JP2001252262A - Mri差分画像処理方法及びmri装置 - Google Patents

Mri差分画像処理方法及びmri装置

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JP2001252262A
JP2001252262A JP2000068197A JP2000068197A JP2001252262A JP 2001252262 A JP2001252262 A JP 2001252262A JP 2000068197 A JP2000068197 A JP 2000068197A JP 2000068197 A JP2000068197 A JP 2000068197A JP 2001252262 A JP2001252262 A JP 2001252262A
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Shigeru Watabe
滋 渡部
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Hitachi Medical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 差分処理に係る一対の画像の位置ずれに起因
するMRI差分画像のぼけ等の画質低下を改善する。 【解決手段】 被検体の同一領域をMRI装置によって
撮影して得られる撮影時刻が異なる少なくとも一対の画
像11a、11bに係るデータを用い、該データの差分
11cを各画像の位置に対応付けて求め、該差分の分布
パターンの特徴パターン25a,25bに基づいて一対
の画像間の位置ずれ量Δ26を求め、求めた位置ずれ量
に基づいて一対の画像の位置ずれを補正して差分画像1
6を作成することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気共鳴イメージ
ング装置(以下、MRI装置という。)に係り、具体的
には、MRI装置によって時間をずらして撮影した2枚
の画像の差分画像を作成することにより、被検体の特定
の部位を抽出した画像を得る差分画像処理に関する。
【0002】
【従来の技術】MRI装置は、核磁気共鳴(以下、NM
Rという。)現象を利用して、被検体の所望部位の断層
像を得るものである。つまり、被検体を構成する原子核
を励起して原子核スピン(以下、単にスピンという。)
を生じさせ、所望の検査部位のスピンの密度分布、スピ
ンの緩和時間分布等を計測し、その計測データから被検
体の任意断面の画像を再構成して、表示画面などに描画
するようになっている。
【0003】このようなMRI装置には、人体の血流を
表示画面に描画する血管撮影機能であるMRアンジオグ
ラフィ(以下、MRAという。)が備えられている。こ
の血管撮影機能には、造影剤を使用しない方法と、造影
剤を使用する方法とが知られている。
【0004】造影剤を使用しない血管撮影法には、スラ
イス面への流入効果を用いたタイムオブフライト(Time-
of-flight:TOF)法、血流による位相拡散の有無を用
いて差分処理を行うフェイズセンシティブ (Phase-sens
itive:PS)法、血流による位相拡散の極性を反転し、差
分処理を行うフェイズコントラスト(Phase-contrast)
法、の3種類の方法が主に用いられている。これらの方
法については、文献(マグネチック レゾナンス イメ
ージング(Magnetic Resonance Imaging: Stark DD et.
al. edited, The C. V. Mosby Company,pp108-137,198
8))、又は文献(Cerebral MR Angioimaging (脳血管
磁気共鳴画像法)の研究-第1報-福井啓二他、CT研究1
0(2)、1988、第133-142頁)、文献(Magnetic resonance
angiography, Dumoulin CL, et. al. Radiology 161: p
p717-720, 1986)、文献(Simultaneous acquisition of
Phase-contrast angiograms and stationary-tissue w
ith Hadamard encoding of flow-induced phase shift,
