JP2001279449A - プラズマcvd装置およびプラズマcvd膜の形成方法 - Google Patents

プラズマcvd装置およびプラズマcvd膜の形成方法

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JP2001279449A
JP2001279449A JP2000094488A JP2000094488A JP2001279449A JP 2001279449 A JP2001279449 A JP 2001279449A JP 2000094488 A JP2000094488 A JP 2000094488A JP 2000094488 A JP2000094488 A JP 2000094488A JP 2001279449 A JP2001279449 A JP 2001279449A
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nozzle
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reaction gas
film
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Mitsutaka Matsuse
充貴 松瀬
Hisato Shinohara
久人 篠原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマCVD装置において、基板表面以外
への膜付着を抑制することにより、稼働率を向上させ
る。 【解決手段】 実質的に分離されたプラズマ生成室10
1と処理室102と、プラズマ生成室101で生成した
プラズマ19を処理室102に導入するプラズマ導入ノ
ズル13と、前記処理室102に導入されたプラズマ1
9に反応ガス24を供給する反応ガス供給ノズル21と
を有し、前記反応ガス供給ノズル21の開口部が前記プ
ラズマ導入ノズル13から導入されたプラズマ19中に
存在する位置にあり、前記プラズマ生成室101にプラ
ズマ生成ガス26を導入してプラズマ19を生成し、こ
のプラズマ19をプラズマ導入ノズル13から処理室1
02内に導入するとともに反応ガス供給ノズル21から
反応ガス24を供給し、処理室102内のプラズマ導入
ノズル13に対向する位置に配置した基板11の表面に
反応生成物からなる膜を形成するプラズマCVD装置、
およびプラズマCVD膜形成方法とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマCVDを
用いて薄膜を形成するための装置、および成膜方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】Si薄膜やDLC(Diamond Like Carbo
n)薄膜の形成には、プラズマCVDが利用されてい
る。プラズマCVDは、反応ガスをプラズマ化し、この
プラズマ中のイオン、ラジカル等の電離・解離種等から
なる活性種を、基板の表面に堆積させることにより薄膜
形成を行う方法である。
【0003】プラズマCVDに用いるプラズマ発生源と
しては、例えば、100kHz〜200MHzの周波数を用い
た容量結合型高周波プラズマ源や、特開昭64−658
43号公報に開示されているようなエレクトロン・サイ
クロトロン・レゾナンス(ECR)を利用したものがあ
る。このうち容量結合型高周波プラズマ源は、大面積処
理および安定放電が可能で、かつ、ECRプラズマ発生
源に比べ安価に製造できる。
【0004】容量結合型高周波プラズマ処理装置は、高
周波電極と接地電極との間にプラズマを発生させる方式
であり、結合コンデンサを介して高周波電極に高周波電
圧を印加する。このとき、自己バイアス効果により平均
的に負の深いバイアスが形成されるので、高周波電極は
陰極として機能する。そして、高周波電極と接地電極と
の間にはプラズマが生成する。本明細書では、高周波電
