JP2001266264A - 火災感知器及び火災感知方法 - Google Patents

火災感知器及び火災感知方法

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JP2001266264A
JP2001266264A JP2000076748A JP2000076748A JP2001266264A JP 2001266264 A JP2001266264 A JP 2001266264A JP 2000076748 A JP2000076748 A JP 2000076748A JP 2000076748 A JP2000076748 A JP 2000076748A JP 2001266264 A JP2001266264 A JP 2001266264A
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temperature
fire
detection signal
temperature detection
airflow
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Application number
JP2000076748A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Toyoda
和弘 豊田
Hiromi Ishihara
裕己 石原
Takahiko Sasahara
隆彦 笹原
Kazumitsu Nukui
一光 温井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Gas Co Ltd
Yazaki Corp
Original Assignee
Tokyo Gas Co Ltd
Yazaki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 火災発生をより短時間で感知できる火災感知
器及び火災感知方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 フローセンサ1は、マイクロヒータ4
と、このマイクロヒータ4の近傍で室内の気体の温度を
検出して第1乃至第4温度検出信号を出力する第1乃至
第4のサーモパイル5,8,11,13とを有し、速度
算出部47は、第1のサーモパイル5からの第1温度検
出信号と第2のサーモパイル8からの第2温度検出信号
との差と、第3のサーモパイル11からの第3温度検出
信号と第4のサーモパイル13からの第4温度検出信号
との差と、に基づいて気流の速度を算出し、速度判定部
49は、算出された気流の速度が所定の判定値を超えた
か否かを判定し、警報回路51は、気流の速度が所定の
判定値を超えた場合に室内に火災が発生した旨の警報を
発生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室内に発生した火
災を感知して、火災が発生した旨の警報を発生する火災
感知器及び火災感知方法に関し、特にフローセンサを用
いて火災を感知する火災感知器及び火災感知方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の火災感知器としては、熱を感知す
る熱感知器、煙を感知する煙感知器、炎を感知する炎感
知器等がある。特に、ビル・住宅に設置される火災感知
器としては、熱感知器または煙感知器が用いられてい
る。
【0003】熱感知器は、室内に発生した火災による室
内の温度上昇を検出して、警報を発生するものである。
熱感知器としては、例えば、一局所の周囲温度が一定の
温度以上になったときに火災信号を出力する定温式熱感
知器、周囲温度が一定の温度上昇率以上になったときに
火災信号を出力する差動式熱感知器、差動式熱感知器の
性能及び定温式熱感知器の性能を併せ持つ熱複合式熱感
知器等がある。
【0004】煙感知器は、火災により発生した煙の濃度
を検出して、警報を発生するものである。煙感知器とし
ては、イオン式煙感知器、煙粒子によって散乱された光
をとらえる光電式煙感知器、イオン式煙感知器の性能及
び光電式煙感知器の性能を併せ持つ煙複合式煙感知器等
がある。イオン式煙感知器は、相対した2つの電極間に
放射線源を置いてα線を照射させることにより電極間の
空気分子をイオン化し、電極間に電圧を印加してイオン
電流を流し、電極間に煙等が進入することでイオン電流
の変化を発生させるものである。
【0005】炎感知器は、輻射検出式炎感知器、炎ちら
つき検出式炎感知器等がある。炎感知器は、炎から放射
される電磁波により火災を検知して、警報を発生するも
のである。輻射検出式炎感知器は、炎から放射される紫
外線及び赤外線の変化が一定の量以上になったときに火
災信号を出力する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
熱感知器にあっては、室内に火災が発生し、火災初期の
発熱量が小さい段階においては、温度上昇が小さいた
め、火災発生時から熱感知器が作動するまでにかなりの
時間がかかっていた。すなわち、熱感知器の応答性が悪
かった。
【0007】また、従来の煙感知器にあっては、燃焼物
の種類により発生する煙の質(例えば、煙の色や減光率
等)が異なり、煙感知器の設置条件がそれぞれの方式に
よって限定される。また、煙感知器は、煙濃度計で煙の
濃度を計測するが、火災発生時から例えば100秒経過
するまでは煙濃度が検出されなかった。すなわち、煙感
知器の応答性が悪かった。さらに、従来の炎感知器にあ
っては、炎から放射される電磁波により火災を検知して
いるが、炎の判別が極めて困難であった。
【0008】本発明は、火災発生をより短時間で感知で
きる火災感知器及び火災感知方法を提供することを課題
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために以下の構成とした。請求項1の発明の火災感
知器は、駆動信号により駆動されるヒータ、該ヒータの
近傍で且つ室内に発生する気流の方向に対し上流側に配
置され気体の温度を検出して第1温度検出信号を出力す
る第1温度センサ、及び前記ヒータの近傍で且つ前記気
流の方向に対し下流側に配置され前記気体の温度を検出
して第2温度検出信号を出力する第2温度センサを有す
るフローセンサと、前記第1温度検出信号と前記第2温
度検出信号との差に基づいて前記気流の速度を算出する
速度算出手段と、この速度算出手段で算出された前記気
流の速度が所定の判定値を超えたか否かを判定する速度
判定手段と、前記気流の速度が前記所定の判定値を超え
た場合に前記室内に火災が発生した旨の警報を発生する
警報手段とを備えることを特徴とする。
【0010】請求項1の発明によれば、室内に火災が発
生すると、火災により室内に気流(気体の流れ)が発生
し、この気流がフローセンサを通過する。フローセンサ
では、ヒータが気体を加熱し、気流の方向に対し上流側
に配置された第1温度センサが気体の温度を検出して第
1温度検出信号を出力し、気流の方向に対し下流側に配
置された第2温度センサが気体の温度を検出して第2温
度検出信号を出力する。そして、速度算出手段が、第1
温度検出信号と第2温度検出信号との差に基づいて気流
の速度を算出すると、速度判定手段は、算出された気流
の速度が所定の判定値を超えたか否かを判定し、気流の
速度が所定の判定値を超えた場合に、警報手段は、室内
に火災が発生した旨の警報を発生する。すなわち、フロ
ーセンサを用いているので、火災発生をより短時間で感
知でき、これによって、応答性の良い火災感知器を提供
することができる。
【0011】請求項2の発明の火災感知器は、駆動信号
により駆動されるヒータ、該ヒータの近傍で且つ室内に
発生する気流の方向に対し上流側に配置され気体の温度
を検出して第1温度検出信号を出力する第1温度セン
サ、及び前記ヒータの近傍で且つ前記気流の方向に対し
下流側に配置され前記気体の温度を検出して第2温度検
出信号を出力する第2温度センサを有するフローセンサ
と、前記第1温度検出信号と前記第2温度検出信号との
差に基づいて前記気流の速度を算出する速度算出手段
と、この速度算出手段で算出された前記気流の速度を時
間で微分することにより前記気流の加速度を算出する加
