JP2001262208A - 高炉操業方法 - Google Patents

高炉操業方法

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JP2001262208A
JP2001262208A JP2000076851A JP2000076851A JP2001262208A JP 2001262208 A JP2001262208 A JP 2001262208A JP 2000076851 A JP2000076851 A JP 2000076851A JP 2000076851 A JP2000076851 A JP 2000076851A JP 2001262208 A JP2001262208 A JP 2001262208A
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furnace
blast furnace
blast
blow
gas energy
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JP2000076851A
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Yasuhiro Saiki
康寛 才木
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期に亘って吹抜けを起こさずに高炉を操業
すること。 【解決手段】 高炉炉口部における吹抜け限界炉口ガス
エネルギーE0 を予め求めておくか、或いは、炉口径、
炉容積、炉頂圧力により予め算出するかしておき、炉頂
ガス流量、炉頂温度、炉頂圧力を用いて算出した高炉炉
口部における炉内ガスエネルギーEが、前記予め求めて
おいた、或いは、予め算出しておいた高炉炉口部におけ
る吹抜け限界炉口ガスエネルギーE0 よりも小さくなる
ように、高炉のコークス比、微粉炭比、送風条件、炉頂
圧力の少なくともいずれか一つを調整して操業する。 【効果】 操業条件を変化させない時は勿論のこと、操
業条件を大きく変化させた場合でも、高炉炉頂部におけ
る装入物やガス流れを安定させることができ、長期的に
吹き抜けを起こさずに高炉を操業することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高炉炉口部での吹
抜けを防止して安定操業を達成するための高炉操業方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高炉の炉命延長による炉体老朽
化、及び、高微粉炭吹込み操業による高炉内通気性の悪
化等により、安定操業を長期に継続することが困難にな
ってきている。特に、吹抜けが生じた場合には、炉冷等
の炉況不調に陥る危険性があり、吹抜けを起こさずに長
期に安定操業を継続することは、製鉄所の生産性及び経
済性の面より非常に重要な事項である。
【0003】吹抜けを防止する方法として、特公昭59
−10407号では、圧力損失レベルを測定計算して、
この圧力損失レベルが常に危険圧力損失レベル以下にあ
るように、送風量等を制御する通気制御方法が開示され
ている。また、特開平9−78111号では、装入物の
粒度分布と密度分布や、炉内ガスの流速分布を測定し
て、炉内装入物の流動化を防止するために、装入物の粒
度分布や熱風量等を調整する吹抜け防止方法が開示され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
59−10407号や特開平9−78111号に開示さ
れた方法は、吹抜けが起こる直前にその兆候を検知し、
送風量等を調整(通常は大幅に送風量を低下させる)し
て吹き抜けを防止するものであり、長期に亘って安定操
業を図るというよりも、緊急避難的な吹抜け防止方法で
