JP2001261878A - 複合発泡体の製造方法 - Google Patents

複合発泡体の製造方法

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JP2001261878A
JP2001261878A JP2000074472A JP2000074472A JP2001261878A JP 2001261878 A JP2001261878 A JP 2001261878A JP 2000074472 A JP2000074472 A JP 2000074472A JP 2000074472 A JP2000074472 A JP 2000074472A JP 2001261878 A JP2001261878 A JP 2001261878A
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foamable
urethane foam
foam
polystyrene beads
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JP2000074472A
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English (en)
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Masafumi Sakaguchi
雅史 坂口
Toshio Miyagawa
登志夫 宮川
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水を発泡剤として使用する水発泡性硬質
ウレタンフォーム組成物に発泡性ポリスチレンビーズを
混合して発泡させた場合でも、発泡後の収縮を十分に抑
制し、かつ、十分に低い密度の複合発泡体を製造する方
法を提供する。 【解決手段】 イソシアネートとポリオールを含有し、
発泡剤である水の含有量が1.5〜3.5wt%の水発
泡性硬質ウレタンフォーム組成物であり、これを反応さ
せた場合に得られる発泡体の密度が25kg/m3以下
であるところの水発泡性硬質ウレタンフォーム組成物を
用い、この水発泡性硬質ウレタンフォーム組成物100
重量部に対し、50倍以上に発泡し得る発泡性ポリスチ
レンビーズを75〜150重量部混合して、発泡させる
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水発泡性硬質ウレタン
フォーム組成物と発泡性ポリスチレンビーズからなる複
合発泡体の製造方法に関する。本方法により得られる発
泡体は水発泡性でありながら、低密度でも硬化後の収縮
が小さく、シール材、止水剤、緩衝材などに利用できる
ほか、熱伝導率が低く特に断熱材などに好適である。
【0002】
【従来の技術】今日ウレタンフォームは、配合組成から
フォームの性状を軟質、半硬質、硬質と幅広く容易に調
整し得るほか、原料となるウレタン原液が液状であるこ
とからスラブ発泡、モールド発泡、注入発泡、スプレー
発泡、連続ラミネートなどの各種成型方法の適用が可能
であり、緩衝材、吸音材、シール材、止水材、断熱材な
どとして、自動車、家電、衣料、土木・建材などの各種
分野において幅広く使用されている。
【0003】特に硬質ウレタンフォームは、省エネルギ
ーの観点からの断熱材、また建造物などの耐久性向上に
結露防止材として幅広く有用に使用されている。具体的
にはビルやマンション、冷凍冷蔵倉庫などの住宅・建材
分野で有用な断熱材や結露防止材として、またトンネル
などの土木分野で結露防止材として現場施工型のスプレ
ー発泡材や断熱パネルや断熱ボードなどの形で使用され
ている。
【0004】一方で、硬質ウレタンフォームの発泡剤と
して従来より主として使用されてきたフロン系発泡剤
は、温暖化の問題などから環境負荷の小さなガスへの転
換が急務となっている。中でも建材分野や家電製品の断
熱材として使用される硬質ウレタンフォームにおいて
は、HCFC−141bからの転換が進められており、
ライン生産向けにはHFC−245faやペンタンなど
の炭化水素、水を用いる炭酸ガス発泡、また、スプレー
による現場発泡向けにはHFC−245faや水を用い
る炭酸ガス発泡などが有望視されている。
