参照)から
の送光パルスを局10A2の光電変換器9Aが受光し、
発生した光電変換パルスK1を伝送ケーブル104A1
を介し、地上局のデータ処理装置内のカウンタ部に送信
する。そして、同時点灯するレーザ光源4Aの光パルス
を隣接局10B2の光電変換器9Cに送光し、レーザ光
源4Bの光パルスを隣接局10B3の光電変換器9Bに
送光し、発生したパルスK2をケーブル104B5を介
して上記カウンタ部に送信し、対向局10A2と10B
3との間の光パルス伝播時間T1 を示す計数値を出力さ
せ、また、レーザ光源4Cの光パルスを隣接局10A3
の光電変換器9Aに送光し、発生パルスK3をケーブル
104A4を介してカウンタ部に送信する。
【0086】局10A3のレーザ光源4Aからの光パル
スを隣接局10B3の光電変換器9Cに送光し、この光
電変換器9Cからの発生パルスK4はケーブル104B
6を介し、上記パルスK3が送信されるカウンタ部に送
信される。このため、対向局10A3と10B3との間
の光パルスの伝播時間T2 を示す計数値が出力される。
【0087】隣接局10B1からの光パルス(図15、
16参照)を局10B2の光電変換器9Aが受光し、発
生したパルスK5をケーブル104B1を介してカウン
タ部に送信する。他方、このカウンタ部には、ケーブル
104B4を介し、局10B2のレーザ光源4Cからの
光パルスを隣接局10B3の光電変換器9Aが受光し、
その発生パルスK6が送信されるので、このカウンタ部
からは対向局10B2と10B3との間の光パルス伝播
時間T3 の計数値が出力される。
【0088】局10B3のレーザ光源4A〜4Cが同時
点灯し、レーザ光源4Aの光パルスが隣接局10C3の
光電変換器9Cに送信され、その発生パルスK8はケー
ブル104C6を介し、前記パルスK6が送信されるカ
ウンタ部に入力され、対向局10B3と10C3との間
の光パルスの伝播時間T5 の計数値が出力される。
【0089】また、局10B3のレーザ光源4Bからの
光パルスを隣接局10C4の光電変換器9Bが受光し、
発生パルスK9をケーブル104C8を介し、局10B
3からケーブル104B4を介して発生パルスK6が送
信されるカウンタ部に入力され、対向局10B3と10
C4との間の光パルスの伝播時間T6 の計数値が出力さ
れる。
【0090】さらに、局10B3のレーザ光源4Cから
の光パルスが隣接局10B4の光電変換器9Aに送光さ
れ、発生パルスK7はケーブル104B7を介し、局1
0B3からの発生パルスK6をケーブル104B4を介
して送信されるカウンタ部に送信されることにより、対
向局10B3と10B4との間の光パルス伝播時間T 4
を示す計数値が出力される。地上局のデータ処理装置で
は、上記した伝播時間T1 〜伝播時間T6 を検知する
が、温度補正等のその余のデータ処理については、既に
述べたと同様に実行する。また、上記観測局を正三角形
の頂点位置に配設する例を説明したが、二等辺三角形
や、その他任意の角度を有する三角形に対しても配設可
能である。その場合、3個の光電変換器、及び3個のレ
ーザ光源は、上記実施例で述べた作用を行い得るよう任
意の角度にて配設する例について述べたが、湖底の断層
を跨いで配設することも可能である。
【0091】なお、上記した図13〜図15に示す実施
例にも、短時間平均補正量<δL(パラメータ)>や、
<δL´(パラメータ)>を用い、測線の各局間の真の
設置間距離Lを求める前述した測定処理を適用できるこ
とは言う迄もない。
【0092】次に、図17を参照し、水温の変動に基づ
く光パルスの伝播速度vの変動に対し、図1乃至図16
に示した光学式測距装置よりも、より精密に温度補償の
行える本発明の第2の実施の形態の光学式測距装置の実
施例を説明する。
【0093】図17に示すように、海底Eに設置した、
例えば、測線AAを構成する送信局10a′、複数の中
継局10b′・・・、及び受信局10n′には、図示し
ない地上局から延伸した伝送ケーブル103Aが貫通、
連接されている。そして、送信局10a′と初段の中継
局10b′の間、第2段目の中継局10b´から最後の
中継局10m´の間において対設する中継局同士、最後
に中継局10m´とこれに対向する最後尾に位置する受
信局10n′との間には、各局を貫通している伝送ケー
ブル103Aの各外周面に、図19(A)に示す分布型
光ファイバー温度計TH1、TH2、・・・、THmが
添設されている。
【0094】図19(A)を参照しながら分布型光ファ
イバー温度計TH1を概略説明すると、光ファイバー温
度計TH1は、コアCRの外周にクラッドCLを有し、
その外周にメタルコーティングMCを施してなるもの
で、その長手方向に沿う多箇所にて加熱されている光フ
ァイバー温度計TH1の入射端ITにパルスレーザ光を
入射すると、光ファイバー温度計TH1の各所でラマン
散乱光(周波数が変動する)が発生するが、ラマン散乱
光の強度は温度依存性を持つ。そして、その後方散乱光
を検出すると、ラマン散乱光の発生位置に対応してパル
ス光が入射してから戻って来る迄の時間が異なるため、
光ファイバー温度計TH1の温度を位置毎に求め、光フ
ァイバー温度計TH1の長手方向に沿った温度分布を求
めることが出来る。なお、この種の光ファイバー温度計
の温度測定範囲は、例えば、−200℃〜500℃であ
り、長さ30kmまでの温度分布が測定可能である。
【0095】なお、本発明では、光ファイバー温度計T
H1の長手方向に沿った温度分布検出を行う必要は必ず
しもない。単に、分布型光ファイバー温度計TH1の外
周の海水温度に対応して伝播速度が変動するパルスレー
ザ光を検出してもよい。そこで、本発明においては、光
ファイバー温度計TH1の入射端ITにパルスレーザ光
Scを入力し、その出射端OTにて透過光パルス、又
は、前方散乱光パルスも検出する。
【0096】ところで、図18に示すように、各中継局
10b´・・・と受信局10n´とに設けた計測演算装
置800・・・のそれぞれは、ケーブル103Aを介し
て地上局から伝送される駆動パルスDSにより付勢され
て基準光パルスを発生する基準光パルス発生部801
と、成分検出部802、803と、計測演算部804と
を備えている。
【0097】第1の成分検出部802は、基準光パルス
発生部801から出射される基準光パルスSPと、光フ
ァイバー温度計TH1の出射端から放射される上記パル
スレーザ光Scとが入射され、基準光パルスSPを参照
して両パルス間の位相差を示す第1の成分光パルス信号
を求め、電気信号に変換して計測演算部804に入力
し、デジタル電気信号に変換する。また、第2の成分検
出部803も、同様に、上記基準光パルス発生部801
から出射される基準光パルスSPと、後述する海中を透
過するパルスレーザ光Swとが入射され、基準光パルス
SPを参照して両パルス間の位相差を示す第2の成分光
パルス信号を求め、電気信号に変換して計測演算部80
4に入力し、デジタル電気信号に変換する。そして、計
測演算部804から、パルスScの光路長を示す位相差
信号とパルスSwの光路長を示す位相差信号とを対比
し、両光路長の差を示す位相差信号をケーブル103A
を介して地上局に伝送する。
【0098】なお、図17に示す送信局、中継局、及び
受信局の構成は、図1〜図16で説明したものとは、伝
送ケーブル103Aに分布型光ファイバ温度計を添設し
た点と、分布型光ファイバ温度計を伝播するパルスレー
ザ光Scと、海中を透過するパルスレーザ光Swとの両
光路差を示す位相差測定に基づいて温度補正を行う点で
大きく相違する。
【0099】次に、図17乃至図19を参照しながら、
分布型光ファイバー温度計による断層の発生の有無の識
別について説明する。
【0100】先ず、地上局からケーブル103Aを介し
て伝送される駆動パルスDPにより送信局10a′のレ
ーザ光源4が付勢され、ここから発生されるパルスレー
ザ光はプリズム5、又は既に図5で述べた分岐ファイバ