ある。さらに、通常操業中に送風量を大幅に変更するこ
とは、高炉の炉況変動につながるものであり、長期に亘
って安定操業を行うのには好ましいものではない。
【0005】本発明は、上記した問題点に鑑みてなされ
たものであり、炉口部の炉内ガスエネルギーEを、炉頂
ガス流量、炉頂温度、炉頂圧力より算出し、予め求めて
おいた、或いは、炉口径、炉容積、炉頂圧力により算出
した吹抜け限界ガスエネルギーE0 と比較して、その値
未満となるように高炉のコークス比、微粉炭比、送風条
件、炉頂圧力の少なくともいずれか一つを調整して、長
期に亘って吹抜けを起こさずに高炉を操業することがで
きる方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明の高炉操業方法は、高炉炉口部における
吹抜け限界炉口ガスエネルギーE0 を予め求めておく
か、或いは、炉口径、炉容積、炉頂圧力により予め算出
するかしておき、炉頂ガス流量、炉頂温度、炉頂圧力を
用いて算出した高炉炉口部における炉内ガスエネルギー
Eが、前記予め求めておいた、或いは、予め算出してお
いた高炉炉口部における吹抜け限界炉口ガスエネルギー
0 よりも小さくなるように、高炉のコークス比、微粉
炭比、送風条件、炉頂圧力の少なくともいずれか一つを
調整して操業するのである。そして、このようにするこ
とで、高炉炉口部における装入物やガス流れを安定させ
ることができることになる。
【0007】
【発明の実施の形態】高炉操業において、上部からの原
料荷重による力F1 と、ガスによる下方からの押上げ力
2 を比較し、下方からの押上げ力F2 が原料荷重によ
る力F1 よりも小さければ、装入物は下方に向かって移
動し、操業は正常に行われる。そして、両者が等しくな
ったとき、装入物は移動を止め、反対に下方からの押上
げ力F 2 が原料荷重による力F1 よりも大きくなった場
合、吹抜け(炉内の装入物がガスに運ばれて上方に移動
すること)を起こし、操業不能にいたる。
【0008】従って、吹抜けは、操業中に高炉炉口部に
おける炉内ガスエネルギー(以下、「炉口ガスエネルギ
ー」という)Eと、吹抜け限界炉口ガスエネルギーE0
を管理することで、事前にその兆候を予測できることに
なる。
【0009】本発明の高炉操業方法は、上記した知見に
基づいてなされたものであり、高炉炉口部における吹抜
け限界炉口ガスエネルギーE0 を予め求めておくか、或
いは、炉口径、炉容積、炉頂圧力により予め算出するか
しておき、炉頂ガス流量、炉頂温度、炉頂圧力を用いて
算出した高炉炉口部における炉内ガスエネルギーEが、
前記予め求めておいた、或いは、予め算出しておいた高
炉炉口部における吹抜け限界炉口ガスエネルギーE0
りも小さくなるように、高炉のコークス比、微粉炭比、
送風条件、炉頂圧力の少なくともいずれか一つを調整し
て操業するものである。
【0010】上記した本発明の高炉操業方法において、
高炉炉口部における吹抜け限界炉口ガスエネルギーE0
を予め求めておく場合には、少なくとも1点、望ましく
は多数のデータ中の最低値を採用することは言うまでも
ない。
【0011】また、上記した本発明の高炉操業方法にお
いて、高炉炉口部における吹抜け限界炉口ガスエネルギ
ーE0 算出する場合には、下記の数式1により算出する
ことができる。この下記数式1によって算出した吹抜け
限界炉口ガスエネルギーE0と炉頂圧力の関係の一例を
図5(a)に、また、吹抜け限界炉口ガスエネルギーE
0 と炉口径の関係の一例を図5(b)に、また、吹抜け
限界炉口ガスエネルギーE0 と炉容積の関係の一例を図
5(c)に示す。
【0012】
【数1】E0 =−0.00053×V+0.00055
5×D−0.0275×P 但し、V:炉容積(m3 ) D:炉口径(mm) P:炉頂圧力(MPa)
【0013】また、上記した本発明の高炉操業方法にお
いて、高炉炉口部における炉内ガスエネルギーEは下記