【0005】しかし、炭化水素は可燃性ガスであり、火
災や爆発の危険性を伴う問題が、また、HFC−245
faでは温暖化係数が高いなどの問題が残されている。
また、環境負荷が小さく、かつ安全性の観点でも好適な
水を用いる炭酸ガス発泡では、従来に比べ反応性に劣る
といった問題や、得られる発泡体が硬化後収縮する傾向
が大きいといった寸法安定性の課題など、多くの技術課
題が残されているのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来よりかかる課題に
対しては、セル膜を形成するウレタンの強度向上、反応
系の相溶性改善、ポリマー分散ポリオールの使用、連続
気泡化などの様々な手法による取り組みがなされてお
り、その改善手段が特許として公開されているが、いず
れも実用特性を十分に満足し得る技術には至っていな
い。
【0007】本発明においては、発泡剤の中で最も環境
負荷が小さい水を用いる炭酸ガス発泡の技術課題に取り
組み、寸法安定性、特に硬化後の収縮を抑制しつつ、低
密度の発泡体を得ようとするものである。
【0008】本発明は、前記の課題解決手法とは異な
り、水発泡性硬質ウレタンフォーム組成物に発泡性ポリ
スチレンビーズを混合することにより、収縮を防止し、
寸法安定性が良好で、かつ低密度の複合発泡体を得るも
のである。
【0009】発泡性ウレタンフォーム組成物に発泡性ポ
リスチレンビーズを混合する技術は以前より知られてい
る。例えば特開昭48−77957では、ウレタンフォ
ーム生成過程における反応熱を利用して発泡性ポリスチ
レン粒を発泡させ、ウレタンフォームと発泡ポリスチレ
ン粒を一体に発泡成形することを特徴とした座席用しん
材の製造方法が示されている。また、特公昭47−25
855ではウレタン反応熱により熱膨張した架橋スチレ
ン重合体の粒子が柔軟なポリウレタンマトリックス中に
分散された混成フォームの製造法が示されている。しか
し、いずれもウレタンフォームとしては柔軟な開放セル
の軟質ウレタンフォームを用いており、衝撃吸収性に優
れるものの、建材分野などに用いる断熱材としては適さ
ないものである。また特開平5−200889では、一
次発泡させた発泡ポリスチレンビーズを水発泡性ウレタ
ン系接着剤で接着・固結させた発泡緩衝体が示されてい
るが、これはあらかじめ一次発泡させた発泡ポリスチレ
ンビーズを用いることを指向しており、発泡ビーズの浮
き上がり等により混合や分散が困難である等の取り扱い
上の欠陥を有する。
【0010】水発泡性硬質ウレタンフォーム組成物と発
泡性ポリスチレンビーズからなる発泡体において、通常
硬質ウレタンフォームとして使用されている水発泡性硬
質ウレタンフォーム組成物を用いて研究を進めてきた
が、発泡後の収縮を小さくしたままで、十分に低い密度
の発泡体を得る点について更なる改良を指向していた。
【0011】本発明の目的は、水を発泡剤として使用す
る水発泡性硬質ウレタンフォーム組成物の発泡後の収縮
を抑制するために発泡性ポリスチレンビーズを混合した
場合においても、十分に低い密度で、優れた寸法安定性
と断熱性を有し断熱材としても好適な複合発泡体を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、水発
泡性硬質ウレタンフォーム組成物と発泡性ポリスチレン
ビーズからなる複合発泡体の製造方法に関し、以下の
(1)、(2)及び(3)記載の製造方法を提供するも
のである。 (1)下の(A)〜(C)の3要件を満たす水発泡性硬
質ウレタンフォーム組成物100重量部を、50倍以上
に発泡し得る発泡性ポリスチレンビーズ75〜150重
量部の存在下に反応させ、その反応熱で該発泡性ポリス
チレンビーズを発泡させることにより得られる、複合発
泡体の密度が40kg/m3以下であることを特徴とす
る複合発泡体の製造方法。 (A)該水発泡性硬質ウレタンフォーム組成物がイソシ
アネート化合物とポリオール化合物を含有し、(B)発
泡剤である水の含有量が該水発泡性硬質ウレタンフォー
ム組成物全体の1.5〜3.5wt%の範囲にあり、
(C)該水発泡性硬質ウレタンフォーム組成物を反応さ
せた場合に得られるウレタン発泡体の密度が25kg/
3以下である。 (2)発泡剤として水のみを含有する前記水発泡性硬質
ウレタンフォーム組成物を用いる(1)記載の複合発泡