Dumoulin CL, et. al. JMagnetic Resonance Imaging
1: pp399-404, 1991)、及び文献(Encoding strategies
for three-direction phase-contrast MR imaging, Dum
oulin CL, et. al. J Magnetic Resonance Imaging 1:
pp405-413,1991)等に詳しく記載されている。
【0005】一方、造影剤を用いる方法としては、Gd-
DTPA等の 縦緩和時間(T1)短縮型の造影剤を用い、
グラジエントエコー系の 繰り返し時間(TR)が短い撮
影シーケンスを組み合わせることが一般的である。すな
わち、一般に、MRI装置においては、同一の領域に対
して高周波磁場による励起を短時間(例えば、数10m
s)で連続的に行うと、その領域の組織に含まれるスピ
ンは飽和状態になり、得られるエコー信号などの磁気共
鳴信号の強度が低いものになる。この点、T1短縮型の
造影剤を含む血流のスピンは、周囲の組織よりも短いT
1を有することから、同じTRでも飽和が起こりにくい
ので、相対的に他の組織よりも強度の高いエコー信号を
発生する。したがって、造影剤を含む血液によって満た
された血管腔内は、他の組織に比べて高いコントラスト
で描画されることになる。これを利用して、造影剤が血
管内に留まっている間に、血管を含む例えば3次元領域
(Volume)のエコー信号計測を行い、得られた3次元画像
を重ね合わせて、後述する投影処理を行うことにより血
流の描画が可能になる。ここで、血管撮影には、上述し
たように、3次元のグラジェントエコー法を基本とする
撮影シーケンスが用いられる。なお、撮影対象が血流で
あるため、グラジェエント・モーメント・ヌリング(Gra
dient Moment Nulling)を用いたフローコンペンセーシ
ョンを付加する場合がある。しかし、これは必須の要件
ではなく、TR/TE短縮のための単純なグラジェント
エコー法を用いることが多い。
【0006】ところで、造影剤を含む血液は高い信号強
度の描画が可能であるが、細い血管を描出する際には、
血管以外の組織とのコントラストを十分に得られない場
合がある。このような場合には、造影剤を含まない血流
の画像と造影剤を含む血流の画像との画像間(以下、造
影前後の画像間という。)で差分処理を行うことによ
り、血管以外の組織を除去することが行われる。これを
3次元撮影に適用した場合は、3D-MR-DSA(Digit
al Subtraction Angiography)などと称されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
造影前後で計測した一対の画像を差分処理して血管等の
特定部位のコントラストを高めようとしても、上記の従
来技術では、被検体が動いた場合について配慮していな
いという問題がある。すなわち、差分処理に係る一対の
画像の血管に位置ずれがあると、差分処理しても、血管
像がぼけたり、細い血管像が消えてしまう問題がある。
また、体表面の脂肪などの強度の高い信号が線状に残っ
て血管像に重なることがあり、差分画像の画質を低下さ
せるという問題がある。
【0008】本発明は、差分処理に係る一対の画像の位
置ずれに起因するMRI差分画像のぼけ等の画質低下を
改善することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のMRI差分画像
処理方法は、被検体の同一領域をMRI装置によって撮
影して得られる撮影時刻が異なる少なくとも一対の画像
に係るデータを用い、該データの差分を前記各画像の位
置に対応付けて求め、前記一対の画像の位置ずれに起因
して前記差分の分布パターンに現れる特徴パターンに基
づいて前記一対の画像間の位置ずれ量を求め、該求めた
位置ずれ量に基づいて前記一対の画像の位置ずれを補正
して差分画像を作成することにより、差分処理に係る一
対の画像の位置ずれに起因するMRI差分画像のぼけ等
の画質低下を改善することを特徴とする。
【0010】すなわち、MRIでは、特定の原子核の密
度分布に基づき、被検体の組織の変わり目や被検体の表
面部などにおいて、計測データの強度が急激に変化す
る。したがって、撮影時刻が異なる一対の画像間で、造