速度算出手段と、この加速度算出手段で算出された前記
気流の加速度に基づいて前記室内に火災が発生したかど
うかを判定する火災判定手段と、前記火災が発生したと
判定された場合に警報を発生する警報手段とを備えるこ
とを特徴とする。
【0012】請求項2の発明によれば、速度算出手段
が、フローセンサからの第1温度検出信号と第2温度検
出信号との差に基づいて気流の速度を算出すると、加速
度算出手段は、算出された気流の速度を時間で微分する
ことにより気流の加速度を算出し、火災判定手段は、算
出された気流の加速度に基づいて室内に火災が発生した
かどうかを判定し、火災が発生したと判定された場合
に、警報手段は、警報を発生する。すなわち、フローセ
ンサを用いているので、火災発生をより短時間で感知で
き、これによって、応答性の良い火災感知器を提供する
ことができる。また、気流の加速度を用いるので、室内
に発生した気流が火災によって発生したのかあるいは火
災以外の原因により発生したのかを容易に判別すること
ができる。
【0013】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2記載の火災感知器において、前記第1温度センサと前
記第2温度センサとを含む平面上で且つ前記第1温度セ
ンサと前記第2温度センサとのそれぞれに対して略直交
するとともに前記ヒータの両側に配置され前記気体の温
度を検出して第3及び第4温度検出信号を出力する第3
及び第4温度センサを備え、前記速度算出手段は、前記
第1温度検出信号と前記第2温度検出信号との差と、前
記第3温度検出信号と前記第4温度検出信号との差とに
基づいて前記気流の速度及び方向を算出することを特徴
とする。
【0014】請求項3の発明によれば、速度算出手段
は、第1温度検出信号と第2温度検出信号との差と、第
3温度センサからの第3温度検出信号と第4温度センサ
からの第4温度検出信号との差とに基づいて気流の速度
及び方向を算出するので、気流の速度及び方向を正確に
求めることができる。
【0015】請求項4の発明の火災感知器は、駆動信号
により駆動されるヒータ、該ヒータの近傍で且つ室内に
発生する気流の方向に対し上流側に配置され気体の温度
を検出して第1温度検出信号を出力する第1温度セン
サ、及び前記ヒータの近傍で且つ前記気流の方向に対し
下流側に配置され前記気体の温度を検出して第2温度検
出信号を出力する第2温度センサを有するフローセンサ
と、前記第1温度検出信号と前記第2温度検出信号とに
基づいて前記気体の熱伝導率を算出する熱伝導率算出手
段と、この熱伝導率算出手段で算出された前記気体の熱
伝導率に基づいて前記室内に火災が発生したかどうかを
判定する火災判定手段と、前記火災が発生したと判定さ
れた場合に警報を発生する警報手段とを備えることを特
徴とする。
【0016】請求項4の発明によれば、熱伝導率算出手
段が、第1温度検出信号と第2温度検出信号とに基づい
て気体の熱伝導率を算出すると、火災判定手段は、算出
された気体の熱伝導率に基づいて室内に火災が発生した
かどうかを判定し、火災が発生したと判定された場合に
警報手段が警報を発生する。すなわち、フローセンサを
用いて、気体の熱伝導率により火災判定を行っているの
で、火災発生をより短時間で感知でき、これによって、
応答性の良い火災感知器を提供することができる。
【0017】請求項5の発明では、請求項4記載の火災
感知器において、前記第1温度センサと前記第2温度セ
ンサとを含む平面上で且つ前記第1温度センサと前記第
2温度センサとのそれぞれに対して略直交するとともに
前記ヒータの両側に配置され前記気体の温度を検出して
第3及び第4温度検出信号を出力する第3及び第4温度
センサを備え、前記熱伝導率算出手段は、前記第1温度
検出信号乃至前記第4温度検出信号に基づいて前記気体
の熱伝導率を算出することを特徴とする。
【0018】請求項5の発明によれば、熱伝導率算出手
段は、第1温度検出信号乃至第4温度検出信号に基づい
て気体の熱伝導率を算出するので、気体の熱伝導率を正
確に求めることができる。
【0019】請求項6の発明では、請求項4記載の火災
感知器において、さらに、前記第1温度検出信号と前記
第2温度検出信号との差に基づいて前記気流の速度を算
出する速度算出手段を備え、前記火災判定手段は、前記
速度算出手段で算出された前記気流の速度と前記熱伝導
率算出手段で算出された前記気体の熱伝導率とに基づい
て前記室内に火災が発生したかどうかを判定することを
特徴とする。
【0020】請求項6の発明によれば、火災判定手段
は、気流の速度と気体の熱伝導率とに基づいて室内に火
災が発生したかどうかを判定するので、より正確な火災
判定が行え、誤報がきわめて少なくなる。
【0021】請求項7の発明では、請求項1乃至請求項
6のいずれか1項記載の火災感知器において、前記フロ
ーセンサは、前記室内の天井面または壁面に取り付けら
れることを特徴とする。
【0022】請求項7の発明によれば、フローセンサ
が、室内の天井面または壁面に取り付けられているの
で、フローセンサを気流が最も良く通過するから、フロ
ーセンサ出力が大きくなり、高感度で且つ応答性の良い
火災感知器を提供することができる。
【0023】請求項8の発明は、請求項3または請求項
5記載の火災感知器において、前記第1乃至第4温度セ
ンサのそれぞれは、温接点及び冷接点を有する熱電対を
複数個有し、この複数個の熱電対が直列に接続されてな
るサーモパイルであることを特徴とする。
【0024】請求項8の発明によれば、第1乃至第4温
度センサのそれぞれは、温接点及び冷接点を有する熱電
対を複数個有し、この複数個の熱電対が直列に接続され
てなるサーモパイルであるので、フローセンサ出力が大
きくなり、高感度で且つ応答性の良い火災感知器を提供
することができる。
【0025】請求項9の発明は、請求項1乃至請求項8
のいずれか1項記載の火災感知器において、前記フロー
センサには前記気体の温度を測定する測温抵抗が形成さ
れていることを特徴とする。
【0026】請求項9の発明によれば、フローセンサに
形成された測温抵抗により気体の温度を測定することが
でき、測定された温度を用いて気流の速度を補正するこ
ともできる。
【0027】請求項10の発明の火災感知方法は、駆動
信号により駆動されるヒータの近傍で且つ室内に発生す
る気流の方向に対し上流側に配置された第1温度センサ
により気体の温度を検出して第1温度検出信号を出力
し、前記ヒータの近傍で且つ前記気流の方向に対し下流
側に配置された第2温度センサにより前記気体の温度を
検出して第2温度検出信号を出力する検出ステップと、
前記第1温度検出信号と前記第2温度検出信号との差に
基づいて前記気流の速度を算出する速度算出ステップ
と、算出された前記気流の速度が所定の判定値を超えた
か否かを判定する速度判定ステップと、前記気流の速度
が前記所定の判定値を超えた場合に前記室内に火災が発
生した旨の警報を発生する警報ステップとを備えること
を特徴とする。
【0028】請求項11の発明の火災感知方法は、駆動
信号により駆動されるヒータの近傍で且つ室内に発生す
る気流の方向に対し上流側に配置された第1温度センサ
により気体の温度を検出して第1温度検出信号を出力
し、前記ヒータの近傍で且つ前記気流の方向に対し下流
側に配置された第2温度センサにより前記気体の温度を
検出して第2温度検出信号を出力する検出ステップと、
前記第1温度検出信号と前記第2温度検出信号との差に
基づいて前記気流の速度を算出する速度算出ステップ
と、算出された前記気流の速度を時間で微分することに
より前記気流の加速度を算出する加速度算出ステップ
と、算出された前記気流の加速度に基づいて前記室内に
火災が発生したかどうかを判定する火災判定ステップ
と、前記火災が発生したと判定された場合に警報を発生
する警報ステップとを備えることを特徴とする。
【0029】請求項12の発明では、請求項10または
請求項11記載の火災感知方法において、前記検出ステ
ップは、前記第1温度センサと前記第2温度センサとを
含む平面上で且つ前記第1温度センサと前記第2温度セ
ンサとのそれぞれに対して略直交するとともに前記ヒー
タの両側に配置された第3及び第4温度センサにより前
記気体の温度を検出して第3及び第4温度検出信号を出
力し、前記速度算出ステップは、前記第1温度検出信号
と前記第2温度検出信号との差と、前記第3温度検出信
