JP2001272493A - 鉛系金属循環装置 - Google Patents

鉛系金属循環装置

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JP2001272493A
JP2001272493A JP2000088265A JP2000088265A JP2001272493A JP 2001272493 A JP2001272493 A JP 2001272493A JP 2000088265 A JP2000088265 A JP 2000088265A JP 2000088265 A JP2000088265 A JP 2000088265A JP 2001272493 A JP2001272493 A JP 2001272493A
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based metal
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circulating
metal
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Hiroshi Sekimoto
博 関本
Minoru Takahashi
実 高橋
Toshio Takahashi
才雄 高橋
Masaharu Uchida
正治 内田
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Original Assignee
Tokyo Institute of Technology NUC
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 腐食の影響を低減することが可能な鉛系金属
循環装置を提供すること。 【解決手段】 少なくとも鉛が含まれた金属である流体
状の鉛系金属を、ポンプ2を用いてループ1内を循環さ
せる鉛系金属循環装置において、ループ1に設けられ、
ループ1内を循環する鉛系金属を冷却する冷却手段5
と、冷却手段5の下流側のループ1に設けられ、ループ
1内を循環する鉛系金属の一部または全部をループ1か
らバイパスさせて冷却手段5の上流側のループ1に戻す
バイパスライン27、29と、バイパスライン27、2
9に設けられ、バイパスされた鉛系金属に含まれる不純
物を除去する不純物除去手段28とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも鉛を含
んだ鉛系金属をループ内で循環させる鉛系金属循環装置
に係り、更に詳しくは、例えば原子炉の冷却系として用
いられる鉛系金属循環装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、原子炉等において、核分裂エネル
ギーにより発熱された炉心を冷却するための冷却材とし
て流体状の液体金属を使用する場合、液体金属の融点
は、低い方が使用しやすい。このため、従来から、融点
が98℃のナトリウム(以下、「Na」と称する)が冷
却材として使用されており、冷却系として、Naをルー
プ内で循環させるNa循環装置が使用されていた。
【0003】図5は、この種の従来から用いられている
Na循環装置を示す系統構成図である。
【0004】ループを形成する主配管1上には、電磁ポ
ンプ2、加熱器3、材料試験部4、冷却器5、流量計6
がそれぞれ設けられている。
【0005】ループ内のNaは、電磁ポンプ2によって
ループ内を図中の矢印に示す方向に従って循環する。
【0006】また、ループ内のNaは、電磁ポンプ2の
下流側に設けられた加熱器3によって加熱される。
【0007】ループ内のNaは、必要に応じて、加熱器
3の下流側に設けられた材料試験部4において腐食試験
等に供される。
【0008】更に、ループ内のNaは、材料試験部4の
下流側に設けられた冷却器5によって冷却された後に、
冷却器5の下流側に設けられた流量計6によって、流量
が測定される。
【0009】なお、主配管1は、配管内を循環するNa
の温度に応じて、加熱器3から冷却器5に向かう主配管
1である高温主配管1(#a)と、冷却器5から加熱器
3に向かう主配管1である低温主配管1(#b)とにそ
れぞれ分類される。
【0010】また、流量計6と電磁ポンプ2との間の低
温主配管1(#b)の一部と平行して、低温主配管1
(#b)内を流れるNaの一部をサンプリング装置8に
送るサンプリングライン9が設けられている。サンプリ
ング装置8にNaを送る場合には、低温主配管1(#
b)上に備えられた弁10(#a)を閉じて、サンプリ
ングライン9上の弁10(#b)を開くことによってな
される。サンプリング装置8に残されたNaは、弁10
(#c)を開いて、再びサンプリングライン9を介して
低温主配管1(#b)に戻される。
【0011】更に、主配管1内を流れるNaは、コール