ーにより二分され(ステップS11)、パルスレーザ光
Scは送信局10a′から分布型光ファイバー温度計T
H1を伝播し(ステップS14)、対設した中継局10
b′の計測演算装置800の成分検出部802に入射す
るとともに、同様に地上局から伝送されてくる駆動パル
スDPを基準光パルス発生部801に入力し、ここから
同期発生される基準光パルスSPも入射してパルスSc
と基準位相パルスSPとの位相差を求め、第1の位相差
信号として計測演算部804に入力し、デジタル信号に
変換する。
【0101】他方、プリズム5により二分されて海中を
透過する他方のパルスレーザ光Swは、光増幅器6及び
送信局の送光窓3を介して海中に投光され、そして、中
継局10b′の受光窓3を透過した後にプリズム5によ
り分岐され、中継局10b′の計測演算装置800の成
分検出部803に入射されるとともに、同様に駆動パル
スDPを基準光パルス発生部801に入力することで同
期発生された基準光パルスSPも入射し、両パルスSw
と基準光パルスSPとの位相差を検出し、第2の位相差
信号として計測演算部804に入力し、デジタル値に変
換する。そして、計測演算部804では、第1の位相差
信号、即ち、パルスScの光路長を示す信号と、第2の
位相差信号、即ち、パルスSwの光路長を示す信号とを
対比し、両信号の位相差を示す信号を出力し、伝送ケー
ブル103Aを介して地上局に伝送する。
【0102】同様にして、図示しない中継局10c′と
対設した中継局10d´との間、・・・、最後に中継局
10m´と受信局10n′との間で、上記したように基
準光パルスSPと海中透過パルスSwとの位相差を示す
デジタル値、及び基準光パルスPSと分布型光ファイバ
ー温度計THmを伝播するパルスScとの位相差を示す
デジタル値がケーブル103Aを介して地上局に伝送さ
れる。
【0103】かくして、各計測演算装置800・・・か
らは、分布型光ファイバー温度計TH1を伝播するレー
ザ光Scの伝播光路長と、対向局の間のレーザ光Swの
海中の透過光路長との光路差を示す位相差信号が出力さ
れることとなる。
【0104】そして、対設2局間にのみ冷水、又は、熱
水が介在している場合に、光パルスScは分布型光ファ
イバー温度計TH1を介して熱水、又は、冷水の温度の
みの影響を受けて光パルスの伝播速度が変動し、他方、
海水を透過する光パルスSwはその海水温度の影響によ
る伝播速度の変動を受けて出力されるため、両光路の温
度依存性はキャンセルされる。そこで、前回測定時、即
ち、測定時t1 の両光路長の光路差を示す位相差信号、
即ち、送信局10a´と対向する先頭の中継局10b´
との両パルスSc、Swの両光路長の光路差の値Z1、
先頭の中継局10b´と対向する中継局10c´との両
パルスSc、Swの両光路長の光路差の値Z2、・・
・、最終段の中継局10m´と受信局10n´との両パ
ルスSc、Swの両光路長の光路差の値Zmを出力し
(ステップS15)、また、伝送ケーブル103Aを介
して地上局のデータ処理装置に伝送し、そのメモリに記
憶させる。次に、測定時t2 における両光路長の位相差
信号Z1´、Z2´、・・・Zm´を出力し(ステップ
S16)、同様に地上の観測局のデータ処理装置に伝送
し、メモリに記憶させる。
【0105】したがって、例えば、対設2局間に熱水、
又は冷水が介在するが、その余の各局間に熱水、又は冷
水が介在していない場合、つまり、各局間の海水温度が
同一でない場合でも、測定時t1 (観測開始時)の位相
差信号Z1、Z2、・・・Zmと、測定時t1 より所定
時間経過後の測定時t2 の位相差信号Z1′、Z2′、
・・・Zm′とを個別に対比し(ステップS17)、Z
1とZ1′の組の数値に差異がなく、Z2とZ2′の組
の数値にも差異がなく、・・・、ZmとZm′の組の数
値にも有意な差異がなければ、各局間距離は有意には変
化していないか、あるいは、断層は活動しておらず、有
意な地殻変動は認められないと判断され(ステップS1
9)、いずれか1つの組の数値にでも有意な差異が発生
すれば、差異を発生した組の対向2局間に断層活動等の
何らかの異常が発生したと判断される(ステップS1
8)。そして、水平歪みの有無と、ステップS12で測
定した水圧、流速、流向、温度センサ13にて測定した
水温(図1、参照)、屈折率、塩分濃度等の測定値との
表示、プリントを行い(ステップS20)、ステップS
11に戻り、上記処理を実行する。
【0106】なお、図17に示す中継局10b´におけ
る第1段のプリズム5を撤去し、この位置に計測演算装
置800を配設する。そして、前記したプリズム5の背
面側に位置する光増幅器6に代え、地上局からの指令信
号に基づいて、送信局のレーザ光源4と同時的に発光す
るレーザ光源4を配設するよう構成することも可能であ
る。
【0107】次に、図20に示すように、図1乃至図1
6に示す類の送信局10a、中継局10b・・・、受信
局10nの各耐圧容器1の頂面を截頭円錐形状に形成
し、その直上方向(海面方向)や斜め上方における底層
流の流速分布を検知する目的で、複数の超音波送受信器
201、・・・を併設し、さらに、各局の両側面におけ
る底層流の流速分布を検知するために、その庇2の4側
面の各側面毎に超音波送受信器202、・・・を設け
る。そして、送信局10a、中継局10b、及び受信局
10nの超音波送受信器201、・・・及び超音波送受
信器202、・・・から超音波を海中に向けて周期的に
送信し、底層流からの反射波を受信する。この超音波送
信波及びその受信波を電気パルスに変換し、外装ケーブ
ル103Aを介して地上局のデタ処理装置に伝送し、そ
こで、ドップラー周波数変位の有無、及びその大きさを
測定することにより各局周辺の底層流の流速状況を検知
する。なお、上記した超音波送受信器を上記した図17
に示す水中測距装置に設けることも勿論可能である。
【0108】次に、測線の先頭の送信局から中継局を経
由して終端の受信局に送光する基準量測定時τ1に測定
したレーザ光の伝播時間と、所定時間経過後τ2に測定
した伝播時間とを照合し、測線全体が一様な温度変動を
受けても、その影響を受けずに断層の発生の有無を検知
する温度補正方式を採用した本発明の第3の実施の形態
を、図21乃至図23に基づいて説明する。なお、上記
した第3の実施の形態は、第1の実施の形態のものとは
温度補正方式が相違するだけで、その余の構成、即ち、
送信局、中継局、及び受信局、これら各局を接続する外
装ケーブル、各局に設置する各種センサや、光増幅器、
光電力分岐カプラー等の内蔵器具、ならびに測線AA、
BBにおける光パルス伝送方式、図9に示すように、各
局に送光する光パルスを分岐して取り出した各光電変換
パルス列の伝播時間幅を求める点に関して全て同様に構
成されているので、図1〜図9を再び参照しながら、図
21に示す温度補正用のデータ処理ブロックが、図23
に示す温度補正のデータ処理の流れ図に基づいて図22
に示すように温度補正が行える点について説明する。
【0109】例えば、水温t5 ℃における測線AA、及
び水温t6 ℃における測線BBの観測中の各局間におけ
るパルス伝播時間幅ΔTのそれぞれの和、即ち、基準伝
播時間として実測伝播時間T5 、T6 を算出するととも
に、これら実測伝播時間T5、T6 が海水の温度変動に
対応して変動する光パルスの伝播速度の変動を補正する
ためのデータ処理、及び測線AA、測線BBの配設位置
における海水の屈折率、水温、水圧、流向、流速、及び
塩分濃度を測定するデータ処理装置について、図21に
示す機能ブロック図と、図23に示すその制御を実行す
るフローチャートとを参照しながら説明する。
【0110】図21は、以下に記載するデータ処理の制
御プログラムを実行するマイクロコンピュータ、又はパ
ソコンの機能ブロック図で、これを機能的に説明する
と、このデータ処理装置は、測線AAにおいて、図9
(C)に示すように、海底の各耐圧容器1から地上局に
