JP2001258113A - ガス絶縁開閉装置の性能判定および制御方法 - Google Patents

ガス絶縁開閉装置の性能判定および制御方法

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JP2001258113A
JP2001258113A JP2000062876A JP2000062876A JP2001258113A JP 2001258113 A JP2001258113 A JP 2001258113A JP 2000062876 A JP2000062876 A JP 2000062876A JP 2000062876 A JP2000062876 A JP 2000062876A JP 2001258113 A JP2001258113 A JP 2001258113A
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arc
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insulated switchgear
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Kazuyoshi Fujio
和克 藤尾
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Mitsubishi Electric Corp
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  • Gas-Insulated Switchgears (AREA)
  • Driving Mechanisms And Operating Circuits Of Arc-Extinguishing High-Tension Switches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス絶縁開閉装置において、遮断性能の評価
指標を簡便な方法で自動的に測定可能とし、機器の性能
判定および制御機能を強化する。 【解決手段】 遮断器10を内蔵したガス絶縁開閉装置
による電流遮断時に、上記遮断器の電流遮断部10a付
近に設けられたガスセンサ4で測定した分解ガス量と、
計器用変流器38で測定した電流遮断時のアーク電流値
より、信号処理装置1における演算によって、遮断性能
の評価指標となる性能判定出力を得るようにしたもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電力送変電の基
幹機能を有する変電所等に設置されるガス絶縁開閉装置
の性能判定および制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6は例えば特開平8−271477号
公報に示されたガスセンサを備えた従来のガス絶縁開閉
装置(GIS : Gas Insulated Switchgear)を示す断面図
である。図6において、5はSF6 などの絶縁ガスが封
入されたガス密封容器、6はガス密封容器5において外
気と内部を仕切る外被、7a、7bはガス密封容器5に
おいて隣のガス区分8a、8bを各々仕切るスペーサ、
9はスペーサ7a、7bによりガス密封容器5内の中心
部に支持される中心導体、10は中心導体9に電気的に
接続された遮断器、11は遮断器10で電流を遮断した
場合に発生するアーク、4はガス密封容器5内部の分解
ガス量を検出するガスセンサ、13はガスセンサ出力信
号、14はガスセンサ制御信号である。
【0003】通電中のガス絶縁開閉装置において、中心
導体9には高電圧、大電流の電気が流れており、ガス密
封容器5内部に密封された絶縁ガスにより絶縁性能が保
たれている。また、遮断器10で電流を遮断する場合
に、所定の遮断性能を得るためにも絶縁ガスが必要であ
る。
【0004】例えば、ガス密封容器5内部において部分
放電や地絡などの内部異常が発生した場合には、部分放
電や地絡時のアークの高温により、ガス密封容器5内部
の絶縁ガスが分解し、分解ガスがその故障点近傍に発生
する。このとき発生した分解ガスは、ガス密封容器5内
部で拡散していき、ガスセンサ4により検出した分解ガ
ス量が所定値を超えていれば内部異常と判定される。ま
た、経年的に分解ガスがガス密封容器5内部で蓄積され
て、ガスセンサ4により検出した分解ガス量が所定値を
超えていた場合にも内部異常と判定される。
