JP2001266958A - 電池の充電状態推定方法および電池の充電状態制御方法 - Google Patents
電池の充電状態推定方法および電池の充電状態制御方法Info
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Abstract
充電状態推定方法を提供すると共に、アイドルストップ
・スタートや回生充電を行う車両システムに適した電池
の充電状態制御方法を提供する。 【解決手段】閉回路状態の電池の充電状態は、標準電池
における電流,電圧,劣化度,充電状態のマップを作成
し、注目している電池における電流,電圧,劣化度の値を
測定または仮定してマップに対応させることで充電状態
を求める。また、アイドルストップ・スタートや回生充
電に必要な充電状態の範囲かどうかの判定においても内
部抵抗の補正を行い正確な放電電圧を推定し、必要な充
電状態を維持するように電池を制御する。
Description
方法および電池の充電状態制御方法に関するものであ
る。
貯蔵システムの蓄電池や、電気自動車の蓄電池おいて
は、電池が放電できなくなる前に充電をしたり、省電力
モードに移行したりすることが必要とされており、その
ために電池の充電状態を推定する技術が開発されてき
た。また、近年、エンジン自動車による排ガスの削減に
対応するため、アイドルストップ・スタート、回生充電
可能な状態に電池を保つ技術が望まれている。鉛電池は
この種用途に対応できる電池の代表的なものである。鉛
電池の充電状態の推定方法には、電解液の比重を測定す
る方法がある。充電により電解液の比重が高くなり、放
電により比重が低くなることから、この比重を計ること
によって充電状態を推定することができる。他には、大
電流での内部抵抗や微分内部抵抗(電圧電流直線の傾
き)から求める方法、電圧電流直線から求める方法(特
開平6−150981号)、電流積算により求める方法
(特開平7−128415号)、劣化を考慮しながら求
める方法(特開平8−43504号)などがあり、近年
ではこれらを組み合わせた方法(特開平7−63830
号)が検討されている。
池ごとの個体差を考慮しておらず、そのため充電状態の
推定誤差が大きくなる場合が生じると共に、アイドルス
トップ・スタートが可能かの判断をする際にも、誤った
判断を引き起こしアイドルストップ後のエンジンスター
トができないなどの事態を生じることとなる。本発明の
目的は、上記問題を解決し、電池ごとの個体差を考慮し
た高い精度の電池の充電状態推定方法を提供すると共
に、アイドルストップ・スタートや回生充電を行う車両
システムに適した電池の充電状態制御方法を提供するこ
とである。
めに、本発明において、電池の充電状態推定方法は、平
衡状態にある電池の充電状態推定と閉回路状態にある電
池の充電状態推定を行ない、前者は、平衡状態にある電
池の充電状態を、残存電気量の満充電電気量に対する比
から推定し、前記満充電電気量は、均等充電後の電池電
圧と温度の測定値を、容量を支配する活物質の濃度−電
池電圧−温度の関係に対応づけて、容量を支配する活物
質の濃度を求め、これに有効な活物質体積を乗じたもの
から求めるものであること、前記残存電気量は、電流値
がゼロもしくは十分小さな電流値の電流が流れた後の電
池電圧と温度の測定値を、容量を支配する活物質の濃度
−電池電圧−温度の関係に対応づけて、容量を支配する
活物質の濃度を求め、これに有効な活物質体積を乗じた
ものから求めるものであること、前記有効な活物質体積
は、電池の放電または充電を行い、その前後の電池電圧
と流した電気量から求めるものであること等を特徴とす
る。後者は、劣化状態が既知もしくは推定可能な電池で
閉回路状態にある電池の充電状態を推定するに際し、該
電池に電流を流して得られる電流、電池電圧、温度の測
定値を、標準電池における充電状態−電流−電池電圧−
温度−劣化状態の関係に対応づけて、充電状態推定値を
得ること、前記電池電圧の測定値を、電池に流した電流
と電池電圧の測定値から求まる内部抵抗と、前記電池と
同じ充電状態の標準電池の内部抵抗との差を用いて補正
すること、前記充電状態推定値を、電流積算により補正
すること等を特徴とする。また、電池の充電状態制御方