次々に伝送されて来る光電変換パルスPa 、Pb
c 、・・・Pn を順次取り込む検出部を備え、次い
で、1組のパルスPa b 間の伝播時間幅ΔTabと、P
b c 間の伝播時間幅ΔTbcと、・・・・Pm n 間の
伝播時間幅ΔTmnを計数するカウンタ部を備え、各伝播
時間幅をメモリに記憶させる。次に、加算部により、測
線AAの伝播時間幅の総和、即ち、基準伝播時間として
実測伝播時間TAs=ΔTab+ΔTbc+・・・+ΔTmn
算出し、メモリに記憶させる。
【0111】ところで、水中の光の伝播速度vは、v=
0 /nで示される、ここで、C0は真空中の光速度3
×108 (m/s)、nは水の屈折率を示す。この屈折
率nは、よく知られているように、温度や、塩分濃度、
密度等の状況に依存するもので、関数n(n∝F(密
度、温度、塩分濃度等))で示される、即ち、図22に
示すように、温度tが標準温度4℃のときに屈折率nは
最高であり、温度tが4℃以上に上昇、又は、低下する
につれて減少する特性を有しているため、屈折率と関数
関係を持つ水中での光伝播速度vは、4℃を境にして温
度が上昇、低下するにつれて増大する特性を示してい
る、そして、光伝播速度vは上記特性を示すため、伝播
時間Tも4℃を境にして温度tが上昇、低下するにつれ
て減少する特性を示している。
【0112】そこで、基準量測定時τ1 において、測線
AAの海水温度tAs℃、及びその温度の時の屈折率nAs
をそれぞれ温度センサ13、屈折率計12にて実測し、
補正部で、この実測屈折率nAsを上記演算式(v=C0
/n)のnに代入し、温度t As℃における海水中の光パ
ルスの伝播速度vAs(m/s)を算出し、これらの数値
を初期温度tAs℃、初期屈折率nAs、初期伝播速度vAs
としてメモリに記憶させるとともに、加算部で求めた各
局から伝送されてくるパルス信号Pa 、Pb 、Pc 、・
・・Pn 間の各伝播時間幅ΔTの和TAsを初期伝播時間
としてメモリに記憶させる。また、測線BBについて
も、図示していないが、基準量測定時τ1の海水温度、
実測屈折率、及び算出した光パルス伝播速度をそれぞ
れ、初期温度tBs℃、初期屈折率nBs、及び初期伝播速
度vBsとしてメモリに記憶させ、そして、各局からのパ
ルス信号P´a 、P´b 、P´c 、・・・P´n 間の各
伝播時間幅ΔT´の和TBsを初期伝播時間としてメモリ
に記憶させておく。
【0113】次に、測線AAで、基準量測定時τ1 から
所定時間経過後の測定時τ2 にて測定した実測水温がt
5 ℃で、実測屈折率がn5 であるとき、補正部では、上
述したように、演算式v=C0 /nにより光パルスの水
中における算出伝播速度v5を算出する。加算部では、
各伝播時間ΔTを加算して求めた基準量測定後の測定時
τ2 における実測伝播時間T5 を求める。この実測伝播
時間T5 と、算出した伝播速度v5 と、測線AAの基準
量測定時τ1 の初期温度tAs℃における光パルスの初期
伝播速度vAsと、初期伝播時間TAsとの関係は、光の伝
播速度VがV=L(距離)/T(伝播時間)で示され、
かつ、時刻τ1とτ2が接近しているなら、即ち、(τ
1−τ2)の絶対値が小さい場合は、距離Lが一定であ
ると考えられるので、L=V・Tで示されるから、 vAs・TAs=v5 ・T5 という関係式で示される。そこで、補正部では、この関
係式から求めた演算式 TAs=(v5 ・T5 )/vAs =TAs5 にv5 、T5 、vAsを代入してTAs、つまり、測定時τ
2 の実測水温t5 ℃における実測伝播時間T5 を、基準
量測定時τ1 の初期温度tAs℃において温度補正した伝
播時間TAs5 として算出する。上記したTAs、即ち、T
As5 は、図22に示すように、上記した測定時τ2 にお
ける実測水温t5 ℃の実測伝播時間T5 を、測線AAの
基準量測定時τ1 の初期温度tAs℃における初期伝播時
間TAsに温度補正して示した伝播時間TAs5 としてメモ
リに記憶させる。次に、この温度補正した初期伝播時間
As5 と、メモリに記憶させた基準量測定時τ1 の初期
伝播時間TAsとを比較部で対比し、差がなければ、海底
に水平歪み変化が発生していないと判別し、差があれば
水平歪みが変化していると判別する。このようにして、
判別信号を、屈折率計12、温度センサ13、水圧セン
サ14、流向計15、流速計16、塩分濃度計17によ
り実測した水温、水圧、流向、流速、塩分濃度の各測定
データとともに、プリンタ、CRTに送出する。
【0114】測線BBについても、基準量測定後の測定
時τ2 の実測水温がt6 ℃、実測屈折率がn6 である場
合、演算式v=C0 /nにより算出した光パルスの海水
中の速度v6 と、各伝播時間ΔTを加算して求めた実測
伝播時間T6 と、測線BBの測定時τ1 の、メモリに記
憶させておいた初期温度tBs℃、初期屈折率nBsにおけ
る算出した光パルスの初期伝播速度vBsとを、vBs・T
Bs=v6 ・T6 の関係式から求めた演算式 TBs=(v6 ・T6 )/vBs =TBs6 に代入してTBsを算出する。このTBsを、測定時τ2
測線BBの実測水温t6℃における実測伝播時間T
6 を、基準量測定時τ1 における測線BBの初期温度t
Bs℃における初期伝播時間TBsに温度補正した伝播時間
Bs6 としてメモリに記憶させる。そして、温度補正し
た伝播時間TBs6 と基準量測定時τ1 の初期伝播時間T
Bsとの比較部での対比結果に基づいて、有意な歪みの発
生の有無を判別する。
【0115】次に、図6、図8に示す断層60、61に
跨がって配設した本発明の第3の実施の態様を適用した
測線AA、BBの作用を以下に説明する。いま、光送信
局10aのレーザ光源4から発生された伝播用光パルス
を前段の分岐カプラー5Aにより分岐し、分岐による減
衰分を光増幅器6によりレーザ光源4からの光パルスの
光強度と同一強度に増幅した光パルスMa (図9
(A))を後段の分岐カプラー5Bに入射し、さらに、
分岐による減衰分をレーザ光源4からの光パルスの光強
度まで増幅し(図9(B))、光透過窓3を介し、次段
の中継局10bの光透過窓3に向けて送光する。また、
分岐カプラー5Aにて分岐された、観測用光パルスとし
ての他方の分岐パルス光を、光電変換器9にて光電変換
したパルスPa を伝送ケーブル103Aを介して図示し
ない地上局に伝送する(図9(C))。
【0116】次段の中継器10bの光透過窓3を介して
受光した光パルスを光増幅器6によりレーザ光源4から
の光パルスの光強度と同じ強度に増幅し、分岐カプラー
5Bで分岐した一方の分岐パルス光を光増幅器6に入射
し、さらに、光透過窓3を介して次段の中継局に向けて
送光し、このようにして、分岐パルス光を後続する中継
局に次々に伝送する。中継局10b、・・・の分岐カプ
ラー5Aにて分岐された他方の分岐パルス光Mb
c 、・・・Mm を光電変換器9により電気パルス
b 、Pc 、・・・Pm に変換し、伝送ケーブル103
を介して図示しない地上局に伝送する。最終段の受信局
10nでは、光透過窓3を介して入射した一方の分岐パ
ルス光を光増幅6によりレーザ光源4からの光パルスの
光強度と同じ強度に増幅し、分岐カプラー5Cにより分
岐させた他方の分岐パルス光Mn の光電変換パルスPn
を、同様に伝送ケーブル103を介して伝送する。
【0117】他方、図7、図8に示すように、送信局1
0aの分岐カプラー5Bにより分岐した分岐パルス光を
伝播用光パルスとして、隣接する測線BBの先頭送信局
20aの光透過窓3を介して前段の光増幅器6に入射
し、レーザ光源4の光強度と同一強度に光増幅した一方
の分岐パルス光M´a を分岐カプラー5Aに入射し、一
方の分岐パルス光を後段の光増幅器6に入射し、レーザ
光源4の光強度と同一強度に光増幅し、光透過窓3を介
して次段の中継局20bに送光する。そして、分岐カプ
ラー5Aの他方の分岐パルス光を観測用光パルスとし