極を陰極と呼び、接地電極を陽極と呼ぶ。
【0005】図9に、容量結合型プラズマ処理装置の主
要部断面図を示す。図9に示す装置では、陰極36と、
陽極として機能する基板ホルダ32とが対向して配置さ
れ、陰極36には、結合コンデンサを介して高周波電源
47が接続され、基板ホルダ32は接地されている。陰
極36に高周波電圧が印加されると、両電極の間にはプ
ラズマ39が生成する。なお、図9において、結合コン
デンサは省略している。
【0006】プラズマCVD法では、反応生成物として
薄膜の前駆体となる活性種がプラズマ中で形成され、こ
れが基板31の表面に付着することにより、基板31表
面に薄膜が形成される。しかし、この活性種は、基板表
面に付着するにとどまらず、プラズマ近傍の電極、その
支持部材、反応室(真空槽)の壁面などにも付着して膜
化する。そして、長時間あるいは繰り返しプラズマCV
Dを行うと、基板表面以外の領域で膜化した部分が厚く
なり、ある程度の厚さになると剥離してフレーク状とな
り、その一部が基板表面に付着する。そのため、基板表
面に形成されるプラズマCVD膜にピンホール等の欠陥
が生じてしまう。
【0007】このような欠陥の発生を防ぐために、反応
室内を定期的にクリーニングする必要がある。Si薄膜
の形成に用いるプラズマCVD装置では、四フッ化炭素
や三フッ化窒素等のガスを用いてプラズマを発生させ、
いわゆるドライエッチングによりクリーニングすること
が一般的である。また、反応室の壁面を覆う防着板をあ
らかじめ設けておき、この防着板と電極とを定期的に取
り外してクリーニングする方法も利用されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような定
期的なクリーニングは、プラズマCVD装置の稼働率を
著しく低下させる。
【0009】本発明の目的は、プラズマCVD装置にお
いて、基板表面以外への反応生成物の付着を抑制するこ
とにより、稼働率を向上させることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(6)の本発明により達成される。 (1) 実質的に分離されたプラズマ生成室と処理室
と、プラズマ生成室で生成したプラズマを処理室に導入
するプラズマ導入ノズルと、前記処理室に導入されたプ
ラズマに反応ガスを供給する反応ガス供給ノズルとを有
し、前記反応ガス供給ノズルの開口部が前記プラズマ導
入ノズルから導入されたプラズマ中に存在する位置にあ
り、前記プラズマ生成室にプラズマ生成ガスを導入して
プラズマを生成し、このプラズマをプラズマ導入ノズル
から処理室内に導入するとともに反応ガス供給ノズルか
ら反応ガスを供給し、処理室内のプラズマ導入ノズルに
対向する位置に配置した基板の表面に反応生成物からな
る膜を形成するプラズマCVD装置。 (2) 前記反応ガス供給ノズルの開口部は、基板と対
向する方向に開口している上記(1)のプラズマCVD
装置。 (3) 前記プラズマ生成ガスは、それ自体では反応生
成物を生じないガスであり、前記反応ガスは少なくとも
Siを含有する上記(1)または(2)のプラズマCV
D装置。 (4) 前記処理室内には磁場発生手段を有し、この磁
場発生手段が発生する磁場により、ノズルから噴出した
プラズマの広がりを抑制する上記(1)〜(3)のいず
れかのプラズマCVD装置。 (5) ノズルと基板表面との距離を一定に維持したま
ま、ノズルに対して基板を相対的に走査させながら基板
表面に膜を形成する上記(1)〜(5)のいずれかのプ
ラズマCVD装置。 (6) 実質的に分離されたプラズマ生成室と処理室
と、プラズマ生成室で生成したプラズマを処理室に導入
するプラズマ導入ノズルを有し、前記反応室に導入され
たプラズマに反応ガスを供給する反応ガス供給ノズル
と、前記プラズマ導入ノズルの外周部にプラズマ導入ノ
ズルに反応生成物の付着を防止するための付着防止ガス
を導入する付着防止ガス供給口とを有し、前記反応ガス
供給ノズルの開口部が前記プラズマ導入ノズルから導入