ドトラップ11において連続的に不純物の除去が行なわ
れ純化される。Naに含まれる不純物の除去が行なわれ
る場合には、まず、流量計6の下流の低温主配管1(#
b)上に設けられた弁10(#d)を閉じ、低温主配管
1(#b)から分岐して設けられたコールドトラップラ
イン12(#a)上の弁10(#b)を開くことによっ
て、Naをコールドトラップ11側に供給する。
【0012】このようにしてコールドトラップライン1
2(#a)に送られたNaは、コールドトラップライン
12上に設けられた熱交換器13によって冷却された後
に、コールドトラップ11に供給される。コールドトラ
ップ11に供給されたNaは、コールドトラップ11に
おいて冷却され、飽和溶解度を超える不純物が析出す
る。
【0013】コールドトラップ11には、図示しないメ
ッシュが備えられており、このメッシュに、析出した不
純物が捕獲されNaから除去されることによって、Na
が純化される。純化されたNaはコールドトラップライ
ン12(#b)に供給される。コールドトラップライン
12(#b)に供給されたNaは、熱交換器13によっ
て加熱された後に、低温主配管1(#b)に戻される。
【0014】また、冷却器5と流量計6との間の低温主
配管1(#b)からは、膨張タンクライン15が分岐し
ており、膨張タンクライン15の終端は膨張タンク16
に接続している。
【0015】膨張タンク16は、温度が上昇して膨張し
たNaの体積増加分を吸収するためのバッファであり、
その内部が、カバーガス配管17を介してカバーガス供
給装置18から供給されたカバーガスで満たされたカバ
ーガス雰囲気に保たれている。カバーガス供給装置18
から供給されるカバーガスは、不活性なガスであるアル
ゴンなどが好適である。
【0016】更に、Na循環装置には、ダンプタンク2
0が備えられている。ダンプタンク20は、Naを主配
管1から抜く場合に用いるものであり、Naを主配管1
から抜いた場合には、そのNaを一時的に貯蔵し、Na
を主配管1に戻す場合には、貯蔵していたNaを再び主
配管1に戻すものである。
【0017】主配管1からNaを抜く場合には、弁10
(#f)を開くことにより、低温主配管1(#b)から
Naが出入口ノズル21を介してダンプタンク20へ供
給される。一方、ダンプタンク20に貯蔵されているN
aを主配管1に戻す場合には、弁10(#f)を開い
て、出入口ノズル21を介してダンプタンク20側から
主配管1側へとNaを戻す。ダンプタンク20もまた、
膨張タンク16と同様に、その内部が、カバーガス配管
22を介してカバーガス供給装置23から供給されたア
ルゴンガスなどのカバーガスで満たされたカバーガス雰
囲気に保たれている。
【0018】上述したような構成のNa循環装置を原子
炉の冷却系として用いる場合、加熱器3は原子炉の炉心
に、冷却器5は原子炉の熱交換器及び蒸気発生器に、そ
れぞれ相当する。
【0019】しかしながら、Naは化学的に活性が高い
ので、Naが空気中の酸素と反応して発火する可能性が
ある。
【0020】このため、上述したような構成のNa循環
装置においては、Naによる発火を防止するために、防
火対策として、作業を不活性雰囲気内で行うようにした
り、機器類や主配管1からNaを漏洩させないための設
備対応を講じたりする必要があるという問題がある。
【0021】上述したようなNa循環装置の欠点を回避
するために、最近では、Naに比べて活性が低い液体金
属である鉛、もしくは鉛を主成分とする液体金属である
鉛系金属(例えば、鉛ビスマス等)を冷却材として用い
た鉛系金属循環装置が、原子炉の冷却系として使用され
ている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の鉛系金属循環装置では、以下のような問題が
ある。
【0023】すなわち、鉛系金属を冷却材として用いた
場合、鉛の比重は約11.3、鉛ビスマスの比重は約1
0.5であり、いずれもNaと比べて約10倍も重い。
また、鉛系金属は、Naに比べて、金属に対する腐食性
が強く、鉛系金属に溶存する酸素濃度や温度条件によっ
ては著しく腐食速度が速くなる場合がある。
【0024】このため、鉛系金属循環装置に使用される
配管や機器等に関しては、従来のNa循環装置に使用さ
れている技術をそのまま適用することができない。
【0025】特に、鉛ビスマス等の鉛系金属の温度が約
430℃以上の場合、金属に対する腐食速度は著しく速
くなり、ニッケルでは特に顕著となる。このため、図5
に示すような構成のNa循環装置に、Naの代わりに鉛
系金属を適用した場合、主配管1や機器類の腐食速度が
速く、耐用寿命が短縮するという問題がある。
【0026】例えば、Na循環装置では、電磁ポンプ2
の接液部分及び電磁流量計8に、オーステナイト系ステ
ンレス(SUS316等)が使用されているが、オース
テナイト系ステンレス(SUS316等)は、ニッケル