て、光電変換器9により電気パルスP´a に変換して送
出する。かくして、一方の分岐光パルスを後続する中継
局を経由し、さらに、最終段の受信局20nに次々に伝
送する。他方、中継局20b、・・・の分岐カプラー5
Aにて分岐された他方の分岐パルス光M´b 、Mc ´、
・・・M´n を光電変換器9により電気パルスP´b
P´c、・・・P´m 、P´n に変換し、伝送ケーブル
103を介して図示しない地上局に伝送する。
【0118】次に、図23に示すフローチャートを参照
し、各局から伝送されてくる検出データの処理について
説明する。地上局のデータ処理装置では、図9(C)に
示すように、基準量測定時τ1 において、測線AAの送
信局10a、中継局10b、・・・、受信局10nから
次々に伝送されて来る光電変換パルスPa 、Pb
c 、・・・Pn と、測線BBの先頭送信局20a、中
継局20b・・・、・・・、受信局20nから次々に伝
送されて来る光電変換パルスP´a 、P´b 、P´ c
・・・P´n とを取り込むとともに(ステップS1
1)、測線AA、BB設置位置の水温を温度センサ13
により、例えば、それぞれt5 ℃、t6 ℃を、屈折率を
屈折率計12により、例えば、それぞれn5 、n6 を実
測し(ステップS12)、さらに、水圧センサ14、流
向計15、流速計16、塩分濃度計17により測線設置
位置の水圧、海流の流向、海流の流速、塩分濃度のデー
タを取り込む(ステップS13)。次に、測線AAから
のパルスPa b 間の伝播時間幅ΔTab、パルスPb
c 間の伝播時間幅ΔTbc、・・・・、パルスPm n
の伝播時間幅ΔTmnと、測線BBからのパルスP´a
´b 間の伝播時間幅ΔT´ab、パルスP´b P´c 間の
伝播時間幅ΔT´bc、・・・・、パルスP´m P´n
の伝播時間幅ΔT´mnとをカウンタ部にて計数し、測線
AAの送信局10aから受信局10nに至る迄の各伝播
時間幅の総和、即ち、実測伝播時間T5 =ΔT ab+ΔT
bc+・・・+ΔTmnを算出し、また、測線BBの中継局
20aから受信局20nに至る迄の各伝播時間幅の総
和、即ち、実測伝播時間T6 =、ΔT´ab+ΔT´bc
・・・+ΔT´mnを算出しメモリに記憶させる(ステッ
プS14)。そして、測線AAの検出水温t5 ℃に対応
する実測屈折率n5 を、演算式v=C0 /nのnに代入
して光パルスの初期伝播速度v5 を算出する。測線BB
では検出温度t6 ℃における実測屈折率n6 を、演算式
v=C0 /nのnに代入して光パルスの伝播速度v6
算出する(ステップS15)。
【0119】次に、測線AAにおける実測伝播時間T5
と、実測温度t5 ℃で、実測屈折率n5 における算出伝
播速度v5 と、予めメモリに記憶させておいた測線AA
の基準量測定時τ1 のデータである初期温度tAs℃にお
ける光パルスの初期伝播速度vAs及び初期伝播時間TAs
とを、 演算式TAs=(v5 ・T5 )/vAs に代入してTAsを算出する。このTAsは、測線AAの実
測温度t5 ℃における実測伝播時間T5 を測線AAの基
準量測定時τ1 の初期温度tAs℃における初期伝播時間
(TAs)に温度補正して求めた伝播時間TAs5 としてメ
モリに記憶させる(ステップS16)。かくして測定終
了後、初期温度tAs℃における初期伝播時間TAsと、測
線AAの基準量測定時τ2 のメモリに記憶させておいた
初期温度t As℃における伝播時間に温度補正した伝播時
間TAs5 とを比較し(ステップS17)、TAsとT5
間に有意な差異がなければ、水平歪みが変化せず(ステ
ップS19)、有意な差異があれば水平歪みが変化した
と判断できる(ステップS18)。このようにして求め
た判別信号を、海水温度、水圧、流向、流速、塩分濃度
の測定データとともにプリンタに送出する(ステップS
20)。そして、ステップS11に飛んで、上記データ
処理を反復する。
【0120】同様に、測線BBについても上記演算式に
基づいてTBsを算出する。このTBsは、測線BBの実測
温度t6 ℃における実測伝播時間T6 を測線BBの基準
量測定時τ1 の初期温度tBs℃における初期伝播時間T
Bsに温度補正した伝播時間TB6 としてメモリに記憶さ
せる。そして、初期伝播時間TBsと温度補正した伝播時
間TBs6 との比較結果に基づいて水平歪みの変化の有無
を判別する。なお、上記したように屈折率nは塩分濃度
の関数でもあるから、塩分濃度が変動し、海水中を伝播
するレーザパルス光の速度変動が発生する場合でも、基
準量測定時τ1 の塩分濃度変動前の屈折率と、基準伝播
時間測定後の測定時τ2 の塩分濃度変動後の屈折率を実
測し、既に述べたようにして、基準量測定時τ1 の際の
屈折率測定時のパルスの海中伝播速度v1 及び測線の実
測伝播時間T1 と、基準伝播時間測定後の測定時τ2
おける屈折率測定時のパルスの海中伝播速度v2及び測
線の実測伝播時間T2 とを求めて上記した演算式に代入
し、塩分濃度の変動に基づく海中での光パルス伝播速度
の変動を補正し、有意な断層活動や地殻変動出現の有無
を正確に識別することが可能である。
【0121】また、基準量測定時τ1 後の測定は、上記
した第2回目の測定時τ2 に限らず、所定時間経過後の
τ3 、τ4 、・・・、τn の測定を反復し、基準量測定
時τ 1 の際に求めた値と、τ3 、τ4 、・・・、τn
各測定時の際に求めた値とを個別に対比して観測するこ
とは勿論である。さらに、図21〜図23に示す温度補
正方式は、前述した図13、図14、図15、及び図2
0に示す装置に適用することが可能である。
【0122】最後に、図6〜図8に示す測線AA、測線
BBでは、光送信局10a、20aから中継局10b・
・・、20b・・・を経由し、最後尾の受信局10n、
20nに向け伝播用レーザ光を順方向に送光する単光路
測定系を採用しているが、受信局10n、20nから光
送信局10a、20aに向けてレーザ光を逆方向にも送
光可能とすることにより計測精度の向上が可能となるの
で、その構成を概略的に示す平面図24を参照しなが
ら、往復光路光学式測定系を備える光学式測距装置を説
明する。
【0123】測線AAの送信局10aの往路用の分岐カ
プラー5Bと光増幅器6の直列配設に対して複路用の直
列の分岐カプラー5A、光増幅器6を並列配設し、受信
局10b・・・の往路用の光増幅器6、分岐カプラー5
A、光増幅器6の直列配設に対して複路用の光増幅器
6、分岐カプラー5A、光増幅器6の直列配設を並列配
設し、さらに、受信局10nの往路用の光増幅器6、分
岐カプラー5C、光増幅器6の直列配設に対して複路用
の光増幅器6、分岐カプラー5C、光増幅器6の直列配
設を並列配設すると共に、往路用の光増幅器6のレーザ
光出射側と、復路用の光増幅器6の入射側との空間に、
往路用の光増幅器6からの伝播用レーザ光を復路用の光
増幅器6に屈折入射させるプリズムPR1、PR2を配
設する。
【0124】同様に、測線BBの先頭送信局20aの往
路用分岐カプラー5Aと光増幅器6に対して復路用の分
岐カプラー5A、光増幅器6を並列配設し、中継局20
b・・・の往路用の光増幅器6、分岐カプラー5A、光
増幅器6の直列配設に対して複路用の光増幅器6、分岐
カプラー5A、光増幅器6の直列配設を並列配設し、さ
らに、受信局20nの往路用の光増幅器6、分岐カプラ
ー5C、光増幅器6の直列配設に対して複路用の光増幅
器6、分岐カプラー5C、光増幅器6の直列配設を並列
配設するとともに、往路の光増幅器6レーザ光出射側
と、復路の光増幅器6の入射側の空間に、往路用の光増
幅器6から伝播用レーザ光を復路用の光増幅器6に屈折
入射させるプリズムPR1、PR2を配設する。勿論、
測線AA、測線BBの分岐カプラー5A〜5Cの分岐路
には、図示しない光電変換器9が配設されている。な
お、図中符号3は光透過窓を示す。
【0125】かかる往復光路光学的測定系の形成によ
り、測線AAのレーザ光源4からの伝播用レーザ光は分
