JP2001264961A - 画像形成材料及びその製造方法 - Google Patents

画像形成材料及びその製造方法

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JP2001264961A
JP2001264961A JP2000073666A JP2000073666A JP2001264961A JP 2001264961 A JP2001264961 A JP 2001264961A JP 2000073666 A JP2000073666 A JP 2000073666A JP 2000073666 A JP2000073666 A JP 2000073666A JP 2001264961 A JP2001264961 A JP 2001264961A
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JP2000073666A
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Takeshi Kimura
岳司 木村
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Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱又は赤外線レーザによる記録が可能であ
り、現像ラチチュードに優れた画像形成材料及びその好
適な製造方法を提供する。 【解決手段】 支持体上に、水素結合性の官能基を有す
るバインダーポリマー又はその前駆体を含有する記録層
塗布液を塗布した後、該バインダーポリマーのガラス転
移点をTgとしたとき、Tg−30℃以上、Tg+70
℃以下の温度範囲に加熱し、その後、記録層の温度が5
0℃になるまで、降温速度0.1℃/秒〜5℃/秒で徐
冷して得られることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱又は光により記
録が可能なポジ型画像形成材料及びそのの製造方法に関
し、詳細には、現像ラチチュードに優れた画像形成材料
及びその好適な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年におけるレーザーの発展は目ざまし
く、特に、近赤外線から赤外線領域に発光領域を持つ個
体レーザーや半導体レーザーでは、高出力・小型化が進
んでいる。したがって、コンピュータ等のディジタルデ
ータから直接製版する際の露光光源として、これらのレ
ーザーは非常に有用である。前述の赤外線領域に発光領
域を持つ赤外線レーザーを露光光源として使用するポジ
型平版印刷版材料は、アルカリ水溶液可溶性のバインダ
ー樹脂と、光を吸収し熱を発生する赤外線吸収剤の光熱
変換剤等とを必須成分とする平版印刷版材料である。ま
た、従来からのサーマルヘッドなどによる加熱で記録可
能な平版印刷版は、アルカリ水溶液可溶性のバインダー
樹脂樹脂を必須成分とする。
【0003】該赤外線レーザ用ポジ型平版印刷版材料
に、前記赤外線レーザを露光すると、非露光部(画像
部)では、該赤外線レーザ用ポジ型平版印刷版材料中の
光熱変換剤が、前記バインダー樹脂との相互作用によ
り、該バインダー樹脂の溶解性を実質的に低下させる溶
解阻止剤として働く。一方、露光部(非画像部)では、
前記IR染料等が、光を吸収して熱を発生するため、該
光熱変換剤と前記バインダー樹脂との相互作用が弱くな
る。したがって、現像時には、前記露光部(非画像部)
が、アルカリ現像液に溶解し、平版印刷版が形成され
る。しかし、このような赤外線レーザ用ポジ型平版印刷
版材料においては、UV露光により製版するポジ型平版
印刷版材料と比べ、現像液の活性度に対するラチチュー
ドが狭いため、活性度が高くなると、画像部の濃度低
下、耐刷低下を、活性度が強くなると、現像不良を容易
に引き起こす問題がある。
【0004】すなわち、赤外線レーザによる記録が可能
なポジ型平版印刷版材料においては、露光時に、露光部
(非画像部)では、光熱変換剤と前記バインダー樹脂と
の相互作用は弱まるものの、それ自体が該バインダーの
溶解促進剤として作用するわけではないため、非露光部
と露光部との溶解性の差が小さい。同様に、通常の感熱
記録材料も、加熱部分のバインダー樹脂の結合性の低下
を利用するため、同様の問題を有している。このような
現像液の活性度に対するラチチュードが狭い画像形成材
料を使用すると安定した画像を連続的に形成するのが困
難であるため、現像ラチチュードが広い画像形成材料が
熱望されており、記録層の組成の観点から種々の試みが
なされているが、感度や安定性を損なわずに現像ラチチ
ュードを改良することは困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記問題点を
考慮してなされたものであり、本発明の目的は、熱又は
赤外線レーザによる記録が可能であり、現像ラチチュー
ドに優れた画像形成材料及びその好適な製造方法を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、記録層の製造工程において生成する強い水素結
合からなる会合を保持するように製造条件を調整するこ
とにより、現像ラチチュードに優れた画像形成材料が得
られることを見出し、本発明を完成した。即ち、本発明
の画像形成材料は、支持体上に、水素結合性の官能基を
有するバインダーポリマー又はその前駆体を含有する記
録層塗布液を塗布した後、該バインダーポリマーのガラ
ス転移点をTgとしたとき、Tg−30℃以上、Tg+
70℃以下の温度範囲に加熱し、その後、記録層の温度
が50℃になるまで、降温速度0.1℃/秒〜5℃/秒
で徐冷して得られることを特徴とする。ここで、前記記
録層塗布液に光熱変換剤を含有することで、赤外線レー
ザの露光により記録可能な画像形成材料となる。
【0007】また、請求項3に係る本発明の画像形成材
料の製造方法は、支持体上に、水素結合性の官能基を有
するバインダーポリマー又はその前駆体を含有する記録
層塗布液を塗布した後、該バインダーポリマーのガラス
転移点をTgとしたとき、Tg−30℃以上、Tg+7
0℃以下の温度範囲に加熱する加熱工程と、その後、記
録層の温度が50℃になるまで、降温速度0.1℃/秒
〜5℃/秒で徐冷する徐冷工程とを有することを特徴と
する。前記加熱工程における加熱は、記録層塗布液後、
塗布液中に含まれる溶媒が除去されるまで継続されるこ
とが好ましい態様である。
【0008】本発明の作用は明確ではないが、記録層塗
布液の塗布後に、バインダーポリマーのガラス転移点を
Tgとしたとき、Tg−30℃以上、Tg+70℃以下
の温度範囲に加熱し、その温度に所定時間保持すること
により、バインダーポリマー中の水素結合性の官能基同
士の相互作用により、記録層中において水素結合に起因
する強い会合が形成され、その後、徐冷することで、そ
の会合を保持したまま記録層が硬化し、水素結合性の会
合が保持された安定な記録層が形成されると考えられ
る。このような記録層においては、加熱又は赤外線レー
ザ露光などの高エネルギー付与を受けた領域のみ、その
結合が切れ、可溶化が促進されるとともに、未露光部は
安定な会合が保持され、現像液に対する耐性も十分に確
保される。このため、画像部/非画像部のオン−オフが
明確で、現像ラチチュードの高い画像形成材料が得られ
るものと考えられる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の画像形成材料に
ついて詳細に説明する。本発明の画像形成材料は、支持
体上に、水素結合性の官能基を有するバインダーポリマ
ーを含有する記録層を設けたものであれば、特に制限は
なく、該記録層を形成するための記録層塗布液には、水
素結合性の官能基を有するポリマー或いは該ポリマーの
前駆体である水素結合性の官能基を有するモノマーが含
有される。このような記録層を形成するポリマーとして
は、ノボラック樹脂等のアルカリ水溶液可溶性樹脂が好
ましく挙げられる。また、この記録層には、光熱変換剤
を含有することが、感度の観点から好ましく、また、光
熱変換剤の添加により、赤外レーザーによる書き込みに
も対応できるようになる。また、この記録層には、通
常、感熱又は感光性の記録層に用いられる添加剤などを
効果を損なわない範囲で添加することができる。