の数式2により算出することができる。
【0014】
【数2】E=ρ0 (V0 /S)2 ×T/T0 ×P0 /P 但し、ρ0 :標準状態でのガス密度(kg/Nm3 ) V0 :標準状態での炉頂ガス流量(Nm3 /s) T:炉頂温度(K) T0 :標準状態温度(K)(=273) P0 :標準状態圧力(MPa)(=0.101) S:炉口部面積(m2
【0015】上記した本発明の高炉操業方法において、
操業諸元より予め炉口ガスエネルギーEを予測する方法
について説明する。炉口ガスエネルギーEを算出するの
に必要な炉頂ガス流量、炉頂ガス温度、炉頂圧力は、例
えば次の方法によって求めることができる。
【0016】高炉を垂直方向に例えば5分割し、それぞ
れ上方から予熱帯、ガス還元帯、ソリューションロス
帯、融着帯、滴下帯とする。そして、これらのうち、予
熱帯では装入物中の水分の蒸発や石灰石の熱分解反応
が、ガス還元帯では酸化鉄の還元反応が、ソリューショ
ンロス帯ではソリューションロス反応が、融着帯では鉱
石や焼結鉱の溶解反応が、滴下帯では浸炭、Si,M
n,Pの還元反応が起こるものとする。
【0017】このように、各段での反応を限定し、各段
での固体温度を前提条件として与えることにより、上段
における固体流量と反応による固体流量の変化量を加算
したものが、固体流量であり、下段におけるガス流量と
反応によるガス流量の変化量を加算したものが、ガス流
量である、という質量バランス式より、総括反応量と、
各段におけるガス流量と、固体流量を求めることができ
る。
【0018】また、下段におけるガス温度とガス比熱と
ガス流量を乗算したものと、固体温度と固体比熱と固体
流量を乗算したものと、総括反応量と反応熱を乗算した
ものの3つを加算したものの入熱が、ガス温度とガス比
熱とガス流量を乗算したものと、下段における固体温度
と固体比熱と固体流量を乗算したものと、炉体熱放散の
3つを加算したものの出熱と等しい、という熱バランス
式より各段でのガス温度を求めることができる。
【0019】そして、上記した質量バランス式によって
求めた各段でのガス流量と、熱バランス式により求めた
各段でのガス温度のうちの、予熱帯でのガス温度、ガス
流量を、炉頂ガス温度、炉頂ガス流量とする。また、炉
頂圧力は設備能力や操業条件等により任意の圧力に設定
する。
【0020】このようにして求めた炉頂ガス温度、炉頂
ガス流量、炉頂圧力を用いて、上記した数式2により炉
口ガスエネルギーEを算出し、この算出した炉口ガスエ
ネルギーEが、予め求めておいたり、予め算出しておい
たりした吹抜け限界炉口ガスエネルギーE0 よりも小さ
くなるように、コークス比、微粉炭比、送風条件すなわ
ち熱風量や酸素吹込み量、及び炉頂圧力を調整するので
あるが、熱風量や酸素吹込み量を増加させると、ガス流
量は増加することになり、その結果、炉頂ガス温度は上
昇し、炉頂ガス流量は増加する。そして、最終的に炉口
ガスエネルギーEが上昇することになる。
【0021】また、微粉炭は滴下帯にて全量燃焼すると
仮定すると、微粉炭比を増加させると、熱風量、酸素吹
込み量を増加させた場合と同様に、炉口ガスエネルギー
Eは上昇することになる。
【0022】また、コークス比を増加させると、固体流
量が増加し、炉頂ガス温度を低下させる。また、コーク
ス比の増加は、微粉炭比の減少につながる。その結果、
コークス比を増加させると、炉口ガスエネルギーEは低
下することになる。
【0023】以上より、炉口ガスエネルギーEを低下さ
せる方法としては、次の3つの制御手段があることが判
る。その一つは、高炉内ガス流量を低下させることであ
る。例えば、高炉羽口から吹込む熱風量と酸素量におい
て酸素富化率を上昇させ、高炉に吹込むガス量を低下さ
せる方法である。熱風中の窒素は反応に寄与しないた
め、酸素富化率を上昇させることで、出銑量を下げるこ
となく炉内のガス量を低下させ、炉口ガスエネルギーE