号と前記第4温度検出信号との差とに基づいて前記気流
の速度及び方向を算出することを特徴とする。
【0030】請求項13の発明の火災感知方法は、駆動
信号により駆動されるヒータの近傍で且つ室内に発生す
る気流の方向に対し上流側に配置された第1温度センサ
により気体の温度を検出して第1温度検出信号を出力
し、前記ヒータの近傍で且つ前記気流の方向に対し下流
側に配置された第2温度センサにより前記気体の温度を
検出して第2温度検出信号を出力する検出ステップと、
前記第1温度検出信号と前記第2温度検出信号とに基づ
いて前記気体の熱伝導率を算出する熱伝導率算出ステッ
プと、算出された前記気体の熱伝導率に基づいて前記室
内に火災が発生したかどうかを判定する火災判定ステッ
プと、前記火災が発生したと判定された場合に警報を発
生する警報ステップとを備えることを特徴とする。
【0031】請求項14の発明では、請求項13記載の
火災感知方法において、前記検出ステップは、前記第1
温度センサと前記第2温度センサとを含む平面上で且つ
前記第1温度センサと前記第2温度センサとのそれぞれ
に対して略直交するとともに前記ヒータの両側に配置さ
れた第3及び第4温度センサにより前記気体の温度を検
出して第3及び第4温度検出信号を出力し、前記熱伝導
率算出ステップは、前記第1温度検出信号乃至前記第4
温度検出信号に基づいて前記気体の熱伝導率を算出する
ことを特徴とする。
【0032】請求項15の発明では、請求項13記載の
火災感知方法において、さらに、前記第1温度検出信号
と前記第2温度検出信号との差に基づいて前記気流の速
度を算出する速度算出ステップを備え、前記火災判定ス
テップは、算出された前記気流の速度と算出された前記
気体の熱伝導率とに基づいて前記室内に火災が発生した
かどうかを判定することを特徴とする。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の火災感知器及び火
災感知方法のいくつかの実施の形態を図面を参照して詳
細に説明する。
【0034】(第1の実施の形態)まず、第1の実施の
形態の火災感知器及び火災感知方法を説明する。図1は
第1の実施の形態の火災感知器の構成ブロック図であ
る。図2は第1の実施の形態の火災感知器に設けられた
フローセンサの上面図である。図3は第1の実施の形態
の火災感知器に設けられたフローセンサの断面図であ
る。
【0035】図1に示す火災感知器は、室内の天井面ま
たは壁面に設置され、フローセンサ1、ヒータ駆動回路
10、アンプ41a,41b、差動アンプ43a,43
b、第1のA/D変換器45a、第2のA/D変換器4
5b、メモリ46、速度算出部47、速度判定部49、
警報回路51を有して構成される。
【0036】ヒータ駆動回路10は、フローセンサ1に
配置されたマイクロヒータ4を駆動して該マイクロヒー
タ4を加熱させる。フローセンサ1は、マイクロヒータ
4とマイクロヒータ4の近傍に配置された第1のサーモ
パイル5と第2のサーモパイル8と第3のサーモパイル
11と第4のサーモパイル13を有し、マイクロヒータ
4の加熱による室内の気体の温度変化を第1乃至第4の
サーモパイル5,8,11,13により検出し、第1乃
至第4温度検出信号を出力するもので、その詳細は後述
する。
【0037】アンプ41aは、フローセンサ1の第1の
サーモパイル5からの第1温度検出信号を所定のレベル
値まで増幅し、アンプ41bは、フローセンサ1の第2
のサーモパイル8からの第2温度検出信号を所定のレベ
ル値まで増幅する。アンプ41cは、フローセンサ1の
第3のサーモパイル11からの第3温度検出信号を所定
のレベル値まで増幅し、アンプ41dは、フローセンサ
1の第4のサーモパイル13からの第4温度検出信号を
所定のレベル値まで増幅する。
【0038】差動アンプ43aは、アンプ41aからの
第1温度検出信号とアンプ41bからの第2温度検出信
号との差を増幅して得られた第1差信号を第1のA/D
変換器45aに出力する。第1のA/D変換器45a
は、差動アンプ43aからの第1差信号をデジタル変換
する。
【0039】差動アンプ43bは、アンプ41cからの
第3温度検出信号とアンプ41dからの第4温度検出信
号との差を増幅して得られた第2差信号を第2のA/D
変換器45bに出力する。第2のA/D変換器45b
は、差動アンプ43bからの第2差信号をデジタル変換
する。
【0040】速度算出部47は、第1のA/D変換器4
5aからの第1差信号の値と第2のA/D変換器45b
からの第2差信号の値と予め定められた速度算出式とに
基づいて室内に発生する気流の速度を算出する。メモリ
46は、予め定められた所定の判定値を記憶する。
【0041】速度判定部49は、メモリ46から所定の
判定値を読み出し、速度算出部47で算出された気流の
速度がメモリ46から読み出された所定の判定値を超え
たかどうかを判定し、気流の速度が所定の判定値を超え
た場合には警報信号を警報回路51に出力する。速度算
出部47、速度判定部49は、マイクロコンピュータ等
からなる。
【0042】警報回路51は、速度判定部49からの警
報信号により警報を行うもので、ブザーや発光ダイオー
ド(LED)などから構成される。
【0043】次に、フローセンサ1の詳細を図2乃至図
4を参照して説明する。フローセンサ1は、図3に示す
ように、シリコン単結晶からなるSi基板2を有し、こ
のSi基板2の裏面には異方性エッチングにより形成さ
れたダイアフラム3が形成されている。
【0044】このダイアフラム3上には、駆動信号によ
り加熱される白金等からなるマイクロヒータ4と、この
マイクロヒータ4の長手方向に対して略直交する方向で
且つヒータ両側の近傍に配置されるとともに気体の温度
を検出する第1のサーモパイル5(下流側サーモパイ
ル)及び第2のサーモパイル8(上流側サーモパイル)
と、マイクロヒータ4の長手方向で且つヒータ両側の近
傍に配置されるとともに気体の温度を検出する第3のサ
ーモパイル11及び第4のサーモパイル13とが形成さ
れている。
【0045】マイクロヒータ4は、図2に示すように、
複数のヒータパターンが互いに略平行且つジグザグ状に
配設されてなる。
【0046】また、図2に示すように、マイクロヒータ
4には、図示しない電源から駆動電流が供給される白金
パッド6A,6B,6C,6Dが接続されている。第1
のサーモパイル5には、第1のサーモパイル5からの第
1温度検出信号を外部に出力する白金パッド7A,7B
が接続され、第2のサーモパイル8には、第2のサーモ
パイル8からの第2温度検出信号を外部に出力する白金
パッド9A,9Bが接続されている。
【0047】第3のサーモパイル11には、第3のサー
モパイル11からの第3温度検出信号を外部に出力する
白金パッド12A,12Bが接続され、第4のサーモパ
イル13には、第4のサーモパイル13からの第4温度
検出信号を外部に出力する白金パッド14A,14Bが
接続されている。さらに、周囲温度(気体の温度)を測
定するための白金からなる抵抗15,16には、抵抗1
5,16からの周囲温度信号を外部に出力する白金パッ
ド17A,17Bが接続されている。
【0048】また、ダイアフラム3上にはダイアフラム
3に接触して絶縁膜23が形成され、この絶縁膜23上
には絶縁膜23に接触して前記マイクロヒータ4が形成
されている。
【0049】一方、第1乃至第4のサーモパイル5,
8,11,13のそれぞれは、図3及び図4に示すよう
に、Si基板2の表面及びダイアフラム3上にこれらに
接触して形成されたp++−Si21、このp++−S
i21上にp++−Si21に接触して形成された絶縁
膜23、この絶縁膜23上に絶縁膜23に接触して形成
された白金やアルミニウム等の金属膜25、この金属膜
25上に金属膜25に接触して形成された酸化シリコン
等の保護膜27を有して構成されている。この保護膜2
7には凹部が形成され、この凹部が後述する温接点31
と冷接点33とに対応している。
【0050】第1乃至第4のサーモパイル5,8,1
1,13のそれぞれは、図4に示すように、温接点31
と冷接点33を有する熱電対から構成されており、マイ
クロヒータ4の発熱を受けた気体の温度を検出し、温接
点31と冷接点33との温度差から熱起電力が発生する
ことにより、第1乃至第4のサーモパイル5,8,1