岐カプラー5B、光増幅器6を経由し、矢印で示すよう
に、次段の中継局10b・・・を経由し、最終段の受信
局10nの光増幅器6、分岐カプラー5C、光増幅器6
から出射され、プリズムPR1、PR2で屈折され、次
に光増幅器6、分岐カプラー5C、光増幅器6を経由
し、中継局10b・・・を透過し、最後に、送信局10
aの光増幅器6を経由して分岐カプラー5Aに入射す
る。
【0126】測線BBでも、矢印で示すように、測線A
Aの送信局10aの分岐カプラー5Bで分岐された伝播
用レーザ光が測線BBの先頭送信器20aの光透過用窓
3を介して光増幅器6に入射し、さらに分岐カプラー5
A、光増幅器6を経由して次段の中継局20b・・・に
順次送光され、受信局20nの光増幅器6、分岐カプラ
ー5C、光増幅器6を経由し、プリズムPR1、PR2
で屈折され、光増幅器6、分岐カプラー5C、光増幅器
6から出射され、次段の中継局20b・・・に送光し、
最後に先頭送信局20aの光増幅器6、分岐カプラー5
Aに入射される。その間、測線AA、測線BBの往復光
路における分岐カプラー5A〜5Cからは、レーザ光を
図示しない光電変換器9・・・に送光し、往復光路測定
系における測定データを得ることが出来る。なお、この
ような往復光路測定系は、図13、図14、及び図22
に示す本発明の装置にも適用可能である。
【0127】
【発明の効果】以上述べたように請求項1の発明によれ
ば、データ処理装置は、基準値測定時t1 及び所定時間
経過後の測定時t2 毎に、対向局の何れか一方の局にお
ける任意の1つのパラメータgの短時間平均補正量<g
>を<δL(パラメータ)>として求め、測定時t1
2 における水中の光パルスの伝播速度vと、対向局間
の光電変換パルス列の1組毎の伝播時間幅ΔTとの積か
ら対向局間の補正前の設置距離Lを求め、そして、(測
定時t2 における補正前の対向局間設置距離L及び短時
間平均補正量<δL(パラメータ)>t2の和)から測定
時t2 における補正後の真の対向局間設置距離Lを求
め、また(測定時t1 における補正前の対向局間設置距
離L及び短時間平均補正量<δL(パラメータ)>t1
和)から測定時t1 における補正後の真の対向局間設置
距離Lt1求め、さらに、(測定時t2における補正後の
真の対向局間設置距離Lt2)と(測定時t1 における補
正後の真の対向局間設置距離Lt1)との差に基づいて対
向局間における歪みの発生の有無を識別し、さらに、
(測定時t2 における補正後の真の対向局間設置距離L
t2の値、及び測定時t1 における補正後の真の対向局間
設置距離Lt1の値の差)と、(測定時t2 における補正
後の真の対向局間設置距離Lt2の値及び測定時t1にお
ける補正後の真の対向局間設置距離Lt1の値の平均値)
との比から、又は、(測定時t2 における補正後の真の
対向局間設置距離Lt2の値、及び測定時t1における補
正後の真の対向局間設置距離Lt1の値の差)と、(測定
時t1 における補正後の真の対向局間設置距離Lt1)と
の比から対向局間に発生する歪み量を算出するよう構成
してあるため、屈折率等のパラメータgの変動の影響を
受けずに、測線を形成する各対向局間に有意な歪みが発
生したか否かを正確に識別し得る上、各対向局間に発生
する歪み量も算出することが可能となる。
【0128】請求項2の発明によれば、「対向局の何れ
か一方の局における水温等の複数のパラメータgの各短
時間平均補正量<g>の加算値」、又は「対向局の各局
における複数のパラメータgの短時間平均補正量<g>
を加算して対向局数2で除算した平均値」で示すとき
に、補正前の対向局間設置距離Lの見掛け上の変動の補
正用短時間平均補正量として<δL´(パラメータ)>
を適用可能となるよう構成してあるため、1つのパラメ
ータgを用いる場合よりもより正確な短時間平均補正量
を得ることが出来る。
【0129】請求項3の発明によれば、基準量測定時τ
1 の水温の初期温度tAs℃における水の初期屈折率nAs
を、演算式v=C0 /nのnに代入して水中における光
パルスの初期伝播速度vAsと、各局同士間の1組毎の実
測パルス伝播時間幅ΔTの和である初期伝播時間TAs
を記憶手段に記憶し、基準量測定後の測定時τ2 の実測
水温tn ℃における実測屈折率nn を同様にして算出し
た光パルスの伝播速度vn と、1組毎の実測パルス伝播
時間幅の和を実測伝播時間Tn とを記憶し、測定時τ2
の実測伝播時間Tn 及び伝播速度vn と、初期伝播速度
Asとを演算式TAsn =(vn ・Tn )/vASに代入
し、求めたTAsn を、測定時τ2 の実測伝播時間Tn
初期温度tAs℃に温度補正した伝播時間TAsn として記
憶保持し、そして、基準量測定時τ1 の初期伝播時間T
Asと温度補正した伝播時間TAsn とを対比し、その対比
結果に基づいて水平歪みの有無を識別するよう構成して
あるので、測線全体が一様な水温等の変動を受けても水
中の光伝播速度の変動の影響を受けずに、基準量測定時
τ1 の初期伝播時間TASと、基準量測定後の測定時τ 2
における水温等の影響を補正した伝播時間TASn との対
比を行って、正確な基線間の伝播時間の測定が行える
他、測線設置周囲の水の屈折率、及び温度データ等を提
示することが出来る。
【0130】請求項4の発明によれば、測線に往復路光
学的測定系を配設してあるため、光パルス伝播方向の順
方向、及び逆方向の計測データが得られて計測精度の向
上がはかれる。
【0131】請求項5の発明によれば、測線に対し、先
頭送信局、中継局、及び受信局の列からなる多数の測線
を並列敷設し、上記測線の光パルス送信局から分岐した
伝播用光パルスを、多数の測線の各先頭送信局に順次伝
播するよう光結合するとともに、多数の測線の各先頭送
信局から、それぞれ自己の測線の中継局を介して受信局
に送光し、測線及び多数の測線における各局からの光電
変換パルスを伝送ケーブルを介してデータ処理装置に伝
送するよう構成してあるため、水底面に面的拡がりを持
たせた観測網を敷設することが出来る。
【0132】請求項6の発明によれば、上記測線におけ
る所定の局を分岐局とし、先頭送信局、中継局、及び受
信局よりなる分岐測線を、その分岐局から複数の方向に
向けて敷設するよう構成してあるため、同様に水底にお
ける観測領域を面的に拡張することが出来る。
【0133】請求項7の発明によれば、水底に多数の三
角形の頂点位置毎に観測局を敷設するよう構成してある
ため、同様に二次元的拡がりを持った水底観測領域を形
成することが出来る。
【0134】請求項8の発明によれば、光電変換パルス
列を伝送ケーブルを介してデータ処置装置に伝送し、対
向設置された局同士の分岐した観測用光パルスを1組と
し、その1組毎のパルス伝播時間幅ΔTを、周波数が異
なる複数のクロックパルスで各別に計数するよう構成し
てあるので、1組毎のパルス伝播時間幅ΔTのそれぞれ
の計数結果を総合比較することができ、これにより正確
な測定値を求めることが可能となる。
【0135】請求項9の発明によれば、基準量測定時t
1 において検出した、対向局の間に介在する水中を透過
する分岐光パルスSwの光路長、及び対向局間に介在す
る伝送ケーブルに分布型光ファイバー温度計を添設さ
れ、かつ、対向局間に介在する分布型光ファイバー温度
計の光ファイバー光路を介して伝送される分岐光パルス
Scの光路長の差と、測定時t1 から所定時間経過後の
測定時t2 において検出した両パルスSw、Scの両光
路長の差とを対比し、その対比結果に基づいて歪みの発
生の有無を判別するよう構成してあるため、対向局間に
熱水、又は、冷水が介在しても、両パルスSw、Scの
両光路は同じ水温の影響を受ける関係上、両光路に及ぼ
す温度の影響が消去され、これにより、測線を構成する
各対向局同士の間の水温がそれぞれ相違する場合でも、
その影響を受けること無く、断層の出現の有無、又は、