【0010】本発明において使用される水素結合性の官
能基を有するポリマーとしては、ノボラック樹脂、側鎖
にヒドロキシアリール基、カルボキシル基、アミノ基、
アミド基又はマレイミド基を有するポリマー、及び下記
(a)、(b)のモノマーを少なくとも1つ含むポリマ
ーなどが挙げられる。 (a)窒素原子上に少なくとも1つの水素原子が結合し
たスルホンアミド基を有するモノマー、(b)−CO−
NH−SO2−で表される活性イミノ基を有するモノマ
ー。本発明に使用しうるノボラック樹脂は、フェノール
類とアルデヒド類を酸性条件下で縮合させた樹脂であ
る。好ましいノボラック樹脂としては、例えばフェノー
ルとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、m
−クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラッ
ク樹脂、p−クレゾールとホルムアルデヒドから得られ
るノボラック樹脂、o−クレゾールとホルムアルデヒド
から得られるノボラック樹脂、オクチルフェノールとホ
ルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、m−/p
−混合クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボ
ラック樹脂、フェノール/クレゾール(m−,p−,o
−またはm−/p−,m−/o−,o−/p−混合のい
ずれでもよい)の混合物とホルムアルデヒドから得られ
るノボラック樹脂などが挙げられる。これらのノボラッ
ク樹脂は、重量平均分子量が800〜200,000
で、数平均分子量が400〜60,000のものが好ま
しい。
【0011】また、本発明には、側鎖にヒドロキシアリ
ール基を有するポリマーも好ましく用いることができ
る。このポリマーにおいて、ヒドロキシアリール基とは
−OH基が1個以上結合したアリール基を示す。アリー
ル基としては例えば、フェニル基、ナフチル基、アント
ラセニル基、フェナントレニル基等を挙げることができ
るが、入手の容易さ及び物性の観点から、フェニル基あ
るいはナフチル基が好ましい。従って、ヒドロキシアリ
ール基としては、ヒドロキシフェニル基、ジヒドロキシ
フェニル基、トリヒドロキシフェニル基、テトラヒドロ
キシフェニル基、ヒドロキシナフチル基、ジヒドロキシ
ナフチル基等が好ましい。これらのヒドロキシアリール
基は、さらに、ハロゲン原子、炭素数20個以下の炭化
水素基、炭素数20個以下のアルコキシ基及び炭素数2
0個以下のアリールオキシ基等の置換基を有していても
よい。これらのヒドロキシアリール基は、ポリマーの側
鎖としてペンダント状にポリマー主鎖へ結合している
が、主鎖との間に連結基を有していても良い。これらの
樹脂の代表例としては、ポリヒドロキシスチレン樹脂が
挙げられる。
【0012】ここで、前記(a)窒素原子上に少なくと
も1つの水素原子が結合したスルホンアミド基を有する
モノマー、又は(b)−CO−NH−SO2−で表され
る活性イミノ基を有するモノマー、を少なくとも1つ含
むポリマーについて説明する。(a)に該当するモノマ
ーは、一分子中に、窒素原子上に少なくとも1つの水素
原子が結合したスルホンアミド基と重合可能な不飽和結
合とをそれぞれ一つ以上有する低分子化合物からなるモ
ノマーである。その中でも、アクリロイル基、アリル
基、またはビニロキシ基と、置換或いはモノ置換アミノ
スルホニル基又は置換スルホニルイミノ基とを有する化
合物が好ましく、例えば、下記一般式(I)〜(VI)
で表される化合物が挙げられる。
【0013】
【化1】
【0014】式中、X は、それぞれ−O−または−N
7−を表す。R1、R2は、それぞれ独立に水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、アリール基またはカルボキ
シル基を表し、R3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲ
ン原子、アルキル基、又はアリール基を表し、R4はそ
れぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素数1〜12
のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基ま
たはアラルキレン基を表す。R5及びR7はそれぞれ独立
に水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12
のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはア
ラルキル基を表す。また、R6はそれぞれ独立に置換基
を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、シク
ロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。
8はそれぞれ独立に単結合、または置換基を有してい
てもよい炭素数1〜12のアルキレン基、シクロアルキ
レン基、アリーレン基またはアラルキレン基を表す。Y
はそれぞれ独立に単結合、または−CO−を表す。W
は2価の連結基を表し、Zは置換基を有していてもよい
2価の芳香族基を表す。
【0015】具体的には、m−アミノスルホニルフェニ
ルメタクリレート、N−(p−アミノスルホニルフェニ
ル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフ
ェニル)アクリルアミド、2−(N’−(4−スルファ
モイル)ウレイド)エチルメタクリレート、2−(N’
−(4−スルファモイル)ウレイド)エチルアクリレー
ト等を好適に使用することができる。(b)に該当する
モノマーは、活性イミノ基(−CO−NH−SO2−)
を有するモノマーと重合可能な不飽和結合とをそれぞれ
一つ以上有する低分子化合物からなるモノマーである。
このような化合物としては、具体的には、N−(p−ト
ルエンスルホニル)メタクリルアミド、N−(p−トル
エンスルホニル)アクリルアミド等を好適に使用するこ
とができる。
【0016】このような水素結合性の官能基を有するポ
リマーを構成する、前記の各モノマーは1種類のみであ
る必要はなく、同一の酸性基を有する水素結合性の官能
基を有するモノマーを2種以上、または異なる水素結合
性の官能基を有するモノマーを2種以上共重合させたも
のを用いることもできる。共重合の方法としては、従来
知られている、グラフト共重合法、ブロック共重合法、
ランダム共重合法等を用いることができる。
【0017】前記共重合体は、前記の如き水素結合性の
官能基を有するモノマーが共重合体中に10モル%以上
含まれているものが好ましく、20モル%以上含まれて
いるものが効果の観点から、より好ましい。本発明で
は、化合物を共重合して共重合体を形成する場合、その
化合物として、前記水素結合性の官能基を含まない他の
化合物を用いることもできる。他の化合物の例として
は、下記(1)〜(12)に挙げる化合物を例示するこ
とができる。
【0018】(1)例えば、2−ヒドロキシエチルアク
リレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレート等
の脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、および
メタクリル酸エステル類。 (2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、ア
クリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベ
ンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルア
クリレート、N−ジメチルアミノエチルアクリレート等
のアルキルアクリレート。 (3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸
アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘ
キシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−ク
ロロエチル、グリシジルメタクリレート、N−ジメチル