法は、温度、充電状態、劣化状態が既知の電池に所定の
電流で充電もしくは放電した際の電池電圧の推定値を、
標準電池における充電状態−電流−電池電圧−温度−劣
化状態の関係に対応づけて求め、該推定値が基準の電圧
範囲より大きい場合は充電を、小さい場合は放電をそれ
ぞれ抑制すること、前記電池電圧の推定値を、電池に流
した電流と電池電圧の測定値から求まる内部抵抗と、前
記電池と同じ充電状態の標準電池の内部抵抗との差を用
いて補正すること等を特徴とする。
から充電状態を推定し、閉回路状態では電流、電圧と温
度の関係から充電状態を推定する。ここで、実際には電
流が流れているとしても電池電圧に影響しない程度に小
さい電流値であれば平衡状態とみなして取り扱うものと
する。平衡状態の電池の充電状態SOCは(式1)〜
(式3)を使って求めることができる。 SOC=(残存電気量/満充電電気量)×100% (式1) 残存電気量=2Fv×電池電圧から求めた容量を規制している活物質濃度(F :ファラデー定数,v:容量を規制している活物質の体積) (式2) 満充電電気量=2Fv×満充電電池電圧から求めた容量を規制している活物質 濃度(F:ファラデー定数,v:容量を規制している活物質の体積)(式3) シール鉛電池の場合は容量を規制している活物質は硫酸
であるから(式2),(式3)における容量を規制して
いる活物質濃度は硫酸濃度、vは硫酸体積である。この
ときvには仕込み体積を使用するか、もしくは一定電気
量Q充電または放電した前後の電解液硫酸濃度C1,C
2より(式4)を用いて計算した値を使用する。平衡状
態の電池電圧は硫酸濃度と1対1に対応するので電気量
Qを電池に流す前後の電池電圧からC1,C2は求ま
る。 v=Q/2F(C2−C1) (式4) また、正極材にリチウムイオンがドープする材料を使用
し、かつ正極が容量を規制するようなリチウムイオン電
池の場合は、(式2),(式3)中の容量を規制してい
る活物質は集電体との間に電子伝導ネットワークでつな
がった充放電に寄与しうる正極材であり、これをAと表
すと、容量を規制している活物質濃度はA内における可
逆的に脱ドープ可能なリチウムイオンの単位体積当たり
の数、vはAの体積である。標準電池と注目している電
池との内部抵抗の差δと、電流Iを流した時の0.1秒
目電圧Eの測定を、これを(式5)に代入して標準電池
での値Estdに補正し、標準電池での電圧電流曲線と
の比較により充電状態を推定する。ここでは0.1秒目
電圧を利用したが、他の時間の電圧を利用した場合も同
様な取扱いが可能である。 Estd=E+Iδ (式5) この充電状態の値を電流の積算により補正し、電流の積
算の方法は、電流をA−Dコンバータでデジタル信号に
変換した後に信号処理装置で積算するか、OPアンプを
用いた積分回路などのアナログの積分回路を積算装置と
して利用する方法がある。高周波数の電流を積算する場
合にはアナログ回路を利用することでコストを下げるこ
とができる。また、アイドルストップ・スタートや回生
充電に必要な充電状態の範囲かどうかの判定においても
同様に内部抵抗の補正を行い正確な放電電圧を推定し、
必要な充電状態を維持するように電池を制御する。
更に具体的に説明する。 (実施例)図1のブロック図に示すように、充電状態制
御用の信号処理回路7、OPアンプを使用した電流積算
装置3、車両側モータジェネレータ1、20Ah鉛電池
からなる電池5等を備えた装置を自動車に搭載し、アイ
ドルストップ・スタートと回生充電の機能をもたせ、2
8日間充放電を行いながら充電状態を推定した。スター
ト時に流れる電流は250Aであり、充電状態の推定に
おいてこの値を使用した。信号処理回路7の処理のフロ
ーを図2に示す。充電状態推定値の試験終了時の値は8
6%であった。試験終了後に1.75V/セルまで放電
し残存電気量を測定し、次に満充電状態まで充電後に
1.75V/セルまで放電して満充電電気量を求め、こ
れらの値を(式1)に代入して充電状態を求めると82
%であった。充電状態の推定値と実測値の差は4%と小
さいことがわかった。 (比較例)従来技術の電流積算による充電状態推定方法
を用い、実施例と同様な試験を行った。充電状態推定値
の試験終了時の値は85%であった。試験終了後に1.