影剤等の影響がない部位の計測データを比較すれば、計
測データの強度が急激に変化する部位は、被検体が動か
なければ両画像間で同一になる。そこで、その一対の画
像の差分画像を求めると、計測データの強度が急激に変
化する部位(特徴部位)であっても、差分はゼロ又はそ
れに近い値になる。しかし、一対の画像間で被検体に動
きがあると、特徴部位近傍の差分はゼロにならないで、
差分分布パターンは特徴を有するパターンになる。この
特徴パターンは、例えば、画素値が急激に変化する部位
がずれている場合、その部位近傍の差分分布パターン
に、正負一対の連続するピークが現れる。その一対のピ
ークの間隔は、画像の位置ずれに対応するので、これを
位置ずれ量として求め、差分画像にかかる一対の画像の
位置ずれを補正することにより、被検体の動き等に伴う
差分画像のぼけなどを改善することができる。
【0011】つまり、特徴パターンとは、被検体の磁化
特性が大きく変化する部位近傍(例えば、体表面の脂肪
など)に対応した位置の差分分布パターンをいう。例え
ば、上述したように、一対の画像に係るデータが画素デ
ータ(画素の輝度などの画素値)のときは、連続する正
負一対のピークの間隔とすることが好ましい。また、一
対の画像に係るデータが、画像の再構成に係る磁気共鳴
の計測データのとき、データの差分は、計測データのう
ちのゼロ位相エンコードデータを一次元フーリエ変換し
て得られる一次元投影データの差分とし、差分の分布パ
ターンの特徴パターンは、正負一対のピークの線幅とす
ることができる。この計測データを用いる場合は、画素
データを用いる場合よりも演算処理量を低減できる。
【0012】上述の差分画像処理方法をMRI装置に適
用することにより、本発明のMRI装置を構成できる。
すなわち、被検体に静磁場を与える静磁場発生手段と、
前記被検体に傾斜磁場を与える傾斜磁場発生手段と、前
記被検体に高周波磁場パルスを照射する高周波磁場パル
ス発生手段と、前記被検体から発生する磁気共鳴信号を
受信する受信手段と、前記受信手段で受信された磁気共
鳴信号に基づいて画像を再構成する画像処理手段と、前
記各手段を制御してMR撮影を実行する制御手段とを備
えてなるMRI装置において、前記制御手段は、前記被
検体の同一領域の撮影時刻が異なる複数の画像を得るM
R撮影を実行し、前記画像処理手段は、撮影時刻が異な
る少なくとも一対の画像に係るデータの差分を前記各画
像の位置に対応付けて求め、前記一対の画像の位置ずれ
に起因して前記差分の分布パターンに現れる特徴パター
ンに基づいて前記一対の画像間の位置ずれ量を求め、該
求めた位置ずれ量に基づいて前記一対の画像の位置ずれ
を補正して差分画像を作成する処理を含むものとする。
【0013】
【実施の形態】以下、図を用いて本発明の実施の形態を
説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係るMRI
差分画像処理の手順を説明する図である。図2は、本発
明が適用される磁気共鳴イメージング(MRI)装置の
一実施形態の全体構成図を示す。図3は、本発明を適用
して造影前後に撮影した三次元画像を用いて差分画像を
作成する手順を説明する図である。
【0014】磁気共鳴イメージング装置は、核磁気共鳴
(NMR)現象を利用して被検体の断層像を撮影するも
ので、図2に示すように、静磁場発生磁石2、傾斜磁場
発生系3、シーケンサ4、送信系5、受信系6、信号処
理系7及び中央処理装置(CPU)8等を備えて構成さ
れる。静磁場発生磁石2は、被検体1が置かれる空間に
均一な静磁場を発生させるものである。その静磁場の方
向は、通常、被検体1の体軸方向又は体軸に直交する方
向である。また、静磁場発生磁石2は、永久磁石、常電
導磁石、あるいは超伝導磁石を用いて形成される。傾斜
磁場発生系3は、直交3軸(X、Y、Z)方向の傾斜磁
場を発生する傾斜磁場コイル9と、その傾斜磁場コイル
9の駆動電流を供給する傾斜磁場電源10を有して構成
されている。傾斜磁場電源10は、シーケンサ4の命令
に従って直交3軸方向の傾斜磁場Gx、Gy、Gzを被
検体1に印加するようになっている。この傾斜磁場の与
え方によって、断層像のスライス面を設定することがで
きる。シーケンサ4はCPU8の制御により動作し、パ
ルスシーケンスと称される撮影シーケンスに従って、傾
斜磁場発生系3、送信系5、受信系6等に命令を送り、
