JP2001254779A - 制振構造 - Google Patents

制振構造

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JP2001254779A JP2000065241A JP2000065241A JP2001254779A JP 2001254779 A JP2001254779 A JP 2001254779A JP 2000065241 A JP2000065241 A JP 2000065241A JP 2000065241 A JP2000065241 A JP 2000065241A JP 2001254779 A JP2001254779 A JP 2001254779A
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敬司 笠原
Hideaki Kaguma
英昭 鹿熊
Koji Nomura
幸司 野村
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NATL RESEARCH INST FOR DISASTER PREVENTION
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NATL RES INST FOR DISASTER PRE
NATL RESEARCH INST FOR DISASTER PREVENTION
Akashi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】地中内に埋設する地震計に適するような、構造
共振を抑えられる制振構造を提供する。 【解決手段】地中に埋設されるケーシング(5)内部
と、このケーシング(5)の内部に設置する設置物(例
えば地震計6を収容した耐圧容器4)との間に、所定の
力以上の力を加えないと変形しない、非線形の弾性特性
を具備する弾性部材(例えば円弧状ばね2,2,2,
2)を介設し、この弾性部材によって設置物をケーシン
グ(5)内部に固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地中に埋設する地
震計の共振を抑えるのに好適する制振構造に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】微小地震の観測は、雑振動の少ない場所
で実施する必要があるが、観測場所の制約により、人工
的ノイズのある場所で観測を行わなくてはならない場合
は、地中にボーリング孔を掘削し、その中に細長い円筒
形状の耐圧容器で保護された地震計を設置して観測を行
っている。また、その時の装置は、保守性を確保するた
め必要に応じて、随時地中より引き上げ、再設置が可能
な構造が採用されている。通常、地中にボーリング孔を
掘削する場合、孔の口径が大きいほど、掘削費用がかか
るため、できる限り小さな口径の孔にする必要があり、
その結果、孔内に設置する地中地震計の形状も細長い円
筒状のものとなる。また、観測目的によって用いるセン
サ類が多くなる場合は、観測装置を収納するスペースを
確保しなくてはならないため、さらに耐圧容器が長くな
る。このように、耐圧容器が長くなると、構造共振振動
数の低下を招き、高振動数までの観測ができなくなる。
そこで、地中地震計のうち、−3000m級の大型深層
地震計では、外径が約15cm、全長が10mを超える
大きさになるため、その全長の各部に間隔をあけて、モ
ーター等で遠隔駆動される固定装置を備えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、−数100m
以下の比較的浅い観測孔用の地中地震計は外径が約10
cm前後、全長は2〜3m程度であるため、固定装置は
地震計の上端に1台だけ備えられ、下端は孔の底に当接
しているのが普通である。そのため、地震計耐圧容器内
部の質量分布の不均一性や耐圧容器の肉厚によって、測
定振動数近くに構造共振振動が現れてしまうことがあ
り、観測が不可能となってしまう。
【0004】本発明の課題は、地中内に埋設する地震計
に適するように、構造共振を抑えられる制振構造を提供
することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決すべく
請求項1記載の発明は、例えば図1に示すように、地中
に埋設されるケーシング(5)の内部に設置物(例えば
耐圧容器4)を固定して制振する構造であって、ケーシ
ング内部と設置物との間に、非線形の弾性特性を具備す
る弾性部材(例えば円弧状ばね2)を介設したことを特
徴としている。
【0006】ここで、非線形の弾性特性とは、微小な力
では変形せず、ある所定の力以上の力がかかると変形す
る性質であり、非線形の弾性特性を具備する弾性部材と
しては、ゴムや円弧状ばね等が挙げられる。また、弾性
部材は、さびにくく耐久性に優れ、さらに、磁気を用い
る設置物等に影響を与えないよう、非磁性のものである
ことが望ましい。
【0007】以上のように、請求項1記載の発明によれ
ば、弾性部材は微小な力では変形しないので、ケーシン
グ内部に設置物を確実に固定し、設置物に共振が生じる
のを抑制することができる。したがって、複雑な固定構
造を必要とすることなく、設置物の共振を抑えることが
できる。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の制
振構造であって、弾性部材は、所定以上の外力の作用で
のみ弾性変形することを特徴としている。
【0009】このように、請求項2記載の発明によれ
ば、弾性部材に所定以上の外力がかかるように、設置物
をケーシング内へ強く押し入れる又は、ケーシング内か
ら強く引き上げることにより、設置物の地中への設置及
び取り外しを容易に、繰り返し行うことができる。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1記載の制
振構造であって、設置物は、地震計(6)を収容する細
長い円筒形状の耐圧容器(4)であることを特徴として
いる。
【0011】このように、請求項3記載の発明によれ
ば、地震計を収容する耐圧容器を、ケーシング内部に弾
性部材で固定することによって、地震計の共振を抑える