アミノエチルメタクリレート等のアルキルメタクリレー
ト。
【0019】(4)アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリ
ルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロ
ヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリ
ルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフ
ェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアク
リルアミド等のアクリルアミドもしくはメタクリルアミ
ド。 (5)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニル
エーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピル
ビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニ
ルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテ
ル類。 (6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビ
ニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル
類。
【0020】(7)スチレン、α−メチルスチレン、メ
チルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン類。 (8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロ
ピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケ
トン類。 (9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエ
ン、イソプレン等のオレフィン類。
【0021】(10)N−ビニルピロリドン、N−ビニ
ルカルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等。 (11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミ
ド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニル
メタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタ
クリルアミド等の不飽和イミド。 (12)アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、
イタコン酸等の不飽和カルボン酸。
【0022】本発明に用いるこれらノボラック以外のポ
リマーとしては、単独重合体、共重合体の別に関わら
ず、重量平均分子量が2,000以上、数平均分子量が
1,000以上のものが好ましく用いられる。さらに好
ましくは、重量平均分子量が5,000 〜300,0
00 で、数平均分子量が2,000 〜250,000
の範囲にあり、多分散度(重量平均分子量/数平均分子
量)が1.1〜10のものである。このようなポリマー
は、1種類を用いてもよく、2種類以上を組み合わせて
使用してもよい。
【0023】前記ポリマーの添加量としては、記録層塗
布液における全固形分に対し50〜100重量%が好ま
しく、60〜90重量%がより好ましい。支持体上に塗
設される感光性組成物の層(記録層)の塗布量は用途に
より異なるが、一般的には、乾燥後の重量にして0.3
〜4.0g/m2が好ましい。塗布量が小さくなるにつ
れて画像を得るための露光量は小さくて済むが、膜強度
は低下する。塗布量が大きくなるにつれ、露光量を必要
とするが感光膜は強くなり、例えば、印刷版として用い
た場合、印刷可能枚数の高い(高耐刷の)印刷版が得ら
れる。
【0024】本発明の画像形成材料には、先に述べたよ
うに、光を吸収して発熱する、赤外線吸収剤の如き光熱
変換剤を添加することが好ましく、光熱変換剤として
は、公知の種々の顔料や染料等が好適に挙げられる。前
記顔料としては、市販の顔料およびカラーインデックス
(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協
会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC
出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出
版、1984年刊)に記載されている顔料が挙げられ
る。
【0025】前記顔料の種類としては、黒色顔料、黄色
顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔
料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その
他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶
性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレート
アゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔
料、ペリレンおよびペリノン系顔料、チオインジゴ系顔
料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソイ
ンドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ
顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔
料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が挙げら
れる。
【0026】前記顔料は、表面処理をせずに用いてもよ
く、表面処理をほどこして用いてもよい。該表面処理の
方法には樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活
性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカ
ップリング剤やエポキシ化合物、ポリイソシアネート
等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。前記
表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書
房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年
刊)および「最新顔料応用技術」(CMC出版、198
6年刊)に記載されている。
【0027】前記顔料の粒径としては、0.01〜10
μmが好ましく、0.05〜1μmがより好ましく、
0.1〜1μmが特に好ましい。前記顔料の粒径が、
0.01μm未満の場合には、分散物の記録層塗布液中
での安定性の点で好ましくないことがあり、一方、10
μmを超える場合には、記録層の均一性の点で好ましく
ない。
【0028】前記顔料を分散する方法としては、インク
製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用
できる。前記分散には、超音波分散器、サンドミル、ア
トライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、
インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、
ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等の分散
機が用いられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CM
C出版、1986年刊)に記載されている。
【0029】前記染料としては、市販の染料および文献
(例えば「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45