1,13が第1乃至第4の温度検出信号を出力するよう
になっている。冷接点33は、Si基板2(厚さ約40
0μm)上のダイアフラム3を形成していない部分に設
けられ、温接点31は、ダイアフラム3上に形成されて
いる。
【0051】また、第1乃至第4のサーモパイル5,
8,11,13のそれぞれは、図4(b)に示すよう
に、複数個の熱電対を有し、隣接する2つの熱電対にお
いて、一方の熱電対の温接点31と他方の熱電対の冷接
点33とがアルミニウム、白金等の金属膜25により接
続されている。すなわち、第1乃至第4のサーモパイル
5,8,11,13のそれぞれにおいて、複数個の熱電
対が直列に接続されている。
【0052】一方、それぞれの温接点31は、ダイアフ
ラム3上にあるので、伝達された熱により加熱され、S
i基板温度よりも温度が上昇する。そして、それぞれの
サーモパイル5,8,11,13は、温接点31と冷接
点33の温度差より熱起電力を発生している。
【0053】次にこのように構成された第1の実施の形
態の火災感知器の動作、すなわち、火災感知方法を図8
に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0054】まず、図5に示すように、フローセンサ1
を有する火災感知器を室内の天井面35または壁面36
に設置しておく。今、床面37上に置かれた材木38が
燃焼し、室内に火災が発生したとする。すると、火災発
生により室内に気流が発生し、この気流が天井面35に
設置されたフローセンサ1を通過する。この気流は、主
として室内にある気体の流れであり、室内にある空気の
流れや火災により発生した煙の流れをも含む。
【0055】次に、ヒータ駆動回路10がパルス駆動信
号をフローセンサ1に入力することにより、マイクロヒ
ータ4を駆動してマイクロヒータ4が加熱される(ステ
ップS11)。
【0056】さらに、室内に発生した気流がフローセン
サ1を通過するため、気流が第1乃至第4のサーモパイ
ル5,8,11,13を通過する。このため、気体の温
度変化を第1乃至第4のサーモパイル5,8,11,1
3により検出して第1乃至第4温度検出信号を出力する
(ステップS13)。
【0057】このステップS13では、マイクロヒータ
4から発生した熱は、気体を媒体として、第1のサーモ
パイル5、第2のサーモパイル8、第3のサーモパイル
11、第4のサーモパイル13のそれぞれの温接点31
に伝達される。
【0058】そして、それぞれのサーモパイル5,8,
11,13は、温接点31と冷接点33の温度差より熱
起電力を発生し、第1のサーモパイル5から第1温度検
出信号をアンプ41aに出力し、第2のサーモパイル8
から第2温度検出信号をアンプ41bに出力する。ま
た、第3のサーモパイル11から第3温度検出信号をア
ンプ41cに出力し、第4のサーモパイル13から第4
温度検出信号をアンプ41dに出力する。
【0059】差動アンプ43aは、第1のサーモパイル
5からの第1温度検出信号と第2のサーモパイル8から
の第2温度検出信号との差を第1差信号として増幅し
(ステップS15)、第1差信号を第1のA/D変換器
45aに出力し、第1のA/D変換器45aは、差動ア
ンプ43aからの第1差信号をデジタル信号に変換して
速度算出部47に出力する。
【0060】また、差動アンプ43bは、第3のサーモ
パイル11からの第3温度検出信号と第4のサーモパイ
ル13からの第4温度検出信号との差を第2差信号とし
て増幅し(ステップS17)、第2差信号を第2のA/
D変換器45bに出力し、第2のA/D変換器45b
は、差動アンプ43bからの第2差信号をデジタル信号
に変換して速度算出部47に出力する。
【0061】次に、速度算出部47は、第1のA/D変
換器45aからの第1差信号の値と第2のA/D変換器
45bからの第2差信号の値と予め定められた速度算出
式とに基づいて室内に発生する気流の速度及び方向を算
出する(ステップS19)。
【0062】この気流の速度及び方向の算出の詳細を図
6及び図7を参照して説明する。図6において、気流が
P1からP2に向かった場合には、この気流に平行に配
置された第1及び第2のサーモパイル5,8からの第1
及び第2温度検出信号に基づいて気流の速度を算出する
ことができる。
【0063】また、気流がQ1からQ2に向かった場合
には、この気流に平行に配置された第3及び第4のサー
モパイル11,13からの第3及び第4温度検出信号に
基づいて気流の速度を算出することができる。
【0064】さらに、気流がR1からR2に向かった場
合には、該気流の速度Vは、図7に示すように、P1か
らP2に向かう気流による速度成分VP(OP間の成
分)と、Q1からQ2に向かう気流による速度成分VQ
(OQ間の成分)との合成と考えることができる。
【0065】このため、この場合には、第1及び第2の
サーモパイル5,8からの第1及び第2温度検出信号に
基づいてP1からP2に向かう気流による速度成分VP
を算出し、第3及び第4のサーモパイル11,13から
の第3及び第4温度検出信号に基づいてQ1からQ2に
向かう気流による速度成分VQを算出し、速度成分VPと
速度成分VQとを用いて(1)式を演算することによ
り、R1からR2に向かう気流の速度Vを算出すること
ができる。また、(2)式を演算することにより、気流
の方向を算出することができる。
【0066】 V=(VP+VQ1/2・・・・(1) tanθ=VQ/VP ・・・ (2) なお、θは、P1からP2に向かう気流の方向とR1か
らR2に向かう気流の方向とのなす角度を表す。従っ
て、(1)式と(2)式を用いることで、気流が2次元
上のいかなる方向からフローセンサ1に流入しても、該
気流の速度及び方向を正確に算出することができる。ま
た、気流の方向を算出することで、気流がどの方向から
フローセンサ1に流入しているかのが容易にわかる。
【0067】次に、速度判定部49は、メモリ46から
所定の判定値を読み出し、速度算出部47で算出された
気流の速度がメモリ46から読み出された所定の判定値
を超えたかどうかを判定する(ステップS21)。気流
の速度が所定の判定値を超えていない場合には、ステッ
プS11に戻り、ステップS11の以降の処理を繰り返
す。
【0068】一方、気流の速度が所定の判定値を超えた
場合には、警報信号を警報回路51に出力する。警報回
路51は、警報を発生する(ステップS23)。すなわ
ち、ブザー等による警報音、あるいはLED等の点滅に
よって、室内に火災が発生したことを報知することがで
きる。また、警報信号を集中監視システムに通報しても
良い。
【0069】このように、第1の実施の形態の火災感知
器及び火災感知方法によれば、フローセンサ1を用いて
いるので、火災発生をより短時間で感知でき、これによ
って、応答性の良い火災感知器を提供することができ
る。特に、フローセンサ1を室内の天井面35または壁
面36に取り付けると、フローセンサ1を気流が最も良
く通過するから、フローセンサ出力が大きくなり、高感
度となる。また、気流の速度を所定の判定値と比較する
ことにより、火災の有無を判定するので、誤報が極めて
少なくなる。
【0070】さらに、フローセンサ1がマイクロマニシ
ング技術により作製したマイクロフローセンサであるた
め、火災感知器を小型化することができる。また、温接
点及び冷接点を有する熱電対を複数個有し、この複数個
の熱電対が直列に接続されてなるサーモパイルを用いて
いるので、フローセンサ出力が大きくなり、高感度で且
つ応答性の良い火災感知器を提供することができる。こ
のため、低消費電力化が図れるから、電池により火災感
知器を駆動することができ、これによって、コストを低
減することができる。
【0071】なお、出願人は以下に述べるような気流の
速度測定試験を行った。縦6m、横10m、高さ4mの
密閉された室内において、燃焼物としてのブナ材を燃焼
させ、この燃焼物の直上から3mの地点に設置した風速
計及びフローセンサにより、天井面付近の気流の速度を
測定した。
【0072】フローセンサの出力は、上流及び下流側に
配置した第1及び第2のサーモパイルの出力を差動増幅
して得ている。図9に火災発生時からの経過時間と気流
の速度との関係を示し、図10に火災発生時からの経過
時間とフローセンサのセンサ出力との関係を示す。
【0073】点火時(火災発生時)より約30〜35秒
