JP2001253400A - 宇宙機器への作業提供方法 - Google Patents

宇宙機器への作業提供方法

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JP2001253400A
JP2001253400A JP2000070427A JP2000070427A JP2001253400A JP 2001253400 A JP2001253400 A JP 2001253400A JP 2000070427 A JP2000070427 A JP 2000070427A JP 2000070427 A JP2000070427 A JP 2000070427A JP 2001253400 A JP2001253400 A JP 2001253400A
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JP
Japan
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spacecraft
work
target device
separating
satellite
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Masato Hayashi
正人 林
Satoko Otsuka
聡子 大塚
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業者の危険が少なく、作業を提供できる範
囲を拡大した宇宙機器への作業提供方法を提供するこ
と。 【解決手段】 それぞれが推進機能および通信機能、作
業提供機能を有し、かつ、互いに合体および分離ができ
る合体分離機構を有する複数の宇宙機を、作業の提供を
必要とする対象機器の近くまで飛行させる第1工程と、
前記対象機器の近くで前記複数の宇宙機を合体分離する
第2工程と、前記複数の宇宙機が合体分離した状態で前
記対象機器に対し作業を提供する第3工程とからなって
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、宇宙空間の軌道上
などに位置する対象機器に対し、保全や点検、捕獲など
の作業を提供する宇宙機器の作業提供方法に関する。
【0002】
【従来の技術】宇宙空間の軌道上を飛行している宇宙機
器などに対し、保全や点検、捕獲など各種の作業を提供
する場合、従来は、たとえば有人宇宙往還機に作業者を
乗せ、作業対象となる対象機器に作業者を送り込む方法
が取られている。この方法は、有人宇宙往還機が対象機
器の近くに到着すると、作業者が有人宇宙往還機から船
外に出て、対象機器の保全や点検などを行い、あるい
は、対象機器の回収を行っている。
【0003】対象機器を回収する場合、宇宙往還機に取
り付けたロボットアームなどを用いて、軌道上の対象機
器を捕獲する方法がある。ロボットアームを用いる方法
は、捕獲対象となる対象機器が、宇宙往還機に対し静止
状態である場合、あるいは、捕獲できるインタフェース
を有する場合などに限られ、捕獲できる条件が厳しく制
限されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の対象機器への作
業提供方法は、対象機器に対して保全や点検、捕獲など
を行う場合、対象機器に向って、有人宇宙往還機を打ち
上げる方法が取られている。そのため、迅速な対応が困
難になっている。
【0005】また、保全や点検などの作業を行う場合、
作業者が宇宙服を着用している関係から、歩行や移動な
どの行動が制約され、作業性が低下し、対象機器に対し
細やかな作業を提供できない。また、宇宙環境には、熱
真空や放射線、高速浮遊の宇宙塵などあり、作業者に危
険が伴い、作業が困難になっている。
【0006】宇宙往還機に取り付けたロボットアームを
用いて、軌道上の対象機器を捕獲する場合も、捕獲対象
の対象機器が、宇宙往還機に対し回転運動のない静止状
態であること、あるいは、捕獲できるインタフェースを
有することなどの条件があるため、捕獲できる対象機器
が制限される。
【0007】本発明は、上記した欠点を解決し、迅速で
細やかな作業ができ、作業者の危険が少なく、作業を提
供できる範囲を拡大した宇宙機器への作業提供方法を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の宇宙機器への作
業提供方法は、それぞれが推進機能および通信機能、作
業提供機能を有し、かつ、互いに合体および分離ができ
る合体分離機構を有する複数の宇宙機を、作業の提供を