【0005】なお、遮断器10が正常に遮断動作した場
合にも分解ガスが発生するが、このときの分解ガス発生
を内部異常と誤って判定することを防止するために、電
流遮断時の開路指令信号を利用してガスセンサ4の検出
機能をマスクするためにガスセンサ制御信号14が用い
られている。
【0006】このようにして、ガスセンサ4にて検出し
た分解ガス量が所定値を超えた場合、ガス絶縁開閉装置
の内部で部分放電や地絡などの異常があったと判断し
て、ガス絶縁開閉装置に接続された電力系統の送電を停
止させ、無課電状態にて絶縁ガスを抜き、内部を総点検
した後に絶縁ガスの再封入を行うという方法が取られて
いた。
【0007】このように、ガス密封容器5内部の部分放
電や地絡などの内部異常を検知するためにガスセンサ4
による分解ガス量の測定が利用されていたが、ガス絶縁
開閉装置の遮断器10の性能判定および制御のためにガ
スセンサ4の分解ガス量測定を利用することはなかっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記のような従来の分
解ガス検出装置を持つガス絶縁開閉装置において、分解
ガス検出装置は分解ガス量が所定値を超えるか否かを、
定期点検時や巡視点検時などにガスセンサ4の出力端子
に測定器を接続して判定し、その結果、もし絶縁ガスの
入れ替えが必要であれば、ガス絶縁開閉装置への送電停
止後、絶縁ガスを入れ替えるという機器の保全を目的と
して利用されていたが、ガス絶縁開閉装置の基本機能で
ある遮断性能を評価するための指標には利用されていな
かった。
【0009】遮断性能を評価する指標の一つとしては、
電流遮断時のアーク時間が採用されており、アーク時間
が短い程遮断性能が優れており、アーク時間が長い程遮
断性能が劣っていると言える。そして、このアーク時間
の測定は、電流遮断時の電流波形をガス絶縁開閉装置に
装着された変流器から取り出し、これをオシロスコープ
に取り込んで、その波形からアーク時間を測定するとい
う方法が取られていた。このアーク時間の測定方法は、
測定がオフラインでリアルタイムでなく、手間が掛かり
非能率的であり、かつアーク時間を簡便な方法で自動測
定できないという問題点があった。
【0010】また、遮断性能を評価するいま一つの指標
としては、アーク接触子の消耗量が考えられるが、ガス
絶縁開閉装置の遮断器にはいくらの電流を何回遮断した
かという累積遮断電流を記録することによりアーク接触
子の消耗度を判定することが考えられるがこれを簡単に
判定する機能がなかった。
【0011】この発明は、上記のような問題点を解決す
るためになされたもので、電流遮断時に分解ガス検出装
置で遮断器付近の分解ガス量を測定し、その分解ガス量
測定値と変流器で測定したアーク電流値の2つのパラメ
ータより遮断性能の評価指標を求めることにより、ガス
絶縁開閉装置の信頼性を格段に向上させる性能判定およ
び制御方法を実現することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明に係るガス絶縁
開閉装置の性能判定および制御方法は、遮断器を内蔵し
たガス絶縁開閉装置による電流遮断時に、上記遮断器の
電流遮断部付近の分解ガス量と電流遮断時のアーク電流
値より、演算によって、遮断性能の評価指標となる性能
判定出力を得るようにしたものである。
【0013】分解ガス量は、遮断器の電流遮断部付近に
設けられたガスセンサにより測定するようにしたもので
ある。
【0014】また、アークの継続時間を性能判定出力と
して得るようにしたものである。
【0015】また、アークの継続時間から電流遮断部の
寿命を予測するようにしたものである。
【0016】また、ある時点におけるアークの継続時間
が所定値を超えるとき、次回の開路指令時に遮断器の遮
断動作を見合わせるようにしたものである。
【0017】また、遮断器のアーク接触子の消耗量を性
能判定出力として得るようにしたものである。
【0018】また、遮断器のアーク接触子の消耗量特性
からアーク接触子の交換時期を予測するようにしたもの
である。
【0019】また、遮断器の遮断動作開始から所定時間
をおいて、電流遮断部付近の分解ガスの測定を行うよう
にしたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の
実施の形態1に係る絶縁開閉装置の性能判定および制御
方法を説明するための分解ガス検出装置付ガス絶縁開閉
装置の断面図であり、図において、5はSF6 などの絶
縁ガスを封入したガス密封容器、6はガス密封容器5に