経過した後から気流の速度が増加し始めて、50秒後に
はセンサ出力は、約10mVまで増加し、300秒後に
はセンサ出力は、約60mVまで増加している。また、
風速計により測定された気流の速度も、センサ出力の増
加と同様な傾向で増加している。
【0074】以上の測定結果から、火災時に発生する天
井面付近の気流の変化を測定することで、火災の発生を
検知することができることがわかった。気流の測定で
は、火災発生時から約50秒で応答していることから、
火災発生時からより初期段階で火災を検知可能であるこ
とがわかった。このため、従来の煙火災感知器等よりも
応答性の良い火災感知器を提供することができる。
【0075】また、フローセンサ1には、周囲温度(気
体の温度)を測定するための白金からなる抵抗15,1
6が形成されているが、この抵抗15,16からの周囲
温度信号を用いて、気体の速度を補正することもでき
る。また、気体の温度が所定の温度に達した場合には、
火災警報を発生するようにしてもよい。
【0076】(第2の実施の形態)次に、第2の実施の
形態の火災感知器及び火災感知方法を説明する。図11
は第2の実施の形態の火災感知器の構成ブロック図であ
る。
【0077】図11に示す火災感知器は、図1に示す第
1の実施の形態の火災感知器に有する速度判定部49に
代えて、加速度算出部48及び火災判定手段としての加
速度判定部50を付加したことを特徴とする。
【0078】加速度算出部48は、速度算出部47で算
出された気流の速度を時間で微分することにより気流の
加速度を算出する。加速度判定部50は、加速度算出部
48で算出された気流の加速度に基づいて室内に火災が
発生したかどうかを判定する。警報回路51は、火災が
発生したと判定された場合に警報を発生する。
【0079】なお、図11に示す第2の実施の形態の火
災感知器のその他の構成は、図1に示す第1の実施の形
態の火災感知器の構成と同一構成であり、同一部分には
同一符号を付し、その説明は省略する。
【0080】次にこのように構成された第2の実施の形
態の火災感知器の動作、すなわち、火災感知方法を図1
2に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0081】まず、ヒータ駆動回路10がパルス駆動信
号をフローセンサ1に入力することにより、マイクロヒ
ータ4を駆動してマイクロヒータ4が加熱される(ステ
ップS31)。
【0082】さらに、室内に発生した気流がフローセン
サ1を通過するため、気流が第1乃至第4のサーモパイ
ル5,8,11,13を通過する。このため、気体の温
度変化を第1乃至第4のサーモパイル5,8,11,1
3により検出して第1乃至第4温度検出信号を出力する
(ステップS33)。
【0083】差動アンプ43aは、第1のサーモパイル
5からの第1温度検出信号と第2のサーモパイル8から
の第2温度検出信号との差を第1差信号として増幅し
(ステップS35)、第1差信号を第1のA/D変換器
45aに出力し、第1のA/D変換器45aは、差動ア
ンプ43aからの第1差信号をデジタル信号に変換して
速度算出部47に出力する。
【0084】また、差動アンプ43bは、第3のサーモ
パイル11からの第3温度検出信号と第4のサーモパイ
ル13からの第4温度検出信号との差を第2差信号とし
て増幅し(ステップS37)、第2差信号を第2のA/
D変換器45bに出力し、第2のA/D変換器45b
は、差動アンプ43bからの第2差信号をデジタル信号
に変換して速度算出部47に出力する。
【0085】次に、速度算出部47は、第1のA/D変
換器45aからの第1差信号の値と第2のA/D変換器
45bからの第2差信号の値と予め定められた速度算出
式とに基づいて室内に発生する気流の速度及び方向を算
出する(ステップS39)。さらに、加速度算出部48
は、算出された気流の速度を時間で微分することにより
気流の加速度を算出する(ステップS41)。
【0086】ここで、火災及びファンヒータのそれぞれ
により室内に発生する気流の速度の時間的な変化を図1
3に示す。図13において、横軸は時間であり、縦軸は
気流の速度である。火災により発生した気流の速度は、
時間の増加とともに徐々に上昇している。また、ファン
ヒータにより発生した気流の速度は、時刻t1の近傍で
急激に増加し、時刻t1からある程度時間が経過する
と、一定値となる。
【0087】時刻t1(点P1)において火災により発
生した気流の速度は、V1であり、その時刻における気
流の加速度はα1である。時刻t1(点P2)において
ファンヒータにより発生した気流の速度は、V2であ
り、その時刻における気流の加速度はα2である。
【0088】このため、時刻t1の近傍において、ファ
ンヒータにより発生した気流の加速度α2は、火災によ
り発生した気流の加速度α1よりもかなり大きいので、
加速度α1よりも大きく且つ加速度α2よりも僅かに小
さい値を所定値とする。
【0089】次に、加速度判定部50は、メモリ46に
記憶された所定値を読み出し、時刻t1の近傍におい
て、加速度算出部48で算出された気流の加速度がメモ
リ46から読み出した所定値を超えたかどうかを判定し
(ステップS42)、気流の加速度が所定値を超えてい
ない場合には、警報回路51が、警報を発生する(ステ
ップS43)。従って、室内に火災が発生したことがわ
かる。
【0090】一方、気流の加速度が所定値を超えた場合
には、警報回路51は警報を発生しない(ステップS4
5)。すなわち、図13に示すように、時刻t1の近傍
では、気流の加速度α2が所定値を超えており、発生し
た気流がファンヒータによるものであり、火災でないこ
とが容易にわかる。
【0091】このように、第2の実施の形態の火災感知
器及び火災感知方法によれば、フローセンサ1を用いて
いるので、火災発生をより短時間で感知でき、これによ
って、応答性の良い火災感知器を提供することができ
る。また、気流の加速度を用いて火災の有無を判定して
いるので、室内に発生した気流が火災によって発生した
のかあるいは火災以外の原因(例えば、ファンヒータ)
により発生したのかを容易に判別することができる。
【0092】なお、第1及び第2の実施の形態では、フ
ローセンサ1に有する第1乃至第4のサーモパイル5,
8,11,13が天井面35と平行な面上(XY面)に
存在する場合について説明した。すなわち、サーモパイ
ルがXY方向のみに配置された2軸検出器について例示
したが、例えば、図14に示すように、サーモパイルが
XYZ方向に配置された3軸検出器についても本発明は
適用可能である。
【0093】この3軸検出器は、第1乃至第4のサーモ
パイル5a,8a,11a,13aを有するフローセン
サ1aを天井面35と平行な面上(XY面)に配置し、
且つフローセンサ1aと同一構成の第5乃至第8のサー
モパイル5b,8b,11b,13bを有するフローセ
ンサ1bを天井面35に直交する面上に配置したもので
ある。この3軸検出器によれば、フローセンサ1aとフ
ローセンサ1bとを用いることにより3次元上の気流の
速度及び方向を正確に算出することができる。
【0094】(第3の実施の形態)次に、第3の実施の
形態の火災感知器及び火災感知方法を説明する。図15
は第3の実施の形態の火災感知器の構成ブロック図であ
る。
【0095】図15に示す火災感知器は、気体の熱伝導
率変化に基づいて火災を判定することを特徴とする。火
災発生時には、煙や水蒸気、一酸化炭素、二酸化炭素、
そのほかのガス成分が発生し、発生したガス成分により
室内の大気の組成が変化する。この大気の組成の変化に
伴って気体の熱伝導率も変化するので、この気体の熱伝
導率の変化をフローセンサ1で検出し、気体の熱伝導率
の変化に基づいて火災を判定する。
【0096】図15に示す火災感知器は、フローセンサ
1、アンプ41a〜41d、加算器53、第3のA/D
変換器45c、熱伝導率算出部55、火災判定部57、
メモリ46a、警報回路51を備えて構成されている。
【0097】加算器53は、アンプ41a〜41dから
の第1温度検出信号乃至第4温度検出信号を加算して加
算温度検出信号を第3のA/D変換器45cに出力す
る。第3のA/D変換器45cは、加算器53からの加
算温度検出信号をデジタル信号に変換し、熱伝導率算出
部55に出力する。
【0098】熱伝導率算出部55は、デジタル信号に変