必要とする対象機器の近くまで飛行させる第1工程と、
前記対象機器の近くで前記複数の宇宙機を合体分離する
第2工程と、前記複数の宇宙機が合体分離した状態で前
記対象機器に対し作業を提供する第3工程とからなって
いる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について図1を
参照して説明する。
【0010】符号11A〜11Dは保全や点検を行う宇
宙機で、図の場合、各宇宙機11A〜11Dが合体した
状態で示されている。各宇宙機11A〜11Dは構造や
機能がほぼ同一に構成されている。いずれの宇宙機11
A〜11Dも、全体の外形はたとえば直方体状をしてお
り、図の上側にある壁面111、手前にある壁面11
2、下側にある壁面113、奥にある壁面114、左側
にある壁面115、右側にある壁面116の6個の壁面
111〜116を有している。
【0011】宇宙機11Aの場合、壁面111には通信
用アンテナ12が取り付けられている。壁面112に
は、保全や点検を必要とする対象機器を認識するための
対象機器認識用カメラ13やロボットアーム14、燃料
など補給物資を収納する補給物資収納容器15、工具類
を収納するツールボックス16、推進装置17などが設
けられている。壁面113には、宇宙機11Dの壁面1
16と同様、ドッキング用ラッチ機構18やドッキング
用トラニオン19、ドッキング用カメラ20が設けられ
ている。壁面114には太陽電池パドル21が取り付け
られている。壁面115には、配置が相違するものの、
宇宙機11Cの壁面116と同様、ドッキング用ラッチ
機構18やドッキング用トラニオン19、ドッキング用
ターゲット22が設けられている。壁面116には、宇
宙機11Cの壁面116と同様、ドッキング用ラッチ機
構18やドッキング用トラニオン19、ドッキング用カ
メラ20が設けられている。
【0012】他の宇宙機11B〜Dの6個の壁面にも、
それぞれ宇宙機11Aと同様の装置が取り付けられ、あ
るいは、設けられている。
【0013】ここで、たとえば宇宙機11Aと宇宙機1
1Dとが合体する方法について図2を参照して説明す
る。図2(a)は宇宙機11Aの壁面116を示し、図
2(b)は宇宙機11Dの壁面115を示している。
【0014】宇宙機11Aは、壁面116に設けられた
ドッキング用カメラ20を用いて、宇宙機11Dの壁面
115のドッキング用ターゲット22を監視し、お互い
の姿勢などを制御しながら、宇宙機11Dに接近する。
その後、宇宙機11Aが宇宙機11Dに接近した際に、
宇宙機11Aは、壁面116に設けた2つのドッキング
用ラッチ機構18で、宇宙機11Dの壁面115に設け
られた2つのドッキング用トラニオン19を把持する。
このとき、宇宙機11Dの壁面115に設けたドッキン
グ用ラッチ機構18が宇宙機11Aの壁面116に設け
られたドッキング用トラニオン19を把持する。また、
宇宙機11Aと宇宙機11Dが分離する場合は、両者の
ドッキング用ラッチ機構18とドッキング用トラニオン
19との結合を開放する。
【0015】他の宇宙機どうしの合体、たとえば宇宙機
11Aと宇宙機11B、宇宙機11Bと宇宙機11C、
宇宙機11Cと宇宙機11Dも、上記した手順で合体
し、分離する。
【0016】上記した構成の宇宙機11A〜11Dは、
保全や点検を必要とする対象機器に向う場合、基地にお
いて、4個の宇宙機11A〜11Dは図1に示すように
合体し、合体した状態で対象機器に向って接近する。そ
の後、宇宙機11A〜11Dが対象機器に接近すると、
たとえば4個の宇宙機11A〜11Dは分離し、分離し
た宇宙機11A〜11Dがそれぞれ分担して点検や保守
などの作業を実施する。作業が完了すると、各宇宙機1
1A〜11Dは合体し、合体した状態で基地に戻ってく
る。
【0017】なお、複数の宇宙機11A〜11Dが合体
する状態では、その1つが親機として機能し、親機によ
って軌道や姿勢が制御され、作業対象である対象機器に
接近する。
【0018】上記したように、各宇宙機11A〜11D
は、それぞれ衛星システムに必要な機能、および、作業
を提供する対象機器に接近する推進機能、他の宇宙機と
の合体や分離に必要なランデブードッキング機能、軌道
上の作業に必要なロボットアーム機能などを有してい
る。また、機能や構造が共通化され、かつ、独立して作
業を提供できる構造になっている。そして、保全や点検
を行う対象機器への接近は、各宇宙機11A〜11Dが
合体した状態で行われる。
【0019】この場合、宇宙機11A〜11Dは、それ
ぞれが他の宇宙機に対し冗長系を形成する。そのため、
1つの宇宙機が故障しても、対象機器に接近することで