されたプラズマ中に存在する位置にあり、前記プラズマ
生成室にプラズマ生成ガスを導入してプラズマを生成
し、このプラズマをプラズマ導入ノズルから処理室内に
導入するとともに反応ガスを供給し、処理室内のプラズ
マ導入ノズルに対向する位置に配置した基板の表面に反
応生成物からなる膜を形成するプラズマCVD膜の形成
方法。
【0011】
【発明の実施の形態】図1に、本発明のプラズマCVD
装置の構成例を示す。本発明の装置は、図示されるよう
に、反応室100内に、プラズマ生成室101と処理室
102とが分離して設けられている。プラズマ生成室1
01には、陰極16と、これに対向する陽極14とが設
けられている。陰極16の裏面側(図中下側)には、ス
テンレス等の導電性材料から構成されるシールド部材1
8が、テフロン(登録商標)等から構成される絶縁部材
15を介して設けられている。陰極16には、結合コン
デンサを介して高周波電源27が接続され、陽極14は
接地されている。
【0012】陰極16および陽極14にはそれぞれ貫通
孔が設けられている。プラズマ生成室101と処理室1
02とは陽極14を隔壁として分離されている。陽極1
4から処理室102内に向かってプラズマ導入ノズル1
3が突出しており、陽極14の貫通孔はノズル13内に
存在する。処理室102では、プラズマ導入ノズル13
に対向して基板ホルダ12が設けられ、基板ホルダ12
の表面には基板11が設置されている。
【0013】この装置では、陰極16に高周波電圧が印
加される。陰極16に設けられた貫通孔を通してプラズ
マ生成室101内にプラズマ生成ガス26が導入される
と、陰極16と陽極14との間の空間にプラズマ19が
生成する。生成したプラズマ19は、陽極14の貫通孔
およびプラズマ導入ノズル13を通って、処理室102
内の基板11表面に向かって導入される(噴出する)。
【0014】処理室102には、プラズマ導入ノズル1
3から導入されたプラズマ19に反応ガスを供給する
(吹き付ける)ために、反応ガス供給ノズル21が設け
られている。この反応ガス供給ノズル21は、その開口
部がプラズマ導入ノズル13から導入されたプラズマ1
9の内部に存在するように配置されている。このよう
に、プラズマの19内部に開口部が存在するように反応
ガス供給ノズル21を配置することで、反応ガス供給ノ
ズル21から供給された反応ガス24が、プラズマ流に
包み込まれるようにして基板付近にまで運ばれる。この
ため、反応ガス24のプラズマによる分解物は、目的と
する基板11以外への拡散が抑えられ、結果として基板
以外の部分、特にプラズマ導入ノズル13の外周部分へ
の反応生成物の付着を抑制することができる。
【0015】反応ガス供給ノズル21の開口部は、プラ
ズマ導入ノズル13により導入されたプラズマ19中に
位置するように配置される。具体的には、基板側からプ
ラズマ導入ノズル13の開口をみた場合、反応ガス供給
ノズル21の開口部がこのプラズマ導入ノズル13の開
口内、特に開口の中心付近に位置するように配置するこ
とが好ましい。また、反応ガス供給ノズル21の垂直方
向の位置は基板とプラズマ導入ノズル13の開口部との
間で、上記範囲内あれば特に限定されるものではない
が、プラズマ導入ノズル13の開口部に近い方が好まし
い。具体的には基板から10mm以上、特に15mm以上離
れていることが好ましい。
【0016】ノズルの開口形状は特に限定されず、円
形、楕円形、矩形等のいずれであってもよい。ノズルの
開口形状と断面形状とは、通常、同じとすればよいが、
異なってもよい。また、断面積の比較的小さなノズルを
複数設けることも有効である。複数のノズルは、円周状
に配列してもよく、一列に配列してもよい。
【0017】また、反応ガス供給ノズル21の開口部
は、基板11と対向するような方向、つまり基板を向い
て開口していることが好ましい。このように、基板11
と対向するような方向に開口することで、反応ガス供給
ノズル21先端部付近への反応生成物の付着も防止でき