おいて外気と内部を仕切る外被、7a、7bはガス密封
容器5において隣のガス区分8a、8bを各々仕切るス
ペーサ、9はスペーサ7a、7bによりガス密封容器5
内の中心部に支持される中心導体、10は中心導体9に
電気的に接続された遮断器、10aは遮断器10の電流
遮断部、11は、電流遮断部10aで電流を遮断した場
合に発生するアーク、4はガス密封容器5内部の分解ガ
ス量を検出するガスセンサ、38は中心導体9に流れる
大電流を測定用小電流に変換する変流器、1はガスセン
サ4の出力信号と変流器38の出力信号を基に必要情報
を演算する信号処理装置、24は信号処理装置1で演算
された結果の出力信号、2は信号処理装置1からの制御
信号により遮断器10の開路動作、閉路動作を制御する
開閉制御装置、3はガス絶縁開閉装置の開閉路指令信号
などの機器の動作を指示する指令信号で、上位の制御保
護系から信号処理装置1に入力される。
【0021】次に、上記ガス絶縁開閉装置の動作を、ガ
ス絶縁開閉装置が電流遮断を実行する場合を例に説明す
る。図1の遮断器10において、電流を遮断した時にア
ーク11が発生するが、このアーク11の持続時間すな
わちアーク時間は、電流遮断部10aの遮断性能が優れ
ている場合は短く、逆に遮断性能が劣っている場合は長
くなる。
【0022】この電流遮断時のアーク11の高温によっ
て分解ガスが発生するが、この分解ガスの発生量は、ア
ーク電流とアーク時間の関数となり、次の式で表され
る。 V=k・In ・t ................................. 式 V:分解ガス発生量(リットル)、I:アーク電流(キロアンヘ゜
ア)、 t:アーク時間(秒) k、n:電流遮断部の材質、構造によって決まる定数 従って式より、アーク時間tは式で算出できる。 t=V/(k・In ) ............................. 式
【0023】次に、式を使ってアーク時間tを具体的
に算出する方法を説明する。定数k、nは、電流遮断部
10aのアーク接触子の材質、およびアークを消弧する
ための消弧室の構造によって決まる既知の値であり、ア
ーク電流Iは変流器38の出力信号を基に信号処理装置
1で算出でき、分解ガス発生量Vはガスセンサ4の出力
信号を基に信号処理装置1で算出できる。
【0024】ところで、電力系統に地絡や短絡などの事
故が発生した場合、他の電力系統への事故の波及を最小
限に抑えるために、事故点近傍のガス絶縁開閉装置にて
事故電流を遮断する。この事故電流をガス絶縁開閉装置
で遮断する場合、まず、上位の制御保護系統から開路指
令信号が指令信号3として信号処理装置1に入力され、
信号処理装置1で行う各種演算処理のトリガー用信号と
なる。最初に、この開路指令信号をトリガーとして変流
器38の出力信号を基に信号処理装置1にてアーク電流
値Iを算出し、信号処理装置1のメモリーに保持する。
【0025】次に、同様にこの開路指令信号がトリガー
として信号処理装置1に入力されてから所定短時間を置
いて、ガスセンサ4の出力信号を基に信号処理装置1に
て分解ガス発生量Vを算出する。この分解ガス発生量V
を算出する時にガスセンサ4の出力信号を取り込むのに
所定短時間を置くことが必要な理由は、ガスセンサ4の
ガス検知域に、電流遮断時、アーク11で発生した分解
ガスが到着するまで時間を要するためである。
【0026】これらの測定値から算出した値V、Iと既
知定数k、nからアーク時間tを式により算出する。
この算出したアーク時間tを出力信号24として上位系
の制御保護系統に情報伝達することにより、ガス絶縁開
閉装置のアーク時間t、すなわち間接的な遮断性能を監
視することができるので、ガス絶縁開閉装置の信頼性を
格段に向上させることができる。
【0027】実施の形態2.この発明の実施の形態2に
係るガス絶縁開閉装置の構成は図1に示す実施の形態1
と同一である。実施の形態1の説明と同様にして算出し
たアーク時間tを、ガス絶縁開閉装置の遮断累積回数毎
に算出してプロットすると図2に示すようなアーク時間
特性となる。図2において、19はアーク時間特性、2
0は遮断禁止レベル、21は遮断不能レベル、22は遮
断寿命である。図2のアーク時間特性19に示すよう
に、ガス絶縁開閉装置は長期間使用されて遮断累積回数
が多くなるほどアーク時間tが長くなるという特性を持
っている。
【0028】次に本実施の形態の動作を、電力系統に地
絡や短絡などの事故が発生し、ガス絶縁開閉装置に遮断
動作責務が必要な場合を例に説明する。図1において、