年刊)に記載されている公知のものが挙げられ、例え
ば、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染
料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボ
ニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン
染料などの染料が挙げられる。前記顔料、又は染料のう
ち赤外光、又は近赤外光を吸収する顔料・染料が、赤外
光又は近赤外光を発光するレーザでの利用に適する点
で、特に好ましい。
【0030】前記赤外光、又は近赤外光を吸収する顔料
としては、カーボンブラックが好適に用いられる。ま
た、前記赤外光、又は近赤外光を吸収する染料として
は、例えば特開昭58−125246号、特開昭59−
84356号、特開昭59−202829号、特開昭6
0−78787号等に記載されているシアニン染料、特
開昭58−173696号、特開昭58−181690
号、特開昭58−194595号等に記載されているメ
チン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−
224793号、特開昭59−48187号、特開昭5
9−73996号、特開昭60−52940号、特開昭
60−63744号等に記載されているナフトキノン染
料、特開昭58−112792号等に記載されているス
クワリリウム色素、英国特許434,875号記載のシ
アニン染料等を挙げることができる。
【0031】また、前記染料としては、米国特許第5,
156,938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用い
られ、また、米国特許第3,881,924号記載の置
換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭
57−142645号(米国特許第4,327,169
号)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−
181051号、同58−220143号、同59−4
1363号、同59−84248号、同59−8424
9号、同59−146063号、同59−146061
号に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−
216146号記載のシアニン色素、米国特許第4,2
83,475号に記載のペンタメチンチオピリリウム塩
等や特公平5−13514号、同5−19702号公報
に開示されているピリリウム化合物、及び、市販品であ
るEpolight III−178、Epolight I
II−130、Epolight III−125、Epol
ightV−176A(EPOLIN社製)等が特に好
ましく用いられる。
【0032】また、前記染料として、特に好ましい別の
例として米国特許第4,756,993号明細書中に式
(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料
が挙げられる。前記顔料又は染料の添加量としては、記
録層全固形分に対し0.01〜50重量%が好ましく、
0.1〜10重量%がより好ましい。前記染料の場合に
は、0.5〜10重量%が特に好ましく、顔料の場合に
は、3.1〜10重量%が特に好ましい。前記顔料又は
染料の添加量が、0.01重量%未満の場合には、添加
の効果が不充分となり、感度が低くなることがある。一
方、50重量%を超える場合には、記録層の均一性が失
われ、耐久性が悪くなることがある。
【0033】前記記録層には、所望により、その他の成
分を含有させることができる。その他の成分としては、
種々の添加剤が挙げられ、そのような添加剤としては、
例えばオニウム塩、o−キノンジアジド化合物、芳香族
スルホン化合物、芳香族スルホン酸エステル化合物等の
熱分解性であり、分解しない状態ではアルカリ水可溶性
高分子化合物の溶解性を実質的に低下させる物質が挙げ
られる。前記添加剤を添加すれば、画像部の現像液への
溶解阻止性の向上を図ることができる。
【0034】前記オニウム塩としてはジアゾニウム塩、
アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、ス
ルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等が挙
げられる。これらの中でも、ジアゾニウム塩が特に好ま
しく、該ジアゾニウム塩としては、特開平5−1582
30号公報に記載のものが好ましい。
【0035】前記o−キノンジアジド化合物としては、
1以上のo−キノンジアジド基を有する化合物で、熱分
解によりアルカリ可溶性を増すものであれば、種々の構
造の化合物が好適に挙げられる。前記o−キノンジアジ
ドは、熱分解によりバインダーの溶解抑制能を失わせる
効果と、o−キノンジアジド自体が、アルカリ可溶性の
物質に変化する効果との双方の効果を有するため、結着
剤の溶解促進剤として作用することができる。
【0036】前記o−キノンジアジド化合物の添加量と
しては、記録層全固形分に対して1〜50重量%が好ま
しく、5〜30重量%がより好ましく、10〜30重量
%が特に好ましい。
【0037】前記オニウム塩の対イオンとしては、四フ
ッ化ホウ酸、六フッ化リン酸、トリイソプロピルナフタ
レンスルホン酸、5−ニトロ−o−トルエンスルホン
酸、5−スルホサリチル酸、2,5−ジメチルベンゼン
スルホン酸、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン
酸、2−ニトロベンゼンスルホン酸、3−クロロベンゼ
ンスルホン酸、3−ブロモベンゼンスルホン酸、2−フ
ルオロカプリルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸、1−ナフトール−5−スルホン酸、2−
メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイル−ベンゼン
スルホン酸、及びパラトルエンスルホン酸等を挙げるこ
とができる。これらの中でも特に六フッ化リン酸、トリ
イソプロピルナフタレンスルホン酸や2,5−ジメチル
ベンゼンスルホン酸のごときアルキル芳香族スルホン酸
が好適に挙げられる。
【0038】前記o−キノンジアジド化合物以外の添加
剤の添加量としては、1〜50重量%が好ましく、5〜
30重量%がより好ましく、10〜30重量%が特に好
ましい。前記添加剤と結着剤とは、同一層へ含有させる
ことが好ましい。
【0039】また、更に感度を向上させる目的で、無水
フタル酸などの環状酸無水物、ビスフェノールA、p−
ニトロフェノール等のフェノール類、p−トルエンスル
ホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等の有機酸類を添
加することもできる。前記環状酸無水物、フェノール類
又は有機酸類の記録層材料中に占める割合としては、
0.05〜20重量%が好ましく、0.1〜15重量%
がより好ましく、0.1〜10重量%が特に好ましい。
【0040】前記記録層塗布液には、塗布性を向上させ
るために、界面活性剤、例えば特開昭62−170950号公報
に記載のフッ素系界面活性剤等を含有させることができ
る。該界面活性剤の含有量としては、前記画像記録材料
の0.01〜1重量%が好ましく、0.05〜0.5重
量%がより好ましい。
【0041】前記記録層塗布液は、上記各成分を溶解す
る溶媒に溶かして、後に詳述する支持体上に塗布され
る。ここで使用される溶媒としては、特開昭62−25
1739号、特開平6−242597号公報に記載され
ているような有機溶剤が単独あるいは混合して用いられ
る。記録層塗布液は、2〜50重量%の固形分濃度で溶
解、分散され、支持体上に塗布・乾燥される。支持体上
に塗設される記録層の塗布量は、先に述べたように一般
的には、乾燥後の重量にして0.3〜4.0g/m2
範囲である。平版印刷版などの画像形成材料の製造に当
たっては裏面のバックコード層と表面の記録層のどちら
が先に支持体上に塗布されてもよく、また両者が同時に
塗布されてもよい。
【0042】以下に、本発明の画像形成材料の製造方法
について説明する。記録層の塗布方法としては、支持体