ことができ、計測を確実に行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る制振構造の
実施の形態例を図1及び図2に基づいて説明する。先
ず、図1は、耐圧容器に取り付けた制振構造の構造を示
す、制振構造部分の側面図であり、図2はこの制振構造
を備えた耐圧容器をケーシング内へ設置した状態を示す
断面図である。制振構造1は、耐圧容器4の周囲に設け
られた支持部材3,3と支持部材3,3によって支持さ
れる4つの円弧状ばね2,2,2,2によって構成され
ている。耐圧容器4には地震計6が収容されている。
【0013】支持部材3,3は断面がL字型の環状であ
り、内径は耐圧容器4の外径と等しく、外径はケーシン
グ5の内径より小さい。この支持部材3,3は、支持部
材3,3の内径に耐圧容器4を通した状態で耐圧容器4
の側面に固定されており、このとき、支持部材3,3は
平行で、互いの開口部3a,3aが対向するように設置
されている。
【0014】円弧状ばね2,2,2,2は、板ばねを縦
方向に湾曲させ、上端及び下端をそれぞれ支持部材3,
3の開口部3a,3aに差し込んだものであり、非線形
の弾性特性を示す。非線形の弾性特性とは、ある所定の
力以下の力を加えられても変形を示さず、所定の力以上
の力が加えられると変形する性質である。また、円弧状
ばね2,2,2,2は、さびにくく、耐圧容器4内の地
震計6に影響を与えないよう非磁性の素材、例えばベリ
リウム銅等で形成されたものが望ましい。
【0015】制振構造1を備えた耐圧容器4を、ケーシ
ング5内へ、円弧状ばね2,2,2,2が変形する力以
上の力をかけて押し込み、設置すべき位置まで押し下げ
る。耐圧容器4が、所定の位置まで達し、押し下げを止
めると、円弧状ばね2,2,2,2はケーシング5の内
壁を押して耐圧容器4をケーシング5内に固定する。円
弧状ばね2,2,2,2は所定の力以下では変形しない
ので、地震等による振動によって耐圧容器4が共振する
のを抑制する。耐圧容器4内の地震計6の点検等で耐圧
容器4をケーシング5から取り出す場合は、耐圧容器4
を上方へ、円弧状ばね2,2,2,2に変形を生じさせ
る力以上の力をかけて引き上げれば良い。
【0016】このように、上記実施の形態の制振構造に
よれば、微小の力では変形しない円弧状ばね2,2,
2,2で耐圧容器4をケーシング5内に固定することに
より、地震等による振動で耐圧容器4が共振するのを抑
えることができる。したがって、複雑な固定構造を用い
ずに容易且つ安価な構造で耐圧容器4の共振を抑えるこ
とができ、地震計6での測定を確実に行うことができ
る。また、円弧状ばね2,2,2,2は所定以上の力を
加えると変形するので、ケーシング5に強く押し込む又
は、ケーシング5から強く引き上げることによって、耐
圧容器4のケーシング5内への取り付け、取り外しを容
易に何度も行うことができる。
【0017】なお、以上の実施の形態例においては、弾
性部材として、円弧状ばねを用いたが、本発明はこれに
限定されるものではなく、非線形の弾性特性を示す弾性
部材であれば、例えばゴム等でも良い。また、備える弾
性部材の数も4個に限定されるものではなく、設置物を
確実に固定できる数であれば良いが、3個以上であると
望ましい。また、実施の形態例では、制振構造は1組し
か設けていないが、設置物の長さ等により、複数組設け
ても良いし、設置位置も任意に設定できるものとする。
弾性部材の取付方法等も任意であり、その他、具体的な
細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論
である。
【0018】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明に係
る制振構造によれば、設置物に複雑な固定構造を付加す
ることなく、ケーシングとの間に介設した弾性部材によ
って、設置物の共振を抑えることができる。
【0019】請求項2記載の発明に係る制振構造によれ
ば、請求項1記載の発明により得られる効果に加え、弾
性部材に所定以上の力をかけてケーシング内へ強く押し
入れる又は、ケーシング内から強く引き上げることによ
り、設置物の地中への着脱を何度でも、容易に行うこと
ができる。
【0020】請求項3記載の発明に係る制振構造によれ
ば、請求項1記載の発明により得られる効果に加え、地
震計を収容する耐圧容器をケーシング内部に弾性部材で
固定することによって、共振に妨げられることなく、地
震の計測を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一例として、耐圧容器に取り
付けた制振構造の構造を示す、制振構造部分の側面図で
ある。
【図2】図1における制振構造を備えた耐圧容器を、ケ
ーシング内へ設置した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 制振構造 2 円弧状ばね 3 支持部材 4 耐圧容器 5 ケーシング 6 地震計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鹿熊 英昭 神奈川県座間市広野台二丁目7番1号 株 式会社アカシ相模工場内 (72)発明者 野村 幸司 神奈川県座間市広野台二丁目7番1号 株 式会社アカシ相模工場内 Fターム(参考) 2G064 AB19 BA21 DD32 3J048 AA01 BC04 CB23 DA04 EA07 3J066 AA01 AA26 BA01 BA10 BD07 BE10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地中に埋設されるケーシングの内部に設置
    物を固定して制振する構造であって、 ケーシング内部と設置物との間に、非線形の弾性特性を
    具備する弾性部材を介設したこと、を特徴とする制振構
    造。
  2. 【請求項2】弾性部材は、所定以上の外力の作用でのみ
    弾性変形すること、 を特徴とする請求項1記載の制振構造。
  3. 【請求項3】設置物は、地震計を収容する細長い円筒形
    状の耐圧容器であること、 を特徴とする請求項1記載の制振構造。
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