を含有しているために鉛ビスマス等の鉛系金属の温度が
約430℃以上となるとすぐに腐食してしまう。約43
0℃以上の鉛ビスマス等の鉛系金属に対する耐食特性の
優れている材質として炭素鋼があるが、炭素鋼は磁性体
のために、電磁ポンプ2の材質には適さない。
【0027】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、腐食の進行の少ない箇所に機器を配置する
とともに、鉛系金属に溶存する酸素の濃度を調節し、も
って、腐食の影響を低減することが可能な鉛系金属循環
装置を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0029】すなわち、請求項1の発明では、少なくと
も鉛が含まれた金属である流体状の鉛系金属を、ポンプ
を用いてループ内を循環させる鉛系金属循環装置におい
て、ループに設けられ、ループ内を循環する鉛系金属を
冷却する冷却手段と、冷却手段の下流側のループに設け
られ、ループ内を循環する鉛系金属の一部または全部を
ループからバイパスさせて冷却手段の上流側のループに
戻すバイパスラインと、バイパスラインに設けられ、バ
イパスされた鉛系金属に含まれる不純物を除去する不純
物除去手段とを備える。
【0030】請求項2の発明では、請求項1の発明の鉛
系金属循環装置において、バイパスラインに、バイパス
された鉛系金属をバイパスラインの上流側から受けて貯
蔵するとともに、当該貯蔵された鉛系金属の一部または
全部をバイパスラインの下流側に戻すダンプタンクを備
え、不純物除去手段として、金属製のメッシュを複数重
ねて構成されたデミスタを、ダンプタンク内に備える。
【0031】請求項3の発明では、請求項1または請求
項2の発明の鉛系金属循環装置において、ポンプとして
電磁ポンプを用い、当該電磁ポンプを、ループにおけ
る、ループ内を循環する鉛系金属の温度が所定温度より
も低い部位に備える。
【0032】請求項4の発明では、請求項3の発明の鉛
系金属循環装置において、電磁ポンプを、ループにおけ
る、冷却手段の下流側に備える。
【0033】請求項5の発明では、請求項1乃至4のう
ちいずれか1項の発明の鉛系金属循環装置において、ル
ープ内を循環する鉛系金属の流量を測定する流量計を、
ループにおける、ループ内を循環する鉛系金属の温度が
所定温度よりも低い部位に備える。
【0034】請求項6の発明では、請求項5の発明の鉛
系金属循環装置において、流量計として電磁流量計を用
い、当該電磁流量計を、ループにおける、冷却手段の下
流側に備える。
【0035】請求項7の発明では、請求項1乃至6のう
ちいずれか1項の発明の鉛系金属循環装置において、ル
ープ内を循環する鉛系金属に酸素を供給するとともに、
鉛系金属中の酸素濃度を調整する酸素供給調整手段を備
える。
【0036】請求項8の発明では、請求項1乃至7のう
ちいずれか1項の発明の鉛系金属循環装置において、ル
ープ内を循環する鉛系金属の循環速度に対する腐食の特
性を得る場合、ループ内を循環する鉛系金属の循環速度
を加速する加速手段を備える。
【0037】請求項9の発明では、請求項8の発明の鉛
系金属循環装置において、加速手段として、ループを形
成する配管内に挿設され、配管の断面を部分的に閉塞さ
せて配管径を実効的に減少させる実効配管径減少部材を
用いる。
【0038】請求項10の発明では、請求項8または請
求項9の発明の鉛系金属循環装置において、ループ内を
循環する鉛系金属を加熱する加熱手段をループに備え、
加速手段を、ループにおける、加熱手段の下流側に備え
る。
【0039】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照しながら説明する。
【0040】なお、以下の各実施の形態の説明に用いる
図中の符号は、図5と同一部分については同一符号を付
して示すことにする。
【0041】本発明の実施の形態を図1から図4を用い
て説明する。
【0042】図1は、本発明の実施の形態に係る鉛系金
属循環装置の一例を示す系統構成図である。
【0043】すなわち、本発明の実施の形態に係る鉛系
金属循環装置は、図5に示すNa循環装置の構成からコ
ールドトラップライン12、及びそれに付随した機器で
あるコールドトラップ11、熱交換器13、弁10(#
e)、弁10(#d)を省略し、酸素注入装置25、酸
素注入配管26、入口ノズル27、デミスタ28、出口
ノズル29、弁10(#g)を備えた構成としている。
【0044】また、膨張タンクライン15を省略し、膨
張タンク16を低温主配管1(#b)に直接接続した構
成としている。
【0045】更に、鉛系金属による機器の腐食の影響を
低減するために、腐食の影響が低くなるような運転条件
を適用している。
【0046】したがって、ここでは、異なる部分につい
てのみ説明を行ない、重複説明を避ける。
【0047】鉛系金属の腐食挙動は、鉛系金属に溶存す
