JP2001255326A - 密封容器の内容物の変化についての問合わせ - Google Patents

密封容器の内容物の変化についての問合わせ

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JP2001255326A
JP2001255326A JP2001024367A JP2001024367A JP2001255326A JP 2001255326 A JP2001255326 A JP 2001255326A JP 2001024367 A JP2001024367 A JP 2001024367A JP 2001024367 A JP2001024367 A JP 2001024367A JP 2001255326 A JP2001255326 A JP 2001255326A
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biosensor
sensor device
receptor
primary container
fluorescent
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JP2001024367A
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English (en)
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Roy H Hammerstedt
エイチ.ハマーステッド ロイ
Allen T Phillips
ティー.フィリップス アレン
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Penn State Research Foundation
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Penn State Research Foundation
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 密封一次容器の内容物からやがては分離され
る一体センサーによって密封一次容器の内容物の評価を
可能にする装置および方法。密封システムを破壊するこ
となく、密封一次容器の内容物の品質についての情報を
提供する。 【解決手段】 一体センサー装置は、ゲート化細孔膜に
よりプラスチック製構造物内に保持されたバイオセンサ
ーを含む。膜の孔は一次容器の環境変化に応じて開き、
これにより一次容器の内容物がバイオセンサーと接触で
きるようにする。一次容器の内容物の状態は、バイオセ
ンサーの検査により、可視的に又は光ファイバープロー
ブを介して、プラスチック製構造物の光学的窓を通して
決定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術的背景】1.発明の技術分野 本発明は、検出装置と接続して用いられるアナライト閉
鎖容器に関する。特に、本発明は、密封一次容器の内容
物からやがては分離される一体センサーによって密封一
次容器の内容物の評価を可能にする装置および方法に関
し、さらに、密封システムを破壊することなく、密封一
次容器の内容物の品質についての情報を提供する。2.関連する技術の説明 本発明の技術分野は、ヒト血液細胞に関して提供され
る。なぜならば、それらが社会的に極めて重要であるか
らであり、また特に、それらの貯蔵に用いられる現行の
手順が限られているためである。しかしながら、本発明
は、食品の貯蔵および加工、バイオ発酵による高価な分
子の製造、または電気メッキまたは製造物の酸/塩基処
理のような工業的加工に関して提供することもできるで
あろう。
【0002】典型的には、血液はドナーから得られ、赤
血球、血小板、リンパ球および血漿などの成分に分別さ
れる。赤血球および血小板は別々に「ユニット」ととし
てパック詰めされ、これらは次いで適切な温度に保持さ
れ、後に患者に輸血するために配送される。各ユニット
は無菌的に予め殺菌されたプラスチック製バッグに入れ
られ、その中に密封される。無菌的処置に慎重な注意を
払うにもかかわらず、所定の血液細胞ユニットは微生物
で汚染される可能性がある。
【0003】赤血球に関しては、現行のFDA規則は、
汚染された細胞ユニットの注入からの患者の危険を最小
限にしようと努力して、採取後24日以内に使用を制限
している。細菌それ自体よりは内毒素(endotoxins)
が、赤血球ではしばしば問題を引き起こす。血小板に関
しては、微生物汚染について同様の懸念があるが、その
使用は代謝的自己損傷を理由に5日に制限されている。
最近の概説(Blajchmann,1999)は、〜2,500ユニッ
トの血小板のうち1ユニット、〜38,500ユニット
の赤血球のうち1ユニットが細菌で汚染されていたこと
を示した。ニュージーランドの研究は、65,000人
のうち1人が赤血球輸液の後で重篤となり、104,0
00人のうち1人が一つの特定生物のために死亡するで
あろうと報告した。USAを含む他の国々からのデータ
はより高い及びより低い両方の危険率を提供している
が、赤血球および特に血小板の使用に関連した実質的な
危険がある(Lee,1999)。
【0004】現在のところ、内容物を患者に輸液する直
前に血液ユニットが汚染されているかどうかを決定する
ための容認できる方法はない。これは、内容物のサンプ
ル採取にはバッグを開ける必要があり、その結果として
汚染が導入される危険が生じ、得られたサンプルを評価
する必要があるためである。実験室の道具立てが必要な
ので、「使用」または「未使用」の決定を2〜3分で行
うことは困難であるか不可能である。明らかに、血液ユ
ニットを開けることなく使用または未使用の決定を可能
にする診断方法又は装置は、これが正確な結論を与える
極めて高い確率を有するならば、大いに有用であろう。
【0005】
【本発明の概要】本発明の装置および方法は、密封一次
容器の内容物からやがては分離される一体センサーによ
って密封一次容器の内容物の評価を可能にし、密封シス
テムを破壊することなく、密封一次容器の内容物の品質
についての情報を提供する。一体センサー装置は、ゲー
ト化細孔膜によりプラスチック製構造物内に保持された
バイオセンサーを含む。膜の細孔は一次容器の環境変化
に応じて開き、一次容器の内容物がバイオセンサーと接
触できるようにする。一次容器の内容物の状態は、バイ
オセンサーの検査により、可視的にまたは光ファイバー
プローブを介して、プラスチック構造物の光学的窓を通
して決定することができる。
【0006】
【本発明の具体的な説明】一次容器 − この開示にお
いて、我々は「一次容器」という用語を、細胞、食品ま
たは工業材料のための全ての容器を包含するために、広
い意味で用いている。一体センサー − この開示において、我々は「一体セ
ンサー」という用語を、ここに開示されたような多くの
装置の一つを指すために用いている。「一体センサー」
は典型的には、適切ならば滅菌する前に一次容器に組み
込まれ、バイオセンサー(以下参照)をやがては密封一
次容器の内容物から分離し、密封システムを破壊するこ
となく、密封一次容器の内容物の評価についての情報を
提供する。 ゲート化細孔膜 − この開示において、我々は、「ゲ
ート化細孔膜」という用語を、米国特許第5,261,870号
(出願中)明細書で教示されたように、または他の手順
で閉塞されている1個またはそれ以上の細孔を含む全て
の分離バリアを包含するために、広い意味で用いてい
る。このような分離バリアは、最初は閉鎖されている
が、局部的な環境の変化に応答してイオンまたは分子を
通過させるのに充分な程度に適切なように開く1個また
はそれ以上の細孔を有する。閉塞材料は、ゲート化細孔
膜の設計に依存して、三次元的形態を浸食、溶解または
変化させるであろう。ゲート − この開示において、我々は「ゲート」とい
う用語を、分離バリアを通る1個またはそれ以上の細孔
に関連して用いている。ゲートは、細孔が閉塞されてい
るならば「閉じられて」おり、イオンまたは分子の通過
を防止する。ゲートは、閉塞材料が三次元的形態を充分
に浸食、溶解または変化させたならば「開いて」おり、
選択されたイオンまたは分子の1種またはそれ以上を通
過できるようにする。センサー区画室 − この開示において、我々は「セン
サー区画室」という用語を、一体センサーの構成要素に
関連して用いていおり、この構成要素は、一部はゲート
化細孔膜から、また一部はプラスチック製構造物から形
成されている。センサー区画室はバイオセンサーを含
み、該バイオセンサーが一次容器から入ってきたイオ
ン、分子または細胞に接近可能になり得るようにバイオ
センサーを位置決めし、また、該バイオセンサーが一定
の様式で、特別の光学的窓を通して、あるいは代わりに
一次容器の一部分を通して問い合わせされ得るようにバ