上に任意の厚みの均一な塗膜が形成できれば特に制限は
なく、例えば、特公昭58−4589号、特開昭59−
123568号等に記載されているコーティングロッド
を用いる方法や特開平4−244265号等に記載され
ているエクストルージョン型コーターを用いる方法、あ
るいは特公平1−57629号、特願平8−28865
6号等に記載されているスライドビードコーターを用い
る方法等を用いることができる。以下にいくつかの方法
に関し、詳しく説明する。
【0043】図1は本発明において感光性組成物を塗布
する塗布装置の一例を示すもので、図1において、10
6はワイヤーバー又は溝切りバーで、連続的に走行せし
められているウェブ104と同方向に回転せしめられて
いる。107はバー支持部材でバー106の全長にわた
り設けられ、バー106にたわみが生ずるのを防止する
と共にバー106へ塗布液103を供給する給液器とし
ての機能を備えている。すなわち塗布液103はバー支
持部材107に設けられた給液口108より堰部材10
9との間に形成された給液案内溝110内に供給され、
回転するバーによってピックアップされウェブ104に
塗布されるが、この際、ウェブ104とバー106との
接触部において塗布液103の計量がおこなわれて所望
の塗布量のみがウェブ104に塗布され、他は流下して
新たに供給された塗布液103と共に液だまり111が
形成される。従って、定常状態においては、塗布液10
3は液だまり111を介してウェブ104に塗布される
ことになる。このように液だまり111よりウェブ10
4へ塗布液103を塗布すると、驚くべきことに塗膜の
表面性が従来に比し向上することが認められた。しかも
塗布液をウェブに転移、塗布する機能と所望の塗布液量
に計算するという機能とをバー106が併わせ持ってい
るため、装置全体がコンパクトになり、スペースを有効
に利用しうるだけでなく、各種条件の設定や走査も容易
となった。
【0044】この方式において、塗布量はコーティング
バー表面の溝の大きさ、即ちロッドにワイヤーを巻いて
あるワイヤーバーではワイヤーのサイズにより制御する
塗布量の制御範囲ははっきりした制約はないが、3〜1
00cc/m2が通常用いられる。コーティングバーの
径も特に制約はないが3〜20mmが通常用いられる、
コーティングバーの回転はウェブと同方向、逆方向どち
らでもよく、塗布スピードは10〜150m/分の領域
で用いることができる。また、液物性としては、粘度は
剪断速度100 1/sec未満で0.7〜500c
p、剪断速度100〜100,000 1/secにお
いては、0.7〜300cp、より好ましくは25〜5
0dyne/cm、比重は0.8〜1.5の領域で塗布
可能である。
【0045】また別の方法としては、エクストルージョ
ン型注液器より、塗布液を吐出させ、バックアップロー
ラに巻回されて、走行する支持体上に塗布液架橋を形成
させ、塗布液架橋の背部を減圧もしくは前部を加圧して
塗布する方法を用いることができる。この方法ではウェ
ブと注液器先端のクリアランスに依存するが、10〜5
00cc/m2程度の塗布量の液を塗布することができ
る。塗布液の条件として、好ましくは剪断速度100
1/sec未満で、100〜100,000で0.7〜
60cp、0.7〜100cp、表面張力は20〜50
dyne/cm、比重は0.8〜1.2の領域が好まし
い。また、ウェブと注液器のクリアランスは0.1〜
0.5mm程度が通常用いられている。
【0046】次に乾燥方式及び加熱乾燥条件について記
載する。乾燥方式としては、特開平6−63487号に
記載がある乾燥装置内にパスロールを配置し、ロールに
ウェブをラップさせて搬送するアーチ型ドライヤー、ウ
ェブの上下面からノズルによりエアーを供給しウェブを
浮上させながら乾燥する方式、あるいは熱風を用いず、
高温に種々の媒体を用いて加熱し、その副射熱により乾
燥する方式、あるいはロールを種々媒体を用いて加熱し
そのロールとウェブの接触による伝導伝熱により乾燥す
る方式等がある。この加熱(乾燥)工程において、記録
層の塗膜は使用するバインダーポリマーのガラス転移点
をTgとしたとき、Tg−30℃以上、Tg+70℃以
下の温度範囲に加熱されることを要する。この加熱温度
条件は、少なくとも塗膜中の溶媒が蒸発、除去され、塗
膜が硬化を開始する時点まで保持されることが効果の観
点から好ましい。塗布液から溶媒が充分に除去されたか
否かは、常法、例えば、目視による表面状態の観察、乾
燥ゾーンから取り出しての記録層塗膜の触診、乾燥ゾー
ン内の蒸気圧の変化、記録層塗布液を塗布した画像形成
材料の重量変化、等の判定方法により検知することがで
きる。このTg近傍の所定温度以上の温度範囲に所定時
間保持することにより、記録層塗膜内部で、水素結合に
よる会合が十分に形成される。加熱保持時間が短すぎる
とこの会合が十分形成されず、現像ラチチュードの改良
効果が不充分となる。
【0047】記録層の温度はTg−30℃以上、Tg+
70℃以下の温度範囲が好ましく、さらに、Tg≦(加
熱温度)≦Tg+40(℃)の範囲であることが好まし
い。加熱温度がポリマーのTg−30℃未満であると前
記の会合が十分に形成されず、高すぎると記録層塗布液
中に含有される光熱変換剤である染料の分解が生じた
り、ポリマーの皮膜形成性が低下するなどの不都合が生
じやすくなり、いずれも好ましくない。また、バインダ
ーポリマーとして複数の樹脂を用いる場合には、そのT
gとしては、画像形成に最も寄与するバインダーポリマ
ーのTgを基準とする。画像形成に寄与するポリマーを
複数使用するブレンドポリマーの場合には、その添加量
による加重平均をブレンドポリマーのTgとする。
【0048】次に熱風を用いる方式について、具体的に
図面を参照して述べる。図2は本発明に用いられる乾燥
装置の一例を示す概略断面図である。案内ロールRに案
内され連続的に走行する長尺アルミニウムウェブ221
は、塗布部222により溶媒を含有する塗布液を塗布さ
れ第1ステップ乾燥ゾーン23に導入される。第1ステ
ップ乾燥ゾーン223には給気口225及び排気口22
6が設けられている。給気口225から40℃〜130
℃、露点−5〜15℃で供給される熱風は、整流板22
9により整流されて、アルミニウムウェブ221に前記
塗布により形成された塗布皮膜表面に風速0.5〜4m
/sで接触し、該塗布膜を乾燥させ排気口226から排
出される。第1ステップ乾燥ゾーン223の出口付近に
達したアルミニウムウェブ221の該塗布皮膜は、軟膜
状態を呈する。引き続き案内ロールRに案内され連続的
に走行する長尺アルミニウムウェブ221は、第2ステ
ップ乾燥ゾーン224に導入される。第2ステップ乾燥
ゾーン224には給気口227及び排気口228が設け
られている。
【0049】少なくともこの乾燥ゾーンにおいて、記録
層の塗膜は使用する樹脂のガラス転移点(Tg)以上の
温度条件に保持される。ここでポリマーにノボラック樹
脂を用いる場合、そのTgは90〜100℃であるの
で、給気口227から供給される熱風の温度は、記録層
をその温度以上に加熱するため、100〜170℃、露
点5〜20℃の範囲に調整される。この熱風はスリット
型ノズル230より吹き出し風速5〜15m/sで噴出
されアルミニウムウェブ221の塗布皮膜面に激しく接
触する。これにより塗布皮膜の溶媒が蒸発し、塗布皮膜
が硬化する。塗布皮膜と接触した後の気体は排気口22
8から排出される。バッチ式の場合には、この第2ステ
ップ乾燥ゾーン内に配置する時間を調整し、連続式の場
合には、画像形成材料の搬送速度を調整して所定の時
間、記録層が前記した温度範囲に保持されるように調整
すればよい。熱風温度と記録層温度との差は、アルミニ
ウム支持体の搬送速度が増すにつれて、また、支持体の
厚みや幅が大きくなるにつれて大きくなり、一般的な条
件においては、5〜40℃記録層温度が低くなる。スリ
ット型ノズルとしては先端のノズルクリアランスは0.
2〜8mm、ピッチ30〜300mm、ノズル〜ウェブ
間距離5〜200mmの条件で通常用いられる。
【0050】前記のような加熱工程が終了した後、記録
層は常温まで冷却され、画像形成材料の製造が完了する
が、この冷却工程において、加熱温度(通常はポリマー
のTgである100〜150℃程度)から50℃まで降
温する際に急冷を避け、1秒間に0.1℃〜5℃の降温
速度で徐冷することが必要であり、0.5℃/秒〜1.