体の製造方法。 (3)前記発泡性ポリスチレンビーズが未発泡である
(1)又は(2)記載の複合発泡体の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明における水発泡性硬質ウレ
タンフォーム組成物とは、イソシアネートとポリオール
とを成分とし、発泡剤として水を含有し、この水の含有
量が組成物全体の1.5〜3.5wt%である組成物で
ある。更に、この水発泡性硬質ウレタンフォーム組成物
を、発泡性ポリスチレンビーズと混合しないで反応さ
せ、発泡させた場合に密度が25kg/m3以下の発泡
体を与える特性を持つ発泡性硬質ウレタンフォーム組成
物を意味する。本発明は、こうした水発泡性硬質ウレタ
ンフォーム組成物を使用し、これに発泡性ポリスチレン
ビーズを混合し、該水発泡性硬質ウレタンフォーム組成
物中に、該発泡性ポリスチレンビーズを存在させた状態
で、該水発泡性硬質ウレタンフォーム組成物を反応さ
せ、発泡させる際の反応熱でもって該発泡性ポリスチレ
ンビーズを発泡させて得られる複合発泡体の製造方法で
ある。
【0014】尚、ここで言う硬質フォームとは、一般的
に一定荷重に対し破壊を起こし、原形に回復しないフォ
ームを指す。本発明で言う水発泡性硬質ウレタンフォー
ム組成物とは、水を発泡剤として得られる硬質のウレタ
ンフォームあるいはヌレートフォームと呼ばれる発泡体
を形成する組成物であり、ポリオール化合物とポリイソ
シアネート化合物との反応、あるいはポリイソシアネー
ト化合物同士の反応をベースにポリオール化合物とポリ
イソシアネート化合物との反応を樹脂形成のベースと
し、これに発泡剤(本発明の好ましい態様としては水の
み)を配合することにより発泡体を形成するものであ
る。
【0015】ここで用いられるポリオール化合物とは、
1分子当たり平均して1個を越える水酸基を有する化合
物であり、一般にウレタンフォームの原料として使用さ
れているポリオールであれば特に限定されるものではな
く、ポリエステルポリオールやポリエーテルポリオー
ル、ポリオール変性フェノール化合物などが挙げられ
る。これらは単独または二種以上の混合物として使用す
ることができる。
【0016】また、本発明で用いるイソシアネート化合
物とは、1分子当たり平均して1個を越えるイソシアネ
ート基を有する化合物である。例えば、フェニルメタン
ジイソシアネート(以下MDIと略す)やポリフェニル
メタンポリイソシアネート(以下ポリメリックMDIと
略す)、トリレンジイソシアネート(以下TDIと略
す)、あるいはこれらの混合物、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、イソホロンイソシアネートなど一般的に知
られるウレタン原料用の有機イソシアネート化合物が挙
げられる。このイソシアネート化合物の配合量は、通常
NCOインデックス(Index)(イソシアネート基
の含有量÷ポリオール及び水などの水酸基の含有量×1
00)で表される。一般的なウレタンとしては80〜1
20とされている場合が多いが、本発明においては、N
CO Indexが80以上であれば特に制限はなく、
例えばNCO Indexが200あるいは300とい
った、水酸基に対してイソシアネート基が大過剰であっ
ても構わない。この場合、イソシアネート基同士の3量
化を促進する触媒を用いることにより、難燃性に寄与す
るヌレート骨格を形成することが可能となる。
【0017】また、本発明における発泡剤としては、環
境負荷の小さい水を必須として用いる。この水はイソシ
アネートと反応することにより炭酸ガスを発生し、この
炭酸ガス自体が発泡剤として作用する。一方で、この反
応により生じる反応熱は、発泡性ポリスチレンビーズを
発泡させるためにも利用される。
【0018】本発明における水発泡性硬質ウレタンフォ
ーム組成物は、発泡性ポリスチレンビーズとの複合発泡
体において低い発泡密度を確保するためには、発泡性ポ
リスチレンビーズを混合することなく、それ自体を例え
ば室温で発泡させた場合に十分に低い発泡密度、25k
g/m3以下、好ましくは22kg/m3以下であること
が好ましく、そのためには発泡剤である水の添加量は重
要となる。用いるポリオール化合物や触媒、イソシアネ
ート化合物の種類や配合量により、必要な水の添加量は
異なるが、水発泡性硬質ウレタンフォーム組成物の1.