換された加算温度検出信号と所定の関係式とを用いて気
体の熱伝導率を算出する。メモリ46aは、予め定めら
れたしきい値を記憶する。火災判定部57は、熱伝導率
算出部55で算出された気体の熱伝導率とメモリ46a
から読み出されたしきい値とに基づき、室内に火災が発
生したかどうかを判定する。
【0099】なお、フローセンサ1、アンプ41a〜4
1d、及び警報回路51は、図1で既に説明したので、
ここではそれらの説明は省略する。
【0100】次にこのように構成された第3の実施の形
態の火災感知器の動作、すなわち、火災感知方法を図1
6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0101】まず、ヒータ駆動回路10がパルス駆動信
号をフローセンサ1に入力することにより、マイクロヒ
ータ4を駆動してマイクロヒータ4が加熱される(ステ
ップS51)。
【0102】さらに、室内に発生した気流がフローセン
サ1を通過するため、気流が第1乃至第4のサーモパイ
ル5,8,11,13を通過する。このため、気体の温
度変化を第1乃至第4のサーモパイル5,8,11,1
3により検出して第1乃至第4温度検出信号を出力する
(ステップS53)。
【0103】そして、第1乃至第4温度検出信号は、ア
ンプ41a〜41dで増幅されて、加算器53により加
算されて加算温度検出信号が第3のA/D変換器45c
に出力される(ステップS55)。加算器53からの加
算温度検出信号は、第3のA/D変換器45cによりデ
ジタル信号に変換されて、熱伝導率算出部55に出力さ
れる。
【0104】さらに、熱伝導率算出部55は、デジタル
信号に変換された加算温度検出信号と所定の関係式とを
用いて気体の熱伝導率を算出する(ステップS57)。
所定の関係式は、加算温度検出信号の値をXとし、気体
の熱伝導率をrとすると、例えば、r=a+aX+
+a+・・・・aと表される。こ
こで、a,a,a,a,+・・・aは、予め
定められた係数である。
【0105】火災判定部57は、メモリ46aからしき
い値を読み出し、熱伝導率算出部55で算出された気体
の熱伝導率がメモリ46aから読み出されたしきい値以
上変化したかどうかを判定する(ステップS59)。
【0106】気体の熱伝導率がしきい値以上変化したか
どうかの判定は、以下のように行われる。すなわち、火
災が発生しないときの通常状態における気体の熱伝導率
を算出し、その値を初期値とする。次に、火災が発生し
たときにおける気体の熱伝導率を算出し、そのときの熱
伝導率の値と初期値との差分、すなわち、気体の熱伝導
率の変動量を算出する。そして、この変動量が前記しき
い値以上になったかどうかを判定する。
【0107】ここで、熱伝導率算出部55で算出された
気体の熱伝導率がしきい値以上変化したとする。すなわ
ち、熱伝導率がしきい値以上変化したのは、火災が発生
し、煙やガス等により気流の組成が大きく変化したから
である。従って、室内に火災が発生したとして警報回路
51が警報を発生する(ステップS61)。
【0108】このように第3の実施の形態の火災感知器
及び火災感知方法によれば、フローセンサ1を用いて、
気体の熱伝導率変化により火災判定を行っているので、
火災発生をより短時間で感知でき、これによって、応答
性の良い火災感知器を提供することができる。
【0109】(第4の実施の形態)次に、第4の実施の
形態の火災感知器及び火災感知方法を説明する。図17
は第4の実施の形態の火災感知器の構成ブロック図であ
る。
【0110】図17に示す火災感知器は、図1に示す第
1の実施の形態の火災感知器の構成と、図15に示す第
3の実施の形態の火災感知器の構成とを有し、気体の速
度変化と気体の熱伝導率変化との両方で火災判定を行う
ことにより、より正確に火災判定を行い、火災以外の原
因で生じた気体の速度変化による誤報をなくすものであ
る。
【0111】なお、メモリ46bは、予め定められた所
定の判定値を記憶するとともに、気体の熱伝導率のため
の予め定められたしきい値を記憶する。火災判定部57
aは、速度算出部47で算出された気流の速度とメモリ
46bからの所定の判定値と、熱伝導率算出部55で算
出された気体の熱伝導率とメモリ46bからのしきい値
とに基づいて室内に火災が発生したかどうかを判定す
る。
【0112】次にこのように構成された第4の実施の形
態の火災感知器の動作、すなわち、火災感知方法を図1
8に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0113】まず、ヒータ駆動回路10がパルス駆動信
号をフローセンサ1に入力することにより、マイクロヒ
ータ4を駆動してマイクロヒータ4が加熱される(ステ
ップS71)。
【0114】さらに、室内に発生した気流がフローセン
サ1を通過するため、気流が第1乃至第4のサーモパイ
ル5,8,11,13を通過する。このため、気体の温
度変化を第1乃至第4のサーモパイル5,8,11,1
3により検出して第1乃至第4温度検出信号を出力する
(ステップS73)。
【0115】差動アンプ43aは、第1のサーモパイル
5からの第1温度検出信号と第2のサーモパイル8から
の第2温度検出信号との差を第1差信号として増幅し
(ステップS75)、第1差信号を第1のA/D変換器
45aに出力し、第1のA/D変換器45aは、差動ア
ンプ43aからの第1差信号をデジタル信号に変換して
速度算出部47に出力する。
【0116】また、差動アンプ43bは、第3のサーモ
パイル11からの第3温度検出信号と第4のサーモパイ
ル13からの第4温度検出信号との差を第2差信号とし
て増幅し(ステップS77)、第2差信号を第2のA/
D変換器45bに出力し、第2のA/D変換器45b
は、差動アンプ43bからの第2差信号をデジタル信号
に変換して速度算出部47に出力する。
【0117】次に、速度算出部47は、第1のA/D変
換器45aからの第1差信号の値と第2のA/D変換器
45bからの第2差信号の値と予め定められた速度算出
式とに基づいて室内に発生する気流の速度及び方向を算
出する(ステップS79)。
【0118】一方、アンプ41a〜41dで増幅された
第1乃至第4温度検出信号は、加算器53により加算さ
れて加算温度検出信号が第3のA/D変換器45cに出
力される(ステップS81)。
【0119】加算器53からの加算温度検出信号は、第
3のA/D変換器45cによりデジタル変換されて、熱
伝導率算出部55に出力され、熱伝導率算出部55は、
デジタル変換された加算温度検出信号と所定の関係式と
を用いて気体の熱伝導率を算出する(ステップS8
3)。
【0120】次に、火災判定部57aは、メモリ46b
から所定の判定値を読み出し、速度算出部47で算出さ
れた気流の速度がメモリ46bから読み出された所定の
判定値を超えたかどうかを判定する(ステップS8
5)。気流の速度が所定の判定値を超えていない場合に
は、ステップS71に戻り、ステップS71の以降の処
理を繰り返す。
【0121】一方、気流の速度が所定の判定値を超えた
場合には、火災判定部57aは、メモリ46bからしき
い値を読み出し、熱伝導率算出部55で算出された気体
の熱伝導率がメモリ46bから読み出されたしきい値以
上変化したかどうかを判定する(ステップS87)。気
体の熱伝導率がしきい値以上変化していない場合には、
ステップS71に戻り、ステップS71の以降の処理を
繰り返す。
【0122】気体の熱伝導率がしきい値以上変化した場
合には、室内に火災が発生したとして警報回路51が警
報を発生する(ステップS89)。
【0123】このように第4の実施の形態の火災感知器
及び火災感知方法によれば、フローセンサ1を用いて、
火災判定を行っているので、火災発生をより短時間で感
知でき、これによって、応答性の良い火災感知器を提供
することができる。
【0124】また、気体の速度変化と気体の熱伝導率変
化との両方で火災判定を行うことにより、より正確に火
災判定を行うことができ、しかも火災以外の原因で生じ
た気体の速度変化による誤報をなくすことができる。
【0125】なお、本発明は前述した第1乃至第4の実
施の形態の火災感知器及び火災感知方法に限定されるも
のではない。第1乃至第4の実施の形態の火災感知器で
は、フローセンサ1に第1乃至第4のサーモパイルを形
成したが、これらのサーモパイルに代えて、フローセン