イオセンサーを位置決めする。バイオセンサー − この開示において、我々は「バイ
オセンサー」という用語を、装置の構成要素に関連して
用いており、この構成要素は、当業者に公知の手段を用
いて検出または測定し得る応答または信号を用いて、公
知の一定の方式で局部的環境の分子の変化(一つまたは
それ以上)に応答するように設計される。局部的環境ま
たはミクロ環境の変化は、自然界におけるイオン、分子
または細胞の変化であってよい。
【0007】受容体 − この開示において、我々は
「受容体」という用語を、全ての検出器分子(由来は合
成または天然の何れでもよい)またはバイオセンサーに
組み込まれた抗体に関連して用いている。受容体は、1
種またはそれ以上の「リガンド」(以下参照)に対して
合理的な親和性および特異性を有する。リガンド − この開示において、我々は「リガンド」
という用語を、一次容器内で経時的に蓄積または消失す
る特定のイオン(1種またはそれ以上)、分子(1種ま
たはそれ以上)または細胞(1種またはそれ以上)に関
連して用いている。一次容器内でのリガンドの蓄積は、
占有されていない受容体とリガンド−受容体複合体との
比率の変化、およびバイオセンサーの特性の変化に帰着
するであろう。
【0008】本発明は、密封一次容器の内容物からやが
ては分離される一体センサーの手段によって密封一次容
器の内容物の評価を可能にする装置および方法からな
り、密封システムを破壊することなく、密封一次容器の
内容物の評価についての情報を提供する。一体センサー
装置は、中空シリンダーまたは浅い構造物であってよ
い。装置の一方の端部または面はゲート化細孔膜であ
り、その細孔は通常は多くのアプローチの一つにより閉
鎖されており、センサー区画室の一方の端部を形成し、
タスクにふさわしいバイオセンサーを含み、センサー区
画室の他方の端部は、ゲート化細孔膜と反対側の端部か
ら窪んでいる光学的窓によってまたは一次容器の壁によ
って形成される。典型的には、一体センサー装置は一次
容器とは別個に製作され、最終的な製作の間に滅菌する
前に一次容器中に組み込まれる。従って、この装置の特
定の実施態様では、無菌的操作を受け得る。血球、他の
細胞、食品または工業的製品のための一次容器の内容物
の状態は、肉眼でまたは光ファイバープローブを介し
て、ゲート化細孔膜によりプラスチック製構造物内に保
持されるバイオセンサーの、上記一次容器中に制作時に
組み込まれた上記プラスチック製構造物の光学的窓を通
して決定することができる。上記ゲート化細孔膜の細孔
は、上記一次容器の環境変化に応答して開き、該一次容
器の内容物が該バイオセンサーに接触し、その変化を引
き起こすようにする。一つの実施態様において、細胞懸
濁液または生成物を容器に入れた後、ゲート化細孔膜は
開き、センサー区画室内のバイオセンサーが一次容器の
内容物に連続的に暴露されるのを可能にする。一次容器
内での変化はバイオセンサーからの信号に影響を与え、
これは、上記のように適切なセンサーを有する装置の光
学的窓を見ることにより、遅れず即刻定量することがで
き、一次容器を開けることなく質の測定値を与える。別
の実施態様において、細胞懸濁液または生成物を容器に
入れた後、ゲート化細孔膜は、所定の変化が一次容器内
で起こるまで閉じたままであり、その変化はゲート化細
孔膜を開かせて、液体がセンサー区画室に入ってバイオ
センサーと接触するのを可能にし、次いで適切な信号で
応答する。検出が可能な一次容器の変化としては、これ
らに限られないが閾値からかけ離れたpHの低下または
上昇、あるいは予め選別された種類の分子、例えば細菌
により産生された毒素の1員またはそれ以上の、閾値を
越えた蓄積が挙げられる。装置および方法に依存して、
ゲート化細孔膜を閉塞させる材料(1種またはそれ以
上)およびバイオセンサーを形成する材料(1種または
それ以上)の双方を、独立してまたは組み合わせて変化
させることができるので、極めて広範囲の実用が可能で
ある。それ故に、一次容器の内容物の予定された変化
は、ゲート化細孔膜の開放および/またはバイオセンサ
ーからの信号の変化によって明示されることができる。
多数の他の実施態様または用途は当業者に自明であり、
本明細書の実施例により説明されるが、本発明の限定を
定めるものではない。
【0009】理想的な試験は、10,000個の血小板
の存在下に一つの細菌を低い偽陽性(汚染)率で検出
し、汚染物の種にかかわらす信頼性があり、複雑性にお
いて単純であり、数分で完了し、低いコストであるべき
である。これは達成できないかもしれないが、出現する
技術を新規な手段で組み合わせることにより取り組むこ
とができる。例えば、合成材料(Hogt et al., 1983; Ma
ckenzie and Rivera-Calderon, 1985; Barrett, 1988;
Barth et al., 1989)または生物材料(Abraham, et al.,
1983; Kuusela et al., 1985; Vercellotti et al., 1
985; Speziale etal., 1986; Herrmann et al., 1988)
を用いて、細菌を表面上に集め得ることが知られてい
る。本明細書に開示したようにゲート化細孔膜またはバ
イオセンサーにそのような材料を組み込むことは、この
ような生物を検出する確率を高めるはずである。
【0010】既知の細孔サイズ(例えば0.1〜3.0μm名
目直径)の細孔を有する従来の膜を、特定のゲート化細
孔膜に作成し、次いで容器または他の装置内に組み立て
ることができる(米国特許第5,261,879号明細書)。ゲ
ート化細孔膜は、予め定められた条件に遭遇したときに
のみ開く閉鎖容器を与えることができ、細孔を閉塞また
は閉鎖する材料は、細孔を通る分子の通過を予め遮断す
るゲートが開かれるように変化する。膜、孔の直径およ
び閉塞材料の殆ど無限の組み合わせが、米国特許第5,26
1,879号明細書および他の文献で考察されている。重要
なことには、機械的、電気的または他の介在ではなくゲ
ート化細孔膜の片側における条件が、いつ細孔が開い
て、分子が膜を通ってセンサー区画室内を通行するのを
許容するかを決定する。
【0011】バイオセンサーは、環境における多くの分
子変化に応答するように設計することができる。プロト
ン濃度に応答するpH指示薬、またはグルコース濃度に
応答する特定の計量棒(dipsticks)の色の変化は、二
つの一般的かつ簡単な例である。一つまたは別の分子刺
激物に敏感なバイオセンサーを、ビーズまたはマイクロ
ビーズ中に組み込むことができ、多くの場合、色を変化
させるか、あるいは特定の波長の光に暴露すると所定の
波長の光(すなわち蛍光)を発するように設計すること
ができる。これらまたは他の変化は、人間の目からデジ
タル表示器を有する光ファイバー電子装置にわたる種々
の検出器により監視することができる。
【0012】明らかに、適切な特性を有するゲート化細
孔膜が、その他の点では不浸透性の容器内の適切なバイ
オセンサーを密封するのに役立つならば、ゲート化細孔
膜は、(a)バイオセンサーを所定の位置に保持し;
(b)いつかは、いつバイオセンサーが応答を送る刺激
を受容するかを決定する。このような装置は、プラスチ
ック製シリンダー、一連の同心シリンダー、浅い構造
物、または検出装置に好都合に接近させる方式でバイオ
センサーを位置させる限り任意の他の形であってよい。
望ましいならば、透明な光学的窓(これを通して別の検
出器がバイオセンサーを透視することができる)を含む
ことができるが、迷光がセンサーまたは検出器上に落ち
るのを最小限にとどめるための不透明壁を有してもよ
い。必要ではないが、しばしば、光学的窓および構造物
の開放端部(ゲート化細孔膜を有する端部とは反対の端
部)から1cmより離れて位置するセンサー区画室を有
することが望ましい。あるいは、一次容器の壁の一部分
を、浅い構造物内に入れられたバイオセンサーを見るた
めの光学的窓として役立てることができる。
【0013】一つの実施態様において、ゲート化細孔膜
は、閉塞重合体、例えばメチルセルロース、あるいは装
置を組み込む一次容器内に細胞懸濁液が入れられるまで
細孔が閉塞されたままであることを意図して米国特許第
5,261,870号明細書で教示された他の重合体または混合
物を用いて作成される。水がゲート化細孔膜と接触した
後の所定の時間間隔(例えば5〜15分)で、閉塞材料
は浸食または溶解し、ゲートが開き、膜を横切る分子の
自由な交換が拡散および他の力によって生じる。次いで
バイオセンサーは、センサー区画室内での拡散、ゲート
化細孔膜を横切る拡散およびゲート化細孔膜の外面のサ
ンプル採取部位の正確さによってのみ制限されて、一次
容器の内容物のサンプル採取を開始する。一次容器又は
その内容物の間欠的もしくは継続的な運動は正確なサン
プル採取を促進するだろう。バイオセンサーの変化は肉
眼でまたは光ファイバープローブおよび適切な計装を介
して検出することができる。この実施態様において、バ