5〜3.5wt%が好ましく、より好ましくは2.0〜
3.5wt%である。ここで言う水の添加量とは、水も
含めた水発泡性硬質ウレタンフォーム組成物全体に占め
る水の割合を重量比(wt%)で表したものである。こ
の水の添加量が少ない場合には、水発泡性硬質ウレタン
フォーム発泡体自体の密度が高くなるため、このような
水発泡性硬質ウレタンフォーム組成物と発泡性ポリスチ
レンビーズとの混合物から得られる複合発泡体の密度も
高くなってしまう。一方、水の添加量が多くなるに従
い、水発泡性硬質ウレタンフォーム組成物自体の密度は
低下するが、添加量が多すぎるとセルの荒れや反応速度
の低下、発熱量が過剰となることから、発泡性ポリスチ
レンビーズとの複合発泡体において均質な発泡体が得ら
れなくなる。用いるその他の原料に応じて、上記範囲内
で都度最適な添加量を設定する必要がある。
【0019】また、本発明ではこの水とともに、環境や
安全性を考慮した範囲内ではフロンやペンタンなどを少
量併用することができる。
【0020】また、硬化触媒としては、各種アミン系化
合物、有機スズ化合物、有機金属塩、アルカリ金属水酸
化物などの一般的に知られるウレタン原料用の触媒が挙
げられる。それぞれウレタン化、ウレア化、イソシアヌ
レート化(3量化)に対する活性が異なるため、目的に
合わせこれらの複数個を組み合わせ使用することが多
い。これら触媒の具体例を示すと、2,4,6,−トリ
ス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N′,
N″−トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ
ートリアジン、オクチル酸カリウムとジエチレングリコ
ールの混合物、3級アミンとオクチル酸カリウムとジエ
チレングリコールの混合物、カリウムフェノラート、ナ
トリウムメトキシド等のフェノラート、アルコラート、
2,4−ビス(ジメミルアミノメチル)フェノール、
2,6−ジ−t−ブチル−4−ジメチルアミノトリメチ
ルシランフェノール、トリエチルアミンジアザビシクロ
ウンデセン、ナフテン酸鉛、オクテン酸鉛、ジブチルチ
ンジラウレート、トリエチルアミン、トリプロピルアミ
ン、トリエチレンジアミン、ジメチルエタノールアミ
ン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン等が挙げられ
る。触媒の使用量は、その触媒の活性度によって異なる
が、前記ポリイソシアネート基を有する化合物に対して
0.001〜20重量%となる。
【0021】また、発泡体の諸物性を制御するために、
この他整泡剤や難燃剤などが一般的に使用される。
【0022】例えば整泡剤としては、硬質ウレタンフォ
ーム、硬質イソシアヌレートフォームの製造に一般的に
使用される泡形状の調整及び独立/連続気泡のコントロ
ールを担うものである。このような整泡剤としては、シ
リコーン系化合物などの非イオン性界面活性剤を、水発
泡性硬質ウレタンフォーム組成物の0.01〜20重量
%用いることができる。
【0023】また、難燃剤としてはリンあるいは/及び
ハロゲン系難燃剤としてトリエチルホスフェート、トリ
スクロロエチルホスフェート、トリスクロロプロピルホ
スフェート、トリクレジルホスフェート、塩素化パラフ
ィン等や、ハロゲン化合物/三酸化アンチモン、リン化
合物/窒素化合物の組み合わせなど、一般的に使用され
ている難燃剤を使用することができる。このような難燃
剤は、水発泡性硬質ウレタンフォーム組成物に対し、1
〜50重量%使用できる一方、本発明の発泡性ポリスチ
レンビーズとは水発泡性硬質ウレタンフォーム組成物の
反応に伴い発生する熱により発泡し得るものである。こ
れは一般的な熱風乾燥機を用いた加熱条件下、例えば1
10℃で15分間の加熱により50倍以上、好ましくは
55倍以上、より好ましくは60倍以上に発泡し得るも