既存の断層の活動の有無を正確に判別することが出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図01】 (A)は(B)に示すの切断線A−A´に
沿って切断して矢印P方向から眺めた本発明のレーザ光
送信局の一部断面図、(B)は(A)に示す送信局の斜
視図である。
【図02】 海底に敷設する本発明の中継局の内部構成
を概略的に示す断面図である。
【図03】 海底に設置した局で観測したデータを地上
局に送信する伝送ケーブルと、片側給電を行う給電線と
を備える外装ケーブルの断面図である。
【図04】 (A)は送信局、中継局、及び受信局に設
けた光増幅器の構成図、(B)はエルビウム添加型光フ
ァイバ増幅器の構成図である。
【図05】 光電力を分岐する分岐カプラーを示し、
(A)は送信局に配設される前段の光カプラーの側面
図、(B)は送信局の前段の光カプラーの後段に配設さ
れる光カプラーの側面図、(C)は最終段の受信局に設
けた光カプラーの側面図である。
【図06】 図08に示す測線AAの各局の概略的構成
断面図である。
【図07】 図08に示す測線BBの各局の概略的構成
断面図である。
【図08】 本発明の光学式測距装置を備える2組の測
線の第1の設置例の全体配設図である。
【図09】 (A)は2組の測線の各局から送られる光
パルス列、(B)は減衰された光強度をレーザ光源から
出射されるレーザ光源までに光増幅した光強度の減衰・
増幅変動波形図、(C)は分岐された2組の光電変換パ
ルス列と、各パルス間の伝搬時間幅とを示す波形図であ
る。
【図10】 各局間の光信号の伝播時間幅の算出と、有
意な歪み量εの発生の有無の識別を行うデータ処理装置
の機能ブロック図である。
【図11】 測定時間と、その間に発生する歪み量との
関係を示すグラフである。
【図12】 データ処理の制御を実行するデータ処理装
置のフローチャートである。
【図13】 多数の測線を多方向に向けて分岐敷設した
本発明の第2の設置例のブロック図である。
【図14】 多数の測線を海底に平行敷設する第3の設
置例のブロック図である。
【図15】 海底における多数の三角形の頂点形成位置
毎に敷設し、二次元的拡がりを持つ第4の設置例のブロ
ック図である。
【図16】 図15の観測網の梯形領域Sを抜き出して
拡大して示した図である。
【図17】 測線の一部を形成する対向2局間の温度が
相違する場合、その温度の影響を消去し、有意な断層活
動や地殻活動の発生の有無を検知する本発明の別の光学
式測距装置の構成図である。
【図18】 図17に示す中継局10b´・・・、受信
局10n´にそれぞれ設けた計測演算装置の構成例を示
す図である。
【図19】 (A)は分布型光ファイバー温度計の一部
の斜視図、(B)は図17に示す装置の機能を実行を示
すフローチャートである。
【図20】 各局に超音波送受信器を設け、底層流の有
無、状況等を観測する本発明の別の光学式測距装置の海
底配設図である。
【図21】 温度補正方式を異にする本発明の第3の実
施の形態のデータ処理装置の機能ブロック図である。
【図22】 図21に示すデータ処理装置を設けた本発
明の第3の実施の形態の側線AAにおいて、標準温度を
中心とした海水の屈折率n、海水中の光パルスの伝播速
度v、及び光伝播時間Tの変化傾向と、温度補正前、後
の測定値とを示す図である。
【図23】 図21の装置のデータ処理制御を実行する
データ処理装置のフローチャートである。
【図24】 図06、図07に示す測線AA、測線BB
を例示して、往復光路を備える測定系を説明するための
概略的構成を上から眺めたブロック図である。
【図25】 海底に敷設した、従来の光学式測距装置よ
りなる測線の概念図である。
【図26】 (A)は断層を跨いで2方向に個別配設し
た従来の測線の配置図、(B)は断層を跨いで2方向に
直交させて一度に配設した従来の測線の配置図である。
【符号の説明】
10a・・送信局、10b・・中継局、10n・・受信
局、12・・屈折率計、13・・温度センサ、14・・
水圧センサ、15・・流速計、16・・流向計、17・
・塩分濃度計、5a、5b、5c・・分岐カプラー、
6′・・エルビウム添加型光増幅器、TH1〜TH(n
−1)・・分布型光ファイバー温度計、Sw・・海中を
透過するパルスレーザ光、Sc・・分布型光ファイバー
温度計を伝送するパルスレーザ光、201、202・・
超音波送受信器。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水底の断層を介在させて、光パルスを送
    光する送信局と、該光パルスを受光して次段の局に送光
    する中継局と、中継局からの光パルスを受光する最終段
    の受信局とを所定間隔毎に対向配設してなる測線を設
    け、 上記送信局から中継局を経由し受信局に送光される伝播
    用光パルスから各局毎に観測用の光パルスを分岐し、そ
    の光電変換したパルス列と、上記各局毎に設けたセンサ
    により検出した各局設置周囲の水の屈折率、塩分濃度、
    水温、水圧、流速、及び流向の検出データとを伝送ケー
    ブルを介して地上局に伝送し、 上記光電変換パルス列を取り込み、基準値測定時t1
    び該基準値測定時から所定時間経過した後の測定時t2
    において、上記対向配設された局同士の光電変換パルス
    を1組とし、求めた1組毎の対向局間片道のパルス伝播
    時間幅ΔT及び上記検出データに基づいて水底基盤にお
    ける対向局間の水平歪みの発生の有無を識別するデータ
    処理装置を備える光学式測距装置であって、 上記データ処理装置は、 上記測定時t1 及び測定時t2 において、上記対向局間
    の設置距離Lに対し見掛け上の変動を与える屈折率、塩
    分濃度、水温、水圧、流速、又は流向の各パラメータg
    をそれぞれN回反復検出し、 下記演算式(2)に、下記演算式(1)により求めた上
    記測定時t1 及び測定時t2 における対向局間の水中の
    光パルスの伝播速度vと対向局間のパルス伝播時間幅Δ
    Tとを代入して測定時t1 及び測定時t2 における補正
    前の対向局間設置距離Lを求め、 下記演算式(3)に基づいて、上記対向局の何れか一方
    の局における任意の1つのパラメータgのN回の反復検
    出値の加算値をNで除算して算出した上記測定時t1
    び測定時t2 における各短時間平均補正量<g>を<δ
    L(パラメータ)>と表し、下記演算式(3´)に示す
    上記<δL(パラメータ)>を上記測定時t1 及び測定
    時t2 における補正前の対向局間の設置距離Lの見掛け
    上の変動を補正するための短時間平均補正量とみなして
    用い、 下記演算式(4)により、上記測定時t1 における補正
    前の対向局間設置距離L(j) と短時間平均補正量<δL
    (パラメータ)>t1 との和に基づいて補正後の真の対
    向局間設置距離Lを求め、 下記演算式(4´)により、上記測定時t2 における補
    正前の対向局間設置距離L(j) と短時間平均補正量<δ
    L(パラメータ)>t2 との和に基づいて補正後の真の
    対向局間設置距離Lを求め、 下記演算式(5A)、又は(5B)に示す上記(測定時
    2 における補正後の真の対向局間設置距離Lt2)の値
    から(測定時t1 における補正後の真の対向局間設置距
    離Lt1)の値の差の結果に基づいて対向局間における歪
    みの発生の有無を識別し、そして、下記演算式(5A)
    に基づいて、上記(測定時t2 における補正後の真の対
    向局間設置距離Lt2の値、及び測定時t1 における補正
    後の真の対向局間設置距離Lt1の値の差)と、上記(測
    定時t1 及びt2 における補正後の真の対向局間設置距
    離Lt1及びLt2の平均値)との比から、又は下記演算式