を低下させることができる。
【0024】二つ目は、炉頂温度を低下させることであ
る。例えば出銑量当りの微粉炭使用量(以下、「微粉炭
比」という)を低下させ、コークス使用量(以下、「コ
ークス比」という)を上げることである。コークス比を
上げることで、出銑量当りの炉上部からの装入物量を増
加させ、熱流比(装入物の熱量/炉内ガスの熱量)を上
昇させて、炉頂温度を低下させることができる。その結
果、炉口ガスエネルギーEを低下させることができる。
【0025】三つ目は、炉頂圧力を上昇させることであ
る。炉頂圧力を上昇させることで、炉頂ガス流量を低下
させることができ、その結果、炉口ガスエネルギーEを
低下させることができる。
【0026】ところで、例えば高炉の炉口径により、吹
抜け限界炉口ガスエネルギーE0 の値は異なる。また、
同一炉口径の高炉においても、高炉操業中に炉口部損
傷、例えば炉口部の耐火物が脱落すれば、炉口部でのガ
ス流れが不均一となって、吹抜け限界炉口ガスエネルギ
ーE0 の値は変化する。従って、炉口部の形状が変化し
た時には、吹抜け限界炉口ガスエネルギーE0 を再度求
めることが必要になる。
【0027】この場合、炉口プロフィールの変化を知る
指標として、例えば炉口耐火物温度がある。従って、上
記した本発明の高炉操業方法においては、高炉炉口炉壁
部の温度変化△Tより炉口部耐火物の損傷程度を算出
し、損傷程度に応じて前記吹抜け限界炉口ガスエネルギ
ーE0 の値を修正することが望ましい。
【0028】この場合、例えば耐火物温度が△T(K)
上昇した場合、炉口耐火物が脱落したものと判断するの
である。炉口耐火物の脱落により、炉内に空間が生じ、
吹抜けしやすい状態になった場合、吹抜け限界炉口ガス
エネルギーE0 の値は減少する。従って、炉口耐火物が
脱落し、吹抜け限界炉口ガスエネルギーE0 が低下し
て、炉口ガスエネルギーEよりも小さくなった状態の操
業を継続すると吹抜けが発生することになる。
【0029】このような本発明の高炉操業方法におい
て、高炉炉口炉壁部の損傷時における限界の吹抜け限界
炉口ガスエネルギーE0 ’は下記の数式3により算出す
ることができる。
【0030】
【数3】 但し、E0 :高炉炉口部における健全時の吹抜け限界炉
口ガスエネルギー(kg/m/s2 ) L:高炉炉口部における健全時の炉壁部長さ(mm) △L:高炉炉口部における炉壁部欠損長さ(mm) △T:高炉炉口部における炉壁部温度変化(K) △T0 :高炉炉口部における炉壁部欠損時の炉内ガス温
度と高炉炉口部における炉壁部温度の差(K)
【0031】
【実施例】以下、本発明の高炉操業方法の効果を確認す
るために行った実験結果について説明する。 (実施例1)内容積が2700m3 、出銑比が2.0t
on/m3 /日、炉頂圧力が0.172MPaの高炉に
おいて、炉口ガスエネルギーEと吹き抜けの関係を調査
した結果、炉口部が健全な期間では、図1に示すよう
に、炉口ガスエネルギーEが高い時に吹抜けが発生して
いる。この高炉は、炉口径が8600mmであったこと
から、上記した数式1より、吹抜け限界炉口ガスエネル
ギーE0 は2.85kg/m/秒2 となる。
【0032】また、炉口部が損傷した場合(△T=10
0K)には、高炉炉口部における炉壁部欠損時の炉内ガ
ス温度と高炉炉口部における炉壁部温度の差は11.8
Kであったことから、上記した数式3より、炉口部温度
上昇時の吹抜け限界炉口ガスエネルギーE0 ’は2.5
5kg/m/秒2 となる。
【0033】(実施例2)図2(a)に本発明の高炉操
業方法を実施する前の操業経緯を示す。内容積が270
0m3 、出銑比が2.0ton/m3 /日の高炉におい
て、熱風量が3900Nm3 /分、酸素吹込み量が64
00Nm3 /時間で操業していたところ、1日当たり1
00トンの増産要請があり、熱風量を100Nm3 /分
だけ増量して操業を行ったところ、吹き抜けが頻発し