電力系統に地絡や短絡などの事故が発生し、事故の波及
を最小限にするためにガス絶縁開閉装置に開路指令信号
が指令信号3を通じて出され遮断動作を実行した場合、
実施の形態1で説明した方法で信号処理装置1によりア
ーク時間tを算出する。
【0029】もし、信号処理装置1のメモリーに記憶さ
れた前回の電流遮断時のアーク時間tが、図2に示す遮
断禁止レベル20より小さければ、信号処理装置1から
開閉制御装置2に遮断動作を実行させる信号が送出さ
れ、ガス絶縁開閉装置の遮断動作を許可する。
【0030】もし、信号処理装置1のメモリーに記憶さ
れた前回の電流遮断時のアーク時間tが遮断禁止レベル
20以上であれば、信号処理装置1から開閉制御装置2
に遮断動作を実行させる信号は送出されず、ガス絶縁開
閉装置の遮断動作を禁止する。この場合の遮断動作を禁
止する理由は、アーク時間tが遮断禁止レベル20以上
の時は次の遮断動作実行時に遮断失敗になる可能性が高
いので遮断失敗を防止するためである。
【0031】なお、当該のガス絶縁開閉装置の遮断動作
を禁止した場合、このガス絶縁開閉装置が接続された電
力系統の後備保護用のガス絶縁開閉装置を遮断させるこ
とにより事故の波及を食い止める。このようにして、ガ
ス絶縁開閉装置が電流遮断を多数重ねることによって遮
断能力が低下した状態での遮断動作を禁止することによ
り遮断失敗を未然に防ぐことができ信頼性を格段に向上
させることができる。
【0032】実施の形態3.この発明の実施の形態3に
係るガス絶縁開閉装置の構成は図1に示す実施の形態1
と同一である。図2のアーク時間特性19は、ガス絶縁
開閉装置の電流遮断部10aのアーク接触子の材質、消
弧室の構造が決まれば実験的または理論的に算出できる
ものである。このアーク時間特性19は、予め信号処理
装置1のメモリーに記憶されており、電流遮断を行った
時のアーク時間tを実施の形態1で説明した方法で算出
して、アーク時間特性19のどの位置にあるかを信号処
理装置1で判定することにより、遮断寿命22までの遮
断可能回数すなわち遮断性能の残存寿命を信号処理装置
1で判断する。
【0033】実施の形態4.この発明の実施の形態4に
係るガス絶縁開閉装置の構成は図1に示す実施の形態1
と同一である。図3は電流遮断部10aの閉極時の詳細
を示しており、図において、41は固定アーク接触子、
42は可動アーク接触子、44は絶縁ノズル、45はパ
ッファ室、46はパッファピストン、47は固定主接触
子、48は可動主接触子、49は接触子、50、51は
導体である。また、図4は電流遮断部10aの開極時の
詳細を示しており、図において、11はアークであり、
その他の部品構成は図3と同じである。
【0034】次に、本実施の形態4の動作について、ガ
ス絶縁開閉装置が電流遮断を実行した場合を例に、図
3、図4に基づいて説明する。ガス絶縁開閉装置の電流
遮断部10aが電流を遮断する前の通電状態では、図3
において、固定主接触子47と可動主接触子48の接触
部、および固定アーク接触子41と可動アーク接触子4
2の接触部を通じて電流が流れる。
【0035】次に、ガス絶縁開閉装置の電流遮断部10
aが電流を遮断する場合、図4において、可動主接触子
48や可動アーク接触子42などの一体化された可動部
分が開極方向(図中白抜き矢印方向)に操作され、最初
に、可動主接触子48が固定主接触子47から離れるの
で、電流は固定アーク接触子41と可動アーク接触子4
2を通じてのみ流れ、その後、固定アーク接触子41と
可動アーク接触子42が離れてアーク11が発生する。
この発生したアーク11は、開極動作行程中にパッファ
室45から絶縁ガスが吹き付けられて消弧されることに
よって電流が遮断される。この高温のアーク11によ
り、固定アーク接触子41と可動アーク接触子42のア
ーク11発弧部の構成材料のごく微量が溶融または蒸発
して消耗する。
【0036】この時の1回の電流遮断による固定アーク
接触子41と可動アーク接触子42の消耗量は、アーク
電流と分解ガス発生量の関数となり、次の式で表され
る。 K=α・Iβ・V ................................式 K:アーク接触子消耗量(ク゛ラム )、 V:分解ガス発生量(リットル)、 I:アーク電流(キロアンヘ゜ア) α、β:電流遮断部の材質、構造によって決まる定数 電流遮断の回数を重ねると、アーク接触子の累積消耗量
は次の式で表される。 ΣK=Σα・Iβ・V ..........................式 このアーク接触子消耗量ΣKはアーク接触子の寿命を決