る。つまり、プラズマ流が反応ガス供給ノズル21から
供給される反応ガスの拡散を抑制し、反応ガスないしそ
の分解物が反応ガス供給ノズル21先端部付近へ到達す
るのを抑制する。
【0018】反応ガス供給ノズル21は、図1に示すよ
うに、基板11とプラズマ導入ノズル13との間隙に横
方向、つまり反応室100の側面から導入してもよい
し、例えば図2に示すように、プラズマ生成ガス26を
導入するためのプラズマ生成ガス導入路22の内部を通
すようにして導入してもよい。なお、図2においてその
他の構成は図1と同様であり、同一構成要素には同一符
号を付して説明を省略する。
【0019】本発明では、プラズマ生成室102内に導
入するプラズマ生成ガスとして、プラズマに曝されたと
きに単体では反応生成物を生ぜず、膜を形成しないガス
を用いる。そして、処理室102において、ノズル13
から基板11表面に向かって噴き出すプラズマ19に反
応ガスを吹き付け、反応生成物として活性種を生じさせ
る。そのため本発明では、基板11表面に限局して膜が
付着する。したがって、プラズマ生成室101内には実
質的に膜が付着せず、また、処理室102内では基板1
1表面を除いてほとんど膜が付着しないので、装置内を
クリーニングする頻度を従来に比べ著しく低くすること
ができる。
【0020】また、本発明では、プラズマ生成室を処理
室と独立して設けているので、プラズマ電圧および陰極
シース電圧が陰極16と陽極14とによって一義的に決
定されることになる。そのため、基板11への膜付着に
伴うプラズマ状態のドリフトが起こらない。さらに、上
述したように陰極16と陽極14への膜付着が実質的に
生じないので、プラズマ電圧および陰極シース電圧が変
動しにくい。したがって、本発明の装置では、従来に比
べ著しく安定した成膜が可能となる。
【0021】また、反応ガスは、ノズル13と基板11
表面との間のギャップにおいて、反応ガス供給ノズル2
1からプラズマ19内に導入される。そのため、基板1
1近傍において一方向性のガス流が形成されることにな
る。したがって、上記ギャップ中に存在するプラズマ1
9中において活性種同士の反応により生成したパーティ
クルを、プラズマ19外に速やかに排出することができ
る。プラズマ19内において生成したパーティクルはパ
ーティクル同士が衝突して成長し、基板上に堆積中の膜
に付着して欠陥を生じさせるが、パーティクルを成長前
にプラズマから排出してしまうことにより、膜欠陥の発
生を防ぐことができる。
【0022】また、プラズマ生成室の断面積に比べノズ
ル13の断面積が小さいので、ノズル13から高速のプ
ラズマ流が噴出することになる。そのため、成膜速度が
速くなる。
【0023】本発明では、処理室102内に磁場発生手
段を設け、この磁場発生手段が発生する磁場により、ノ
ズル13から供給されるプラズマ19の広がりを抑制す
ることが好ましい。この磁場発生手段は、基板11の裏
面側に存在し、かつ、一方の磁極面が基板11の裏面に
対向するように配置されていることが好ましい。
【0024】図3に、磁場発生手段として磁石29を設
けたプラズマCVD装置を示す。図3に示す装置は、基
板ホルダ12の表面に密着して磁石29を設けたほか
は、図1に示す装置と同様な構成であリ、同一構成要素
には同一の符号を付して説明を省略する。
【0025】図3において、磁石29は円形状であり、
所定の厚みを有して基板11と基板ホルダー12との間
に配置されている。磁石29は上面および下面の両端面
が磁極となっている。図4に、磁石29付近における磁
力線28の様子を模式的に示す。図4に示されるよう
に、磁石29により発生する磁場の向きは、基板11近
傍において、ノズル13から噴き出したプラズマ19の
噴出方向に対しほぼ平行である。プラズマを構成する荷
電粒子は、磁力線に沿って螺旋状に運動する力を受ける
ので、プラズマは磁場を横切って広がることはできな
い。その結果、磁石29によりプラズマ19の広がりが
抑制される。したがって、図3に示す構成では、図1に