イオセンサーは一次容器内の分子変化の検出に対する特
異性を提供し、ゲート化細孔膜はバイオセンサーを保持
し、尚早のサンプル採取を防止する。
【0014】別の実施態様において、ゲート化細孔膜
は、特定の刺激に応答し水の単なる存在には応答しない
ように選択された特定の閉塞材料で作成される。本発明
に用いられる膜中の細孔を閉塞させるのに使用できる材
料の不完全なリストが、下記に与えられている。ゲート
化細孔を開くこの刺激は、おそらく正常な細胞代謝また
は特に汚染微生物の代謝、または分泌された細菌毒素の
蓄積により生じる一次容器内のpHの低下であってよ
い。この実施態様において、ゲート化細孔膜は、細胞懸
濁液または生成物が容器中に入れられた後は閉じたまま
であり、引き金となる刺激が起こった場合にのみ開く。
その時にゲート化細孔は開いて、水の中に存在し得るイ
オンおよび分子は何でも一緒に携えて、水が膜を通って
検出器の区画室内に達するのを可能にする。センサー
は、水との接触から、例えば人間の目で識別可能な緑色
から白色に、あるいは水とともに検出器の区画室内に入
って来る特定の分子またはイオンに応答して変化する。
赤血球のバック内に組み込まれたこのようなpH−感受
性装置の単純な色の変化の場合、使用前の白色ではなく
緑色の目視検査は、微生物汚染に関係する低下したpH
を排除するのに充分であろう。
【0015】これらのまたは他の実施態様において、バ
イオセンサーが応答する分子が、膜を通してバイオセン
サーに接近できない限り、ゲート化細孔膜を閉塞させる
材料が膜を貫く細孔または微孔を完全に遮断することは
重要でない。このような装置の実用性は、ゲート化細孔
膜を形成するための膜ストックおよび細孔を閉塞させる
材料、閉塞された細孔の開放の正確性または反復可能
性、バイオセンサーの性質、および監視された出来事を
検出するための検出器およびバイオセンサーの感度の組
み合わせによって定められる。用途に依存して、検出さ
れた応答を誘発する変化の大きさは、閉塞材料またはバ
イオセンサーの何れかを介して調整することができる。
全ての場合、検出器の応答は、機械的または電気的な力
に依存しないが、表示には機器が必要であろう。適切な
計測を用いて、遠隔のまたは孤立した領域の信号を検出
することができる。膜ストック材料 ゲート化細孔膜を形成するのに用いられる膜ストック
は、商業的に入手可能な全てのもの、例えば「乾草堆(h
aystack)」構造を有するフィブリル膜、「スポンジ様」
構造を有する微孔性膜、および「トンネル」構造を有す
るトラック蝕刻膜または毛細管状細孔膜であってよい。
他の人達は、光ファイバーまたは他の検出器に対してバ
イオセンサーを設置するために、予備形成されたかまた
はその場で形成されたかの何れかの膜を用いてきたが、
ゲート化細孔膜はこの目的に用いられていなかった。こ
の用途のためのゲート化細孔膜は、微孔性膜ストックを
用いて調製することができる。しかしながら、毛細管状
細孔膜ストックに独特な特性によって、この材料は、本
明細書に記載したようなバイオセンサーの検出器に用い
られるゲート化細孔膜を形成するために選択される。あ
るいは、pHに応答して変化する能力を組み込むストッ
ク膜を用いてもよい(Maeda et al., 1984; Kinoshita e
t al., 1994)。膜ストック内の細孔を閉塞させる材料 ストック膜内に予め形成された細孔を閉塞させ、これに
よりゲート化細孔膜を形成する材料は、以下に列挙する
クラスのものから選択できるが、これらは例示であっ
て、包括的ではない。得られる一般的なゲート化細孔膜
は、図1に示されている。重要なことには、細孔内の閉
塞材料は、細孔の周囲で膜面上に保持され得る残余の閉
塞材料ではなく機能性要素である。潜在的に有用な材料
の多くが他の用途に用いられてきたが、膜内に予め形成
された細孔を充填して、膜の片側上の材料が、膜(そこ
で検出器に接近可能である)の背後に配置されたバイオ
センサーに接近するのを制御するためには何も用いられ
なかった。この用途に使用可能な全ての材料は、本発明
の範囲内にあると考えられ、場合によっては、その材料
は特許可能であると認められる。 1.溶解または水和および体積の変化によりpHの変化
に応答する非タンパク質重合体、例えばカルボキシメチ
ルまたはジエチルアミノセルロース。従来の膜ストック
内の細孔を閉塞させるために用いる場合、このような重
合体はpHに応答して収縮する(「ゲート」を開く)。 2.コンホメーションまたは他の属性の変化によりpH
または他の環境因子(1つまたはそれ以上)の変化に応
答するタンパク質重合体。このようなタンパク質は、p
Hに応答して、球状の性質に対する線状または螺旋状の
性質において、より長くなるかまたはより短くなり、あ
るいはより大きくなるかまたはより小さくなり、(Ito e
t al., 1990, 1997; Huyghues-Despointes et al., 199
3; Holzer, 1994; Spek et al.,1995; Urry, 1997)、こ
うして「ゲート」を開くかまたは閉じる。 3.細菌生成物、例えば分泌された毒素(例えば大腸
菌、ぶどう状球菌または連鎖球菌によって分泌されるポ
リン(porin)型毒素)の増大した濃度に応答する脂質
二重層または類似の脂質含有複合体。毛細管状細孔膜内
のトンネル構造により支持された脂質二重層(米国特許
第5,368,712号明細書;Sackmann, 1996)を調製するた
めに、多くの方法を用いることができる。バイオセンサーを形成または被覆する材料 バイオセンサーの理解は、古典的な受容体−リガンド相
互作用の類推によって容易になる。この場合、本発明に
関し、「受容体」という用語は、任意の検出器分子(合
成または天然の何れかに由来する)、またはバイオセン
サー呼ばれる固体基質に結合させた抗体であり、「リガ
ンド」という用語は、一次容器内で経時的に蓄積または
消失する特定のイオン(1種またはそれ以上)、分子
(1種またはそれ以上)または細胞(1種またはそれ以
上)である。受容体はリガンドに対して合理的な親和性
および特異性を有する。一次容器内でのリガンドの蓄積
は、占有されていない受容体とリガンド−受容体複合体
との比率の変化に帰着するであろう。リガンドおよび受
容体分子の適切な選択は、別々のリガンドまたは受容体
分子あるいはそれらの複合体の何れから変化した分光学
的特性により未占有受容体に対する占有受容体の割合の
この変化の検出を可能にする。あるいは、信号部分を受
容体に結合させ、未占有または占有としての状態の増幅
されたしるしを与えることができる。適切ならば、未占
有受容体に対する占有受容体の割合の変化を、固体基質
に固有の特性により増幅させてもよい。
【0016】この装置にとって適切なバイオセンサーに
は、それらが検出すべきミクロ環境の変化(これは任意
の形の分光分析法(例えばルミネッセンス、蛍光、吸光
度、赤外線、磁性、光散乱など)により検出または測定
できる)に暴露したときに、信号属性の変化を受ける限
り、制限はない。特定の場合、貯蔵される材料または細
胞は、必要な信号を与えることができる。しかしなが
ら、特定のバイオセンサーの使用は、監視できる変化の
性質を増大させる。潜在的に有用なバイオセンサーの多
くが他の用途に用いられてきたが、それらのどれも、検
出すべき分子、イオンまたは細菌の接近を開始させるゲ
ート化細孔膜によって一部が形成され、また、バイオセ
ンサーから生じる信号の検出を可能にする光学的窓によ
って一部が形成された、見える区画室中に配置されなか
った。バイオセンサーは、しばしは二つの活性要素;す
なわち検出材料(1種またはそれ以上)および信号材料
(1種またはそれ以上)を含み、これらは結合分子内で
組み合わせられる。
【0017】我々は、固体基質の例としてプラスチック
製ビーズを用いるが、本発明はこの点に限定されるもの
ではない。固体基質は、任意の三次元形状を有すること
ができ;不浸透性または浸透性材料を含むことができ;
平滑な、微孔性のまたは複雑な表面を含むことができ;
その他であってもよい。本発明は、固体基質の性質また
は形状によって限定されない。同様に、本発明は、検出
器分子を固体基質に結合させるのに用いられる方法によ
って限定されない。
【0018】検出器分子は、単純な吸着、直接の共有結
合によるか、または親和性タグを介してバイオセンサー
(例えばプラスチック製またはガラス製ビーズ)の表面
に結合させることができる(Anonymous 1999a, 1999b; N
olan et al., 1999; Song and Swanson, 1999)。あるい
は、固体表面を脂質で予備被覆し、次いで脂質親和性の
リガンド−検出分子をその中に配置してもよい(Nolan e
t al., 1999)。検出材料とともに結合分子中にないなら
ば、信号材料は検出材料の状態(占有または未占有)の
変化に応答することを要し、信号の変化は電磁スペクト