る酸素濃度に依存し、酸素濃度が10−7重量%から1
−8重量%の範囲で腐食速度が最小となり、それより
溶存酸素濃度が低い場合にも、高い場合にも腐食性が高
くなる。このため、本発明の実施の形態では、鉛系金属
に酸素を注入するとともに、鉛系金属中の酸素濃度を調
整する酸素注入装置25を備える。酸素注入装置25
は、必要に応じて、酸素注入配管26を介して膨張タン
ク16に酸素濃度が既知の酸素ガスを注入し、鉛系金属
循環装置内の酸素濃度を調整する。
【0048】図2は、酸素注入装置25から注入された
酸素が、膨張タンク16内で鉛系金属に混合される場合
の状態を示す模式図である。
【0049】まず、酸素注入装置25が、膨張タンク1
6の上部空間であるカバーバス空間に酸素ガスを注入す
る(ST1)と、気液界面において鉛系金属内の酸素濃
度が増加する(ST2)。鉛系金属中における酸素の拡
散速度は遅いので、拡散を促進するために、低温主配管
1(#b)を膨張タンク16内で上向きとなるような構
成とし、鉛系金属の上向き流れを発生させ(ST3)、
気液界面近傍で酸素が付加され、酸素濃度が増加した鉛
系金属が膨張タンク16の下部から低温主配管1(#
b)に戻される(ST4)ようにしている。なお、図2
では、膨張タンク16の上部空間であるカバーガス空間
に酸素を注入する例を示したが、酸素を注入する場所に
ついては特に限定しない。
【0050】入口ノズル27は、主配管1内を循環する
鉛系金属を抜いて一旦ダンプタンク20に貯蔵する場合
に、低温主配管1(#b)から鉛系金属をダンプタンク
20に供給する。主配管1から鉛系金属を抜いて一旦ダ
ンプタンク20に貯蔵する場合、低温主配管1(#b)
上に備えられた弁10(#a)を閉じて、入口ノズル2
7上に設けられた弁10(#g)を開いて、低温主配管
1(#b)から鉛系金属をダンプタンク20に供給す
る。
【0051】デミスタ28は、図3の斜視図に示すよう
に、取付けボルト34で串刺しにされた複数枚の円形状
の抑え金網(金属製のメッシュ)32を、デミスタ容器
35で収納してなる構成としており、ダンプタンク20
内の出口ノズル29の先端部に設けられ、鉛系金属に含
まれる酸素不純物等を捕獲する。
【0052】出口ノズル29は、ダンプタンク20に貯
蔵された鉛系金属を主配管1に戻す場合に、ダンプタン
ク20に貯蔵された鉛系金属を主配管1側に供給する。
ダンプタンク20に貯蔵された鉛系金属を主配管1に戻
す場合、出口ノズル29上に設けられた弁10(#f)
を開いて行なう。
【0053】また、鉛系金属による機器の腐食の影響を
低減するために、以下に示すような運転条件を適用して
いる。
【0054】冷却器5は、電磁流量計6及び電磁ポンプ
2に供給される鉛系金属の温度が約400℃以下になる
ように、主配管1内を循環する鉛系金属を冷却する。
【0055】鉛系金属による腐食挙動は、鉛系金属の流
速にも依存し、流速が速くなると腐食速度も速くなる。
この影響を抑えるために、電磁ポンプ2は、主配管1内
を循環する鉛系金属の流速を、約1m/秒以下に抑え
る。
【0056】材料試験部4は、主配管1内を循環する鉛
系金属の流速を加速し、鉛系金属の流速に対する腐食特
性データを取得する箇所であり、図4の断面図に示すよ
うに、高温主配管1(#a)内に、主配管1内を循環す
る鉛系金属の流速を加速する加速部材を備えている。
【0057】この加速部材は、高温主配管1(#a)の
断面を部分的に閉塞させて配管径を実効的に減少させる
上部部材37と下部部材38とを備えた簡素な構成とし
ている。これにより、上部部材37と下部部材38とに
よって閉塞された閉塞流路39で、鉛系金属の流速が加
速されるようにしている。より小さな閉塞流路39とす
ることにより、鉛系金属の流速はより速くなる。そし
て、この閉塞流路39内に固定部材40によって供試体
41を固定する。なお、上部部材37及び下部部材38
はそれぞれ引掛けカギ42によって高温主配管1(#
a)内面に固定されるようにしている。また、図示しな
いが、材料試験部4では、高温主配管1(#a)の一部
を取り外すことが可能な構成としており、これにより上
部部材37、下部部材38および供試体41の取り替え
を容易に行なえるようにしている。
【0058】次に、以上のように構成した本発明の実施
の形態に係る鉛系金属循環装置の作用について説明す
る。
【0059】鉛系金属の腐食挙動は、鉛系金属の流速に
依存し、流速が速いほど腐食速度も速くなるが、本発明
の実施の形態に係る鉛系金属循環装置では、上述したよ
うに、鉛系金属の流速が、電磁ポンプ2により、約1m
/秒以下に制御される。これによって、鉛系金属による
配管や機器に対する腐食の影響を低減することができ
る。
【0060】また、鉛系金属の腐食挙動は、鉛系金属の
温度にも依存し、温度が高いほど腐食速度も速くなる
が、本発明の実施の形態に係る鉛系金属循環装置では、
上述したように、電磁流量計6及び電磁ポンプ2にて取