比べ、プラズマ19は基板11の表面近傍に、より限局
して存在することになる。そのため、基板11表面以外
への膜付着をさらに抑制できるほか、成膜速度をさらに
向上させることができる。なお、反応ガスは中性である
ため、磁場によってプラズマ中への導入が阻害されるこ
とはない。
【0026】また、本発明では磁石29を基板11の直
下に配置しているので、磁石29により発生する磁場が
弱められることなくプラズマ19に作用し、強力にプラ
ズマ噴流方向を規制することができる。
【0027】なお、図示する構造に限らず、磁石29
は、ノズル13からのプラズマ噴出方向に対しほぼ平行
な向きの磁場を発生できる構造および寸法をもつもので
あればよく、図示する環状のほか、板状、筒状、柱状等
のいずれの形状であってもよい。図示する形状の磁石を
設ける場合、磁石径はノズル開口径以上とすることが好
ましい。
【0028】本発明では、さらに図5に示すように、プ
ラズマ導入ノズル13の外周部に磁石28を配置しても
よい。この磁石28は円筒状であり、プラズマ導入ノズ
ル13の外周部に所定の厚みを有して同心円状に配置さ
れている。磁石28は上面および下面の両端面が磁極と
なっている。
【0029】このように、プラズマ導入ノズル13の外
周部にも磁石を配置することにより、さらに強力にプラ
ズマ流を規制することができ、特定箇所、つまり基板以
外への反応生成物の付着を防止することができる。磁石
28の作用は図3の磁石29と同様であり、その他の構
成も図3と同様である。
【0030】磁石28,29の種類は特に限定されず、
例えばフェライト磁石や希土類磁石等のいずれであって
もよい。また、永久磁石に限らず、電磁石を用いること
もできる。
【0031】本発明において、プラズマ閉じ込めに利用
する磁場の強度は特に限定されない。すなわち、プラズ
マの閉じ込めが可能である強度であればよい。この磁場
強度は、プラズマ生成条件や装置各部の寸法などの各種
条件に依存して異なるが、通常、ノズル13と基板11
との間のギャップ内において好ましくは5mT以上、より
好ましくは10mT以上とする。また、上記ギャップ内の
磁場強度の上限は特にないが、ギャップ内に著しく強力
な磁場を存在させるように構成すると、ギャップ周辺の
磁場強度も高くなってしまってプラズマCVD自体に悪
影響を与えるおそれがあるので、ギャップ内の磁場強度
は1T以下とすることが好ましい。
【0032】ノズル13先端と基板3表面との間の距離
Gは特に限定されず、プラズマが限局して存在するこ
とができるように、ノズル13の構造や、図3,5の場
合には磁石28,29の形状、磁石28,29により発
生する磁場の強度等の各種条件に応じて適宜決定すれば
よいが、この距離は、通常、5〜40mm程度の範囲内に
設定することが好ましい。この距離が短すぎると、プラ
ズマに反応ガスを均一に混合することが難しくなり、一
方、長すぎると、プラズマが広がりやすくなる。
【0033】ところで、特開平11−293469号公
報には、放電室と表面処理室とを分離し、放電室で生成
したプラズマを、ノズルを介して表面処理室内に噴射す
る構造の表面処理装置が記載されている。同公報に記載
された装置は、プラズマ生成と表面処理とを別室で行
い、かつ、両者の間にノズルを設ける点で本発明の装置
に類似する。ただし、同公報には、ノズルから噴出させ
たプラズマに反応ガスを吹き付ける構成や、反応ガスを
供給するノズルの開口部をプラズマ流内に位置させる構
造は開示されていない。
【0034】同公報には、放電室内に水素ガスを導入し
て水素プラズマを生成し、この水素プラズマがノズルを
通過する際に、ノズル内において反応ガス(シランガ
ス)を混合する構成は開示されている。しかし、この構
成では、ノズルの内表面に膜が付着してしまう。そのた
め、装置のクリーニング頻度を著しく減らすことはでき
ない。また、ノズルの内表面に付着した膜は、高速のプ
ラズマ流に曝されるために剥離しやすく、その結果、基
板表面に形成される膜に欠陥が生じやすくなる。