断層像を撮影するのに必要な制御を実行するものであ
る。
【0015】送信系5は、被検体1の生体組織を構成す
る原子核に核磁気共鳴を起こさせる高周波磁場を照射す
るもので、高周波発振器11、変調器12、高周波増幅
器13及び高周波コイル14aを有して構成されてい
る。そして、送信系5は、シーケンサ4の命令に従っ
て、高周波発振器11から出力される高周波パルスを変
調器12で振幅変調し、さらに高周波増幅器13で増幅
した後、高周波コイル14aに供給して高周波磁場パル
スを被検体1に照射するようになっている。
【0016】受信系6は、被検体1の生体組織の原子核
の核磁気共鳴により放出されるエコー信号などの磁気共
鳴信号を検出するもので、受信側の高周波コイル14
b、増幅器15、直交位相検波器16及びa/D変換器
17を有して構成される。高周波コイル14bにより受
波された磁気共鳴信号は増幅器15で増幅され、直交位
相検波器16で検波された後、A/D変換器17でディ
ジタル信号の計測データに変換される。なお、シーケン
サ4の制御によるタイミングで直交位相検波器16によ
り位相を90°ずらしてサンプリングされた二系列の計
測データは、信号処理系7に送られる。
【0017】信号処理系7は、CPU8、磁気ディスク
18及び磁気テープ19等の記録装置、CRTなどのデ
ィスプレイ20を有して構成される。CPU8は、入力
される計測データをフーリエ変換処理を含む画像再構成
処理を行い、任意断面の信号強度分布あるいは所定の処
理をした画像を作成して、ディスプレイ20に断層像と
して表示するようになっている。
【0018】このように構成されるMRI装置によって
本発明に係る差分画像を作成する手順を、図3を用いて
説明する。図3は、造影剤法によって撮影対象の血管を
含む撮像領域の三次元差分画像を作成する手順を示して
いる。造影剤を注入する前に、撮影対象の血管を含む被
検体領域を周知の三次元MRIで計測し、計測データに
基づいて画像を再構成することにより三次元の造影前画
像21aの画素データを収集する。次いで、造影剤を注
入した後、造影剤を含む血液が撮像部位に流れるタイミ
ングに、同一条件及び同一スラブ位置で三次元MRIで
計測して画像を再構成し、三次元の造影後画像21bの
画素データを収集する。なお、図4に、撮像部位の血管
における血流中の造影剤濃度の変化を示す。CPU8
は、得られた一対の造影前画像21aと造影後画像21
bの差分処理22を行い、これに基づいて両画像間の位
置ずれ検出処理23を実行する。そして、検出した位置
ずれ量に基づいて造影前画像21aの画素データの位置
情報を補正し、位置補正された造影前画像24を作成す
る。
【0019】ここで、位置ずれ検出及び位置ずれ補正の
方法を、図1を参照して説明する。まず、同一スライス
面内における位置ずれ検出を説明する。同一スライス面
に係る造影前画像21aと造影後画像21bの差分画像
処理22を行い、それらの差分画像21cを作成する。
そして、差分画像21cの横軸ライン31cに沿った差
分プロファイル32cを求める。なお、これに代えて、
造影前画像21aと造影後画像21bの同一位置のライ
ン31a、31bに沿ったプロファイル32a、32b
の絶対値差分を求めることにより、差分プロファイル3
2cを求めてもよい。なお、プロファイル32a、32
bは、図示のように、ライン31a、31bの位置に対
応した画素値(輝度)である。したがって、差分プロフ
ァイル32cには、プロファイル32a、32bの体表
位置33や組織の縁部に対応する位置にずれがあると、
つまり被検体の動きによる撮像部位の位置ずれがある
と、図示のように、シャ−プな画素値変化が現れる。つ
まり、差分プロファイル32cには、被検体の磁化特性
が大きく変化する部位近傍(例えば、体表面の脂肪な
ど)に対応した位置のパターンに、一対のピークからな
る特徴パターンを認識できる。
【0020】ここで、造影前後において被検体の動きが
なければ、プロファイル32a、32bのプロファイル
は、造影剤の影響がある部分34を除き、本来、信号強
度が等しいからゼロになる。しかし、被検体の動きがあ
るとゼロとならず、特に図示例のように、他の組織に比
べて高い信号強度を有する体表部の脂肪信号などは、差
分をとることにより、体表位置33に対応する両側の部
分に、連続する正負一対のピーク35a、35bが現れ