定する指標である。
【0037】図5は、電流遮断累積回数(横軸)に対す
るアーク接触子の累積消耗量(縦軸)を示す。図5にお
いて、23はアーク電流が一定のときのアーク接触子の
消耗特性、25はアーク電流が一定でないときのアーク
接触子の消耗特性、22はアーク接触子の寿命点であ
る。なお、アーク電流が一定の場合の消耗特性23は式
から明らかなように直線となり、アーク電流が一定で
ない場合の消耗特性25は、同じく式から明らかなよ
うに曲線となる。また、アーク接触子の寿命点22は、
遮断器10で電流の遮断または投入を行う場合、アーク
接触子の累積消耗量が多く遮断または投入が失敗する可
能性があるため、アーク接触子の交換が必要な時点であ
る。
【0038】次に、このアーク接触子の累積消耗量を求
める方法を図1と図5で説明する。例えば、電力系統に
地絡などの事故が発生しガス絶縁開閉装置の遮断器10
で電流を遮断したとき、遮断時の高温のアーク11によ
り発生した分解ガス発生量をガスセンサ4で測定し、こ
の時のアーク電流を変流器38で測定する。これらの測
定された分解ガス発生量とアーク電流は信号処理装置1
に入力され、この時の電流遮断によるアーク接触子(固
定アーク接触子41と可動アーク42)の消耗量が式
に従って算出されメモリーに記憶される。そして、次の
電流遮断が遮断器10で行われたときも同様にしてアー
ク接触子の消耗量が算出され、信号処理装置1にてアー
ク接触子の累積消耗量を記憶する。この信号処理装置1
で算出したアーク接触子の累積消耗量は、出力信号24
を通じて上位系に送信され、ガス絶縁開閉装置の保守の
ため、アーク接触子の交換時期の判断情報として利用さ
れる。
【0039】このようにして、遮断器10で電流遮断し
たときの分解ガス発生量とアーク電流からアーク接触子
の累積消耗量を算出することができるので、ガス絶縁開
閉装置の保守業務を容易かつ確実に行うことができ、ひ
いては、ガス絶縁開閉装置の信頼性を向上させることが
できる。
【0040】実施の形態5.この発明の実施の形態5に
係るガス絶縁開閉装置の構成は図1に示す実施の形態1
と同一である。実施の形態4の説明と同様にして、信号
処理装置1にてアーク接触子の累積消耗量を求め、この
累積消耗量が信号処理装置1のメモリーに記憶されてい
る。このアーク接触子の累積消耗量には寿命上の限界値
である限界累積消耗量(ΣK)max が存在するが、この
値は電流遮断部の材質、構造によって実験的または理論
的に決定され、遮断器10に固有の定数である。
【0041】従って、ある時点のアーク接触子の累積消
耗量を(ΣK)now とすれば、消耗量の残存寿命は(Σ
K)max と(ΣK)now との差で表され、この消耗量の
残存寿命(ΣK)max −(ΣK)now は、信号処理装置
1にて算出されメモリーに記憶されている。この値を基
に、アーク電流値に対応したアーク接触子の寿命点22
までの、残存する遮断可能回数を算出して出力信号24
から上位系に送信することにより、ガス絶縁開閉装置の
遮断器10のアーク接触子の残存寿命が分かる。例え
ば、信号処理装置1において、定格電流値の遮断であれ
ば残りの遮断可能回数が何回であるかの情報が出力信号
24にて上位系に送信される。
【0042】
【発明の効果】以上のようにこの発明に係るガス絶縁開
閉装置の性能判定および制御方法は、遮断性能の評価指
標であるアーク時間を、ガスセンサによる分解ガス量測
定値と変流器によるアーク電流測定値の2つのパラメー
タにより算出するので、簡便かつ効率的な方法でガス絶
縁開閉装置の遮断性能の状態監視を行うことができ、ガ
ス絶縁開閉装置の機器保全機能を格段に向上させること
ができる。
【0043】また、アーク時間すなわち遮断性能評価指
標が所定値より悪くなった場合、次回の開路指令時での
遮断動作を禁止することにより次回の遮断失敗を防止で
きるので、ガス絶縁開閉装置の信頼性を格段に向上させ
ることができる。
【0044】また、アーク時間特性から遮断性能の残存
寿命を予測することが可能となるので、機器保全の信頼
性を向上させ、かつ機器保全業務を効率化することがで
きる。
【0045】また、アーク接触子の消耗量を、ガスセン
サによる分解ガス発生量測定値と変流器によるアーク電
流測定値の2つのパラメータにより算出するので、アー
ク接触子の消耗状態を的確に把握することができ、ガス
絶縁開閉装置の保守業務の効率性および信頼性を向上さ
せることができる。
【0046】また、アーク接触子の消耗量からアーク接
触子の残存寿命を予測することが可能となり、アーク接