き、また、基地に帰還できる。したがって、故障した宇
宙機が宇宙空間に放置されるようなことがなくなる。
【0020】図1では、4個の宇宙機11A〜11Dが
合体した場合を示している。各宇宙機11A〜11Dに
は、たとえば3つの壁面にドッキング機構が設けられて
いる。そのため、4個以上の数の宇宙機を結合させるこ
ともできる。なお、複数の宇宙機が合体する状態では、
親衛星と子衛星間の相互の通信は、結合する壁面の設け
られたコネクタをインタフエースとして情報が交換され
る。
【0021】ここで、宇宙機が分離し、分離した宇宙機
が親衛星あるいは子衛星として機能する場合の管理系統
について図3を参照して説明する。符号31が親衛星、
符号32が子衛星である。この場合、親衛星31が、地
上局33や軌道上サービス基地34と情報を交換し、あ
るいは、データ中継衛星35を介して情報を交換してい
る。そして、対象機器36に対する子衛星32の作業全
体を親衛星31が管理している。なお、宇宙機が親衛星
31と子衛星32との分離している場合は、親衛星31
と子衛星32間の相互の情報交換は、各衛星31、32
に取り付けたアンテナで行われる。
【0022】上記したように、対象機器に作業を提供す
る場合、親衛星の制御によって、各宇宙機が協同で実行
する。このとき、対象機器への作業の提供は親衛星の情
報をもとに子衛星が中心に行い、親衛星は必要に応じて
作業に参加するようにすることもできる。
【0023】なお、複数の宇宙機は同じ機能を有してい
る。したがって、地上局33あるいは軌道上サービス基
地34との位置関係などに応じて、作業時の姿勢を考え
情報交換に適した位置にいる宇宙機を親衛星として機能
させるなど、親衛星として機能する宇宙機を適宜変更す
ることもできる。
【0024】次に、本発明の他の実施形態について図4
を参照して説明する。符号41は、作業の提供を必要と
する対象機器たとえば人工衛星で、人工衛星41の太陽
電池パドル41aが、たとえば分離した2つの子衛星4
2のロボットアーム42aで固定されている。このと
き、子衛星42は、カメラ42bを用いて太陽電池パド
ル41aの位置を監視しながら人工衛星41に接近し、
ロボットアーム42aで太陽電池パドル41aを固定す
る。
【0025】一方、1つの親衛星43と1つの子衛星4
4が合体した状態で、人工衛星41の保守領域Pに対
し、点検や補給、交換などの作業を提供している。この
ように、親衛星43および子衛星42、44が人工衛星
41に提供する作業を分担して実施している。
【0026】この場合、親衛星43が人工衛星41の保
守領域Pの位置や姿勢を認識し、その認識したデータを
分離している子衛星42に提供している。子衛星42
は、親衛星41から提供されるデータを利用し、親衛星
41の位置や姿勢をもとに相対的に制御される。なお、
子衛星42は、作業を提供する人工衛星41の位置や姿
勢情報を親衛星41から受信し、子衛星42と人工衛星
41間の相対的な位置や姿勢関係を制御する構成にする
こともできる。
【0027】次に、本発明の他の実施形態について図5
を参照して説明する。図5は、提供する作業が広い範囲
を必要とする捕獲の場合で、図(a)は、2つの宇宙機
51、52が合体した状態で、対象機器に接近する状態
を示している。2つの宇宙機51、52には、太陽電池
パドル51a、52aやロボットアーム51b、52b
が設けられている。両者が結合する壁面部分に対象機器
を捕獲するための捕獲用ネット(図示せず)が格納さ
れ、捕獲用ネットの両端が宇宙機51、52にそれぞれ
固定されている。この場合も、宇宙機51、52の一方
が親衛星として機能し、他方が子衛星として機能する。
【0028】図(b)は、対象機器に接近して2つの宇
宙機51、52が分離し、捕獲用ネット53を展開した
状態を示している。図(c)は、宇宙機51、52が対
象機器54を捕獲用ネット53で捕獲し、その後、合体
し、捕獲した対象機器54を捕獲用ネット53でくるん
で、基地に曳航する状態を示している。
【0029】上記した構成によれば、複数の宇宙機を合
体した状態で対象機器に接近させ、その後、複数の宇宙
機を分離して作業を提供している。この方法によれば、
有人宇宙往還機を打ち上げる方法に比べ、対象機器の保
全や点検に対し迅速に対応できる。また、作業員を必要
としないため、作業員の危険性を回避でき、細やかな作
業を提供できる。宇宙機を分離して作業を行うため、対
象機器の捕獲など、広範囲な作業にも容易に対応でき
る。また、捕獲作業の場合は、捕獲用ネットなどを用い
れば、対象機器が相対的に回転運動をしている場合や捕
獲する部位を持たない場合でも、対象機器を捕獲でき