5℃/秒の降温速度で徐冷することが好ましい。このよ
うに、徐冷を行なうことで、前記加熱工程において記録
層内に形成された水素結合の強い会合を破壊することな
く、塗膜の形成を行なうことができる。降温速度が5℃
/秒を超えるような速い速度で急速に冷却すると加熱工
程で形成された水素結合による会合が破壊され、記録層
の安定性が低下して、オン−オフの明確な画像形成をし
難く、現像ラチチュードの向上効果が不充分となる。降
温速度が低い場合は問題ないが、0.1℃/秒未満であ
ると作業性の点で好ましくない。具体的な降温条件とし
ては、例えば、バッチ塗布法により記録層を形成した場
合、Tgが120℃の記録層を50℃まで冷却するのに
1〜2分間で徐冷することが好ましく、連続塗布による
製造ラインにおいては、前記降温を約2分間かけて行な
うことが好ましい。徐冷の方法としては、特に制限はな
いが、例えば、乾燥ゾーンを出てからの雰囲気温度や搬
送ロールの温度を制御する方法等が挙げられる。通常、
記録層塗布液の塗布後に放冷した場合の降温速度が10
℃/秒〜20℃/秒程度であることを考慮すれば、本発
明の徐冷工程が、容易な温度制御により有効な効果を発
現し得るものであることがわかる。
【0051】次に、本発明の画像形成材料の支持体につ
いて説明する。 −支持体− 前記支持体としては、寸度的に安定な板状物が好まし
く、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートさ
れた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅
等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロー
ス、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸
セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレ
ン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルア
セタール等)、上記のごとき金属がラミネート、もしく
は蒸着された紙、もしくはプラスチックフィルム等が含
まれる。
【0052】前記支持体としては、ポリエステルフィル
ム又はアルミニウム板が好ましく、その中でも寸法安定
性がよく、比較的安価であるアルミニウム板は特に好ま
しい。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板およ
びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金
板であり、更にアルミニウムがラミネートもしくは蒸着
されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合
金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、
マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チ
タンなどがある。合金中の異元素の含有量は高々10重
量%以下である。アルミニウム板としては、純アルミニ
ウムが好ましいが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技
術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するも
のでもよい。このように、アルミニウム板は、その組成
が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材の
アルミニウム板を適宜に利用することができる。前記ア
ルミニウム板の厚みとしては、およそ0.1〜0.6m
m程度が好ましく、0.15〜0.4mmがより好まし
く、0.2〜0.3mmが特に好ましい。
【0053】前記アルミニウム板を粗面化するに先立
ち、所望により、表面の圧延油を除去するための例えば
界面活性剤、有機溶剤またはアルカリ性水溶液などによ
る脱脂処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化
処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的
に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する
方法および化学的に表面を選択溶解させる方法により行
われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研
磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を
用いることができる。また、電気化学的な粗面化法とし
ては塩酸または硝酸電解液中で交流または直流により行
う方法がある。
【0054】この様に粗面化されたアルミニウム板は、
必要に応じてアルカリエッチング処理および中和処理さ
れた後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるた
めに陽極酸化処理が施される。陽極酸化による、陽極酸
化皮膜の量は、1.0g/m 2以上が好ましい。陽極酸
化皮膜の量が、1.0g/m2未満の場合には、耐刷性
が不十分であったり、平版印刷版として用いた場合に
は、非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分
にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる
ことがある。前記陽極酸化処理を施された後、前記アル
ミニウムの表面は、必要に応じて親水化処理が施され
る。
【0055】このような画像形成材料は、像様に加熱或
いは露光された後、現像処理を施され、平版印刷版が製
造される。像様の加熱については、汎用のサーマルヘッ
ドなどを用いることができる。また、像様露光に用いら
れる活性光線の光源としては、近赤外から赤外領域に発
光波長を持つ光源が好ましく、固体レーザ、半導体レー
ザ等の赤外線レーザが特に好ましい。画像形成材料の記
録層において、加熱、又は、露光された領域は、強いエ
ネルギーの付与により、その部分の水素結合が切れ、そ
の状態で冷却されることで、加熱/露光領域のみ、水素
結合による会合が存在しない状態となる。このため、一
般的なアルカリ可溶性樹脂の耐現像性の解除との相乗効
果により、露光部分は高い現像性を示すようになり、未
露光部は強固な水素結合による会合が保持されているた
め、耐現像性が高い。このため、画像部/非画像部のオ
ン−オフがクリアで、現像ラチチュードに優れた画像形
成材料が、加熱、冷却の温度条件を制御するのみで、容
易に得られる。
【0056】なお、この像様露光に際しても、赤外線レ
ーザの出力を調整し、あまり高すぎないエネルギーであ
る程度の時間をかけて露光することで、露光部におい
て、水素結合が切れて液状となった内部構造を保持した
まま、再硬化する条件を選択すれば、上記の現像ラチチ
ュードが一層向上する。具体的には、アウタードラム型
のプレートセッターでは、走査速度0.75〜15.0
m/sの範囲(このとき、1ドットあたりの露光時間は
0.34×10 -5〜6.68×10-7秒の範囲となる)
程度が好適であり、インナードラム型のプレートセッタ
ーでは走査速度75.0〜455.0m/sの範囲(こ
のとき、1ドットあたりの露光時間は1.34×10-7
〜2.23×10-8秒の範囲となる)程度が好適であ
り、これ以上高速、且つ、高出力で露光することは、記
録層の安定性の観点から好ましくない。
【0057】本発明の画像形成材料の現像処理に用いる
現像液又は補充液としては、従来より知られているアル
カリ水溶液が使用できる。例えば、ケイ酸ナトリウム、
同カリウム、第3リン酸ナトリウム、同カリウム、同ア
ンモニウム、第2リン酸ナトリウム、同カリウム、同ア
ンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニ
ウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウ
ム、ほう酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、
水酸化ナトリウム、同アンモニウム、同カリウムおよび
同リチウムなどの無機アルカリ塩が挙げられる。また、
モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミ
ン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルア
ミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミ
ン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパ
ノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピ
リジンなどの有機アルカリ剤が挙げられる。これらのア
ルカリ水溶液は、1種単独で用いてもよいし、2種以上
を併用してもよい。
【0058】これらのアルカリ水溶液の中で、ケイ酸ナ
トリウム、ケイ酸カリウム等のケイ酸塩水溶液が特に好
ましい。その理由としては、ケイ酸塩の成分である酸化
珪素SiO2とアルカリ金属酸化物 M2Oとの比率と濃度によ
って現像性の調節が可能となるためであり、例えば、特
開昭54−62004 号公報、特公昭57−7427号に記載されて
いるようなアルカリ金属ケイ酸塩が好適に挙げられる。
【0059】本発明において現像に用いる現像液および
補充液としては、前記ケイ酸アルカリを用いた所謂、
「シリケート現像液」のほか、非還元糖と、塩基とから
なり、実質上、二酸化ケイ素を含有しない「非シリケー
ト現像液」も適用することができる。なお、ここで「実
質上」とは不可避の不純物及び副生成物としての微量の
二酸化ケイ素の存在を許容することを意味する。
【0060】次に、「非シリケート現像液」について説
明する。この現像液は、前記したように、非還元糖と塩
基とからなるものであり、ここで、非還元糖とは、遊離
性のアルデヒド基やケトン基を持たないために、還元性
を有しない糖類を意味し、還元基同士の結合したトレハ
ロース型少糖類、糖類の還元基と非糖類が結合した配糖
体、糖類に水素添加して還元した糖アルコールに分類さ
れる。本発明においては、これらのいずれも好適に用い
ることができる。
【0061】前記トレハロース型少糖類としては、例え
ば、サッカロースやトレハロースが挙げられ、前記配糖
体としては、例えば、アルキル配糖体、フェノール配糖
体、カラシ油配糖体等が挙げられる。前記糖アルコール
としては、例えば、D,L−アラビット、リビット、キ
シリット、D,L−ソルビット、D,L−アンニット、
D,L−イジット、D,L−タリット、ズリシット、ア
ロズルシット等が挙げられる。さらには、二糖類の水素
添加で得られるマルチトール、オリゴ糖の水素添加で得
られる還元体(還元水あめ)等も好適に挙げることがで
きる。
【0062】上記のうち、非還元糖としては、糖アルコ
ール、サッカロースが好ましく、中でも特に、D−ソル
ビット、サッカロース、還元水あめが、適度なpH領域
に緩衝作用がある点でより好ましい。これらの非還元糖
は、単独でも、二種以上を組合せてもよく、現像液中に
占める割合としては、0.1〜30重量%が好ましく、
1〜20重量%がより好ましい。なお、還元糖は、後述
する塩基と併用すると褐色に変色し、pHも徐々に低下
して現像性が経時により低下するため、本発明では使用
されない。
【0063】前記非還元糖には、塩基としてアルカリ剤
を、従来公知のものの中から適宜選択して組合せること
ができる。前記アルカリ剤としては、例えば、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、リン酸三
ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸三アンモニウ
ム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸二
アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ア
ンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、
炭酸水素アンモニウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリ
ウム、ホウ酸アンモニウム等の無機アルカリ剤、クエン
酸カリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸ナトリウム
等が挙げられる。さらに、モノメチルアミン、ジメチル
アミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチ
ルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミ
ン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルァミン、
n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノー
ルアミン、ジイソブロパノールアミシ、エチレンイミ
ン、エチレンジアミン、ピリジン等の有機アルカリ剤も
好適に挙げることができる。これらの塩基は、単独で用
いても、二種以上を組合わせて用いてもよい。これらの
塩基のなかでも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが
好ましい。その理由は、非還元糖に対する添加量を調整
することにより、広いpH領域においてpH調整が可能
となるためである。また、リン酸三ナトリウム、リン酸
三カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等もそれ自
身に緩衝作用があるので好ましい。
【0064】前記塩基は、アルカリ現像液のpHがアル
カリ性になるように、好ましくはpHが9.0〜13.