た。後に操業解析を行ったところ、炉口ガスエネルギー
Eが吹抜け限界炉口ガスエネルギーE0 (=2.85k
g/m/秒2 )よりも大きくなっていた。
【0034】これに対して、内容積が2700m3 、出
銑比が2.0ton/m3 /日の高炉において、熱風量
が3850Nm3 /分、酸素吹込み量が6600Nm3
/時間、計算炉口ガスエネルギーが2.71kg/m/
2 での操業中に、1日当たり100トンの増産要請が
あり、熱風量を50Nm3 /分、酸素吹込み量を600
Nm3 /時間だけ増量して操業を設計したところ、前述
のモデル計算では計算炉口ガスエネルギーは2.84k
g/m/秒2 となった。
【0035】従って、炉口ガスエネルギーは吹抜け限界
炉口ガスエネルギーE0 よりも小さい値を維持できると
判断し、熱風量を50Nm3 /分、酸素吹込み量を60
0Nm3 /時間だけ増量して操業を行い、以後は実績炉
口ガスエネルギーEをトレースして行ったところ、燃料
比の上昇に伴う炉頂ガス温度の上昇により、炉口ガスエ
ネルギーEは2.84kg/m/秒2 となった。この
時、吹抜け発生の可能性が大きいと判断し、熱風量を5
0Nm3 /分だけ減量して3850Nm3 /分に、一
方、酸素吹込み量は400Nm3 /時間だけ増量して7
600Nm3 /時間で操業を設計したところ、計算炉口
ガスエネルギーは2.73kg/m/秒2 となったの
で、以後はこの条件で操業を行ったところ、吹抜けは発
生しなかった。この経緯を図2(b)に示す。
【0036】(実施例3)図3(a)は本発明の高炉操
業方法を実施する前の操業経緯の他の例を示すものであ
る。内容積が2700m3 、出銑比が2.0ton/m
3 /日の高炉において、熱風量が3900Nm3 /分、
酸素吹込み量が6400Nm3 /時間で操業していたと
ころ、吹抜けが連続発生した。その時、炉口耐火物の温
度は300℃から410℃まで上昇していた。その後の
休風で炉口部分を目視で確認したところ、炉口耐火物の
損傷や脱落があった。後に操業解析を行ったところ、炉
口ガスエネルギーEが炉口損傷時の吹抜け限界炉口ガス
エネルギーE0 (=2.55kg/m/秒2 )よりも大
きくなっていた。
【0037】これに対して、内容積が2700m3 、出
銑比が2.0ton/m3 /日の高炉において、熱風量
が3850Nm3 /分、酸素吹込み量が6600Nm3
/時間、計算炉口ガスエネルギーが2.71kg/m/
2 で操業していたところ、炉口耐火物の温度が300
℃から410℃まで上昇したため、炉口耐火物の損傷、
脱落があったと判断した。従って、炉口損傷時における
吹抜け限界炉口ガスエネルギーE0 (=2.55kg/
m/秒2 )よりも計算炉口ガスエネルギーが小さくなる
関係を維持できるよう、熱風量が3700Nm3 /分、
酸素吹込み量が8500Nm3 /時間、計算炉口ガスエ
ネルギーが2.51kg/m/秒2 で操業したところ、
吹抜けは発生しなかった。この経緯を図3(b)に示
す。
【0038】(実施例4)図4(a)は本発明の高炉操
業方法を実施する前の操業経緯のさらに他の例を示すも
のである。内容積が2700m3 、出銑比が2.0to
n/m3 /日の高炉において、コークス比が326kg
/ton・pig、微粉炭比が180kg/ton・p
igで操業していた。コークス比を314kg/ton
・pig、微粉炭比を195kg/ton・pigに諸
元変更して操業を行ったところ、吹抜けが頻発した。後
に操業解析を行ったところ、炉口ガスエネルギーEが吹
抜け限界炉口ガスエネルギーE0 (=2.85kg/m
/秒2 )よりも大きくなっていた。
【0039】これに対して、内容積が2700m3 、出
銑比が2.0ton/m3 /日の高炉において、コーク
ス比が326kg/ton・pig、微粉炭比が180
kg/ton・pig、計算炉口ガスエネルギーが2.