【0035】また、同公報記載の装置ではノズル内に反
応ガスを供給するため、本発明と異なり、ノズル出口と
基板表面との間に一方向性のガス流が形成されない。そ
のため、プラズマ中で生成および成長したパーティクル
を、基板近傍から速やかに除去することができず、膜欠
陥が発生しやすい。
【0036】本発明において、ノズル13の構造および
寸法は特に限定されない。すなわち、プラズマの広がり
をどの程度抑制する必要があるか、あるいは、プラズマ
噴出速度をどの程度まで速くする必要があるかなど、要
求される性能に応じて適宜決定すればよい。陰極面積に
対するノズル断面積の比率が小さいほどプラズマ密度を
高くすることができ、また、プラズマの流速が速くなる
ため、好ましい。ただし、ノズル内表面とグロー領域と
の間にはシースが存在するため、ノズル断面積を小さく
しすぎると、逆にプラズマ密度が低くなってしまう。な
お、シース厚さは圧力および投入されたRFパワーに依
存する。したがって、これら各種条件を考慮してノズル
断面積を決定すればよいが、通常、ノズルの断面積は陰
極の面積の1/2以下であることが好ましい。また、ノ
ズルの長さは、ノズルの短径以上であることが好まし
い。なお、上記特開平11−293469号公報に記載
されている超音速ノズルは、本発明の装置にも適用可能
である。
【0037】本発明では、通常、ノズル断面積を基板表
面積よりも小さくするので、基板全面において一様な速
度で成膜することが難しい。そのため、必要に応じ、ノ
ズルに対して基板を相対的に走査しながら成膜を行うこ
とが好ましい。この場合、基板だけを走査してもよく、
基板を保持する基板ホルダを走査してもよい。例えば、
ノズルの開口形状を、その長手方向幅が基板幅とほぼ同
じであるスリット状とし、ノズル開口の長手方向に対し
直交する方向に基板を走行させれば、基板全面に均一に
成膜することが可能である。この方法は、長尺の基板を
用いる場合に特に適する。
【0038】また、基板全面において均一に膜形成を行
うためには、断面積の比較的小さなノズルを複数設ける
ことも有効である。複数のノズルは、マトリクス状に配
列してもよく、一列に配列してもよい。例えば、上記し
たスリット状開口を有するノズルを、その開口の長手方
向が基板の走行方向と直交するように、基板の走行方向
に一列に並べて複数個配列すれば、スループットを上げ
ることができる。なお、複数のノズルを設け、かつ、プ
ラズマ閉じ込めのために磁石を設ける場合、複数のノズ
ルが配設された領域を少なくともカバーする寸法の磁石
を1つ設けてもよく、複数の磁石を、各磁石が複数のノ
ズルのそれぞれに対向するように配設してもよい。
【0039】ノズルの開口形状は特に限定されず、円
形、楕円形、矩形等のいずれであってもよい。ノズルの
開口形状と断面形状とは、通常、同じとすればよいが、
異なってもよい。
【0040】本発明において用いるプラズマ生成ガス
は、前記したように、プラズマに曝されたときに単体で
は膜を形成しないガスである。このようなガスとして
は、一般に希ガス(He、Ne、Ar、KrおよびXe
のいずれか)または2種以上の希ガスを含む混合ガスが
挙げられるが、例えばアモルファスシリコン膜を形成す
る場合には、水素ガスおよびこれと希ガスとの混合ガス
も使用できる。
【0041】一方、本発明で用いる反応ガスとしては、
目的とする膜組成に応じて従来と同様に適宜選択すれば
よく、特に限定されない。具体的には、プラズマに曝さ
れたときに単体で膜を形成するガスや、前記プラズマ生
成ガスおよびその解離種、電離種などと共同して膜を形
成するガスを用いることができ、特にケイ素(Si)を
含有するものが好ましい。また、このようなガスと、希
ガスや水素ガスとを混合したガスを反応ガスとして用い
ることもできる。例えばSi薄膜の形成に際しては、反
応ガスとしてモノシランガスまたはこれと水素ガスとの
混合ガスを用いることができる。
【0042】本発明は、様々なCVD膜の形成に適用で
きる。例えば、多結晶や単結晶のダイヤモンド、Si、