8になるように、より好ましくは10.0〜13.2に
なるように添加される。塩基の含有量は所望のpH、併
用される非還元糖の種類、添加量に応じて適宜決定する
ことができる。
【0065】なお、本発明においては非シリケート系ア
ルカリ現像液として、非還元糖と暗記との併用に代え
て、非還元等のアルカリ金属塩を主成分とするものを用
いることもできる。非還元糖のアルカリ金属塩は、非還
元糖とアルカリ金属水酸化物とを混合し、非還元糖の融
点以上に加熱して脱水すること、或いは、非還元糖とア
ルカリ金属水酸化物との混合水溶液を乾燥することによ
り得られる。
【0066】以上のようにして画像形成材料を露光、現
像して平版印刷版を得ることができる。このような平版
印刷版は所望により不感脂化ガムを塗布したのち、印刷
工程に供することができるが、より一層の高耐刷力の平
版印刷版としたい場合にはバーニング処理が施される。
この様な処理によって得られた平版印刷版はオフセット
印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
【0067】
【実施例】以下、本発明を実施例に従って説明するが、
本発明の範囲はこれらの実施例に何ら限定されるもので
はない。 (実施例1) 〔特定の共重合体1の合成〕攪拌機、冷却管及び滴下ロ
ートを備えた500ml三ツ口フラスコにメタクリル酸
31.0g(0.36モル)、クロロギ酸エチル39.
1g(0.36モル)及びアセトニトリル200mlを
入れ、氷水浴で冷却しながら混合物を攪拌した。この混
合物にトリエチルアミン36.4g(0.36モル)を
約1時間かけて滴下ロートにより滴下した。滴下終了
後、氷水浴をとり去り、室温下で30分間混合物を攪拌
した。
【0068】この反応混合物に、p−アミノベンゼンス
ルホンアミド51.7g(0.30モル)を加え、油浴
にて70℃に温めながら混合物を1時間攪拌した。反応
終了後、この混合物を水1リットルにこの水を攪拌しな
がら投入し、30分間得られた混合物を攪拌した。この
混合物をろ過して析出物を取り出し、これを水500m
lでスラリーにした後、このスラリーをろ過し、得られ
た固体を乾燥することによりN−(p−アミノスルホニ
ルフェニル)メタクリルアミドの白色固体が得られた
(収量46.9g)。
【0069】次に攪拌機、冷却管及び滴下ロートを備え
た20ml三ツ口フラスコに、N−(p−アミノスルホ
ニルフェニル)メタクリルアミド4.61g(0.01
92モル)、メタクリル酸エチル2.94g(0.02
58モル)、アクリロニトリル0.80g(0.015
モル)及びN,N−ジメチルアセトアミド20gを入
れ、湯水浴により65℃に加熱しながら混合物を攪拌し
た。この混合物に「V−65」(和光純薬(株)製)
0.15gを加え65℃に保ちながら窒素気流下2時間
混合物を攪拌した。この反応混合物にさらにN−(p−
アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド4.61
g、メタクリル酸エチル2.94g、アクリロニトリル
0.80g、N,N−ジメチルアセトアミド及び「V−
65」0.15gの混合物を2時間かけて滴下ロートに
より滴下した。滴下終了後さらに65℃で2時間得られ
た混合物を攪拌した。反応終了後メタノール40gを混
合物に加え、冷却し、得られた混合物を水2リットルに
この水を攪拌しながら投入し、30分混合物を攪拌した
後、析出物をろ過により取り出し、乾燥することにより
15gの白色固体を得た。ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィーによりこの特定の共重合体1の重量平均分
子量(ポリスチレン標準)を測定したところ53,00
0であった。
【0070】〔基板の作製〕厚み0.3mmのアルミニ
ウム板(材質1050)をトリクロロエチレンで洗浄し
て脱脂した後、ナイロンブラシと400メッシュのパミ
ス−水懸濁液を用いこの表面を砂目立てし、水でよく洗
浄した。この板を45℃の25%水酸化ナトリウム水溶
液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、さらに
20%硝酸に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目
立て表面のエッチング量は約3g/m 2であった。次に
この板を7%硫酸を電解液として電流密度15A/dm
2で3g/m2の直流陽極酸化被膜を設けた後、水洗し、
乾燥し、さらに、珪酸ナトリウム2.5重量%水溶液で
30℃で10秒処理し、下記下塗り液を塗布し、塗膜を
80℃で15秒間乾燥し基板を得た。乾燥後の塗膜の被
覆量は15mg/m2であった。
【0071】 〔下塗り液1〕 ・分子量2.8万の下記共重合体 0.3g ・メタノール 100g ・水 1g
【0072】
【化2】
【0073】以下の記録層塗布液1を調整した。 〔感光液1〕 ・特定の共重合体1 0.75g ・m,p−クレゾールノボラック(m,p比=6/4、重量平均分 子量3,500、未反応クレゾール0.5重量%含有) 0.25g ・p−トルエンスルホン酸 0.003g ・テトラヒドロ無水フタル酸 0.03g ・シアニン染料A(下記構造) 0.017g ・ビクトリアピュアブルーBOHの対イオンを1−ナフタレ ンスルホン酸アニオンにした染料 0.015g ・3−メトキシ−4−ジアゾジフェニルアミンヘキサフルオロリン酸塩 0.02g ・フッ素系界面活性剤 0.05g (メガファックF−177、大日本インキ化学工業(株)製) ・γ−ブチルラクトン 10g ・メチルエチルケトン 10g ・1−メトキシ−2−プロパノール 8g
【0074】
【化3】
【0075】上記記録層塗布液1において用いられた特
定の共重合体1及びm,p−クレゾールノボラックのT
gはそれぞれ160℃及び90℃であり、これらの加重
平均より、このブレンドポリマーのTgは142.5℃
に相当する。得られた基板に、この記録層塗布液1を塗
布量が1.3g/m2になるように図1に示す如きバー
コーターで塗布し、その後、125℃に加熱し、溶媒を
除去するまで、1分間その温度に保持した。その後、7
5秒間で温度を50℃まで降温した。(降温速度1.0
℃/秒)このようにして、画像形成材料1を得た。
【0076】前記で得られた画像形成材料1(650m
m×550mm×0.3mm厚)を波長840nmの半
導体レーザを用いて露光した。露光後、富士写真フイル
ム(株)製現像液DP−4、リンス液FR−3(1:
7)を仕込んだ自動現像機(「PSプロセッサー900
VR」,富士写真フイルム(株)製)を用いて現像し
た。現像液DP−4は、1:6で希釈したものと1:1
2で希釈したものの二水準を用意した。
【0077】上記DP−4の1:6で希釈した現像液に