サ1に気体の温度を測定する白金抵抗等からなる測温抵
抗を形成しても良い。
【0126】
【発明の効果】請求項1の発明の火災感知器によれば、
フローセンサを用いているので、火災発生をより短時間
で感知でき、これによって、応答性の良い火災感知器を
提供することができる。
【0127】請求項2の発明の火災感知器によれば、フ
ローセンサを用いているので、火災発生をより短時間で
感知でき、これによって、応答性の良い火災感知器を提
供することができる。また、気流の加速度を用いるの
で、室内に発生した気流が火災によって発生したのかあ
るいは火災以外の原因により発生したのかを容易に判別
することができる。
【0128】請求項3の発明の火災感知器によれば、速
度算出手段が、第1温度検出信号と第2温度検出信号と
の差と、第3温度センサからの第3温度検出信号と第4
温度センサからの第4温度検出信号との差とに基づいて
気流の速度及び方向を算出するので、気流の速度及び方
向を正確に求めることができる。
【0129】請求項4の発明の火災感知器によれば、フ
ローセンサを用いて、気体の熱伝導率により火災判定を
行っているので、火災発生をより短時間で感知でき、こ
れによって、応答性の良い火災感知器を提供することが
できる。
【0130】請求項5の発明の火災感知器によれば、熱
伝導率算出手段は、第1温度検出信号乃至第4温度検出
信号に基づいて気体の熱伝導率を算出するので、気体の
熱伝導率を正確に求めることができる。
【0131】請求項6の発明の火災感知器によれば、火
災判定手段は、気流の速度と気体の熱伝導率とに基づい
て室内に火災が発生したかどうかを判定するので、より
正確な火災判定が行え、誤報がきわめて少なくなる。
【0132】請求項7の発明の火災感知器によれば、フ
ローセンサが、室内の天井面または壁面に取り付けられ
ているので、フローセンサを気流が最も良く通過するか
ら、フローセンサ出力が大きくなり、高感度で且つ応答
性の良い火災感知器を提供することができる。
【0133】請求項8の発明の火災感知器によれば、第
1乃至第4温度センサのそれぞれは、温接点及び冷接点
を有する熱電対を複数個有し、この複数個の熱電対が直
列に接続されてなるサーモパイルであるので、フローセ
ンサ出力が大きくなり、高感度で且つ応答性の良い火災
感知器を提供することができる。
【0134】請求項9の発明の火災感知器によれば、フ
ローセンサに形成された測温抵抗により気体の温度を測
定することができ、測定された温度を用いて気流の速度
を補正することもできる。
【0135】請求項10の発明の火災感知方法は、請求
項1の発明の火災感知器の効果と同様な効果が得られ、
請求項11の発明の火災感知方法は、請求項2の発明の
火災感知器の効果と同様な効果が得られ、請求項12の
発明の火災感知方法は、請求項3の発明の火災感知器の
効果と同様な効果が得られる。
【0136】また、請求項13の発明の火災感知方法
は、請求項4の発明の火災感知器の効果と同様な効果が
得られ、請求項14の発明の火災感知方法は、請求項5
の発明の火災感知器の効果と同様な効果が得られ、請求
項15の発明の火災感知方法は、請求項6の発明の火災
感知器の効果と同様な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の火災感知器の構成ブロック
図である。
【図2】第1の実施の形態の火災感知器に設けられたフ
ローセンサの上面図である。
【図3】第1の実施の形態の火災感知器に設けられたフ
ローセンサの断面図である。
【図4】第1の実施の形態のフローセンサに設けられた
サーモパイルの構成図である。
【図5】室内の天井面に設置されたフローセンサを示す
図である。
【図6】任意の方向からの気流がフローセンサを通過す
る様子を示す図である。
【図7】フローセンサに任意の方向から流入した気流の
速度及び方向を算出する方法を説明する図である。
【図8】第1の実施の形態の火災感知方法を示すフロー
チャートである。
【図9】火災発生時からの経過時間と気流の速度との関
係を示す図である。
【図10】火災発生時からの経過時間とフローセンサの
センサ出力との関係を示す図である。
【図11】第2の実施の形態の火災感知器の構成ブロッ
ク図である。
【図12】第2の実施の形態の火災感知方法を示すフロ
ーチャートである。
【図13】火災及びファンヒータのそれぞれにより室内
に発生する気流の速度の時間的な変化を示す図である。
【図14】天井面に取り付けられた3軸検出器を有する
フローセンサを示す図である。
【図15】第3の実施の形態の火災感知器の構成ブロッ
ク図である。
【図16】第3の実施の形態の火災感知方法を示すフロ
ーチャートである。
【図17】第4の実施の形態の火災感知器の構成ブロッ
ク図である。
【図18】第4の実施の形態の火災感知方法を示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
1 フローセンサ 4 マイクロヒータ 5 第1のサーモパイル 8 第2のサーモパイル 11 第3のサーモパイル 13 第4のサーモパイル 41a〜41d アンプ 43a〜43b 差動アンプ 45a 第1のA/D変換器 45b 第2のA/D変換器 45c 第3のA/D変換器 46,46a,46b メモリ 47 速度算出部 48 加速度算出部 49 速度判定部 50 加速度判定部 51 警報回路 53 加算器 55 熱伝導率算出部 57,57a 火災判定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石原 裕己 静岡県裾野市御宿1500 矢崎総業株式会社 内 (72)発明者 笹原 隆彦 静岡県裾野市御宿1500 矢崎総業株式会社 内 (72)発明者 温井 一光 東京都港区海岸一丁目5番20号 東京瓦斯 株式会社内 Fターム(参考) 5C085 AA01 AC03 AC18 BA22 CA07 FA20 5G405 AA01 AB01 CA60 EA27 EA55

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動信号により駆動されるヒータ、該ヒ
    ータの近傍で且つ室内に発生する気流の方向に対し上流
    側に配置され気体の温度を検出して第1温度検出信号を
    出力する第1温度センサ、及び前記ヒータの近傍で且つ
    前記気流の方向に対し下流側に配置され前記気体の温度
    を検出して第2温度検出信号を出力する第2温度センサ
    を有するフローセンサと、 前記第1温度検出信号と前記第2温度検出信号との差に
    基づいて前記気流の速度を算出する速度算出手段と、 この速度算出手段で算出された前記気流の速度が所定の
    判定値を超えたか否かを判定する速度判定手段と、 前記気流の速度が前記所定の判定値を超えた場合に前記
    室内に火災が発生した旨の警報を発生する警報手段と、
    を備えることを特徴とする火災感知器。
  2. 【請求項2】 駆動信号により駆動されるヒータ、該ヒ
    ータの近傍で且つ室内に発生する気流の方向に対し上流
    側に配置され気体の温度を検出して第1温度検出信号を
    出力する第1温度センサ、及び前記ヒータの近傍で且つ
    前記気流の方向に対し下流側に配置され前記気体の温度
    を検出して第2温度検出信号を出力する第2温度センサ
    を有するフローセンサと、 前記第1温度検出信号と前記第2温度検出信号との差に
    基づいて前記気流の速度を算出する速度算出手段と、 この速度算出手段で算出された前記気流の速度を時間で
    微分することにより前記気流の加速度を算出する加速度
    算出手段と、 この加速度算出手段で算出された前記気流の加速度に基
    づいて前記室内に火災が発生したかどうかを判定する火
    災判定手段と、 前記火災が発生したと判定された場合に警報を発生する
    警報手段と、を備えることを特徴とする火災感知器。
  3. 【請求項3】 前記第1温度センサと前記第2温度セン
    サとを含む平面上で且つ前記第1温度センサと前記第2
    温度センサとのそれぞれに対して略直交するとともに前
    記ヒータの両側に配置され前記気体の温度を検出して第
    3及び第4温度検出信号を出力する第3及び第4温度セ