SiC、BN、C、SiNx、SiOx等からなるアモル
ファス膜、Si、SiC、c−BN等からなる多結晶
膜、Si、SiC、c−BN等からなる単結晶膜などの
いずれの製造にも本発明は適用できる。
【0043】なお、図示例は容量結合型プラズマ処理装
置であるが、本発明は直流プラズマを利用する装置にも
適用することができ、また、プラズマ生成に高周波誘導
コイルを利用する装置にも適用することができ、また、
ECRプラズマを利用する装置にも適用できる。いずれ
の場合でも、プラズマ生成室を含めた基板表面以外への
膜付着を、著しく抑制することができる。
【0044】以下、本発明の作用効果を確認するために
行った実験について説明する。
【0045】図3に示す構造のプラズマCVD装置を用
意した。そして、図6に示すように、プラズマ導入ノズ
ル13上端と基板11表面との距離LGは15mm、およ
び35mmとし、ノズル13の長さLNは65mmとした。
基板11は100mm角の矩形とし、ノズル13は、外径
20mm、内径18mmの円筒状とし、磁石29は、外径1
50mm、厚さ15mmの円盤状とし、ノズル13の中心、
基板11の中心および磁石29の中心が一致するように
これらを配置した。なお、磁石29には、フェライト永
久磁石を用いた。ノズル13と基板11表面との間にお
ける最大磁場強度は、約40mTであった。
【0046】反応ガス供給ノズル21は、プラズマ導入
ノズル13の開口部の直上に配置し、反応ガス供給ノズ
ル21の開口部がプラズマ導入ノズル13の開口の中心
位置で、基板と対向するようにした。また比較例とし
て、反応ガス供給ノズル21aをプラズマ導入ノズル1
3の開口部上ほぼ0mmの位置(つまり接触させて)で、
プラズマ導入ノズル13の開口の中心位置から15mm離
れた位置に、その開口部が基板面と平行な方向に開口す
るように配置した。
【0047】この装置を用いて、プラズマ生成ガスとし
て水素(H2)を用い、反応ガスとしてシラン(Si
4)を用い、投入RFパワーを100W(周波数13.
56MHz)として、基板11表面にSi膜を形成した。
なお、シラン(SiH4)、水素(H2)の流量は、下記
の通りとした。また、成膜時間は5分間とした。 プラズマ生成ガス:500SCCM 反応ガス: 50SCCM 処理室の圧力:39.9Pa(0.3Torr)
【0048】成膜後、基板表面について、その中心位置
からそれぞれ±40mmの距離のSi膜厚を測定した。図
7に、成膜時の基板−ノズル間隔と、Si膜厚との関係
を示す。また、図8にプラズマ導入ノズル13の開口端
Oからプラズマ生成室方向(図中破線矢印で示す)への
位置と、プラズマ導入ノズル13に付着したSi膜厚と
の関係を示す。
【0049】図7から明らかなように、本発明の装置を
用いた場合、基板11の表面に高度に選択的にSi膜を
形成できることがわかる。また、図8からプラズマ導入
ノズル13に付着するSi膜を効果的に抑制できること
がわかる。なお、陰極16の表面や、陽極14の表面に
はSi膜が全く付着しないことが確認できた。
【0050】一方、図9に示す従来のプラズマCVD装
置を用いてSi膜形成を行ったところ、陰極16の表面
に基板11表面とほぼ同じ厚さのSi膜が形成されてし
まった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマCVD装置の主要部を示す断
面図である。
【図2】本発明のプラズマCVD装置の主要部を示す断
面図である。
【図3】本発明のプラズマCVD装置の主要部を示す断
面図である。
【図4】本発明のプラズマCVD装置における磁石12
付近での磁力線の様子を模式的に示す図である。
【図5】本発明のプラズマCVD装置の主要部を示す断
面図である。
【図6】基板およびプラズマ導入ノズルの付着膜の位置
を示す模式的に示す図である。
【図7】基板上に形成されたSi膜の膜厚分布を示すグ
ラフである。
【図8】プラズマ導入ノズルに形成されたSi膜の膜厚
分布を示すグラフである。