ル内で特徴的な吸収またはまたは発光性質の変化である
ことを要する。吸光度または蛍光信号が最も一般的であ
る。
【0019】この用途に適切な任意のバイオセンサーは
本発明の範囲内にあると考えられ、場合によっては、そ
のバイオセンサーは特許可能であると認められる。この
議論において、我々はビーズ形のバイオセンサーを考慮
するであろうが、全ての形状が特許請求される。バイオ
センサーについての適切な概念は、幾つかのクラス(図
2に概要が示されており;参照が容易なように、ここに
名称が与えられる)において考慮でき、例えば下記のも
のがあげられるが、これらに限定されるものではない。
【0020】クラス−1: 関心のある細菌に特徴的
な、またはこれらの細菌により分泌されるエピトープま
たはリガンドを標的とする蛍光受容体(これは、そのコ
ンホメーションがリガンドの結合により変化したときに
のみ蛍光を発する)で被覆されたビーズ。結合したリガ
ンドの検出は、バイオセンサーが適切な波長の光で照射
されたときの蛍光を介して行われる。
【0021】クラス−2: 脂質で被覆されたビーズで
あって、内部に収容された適切な蛍光色素−受容体複合
体(これらは、そのコンホメーションがリガンドの結合
により変化したときにのみ蛍光を発する)が配置されて
ビーズ。結合した細菌生成物の検出は、バイオセンサー
が適切な波長の光で照射されたときの蛍光を介して行わ
れる。
【0022】クラス−3: 脂質で被覆されているか、
または別の方法で調製されたビーズであって、低い濃度
の二つの異なる蛍光受容体(それぞれがリガンドを結合
させる)が配置されており、従って両方の受容体による
リガンド分子の同時結合がこれらの受容体をさらに近接
させ、バイオセンサーが適切な波長の光で照射されたと
きに、電荷−カップリング励起が独特な波長の光を生じ
させることができるようにするビーズ。この場合、適切
な外部励起は、一方の受容体のみに蛍光を発生させ、そ
の光は検出されないが、蛍光共鳴移動により二番目の受
容体を励起させ、光ファイバープローブで検出可能な独
特の波長の光を発光させる。第二受容体の蛍光は、リガ
ンドへの両方の結合によってのみ達成される第一受容体
の発光との近接性に依存するので、このようなシステム
は非常に特異的である。
【0023】クラス−4: 脂質で被覆されているか、
または混合マトリックスを受け入れるように別の方法で
調製されたビーズであって、一つの受容体−Aが特定の
種類または型の細胞を結合させるように設計されてお
り、この受容体は結合の後に、付近の第二受容体−Bに
よって結合されるリガンドとして作用する材料を放出し
続け、受容体−Bの「未占有の受容体−B」から「占有
の受容体−B」へ分子の急速なシフトおよび検出可能な
スペクトルの変化を引き起こすビーズ。バイオセンサー
上に化学的誘因物質を配置すると、混合マトリックス表
面の感度をさらに向上させることができるであろう。
【0024】クラス−5: 脂質で被覆されているか、
または細菌または他の細胞により分泌された特定クラス
の酵素のための基質として作用し得る検出基質−蛍光色
素を受け入れるように別の方法で調製されたビーズ。こ
のバイオセンサーにおいて、基質は二つの蛍光基(一方
の蛍光基は、分子が無傷である間は酵素切断部位の片側
で近接しているが、基質が切断された後は実質的にさら
に離れる)を有するように設計される。基質に対する酵
素の局部的作用は、非常な近接によって引き起こされた
蛍光の阻害を解除させ、検出器分子は、適切な波長の光
で照射されたときに蛍光を発するであろう。Barkお
よびKahn(2000)は例を提供した。
【0025】クラス−6: クラス−4およびクラス−
5の要素を組み合わせる混合マトリックスで被覆された
ビーズ。クラス−4におけるように、受容体−Aは化学
的誘因物質に支援されずにまたは支援されて、関心のあ
る細胞を結合し、従って細胞は、クラス−5におけるよ
うに、蛍光リポーターB−Cを組み込んだ基質に極めて
近接して酵素を放出し続ける。局在化された細胞(例え
ば細菌)からの酵素は、基質に作用し、このことは非常
な近接によって引き起こされた蛍光阻害を解除させ、従
って検出器分子は、適切な波長の光で照射されたときに
蛍光を発するであろう。バイオセンサーから発する信号の検出 蛍光部分の導入(例えば蛍光−タンパク質バイオセンサ
ー;Giuliano and Taylor, 1998)の導入を仮定する
と、フローサイトメトリーが一般的である(微小球アナ
ライト分析;Morgan et al., 1996; McHugh, 1994; Nol
an et al., 1999;Anonymous 1999c, 1999d)。バイオセ
ンサーのフローサイトメトリーは、プロテアーゼ、燐脂
質抗体および水溶性毒素の定量に用いられている(St. P
iere etal., 1996; 米国特許第5,605,809号明細書; Laa
kel et al., 1998 Song et al., 1998)。他の材料は溶
液中で分析されているが、固相アッセイでも使用できる
であろう(例えば亜鉛および関連する陽イオンまたは核
酸;Goodwin and Berg,1996; Tyagi and Kramer, 199
6)。バイオセンサーに問合せるための他方の一般的ア
プローチは、光ファイバープローブ(種々の形、例えば
微小球を含む;上記のとおり)を介して行われる。
【0026】容器の内容物に固有の変化の検出または特
定のバイオセンサー(例えば蛍光リポーター)を介する
検出には、光学的プローブ(Maroze et al., 1999)が必
要であり、これは一体的に固定された光ファイバープロ
ーブまたは別個の着脱しうる光ファイバープローブの何
れかである。分析すべき容器と一体の光ファイバープロ
ーブは、バッグ内の材料の固有なスペクトル特性を読み
取ることができる。あるいは、一体の光ファイバープロ
ーブは、関心のある材料がバイオセンサーの直接の環境
内で適切な濃度に達したときに、バイオセンサー要素の
光学的特性の変化を読み取ることを介して、内部の内容
物の変化を間接的に監視することができる。
【0027】公知の装置において、バイオセンサーは、
光ファイバー束の面へ共有結合により固定化されるか、
またはバイオセンサーはパーム(perm)選択的膜で光フ
ァイバー束の近傍に拘束される。このようなシステム
は、陰イオン、陽イオン、バイオマス、グルコース、乳
酸、NAD(P)H、O2、CO2およびpHを監視する
ために用いられている(Agayn and Walt, 1993; Kar and
Arnold, 1995; Maroseet al., 1998; Spichiger-Kelle
r, 1997; Tartakovsky et al., 1996; Urbanoet al., 1
984; Vaccari et al., 1994; Weigl et al., 1994; Xu
et al., 1998)。これらのアプローチは密閉容器では使
用できない。
【0028】これまで、密閉容器に対する唯一の選択
は、一次容器の光学的窓に対して着脱しうる光ファイバ
ープローブを配置して、容器内の材料から情報を収集す
ることであった。しかしながら、情報収集は、容器内の
材料に固有のスペクトル特性に限られている(例えばバ
イオマスからの光散乱、NAD(P)Hのような代謝物
の蛍光特性;Cavinato, et al., 1990)。
【0029】密閉一次容器の変化を問合せるための装置
は、論理的には、固定化されたバイオセンサーを含むこ
とができ、該密閉一次容器の内容物の特定属性をサンプ
ル採取し、該バイオセンサーは該装置内の別個の密閉二
次容器中に保護されており、該バイオセンサーは光学的
窓の正面に保持されており、該光学的窓は該一次容器ま
たは該二次容器を開けることなく着脱除去しうる該光フ
ァイバー検出器に接近可能であり、該装置は製作時に滅
菌する前に該一次容器内に容易に導入することができ
る。これまで達成できなかったこの目的の解決は、本発
明の主題である。これは、ゲート化細孔膜;生物活性な
重合体、タンパク質または脂質フィルム;およびバイオ
センサーに関する現存する技術を、新規な方法で組み合
わせ、新規な装置において新規な材料および形状により
提供される柔軟性を付け加えることによって達成され
る。明らかに、幾つかの要素がこのような装置を与える
べく新規な手段で組み合わせられる。
【0030】本明細書に開示された装置に加えて、記載
された装置内の機能性要素の使用は、従来技術での利用
とは幾つかの方法で異なっている。本明細書に開示され
た使用は従来技術の自明な拡張ではない。 これらの新規な要素は次のものを包含する: 1.細孔を閉塞させてゲート化細孔膜を形成するために
用いられる生物活性な非タンパク質またはタンパク質重
合体に関し、従来技術は、(a)膜が選択され変化した
環境に暴露されるまで液体の流れを完全に遮断する膜で
あって、その後で水、分子またはイオンの流速が原料膜
ストックを通るそれらの流速に類似する膜を提供するた