る。この正負のピーク35a、35bのピーク間隔36
は、比較する両画像の被検体の位置ずれに相当する。そ
こで、差分プロファイル32cからピーク間隔36を位
置ずれ量Δとして求め、これに従って造影前画像21a
(又は、造影後画像21b)を横軸方向のライン31a
(又は、ライン31b)に沿った方向に平行移動して補
正処理23をする。これにより、被検体の動きに起因す
る画像の位置ずれを補正した造影前画像24(又は、造
影後画像)が得られる。次いで、造影後画像21bと補
正後の造影前画像24との差分処理25をすることによ
り、鮮明な血管画像の補正後の差分画像26が得られ
る。因みに、ライン31dに沿った差分プロファイル3
2dは、図示のように血管に対応した部分のみの画素値
が高くなり、高いコントラストの血管画像を描画するこ
とができる。ここで、差分処理は、三次元内のスライス
位置が一致するスライス画像の相互間で、それぞれに、
望ましくは複素差分により行う。同様にして、造影前画
像(又は、造影後画像)について、縦軸方向のラインに
沿って位置ずれを検出して補正し、補正した画像に基づ
いて差分画像を作成することにより、二次元の鮮明な血
管画像を描画することができる。
【0021】上述したように、スライス方向の位置ずれ
はほとんど問題とする必要はないが、図5にスライス方
向の位置ずれ補正法を示す。三次元の造影前画像21a
のデータと三次元の造影後画像21bの差分処理35を
行い、差分三次元画像データ36を作成する。そして、
各スライスの同一ライン位置における面データ37を切
りだし、スライス方向に沿ったライン38における差分
プロファイル39を求める。そして、二次元の場合と同
様に、連続する正負一対のピーク40a、40bのピー
ク間隔を位置ずれ量Δとして求め、スライス方向の画像
の位置を補正する。
【0022】このようにして得られた三次元血管画像の
セットに対して、投影処理をすることにより投影MRA
像を得ることができ、これをディスプレイ20に表示す
ることにより、被検体の動きにより組織周辺の残差や血
管のぼけを低減した良好な投影画像を表示できる。ここ
で、投影処理法については、後述の周知のMIP処理あ
るいはボリュームレンダリングのような擬似的三次元表
示処理を用いることができる。
【0023】なお、被検体の動きには回転運動なども考
えられるが、本実施形態で説明したように、検出した位
置ずれ量Δによる位置ずれを、造影前画像21aの位置
を平行に移動して補正するだけでも、大幅なアーチファ
クトを低減できるので、実用上の支障はない。特に、造
影MRAでは冠状断面を用いた撮像が多く、天板の上に
仰臥する被検体の動きは、呼吸性のものを除き天板上を
横方向に移動するものが多い。したがって、平行移動に
よる位置補正で、十分な効果を得ることができる。
【0024】また、本実施形態の位置ずれ補正法によれ
ば、造影後の血管を位置ずれとして誤認し、位置ずれ量
の算出に用いることはない。その理由は、造影前の血管
が無信号状態であるため、ずれが発生していても、差分
プロファイルの分布には正負一対のピークが現れないか
らである。その結果、大小さまざまな血管があっても、
これらを差として検出することはない。
【0025】また、本実施形態の説明では、位置ずれ量
の算出にピーク間隔を用いたが、これに代えて、ピーク
部分の線幅(半値幅など)を位置ずれ量として用いるこ
とができる。このピークの認識は、差分前画像の画素値
の最大値を基準に、一定の比率(例えば、30%)以上の
画素値を有するものを検出することで可能である。ま
た、ピーク間隔やピークの線幅は、位置に応じて何らか
の「ゆらぎ」を有することから、統計的な処理によりそ
れぞれの変数に対する頻度分布から求められる最頻値、
中央値、平均値などを用いることが好ましい。
【0026】ここで、血管像の撮像及びその投影画像を
得る具体的な方法を、公知の処理法を用いて説明する。
生体内の血液循環システムは、心臓から拍出された血液
が動脈から生体内の各組織を巡り、静脈を介して心臓
(右心房→右心室)→肺→心臓(左心房→左心室)へと循
環する。したがって、肘の静脈から造影剤を注入する
と、心臓から拍出される造影剤により、最初は動脈系が
造影され、次に毛細血管を介して静脈系が造影される。
また、病態の臨床診断においては、動脈系だけでなく、