75V/セルまで放電し残存電気量を測定し、次に満充
電状態まで充電後に1.75V/セルまで放電して満充
電電気量を求め、これらの値を(式1)に代入して充電
状態を求めると40%であった。充電状態の推定値と実
測値の差は45%と大きく、電池寿命に影響が出る可能
性が高いことから、電池の個体差を考慮した取扱いが必
要であることがわかった。
高い精度で充電状態を推定でき、平衡状態では電池電圧
から充電状態を推定し、閉回路状態では電流、電圧と温
度の関係から充電状態を推定する。特に、後者の方法
は、より高い精度で充電状態を推定できる。また、アイ
ドルストップ・スタートや回生充電においても必要な充
電状態を維持するように電池を制御できる。
状態の制御過程を示す図である。
アンプを使用した電流積算装置、4は熱電対、5は電
池、6は電圧計、7は充電状態制御用の信号処理回路、
8は充電状態の表示部
Claims (9)
- 【請求項1】平衡状態にある電池の充電状態を、残存電
気量の満充電電気量に対する比から推定する電池の充電
状態推定方法であって、 前記満充電電気量は、均等充電後の電池電圧と温度の測
定値を、容量を支配する活物質の濃度−電池電圧−温度
の関係に対応づけて、容量を支配する活物質の濃度を求
め、これに有効な活物質体積を乗じたものから求めるも
のであることを特徴とする電池の充電状態推定方法。 - 【請求項2】平衡状態にある電池の充電状態を、残存電
気量の満充電電気量に対する比から推定する電池の充電
状態推定方法であって、 前記残存電気量は、電流値がゼロもしくは十分小さな電
流値の電流が流れた後の電池電圧と温度の測定値を、容
量を支配する活物質の濃度−電池電圧−温度の関係に対
応づけて、容量を支配する活物質の濃度を求め、これに
有効な活物質体積を乗じたものから求めるものであるこ
とを特徴とする電池の充電状態推定方法。 - 【請求項3】平衡状態にある電池の充電状態を、残存電
気量の満充電電気量に対する比から推定する電池の充電
状態推定方法であって、 前記満充電電気量は、均等充電後の電池電圧と温度の測
定値を、容量を支配する活物質の濃度-電池電圧-温度の
関係に対応づけて、容量を支配する活物質の濃度を求
め、これに有効な活物質体積を乗じたものから求めるも
のであり、 前記残存電気量は、電流値がゼロもしくは十分小さな電
流値の電流が流れた後の電池電圧と温度の測定値を、容
量を支配する活物質の濃度−電池電圧−温度の関係に対
応づけて、容量を支配する活物質の濃度を求め、これに
有効な活物質体積を乗じたものから求めるものであるこ
とを特徴とする電池の充電状態推定方法。 - 【請求項4】前記有効な活物質体積は、電池の放電また
は充電を行い、その前後の電池電圧と流した電気量から
求めるものであることを特徴とする請求項1、2、3の
うちいずれか1項記載の電池の充電状態推定方法。 - 【請求項5】劣化状態が既知もしくは推定可能な電池で
閉回路状態にある電池の充電状態を推定するに際し、該
電池に電流を流して得られる電流、電池電圧、温度の測
定値を、標準電池における充電状態−電流−電池電圧−
温度−劣化状態の関係に対応づけて充電状態推定値を得
ることを特徴とする電池の充電状態推定方法。 - 【請求項6】前記電池電圧の測定値を、電池に流した電
流と電池電圧の測定値から求まる内部抵抗と、前記電池
と同じ充電状態の標準電池の内部抵抗との差を用いて補
正することを特徴とする請求項5記載の電池の充電状態
推定方法。 - 【請求項7】前記充電状態推定値を、電流積算により補
正することを特徴とする請求項5記載の電池の充電状態
推定方法。 - 【請求項8】温度、充電状態、劣化状態が既知の電池に
所定の電流で充電もしくは放電した際の電池電圧の推定
値を、標準電池における充電状態−電流−電池電圧−温
度−劣化状態の関係に対応づけて求め、該推定値が基準
の電圧範囲より大きい場合は充電を、小さい場合は放電
をそれぞれ抑制することを特徴とする電池の充電状態制
御方法。 - 【請求項9】前記電池電圧の推定値を、電池に流した電
流と電池電圧の測定値から求まる内部抵抗と、前記電池
と同じ充電状態の標準電池の内部抵抗との差を用いて補
正することを特徴とする電池の充電状態制御方法。
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JP2010508807A (ja) * | 2006-11-06 | 2010-03-18 | コミサリア、ア、レネルジ、アトミク−セーエーアー | 再充電可能なバッテリの充電管理方法 |
CN118099477A (zh) * | 2024-04-22 | 2024-05-28 | 惠州市盛微电子有限公司 | 一种全钒液流电池管理方法及系统 |
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