めに、予め形成された膜内の一様な直径を有するトンネ
ルの内部に均一かつ主要に結合された生物活性材料;あ
るいは(b)膜を適切な環境的刺激(例えば細菌毒素)
に暴露した後で開くゲート付き細孔を形成することを意
図して、予め形成された膜の細孔を閉塞させる黒色−脂
質二重層を使用することを教示していない。 2. バイオセンサーの使用に関し、従来技術は、予め
選択された事象の後で、別個の検出器により繰り返し問
合せるためにバイオセンサーが密閉一次容器内の変化を
監視し、表示できるような方式で、密閉一次容器内にバ
イオセンサーを配置する方法を教示していない。 3. バイオセンサーの受容体−信号分子に関し、従来
技術は、 (a)クラス−1の受容体を提供すべく、適切な励起お
よび検出によってpHを繰り返して測定可能にするため
に、ビーズ上のカルボキシル基に蛍光−デキストランを
結合させることにより形成されたpH感受性の蛍光複合
体; (b)クラス−2の受容体を提供すべく、細菌により放
出された可溶性リガンドを適切な励起および検出によっ
て繰り返して測定可能にするために、占有されたときに
非蛍光性から蛍光性にコンホメーションを変化させる、
α−ヘモリジンまたは他の分子を結合している蛍光受容
体; (c)クラス−3の受容体を提供すべく、適切な励起お
よび検出の間の蛍光共鳴移動に基づいて細菌の蓄積また
は独特な細菌生成物の蓄積を繰り返して測定可能にする
ために、蛍光ヘパリン様受容体、天然細胞表面分子の受
容体または注文の合成受容体(何れの型も特定のリガン
ドを結合させる);および (d)クラス−4の受容体を提供すべく、適切な励起お
よび検出の間の蛍光共鳴移動に基づいて独特な細菌生成
物の蓄積を繰り返して測定可能にするために、混合マト
リックス、例えば蛍光色素を結合したα−ヘモリジン受
容体と組み合わせた細菌を結合させるヘパリン様受容
体;を使用することを教示していない。 4. バイオセンサーから発する信号の検出に関し、従
来技術は、特別な設計でありプローブから完全に分離し
ているバイオセンサーに、各一次容器の内容物に光ファ
イバープローブを入れることなく問合せるために、光フ
ァイバープローブを使用することを教示していない。 5. バイオセンサーにおいて、またはそれに極めて近
接して細菌を集めることに関し、従来技術は、このよう
な微生物の検出確率を高めるために合成材料または生物
材料を使用することを教示していない。
【0031】実施例は、上記のようなバイオセンサーを
どのようにして光学的窓の正面に配置し、一次容器内の
分離した密閉二次容器中で保護されている一方で、着脱
しうる光ファイバー検出器に接近可能にできるのかを説
明している。実施例は、本発明の多くの使用の例示であ
るが、本発明は、他のバイオセンサー、開放細孔または
ゲート付き細孔を有する他の膜、他の形状、および装置
中での機能性要素の他の組み合わせをも包含する。装置
の例示には、ゲート化細孔膜をプラスチック製構造物に
溶接することの言及も含まれる。本発明は、装置を形成
するために用いられるプラスチック(1種またはそれ以
上)により限定されない。好ましい溶接方法は、構築物
の作成に用いられるプラスチックに依存し、本発明は、
装置を組み立てたり、それを一次容器内に組み込むため
の任意の方法、例えば超音波および高周波溶接、または
当業者に公知の他の方法を含む。実施例は、(一つまた
はそれ以上の型の装置において)ゲート化細孔膜の形成
に使用できるか、バイオセンサーとして役立ちうる種々
の材料を説明しているが、本発明は特定の組成(構成)
またはアナライトに限定されない。
【0032】提供される実施例は、「望まれない物質」
の検出を説明しているが、開示された原理は、又、シス
テムに有益であると思われる物質の蓄積を検出または測
定するためにも使用できる。一例は、一次容器内の細胞
による商業的に価値のある生成物である成長因子の産生
の信号表示であろう。以下のリストにより、図面をさら
に詳細に説明する。 図1 微孔性または毛細管状トラック膜および細孔を閉
塞させる独特の材料を用いて調製されたゲート化細孔膜
の概要図(例えば米国特許5,026,342号明細書に記載の
ように)。 図2 本明細書で詳細に説明したバイオセンサーのクラ
スによって列記された、未占有受容体から占有受容体−
リガンド複合体に変化するときの受容体−蛍光リポータ
ー基の変化を示す概要図。非蛍光性であるリポーター基
は小文字で示されており、適切な波長の光で励起された
ときに蛍光を発することのできるリポーター基は大文字
で示されている。 図3 実施例1に記載した簡単なボート形装置の横断面
図。毛細管状−細孔膜(302)は材料(303)で充
填され、細孔を閉塞させ、ゲート付き細孔(304)を
形成した。この膜はプラスチック製構造物(301)に
結合され、キャビティを形成し、これは次いで、装置が
フランジ(301a)を介して一次容器(306)に結
合される前に、バイオセンサー(305)で充填され
た。 図4 実施例2に記載した装置の縦断面図、また上面
図。円筒形構築物(411)中のバイオセンサー−区画
室はバイオセンサー(405)で充填された。ゲート化
細孔膜(404)は窪んだ表面(411a)に結合さ
れ、バイオセンサーを装置中に密閉した。次いで装置は
一次容器内の継ぎ目(図示しない)内に組み込むことが
でき、従って光ファイバープローブを用いて光学的窓
(412)に問合せすることができる。 図5 実施例3に記載した装置の縦断面図、また上面
図。光学的に透明な円筒形構築物(511)は不透明な
外部同心構築物(515)によって取り囲まれた。バイ
オセンサー区画室はバイオセンサー(505)で充填さ
れた。ゲート化細孔膜(504)は不透明な外部同心構
築物(515)の窪んだ表面(515a)に結合され、
バイオセンサーを装置中に密閉した。次いで装置は一次
容器内の継ぎ目(図示しない)内に組み込むことがで
き、従って光ファイバープローブを用いて光学的窓(5
12)に問合せすることができる。 図6 フルオレセインイソチオシアネート(FITC)
の濃度の関数としての、装置中のFITC溶液からの蛍
光強度。図5と同様の装置;480nmでの励起および
535nmでの検出を用いて光ファイバー検出器で測定
(数千の蛍光単位)。 図7 フルオレセインイソチオシアネート(FITC)
で標識されたビーズと未標識ビーズとの割合の関数とし
ての、装置中のビーズからの蛍光強度。図5と同様の装
置;480nmでの励起および535nmでの検出を用
いて光ファイバー検出器で測定(数千の蛍光単位)。 図8 フルオレセインイソチオシアネート(FITC)
の既知含有量の関数としての、装置中のビーズからの蛍
光強度。FITCの既知含有量は、溶液中での0.0
0、0.22および1.20×106 FITC分子と等価
であった。図5と同様の装置;480nmでの励起およ
び535nmでの検出を用いて光ファイバー検出器で測
定(数百万の蛍光単位)。 図9 装置周囲および装置中のビーズ周囲の塩溶液のp
Hの関数としての、フルオレセインイソチオシアネート
(FITC)で予め標識された、装置中のビーズからの
蛍光強度。図5と同様の装置;480nmでの励起およ
び535nmでの検出を用いて光ファイバー検出器で測
定(数千の蛍光単位)。 図10 ビーズに結合したフィコエリスリン−シアニン
−5−ストレプアビジン(strepavidin)からの蛍光に対
する塩溶液のpHの最小効果。図5と同様の装置;48
0nmでの励起および≧640nmでの検出を用いて光
ファイバー検出器で測定(数千の蛍光単位)。 図11 pH応答性およびpH非応答性ビーズからの発
光の比は、媒体の応答または色の非正規性についてデー
タを正規化するのに用いることができる。装置は、フル
オレセインイソチオシアネート(pH応答性;図9)お
よびフィコエリスリン−シアニン−5−ストレプアビジ
ン(pH非応答性;図10)で標識されたビーズの混合
物を含んでいた。535nmおよび≧640nmでの発
光の比は、装置周囲および装置中のビーズ周囲の塩溶液
のpHの関数として計算された。図5と同様の装置;4
80nmでの励起および535nmおよび≧640nm
での検出を用いて光ファイバー検出器で測定(生の値は
75,000〜135,000の相対蛍光単位の範
囲)。本発明は以下の実施例でさらに説明される。
【0033】
【実施例1】密閉一次容器内における種々の変化のうち
の一つを監視するために簡単な装置(図3)を用いるこ
とができる。簡単な装置は、一方の側に外部フランジ(3
01a)を有し、他方にゲート化細孔膜(gated-pore membr
ane)(304)が溶接された浅いプラスチック製構造物(3
01)から形成されている。目視により検出し得るシグナ
ルを供給するバイオセンサー(305)(たとえば、水様の
流体に入れると色が変化するプラスチックビーズ)で構
造物を満たした後、この構造物を一次容器の壁面(306)
の便利な位置に溶接する。この装置は、単純なバイオセ