のを用いる。この発泡倍率が小さい場合、水発泡性硬質
ウレタンフォーム組成物との複合発泡体として十分に密
度の低いものは得られない。
【0024】このような発泡性ポリスチレンビーズは、
具体的には発泡剤を含浸したポリスチレン系樹脂粒状物
である。ここで言うポリスチレン系樹脂とは、安価で最
も多用され好ましいポリスチレンをはじめ、スチレンと
その他のモノマーとの共重合体(ブロック共重合体、グ
ラフト共重合体等を含む)、及び樹脂混合物を包含する
ものである。
【0025】発泡剤としては、フロン化合物のように自
然環境に悪影響を及ぼすものではなく、沸点が−20〜
+120℃程度である有機化合物が好ましい。このよう
な発泡剤としては炭素数3〜6の炭化水素が挙げられ、
具体的にはプロパン、ブタン、n−ペンタン、i−ペン
タン、シクロペンタンなどが挙げられる。
【0026】また、このような発泡性ポリスチレンビー
ズは、水発泡性硬質ウレタンフォーム組成物の反応に伴
い発生する熱により発泡し得るものであるが、過剰の熱
により発泡したビーズが収縮することを回避する目的
で、少量の架橋性モノマーを発泡性ポリスチレンビーズ
の作製時に添加してもよい。
【0027】また、本発明に用いる発泡性ポリスチレン
ビーズは、水発泡性硬質ウレタンフォーム組成物と混合
する前に予め発泡(いわゆる予備発泡又は一次発泡)さ
せないものを用いるのが、水発泡性硬質ウレタンフォー
ム組成物と混合するに際し、浮き上がりがなく、均一に
混合しやすく、また分離し難いことから好ましい。
【0028】本発明に用いるこのような発泡性ポリスチ
レンビーズは、取り扱い易さから粒径0.1〜3mm程
度のものが好ましく、配合量としては水発泡性硬質ウレ
タンフォーム組成物100重量部に対し、75〜150
重量部使用する。75重量部未満では水発泡性硬質ウレ
タンフォーム組成物の反応により生じる反応熱により、
一度発泡したポリスチレンビーズが溶融し、収縮する可
能性が高くなる。一方、150重量部を上回る場合に
は、水発泡性硬質ウレタンフォーム組成物の反応による
熱量が不十分となるため、発泡性ポリスチレンビーズが
十分に発泡しきれず、その結果、密度の低い複合発泡体
は得られ難い傾向を有する。
【0029】また、発泡性ポリスチレンビーズを多く配
合する場合や、周囲温度が低い場合においては、発泡性
ポリスチレンビーズが水発泡性硬質ウレタンフォーム組
成物の反応熱のみでは十分に発泡しないことが想定され
るため、発泡性ポリスチレンビーズをあらかじめそれ自
体が発泡しない範囲、例えば70℃程度の範囲内で加熱
することが好ましい。さらに、水発泡性硬質ウレタンフ
ォーム組成物を加熱することも効果的である。
【0030】このような水発泡性硬質ウレタンフォーム
組成物と発泡性ポリスチレンビーズとを混合し、反応さ
せる際、発生する反応熱により発泡性ポリスチレンビー
ズを発泡させて得られる複合発泡体は、密度が40kg
/m3以下、好ましくは35kg/m3以下と低密度であ
る。そして、従来の水発泡ウレタンフォームの欠点とさ
れている発泡後の収縮はほとんど見られず、さらに熱伝
導率も低く(例えば0.04W/mK以下程度、好まし
くは0.035W/mK以下程度)、特に断熱材として
好適なものである。
【0031】本発明においては、前述のごとく、水発泡
性硬質ウレタンフォーム組成物と、発泡性ポリスチレン
ビーズとを混合し、水発泡性硬質ウレタンフォーム組成
物が反応することによる発泡の際の反応熱により、発泡
性ポリスチレンビーズを発泡させるさせることになる。
この反応にあたっては、2液に調製した水発泡性硬質ウ
レタンフォーム組成物のいずれか、あるいは両方にあら
かじめ発泡性ポリスチレンビーズを混ぜ、その混合物を
混合する形を採ってもよく、また、水発泡性硬質ウレタ
ンフォーム組成物を全て混合した後に発泡性ポリスチレ
ンビーズを混合してもよい。例えば後者の場合は、水発