る。また、対象機器に向う場合や、基地に戻る場合は、
複数の宇宙機が合体した状態で飛行するため、一部の宇
宙機が故障しても、他の宇宙機が冗長系として機能し、
確実な飛行が可能となる。
【0030】なお、上記の実施形態では、宇宙機の形状
が直方体の場合で説明しているが、宇宙機の形状は直方
体に限らず任意の形状を選ぶことができる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、作業者の危険を少なく
し、迅速で細やかな作業を提供でき、かつ、広範囲の作
業を提供できる宇宙機器への作業提供方法を実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明するための概略の構造
図で、複数の宇宙機が合体した状態を示している。
【図2】本発明の実施形態において複数の宇宙機の合体
方法を説明するための図である。
【図3】本発明の実施形態において複数の宇宙機が分離
している場合の管理系統を説明するための図である。
【図4】本発明の他の実施形態を説明するための概略の
構造図である。
【図5】本発明の他の実施形態を説明するための概略の
構造図である。
【符号の説明】
11A〜11D…宇宙機 111〜116…宇宙機の壁面 12…アンテナ 13…対象機器認識用カメラ 14…ロボットアーム 15…補給物資収納容器 16…ツールボックス 17…推進装置 18…ドッキング用ラッチ機構 19…ドッキング用トラニオン 20…ドッキング用カメラ 21…太陽電池パドル 22…ドッキング用ターゲット

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれが推進機能および通信機能、作
    業提供機能を有し、かつ、互いに合体および分離ができ
    る合体分離機構を有する複数の宇宙機を、作業の提供を
    必要とする対象機器の近くまで飛行させる第1工程と、
    前記対象機器の近くで前記複数の宇宙機を合体分離する
    第2工程と、前記複数の宇宙機が合体分離した状態で前
    記対象機器に対し作業を提供する第3工程とからなる宇
    宙機器への作業提供方法。
  2. 【請求項2】 それぞれが推進機能および通信機能、作
    業提供機能を有し、かつ、互いに合体および分離ができ
    る合体分離機構を有する複数の宇宙機を合体して、作業
    の提供を必要とする対象機器の近くまで飛行させる第1
    工程と、前記対象機器の近くで前記複数の宇宙機の少な
    くとも1つを分離する第2工程と、少なくとも1つの宇
    宙機が分離した状態で前記対象機器に対し作業を提供す
    る第3工程と、前記対象機器への作業の提供が終了した
    後に、分離した宇宙機を合体する第4工程とからなる宇
    宙機器への作業提供方法。
  3. 【請求項3】 複数の宇宙機の1つが親衛星として基地
    局と情報交換を行い、残りの宇宙機が、前記親衛星とし
    て機能する宇宙機によって制御される請求項1または請
    求項2記載の宇宙機器への作業提供方法。
  4. 【請求項4】 それぞれが推進機能および通信機能、作
    業提供機能を有し、かつ、互いに合体および分離ができ
    る合体分離機構を有する複数の宇宙機を合体して、作業
    の提供を必要とする人工衛星の近くまで飛行させる第1
    工程と、前記人工衛星の近くで前記複数の宇宙機の少な
    くとも1つを分離する第2工程と、分離した宇宙機が、
    ロボットアームで前記人工衛星の太陽電池パドルを固定
    する第3工程と、前記分離した宇宙機とは別の宇宙機が
    前記人工衛星に対し作業を提供する第4工程と、前記人
    工衛星への作業の提供が終了した後に、分離した前記宇
    宙機を合体する第5工程とからなる宇宙機器への作業提
    供方法。
  5. 【請求項5】 それぞれが推進機能および通信機能、作
    業提供機能を有し、かつ、互いに合体および分離ができ
    る合体分離機構を有し、捕獲用ネットの一部を固定した
    複数の宇宙機を合体して、捕獲対象である対象機器の近
    くまで飛行させる第1工程と、前記対象機器の近くで前
    記複数の宇宙機の少なくとも1つを分離する第2工程
    と、分離した宇宙機と残った宇宙機との間に展開した前
    記捕獲用ネットで前記対象機器を捕獲する第3工程と、
    前記対象機器を捕獲した後、分離した前記宇宙機を合体
    する第4工程とからなる宇宙機器への作業提供方法。
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