静脈系の描画が必要な場合がある。したがって、造影M
RAの計測を、複数のフェイズに亘って連続的に行うこ
とが望ましい場合がある。このような撮影法を、ダイナ
ミックMRAと呼んでいる。造影MRAの詳細について
は、文献(3DContrast MR Angiography 2nd.edition: Pr
ince MR. Grist TM and Debatin LF,Springer, pp3-39,
1988)に記載されている。特に、3D-MR-DSAは、
同文献のpp16-19に詳しい。
【0027】上述した血管撮影(MRA)のいずれの手
法を用いても、三次元の血管データを取得することがで
きる。当然、二次元データの取得も可能であるが、三次
元データを取得することにより、広範囲でかつ高分解能
の情報を得ることができる。三次元画像データは、血管
をそれぞれ部分的に含む複数枚の二次元画像の集合であ
るから、それぞれの二次元画像データは、薄いスライス
の画像データである。そのため、一本の血管は、いくつ
かのスライスに分かれて映像化されており、このままで
は血管の走行状態や形状を把握することは困難である。
そこで、MRAの三次元画像データから、投影手法を用
いて、X線血管造影像やDSA(Digital Subtraction
Angiography)と同様の投影血管像を作成することが行
われている。
【0028】次に、血管投影の手法について説明する。
MRAでは、三次元データが取得されているので、後処
理によって見る方向を変えて投影像を作成できる。この
点、X線血管造影法で得られるのは、二次元の投影画像
1枚である。図6に、血管の一部分をそれぞれ部分的に
含む連続した多数枚の二次元画像から投影像を得る方法
を示す。三次元血管データDbが得られているので、投
影の方向は任意の方向でよい。一般には、冠状断、矢状
断、軸横断の方向に投影する。しかし、血管の前後関係
など、奥行きの知覚を得るには、ある軸を中心とした回
転、例えば±45°程度の角度のついた投影から、5°
〜10°おきに投影像を作成し、それらを動画像として
表示すると、血管の構造を認識するのが容易である。図
示例では、0°、45°、90°の投影角度により、血
管画像B1、B2をそれぞれ投影して、投影像Ii,I
m,Inを得ている。ここで、投影像を作成する際、あ
る視点から三次元のデータを投影するのに、光線軌跡法
(ray tracing)を用いる。つまり、視点から投影面まで
に1つの光軸を設けたとき、その光軸上にある血管の候
補は、背景となるノイズよりも信号値が高いとみなせる
から、ある光軸上にある信号値の最大なものは、血管で
ある可能性が非常に高い。そこで、その最大値だけで1
枚の投影像を作成すれば、血管像が得られる。この方法
は、最大値投影法と呼ばれ、最も多く用いられている。
また、最大値投影法は、投影線上の画素値を加算する方
法に比べ、ノイズの影響を受けにくいという特徴があ
る。このような投影手法を用いて複数の投影角の画像を
作成すれば、人体血管を立体的に観察できる。
【0029】図7に、本発明の差分画像処理に係る他の
実施形態の手順を示す。図1の実施形態と異なる点は、
位置ずれ検出の方法が異なることにある。図1では、画
素データの分布プロファイルの特徴パターンである正負
一対のピークを用いて位置ずれ量Δを検出した。これに
対し、図7の実施形態では、フーリエ変換する前の計測
データのゼロ位相エンコードデータを1次元フーリエ変
換してプロジェクションデータを求め、造影前計測デー
タ41と造影後計測データ42に対応する2つのプロジ
ェクションデータ43,44の差分を求め、その差分プ
ロジェクションデータ45の特徴パターンに基づいて位
置ずれ量Δを求めている。図示のように、この場合も、
体表部の組織の急激な変化に起因して、位置ずれがある
と差分プロジェクションデータに正負一対のピークが現
れる。本例の場合は、正負一対のピークが連続していな
いが、差分プロジェクションデータ45の分布の両側に
正負一対のピーク46a、46bが現れる。これを差分
プロジェクションデータ45の特徴パターンとし、その
ピーク46a、46bの線幅(例えば、半値幅)を位置
ずれ量Δとして検出することにより、前記実施形態と同
様に、被検体の動きによる画像の位置ずれを補正するこ
とができる。つまり、周波数エンコード方向に対して最
も外側に位置する部分の変化に着目して、位置ずれ量を