泡性硬質ウレタンフォーム組成物と発泡性ポリスチレン
ビーズの各々を個別に注入、塗布、スプレー吹き付けし
たりする工夫や、スタティックミキサーなどを介して十
分に混合させた後、注入、塗布するなど、固液混合物の
取り扱うための工夫を加えることによりスラブ発泡、モ
ールド発泡、注入発泡、スプレー発泡、連続ラミネート
などの各種成形方法を適用することができる。
【0032】以下、実施例を挙げて本発明の複合発泡体
の製造方法を説明する。
【0033】得られた複合発泡体の密度は、発泡体サン
プルの中心部を100mm×100mm×30mmの大
きさに切り出し、精密天秤により計量した重量を外形寸
法より算出した体積で除することから求めた。また、熱
伝導率は上記サンプルを用いてAUTO−Λ HC−0
72(英弘精機製)にて20℃で測定を行った(JIS
A9526)。また、発泡後の収縮に関しては、別途
2Lディスポカップ中で発泡体サンプルを作製し、サン
プル作製1週間後に発泡体サンプルとディスポカップと
の隙間の有無などから確認した。 (実施例1)水発泡性硬質ウレタンフォーム組成物は2
液(次のA液及びB液)とした。A液としては、NCO
含有量31%のポリメリックMDI(ポリメチレンポリ
フェニルポリイソシアネート)を、NCO Index
が150となるよう使用した。一方、B液としては水酸
基価315mgKOH/gのポリエステル系ポリオール
100重量部に対し、難燃剤としてトリス(クロロプロ
ピル)ホスフェートを33重量部、発泡剤としてイオン
交換水を14重量部、整泡剤として日本ユニカー(株)
製L−5420を3.3重量部、触媒としてN,N,
N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン
を4重量部、酢酸カリウムの50%水溶液を16重量部
混合した。該水発泡性硬質ウレタンフォーム組成物にお
ける水の含有量は2.8wt%となる。
【0034】発泡性ポリスチレンビーズとしては鐘淵化
学工業(株)製カネパールSKM(粒径約1mm)を用
いた。(これは熱風乾燥機を用いて110℃、15分の
加熱により、真倍率で約66倍の発泡倍率を有すること
を確認した。)2Lディスポカップに、23℃に調整し
た前記ウレタン原液Aを156g計量し、これに発泡性
ポリスチレンビーズを200g加え、手混ぜにより素早
く撹拌した。続いて23℃に調整したウレタン原液Bを
44g加え、ハンドミキサーにより10秒間撹拌し、ダ
ンボール上に素早く移し発泡体を得た。
【0035】得られた複合発泡体の密度は31kg/m
3、熱伝導率は0.026W/mKであった。また、発
泡後の収縮は1週間後でもほとんど見られなかった。 (比較例1)発泡性ポリスチレンビーズを用いない以外
は、実施例1と同様な次の実験を行った。
【0036】2Lディスポカップに23℃に調整した前
記ウレタン原液Aを156g計量し、続いて23℃に調
整したウレタン原液Bを44g加え、ハンドミキサーに
より10秒間撹拌し、ダンボール上に素早く移し発泡体
を得た。
【0037】得られたウレタン発泡体の密度は20kg
/m3、熱伝導率は0.024W/mKであった。しか
し、発泡後の収縮に関しては、収縮確認用サンプル作製
1週間後、発泡体サンプルとディスポカップとに大きな
隙間が見られ、経時的に収縮が起こっていることを確認
した。 (実施例2)水発泡性硬質ウレタンフォーム組成物のB
液として、水酸基価430mgKOH/gのポリエーテ
ルポリオール100重量部に対し、難燃剤としてトリス
(クロロプロピル)ホスフェートを30重量部、発泡剤
としてイオン交換水を18.4重量部、整泡剤として日
本ユニカー(株)製L−5420を3重量部、触媒とし
てN,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレン
トリアミンを4重量部、酢酸カリウムの50%水溶液を
16重量部を混合した。該水発泡性硬質ウレタンフォー
ム組成物における水の含有量は2.9wt%となる。
【0038】A液のポリメリックMDI、発泡性ポリス
チレンビーズは、実施例1と同一のものを使用した。
【0039】2Lディスポカップに、23℃に調整した
前記ウレタン原液Aを163g計量し、これに発泡性ポ
リスチレンビーズを200g加え、手混ぜにより素早く
撹拌した。続いて23℃に調整したウレタン原液Bを3
7g加え、ハンドミキサーにより10秒間撹拌し、ダン
ボール上に素早く移し発泡体を得た。
【0040】得られた複合発泡体の密度は32kg/m
3、熱伝導率は0.026W/mKであった。また、発
泡後の収縮は1週間後でもほとんど見られなかった。 (比較例2)発泡性ポリスチレンビーズを用いない以外
は、実施例2と同様な次の実験を行った。
【0041】2Lディスポカップに23℃に調整した前
記ウレタン原液Aを163g計量し、続いて23℃に調
整したウレタン原液Bを37g加え、ハンドミキサーに
より10秒間撹拌し、ダンボール上に素早く移し発泡体
を得た。
【0042】得られたウレタン発泡体の密度は14kg
/m3、熱伝導率は0.037W/mKであった。しか
し、発泡後の収縮に関しては、収縮確認用サンプル作製
1週間後、発泡体サンプルとディスポカップとに大きな
隙間が見られ、経時的に収縮が起こっていることを確認
した。 (比較例3)水発泡性硬質ウレタンフォーム組成物のB
液として、水酸基価210mgKOH/gのポリエステ
ルポリオール95重量部と水酸基価400mgKOH/
gのエチレンジアミンベースのポリエーテルポリオール
5重量部の合計100重量部に対し、難燃剤としてトリ
ス(クロロプロピル)ホスフェートを20重量部、発泡
剤としてイオン交換水を4.2重量部、整泡剤として東
レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製SH−193
を4重量部、触媒としてN,N’,N”−トリス(3−
ジメチルアミノプロピル)−ヘキサヒドロ−s−トリア
ジンを2.4重量部、酢酸カリウムの50%水溶液を
1.6重量部混合した。該水発泡性硬質ウレタンフォー
ム組成物における水の含有量は1.3wt%となる。
【0043】尚、A液のポリメリックMDIは実施例1
と同一のものを、ウレタン組成物のNCOindexが
200となるよう使用した。また、発泡性ポリスチレン
ビーズは実施例1と同一のものを使用した。
【0044】2Lディスポカップに、23℃に調整した
前記ウレタン原液Aを131g計量し、これに発泡性ポ
リスチレンビーズを200g加え、手混ぜにより素早く
撹拌した。続いて23℃に調整したウレタン原液Bを6
9g加え、ハンドミキサーにより10秒間撹拌し、ダン
ボール上に素早く移し発泡体を得た。
【0045】得られた複合発泡体の密度は60kg/m
3、熱伝導率は0.026W/mKであった。また、発
泡後の収縮は1週間後でもほとんど見られなかった。 (参考例)発泡性ポリスチレンビーズを用いない以外
は、比較例3と同様な次の実験を行った。
【0046】2Lディスポカップに23℃に調整した前
記ウレタン原液Aを131g計量し、続いて23℃に調
整したウレタン原液Bを69g加え、ハンドミキサーに
より10秒間撹拌し、ダンボール上に素早く移し発泡体
を得た。
【0047】得られたウレタン発泡体の密度は39kg
/m3、熱伝導率は0.027W/mKであった。一
方、発泡後の収縮に関しては、収縮確認用サンプル作製
1週間後、発泡体サンプルとディスポカップとに隙間が
見られ、経時的に収縮が起こっていることを確認した。
【0048】上記実施例1〜2からは、本発明の効果が
明確である。また、比較例1〜2からは、発泡性ポリス
チレンビーズを用いない場合に、収縮が大きく本発明の
目的が達し得ないことが判る。更に、比較例3から本発