て得られた平版印刷版は、画像部/非画像部のオン−オ
フが明確で、画像再現性が高いものであった。また、こ
の平版印刷版を用いたところ、優れた画質の印刷物が得
られた。製版後の平版印刷版の非画像部の線幅を測定
し、その線幅に相当するレーザーの照射エネルギーを求
め、感度の指標(mJ/cm2)とした。この測定値
(mJ/cm2)が小さいほど、平版印刷版の感度が高
いことを示す。
【0078】次に、標準である1:6で希釈した現像液
DP−4と、より希薄な1:12で希釈した現像液DP
−4にて得られた非画像部の線幅を測定し、その線幅に
相当するレーザーの照射エネルギーを求め、両者の感度
の差を現像ラチチュードの指標とした。その差が小さい
ほど現像ラチチュードが良好であり、本実施例の場合の
差は20mJ/cm2であり、実用可能なレベルといえ
る。
【0079】(実施例2)実施例1で使用した記録層塗
布液1(〔感光液1〕)において、特定の共重合体1を
使用せず、m,p−クレゾールノボラック(m,p比=
6/4、重量平均分 子量3,500、未反応クレゾー
ル0.5重量%含有)の配合量を1.0gとし、加熱温
度を120℃、保持時間を1分間、降温を50℃となる
まで55秒間で行った(降温速度1.27℃/秒)他
は、実施例1と同様にして画像形成材料2を作成し、実
施例1と同様に評価した。結果を下記表1に示す。
【0080】(実施例3)実施例2において、記録層塗
布液の塗布後に、100℃に加熱し、溶媒を除去するま
で、1分間その温度に保持した。その後、1分間で温度
を50℃まで降温した(降温速度0.83℃/秒)他
は、実施例2と同様にして画像形成材料3を作成し、実
施例1と同様に評価した。結果を下記表1に示す。
【0081】(実施例4)実施例2において、記録層塗
布液の塗布後に、95℃に加熱し、溶媒を除去するま
で、1分間その温度に保持した。その後、4分間で温度
を50℃まで降温した(降温速度0.19℃/秒)他
は、実施例2と同様にして画像形成材料4を作成し、実
施例1と同様に評価した。結果を下記表1に示す。
【0082】(実施例5)記録層を塗布し、乾燥時に9
5℃に加熱して1分間保持し、その後、記録層の温度を
Tg(95℃)から50℃まで、10秒で冷却した(降
温速度4.5℃/秒)ほかは、実施例2と同様にして画
像形成材料5を作成し、実施例1と同様に評価した。結
果を下記表1に示す。
【0083】(比較例1)記録層の塗布、乾燥時に、加
熱処理を行なわなかったほかは、実施例1と同様にして
画像形成材料6を得た。 (比較例2)記録層の塗布、乾燥時に、記録層の加熱温
度を50℃、保持時間を10分間としたほかは、実施例
2と同様にして画像形成材料7を得た。 (比較例3)記録層の塗布、乾燥時に、記録層の温度を
125℃から50℃まで、5秒で冷却した(降温速度1
5℃/秒)ほかは、実施例2と同様にして画像形成材料
8を得た。前記画像形成材料6乃至8についても、実施
例1と同様にして、露光、現像処理を行ない、同様の評
価を行なった。結果を表1に示す。
【0084】
【表1】
【0085】表1に明らかなように、本発明の画像形成
材料は、画像再現性に優れ、現像ラチチュードが広く、
実用上問題のないレベルであることがわかった。また、
降温速度が1.5℃/秒以下のものが特に感度、現像ラ
チチュードともに優れていた。一方、加熱処理を行なわ
なかった比較例1、乾燥温度が低温であった比較例2、
記録層の塗布後に急速な冷却処理を行なった比較例3と
もに、現像ラチチュードに劣っていた。
【0086】
【発明の効果】本発明の画像形成材料は、熱又は赤外線
レーザによる記録が可能であり、現像ラチチュードが良
好であるという優れた効果を奏した。また、本発明の画
像形成材料の製造方法によれば、前記優れた特性を有す
る画像形成材料を所定の温度制御により容易に製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に適用可能な、記録層塗布用のバーコ
ーターの一態様を示す概略断面図である。
【図2】 本発明に適用可能な、記録層塗布後の乾燥に
用い得る乾燥装置の一態様を示す概略断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA00 AA04 AB03 AC00 AC08 AD03 BE00 BE07 BE10 BG00 CB29 CB41 CB43 CB45 CB60 CC12 CC13 EA10 FA01 2H096 AA07 BA11 CA20 DA10 EA04 EA23 GA08 JA02 2H111 HA14 HA23 HA35

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、水素結合性の官能基を有す
    るバインダーポリマー又はその前駆体を含有する記録層
    塗布液を塗布した後、該バインダーポリマーのガラス転
    移点をTgとしたとき、Tg−30℃以上、Tg+70
    ℃以下の温度範囲に加熱し、その後、記録層の温度が5
    0℃になるまで、降温速度0.1℃/秒〜5℃/秒で徐
    冷して得られることを特徴とする画像形成材料。
  2. 【請求項2】 記録層塗布液に光熱変換剤を含有し、赤
    外線露光により記録可能であることを特徴とする請求項
    1に記載の画像形成材料。
  3. 【請求項3】 支持体上に、水素結合性の官能基を有す
    るバインダーポリマー又はその前駆体を含有する記録層
    塗布液を塗布した後、該バインダーポリマーのガラス転
    移点をTgとしたとき、Tg−30℃以上、Tg+70
    ℃以下の温度範囲に加熱する加熱工程と、その後、記録
    層の温度が50℃になるまで、降温速度0.1℃/秒〜
    5℃/秒で徐冷する徐冷工程とを有することを特徴とす
    る画像形成材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記加熱工程において、Tg−30℃以
    上、Tg+70℃以下の温度範囲での加熱が、記録層塗
    布液の溶媒が除去されるまで継続されることを特徴とす
    る請求項3に記載の画像形成材料の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007101976A (ja) * 2005-10-06 2007-04-19 Fujifilm Corp 平版印刷版の製造方法
WO2019058882A1 (ja) * 2017-09-19 2019-03-28 富士フイルム株式会社 パターン形成用組成物、膜、赤外線カットフィルタ、赤外線透過フィルタ、固体撮像素子、赤外線センサ、及び、カメラモジュール

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