求めている。
【0030】本実施形態によれば、計測データのゼロ位
相エンコードデータを1次元フーリエ変換してプロジェ
クションデータに基づいて位置ずれ量を検出できること
から、図1実施形態に比べて演算処理量を減らすことが
できる。
【0031】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、差
分処理に係る一対の画像の位置ずれに起因するMRI差
分画像のぼけ等の画質低下を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るMRI差分画像処理手順の一実施
の形態を説明する図である。
【図2】本発明が適用される磁気共鳴イメージング装置
の一実施形態の全体構成図を示す。
【図3】造影前後に撮影した三次元画像を用いて差分画
像を作成する手順の一実施の形態を説明する図である。
【図4】撮像部位の血管における血流中の造影剤濃度の
時間変化を示す図である。
【図5】スライス方向の位置ずれ補正法を説明する図で
ある。
【図6】血管の一部分をそれぞれ部分的に含む連続した
多数枚の二次元画像から投影像を得る方法を説明する図
である。
【図7】本発明に係るMRI差分画像処理手順の他の実
施の形態を説明する図である。
【符号の説明】
21a 造影前画像 21b 造影後画像 21c 差分画像 24 補正後の造影前画像 26 補正後の差分画像 32a プロファイル 32b プロファイル 32c 差分プロファイル 35a、40a、46a 正ピーク 35b、40b、46b 負ピーク 41 造影前計測データ 42 造影後計測データ 43 プロジェクションデータ 44 プロジェクションデータ 45 差分プロジェクションデータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体の同一領域をMRI装置によって
    撮影して得られる撮影時刻が異なる少なくとも一対の画
    像に係るデータを用い、該データの差分を前記各画像の
    位置に対応付けて求め、前記一対の画像の位置ずれに起
    因して前記差分の分布パターンに現れる特徴パターンに
    基づいて前記一対の画像間の位置ずれ量を求め、該求め
    た位置ずれ量に基づいて前記一対の画像の位置ずれを補
    正して差分画像を作成することを含んでなるMRI差分
    画像処理方法。
  2. 【請求項2】 被検体に静磁場を与える静磁場発生手段
    と、前記被検体に傾斜磁場を与える傾斜磁場発生手段
    と、前記被検体に高周波磁場パルスを照射する高周波磁
    場パルス発生手段と、前記被検体から発生する磁気共鳴
    信号を受信する受信手段と、前記受信手段で受信された
    磁気共鳴信号に基づいて画像を再構成する画像処理手段
    と、前記各手段を制御してMR撮影を実行する制御手段
    とを備えてなるMRI装置において、 前記制御手段は、前記被検体の同一領域の撮影時刻が異
    なる複数の画像を得るMR撮影を実行し、 前記画像処理手段は、撮影時刻が異なる少なくとも一対
    の画像に係るデータの差分を前記各画像の位置に対応付
    けて求め、前記一対の画像の位置ずれに起因して前記差
    分の分布パターンに現れる特徴パターンに基づいて前記
    一対の画像間の位置ずれ量を求め、該求めた位置ずれ量
    に基づいて前記一対の画像の位置ずれを補正して差分画
    像を作成する処理を含むことを特徴とするMRI装置。
  3. 【請求項3】 前記データは、前記画像の画素データで
    あり、 前記特徴パターンは、連続する正負一対のピークであ
    り、該一対のピークの間隔を前記位置ずれ量とすること
    を特徴とする請求項2に記載のMRI装置。
  4. 【請求項4】 前記データは、前記画像の再構成に係る
    磁気共鳴の計測データであり、 前記データの差分は、前記計測データのうちのゼロ位相
    エンコードデータを一次元フーリエ変換して得られる一
    次元投影データの差分であり、 前記特徴パターンは、正負一対のピークであり、該ピー
    クの線幅を前記位置ずれ量とすることを特徴とする請求
    項2に記載のMRI装置。
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