明で規定する水の量が範囲外にあり、参考例に示したよ
うに得られるウレタン発泡体の密度が範囲外である実施
においては、複合発泡体の密度が大きくなってしまい軽
量性を満足できないことがわかる。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明、すなわち、イソシ
アネートとポリオールとを成分として含有し、発泡剤で
ある水の含有量が組成物全体の1.5〜3.5wt%の
範囲にあり、反応させた場合に得られる発泡体の密度が
25kg/m3以下である水発泡性硬質ウレタンフォー
ム組成物100重量部に対し、50倍以上に発泡し得る
発泡性ポリスチレンビーズを75〜150重量部の範囲
で混合、反応させることにより得られる複合発泡体は、
水発泡性の硬質ウレタンフォームをベースとしながら、
密度が40kg/m3以下と十分な低密度であり、かつ
硬化後の収縮が小さく、断熱性にも優れ、断熱材として
も好適な複合発泡体を得ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 23:00 B29K 75:00 75:00 105:04 105:04 B29L 31:10 B29L 31:10 B29C 67/22 Fターム(参考) 4F074 AA32 AA78 AC16 BA34 BA86 CA13 DA02 DA15 DA33 DA39 4F212 AA13 AA31 AE02 AG20 AH26 AH48 UA10 UB01 UB02 UF21 UN08 4J002 BC02X CK02W DE026 FA08X FA09W FA09X FD326 GJ02 GL00 4J034 BA03 CE01 DA01 DB01 DB03 DF01 DF14 DG01 DJ08 DP13 HA01 HA06 HA07 HC01 HC02 HC03 HC11 HC12 HC22 HC46 HC52 HC61 HC63 HC64 HC66 HC67 HC71 HC73 LA08 LA22 MA22 NA01 NA03 QA01 QB01 QB12 QB16 QC01 RA06 RA08 RA09 RA10 RA12 RA14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下の(A)〜(C)の3要件を満たす水発
    泡性硬質ウレタンフォーム組成物100重量部を、50
    倍以上に発泡し得る発泡性ポリスチレンビーズ75〜1
    50重量部の存在下に反応させ、その反応熱で該発泡性
    ポリスチレンビーズを発泡させることにより得られる、
    複合発泡体の密度が40kg/m3以下であることを特
    徴とする複合発泡体の製造方法。 (A)該水発泡性硬質ウレタンフォーム組成物がイソシ
    アネート化合物とポリオール化合物を含有し、(B)発
    泡剤である水の含有量が該水発泡性硬質ウレタンフォー
    ム組成物全体の1.5〜3.5wt%であり、(C)該
    水発泡性硬質ウレタンフォーム組成物を反応させた場合
    に得られるウレタン発泡体の密度が25kg/m3以下
    である。
  2. 【請求項2】発泡剤として水のみを含有する前記水発泡
    性硬質ウレタンフォーム組成物を用いる請求項1記載の
    複合発泡体の製造方法。
  3. 【請求項3】前記発泡性ポリスチレンビーズが未発泡で
    ある請求項1又は請求項2記載の複合発泡体の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015004167A (ja) * 2013-06-19 2015-01-08 旭硝子株式会社 複層ガラス窓及び複層ガラス窓の組立方法

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