    ンサを備え、 前記速度算出手段は、前記第1温度検出信号と前記第2
    温度検出信号との差と、前記第3温度検出信号と前記第
    4温度検出信号との差とに基づいて前記気流の速度及び
    方向を算出することを特徴とする請求項1または請求項
    2記載の火災感知器。
  4. 【請求項4】 駆動信号により駆動されるヒータ、該ヒ
    ータの近傍で且つ室内に発生する気流の方向に対し上流
    側に配置され気体の温度を検出して第1温度検出信号を
    出力する第1温度センサ、及び前記ヒータの近傍で且つ
    前記気流の方向に対し下流側に配置され前記気体の温度
    を検出して第2温度検出信号を出力する第2温度センサ
    を有するフローセンサと、 前記第1温度検出信号と前記第2温度検出信号とに基づ
    いて前記気体の熱伝導率を算出する熱伝導率算出手段
    と、 この熱伝導率算出手段で算出された前記気体の熱伝導率
    に基づいて前記室内に火災が発生したかどうかを判定す
    る火災判定手段と、 前記火災が発生したと判定された場合に警報を発生する
    警報手段と、を備えることを特徴とする火災感知器。
  5. 【請求項5】 前記第1温度センサと前記第2温度セン
    サとを含む平面上で且つ前記第1温度センサと前記第2
    温度センサとのそれぞれに対して略直交するとともに前
    記ヒータの両側に配置され前記気体の温度を検出して第
    3及び第4温度検出信号を出力する第3及び第4温度セ
    ンサを備え、 前記熱伝導率算出手段は、前記第1温度検出信号乃至前
    記第4温度検出信号に基づいて前記気体の熱伝導率を算
    出することを特徴とする請求項4記載の火災感知器。
  6. 【請求項6】 さらに、前記第1温度検出信号と前記第
    2温度検出信号との差に基づいて前記気流の速度を算出
    する速度算出手段を備え、 前記火災判定手段は、前記速度算出手段で算出された前
    記気流の速度と前記熱伝導率算出手段で算出された前記
    気体の熱伝導率とに基づいて前記室内に火災が発生した
    かどうかを判定することを特徴とする請求項4記載の火
    災感知器。
  7. 【請求項7】 前記フローセンサは、前記室内の天井面
    または壁面に取り付けられることを特徴とする請求項1
    乃至請求項6のいずれか1項記載の火災感知器。
  8. 【請求項8】 前記第1乃至第4温度センサのそれぞれ
    は、温接点及び冷接点を有する熱電対を複数個有し、こ
    の複数個の熱電対が直列に接続されてなるサーモパイル
    であることを特徴とする請求項3または請求項5記載の
    火災感知器。
  9. 【請求項9】 前記フローセンサには前記気体の温度を
    測定する測温抵抗が形成されていることを特徴とする請
    求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の火災感知器。
  10. 【請求項10】 駆動信号により駆動されるヒータの近
    傍で且つ室内に発生する気流の方向に対し上流側に配置
    された第1温度センサにより気体の温度を検出して第1
    温度検出信号を出力し、前記ヒータの近傍で且つ前記気
    流の方向に対し下流側に配置された第2温度センサによ
    り前記気体の温度を検出して第2温度検出信号を出力す
    る検出ステップと、 前記第1温度検出信号と前記第2温度検出信号との差に
    基づいて前記気流の速度を算出する速度算出ステップ
    と、 算出された前記気流の速度が所定の判定値を超えたか否
    かを判定する速度判定ステップと、 前記気流の速度が前記所定の判定値を超えた場合に前記
    室内に火災が発生した旨の警報を発生する警報ステップ
    と、を備えることを特徴とする火災感知方法。
  11. 【請求項11】 駆動信号により駆動されるヒータの近
    傍で且つ室内に発生する気流の方向に対し上流側に配置
    された第1温度センサにより気体の温度を検出して第1
    温度検出信号を出力し、前記ヒータの近傍で且つ前記気
    流の方向に対し下流側に配置された第2温度センサによ
    り前記気体の温度を検出して第2温度検出信号を出力す
    る検出ステップと、 前記第1温度検出信号と前記第2温度検出信号との差に
    基づいて前記気流の速度を算出する速度算出ステップ
    と、 算出された前記気流の速度を時間で微分することにより
    前記気流の加速度を算出する加速度算出ステップと、 算出された前記気流の加速度に基づいて前記室内に火災
    が発生したかどうかを判定する火災判定ステップと、 前記火災が発生したと判定された場合に警報を発生する
    警報ステップと、を備えることを特徴とする火災感知方
    法。
  12. 【請求項12】 前記検出ステップは、前記第1温度セ
    ンサと前記第2温度センサとを含む平面上で且つ前記第
    1温度センサと前記第2温度センサとのそれぞれに対し
    て略直交するとともに前記ヒータの両側に配置された第
    3及び第4温度センサにより前記気体の温度を検出して
    第3及び第4温度検出信号を出力し、 前記速度算出ステップは、前記第1温度検出信号と前記
    第2温度検出信号との差と、前記第3温度検出信号と前
    記第4温度検出信号との差とに基づいて前記気流の速度
    及び方向を算出することを特徴とする請求項10または
    請求項11記載の火災感知方法。
  13. 【請求項13】 駆動信号により駆動されるヒータの近
    傍で且つ室内に発生する気流の方向に対し上流側に配置
    された第1温度センサにより気体の温度を検出して第1
    温度検出信号を出力し、前記ヒータの近傍で且つ前記気
    流の方向に対し下流側に配置された第2温度センサによ
    り前記気体の温度を検出して第2温度検出信号を出力す
    る検出ステップと、 前記第1温度検出信号と前記第2温度検出信号とに基づ
    いて前記気体の熱伝導率を算出する熱伝導率算出ステッ
    プと、 算出された前記気体の熱伝導率に基づいて前記室内に火
    災が発生したかどうかを判定する火災判定ステップと、 前記火災が発生したと判定された場合に警報を発生する
    警報ステップと、を備えることを特徴とする火災感知方
    法。
  14. 【請求項14】 前記検出ステップは、前記第1温度セ
    ンサと前記第2温度センサとを含む平面上で且つ前記第
    1温度センサと前記第2温度センサとのそれぞれに対し
    て略直交するとともに前記ヒータの両側に配置された第
    3及び第4温度センサにより前記気体の温度を検出して
    第3及び第4温度検出信号を出力し、前記熱伝導率算出
    ステップは、前記第1温度検出信号乃至前記第4温度検
    出信号に基づいて前記気体の熱伝導率を算出することを
    特徴とする請求項13記載の火災感知方法。
  15. 【請求項15】 さらに、前記第1温度検出信号と前記
    第2温度検出信号との差に基づいて前記気流の速度を算
    出する速度算出ステップを備え、 前記火災判定ステップは、算出された前記気流の速度と
    算出された前記気体の熱伝導率とに基づいて前記室内に
    火災が発生したかどうかを判定することを特徴とする請
    求項13記載の火災感知方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100939084B1 (ko) 2008-04-21 2010-01-28 박종남 화재 감지 장치
US10253402B2 (en) 2013-07-11 2019-04-09 Constellium Neuf-Brisach Sheet made of aluminum alloy for the structure of a motor vehicle body

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100939084B1 (ko) 2008-04-21 2010-01-28 박종남 화재 감지 장치
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