    (5B)に基づいて、上記(測定時t2 における補正後
    の真の対向局間設置距離Lt2の値、及び測定時t1 にお
    ける補正後の真の対向局間設置距離Lt1の値の差)と、
    上記(測定時t1 における補正後の真の対向局間設置距
    離Lt1)との比から対向局間に発生する歪み量〔ε
    (i、i+1)〕t1 t2を求めるよう構成したことを特徴
    とする光学式測距装置。 演算式(1):v=C0 /n、ここで、nは測定時t1
    及びt2 における各局の水の実測屈折率、C0 は真空中
    の光速度(3×108 m/s)、vは測定時t1及びt
    2 における対向局間の光パルスの伝播速度を示す、 演算式(2):v×ΔT=L、ここで、ΔTは対向局間
    の光パルスの片道伝播時間幅を示す、 ここで、<g>は各パラメータgのN回測定の平均値、
    即ち、各パラメータgの短時間平均補正量、<δL(パ
    ラメータ)>は補正前の対向局間の設置距離Lの見掛け
    上の変動を補正するための短時間平均補正量、i、(i
    +1)はi番目、(i+1)番目の局、δg(j) 及びδ
    L(パラメータ)(j) はN回の反復検出のうちj回目の
    測定量を示す、 演算式(4):測定時t1 における補正後の真の対向局
    間設置距離L=〔Lt1 C(i、i+1)〕=(測定時t
    1 における補正前の対向局間設置距離〔L(j) (i、i
    +1);t=t1 〕)+(測定時t1 における短時間平
    均補正量<δL(パラメータ)>t1)、 演算式(4´):測定時t2 における補正後の真の対向
    局間設置距離L=〔Lt2 C (i、i+1)〕=(測定時
    2 における補正前の対向局間設置距離〔L(j) (i、
    i+1);t=t2 〕)+(測定時t2 における短時間
    平均補正量<δL(パラメータ)>t2)、 演算式(5A):〔ε(i、i+1)〕t1 t2≡{(測定
    時t2 における補正後の真の対向局間設置距離〔Lt2 C
    (i、i+1)〕)−(測定時t1 における補正後の真
    の対向局間設置距離〔Lt1 C (i、i+1)〕)}/
    0.5×{(測定時t1 における補正後の真の対向局間
    設置距離〔Lt1 C (i、i+1)〕)+(測定時t2
    おける補正後の真の対向局間設置距離〔Lt2 C (i、i
    +1)〕)}、 演算式(5B):〔ε(i、i+1)〕t1 t2≡{(測定
    時t2 における補正後の真の対向局間設置距離〔Lt2 C
    (i、i+1)〕)−(測定時t1 における補正後の真
    の対向局間設置距離〔Lt1 C (i、i+1)〕)}/
    (測定時t1 における補正後の真の対向局間設置距離
    〔Lt1 C (i、i+1)〕)。
  2. 【請求項2】 上記<δL(パラメータ)>は、 上記測定時t1 及び測定時t2 における補正前の対向局
    間の設置距離Lの見掛け上の変動を補正するための短時
    間平均補正量として、上記対向局の何れか一方の局にお
    ける任意の複数のパラメータgの各短時間平均補正量<
    g>を加算するとき、又は該対向局の各局における任意
    の複数のパラメータgの各短時間平均補正量<g>を加
    算して対向局数2で除算した平均値で示すときは、<δ
    L´(パラメータ)>として表し、 下記演算式(4A)により、上記測定時t1 における補
    正前の対向局間設置距離L(j) と短時間平均補正量<δ
    L´(パラメータ)>t1 との和に基づいて上記測定時
    1 における補正後の真の対向局間設置距離Lを求め、 下記演算式(4B)により、上記測定時t2 における補
    正前の対向局間設置距離L(j) と短時間平均補正量<δ
    L´(パラメータ)>t2 との和に基づいて上記測定時
    2 における補正後の真の対向局間設置距離Lを求め、 下記演算式(5A)、又は(5B)に示す(測定時t2
    における補正後の真の対向局間設置距離Lt2)の値から
    (測定時t1 における補正後の真の対向局間設置距離L
    t1)の値の差の結果に基づいて対向局間における歪みの
    発生の有無を識別し、そして、下記演算式(5A)に基
    づいて、(測定時t2 における補正後の真の対向局間設
    置距離Lt2の値、及び測定時t1 における補正後の真の
    対向局間設置距離Lt1の値の差)と、上記(測定時t1
    及びt2 における補正後の真の対向局間設置距離Lt1
    びLt2の平均値)との比から、又は下記演算式(5B)
    に基づいて、(測定時t2 における補正後の真の対向局
    間設置距離Lt2の値、及び測定時t1における補正後の
    真の対向局間設置距離Lt1の値の差)と、上記(測定時
    1 における補正後の真の対向局間設置距離Lt1)との
    比から対向局間に発生する歪み量〔ε(i、i+1)〕
    t1 t2を求めることを特徴とする請求項1記載の光学式測
    距装置。 演算式(4A):測定時t1 における補正後の真の対向
    局間設置距離L=〔L t1 C (i、i+1)〕=(測定時
    1 における補正前の対向局間設置距離〔L(j ) (i、
    i+1);t=t1 〕)+(測定時t1 における短時間
    平均補正量<δL´(パラメータ)>t1)、 演算式(4B):測定時t2 における補正後の真の対向
    局間設置距離L=〔Lt2 C (i、i+1)〕=(測定時
    2 における補正前の対向局間設置距離〔L(j)(i、
    i+1);t=t2 〕)+(測定時t2 における短時間
    平均補正量<δL´(パラメータ)>t2)、 演算式(5A):〔ε(i、i+1)〕t1 t2≡{(測定
    時t2 における補正後の真の対向局間設置距離〔Lt2 C
    (i、i+1)〕}−(測定時t1 における補正後の真
    の対向局間設置距離〔Lt1 C (i、i+1)〕)}/
    0.5×{(測定時t1 における補正後の真の対向局間
    設置距離〔Lt1 C (i、i+1)〕)+(測定時t2
    おける補正後の真の対向局間設置距離〔Lt2 C (i、i
    +1)〕)}、 演算式(5B):〔ε(i、i+1)〕t1 t2≡{(測定
    時t2 における補正後の真の対向局間設置距離〔Lt2 C
    (i、i+1)〕)−(測定時t1 における補正後の真
    の対向局間設置距離〔Lt1 C (i、i+1)〕)}/
    (測定時t1 における補正後の真の対向局間設置距離
    〔Lt1 C (i、i+1)〕)。
  3. 【請求項3】 水底の断層を介在させて、光パルスを送
    光する送信局と、該光パルスを受光して次段の局に送光
    する中継局と、中継局からの光パルスを受光する最終段
    の受信局とを所定間隔毎に対向配設してなる測線を設
    け、 上記送信局から中継局を経由し受信局に送光される伝播
    用光パルスから各局毎に観測用の光パルスを分岐し、そ
    の光電変換したパルス列を伝送ケーブルを介して地上局
    に伝送し、 基準量測定時τ1 において、上記光電変換パルス列を取
    り込み、上記対向配設された局同士の分岐パルスを1組
    とし、該1組毎の対向局間片道のパルス伝播時間幅ΔT
    を求め、加算して上記測線の伝播時間Tを基準伝播時間
    として求め、 上記基準伝播時間Tと上記基準量測定時τ1 の後の測定
    時τ2 に求めた伝播時間Tとを対比し、その差異の有無
    から水底基盤における水平歪みの変化の有無を識別する
    データ処理装置を備える光学式測距装置であって、 上記各局に、設置周囲の水温を検出する温度センサ及び