扱われる鉛系金属は、冷却器5にて冷却され、腐食速度
がさほど高くない温度である400℃以下とされる。こ
れによって、鉛系金属による電磁流量計6及び電磁ポン
プ2に対する腐食の影響を低減することができる。
【0061】更に、鉛系金属の腐食挙動は、鉛系金属に
溶存する酸素濃度にも依存し、酸素濃度が10−7重量
%から10−8重量%の範囲で腐食速度が最小となるこ
とが知られているが、本発明の実施の形態に係る鉛系金
属循環装置では、上述したように、酸素注入装置25を
備え、鉛系金属中の酸素濃度を増加させることができ
る。これによって、鉛系金属に含まれる酸素濃度を腐食
速度が小さい値に調整することができ、もって、鉛系金
属による配管や機器に対する腐食の影響を低減すること
ができる。
【0062】一方、本発明の実施の形態に係る鉛系金属
循環装置は、主配管1上の加熱器3の下流側に材料試験
部4を備えている。材料試験部4では、主配管1内を流
れる鉛系金属の流速を加速することができるために、鉛
系金属の流速に対する腐食特性試験を容易に行なうこと
ができる。また、材料試験部4は加熱器3の下流側に設
けられているために、必要に応じて鉛系金属を加熱する
ことによって、鉛系金属の温度を変化させた条件におい
ても腐食特性試験を行なうことができる。
【0063】また、本発明の実施の形態に係る鉛系金属
循環装置は、ダンプタンク20内にデミスタ28を備え
ている。ダンプタンク20は、冷却器5の下流側に設け
られているために、ダンプタンク20に導入される鉛系
金属は、冷却器5にて冷却され、これにより飽和溶解度
が低下され、不純物が析出する。この不純物がデミスタ
28によって除去されるために、ダンプタンク20に貯
蔵された鉛系金属が主配管1側へ戻される場合、不純物
が除去され、鉛系金属が純化される。
【0064】上述したように、本実施の形態に係る鉛系
金属循環装置においては、上記のような作用により、鉛
系金属の流速、温度、及び酸素濃度を制御することによ
り、配管や機器に対する腐食の影響を低減することがで
きる。
【0065】また、本発明の実施の形態に係る鉛系金属
循環装置は、流速や温度を変化させた条件において、鉛
系金属の腐食特性試験を行なうことができる。
【0066】更に、本発明の実施の形態に係る鉛系金属
循環装置は、鉛系金属に含まれる不純物を除去し、鉛系
金属を純化することができる。
【0067】これらの結果、配管や機器に対する腐食の
影響を低減するとともに、腐食のメカニズムの解明にも
資することができる鉛系金属循環装置を実現することが
可能となる。
【0068】以上、本発明の好適な実施の形態につい
て、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかか
る構成に限定されない。特許請求の範囲に記載された技
術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更
例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及
び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと
了解される。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
腐食の進行の少ない箇所に機器を配置するとともに、鉛
系金属に溶存する酸素の濃度を調節することができる。
【0070】これによって、腐食の影響を低減すること
が可能な鉛系金属循環装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る鉛系金属循環装置の
一例を示す系統構成図。
【図2】酸素注入装置から注入された酸素が、膨張タン
ク内で鉛系金属と混合される場合の状態を示す模式図。
【図3】デミスタの構成の一例を示す斜視図。
【図4】材料試験部の構成の一例を示す断面図。
【図5】この種の従来から用いられているNa循環装置
を示す系統構成図。
【符号の説明】
1…主配管、 2…電磁ポンプ、 3…加熱器、 4…材料試験部、 5…冷却器、 8…サンプリング装置、 9…サンプリングライン、 10…弁、 11…コールドトラップ、 12…コールドトラップライン、 13…熱交換器、 15…膨張タンクライン、 16…膨張タンク、 17、22…カバーガス配管、 18、23…カバーガス供給装置、 20…ダンプタンク、 21…出入口ノズル、 25…酸素注入装置、 26…酸素注入配管、 27…入口ノズル、 28…デミスタ、 29…出口ノズル、 32…金網、 34…ボルト、 35…デミスタ容器、 37…上部部材、 38…下部部材、 39…閉塞流路、 40…固定部材、 41…供試体、 42…引掛けカギ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G21C 19/313 G21C 17/00 R G21D 1/00 17/02 C 1/02 19/30 X G 3/08 G21D 1/00 W (72)発明者 高橋 才雄 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内 (72)発明者 内田 正治 東京都新宿区富久町15番1号 新型炉技術 開発株式会社内 Fターム(参考) 2G075 AA07 CA40 DA05 DA14 FA10 FC14 FC15