73kg/m/秒2 で操業していた。その後、コークス
比を318kg/ton・pig、微粉炭比を190k
g/ton・pigに諸元変更して操業を行うべく操業
設計を行ったところ、前述のモデル計算では、計算炉口
ガスエネルギーは2.83kg/m/秒2 となった。従
って、吹抜け限界炉口ガスエネルギーE0 (=2.85
kg/m/秒2)よりも計算炉口ガスエネルギーが小さ
くなる関係を維持できると判断し、コークス比が318
kg/ton・pig、微粉炭比が190kg/ton
・pigで操業を行い、以後は実績炉口ガスエネルギー
Eをトレースして行った。その結果、炉頂ガス温度の上
昇により、炉口ガスエネルギーEは2.85kg/m/
2 となった。この時、吹抜け発生の可能性が大きいと
判断し、コークス比を321kg/ton・pig、微
粉炭比を185kg/ton・pigで操業設計したと
ころ、計算炉口ガスエネルギーは2.78kg/m/秒
2 となったので、以後はこの条件で操業を行ったとこ
ろ、吹抜けは発生しなかった。この経緯を図4(b)に
示す。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の高炉操業
方法によれば、操業条件を変化させない時は勿論のこ
と、操業条件を大きく変化させた場合でも、高炉炉頂部
における装入物やガス流れを安定させることができる。
従って、本発明の高炉操業方法によれば、長期的に吹き
抜けを起こさずに高炉を操業することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の操業事例(ガスエネルギーと吹抜け頻
度の関係)を示す図である。
【図2】増産時における高炉の操業経緯を示す図で、
(a)は本発明方法を実施しない場合、(b)は本発明
方法を実施した場合を示す図である。
【図3】炉口損傷時における高炉の操業経緯を示す図
で、(a)は本発明方法を実施しない場合、(b)は本
発明方法を実施した場合を示す図である。
【図4】コークス比を低減させて微粉炭比を増加させる
場合における高炉の操業経緯を示す図で、(a)は本発
明方法を実施しない場合、(b)は本発明方法を実施し
た場合を示す図である。
【図5】(a)は数式1によって算出した吹抜け限界炉
口ガスエネルギーE0 と炉頂圧力の関係の一例を示した
図、(b)は同じく吹抜け限界炉口ガスエネルギーE0
と炉口径の関係の一例を示した図、(c)は同じく吹抜
け限界炉口ガスエネルギーE0 と炉容積の関係の一例を
示した図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高炉炉口部における吹抜け限界炉口ガス
    エネルギーE0 を予め求めておくか、或いは、炉口径、
    炉容積、炉頂圧力により予め算出するかしておき、炉頂
    ガス流量、炉頂温度、炉頂圧力を用いて算出した高炉炉
    口部における炉内ガスエネルギーEが、前記予め求めて
    おいた、或いは、予め算出しておいた高炉炉口部におけ
    る吹抜け限界炉口ガスエネルギーE0 よりも小さくなる
    ように、高炉のコークス比、微粉炭比、送風条件、炉頂
    圧力の少なくともいずれか一つを調整して操業すること
    を特徴とする高炉操業方法。
  2. 【請求項2】 高炉炉口部における吹抜け限界炉口ガス
    エネルギーE0 を算出する場合、下記式により算出する
    ことを特徴とする請求項1記載の高炉操業方法。 E0 =−0.00053×V+0.000555×D−
    0.0275×P 但し、V:炉容積(m3 ) D:炉口径(mm) P:炉頂圧力(MPa)
  3. 【請求項3】 高炉炉口部における炉内ガスエネルギー
    Eを下記式により算出することを特徴とする請求項1又
    は2記載の高炉操業方法。 E=ρ0 (V0 /S)2 ×T/T0 ×P0 /P 但し、ρ0 :標準状態でのガス密度(kg/Nm3 ) V0 :標準状態での炉頂ガス流量(Nm3 /s) T:炉頂温度(K) T0 :標準状態温度(K)(=273) P0 :標準状態圧力(MPa)(=0.101) S:炉口部面積(m2
  4. 【請求項4】 高炉炉口炉壁部の温度変化△Tより炉口
    部耐火物の損傷程度を推定し、推定した損傷程度に応じ
    て前記吹抜け限界炉口ガスエネルギーE0 の値を修正す
    ることを特徴とする請求項1〜3の何れか記載の高炉操
    業方法。
  5. 【請求項5】 高炉炉口炉壁部の損傷時における限界の
    吹抜け限界炉口ガスエネルギーE0 ’を下記式により算
    出することを特徴とする請求項4記載の高炉操業方法。 但し、E0 :高炉炉口部における健全時の吹抜け限界炉
    口ガスエネルギー(kg/m/s2 ) L:高炉炉口部における健全時の炉壁部長さ(mm) △L:高炉炉口部における炉壁部欠損長さ(mm) △T:高炉炉口部における炉壁部温度変化(K) △T0 :高炉炉口部における炉壁部欠損時の炉内ガス温
    度と高炉炉口部における炉壁部温度の差(K)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101455853B1 (ko) 2007-06-26 2014-10-29 티센크루프 에이티.프로테크 게엠베하 고로 및 해당 고로의 작동 방법
WO2015128079A1 (de) * 2014-02-25 2015-09-03 Linde Aktiengesellschaft Verfahren zum betreiben einer schachtofenanlage und schachtofenanlage

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