    水の屈折率nを検出する屈折率計を設け、 上記データ処理装置は、 上記基準量測定時τ1 の実測水温を初期温度tAs℃と
    し、該水温における水の実測屈折率を初期屈折率nAs
    し、該初期屈折率nAsを下記演算式1に代入して求めた
    光パルスの伝播速度を初期伝播速度vAsとし、さらに、
    上記各局同士間の1組毎の実測パルス伝播時間幅ΔTの
    和を初期伝播時間TAsとして記憶手段に記憶し、 上記基準量測定後の測定時τ2 の実測水温tn ℃におけ
    る実測屈折率nn を下記演算式1に代入して光パルスの
    伝播速度vn を算出し、上記1組毎の実測パルス伝播時
    間幅ΔTの和を実測伝播時間Tn として求め、 上記基準量測定後の測定時τ2 の実測伝播時間Tn 及び
    伝播速度vn と、上記初期伝播速度vAsとを下記演算式
    2に代入して求めた伝播時間TAsn を、上記基準量測定
    後の測定時τ2 における実測伝播時間Tn を初期温度t
    As℃における初期伝播時間TAsに温度補正された伝播時
    間TAsn として記憶保持し、 上記基準量測定時τ1 の初期伝播時間TAsと温度補正し
    た上記伝播時間TAs n とを対比し、その対比結果に基づ
    いて水平歪みの有無を識別するように構成したことを特
    徴とする光学式測距装置。 演算式1:v=C0 /n、ここで、nは上記基準量測定
    時τ1 及び該基準量測定後の測定時τ2 の水の実測屈折
    率、C0 は真空中の光速度(3×108 m/s)、vは
    算出した上記基準量測定時τ1 及び該基準量測定後の測
    定時τ2 の水中の光パルスの初期伝播速度を示す、 演算式2:TAsn =(vn ・Tn )/vAs、ここで、v
    Asは上記基準量測定時τ1 に測定した水中の光パルスの
    初期伝播速度、vn は該基準量測定時τ1 の後の測定時
    τ2 における水中の光パルスの伝播速度、Tn は上記測
    定時τ2 の実測伝播時間、TAsn は測定時τ2 の実測伝
    播時間Tn を上記基準量測定時τ1 の初期温度tAs℃に
    おける初期伝播時間TAsに温度補正した伝播時間を示
    す。
  4. 【請求項4】 上記測線における各局毎に、上記光パル
    スを送光する送信局からのレーザ光送光方向に配設され
    ている光学的測定系と並例に、かつ該レーザ光送光方向
    とは逆方向に向けて光学的測定系を配設することによ
    り、上記測線に往復路光学的測定系を形成し、 上記往復路光学的測定系により検出した上記パルス伝播
    時間幅データと、各局に設けたセンサからの検出データ
    とを上記データ処理装置に伝送することを特徴とする請
    求項1、又は請求項3の何れか1項記載の光学式測距装
    置。
  5. 【請求項5】 上記測線に対し、先頭に位置する送信
    局、中継局、及び受信局の列からなる測線の多数を、上
    記測線の伝播用光パルスを送光する送信局と、各測線の
    先頭送信局とが並列位置するよう敷設し、 上記測線の送信局と、各測線の先頭送信局とが、上記測
    線の送信局が送光する伝播用光パルスから分岐した伝播
    用光パルスを各測線の先頭送信局に順次伝播するよう光
    結合されており、 上記各測線の先頭送信局から中継局を介して受信局に、
    伝播用光パルスを送光し、 各測線の先頭送信局、中継局、及び受信局から分岐した
    伝播用光パルスから分岐した観測用の光パルスの光電変
    換パルス列と、該各局毎に設けたセンサからの検出デー
    タとを上記データ処理装置に伝送することを特徴とする
    請求項1、又は請求項3の何れか1項記載の光学式測距
    装置。
  6. 【請求項6】 上記測線における所定の局を、上記送信
    局から送光する伝播用光パルスを分岐する分岐局とし、
    該分岐局から複数の方向に向けて、先頭に位置する送信
    局、中継局、及び受信局よりなる分岐測線の複数を分岐
    敷設し、 上記伝播用光パルスを上記分岐局にて分岐し、上記各分
    岐測線の先頭送信局から中継局を介して受信局に送光
    し、 上記各分岐測線の先頭送信局、中継局、及び受信局か
    ら、上記伝播用光パスルから分岐した観測用の光パルス
    の光電変換パルス列と、上記各分岐測線の各局に設けた
    センサの検出データとを上記データ処理装置に伝送する
    ことを特徴とする請求項1、又は請求項3の何れか1項
    記載の光学式測距装置。
  7. 【請求項7】 水底における多数の三角形の頂点を形成
    する位置毎に観測局を敷設し、 上記観測局は、この観測局から発生される光伝播パルス
    を、該観測局に隣接する観測局のうちの半数の観測局に
    対してそれぞれ送光し、上記隣接する観測局のうちの残
    りの半数の観測局から送光される光伝播パルスをそれぞ
    れ受光するよう構成することにより観測局同士が相互に
    光結合している光学式測距装置であって、 上記観測局と、該観測局に隣接する各観測局との間で
    送、受光される光伝播パルスの検出伝播時間幅データ、
    及び各観測局に設けたセンサの上記検出データとをデー
    タ処理装置に伝送することを特徴とする請求項1、又は
    請求項3の何れか1項記載の光学式測距装置。
  8. 【請求項8】 上記光電変換パルス列を伝送ケーブルを
    介して地上局に伝送し、対向設置された局同士から分岐
    パルスを1組とし、該1組毎のパルス伝播時間幅ΔT
    を、周波数が異なる複数のクロックパルスにより計数す
    ることを特徴とする請求項1、又は請求項3記載の光学
    式測距装置。
  9. 【請求項9】 水底の断層を介在させて、光パルスを送
    光する送信局、該光パルスを受光して次段の局に送光す
    る中継局、及び中継局からの光パルスを受光する最終段
    の受信局を所定間隔毎に配設してなる測線を敷設し、 データ処理装置を備える地上局からの伝送ケーブルを上
    記送信局、中継局、及び受信局を連接し、 対向する上記各局同士間に介在する伝送ケーブルに、該
    各局同士を接続する分布型光ファイバー温度計をそれぞ
    れ添設し、 基準量測定時t1 及び該測定時t1 から所定時間経過後
    の測定時t2 のそれぞれの計測時において、上記対向局
    の一方の対向局から他方の対向局に向け、上記一方の対
    向局にて分岐した一方の分岐光パルスSwを上記対向局
    間に介在する水中光路を透過させると共に、他方の分岐
    光パルスScを上記対向局間同士を連接する分布型光フ
    ァイバー温度計の光ファイバー光路を介して伝送し、 上記分岐光パルスSc及び基準光パルスSpを上記他方
    の対向局内設置の計測演算装置の第1成分検出部にて受
    光し、検出した両パルスSc及びSp間の位相差を示す
    第1の成分信号と、上記分岐光パルスSw及び基準光パ
    ルスSpを上記計測演算装置の第2成分検出部にて受光
    し、検出した両パルスSw及びSp間の位相差を示す第
    2の成分信号との位相差を示す基準量測定時t1 及び測
    定時t2の検出信号をそれぞれ伝送ケーブルを介して地
    上局に伝送し、 地上局にて、基準量測定時t1 における計測時の検出信
    号と、測定時t2 における計測時の検出信号との位相差
    を対比し、その対比結果に基づいて、測線を構成する対
    向局間に介在する水温とその余の対向局間の水温との相
    違に関係無く、断層の出現の有無、あるいは、断層の伸
    縮、地殻変動の有無を識別することを特徴とする光学式
    測距装置。
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