【図9】従来のプラズマCVD装置の主要部を示す断面
図である。
【符号の説明】
11 基板 12 基板ホルダ 14 陽極 16 陰極 15 絶縁部材 16 プラズマ導入ノズル 19 プラズマ 21 反応ガス供給ノズル 22 付着防止ガス供給口 29 磁石 31 基板 32 基板ホルダ 32 陽極 47 高周波電源 39 プラズマ 100 反応室 101 プラズマ生成室 102 処理室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K030 AA06 BA29 EA06 FA03 KA34 5F004 AA15 BA06 BB13 BD04 DA22 DA23 DA24 5F045 AA08 AB02 AC01 AC16 AC17 BB15 DP05 EB02 EF08 EH04 EH14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に分離されたプラズマ生成室と処
    理室と、プラズマ生成室で生成したプラズマを処理室に
    導入するプラズマ導入ノズルと、前記処理室に導入され
    たプラズマに反応ガスを供給する反応ガス供給ノズルと
    を有し、 前記反応ガス供給ノズルの開口部が前記プラズマ導入ノ
    ズルから導入されたプラズマ中に存在する位置にあり、 前記プラズマ生成室にプラズマ生成ガスを導入してプラ
    ズマを生成し、このプラズマをプラズマ導入ノズルから
    処理室内に導入するとともに反応ガス供給ノズルから反
    応ガスを供給し、処理室内のプラズマ導入ノズルに対向
    する位置に配置した基板の表面に反応生成物からなる膜
    を形成するプラズマCVD装置。
  2. 【請求項2】 前記反応ガス供給ノズルの開口部は、基
    板と対向する方向に開口している請求項1のプラズマC
    VD装置。
  3. 【請求項3】 前記プラズマ生成ガスは、それ自体では
    反応生成物を生じないガスであり、前記反応ガスは少な
    くともSiを含有する請求項1または2のプラズマCV
    D装置。
  4. 【請求項4】 前記処理室内には磁場発生手段を有し、
    この磁場発生手段が発生する磁場により、ノズルから噴
    出したプラズマの広がりを抑制する請求項1〜3のいず
    れかのプラズマCVD装置。
  5. 【請求項5】 ノズルと基板表面との距離を一定に維持
    したまま、ノズルに対して基板を相対的に走査させなが
    ら基板表面に膜を形成する請求項1〜5のいずれかのプ
    ラズマCVD装置。
  6. 【請求項6】 実質的に分離されたプラズマ生成室と処
    理室と、プラズマ生成室で生成したプラズマを処理室に
    導入するプラズマ導入ノズルを有し、 前記反応室に導入されたプラズマに反応ガスを供給する
    反応ガス供給ノズルと、前記プラズマ導入ノズルの外周
    部にプラズマ導入ノズルに反応生成物の付着を防止する
    ための付着防止ガスを導入する付着防止ガス供給口とを
    有し、 前記反応ガス供給ノズルの開口部が前記プラズマ導入ノ
    ズルから導入されたプラズマ中に存在する位置にあり、 前記プラズマ生成室にプラズマ生成ガスを導入してプラ
    ズマを生成し、 このプラズマをプラズマ導入ノズルから処理室内に導入
    するとともに反応ガスを供給し、 処理室内のプラズマ導入ノズルに対向する位置に配置し
    た基板の表面に反応生成物からなる膜を形成するプラズ
    マCVD膜の形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016527663A (ja) * 2013-06-05 2016-09-08 東京エレクトロン株式会社 シース電位による基板の非両極性電子プラズマ(nep)処理用の処理システム

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