触子の交換時期を的確に把握することができるので、ガ
ス絶縁開閉装置の保守業務の信頼性を向上させることが
できる。
【0047】また、電流遮断部付近の分解ガスの検出期
間を、遮断器の遮断動作開始後所定時間の間マスクした
後とすることにより、より正確な性能判定および制御が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1乃至実施の形態5に
係るガス絶縁開閉装置の性能判定および制御方法を説明
するためのガス絶縁開閉装置を示す断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1、実施の形態2、お
よび実施形態3の動作を説明するためのアーク時間特性
を示す図である。
【図3】 ガス絶縁開閉装置の閉極時の電流遮断部の詳
細図である。
【図4】 ガス絶縁開閉装置の開極時の電流遮断部の詳
細図である。
【図5】 この発明の実施の形態4および実施の形態5
の動作を説明するためのアーク接触子の消耗量特性を示
す図である。
【図6】 従来のガスセンサを備えたガス絶縁開閉装置
の断面図である。
【符号の説明】
1 信号処理装置、 2 開閉制御装
置、3 指令信号、 4 ガスセン
サ、5 ガス密封容器、 6 外被、7
a、7b スペーサ、 8a、8b ガス区
分、9 中心導体、 10 遮断器、
10a 電流遮断部、 11 アーク、1
3 ガスセンサ出力信号、 14 ガスセンサ制
御信号、19 アーク時間特性、 20 遮
断禁止レベル、21 遮断不能レベル、 2
2 遮断寿命、23 アーク接触子の消耗特性、 2
4 出力信号、25 アーク接触子の消耗特性、 3
8 変流器、41 固定アーク接触子、 42
可動アーク接触子、44 絶縁ノズル、
45 パッファ室、46 パッファピストン、
47 固定主接触子、48 可動主接触子、
49 接触子、50、51 導体。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遮断器を内蔵したガス絶縁開閉装置によ
    る電流遮断時に、上記遮断器の電流遮断部付近の分解ガ
    ス量と電流遮断時のアーク電流値より、演算によって、
    遮断性能の評価指標となる性能判定出力を得るようにし
    たことを特徴とするガス絶縁開閉装置の性能判定および
    制御方法。
  2. 【請求項2】 分解ガス量は、遮断器の電流遮断部付近
    に設けられたガスセンサにより測定するようにしたこと
    を特徴とする請求項1記載のガス絶縁開閉装置の性能判
    定および制御方法。
  3. 【請求項3】 アークの継続時間を性能判定出力として
    得るようにしたことを特徴とする請求項1または請求項
    2記載のガス絶縁開閉装置の性能判定および制御方法。
  4. 【請求項4】 アークの継続時間から電流遮断部の寿命
    を予測するようにしたことを特徴とする請求項3記載の
    ガス絶縁開閉装置の性能判定および制御方法。
  5. 【請求項5】 ある時点におけるアークの継続時間が所
    定値を超えるとき、次回の開路指令時に遮断器の遮断動
    作を見合わせるようにしたことを特徴とする請求項3記
    載のガス絶縁開閉装置の性能判定および制御方法。
  6. 【請求項6】 遮断器のアーク接触子の消耗量を性能判
    定出力として得るようにしたことを特徴とする請求項1
    または請求項2記載のガス絶縁開閉装置の性能判定およ
    び制御方法。
  7. 【請求項7】 遮断器のアーク接触子の消耗量特性から
    アーク接触子の交換時期を予測するようにしたことを特
    徴とする請求項6記載のガス絶縁開閉装置の性能判定お
    よび制御方法。
  8. 【請求項8】 遮断器の遮断動作開始から所定時間をお
    いて、電流遮断部付近の分解ガスの測定を行うようにし
    たことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一
    項記載のガス絶縁開閉装置の性能判定および制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008198557A (ja) * 2007-02-15 2008-08-28 Mitsubishi Electric Corp ガス遮断器の状態予測方法及び状態予測装置並びにガス遮断器
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