ンサーの変化を制御する第一のメカニズムとしてのゲー
ト化細孔膜の応答における選択性に依存する。このよう
に設置すれば、バイオセンサーからのシグナルにおける
変化は、一次容器を開くことなく、一次容器の部位(30
7)を通して視覚的に検出し得る。
【0034】
【実施例2】バイオセンサーの変化の視覚的検出、ある
いは実施例1に記載の装置の形状が不適当であるとき
は、密閉一次容器内における種々の変化のうちの一つを
監視するために他の装置(図4)を用いることができ
る。この装置は、好都合な任意の形状をとることも可能
であり、どのようなプラスチックからも成形し得るが、
透明なアクリルプラスチックより形成された円筒状プラ
スチック製構造物が、ある種の適用に関しては好まし
く、また、関心あるスペクトル部分を透過させる透明な
光学窓が重要である。図4の装置は、光学窓(412)に
よって形成されたバイオセンサー区画室、任意の水性環
境にも応答し得るゲート化細孔膜(404)および構造物
の壁を有する円筒状のアクリル製構造物(411)であ
る。バイオセンサー区画室を、一次容器内の所望の変化
を検出し得るバイオセンサー(405)で充填した後、ゲ
ート化細孔膜を構造物の端部の窪んだ部分の表面(411
a)に溶接する。本装置を一次容器(表示なし)に組み
込み、この容器を関心ある細胞の懸濁液で満たした後
で、望むなら、当業者に知られているように、光学窓
(412)に対し、別個の光ファイバープローブ(表示な
し)の先端を設置することにより、一次容器を開くこと
なく、バイオセンサーに問合せすることができる。この
装置は、一次容器が、たとえば細胞の懸濁液で満たされ
るまで、バイオセンサーを保護し、分離しておくためだ
けにゲート化細孔膜を使用し、その後、<30分間ゲー
トを開く。また、所定のアナライトに対する応答の選択
性およびシグナル強度は、バイオセンサーの特性および
それに当ってくる試料の量による。
【0035】
【実施例3】3番目の装置(図5)には、装置のこの部
位にゲート化細孔膜(504)を溶接するための特設部(5
15a)を有する不透明な外部プラスチックエレメント(5
15)が組み込まれており、該外部プラスチックエレメン
トは、実施例2の装置と同様な透明なプラスチック製構
造物であり、一次容器内で所望の変化を検出し得るバイ
オセンサー(505)を含む内部エレメント(511)の周囲
に位置し、接着されている。この装置は、任意の便利な
形状をとることも可能であり、どのようなプラスチック
からも成形し得るが、円筒状で同心状のプラスチック製
構造物が、ある種の適用に関しては好ましい。外部の不
透明なエレメント(515)は、迷光からバイオセンサー
を保護するため、またポリ塩化ビニル製の血液バッグお
よび透明なプラスチックの内部エレメントに装置を接着
するのを容易にするために、着色したポリ塩化ビニルか
らなっていてもよく、光学窓(512)が関心あるスペク
トル部分を透過させることができるだろう。この装置
は、迷光がバイオセンサーからのシグナルの検出に影響
を与える場合には、当業者に知られているように、光学
窓(512)に、別個の光ファイバー(fiberoptic)プロー
ブ(表示なし)の先端を設置することにより、密閉一次
容器内における種々の変化のうちの一つを監視するため
に用いることができる。この装置は、一次容器が、充填
されるまで、そしてその後の所定期間(たとえば、0.
5日間、2日間、または5日間)、あるいは一次容器の
内容物における特定の変化が所定のしきい値に到達する
まで(たとえば第一のアナライトの濃度)、バイオセン
サーを保護し、単離するためにゲート化細孔膜を使用す
る。その後、ゲートを開き、バイオセンサーがゲート化
細孔膜を刺激する同一の分子またはイオンの濃度変化を
監視し始める。代わりに、バイオセンサーの特性および
そこに当ってくる第二のアナライトの量に依存するバイ
オセンサーからのシグナル強度によって第二のアナライ
トの濃度を監視するために、バイオセンサーを使用する
ことができる。
【0036】
【実施例4】蛍光の変化を検出するための、図5に示し
たような装置の能力が確立された。市販の光ファイバー
分光光度計(S2000-FL;Ocean Optic, Inc.)は、所望
する分析に好適な光学フィルターが装備されており(48
0nmで励起し、535nmにおける発光を検出)、また、製造
元により推奨されているようなコンピューターに連結さ
れている。この装置を、一連の溶液および粒子懸濁液を
評価するのに用いた。まず最初に、フルオレセイン・イ
ソチオシアネート(FITC)の標準溶液を準備し、0.075m
lの小分けした量をバイオセンサー区画室(505)内に置
いた。FITCからの蛍光強度を記録した。FITCの濃度増加
に伴って、測定した蛍光強度に、直線状の増加がみられ
た(図6)。次に、FITC未結合の、およびFITCを結合し
たミクロスフェアの混合物(6-8マイクロメーター、Sph
erotech Inc.)を準備した。続いて、未標識ビーズに対
する標識ビーズの割合が何種類かのものを、0.05mlの量
で、バイオセンサー区画室(505)内に置いた。FITCか
らの蛍光強度をそれぞれの混合物ごとに記録した。標識
ビーズの割合が増加するにつれて、測定したFITCからの
蛍光強度は直線状に増加した(図7)。このことによ
り、バイオセンサー区画室内に置かれ、既知のリガンド
を検出するという明示の課題を達成するバイオセンサー
として期待される固体担体上の発色団からの発光量を正
確に評価する外部光ファイバー検出器の性能が証明され
た。
【0037】
【実施例5】FITC含有量が既知の一連のビーズ(Quantu
m 25-#825;Flow Cytometry Standards Corp)を購入
し、それぞれの懸濁溶液を0.05mlずつ、図5に示したよ
うな装置内に置いた。直線状の応答がみられた(図
8)。重要なことは、光ファイバー検出器およびバイオ
センサー区画室内のビーズ(505)を用いた反復測定に
おける変動保数は、製造元によりこれらの「標準」に与
えられた変動保数の範囲内であり、おそらく最適条件下
で測定されたものである。図6のデータとの関係を見る
ために、ビーズ懸濁液もまた、蛍光マイクロプレートリ
ーダーで、既知量のFITC標準曲線と対比して評価した。
供試ビーズの最高濃度は、4nM FITCに相当する量であっ
た。
【0038】
【実施例6】「光学台(optical bench)」として用い
るのに好適なビーズを、標準的なカルボジイミドカップ
リング化学を用い、FITCおよびリジンの両方を含むデキ
ストラン(#1820;Molecular Probes社)を直径10マ
イクロメーターのカルボキシレートビーズ(Polyscienc
es, Inc)に共有結合的に連結させることにより準備し
た。このようにして、当業者に知られており、FITC機能
を通じてpHに応答し得る、pHの分析に好適な固定化蛍光
物質を提供した。デキストランの使用により、ビーズ表
面から充分な距離にFITCを固定することで、蛍光への周
知の表面効果に関する問題を解決した。バイオセンサー
の空洞をビーズの懸濁液(505)で満たし、膜(504)を
取り付けた。ビーズを、光学窓(512)上に静置させ
た。その後、充填された円筒状構造物を、標準試験用メ
ーター(laboratory meter)を用いてモニターしている
pHおよび温度(21.5±0.5℃)で、リン酸緩衝化生理的
食塩水中に置いた。酸または塩基を、pHを変化させるた
めに加え、平衡に達するまで30-60分間放置した後、蛍
光強度を測定した。その結果のデータ(図9)は、図5
の装置内にあるバイオセンサーのミクロ環境でのpHを外
部検出器によって測定し得ることを明確に証明した。さ
らに重要なことに、検出された蛍光強度において、予測
されるpH−相関変化は、公表されたデータと同様であっ
た(すなわち、pH6.0-pH8.0の間で強度が直線的に2.0-
2.5倍に増加)。実施例4のようなさらなる実験(デー
タ公表なし)によって、非標識ビーズを、シグナル強度
を減少させずに、区画室を満たすべく追加し得ることが
証明された。酸または塩基を加えた後、ビーズ周囲の状
態の安定性を確実にするために、30分間応答時間を置い
たことに留意すべきである。しかしながら、応答時間
は、一次容器を撹拌することにより、または、バイオセ
ンサーの空洞を封じているゲート化細孔膜量を増加させ
るように、すなわちプロトンあるいは他のリガンドが入
り込んで、バイオセンサーと相互作用する時間を減少さ
せるように一体センサーを設計することによって、実質
的に減少させることができる。
【0039】
【実施例7】分析される試料は、直接的な蛍光測定を妨
げる成分を含有していてもよい。たとえば、ヒト血漿
が、励起波長で入射光を吸収する"黄色の"成分を様々な
量で含むことはよく知られている。13の異なったヒト
血漿試料(無細胞)について、480nmでの光学濃度
が測定され、吸光度は平均0.554(標準偏差は0.