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも鉛が含まれた金属である流体
    状の鉛系金属を、ポンプを用いてループ内を循環させる
    鉛系金属循環装置において、 前記ループに設けられ、前記ループ内を循環する鉛系金
    属を冷却する冷却手段と、 前記冷却手段の下流側の前記ループに設けられ、前記ル
    ープ内を循環する鉛系金属の一部または全部を前記ルー
    プからバイパスさせて前記冷却手段の上流側の前記ルー
    プに戻すバイパスラインと、 前記バイパスラインに設けられ、前記バイパスされた鉛
    系金属に含まれる不純物を除去する不純物除去手段とを
    備えたことを特徴とする鉛系金属循環装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の鉛系金属循環装置にお
    いて、 前記バイパスラインに、前記バイパスされた鉛系金属を
    前記バイパスラインの上流側から受けて貯蔵するととも
    に、当該貯蔵された鉛系金属の一部または全部を前記バ
    イパスラインの下流側に戻すダンプタンクを備え、 前記不純物除去手段として、金属製のメッシュを複数重
    ねて構成されたデミスタを、前記ダンプタンク内に備え
    たことを特徴とする鉛系金属循環装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の鉛系金
    属循環装置において、 前記ポンプとして電磁ポンプを用い、当該電磁ポンプ
    を、前記ループにおける、前記ループ内を循環する鉛系
    金属の温度が所定温度よりも低い部位に備えたことを特
    徴とする鉛系金属循環装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の鉛系金属循環装置にお
    いて、 前記電磁ポンプを、前記ループにおける、前記冷却手段
    の下流側に備えたことを特徴とする鉛系金属循環装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のうちいずれか1項に記
    載の鉛系金属循環装置において、 前記ループ内を循環する鉛系金属の流量を測定する流量
    計を、前記ループにおける、前記ループ内を循環する鉛
    系金属の温度が所定温度よりも低い部位に備えたことを
    特徴とする鉛系金属循環装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の鉛系金属循環装置にお
    いて、 前記流量計として電磁流量計を用い、当該電磁流量計
    を、前記ループにおける、前記冷却手段の下流側に備え
    たことを特徴とする鉛系金属循環装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のうちいずれか1項に記
    載の鉛系金属循環装置において、 前記ループ内を循環する鉛系金属に酸素を供給するとと
    もに、前記鉛系金属中の酸素濃度を調整する酸素供給調
    整手段を備えたことを特徴とする鉛系金属循環装置。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のうちいずれか1項に記
    載の鉛系金属循環装置において、 前記ループ内を循環する鉛系金属の循環速度に対する腐
    食の特性を得る場合、前記ループ内を循環する鉛系金属
    の循環速度を加速する加速手段を備えたことを特徴とす
    る鉛系金属循環装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の鉛系金属循環装置にお
    いて、 前記加速手段として、前記ループを形成する配管内に挿
    設され、前記配管の断面を部分的に閉塞させて配管径を
    実効的に減少させる実効配管径減少部材を用いたことを
    特徴とする鉛系金属循環装置。
  10. 【請求項10】 請求項8または請求項9に記載の鉛系
    金属循環装置において、 前記ループ内を循環する鉛系金属を加熱する加熱手段を
    前記ループに備え、 前記加速手段を、前記ループにおける、前記加熱手段の
    下流側に備えたことを特徴とする鉛系金属循環装置。
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