428;0.12から1.30の範囲で)であったが、
500nmを越えるとより低い値であった。明らかに、
この吸光度の広い範囲は、たとえばシグナル部分とし
て、FITCを組み込んだバイオセンサーの励起に利用
できる光に影響し得た。
【0040】内部標準の使用は、シグナルシステムのマ
トリックス中の非均一的な衝突を減らす古典的な分析手
法である。2次検出器ビーズシステム(B−2)は、最
初のビーズ(B−1;たとえば、FITC)と励起波長
を共有するように構成されるが、明らかにB−1とは異
なる波長で発光し、B−1ビーズのバイオセンサーでリ
ガンドが変える応答(たとえば、FITCの場合のプロ
トン)によって影響されない。これは同一条件下で、同
時に双方の蛍光色素の励起を許し、B−1およびB−2
からの発光の交互測定を可能とする。
【0041】B−1/B−2比の算出は、マトリックス
中の成分による励起光の吸光において広範囲からの実質
的な衝突なしに、B−1の発光変化を検出することを許
す。この方法は、血液細胞からオレンジジュースまでの
範囲の生産物に有用であるだろう。そのような方法の有
用性を実例で説明するために、一般的なビーズコーティ
ングは、標準的なカルボジイミドカップリング化学を使
って、ビオチン−デキストラン(D−1956;Molecu
lar Proves社)を直径10μmのカルボキシレートビ
ーズ(Polyscience,Inc.)に共有結合的に結合させるこ
とにより発展した。
【0042】これはビーズ上にアビジン−ストレプトア
ビジン結合体のための共通の結合部位を与えた。FIT
Cを用いたバイオセンサーB−1のビーズを想定して、
B−2として働くのに適した材料は480nmで励起
(吸光)し、535nmとは異なる波長で発光し、pH
に依存しない応答を有するべきである。実施例は、スト
レプトアビジン−PC5(ストレプトアビジンがフイコ
エリスリン−シアニン5と結合したもの;励起486〜
580;発光660〜680)およびEDC(ストレプ
トアビジンがフイコエリスリン−Texas Red7−xと結
合したもの;励起486〜580;発光610〜63
0)のようなCoulter Diagnostics社から入手できる試
薬を含む。他の多くの組み合わせが、励起波長または発
光波長のいずれかに対する効果を補正するために用いら
れ得ることは当業者によく知られている。我々はPC−
5システムを使い、発光におけるpH−駆動シフトから
の自由度を評価した。図10から明らかなように、48
0nmで励起され発光(シアニン−5からの)は、64
0以上のロングパスフィルターを用いて測定され、pH
6.0とpH8.5の間では発光強度にほとんど変化が
なかった。これは、FITCの応答とは非常に異なって
いた(図9)。
【0043】
【実施例8】比率補正の概念(上記参照)および実施例
6と実施例7からの所見は、図5のような一体センサー
を用いるpHの比率的分析の有用性を実例で説明するた
め直接に試験された。2つの異なるバイオセンサービー
ズが調製され、適切な比率で混合され、本利用に適した
光学特性を有することが知られたアクリル酸プラスチッ
クの一種から製作された一体センサーのくぼみに置かれ
た(505)。ゲート化細孔膜(504)は、細孔をふ
さぐためにメチルセルロースを用いて、毛細管状細孔膜
ストック(RoTracTMポリエステル膜、OxyphenAG;孔
直径3μm;60g/m2ポリエステルバッキング)か
ら製作され、得られたゲート化細孔膜は、装置内のB−
1ビーズおよびとB−2ビーズを密封するために用いら
れた。pH感受性バイオセンサー(B−1)は、ポリス
チレン支持体に取り付けたFITCデキストランであり
(実施例6のような)、pH非感受性バイオセンサー
(B−2)は、ビオチン/デキストラン ポリスチレン
に取り付けたEDC−ストレプトアビジンであった(実
施例7参照)。
【0044】実施例6と同様にして塩溶液のpHを変えな
がら、同じ光ファイバー蛍光光度計(S2000−FL;Ocea
n Optic.Inc)が装置に問合せるために使われた。 シス
テムは480nmで励起し、発光は535nmおよび6
40nm以上のフィルターの双方で読み取られた。得ら
れたデータ(図11)は、血液銀行に関心のある範囲で
あるpH6.0からpH7.0で優れた直線性の応答を
示す。内容物がpH6.2以下の場合には、ヒト赤血球
を受血者に輸血するために使用することは、思慮のない
ことである。赤血球または血小板を含む一次容器(すな
わち一般のプラスチック製の血液バッグ)内のpH検出
は、そのバッグが実施例8のような装置を含むように製
作されていれば、簡単である。得られたpH測定値は、
血液製品に典型的なバックグランドの色におけるバッグ
ごとの差異に影響されないであろう。
【0045】
【実施例9】密閉一次容器中でバクテリアが分泌したプ
ロテアーゼの蓄積を検出するために、図4または図5の
ようにして製作された装置は、クラス−5バイオセンサ
ー(図2参照)として用いることができる。クラス−5
バイオセンサーに供給するため、プラスチックビーズが
“ドープ(dope)した”脂質でコートされたことを除い
て、一体検出器の活性要素は、上記に詳述した通りであ
る。該脂質は、タンパク分解開裂部位の何れか片側に組
み込んだ蛍光部分(“a”と“b”;近接により、互いの
発光を阻害する)で合成された酵素基質で“ドープ”さ
れた。このように、基質分子が無傷であれば、酵素基質
の蛍光は、レセプター“a”と“b”の最接近により、互
いに阻害される。しかしながら、基質の酵素開裂は
“a”と“b”が結合した蛍光部分の分離を認め、適切な
波長の励起光で問合せしている間、検出可能なシグナル
の発光を許す。アビジン−ストレプトアビジンコート・
ビーズに取り付けるのに適したそのようなバイオセンサ
ーの一例は、ビオチン−(6−アミノヘキサン酸)−
(6−アミノヘキサン酸)−(6−アミノヘキサン酸)
−Lys(Tamara)−(6−アミノヘキサン酸)−Al
a−Phe−Glu−Ala−Leu−(6−アミノヘ
キサン酸)BCys(Texas Red)−Gly−COOH
である。“−Ala−Phe−Glu−Ala−Leu
−”配列は、バチルス・セレウス(Bacillus cereu
s)、大腸菌(Escherichia coli)、ポテウス・ミラビ
リス(Poteus mirabilis)、セラチア・マルセセンス
(Serratia marcescens)、スタフィロコッカス・アウレ
ウス(Staphyloccous aureus)、ストレプトコッカス種
(Streptococcus species)を含む様々なバクテリアか
ら分泌されることが周知のプロテアーゼの検出に有用で
あろう。加水分解酵素に対して適当な感受性を示す他の
同様な基質は、当業者に知られた仮説を用いて、適切な
ように設計することができる。
【0046】
【実施例10】図4または5のようにして製作された装
置は、バクテリアを蓄積し、密閉一次容器内の細菌によ
って分泌されたプロテアーゼの検出感度を増加させるた
めに、クラス−6バイオセンサー(図2参照)を用いる
ことができる。脂質を“ドープ”したプラスチックビー
ズがクラス−6バイオセンサーを製作するために使われ
ることを除き、一体式検出器の活性要素は、上記に詳述
した通りである。関心のあるバクテリアを結合する材料
(たとえば、フィブロネクチン、ラミニン、タイプ−4
コラーゲン)はレセプター“a”として働く(図2参
照)。このバイオセンサーのコーティングは、タンパク
分解開裂部位の何れかの片側を組み込んだ蛍光部分
(“b”と“c”;近接により、互いの発光を阻害す
る)を用いて合成した酵素基質も含有する。実施例9で
述べたように、酵素基質は、ビオチン−(6−アミノヘ
キサン酸)−(6−アミノヘキサン酸)−(6−アミノ
ヘキサン酸)−Lys(Tamara)−(6−アミノヘキサ
ン酸)−Ala−Phe−Glu−Ala−Leu−
(6−アミノヘキサン酸)BCys(Texas Red)−G
ly−COOHでもよい。ストレプトコッカス・ピロゲ
ネス(Streptococus pyrogenes)は、レセプター“a”
として働くフィブロネクチンに結合することが知られて
おり、レセプター“b”と“c”に欠かせない−Ala
−Phe−Glu−Ala−Leu−ペプチド部分を開
裂して、それらの蛍光についての近接阻害を解除できる
プロテアーゼを分泌する。
【0047】従って、ストレプトコッカス・ピロゲネス
(Streptococus pyrogenes)、または他の細菌が、一次
容器中で増殖するにつれ、バイオセンサー上に蓄積し、
そして光ファイバー蛍光光度計で精査することで検出可
能な蛍光シグナルは、一次容器中の微生物汚染の規模を
反映する。本発明は、非常に広く、この明細書に示した
実施例は実例であるが、発明の範囲の限界を定めるもの
ではない。
【0048】
【参考文献】
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に係るストック膜および閉塞
膜の概要図である。
【図2】 図2は、6つのクラスのバイオセンサー機能
の概要図である。
【図3】 図3は、バイオセンサーからの信号を可視的
に検出するための本発明に係る装置の概要図である。
【図4】 図4は、バイオセンサーにおける変化の可視
的検知または装置の配置が不適当である場合に、密封一
次容器内の変化を監視するための本発明に係る装置の概
要図である。
【図5】 図5は、外部不透明エレメントを有する本発
明に係る装置の概要図である。
【図6】 図6は、図5の装置で測定された、測定蛍光
強度に対する濃度のグラフである。
【図7】 図7は、図5の装置で測定された、測定蛍光
強度に対する標識ビーズとプレーンビーズとの比のグラ
フである。
【図8】 図8は、図5の装置で測定された、測定蛍光
強度に対する有効フルオレシン(fluorescin)のグラフ
である。
【図9】 図9は、図5の装置で測定された、測定蛍光
強度に対するpHのグラフであり、FITCのpH応答
性を示す。
【図10】 図10は、図5の装置で測定された、測定
蛍光強度に対するpHのグラフであり、フィコエリスリ
ン−シアニン−5−ストレプアビジン(phycoerythrin-e
yanin-5-strepavidin)のpH非応答性を示す。
【図11】 図11は、図5の装置で測定された、発光
の二つの波長の比に対するpHのグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 アレン ティー.フィリップス 米国 ペンシルバニア州 16801 ステー ト カレッジ ウエストアーリー パーク ウェイ 1118

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バイオセンサー;内部および外部を有
    し、該バイオセンサーを取り囲むバイオセンサー囲い
    (このバイオセンサー囲いは、該バイオセンサーの外部
    からの目視を可能にする表面を有する);および該バイ
    オセンサー囲いの一部を形成する分離バリア(この分離
    バリアは、バイオセンサー囲いの内部と外部との間の流
    体の流通を可能にする少なくとも一つの細孔を有す
    る);を含むセンサー装置。
  2. 【請求項2】 上記分離バリアが前記バイオセンサー囲
    いの内部を一次容器から分離することを特徴とする、請
    求項1に記載のセンサー装置。
  3. 【請求項3】 前記少なくとも一つの細孔が応答性材料
    で閉塞されることを特徴とする、請求項1に記載のセン
    サー装置。
  4. 【請求項4】 上記応答性材料が、セルロース性重合
    体、非セルロース性の非タンパク質重合体、タンパク質
    重合体、脂質二重層および脂質含有複合体からなる群か
    ら選択されることを特徴とする、請求項3に記載のセン
    サー装置。
  5. 【請求項5】 上記応答性材料が、浸食、溶解および三
    次元的形態の変化からなる群から選択される応答を示す
    ことを特徴とする、請求項3に記載のセンサー装置。
  6. 【請求項6】 上記応答が、溶剤濃度の変化、pHの変
    化、温度の変化、細菌の作用、内毒素の作用および酵素
    の作用からなる群から選択される変化に由来することを
    特徴とする、請求項5に記載のセンサー装置。
  7. 【請求項7】 外部感知を可能にする上記表面が、上記
    バイオセンサーの光学的感知を許容することを特徴とす
    る、請求項1に記載のセンサー装置。
  8. 【請求項8】 上記バイオセンサー囲いが部分的に不透
    明材料により取り巻かれていることを特徴とする、請求
    項1に記載のセンサー装置。
  9. 【請求項9】 上記分離バリアが、フィブリル膜、微孔
    性膜および毛細管状細孔膜からなる群から選択される材
    料から構成されていること特徴とする、請求項1に記載
    のセンサー装置。
  10. 【請求項10】 上記バイオセンサーが、基質;および
    少なくとも一つの生物活性な応答要素を含むことを特徴
    とする、請求項1に記載のセンサー装置。
  11. 【請求項11】 上記生物活性な応答要素が、蛍光受容
    体であることを特徴とする、請求項10に記載のセンサ
    ー装置。
  12. 【請求項12】 上記生物活性な応答要素が、蛍光色素
    −受容体複合体であることを特徴とする、請求項10に
    記載のセンサー装置。
  13. 【請求項13】 上記生物活性な応答要素が、第一蛍光
    受容体と第二蛍光受容体との組み合わせであり、該第二
    受容体が、該第一蛍光受容体による蛍光共鳴移動によっ
    て励起したときに、特有の波長の検出可能な光を発光す
    ることを特徴とする、請求項10に記載のセンサー装
    置。
  14. 【請求項14】 上記生物活性な応答要素が、第一受容
    体と第二受容体との組み合わせであり、該第一受容体が
    細胞を結合させ、該第二受容体が、該第一受容体に結合
    された細胞により放出された物質に応答して、検出可能
    なスペクトルの変化を受けることを特徴とする、請求項
    10に記載のセンサー装置。
  15. 【請求項15】 上記生物活性な応答要素が、酵素的切
    断部位により結合された二つの阻害された蛍光基の組み
    合わせであり、酵素作用が酵素切断部位を切断し、蛍光
    阻害を解除すること特徴とする、請求項10に記載のセ
    ンサー装置。
  16. 【請求項16】 上記生物活性な応答要素が、第一受容
    体と第二受容体との組み合わせであり、該第一受容体
    が、酵素を放出できる細胞を結合させ、該第二受容体
    が、阻害された蛍光基であり、該酵素が蛍光阻害を解除
    することを特徴とする、請求項10に記載のセンサー装
    置。
  17. 【請求項17】 分析のために上記一次容器を開ける必
    要がないことを特徴とする、請求項2に記載のセンサー
    装置。
  18. 【請求項18】 上記装置は無菌的操作が可能であるこ
    とを特徴とする、請求項1に記載のセンサー装置。
  19. 【請求項19】 上記外部感知が遠隔感知であることを
    特徴とする、請求項1に記載のセンサー装置。
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